IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 上海深城環保設備工程有限公司の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】並列配管型のガス吸着濃縮装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/04 20060101AFI20230418BHJP
【FI】
B01D53/04 230
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021578044
(86)(22)【出願日】2020-06-02
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-09-08
(86)【国際出願番号】 CN2020093910
(87)【国際公開番号】W WO2020259226
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2022-01-13
(31)【優先権主張番号】201910612326.2
(32)【優先日】2019-06-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521009267
【氏名又は名称】上海深城環保設備工程有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】張 傳忠
【審査官】山崎 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-066214(JP,A)
【文献】特開昭54-145372(JP,A)
【文献】特開2000-271426(JP,A)
【文献】中国実用新案第208742215(CN,U)
【文献】中国実用新案第201949749(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/02-53/12
53/34-53/85
53/92
53/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、吸着ガス入口と、吸着ガス排出口と、複数の吸着ユニットと、1セットの可動式脱着装置とを含み、前記吸着ユニットは小型の固定床吸着器であり、全ての吸着ユニットは、並列に配列されるとともに、密閉された吸着炉心となるように支持接続構造によって接続されることで、前記吸着ガス入口を介して前記ハウジングに入った吸着ガスが、炉心における吸着ユニットを通ることによって前記吸着ガス排出口に到達することができ、前記可動式脱着装置は、熱風脱着装置と機械移動装置とからなり、前記熱風脱着装置は、フレキシブルパイプによって、2つの吸着ユニットからなる吸着ユニットグループの一側の端部をそれぞれ脱着ガス供給装置及び脱着ガス処理装置に連通させる部分を有し、前記熱風脱着装置の前記部分はIO端と呼ばれ、ガス加熱装置を含むパイプによって前記吸着ユニットグループの他側の2つの端部を連通させ、前記脱着ガス供給装置からの脱着ガスは、順に当該吸着ユニットグループの2つの吸着ユニットを通って、前記脱着ガス処理装置に到達するプロセスを有し、当該プロセスにおいて、前記脱着ガスは、一方の吸着ユニットにおける吸着剤に対する加熱と脱着再生を達成すると同時に、他方の吸着ユニットの吸着剤が脱着プロセスで吸収した熱を回収し、当該他方の吸着ユニットを冷却し、前記機械移動装置は、前記熱風脱着装置を支持し、動力の駆動で、順に前記熱風脱着装置と各吸着ユニットグループとの接続及び切替を達成し、
前記脱着ガス供給装置に連通される吸着ユニットが、当該プロセスを行う前に前記脱着ガス処理装置に連通されていた吸着ユニットであるように、前記機械移動装置が、順に前記熱風脱着装置と各吸着ユニットグループとの接続及び切替を行うことを特徴とするガス吸着濃縮装置。
【請求項2】
前記熱風脱着装置の前記IO端に、前記IO端を経た2本の脱着ガス管路の間で熱交換を行うための熱交換装置が設けられることを特徴とする請求項1に記載のガス吸着濃縮装置。
【請求項3】
前記熱交換装置は、蓄熱体が間欠的に回転するタイプの熱交換器であることを特徴とする請求項2に記載のガス吸着濃縮装置。
【請求項4】
