(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】メッシュコントローラ、メッシュエージェント、メッシュネットワークシステム、制御方法及び制御プログラム
(51)【国際特許分類】
H04W 52/02 20090101AFI20230418BHJP
H04W 76/10 20180101ALI20230418BHJP
H04W 84/12 20090101ALI20230418BHJP
H04W 88/06 20090101ALI20230418BHJP
【FI】
H04W52/02
H04W76/10
H04W84/12
H04W88/06
(21)【出願番号】P 2021008688
(22)【出願日】2021-01-22
【審査請求日】2022-05-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】新田 誠弥
【審査官】篠田 享佑
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-332844(JP,A)
【文献】特開2020-036157(JP,A)
【文献】特開2007-318497(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のメッシュエージェントとともにメッシュネットワークを構成するメッシュコントローラであって、
前記メッシュエージェントに接続する端末装置を紐づけた端末管理情報を管理する管理部と、
前記端末装置が前記メッシュネットワークに接続する際、前記端末管理情報に基づいて、前記端末装置に接続する前記メッシュエージェントを決定する決定部と、
前記決定したメッシュエージェントに対し、省電力モードから通常モードへ復帰するための復帰命令を送信する命令送信部と、
を備える、メッシュコントローラ。
【請求項2】
前記決定部は、前記メッシュネットワークに接続する端末装置が前記端末管理情報に登録されている場合、前記端末管理情報を参照し、前記端末装置に紐づけられたメッシュエージェントを、前記端末装置に接続する前記メッシュエージェントとして決定する、
請求項1に記載のメッシュコントローラ。
【請求項3】
前記管理部は、前記複数のメッシュエージェントの動作モードを通常モードとした状態で前記メッシュエージェントに接続した端末装置を紐づけて前記端末管理情報に登録する、
請求項1または2に記載のメッシュコントローラ。
【請求項4】
メッシュコントローラとともにメッシュネットワークを構成するメッシュエージェントであって、
前記メッシュエージェントに接続する端末装置を紐づけた端末管理情報を管理する管理部と、
前記端末装置が前記メッシュネットワークに接続する際、省電力モードから通常モードへ復帰するための復帰命令を、前記メッシュコントローラから受信する命令受信部と、
前記復帰命令の受信に応じて動作モードを省電力モードから通常モードへ切り替える制御部と、
を備え、
前記制御部は、さらに、前記端末管理情報において前記メッシュエージェントに紐づけられた端末装置と、前記メッシュネットワークに接続している端末装置とに基づいて、前記動作モードを通常モードから省電力モードへ切り替える、
メッシュエージェント。
【請求項5】
前記制御部は、前記端末管理情報において前記メッシュエージェントに紐づけられた端末装置が前記メッシュネットワークに接続されていない場合、又は、前記メッシュネットワークに接続されていない状態が所定期間継続した場合、前記動作モードを通常モードから省電力モードへ切り替える、
請求項4に記載のメッシュエージェント。
【請求項6】
メッシュネットワークを構成する複数のメッシュエージェントとメッシュコントローラを備えたメッシュネットワークシステムであって、
前記メッシュコントローラは、
前記メッシュエージェントに接続する端末装置を紐づけた端末管理情報を管理する管理部と、
前記端末装置が前記メッシュネットワークに接続する際、前記端末管理情報に基づいて、前記端末装置に接続する前記メッシュエージェントを決定する決定部と、
前記決定したメッシュエージェントに対し、省電力モードから通常モードへ復帰するための復帰命令を送信する命令送信部と、
を備える、メッシュネットワークシステム。
【請求項7】
メッシュネットワークを構成する複数のメッシュエージェントとメッシュコントローラを備えたメッシュネットワークシステムであって、
前記メッシュエージェントは、
前記メッシュエージェントに接続する端末装置を紐づけた端末管理情報を管理する管理部と、
前記端末装置が前記メッシュネットワークに接続する際、省電力モードから通常モードへ復帰するための復帰命令を、前記メッシュコントローラから受信する命令受信部と、
前記復帰命令の受信に応じて動作モードを省電力モードから通常モードへ切り替える制御部と、
を備え、
前記制御部は、さらに、前記端末管理情報において前記メッシュエージェントに紐づけられた端末装置と、前記メッシュネットワークに接続している端末装置とに基づいて、前記動作モードを通常モードから省電力モードへ切り替える、
メッシュネットワークシステム。
【請求項8】
複数のメッシュエージェントとともにメッシュネットワークを構成するメッシュコントローラの制御方法であって、
前記メッシュエージェントに接続する端末装置を紐づけた端末管理情報を管理し、
前記端末装置が前記メッシュネットワークに接続する際、前記端末管理情報に基づいて、前記端末装置に接続する前記メッシュエージェントを決定し、
前記決定したメッシュエージェントに対し、省電力モードから通常モードへ復帰するための復帰命令を送信する、
制御方法。
【請求項9】
メッシュコントローラとともにメッシュネットワークを構成するメッシュエージェントの制御方法であって、
前記メッシュエージェントに接続する端末装置を紐づけた端末管理情報を管理し、
前記端末装置が前記メッシュネットワークに接続する際、省電力モードから通常モードへ復帰するための復帰命令を、前記メッシュコントローラから受信し、
前記復帰命令の受信に応じて動作モードを省電力モードから通常モードへ切り替え、
さらに、前記端末管理情報において前記メッシュエージェントに紐づけられた端末装置と、前記メッシュネットワークに接続している端末装置とに基づいて、前記動作モードを通常モードから省電力モードへ切り替える、
制御方法。
【請求項10】
複数のメッシュエージェントとともにメッシュネットワークを構成するメッシュコントローラに実行させる制御プログラムであって、
前記メッシュエージェントに接続する端末装置を紐づけた端末管理情報を管理し、
