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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】空気調和機の室内機
(51)【国際特許分類】
   F24F 1/0073 20190101AFI20230418BHJP
【FI】
F24F1/0073
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020525237
(86)(22)【出願日】2019-02-19
(86)【国際出願番号】 JP2019006131
(87)【国際公開番号】W WO2019244396
(87)【国際公開日】2019-12-26
【審査請求日】2021-09-22
(31)【優先権主張番号】P 2018116327
(32)【優先日】2018-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】川村 政貴
【審査官】佐藤 正浩
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-311446(JP,A)
【文献】特開2004-101149(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 1/0073
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
室内機本体の下面に空気の吸込み口を有する空気調和機の室内機であって、
前記吸込み口に配置されるフィルタを支持するフィルタ保持部品を備え、
前記フィルタ保持部品は、前記室内機本体に対して当該室内機本体の前方から当該室内機本体の前後方向に脱着可能に設けられ
前記フィルタ保持部品は、左右両側に下向きの部品側係止面を有し、
前記室内機本体は、前記フィルタ保持部品の左右両側に設けられた前記部品側係止面をそれぞれ係止する上向きの本体側係止面を有し、
前記フィルタ保持部品の装着時に、装着方向の先端側となる前記部品側係止面の後端部を前記本体側係止面へ案内する案内部が、前記本体側係止面の前端部に設けられていることを特徴とする空気調和機の室内機。
【請求項2】
室内機本体の下面に空気の吸込み口を有する空気調和機の室内機であって、
前記吸込み口に配置されるフィルタを支持するフィルタ保持部品を備え、
前記フィルタ保持部品は、前記室内機本体に対して当該室内機本体の前方から当該室内機本体の前後方向に脱着可能に設けられ
前記フィルタ保持部品は、左右両側に下向きの部品側係止面を有し、
前記室内機本体は、前記フィルタ保持部品の左右両側に設けられた前記部品側係止面をそれぞれ係止する上向きの本体側係止面を有し、
前記フィルタ保持部品の装着時に、装着方向の先端側となる前記部品側係止面の後端部を前記本体側係止面へ案内する案内部が、前記部品側係止面の後端部に設けられていることを特徴とする空気調和機の室内機。
【請求項3】
前記部品側係止面および前記本体側係止面は、前後方向に長いことを特徴とする請求項1又は2に記載の空気調和機の室内機。
【請求項4】
前記フィルタ保持部品は前記室内機本体に装着された状態で、前記室内機本体に対して前から後に向かって前後方向にねじ締結されていることを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の空気調和機の室内機。
【請求項5】
前記ねじ締結されている箇所が、前記室内機本体に備えられた送風機の中心よりも前記室内機本体の前側にあることを特徴とする請求項に記載の空気調和機の室内機。
【請求項6】
前記フィルタ保持部品は、前記室内機本体に装着された状態で前記室内機本体に掛止して当該フィルタ保持部品を前記室内機本体に対して固定させるツメ部を有することを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の空気調和機の室内機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機の室内機に関する。
【背景技術】
【0002】