前記複数の吸着ユニットは、行列に配列された固定床吸着ユニットを形成し、隣接する前記固定床吸着ユニットを上下と左右の2つの方向で2つずつ対にすることで形成された軌跡が、ちょうど全ての固定床吸着ユニットをカバーする頭尾連結の閉曲線を形成できることを特徴とする請求項1に記載のガス吸着濃縮装置。
【請求項5】
前記吸着炉心は、横向きに拡張可能であるとともに縦方向に積み重ね可能であるモジュール構造として設けられ、それに応じて、前記可動式脱着装置は、カバー範囲が拡張可能な柔軟な拡張構造として設けられることを特徴とする請求項1に記載のガス吸着濃縮装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス吸着濃縮装置に関し、さらに、吸着法により悪臭を有する有機汚染排気ガスを濃縮する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
吸着法によるガス濃縮技術は、大気中の揮発性有機化合物(VOC)の汚染管理の分野において益々幅広く応用されている。一般的なガス吸着濃縮装置はローター吸着器と再生式固定床吸着器を含む。これらの方法は、吸着可能汚染物質を濃縮し、熱酸化破壊装置(TO)などの対応する破壊装置によって、その中の吸着可能汚染物質を水、二酸化炭素などの簡単な無害化合物に酸化するか、又は、これらの吸着可能汚染物質をさらに分離して収集し、回収してリサイクルすることを目的とする。現在、これらの吸着濃縮技術は、連続的に作業し、且つソースガスの流量濃度が安定的である工業応用シーンに用いられることが多く、設備の製造コストが高い。環境保護標準の向上につれて、これらの技術は、濃度が高く、低温プラズマ、光触媒などの他の処理技術で効果的に除去し難い悪臭ガスの汚染管理にも適用されるようになってきた。VOCの管理に対して、これらの汚染物質は、濃度が低く、発熱量が低く、吸着-脱着サイクルが長く、従来の吸着法によるガス濃縮技術を通常の破壊技術と組み合わせれば、これらの悪臭ガスによる汚染を徹底的に解消することができるが、高電力、大処理量の高価設備、及び対応する用地、給電、ガスなどの施設の使用によって、不必要な資源の浪費を招く。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、低コストの設備で、大流量、低濃度の臭気汚染問題を解決できるガス吸着濃縮装置を開示する。
【0004】
このようなガス吸着濃縮装置は、同じく上記した臭気汚染の場合に類似する揮発性有機汚染物質(VOC)を含む排気ガスの処理に適用可能である。記述を容易にするために、本願は、必要に応じて、悪臭排気ガス及び揮発性有機汚染物質を吸着可能汚染物質と総称する。同様に、濃縮処理を必要とする汚染ガスを吸着ガスと呼び、吸着床の脱着再生のための媒体ガスを脱着ガスと呼ぶ。
【0005】
このようなガス吸着濃縮装置の具体的な形態は、同時に動作する複数の並列された固定床吸着器、及び順に複数の並列された固定床吸着器のうちの少なくとも1つにそれぞれ接続可能な1セットの可動式熱風脱着装置が設けられ、可動式熱風脱着装置によって、全ての並列された固定吸着床の脱着をそれぞれ達成することである。
【0006】
最も基本的な具体的な技術的解決手段としては、ハウジングと、吸着ガス入口と、吸着ガス排出口と、複数の吸着ユニットと、1セットの可動式脱着装置とを含み、前記吸着ユニットは、吸着ガス及び脱着ガスの吸着器に対する出入を可能にする2つの端部を含む小型の固定床吸着器であり、全ての吸着ユニットは、並列に配列されるとともに、密閉された吸着炉心となるように支持接続構造によって接続されることで、吸着ガス入口を介してハウジングに入った吸着ガスが、吸着炉心における吸着ユニットを通ってからこそ、吸着ガス排出口に到達することができ、前記可動式脱着装置は、熱風脱着装置と機械移動装置とからなり、熱風脱着装置は、順に固定床吸着ユニットのうちの少なくとも1つにそれぞれ接続可能であり、且つ、フレキシブルパイプによって、それぞれ外設された脱着ガス供給装置及び脱着ガス処理装置に連通することで、脱着ガス供給装置からの脱着ガスが吸着ユニットを通って脱着ガス処理装置に到達するようにし、前記脱着ガス通路の適切な部位には、吸着ユニット内の吸着床の脱着再生が可能となる適切な温度まで脱着ガスを加熱するガス加熱装置が設けられ、機械移動装置は、熱風脱着装置を支持し、被制御動力の駆動で、順に各吸着ユニットとの接続及び切替を達成するように、熱風脱着装置を駆動する。
