(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】本人確認システム
(51)【国際特許分類】
E05B 49/00 20060101AFI20230418BHJP
A47G 29/124 20060101ALI20230418BHJP
B65G 1/137 20060101ALI20230418BHJP
B65G 61/00 20060101ALI20230418BHJP
G06F 21/31 20130101ALI20230418BHJP
G07D 11/40 20190101ALI20230418BHJP
G07D 11/60 20190101ALI20230418BHJP
【FI】
E05B49/00 R
A47G29/124
B65G1/137 A
B65G61/00 550
G06F21/31
G07D11/40
G07D11/60
(21)【出願番号】P 2019201430
(22)【出願日】2019-11-06
【審査請求日】2022-02-17
(73)【特許権者】
【識別番号】504373093
【氏名又は名称】日立チャネルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001689
【氏名又は名称】青稜弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】畦田 昌嗣
(72)【発明者】
【氏名】今泉 敦博
(72)【発明者】
【氏名】安江 司
【審査官】砂川 充
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-37689(JP,A)
【文献】特開2017-66707(JP,A)
【文献】特開2012-57371(JP,A)
【文献】特開2010-112091(JP,A)
【文献】特開2008-198089(JP,A)
【文献】特開2014-142746(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 1/00 -85/28
A47G 29/12 -29/126
B65G 1/137
B65G 61/00
G06F 21/31
G06Q 50/00 -50/20
G06Q 50/26 -99/00
G07D 11/00 -13/00
G07F 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
宅配ロッカーと本人確認装置を用いる郵便物の受け取りにおける本人確認システムであって、
前記宅配ロッカーは、
ロッカー扉と、
外部情報を取得する外部情報取得部と、
前記ロッカー扉の開閉と前記外部情報取得部を制御する宅配ロッカー制御装置と、を有し、
前記本人確認装置は、
前記郵便物の名あて人の生体認証を実施して本人確認を行い、
前記宅配ロッカー制御装置は、
前記本人確認装置により本人であることを確認した場合に、前記外部情報取得部から前記外部情報を取得し、
前記郵便物と前記名あて人を紐づけるための情報である識別情報と前記外部情報とを照合し、前記識別情報と前記外部情報とが一致した場合に、前記ロッカー扉を開錠し、
前記本人確認装置は、現金自動取扱装置で構成され、
前記現金自動取扱装置は、
生体情報が予め書き込まれたキャッシュカードを読み取るカードリーダと、
前記生体認証を実施する生体認証装置と、
明細票を発行する明細票発行装置と、
装置制御装置と、を有し、
前記生体認証装置は、
装置から取得した前記生体情報と、前記キャッシュカードを前記カードリーダに読み取らせて得た前記生体情報と照合して前記生体認証を行い、
前記装置制御装置は、
前記本人確認装置により本人であることを確認した場合に、口座開設時の前記外部情報を取得して、前記外部情報を暗号化した後に前記外部情報を書き込んだバーコードを作成して、前記
明細票発行装置から前記バーコードを
前記明細票に出力し、
前記宅配ロッカーの前記外部情報取得部は、バーコードリーダで構成され、
前記宅配ロッカー制御装置は、
前記バーコードリーダから読み込んだ前記バーコードの前記外部情報を復号化して前記識別情報と前記外部情報とを照合し、前記識別情報と前記外部情報とが一致した場合に、前記ロッカー扉を開錠することを特徴とする本人確認システム。
【請求項2】
前記生体認証装置は、
前記生体認証として静脈認証を実施する静脈認証装置で構成され、
前記静脈認証装置は、
前記装置から取得した前記生体情報としての静脈データと、前記キャッシュカードを前記カードリーダに読み取らせ得た前記静脈データとを照合して前記生体認証を行うことを特徴とする請求項1に記載の本人確認システム。