前記端末装置が前記メッシュネットワークに接続する際、前記端末管理情報に基づいて、前記端末装置に接続する前記メッシュエージェントを決定し、
前記決定したメッシュエージェントに対し、省電力モードから通常モードへ復帰するための復帰命令を送信する、
処理を備える、制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メッシュコントローラ、メッシュエージェント、メッシュネットワークシステム、制御方法及び制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、宅内で利用する無線子機端末の増加や、メッシュネットワークの普及により、宅内に複数台のメッシュAP(Access Point)が設置されるケースが増えており、今後もこのようなケースが増加していくことが予想される。
【0003】
関連する技術として、例えば、特許文献1や2が知られている。特許文献1には、無線メッシュネットワークにおいて、各アクセスポイントに接続するクライアント機器の識別情報を管理することが記載されている。特許文献2には、基地局装置において、無線端末を接続する際に、スリープ状態からアウェイク状態に遷移させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-318497号公報
【文献】特開2020-36157号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1や2のような関連する技術では、使用していないメッシュエージェントにより無駄な電力が消費される恐れがある。したがって、関連する技術では、適切に消費電力を抑えることができないという問題がある。
【0006】
本開示は、このような課題に鑑み、適切に省電力化を図ることが可能なメッシュコントローラ、メッシュエージェント、メッシュネットワークシステム、制御方法及び制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るメッシュコントローラは、複数のメッシュエージェントとともにメッシュネットワークを構成するメッシュコントローラであって、前記メッシュエージェントに接続する端末装置を紐づけた端末管理情報を管理する管理部と、前記端末装置が前記メッシュネットワークに接続する際、前記端末管理情報に基づいて、前記端末装置に接続する前記メッシュエージェントを決定する決定部と、前記決定したメッシュエージェントに対し、省電力モードから通常モードへ復帰するための復帰命令を送信する命令送信部と、を備えるものである。
【0008】
本開示に係るメッシュエージェントは、メッシュコントローラとともにメッシュネットワークを構成するメッシュエージェントであって、前記メッシュエージェントに接続する端末装置を紐づけた端末管理情報を管理する管理部と、前記端末装置が前記メッシュネットワークに接続する際、省電力モードから通常モードへ復帰するための復帰命令を、前記メッシュコントローラから受信する命令受信部と、前記復帰命令の受信に応じて動作モードを省電力モードから通常モードへ切り替える制御部と、を備え、前記制御部は、さらに、前記端末管理情報において前記メッシュエージェントに紐づけられた端末装置と、前記メッシュネットワークに接続している端末装置とに基づいて、前記動作モードを通常モードから省電力モードへ切り替えるものである。
【0009】
本開示に係るメッシュネットワークシステムは、メッシュネットワークを構成する複数のメッシュエージェントとメッシュコントローラを備えたメッシュネットワークシステムであって、前記メッシュコントローラは、前記メッシュエージェントに接続する端末装置を紐づけた端末管理情報を管理する管理部と、前記端末装置が前記メッシュネットワークに接続する際、前記端末管理情報に基づいて、前記端末装置に接続する前記メッシュエージェントを決定する決定部と、前記決定したメッシュエージェントに対し、省電力モードから通常モードへ復帰するための復帰命令を送信する命令送信部と、を備えるものである。
【0010】
本開示に係るメッシュネットワークシステムは、メッシュネットワークを構成する複数のメッシュエージェントとメッシュコントローラを備えたメッシュネットワークシステムであって、前記メッシュエージェントは、前記メッシュエージェントに接続する端末装置を紐づけた端末管理情報を管理する管理部と、前記端末装置が前記メッシュネットワークに接続する際、省電力モードから通常モードへ復帰するための復帰命令を、前記メッシュコントローラから受信する命令受信部と、前記復帰命令の受信に応じて動作モードを省電力モードから通常モードへ切り替える制御部と、を備え、前記制御部は、さらに、前記端末管理情報において前記メッシュエージェントに紐づけられた端末装置と、前記メッシュネットワークに接続している端末装置とに基づいて、前記動作モードを通常モードから省電力モードへ切り替えるものである。
【0011】
本開示に係る制御方法は、複数のメッシュエージェントとともにメッシュネットワークを構成するメッシュコントローラの制御方法であって、前記メッシュエージェントに接続する端末装置を紐づけた端末管理情報を管理し、前記端末装置が前記メッシュネットワークに接続する際、前記端末管理情報に基づいて、前記端末装置に接続する前記メッシュエージェントを決定し、前記決定したメッシュエージェントに対し、省電力モードから通常モードへ復帰するための復帰命令を送信するものである。
【0012】
本開示に係る制御方法は、メッシュコントローラとともにメッシュネットワークを構成するメッシュエージェントの制御方法であって、前記メッシュエージェントに接続する端末装置を紐づけた端末管理情報を管理し、前記端末装置が前記メッシュネットワークに接続する際、省電力モードから通常モードへ復帰するための復帰命令を、前記メッシュコントローラから受信し、前記復帰命令の受信に応じて動作モードを省電力モードから通常モードへ切り替え、さらに、前記端末管理情報において前記メッシュエージェントに紐づけられた端末装置と、前記メッシュネットワークに接続している端末装置とに基づいて、前記動作モードを通常モードから省電力モードへ切り替えるものである。
本開示に係る制御プログラムは、複数のメッシュエージェントとともにメッシュネットワークを構成するメッシュコントローラに実行させる制御プログラムであって、前記メッシュエージェントに接続する端末装置を紐づけた端末管理情報を管理し、前記端末装置が前記メッシュネットワークに接続する際、前記端末管理情報に基づいて、前記端末装置に接続する前記メッシュエージェントを決定し、前記決定したメッシュエージェントに対し、省電力モードから通常モードへ復帰するための復帰命令を送信する、処理を備えるものである。
