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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】荷物投入装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 69/18 20060101AFI20230418BHJP
   B65G 67/32 20060101ALI20230418BHJP
【FI】
B65G69/18
B65G67/32
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2018215462
(22)【出願日】2018-11-16
(65)【公開番号】P2020083494
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-08-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000002107
【氏名又は名称】住友重機械工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000156422
【氏名又は名称】鎌長製衡株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 英二郎
(72)【発明者】
【氏名】寺井 章孝
【審査官】三宅 達
(56)【参考文献】
【文献】実開昭59-142232(JP,U)
【文献】実公昭50-013333(JP,Y1)
【文献】実開昭54-180583(JP,U)
【文献】特開2016-016914(JP,A)
【文献】特開2003-276852(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0268540(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 69/18
B65G 67/32
B65G 65/32
B08B 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷物が投入される投入口が設けられている容器と、
前記荷物を積載した状態で特定方向に移動することにより前記投入口を介して前記容器内に前記荷物を投入するように構成されている積載台と、
前記積載台が前記特定方向に移動する際に、前記投入口の全領域のうち前記荷物が投入される投入領域を除く非投入領域のうち前記投入領域よりも鉛直方向下方に位置する下方領域を少なくとも部分的に覆うように構成されているカバーと、
を備える、荷物投入装置。
【請求項2】
前記積載台は、前記投入口の鉛直方向における最下端部より下方の位置から前記最下端部より上方の位置へと移動することにより前記投入口を介して前記容器内に前記荷物投入するように構成されている、請求項1に記載の荷物投入装置。
【請求項3】
前記積載台は、前記カバーを挟んで前記容器に隣接する容器側端部を有しており、
前記容器側端部は、前記積載台の前記特定方向への移動に伴って前記容器の形状に追従するように移動する、請求項1又は2に記載の荷物投入装置。
【請求項4】
荷物が投入される投入口が設けられている容器と、
前記荷物を積載した状態で特定方向に移動することにより前記投入口を介して前記容器内に前記荷物を投入するように構成されている積載台と、
前記積載台が前記特定方向に移動する際に、前記投入口の全領域のうち前記荷物が投入される投入領域を除く非投入領域を少なくとも部分的に覆うように構成されているカバーと、を備え、
前記積載台の容器側端部は、前記積載台の前記特定方向への移動に伴って前記容器の形状に追従するように移動する、荷物投入装置。
【請求項5】
前記容器側端部は、前記カバーを挟んで前記容器に隣接する、請求項に記載の荷物投入装置。
【請求項6】
前記カバーは、折り畳まれた状態又は巻回された状態である第一の状態と、展開された状態である第二の状態と、の間で移行自在に構成されるとともに、一端が所定位置に固定される一方、他端が前記積載台の前記容器側端部に取り付けられており、前記積載台の前記特定方向への移動に伴って前記他端が移動することにより前記第一の状態から前記第二の状態へと移行して前記非投入領域を少なくとも部分的に覆うように構成されており、
前記カバーは、前記容器の形状に追従するように変形しかつ前記容器に接触した状態で展開するように構成されている、請求項3から5の何れか一項に記載の荷物投入装置。
【請求項7】
前記カバーは、布状部材から構成されている、請求項に記載の荷物投入装置。
【請求項8】
前記カバーは、ロールスクリーン構造を有する、請求項に記載の荷物投入装置。
【請求項9】
