(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】マニピュレータのためのアーム結合部およびマニピュレータ
(51)【国際特許分類】
B25J 9/08 20060101AFI20230418BHJP
B25J 17/00 20060101ALI20230418BHJP
【FI】
B25J9/08
B25J17/00 J
(21)【出願番号】P 2020549005
(86)(22)【出願日】2019-02-21
(86)【国際出願番号】 EP2019054305
(87)【国際公開番号】W WO2019174883
(87)【国際公開日】2019-09-19
【審査請求日】2021-01-04
(31)【優先権主張番号】202018101462.5
(32)【優先日】2018-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】507336499
【氏名又は名称】イグス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクター ハフトゥング
(74)【代理人】
【識別番号】100112737
【氏名又は名称】藤田 考晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136168
【氏名又は名称】川上 美紀
(74)【代理人】
【識別番号】100196117
【氏名又は名称】河合 利恵
(72)【発明者】
【氏名】マルティン ラーク
(72)【発明者】
【氏名】フェリクス ベルガー
【審査官】神山 貴行
(56)【参考文献】
【文献】実開昭61-040548(JP,U)
【文献】特開昭58-211892(JP,A)
【文献】実開昭59-173582(JP,U)
【文献】欧州特許出願公開第01983224(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B25J 1/00-21/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランスミッション(G)と、回転軸(g)の周りに回転可能なギアホイール(2)と、をそれぞれが有する少なくとも2つのアーム結合部(1)を備えるマニピュレータであって、
該ギアホイール(2)が、前記アーム結合部(1)のハウジング(3)に回転可能に取り付けて配置され、前記ギアホイール(2)の2つの端部(21)のうちの少なくとも一方においてアダプタ(22)を有し、
前記ギアホイール(2)の前記端部(21)から遠い方の側において、前記アダプタ(22)が、前記回転軸(g)に関して中心にある開口部(24)を有し、
前記ハウジング(3)が、前記回転軸(g)に対して横断する方向に配置されて前記ギアホイール(2)の周囲に動作的に連結され
るギア要素(4)を受け入れるための受入部分(31)を有し、
調節装置(6)が、前記ハウジング(3)に対する前記ギアホイール(2)および/または前
記ギア要素(4)の遊びの調節のために、および/または、互いに対する前記ギアホイールおよび前
記ギア要素(4)の遊びの調節のために供され、
少なくとも2つの前記アーム結合部(1)が、連結位置において配置された連結装置(9)によって力が係止され、動きが係止され、および/または案内で動作的に一体に連結され、
少なくとも2つの前記アーム結合部(1)が、前記回転軸(g)に対して相互に同軸で一列にされた関係で配置され、少なくとも2つの前記アーム結合部(1)の相互に対向する端部(21)のそれぞれが、前記回転軸(g)に対して中心にある開口部(24)を有する、マニピュレータ。
【請求項2】
連結位置において、少なくとも2つの前記アーム結合部(1)が、平
行コネクタ(91)を有する連結装置(9)によって、前記回転軸(g)に対して垂直な平面に対して平行で相互に離間した位置関係で、前記回転軸(g)と同軸に配置される、請求項1に記載のマニピュレータ。
【請求項3】
2つの前記アーム結合部(1)の前記回転軸(g)が、内部コネクタ(92)の形態で径方向内側に配置された平
行コネクタ(91)を介してそれぞれ回転不可能に一体に連結されることによって、2つの前記アーム結合部(1)が固定的に連結され、
2つの前記アーム結合部(1)の前記ハウジング(3)のそれぞれが、外部コネクタ(93)の形態である径方向外側の平
行コネクタ(91)を介して、回転不可能に連結される、請求項2に記載のマニピュレータ。
【請求項4】
2つの前記アーム結合部(1)が、前記回転軸(g)に対して垂直な平面に対して平行に延びる、横コネクタ(96)の形態である平
行コネクタ(91)を介して回転可能に連結され、
前記横コネクタ(96)が、径方向内側に配置された端部(961)で、2つの前記アーム結合部(1)の一方の前記回転軸(g)に回転不可能に連結され、さらに、径方向外側に配置された端部(962)で、一方の前記アーム結合部(1)の前記ハウジング(3)に滑動または転動する関係で連結され、他方の前記アーム結合部(1)の前記ハウジング(3)に固定的に連結される、請求項2に記載のマニピュレータ。