【発明の効果】
【0013】
本開示によれば、適切に省電力化を図ることが可能なメッシュコントローラ、メッシュエージェント、メッシュネットワークシステム、制御方法及び制御プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】実施の形態に係るメッシュコントローラの概要を示すブロック図である。
【
図2】実施の形態に係るメッシュエージェントの概要を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態1に係るメッシュネットワークシステムの構成例を示す構成図である。
【
図4】実施の形態1に係るメッシュコントローラの構成例を示すブロック図である。
【
図5】実施の形態1に係る端末管理情報の一例を示す図である。
【
図6】実施の形態1に係るメッシュエージェントの構成例を示すブロック図である。
【
図7】実施の形態1に係るメッシュコントローラの動作例を示すフローチャートである。
【
図8】実施の形態1に係るメッシュエージェントの動作例を示すフローチャートである。
【
図9】実施の形態2に係るメッシュコントローラの構成例を示すブロック図である。
【
図10】実施の形態2に係るメッシュエージェントの構成例を示すブロック図である。
【
図11】実施の形態2に係るメッシュコントローラの動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。各図面においては、同一の要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略される。
【0016】
(実施の形態の概要)
上記のように、近年、宅内で利用する無線子機端末の増加や、メッシュネットワークの普及により、宅内に複数台のメッシュAPが設置されるようになっている。しかし、関連する技術では、外出時や無線子機端末での通信が行われていないような場合でもメッシュエージェントは動作してしまっている為、不必要な電力を消費してしまうといった問題があった。そこで、実施の形態では、複数台のメッシュAPで構成されるメッシュネットワークにおいて、メッシュエージェントの無駄な電力消費を抑制することを可能とする。具体的には、実施の形態では、予め無線子機端末ごとに最適な接続先のメッシュエージェントを紐づけて登録しておき、該当無線子機端末を利用している時のみ対象のメッシュエージェントを省電力モードから通常モードへ復帰させるようにすることで、メッシュエージェントの無駄な電力の消費を抑制させる。なお、メッシュネットワークを構成する、WAN(Wide Area Network)側がインターネットに接続された1台のメッシュコントローラと、複数台のメッシュエージェントとのいずれか、または両方をメッシュAPと呼ぶ場合がある。
【0017】
図1は、実施の形態に係るメッシュコントローラの概要を示し、
図2は、実施の形態に係るメッシュエージェントの概要を示している。メッシュコントローラ100と複数のメッシュエージェント200は、互いに無線通信可能であり、メッシュネットワークを構成する。また、端末装置(無線子機端末)300は、メッシュコントローラ100及びメッシュエージェント200に無線接続可能であり、メッシュコントローラ100、メッシュエージェント200及び端末装置300は、メッシュネットワークシステムを構成する。
【0018】
図1に示すように、メッシュコントローラ100は、管理部101、決定部102、命令送信部103を備えている。管理部101は、メッシュエージェント200に接続する端末装置300を関連付けた端末管理情報を管理する。決定部102は、端末装置300がメッシュネットワークに接続する際、管理部101の端末管理情報に基づいて、端末装置300に接続するメッシュエージェント200を決定する。命令送信部103は、決定部102が決定したメッシュエージェント200に対し、省電力モードから通常モードへ復帰するための復帰命令を送信する。
【0019】
図2に示すように、メッシュエージェント200は、管理部201、命令受信部202、制御部203を備えている。管理部201は、メッシュコントローラ100の管理部101と同様に、メッシュエージェント200に接続する端末装置300を紐づけた端末管理情報を管理する。命令受信部202は、端末装置300がメッシュネットワークに接続する際、省電力モードから通常モードへ復帰するための復帰命令を、メッシュコントローラ100から受信する。制御部203は、復帰命令の受信に応じて動作モードを省電力モードから通常モードへ切り替え、さらに、管理部201の端末管理情報においてメッシュエージェント200に紐づけられた端末装置300と、メッシュネットワークに接続している端末装置300とに基づいて動作モードを通常モードから省電力モードへ切り替える。
【0020】
このように、実施の形態では、ゲーム機やデスクトップPC(Personal Computer)などのような、設置場所が固定的であり、接続するメッシュエージェントがある程度限定される端末装置を、予め接続させたいメッシュエージェントと紐づけて登録しておき、該当端末装置を利用している時のみ対象のメッシュエージェントを省電力モードから通常モードへ復帰させるようにすることで省電力化を可能とする。
【0021】
ここで、実施の形態適用前の関連する技術について検討すると、関連する技術には、次のような問題点がある。第1の問題点は、24時間定常的に無線通信が必要な機器は少なく、外出時や機器を使用していないような場合においても、宅内に設置している全てのメッシュエージェントが動作している為、不必要な電力を消費してしまっていることである。第2の問題点は、無駄な電力消費を抑える為、端末装置未使用時にはメッシュエージェントの電源をOFFにするなどの方法も考えられるが、その都度ユーザーが電源を操作するのは手間がかかってしまうことにある。また、メッシュネットワークのように複数のメッシュエージェントが存在する場合、1台1台メッシュエージェントを操作する必要がある為、更に手間がかかってしまう。第3の問題点は、無駄な電力消費を抑える為、時刻を指定してスリープモードにさせるなどの節電機能等を利用する方法も考えられるが、端末装置を使用する時間を予め予測することは難しく、実際に使用したいときにスリープモードになってしまう等、場合によっては余計な手間がかかってしまったり、端末装置を使用する際にメッシュエージェントに接続できないといった不都合を生じてしまう可能性があることにある。
