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特許7264799サーバ装置、情報処理システム、端末装置のプログラム、及び情報処理システムの動作方法
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  • 特許-サーバ装置、情報処理システム、端末装置のプログラム、及び情報処理システムの動作方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】サーバ装置、情報処理システム、端末装置のプログラム、及び情報処理システムの動作方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/123 20060101AFI20230418BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20230418BHJP
【FI】
G08G1/123 A
G06Q50/10
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019224679
(22)【出願日】2019-12-12
(65)【公開番号】P2021093078
(43)【公開日】2021-06-17
【審査請求日】2021-12-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000155469
【氏名又は名称】株式会社野村総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100139491
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 隆慶
(74)【代理人】
【識別番号】100176728
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 慎吾
(72)【発明者】
【氏名】兼市 大輝
(72)【発明者】
【氏名】杉田 直哉
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-026311(JP,A)
【文献】特開2019-215629(JP,A)
【文献】特開2019-121049(JP,A)
【文献】特表2019-519822(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G06Q 50/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の端末装置と通信可能な通信部と、前記通信部を介して前記複数の端末装置の情報の授受を仲介する制御部とを有するサーバ装置であって、
前記制御部は、配車の必要性を示す画像オブジェクトが端末装置から他の端末装置へ送られると、配車を提案する配車メッセージを前記端末装置に送る、
サーバ装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記制御部は、前記端末装置から前記配車メッセージに対する承諾を受けたときに、前記端末装置の位置への配車を実行する、
サーバ装置。
【請求項3】
請求項1又は2において、
前記制御部は、前記端末装置が前記画像オブジェクトを前記他の端末装置に送るときの前記端末装置の位置及び時刻の一方又は両方に関する配車条件が満たされるときに、前記端末装置に前記配車メッセージを送る、
サーバ装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記配車条件は、前記画像オブジェクトを送るときの前記端末装置の位置が前記端末装置のユーザの住所とは異なることである、
サーバ装置。
【請求項5】
サーバ装置と情報を授受する端末装置の制御部により実行されることで、当該端末装置が、
前記サーバ装置を介して他の端末装置へ配車の必要性を示す画像オブジェクトを送り、
前記サーバ装置から配車を提案する配車メッセージを受ける、
プログラム。
【請求項6】
請求項において、
前記端末装置は、前記配車メッセージに対する承諾を前記サーバに送ることで、当該端末装置の位置への配車を前記サーバ装置に実行させる、
プログラム。
【請求項7】
請求項又はにおいて、
前記端末装置は、前記画像オブジェクトを配車事業者から購入するための処理を行った後、当該画像オブジェクトを前記他の端末装置へ送る、
プログラム。
【請求項8】
複数の端末装置と、前記複数の端末装置の情報の授受を仲介するサーバ装置とを有する情報処理システムの動作方法であって、
前記サーバ装置は、配車の必要性を示す画像オブジェクトが一の端末装置から他の端末装置へ送られると、配車を提案する配車メッセージを前記端末装置に送る、
動作方法。
【請求項9】
請求項において、
前記サーバ装置は、前記一の端末装置から前記配車メッセージに対する承諾を受けたときに、当該一の端末装置の位置への配車を実行する、
動作方法。
【請求項10】
請求項又はにおいて、
前記サーバ装置は、前記一の端末装置が前記画像オブジェクトを他の端末装置に送った回数に応じて、配車された車両の乗車料金を減額する、
動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、サーバ装置、情報処理システム、端末装置のプログラム、及び情報処理システムの動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、通信回線を介して、タクシーの配車を行う技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-341872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、配車サービスの利便性を向上させる余地がある。
【0005】
本開示の目的は、配車サービスの利便性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示におけるサーバ装置は、複数の端末装置と通信可能な通信部と、前記通信部を介して前記複数の端末装置の情報の授受を仲介する制御部とを有し、前記制御部は、配車の必要性を示す画像オブジェクトが端末装置から他の端末装置へ送られると、配車を提案する配車メッセージを前記端末装置に送る。