【0007】
上記したガス吸着濃縮装置の改良案としては、脱着プロセスの機能単位として、2つの吸着ユニットで吸着ユニットグループを構成する。前記熱風脱着装置は、フレキシブルパイプによって、吸着ユニットグループの一側の2つの端部をそれぞれ脱着ガス供給装置及び脱着ガス処理装置に連通させ、熱風脱着装置のこういう部分はIO端と呼ばれる。ガス加熱装置を含むパイプによって、前記吸着ユニットグループの他側の2つの端部を連通させ、熱風脱着装置のこのこういう部分はCA端と呼ばれる。
【0008】
上記したガス吸着濃縮装置のさらなる改良案としては、具体的に、熱風脱着装置のIO端に、IO端を経た2本の脱着ガス管路の間で熱交換を行うための熱交換装置が設けられる。
【0009】
上記した改良案の具体的な形態において、前記熱交換装置は、蓄熱式熱交換器である。
【0010】
上記したさらなる改良案の具体的な形態において、前記蓄熱式熱交換器は、蓄熱体が間欠的に回転するタイプの熱交換器である。
【0011】
吸着ユニットの数及び配列方式の最適化に対して、複数の並列された固定床吸着ユニットは、行列に配列され、行列に設けられることによって、隣接する固定床吸着ユニットを上下と左右の2つの方向で対にすることで形成された軌跡が、ちょうど全ての固定床吸着ユニットをカバーする曲線を形成する。
【0012】
吸着ユニットの数及び配列方式のさらなる最適化に対して、前記曲線は、頭尾連結の閉曲線である。
【0013】
単一装置の吸着ガスに対する処理能力の改良案について、具体的に、吸着炉心は、横向きに拡張可能であるとともに縦方向に積み重ね可能であるモジュール構造として設けられ、可動式脱着装置構造も、カバー範囲が拡張可能な柔軟な拡張構造として設けられる。
【0014】
本発明の積極的な作用は、実質的に、再生式固定床吸着器の脱着プロセスを、高電力エネルギー消費を必要とする集中脱着から、低電力エネルギー消費の段階的な脱着に変換するとともに、脱着プロセスにおいて、直列に接続された2つの吸着ユニットによって、吸着剤に吸収された熱を回収し、且つ、ガスの間の熱交換によって、排出した脱着ガスにおける熱を回収するように、熱エネルギーを十分に利用し、ガス吸着濃縮設備の、給電パワーなどの対応するエネルギー供給に対する要件を低下させるだけでなく、総合エネルギー消費量も減少させ、著しい経済的利益及び社会的利益を有することである。
【0015】
以下、実施例によって、本発明をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】ガス吸着濃縮装置の吸着状態の基本的な構造を示す模式図である。
図2図1の装置の脱着状態を示す図である。
図3】脱着プロセスの機能単位として、2つの吸着ユニットからなる吸着ユニットグループである。
図4図3の装置の脱着状態を示すである。
図5(a)】脱着プロセスにおける熱伝達を示す図3の装置の簡略模式図である。
図5(b)】脱着プロセスにおける熱伝達を示す図3の装置の簡略模式図である。
図6】隔壁式熱交換装置が設けられた熱風脱着装置を示す図である。
図7】蓄熱体が間欠的に回転するタイプの熱交換器が設けられた熱風脱着装置を示す図である。
図8(a)】蓄熱体が間欠的に回転するタイプの熱交換器の動作時の熱伝達プロセスの模式図である。
図8(b)】蓄熱体が間欠的に回転するタイプの熱交換器の動作時の熱伝達プロセスの模式図である。
図8(c)】蓄熱体が間欠的に回転するタイプの熱交換器の動作時の熱伝達プロセスの模式図である。
図8(d)】蓄熱体が間欠的に回転するタイプの熱交換器の動作時の熱伝達プロセスの模式図である。
図9】2つの吸着ユニットからなる吸着ユニットグループを対にすることで形成された軌跡であって、1つの炉心の模式図である。
図10】吸着ユニットからなる吸着ユニットグループを対にすることで形成された軌跡であって、2つの炉心の水平拡張模式図である。
図11】吸着ユニットからなる吸着ユニットグループを対にすることで形成された軌跡であって、4つの炉心の縦方向積み重ね・水平拡張模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
実施例1
ガス吸着濃縮装置の最も基本的な技術的解決手段について、図1を参照する。
【0018】