【0022】
上記問題点に対し、実施の形態では次のような特徴を有する。上記第1の問題点に対し、実施の形態では、予め接続させたいメッシュエージェントと端末装置を紐づけて登録しておき、該当端末装置がメッシュネットワーク内に接続してきた場合にのみ対象のメッシュエージェントを省電力モードから通常モードへ復帰させるようにすることで、不必要な電力の消費を抑える事を可能にした。上記第2の問題点に対し、実施の形態では、一度端末装置の端末登録を行えば、以降はメッシュコントローラの判断により自動的にメッシュエージェントの省電力モードへの切り替え、通常モードへの復帰を行うようにした事で、ユーザーの手間を減らすことを可能にした。上記第3の問題点に対し、実施の形態では、該当端末装置の他メッシュAPへの接続を契機に、その端末装置と紐づけられたメッシュエージェントの省電力モードからの復帰を行うようにした事で、実際に端末装置を利用する場合にメッシュエージェントが停止しており接続できないといったような事が起こらないようにした。
【0023】
(実施の形態1)
以下、図面を参照して実施の形態1について説明する。
図3は、本実施の形態に係るメッシュネットワークシステムの構成例を示している。
図3に示すように、本実施の形態に係るメッシュネットワークシステム1は、メッシュコントローラMC、複数のメッシュエージェントMA(例えば、MA1~MA3)、複数の無線子機端末STA(例えば、STA1~STA5)を備えている。
【0024】
メッシュコントローラMCと複数のメッシュエージェントMAは、互いに無線通信を行って、メッシュネットワーク2を構成するメッシュAPである。メッシュコントローラMCは、インターネット3に接続されるとともに、複数のメッシュエージェントMAを制御する制御装置である。無線子機端末STAは、移動可能または固定設置された無線端末であり、いずれかのメッシュAPに接続することにより、メッシュネットワーク2(メッシュコントローラMC)を介して、インターネット3と通信することができる。
図3の例では、宅内の各部屋に、メッシュコントローラMC、メッシュエージェントMA1~MA3が設置され、メッシュコントローラMCに無線子機端末STA1が接続され、メッシュエージェントMA1に無線子機端末STA2が接続され、メッシュエージェントMA2に無線子機端末STA3が接続され、メッシュエージェントMA3に無線子機端末STA4、STA5が接続されている。
【0025】
図4のブロック図は、本実施の形態に係るメッシュコントローラMCの構成例を示している。メッシュコントローラMCは、メッシュネットワーク2に接続する無線子機端末STAを収容するメッシュエージェントMAに対し復帰命令を送信する。
図4に示すように、メッシュコントローラMCは、フロントホール無線IF21、バックホール無線IF22、接続子機管理部23、モード復帰命令部241を含む判定部24、登録端末管理部25、ユーザーIF26を備えている。その他、メッシュコントローラMCは、インターネット3に接続されるWANインタフェース等を備えている。
【0026】
フロントホール無線IF21は、接続子機管理部23と接続される。フロントホール無線IF21は、無線子機端末接続部であり、一般的なメッシュネットワークのフロントホールにおいて、各無線子機端末STAと接続し、無線子機端末STAとメッシュAP間で通信を行う為に用いられる、一般的な無線インタフェースである。
【0027】
バックホール無線IF22は、接続子機管理部23、モード復帰命令部241と接続される。バックホール無線IF22は、メッシュAP間接続部であり、一般的なメッシュネットワークのバックホールにおいて、各メッシュAPと接続し、メッシュAP間同士で通信を行う為に用いられる、一般的な無線インタフェースである。
【0028】
接続子機管理部23は、フロントホール無線IF21、バックホール無線IF22、判定部24と接続される。接続子機管理部23は、メッシュネットワーク2内のメッシュAPに対してどの無線子機端末STAが接続しているか等の情報を監視及び管理する。接続子機管理部23は、フロントホール無線IF21より自装置(メッシュコントローラMC)に接続している無線子機端末STAを監視する。接続子機管理部23は、自装置に無線子機端末STAが接続した事を検知すると、無線子機端末STAの端末情報(例えば、MACアドレス等の端末識別情報)をバックホール無線IF22を通して、各メッシュAPに通知する。接続子機管理部23は、同じようにして、各メッシュAPから通知された端末情報を受け取ることで、メッシュネットワーク2に接続している全ての無線子機端末STAを把握する。接続子機管理部23は、メッシュネットワーク2に無線子機端末STAが接続した事を検知すると、接続した無線子機端末STAの端末情報を判定部24へ通知する。
【0029】
判定部24は、接続子機管理部23、登録端末管理部25と接続される。判定部(決定部)24は、接続子機管理部23よりメッシュネットワークに接続した無線子機端末STAの端末情報を受け取る。判定部24は、受け取った端末情報と登録端末管理部25に記録されている端末管理情報を照合し、通常モードへ復帰させるべきメッシュエージェントMAがメッシュネットワーク2内に存在するか判定する。判定部24は、メッシュネットワーク2に接続する無線子機端末STAが後述する登録端末管理部25の端末管理情報に登録されている場合、端末管理情報を参照し、無線子機端末STAに紐づけられたメッシュエージェントMAを、無線子機端末STAに接続するメッシュエージェントMAとして決定する。
【0030】
モード復帰命令部241は、バックホール無線IF22と接続される。モード復帰命令部241は、復帰命令送信部であり、判定部24にて判定した結果に従い、対象のメッシュエージェントMAへ、通常モードへの復帰命令をバックホール無線IF22を通して送信する。
【0031】
登録端末管理部25は、判定部24、ユーザーIF26と接続される。登録端末管理部25は、無線子機端末STAの端末情報と、その無線子機端末STAが接続するべきメッシュエージェントMAとを紐づけた情報を記録している。
図5は、登録端末管理部25が記録している前記情報の一例を示している。この情報を端末管理情報と呼ぶ。