【請求項3】
前記バーコードには、更に有効期限が書き込まれており、
前記宅配ロッカー制御装置は、
前記バーコードが有効期限内であるかを確認し、
前記有効期限内である場合に、前記識別情報と前記外部情報とを照合することを特徴とする請求項1に記載の本人確認システム。
【請求項4】
前記装置制御装置は、
前記郵便物を受け取るために代金の支払いが必要な場合は、
前記現金自動取扱装置の入出金口より現金で支払うか又は前記カードリーダに挿入した前記キャッシュカードの口座から引き落とすかを決定することを特徴とする請求項1に記載の本人確認システム。
【請求項5】
前記現金自動取扱装置は、情報の入出力に用いる表示部を更に有し、
前記装置制御装置は、
前記表示部のメニュー画面で選択された本人確認票発行の項目に応じて、前記本人確認を行うことを特徴とする請求項1に記載の本人確認システム。
【請求項6】
宅配ロッカーと本人確認装置を用いる郵便物の受け取りにおける本人確認システムであって、
前記宅配ロッカーは、
ロッカー扉と、
外部情報を取得する外部情報取得部と、
前記ロッカー扉の開閉と前記外部情報取得部を制御する宅配ロッカー制御装置と、を有し、
前記本人確認装置は、
前記郵便物の名あて人の生体認証を実施して本人確認を行い、
前記宅配ロッカー制御装置は、
前記本人確認装置により本人であることを確認した場合に、前記外部情報取得部から前記外部情報を取得し、
前記郵便物と前記名あて人を紐づけるための情報である識別情報と前記外部情報とを照合し、前記識別情報と前記外部情報とが一致した場合に、前記ロッカー扉を開錠し、
前記本人確認装置は、前記宅配ロッカーに内蔵され、
前記本人確認装置は、
前記外部情報取得部として、本人の顔写真と前記外部情報を含む公的書類を読み込む第1のデータ取得部と、
本人の顔画像を撮影して取り込む第2のデータ取得部と、
前記第1のデータ取得部と前記第2のデータ取得部を制御し、前記公的書類で顔認証を実施して前記本人確認を行う制御部と、を有し、
前記制御部は、
前記第1のデータ取得部から前記公的書類の前記顔写真を読み取った判断した場合、前記第2のデータ取得部を起動して前記本人の前記顔画像を撮影し、
前記第2のデータ取得部にて撮影した前記顔画像と前記第1のデータ取得部で読み取った前記顔写真とを照合して顔認証を実施し、
前記顔認証により本人であることを確認した場合に、前記第1のデータ取得部にて前記公的書類から前記外部情報を取得し、
前記宅配ロッカー制御装置は、
前記識別情報と前記外部情報とを照合し、前記識別情報と前記外部情報とが一致したと判断した場合に、前記ロッカー扉を開錠することを特徴とする本人確認システム。
【請求項7】
前記本人の前記顔画像を撮影する前記第2のデータ取得部は、前記宅配ロッカーに設けられたカメラで構成されることを特徴とする請求項6に記載の本人確認システム。
【請求項8】
宅配ロッカーと本人確認装置を用いる郵便物の受け取りにおける本人確認システムであって、
前記宅配ロッカーは、
ロッカー扉と、
外部情報を取得する外部情報取得部と、
前記ロッカー扉の開閉と前記外部情報取得部を制御する宅配ロッカー制御装置と、を有し、
前記本人確認装置は、
前記郵便物の名あて人の生体認証を実施して本人確認を行い、
前記宅配ロッカー制御装置は、
前記本人確認装置により本人であることを確認した場合に、前記外部情報取得部から前記外部情報を取得し、
前記郵便物と前記名あて人を紐づけるための情報である識別情報と前記外部情報とを照合し、前記識別情報と前記外部情報とが一致した場合に、前記ロッカー扉を開錠し、
前記郵便物は、本人限定受取郵便であり、
前記識別情報及び前記外部情報は、前記郵便物の前記名あて人の氏名及び住所であり、
前記宅配ロッカー制御装置は、記憶部を更に有し、
前記識別情報は、前記記憶部に予め記憶されており、
前記宅配ロッカー制御装置は、
前記記憶部から読み出した前記識別情報と前記外部情報とを照合することを特徴とする本人確認システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本人限定受取郵便の受け取りにおける本人確認システム及び本人確認方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現行の運用において、例えば金融機関等は「犯罪による収益の移転防止に関する法律」によって、口座開設時に本人確認を実施する必要がある。
【0003】
一方で口座開設はインタネットなどでの申し込みが可能となっており、この場合の本人確認には申し込み後に本人確認の書類やその写しを郵送させる方法や本人限定受取郵便に代行する方法が存在する。