【0007】
本開示における端末装置のプログラムは、サーバ装置と情報を授受する端末装置の制御部により実行されることで、当該端末装置が、前記サーバ装置を介して他の端末装置へ配車の必要性を示す画像オブジェクトを送り、前記サーバ装置から配車を提案する配車メッセージを受ける。
【0008】
本開示における情報処理システムの動作方法によれば、複数の端末装置と、前記複数の端末装置の情報の授受を仲介するサーバ装置とを有する情報処理システムにおいて、前記サーバ装置は、配車の必要性を示す画像オブジェクトが一の端末装置から他の端末装置へ送られると、配車を提案する配車メッセージを前記端末装置に送る。
【発明の効果】
【0009】
本開示におけるサーバ装置等によれば、配車サービスの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】情報処理システムの構成例を示す図である。
図2】端末装置の構成例を示す図である。
図3】サーバ装置の構成例を示す図である。
図4】車載装置の構成例を示す図である。
図5】情報処理システムの動作例を示すシーケンス図である。
図6】情報処理システムの動作例を示すシーケンス図である。
図7】端末装置の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、実施の形態について説明する。
【0012】
図1は、一実施形態における情報処理システムの構成例を示す図である。情報処理システム10は、ネットワーク16を介して互いに情報通信可能に接続される、ユーザの端末装置11及び12、並びにサーバ装置13及び14を有する。また、ネットワーク16には、一以上のタクシー15がそれぞれの車載装置を介して情報通信可能に接続される。端末装置11及び12は、例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット、又はPC(Personal Computer)である。サーバ装置13及び14は、例えば、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属し、各種機能を実装するサーバ装置である。ネットワーク16は、例えばインターネットであるが、アドホックネットワーク、LAN(Local Area Network)、MAN(Metropolitan Area Network)、もしくは他のネットワーク又はこれらいずれかの組合せが含まれる。
【0013】
端末装置11及び12のユーザ(以下、それぞれ、U1及びU2)は、それぞれ端末装置11及び12によりSNS(Social Network Service)アプリケーションを実行することで、サーバ装置13が提供するSNSサービスを利用する。サーバ装置(以下、SNSサーバ装置)13は、SNSにおけるチャット機能により端末装置11及び12のテキストメッセージ又は画像オブジェクトの送受を仲介する。また、ユーザU1及びU2は、それぞれ端末装置11及び12によりタクシーの配車アプリケーションを実行することで、サーバ装置14が提供するタクシーの配車サービスを利用する。サーバ装置(以下、配車サーバ装置)14は、例えば端末装置11からの要求を受けて端末装置11の位置へ向かうようにタクシー15に指示を送る。
【0014】
情報処理システム1では、概略次のようにSNSサービスと配車サービスとがユーザU1に提供される。ユーザU1とユーザU2がそれぞれ端末装置11と端末装置12を用いて互いにSNSのチャットをしているときに、端末装置11から端末装置12への配車の必要性を示す画像オブジェクトの送受をSNSサーバ装置13が仲介すると、SNSサーバ装置13は配車を提案する配車メッセージを端末装置11に送る。SNSサーバ装置13は、端末装置11から配車メッセージに対する承諾を受けると、配車サーバ装置14に端末装置11の位置への配車を実行させる。ここにおいて、SNSサーバ装置13と配車サーバ装置14とが本実施形態における「サーバ装置」に対応する。
【0015】
情報処理システム1は、端末装置11及び12の間のSNSサービスにおける画像オブジェクトの授受を契機として配車サービスをユーザU1に提供することができる。よって、ユーザU1は端末装置11でSNSアプリケーションを使用しているときにわざわざ配車アプリケーションを起動して操作しなくても、配車サービスを適時に受けることができる。よって、ユーザU1の利便性を向上させることができる。
【0016】
図2は、端末装置11の構成例を示す。端末装置11は、制御部21、記憶部22、通信部23、測位部24、入力部25、及び出力部26を備える。端末装置11は、例えば携帯電話機、スマートフォン、タブレット、又はPCである。ここに示す構成例の説明は、端末装置12にも同様に適用される。
【0017】
制御部21は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上の専用回路、又はこれらの組み合わせを含む。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA(Field-Programmable Gate Array)又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)である。制御部21は、端末装置11の各部を制御しながら、端末装置11の動作に関わる情報処理を実行する。
【0018】
記憶部22は、1つ以上の半導体メモリ、1つ以上の磁気メモリ、1つ以上の光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせを含む。半導体メモリは、例えば、RAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)である。RAMは、例えば、SRAM(Static RAM)又はDRAM(Dynamic RAM)である。ROMは、例えば、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)である。記憶部22は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部22は、端末装置11の動作に用いられる情報と、端末装置11の動作によって得られた情報とを記憶する。
