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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】暖房装置
(51)【国際特許分類】
   F24H 3/06 20220101AFI20230418BHJP
   F24C 1/14 20210101ALI20230418BHJP
   F24D 15/02 20060101ALI20230418BHJP
   F24H 3/04 20220101ALI20230418BHJP
【FI】
F24H3/06 302
F24C1/14 D
F24D15/02 B
F24H3/04 301
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020001031
(22)【出願日】2020-01-07
(65)【公開番号】P2021110479
(43)【公開日】2021-08-02
【審査請求日】2022-06-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(74)【代理人】
【識別番号】110001807
【氏名又は名称】弁理士法人磯野国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 悠介
(72)【発明者】
【氏名】赤佐 星次
(72)【発明者】
【氏名】今井 啓介
(72)【発明者】
【氏名】笹岡 奎太
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-254622(JP,A)
【文献】特開2000-320898(JP,A)
【文献】特開平04-350460(JP,A)
【文献】特開2001-041582(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24H 3/06
F24C 1/14
F24D 15/02
F24H 3/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼を行うバーナ部と、
前記バーナ部の上方に配置された外筒と、
前記外筒の後方に配置され、前方に向けて送風する対流用ファンと、を備え、
前記外筒は、平板状を呈する前面部を有し、
前記外筒の上方に、前記対流用ファンから送られる空気を前記前面部の表面に当たるように導くガイド部材が設けられている
ことを特徴とする暖房装置。
【請求項2】
前記ガイド部材は、
正面視して左右に延びる帯状の水平な第1板部と、
前記第1板部の前端縁から下方に延びる帯状の第2板部と、を有する
ことを特徴とする請求項1に記載の暖房装置。
【請求項3】
前記ガイド部材は、
前記第2板部の下端縁から後方に延びる帯状の第3板部をさらに有する
ことを特徴とする請求項2に記載の暖房装置。
【請求項4】
前記外筒の上方に、後方から前方に延びる水平空間が形成されており、
前記ガイド部材は、前記水平空間の前方に配置されている
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の暖房装置。
【請求項5】
前記外筒の上方に、水平方向に沿って上仕切板が設置されており、
前記上仕切板は、該上仕切板の長手方向の両端部よりも上方に位置するように一段高く形成された中央部を有しており、
前記水平空間は、前記外筒と前記上仕切板との間に形成されている
ことを特徴とする請求項4に記載の暖房装置。
【請求項6】
前記上仕切板は、前記中央部の後端縁から後方に行くほど高くなるように斜め上方に延びている傾斜部を有している
ことを特徴とする請求項5に記載の暖房装置。
【請求項7】
前記対流用ファンは、ボス部と、該ボス部の外周面にそれぞれ設けられた複数枚の羽根と、を有し、
前記ガイド部材の上下方向の中心を通る水平方向に沿う中心線は、前記羽根の内径と外径との中央値の径を持つ円の上端よりも上方に位置している
ことを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の暖房装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、暖房装置に関する。
【背景技術】
【0002】