前記カバーは、折り畳まれた状態又は巻回された状態である第一の状態と、展開された状態である第二の状態と、の間で移行自在に構成されるとともに、一端が所定位置に固定される一方、他端が前記積載台の前記容器側端部に取り付けられており、前記積載台の前記特定方向への移動に伴って前記他端が移動することにより前記第一の状態から前記第二の状態へと移行して前記非投入領域を少なくとも部分的に覆うように構成されており、
前記カバーは、折畳構造を有する金属部材から構成されている、請求項3から5の何れか一項に記載の荷物投入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷物投入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、トラックの荷台(積載台)に積載された荷物をホッパ等の回収容器に投入する技術が種々提案されている。例えば近年においては、粉粒体が収容されたコンテナを支持台に載置し、支持台を傾斜させることにより粉粒体をコンテナからホッパの投入口に投入する投入装置において、粉粒体をコンテナからホッパにガイドするシュートを設ける技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。かかる技術を採用すると、粉粒体をコンテナからホッパに確実に投入することができる、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-276852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載されたような従来の技術を採用すると、比較的複雑な形状や機構を有するシュートを設計して製作する必要がある上に、そのシュートをホッパの投入口の縁に対して一定の隙間を維持しながら傾斜させる必要があるため、装置の製作や調整に手間と費用がかかる虞があった。
【0005】
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、積載台に積載された荷物を容器内に投入する際の荷こぼれや発塵を抑制することができ、製作や調整が比較的容易な荷物投入装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するため、本発明に係る荷物投入装置は、荷物が投入される投入口が設けられている容器と、荷物を積載した状態で特定方向に移動することにより投入口を介して容器内に荷物を投入するように構成されている積載台と、積載台が特定方向に移動する際に、投入口の全領域のうち荷物が投入される投入領域を除く非投入領域を少なくとも部分的に覆うように構成されているカバーと、を備えるものである。
【0007】
かかる構成を採用すると、積載台の特定方向への移動により投入口を介して容器内に荷物を投入する際に、カバーで投入口の非投入領域を少なくとも部分的に覆うことができる。従って、容器内に荷物を投入する際に投入口の非投入領域から外部へと荷物がこぼれること(荷こぼれ)を抑制することができるとともに、容器内に投入された荷物が吹き上がり非投入領域から外部に排出されること(発塵)を抑制することができる。カバーは、投入口の全領域のうち非投入領域(荷物が投入される投入領域を除く領域)のみを覆うため、荷物の投入を妨げることがない。また、カバーは、複雑な形状や機構を有するシュート等と比較して簡素な構成を有するため、製作や調整が容易であるという利点がある。
【0008】
本発明に係る荷物投入装置において、投入口の鉛直方向における最下端部より下方の位置から最下端部より上方の位置へと移動することにより投入口を介して容器内に荷物に投入するように構成された積載台を採用することが好ましい。かかる場合において、投入口の非投入領域のうち投入領域よりも鉛直方向下方に位置する下方領域を覆うように構成されたカバーを採用することが好ましい。
【0009】
かかる構成を採用すると、積載台が上方へと移動する際に、投入口の非投入領域のうち投入領域よりも鉛直方向下方に位置する領域(下方領域)をカバーで覆うことができる。従って、下方領域からの荷こぼれや発塵を抑制することができる。
【0010】
本発明に係る荷物投入装置において、積載台は、カバーを挟んで容器に隣接する容器側端部を有することが好ましい。この際、容器側端部を、積載台の特定方向への移動に伴って容器の形状に追従するように移動させることが好ましい。
【0011】
かかる構成を採用すると、積載台がカバーを挟んで容器に隣接する容器側端部を有しており、積載台が特定方向に移動する際に、この容器側端部を容器の形状に追従するように移動させることができるため、積載台が移動する際に積載台と容器の間に形成される間隙を低減させることができる。従って、積載台と容器の間からの荷こぼれを抑制することができ、積載台から容器への荷物の投入を効率良く行うことができる。
【0012】
