(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】ダイおよびダイプレート
(51)【国際特許分類】
B21D 37/01 20060101AFI20230418BHJP
B21D 37/02 20060101ALI20230418BHJP
B30B 15/02 20060101ALI20230418BHJP
【FI】
B21D37/01
B21D37/02 Z
B30B15/02 M
(21)【出願番号】P 2020219538
(22)【出願日】2020-12-28
【審査請求日】2021-12-20
(73)【特許権者】
【識別番号】390000608
【氏名又は名称】三星ダイヤモンド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087985
【氏名又は名称】福井 宏司
(72)【発明者】
【氏名】平栗 陽輔
(72)【発明者】
【氏名】井上 啓一
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 規幸
【審査官】石川 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-295069(JP,A)
【文献】特開2011-136348(JP,A)
【文献】特開平08-258032(JP,A)
【文献】特表2007-500609(JP,A)
【文献】特開平04-167935(JP,A)
【文献】実開昭56-126927(JP,U)
【文献】特表2000-505362(JP,A)
【文献】国際公開第2019/198503(WO,A1)
【文献】特開2003-191029(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21D 37/01
B21D 37/02
B21D 28/00-28/34
B30B 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイヤモンド焼結体と、
一体型の構造と、
側面とを含み、
前記側面は傾斜面を含
み、
ダイプレートのプレート本体の凹部に前記凹部の側面開口部を介して圧入される、
ダイ。
【請求項2】
接着剤が配置される接着剤配置部をさらに含む
請求項1に記載のダイ。
【請求項3】
プレート本体と、
前記プレート本体に圧入されるダイとを含み、
前記ダイはダイヤモンド焼結体と、一体型の構造とを含
み、
前記プレート本体は、前記ダイが挿入される側面開口部を有する凹部を含む
ダイプレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はダイおよびダイプレートに関する。
【背景技術】
【0002】
プレス機械はダイプレートを備える。ダイプレートはダイを備える。特許文献1には、従来の割型のダイの一例が示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
割型のダイでは、ダイを構成する要素同士が接合される場合に組み付け誤差が生じるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に関するダイはダイヤモンド焼結体と、一体型の構造と、側面とを含み、前記側面は傾斜面を含み、ダイプレートのプレート本体の凹部に前記凹部の側面開口部を介して圧入される。
【0006】
一体型の構造を含むため、プレス加工の精度の向上に貢献できる。ダイがプレート本体に圧入されるため、ダイがプレート本体に強く固定される。
【0007】
前記ダイの一例では、接着剤が配置される接着剤配置部をさらに含む。
【0008】
接着剤配置部に配置される接着剤により、ダイがプレート本体に強く接合される。
【0009】
本発明に関するダイプレートはプレート本体と、前記プレート本体に圧入されるダイとを含み、前記ダイはダイヤモンド焼結体と、一体型の構造とを含み、前記プレート本体は、前記ダイが挿入される側面開口部を有する凹部を含む。
【0010】
ダイが一体型の構造を含むため、プレス加工の精度の向上に貢献できる。ダイがプレート本体に圧入されるため、ダイがプレート本体に強く固定される。
【発明の効果】
【0011】
本発明に関するダイおよびダイプレートによれば、プレス加工の精度の向上に貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図15】第1凹部および第1ダイに関するダイプレートの断面図。
【
図16】第2凹部および第2ダイに関するダイプレートの断面図。
【
図17】第3凹部および第3ダイに関するダイプレートの断面図。
【
図19】接着剤が配置される前の第1接着固定部の断面図。
【
図20】接着剤が配置された後の第1接着固定部の断面図。
【
図21】接着剤が配置される前の第2接着固定部の断面図。
【
図22】接着剤が配置された後の第2接着固定部の断面図。
【
図23】第2基準面と凹部の側面との関係を示す図。
【
図24】第2基準面とダイの側面との関係を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(第1実施形態)
図1~
図4はダイプレート10の一例を示す。
ダイプレート10はプレス機械のプレス金型に組み込まれる。
【0014】
ダイプレート10は例えば、一般部品の製造に対応する構造、または、精密部品の製造に対応する構造を含む。精密部品の寸法公差は一般部品の寸法公差よりも小さい。
【0015】
精密部品の例として、半導体パッケージのリードフレーム等の治具、および、半導体パッケージのリードフレーム等の金型が挙げられる。
【0016】
ダイプレート10には例えば、第1横方向、第2横方向、第1縦方向、第2縦方向、第1高さ方向、および、第2高さ方向が規定される。
【0017】
第1横方向は第2横方向とは反対の方向である。
第1縦方向は第2縦方向とは反対の方向である。
第1高さ方向は第2高さ方向とは反対の方向である。
【0018】
横方向は第1横方向および第2横方向を総称する。
縦方向は第1縦方向および第2縦方向を総称する。
高さ方向は第1高さ方向および第2高さ方向を総称する。
【0019】
横方向はX軸に平行である。
縦方向はY軸に平行である。
高さ方向はZ軸に平行である。
【0020】