【請求項5】
2つの前記アーム結合部(1)
が、径方向内側に配置され
た、内部コネクタ(92)の形態の平
行コネクタ(91)を介して軸方向に固定的に連結され、
2つの前記アーム結合部(1)の前記ハウジング(3)が、
径方向外側に配置された、外部コネクタ(93)の形
態の平
行コネクタ(91)を介して連結され、
前記外部コネクタ(93)は、一方の前記アーム結合部(1)の前記ハウジング(3)に回転不可能に連結され、他方の前記アーム結合部(1)の前記ハウジング(3)に滑動または転動するように連結される、請求項2に記載のマニピュレータ。
【請求項6】
前記平
行コネクタ(91)が、相互に対向する中心開口部の一方、または、両方の向かい合う中心開口部へとトルクを伝達する関係において係合するように、連結位置において適合される限り、それぞれの係合について、前記平
行コネクタ(91)は、前記連結位置において、前記平
行コネクタ(91)がそれぞれの関連する前記中心開口部(24)へと係合する端部を有する、請求項3から5のいずれか一項に記載のマニピュレータ。
【請求項7】
前記中心開口部(24)と前記平
行コネクタ(91)の端部との遊びのない係合について、少なくとも1つの阻止要素(68)が設けられ、
該阻止要素(68)が、相互に係合する前記中心開口部(24)と前記平
行コネクタ(91)の前記端部との間で前記回転軸(g)に対して軸方向に導入される、請求項6に記載のマニピュレータ。
【請求項8】
少なくとも1つの前記阻止要素(68)がボルトまたはネジ要素(681)である、請求項7に記載のマニピュレータ。
【請求項9】
モータ(M)が前記アーム結合部(1)と関連付けられ、前記アーム結合部(1)と前記モータ(M)とが、相互に間隔を空けた位置で配置される、請求項1から8のいずれか一項に記載のマニピュレータ。
【請求項10】
前記ギアホイール(2)の2つの前記端部(21)において、各前記ギアホイール(2)が前記アダプタ(22)を有し、2つの前記アダプタ(22)を介して前記ハウジング(3)に回転可能に装着される、請求項1から9のいずれか一項に記載のマニピュレータ。
【請求項11】
前記ギアホイール(2)の前記端部(21)から遠い方の側において、2つの前記アダプタ(22)の両方が、それぞれ、前記回転軸(g)に関して中心にある開口部(24)を備える、請求項10に記載のマニピュレータ。
【請求項12】
少なくとも2つの前記アーム結合部(1)のうちの少なくとも一つが、前記回転軸(g)に対して横断する方向に配置され、前記ギアホイール(2)の周囲に動作的に連結さ
れるギア要素(4)を備え、
該ギア要素(4)が、動作軸(w)を有し、
該動作軸(w)が、前記回転軸(g)に対して離間方向(a)に離間され、前記動作軸(w)を用いることで、前
記ギア要素(4)が、前記ハウジング(3)の前記受入部分(31)の中に、または前記受入部分(31)に装着される、請求項1から11のいずれか一項に記載のマニピュレータ。
【請求項13】
前記回転軸(g)と前記動作軸(w)とが、前記動作軸(w)と前記回転軸(g)との間で前記離間方向(a)に延びる間隔に対して垂直に延びる平面と平行に配置され、
前記ギアホイール(2)と前
記ギア要素(4)とが、前記離間方向(a)に関する軸方向の遊びを調節するために、前記離間方向(a)において互いに対して移動可能に配置される、請求項12に記載のマニピュレータ。
【請求項14】
前記ギアホイール(2)のための軸受手段が、前記ハウジング(3)と関連付けられる第1軸受輪(71)と、前記ギアホイール(2)と関連付けられる第2軸受輪(72)とを有し、
前記離間方向(a)に関する軸方向の遊びの調節は、前記離間方向(a)において動作し、調節力(K)が前記ギアホイール(2)から前
記ギア要素(4)に向かう方向において前記第1軸受輪(71)へと結び付けられ得るのに用いられる傾斜面(S)によってもたらされる、請求項13に記載のマニピュレータ。
【請求項15】
調節のために、前記離間方向(a)に対して垂直な平面に対して平行な方向で前記ハウジング(3)に移動可能に装着され、前記調節力(K)の発生によって前記傾斜面(S)上で滑動する調節要素(61)が設けられる、請求項14に記載のマニピュレータ。
【請求項16】
前記調節要素(61)が、円錐状の作用端(64)を有するネジボルトの形態であり、前記作用端(64)によって、前記ネジボルトは、前記第1軸受輪(71)に設けられた前記傾斜面(S)において前記離間方向(a)に対して垂直な平面に対して平行な方向に滑動する、請求項15に記載のマニピュレータ。
【請求項17】
前記トランスミッションが、ウォームギア(26)とウォーム(41)とを有するウォームトランスミッション(G1)の形態であり、
前