本発明に係る荷物投入装置において、折り畳まれた状態又は巻回された状態である第一の状態と、展開された状態である第二の状態と、の間で移行自在に構成されたカバーを採用することが好ましい。かかる場合において、カバーの一端を所定位置に固定する一方、カバーの他端を積載台の容器側端部に取り付け、積載台の特定方向への移動に伴ってカバーの他端を移動させることにより、カバーを第一の状態から第二の状態へと移行させて、非投入領域を少なくとも部分的に覆うことが好ましい。
【0013】
かかる構成を採用すると、折り畳まれた(又は巻回された)状態のカバーを、積載台の特定方向への移動に伴って展開させることにより、非投入領域を少なくとも部分的に覆うことができる。
【0014】
本発明に係る荷物投入装置において、容器の形状に追従するように変形しかつ容器に接触した状態で展開するように構成されたカバーを採用することが好ましい。
【0015】
かかる構成を採用すると、カバーを容器の形状に追従するように変形させかつ容器に接触させた状態で展開させることができるので、カバーが展開する際にカバーと容器の間に隙間が形成されることを防ぐことができる。従って、容器内から吹き上がった荷物がカバーと容器の間の隙間から外部に排出されることを防ぐことができる。
【0016】
本発明に係る荷物投入装置において、カバーを、布状部材から構成することが好ましい。この際、折り畳み式のカバーだけではなく、ロールスクリーン構造を有するカバーを採用してもよい。
【0017】
かかる構成を採用すると、布状部材でカバーを構成しているため、折り畳んだときのスペースを節減することができるとともに、容器の形状に容易に追従させることができる。また、修理が容易で比較的安全であり、安価であるという利点をも有する。
【0018】
本発明に係る荷物投入装置において、カバーを、折畳構造を有する金属部材から構成してもよい。
【0019】
かかる構成を採用すると、比較的重量の大きい金属部材でカバーを構成しているため、容器内で荷物が吹き上がってもカバーが動くことがない。
【0020】
本発明に係る荷物投入装置において、カバーとして、積載台の特定方向への移動に伴って特定方向へ移動して非投入領域を少なくとも部分的に覆うように構成された板状部材を採用することもできる。
【0021】
かかる構成を採用すると、カバーとして、積載台に連動して非投入領域を少なくとも部分的に覆うように構成された板状部材を採用しているため、カバーに折畳構造や巻回構造を設ける必要がなく、製造が容易となる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、積載台に積載された荷物を容器内に投入する際の荷こぼれや発塵を抑制することができ、製作や調整が比較的容易な荷物投入装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1】本発明の実施形態に係る荷物投入装置の全体構成を示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る荷物投入装置の容器を図1のII方向から見た図である。
図3】本発明の実施形態に係る荷物投入装置の主要な構成を示す図(積載台が回動していない状態を示す図)である。
図4】本発明の実施形態に係る荷物投入装置の主要な構成を示す図(積載台が上限まで回動した状態を示す図)である。
図5】本発明の実施形態に係る荷物投入装置の動作を説明するための図(積載台が回動していない状態を示す図)である。
図6】本発明の実施形態に係る荷物投入装置の動作を説明するための図(積載台が15°回動した状態を示す図)である。
図7】本発明の実施形態に係る荷物投入装置の動作を説明するための図(積載台が30°回動した状態を示す図)である。
図8】本発明の実施形態に係る荷物投入装置の動作を説明するための図(積載台が上限まで回動した状態を示す図)である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して、本発明の好ましい実施形態について説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は、図示の比率に限定されるものではない。また、以下の実施形態はあくまでも好適な適用例であって、本発明の適用範囲がこれに限定されるものではない。
【0025】
まず、図1図4を用いて、本発明の実施形態に係る荷物投入装置1の構成について説明する。荷物投入装置1は、図1に示すように、所定の場所に設置された容器10と、荷物を積載した状態で回動する積載台20と、積載台20の回動に伴って容器10の投入口を部分的に覆うカバー30と、を備えている。
【0026】
容器10は、荷物を受け入れるホッパ部11と、ホッパ部11の上方に設けられたフード部12と、を有している。
【0027】