【0004】
この本人限定受取郵便については集配サービス業者から到着通知書をサービスの利用者(以下、名あて人)へ送付し、名あて人は窓口に行くか本人に配送してもらい、本人確認書類を提示して郵便物を受け取ることとなっている。
【0005】
このような状況において、名あて人は受け取る際に本人確認書類を提示し、集配サービス業者が書類を確認する。このため、手順を踏むのに時間がかかり、窓口においては受け取り待ちの行列ができやすく、集配サービス業者の負担となっていた。
【0006】
また、名あて人は集配サービス業者の営業時間内に窓口に出向くなどの郵便物を受け取るための対応をする必要がある。このため、受け取りまでに日数がかかることがあり、利用しにくいサービスとなっている可能性が考えられる。
【0007】
特許文献1においては、本人限定受取管理サーバをつくることで荷物受取人の本人確認を簡便に行え、且つ集配サービス業者による荷物の集配を効率良く行う方式を実現している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、特許文献1の方式においては、照合用情報を第三者に譲渡するといったなりすましを防止する手段を実現できていない。このため、集配サービス業者が受け取りの際に立ち会う必要がある。
【0010】
この結果、特許文献1では、集配サービス業者の負担が依然として発生しており、集配サービス業者の営業時間にしか受け取りができないという制限については改善されていない。
【0011】
本発明の目的は、集配サービス業者の負担を低減し、集配サービス業者の営業時間にしか本人限定受取郵便の受け取りができないという制限を改善することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一態様の本人確認システムは、宅配ロッカーと本人確認装置を有する郵便物の受け取りにおける本人確認システムであって、前記宅配ロッカーは、ロッカー扉と、外部情報を取得する外部情報取得部と、前記ロッカー扉の開閉と前記外部情報取得部を制御する宅配ロッカー制御装置とを有し、前記本人確認装置は、前記郵便物の名あて人の生体認証を実施して本人確認を行い、前記宅配ロッカー制御装置は、前記本人確認装置により本人であることを確認した場合に、前記外部情報取得部から前記外部情報を取得し、前記郵便物と前記名あて人を紐づけるための情報である識別情報と前記外部情報とを照合し、前記識別情報と前記外部情報とが一致した場合に、前記ロッカー扉を開錠することを特徴とする。
【0013】
本発明の一態様の本人確認方法は、宅配ロッカーと本人確認装置を有する郵便物の受け取りにおける本人確認方法であって、前記本人確認装置により名あて人の生体認証を実施して本人確認を行うステップと、前記本人確認装置により本人であることを確認した場合に、外部情報を取得するステップと、前記郵便物と前記名あて人を紐づけるための情報である識別情報と前記外部情報とを照合するステップと、前記識別情報と前記外部情報とが一致した場合に、前記宅配ロッカーのロッカー扉を開錠するステップと、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一態様によれば、集配サービス業者の負担を低減し、集配サービス業者の営業時間にしか本人限定受取郵便の受け取りができないという制限を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図4】本人限定受取郵便のセルフ受け取りについてのフロー図である。
【
図5】実施例1におけるATM(現金自動取扱装置)の構成を示す図である。
【
図6】実施例1における宅配ロッカーの構成を示す図である。
【
図7】実施例1のフロー図(集配サービス業者のロッカー格納まで)である。
【
図8】実施例1のフロー図(ATMでのバーコード発行まで)である。
【
図9】実施例1のフロー図(名あて人の受け取り完了まで)である。
【
図10】実施例1の本人確認システムの動作を説明するためのイメージ図である。
【
図11】実施例2における宅配ロッカーの構成を示す図である。
【
図12】実施例2のフロー図(集配サービス業者のロッカー格納まで)である。
【
図13】実施例2のフロー図(名あて人の受け取り完了まで)である。
【
図14】実施例2の本人確認システムの動作を説明するためのイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本人限定受取郵便については集配サービス業者から到着通知書を名あて人へ送付し、名あて人は窓口に行くか本人に配送してもらい、本人確認書類を提示して郵便物を受け取ることとなっている。このような状況において、名あて人は受け取る際に本人確認書類を提示し、集配サービス業者が書類を確認するため、手順を踏むのに時間がかかり、窓口においては受け取り待ちの行列ができやすく、集配サービス業者の負担となっていた。