記ギア要素(4)がウォーム(41)の形態であり、前記動作軸(w)が駆動シャフト(51)の形態であり、前記駆動シャフト(51)において前記ウォーム(41)は回転不可能に配置され、前記駆動シャフト(51)は前記受入部分(31)における、または前記受入部分(31)の中の前記ウォーム(41)の両側において軸方向で回転可能に装着される、請求項12から16のいずれか一項に記載のマニピュレータ。
【請求項18】
前記駆動シャフト(51)が、前記受入部分(31)で、および/または前記受入部分(31)の中で、前記受入部分(31)に対して回転不可能および変位不可能に配置される中空形状部材(8)において案内されて配置される、請求項17に記載のマニピュレータ。
【請求項19】
前記中空形状部材(8)が、少なくとも前記ウォーム(41)の軸方向の延長方向にわたって互いから離間される、第1部分(83)と第2部分(84)とを有し、
前記ウォーム(41)における前記ウォームギア(26)
との係合の、前記動作軸(w)の方向に関する軸方向の遊びの自由度の調節のための少なくとも前記第1部分(83)は、前記ウォーム(41)に向かう調節装置(6)の設定ユニット(67)によって軸方向に移動可能に配置される、請求項18に記載のマニピュレータ。
【請求項20】
前記中空形状部材(8)の前記第1部分(83)は、一端が前記設定ユニット(67)において支持され、他端が、前記設定ユニット(67)から前記ウォーム(41)に向かう方向に対して前軸受であ
り、前記ウォーム(41)の一端に対向して配置されて前記駆動シャフト(51)を動作軸(w)に関して軸方向で回転可能に装着する軸受
(73)に係合し、
前記中空形状部材(8)の前記第2部分
(84)は、その一端が、前記設定ユニット(67)から前記ウォーム(41)に向かう方向に対して後軸受であ
り、前記ウォーム(41)の他端に対向して配置されて前記駆動シャフト(51)を動作軸(w)に関して軸方向で回転可能に装着する軸受(7
4)
に係合し、前記一端は、設けられたクランプ要素(65)によって前記受入部分(31)において支持される、請求項19に記載のマニピュレータ。
【請求項21】
前記設定ユニット(67)が、前記動作軸(w)に対して軸方向である、前記駆動シャフト(51)の自由端がその中に突出して回転可能に装着される有底開口(66)を有し、
その端部において前記中空形状部材(8)の前記第1部分(83)に圧し掛かる前記設定ユニット(67)は、前記ウォーム(41)に向かう方向に軸方向に捩じ込み可能な前記受入部分(31)に配置される、請求項19または20に記載のマニピュレータ。
【請求項22】
前記トランスミッション(G)が、駆動側のギアホイール(2)
とギア要素(4)である被駆動側のウォームギア(26)とを有する逆ウォームトランスミッション(G2)の形態であり、
前記動作軸(w)が、駆動シャフト(51)の通過のための内部通路(81)を有する駆動可能な中空形状部材(8)の形態であり、
前記ウォームギア(26)が、前記中空形状部材(8)において回転不可能に配置され、
前記中空形状部材(8)が、前記受入部分(31)に、または前記受入部分(31)の中に回転可能に装着される、請求項12から16のいずれか一項に記載のマニピュレータ。
【請求項23】
前記トランスミッション(G)が線形トランスミッション(G3)の形態であり、
前記ギアホイール(2)が平歯構成(42)の形態であり、
前
記ギア要素(4)が歯付きラック要素(43)の形態である、請求項22に記載のマニピュレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、マニピュレータのためのアーム結合部と、アーム結合部を有するマニピュレータとに関する。マニピュレータのためのアーム結合部は、回転軸を中心に回転可能なギアホイールを有する。ギアホイールは、アーム結合部のハウジングに回転可能に装着されて配置されており、ギアホイールの端の少なくとも一方にアダプタが設けられている。ギアホイールの端部から遠い方の側において、アダプタは、回転軸に対して中心にある開口部を有する。
【背景技術】
【0002】
一般的な種類のアーム結合部は、特許文献1に開示されており、ギアホイールは、中心開口部を有するアダプタを介して駆動出力側においてハウジングに装着されたウォームギアの形態になっている。この構造は複雑である。さらに、この構造は、アーム結合部の構造および使用に関して、延いては、このようなアーム結合部を伴うマニピュレータの構造および使用に関して、実質的に変形の選択肢を何も提供しない。
【0003】
同じくウォームギアが取り付けられた、特許文献2による別のアーム結合部では、その構成は、スペーサ部分へ接続するための、より明確には、スペーサ部分の長手方向断面に対して横向きで接続するための、ウォームギアへの駆動出力側において複雑な構造で配置されたターンテーブルを有する。ここでも、単純なバリエーションの可能性を許さないデザインとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】独国実用新案第202014101342号明細書