ホッパ部11は、積載台20から投入される荷物を受け入れる容器状の部分であり、所定量の荷物を貯留可能な容積を有している。ホッパ部11の積載台20側の側面11aは、図1図3図4に示すように側面視円弧状の曲面とされており、この側面11aには、荷物が投入されるホッパ投入口13が設けられている。ホッパ投入口13は、ホッパ部11の最下部(荷物が落下する底面が位置する部分)11bから所定の高さを有する位置に形成されている。すなわち、ホッパ投入口13の鉛直方向における最下端部13aは、ホッパ部11の最下部11bよりも高い位置に配置されている。一方、図2に示すように、ホッパ投入口13の上方は開放され、フード部12に設けられたフード投入口15(後述)に連なるようになっている。
【0028】
フード部12は、ホッパ部11に投入された荷物が周囲に飛散することを防ぐように機能する部分であり、その最上部には、集塵用のダクト14が設けられている。図示されていないファンを駆動することにより、ホッパ部11とフード部12内のエアがダクト14を介して吸引され、除塵される。フード部12の積載台20側の側面12aには、ホッパ部11のホッパ投入口13に連なるフード投入口15が形成されている。ホッパ投入口13及びフード投入口15により、図2に示すように、容器10の積載台20側の側面に比較的大きな投入口16が形成されることとなる。
【0029】
積載台20は、荷物を積載した状態で特定方向に移動することにより、投入口16(ホッパ投入口13及びフード投入口15)を介して容器10内に荷物を投入するように機能するものである。具体的に説明すると、本実施形態における積載台20は、図3及び図4に示すように、所定の回動軸20aを中心に回動するように構成されており、ホッパ投入口13の鉛直方向における最下端部13aより下方の位置から最下端部13aより上方の位置へと移動することにより、投入口16を介して容器10内に荷物を投入するように構成されている。
【0030】
積載台20は、図3及び図4に示すように、カバー30を挟んで容器10に隣接する容器側端部21を有している。容器側端部21は、積載台20の特定方向への移動(上方への回動)に伴って容器10のホッパ部11の側面11aの形状に追従するように移動する。
【0031】
なお、本実施形態における積載台20は、荷物を積載した車両T(図5図8)を載せて固定した状態で回動できるように構成されており、後述するように車両Tの後部扉Dを開放して車両Tの荷台Sから投入口16へと荷物を投入することができるようになっているが、積載台20の構成はこのように車両Tを載せて固定する構成に限られるものではなく、荷物を積載した状態で特定方向に移動することにより投入口16を介して容器10内に荷物を投入することができるものであればよい。
【0032】
カバー30は、積載台20が上方に回動する際に、投入口16の全領域のうち荷物が投入される投入領域AT図4図8)を除く非投入領域を部分的に覆うように構成されている。具体的に説明すると、本実施形態におけるカバー30は、投入口16の非投入領域のうち投入領域ATよりも鉛直方向下方に位置する下方領域AU図4図8)を覆うように構成されている。積載台20が上方に回動する際に、非投入領域のうち投入領域ATよりも鉛直方向下方に位置する下方領域AUが開放されていると、容器10内に荷物を投入する際に下方領域AUから外部へと荷物がこぼれたり、容器10内に投入された荷物が吹き上がり下方領域AUから外部に排出されたりする場合がある。本実施形態におけるカバー30は、積載台20が上方に回動する際に下方領域AUを覆うことができるため、荷こぼれや発塵を抑制することができる。
【0033】
本実施形態におけるカバー30は、折り畳み可能な可撓性部材(フレキシブルな素材)からなり、折り畳まれた状態である第一の状態(図3)と、展開された状態である第二の状態(図4)と、の間で移行自在に構成されている。カバー30の一端31は、図3及び図4に示すように、容器10の所定位置(ホッパ部11の側面11aの最下部付近の位置)に固定されている。一方、カバー30の他端32は、積載台20の容器側端部21の下部に取り付けられている。そして、カバー30は、積載台20の上方への回動に伴って他端32が上方に移動することにより第一の状態から第二の状態へと移行して下方領域AU図4図8)を覆うことができるようになっている。
【0034】
カバー30は、折り畳まれた状態である第一の状態にあるときには、図3に示すように、容器10のホッパ部11の側面11aの最下部付近に形成された凹部17に収納される。一方、カバー30は、その他端32の上方への移動に伴って、容器10のホッパ部11の側面11aの形状に追従するように変形し、この側面11aに接触した状態で展開するようになっている。なお、容器10のホッパ部11の側面11aのうちカバー30が接触する部分には、カバー30との摩擦を低減させる部材(例えば高分子ライナシート等)が貼付されている。
【0035】
本実施形態においては、可撓性部材として布状部材を採用している。布は糸を編んだものであり、糸と糸の間に微小な隙間が形成されていることから、この微小な隙間から空気のみを逃がしつつ粉塵の外部への飛散(発塵)を抑制することができる。なお、可撓性部材は、発塵を抑制することができるものであればよく、布状部材に限られるものではない。例えば、ビニールシート等を採用することもできる。また、糸についても、例えば、天然素材や化学繊維等を採用することができる。
