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特許7264720電気機器収納用キャビネットの補助収納筐体及び電気機器収納用キャビネット
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】電気機器収納用キャビネットの補助収納筐体及び電気機器収納用キャビネット
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/03 20060101AFI20230418BHJP
   H05K 5/02 20060101ALI20230418BHJP
   H02B 1/30 20060101ALI20230418BHJP
【FI】
H05K5/03 B
H05K5/02 G
H02B1/30 E
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2019095655
(22)【出願日】2019-05-22
(65)【公開番号】P2020191374
(43)【公開日】2020-11-26
【審査請求日】2022-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000227401
【氏名又は名称】日東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001977
【氏名又は名称】弁理士法人クスノキ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 宏野
【審査官】五貫 昭一
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-175284(JP,U)
【文献】実開昭61-111183(JP,U)
【文献】実開平3-22776(JP,U)
【文献】実開平5-84792(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/03
H05K 5/02
H02B 1/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器収納用キャビネット本体の側面に取り付ける補助収納筐体であって、開くように移動させることにより、電気機器収納用キャビネット本体の外側から補助収納筐体内へのアクセスを可能とする外側開閉部と、開くように移動させることにより、電気機器収納用キャビネット本体の内側から補助収納筐体内へのアクセスを可能とする内側開閉部と、を備えた補助収納筐体。
【請求項2】
電気機器収納用キャビネット本体の外側から補助収納筐体内へのアクセスを可能とするように外側開閉部を移動させた場合に、内側開閉部が電気機器収納用キャビネット本体の内側から補助収納筐体内へのアクセスが可能となるように移動することを抑制できる請求項1に記載の補助収納筐体。
【請求項3】
外側開閉部に備えた第一の底部と、内側開閉部に備えた第二の底部が底面を構成する請求項1又は2に記載の補助収納筐体。
【請求項4】
外側開閉部と内側開閉部を一体に設けた請求項1又は2に記載の補助収納筐体。
【請求項5】
請求項1から4の何れかに記載の補助収納筐体を備えた電気機器収納用キャビネット。
【請求項6】
電気機器収納用キャビネット本体に設けられた開口を電気機器収納用キャビネット本体の外側から覆うように請求項1から4の何れかに記載の補助収納筐体が配置され、内側開閉部を開くように移動させる際に、少なくとも内側開閉部の一部が電気機器収納用キャビネット本体の外側から内側に移動し、電気機器収納用キャビネット本体の内側から補助収納筐体内へのアクセスが可能となる電気機器収納用キャビネット。
【請求項7】
電気機器収納用キャビネット本体に設けられた開口を電気機器収納用キャビネット本体の内側から覆うように請求項1から4の何れかに記載の補助収納筐体が配置され、外側開閉部を開くように移動させる際に、少なくとも外側開閉部の一部が電気機器収納用キャビネット本体の内側から外側に移動し、電気機器収納用キャビネット本体の外側から補助収納筐体内へのアクセスが可能となる電気機器収納用キャビネット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器収納用キャビネットの補助収納筐体及び電気機器収納用キャビネットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されているように、配電盤や制御盤等には、回路図や取扱説明書等を収納するために、キャビネットの扉の内面に図面ホルダを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平09-322325号公報
【0004】