ハウジング1と、吸着ガス入口2と、吸着ガス排出口3と、複数の吸着ユニット4と、1セットの可動式脱着装置5とを含む。前記吸着ユニットは、吸着ガス及び脱着ガスの吸着器に対する出入を可能にする2つの端部41を含む小型の固定床吸着器であり、吸着剤42及び保温材料43が内蔵される。全ての吸着ユニットは、並列に配列されるとともに、密閉された吸着炉心40となるように支持接続構造によって接続されることで、吸着ガス入口2を介してハウジング1に入った吸着ガスが、吸着炉心40における吸着ユニット4を通ってからこそ、吸着ガス排出口3に到達することができる。前記可動式脱着装置は、熱風脱着装置51と機械移動装置52とからなる。熱風脱着装置51は、順に吸着ユニットのうちの1つにそれぞれ接続可能であり、フレキシブルパイプ511によって、それぞれ外設された脱着ガス供給装置01及び脱着ガス処理装置02に連通することで、脱着ガス供給装置01からの脱着ガスが吸着ユニット4を通って脱着ガス処理装置02に到達する。脱着ガス供給装置01と吸着ユニット4との間にガス加熱装置512が設けられている。機械移動装置52は、熱風脱着装置51を支持し、被制御動力の駆動で、水平軌道521及び垂直軌道522で移動し、伸縮ジョイント523によって、順に熱風脱着装置51と各吸着ユニット4との接続及び切替を達成する。
【0019】
当該設備が動作する際に、吸着プロセスと脱着プロセスとの2段の動作プロセスを含む。
【0020】
吸着プロセスにおいて、汚染ガス(又は混合ガス)収集装置03から輸送された汚染空気が、白抜き矢印に示すように、吸着ガス入口2から、ハウジング1と吸着炉心40とからなる吸気プレナムチャンバ11に入ってから、それぞれ各吸着ユニット4に入り、吸着ユニット内の吸着剤42は、汚染空気内に残された吸着可能汚染物質を吸着し、きれいな空気が吸着ユニット4の他端から流出し、ハウジング1と吸着炉心40とからなる排気集約チャンバ12に入り、最後に、きれいな空気が吸着ガス排出口3から排出され、パイプ及び煙突04を介して大気に排出される。
【0021】
脱着プロセスにおいて、図2を参照し、吸着ユニット4内の吸着剤42が一定の量の汚染物質を吸着し、吸着能力が下がり、汚染空気を効果的に処理できない傾向がある場合、吸着プロセスは終了する。可動式脱着装置5の熱風脱着装置51は、吸着ユニット4の2つの端部41に突き合わせられ、脱着ガス供給装置から輸送された脱着ガスは、細線矢印で示され、ガス加熱装置512により所定の脱着温度に加熱された後、吸着ユニットに入り、吸着ユニット4内の吸着剤42を加熱すると同時に、吸着剤内に溢れた汚染物質を運んで吸着ユニット4の他方の端部41から排出され、フレキシブルパイプ511を介して、ここで熱酸化破壊装置TOである吸着ガス処理装置02に送られてから、煙突に排出される。
【0022】
1つの吸着ユニットの脱着再生が完了した後、熱風吸着装置は当該吸着ユニットから脱離し、機械移動装置の駆動で次の吸着ユニットに移動して結合し、上記の脱着プロセスを繰り返す。
【0023】
ここで、外設された脱着ガス供給装置01及び脱着ガス処理装置は必須のものではなく、脱着ガスが処理を必要としない普通の空気であり、又は脱着排出された脱着ガスが処理されずに大気に排出可能である場合、フレキシブルパイプ511は、ガス吸着濃縮装置のハウジング1の外部空間に直接連通してもよい。
【0024】
実施例2
脱着プロセスの機能単位として、2つの吸着ユニットからなる吸着ユニットグループ43について、図3を参照する。
【0025】
実施例1を基に、脱着プロセスの機能単位として、2つの吸着ユニット4-1及び4-2からなる吸着ユニットグループ43である。前記熱風脱着装置51は、フレキシブルパイプ511によって、吸着ユニットグループの一側の2つの端部411及び412をそれぞれ脱着ガス供給装置01及び脱着ガス処理装置02に連通させることができ、熱風脱着装置のこういう部分はIO端と呼ばれる。ガス加熱装置512を含む連通短管5110によって、前記吸着ユニットグループの他側の2つの端部413と414とを連通させ、熱風脱着装置のこういう部分はCA端と呼ばれる。
【0026】
装置が動作する時、吸着プロセスは実施例1と同様である。
【0027】