【0036】
なお、本実施形態においては、図3及び図4に示すように、折り畳まれた状態にあるカバー30を展開させた例を示したが、カバー30を折り畳まずに展開させた状態を維持したまま、下方から上方へと(又は上方から下方へと)カバー30を移動させることもできる。かかる構成を採用する場合には、カバー30が下方に位置するときにカバー30を収納する空間(溝)を、ホッパ部11と積載台20との間に設けるようにする。
【0037】
次に、図5図8を用いて、本実施形態に係る荷物投入装置1の動作について説明する。
【0038】
まず、図5に示すように、荷物(例えば粉粒体)Pを荷台Sに積載した車両Tを、水平にした積載台20の上に載せて固定し、車両Tの後部扉Dを開放する。これにより、車両Tの荷台Sから荷物Pの一部が積載台20の上に零れ落ちる。零れ落ちた荷物Pは、図5に示すように、車両Tの後部扉Dの下方に突出したエッジ部Eと、容器10のホッパ部11の側面11aと、の間に形成される間隙Gに溜まる。図5に示した状態においては、カバー30は折り畳まれて、容器10の凹部17に収納されている。
【0039】
図5に示した状態から、回動軸20aを中心に積載台20を矢印R方向へと15°回動させて図6に示した状態へと移行させると、積載台20の傾斜に伴って車両Tも傾斜するため、車両Tの荷台Sから多くの荷物Pが積載台20の上に零れ落ち、間隙Gに溜まる。積載台20の上の間隙Gに溜まった荷物Pの高さが、容器10のホッパ部11のホッパ投入口13の最下端部13aの高さを超えると、超えた分の荷物Pはホッパ投入口13を介してホッパ部11の内部へと落下する。また、このような積載台20の回動に伴い、カバー30は、積載台20の容器側端部21の下部に取り付けられた他端32が持ち上げられて部分的に展開する。
【0040】
図6に示した状態から、積載台20を矢印R方向へさらに15°(すなわち図5に示した状態から30°)回動させて図7に示した状態へと移行させると、積載台20の容器側端部21は、容器10のホッパ部11に設けられたホッパ投入口13の最下端部13aよりも若干上方に位置することとなる。このため、積載台20の傾斜によって車両Tの荷台Sから零れ落ちた荷物Pは、図7に示すように、積載台20の容器側端部21を超えて(すなわち積載台20の上に溜まることなく)ホッパ投入口13を介してホッパ部11の内部へと落下する。この際、カバー30は、積載台20のさらなる回動に伴い、他端32がより上方へと持ち上げられて展開するが、カバーの他端32はホッパ投入口13の最下端部13aまで到達しておらず、ホッパ投入口13を部分的に覆うまでには至っていない。
【0041】
図7に示した状態から、積載台20をさらに矢印R方向へ上限まで回動させて図8に示した状態へと移行させると、積載台20の容器側端部21は、ホッパ投入口13の最下端部13aの上方を通過してフード投入口15側に近付き、積載台20の傾斜によって車両Tの荷台Sから零れ落ちた荷物Pは、図8に示すように、ホッパ投入口13を介してホッパ部11の内部へと落下する。この際、カバー30の他端32は、積載台20の回動に伴ってより上方に持ち上げられ、ホッパ投入口13の最下端部13aの上方を通過する。このため、カバー30は、投入口16の全領域のうち、投入領域ATよりも鉛直方向下方に位置する下方領域AU(非投入領域の一部)を覆うこととなる。すなわち、積載台20が上方に回動する際に、投入口16には、その全領域のうち荷物が投入される投入領域ATを除く非投入領域が形成されるが、本実施形態においては、積載台20の回動に伴ってカバー30の他端32が上方に持ち上げられてカバー30が展開し、その展開したカバー30により、非投入領域のうち投入領域ATよりも鉛直方向下方に位置する下方領域AUを覆うことができる。
【0042】
以上説明した実施形態に係る荷物投入装置1においては、積載台20の特定方向への移動により投入口16を介して容器10内に荷物Pを投入する際に、カバー30で投入口16の非投入領域を少なくとも部分的に覆うことができる。従って、容器10内に荷物Pを投入する際に投入口16の非投入領域から外部へと荷物Pがこぼれること(荷こぼれ)を抑制することができるとともに、容器10内に投入された荷物Pが吹き上がり非投入領域から外部に排出されること(発塵)を抑制することができる。カバー30は、投入口16の全領域のうち非投入領域(荷物Pが投入される投入領域ATを除く領域)のみを覆うため、荷物Pの投入を妨げることがない。また、カバー30は、複雑な形状や機構を有するシュート等と比較して簡素な構成を有するため、製作や調整が容易であるという利点がある。
【0043】