室内機本体の下面に吸込み口を設けた下吸込みの空気調和機の室内機が提案されている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国特許公報「特開2007-285533号公報」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1には、下吸込みのための部品に関して詳細な構造等については何ら記載されていない。そのため、何の工夫もなく下吸込みの室内機を作成すると、上吸込みの室内機に比べて、吸込み口のフィルタを支持するフィルタ保持部品の脱着作業が行い難くなり、メンテナンス性が低下する問題が発生する。
【0005】
つまり、上吸込みの場合、吸込み口のフィルタを支持するフィルタ保持部品は室内機の上側に配置される。そのため、フィルタ保持部品は室内機を構成する他の部品の上に置いた状態で固定されており、比較的容易に固定されている。
【0006】
これに対し、下吸込みの場合は、フィルタ保持部品が室内機の下面を形成することとなるため、上吸込みのように室内機を構成する他の部品の上に置いた状態で固定することはできない。そこで、例えば、フィルタ保持部品を、室内機を構成する他の部品の下に配置し、下から上に向かって上下方向に締結して固定することが考えられる。
【0007】
しかしながら、室内機は窓上に配置されることも多く、その場合、室内機の真下にカーテンレールが位置することとなる。また、室内機の真下に家具が配置されていることもある。室内機の真下にカーテンレールや家具等の設置物があると、室内機の下方からドライバー等の治具を用いて螺子を締めたり外したりする作業は行い難く、フィルタ保持部品の脱着時の作業性が低下する。また、室内機と設置物との間に治具を差し込む空間が確保されていない場合は、フィルタ保持部品の脱着自体が困難となる。しかも、室内機を構成する他の部品の上に置いた状態で固定する場合と異なり、締結時、フィルタ保持部品を支えながら作業する必要があり、甚だ作業性が悪い。
【0008】
本発明の一態様は、上記問題点に鑑みなされたもので、下吸込みでありながら、フィルタ保持部品の脱着が容易に行える、メンテナンス性に優れた空気調和機の室内機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る空気調和機の室内機は、室内機本体の下面に空気の吸込み口を有する空気調和機の室内機であって、前記吸込み口に配置されるフィルタを支持するフィルタ保持部品を備え、前記フィルタ保持部品は、前記室内機本体に対して当該室内機本体の前方から当該室内機本体の前後方向に脱着可能に設けられ、前記フィルタ保持部品は、左右両側に下向きの部品側係止面を有し、前記室内機本体は、前記フィルタ保持部品の左右両側に設けられた前記部品側係止面をそれぞれ係止する上向きの本体側係止面を有し、前記フィルタ保持部品の装着時に、装着方向の先端側となる前記部品側係止面の後端部を前記本体側係止面へ案内する案内部が、前記本体側係止面の前端部に設けられていることを特徴とする。
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係る空気調和機の室内機は、室内機本体の下面に空気の吸込み口を有する空気調和機の室内機であって、前記吸込み口に配置されるフィルタを支持するフィルタ保持部品を備え、前記フィルタ保持部品は、前記室内機本体に対して当該室内機本体の前方から当該室内機本体の前後方向に脱着可能に設けられ、前記フィルタ保持部品は、左右両側に下向きの部品側係止面を有し、前記室内機本体は、前記フィルタ保持部品の左右両側に設けられた前記部品側係止面をそれぞれ係止する上向きの本体側係止面を有し、前記フィルタ保持部品の装着時に、装着方向の先端側となる前記部品側係止面の後端部を前記本体側係止面へ案内する案内部が、前記部品側係止面の後端部に設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明の一態様によれば、下吸込みでありながら、フィルタ保持部品の脱着が容易に行える、メンテナンス性に優れた空気調和機の室内機を提供することができるといった効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施の形態1に係る空気調和機の室内機の外観を示す斜視図である。
図2】上記室内機の縦断面図である。