【0017】
また、名あて人は集配サービス業者の営業時間内に窓口に出向くなどの郵便物を受け取るための対応をする必要があることから、受け取りまでに日数がかかることがあり、利用しにくいサービスとなっている可能性が考えられる。
【0018】
実施形態では、集配サービス業者は本人限定受取郵便の到着通知を名あて人に連絡し、これを受け取った名あて人は受け取り方法の選択として宅配ロッカーでの受け取りを選択する。集配サービス業者は本人限定受取郵便を宅配ロッカーに格納して、宅配ロッカーに名あて人と紐づける識別情報を記憶させる。
【0019】
名あて人は生体認証を実施して、生体認証の確認結果に付随する形で識別情報と突き合わせをするための情報を取得する。この情報を宅配ロッカーで読み込ませた結果、一致したと判断された場合はロッカーの扉を開錠して、名あて人は開錠された宅配ロッカーから本人限定受取郵便を受け取る。
以下、
図1~
図4を参照して、実施形態について説明する。
【0020】
図1を参照して、宅配ロッカー100について詳細を説明する。
図1に示すように、宅配ロッカー100は、ロッカー扉108、外部の情報を取り込む外部情報取得部109、ロッカー扉108の開閉と外部情報取得部109を制御する制御装置110で構成されている。
【0021】
また、制御装置110は、演算するためのCPU101、実行する際にプログラムを一時的にコピーする領域であるRAM102、プログラムや識別情報106を記憶しておくROM103で構成されている。ROM103にはロッカー扉108や外部情報取得部109などを制御するための制御プログラム104、識別情報106と外部情報取得部109から取り込んだ情報を照合するための照合プログラム105が格納されている。
【0022】
図2を参照して、識別情報200(
図1の識別情報106に対応)について説明する。
図2に示すように、例えば識別情報106はロッカーの部屋ごとの扉番号201、郵便物の有無情報202、当該の部屋に郵便物がある場合においてはID203、氏名204、住所205によって構成されている。氏名204、住所205は郵便物と名あて人を紐づけるための情報であって、紐づけることが可能であれば他の情報でも構わない。ここで、
図3に、本人限定郵便のイメージを示す。
【0023】
図4を参照して、本人確認システムのフローについて説明する。
集配サービス業者は本人限定受取郵便300の到着通知を名あて人に連絡する(ステップ400)。
【0024】
これを受け取った名あて人は受け取り方法の選択として宅配ロッカーでの受け取りを選択する(ステップ403)。
【0025】
集配サービス業者は本人限定受取郵便300を宅配ロッカー100に格納して(ステップ401)、宅配ロッカーに本人限定受取郵便と名あて人を紐づけることができる識別情報106を記憶させる(ステップ402)。
【0026】
名あて人は生体認証を実施して(ステップ404)、生体認証の確認結果に付随する形で識別情報106と突き合わせをするための氏名及び住所といった情報を取得して、外部情報取得部109に読み込ませる(ステップ405)。
【0027】
この突き合わせ結果が照合プログラム105において一致したと判断された場合に制御プログラム104は対象となるロッカー扉108を開錠する。名あて人は開錠された宅配ロッカー100から本人限定受取郵便を受け取る(ステップ406)。これによって受け取りのセルフ化が実現できる。
【0028】
実施形態においては、生体認証によって名あて人が受け取っていることを証明することが可能であり、またこれに付随する形で取得した氏名及び住所といった本人限定受取郵便と紐付けられる情報を宅配ロッカーに読み取らせることで受け取りのセルフ化を実現することができる。
【0029】
これによって、集配サービス業者が立ち会って確認する必要がなくなり省力化が可能となる。また、名あて人は自由な時間に受け取ることが可能となるためサービスの向上も期待できる。
以下、図面を用いて実施例について説明する。
[実施例1]
【実施例1】
【0030】
図5~
図9を参照して、実施例1の本人確認システムについて説明する。
【0031】
実施例1として指静脈認証装置付きATM(現金自動取扱装置)500及び宅配ロッカー600を利用した本人限定郵便のセルフ受け取りシステムを説明する。
【0032】
図5を参照して、指静脈認証装置付きATM500について説明する。