【文献】独国実用新案第202016101255号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、一般的な種類のアーム結合部、または、一般的な種類のアーム結合部を備えたマニピュレータを、それらのアーム結合部およびマニピュレータが、より簡単な構造を有し、組み立てがより容易であり、構造および可能な使用に関してより多くのバリエーションの可能性を提供するような方法で発展させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、目的は請求項1の特徴によって達成される。有利な発展は従属項において記載されている。目的は、例えば、中心開口部が雌ネジを有することにおいてすでに達成されている。
【0007】
以下でより詳細に記載されているように、雌ネジは、アーム結合部と、例えば、マニピュレータの隣接するアーム結合部のギアホイールおよび/またはハウジングとの、迅速で安全かつ容易な接続の可能性を提供する。さらに、可能なバリエーションの拡張として、ギアホイールを直接的に駆動するためにモータのモータシャフトへの連結を行うことが可能である。このようにして、2つの隣接するアーム結合部の間で、さらには次の1つのアーム結合部と隣接するアーム結合部との間で、特定の種類の連結を行うことができる。これにより、連結されたアーム結合部同士の間での特定の相対移動、アーム結合部からアーム結合部へのトルク伝達形態、および/またはトルクの伝達を許容する。
【0008】
アダプタの雌ネジにおいて、雄ネジを有する構成要素とのネジ係合を用いることで、構成要素とギアホイールとの間の動作連結を行うことが可能である。例えば、その構成要素は、さらなるアーム結合部の一部、または、結合部軸に作用するモータの一部であり得る。
【0009】
本発明の有利な発展では、ハウジングは、ギア要素を受け入れるための受入部分を有し得る。そのギア要素は、回転軸に対して横断する方向に配置され得る。ギア要素は、ギアホイールの周囲に動作的に連結され得る。これにより、ギアホイールとギア要素とで、トルクの変換のためのトランスミッションを形成する。ギアホイールの周囲は、例えば、周囲のネジ山、または、平歯もしくは傘歯の構成のような歯の構成を有し得る。周囲の設計は、ギアホイールとさらなる駆動要素とによって構築されるトランスミッションのそれぞれの種類に依存する。これは、以下において例を用いてさらに詳細に記載されている。
【0010】
ギアホイールの装着は、例えば滑り軸受、具体的には複列玉軸受といった玉軸受、またはころ軸受のような、任意の適切な軸受を用いてもたらされ得る。有利には、プラスチックの滑り軸受といったプラスチック軸受が装着の目的のために使用され得る。すでに知られているように、プラスチック軸受は潤滑剤を使用せず、そのためメンテナンスフリーとできる。ギアホイールは、軸方向において変位不可能に保持されるような方法で装着されてもよい。装着は、円周方向へのギアホイールの自由な動きを許容するラジアル-アキシアル軸受を用いてもたらされ得る。
【0011】
アダプタは、回転軸の周りに回転可能にハウジングに装着され得る。伝達構成要素の装着は、アダプタを用いることのみによってもたらされ得る。アダプタは、個別の構成要素、好ましくは、一体品の構成要素であり得る。アダプタは、ギアホイールに機械的または一体に連結でき、具体的には、材料で接合される関係で連結できる。雌ネジを備えるアダプタは、ギアホイールに少なくとも回転不可能に連結されて配置でき、具体的には、ギアホイールと固定または一体品で配置され得る。中心開口部は、円形の断面のものとでき、回転軸の方向においてギアホイールへと導入され得る。具体的には、中心開口部は外部からアクセス可能である。
【0012】
知られているように、一般的な定義によれば、トルクは、回転軸を用いてではなく対照的に回転シャフトを用いて、回転シャフトに装着されているギアホイールのような伝達構成要素へと伝達される。しかしながら、通常の言語の用法に基づいて、トルクが回転と共に伝達できる場合であっても、以下において回転軸が参照される。そのため、シャフトまたはスピンドルとしての回転軸の実際の機能が、その文脈から派生する。
【0013】
ハウジングという用語が、アーム結合部が構築されるフレーム構造またはベース構造も含むことは、理解されるものである。
【0014】
ギアホイールは、その2つの端においてアダプタを有することができ、2つのアダプタを介してハウジングにおいて回転可能に装着できる。具体的には、ギアホイールの装着は、回転軸に対して対称にもたらされ得る。ギアホイールは、回転の伝達軸との関係において、回転軸の両端において、それぞれのアダプタを介してハウジングに回転可能に装着できる。ギアホイールの両側における軸受は同じ構成のものであり得る。
【0015】