図3】上記室内機における室内機本体と、室内機本体より取り外したフィルタ保持部品20とを示す斜視図である。
図4】上記室内機における室内機本体の下部の左側キャビネットの内側面に形成された、本体側係止面を示す要部の一部断面斜視図である。
図5】上記室内機における上記フィルタ保持部品の左壁の外側面に形成された、部品側係止面を示す要部の斜視図である。
図6】上記室内機における室内機本体の左端部分の縦断面図である。
図7】上記室内機における室内機本体に対してフィルタ保持部品を装着する途中の状態を示す図6に対応した縦断面図である。
図8】上記室内機における室内機本体にフィルタ保持部品が締結されている状態を示す斜視図である。
図9】実施の形態2に係る空気調和機の室内機の縦断面図であり、室内機本体に対してフィルタ保持部品を装着する途中の状態を示している。
図10】本実施の形態3に係る空気調和機の室内機の縦断面図であり、室内機本体に対してフィルタ保持部品を装着する途中の状態を示している。
図11】本実施の形態4に係る空気調和機の室内機の要部の斜視図である。
図12図11のA-A線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の形態を図面に基づいて以下に説明する。
【0013】
図1は、本実施の形態に係る空気調和機の室内機1の外観を示す斜視図である。図2は、上記室内機1の縦断面図である。
【0014】
図1図2に示すように、空気調和機の室内機1は、室内機本体2と、室内機本体2の前面に配置される導風板3とを備えている。室内機本体2は、キャビネット4を有しており、キャビネット4の内部に、送風機13、熱交換器14等が配されている。なお、室内機本体2を前面(正面)から見て幅方向を左右方向とし、室内機本体2の奥行き方向を前後方向とし、室内機本体2の高さ方向を上下方向とする。
【0015】
室内機本体2の前面には吹出し口7が形成され、吹出し口7には前記した導風板3が備えられている。室内機本体2の上面には上吸込み口8が形成され、室内機本体2の下面には下吸込み口(吸込み口)9が形成されている。室内機本体2の内部には、上吸込み口8から吹出し口7に至る上空気通路と、下吸込み口9から吹出し口7に至る下空気通路とが形成され、上空気通路と下空気通路とが共通する部分に、送風機13と熱交換器14とが配置されている。
【0016】
上吸込み口8には、第1フィルタ15が配設されている。上吸込み口8から吸い込まれた空気は、第1フィルタ15、送風機13および熱交換器14を経て吹出し口7から吹き出される。
【0017】
下吸込み口9には、第2フィルタ16が配設されている。第2フィルタ16は、例えばHEPAフィルタ(High Efficiency Particulate Air Filter)である。下吸込み口9から吸い込まれた空気は、第2フィルタ16、送風機13および熱交換器14を経て吹出し口17から吹き出される。詳細については後述するが、上記第2フィルタ16は、室内機本体2に脱着可能に設けられたフィルタ保持部品20に保持されている。
【0018】
図3は、上記室内機1における室内機本体2と、室内機本体2より取り外したフィルタ保持部品20とを示す斜視図である。なお、図3においては、室内機本体2より、導風板3、熱交換器14等を取り外し、また、キャビネット4の外表面を外し、送風機13や熱交換器14等の内部部品を支持するフレームが剥き出しになった状態を示している。
【0019】
図3に示すように、室内機本体2の前面下部には、熱交換器14にて生じたドレン水を受け入れるドレンパン17が配設されている。ドレンパン17は、右側の端部にてドレン水が排出するためのドレン管18と接続されている。
【0020】
室内機本体2において、内部に配置された、送風機13、熱交換器14、ドレンパン17、上空気通路、下空気通路を形成する通路壁となる部材等は、キャビネット4(キャビネット4のフレームの部分)にて支持されている。
【0021】
フィルタ保持部品20は、室内機本体2の下部に装着され、室内機本体2の下面を構成する。図3に示すように、フィルタ保持部品20は、浅型の箱状の部品である。フィルタ保持部品20は、室内機本体2の下部の右側キャビネット4aの形状に見合った右壁20aと、室内機本体2の下部の左側キャビネット4bの形状に見合った左壁20bを有している。
