(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】スケジュール予約サーバ及びスケジュール予約方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/02 20120101AFI20230418BHJP
G06Q 10/0631 20230101ALI20230418BHJP
【FI】
G06Q10/02
G06Q10/0631
(21)【出願番号】P 2018222082
(22)【出願日】2018-11-28
【審査請求日】2021-11-27
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518183354
【氏名又は名称】株式会社EPファーマライン
(74)【代理人】
【識別番号】100109014
【氏名又は名称】伊藤 充
(74)【代理人】
【識別番号】100141988
【氏名又は名称】松本 浩一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100182154
【氏名又は名称】吉田 淳一
(72)【発明者】
【氏名】後藤 栄蔵
(72)【発明者】
【氏名】坂下 幸二
【審査官】小原 正信
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-110600(JP,A)
【文献】特開2017-016499(JP,A)
【文献】特開2008-123119(JP,A)
【文献】国際公開第2005/062223(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療機関の医療従事者と、医療用医薬品の説明をするために医療機関の医療従事者と面談する面談者と、の面談スケジュールを、複数の前記面談者のために、
利用者が予約するスケジュール予約サーバであって、
前記面談者ごとに、日付及び時間帯に対して、少なくとも予約状況と、
本スケジュール予約サーバを利用して予約を指示した利用者と、が記録されている面談のスケジュールを記録するスケジュールデータベースと、
前記スケジュールデータベースから、前記面談のスケジュールを読み出し、読み出した前記面談のスケジュールを、
本スケジュール予約サーバを利用して予約を指示する利用者に提供する制御部と、
を備え、
前記予約状況は、少なくとも、予約が入っていない「空き」と、休みである「休み」と、予約が入っている「予約」と、のいずれかの状況であり、
前記利用者に提供される前記面談のスケジュールの前記予約状況が「予約」の場合は、その予約を指示した前記利用者が表示されており、
前記制御部は、前記提供された前記面談のスケジュール中の前記予約状況が「空き」の中から選んで、前記利用者が指示した前記面談者が前記医療従事者と面談をする日付及び時間帯と、前記利用者が指示した当該日付及び時間帯において面談を行う前記面談者と、を受信した場合に、指示された前記面談者の指示された前記日付と指示された前記時間帯のスケジュールに対して、予約状況の「予約」と、前記利用者と、を前記スケジュールデータベースに記録す
ることを特徴とするスケジュール予約サーバ。
【請求項2】
請求項1記載のスケジュール予約サーバであって、
前記制御部は、提供された前記面談のスケジュールに基づき、予約状況が前記「空き」の中から前記利用者が指示した前記面談者と前記日付と前記時間帯とを受信した場合、
さらに、前記利用者から、少なくとも面談の対象である医療機関と、面談の対象である医療従事者と、面談の対象である医療用医薬品と、前記
医療用医薬品の製薬会社と、
を受信し、受信した前記医療機関と、前記医療従事者と、前記医療用医薬品と、前記製薬会社と、を前記スケジュールデータベースに記録することを特徴とするスケジュール予約サーバ。
【請求項3】
請求項1又は2記載のスケジュール予約サーバであって、
前記制御部が提供する前記面談のスケジュールを、所定の通信回線を介して外部に送信し、前記通信回線を介して、前記利用者の予約を受信し、受信した前記利用者の予約を前記制御部に送信する通信部、
を備えることを特徴とするスケジュール予約サーバ。
【請求項4】
請求項1記載のスケジュール予約サーバであって、
前記面談者と、前記面談者が説明することができる医療用医薬品と、を記録する面談者データベース、
を備え、
前記制御部は、前記利用者が指示した前記医療用医薬品の説明をすることができる前記面談者を、前記面談者データベースから検索して読み出し、読み出した1以上の前記面談者に関する面談のスケジュールのみを前記利用者に提示することを特徴とするスケジュール予約サーバ。
【請求項5】
請求項1記載のスケジュール予約サーバであって、
前記面談者と、前記面談者が説明することができる医療用医薬品と、を記録する面談者データベース、
を備え、
前記制御部は、前記利用者が指示した前記医療用医薬品の説明をすることができる前記面談者を、前記面談者データベースから検索して読み出し、読み出した1以上の前記面談者を面談者候補として前記利用者に提示し、
前記利用者が前記面談者候補から所定の面談者を選択した場合、前記制御部は、選択された1以上の前記面談者に関する面談のスケジュールのみを前記利用者に提示することを特徴とするスケジュール予約サーバ。
【請求項6】
請求項1記載のスケジュール予約サーバであって、
完了した前記面談の内容が記録されている面談履歴データベースであって、前記面談を行った前記医療機関と、前記医療従事者と、を少なくとも含む面談履歴データベースと、
を備え、
前記制御部は、前記利用者が指示する前記医療機関に対して行った前記面談を、前記面談履歴データベースから検索して読み出し、読み出した前記面談を前記利用者に提示することを特徴とするスケジュール予約サーバ。
【請求項7】
請求項1記載のスケジュール予約サーバであって、
完了した前記面談の内容が記録されている面談履歴データベースであって、前記面談を行った前記医療機関と、前記医療従事者と、を少なくとも含む面談履歴データベースと、
を備え、
前記制御部は、前記利用者が指示する前記医療従事者に対して行った前記面談を、前記面談履歴データベースから検索して読み出し、読み出した前記面談を前記利用者に提示することを特徴とするスケジュール予約サーバ。
【請求項8】
請求項1から3のいずれか1項に記載のスケジュール予約サーバを用いて、スケジュールの予約を行うスケジュール予約方法であって、
前記制御部が、前記スケジュールデータベースから、前記面談のスケジュールを読み出し、読み出した前記面談のスケジュールを利用者に提供するステップと、
前記制御部が、前記利用者が指示した前記面談者と前記日付と前記時間帯とを受信するステップと、
前記制御部が、前記利用者により指示された前記面談者の指示された前記日付と指示された前記時間帯のスケジュールに対して、予約状況の「予約」と、前記利用者と、を前記スケジュールデータベースに記録するステップと、
を含み、
前記利用者に提供される前記面談のスケジュールの前記予約状況が「予約」の場合は、その予約を指示した前記利用者が表示されていることを特徴とするスケジュール予約方法。
【請求項9】
請求項1記載のスケジュール予約サーバであって、
完了した前記面談の内容が記録されている面談履歴データベースであって、前記面談を行った前記医療機関と、前記医療従事者と、
前記医療用医薬品と、を少なくとも含む面談履歴データベースと、
を備え、
前記制御部は、前記利用者が指示する前記
医療用医薬品に関して行った前記面談を、前記面談履歴データベースから検索して読み出し、読み出した前記面談を前記利用者に提示することを特徴とするスケジュール予約サーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療従事者と医薬情報担当者(MR:Medical Representative)との面談スケジュールの予約を行うスケジュール予約サーバに関する。特に、インターネットを介したインターネットテレビ電話を用いた面談のスケジュールを予約するスケジュール予約サーバ及び当該サーバを用いたスケジュール予約方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬情報担当者(以下、MRと称する)は、医薬品の適正使用のため、医師や薬剤師などの医療従事者を訪問等して、医薬品の品質、有効性、安全性などに関する情報の提供、収集、伝達を主たる業務とする。これを単に「医療用医薬品の適正使用の情報提供」と呼ぶ場合もある。
【0003】
このMRは、多くの場合、製薬会社に所属し、その製薬会社の医療用医薬品の情報を、医療従事者に提供する。また、MRは、医療従事者から得られた副作用等の情報を収集し、製薬会社にフィードバックする業務も行っている。
【0004】
近年、医療の効率化や薬価に対する削減の要求が高まり、MRが実行する業務に関してもより効率化が求められている。そこで、MRが医療機関を訪問するのではなく、テレビ電話(インターネット・テレビ電話)やインターネットをテレビ会議システム(Web会議システム等と呼ぶ)を用いて、医療用医薬品の適正使用の情報提供を医療従事者に対して行うことが提唱されている。このような仕組みによれば、MRが医療機関等を訪問する必要がなくなり、より効率的な業務が可能になると考えられている。
【0005】
用語
「医療従事者」とは、主として、医師や薬剤師を意味するが、歯科医師や看護師等、医療に携わる人員一般を意味し、いわゆる医療機関(病院や診療所、リハビリセンター等)で働く医療関係者も含む。
【0006】
先行特許文献
下記特許文献1には、インターネットにおける共有資料を用いて会議を行う方法が開示されている。この文献に記載されていつ発明によれば、ポータルサイトを通じてテレビ電話サービスを実現し、ポータルサイトを通じて共有資料を用いて、リアルタイムで会議を行うことができると記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上述したようにMRがインターネットテレビ電話やWeb会議システム等を用いて、医療従事者に対する医療用医薬品の適正使用の情報提供を行うことは、リモート・ディテーリング(Remote Detailing)と呼ばれている。業務の効率化に寄与するものと考えられている。
しかし、このようなインターネットテレビ電話等を利用するためには、MR側と、医療従事者側とにおいて、(1)そのための機器をセッティングし、かつ、(2)面談を行うスケジュールをあらかじめ設定しておく必要がある。従って、このリモート・ディテーリングを行うためには、そのための準備作業が繁雑となり、業務の効率化が期待通りにはいかない場合も想定される。
本発明は係る課題に鑑みなされたものであり、その目的は、インターネットテレビ電話やWeb会議システム等を用いて、医療従事者に対する医療用医薬品の適正使用の情報提供を行う際に、当該スケジュールをより容易に設定することができる仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる課題を解決するために、本願発明者は、鋭意研究を重ねた結果、医療用医薬品の適正使用の情報提供のスケジューリングに際して、医療卸売担当者(MS:Marketing Specialist)との業務連携を行うことが好ましいと考え、かかる業務連携に適した面談スケジュール設定システムを構築するというアイデアに至った。