具体的には、両方のアダプタは、ギアホイールの端から遠い方の側において、雌ネジを有する開口部をそれぞれ有することができ、開口部は回転軸との関係において中心にある。2つ以上のアーム結合部を備えるマニピュレータを構築するために、ギアホイールの両端において軸方向で隣接するアーム結合部への動作可能な接続を確立し得る。その接続は、モータの回転軸のようなトルク軸、および/または、延在部、結合手段、または器具のような他の構成要素との関係においても行うことができる。それらの接続の選択肢は、一方の側に可能な動作接続用の選択肢を選択し、他方の側に別の可能な動作接続用の選択肢を選択することで組み合わされてもよい。
【0016】
ギアホイールおよび/またはギア要素はハウジングおよび/またはギアホイールと遊びのない関係でそれぞれ配置され、ギア要素は遊びのないことと協働するように配置されることは有利であるとみなされる。遊びのないことは、高レベルの動作の滑らかさと、動作中のトランスミッションの摩耗の低減とを達成することを可能にする。遊びのないことは、例えば、それぞれの協働する構成要素の間での摩耗のために起こった遊びを補償するために、再調節または設定できるようになっていてもよい。調節装置が、ハウジングに対するギアホイールおよび/またはギア要素の調節のために有利に設計され得る。さらに、または、加えて、調節装置は、互いに対するギアホイールおよびギア要素の調節のために供することができる。
【0017】
アーム結合部の発展において、ギア要素は、回転軸に対して離間方向において離間した動作軸を有する。その動作軸を用いることで、ギア要素はハウジングの受入部分の中に装着されて配置され得る。具体的には、動作軸は回転軸に対して横向きで配置され得る。構造的に単純な様態では、動作軸は、回転軸に対して垂直であり得る。回転軸と動作軸とは交差しないような方法で配置され得る。具体的には、回転軸と動作軸とは平面に対して平行に配置され得る。
【0018】
平面は、動作軸と回転軸との間で離間方向に延びる間隔に対して垂直に延び得る。離間方向は、回転軸に対して径方向に延びることができ、より明確には、ギアホイールからギア要素に向けて延びることができる。
【0019】
ギアホイールとギア要素とは、互いに対して移動可能に配置でき、離間方向における遊びのないことを、離間方向に関して軸方向で調節するために固定的に配置され得る。離間方向における遊びの調節のための相対的な移動は、ギアホイールおよび/またはハウジングに対するギア要素の変位によってもたらされ得る。
【0020】
相対的な移動性は調節の目的のためだけに提供され、その点において、互いに対して遊びなしで配置されるため、遊びの方向における相対的な移動性を必然的に伴わない。好ましくは、間隔は動作軸と回転軸との間の最小間隔である。有利には、調節または設定は、離間方向において動作する傾斜平面における滑動での移動を用いてもたらされ得る。好ましくは、ギアホイールのみが、ハウジングに対して、調節方向における調節のために移動可能に配置される。ギア要素は、調節方向における直線運動に関して、ハウジングに対して静的に配置され得る。
【0021】
ギアホイールのための軸受は、ハウジングと関連付けられる第1の軸受輪と、ギアホイールと関連付けられる第2の軸受輪とをそれぞれ有し得る。離間方向との関係において軸方向の遊びの自由度を調節するために、調節力が、ギアホイールからギア要素に向かう方向における傾斜面を介して第1の軸受輪へと結び付けられ得る。傾斜面は、ギア要素への離間方向に方向成分を有する面法線を適切に有し得る。傾斜面は、離間方向に対して好ましくは一定の傾斜角で傾斜されて配置され得る。傾斜角は、45°以下、30°以下、または10°以下であり得る。好ましくは、傾斜角は、滑動運動に自己係止効果を提供するように寸法決めされている。周知のように、自己係止のための必須条件は、互いに圧し合うかまたは接触している2つの部材の滑りまたは回転を妨げることになる、滑動中の摩擦によって引き起こされる抵抗が、前記部材同士のこのような相対的な滑動の移動に抗する静摩擦以下であることである。
【0022】
ハウジングに移動可能に装着される少なくとも1つの調節要素は、調節装置の一部として提供され得る。具体的には、調節要素は、ハウジングにおいて離間方向に対して横向きで移動可能に配置でき、具体的には固定され得る。個別の要素は傾斜面において滑動でき、調節力を発生させる。その目的のために、調節要素および/または第1の軸受輪は、それぞれ、滑動が生じる傾斜面を有することができる。
【0023】
構造的に有利な単純な実施形態では、調節要素は、円錐形の作業端を有するネジボルトの形態とすることができ、この作業端によって、ネジボルトは、第1の軸受輪に設けられた合致する調節凹部へと、調節方向に対して横向きに滑動する。有利には、機械的な力の観点から、ネジボルトと調節凹部とは、第1の軸受輪の領域の高さに位置決めでき、その領域は、ギア要素からギアに向かう方向との関係において、上部の領域である。好ましくは、その領域は第1の軸受輪の最上部領域である。ネジボルト自体は、ハウジングにおけるネジの移動性で、好ましくはハウジングとの自己係止ネジ係合で配置され得る。傾斜モーメントを回避するために、それぞれの調節要素は、遊びのないことの調節がギアホイールの両側においてもたらされ得るように、ギアホイールの両側に設けられ得る。