【0022】
また、フィルタ保持部品20は、ドレンパン17の前面の外形形状に見合った前外壁20cと、その内側に設けられた、右壁20aおよび左壁20bと連なる前内壁20dを有している。
【0023】
さらに、フィルタ保持部品20は、室内機本体2の下部の後側キャビネット4cの形状に見合った後壁20eを有している。そして、後壁20eの下端部には、後方に向かって突出するように延設された延長壁20fを有している(図5参照)。
【0024】
フィルタ保持部品20の底面は開口されており、開口面にネット21が張設されている。第2フィルタ16(図2参照)は、このネット21の上に設置されている。
【0025】
このようなフィルタ保持部品20は、室内機本体2に対して前方から前後方向に脱着可能に設けられている。本実施形態の室内機1においては、フィルタ保持部品20の左右両側に形成された部品側係止面25aと、室内機本体2側に形成された、フィルタ保持部品20の左右両側に設けられた部品側係止面25aをそれぞれ係止する本体側係止面23aと、により、フィルタ保持部品20を前方から前後方向に脱着可能となっている。
【0026】
図4は、室内機本体2の下部の左側キャビネット4bの内側面に形成された、本体側係止面23aを示す要部の一部断面斜視図である。
【0027】
図4に示すように、室内機本体2の下部の左側キャビネット4bの内側面に、前後方向に長い凸部23が形成されている。そして、この凸部23の上面に、上向きの本体側係止面23aが形成されている。本体側係止面23aは平坦面である。本体側係止面23aは室内機本体2の後方寄りに形成されている。図示してはいないが、室内機本体2の下部の右側キャビネット4aの内側面にも、凸部23および本体側係止面23aが形成されている。
【0028】
図5は、上記フィルタ保持部品の左壁20bの外側面に形成された、部品側係止面25aを示す要部の斜視図である。
【0029】
図5に示すように、フィルタ保持部品20の左壁20bの外側面に、前後方向に長く、フィルタ保持部品20の装着時に装着方向の先端側となる後壁20e側が開放された凹部25が形成されている。そして、この凹部25の上面に、下向きの部品側係止面25aが形成されている。部品側係止面25aは平坦面である。凹部25は、開放されている後壁20e側が広く、前内壁20dのある前方に向かうほど狭くなる楔型に形成されている。なお、図示してはいないが、フィルタ保持部品20の右壁20aの外側面にも凹部25および部品側係止面25aが形成されている。
【0030】
図6は、室内機本体2の左端部分の縦断面図である。図7は、室内機本体2に対してフィルタ保持部品20を装着する途中の状態を示す図6に対応した縦断面図である。
【0031】
図7に示すように、フィルタ保持部品20は、室内機本体2の前方から、後方に向かって挿入することで室内機本体2に装着される。本実施形態では、装着時に装着方向の先端側となるフィルタ保持部品20の後側を少し持ち上げるようにして挿入する。
【0032】
フィルタ保持部品20が後方に向かって挿入されるに伴い、室内機本体2の凸部23がフィルタ保持部品20の凹部25内に開放された後端部より入り込み、凹部25の上面をなす部品側係止面25aが、室内機本体2の凸部23の上に乗り上げる。その後、凸部23の上面をなす本体側係止面23aに、部品側係止面25aを沿わせるように、フィルタ保持部品20を水平にする。水平にすることで、フィルタ保持部品20の延長壁20fが室内機本体2の後側キャビネット4cの底壁4caの下方に入り込む。
【0033】
この状態で、フィルタ保持部品20を、延長壁20fが、室内機本体2が取り付けられている壁面に当接するまで挿入する。このとき、フィルタ保持部品20の部品側係止面25aが、室内機本体2の本体側係止面23aを摺動するように移動し、フィルタ保持部品20の延長壁20fが底壁4caの下面を摺動する。
【0034】
このように、フィルタ保持部品20を延長壁20fが壁面に突き当たるまで挿入することで、フィルタ保持部品20の取り付けが完了する。フィルタ保持部品20は、部品側係止面25aが、室内機本体2の本体側係止面23aに係止されることで、室内機本体2に支持(担持、保持)される。また、延長壁20fが底壁4caに当接することで、本体側係止面23aの前端を支点としたフィルタ保持部品20の回転が阻止され、フィルタ保持部品20を安定して支持することができる。