静脈認証装置付きATM500は、通信IF501、現金の入出金口502、情報の入出力に用いるタッチパネルディスプレイ503とキャッシュカードを読み取るカードリーダ504、静脈認証を実施する静脈認証装置505、明細票を発行する明細票発行装置506、これらの端末を制御する制御装置507で構成される。
【0033】
また、制御装置507はCPU508、RAM509、ROM511、制御基板510で構成される。このROM511にはバーコードを生成するためのバーコード生成プログラム512、暗号化を実施するための暗号化プログラム513、制御プログラム514が含まれる。
【0034】
タッチパネルディスプレイ503は制御装置507からの指示によって、メニュー画面や取引の内容等の表示を実施する。また、ユーザがディスプレイ上の表示を触れることによる入力情報を制御装置507に伝える入力装置としての機能も保有する。
【0035】
カードリーダ504はICカードに対してカード内のデータを読み込んだり、逆にICカードに対して書き込んだりできる装置であり、ユーザのキャッシュカードが挿入された場合にこれを読み取り処理を実行する。
【0036】
静脈認証装置505は装置に置かれた静脈データと事前の口座開設時に正しく本人の生体情報を書き込んだキャッシュカードをカードリーダ504に読み取らせて、読み取った静脈データとの一致をみることで本人認証を実現する。明細票発行装置506は制御装置507の指示によって残高等の情報を明細票に印字し、排出する機能を保有する。
【0037】
次に、
図6を参照して、バーコードリーダ付きロッカー600について説明する。
バーコードリーダ付きロッカー600は、ロッカー扉609とロッカー扉609の開閉を制御する制御装置601、外部からの情報を取り込むバーコードリーダ610で構成される。
【0038】
また、制御装置601は開閉を制御する演算するためのCPU602、実行する際にプログラムを一時的にコピーする領域であるRAM603、プログラムや識別情報を記憶しておくROM604で構成されている。ROM604には制御プログラム605、復号化プログラム606、ロッカーの各ボックスに対して個々に持つ識別情報608、識別情報608とバーコードリーダ610の突き合わせを実施する照合プログラム607を格納している。
【0039】
図7~
図10を参照して、セルフ受け取りシステムのフローについて説明する。
【0040】
まず、
図7に示すように、送り主より本人限定受取郵便を受け取った集配サービス業者は名あて人に対して本人限定受取郵便の通知を実施する(ステップ700)。このとき、集配サービス業者は名あて人に対して、郵便窓口か本人に配送してもらう従来方式に加えて、宅配ロッカーでのセルフ受け取りを選択肢として提示する。
【0041】
通知を受け取った名あて人が宅配ロッカー600でのセルフ受け取りを選択した場合、名あて人は受け取り場所となる宅配ロッカー600を指定して連絡をする(ステップ703)。
【0042】
この連絡を受け取った集配サービス業者は指定されたロッカー600に郵便物を格納して(ステップ701)、名あて人と紐付けられる識別情報608を登録する(ステップ702)。この識別情報608については氏名や住所といった本人限定郵便と紐付けが可能である情報であればよい。また、事前にパスワードのような割符情報を送っておく方式も考えられる。
【0043】
次に、
図8に示すように、名あて人はATMに行ってロッカーから本人限定郵便を受け取るためのバーコード発行メニューを選択し(ステップ800)、静脈認証装置付きATM500のカードリーダ504にキャッシュカードを挿入して(ステップ801)、静脈認証を実施する(ステップ802)。
【0044】
静脈認証装置付きATM500はキャッシュカードのデータを読み取り(ステップ804)、キャッシュカード内の認証プログラムは静脈認証装置505から読み取った静脈パターンとキャッシュカードの登録データが一致しているか判定する(ステップ805)。
【0045】
判定した結果本人であれば、口座開設時の氏名及び住所を取得して(ステップ806)、これらを暗号化後、バーコード化して明細票発行装置506から明細票に出力し(ステップ807)、名あて人はこれを受け取る(ステップ803)。このバーコードは受け取った場合に容易に改ざん及び偽造できないものであれば他の媒体や手段であっても構わない。
【0046】
また、郵便物を受け取るために代金の支払いが必要な場合は静脈認証装置付きATM500の入出金口502より現金で支払うことやカードリーダ504に挿入したキャッシュカードの口座から引き落とすことができるようにしてもよい。