【0019】
通信部23は、1つ以上の通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、若しくは5G(5th Generation)などの移動通信規格に対応したインタフェース、又はLANインタフェースである。通信部23は、端末装置11の動作に用いられる情報を受信し、また端末装置11の動作によって得られる情報を送信する。端末装置11は、通信部23により、近傍のルータ装置または移動体通信の基地局を介してネットワーク16に接続され、ネットワーク16経由で他の装置と情報通信を行う。
【0020】
測位部24には、1つ以上のGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機が含まれる。GNSSには、例えば、GPS(Global Positioning System)、QZSS(Quasi-Zenith Satellite System)、GLONASS(Global Navigation Satellite System)、及びGalileoの少なくともいずれかが含まれる。測位部24は、端末装置11の位置情報を取得する。
【0021】
入力部25は、1つ以上の入力用インタフェースを含む。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又は音声入力を受け付けるマイクロフォンである。入力インタフェースは、さらに、撮像画像又は画像コードを取り込むカメラ、又はICカードリーダーを含んでもよい。入力部25は、端末装置11の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付け、入力される情報を制御部21に送る。
【0022】
出力部26は、1つ以上の出力用インタフェースを含む。出力インタフェースは、例えば、情報を画像・映像として出力する外付け又は内蔵のディスプレイ、情報を音声として出力するスピーカ、又は、外部の出力機器との接続インタフェースである。ディスプレイは、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。出力部26は、端末装置11の動作によって得られる情報を出力する。
【0023】
端末装置11の動作は、制御部21に含まれるプロセッサがプログラムを実行することにより実現される。プログラムは、コンピュータで読取り可能な記録媒体に記録することができる。コンピュータで読取り可能な記録媒体は、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、又は半導体メモリである。プログラムは、例えば、プログラムを記録したDVD(Digital Versatile Disc)又はCD(Compact Disc)-ROMなどの可搬型記録媒体に記録された状態で流通される。プログラムは、サーバ装置のストレージにプログラムを格納しておき、サーバ装置から他のコンピュータにプログラムを転送することで流通されてもよい。端末装置11の一部又は全ての動作は、制御部21に含まれる専用回路により実行されてもよい。
【0024】
図3は、SNSサーバ装置13の構成例を示す。SNSサーバ装置13は、制御部31、記憶部32、通信部33、入力部35、及び出力部36を備える。SNSサーバ装置13は、例えば、クラウドコンピューティングシステム又はその他のコンピューティングシステムに属し、各種機能を実装するサーバである。ここに示す構成例の説明は、配車サーバ装置14にも同様に適用される。
【0025】
制御部31は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上の専用回路、又はこれらの組み合わせを含む。プロセッサは、例えば、CPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA又はASICである。制御部31は、SNSサーバ装置13の各部を制御しながら、SNSサーバ装置13の動作に関わる情報処理を実行する。
【0026】
記憶部32は、1つ以上の半導体メモリ、1つ以上の磁気メモリ、1つ以上の光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせを含む。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部32は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部32は、SNSサーバ装置13の動作に用いられる情報と、SNSサーバ装置13の動作によって得られた情報とを記憶する。
【0027】
通信部33は、1つ以上の通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、LANインタフェースである。通信部33は、SNSサーバ装置13の動作に用いられる情報を受信し、またSNSサーバ装置13の動作によって得られる情報を送信する。SNSサーバ装置13は、通信部33によりネットワーク16に接続され、ネットワーク16経由で他の装置と情報通信を行う。
【0028】
入力部35は、1つ以上の入力用インタフェースを含む。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又は音声入力を受け付けるマイクロフォンである。入力インタフェースは、さらに、撮像画像又は画像コードを取り込むカメラ、又はICカードリーダーを含んでもよい。入力部35は、SNSサーバ装置13の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付け、入力される情報を制御部31に送る。
【0029】
出力部36は、1つ以上の出力用インタフェースを含む。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。出力部36は、SNSサーバ装置13の動作によって得られる情報を出力する。
【0030】
SNSサーバ装置13の機能は、制御プログラムを、制御部31に含まれるプロセッサで実行することにより実現される。制御プログラムは、SNSサーバ装置13の動作に含まれるステップの処理をコンピュータに実行させることで、そのステップの処理に対応する機能をコンピュータに実現させるためのプログラムである。すなわち、制御プログラムは、コンピュータをSNSサーバ装置13として機能させるためのプログラムである。また、SNSサーバ装置13の一部又は全ての機能が、制御部31に含まれる専用回路により実現されてもよい。