ここで、医療卸売担当者(以下、MSと称する)とは、医薬品卸売業の営業担当者をいい、製薬会社から仕入れた医薬品(医療材料、医療機器等も含む)等の商品を、医療機関や調剤薬局に販売することを主たる業務とする者をいう。また、医薬品の効能・効果や、医療制度の改正、季節性疾患の情報の提供等も行う。そのため、MRの業務と類似する点もあるが、MSは、複数の製薬会社の製品を比較・提案する幅広い知識が要求される等、MRとは異なる点も多い。また、MSは実際に医療機関に医薬品の販売を行い、価格交渉等を行うという点で、営業的な側面がMRより大きい。
【0010】
このMS、MRは、共に医療用医薬品の流通に携わるスペシャリストであり、共に協力し合いながら医療用医薬品の流通・供給を担っている。
そこで、本願発明者は、MSの営業業務に、MRの情報提供のための面談のスケジューリングを載せることによって、MSとMRとを協力させる業務を構築しようと考えた。このような業務を実現できれば、MRは、一カ所に配置されつつ、複数箇所の医療機関や調剤薬局の医療従事者とインターネットテレビ電話等を用いて、いわゆるリモート・ディテールを容易に行うことができ、より効率的な医療用医薬品の適正使用に関する情報提供を実行することができると考えたものである。
このような業務を実現するために、本願発明者は、インターネット上に予約サイトを設けて、面談のスケジューリングをより容易に行うことができる以下のような構成の発明を完成させるに至った。
【0011】
(1)本発明は、上記課題を解決するために、複数の面談者のスケジュールを予約するためのスケジュール予約サーバであって、前記面談者ごとに、日付及び時間帯に対して、少なくとも予約状況と、予約を指示した利用者が記録されている面談のスケジュールを記録するスケジュールデータベースと、前記スケジュールデータベースから、前記面談のスケジュールを読み出し、読み出した前記面談のスケジュールを利用者に提供する制御部と、
を備え、前記予約状況は、少なくとも、予約が入っていない「空き」と、休みである「休み」と、予約が入っている「予約」と、のいずれかの状況であり、前記制御部は、提供された前記面談のスケジュールに基づき、予約状況が前記「空き」の中から前記利用者が指示した前記面談者と前記日付と前記時間帯とを受信した場合、指示された前記面談者の指示された前記日付と指示された前記時間帯のスケジュールに対して、予約状況の「予約」と、前記利用者と、を前記スケジュールデータベースに記録し、前記利用者に提供される前記面談のスケジュールの前記予約状況が「予約」の場合は、その予約を指示した前記利用者が表示されていることを特徴とするスケジュール予約サーバである。
【0012】
(2)また、本発明は、(1)記載のスケジュール予約サーバであって、前記制御部は、提供された前記面談のスケジュールに基づき、予約状況が前記「空き」の中から前記利用者が指示した前記面談者と前記日付と前記時間帯とを受信した場合、さらに、前記利用者から、少なくとも面談の対象である医療機関と、面談の対象である医療従事者と、面談の対象である医療用医薬品と、前記利用用医薬品の製薬会社と、を前記スケジュールデータベースに記録することを特徴とするスケジュール予約サーバである。
【0013】
(3)また、本発明は、(1)又は(2)記載のスケジュール予約サーバであって、前記制御部が提供する前記面談のスケジュールを、所定の通信回線を介して外部に送信し、前記通信回線を介して、前記利用者の予約を受信し、受信した前記利用者の予約を前記制御部に送信する通信部、を備えることを特徴とするスケジュール予約サーバである。
【0014】
(4)また、本発明は、(1)記載のスケジュール予約サーバであって、前記面談者は、医療用医薬品の説明を、医療機関の医療従事者に対して行う面談者であり、前記面談者と、前記面談者が説明することができる医療用医薬品と、を記録する面談者データベース、を備え、前記制御部は、前記利用者が指示した前記医療用医薬品の説明をすることができる前記面談者を、前記面談者データベースから検索して読み出し、読み出した1以上の前記面談者に関する面談のスケジュールのみを前記利用者に提示することを特徴とするスケジュール予約サーバである。
【0015】
(5)また、本発明は、(1)記載のスケジュール予約サーバであって、前記面談者は、医療用医薬品の説明を、医療機関の医療従事者に対して行う面談者であり、前記面談者と、前記面談者が説明することができる医療用医薬品と、を記録する面談者データベース、を備え、前記制御部は、前記利用者が指示した前記医療用医薬品の説明をすることができる前記面談者を、前記面談者データベースから検索して読み出し、読み出した1以上の前記面談者を面談者候補として前記利用者に提示し、前記利用者が前記面談者候補から所定の面談者を選択した場合、前記制御部は、選択された1以上の前記面談者に関する面談のスケジュールのみを前記利用者に提示することを特徴とするスケジュール予約サーバである。
【0016】
(6)また、本発明は、(1)記載のスケジュール予約サーバであって、前記面談者は、医療用医薬品の説明を、医療機関の医療従事者に対して行う面談者であり、完了した前記面談の内容が記録されている面談履歴データベースであって、前記面談を行った前記医療機関と、前記医療従事者と、を少なくとも含む面談履歴データベースと、を備え、前記制御部は、前記利用者が指示する前記医療機関に対して行った前記面談を、前記面談履歴データベースから検索して読み出し、読み出した前記面談を前記利用者に提示することを特徴とするスケジュール予約サーバである。
【0017】
(7)また、本発明は、(1)記載のスケジュール予約サーバであって、前記面談者は、医療用医薬品の説明を、医療機関の医療従事者に対して行う面談者であり、完了した前記面談の内容が記録されている面談履歴データベースであって、前記面談を行った前記医療機関と、前記医療従事者と、を少なくとも含む面談履歴データベースと、を備え、前記制御部は、前記利用者が指示する前記医療従事者に対して行った前記面談を、前記面談履歴データベースから検索して読み出し、読み出した前記面談を前記利用者に提示することを特徴とするスケジュール予約サーバである。
【0018】
(8)また、本発明は、(1)から(3)のいずれか1項に記載のスケジュール予約サーバを用いて、スケジュールの予約を行うスケジュール予約方法であって、前記制御部が、前記スケジュールデータベースから、前記面談のスケジュールを読み出し、読み出した前記面談のスケジュールを利用者に提供するステップと、前記制御部が、前記利用者が指示した前記面談者と前記日付と前記時間帯とを受信するステップと、前記制御部が、前記利用者により指示された前記面談者の指示された前記日付と指示された前記時間帯のスケジュールに対して、予約状況の「予約」と、前記利用者と、を前記スケジュールデータベースに記録するステップと、を含むことを特徴とするスケジュール予約方法である。
【発明の効果】
【0019】
このように、本発明によれば、利用者は、面談者のスケジュールを確認しながら面談の予定をすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】スケジュール予約サーバ100を用いた業務(MS経由型バーチャルMR)の構成の概念図である。
【
図4】バーチャルMR104aの面談スケジュールの設定から面談に至る動作の詳細な説明図である。
【
図5】「MS経由型バーチャルMR」業務を実行する場合の処理動作の流れを示すフローチャートである。
【
図6】「MS経由型バーチャルMR」業務を実行する場合の処理動作の流れを示すフローチャートである。
【
図7】「MS経由型バーチャルMR」業務を実行する場合の処理動作の流れを示すフローチャートである。
【
図8】後日接続の場合のフローと、即時接続の場合のフローとを並べて記載した概念図である。
【
図9】後日接続の場合の面談の手順を示す説明図である。
【
図10】即時接続の場合の面談の手順を示す説明図である。
【
図11】スケジュール予約サーバ100の構成ブロック図である。
【
図12】MS102がタブレット端末102aを用いて、スケジュール予約サーバ100に対して予約を行う処理を表すフローチャートである。
【
図13】スケジュール予約画面を表す模式図である。
【
図14】MS102がタブレット端末102aを用いて、スケジュール予約サーバ100に対して予約を行う処理を表す他のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の好適な実施形態に係るスケジュール予約サーバ100を用いたMR及びMSの業務の遂行の様子を図面に基づき説明する。本実施形態では、このような業務形態を、「MS経由型バーチャルMR」と呼ぶ。
【0022】
A.構成
本実施形態に係るスケジュール予約サーバ100を用いた業務(MS経由型バーチャルMR)の構成の概念図が
図1に示されている。
この図に示すように、スケジュール予約サーバ100は、インターネット110に接続しており、インターネット110に接続できる環境であればどこからでもアクセスすることができる。
スケジュール予約サーバ100は、請求の範囲のスケジュール予約サーバの好適な一例に相当する。
【0023】
MS102は、タブレット端末102aを携行しており、このタブレット端末102aを利用して、インターネット110を介してスケジュール予約システム100にアクセスすることができる。MS102は、この仕組みを利用して、スケジュール予約システム100にアクセスして、MR104と医療従事者(例えば医師)との面談の予約を行うことができる。
なお、MS102は、請求の範囲の利用者の好適な一例に相当する。なお、業務の遂行の仕方によっては、MS102の上司等もスケジュール予約サーバ100を、MS102と同様に使用してもよい場合もある。その場合は、その上司が、請求の範囲の利用者の好適な一例に相当する。
【0024】
MR104は、自己のスケジュール(稼働時間、勤務時間)をあらかじめ、スケジュール予約システム100に登録している。したがって、MS102はそのスケジュールをスケジュール予約システム100上で閲覧しながら面談の予約を設定することができる。MR104は、予約されたスケジュールに基づき、所定の日時に、インターネットテレビ電話等を用いて、医師108との面談を実行する。MS102も、予約されたスケジュールに基づき、その所定の日時に、タブレット端末102aを携行して医師108を訪問し、そのタブレット端末102aを介してMR104と医療従事者との面談をサポートする。
【0025】
このように、本実施形態においては、MS102が医療機関106を訪問した際に、MR104と医師との面談の予約を行うので、MR104はいわゆる外回りをする必要がなくなり、面談業務に集中することができる。本実施形態では、このようにインターネットテレビ電話を用いて面談の業務に集中することができるMR104を、バーチャルMR104aと呼ぶ。
バーチャルMR104aは、請求の範囲の面談者の好適な一例に相当する。なお、遠隔地からインターネットテレビ電話等で面談を行う者であれば、請求の範囲の面談者の一例となる場合もある。
【0026】