【0047】
このとき、発行したバーコードには極めて短時間の有効期限も一緒に埋め込んでおく。これによって、ATMで本人確認した名あて人がロッカーに移動する間に他者にすり替わるメリットをなくして、他者が受け取ることを防止する。
このためATMと宅配ロッカーは極めて近距離にあることが望ましい。
【0048】
次に、
図9に示すように、名あて人は宅配ロッカー600に移動して静脈認証装置付きATM500で発券されたバーコードを宅配ロッカー600のバーコードリーダ610に読み込ませる(ステップ900)。
【0049】
バーコードリーダ610から読み込んだ情報を復号化プログラム606に渡して復号化を実施し(ステップ902)、バーコードが有効期限内であるかを確認して(ステップ903)、照合プログラム607にて識別情報608との一致を確認する(ステップ904)。
【0050】
登録されたデータと一致した場合はロッカーの鍵を解除する(ステップ905)。名あて人は解除されたロッカーから郵便物を受け取る(ステップ901)。
【0051】
最後に、
図10を参照して、実施例1の本人確認システムの動作について説明する。
集配サービス業者は、到着通知書を名あて人へ通知する(工程(1))。名あて人は、利用するロッカーを選択して、集配サービス業者に連絡する(工程(2))。
【0052】
集配サービス業者は、識別情報を付加して郵便物をロッカーに格納する(工程(3))。名あて人はATM500に移動して、ATMにてキャッシュカードを使って、静脈認証装置で認証を実施する(工程(4))。
【0053】
ATM500は、口座情報から氏名・住所を取得し、有効期限付き暗号化QRコード(登録商標)を発行する(工程(5))。名あて人は、宅配ロッカー600に移動して、期限付き暗号化QRコード(登録商標)で氏名及び住所と識別情報を突き合わせる(工程(6))。名あて人は、本人限定郵便の受け取る(工程(7))。
【実施例2】
【0054】
図11~
図13を参照して、実施例2の本人確認システムについて説明する。
【0055】
具体的な実施例としての
図11の本人確認装置付き宅配ロッカー1100を利用したセルフ受け取りシステムを説明する。
図11を参照して、本人確認装置付き宅配ロッカー1100について説明する。
【0056】
本人確認装置付き宅配ロッカー1100は、ロッカー扉1109、免許証などの写真付き公的書類で本人確認をするための本人確認装置1110、ロッカー扉1109の開閉や本人確認装置1110を制御する制御装置1101によって構成されている。
【0057】
制御装置1101は制御基板1108とロッカー扉1109の開閉や本人確認装置1110を制御する制御プログラム1105、個々のロッカーに格納されている郵便物の名あて人を識別するための識別情報1107、識別情報1107と本人確認装置1110から入力された情報の突き合わせを実施する照合プログラム1106を記憶しておくROM1104、実行する際にプログラムを一時的にコピーする領域であるRAM1103、プログラムの演算するためのCPU1102によって構成されている。
【0058】
本人確認装置1110は、免許証などの写真付き公的書類を読み込ませるデータ取得部1116とデータ取得部1116にて公的書類から読み込んだ写真と照合するための本人の顔画像を取り込むデータ取得部1117を保有している。
【0059】
また、本人確認装置1110は、これらを制御するための制御部(制御基板)1118、制御プログラム1115と顔認証を実施するための認証プログラム1114を記憶しておくためのROM1113、実行する際にプログラムを一時的にコピーする領域であるRAM1112、プログラムの演算するためのCPU1111で構成される。ここで、データ取得部1117は、例えば、本人の顔画像を撮影するカメラで構成される。カメラは、宅配ロッカー1100に設けられている。
【0060】
図12~
図13を参照して、セルフ受け取りシステムについて説明する。
【0061】
まず、
図12に示すように、送り主より本人限定受取郵便を受け取った集配サービス業者は名あて人に対して本人限定受取郵便の通知を実施する(ステップ1200)。このとき、集配サービス業者は名あて人に対して、郵便窓口か本人に配送してもらう従来方式に加えて、宅配ロッカーでのセルフ受け取りを選択肢として提示する。
【0062】
通知を受け取った名あて人が宅配ロッカーでの受け取りを選択した場合、名あて人は受け取り場所となるロッカー1100を指定して連絡をする(ステップ1203)。
【0063】