【0031】
図4は、タクシー15に搭載される車載装置40の構成例を示す。車載装置40は、制御部41、記憶部42、通信部43、測位部44、入力部45、及び出力部46を備える。車載装置40は、例えば、ナビゲーション装置、携帯電話機、スマートフォン、タブレット、又はPCである。
【0032】
制御部41は、1つ以上のプロセッサ、1つ以上の専用回路、又はこれらの組み合わせを含む。プロセッサは、CPUなどの汎用プロセッサ、又は特定の処理に特化した専用プロセッサである。専用回路は、例えば、FPGA又はASICである。制御部41は、車載装置40の各部を制御しながら、車載装置40の動作に関わる情報処理を実行する。
【0033】
記憶部42は、1つ以上の半導体メモリ、1つ以上の磁気メモリ、1つ以上の光メモリ、又はこれらのうち少なくとも2種類の組み合わせを含む。半導体メモリは、例えば、RAM又はROMである。RAMは、例えば、SRAM又はDRAMである。ROMは、例えば、EEPROMである。記憶部42は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部42は、車載装置40の動作に用いられる情報と、車載装置40の動作によって得られた情報とを記憶する。
【0034】
通信部43は、1つ以上の通信用インタフェースを含む。通信用インタフェースは、例えば、LTE、4G、若しくは5Gなどの移動通信規格に対応したインタフェースである。通信部43は、車載装置40の動作に用いられる情報を受信し、また車載装置40の動作によって得られる情報を送信する。車載装置40は、通信部43により、移動体通信の基地局を介してネットワーク16に接続され、ネットワーク16経由で他の装置と情報通信を行う。
【0035】
測位部44は、1つ以上のGNSS受信機を含む。GNSSには、例えば、GPS、QZSS、GLONASS、及びGalileoの少なくともいずれかが含まれる。測位部44は、タクシー15の位置情報を取得する。
【0036】
入力部45は、1つ以上の入力用インタフェースを含む。入力用インタフェースは、例えば、物理キー、静電容量キー、ポインティングデバイス、ディスプレイと一体的に設けられたタッチスクリーン、又は音声入力を受け付けるマイクロフォンである。入力インタフェースは、さらに、撮像画像又は画像コードを取り込むカメラ、又はICカードリーダーを含んでもよい。入力部45は、車載装置40の動作に用いられる情報を入力する操作を受け付け、入力される情報を制御部41に送る。
【0037】
出力部46には、1つ以上の出力用インタフェースを含む。出力用インタフェースは、例えば、ディスプレイ又はスピーカである。ディスプレイは、例えば、LCD又は有機ELディスプレイである。出力部46は、車載装置40の動作によって得られる情報を出力する。
【0038】
車載装置40の機能は、制御プログラムを、制御部41に含まれるプロセッサで実行することにより実現される。制御プログラムは、車載装置40の動作に含まれるステップの処理をコンピュータに実行させることで、そのステップの処理に対応する機能をコンピュータに実現させるためのプログラムである。すなわち、制御プログラムは、コンピュータを車載装置40として機能させるためのプログラムである。また、車載装置40の一部又は全ての機能が、制御部41に含まれる専用回路により実現されてもよい。
【0039】
上述の構成を有する端末装置11及び12、並びにSNSサーバ装置13は、ユーザU1がユーザU2とSNSによるチャットを行うときに、次のように動作する。
【0040】
ユーザU1がユーザU2へインスタントメッセージを送る場合には、端末装置11では、制御部21は、ユーザU1によるテキスト入力操作を入力部25により受け付け、入力されたテキストを含むインスタントメッセージを生成する。また、ユーザU1がユーザU2に、いわゆるスタンプなどと呼ばれる画像オブジェクトを送る場合には、制御部21は、ユーザU1による画像オブジェクトの呼出し操作を入力部25により受け付け、選択可能な画像オブジェクトを出力部26により表示する。制御部21は、例えば、記憶部22に予め記憶された画像オブジェクト、又はSNSサーバ装置13若しくは配車サーバ装置14から通信部23により受信した画像オブジェクトを、出力部26により表示する。そして、制御部21は、ユーザU1による画像オブジェクトの選択を入力部25により受け付ける。そして、制御部21は、ユーザU1による送信指示を入力部25により受け付け、生成されたインスタントメッセージ又は選択された画像オブジェクトを通信部23によりSNSサーバ装置13に送信する。すると、SNSサーバ装置13では、制御部31が、通信部33によりインスタントメッセージ又は画像オブジェクトを受信する。そして、制御部31は、受信したインスタントメッセージ又は画像オブジェクトを、通信部33によりユーザU2の端末装置12に送信する。すると、端末装置12では、制御部21が、通信部23によりインスタントメッセージ又は画像オブジェクトを受信する。そして、制御部21は、受信されたインスタントメッセージ又は画像オブジェクトを出力部26により表示する。ユーザU2からユーザU1へインスタントメッセージ又は画像オブジェクトを送る場合には、上述の説明における端末装置11の動作を端末装置12が、端末装置12の動作を端末装置11がそれぞれ実行し、SNSサーバ装置が、端末装置12から受信するインスタントメッセージ又は画像オブジェクトを端末装置11に送信する。
【0041】
また、本実施形態では、SNSサーバ装置13が配車サーバ装置14と連携して、ユーザU1に配車を提供するための配車メッセージを端末装置11に送信する。また、端末装置11は、ユーザU1が配車を承諾するとき、承諾を示す情報をSNSサーバ装置13に送信する。その場合、SNSサーバ装置13では、制御部31が配車メッセージを生成し、配車メッセージを通信部33によりユーザU1の端末装置11に送信する。端末装置11がSNSサーバ装置13から配車メッセージを受信すると、配車メッセージをユーザU1へ向けて表示し、ユーザU1から配車を承諾するか否かの入力を受け付ける。制御部21は、ユーザU1による承諾を示す入力を入力部25により受け付け、承諾を示す情報を通信部23によりSNSサーバ装置13に送信する。すると、SNSサーバ装置13では、制御部31が通信部33により配車にかかる情報を配車サーバ装置14に送信する。