また、従来、いわゆるリモート・ディテールにおいて、インターネットテレビ電話等を用いたMR104と医師108との面談を行おうとする場合、医師108側がインターネットテレビ電話の設定に失敗する等によって、面談が円滑に行われない場合も散見された。これに対して、本実施形態においては、インターネットテレビ電話を行うためのタブレット端末102aを、MS102が携行して医師108を訪問しているので、それを用いて円滑にインターネットテレビ電話を操作することができ、いわゆるリモート・ディテールを円滑に成功させることができる。
この場合、例えば面談の始まる前からインターネットテレビ電話を起動させる等を行うことによって、面談の準備を十分に行うことができる。従って、医師108の手を煩わせることなく、面談を開始して進めることができ、業務効率の向上が図れる。
【0027】
B.業務パターン
MS102とMR104とが連携して実行するMS経由型バーチャルMRの業務パターンは、大きく分けて2種類ある。その概念図が
図2、
図3に示されている。
【0028】
(1)プル型(リアクティブ型)
プル型業務パターンの概念図が
図2に示されている。
この図に示すように、まず(1)医師がバーチャルMR104aと面談を行うために、バーチャルMRに連絡をとり、面談の予約を行う。この動作が、
図2の(1)に示されている。この連絡は、電話連絡やEメール等で行うことができる。バーチャルMR104aは、通常は、所定の会社に勤務しているので、医師108等はその会社に電話することによって、バーチャルMR104aと面談の予約を取ることができる。
バーチャルMR104aへの連絡は、このように電話やEメールでもよいが、医師108自身(又は医師の補助者)がスケジュール予約システム100にアクセスし、面談の予約を実行可能に構成してもよい。このような構成を採用する場合は、例えばMS102があらかじめ、医師108を訪問する際にその医師108がスケジュール予約システム100にアクセスするためのIDやパスワードを設定しておくことが好適である。
【0029】
次に、バーチャルMR104aは、連絡に基づき、アポイントをスケジュール予約システム100上で設定する。
次に、バーチャルMR104aは、医師108自身が予約を直接スケジュール予約システム100にアクセスに入力した場合を除き、面談の予約をスケジュール予約システム100に入力する。この動作は、
図2中、(2)で示されている。
【0030】
次に、(3)かかる予約に基づき、MS102がその予約された日時に医療機関106の医師108を訪問する。この動作が、
図2の(3)に示されている。MS102は、訪問時にタブレット端末102aを携行し、このタブレット端末102aを用いて、医師108にMR104との面談を実行してもらうことができる。
以上が、プル型(リアクティブ型)の業務の概要である。このようなリアクティブ型は、医師108からのオファーがあった医療機関106への接続支援であるため、実施のハードルは低いと考えられる。
【0031】
(2)プッシュ型(プロアクティブ型)
プッシュ型業務パターンの概念図が
図3に示されている。
この図に示すように、まず(1)MS102が、医師を訪問し、MS102としての業務を実行すると共に、医師108の意向を伺ってバーチャルMR104aの面談の予約設定を行う。この予約の設定は、MS102が、タブレット端末102aを利用して、スケジュール予約システム100にアクセスして実行する。この予約設定が
図3中、(1)で示されている。
【0032】
一方、バーチャルMR104aは、スケジュール予約システム100を閲覧し、その画面上で面談の予約が設定されたことを確認する。そして、その予約に併せて面談の準備を実行する。これが
図3中、(2)で示されている。
次に、設定した予約に基づき、MS102がその予約された日時に医療機関106の医師108を訪問する。この動作は、
図3の(3)に示されている。MS102は、訪問時にタブレット端末102aを携行し、このタブレット端末102aの画面上で、医師108にバーチャルMR104aとの面談を実行してもらうことができる。
【0033】
以上が、プッシュ型(プロアクティブ型)の業務の概要である。このようなプロアクティブ型は、これまでのMS102の活動によって医師108との間で深い関係性が構築されているので、高い接続率が実現できると考えられる。なお、これまで取引実績のない未取引先の医療機関106等でもこのプッシュ型は有効であると考えられる。
本実施形態では、このように、2種の形態の営業活動をサポートしているので、製品特性や戦略に応じて、上記プル型とプッシュ型とを使い分けることができる。従って、製薬会社(メーカー)のプロモーション業務の効率化及びコスト低減が図れると考えられる。
【0034】
C.バーチャルMR104aの業務の流れの詳細
図4には、バーチャルMR104aの面談スケジュールの設定から面談に至る動作の詳細な説明図が示されている。
図4では、MS102が医師108を訪問し、バーチャルMR104aの説明を行うことから始まっている。この説明動作は、
図4中、(1)で示されている。つまり、
図4は、プッシュ型業務パターンを前提としているが、面談の実行はプル型(
図2)でもほぼ同様である。
【0035】
次に、MS102は、医師108と話し、バーチャルMR104aと面談をする希望日程・時間を把握する。この動作が
図4中(2)で示されている。なお、日程は、バーチャルMR104aの都合(スケジュール)も勘案して設定してよい。
面談を行う日は、翌日以降の場合が多いが、医師108の都合に応じて、MS102が訪問したその当日であってもよい。
【0036】
次に、MS102は、タブレット型端末102aを用いて、スケジュール予約システム100にアクセスし、医師108が希望する日程・時間で面談の予約を設定する。この動作は、
図4中、(3)で示されている。
一方、バーチャルMR104aは、スケジュール予約システム100を閲覧して、設定された予約を確認する。この動作が
図4中、(4)で示されている。バーチャルMR104aは、予約を確認した後、そのための事前準備を行うことができる。
面談当日、MS102は、スケジュール通り医師108を訪問する。そして、タブレット端末102a上で、インターネットテレビ電話を起動し、バーチャルMR104aと接続する。この動作は、
図4中、(5)で示されている。
バーチャルMR104aも、自己の端末上でインターネットテレビ電話を起動して、タブレット端末102aとの間でインターネットテレビ電話によって接続する。この動作は、
図4中、(6)で示されている。
【0037】
このようにして、インターネットテレビ電話による接続が完了した後、MS102は、タブレット端末102aを医師108の前に配置する。これによって、医師108は、インターネットテレビ電話を介して、バーチャルMR104aと面談することができ、バーチャルMR104aによる説明を視聴することができる(
図4中(5))。また、バーチャルMR104aは、各種コンテンツを医師108に対して紹介することができる(
図4中(6))。このようにして、バーチャルMR104aは、医療用医薬品の適正使用に関する情報提供を実行することができる(
図4中(6))。
例えば、ここで紹介するコンテンツは、
図4中(4)で説明したように予約を確認した後に、事前に準備することが可能である。
【0038】
録音・録画
また、
図4に示されているように、面談の結果は、録音又は録画しておいてもよい。このように録音等しておくことによって、どのような内容を説明したか記録に残すことができ、後日確認することもでき、効率的な医薬品(なお、本文で単に「医薬品」という場合は、特に断らない限り医療用医薬品をいうものとする)の適正使用に関する情報提供と、効率的なリモートディテールの実現に寄与するものである。
録音データ又は録画データは、所定の面談履歴データベース112(
図4参照)に格納しておいてよい。また、この面談履歴データベース112は、スケジュール予約サーバ100内に含まれていてもよい。また、この面談履歴データベース112には、面談の記録となるもの、面談の履歴となるもの、であればどのようなデータを記録してもよい。
【0039】
アンケート
なお、このインターネットテレビ電話を介した面談(
図4中(5)(6))においては、単に医師108にバーチャルMR104aの説明を視聴してもらうだけでなく、アンケートに対して回答してもらってもよい。これによってバーチャルMR104aの説明の質の向上に寄与することができる。アンケートは、質問内容や選択肢をタブレット端末102aの画面に映し出しながら、医師108にそのタッチ画面にタッチをしてもらって、回答を入力することも好適である。
アンケート結果も、上述した面談履歴データベース112に記録してよい。
【0040】
評価レポート
バーチャルMR104aは、面談を実施した後、評価レポート114を作成し、その面談で説明した医薬品の製薬会社に提出することもできる。このような評価レポート114を製薬会社が得られれば、製薬会社は医療用医薬品の適正使用に関する情報提供の実行を管理することができ、またその製薬会社の業務に役立つと考えられる。このような評価レポート114も、上述した面談履歴データベース112に記録しておいてよい。
【0041】
以上、
図4に基づき、バーチャルMR104aの面談スケジュールの設定から面談に至る動作を説明した。このような面談は、少なくとも2~3回以上は、医師108と面談して情報提供を実行することが好適である。
【0042】
D.MS及び製薬会社も含めた業務全体の動作の流れ
次に、実際に「MS経由型バーチャルMR」業務を実行する場合の、MS102、バーチャルMR104a、及び製薬会社の処理動作の流れを
図5、
図6、
図7のフローチャートに基づいて説明する。
図5のステップS5-1において、製薬会社がターゲットの選定を行う。ここで、ターゲットとは、病院等の医療機関106であり、いわゆる営業対象としての「ターゲット」の意である。選定の結果、ターゲット(医療機関106)のリストを作成し、これを、MS102に提供する。ここで、MS102に提供とは、実際には、MS102が所属する企業に提供することを意味する。
【0043】
ステップS5-2において、MS102が所属する企業の営業部が、提供されたターゲットのリストを適宜切り分ける。
この切り分けとは、例えば、その企業として取引先であるか、未取引先であるか、の切り分けである。つまり、これまで取引先であるか、新規の取引先であるか、という切り分けである。このような切り分けによって、ステップS5-3において、取引先、未取引先、のそれぞれのリストを作成する。
ステップS5-4において、MS102の所属企業は必要な資料を発信する。例えば、スケジュール予約サーバ100の使用マニュアル等、MS102が業務を遂行するのに必要な資料を所定の資料サーバから、MS102に提供する。
【0044】
ステップS5-5において、MS102は、必要な資料を上記資料サーバからダウンロードして、業務に役立てる。ダウンロードする資料は、上述したスケジュール予約サーバ100の使用マニュアルや、本実施形態で説明している「MS経由型バーチャルMR」の案内パンフレット、営業先への各種提案用パンフレット、MS102が所属する企業の会社案内やパンフレット、等が含まれていてよい。
【0045】
ステップS5-6において、MS102は、MS102は、ターゲット先(すなわち医療機関106等)に訪問し、医師108等の医療従事者に種々の提案を行う。これはいわゆる営業活動であり、提案においてはステップS5-5においてダウンロードした各種資料を用いて実行する。