X軸およびY軸は第1基準面を規定する。
X軸およびZ軸は第2基準面を規定する。
Y軸およびZ軸は第3基準面を規定する。
【0021】
ダイプレート10は1または複数のプレート本体100、および、1または複数のダイ300を含む。
【0022】
図示される例では、ダイプレート10は1つのプレート本体100、および、複数のダイ300を含む。
【0023】
プレート本体100はダイプレート10の本体を構成する。
プレート本体100は例えば柱体である。
プレート本体100はプレス金型の下型に固定される。
プレート本体100の素材の例として、超硬合金、焼入鋼等の鉄系材料が挙げられる。
【0024】
プレート本体100はダイ配置部200を含む。
ダイ配置部200は1または複数のダイ300を配置できるように構成される。
【0025】
プレート本体100の表面110は複数の面を含む。
表面110は例えば、頂面111、底面112、および、側面113を含む。
【0026】
図示される例では、表面110は複数の頂面111を含む。
複数の頂面111は第1頂面111A、第2頂面111B、第3頂面111C、および、第4頂面111Dを含む。頂面111は各頂面111A~111Dを総称する。
【0027】
各頂面111A~111Dは間隔を空けて横方向に並ぶ。
第1頂面111Aは第2頂面111Bに対して第1横方向に位置する。
第2頂面111Bは第3頂面111Cに対して第1横方向に位置する。
第3頂面111Cは第4頂面111Dに対して第1横方向に位置する。
【0028】
頂面111は第1高さ方向を向く。
ダイプレート10がプレス金型に組み込まれた状態では、頂面111はプレス金型の上型を向く。
頂面111は平面である。
頂面111は第1基準面に平行である。
【0029】
底面112は第2高さ方向を向く。
ダイプレート10がプレス金型に組み込まれた状態では、底面112はプレス金型の下型を向く。
底面112は平面である。
底面112の平行面は第1基準面に平行である。
【0030】
図示される例では、表面110は複数の側面113を含む。
複数の側面113は第1側面113A、第2側面113B、第3側面113C、および、第4側面113Dを含む。側面113は各側面113A~113Dを総称する。
【0031】
側面113は横方向または縦方向を向く。
側面113は頂面111および底面112に繋がる。
側面113は平面である。
側面113は第2基準面または第3基準面に平行である。
【0032】
第1側面113Aは頂面111および底面112に対して第1縦方向に位置する。
第1側面113Aは第2基準面に平行である。
【0033】
第2側面113Bは頂面111および底面112に対して第2縦方向に位置する。
第2側面113Bは第2基準面に平行である。
【0034】
第3側面113Cは頂面111および底面112に対して第1横方向に位置する。
第3側面113Cは第3基準面に平行である。
【0035】
第4側面113Dは頂面111および底面112に対して第2横方向に位置する。
第4側面113Dは第3基準面に平行である。
【0036】
プレート本体100は例えば、1または複数の貫通部120を含む。
図示される例では、プレート本体100は複数の貫通部120を含む。
【0037】
複数の貫通部120は第1貫通部120A、第2貫通部120B、および、第3貫通部120Cを含む。貫通部120は各貫通部120A~120Cを総称する。
【0038】
各貫通部120A~120Cは間隔を空けて横方向に並ぶ。
第1貫通部120Aは第2貫通部120Bに対して第1横方向に位置する。
第2貫通部120Bは第3貫通部120Cに対して第1横方向に位置する。
【0039】
貫通部120は内周面121および貫通穴122を含む。
内周面121は貫通穴122を規定する。
貫通穴122は例えば、被加工物のスラグが通過できるように設けられる。
貫通穴122の中心軸は例えば高さ方向に平行である。
【0040】
貫通穴122は第1開口部122Aおよび第2開口部122Bを含む。
第1開口部122Aはダイ配置部200に開口する。
第2開口部122Bはプレート本体100の底面112に開口する。
【0041】
プレート本体100は例えば、複数の区画部130を含む。
複数の区画部130は第1区画部130A、第2区画部130B、第3区画部130C、および、第4区画部130Dを含む。区画部130は各区画部130A~130Dを総称する。
【0042】
各区画部130A~130Dは間隔を空けて横方向に並ぶ。
第1区画部130Aは第2区画部130Bに対して第1横方向に位置する。
第2区画部130Bは第3区画部130Cに対して第1横方向に位置する。
第3区画部130Cは第4区画部130Dに対して第1横方向に位置する。
【0043】
第1区画部130Aは第1頂面111Aを含む。
第2区画部130Bは第2頂面111Bを含む。
第3区画部130Cは第3頂面111Cを含む。
第4区画部130Dは第4頂面111Dを含む。
【0044】
ダイ配置部200は例えば、1または複数の凹部210を含む。
図示される例では、ダイ配置部200は複数の凹部210を含む。
複数の凹部210は第1凹部210A、第2凹部210B、および、第3凹部210Cを含む。凹部210は各凹部210A~210Cを総称する。
【0045】
各凹部210A~210Cは間隔を空けて横方向に並ぶ。
第1凹部210Aは第2凹部210Bに対して第1横方向に位置する。
第2凹部210Bは第3凹部210Cに対して第1横方向に位置する。
【0046】
第1凹部210Aは第1区画部130Aと第2区画部130Bとの間に設けられる。
第1凹部210Aは第1貫通部120Aに対応するように設けられる。
第1凹部210Aは第1貫通部120Aに対して第1高さ方向に位置する。
【0047】
第2凹部210Bは第2区画部130Bと第3区画部130Cとの間に設けられる。
第2凹部210Bは第2貫通部120Bに対応するように設けられる。
第2凹部210Bは第2貫通部120Bに対して第1高さ方向に位置する。
【0048】
第3凹部210Cは第3区画部130Cと第4区画部130Dとの間に設けられる。
第3凹部210Cは第3貫通部120Cに対応するように設けられる。
第3凹部210Cは第3貫通部120Cに対して第1高さ方向に位置する。
【0049】
図5はプレート本体100の平面視を示す。
図6~