【0035】
つまり、本実施形態の構成では、部品側係止面25aが本体側係止面23aに係止されると共に、延長壁20fが底壁4caに当接することで、フィルタ保持部品20の自重による下方向の動きが規制され、室内機本体2の下部に安定して装着される。
【0036】
なお、延長壁20fが底壁4caに当接させる構成を採用せずとも、凸部23の長さを長くすることで、フィルタ保持部品20の前述した回転を阻止して自重を支えることができる。但し、室内機本体2の正面(前面)より見てドレンパン17の後方に第2フィルタ16を配置させる場合、凸部23の長さが長くなると、フィルタ保持部品20の挿入時にフィルタ保持部品20の後側を持ち上げる角度を大きくする必要がある。角度を大きくすると、送風機13等の他の部品と干渉する恐れがある。そのため、フィルタ保持部品20の前述した回転を阻止する程度に凸部23の長さを確保できない場合は、延長壁20fを底壁4caに当接させる構成を採用することが好ましい。
【0037】
フィルタ保持部品20は室内機本体2に装着された状態で、フィルタ保持部品20の前外壁20cはドレンパン17の前面を覆うように配置される。
【0038】
図8は、上記室内機1における室内機本体2にフィルタ保持部品20がねじ締結されている状態を示す斜視図である。なお、図7においても、図3と同様に、室内機本体2より、導風板3、熱交換器14等を取り外し、また、キャビネット4の外表面を外し、送風機13や熱交換器14等の内部部品を支持するフレームが剥き出しになった状態を示している。
【0039】
図8に示すように、フィルタ保持部品20は、室内機本体2の下部に装着された状態で、前方より前後方向にねじ締結される。図8の例では、フィルタ保持部品20の前外壁20cの左右の両端に、フィルタ保持部品20をドレンパン17にねじ締結する締結部27が設けられている。締結部27において、ねじは軸を前後方向に向けて前方より締結される。
【0040】
以上のように、上記構成によれば、フィルタ保持部品20は、室内機本体2に対して室内機本体2の前方から室内機本体2の前後方向に脱着可能に設けられている。これにより、室内機1が窓上に配置され、室内機1の真下にカーテンレールや家具等の設置物が存在していても、フィルタ保持部品20を容易に脱着することができ、メンテナンス性を良好にできる。
【0041】
また、上記構成では、フィルタ保持部品20の左右両側に下向きの部品側係止面25aを設け、室内機本体2側に、フィルタ保持部品20の左右両側に設けられた部品側係止面25aをそれぞれ係止する上向きの本体側係止面23aを設けている。これによれば、フィルタ保持部品20の左右に設けられた部品側係止面25aが、室内機本体2側に設けられた本体側係止面23aに係止されることで、フィルタ保持部品20の自重が支えられ、支持さてる。これにより、室内機1の前方から前後方向にフィルタ保持部品20を脱着可能にする構成を容易に実現できる。
【0042】
また、部品側係止面25aおよび本体側係止面23aは、前後方向に長い形状としているので、フィルタ保持部品20の自重が保持され易くなる。特に、上記構成では、延長壁20fが底壁4caに当接させる構成にて、フィルタ保持部品20の自重が確実に保持される。したがって、フィルタ保持部品20を締結部27にて締結する際に、フィルタ保持部品20を支える必要がなく、締結作業を容易に行うことができる。
【0043】
また、フィルタ保持部品20を締結部27にて締結する構成としているので、フィルタ保持部品20が所定位置からずれることを防止できる。また、フィルタ保持部品20と室内機本体2との間に、予期しない隙間ができるようなこともない。このような効果は、少なくとも1箇所締結することで得ることができる。また、締結することで、フィルタ保持部品20が室内機本体2の構造材としても機能するようになるので、室内機本体2の剛性を高めて、輸送中の振動での破損を防止する効果もある。
【0044】
また、締結部27の位置を、送風機13の中心よりも室内機本体2の前側としているので、締結部27が送風機13の陰に隠れるようなことなく、メンテナンス時に容易にアクセスすることができる。