図5に示すように、端末管理情報は、無線子機端末STAの端末情報(MACアドレス)ごとに、無線子機端末STAが接続するメッシュエージェントMAを紐づけている。無線子機端末STAに紐づけられたメッシュエージェントMAを対象メッシュエージェントMAと呼ぶ場合がある。端末管理情報は、メッシュエージェントMAごとに、メッシュエージェントMAに接続する無線子機端末STAの端末情報を紐づけているとも言える。無線子機端末STAと複数のメッシュエージェントMAとを紐づけてもよい。登録端末管理部25は、ユーザーIF26によるユーザーからの設定を基に端末管理情報を更新し記録する。ユーザーIF26は、WebGUI(Graphical User Interface)などの一般的なユーザー設定インタフェースである。
【0032】
図6のブロック図は、本実施の形態に係るメッシュエージェントMAの構成例を示している。メッシュエージェントMAは、メッシュコントローラMCから通常モードへの復帰命令を受け、自装置(メッシュエージェントMA)の動作モードを切り替える。
図6に示すように、メッシュエージェントMAは、フロントホール無線IF31、バックホール無線IF32、接続子機管理部33、復帰命令受信部34、モード制御部35、登録端末管理部36、ユーザーIF37を備えている。
【0033】
フロントホール無線IF31、バックホール無線IF32、接続子機管理部33、登録端末管理部36、ユーザーIF37については、前記メッシュコントローラMCのフロントホール無線IF21、バックホール無線IF22、接続子機管理部23、登録端末管理部25、ユーザーIF26と同じ構成である。
【0034】
復帰命令受信部34は、バックホール無線IF32、モード制御部35と接続される。復帰命令受信部34は、バックホール無線IF32を通してメッシュコントローラMCから通常モードへの復帰命令を受信し、復帰命令を受信したことをモード制御部35へ通知する。
【0035】
モード制御部35は、接続子機管理部33、復帰命令受信部34、登録端末管理部36と接続される。モード制御部35は、自装置(メッシュエージェントMA)の動作モードの切り替えを行う。モード制御部35は、復帰命令受信部34から復帰命令の受信通知を受けると、自装置の動作モードを通常モードへ切り替える。通常モードとはメッシュエージェントとして通常の動作を行うモードである。モード制御部35は、接続子機管理部33と登録端末管理部36が管理(記憶)している情報を照合し、対象メッシュエージェントMAとして自装置を登録している無線子機端末STAがメッシュネットワーク2内に存在しなくなると、自装置の動作モードを省電力モードへ切り替える。すなわち、モード制御部35は、通常モードにおいて、端末管理情報においてメッシュエージェントMAに紐づけられた無線子機端末STAがメッシュネットワーク2に接続されていない場合、動作モードを通常モードから省電力モードへ切り替える。省電力モードとは、フロントホール無線IF31を停止させ、必要最低限の機能のみ残して動作するモードである。この時バックホール無線IF32の動作を残すことで各メッシュAP間での情報のやり取りや、命令の送受信などは可能になる。
【0036】
次に、
図7及び
図8のフローチャートを用いて、本実施の形態に係る各メッシュAPの動作について説明する。この例では、事前にWebGUI(ユーザーIF26及びユーザーIF37)等を用いたユーザーからの設定により、メッシュコントローラMCの登録端末管理部25及びメッシュエージェントMAの登録端末管理部36に端末管理情報が登録される。また、端末管理情報は全てのメッシュAPから設定可能であり、更新されるたびに各メッシュAP間のバックホール無線IF22及びバックホール無線IF32を通して通信し、メッシュAP間で端末管理情報の同期を取る。
【0037】
例えば、
図5で示した端末管理情報を用いると、以下のような無線子機端末が想定される。
無線子機端末A:MA1が設置されている部屋と同じ部屋に設置されているゲーム機等
無線子機端末B:MA2が設置されている部屋と同じ部屋に設置されているPC等
無線子機端末C:MA2またはMA3が設置されている部屋を行きかって使用する可能性のあるタブレット端末等
【0038】
図7は、本実施の形態に係るメッシュコントローラMCの動作例であり、メッシュコントローラMCが端末管理情報に従い、該当するメッシュエージェントMAへ通常モードへの復帰命令を送信するまでの動作を示している。
図7に示すように、処理が開始されると(S40)、接続子機管理部23は、メッシュネットワーク2への無線子機端末STAの接続を監視する(S41)。すなわち、接続子機管理部23は、メッシュネットワーク2に無線子機端末STAが接続したか否か判定する。接続子機管理部23は、例えば、フロントホール無線IF21により、メッシュコントローラMCへの無線子機端末STAの接続を監視する。接続子機管理部23は、メッシュネットワーク2に無線子機端末STAが接続した事を検知すると(S41/Yes)、接続した無線子機端末STAの端末情報(MACアドレス)を判定部24へ通知する。
【0039】
続いて、判定部24は、接続子機管理部23から受け取った無線子機端末STAの端末情報が、登録端末管理部25に記録されている端末管理情報に含まれているか否か照合する(S42)。端末管理情報に該当の無線子機端末STAが含まれていない場合(S42/No)、該当の無線子機端末STAはどのメッシュエージェントMAにも接続する必要が無いという事になる為、メッシュエージェントMAの通常モードへの復帰は行わず、再度、無線子機端末STAの接続監視状態(S41)へ戻る。
【0040】
一方、端末管理情報に該当の無線子機端末STAが含まれている場合(S42/Yes)、判定部24は、受け取った端末情報と端末管理情報を参照し、通常モードへ復帰させるべきメッシュエージェントMAを決定する(S43)。通常モードへ復帰させるべきメッシュエージェントMAとは、端末管理情報で該当の無線子機端末STAの対象メッシュエージェントMAとして登録されているメッシュエージェントMAである。
図5の例では、無線子機端末B(BB:BB:BB:BB:BB:BB)がメッシュネットワーク2へ接続してきたとすると、通常モードへ復帰させるべきメッシュエージェントMAはメッシュエージェントMA2となる。
【0041】
続いて、モード復帰命令部241は、判定部24にて判定した結果に従い、対象メッシュエージェントMAに対して通常モードへの復帰命令をバックホール無線IF22を通して送信する(S44)。この時点では該当の無線子機端末STAはメッシュコントローラMCに接続しているが、本来であれば端末管理情報に登録されている対象メッシュエージェントMAに接続する事により、より最適な通信を行う事ができる可能性が高いと考えられる状態にある。なお、対象メッシュエージェントMAが複数登録されている場合、複数のメッシュエージェントMAに対し復帰命令を送信する。例えば、