図8は第2基準面に平行なプレート本体100の断面を示す。
【0050】
凹部210は配置空間220、凹面230、および、開口部240を含む。
配置空間220はダイ300を配置できるように設けられる。
凹面230は配置空間220を規定する。
【0051】
凹面230は例えば、底面231および複数の側面232を含む。
底面231は配置空間220に対して第2高さ方向に位置する。
側面232は配置空間220に対して横方向に位置する。
【0052】
底面231は平面である。
底面231は第1基準面に平行である。
貫通部120の第1開口部122Aは底面231に開口する。
【0053】
図6~
図8に示される例では、複数の側面232は第1側面232Aおよび第2側面232Bを含む。側面232は各側面232A、232Bを総称する。
【0054】
側面232の構成の例として、第1~第3側面構成が挙げられる。
第1側面構成では、側面232は平行面を含み、傾斜面を含まない。
第2側面構成では、側面232は傾斜面を含み、平行面を含まない。
第3側面構成では、側面232は平行面および傾斜面を含む。
【0055】
第1側面構成は例えば以下の構成を含む。
平行面は平面である。
平行面は第3基準面に平行である。
平行面はプレート本体100の頂面111および凹部210の底面231に繋がる。
【0056】
第2側面構成は例えば以下の構成を含む。
傾斜面は平面である。
傾斜面は第3基準面に交差する。
傾斜面はプレート本体100の頂面111および凹部210の底面231に繋がる。
【0057】
第3側面構成は例えば以下の構成を含む。
平行面は平面である。
平行面は第3基準面に平行である。
平行面は凹部210の底面231に繋がる。
【0058】
傾斜面は平面である。
傾斜面は第3基準面に交差する。
傾斜面はプレート本体100の頂面111に繋がる。
【0059】
一例では、各側面232A、232Bは第1~第3側面構成のいずれかを含む。
各側面232A、232Bに含まれる側面構成の関係について例示する。
【0060】
第1例では、第1側面232Aは第2側面232Bと同じ側面構成を含む。
第2例では、第1側面232Aは第2側面232Bとは異なる側面構成を含む。
【0061】
図6~
図8に示される例では、第1側面232Aは第2側面構成を含む。
第1側面232Aは配置空間220に対して第1横方向に位置する。
【0062】
第1側面232Aは傾斜面Pを含む。
第1側面232Aの傾斜面Pは第2高さ方向から第1高さ方向に向けて、横方向に関する凹部210の中心に向かうように傾斜する。
【0063】
第1側面232Aの傾斜面Pは縦方向に平行な第1辺および第2辺を含む。
第1辺は高さ方向に関する第1側面232Aの中心に対して第1高さ方向に位置する。
第2辺は高さ方向に関する第1側面232Aの中心に対して第2高さ方向に位置する。
第1辺は第2辺に対して、横方向に関する凹部210の中心に近い。
【0064】
図6~
図8に示される例では、第2側面232Bは第2側面構成を含む。
第2側面232Bは配置空間220に対して第2横方向に位置する。
【0065】
第2側面232Bは傾斜面Pを含む。
第2側面232Bの傾斜面Pは第2高さ方向から第1高さ方向に向けて、横方向に関する凹部210の中心に向かうように傾斜する。
【0066】
第2側面232Bの傾斜面Pは縦方向に平行な第1辺および第2辺を含む。
第1辺は高さ方向に関する第2側面232Bの中心に対して第1高さ方向に位置する。
第2辺は高さ方向に関する第2側面232Bの中心に対して第2高さ方向に位置する。
第1辺は第2辺に対して、横方向に関する凹部210の中心に近い。
【0067】
各側面232A、232Bに第2側面構成または第3側面構成が含まれる例では、凹部210はあり溝を構成する。
【0068】
開口部240は配置空間220に繋がる。
開口部240はプレート本体100の表面110に開口する。
開口部240は例えば、頂面開口部241および側面開口部242を含む。
頂面開口部241はプレート本体100の頂面111に開口する。
【0069】
図示される例では、開口部240は複数の側面開口部242を含む。
複数の側面開口部242は第1側面開口部242Aおよび第2側面開口部242Bを含む。
【0070】
第1側面開口部242Aはプレート本体100の第1側面113Aに開口する。
第2側面開口部242Bはプレート本体100の第2側面113Bに開口する。
【0071】
凹部210は第1側面開口部242Aまたは第2側面開口部242Bを介して配置空間220にダイ300を挿入できるように構成される。
【0072】
図1に示される例では、複数のダイ300は第1ダイ300A、第2ダイ300B、および、第3ダイ300Cを含む。ダイ300は各ダイ300A~300Cを総称する。
【0073】
各ダイ300A~300Cは間隔を空けて横方向に並ぶ。
第1ダイ300Aは第1凹部210Aに配置される。
第2ダイ300Bは第2凹部210Bに配置される。
第3ダイ300Cは第3凹部210Cに配置される。
【0074】
図9は第1ダイ300Aの平面視を示す。
図10は第1ダイ300Aの側面視を示す。
図11は第2ダイ300Bの平面視を示す。
図12は第2ダイ300Bの側面視を示す。
図13は第3ダイ300Cの平面視を示す。
図14は第3ダイ300Cの側面視を示す。
【0075】
ダイ300はダイヤモンド焼結体を含む。
図示される例では、ダイ300のうちの頂面311を含む一部はダイヤモンド焼結体により構成される。
他の例では、ダイ300の全体はダイヤモンド焼結体により構成される。
【0076】
ダイ300は一体型の構造を含む。
ダイ300に関する一体型の構造は、従来のダイに関する割型の構造とは異なる。割型の構造を含むダイは、複数の要素が接合されることにより構成される。割型の構造を含むダイは要素同士が接合された接合部を含む。一体型の構造を含むダイ300は割型のダイに含まれる接合部を含まない。
【0077】
ダイ300の形状は例えば板である。
ダイ300の表面310は例えば、頂面311、底面312、および、側面313を含む。
【0078】
頂面311は第1高さ方向を向く。
ダイ300がダイ配置部200に配置された状態では、頂面311はプレス金型の上型を向く。
【0079】
底面312は第2高さ方向を向く。
ダイ300がダイ配置部200に配置された状態では、底面312はプレス金型の下型を向く。