さらに、本実施形態において特徴的なことは、ステップS5-6において、MS102が「MS経由型バーチャルMR」の提案を実行することである。これによって、MS102が、従来のMRの業務の一部を遂行することになる。この結果、MRは、医療機関106を訪問する必要がなくなり面談に集中することができるので、業務の効率化を図ることができる。
【0046】
ステップS5-6における「MS経由型バーチャルMR」の提案が受領された場合は、ステップS5-7に移行し、さらに
図6のステップS6-1に処理が移行する(
図5、
図6参照)。「MS経由型バーチャルMR」の提案が受領された場合とは、医師108等の医療従事者が、バーチャルMR104aによるインターネットテレビ電話を介する医療用医薬品の適正使用に関する情報提供を受けることに同意した場合である。
一方、ステップS5-6における「MS経由型バーチャルMR」の提案が拒否された場合は、ステップS5-8に移行し、さらに
図6のステップS6-2に処理が移行する(
図5、
図6参照)。「MS経由型バーチャルMR」の提案が拒否された場合とは、医師108等の医療従事者が、バーチャルMR104aによるインターネットテレビ電話を介する医療用医薬品の適正使用に関する情報提供を受けることを断った場合である。
【0047】
以下、処理は
図6に移行する。
図5のステップS5-7において、医師108が、「MS経由型バーチャルMR」を同意した場合は、
図6のステップS6-1において、MS102は、日程の調整を実行する。
日程の調整はバーチャルMR104aとの間で行われる(ステップS6-2)が、その方法は種々の手法を採用してよい。
【0048】
本実施形態では、スケジュール予約サーバ100を利用して日程の調整を行っている。その詳細は次節で詳述する。このスケジュール予約システム100を利用することによって、MS102、バーチャルMR104aのスケジュールを確認しながら日程調整を行うことができ、業務の効率化を図ることができる。なお、スケジュール予約サーバ100を利用せずに、電話等で調整を行ってもよい。
【0049】
次に、ステップS6-3において、調整された日程が即時である場合は、ステップS6-5に移行する。他方、ステップS6-3において、調整された日程が後日である場合は、後日、ステップS6-4に移行し、医師108を訪問する。
【0050】
ステップS6-5において、MS102は、まず、バーチャルMR104aと電話連絡をとり、これから、医師108を訪問する旨伝えると共に、面談の準備をお願いする。
バーチャルMR104aは、ステップS6-6において、上記の通りMS102と電話連絡をとり、インターネットテレビ電話による面談の準備を実行する。
このステップS6-5及びステップS6-6における電話連絡は、医師108に対する訪問の前に、例えば、待合室等で実行してよいし、他の場所であらかじめ行ってもよい。この電話連絡の際に、インターネットテレビ電話が正常に接続できるか否か、タブレット端末102aと、バーチャルMR104aが使用する端末との間で接続テストを行っておくことも好適である。
【0051】
次に、ステップS6-7において、バーチャルMR104aは。スケジュール予約サーバ100と接続する。本実施形態に係るスケジュール予約サーバ100は、面談に必要な資料や、前回の面談内容等を記録しており、それらの内容を面談の資料にすることができる。このように本実施形態に係るスケジュール予約サーバ100は、単に予約を受け付けるだけでなく、前回の面談の記録や、説明に用いた資料等を蓄積しておくことができる。
図6中、ステップS6-8において、スケジュール予約サーバ100は、バーチャルMR104a(の端末)と接続し、バーチャルMR104aに対して、前回の面談の記録や、説明に用いた資料等を提供することができる。
【0052】
次に、ステップS6-9において、医師108とインターネットテレビ電話による面談を開始する。医師108は、MS102が携行するタブレット端末102aを介して、バーチャルMR104aと面談を行う(ステップS6-10)。
【0053】
面談の実行
面談においては、バーチャルMR104aが、各種の資料を用いて医療用薬品の訂正使用に関する情報提供を行う。この際、上述したように、面談の様子を録音又は録画することも好適である。これらの録音データ又は録画データは所定のデータベースに格納しておいてよい。本実施形態では、スケジュール予約サーバ100が、録音データや録画データを蓄積する場合を主たる例として説明するが、他のデータベースに格納しておいてもよい。
【0054】
また、面談の途中、又は、面談の終了時において、医師105にアンケートをお願いすることもできる。このアンケートは、「MS経由型バーチャルMR」に対する感想や評価を尋ねる質問を含めてよいし、また、医療用医薬品の適正使用に関する情報提供に対する評価を聞く質問が含まれていてもよい。その他、医師108の要望等の種々の質問がアンケートに含まれていてよい。
【0055】
このようなアンケートは、上述したように、タブレット端末102aの画面上(スクリーン上)にアンケート項目を表示し、医師108に、画面上で該当する項目をタッチしてもらってアンケートを行うことができる。このアンケート結果は、所定のデータベースに格納しておいてよいが、スケジュール予約サーバ100が格納してもよい。
なお、面談が終了した後は、バーチャルMR104aは、
図7のステップS7-1に移行して、報告(アンケート)を作成する。MS102も、面談が終了した後は、
図7のステップS7-2に移行して、報告(アンケート)を作成する。
【0056】
ここで、
図5のステップS5-8において、医師108が、「MS経由型バーチャルMR」を断った場合は、
図6のステップS6-11において、MS102は、提案内容を検討し、再提案を実行する。
ステップS6-12において、医師108が再提案を断った場合は、MS102は、
図7のステップS7-2に移行し、報告(アンケート)の作成を実行する。
一方、ステップS6-12において、医師108が再提案に同意した場合は、MS102は、
図5のステップS5-7を介して、
図6のステップS6-1に移行して、日程調整を開始する。その後は、上で説明したとおりの処理が実行される。
【0057】
面談終了後の処理が
図7のフローチャートに示されている。
ステップS7-1において、面談が終了した後、MSは、面談の報告書の作成を行う。これには、上述したアンケート結果を反映させてもよい。
ステップS7-2において、MS102が作成した報告書を、MSが所属する企業が集計してから、バーチャルMR104aに提供する。
【0058】
ステップS7-3において、バーチャルMR104aは、自己が実行した面談の結果の報告書を作成する。この際、MS102が所属する企業が集計したを報告書を参照して作成することが好ましい。
特に、アンケートは、面談終了時にMS102が医師108に対して実行することが簡便である。つまり、インターネットテレビ電話による面談が終了した後に、MS102がアンケート画面をタブレット端末102aに表示させて、医師108がそれに対して画面をタッチして回答するのが便利である。したがって、アンケート結果を含む報告書はMS102側が作成する方が好適である。
この結果、バーチャルMR104aは、その集計結果をMS102の所属企業から受け取って(ステップS7-2)、その集計結果(アンケート結果)を含む報告書をステップS7-3で作成することが好ましい。
【0059】
ステップS7-4において、製薬会社は、バーチャルMR104aから最終的な報告書を受け取る。この結果、製薬会社は、医療用医薬品の適正使用に関する情報提供の実行状況を管理することができる。
【0060】
なお、
図7における「報告書」は、
図4における「評価レポート114」を実質的に含む書類である。
図4の評価レポート114は、バーチャルMR104aの面談に対する評価のレポートである。
図7の報告書は、原則として、医師108のアンケート結果を含み、MS102が作成するものである。バーチャルMR104aは、MS102の所属する企業から受け取った集計した報告書に、上記評価レポート114を加えて、最終的な報告書として、製薬会社に提供する。そのため、この報告書は、
図4の評価レポートを含む。
【0061】
ステップS7-5において、バーチャルMR104aは、評価レポート114を面談履歴データベース112に記録する。
ステップS7-6において、バーチャルMR104aは、面談の録音データや、面談の録画データを面談履歴データベース112に記録する。
ステップS7-7において、バーチャルMR104aは、面談に用いた資料を面談履歴データベース112に記録する。
本実施形態では、このように面談履歴データベース112に面談の結果を記録しているので、後日、面談履歴データベース112を参照することによってこれまでどのような面談を行ってきたか確認することができ、将来的な面談の質の向上に寄与するものである。
【0062】
E.後日接続と即時接続
上述したように、「MS経由型バーチャルMR」業務における面談は、後日接続と、即時接続との2種類がある。これらの概念図が
図8~
図10に示されている。
【0063】
E-1.後日接続と即時接続の違い
後日接続の場合のフローと、即時接続の場合のフローとを並べて記載した概念図が
図8に示されている。両フローの相違点は、MS102が医師108を訪問し、バーチャルMR104aの説明を行って同意を得た後(ステップS8-1)、バーチャルMR104aとの面談を、即時行うか、それとも後日行うかという点である。
【0064】
E-2.後日接続
まず、
図8の(1)には、後日接続の場合のフローが示されている。上述したステップS8-1の後、MS102は医師108が後日面談を行いたい希望を有していることを把握した後、面談できるバーチャルMR104aの確保を行う(
図8中、ステップS8-2)。これは、スケジュール予約サーバ100にアクセスし、その予約画面から行う。予約画面については後に詳述する。所定の後日に、所定のバーチャルMR104aを確保することができたことを前提に、以下説明を続ける。
【0065】
図8のステップS8-3~ステップS8-5は、その「後日」において実行される。
ステップS8-3は、その「後日」において、まずインターネットテレビ電話の接続の確認する。この確認は、面談の前に、インターネットテレビ電話が接続できるか否か予め確認する者であり、MS102と、バーチャルMR104aとの間で行われる。正常に接続できることを確認できた場合は、ステップS8-4に移行し、接続に不具合が会った場合は、S8-6に移行する。
【0066】
ステップS8-4において、MS102は、ターゲット先である医師108の部屋に移動する。
その後、ステップS8-5において、MS102は、タブレット端末102aを用いて、バーチャルMR104aとインターネットテレビ電話で接続し、医師108にそのタブレット端末102cを用いたバーチャルMR104との、面談を実行してもらう。これは、バーチャルMR104aによる、リモート・ディテール(又は、リモート・ディテール活動とも呼ぶ)である。
【0067】
なお、ステップS8-3において、インターネットテレビ電話の接続に不具合があった場合は、ステップS8-6に移行し、MS102は、タブレット端末102aを利用しつつ、電話で面談を実行する。