【0042】
配車サーバ装置14では、制御部31が通信部33によりSNSサーバ装置13及びタクシー15の車載装置40と配車に必要な各種情報を授受する。車載装置40では、制御部41が通信部43により配車サーバ装置14と配車に必要な各種情報を授受する。さらに、車載装置40では、制御部41が出力部46により配車に関する情報をドライバに表示したり、入力部45によりドライバによる操作入力を受け付けたりする。
【0043】
ユーザU1がユーザU2とSNSによるチャットを行うとき、端末装置11及び12は、互いに送受したインスタントメッセージ又は画像オブジェクトを、チャットの履歴としてそれぞれユーザU1及びU2に向け表示する。また、ユーザU1が配車メッセージによる配車の提案を受けて応答するときも同様に、端末装置11は配車メッセージ及びこれに対する応答をチャットの履歴と共にユーザU1に向けて表示する。その場合、端末装置11では、制御部21が、SNSサーバ装置13から受信するインスタントメッセージ、画像オブジェクト、配車メッセージ及びその他の情報とともに、SNSサーバ装置に送信するインスタントメッセージ、画像オブジェクト、配車メッセージの承諾を示す情報、及びその他の情報を記憶部22に記憶する。そして、制御部21は、記憶されたインスタントメッセージ等を出力部26により表示する。
【0044】
ユーザU1の端末装置11、ユーザU2の端末装置12、及びSNSサーバ装置13が連携しながら動作するときの動作手順について、図5図7を用いて説明する。
【0045】
図5は、ユーザU1の端末装置11、ユーザU2の端末装置12、及びSNSサーバ装置13が連携動作するときの、動作手順のシーケンス図である。図5の手順は、ユーザU1及びユーザU2が互いにインスタントメッセージを送り合ってSNSのチャットを行っているときに実行される。
【0046】
図5のステップS500において、端末装置11は、ユーザU1の操作に応答してユーザU2へ向けたインスタントメッセージ(図中、「IM」と記す)を生成する。すると、ステップS502において、端末装置11は、インスタントメッセージをSNSサーバ装置13へ送信し、SNSサーバ装置13が、送信されたインスタントメッセージを受信する。すると、ステップS504において、SNSサーバ装置13は、ユーザU2宛てのインスタントメッセージの送信先を端末装置12に設定する転送処理を行う。そして、SNSサーバ装置13は、ステップS506において、インスタントメッセージを端末装置12に送信し、端末装置12が、送信されたインスタントメッセージを受信する。そして、ステップS508において、端末装置12は、受信したインスタントメッセージをユーザU2へ向けて表示する。
【0047】
ステップS510において、ユーザU2の端末装置12は、ユーザU2の操作に応答して、ユーザU1へ向けたインスタントメッセージを生成する。すると、ステップS512において、端末装置12は、インスタントメッセージをSNSサーバ装置13へ送信し、SNSサーバ装置13が、送信されたインスタントメッセージを受信する。すると、ステップS514において、SNSサーバ装置13は、ユーザU1宛てのインスタントメッセージの送信先を端末装置11に設定する転送処理を行う。そして、SNSサーバ装置13は、ステップS516において、インスタントメッセージを端末装置11に送信し、端末装置11が、送信されたインスタントメッセージを受信する。そして、ステップS518において、端末装置11は、受信したインスタントメッセージをユーザU1へ向けて表示する。
【0048】
図7は、端末装置11の表示画面の例を示す。表示画面700には、ステップS500~S518において、端末装置11が端末装置12へ送った「終電に遅れた(泣)」というインスタントメッセージ702と、端末装置12が端末装置11へ送った「大変ですね!」というインスタントメッセージ703の履歴が表示される。
【0049】
図5に戻ると、ステップS520において、端末装置11は、ユーザU1が画像オブジェクト(図中、「OB」と記す)を選択する操作を受け付け、ステップS522において、選択された画像オブジェクトをSNSサーバ装置13に送信し、SNSサーバ装置13が送信された画像オブジェクトを受信する。すると、ステップS524において、SNSサーバ装置13は、ユーザU2宛ての画像オブジェクトの送信先を端末装置12に設定する転送処理を行う。そして、SNSサーバ装置13は、ステップS526において、画像オブジェクトを端末装置12に送信し、端末装置12が、送信された画像オブジェクトを受信する。そして、ステップS528において、端末装置12は、受信した画像オブジェクトをユーザU1へ向けて表示する。
【0050】
図7に示すように、表示画面700には、ステップS520~S528において端末装置11が端末装置12へ送った、終電を逃したこと、すなわちタクシーの配車の必要性を示す画像オブジェクト704が、インスタントメッセージ702及び703の履歴に次いでが表示される。
【0051】
図5に戻ると、ステップS530において、SNSサーバ装置13は、画像オブジェクトが配車の必要性を示すか否かを判断する。SNSサーバ装置13では、制御部21が、配車の必要性を示すと判断した画像オブジェクトを予め記憶部22に記憶する。そして、制御部21が、送信された画像オブジェクトを記憶部22に記憶された画像オブジェクトと照合して異同を判断し、送信された画像オブジェクトが配車の必要性を示すか否かを判断する。なお、画像オブジェクトが配車の必要性を示すか否かを判断するステップは、ステップS524の前に実行してもよいし、ステップS524~S526の間に実行してもよい。
【0052】
ステップS531において、SNSサーバ装置13は、画像オブジェクトが送信されたときの端末装置11の位置及び時刻の一方又は両方に関する配車条件が満たされるか否かを判断する。そして、配車条件が満たされることを条件として、ステップS532において、SNSサーバ装置13は、ユーザU1に配車を提案する配車メッセージを端末装置11に送信する。
【0053】