この連絡を受け取った集配サービス業者は指定されたロッカー1100に郵便物を格納して(ステップ1201)、名あて人と紐付けられる識別情報1107を登録する(ステップ1202)。この識別情報1107については氏名や住所といった本人限定郵便と紐付けが可能である情報であれば何であっても構わない。また、事前にワンタイムパスワードのような割符情報を送っておく方式も考えられる。
【0064】
次に、
図13に示すように、名あて人は集配サービス業者による格納が完了した後で、指定したロッカー1100に出向いて、免許証を本人確認装置1110にかざす(ステップ1300)。本人確認装置1110のデータ取得部A1116から免許証の写真を読みとった判断した制御プログラム1115はデータ取得部B1117を起動して本人の顔画像を撮影する(ステップ1302)。
【0065】
データ取得部B1117にて撮影した顔画像データとデータ取得部A1116から読みとった免許証の写真を認証プログラム1114に渡して一致しているかについて顔認証を実施する(ステップ1303)。
【0066】
認証によって本人であるとの確認が取れた場合はデータ取得部B1117において免許証の氏名及び住所の文字認識を実施する(ステップ1304)。読み取った氏名及び住所の結果をロッカー1100の制御装置1101に渡して識別情報1107と一致しているか照合プログラム1106で判定する(ステップ1305)。判定の結果、識別情報1107と一致した場合はロッカーの鍵を解除する(ステップ1306)。名あて人は解除されたロッカーから郵便物を受け取る(ステップ1301)。
【0067】
最後に、
図14を参照して、実施例2の本人確認システムの動作について説明する。
集配サービス業者は、到着通知書を名あて人へ通知する(工程(1))。
名あて人は、利用するロッカーを選択して、集配サービス業者に連絡する(工程2))。
集配サービス業者は、識別情報を付加して郵便物をロッカーに格納する(工程3))。
名あて人は、本人確認装置1110に免許証をかざして顔認証を実施する(工程(4))。
本人確認装置1110は、免許証の氏名及び住所と識別情報の突き合わせを実施する(工程(5))。
名あて人は、本人限定郵便を受け取る(工程(6))。
【0068】
上記実施例は、集配サービス業者より本人確認が必要な郵便物を受け取る方法であって、本人確認のための生体認証を実施して、それに付随する形で取得した郵便物と紐づけられる情報を宅配ロッカーに読み取らせることによりセルフ受け取りを実現する。
【0069】
また、集配サービス業者より本人確認が必要な郵便物を受け取るための本人確認を既存の端末の本人確認機能を利用することによって実現する。
【0070】
また、集配サービス業者より本人確認が必要な郵便物を受け取るための本人確認に宅配ロッカーに写真付き公的書類を読み込ませて、生体認証による本人確認と郵便物と紐づけられる情報取得を同時に実施する。
【0071】
また、郵便物を受け取るために代金の支払いが必要であり、本人確認を実施する端末において代金の支払いが可能である場合には、本人確認を実施する際に代金の支払いも可能とする。
【0072】
上記実施例によれば、集配サービス業者の負担を低減し、集配サービス業者の営業時間にしか本人限定受取郵便の受け取りができないという制限を改善することができる。
【符号の説明】
【0073】
100 宅配ロッカー
101 CPU
102 RAM
103 ROM
104 制御プログラム
105 照合プログラム
106 識別情報
107 制御基板
108 ロッカー扉
109 外部情報取得部
110 制御装置
300 本人限定受取郵便
500 ATM
501 通信インターフェース
502 入出金口
503 タッチパネルディスプレイ
504 カードリーダ
505 静脈認証装置
506 明細票発行装置
507 制御装置
508 CPU
509 RAM
510 制御基板
511 ROM
512 バーコード生成プログラム
513 暗号化プログラム
514 制御プログラム
600 宅配ロッカー
601 制御装置
602 CPU
603 RAM
604 ROM
605 制御プログラム
606 復号化プログラム
607 照合プログラム
608 識別情報
609 ロッカー扉
610 バーコードリーダ
611 制御基板
1100 宅配ロッカー
1101 制御装置
1102 CPU
1103 RAM
1104 ROM
1105 制御プログラム
1106 照合プログラム
1107 識別情報
1108 制御基板
1109 ロッカー扉
1110 本人確認装置
1111 CPU
1112 RAM
1113 ROM
1114 認証プログラム
1115 制御プログラム
1116 データ取得部A
1117 データ取得部B
1118 制御基板