また、以上説明した実施形態に係る荷物投入装置1においては、積載台20が上方へと移動する際に、投入口16の非投入領域のうち投入領域ATよりも鉛直方向下方に位置する領域(下方領域AU)をカバー30で覆うことができる。従って、下方領域AUからの荷こぼれや発塵を抑制することができる。
【0044】
さらに、以上説明した実施形態に係る荷物投入装置1においては、積載台20がカバー30を挟んで容器10に隣接する容器側端部21を有しており、積載台20が特定方向に移動する際に、この容器側端部21を容器10の形状に追従するように移動させることができるため、積載台20が移動する際に積載台20と容器10の間に形成される間隙を低減させることができる。従って、積載台20と容器10の間からの荷こぼれを抑制することができ、積載台20から容器10への荷物Pの投入を効率良く行うことができる。
【0045】
またさらに、以上説明した実施形態に係る荷物投入装置1においては、折り畳まれた状態のカバー30を、積載台20の特定方向への移動に伴って展開させることにより、非投入領域を少なくとも部分的に覆うことができる。また、カバー30を容器10の形状に追従するように変形させかつ容器10に接触させた状態で展開させることができるので、カバー30が展開する際にカバー30と容器10の間に隙間が形成されることを防ぐことができる。従って、容器10内から吹き上がった荷物Pがカバー30と容器10の間の隙間から外部に排出されることを防ぐことができる。
【0046】
さらにまた、以上説明した実施形態に係る荷物投入装置1においては、布状部材でカバー30を構成しているため、折り畳んだときのスペースを節減することができるとともに、容器10の形状に容易に追従させることができる。また、修理が容易で比較的安全であり、安価であるという利点をも有する。
【0047】
なお、以上の実施形態においては、投入口16の非投入領域のうち投入領域ATよりも鉛直方向下方に位置する領域(下方領域AU)のみを覆うカバー30を採用した例を示したが、投入口16の非投入領域のうち投入領域ATよりも鉛直方向上方に位置する領域(上方領域)を覆うように構成されたカバーを採用することもできる。かかる構成を採用すると、上方領域からの荷こぼれや発塵をも抑制することができる。
【0048】
以上の実施形態においては、折り畳まれた状態(第一の状態)から展開された状態(第二の状態)へと移行するカバー30を採用した例を示したが、巻回された状態(第一の状態)から展開された状態(第二の状態)へと移行可能なロールスクリーン構造を有するカバーを採用することもできる。
【0049】
また、以上の実施形態においては、布状部材からなるカバー30を採用した例を示したが、折畳構造を有する金属部材によってカバーを構成することもできる。かかる構成を採用すると、比較的重量の大きい金属部材でカバーを構成するため、容器10内で荷物Pが吹き上がってもカバーが動くことがない。
【0050】
さらに、以上の実施形態においては、折り畳まれた状態(第一の状態)から展開された状態(第二の状態)へと移行する布製のカバー30を採用した例を示したが、このような展開式のカバー30に代えて、移動式のカバーを採用することもできる。例えば、カバーとして、積載台20の特定方向への移動に伴って特定方向へ移動して非投入領域を少なくとも部分的に覆うように構成された板状部材を採用することができる。かかる構成を採用すると、カバーに折畳構造や巻回構造を設ける必要がなく、製造が容易となる。
【0051】
なお、以上の実施形態においては、当初からカバー30が設けられている荷物投入装置1について説明したが、容器10と積載台20のみを備えていた装置にカバー30を後付けで設置してもよい。このように後付けでカバーを設置した荷物投入装置もまた本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【0052】
本発明は、以上の実施形態に限定されるものではなく、かかる実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。すなわち、前記実施形態が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前記実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【産業上の利用可能性】
【0053】
本発明は、積載台に積載された荷物を容器内に投入する際の荷こぼれや発塵を抑制することができ、製作や調整が比較的容易な荷物投入装置を提供する際に有用である。
【符号の説明】
【0054】
1…荷物投入装置
10…容器
13…ホッパ投入口
13a…最下端部
15…フード投入口
16…投入口
20…積載台
21…容器側端部
30…カバー
31…一端
32…他端
T…投入領域
U…下方領域(非投入領域)
P…荷物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8