図5の例では、無線子機端末C(CC:CC:CC:CC:CC:CC)がメッシュネットワーク2へ接続した場合、MAはメッシュエージェントMA2及びMA3へ復帰命令を送信する。
【0042】
その後、後述するメッシュエージェントMAの動作モード変更処理により対象のメッシュエージェントMAが通常モードに復帰し、無線子機端末STAが対象のメッシュエージェントMAに接続できる状態になると、無線子機端末STAの接続先がメッシュコントローラMCからメッシュエージェントMAへと変更される(S45)。メッシュネットワーク2において、各メッシュAPと無線子機端末STAとの電波強度等の判断により、自動的に最適なメッシュAPへと無線子機端末STAがステアリングされる事が一般的に知られている。この時、IEEE802.11vに定められたBSS移行管理(BSS Transition Management)等を使用して明示的に無線子機端末STAをステアリングさせても良い。
【0043】
以上のようにしてメッシュエージェントMAに対する通常モードへの復帰命令の送信が完了すると、再度、子機接続監視状態(S41)へ戻り、以降は同様の処理を繰り返す。
【0044】
図8は、本実施の形態に係るメッシュエージェントMAの動作例であり、上述したメッシュコントローラMCより通常モードへの復帰命令を受けるメッシュエージェントMA側の動作を示している。
図8に示すように、メッシュエージェントMAは、初期状態において、省電力モードで動作している(S50)。
【0045】
省電力モードでは、復帰命令受信部34にて、メッシュコントローラMC(他メッシュAP)からの通常モードへの復帰命令を待つ状態となっている(S51)。すなわち、復帰命令受信部34は、バックホール無線IF32により、メッシュコントローラMCから復帰命令を受信したか否か判定し、復帰命令を受信するまで(S51/No)、省電力モードが維持される。復帰命令受信部34は、バックホール無線IF32を通してメッシュコントローラMCから通常モードへの復帰命令を受信すると(S51/Yes)、復帰命令の受信をモード制御部35へ通知する
【0046】
続いて、モード制御部35は、復帰命令受信部34から復帰命令の受信通知を受けると、フロントホール無線IF31を起動し、自装置(メッシュエージェントMA)の動作モードを通常モードへ切り替える(S52)。これにより、メッシュエージェントMAと無線子機端末STAとの接続が可能な状態となる。上記のように、ステアリング等により、無線子機端末STAがメッシュエージェントMAに接続され、フロントホール無線IF31により通信が行われる。
【0047】
続いて、通常モードに切り替わると、接続子機管理部33にて、メッシュネットワーク2に接続している無線子機端末STAを監視している状態となる(S53)。接続子機管理部33は、例えば、フロントホール無線IF31により、メッシュコントローラMAへの無線子機端末STAの接続を監視し、バックホール無線IF32により、他メッシュAPへの無線子機端末STAの接続を監視する。少なくとも、フロントホール無線IF31により、メッシュコントローラMAへの無線子機端末STAの接続を監視してもよい。接続子機管理部33は、メッシュネットワーク2に接続した無線子機端末STAを検知し、モード制御部35は、端末管理情報を参照し、自装置(メッシュエージェントMA)を対象メッシュエージェントMAとして登録している無線子機端末STAがメッシュネットワーク2に存在するか否か判定する。モード制御部35は、少なくとも、自装置に、該当する無線子機端末STAが接続されているか否か判定してもよい。モード制御部35は、端末管理情報に自装置を対象メッシュエージェントMAとして登録している無線子機端末STAがメッシュネットワーク2に存在する間(S53/No)、通常モードを維持する。
【0048】
モード制御部35は、端末管理情報を参照し、自装置(メッシュエージェントMA)を対象メッシュエージェントMAとして登録している無線子機端末STAがメッシュネットワーク2に存在しなくなると(S53/Yes)、フロントホール無線IF31を停止し、自装置の動作モードを省電力モードへ切り替える(S54)。少なくとも、自装置に、該当する無線子機端末STAが接続されていない場合に省電力モードへ切り替えてもよい。ここで、無線子機端末STAの無線接続の瞬断などを考慮し、該当の無線子機端末STAがメッシュネットワーク2に存在しなくなった状態(接続されていない状態)が一定時間継続した事をもって、自装置を省電力モードへ切り替えるようにしても良い。省電力モードへ切り替わると、再度通常モードへの復帰命令を待つ状態(S51)に戻り、以降同様の処理を繰り返す。
【0049】
このようにして、メッシュエージェントMAが使用されない(または、使用される可能性が無い)場合には該当のメッシュエージェントMAを省電力モードで動作させ、メッシュエージェントMAを使用する(または、使用する可能性がある)場合にはメッシュエージェントMAを省電力モードから通常モードに復帰させることが可能になる。
【0050】
以上説明したように、本実施の形態においては、以下に記載するような効果を奏する。第1の効果は、予め接続させたいメッシュエージェントMAと無線子機端末STAを紐づけて登録しておき、メッシュネットワーク内に存在する無線子機端末STAに紐づいて登録されているメッシュエージェントMAを省電力モードから通常モードへ復帰させるようにし、それ以外のメッシュエージェントMAは省電力モードで動作させる事で、メッシュエージェントMAの不必要な電力消費を抑える事ができる。第2の効果は、一度、無線子機端末STAの端末登録を行えば、メッシュコントローラMCの判断により自動的にメッシュエージェントMAの省電力モードへの切り替え、通常モードへの復帰を行うようにした事で、ユーザーによる操作を必要とせず、ユーザーの手間を減らす事ができる。第3の効果は、該当無線子機端末STAの他メッシュAPへの接続を契機に対象メッシュエージェントMAを省電力モードから復帰させるようにした事で、実際に無線子機端末STAを利用する場合にメッシュエージェントMAが停止しており接続できないといったような事が起こらないようにする事ができる。
【0051】
(他の実施の形態)