【0024】
アーム結合部のさらなる仕様において、ギア要素が、動作軸の方向において線形に移動可能に配置され得る、および/または、ハウジングのそれぞれの受入部分において動作軸の周りに回転可能に配置され得る。ギア要素は、相対的な線形移動のための歯付きラックのような線形要素の形態であり得る。ギアホイールと共に、線形トランスミッションを提供できる。動作軸の周りに回転可能である実施形態の場合には、ギア要素は、例えば、ウォームトランスミッションのためのウォームの形態、または、逆ウォームトランスミッションのための平歯車の形態であり得る。
【0025】
動作軸に対して軸方向である遊びの自由度の設定のために、ギア要素は、動作軸の方向におけるハウジングに対する位置において可変となるように配置され得る。位置における変化は、例えば、所定の遊びのない装着構成から生じる逸脱を補償するために、公差の積み重ねにより組み立てるとき、および/または、摩耗により動作するときのみ、若干の範囲で移動することができるが、必ずしも移動する必要があるわけではない。
【0026】
トランスミッションがウォームギアおよびウォームを備えたウォームトランスミッションの形態にあるとき、ギア要素はウォームの形態となることができ、動作軸は駆動シャフトの形態となることができる。ウォームは動作軸において回転不可能に配置され得る。さらに、動作軸は、好ましくは受入部分における、または受入部分の中のウォームの両端において軸方向で回転可能に装着され得る。軸受は、それぞれの端においてウォームを軸方向で支持できる。従来の通り、ウォームギアは歯の構成を有し得、具体的には、ウォームのネジ山に合致する螺旋状の歯の構成を有し得る。
【0027】
駆動シャフトは中空形状部材において案内されるように配置され得る。これは駆動シャフトのための保護も提供する。この目的のために、中空形状部材は、駆動シャフトのための好ましくは中央通路を有することができ、通路は、好ましくは、中空形状部材の長手方向中央で延びる。この構成において、中空形状部材は、理想的にはトルクをアーム結合部に繋げることなく、保護の目的だけのために、具体的には、駆動シャフトを中空形状部材に通すために供することができる。駆動シャフトは、通路における径方向の滑りを伴って配置され得る。ウォーム駆動部の場合、中空形状部材は、受入部上、および/または受入部分内で、受入部分に対して回転不可能および変位不可能に配置され得る。駆動シャフトは中空形状部材に取り付けられ得る。
【0028】
中空形状部材は、少なくともウォームの軸方向の範囲にわたって互いから離間して配置される2つの部分、すなわち、第1の部分と第2の部分とを有し得る。少なくとも第1の部分は、ウォームに向かう調節装置の提供された設定ユニットを用いて、駆動シャフトにおけるウォームの軸方向の遊びの自由度の設定のために軸方向に移動可能に配置され得る。軸方向の移動可能性は、ギアホイールおよびギア要素の動作連結の遊びの調節と関連して以前にすでに述べられているように、同様に補償される遊びの大きさの程度で変化することができる。この遊びは設定ユニットの調節によって排除させることができる。
【0029】
2つの部分は、ウォームから離れる方を向く端部領域において、受入部分において反対方向にそれぞれ配置され得る。特に、中空形状部材の第1の部分は、設定ユニットにおける一端と、ネジに向けて反対の関係で配置される設定ユニットの他端とに装着され得る。設定ユニットはさらに受入部分に装着され得る。対応して、中空形状部材の第2の部分は、その一端がネジに向かい、その一端が受入部分に対して装着され得る。中空形状部材の第1の部分は、設定ユニットを介して支持でき、中空形状部材の第2の部分は、受入部分に設けられたクランプ要素によって支持されてもよく、該クランプ要素は、動作軸との関係においてハウジングにおける当接部に軸方向で捩じ込まれる。従来通り、クランプ要素は、2つの軸方向のスリーブ、すなわち径方向内側のスリーブと径方向外側のスリーブとを有し得、円錐状のネジ山を用いてネジ係合されている。捩じ込みが進むにつれて、外側のスリーブは、中空形状部材における内側のスリーブを介して増加する押圧力を及ぼし、これは中空形状部材との摩擦係合をもたらし得る。その場合、中空形状部材は、ハウジングに捩じ込まれるクランプ要素を用いてハウジングに固定される。押圧力が発生しない場合、ハウジングに捩じ込まれるクランプ要素は滑り軸受として機能する。
【0030】
ウォームは、特に圧入によって、軸方向に変位不可能な関係で駆動シャフトに配置され得る。遊びのない部分同士の間隔は、ウォームおよび駆動シャフトの装着の軸方向の範囲と正確に等しくあり得る。
【0031】