ところで、電気設備である配電盤などは、施錠し管理されているため、管理者でなくては扉を開いて図面等を確認することができないことが多い。配電盤等の扉の表面に配置されている操作機器等は、配電盤の外側から操作することになるが、その取扱説明書等も配電盤の内側の図面ホルダに保管されていると、管理者がいないと確認できず、不便なこととなる。これに対する対応として、図面ホルダを配電盤の扉の外側に取り付けることが考えられるが、その場合、扉を開いて盤内で作業を行っている場合には、扉の正面側に回り込んで図面を確認しなくてはならないということになる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件の発明者は、この点について鋭意検討することにより、解決を試みた。本発明が解決しようとする課題は、電気機器収納用キャビネットの外側と内側の両方から、収納物の取り出しを可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、電気機器収納用キャビネット本体の側面に取り付ける補助収納筐体であって、開くように移動させることにより、電気機器収納用キャビネット本体の外側から補助収納筐体内へのアクセスを可能とする外側開閉部と、開くように移動させることにより、電気機器収納用キャビネット本体の内側から補助収納筐体内へのアクセスを可能とする内側開閉部と、を備えた補助収納筐体とする。
【0007】
また、電気機器収納用キャビネット本体の外側から補助収納筐体内へのアクセスを可能とするように外側開閉部を移動させた場合に、内側開閉部が電気機器収納用キャビネット本体の内側から補助収納筐体内へのアクセスが可能となるように移動することを抑制できる構成とすることが好ましい。
【0008】
また、外側開閉部に備えた第一の底部と、内側開閉部に備えた第二の底部が底面を構成することが好ましい。
【0009】
また、外側開閉部と内側開閉部を一体に設けた構成とすることが好ましい。
【0010】
また、上記補助収納筐体を備えた電気機器収納用キャビネットとすることが好ましい。
【0011】
また、電気機器収納用キャビネット本体に設けられた開口を電気機器収納用キャビネット本体の外側から覆うように上記補助収納筐体が配置され、内側開閉部を開くように移動させる際に、少なくとも内側開閉部の一部が電気機器収納用キャビネット本体の外側から内側に移動し、電気機器収納用キャビネット本体の内側から補助収納筐体内へのアクセスが可能となる電気機器収納用キャビネットとすることが好ましい。
【0012】
また、電気機器収納用キャビネット本体に設けられた開口を電気機器収納用キャビネット本体の内側から覆うように上記補助収納筐体が配置され、外側開閉部を開くように移動させる際に、少なくとも外側開閉部の一部が電気機器収納用キャビネット本体の内側から外側に移動し、電気機器収納用キャビネット本体の外側から補助収納筐体内へのアクセスが可能となる電気機器収納用キャビネットとすることが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、電気機器収納用キャビネットの外側と内側の両方から、収納物の取り出しが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】第一の実施形態における電気機器収納用キャビネットの斜視図である。ただし、補助収納筐体を電気機器収納用キャビネット本体の外側に配置している。
図2図1に示す電気機器収納用キャビネットの外側開閉部を開いた状態を示した図である。
図3図1に示す電気機器収納用キャビネットのキャビネット筐体と扉体を分解した分解斜視図である。なお、補助収納筐体の内側開閉部が開いた状態を示している。
図4】第一の実施形態における電気機器収納用キャビネットの斜視図である。ただし、補助収納筐体を電気機器収納用キャビネット本体の内側に配置している。
図5図4に示す電気機器収納用キャビネットの外側開閉部を開いた状態を示した図である。
図6図4に示す電気機器収納用キャビネットのキャビネット筐体と扉体を分解した分解斜視図である。なお、補助収納筐体の内側開閉部が開いた状態を示している。
図7図1及び図4に示す電気機器収納用キャビネットに用いられる補助収納筐体の斜視図である。
図8図7に示す補助収納筐体の分解斜視図である。
図9図7に示す補助収納筐体に用いられる外側開閉部の斜視図である。
図10図7に示す補助収納筐体に用いられる内側開閉部の斜視図である。
図11図7のXI-XI断面図である。
図12図7に示す補助収納筐体を構成する内側開閉部と外側開閉部が組み合わされた状態を示す図である。
図13図12に示す外側開閉部が回動して第一の開閉規制部が当接部に当接した状態を表す図である。
図14図7に示す補助収納筐体の縦断面図である。なお、外側開閉部が開いた状態を表している。
図15図7に示す補助収納筐体の縦断面図である。なお、内側開閉部が回動して第二の開閉規制部が筐体本体に当接した状態を表している。
図16】第二の実施形態における補助収納筐体を外側開閉部側から見た斜視図である。
図17図16に示す補助収納筐体を反対側から見た斜視図である。