【0045】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0046】
図9は、本実施の形態に係る空気調和機の室内機1Aの縦断面図であり、室内機本体2Aに対してフィルタ保持部品20を装着する途中の状態を示している。
【0047】
図9に示すように、室内機1Aの室内機本体2Aにおける本体側係止面23aの前端部には、案内部として下方に傾斜した傾斜面30aが設けられている。案内部は、フィルタ保持部品20の装着時に、装着方向の先端側となる部品側係止面25aの後端部を本体側係止面23aへ案内(誘導)するものである。
【0048】
傾斜面30aは、凸部23の前端部に延設された傾斜部30の上面より形成されている。傾斜面30aは、本体側係止面23aに対して下向きに10~45°傾斜していることが好ましい。
【0049】
このような傾斜面30aを設けることで、フィルタ保持部品20の部品側係止面25aが傾斜面30aに誘導されて室内機本体2Aの凸部23に上に乗り上げ易くなる。これにより、メンテナンス性がさらに向上すると共に、製造時の組み立て性も向上する。なお、図9では傾斜面30aとして平坦面を例示したが、上向きに凸をなす丸みを帯びた面であってもよい。
【0050】
〔実施の形態3〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0051】
図10は、本実施の形態に係る空気調和機の室内機1Bの縦断面図であり、室内機本体2に対してフィルタ保持部品20Bを装着する途中の状態を示している。
【0052】
図10に示すように、フィルタ保持部品20Bにおける部品側係止面25aの後端部には、案内部として上方に傾斜した傾斜面31が設けられている。案内部は、フィルタ保持部品20Bの装着時に、装着方向の先端側となる部品側係止面25aの後端部を本体側係止面23aへ案内(誘導)するものである。
【0053】
傾斜面31は、凹部25における後壁20e側の開放された端部の上面を、面取りするように上向きに傾斜させることで形成されている。換言すると、部品側係止面25aの後端部を上向きに傾斜させることで形成されている。傾斜面31は、部品側係止面25aに対して上向きに10~45°傾斜していることが好ましい。
【0054】
このような傾斜面31を設けることで、フィルタ保持部品20Bは、部品側係止面25aの傾斜面31に誘導されて室内機本体2の凸部23に上に乗り上げ易くなる。これにより、メンテナンス性がさらに向上すると共に、製造時の組み立て性も向上する。なお、図9では傾斜面31として平坦面を例示したが、下向きに凸をなす丸みを帯びた面であってもよい。
【0055】
〔実施の形態4〕
本発明の他の実施形態について、以下に説明する。なお、説明の便宜上、上記実施形態にて説明した部材と同じ機能を有する部材については、同じ符号を付記し、その説明を繰り返さない。
【0056】
図11は、本実施の形態に係る空気調和機の室内機1Cの要部の斜視図であり、図12は、図11のA-A線断面図である。
【0057】
図11図12に示すように、フィルタ保持部品20Cにおける前外壁20cには、ドレンパン17の上面において、通風路を形成する通路壁となる部材28に掛止又は嵌合してフィルタ保持部品20Cを室内機本体2に固定させるツメ部29を有している。このようなツメ部29は、フィルタ保持部品20Cの左右両側に設けられている。ツメ部29が掛止又は嵌合する相手側の部材は、通路壁となる部材28に限るものではなく、室内機本体2を構成する部材(部品)であればよい。また、ツメ部29を係止又は嵌合させるための窪みを形成させてもよい。フィルタ保持部品20Cにおいて、ツメ部29を設ける位置も前外壁20cに限るものではない。
【0058】
このように、フィルタ保持部品20Cを室内機本体2に固定させるツメ部29を設けることで、例えば、延長壁20fが底壁4caに当接させる構成を採用せずとも、フィルタ保持部品20の前述した回転を阻止して自重を支えることができる。また、締結部27を設けることなく、フィルタ保持部品20Cの位置ずれ等を防止できる。
【0059】