【0080】
側面313は横方向または縦方向を向く。
側面313は頂面311および底面312に繋がる。
【0081】
図示される例では、ダイ300の表面310は複数の側面313を含む。
複数の側面313は第1側面313A、第2側面313B、第3側面313C、および、第4側面313Dを含む。側面313は各側面313A~313Dを総称する。
【0082】
側面313の構成の例として、第1~第3側面構成が挙げられる。
第1側面構成では、側面313は平行面を含み、傾斜面を含まない。
第2側面構成では、側面313は傾斜面を含み、平行面を含まない。
第3側面構成では、側面313は平行面および傾斜面を含む。
【0083】
第1側面構成は例えば以下の構成を含む。
側面313の平行面は平面である。
側面313の平行面は第2基準面または第3基準面に平行である。
側面313の平行面はダイ300の頂面311および底面312に繋がる。
【0084】
第2側面構成は例えば以下の構成を含む。
側面313の傾斜面は平面である。
側面313の傾斜面は第2基準面または第3基準面に交差する。
側面313の傾斜面はダイ300の頂面311および底面312に繋がる。
【0085】
第3側面構成は以下の構成を含む。
側面313の平行面は平面である。
側面313の平行面は第2基準面または第3基準面に平行である。
側面313の平行面はダイ300の底面312に繋がる。
【0086】
側面313の傾斜面は平面である。
側面313の傾斜面は第2基準面または第3基準面に交差する。
側面313の傾斜面はダイ300の頂面311に繋がる。
【0087】
一例では、各側面313A~313Dは第1~第3側面構成のいずれかを含む。
各側面313A~313Dに含まれる側面構成の関係について例示する。
【0088】
第1例では、第1側面313Aは第2側面313Bと同じ側面構成を含む。
第2例では、第1側面313Aは第2側面313Bとは異なる側面構成を含む。
第3例では、第3側面313Cは第4側面313Dと同じ側面構成を含む。
第4例では、第3側面313Cは第4側面313Dとは異なる側面構成を含む。
【0089】
第5例では、各側面313A、313Bは第1例および第2例の一方を含む。各側面313C、313Dは第3例および第4例の一方を含む。
第5例は例えば次の例5A~例5Cを含む。
【0090】
例5Aでは、第1側面313Aおよび第2側面313Bは第3側面313Cおよび第4側面313Dの少なくとも一方と同じ側面構成を含む。
【0091】
例5Bでは、第1側面313Aは第3側面313Cおよび第4側面313Dの少なくとも一方と同じ側面構成を含む。第2側面313Bは第1側面313Aとは異なる側面構成を含む。
【0092】
例5Cでは、第2側面313Bは第3側面313Cおよび第4側面313Dの少なくとも一方と同じ側面構成を含む。第1側面313Aは第2側面313Bとは異なる側面構成を含む。
【0093】
図示される例では、第1側面313Aは第1側面構成を含む。
第1側面313Aは頂面311および底面312に対して第1縦方向に位置する。
第1側面313Aは平行面Q1を含む。
第1側面313Aの平行面Q1は第2基準面に平行である。
【0094】
図示される例では、第2側面313Bは第1側面構成を含む。
第2側面313Bは頂面311および底面312に対して第2縦方向に位置する。
第2側面313Bは平行面Q1を含む。
第2側面313Bの平行面Q1は第2基準面に平行である。
【0095】
図示される例では、第3側面313Cは第2側面構成を含む。
第3側面313Cは頂面311および底面312に対して第1横方向に位置する。
【0096】
第3側面313Cは傾斜面Q2を含む。
第3側面313Cの傾斜面Q2は第2高さ方向から第1高さ方向に向けて、横方向に関するダイ300の中心に向かうように傾斜する。
【0097】
第3側面313Cの傾斜面Q2は縦方向に平行な第1辺および第2辺を含む。
第1辺は高さ方向に関する第3側面313Cの中心に対して第1高さ方向に位置する。
第2辺は高さ方向に関する第3側面313Cの中心に対して第2高さ方向に位置する。
第1辺は第2辺に対して、横方向に関するダイ300の中心に近い。
【0098】
図示される例では、第4側面313Dは第2側面構成を含む。
第4側面313Dは頂面311および底面312に対して第2横方向に位置する。
【0099】
第4側面313Dは傾斜面Q2を含む。
第4側面313Dは第2高さ方向から第1高さ方向に向けて、横方向に関するダイ300の中心に向かうように傾斜する。
【0100】
第4側面313Dの傾斜面Q2は縦方向に平行な第1辺および第2辺を含む。
第1辺は高さ方向に関する第4側面313Dの中心に対して第1高さ方向に位置する。
第2辺は高さ方向に関する第4側面313Dの中心に対して第2高さ方向に位置する。
第1辺は第2辺に対して、横方向に関するダイ300の中心に近い。
【0101】
ダイ300は縦方向に関する端部である縦端部320、および、横方向に関する端部である横端部330を含む。
【0102】
縦端部320は第1縦端部320Aおよび第2縦端部320Bを含む。
第1縦端部320Aは縦方向に関するダイ300の中心に対して、第1縦方向に位置する。
第2縦端部320Bは縦方向に関するダイ300の中心に対して、第2縦方向に位置する。
【0103】
横端部330は第1横端部330Aおよび第2横端部330Bを含む。
第1横端部330Aは横方向に関するダイ300の中心に対して、第1横方向に位置する。
第2横端部330Bは横方向に関するダイ300の中心に対して、第2横方向に位置する。
【0104】
ダイ300はダイヤ層XAおよび超硬合金層XBを含む。ダイヤ層XAはダイヤモンド焼結体により構成される。
図10、
図12、
図14等に記載される破線はダイヤ層XAと超硬合金層XBとの境界を示す。
【0105】
ダイヤ層XAは超硬合金層XBに対して第1高さ方向に位置する。
ダイヤ層XAは頂面311および側面313の一部を含む。
超硬合金層XBは底面312および側面313の一部を含む。
【0106】
ダイ300は例えば、1または複数の貫通部340を含む。
貫通部340は内周面341および貫通穴342を含む。
内周面341は貫通穴342を規定する。
【0107】
貫通穴342はダイヤ層XAおよび超硬合金層XBを貫通する。