図18図16に示す補助収納筐体の分解斜視図である。
図19図16に示す補助収納筐体の縦断面図である。なお、外側開閉部が開いた状態を表している。
図20図16に示す補助収納筐体の縦断面図である。なお、内側開閉部が開いた状態を表している。
図21】第三の実施形態における補助収納筐体を外側開閉部側から見た斜視図である。なお、補助収納筐体の外側開閉部が開いた状態を示している。
図22図21に示す補助収納筐体を内側開閉部側から見た斜視図である。
図23図21に示す補助収納筐体の分解斜視図である。
図24図21に示す補助収納筐体の縦断面図である。なお、外側開閉部が開いた状態を表している。
図25図21に示す補助収納筐体の縦断面図である。なお、内側開閉部が開いた状態を表している。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に発明を実施するための形態を示す。図1から図6に示されていることから理解されるように、本実施形態の電気機器収納用キャビネット9の補助収納筐体1は、開くように移動させることにより、電気機器収納用キャビネット本体91の外側から補助収納筐体1内へのアクセスを可能とする外側開閉部11を備えている。また、この補助収納筐体1は、開くように移動させることにより、電気機器収納用キャビネット本体91の内側から補助収納筐体1内へのアクセスを可能とする内側開閉部12を備えている。このため、電気機器収納用キャビネット9の外側と内側の両方から、収納物の取り出しが可能となる。
【0016】
補助収納筐体1は、電気機器収納用キャビネット本体91に取り付けられて、電気機器収納用キャビネット9を構成するものであるが、図1から図6に示す電気機器収納用キャビネット本体91は、キャビネット筐体92と扉体93により、略直方体形状の外形を形成している。この電気機器収納用キャビネット本体91に対して設けられた開口94は、扉体93を閉めていても、収納物を電気機器収納用キャビネット本体91の内側から外側に、若しくは外側から内側に移動させることができる経路であり、収納物が通過できる大きさに設けられている。
【0017】
図1から図6に示す例の補助収納筐体1は、電気機器収納用キャビネット本体91に対して設けられた開口94を塞ぐように配置されている。図1から図3に示すことから理解されるように、補助収納筐体1は、電気機器収納用キャビネット本体91の外側に位置するように配置するものとしても良いし、図4から図6に示すことから理解されるように、補助収納筐体1は、電気機器収納用キャビネット本体91の内側に位置するように配置するものとしても良い。なお、開口94に嵌めるように配置するなどして、補助収納筐体1が電気機器収納用キャビネット本体91の内側及び外側の双方に位置するようにしても良い。
【0018】
電気機器収納用キャビネット本体91に設けられた開口94を電気機器収納用キャビネット本体91の外側から覆うように補助収納筐体1が配置され、内側開閉部12を開くように移動させる際に、少なくとも内側開閉部12の一部が電気機器収納用キャビネット本体91の外側から内側に移動し、電気機器収納用キャビネット本体91の内側から補助収納筐体1内へのアクセスが可能となる電気機器収納用キャビネット9とすれば、閉じた状態では電気機器収納用キャビネット本体91の内部空間を補助収納筐体1が圧迫することを抑制することができる。
【0019】
電気機器収納用キャビネット本体91に設けられた開口94を電気機器収納用キャビネット本体91の内側から覆うように補助収納筐体1が配置され、外側開閉部11を開くように移動させる際に、少なくとも外側開閉部11の一部が電気機器収納用キャビネット本体91の内側から外側に移動し、電気機器収納用キャビネット本体91の外側から補助収納筐体1内へのアクセスが可能となる電気機器収納用キャビネット9とすれば、電気機器収納用キャビネット9の外見をスッキリとさせることができる。
【0020】
図1から図6に示す補助収納筐体1は、電気機器収納用キャビネット本体91の側面に取り付けるものであるが、図7及び図8に示すことから理解されるように、この補助収納筐体1は、外側開閉部11、内側開閉部12、筐体本体13を組み合わせて構成している。この補助収納筐体1は、電気機器収納用キャビネット本体91の内側と外側のいずれに配置するようにも取り付け可能であるが、図1から図3に示すように、電気機器収納用キャビネット本体91の外側に飛び出すように取り付けるときは、扉体93などの内側から筐体本体13の内側取付部51にねじ止めをすれば良い。また、図4から図6に示すように、電気機器収納用キャビネット本体91の内側に飛び出すように取り付けるときは、扉体93などの外側から筐体本体13の外側取付部52にねじ止めをすれば良い。
【0021】