設定ユニットは、ギア要素との関係において、動作軸の方向において動作することができる。遊びの自由度を調節するために、設定ユニットは、中空形状部材の第1の部分を、その装着手段を介して、中空形状部材の第1の部分から中空形状部材の第2の部分に向かう方向において、軸方向にウォームに当てて押し付けるように設計され得る。特に、中空形状部材の第1の部分は、その一端が設定ユニットにおいて支持され、その他端が、設定ユニットからウォームに向かう方向に関して前軸受である装着構成の軸受において係合され得る。したがって、中空形状部材の第2の部分は、その一端が、設定ユニットからウォームに向かう方向に関して後軸受である軸受において係合される状態で支持され得る。その点において、その一端は、提供されているクランプ要素を用いて受入部分において支持され得る。
【0032】
したがって、中空形状部材の2つの部分の軸方向の間隔は、ウォームの軸方向の範囲だけでなく、中空形状部材における駆動シャフトの前軸受および後軸受の軸方向の範囲も含み得る。好ましくは、クランプ要素および/または設定ユニットのネジ山は自己係止ネジ山である。
【0033】
アーム結合部の特定の構成において、設定ユニットは、動作軸に対して軸方向に有底開口部を有し得る。駆動シャフトには、軸方向の有底開口部へと自由に突出する自由端が配置され得る。設定ユニットは、一方において受入部分に固定でき、他方において、例えば、端において、動作軸に関して前軸受上に載り、中空形状部材に変位可能に装着されるスリーブのような構成要素を有し得る。設定ユニットの提供された設定手段を用いて、スリーブは、遊びがなくなるまで、前軸受の軸方向の変位でウォームにさらに押し付けられ得る。特に、設定ユニットは袋ナットの様態で設計され得る。有利には、設定手段は外部から作動可能であり得る。設定手段は、ネジ係合を伴う伝達手段を有し得る。ネジ係合は自己係止であり得る。
【0034】
ネジ要素を回転させることにより、前軸受を軸方向に変位させて遊びがなくなるまで、所与の遊びを設定することができる。例えば遊びが摩耗のために生じるときに再調節が必要な場合、生じた遊びは設定手段の作動によって再び容易に解消できる。
【0035】
アーム結合部の別の発展では、トランスミッションは、逆ウォームトランスミッションとして設計され得る。逆ウォームトランスミッションでは、通常のウォームトランスミッションとは異なり、ギア要素はギアホイールによって駆動され得る。特に、動作軸がモータシャフトのような駆動シャフトを受け入れるための内部通路を伴う駆動可能な中空形状部材の形態にあることが提供され得る。ギアホイールは中空形状部材において回転不可能に配置され得る。中空形状部材はさらに受入部分上に、または受入部分の中に移動可能に装着され得る。これにより、駆動シャフトとしての中空形状部材に加えて、通路内に延びるさらなる駆動シャフトを設けることができ、これは、理想的にはトルクを中空形状部材に伝達することなく、例えばトルクを隣接するアーム結合部へと繋げるためにアーム結合部を超えて中空形状部材によって案内される可能性を提供する。
【0036】
ギアホイールは、周方向の雄ネジを有することができ、さらなる伝達構成要素は、雄ネジに適合される平歯構成を有し得る。雄ネジを有するギアホイールは、さらなる伝達構成要素における平歯構成とネジ係合している。好ましくは、ウォームトランスミッションでは、ウォームギアとして設計されたギア要素の雄ネジのネジピッチは、逆ウォームトランスミッションにおける「ウォーム」の形態にあるギアホイールの雄ネジのネジピッチより大きく、具体的には約1.5倍~4倍大きい。構造上の理由により、逆ウォームトランスミッションにおける小さいネジピッチの結果として、可及的に起こる遊びは、ウォームトランスミッションの場合における遊びよりさらに小さくできる。
【0037】
アーム結合部のさらに有利な構成では、線形トランスミッションの一部として、ギアホイールはスプロケットの形態にあり、ギア要素は線形要素の形態であり、具体的には歯付きラック要素の形態であることが提供され得る。歯付きラック要素は、同時に、動作軸を形成でき、受入部分において線形に変位可能に配置され得る。有利な発展では、線形要素、具体的には歯付きラック要素は、設置位置においてギアホイールに向けて開いている中空形状部材において受入溝に配置することができる。その場合、受入溝は、線形要素が、動作軸の方向において変位不可能に配置され、動作軸との関係において周方向に配置されるように、線形要素に合致させられ得る。好ましくは、線形要素は不変位置において受入溝に配置される。
【0038】
中空形状部材は、可能性のあるバリエーションの増加という点でも有利でもある、多機能形状部材の形態でもあり得る。
【0039】
その目的のために、前述したように、中空形状部材は、線形トランスミッションの形態におけるトランスミッションにおいて、線形要素、具体的には、歯付きラック部分のための受入溝を有することができ、この受入溝は設置位置においてギアホイールに向けて開口している。中空形状部材の有利な特徴としてすでに記載されているように、中空形状部材の長手方向に延びる可及的な通路状の貫通開口、または、駆動シャフトもしくはモータ駆動シャフトのための内部通路は、中空形状部材の有利な特徴としてすでに記載されている。