バーナ部で発生した燃焼ガスを放熱器に導いて該放熱器の前面部を加熱し、該前面部から輻射熱を放出することで、室内の暖房を行う暖房装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。この暖房装置では、放熱器は前後幅が薄い扁平箱状に形成されており、該放熱器の幅広の前面部が装置の前側に配置されている。そして、バーナ部が、放熱器の背面部に、該放熱器の前面部に向かって対向するように設置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-41582号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の暖房装置では、放熱器(外筒)の前面部が過度に加熱されてしまうおそれがある。そして、放熱器(外筒)の前面部の温度が過度に上昇すると、体の中に入ってじんわりと温まらせる遠赤外線の輻射量が減少し、体の表面をじりじりと熱くする近赤外線の輻射量が増加してしまう。また、放熱器(外筒)の前面部が赤熱してしまうので外観上からも好ましくない。
【0005】
本発明は、前記した事情に鑑みてなされたものであり、輻射熱を放出する外筒の前面部の温度が過度に上昇することを抑制できる暖房装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、本発明に係る暖房装置は、燃焼を行うバーナ部と、前記バーナ部の上方に配置された外筒と、前記外筒の後方に配置され、前方に向けて送風する対流用ファンと、を備えている。前記外筒は、平板状を呈する前面部を有している。そして、前記外筒の上方に、前記対流用ファンから送られる空気を前記前面部の表面に当たるように導くガイド部材が設けられている。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、輻射熱を放出する外筒の前面部の温度が過度に上昇することを抑制できる暖房装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る暖房装置を示す外観斜視図である。
図2】暖房装置のガード体等の正面側の部材を省略した斜視図である。
図3】暖房装置の縦断面図である。
図4】外筒およびバーナ部の支持構造を示す斜視図である。
図5】外筒およびバーナ部の支持構造を示す分解斜視図である。
図6】外筒の後側部材を前方から見た斜視図である。
図7】外筒の後側部材を後方から見た斜視図である。
図8】外筒、接続部材、バーナ部および熱交換器の断面斜視図である。
図9】外筒および接続部材の断面斜視図である。
図10】外筒および接続部材の分解断面斜視図である。
図11】外筒、仕切板および対流用ファンを模式的に示す部分断面平面図である。
図12】外筒、上仕切板およびガイド部材の断面斜視図である。
図13】外筒、上仕切板およびガイド部材の側断面図である。
図14】ガイド部材の組付け方法を説明するための側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
なお、各図において、共通する構成要素や同種の構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を適宜省略する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る暖房装置100を示す外観斜視図である。説明の便宜上、暖房装置100における前後左右上下の方向を図1に示すように設定する。
【0011】
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る暖房装置100は、該暖房装置100の構成部品を内蔵する筐体をなす本体ケース1を備えている。本体ケース1の上面の手前側には、暖房運転の開始や暖房運転における火力等の設定が可能なボタンを複数備えた操作部11が設けられている。また、本体ケース1の前面の上側には、通常の暖房運転時に設定温度や室内温度を表示し、異常発生時に所定のエラーコードを表示して使用者に異常内容を報知する表示部12が設けられている。
【0012】
本体ケース1の前面の左右には、温風を室内に吹き出す縦長吹出部13がそれぞれ設けられている。また、本体ケース1の正面には、使用者が高熱部分に直接触れることを防止するガード体14が取り付けられている。
【0013】
図2は、図1に示される暖房装置100のガード体14等の正面側(前側)の部材を省略した斜視図である。図3は、図1に示される暖房装置100の縦断面図である。
【0014】
図3に示すように、暖房装置100は、バーナ部2と、外筒3と、熱交換器4と、対流用ファン5と、燃油供給部6と、空気供給部7(図1参照)とを備えている。
【0015】
バーナ部2は、本体ケース1内の下部に配置されており、燃焼を行う。バーナ部2は、空気供給部7に備わる燃焼用ファン(図示せず)によって室内から吸引されて供給される空気と、燃油供給部6から供給される燃油とを予混合して燃焼させるものである。