配車条件は、例えば、端末装置11の位置がユーザU1の住所とは異なることである。端末装置11の位置がユーザU1の住所と同じであれば、ユーザU1が既に帰宅しており、画像オブジェクトを送信したにもかかわらず配車を必要としない蓋然性が高く、配車条件が満たされないと判断できる。反対に、端末装置11の位置がユーザU1の住所と異なれば、例えば帰宅のために配車を必要とする蓋然性が高いので、配車条件が満たされると判断できる。SNSサーバ装置13では、例えば、制御部31が、SNSサービスの会員登録情報としてユーザU1の住所を予め記憶部32に記憶しておき、インスタントメッセージ又は画像オブジェクトとともに端末装置11から取得する端末装置11の位置を、ユーザU1の住所と照合して異同を判断する。
【0054】
また、配車条件は、端末装置11の位置の移動が車両による移動の態様とは異なることである。端末装置11の位置の移動の経路又は速度、あるいはその両方が車両による移動の典型的な経路又は速度、あるいはその両方と同じであれば、ユーザU1が既にタクシーに乗車しており配車を必要としない蓋然性が高く、配車条件が満たされないと判断できる。反対に、端末装置11の位置の移動の経路又は速度、あるいはその両方が車両による移動の典型的な経路又は速度、あるいはその両方と異なれば、ユーザU1が未だタクシーに乗車しておらず、配車を必要とする蓋然性が高いので、配車条件が満たされると判断できる。SNSサーバ装置13では、例えば、制御部31が、インスタントメッセージ又は画像オブジェクトとともに端末装置11から取得する端末装置11の位置の経時変化から端末装置11の移動経路又は移動速度を求め、移動経路が地図上の典型的な車両通行用の経路(例えば、高速道路、幹線道路など)と照合して異同を判断したり、移動速度が車両による典型的な移動速度の範囲(例えば、時速25~90km)内であるかを判断したりすることで、配車条件が満たされるか否かを判断する。
【0055】
さらに、配車条件は、画像オブジェクトが送信された時刻が公共交通機関の営業時間外であることである。画像オブジェクトが送信された時刻が公共交通機関の営業時間外でなければ、ユーザU1は公共交通機関を使用することができる可能性があるので配車を必要としない蓋然性が高く、配車条件が満たされないと判断できる。反対に、画像オブジェクトが送信された時刻が公共交通機関の営業時間外であれば、ユーザU1は公共交通機関を使用できないので、配車を必要としている蓋然性が高く、配車条件が成立すると判断できる。SNSサーバ装置13では、例えば、制御部31が、画像オブジェクトが送信された時刻を、予め記憶部32に記憶した公共交通機関の営業時間と照合し、送信時刻が公共交通機関の営業時間外であるか否かを判断する。公共交通機関は、例えば、鉄道、路線バスなどを含む。
【0056】
上記のように、配車条件が満たされることを配車メッセージ送信の条件とすることで、ユーザU1が配車を必要としているときに配車を提案する精度が高くなる。ただし、配車条件を問わずに配車メッセージを送信する手順も、本実施形態の範囲に含まれる。
【0057】
配車条件が満たされると判断すると、ステップS532において、SNSサーバ装置13は、配車メッセージを端末装置11に送信し、端末装置11が、送信された配車メッセージを受信する。そして、ステップS534において、端末装置11は、配車メッセージをユーザU1へ向けて表示する。なお、配車条件が満たされない場合には、SNSサーバ装置13は、端末装置11と端末装置12とのメッセージ又は画像オブジェクトの送受の仲介を継続する。
【0058】
図7に示すように、表示画面700には、ステップS530~S532においてSNSサーバ装置13が端末装置11へ送った配車メッセージ706及び708が示される。配車メッセージ706は、「配車ボットがあなたの状況を検知しました」といったシステムメッセージである。このようなシステムメッセージを表示することで、ユーザU1が感じる唐突さを緩和することができる。また、配車メッセージ708は「タクシーを手配しましょうか?」という提案をユーザU1に伝えるインスタントメッセージである。
【0059】
図5に戻ると、ステップS536において、端末装置11は、ユーザU1が配車を承諾する操作を受け付ける。そして、端末装置11は、ステップS538において、配車の承諾を示す情報をSNSサーバ装置13に送信し、SNSサーバ装置13が送信された情報を受信する。配車を承諾する情報は、例えば、「はい」、「Yes」、「お願いします」といった予めSNSサーバ装置13の記憶部32に登録された肯定的な文言を含むインスタントメッセージである。または、配車を承諾する情報は、配車メッセージがユーザU1の操作により選択可能なオブジェクトを選択肢として有しており、ユーザU1が提示された選択肢のなかから配車の承諾を選択したことを示す情報を含んでもよい。かかる配車を承諾する情報は、入力部25に対しユーザU1が音声入力してもよい。さらに、配車を承諾する情報は、端末装置11の位置情報を含んでもよい。そうすることで、ユーザU1が乗車位置を端末装置11に入力してSNSサーバ装置13に送信する手間を省略できる。ステップS540において、SNSサーバ装置13は、受信した情報が配車を承諾することを示すことを確認する。例えば、SNSサーバ装置13では、制御部31が、記憶部32に予め登録された文言と照合し、または、選択された選択肢に基づいて、配車が承諾されたことを確認する。さらに、制御部31は、ユーザU1の乗車位置として端末装置11の位置を取得し、記憶部32に記憶することもできる。
【0060】
図7に示すように、表示画面700には、ステップS538において端末装置11がSNSサーバ装置13へ送った、配車を承諾することを示す「はい」というインスタントメッセージ710が示される。
【0061】
図6は、SNSサーバ装置13が配車サーバ装置14と連携してユーザU1にタクシーを配車する動作手順を示す。
【0062】
図5のステップS540で配車承認が確認されると、図6のステップS602において、SNSサーバ装置13は、記憶部32に保存したユーザU1の乗車位置とともに配車要求を配車サーバ装置14に送信し、配車サーバ装置14が乗車位置と配車要求とを受信する。
【0063】
ステップS604において、配車サーバ装置14は、受信した配車要求に対応する運行要求を生成して車載装置50へ送信し、車載装置40は、送信された運行要求を受信する。運行要求は、ユーザU1の乗車位置を含む。