また、ステップS8-5において、インターネットテレビ電話に、オウン性のずれ等ストレスがあり、面談を円滑に行いないと判断される場合も、ステップS8-6に移行し、MS102は、タブレット端末102aを利用しつつ、電話で面談を実行する。
【0068】
E-3.即時接続
図8の(2)には、即時接続の場合のフローが示されている。上述したステップS8-1の後、MS102は医師108が即時面談を行いたい希望を有していることを把握した後、なるべくすぐに、面談できるバーチャルMR104aを確保するために、バーチャルMR104aに電話する(
図8中、ステップS8-7)。
すなわち、即時接続とは、医師108がすぐに面談を行いたいと希望した場合を意味する。この即時接続は、なるべく早く、遅くとも医師108を訪問したその当日中に面談を行おうとするものである。そのため、即時接続の場合は、スケジュール予約サーバ100の予約画面から予約をするのではなく、バーチャルMR104a(の所属する企業)に直接電話連絡を行い、即時接続をしてくれるバーチャルMR104aを確保するのである。
なお、バーチャルMR104aに空きがなかった場合は、この即時接続は行われず、(1)で説明した後日接続のスケジュールで面談が実行される。
【0069】
電話連絡の結果、バーチャルMR104aに空きがあり、即時面談が可能である場合は、MS102は、すぐにインターネットテレビ電話でバーチャルMR104aと接続が可能であるか否か確認を行う(
図8中、ステップS8-8)。この処理は、上述したステップS8-3と同様の処理である。
正常に接続できることを確認できた場合は、ステップS8-9に移行し、接続に不具合が会った場合は、上記S8-6に移行する。
その後、ステップS8-9において、MS102は、タブレット端末102aを用いて、バーチャルMR104aとインターネットテレビ電話で接続し、医師108にそのタブレット端末102cを用いたバーチャルMR104との、面談を実行してもらう。これは、バーチャルMR104aによる、リモート・ディテール(又は、リモート・ディテール活動とも呼ぶ)である。
【0070】
なお、(1)後日接続の場合と異なり、ステップS8-4のような医師108の部屋に移動する処理は、即時接続にはない。これは、MS102がすでに医師108の部屋に訪問しているからである。
なお、ステップS8-8において、インターネットテレビ電話の接続に不具合があった場合は、ステップS8-6に移行し、MS102は、タブレット端末102aを利用しつつ、電話で面談を実行する。
また、ステップS8-9において、インターネットテレビ電話に、音声のずれ等ストレスがあり、面談を円滑に行いないと判断される場合も、ステップS8-6に移行し、MS102は、タブレット端末102aを利用しつつ、電話で面談を実行する。
【0071】
F.面談の実際の手順
実際の面談の際の手順を、
図9、
図10に基づき説明する。
図9には、後日接続の場合の面談の手順を示す説明図が示されている。また、
図10には、即時接続の場合の面談の手順を示す説明図が示されている。
【0072】
F-1.後日接続
図9のステップS9-1において、MS102は、タブレット型端末102aを用いて、スケジュール予約サーバ100に接続し、空いているバーチャルMR104aとの面談の予約を行う。これは、
図8のステップS8-2に相当する。
【0073】
ステップS9-2において、スケジュール予約サーバ100は、予約されたバーチャルMR104aのスケジュールに、予約された日時や内容を登録する。予約されたバーチャルMR104a(担当)は、スケジュール予約サーバ100にアクセスし、自己のスケジュールに面談の予約が入ったことを知ることができる。この予約されたバーチャルMR104aを、担当のバーチャルMR104aと呼ぶ。
そして、面談の当日、スケジュール予約サーバ100は、面談の予約が入っていることを知らせる内容のメールを、担当のバーチャルMR104aに送信する。すなわち、リマインドメール送信である(
図9参照)。
また、面談の当日、スケジュール予約サーバ100は、バーチャルMR104aと同様に、MS102に対しても面談の予約が入っていることを知らせる内容のメールを、MS102送信する。これも、リマインドメール送信である(
図9参照)。このメール送信は、
図11において後述するメール部122が、スケジュールに基づき実行するが、詳細は後に説明する。
【0074】
ステップS9-3において、バーチャルMR104aは、面談の当日、リマインドメールを確認し、面談の準備を行う。ここでいう準備とは、説明の資料等を準備することである。
そして、ステップS9-4において、予約された時間に間に合うように、インターネットテレビ電話に入室する。なお、
図9では、ステップS9-4は、待合室と記述されているが、これはMS102(及びタブレット端末102a)の位置を示しており、バーチャルMR104aは、原則として、バーチャルMR104aの所属する企業の所定の執務室に位置している。
【0075】
ステップS9-5において、MS102は、面談の当日、このリマインドメールを、MS102が携行するスマートフォンのキャリアメールで受信する。その後、ステップS9-6において、医療機関106の待合室等で、MS102はバーチャルMR104aと同様にインターネットテレビ電話に入室する。
【0076】
ステップS9-7において、インターネットテレビ電話システムは、バーチャルMR104aと、MS102の、インターネットテレビ電話への入室を許可する。
インターネットテレビ電話のシステムは、種々のシステムを利用することができる。例えば、本実施形態では、スカイプ(登録商標)等を用いることができるが、これに限られず種々のインターネットテレビ電話システム、Web会議システム、ネット会議システムと呼ばれる種々の仕組みを利用してよい。
【0077】
ステップS9-8において、MS102は、待合室において、準備を行う。例えば、バーチャルMR104aとのインターネットテレビ電話を使用する上での電波状態を確認することが挙げられる。また、バーチャルMR104aとのチャット会話を行い、円滑にチャットができるか否かを確認すること等も行ってよい。例えば、「今から始めますね」等をチャットしてみてもよい。
【0078】
ステップS9-9において、バーチャルMR104aは、インターネットテレビ電話を接続し、面談が開始されるのを待つ状態である。特にステップS9-9において、バーチャルMR104aは、MS102とのチャットを行い、円滑なチャット等の運用が可能であるか確認してよい。例えば、MS102からの「今から始めますね」というチャットに対して、「お願いします」等を返してよい。
【0079】
ステップS9-10において、MS102が、マイクをONにする。これで、チャットだけでなく、音声による会話が可能となる。その後、医師108が面談を開始する旨をMS102に伝える
ステップS9-11において、MS102は、カメラをONにする。これによって、画像の伝送が可能となり、いわゆるテレビ電話が可能となり、バーチャルMR104a側の端末(又はコンピュータ)に、MS102側の画像が映し出される。
【0080】
ステップS9-12において、バーチャルMR104aは、MS102側の画像が映し出されたことを以て、テレビ電話が開始されたことを知り、それを契機としてバーチャルMR104a側の端末のマイクをONさせ、カメラもONする。
ステップS9-13において、MS102が、例えば「それではXX病院のYY先生、よろしくお願いいたします」と言って、医師108とバーチャルMR104aとの面談が開始される。このようにインターネット等を用いて、離隔した地点の間で医療用医薬品の適正使用に関する情報提供を行うことは、リモート・ディテールと呼ばれる。
【0081】
F-3.即時接続
図10のステップS10-1において、MS102は、バーチャルMR104aに対して電話連絡を行い、バーチャルMR104aを確保できるか確認する。具体的には、バーチャルMR104aの属する企業の所定の部署に電話をかけ、即時対応可能なバーチャルMR104aがいるか否か確認する。このステップS10-1は、
図8のステップS8-7に相当する。
ステップS10-2において、バーチャルMR104aは、空き状況を確認し、空いているバーチャルMR104aを回答する。
【0082】
ステップS10-3において、バーチャルMR104aは、即時、端末(又はコンピュータ)から、MS102を呼びだして、インターネットテレビ電話に入室する。
【0083】
ステップS10-4において、MS102は、バーチャルMR104aの呼び出しに応じて、インターネットテレビ電話に入室する。なお、このときは、MS102は、医療機関106の待合室等に位置している。
【0084】
ステップS10-5において、インターネットテレビ電話システムは、バーチャルMR104aと、MS102の、インターネットテレビ電話への入室を許可する。これは
図9のステップS9-7と同様の処理である。
【0085】
インターネットテレビ電話のリンクが確立された後は、
図8の処理と同様である。
すなわち、
図10のステップS10-6~ステップS10-11は、
図9のステップS9-8~ステップS9-13と同様の処理であるので、説明を省略する。
【0086】
G.スケジュール予約サーバ100
以下、本実施形態において特徴的な構成の一つであるスケジュール予約サーバの詳細を説明する。
図11には、スケジュール予約サーバ100の構成ブロック図が示されている。この図に示すように、スケジュール予約サーバ100は、バーチャルMR104aのスケジュールを記録するバーチャルMRスケジュールデータベース126と、面談の履歴を記録する面談履歴データベース128と、医療機関106に関する情報を記録する医療機関データベース130と、製薬会社データベース132と、MRデータベース136と、を備えている。
なお、バーチャルMRスケジュールデータベース126は、請求の範囲のスケジュールデータベースの好適な一例に相当する。
【0087】
また、スケジュール予約サーバ100は、インターネット110に接続するためのインターフェースである通信部124を備えている。また、スケジュール予約サーバ100は、インターネット110上の他の端末(コンピュータ)にサービスをWebベースで提供しており、そのサービス提供のためのWeb制御部120を備えている。また、スケジュール予約サーバ100は、インターネット110を介してEメールを送受信するメール部122を備えている。このメール部122は、面談のスケジュールに基づき、所定のタイミングで、MS102や、バーチャルMR104aにお知らせのメール(リマインドメール)を送信する。
【0088】
スケジュール予約サーバ100は、コンピュータで構成することが好ましく、コンピュータを構成する所定のハードウェアと、プログラムと、そのプログラムを実行するプロセッサ(CPU等)と、で構成することができる。
Web制御部120は、インターネット110を介して外部にサービスを提供するためのWebサイトを実現する手段であり、いわゆるWebサーバーの役割を果たす。Webサーバープログラムと、そのプログラムを実行するプロセッサとから実現されている。 なお、Web制御部120は、請求の範囲の制御部好適な一例に相当する。