【0016】
外筒3は、バーナ部2の上方に配置されている。外筒3の下部は、バーナ部2の外周上部を囲んでいる。外筒3は、筒状を呈する金属製部材であり、バーナ部2で発生した炎や燃焼ガスが通過する。外筒3は、扁平な箱状を呈する箱状部31と、箱状部31の後方に連設されたドーム部32とを有している。ドーム部32は、箱状部31に連通している。
【0017】
図2に示すように、外筒3の箱状部31は、平板状を呈する前面部311を有している。平板状には、略平坦な板形状が含まれる。外筒3の前面部311の下部には、耐熱ガラス314が取り付けられている。
【0018】
本体ケース1内の外筒3の上方には、上仕切板19が水平方向に沿って設置されている。上仕切板19は、該上仕切板19の長手方向の両端部よりも上方に位置するように一段高く形成された中央部191を有している。中央部191は、外筒3の直上に位置している。また、上仕切板19は、中央部191の後端縁から後方に行くほど高くなるように斜め上方に延びている傾斜部192を有している。
【0019】
図3に示すように、ドーム部32は、前面部311の後方に位置する背面部321を有している。背面部321の後方下部には、バーナヘッド21(図5参照)の炎孔から放出される気化した燃油に着火する点火プラグ22と、炎の状態を監視するフレームロッド23とが、背面部321を貫通して取り付けられている。
【0020】
ドーム部32は、箱状部31の下側寄りに設けられている。つまり、箱状部31におけるドーム部32の下端よりも下方に位置する部分は、箱状部31におけるドーム部32の上端よりも上方に位置する部分よりも、上下方向の寸法が小さい。
【0021】
熱交換器4は、バーナ部2で発生した燃焼ガスと、本体ケース1の背面に取り付けられた対流用ファン5から送られる空気とを熱交換する。対流用ファン5は、外筒3の後方に配置されており、前方に向けて送風する。対流用ファン5は、モータ51の回転軸52に接続されるボス部53と、該ボス部53の外周面にそれぞれ設けられた複数枚の羽根54とを有している。熱交換器4は、外筒3の箱状部31の後方上部に接続されている。また、熱交換器4は、ドーム部32の上方に配置されている(図8も参照)。
【0022】
熱交換器4は、左右にそれぞれ配置された一対の箱状のヘッダ部41,41(ここでは右側のヘッダ部41は図示せず)と、左右一対のヘッダ部41,41の間に配置され両者を連通するパイプ部42とを有している。ここでは、右側のヘッダ部41が外筒3の箱状部31に連通しており、左側のヘッダ部41が排気管43に連通している。バーナ部2で発生した燃焼ガスは、外筒3内を上昇して熱交換器4に流入するようになっている。
【0023】
図4は、外筒3およびバーナ部2の支持構造を示す斜視図である。図5は、外筒3およびバーナ部2の支持構造を示す分解斜視図である。図6は、外筒3の後側部材34を前方から見た斜視図である。図7は、外筒3の後側部材34を後方から見た斜視図である。
【0024】
図4図5に示すように、バーナ部2と外筒3との間に、接続部材8が介装されている。接続部材8は、外筒3の底部324に接続されている。バーナ部2に設けられた水平な取付用板部26は、接続部材8の下仕切板82の下面側に、シール部材24を間に挟んで取り付けられている。接続部材8は、暖房装置100の本体ケース1内の下部に水平に設置された水平板15の上に取り付けられている。水平板15は、本体ケース1の底面上に設置された支持脚16の上に取り付けられている。
【0025】
水平板15は、平面視してコ字状(四角張ったU字状)を呈している。すなわち、水平板15は、中央部の前方に切欠部151が形成されており、左右に一対の平面部152,152を有している。バーナ部2は、平面視して水平板15の切欠部151内に位置している。接続部材8の左右の端部が、一対の平面部152,152の上にそれぞれ載置されて支持されている。支持脚16は、水平板15と同様に平面視してコ字状を呈しており、水平板15を安定して支持することができる。
【0026】
外筒3は、前側部材33と、後側部材34とを備えている。前側部材33および後側部材34は、例えば、鋼板等の金属板にプレス加工を施すことによって、それぞれ製作され得る。
【0027】
前側部材33は、前面部311と、前面部311の外周縁から後方に延びる周壁部312と、周壁部312の後端縁から鉛直面に沿って広がって延びる前側フランジ部313とを有している。前面部311の下部には、耐熱ガラス314(図2参照)が取り付けられる窓部315が形成されている。
【0028】