貫通穴342はプレス金型のパンチを挿入できるように設けられる。
【0108】
各ダイ300A~300Cの貫通穴342の構成について例示する。
【0109】
第1例では、第1ダイ300Aに設けられる少なくとも1つの貫通穴342の形状は、第2ダイ300Bの貫通穴342の形状、および、第3ダイ300Cの貫通穴342の形状とは異なる。
【0110】
第2例では、第2ダイ300Bに設けられる少なくとも1つの貫通穴342の形状は、第1ダイ300Aの貫通穴342の形状、および、第3ダイ300Cの貫通穴342の形状とは異なる。
【0111】
第3例では、第3ダイ300Cに設けられる少なくとも1つの貫通穴342の形状は、第1ダイ300Aの貫通穴342の形状、および、第2ダイ300Bの貫通穴342の形状とは異なる。
【0112】
第4例では、第1ダイ300Aに設けられる少なくとも1つの貫通穴342の形状は、第2ダイ300Bの貫通穴342の形状、および、第3ダイ300Cの貫通穴342の形状のうちの少なくとも1つと同じである。
【0113】
第5例では、第2ダイ300Bに設けられる少なくとも1つの貫通穴342の形状は、第1ダイ300Aの貫通穴342の形状、および、第3ダイ300Cの貫通穴342の形状のうちの少なくとも1つと同じである。
【0114】
第6例では、第3ダイ300Cに設けられる少なくとも1つの貫通穴342の形状は、第1ダイ300Aの貫通穴342の形状、および、第2ダイ300Bの貫通穴342の形状のうちの少なくとも1つと同じである。
【0115】
第7例では、第1ダイ300Aは複数の貫通穴342を含む。第1ダイ300Aは第1例の構成および第4例の構成を含む。
【0116】
第8例では、第2ダイ300Bは複数の貫通穴342を含む。第2ダイ300Bは第2例の構成および第5例の構成を含む。
【0117】
第9例では、第3ダイ300Cは複数の貫通穴342を含む。第3ダイ300Cは第3例の構成および第6例の構成を含む。
【0118】
図9に示される例では、第1ダイ300Aは1つの貫通穴342を含む。
貫通穴342の形状は例えば円である。
【0119】
図11に示される例では、第2ダイ300Bは2つの貫通穴342を含む。
第1の貫通穴342の形状は半円である。
第2の貫通穴342の形状は多角形である。多角形の頂点にはR加工が施される。
【0120】
図13に示される例では、第3ダイ300Cは1つの貫通穴342を含む。
貫通穴342の形状は例えば円である。
【0121】
図15~
図17はダイ配置部200およびダイ300の断面を示す。
ダイ300がダイ配置部200に配置された状態では、プレート本体100およびダイ300は例えば次のような関係を含む。
【0122】
貫通部340の貫通穴342はプレート本体100の貫通穴122に繋がる。
【0123】
第3側面313Cは凹部210の第1側面232Aに面する。
第3側面313Cの傾斜面Q2は第1側面232Aの傾斜面Pに平行である。
【0124】
第4側面313Dは凹部210の第2側面232Bに面する。
第4側面313Dの傾斜面Q2は第2側面232Bの傾斜面Pに平行である。
【0125】
縦方向に関するダイ300の第1側面313Aの位置はプレート本体100の第1側面113Aの位置と同じである。
【0126】
縦方向に関するダイ300の第2側面313Bの位置はプレート本体100の第2側面113Bの位置と同じである。
【0127】
高さ方向に関するダイ300の頂面311の位置はプレート本体100の頂面111の位置と同じである。
【0128】
図18はダイプレート10の一部を示す。
ダイプレート10は例えば、固定部400を含む。
【0129】
固定部400はダイ300をプレート本体100に固定する。
固定部400はダイ300をダイ配置部200に固定する。
固定部400は所定の固定方法によりダイ300を固定する。
所定の固定方法の例として、圧入、接着、ろう接等が挙げられる。
【0130】
固定部400は例えば、圧入固定部410および接着固定部420のうちの少なくとも1つを含む。
図1等に示される例では、固定部400は圧入固定部410および複数の接着固定部420を含む。
【0131】
図15~
図17は圧入固定部410の一例を示す。
圧入固定部410は凹部210の凹面230およびダイ300の表面310を含む。
圧入固定部410では、凹部210の凹面230とダイ300の表面310とを圧入により接合し、ダイ300をダイ配置部200に固定する。圧入の形態は例えば軽圧入である。
【0132】
図示される例では、圧入固定部410は凹部210の第1側面232Aおよび第2側面232Bと、ダイ300の第3側面313Cおよび第4側面313Dとを含む。
【0133】
圧入固定部410では、圧入により第1側面232Aと第3側面313Cとを接合し、圧入により第2側面232Bと第4側面313Dとを接合する。
【0134】
【0135】
複数の接着固定部420は第1接着固定部420Aおよび第2接着固定部420Bを含む。接着固定部420は各接着固定部420A、420Bを総称する。
【0136】
接着固定部420は接着剤配置部430および接着剤440を含む。
接着剤配置部430は配置空間431および配置面432を含む。
配置空間431は接着剤440を配置できるように設けられる。
配置面432は配置空間431を規定する。
【0137】
接着剤440の例として、嫌気性接着剤が挙げられる。
接着剤440は配置空間431に配置される。
【0138】
接着固定部420では、ダイ配置部200とダイ300とを接着剤440により接合し、ダイ300をダイ配置部200に固定する。
【0139】
第1接着固定部420Aは第1縦端部320Aをダイ配置部200に固定する。
第2接着固定部420Bは第2縦端部320Bをダイ配置部200に固定する。
【0140】
接着剤配置部430は例えば、プレート本体100に設けられる接着剤配置部430、および、ダイ300に設けられる接着剤配置部430のうちの少なくとも1つを含む。
接着剤配置部430は例えば、面取り部および凹部のうちの少なくとも1つを含む。
【0141】
接着剤配置部430の面取り部は例えば、C面取り加工された部分、および、R面取り加工された部分のうちの少なくとも1つを含む。
【0142】
接着剤配置部430の凹部は例えば、溝および穴のうちの少なくとも1つを含む。