メール部122は、インターネット110を介して外部とEメールを送受信する手段であり、いわゆるメーラーのプログラムと、そのプログラムを実行するプロセッサとから実現されている。
【0089】
通信部124は、インターネット110とのインターフェースであり、通常のインターネットと接続するためのネットワークインターフェースのハードウェアと、必要なドバイバーソフトウェアと、当該ソフトウェアを実行するプロセッサと、から実現されている。
通信部124は、例えば、制御部120が送信する面談スケジュール(例えば、HTMLで記述されている)を、外部のインターネット110に送信し、MS102がこれを閲覧することができる。例えば、MS102が、タブレット端末102aのブラウザを用いて、HTML形式の面談スケジュール等を閲覧することができる。
また、通信部124は、外部のMS102からの予約等を、インターネット110を介して受信し、受信した予約等のメッセージ(例えばHTML上で入力されたデータ)を、例えば制御部120に送信する。その他、通信部124は、メール部122からのメールを外部のインターネット110に対して送信し、インターネット110から受信したメールはメール部122に送信する等の動作を実行してよい。
【0090】
バーチャルMRスケジュールデータベース126は、バーチャルMR104aの予約状況を記録するデータベースであり、面談の日時、面談の参加者(MS102、バーチャルMR104a、その他オブザーバー等を含めてよい)、面談を行う医療機関106と医師108、面談の内容、面談対象となる医薬品の情報等を記録するデータベースである。具体的には、後述するする
図15に記載されるような内容をデータ項目とするデータベースとして構成してよい。
バーチャルMRスケジュールデータベース126は、
図15に示す内容以外の内容を含めてもよいし、目的や用途に応じて、データ項目を減らしてもよい。なお、バーチャルMRスケジュールデータベース126は、請求の範囲のスケジュールデータベースの好適な一例に相当する。
【0091】
面談履歴データベース128は、実行した面談の結果等を記録するデータベースであり、面談の日時、面談の参加者(MS102、バーチャルMR104a、その他オブザーバー等)、面談の資料、医薬品の情報、面談で説明した内容、等を記録するデータベースである。また、面談を行った医療機関106、面談を行った医師108等の医療従事者、を含めておくことが好適である。また、記録する内容としては、面談の録音データや録画データも含めてよい。また、面談後に作成された評価レポート114等や、MS102が実行したアンケート等を記録してもよい。
面談履歴データベース128は、請求の範囲の面談履歴データベースの好適な一例に相当する。
【0092】
医療機関データベース130は、対象となる医療機関106の情報を記録するデータベースであり、医療機関106の名称、医療機関106の医療機関コード、を含むデータベースである。そのほか、医療機関106の住所、設立年月日、診療科目、所属する医師108の氏名、等も記録してよい。
【0093】
製薬会社データベース132は、製薬会社の情報を記録するデータベースである。例えば、製薬会社データベースは、製薬会社(名)と、その製薬会社が取り扱っている(例えば製造・販売等)医薬品と、を記録するデータベースである。一般に、一つの製薬会社に対して、複数の医薬品が対応するので、一般的には、製薬会社(名)と、その製薬会社が取り扱う複数の医療用医薬品と、をデータ(レコード)とするデータベースが構築されている。また、製薬会社に関する他の様々なデータ項目を記録していてもよい。
ここで、取り扱うとは、その製薬会社が製造・販売する場合と、輸入する場合、ライセンス生産する場合、OEM製造される(又はOEM製造する)場合等をすべて含む意味である。
【0094】
また、MRデータベース136は、バーチャルMR104aと、そのバーチャルMR104aが説明することができる医薬品と、を記録したデータベースである。このデータベースによれば、説明したい医薬品に合ったバーチャルMRを見つけることができる。データ項目としては他の項目が合ってもよい。
MRデータベース136は、請求の範囲の面談者データベースの好適な一例に相当する。
【0095】
これら、バーチャルMRスケジュールデータベース126、面談履歴データベース128、医療機関データベース130、製薬会社データベース132、MRデータベース136も例えば、ハードディスクや、磁気記憶装置、光学式記憶装置、半導体記憶装置などで構成することができる。
また、スケジュール予約サーバ100は、これらの構成がバス134で互いに接続されている構成をなしている(
図11参照)。
【0096】
H.スケジュール予約サーバ100を用いた予約登録動作
スケジュール予約サーバ100は、インターネット100に接続されており、インターネット100に接続されたいずれかの外部の端末(コンピュータ、各種端末、タブレット端末、ノートパソコン、スマートホン(Smartphone))等から、アクセスすることができる。
上述したように、スケジュール予約サーバ100のWeb制御部120は、Webサーバとしての機能を有しており、バーチャルMRスケジュールデータベース126のスケジュール等をWebページとして、外部の上述したように種々の端末等に提供することができる。
【0097】
外部の端末は、提供されてきたWebページデータをブラウザで表示することができる。これによって、利用者(MS102等)は、バーチャルMR104aのスケジュール等をWeb上で把握することができ、予約を行うことができる。以下、MS102がスケジュール予約サーバ100に対して予約を実行する処理をフローチャートに基づき説明する。なお、MS102は、請求の範囲の利用者の好適な一例であるが、「利用者」は、MS102に限られず、他の人員でもよい。例えば、MS102の上司や、管理者がここでいう「利用者」であってもよい。つまり、MS102の上司が予約を行ってもよい。
【0098】
図12には、MS102がタブレット端末102aを用いて、スケジュール予約サーバ100に対して予約を行う処理のフローチャートが示されている。
ステップS12-1において、MS102は、タブレット端末102aを用いて、スケジュール予約サーバ100にアクセスする。
ステップS12-2において、スケジュール予約サーバ100は、タブレット端末102aの画面に対して、一般的なログイン画面を表示する。この画面は、Web制御部120が作成し、タブレット端末102aに通信部124を介して送信する。
【0099】
ステップS12-3において、タブレット端末102aは、その画面上にログイン画面を表示する。このような表示は、いわゆるブラウザと呼ばれるソフトウェアによって実行される。MS102は、このログイン画面において、いわゆるIDとパスワードを入力し、スケジュール予約サーバ100にログインを行う。IDとパスワードを用いてログインすることは、よく知られている技術であるのでその詳細な説明は省略する。
ステップS12-4において、MS102が予約をするために、メニューから予約を選択する。
ステップS12-5において、スケジュール予約サーバ100のWeb制御部120は、メニューから予約が選択されたことを受信すると、スケジュール予約画面を通信部124を介して送信する。なお、Web制御部120は、このスケジュール予約画面を、バーチャルMRスケジュールデータベース126の記録内容に基づき作成する。
【0100】
バーチャルMRスケジュールデータベース126は、後述する
図13に示すようなバーチャルMR毎の面談のスケジュールを記録したデータベースである。すなわち、バーチャルMR104aごとにいわばカレンダーを備えている。そのカレンダーは、日付、時間帯毎に、予約状況を記録しているテーブルである。予約状況としては、予約が入っていない「空き」、休み(休息時間)である「休み」、予約が入っている「予約」の少なくとも3種の予約状況のいずれかが記録される。
したがって、新たに予約をすることができない理由として、(1)休み時間(休日)である、(2)すでに他の予約が入っている、のか明確にされているため、MS102は、予約ができない理由を明確に知ることができる。
また、予約状況が「予約」の場合は、その予約を登録した者の氏名が予約状況に含まれていてもよい。また、本実施形態では、予約状況が「予約」の場合の具体的な予約内容は、別の予約内容テーブル上に記録しておいてよい。 しかし、この具体的な予約内容は、そのカレンダーの予約状況の中に含めて(又は予約状況とは別に)記録しておいてもよい。カレンダーの各欄の記憶容量をある程度大きくすれば、種々の具体的な予約内容を記録することも可能である。
このように、バーチャルMRスケジュールデータベース126は基本的にカレンダーを記録しており、カレンダーの各日付には、時間帯と、その時間帯の予約状況と、その具体的な予約内容と、が記録されている。なお、具体的な予約内容は別のデータベースに分けて記録されていてもよい。また、用途によっては他のデータ項目が記録されていてもよい。
【0101】
ステップS12-6において、タブレット端末102aは、当該スケジュール予約画面を表示する。このスケジュール予約画面の様子を示す模式図が
図13に示されている。
【0102】
スケジュール予約画面
図13に示すように、スケジュール予約画面は、所定の日について、横軸に時刻、縦軸に各バーチャルMR104aを示したテーブルが示されている。
図13の例では、例えば、^3月2日について、4人のバーチャルMR104aの割り当ての様子が示されている。
図13中、各欄には、予約状況が所定の記法で示されている。
図13の例では、各欄の丸印は、「空き」を表し、新たに予約をいれることができることを表す。また、横棒「-」は、休憩時間(休み)等を表し、予約を入れることができないことを表している。また、人名が入っている欄は、面談の予約がすでに入っていることを表し、その人名は予約を入れたMS102の氏名である。この人名の表示は、ログインして予約をしようとしている本人は、太いゴシックで表示され、他のMS102の氏名は、細い明朝体で示されている。これによって、予約をしようとしているMS102(例えば「山田」氏)は、自分がすでにどのような予約を入れているのか知ることができ、自分のスケジュール管理も行えるというメリットを有する。
【0103】
つまり、
図13のテーブルにおいて、丸印が付されている欄が、予約を入れることができる時間帯であることを表す。例えば、「MR1」というバーチャルMR104aの、14時から14時30分までの欄は、丸印が付されているので、予約を入れることができる。
また、「MR1」というバーチャルMR104aの、14時から14時30分までの欄は、MS102が、MS102の加藤氏が予約を入れており、新たに予約をすることはできない。
【0104】
なお、本実施形態に係るスケジュール予約画面(
図13)では、ログインしたMS102の氏名(この例では、「山田」)が画面上の所定の場所に表示されている。また、ログインしたMS102が予約した時間帯には、そのMS102の氏名が太いゴシック体で表示されている。これによって、自己が予約した日付、時間帯を容易に識別することができる。
【0105】
ステップS12-7において、MS102は、スケジュール予約画面上において、例えば3月2日の14時~14時30分の欄をタッチする。この動作は、3月2日の14時~14時30分の時間帯を選択したことを意味する。