図6図7に示すように、後側部材34は、背面部321と、背面部321の前端縁から鉛直面に沿って広がって延びる後面部322と、後面部322の外周に設けられた後側フランジ部323とを有している。後側部材34の後側フランジ部323は、前側部材33の前側フランジ部313(図4参照)に接合される。ここで、前側部材33と、後側部材34の後面部322および後側フランジ部323とは、箱状部31(図3参照)を構成している。後側部材34の背面部321は、ドーム部32(図3参照)を構成している。
【0029】
背面部321は、後方に向けて膨出しており、ドーム形状が鉛直面で二分割されたうちの一方である半ドーム形状を呈している。ドーム形状とは、丸(円)屋根の形状を含む形状をいい、丸(円)屋根には略半球形状を呈する屋根が含まれる。背面部321と後面部322とは、適当な曲率半径を有する滑らかな曲面で接続されていることが好ましい。背面部321の前端縁は、正面(前側)から見て、上部が先端に丸みを有する山形を呈しており、下部が水平な直線を呈している。
【0030】
背面部321は、半円の板状を呈する水平な底部324を有している。背面部321の底部324、すなわち外筒3の底部324には、バーナ部2の上方に位置する開口部325が形成されている。開口部325は、バーナ部2と鉛直方向の同軸上に位置する。後面部322の上部右側には、熱交換器4の右側のヘッダ部41と接続する接続孔326が形成されている。
【0031】
図8は、外筒3、接続部材8、バーナ部2および熱交換器4の断面斜視図である。図9は、外筒3および接続部材8の断面斜視図である。図10は、外筒3および接続部材8の分解断面斜視図である。
【0032】
図8図10に示すように、外筒3の底部324は、底部側円筒部327と、底部側環状部328とを有している。底部側円筒部327は、底部324の開口部325の内周縁から上方に延びており、円筒状を呈している。底部側環状部328は、底部側円筒部327の上端縁から径方向内側に延びており、環状を呈している。底部側円筒部327と底部側環状部328とは、適当な曲率半径を有する滑らかな曲面で接続されていてもよい。
【0033】
図5に示すように、接続部材8は、首部81と、下仕切板82とを有している。首部81は、バーナ部2の径方向外側に配置されており、円筒状を呈している。下仕切板82は、首部81の下端側から径方向外側に略水平に延びている。
【0034】
図9図10に示すように、接続部材8の首部81は、首部側円筒部811と、首部側環状部812とを有している。首部側円筒部811は円筒状を呈している。首部側環状部812は、首部側円筒部811の上端縁から径方向内側に延びており、環状を呈している。首部側円筒部811と首部側環状部812とは、適当な曲率半径を有する滑らかな曲面で接続されていてもよい。
【0035】
接続部材8の首部側円筒部811の上部は、外筒3の底部324の底部側円筒部327内に嵌合している。また、接続部材8の前記首部側環状部812は、外筒3の底部324の底部側環状部328の下面に接触している。このようにして、接続部材8の首部81の上部が、外筒3の底部324に接続されている。
【0036】
図11は、外筒3、仕切板17および対流用ファン5を模式的に示す部分断面平面図である。図11では、外筒3のみが断面図で示されている。
図11に示すように、外筒3の周囲には、該外筒3の左右両側および後側を覆う仕切板17が設けられている。仕切板17は、水平板15(図5参照)上に設置されて支持されている。仕切板17は、外筒3の左右両側にそれぞれ配置された側方仕切板171,171と、外筒3の後方に配置された後仕切板172とを備えている。
【0037】
後仕切板172の上端縁は、側方仕切板171の上端縁よりも下方に位置している。つまり、左右両側の側方仕切板171,171の間における後仕切板172の上方には、開口部173が形成されている。対流用ファン5から送られる空気は、開口部173を通って熱交換器4および外筒3に当たるようになっている。
【0038】
側方仕切板171は、奥側仕切板174と、傾斜仕切板175と、前側仕切板176とを備えている。奥側仕切板174は、後仕切板172の横方向(左右方向)の端縁から前方に延びている。傾斜仕切板175は、奥側仕切板174の前端縁から前方に行くほど外筒3から離れるように斜め前方に延びている。前側仕切板176は、傾斜仕切板175の前端縁から横方向(左右方向)に延びている。傾斜仕切板175および前側仕切板176の前面には、化粧板18が取り付けられている。縦長吹出部13は、外筒3の前面部311と、傾斜仕切板175との間に形成されている。
【0039】