ところで、図9に示すことから理解されるように、図1から図6に示す例の外側開閉部11は、補助収納筐体1の外側側面を構成する面から立ち上がるように折り曲げることで形成した左右側面の上部に、外側開閉部11の移動を規制可能な第一の開閉規制部31を設けている。また、外側開閉部11の下部には、補助収納筐体1の底面の構成要素となる第一の底部32を備えている。また、外側開閉部11の外側側面には、作業者が持つことができる取手33を備えており、この取手33を持ちながら開閉操作ができる。
【0022】
また、図10に示すことから理解されるように、図1から図6に示す例の内側開閉部12は、補助収納筐体1の内側側面を構成する面から立ち上がるように折り曲げることで形成した左右側面の上部に、内側開閉部12の移動を規制可能な第二の開閉規制部41を設けている。また、この内側開閉部12の左右側面の外側端部には、第一の開閉規制部31に当接可能な当接部42を設けている。また、内側開閉部12の下部には、補助収納筐体1の底面の構成要素となる第二の底部43を備えている。
【0023】
図1から図6に示す例の筐体本体13は、底の面を有しないようなコ字状に形成している。この筐体本体13の左右側面の下端には、外側開閉部11を軸支する外側開閉軸61と内側開閉部12を軸支する内側開閉軸62が設けられている。また、図1から図6に示す例では、筐体本体13の内側の上部に切欠き53を備えている。この切欠き53から内側開閉部12に手をかけて操作ができるため、電気機器収納用キャビネット本体91の内側に余分に突出する部分を作らずとも、内側開閉部12の操作が可能となる。
【0024】
図1から図6に示す例においては、外側開閉部11に設けられた第一の底部32と内側開閉部12に設けられた第二の底部43の両方で補助収納筐体1の底面を構成している。図11に示すことから理解されるように、図1から図6に示す例では、内側開閉部12と外側開閉部11の双方が閉じた状態において、平面視で第一の底部32と第二の底部43が重ならない構成となっている。図11に示す例では、第一の底部32の一部及び第二の底部43の一部の双方ともが、筐体本体13の厚み方向の長さLWの半分よりも長くなるように構成されており、内側開閉部12と外側開閉部11のいずれか一方を回動させた場合、当該回動をさせた側とともに、補助収納筐体1に収めたファイルなどが移動しやすいものとなっている。また、これらの例では、外側開閉部11を開く方向へ回動させると第一の底部32が傾斜することになり、収納物を外側へ傾かせることができる。このため、収納物を取り出し易くすることができる。
【0025】
図1から図6に示す例では、図12から図14に示すことから理解されるように、補助収納筐体1が開くように外側開閉部11を回動操作すると、第一の開閉規制部31が内側開閉部12に設けられた当接部42にあたり、所定以上の回動を抑制することができる。
【0026】
また、実施形態では、第一の開閉規制部31と当接部42が干渉することにより、外側開閉部11が開いた状態では、内側開閉部12が開く方向に回動することを抑制できるため、補助収納筐体1を介して電気機器収納用キャビネット本体91の内部に侵入することを防ぐことができる。このように、電気機器収納用キャビネット本体91の外側から補助収納筐体1内へのアクセスを可能とするように外側開閉部11を移動させた場合に、内側開閉部12が電気機器収納用キャビネット本体91の内側から補助収納筐体1内へのアクセスが可能となるように移動することを抑制できる構造とすることが好ましい。なお、この例において、電気機器収納用キャビネット本体91の外側から図面などのファイルを取り出すことができることは勿論のことである。
【0027】
ところで、図1から図6に示す例では、図15に示すことから理解されるように、内側開閉部12を開く側に所定の位置まで回動操作すると、第二の開閉規制部41が筐体本体13の端部にあたり、内側開閉部12の回動を止めることができる。また、内側開閉部12を開く方向へ回動させると第二の底部43が傾斜することになり、収納物を内側へ傾かせることができる。このため、収納物を取り出し易くすることができる。これらは、外側開閉部11を開いたときにもたらされる効果と同様である。なお、電気機器収納用キャビネット本体91の内側から図面などのファイルを取り出せることは勿論である。
【0028】
ここで、図1から図15に示す例とは異なる例の補助収納筐体1について説明する。図16から図18に示す例では、補助収納筐体1は、外側開閉部11、内側開閉部12、筐体本体13、を組み合わせて構成している。電気機器収納用キャビネット本体91に取り付けるときは、扉体93の外側から筐体本体13の取付部54にねじ止めを行っている。このように、図16から図18に示す例では、電気機器収納用キャビネット本体91の内側に補助収納筐体1を配置する構成としている。
【0029】
図18に示すことから理解されるように、この例の外側開閉部11は、補助収納筐体1の外側側面を構成する面と対向する面が上方に伸びた箱形の形状となっている。この外側側面を構成する面と対向する面の上端には、外側開閉部11の回動範囲を規制するために用いられる開閉規制部35を備えている。また、外側側面を構成する面には、開閉操作をする際に用いられる取手33を備えている。