脱着状態について、図4を参照し、脱着プロセスについて、図5a、5bを参照する。可動式脱着装置は、対応する吸着ユニットグループと組み合わせた後、脱着ガス供給装置から輸送された脱着ガスは、吸着ユニットの端部411を介して吸着ユニット4-1に入ってから、他方の端部413から連通短管5110に入り、ガス加熱装置512により所定の脱着温度に加熱された後、吸着ユニットの端部411を介して吸着ユニット4-2に入って、その中の吸着剤に対して昇温と脱着を行い、最後に、吸着ユニットの端部412及びフレキシブルパイプ511を介して脱着ガス処理装置02に送られる。吸着ユニット4-2での脱着が完了した後、可動式脱着装置は吸着ユニット4-1及び4-2から脱離し、移動した後、吸着ユニット4-2及び4-3からなる新たな吸着ユニットグループと組み合わせて、上記の脱着プロセスを繰り返す。
【0028】
実施例1の場合と違って、最初に吸着ユニット4-2に入った脱着ガスは、吸着剤が前の吸着ユニット4-1の脱着プロセスで吸収した熱を吸収し、それ自体の温度が高くなり、ガス加熱装置512により加熱される際に、少量の熱を吸収するだけで、所定の脱着温度に達することができ、吸着ユニット4-1の吸着剤はこのプロセスにおいて冷却され、吸着プロセスに必要とされる低温状態に迅速に入ることができる。
【0029】
要するに、実施例1に比べると、実施例2の装置による脱着プロセスはより省エネルギーであり、且つ脱着が完了した後、直ちに吸着プロセスに移行することができる。
【0030】
実施例3
熱交換装置が設けられた熱風脱着装置について、図6~7、8a~8dを参照する。
【0031】
以上の2つの実施例の脱着プロセスにおいて、吸着ユニットの脱着がまもなく完了する際に、吸着ユニットの端部41及びフレキシブルパイプ511から脱着ガス処理装置02に送られる脱着ガスは高温ガスであり、この部分のガスに運ばれる熱は無駄なエネルギーであり、フレキシブルパイプ511を高温状態にする。解決手段は、熱風脱着装置の、吸着ユニットの端部412に対して出入する2本のフレキシブルパイプ511の間に熱交換器を設けることであり、簡単な解決手段としては、図6に示すように、隔壁式熱交換器5131を設ける。
【0032】
熱利用率がより高い解決手段としては、蓄熱式熱交換器を設ける。その中に、さらに、弁により切り替えられる蓄熱式熱交換器又は蓄熱体が回転する蓄熱式熱交換器を含む。ここで、好ましくは、図7に示すように、蓄熱体が回転する蓄熱式熱交換器5132である。
【0033】
図8a~8dを参照する。蓄熱体5132は、AとBの2つの部分に分けられる。動作時に、1つの吸着ユニットグループの脱着サイクルIの後期で、吸着ユニット4-2から排出された高温脱着ガスは、熱を蓄熱式熱交換器5132の回転する蓄熱体5132-A部に伝達する。吸着ユニットグループの脱着サイクルIが終了して、他方の吸着ユニットグループの脱着サイクルIIに切り替えられる場合、蓄熱体は180°回転する。脱着サイクルIIの開始段階で、蓄熱体5132-A部は、吸着ユニット4-2に入った脱着ガスを加熱し、熱を再利用する。脱着サイクルIIの後期で、吸着ユニット4-3から排出された高温脱着ガスは、蓄熱体5132-B部を加熱する。脱着サイクルIIIで、蓄熱体5132-B部の熱は吸着ユニット4-3に送り戻され、脱着サイクルIIのプロセスを繰り返す。
【0034】
実施例4
モジュール構造のガス吸着濃縮装置について、図9~11を参照する。
【0035】
異なる吸着ガス処理能力の機能要求に対して、異なる吸着ユニットが配置された吸着炉心、及び対応するカバー範囲が異なるが熱風脱着装置などの主な構成が同様である可動式脱着システムを採用することができる。製品の製造コストの削減の角度から、炉心40がモジュール式構造を採用し、可動式脱着装置の移動軌道も容易に接合されて延長できる構造を採用すれば、少量の仕様、さらに単一の仕様の吸着炉心モジュール401及び単一の可動式吸着装置のコア部材により、多種の処理能力のガス吸着濃縮装置を柔軟に組み合わせることができる。
【0036】
図9~11は、炉心モジュールの異なる組み合わせ方式で形成された3つの仕様の組み合わせ型炉心を示す。図面には、吸着ユニット04の正面外観、可動式吸着装置における、吸着ユニットの端部41に接続される回転継手523、及び異なる位置に移動して形成した軌跡524のみが描画されている。
図1
図2
図3
図4
図5(a)】
図5(b)】
【図 】
図6
図7
図8(a)】
図8(b)】
図8(c)】
図8(d)】
図9
図10
図11