図1図3に示すように、外筒3の上方にガイド部材9が設けられている。ガイド部材9は、対流用ファン5から送られる空気を前面部311の表面に当たるように導くものである。ガイド部材9は、化粧板としても機能する。
【0040】
図3に示すように、外筒3の上方に、後方から前方に延びる水平空間35が形成されている。水平空間35は、具体的には、外筒3と上仕切板19との間に形成されている。ガイド部材9は、水平空間35の前方に配置されている。ガイド部材9の上下方向の中心を通る水平方向に沿う中心線94は、対流用ファン5の羽根54の内径(ボス部53の外径)と羽根54の外径との中央値の径を持つ円の上端55よりも上方に位置している。
【0041】
図12は、外筒3、上仕切板19およびガイド部材9の断面斜視図である。図13は、外筒3、上仕切板19およびガイド部材9の側断面図である。図14は、ガイド部材9の組付け方法を説明するための側断面図である。
【0042】
図12図13に示すように、ガイド部材9は、正面視して左右に延びる帯状の水平な第1板部91と、第1板部91の前端縁から下方に延びる帯状の第2板部92とを有している。ガイド部材9の第2板部92の下端縁は、外筒3の周壁部312の上面よりも僅かに下方に位置している。また、ガイド部材9は、第2板部92の左右の端縁から後方にそれぞれ延びる側面部95と、側面部95の後端縁から左右にそれぞれ延びる取付面部96とを有している。図13に示すように、ガイド部材9は、第2板部92の下端縁から後方に延びる帯状の第3板部93をさらに有していてもよい。第3板部93の後端縁は、外筒3の前面部311から前方に離間している。
【0043】
図12図14に示すように、ガイド部材9の第1板部91が、取付用孔911(図12参照)を用いたねじ締結によって、上仕切板19の前方上面に取り付けられている。また、ガイド部材9の取付面部96が、取付用孔961(図12参照)を用いたねじ締結によって、本体ケース1に取り付けられている。
【0044】
次に、本実施形態に係る暖房装置100の動作について説明する。
操作部11において運転スイッチがオン操作されると、バーナ部2は予熱を開始し、燃油供給部6、空気供給部7が駆動させられて、バーナ部2で燃油が燃焼させられる。
【0045】
図3に示すように、バーナ部2で発生した炎や燃焼ガスは、外筒3内で完全燃焼しながら、矢印25(図11も参照)で示す方向に流れて上昇する。外筒3を通った燃焼ガスは、熱交換器4に流入し、熱交換器4を通過した後、排気管43を経て排気ガスとして屋外に排気される。この際、外筒3は、バーナ部2で発生した炎や燃焼ガスによって加熱され、外筒3の前面部311から前方に向けて輻射熱が放出される。
【0046】
そして、対流用ファン5の駆動が開始されると、対流用ファン5によって室内の空気が本体ケース1内に取り込まれる。対流用ファン5によって取り込まれた空気は、図11に矢印56aで示す方向に流れて、加熱された外筒3や熱交換器4と熱交換して加熱され、温風となって縦長吹出部13から室内に吹き出される。
このようにして、室内の暖房が行われる。
【0047】
対流用ファン5からの空気の一部は、図3の矢印56bで示すように、外筒3の上方に形成された水平空間35を通って前方に送られた後、ガイド部材9によって下方へ導かれて流れる。また、対流用ファン5からの空気の一部は、矢印56cで示すように、外筒3の背面部321と後仕切板172との間を通り、外筒3の底部324と接続部材8の下仕切板82との間を通った後、本体ケース1外へ流れる。さらに、対流用ファン5からの空気の一部は、後仕切板172の背面側を通り、暖房装置100の本体ケース1内の下部に送られた後、本体ケース1外へ流れる。
【0048】
前記したように、本実施形態に係る暖房装置100は、燃焼を行うバーナ部2と、バーナ部2の上方に配置された外筒3と、外筒3の後方に配置され、前方に向けて送風する対流用ファン5とを備えている。外筒3は、平板状を呈する前面部311を有している。そして、外筒3の上方に、対流用ファン5から送られる空気を前面部311の表面に当たるように導くガイド部材9が設けられている。
【0049】
このような本実施形態では、対流用ファン5から送られた空気がガイド部材9によって導かれて外筒3の前面部311の表面に当たるため、外筒3の前面部311を冷却することができる。これにより、輻射熱を放出する前面部311の過度な温度上昇を抑制することができる。
すなわち、本実施形態によれば、輻射熱を放出する外筒3の前面部311の温度が過度に上昇することを抑制できる暖房装置100を提供することができる。
したがって、遠赤外線の輻射量を増加させることができ、暖房感が向上する。
また、外筒3の前面部311の赤熱状態を抑制できるため、外観上からも好ましいとともに、外筒の耐久性が向上する。