他の実施の形態として、その基本的構成は実施の形態1と同じであるが、事前にユーザーによる設定が必要であった端末管理情報の登録部分について、更に工夫した例について説明する。実施の形態1では端末管理情報の登録(更新)をユーザーの操作により事前に設定するようにしていた。これに対し他の実施の形態では、メッシュネットワーク内への新規無線子機端末STAの接続を検知した場合、一定期間全てのメッシュエージェントMAを通常モードに切り替え、その期間内に無線子機端末STAが接続したメッシュエージェントMAを該当無線子機端末STAの対象メッシュエージェントMAとして自動的に端末管理情報へ登録するようにしている。新規無線子機端末とは、メッシュネットワークに初めて接続する子機端末であり、端末管理情報に端末情報が登録されていない子機端末である。
【0052】
図9は、他の実施の形態に係るメッシュコントローラMCの構成例を示し、
図10は、他の実施の形態に係るメッシュエージェントMAの構成例を示している。
図9に示すように、他の実施の形態に係るメッシュコントローラMCは、実施の形態1の構成に加えて、通常モードへの変更命令を送信するモード変更命令部242を備えている。また、
図10に示すように、他の実施の形態に係るメッシュエージェントMAは、実施の形態1の構成に加えて、通常モードへの変更命令を受信する変更命令受信部38を備えている。その他の構成は、実施の形態1と同様である。
【0053】
以下、
図11のフローチャートを用いて、他の実施の形態に係るメッシュコントローラMCで実行される端末管理情報の登録処理を説明する。
図11に示すように、メッシュネットワーク2内に新規無線子機端末STAが接続した事を契機に本処理が開始される(S60)。例えば、接続子機管理部23は、メッシュネットワーク2への無線子機端末STAの接続を監視し、判定部24は、端末管理情報に端末情報が登録されていない無線子機端末STAが接続されたか否か判定する。
【0054】
メッシュネットワーク2内への新規無線子機端末STAの接続を検知すると、メッシュコントローラMCは、通常モードへの変更命令を全てのメッシュエージェントMAに対して送信する(S61)。端末管理情報に端末情報が登録されていない無線子機端末STAが接続された場合、モード変更命令部242は、全てのメッシュエージェントMAに対して通常モードへの変更命令をバックホール無線IF22を通して送信する。そうすると、メッシュエージェントMAでは、変更命令受信部38は、バックホール無線IF32を通してメッシュコントローラMCから通常モードへの変更命令を受信し、モード制御部35は、自装置(メッシュエージェントMA)の動作モードを通常モードへ切り替える。これによりメッシュネットワーク2内の全てのメッシュエージェントMAが通常モードとなり、全てのメッシュエージェントMAに対して無線子機端末STAが自由に接続できる状態となる。
【0055】
続いて、この全てのメッシュエージェントMAが通常モードとして動作している状態を一定期間継続する(S62)。継続する期間はユーザーにより変更可能にしても良いが、例えば一週間などとする。一定期間経過後(S62/Yes)、メッシュコントローラMCは、期間内に無線子機端末STAが接続したメッシュエージェントMAを該当無線子機端末STAの対象メッシュエージェントMAとして端末管理情報へ自動的に登録(更新)する(S63)。接続子機管理部23は、一定期間、各メッシュエージェントMAへの無線子機端末STAの接続を監視し、登録端末管理部25は、接続された無線子機端末STAとメッシュエージェントMAを紐づけて端末管理情報に登録する。この時、接続先として期待するメッシュエージェントMA以外に対して無線子機端末STAが瞬間的に接続してしまうという事も考えられる為、一度でも接続したメッシュエージェントMAを対象メッシュエージェントMAとして登録するのではなく、ある程度の時間(所定期間)接続を継続した場合に、対象メッシュエージェントMAであると判断して端末管理情報へ登録するようにするのが好ましい。
【0056】
その後、実施の形態1と同様に、上記で登録(更新)した端末管理情報に従い、現在メッシュネットワーク2内に接続している無線子機端末STAの対象メッシュエージェントMAとして登録されているメッシュエージェントMAを通常モード、対象メッシュエージェントMAとして登録されていないメッシュエージェントMAを省電力モードとして動作させる(S64)。例えば、メッシュコントローラMCから、通常モードへの変更命令または省電力モードへの変更命令を各メッシュエージェントMAに対して送信してもよい。
【0057】
以上が、他の実施の形態における端末管理情報の登録処理である。上記説明では、メッシュネットワーク内に新規無線子機端末STAが接続した事を契機に端末管理情報の登録(更新)処理を実施するようにしているが、WebGUI等によるユーザーの操作を契機に同様の処理を実施できるようにし、ユーザーの任意のタイミングで端末管理情報を更新できるようにしても良い。端末管理情報の登録(更新)以外の処理については実施の形態1で説明した通りである為、省略する。このようにして、ユーザーによる設定を行うことなく、動作する必要の無いメッシュエージェントMAを省電力モードにし、その時点でメッシュネットワーク内に存在している無線子機端末STAにとって必要なメッシュエージェントMAのみを通常モードに復帰させて動作させる事が可能になる。
【0058】
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【0059】
上述の実施形態における各構成は、ハードウェア又はソフトウェア、もしくはその両方によって構成され、1つのハードウェア又はソフトウェアから構成してもよいし、複数のハードウェア又はソフトウェアから構成してもよい。各装置の機能(処理)を、CPUやメモリ等を有するコンピュータにより実現してもよい。例えば、記憶装置に実施形態における方法を行うためのプログラムを格納し、各機能を、記憶装置に格納されたプログラムをCPUで実行することにより実現してもよい。
【0060】
これらのプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0061】
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
複数のメッシュエージェントとともにメッシュネットワークを構成するメッシュコントローラであって、
前記メッシュエージェントに接続する端末装置を紐づけた端末管理情報を管理する管理部と、
前記端末装置が前記メッシュネットワークに接続する際、前記端末管理情報に基づいて、前記端末装置に接続する前記メッシュエージェントを決定する決定部と、
前記決定したメッシュエージェントに対し、省電力モードから通常モードへ復帰するための復帰命令を送信する命令送信部と、
を備える、メッシュコントローラ。