なお、本体側係止面を、室内機本体2の左右のキャビネット4a,4bの下端部を内側に延設して形成してもよい。この場合、フィルタ保持部品20の底面の左右の端部が部品側係止面として機能し、内側に延設して形成された本体側係止面を摺動する。
【0060】
また、室内機本体の左右のキャビネットおよびフィルタ保持部品の左右の壁の何れか一方にガイド溝を設け、他方にガイド溝を摺動する凸部を設けて前後に脱着可能な構成としてもよい。
【0061】
また、意匠性に問題無い場合は、室内機本体2の左右のキャビネット4a,4bの外側面に本体側係止面を設け、フィルタ保持部品の左右の壁の内側面に部品側係止面を設ける構成としてもよい。
【0062】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る空気調和機の室内機1は、室内機本体2の下面に空気の吸込み口9を有する空気調和機の室内機であって、前記吸込み口に配置されるフィルタを支持するフィルタ保持部品20を備え、前記フィルタ保持部品は、前記室内機本体に対して当該室内機本体の前方から当該室内機本体の前後方向に脱着可能に設けられていることを特徴とする。
【0063】
本発明の態様2に係る空気調和機の室内機1は、前記態様1において、前記フィルタ保持部品は、左右両側に下向きの部品側係止面25aを有し、前記室内機本体は、前記フィルタ保持部品の左右両側に設けられた前記部品側係止面をそれぞれ係止する上向きの本体側係止面23aを有する構成とすることもできる。
【0064】
本発明の態様3に係る空気調和機の室内機1は、前記態様2において、前記部品側係止面および前記本体側係止面は、前後方向に長い構成とすることもできる。
【0065】
本発明の態様4に係る空気調和機の室内機1は、前記態様2又は3において、前記フィルタ保持部品の装着時に、装着方向の先端側となる前記部品側係止面の後端部を前記本体側係止面へ案内する案内部(傾斜面30a)が、前記本体側係止面の前端部に設けられている構成とすることもできる。
【0066】
本発明の態様5に係る空気調和機の室内機1は、前記態様2~4の何れか1項において、前記フィルタ保持部品の装着時に、装着方向の先端側となる前記部品側係止面の後端部を前記本体側係止面へ案内する案内部(傾斜面31)が、前記部品側係止面の後端部に設けられている構成とすることもできる。
【0067】
本発明の態様6に係る空気調和機の室内機1は、前記態様1~5の何れか1項において、前記フィルタ保持部品は前記室内機本体に装着された状態で、前記室内機本体に対して前から後に向かって前後方向にねじ締結されている構成(締結部27)とすることもできる。
【0068】
本発明の態様7に係る空気調和機の室内機1は、前記態様6において、前記ねじ締結されている箇所が、前記室内機本体に備えられた送風機の中心よりも前記室内機本体の前側にある構成とすることもできる。
【0069】
本発明の態様8に係る空気調和機の室内機1は、前記態様1~7の何れか1項において、前記フィルタ保持部品は、前記室内機本体に装着された状態で前記室内機本体に掛止して当該フィルタ保持部品を前記室内機本体に対して固定させるツメ部(29)を有する構成とすることもできる。
【0070】
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。さらに、各実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を組み合わせることにより、新しい技術的特徴を形成することができる。
【符号の説明】
【0071】
1、1A、1B、1C 室内機
2、2A 室内機本体
3 導風板
4 キャビネット
4a 右側キャビネット
4b 左側キャビネット
4c 後側キャビネット
4ca 底壁
13 送風機
14 熱交換器
15 第1フィルタ
16 第2フィルタ
17 ドレンパン
18 ドレン管
20、20B、20C フィルタ保持部品
20a 右壁
20b 左壁
20c 前外壁
20d 前内壁
20e 後壁
20f 延長壁
21 ネット
23 凸部
23a 本体側係止面
25 凹部
25a 部品側係止面
27 締結部
28 部材
29 ツメ部
30 傾斜部
30a、31 傾斜面(案内部)
図1
図2
図3
図4
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図12