さらに、対流用ファン5から送られた空気が外筒3の前面部311の表面に当たって熱交換されることで、暖房装置100の前方に流れる温風の温度が上昇するため、暖房感が向上する。
【0050】
また、本実施形態では、ガイド部材9は、正面視して左右に延びる帯状の水平な第1板部91と、第1板部91の前端縁から下方に延びる帯状の第2板部92とを有している(図12参照)。
この構成では、対流用ファン5から送られた空気を、上方や前方に向かうことを抑制しつつ、外筒3の前面部311の表面に当たるように下方に導くことができる。これにより、外筒3の前面部311に対して空気がより効率的に当たるようになる。
【0051】
また、本実施形態では、ガイド部材9は、第2板部92の下端縁から後方に延びる帯状の第3板部93をさらに有している(図13参照)。
この構成では、対流用ファン5から送られた空気を、外筒3の前面部311に、より向かうように導くことができる。また、第2板部92(図12参照)の下端縁を正面側から見えなくすることができ、外観上からも好ましい。
【0052】
また、本実施形態では、外筒3の上方に、後方から前方に延びる水平空間35が形成されており、ガイド部材9は、水平空間35の前方に配置されている。
この構成では、対流用ファン5から送られた空気の流れが弱められることなくガイド部材9によって導かれて外筒3の前面部311の表面に当たる。このため、外筒3の前面部311を効率的に冷却することができる。
【0053】
また、本実施形態では、外筒3の上方に、水平方向に沿って上仕切板19が設置されている。上仕切板19は、該上仕切板19の長手方向の両端部よりも上方に位置するように一段高く形成された中央部191を有している。そして、水平空間35は、外筒3と上仕切板19との間に形成されている。
この構成では、対流用ファン5から送られた空気を、一段高く形成された中央部191によって流路断面積を確保しつつ、外筒3と上仕切板19との間の水平空間35を通ってガイド部材9に向けて送ることができる。
【0054】
また、本実施形態では、上仕切板19は、中央部191の後端縁から後方に行くほど高くなるように斜め上方に延びている傾斜部192を有している。
この構成では、対流用ファン5から送られた空気を、効果的に水平空間35に導いて、ガイド部材9に向けて送ることができる。
【0055】
また、本実施形態では、対流用ファン5は、ボス部53と、該ボス部53の外周面にそれぞれ設けられた複数枚の羽根54とを有している。また、ガイド部材9の上下方向の中心を通る水平方向に沿う中心線94は、羽根54の内径と外径との中央値の径を持つ円の上端55よりも上方に位置している。
この構成では、ガイド部材9は、羽根54の上部において強い風を生じさせる径方向外側部分に対向するようになる。したがって、対流用ファン5から送られた強い風をガイド部材9によって導いて外筒3の前面部311の表面に当てることができる。このため、外筒3の前面部311をより効率的に冷却することができる。
【0056】
以上、本発明について、実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記実施形態に記載した構成に限定されるものではない。本発明は、前記実施形態に記載した構成を適宜組み合わせ乃至選択することを含め、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。また、前記実施形態の構成の一部について、追加、削除、置換をすることができる。
【0057】
例えば、ガイド部材9は、外筒3の上部に設けられた取付用ブラケットに取り付けられてもよい。このように構成すれば、外筒3とガイド部材9との相互の位置関係がより正確になるため、対流用ファン5から送られた空気を外筒3の前面部311の表面に、より正確に当てることができる。この場合、取付用ブラケットは、空気の流れを極力阻害しない小型の形状に形成されることが好ましい。
また、ガイド部材9によって、外筒3と上仕切板19との間の水平空間35を通る空気のみならず、上仕切板19の上側を通る空気も、前面部311の表面に当たるように導かれるように構成されてもよい。
【符号の説明】
【0058】
19 上仕切板
191 中央部
192 傾斜部
2 バーナ部
3 外筒
311 前面部
35 水平空間
5 対流用ファン
53 ボス部
54 羽根
55 上端
9 ガイド部材
91 第1板部
92 第2板部
93 第3板部
94 中心線
100 暖房装置
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