穴は例えば、プレート本体100を貫通しない穴、プレート本体100を貫通する穴、ダイ300を貫通しない穴、および、ダイ300を貫通する穴のうちの少なくとも1つを含む。
【0143】
プレート本体100の接着剤配置部430の構成について例示する。以下では、プレート本体100の第1側面113Aおよび第2側面113Bを「プレート本体100の縦側面」と総称する。
【0144】
第1例では、プレート本体100の接着剤配置部430は凹部210の底面231とプレート本体100の縦側面との角に設けられる溝を含む。
【0145】
第2例では、プレート本体100の接着剤配置部430は凹部210の側面232とプレート本体100の縦側面との角に設けられる溝を含む。
【0146】
第3例では、プレート本体100の接着剤配置部430は凹部210の側面232とプレート本体100の頂面111との角に設けられる溝を含む。
【0147】
第4例では、プレート本体100の接着剤配置部430は凹部210の底面231に設けられる凹部を含む。
【0148】
第5例では、プレート本体100の接着剤配置部430は凹部210の側面232に設けられる凹部を含む。
【0149】
第6例では、プレート本体100の接着剤配置部430は第1例~第5例のうちの少なくとも2つの構成を含む。
【0150】
第7例では、プレート本体100の接着剤配置部430は凹部210の底面231とプレート本体100の縦側面との角に設けられる面取り部を含む。
【0151】
第8例では、プレート本体100の接着剤配置部430は凹部210の側面232とプレート本体100の縦側面との角に設けられる面取り部を含む。
【0152】
第9例では、プレート本体100の接着剤配置部430は凹部210の側面232とプレート本体100の頂面111との角に設けられる面取り部を含む。
【0153】
第10例では、プレート本体100の接着剤配置部430は第7例~第9例のうちの少なくとも2つの構成を含む。
【0154】
第11例では、プレート本体100の接着剤配置部430は第1例~第5例のうちの少なくとも1つの構成と、第7例~第9例のうちの少なくとも1つの構成とを含む。
【0155】
ダイ300の接着剤配置部430の構成について例示する。以下では、ダイ300の第1側面313Aおよび第2側面313Bを「ダイ300の縦側面」と総称する。ダイ300の第3側面313Cおよび第4側面313Dを「ダイ300の横側面」と総称する。
【0156】
第1例では、ダイ300の接着剤配置部430はダイ300の底面312とダイ300の縦側面との角に設けられる溝を含む。
【0157】
第2例では、ダイ300の接着剤配置部430はダイ300の底面312とダイ300の横側面との角に設けられる溝を含む。
【0158】
第3例では、ダイ300の接着剤配置部430はダイ300の縦側面とダイ300の横側面との角に設けられる溝を含む。
【0159】
第4例では、ダイ300の接着剤配置部430はダイ300の頂面311とダイ300の横側面との角に設けられる溝を含む。
【0160】
第5例では、ダイ300の接着剤配置部430はダイ300の底面312に設けられる凹部を含む。
【0161】
第6例では、ダイ300の接着剤配置部430はダイ300の横側面に設けられる凹部を含む。
【0162】
第7例では、ダイ300の接着剤配置部430は第1例~第6例のうちの少なくとも2つの構成を含む。
【0163】
第8例では、ダイ300の接着剤配置部430はダイ300の底面312とダイ300の縦側面との角に設けられる面取り部を含む。
【0164】
第9例では、ダイ300の接着剤配置部430はダイ300の底面312とダイ300の横側面との角に設けられる面取り部を含む。
【0165】
第10例では、ダイ300の接着剤配置部430はダイ300の縦側面とダイ300の横側面との角に設けられる面取り部を含む。
【0166】
第11例では、ダイ300の接着剤配置部430はダイ300の頂面311とダイ300の横側面との角に設けられる面取り部を含む。
【0167】
第12例では、ダイ300の接着剤配置部430は第8例~第11例のうちの少なくとも2つの構成を含む。
【0168】
第13例では、ダイ300の接着剤配置部430は第1例~第6例のうちの少なくとも1つの構成と、第8例~第11例のうちの少なくとも1つの構成とを含む。
【0169】
ダイ300は複数の溝350を含む。
複数の溝350は第1溝350Aおよび第2溝350Bを含む。溝350は各溝350A、350Bを総称する。
【0170】
溝350はダイ300の底面312とダイ300の縦側面との角に設けられる。
溝350は超硬合金層XBに設けられる。
溝350は例えば底面312の一部が除去加工されることにより構成される。
【0171】
接着固定部420の配置面432は、凹部210の底面231および側面232と、溝350の面351とを含む。
【0172】
第1接着固定部420Aは第1溝350Aを含む。
第1溝350Aは底面312と第1側面313Aとの角に設けられる。
第1接着固定部420Aの配置面432は、凹部210の底面231および側面232と、第1溝350Aの面351とを含む。
【0173】
第1接着固定部420Aの接着剤440は側面441を含む。
側面441は第1溝350Aの面351に対して第1縦方向に位置する。
側面441は平面である。
側面441は第2基準面に平行である。
縦方向に関する側面441の位置は第1側面313Aの位置と同じである。
【0174】
第2接着固定部420Bは第2溝350Bを含む。
第2溝350Bは底面312と第2側面313Bとの角に設けられる。
第2接着固定部420Bの配置面432は、凹部210の底面231および側面232と、第2溝350Bの面351とを含む。
【0175】
第2接着固定部420Bの接着剤440は側面441を含む。
側面441は第2溝350Bの面351に対して第2縦方向に位置する。
側面441は平面である。
側面441は第2基準面に平行である。
縦方向に関する側面441の位置は第2側面313Bの位置と同じである。
【0176】
(第2実施形態)
第2実施形態のダイプレート10は第1実施形態を前提に構成される。
ダイプレート10は例えば、精密部品の製造に対応するように構成される。
【0177】
高さ方向に関する凹部210の長さを「凹部深さ」と称する。