【0064】
ステップS606において、車載装置40は、受信した運行要求に含まれる乗車位置をドライバに向け表示し、ドライバによる運行要求への対応可否を回答する操作を受け付けて運行可否に関する運行応答を生成する。運行が可能であることを示す運行応答が生成されると、ステップS608において、車載装置40は、運行応答を配車サーバ装置14に送信し、配車サーバ装置14は、送信された運行応答を受信する。
【0065】
ステップS610において、配車サーバ装置14は、受信した運行応答に対応する配車応答を生成して、配車応答をSNSサーバ装置13に送信し、SNSサーバ装置13は、送信された配車応答を受信する。ここでは、配車応答は、配車が可能であることを示す。
【0066】
ステップS612において、SNSサーバ装置13は、受信した配車応答に対応する配車通知を生成して、生成した配車通知をユーザU1の端末装置11に送信し、端末装置11が送信された配車通知を受信する。ここでは、配車通知は、配車が可能であることを示す。なお、SNSサーバ装置13は、ステップS602で配車要求を配車サーバ装置14に送信し、ステップS612において配車サーバ装置14から配車通知を受信するまでの間、配車手配中であることを示すインスタントメッセージを端末装置11に送信し、端末装置11がこのインスタントメッセージを受信してユーザU1に向けて表示してもよい。ステップS614において、端末装置11は、受信した配車通知をユーザU1へ向けて表示する。
【0067】
図7に示すように、表示画面700には、配車を承諾したインスタントメッセージ710の履歴の後、「配車ボットがタクシーを手配中です」といった配車中であることを示すインスタントメッセージ712が表示される。かかるインスタントメッセージを表示することにより、ユーザU1が配車中であることを認識でき、待ち時間の間にユーザU1が感じ得るストレスを軽減することができる。また、インスタントメッセージ712に次いで、配車通知に対応するインスタントメッセージ714が表示される。インスタントメッセージ714は、「タクシーを手配しました。 乗車地点P1、迎車時刻T1」などと、乗車地点と、予想される迎車時刻とを表示する。そうすることで、ユーザU1に行動の予見性を与えることができる。
【0068】
上述したように、本実施形態によれば、ユーザU1がユーザU2とチャットをしている最中に配車を提案、実行できる。よって、ユーザU1にとって、わざわざ配車用アプリケーションを起動して使用するといった手間を省略できるので、配車サービスの利便性が向上する。
【0069】
本実施形態では、SNSサーバ装置13は、端末装置11が送信する画像オブジェクトが配車の必要性を示す画像オブジェクトであるか否かを、過去にその画像オブジェクトをユーザU1が端末装置11からユーザU2を含む他のユーザの端末装置へ送信した送信態様に基づいて判断する。
【0070】
かかる送信態様は、例えば、端末装置11が記画像オブジェクトに付随して他の端末装置と授受したインスタントメッセージに、配車の必要性を示すキーワードが含まれることである。かかるキーワードは、「終電*逃し」(*は任意の語句に置換可能なワイルドカードである)、「終電*遅れ」、「帰れない」、「電車*無い」、などである。かかるキーワードは、任意に設定することが可能である。SNSサーバ装置13では、例えば、制御部31が、記憶部32に予め記憶されたキーワードを画像オブジェクトに付随するインスタントメッセージ中で検索し、任意に定める基準数以上のキーワードが検出された場合には、その画像オブジェクトが配車の必要性を示す画像オブジェクトと判断する。そして、制御部31は、かかる画像オブジェクトに、配車の必要性があることを示す例えばタグ情報を付して、記憶部32に記憶させておく。そうすることで、制御部31は、端末装置11が送信する画像オブジェクトを記憶部32に記憶した画像オブジェクトと照合して異同を判断し、配車の必要性を示すか否かを判断する。
【0071】
また、画像オブジェクトが配車の必要性を示すことを判断するための過去の送信態様は、例えば、過去に画像オブジェクトが送信されたときの端末装置11の位置がユーザU1の住所とは異なることである。ユーザU1の住所と同じ位置で画像オブジェクトが送信されていれば、ユーザU1が在宅時にその画像オブジェクトを送信しており、その画像オブジェクトが配車の必要性を示さないと判断できる。反対に、ユーザU1の住所と異なる位置で画像オブジェクトが送信されていれば、その画像オブジェクトが例えば帰宅のために配車を必要とする状況で用いられており、配車の必要性を示すと判断できる。SNSサーバ装置13では、例えば、制御部31が、過去に画像オブジェクトが送信されたときの端末装置11の位置が予め記憶部32に記憶したユーザU1の住所と異なる回数をカウントして、記憶部32にカウント数を記憶する。そして、制御部31は、任意に定める基準回数よりカウント数が多ければ、その画像オブジェクトが配車の必要性を示すと判断し、その画像オブジェクトに配車の必要性があることを示す情報を付して、記憶部32に記憶させておく。
【0072】
さらに、画像オブジェクトが配車の必要性を示すことを判断するための過去の送信態様は、例えば、画像オブジェクトが送信されたときの端末装置11の位置の移動が車両による移動とは異なることである。端末装置11の位置の移動の経路又は速度が車両による移動の典型的な経路又は速度と同じであれば、ユーザU1が既にタクシーに乗車している蓋然性が高く、そのような状況下で送られた画像オブジェクトが配車の必要性を示さないと判断できる。反対に、端末装置11の位置の移動の経路又は速度が車両による移動の典型的な経路又は速度と異なれば、ユーザU1が未だタクシーに乗車しておらず、配車を必要とする状況下で画像オブジェクトを送信した蓋然性が高いので、その画像オブジェクトは配車の必要性を示すと判断できる。SNSサーバ装置13では、例えば、制御部31が、インスタントメッセージ又は画像オブジェクトとともに端末装置11から取得する端末装置11の位置の変化から端末装置11の移動経路又は移動速度を求める。そして、制御部31は、移動経路が地図上の典型的な車両通行用の経路と異なる回数、又は移動速度が車両による典型的な移動速度の範囲内ではない回数をカウントして、記憶部32にカウント数を記憶する。そして、制御部31は、任意に定める基準回数よりカウント数が多ければ、その画像オブジェクトが配車の必要性を示すと判断し、その画像オブジェクトに配車の必要性があることを示す情報を付して、記憶部32に記憶させておく。