ステップS12-8において、スケジュール予約サーバ100のWeb制御部120は、上記タッチ(これは、日付と時間帯の選択を意味する)を入力し、当該欄の時間帯の予約内容入力画面を、(MS102の)タブレット端末102aに通信部124を介して送信する。
【0106】
図12のフローチャートの続きが
図14のフローチャートに示されている。
ステップS14-1において、タブレット端末102aは、当該予約内容入力画面を表示する。この予約内容入力画面の様子を示す模式図が
図15に示されている。
【0107】
予約内容入力画面
図15に示すように、予約内容入力画面は、MS102が選択した日付、時間帯に対して、所定の予約内容を入力していく画面である。
図15に示す例では、登録者を入力する登録者欄300と、面談の日時を入力する日時欄302と、参加メンバーを入力する参加メンバー欄304と、が予約内容入力画面に含まれる。
【0108】
MS102は、これらの欄に、対応する情報を入力していく。但し、登録者欄300は、ログインした者の氏名が自動的に入力され、表示されていてもよい。このような自動的な入力・表示は、Web制御部120が実行してよい。また、面談の日時が、MS102が
図14の画面でタッチした欄から読み取られるので、その読み取った日時を自動的に入力され、表示されてもよい。このような自動的な入力・表示も、Web制御部120が実行してよい。
【0109】
図15の例では、参加メンバー欄304には、MS102として山田氏、バーチャルMR104aとしてMR1氏のみ表示されているが、その他の上司等も記入してよく、面バーン数は3以上であってもよい。
【0110】
また、予約内容入力画面は、製薬会社と、その医薬品とを入力する製薬会社医薬品欄306を含む。が表示されている。この欄は、便宜上、製薬会社の欄と、医療品の欄と、の2カ所に別れている。この製薬会社医薬品欄306は、次のように入力が行われる。
MS102が、製薬会社の名称を入力すると、それに対応する医薬品のリストが医薬品の欄からアクセス可能に表示される。例えば、プルダウンメニューのように、その製薬会社の医薬品が現れるので、そのプルダウンメニューから所望の医薬品を選択すればよい。このようなプルダウンメニューは、Web制御部120が表示してよい。
Web また、逆に、MS102が、医薬品の名称を対応する欄に入力すると、それに対応する製薬会社が対応する欄に自動的に入力され、表示されてよい。
【0111】
このような製薬会社、医薬品に関する自動的な入力・表示は、Web制御部120が、製薬会社データベース132を調べることにより実行することができる。例えば、製薬会社データベース132は、製薬会社(名)と、その製薬会社が製造又は販売する医薬品と、を並べたテーブルで構成することができる。そして、MS102が製薬会社(名)を入力
した場合は、その製薬会社に対応する医薬品を製薬会社データベース132から読み出し、読み出した医薬品のリストを、予約入力画面(
図15)の医薬品の入力欄に表示することができる。その後、MS102が、リストから医薬品を選択した場合は、Web制御部120が、その医薬品を入力し、表示してよい。
【0112】
そして、MS102が医薬品を入力した場合は、その医薬品に対応する製薬会社を製薬会社データベース132から読み出し、読み出した製薬会社を、Web制御部120が、製薬会社欄に入力し、表示してよい。
【0113】
また、予約内容入力画面は、対象医療機関(名)と対象医師名とを入力する医療機関医師欄310を含む。この欄は、便宜上、医療機関106の欄と、医師108の欄と、の2カ所に別れている。MS102は、この医療機関(名)及び医師(名)を、そのまま直接入力することができる。また、MS102は、医療機関コードを入力して医療機関(名)を入力することもできる。この動作は次段落で述べる。
【0114】
予約内容入力画面は、対象医療機関106の医療機関コードを入力する医療機関コード欄312を含む。
MS102は、この欄に対して、医療機関106のコードを直接入力することができる。MS102が医療機関コードを入力していった場合、その入力された桁数に応じて候補となる医療機関名が医療機関候補欄314に表示される。上述したように、医療機関コード欄312に所定の医療機関コードが入力された場合、Web制御部120は、その入力を受信し、そして、当該医療機関コードで医療機関データベース130を検索し、該当する候補となる医療機関106を読み出して、医療機関候補欄314に表示する。
【0115】
このとき、Web制御部120は、入力された医療機関コードの桁数が規定の桁数より少ない場合は、可能性のある医療機関名をすべて列挙して表示する。したがって、入力される桁数が増えていけば、徐々に候補が絞り込まれていくので、表示される医療機関名の数は徐々に減少していく。
MS102が、医療機関候補欄314から該当する医療機関106を選択する(タッチ)すると、その医療機関106が、上述した医療機関医師欄310の医療機関106の欄に自動的に入力され、表示される。この動作もWeb制御部120が実行することができる。
【0116】
医療機関データベース130は、医療機関106と、その医療機関106の医療機関コードと、をデータ項目として含むデータベースである。この結果、医療機関コードからそれに該当する医療機器案106を取り出すことができる。また、逆に、Web制御部120は、医療機関106の名称から、医療機関コードを医療機関データベース130から読み出すこともできる。
【0117】
また、予約内容入力画面は、面談の対象となる医療機関106が、面談の対象である医薬品の採用の有無を入力する採用欄308を含む。
MS102は、この採用欄308に対して、医療機関106が対象となる医薬品を採用した実績がある場合は、「有り」を、実績がない場合は「なし」を入力する。また、この採用欄308は、「有り」と、「なし」の2種のボタンを有するラジオボタンで構成してもよい。この場合は、MS102は、「有り」と、「なし」の2種のボタンのうち、いずれか一方をタッチすることによって、医療機関106が、対象である医薬品を採用しているか否かを入力することができる。
【0118】
また、
図15に示すように、予約内容入力画面は、コメント欄316を含む。コメント欄316は、登録者(MS102である山田氏)が、バーチャルMR104aであるMR1氏に伝えておきたいメッセージを記入する欄である。例えば、医療従事者の特徴、使用してはならないNGワード等を予め伝えておけば、面談の円滑な進行に役立つものである。
【0119】
以上のようにして、予約内容入力画面を用いて、予約の具体的な内容を入力する。MS102は、
図15における予約ボタン318をタッチすると、面談の予約が完了する。そして、
図14のステップS14-3に移行する。
なお、予約を取りやめるときは、
図15における破棄ボタン320をタッチする。すると、記入した内容は破棄され、
図13のスケジュール予約画面に戻る。
【0120】
ステップS14-3において、Web制御部120は、予約内容入力画面で入力した内容を受診し、バーチャルMRスケジュールデータベース126に記録する。次に、面談の予約が行われる場合は、Web制御部120が、このバーチャルMRスケジュールデータベース126の内容に基づき、スケジュール画面(
図13)を作成するので、3月2日の14時~14時30分の欄は、「山田」と表示される。
【0121】
以上説明したように、バーチャルMRスケジュールデータベース126が記録するデータ項目は、
図15に示される内容とほぼ同様である。本実施形態では、例として
図15に示す内容をバーチャルMRスケジュールデータベース126に記録しているが、必ずしも全ての項目が必須ではない。また、他の項目を増やしてもよい。ただし、登録者欄300、日付欄302、参加メンバー欄304等は必須項目と考えてよい。他の項目は、用途に応じて適宜取捨選択してよい。
【0122】
H-2.スケジュール予約サーバ100における特徴的な予約動作の例
(1)バーチャルMR104aの絞り込み
図12のフローチャートの説明では、
図13で示した上述したスケジュール予約画面上で希望するバーチャルMRと、時間帯をタッチして、予約をするバーチャルMR104a、日付、時間帯を選択してから、予約の具体的な内容を入力していく(
図15の予約内容入力画面)例を説明した。
しかし、
図15で示した具体的な内容(例えば医薬品)に基づき、それに適合したバーチャルMR104aの候補が表示されるように構成してもよい。
この場合は、まずMS102は、ログイン後、
図15の予約内容入力画面に移動し、少なくとも医薬品を入力する。すると、その医薬品の説明をすることができるバーチャルMR104aの候補が表示される。この候補の表示は、Web制御部120が実行する。この候補は、請求の範囲の面談者候補の好適な一例である。
【0123】
Web制御部120は、製薬会社医薬品欄306の医薬品が入力され、参加メンバー欄304のMRが入力されていない場合は、その医薬品の説明が可能なスキルを持ったバーチャルMR104aを、MRデータベース136から検索し、MR候補リストとして参加メンバー欄304にプルダウンリストとして表示する。
このMRのリストは、請求の範囲の面談者候補の好適な一例であるが、面談者候補の表示の方法は他の方法を用いてもよい。別途候補を表示する欄を設けてもよいし、ポップアップボックスを表示してそこにバーチャルMR104aのリストを」表示してもよい。
MRデータベース136は、バーチャルMR104a(の氏名)と、そのバーチャルMR104aが説明することができる医薬品と、をデータ項目として有するデータベースであり、医薬品をキーとしてこのMRデータベース136を検索すれば、当該医薬品を説明することができるバーチャルMR104aを見つけることができる。Web制御部120は、このようにして当該医薬品を説明することができるバーチャルMR104aを見つけて、プルダウンリストその他の手法で表示する。
本実施形態では、このようなMRデータベース136があらかじめ構築されているものとする。
プルダウンリストに候補が表示された後の操作方法は次の2通りがある。
【0124】
(1a)第1の操作方法
バーチャルMR104aの候補が表示された時点で、MS102は、所望のバーチャルMR104aをタッチして選択してから、
図13のスケジュール予約画面に移行することができる。移行は、プルダウンメニューから予約を選択することや、スケジュール予約画面ボタン322(
図15参照)をタッチすることで行ってよい。
Web制御部120は、プルダウンリストからいずれかの1人以上のバーチャルMR104aに対するタッチを受信し、スケジュール予約画面ボタン322のタッチを受信すると、タッチされた1人以上の当該バーチャルMR104aのみを含む
図13のスケジュール予約画面を送信する。そして、タブレット端末102aはこのスケジュール予約画面をディスプレイ上に表示する。
なお、Web制御部120は、メニューから「予約」が選択されたことを以て、スケジュール予約画面(
図13)に戻るように構成してもよい。
このようにして、選択した1人以上のバーチャルMR104aのみが含まれるスケジュール予約画面(
図13)が表示されるので、1人以上の当該バーチャルMR104aのスケジュールの中からすでに説明したように日付と時間帯をタッチして選択することができる。選択後は再び