凹部深さは例えば、頂面開口部241と底面231との距離である。
【0178】
凹部深さは第1凹部深さ以上の範囲に含まれる。第1凹部深さは任意に選択できる。第1凹部深さは例えば、2mmである。
【0179】
凹部深さは第2凹部深さ以下の範囲に含まれる。第2凹部深さは任意に選択できる。第2凹部深さは例えば、3mm、5mm、または、16mmである。第2凹部深さは第1凹部深さよりも大きい。
【0180】
図23は第2基準面と凹部210の側面232との関係を示す。
第2基準面上における高さ方向に平行な直線を「第1直線LA」と称する。
第2基準面上における傾斜面Pを含む直線を「第2直線LB」と称する。
第1直線LAと第2直線LBとがなす角度を「凹部傾斜角度TP」と称する。
【0181】
凹部傾斜角度TPは第1凹部傾斜角度以上の範囲に含まれる。第1凹部傾斜角度は任意に選択できる。第1凹部傾斜角度は例えば、1°、2°、または、3°である。
【0182】
凹部傾斜角度TPは第2凹部傾斜角度以下の範囲に含まれる。第2凹部傾斜角度は任意に選択できる。第2凹部傾斜角度は例えば、8°、9°、または、10°である。第2凹部傾斜角度は第1凹部傾斜角度よりも大きい。
【0183】
第1側面232Aの凹部傾斜角度TPと第2側面232Bの凹部傾斜角度TPとの関係について例示する。
【0184】
第1例では、第1側面232Aの凹部傾斜角度TPは第2側面232Bの凹部傾斜角度TPと等しい。
【0185】
第2例では、第1側面232Aの凹部傾斜角度TPは第2側面232Bの凹部傾斜角度TPよりも小さい。
【0186】
第3例では、第1側面232Aの凹部傾斜角度TPは第2側面232Bの凹部傾斜角度TPよりも大きい。
【0187】
各凹部210A~210Cに関する第1側面232Aの凹部傾斜角度TPの関係について例示する。
【0188】
第1例では、3つの第1側面232Aの凹部傾斜角度TPは全て等しい。
第2例では、3つの第1側面232Aの凹部傾斜角度TPは全て異なる。
第3例では、いずれか2つの第1側面232Aの凹部傾斜角度TPは等しい。
【0189】
各凹部210A~210Cに関する第2側面232Bの凹部傾斜角度TPの関係について例示する。
【0190】
第1例では、3つの第2側面232Bの凹部傾斜角度TPは全て等しい。
第2例では、3つの第2側面232Bの凹部傾斜角度TPは全て異なる。
第3例では、いずれか2つの第2側面232Bの凹部傾斜角度TPは等しい。
【0191】
高さ方向に関するダイ300の長さを「ダイ厚さ」と称する。
ダイ厚さは例えば、頂面311と底面312との距離である。
【0192】
ダイ厚さは第1ダイ厚さ以上の範囲に含まれる。第1ダイ厚さは任意に選択できる。第1ダイ厚さは例えば、2mmである。
【0193】
ダイ厚さは第2ダイ厚さ以下の範囲に含まれる。第2ダイ厚さは任意に選択できる。第2ダイ厚さは例えば、3mm、5mm、または、16mmである。第2ダイ厚さは第1ダイ厚さよりも大きい。
【0194】
図24は第2基準面とダイ300の側面313との関係を示す。
第2基準面上における高さ方向に平行な直線を「第3直線LC」と称する。
第2基準面上における傾斜面Q2を含む直線を「第4直線LD」と称する。
第3直線LCと第4直線LDとがなす角度を「ダイ傾斜角度TQ」と称する。
【0195】
ダイ傾斜角度TQは第1ダイ傾斜角度以上の範囲に含まれる。第1ダイ傾斜角度は任意に選択できる。第1ダイ傾斜角度は例えば、1°、2°、または、3°である。
【0196】
ダイ傾斜角度TQは第2ダイ傾斜角度以下の範囲に含まれる。第2ダイ傾斜角度は任意に選択できる。第2ダイ傾斜角度は例えば、8°、9°、または、10°である。第2ダイ傾斜角度は第1ダイ傾斜角度よりも大きい。
【0197】
第3側面313Cのダイ傾斜角度TQと第4側面313Dのダイ傾斜角度TQとの関係について例示する。
【0198】
第1例では、第3側面313Cのダイ傾斜角度TQは第4側面313Dのダイ傾斜角度TQと等しい。
【0199】
第2例では、第3側面313Cのダイ傾斜角度TQは第4側面313Dのダイ傾斜角度TQよりも小さい。
【0200】
第3例では、第3側面313Cのダイ傾斜角度TQは第4側面313Dのダイ傾斜角度TQよりも大きい。
【0201】
各ダイ300A~300Cに関する第3側面313Cのダイ傾斜角度TQの関係について例示する。
【0202】
第1例では、3つの第3側面313Cのダイ傾斜角度TQは全て等しい。
第2例では、3つの第3側面313Cのダイ傾斜角度TQは全て異なる。
第3例では、いずれか2つの第3側面313Cのダイ傾斜角度TQは等しい。
【0203】
各ダイ300A~300Cに関する第4側面313Dのダイ傾斜角度TQの関係について例示する。
【0204】
第1例では、3つの第4側面313Dのダイ傾斜角度TQは全て等しい。
第2例では、3つの第4側面313Dのダイ傾斜角度TQは全て異なる。
第3例では、いずれか2つの第4側面313Dのダイ傾斜角度TQは等しい。
【0205】
(第3実施形態)
第3実施形態では、第1実施形態または第2実施形態のダイプレート10に関する製造方法の一例が示される。
【0206】
ダイプレート10の製造方法は例えば、本体関連工程、ダイ関連工程、および、ダイ固定工程を含む。
【0207】
本体関連工程はプレート本体100の製造に関する工程を含む。
ダイ関連工程はダイ300の製造に関する工程を含む。
ダイ固定工程はプレート本体100に対するダイ300の固定に関する工程を含む。
【0208】
本体関連工程は例えば、工程S11~工程S14を含む。
工程S11では、初期状態のプレート本体100が製造される。
初期状態のプレート本体100には、凹部210および貫通部120が含まれない。
【0209】
工程S12は工程S11の後に実施される。
工程S12では、プレート本体100に凹部210が形成される。
凹部210は例えば、ワイヤ放電加工により形成される。
凹部210の側面232には、傾斜面Pが形成される。
【0210】
工程S13は工程S12の後に実施される。
工程S13では、プレート本体100の貫通部120に対応する部分に貫通穴122の下穴が形成される。
貫通穴122の下穴は例えば、細穴放電加工により形成される。
【0211】
工程S14は工程S13の後に実施される。
工程S14では、プレート本体100の貫通部120に対応する部分に貫通穴122が形成される。