【0073】
さらに、画像オブジェクトが配車の必要性を示すことを判断するための過去の送信態様は、画像オブジェクトが送信された時刻が公共交通機関の営業時間外であることである。画像オブジェクトが送信された時刻が公共交通機関の営業時間外でなければ、ユーザU1は公共交通機関を使用することができる可能性があるので、配車の必要性がないと判断できる。反対に、画像オブジェクトが送信された時刻が公共交通機関の営業時間外であれば、ユーザU1は公共交通機関を使用できないので、その画像オブジェクトが配車の必要性を示すと判断できる。SNSサーバ装置13では、例えば、制御部31が、画像オブジェクトが予め記憶部32に記憶した公共交通機関の営業時間外に送信された回数を記憶部32に記憶しておく。そして、制御部31は、任意に定める基準回数よりカウント数が多ければ、その画像オブジェクトが配車の必要性を示すと判断し、その画像オブジェクトに配車の必要性があることを示す情報を付して、記憶部32に記憶させておく。
【0074】
あるいは、制御部31は、画像オブジェクトが送信されて所定時間経過後の端末装置11の位置の移動が車両による移動を示す、過去における回数が所定数より多い場合に、かかる画像オブジェクトが配車の必要性を示すと判断してもよい。その場合、配車の必要性がある状況で画像オブジェクトが送信され、ある程度時間が経過した後に、ユーザU1がタクシーに乗車したと判断できる。さらに、上記以外にも、制御部31は、画像オブジェクトに付随するインスタントメッセージ、送信時刻、端末装置11の位置などと、タクシー乗車履歴とを関連付ける種々の教師データを機械学習することで、画像オブジェクトが配車の必要性を示すことを判断してもよい。かかる教師データは、例えば、不特定多数のユーザによる画像オブジェクト等の送信履歴とタクシー乗車履歴とを含む。すなわち、制御部31は、不特定多数のユーザにおけるタクシー乗車につながる画像オブジェクトの送信履歴を学習することで、配車の必要性を示す画像オブジェクトを判断することができる。画像オブジェクトに紐付けられる配車の必要性は、終電を逃した場合に限られず、急を要する場合であってもよい。ユーザが「今すぐ行きます」などのテキストに付随して画像オブジェクトを送信した後にタクシーに乗車した履歴に基づいて、その画像オブジェクトが配車の必要性を示すと判断することができる。あるいは、配車の必要性は、身体的な不具合など、公共交通機関を使用することが困難な場合であってもよい。ユーザが「怪我をした」、「具合が悪い」などのテキストに付随して画像オブジェクトを送信した後にタクシーに乗車した履歴に基づいて、その画像オブジェクトが配車の必要性を示すと判断することができる。
【0075】
本実施形態において、ユーザU1は、SNSサービスを提供する事業者から画像オブジェクトを有償または無償で取得する。例えば、端末装置11は、ユーザU1の操作に応答して、SNSサーバ装置13が提供するSNSサービスのウェブサイトから画像オブジェクトをダウンロードし、必要に応じて電子決済処理により購入代金を支払う。その場合、SNSサービス事業者は、例えば、画像オブジェクトの属性を予め規定しておき、画像オブジェクトにタグ情報として属性を付した状態で画像オブジェクトを販売する。かかる属性の一部として、配車の必要性を示すことを規定することで、SNSサーバ装置13では、制御部31が予め画像オブジェクトが配車の必要性を示すことを記憶部32に記憶できる。そして、画像オブジェクトの使用多様が蓄積されていなくても、制御部31は、画像オブジェクトが配車の必要性を示すことを判断できる。
【0076】
また、本実施形態の一実施例では、配車サーバ装置14を運営する、配車事業者が有償又は無償で、配車の必要性を示す画像オブジェクトをユーザU1に提供する。例えば、端末装置11は、ユーザU1の操作に応答して、配車サーバ装置14が提供する配車サービスのウェブサイトから画像オブジェクトをダウンロードし、無償で画像オブジェクトを取得したり、電子決済処理により購入代金を支払ったりする。そして、ユーザU1が配車事業者から取得した画像オブジェクトを送信して配車サービスを受ける場合に、配車されるタクシーの乗車料金の割引を受ける。例えば、SNSサーバ装置13が配車サーバ装置14に配車要求を送信するとき(図6のステップS602)に、端末装置11から送信された画像オブジェクトを配車サーバ装置14に送信する。そうすることで、配車サーバ装置14では、制御部31が、例えば記憶部32に記憶した画像オブジェクトの提供記録と照合し、ユーザU1に提供した画像オブジェクトが使用されたかを確認する。そして、タクシー15を配車するときに、配車サーバ装置14が車載装置50に割引を指示する。割引額は、画像オブジェクトが使用される回数に応じて決定してもよいし、画像オブジェクトごとに割引額を決定してもよい。このようにすることで、配車事業者又はタクシー事業者は、画像オブジェクトの提供を介して販売促進活動を行うことができる。
【0077】
本開示は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、ブロック図に記載の複数のブロックを統合してもよいし、又は1つのブロックを分割してもよい。フローチャートに記載の複数のステップを記述に従って時系列に実行する代わりに、各ステップを実行する装置の処理能力に応じて、又は必要に応じて、並列的に又は異なる順序で実行してもよい。その他、本開示の趣旨を逸脱しない範囲での変更が可能である。
【符号の説明】
【0078】
10 情報処理システム
11 端末装置
12 端末装置
13 SNSサーバ装置
14 配車サーバ装置
15 車両
16 ネットワーク
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 測位部
25 入力部
26 出力部
31 制御部
32 記憶部
33 通信部
35 入力部
36 出力部
40 車載装置
41 制御部
42 記憶部
43 通信部
44 測位部
45 入力部
46 出力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7