図15に示す予約内容入力画面に移行(Web制御部120が予約入力画面を送信する)するので、まだ入力していない項目を入力してから、予約ボタン318をタッチして予約を完了することができる。
【0125】
(1b)第2の操作方法
バーチャルMR104aの候補が表示された時点で、MS102は、特にバーチャルMR104aを選択することなく、
図13のスケジュール予約画面に移行することもができる。移行は、メニューから「予約」を選択することや、
図15のスケジュール予約ボタン322をタッチすることで行ってよい。すると、候補としてプルダウンリストに挙げられた複数のバーチャルMR104aの全てが含まれるスケジュール予約画面(
図13)が表示される。
この動作は、これまでの説明と同様に、Web制御部120が該当するバーチャルMR104aを含むスケジュール予約画面を送信することによって実現される。
MS102は、改めてそのスケジュール予約画面(
図13)から所望の日付、時間帯をタッチして選択することができる。選択後は再び
図15に示す予約内容入力画面に移行するので、まだ入力していない項目を入力してから、予約ボタン318をタッチして予約を完了することができる。予約ボタン318へのタッチを受信したWeb制御部120は、これまでWebページ上で入力されたデータを、バーチャルMRスケジュールデータベース126に記憶させる。これによって、予約が完了する。このように、面談の対象である医薬品の面談が可能なバーチャルMR104aに絞り込んでから選択することができるので、より効率的に予約を行うことができる。
【0126】
(1c)
このようにして、第1又は第2の操作方法によってバーチャルMRスケジュールデータベース126に記録された内容は、スケジュール予約サーバ100にログインして、(「予約」や、「スケジュール確認」等のメニューを選択して)スケジュール予約画面を表示させれば、いつでも閲覧することができる。このように、MS102だけでなく、バーチャルMR104aも、スケジュール予約サーバ100にログインして、スケジュールをいつでも確認することができる。
(1d)他の条件による絞り込み
また、上の例では、医薬品を指定し、その医薬品の説明をできるバーチャルMR104aに絞り込んでスケジュール予約画面を表示させる例を説明したが、他の条件で絞り込んでもよい。例えば、医療機関106で絞り込んで表示させることもできる。また、MS102は、なれているバーチャルMR104a個人を選択して絞り込むこともできる。例えば、面談の相手である医師108に応じて、その医師108になれているバーチャルMR104を、個人指定する場合等である。
【0127】
I.スケジュール予約サーバ100の他の動作
スケジュール予約サーバ100は、予約を登録する動作だけでなく、他の動作も実行する。
(1)
図15の下段に示すように、予約の内容として記録した参加メンバーには、面談の当日、面談の直前等において、適宜通知メールが送信される。これは、メール部122によって実行される。メール部122は、いわゆる電子メールを送受信するメールソフトと、それを実行するプロセッサ(CPU等)によって実現される。このメール部122は、現在の日時と、バーチャルMRスケジュールデータベース126の内容を読み取り、所定のタイミングで参加メンバー等に通知メールを送信する。タイミングは任意のタイミングでよく、面談の当日の朝や、面談開始時刻1時間前、10分前、等種々のタイミングで送信してよい。
【0128】
(2)
図4の(7)で説明したように、バーチャルMR104aは、面談終了後に評価レポート114を作成する。この評価レポート114は、製薬会社に提出されるとともに、面談履歴データベース128に記録してもよい。具体的には、バーチャルMR104aが、スケジュール予約サーバ100にログインし、面談履歴登録のメニューを選択し、作成した評価レポート114をアップロードする。スケジュール予約サーバ100へのログインや、メニューの選択等は、MS102の場合と同様であり、また既存のコンピュータのログイン手法と同様の手法(例えば、IDとパスワードとを入力する等)で実行すればよい。また、評価レポート114のアップロードも、既存のアップロードと同様の技術でアップロードすればよい。
【0129】
このように、面談の結果を表す評価レポート114をスケジュール予約サーバ100の内部に記録しておく(面談履歴データベース128)ことによって、後日(例えば、次の面談時等)バーチャルMR104aは、その医師108にこれまでどのような面談をしているかを確認することができる。したがって、過去の履歴を考慮した面談を実行することができ、より質の高い面談を実行することができる。
【0130】
面談履歴データベース128は、終了した面談の内容を記録するデータベースであり、種々のデータを記録しておくことができる。上述のように評価レポート114を記録しておくことの他、面談の録画データ・録音データ、面談に使用した(提供した)資料等を記録しておいてもよい。これらも、評価レポート114のように、バーチャルMR104aが、スケジュール予約サーバ100にログインを行い、適宜面談履歴データベース112にアップロードしてよい(
図7のフローチャート参照)が、MS102が実行してもよい。例えば、アンケート結果(
図7参照)は、MS102がスケジュール予約サーバ100の面談履歴データベース112にアップロードしてもよい。
面談履歴データベース112は、これら評価レポート等について、日付、時間帯、MS102、バーチャルMR104a、医療機関106、医師108、対象となる医薬品をキーとして分類記憶されている。
そのため、種々のデータ項目をキーとして検索することができてよい。例えば、ある医療機関106をキーとして検索すれば、その医療機関106に対してこれまでどのような面談を実行したのか、引き出すことができる。また、ある医薬品をキーとして検索すれば、その医薬品に関してどの医療機関106にいつ面談を行ったかを引き出すことができ、その内容を知る場合に便利である。
【0131】
(3)過去の予約スケジュールとその閲覧
また、バーチャルMRスケジュールデータベース126は、予約された面談が実行された後もその記録された内容は原則として残る。すなわち、
図13に示すスケジュール予約画面で、日付を遡れば、過去に実行された面談のスケジュールをいつでも閲覧することができる。例えば、自分がいつ面談を実行したか等を、MS102やバーチャルMR104aはいつでも簡便に知ることができる。
なお、MS102は、所定の操作によって、予約のスケジュールを消せるように構成してもよい。
【0132】
過去のスケジュールを閲覧する動作
予約
上述した実施形態では、MS102が、「予約」のメニューを選択することによって、スケジュール予約画面(
図13参照)を表示させる例を説明した。このスケジュール予約画面を表示させている場合、日付を入力することによって、当該日付のスケジュール予約画面を表示させて、予約の状況を確認することができるが、この日付は、現在より未来だけでなく、過去の日付も入力することができる。
したがって、未来の日付で予約を行う前に、過去の予約状況を確認しながら、その後で予約を行うこと等が可能となり、利便性を向上させることができる。また、予約の場合、バーチャルMR104aを指定して、そのバーチャルMR104aのみのスケジュールを表示させることができる点は、すでに説明したとおりである。
閲覧
また、単に閲覧だけの場合には、「予約」のメニューとは別に「閲覧」のメニューを設けておくことも好適である。
Web制御部120は、「閲覧」が選択された場合、これまでの説明や上記「予約」の場合と同様に、スケジュール予約画面(
図13参照)を表示させる。この場合、予約ができないようにすることを除けば、上記予約とほぼ同様である。
また、閲覧の場合も、上記予約の場合と同様に、バーチャルMR104aで絞り込んで表示することや、医療機関106で絞り込んで表示させることができるように構成してもよい。閲覧の場合も、予約内容入力画面(
図15)を用意しておき、このような画面で絞り込みたい条件を記入させてから、スケジュール予約画面(
図13)のようなスケジュールを表示する画面に戻れば、入力させた条件で絞り込んで表示させることが好適である。
【0133】
(4)タッチ以外の操作
本実施形態では、タブレット型端末102aを中心として説明したので、主としてタッチして指示を行う例を説明してきたが、いわゆるポインティングデバイスであれば、どのような手段で指示を行ってもよい。マウスを用いてもよいし、タッチに代えてクリックして指示を行ってもよい。また、トラックボールや、スタイラスペンを用いて指示を行ってもよい。
【0134】
J.変形例
(1)バーチャルMR104aは、インターネット110に接続する端末やコンピュータを操作できれば、どこに位置していてもよい。上述した実施形態では、バーチャルMR104aの所属する企業の室内にいることを前提として説明したが、スケジュール予約サーバ100に接続でき、タブレット端末102aとインターネットテレビ電話することができれば、どこに位置していてもよい。
【0135】
(2)本実施形態におけるインターネットテレビ電話は、どのような種類のテレビ電話でもよい。また、電話という名前が付されていないWeb会議システムや、オンライン会議システム、等であってもよい。動画像と音声を通信でき、適宜、資料等を相手方に示すことができ、また相手方に送信することができれば、どのようなシステムを用いてもよい。
また、上の実施形態では、インターネット(を用いた)テレビ電話を例として説明したが、インターネットを用いない電話回線のみのテレビ電話でもよい。
【0136】
(3)上の説明では、
図13のスケジュール予約画面において、ログインしたMS102の氏名は太いゴシックで表され、他のMS102の氏名と区別がつくように表示される例を説明した。しかし、自己(MS102)の氏名が強調されて表示されれば、どのような表示方法でもよい。例えば、背景を色彩(有彩色)付きで表示する(背景を赤にする)という方法を採用してもよい。
【0137】
K.まとめ(実施形態全体)
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、前述した実施形態は、本発明を実施するにあたっての具体例を示したに過ぎない。本発明の技術的範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能であり、それらも本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0138】
100 スケジュール予約サーバ
102 MS
102a タブレット端末
104 MR
104a バーチャルMR
106 医療機関・薬局等
108 医師
110 インターネット
112 面談履歴データベース
114 評価レポート
120 Web制御部
122 メール部
124 通信部
126 バーチャルMRスケジュールデータベース
130 医療機関データベース
132 製薬会社データベース
134 バス
136 MRデータベース
300 登録者欄
302 日付欄
304 参加メンバー欄
306 製薬会社医薬品欄
308 採用欄
310 医療機関医師欄
312 医療機関コード欄
314 医療機関候補欄
316 メッセージ欄
318 予約ボタン
320 破棄ボタン
322 スケジュール予約画面ボタン