貫通穴122は例えば、貫通穴122の下穴をワイヤ放電加工により拡大することにより形成される。
【0212】
貫通穴122の直径は、ダイ300の貫通穴342がワイヤ放電加工により形成される場合に、ワイヤがプレート本体100に干渉しないように決められる。
【0213】
貫通穴122および貫通穴342は例えば次のような関係を有する。
第1基準面に投影される貫通穴122を「第1投影図」と称する。第1基準面に投影される貫通穴342を「第2投影図」と称する。第2投影図は第1投影図に重なる。第2投影図の輪郭は第1投影図の輪郭に重ならない。
【0214】
ダイ関連工程は例えば、工程S21および工程S22を含む。
工程S21では、ダイヤモンド焼結体を含む基板が形成される。
【0215】
工程S22は工程S21の後に実施される。
工程S22では、ダイヤモンド焼結体を含む基板からダイ300が形成される。
ダイ300は例えば、ワイヤ放電加工により形成される。
ダイ300の側面313には、平行面Q1および傾斜面Q2が形成される。
【0216】
ダイ固定工程は例えば、工程S31~工程S34を含む。
工程S31では、ダイ300がプレート本体100の側面開口部242を介して凹部210に圧入される。ダイプレート10に圧入固定部410が形成される。ダイ300がプレート本体100に固定される。
【0217】
工程S32は工程S31の後に実施される。
工程S32では、接着固定部420が形成される。接着固定部420によりダイ300がプレート本体100に固定される。
【0218】
工程S32は例えば、工程S32A~S32Cを含む。各接着固定部420A、420Bについて、工程S32A~S32Cが行われる。
【0219】
工程S32Aでは、プレート本体100の縦側面およびダイ300の縦側面における所定位置に接着剤440が配置される。
【0220】
図25は所定位置に接着剤440が配置された状態の一例を示す。接着剤440は2点鎖線で示される。
所定位置は例えば、プレート本体100の縦側面とダイ300の縦側面との境界、および、溝350を覆うように決められる。
【0221】
工程S32Bは工程S32Aの後に実施される。
工程S32Bでは、接着固定部420の配置空間431の外部に存在する接着剤440が除去される。
図26は外部の接着剤440が除去された状態を示す。
外部の接着剤440は例えば拭き取りにより除去される。
【0222】
工程S33は工程S32の後に実施される。
工程S33では、ダイ300の貫通部340に対応する部分に貫通穴342の下穴が形成される。
貫通穴342の下穴は例えば、細穴放電加工により形成される。
【0223】
工程S34は工程S33の後に実施される。
工程S34では、ダイ300の貫通部340に対応する部分に貫通穴342が形成される。
貫通穴342は例えば、下穴をワイヤ放電加工により拡大することにより形成される。
【0224】
工程S34のワイヤ放電加工では、ワイヤは貫通穴342の下穴、および、プレート本体100の貫通穴122を通過するように配置される。
【0225】
(効果)
各実施形態によれば、例えば以下のような効果が得られる。
【0226】
ダイプレート10の一例では、ダイ300はダイヤモンド焼結体と、一体型の構造とを含む。
【0227】
ダイヤモンド焼結体を含むため、ダイ300が摩耗しにくい。一体型の構造を含むため、プレス加工の精度の向上に貢献できる。
【0228】
ダイプレート10の一例では、ダイ300の側面313は傾斜面Q2を含む。
【0229】
横方向および高さ方向に関して、プレート本体100に対するダイ300の移動が規制される。
【0230】
ダイプレート10の一例では、プレート本体100の凹部210はあり溝を構成する。
【0231】
高さ方向および横方向に関して、プレート本体100に対するダイ300の移動が規制される。
【0232】
ダイプレート10の一例では、ダイプレート10は圧入固定部410を含む。
【0233】
ダイ300がダイ配置部200に強く固定される。
【0234】
ダイプレート10の一例では、ダイプレート10は接着固定部420を含む。
【0235】
ダイ300がダイ配置部200に強く固定される。
【0236】
ダイプレート10の一例では、ダイ300は接着剤配置部430を含む。
【0237】
接着剤配置部430に配置される接着剤440により、ダイ300がプレート本体100に強く接合される。
【0238】
ダイプレート10の一例では、ダイ300の溝350は超硬合金層XBに設けられる。
【0239】
溝350を容易に形成できる。
【0240】
ダイプレート10の一例では、ダイ300のダイ厚さは第1ダイ厚さ以上の範囲に含まれる。
【0241】
ダイ300の強度が高くなる。例えば、ダイ300が凹部210に圧入される場合におけるダイ300の変形が抑えられる。
【0242】
ダイプレート10の一例では、ダイ300のダイ厚さは第2ダイ厚さ以下の範囲に含まれる。
【0243】
貫通穴342を形成するために利用できる放電加工に関して、選択の幅が広くなる。例えば、細穴放電加工により貫通穴342の下穴を形成し、ワイヤ放電加工により貫通穴342を形成できる。
【0244】
ダイプレート10の一例では、プレート本体100の凹部傾斜角度TPは第1凹部傾斜角度以上の範囲に含まれる。
【0245】
第1高さ方向に関して、プレート本体100に対するダイ300の移動が強く規制される。
【0246】
ダイプレート10の一例では、プレート本体100の凹部傾斜角度TPは第2凹部傾斜角度以下の範囲に含まれる。
【0247】
ダイヤ層XAに関する加工が抑えられる。
【0248】
なお、本発明に関するダイおよびダイプレートが取り得る形態は上記各実施形態に記載の説明に制限されない。本発明に関するダイおよびダイプレートは各実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その例として、各実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、または、各実施形態に新たな構成を付加した形態が挙げられる。
【符号の説明】
【0249】
10 :ダイプレート
100:プレート本体
300:ダイ
313:側面
Q1 :平行面
Q2 :傾斜面
350:溝
430:接着剤配置部
440:接着剤