【0030】
図16から図18に示すことから理解されるように、内側開閉部12は、補助収納筐体1の天井面を構成する蓋形状となっている。この内側開閉部12の外側端部には、外側開閉部11に備えた開閉規制部35に当接可能な当接部45を備えている。
【0031】
図18に示すことから理解されるように、この例の筐体本体13は、底面と天井面を有しないコ字状に形成されている。筐体本体13の左右側面の下端には、外側開閉部11を軸支する外側開閉軸63、上端には、内側開閉部12を軸支する内側開閉軸64を備えている。図19に示すことから理解されるように、外側開閉部11を開くように回動操作することで、開閉規制部35が内側開閉部12の当接部45にあたると、外側開閉部11の回動がとまる。
【0032】
この例では、外側開閉部11を開いた状態とすることで、外側開閉部11に設けた開閉規制部35と内側開閉部12に設けた当接部45が干渉することにより、内側開閉部12が開く方向に回動することが抑制されるため、補助収納筐体1を介して電気機器収納用キャビネット本体91の内部に侵入することを防ぐことができる。なお、電気機器収納用キャビネット本体91の外側から図面などのファイルを取り出せることは勿論であるし、図20に示すように、内側開閉部12を回動操作することにより、電気機器収納用キャビネット本体91の内側から図面などのファイルを取り出せることも勿論である。このような構成とすれば、補助収納筐体1の底面を分割して各々が単独で移動する構成にする必要がなく、小さな収納物が隙間から落下することを防ぐことができる。
【0033】
また、他の例の補助収納筐体1について説明する。図21から図23に示す例では、補助収納筐体1は、外側開閉部11、内側開閉部12、筐体本体13、を組み合わせて構成している。この補助収納筐体1の電気機器収納用キャビネット本体91への取り付け方法は、図1図6などに示す例と同じようにすれば良い。この例では、補助収納筐体1の外側側面を構成する外側開閉部11と補助収納筐体1の内側側面を構成する内側開閉部12が対向するように一体となっており、外側開閉部11と内側開閉部12を備えた部品81が箱形の形状となるようにしている。なお、外側開閉部11と内側開閉部12を備えた部品81の左右側面の上端には、この部品81の回動範囲を規制するために用いられる開閉規制部83を備えている。
【0034】
この例の筐体本体13は、底面を有しないコ字状に形成されている。この筐体本体13の左右側面の下端に設けられた開閉軸65により、一体形成された外側開閉部11と内側開閉部12が軸支される。
【0035】
図21及び図22に示すことから理解されるように、筐体本体13の外側面と内側面にはストッパーが備えられている。外側開閉部11を開くときは、外側面に設けられたストッパー84が外側開閉部11に引っ掛かった状態を解除して、回動させればよい。外側開閉部11が開くように回動操作をして、図24に示すように、開閉規制部83が筐体本体13の端部にあたると、回動がとまる。なお、内側面に設けられたストッパー85が、外側開閉部11と内側開閉部12を備えた部品81の経路に位置する状態にすれば、内側開閉部12が電気機器収納用キャビネット本体91の内側方向へ回動することを規制することができる。
【0036】
内側開閉部12を開くときは、内側面に設けられたストッパー85が内側開閉部12に引っ掛かった状態を解除して、回動させればよい。内側開閉部12が開くように回動操作をして、図25に示すように、開閉規制部83が筐体本体13の端部にあたると、回動がとまる。なお、外側面に設けられたストッパー84が、外側開閉部11と内側開閉部12を備えた部品81の経路に位置する状態にすれば、外側開閉部11が電気機器収納用キャビネット本体91の外側方向へ回動することを規制することができる。
【0037】
このような構成であるため、電気機器収納用キャビネット本体91の外側又は内側から図面などのファイルを取り出すことができる。また、外側開閉部11と内側開閉部12を一体に設けることにより、これらが一緒に回動するため、補助収納筐体1を介して電気機器収納用キャビネット9の内部に侵入することを防ぐことができる。
【0038】
以上、実施形態を例に挙げて本発明について説明してきたが、本発明は上記実施形態に限定されることはなく、各種の態様とすることが可能である。例えば、補助収納筐体に鍵を取り付けることも可能である。
【符号の説明】
【0039】
1 補助収納筐体
9 電気機器収納用キャビネット
11 外側開閉部
12 内側開閉部
32 第一の底部
43 第二の底部
91 電気機器収納用キャビネット本体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
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図15
図16
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