(付記2)
前記決定部は、前記メッシュネットワークに接続する端末装置が前記端末管理情報に登録されている場合、前記端末管理情報を参照し、前記端末装置に紐づけられたメッシュエージェントを、前記端末装置に接続する前記メッシュエージェントに決定する、
付記1に記載のメッシュコントローラ。
(付記3)
前記管理部は、前記複数のメッシュエージェントの動作モードを通常モードとした状態で前記メッシュエージェントに接続した端末装置を紐づけて前記端末管理情報に登録する、
付記1または2に記載のメッシュコントローラ。
(付記4)
メッシュコントローラとともにメッシュネットワークを構成するメッシュエージェントであって、
前記メッシュエージェントに接続する端末装置を紐づけた端末管理情報を管理する管理部と、
前記端末装置が前記メッシュネットワークに接続する際、省電力モードから通常モードへ復帰するための復帰命令を、前記メッシュコントローラから受信する命令受信部と、
前記復帰命令の受信に応じて動作モードを省電力モードから通常モードへ切り替える制御部と、
を備え、
前記制御部は、さらに、前記端末管理情報において前記メッシュエージェントに紐づけられた端末装置と、前記メッシュネットワークに接続している端末装置とに基づいて、前記動作モードを通常モードから省電力モードへ切り替える、
メッシュエージェント。
(付記5)
前記制御部は、前記端末管理情報において前記メッシュエージェントに紐づけられた端末装置が前記メッシュネットワークに接続されていない場合、又は、前記メッシュネットワークに接続されていない状態が所定期間継続した場合、前記動作モードを通常モードから省電力モードへ切り替える、
付記4に記載のメッシュエージェント。
(付記6)
メッシュネットワークを構成する複数のメッシュエージェントとメッシュコントローラを備えたメッシュネットワークシステムであって、
前記メッシュコントローラは、
前記メッシュエージェントに接続する端末装置を紐づけた端末管理情報を管理する管理部と、
前記端末装置が前記メッシュネットワークに接続する際、前記端末管理情報に基づいて、前記端末装置に接続する前記メッシュエージェントを決定する決定部と、
前記決定したメッシュエージェントに対し、省電力モードから通常モードへ復帰するための復帰命令を送信する命令送信部と、
を備える、メッシュネットワークシステム。
(付記7)
メッシュネットワークを構成する複数のメッシュエージェントとメッシュコントローラを備えたメッシュネットワークシステムであって、
前記メッシュエージェントは、
前記メッシュエージェントに接続する端末装置を紐づけた端末管理情報を管理する管理部と、
前記端末装置が前記メッシュネットワークに接続する際、省電力モードから通常モードへ復帰するための復帰命令を、前記メッシュコントローラから受信する命令受信部と、
前記復帰命令の受信に応じて動作モードを省電力モードから通常モードへ切り替える制御部と、
を備え、
前記制御部は、さらに、前記端末管理情報において前記メッシュエージェントに紐づけられた端末装置と、前記メッシュネットワークに接続している端末装置とに基づいて、前記動作モードを通常モードから省電力モードへ切り替える、
メッシュネットワークシステム。
(付記8)
複数のメッシュエージェントとともにメッシュネットワークを構成するメッシュコントローラの制御方法であって、
前記メッシュエージェントに接続する端末装置を紐づけた端末管理情報を管理し、
前記端末装置が前記メッシュネットワークに接続する際、前記端末管理情報に基づいて、前記端末装置に接続する前記メッシュエージェントを決定し、
前記決定したメッシュエージェントに対し、省電力モードから通常モードへ復帰するための復帰命令を送信する、
制御方法。
(付記9)
メッシュコントローラとともにメッシュネットワークを構成するメッシュエージェントの制御方法であって、
前記メッシュエージェントに接続する端末装置を紐づけた端末管理情報を管理し、
前記端末装置が前記メッシュネットワークに接続する際、省電力モードから通常モードへ復帰するための復帰命令を、前記メッシュコントローラから受信し、
前記復帰命令の受信に応じて動作モードを省電力モードから通常モードへ切り替え、
さらに、前記端末管理情報において前記メッシュエージェントに紐づけられた端末装置と、前記メッシュネットワークに接続している端末装置とに基づいて、前記動作モードを通常モードから省電力モードへ切り替える、
制御方法。
(付記10)
複数のメッシュエージェントとともにメッシュネットワークを構成するメッシュコントローラに実行させる制御プログラムであって、
前記メッシュエージェントに接続する端末装置を紐づけた端末管理情報を管理し、
前記端末装置が前記メッシュネットワークに接続する際、前記端末管理情報に基づいて、前記端末装置に接続する前記メッシュエージェントを決定し、
前記決定したメッシュエージェントに対し、省電力モードから通常モードへ復帰するための復帰命令を送信する、
処理を備える、制御プログラム。
(付記11)
メッシュコントローラとともにメッシュネットワークを構成するメッシュエージェントに実行させる制御プログラムであって、
前記メッシュエージェントに接続する端末装置を紐づけた端末管理情報を管理し、
前記端末装置が前記メッシュネットワークに接続する際、省電力モードから通常モードへ復帰するための復帰命令を、前記メッシュコントローラから受信し、
前記復帰命令の受信に応じて動作モードを省電力モードから通常モードへ切り替え、
さらに、前記端末管理情報において前記メッシュエージェントに紐づけられた端末装置と、前記メッシュネットワークに接続している端末装置とに基づいて、前記動作モードを通常モードから省電力モードへ切り替える、
処理を備える、制御プログラム。
【符号の説明】
【0062】
1 メッシュネットワークシステム
2 メッシュネットワーク
3 インターネット
21 フロントホール無線IF
22 バックホール無線IF
23 接続子機管理部
24 判定部
241 モード復帰命令部
242 モード変更命令部
25 登録端末管理部
26 ユーザーIF
31 フロントホール無線IF
32 バックホール無線IF
33 接続子機管理部
34 復帰命令受信部
35 モード制御部
36 登録端末管理部
37 ユーザーIF
38 変更命令受信部
100 メッシュコントローラ
101 管理部
102 決定部
103 命令送信部
200 メッシュエージェント
201 管理部
202 命令受信部
203 制御部
300 端末装置
MA メッシュエージェント
MC メッシュコントローラ
STA 無線子機端末