【0040】
また、中空形状部材は、移動センサもしくは磁気テープのようなセンサ要素、および/または、制御部、および/または、センサ要素のための供給配線を受け入れるためのさらなる受入溝を有し得る。好ましくは、さらなる受入溝が、中空形状部材の動作軸の径方向で反対側の外側に配置される。また、中空形状部材は、線形移動を制限するための当接装置を有してもよく、例えば線形トランスミッションまたはウォームトランスミッションについて、具体的には、中空形状部材をハウジングの受入部分に回転不可能に結び付けるための固定要素のための横方向にアンダーカットされた受入溝を有する。その目的のために、例えば、関連する受入溝の断面に適合したアンカー要素が設けられてもよく、アンカー要素は、少なくとも横方向の受入溝のうちの1つにおいて、変位可能に配置され、具体的には、その受入溝において固定可能に配置される。このようなアンカー要素を用いることで、中空形状部材は、ハウジングに対して回転不可能および変位不可能にも保持され得る。
【0041】
本発明の目的を達成するために、および、バリエーションの可能性を高めるために、構造のさらに特に有利な単純化において、アーム結合部全体および/またはギア要素はそれぞれモジュール構造のものであることが提供され得る。駆動構成要素およびさらなる駆動要素は個別のモジュール構成要素であり得る。それらモジュール構成要素は、ギアホイールの支持手段がその目的のために変更される必要なく、ウォームトランスミッション、逆ウォームトランスミッション、または平歯車トランスミッションのような所与の種類のトランスミッションを製作するため、トランスミッションを形成するように組み合わせられる。同様の検討は、モジュール構成要素の形態での関連するアダプタに当てはまり、モジュール構成要素は、有利には、記載された種類のトランスミッションのために広く使用できるような設計のものとできる。
【0042】
この方法では、モジュール構成要素は、容易に交換可能であり、互いと異なってもよい。すぐに明らかとなるように、このようなモジュール構造は安価である。例えば、モジュール構造システムに、異なる種類のトランスミッション、異なるトランスミッションの大きさ、ハウジング、カバーもしくは末端要素のようなハウジング部分、アダプタ、および/または中空形状部材のモジュール構成要素を提供することが可能である。
【0043】
アーム結合部は、モータ手段によって駆動可能となるように設計され得る。アーム結合部は、電気モータと、モータトルクの変換のためのトランスミッションとを伴うモータ駆動部の一部であり得る。その目的のために、関連するモータは、アーム結合部との関係において離間して配置され得る。モータはトランスミッションから遠くに配置され得る。これは、アーム結合部自体を構造的により小さくして、したがってより持ち運びしやすく保つことができ、また、モータによって発生させられる廃熱が、あったとしても、アーム結合部にわずかしか作用できないという利点を有する。有利には、トランスミッションはモータによって直接的に駆動され得る。具体的には特定の記載から分かるように、モータトルクは、例えば駆動スピンドルを用いて、ギアホイールまたはギア要素へと伝達され得る。
【0044】
さらなる利点は、最大トルクならびに動作電圧の種類およびレベルのような所与の条件に基づいて選択され得る一連の異なるモータが使用に適していることである。有利には、モータはブラシレス直流モータの形態であり得る。
【0045】
特に有利には、以前および以後に記載されている実施形態のうちの1つによるアーム結合部を少なくとも1つ有するマニピュレータが提供され得る。具体的には、マニピュレータは、互いと動作関係で配置される少なくとも2つのアーム結合部を有し得る。少なくとも2つのアーム結合部の構造上の構成は、少なくともギアホイールおよびギア要素まで同じであり得る。
【0046】
少なくとも2つのアーム結合部は互いに機械的に連結され得る。2つのアーム結合部は、力での動作、運動での動作、および/または案内での動作の関係で、連結装置を用いて連結位置において相互連結され得る。少なくとも2つのアーム結合部は、回転軸に関して、互いに対向して同軸で一列にされた関係で配置され得る。具体的には、少なくとも2つのアーム結合部は、共通の回転軸の周りに回転可能に装着され得る。少なくとも2つのアーム結合部は、回転軸との関係において、それらアーム結合部の端において互いに対向する関係で配置され得る。その目的のために、互いに対向するアーム結合部の端面は中心開口部をそれぞれ有し得る。中心開口部は互い一列にされた関係で配置され得る。具体的には、少なくとも2つのアーム結合部の中心開口部は同じ構成のものであり得る。
【0047】
連結装置は平行なコネクタを有することができ、それらコネクタを用いることで、連結位置における少なくとも2つのアーム結合部は、相互に平行な関係において、回転軸に対して垂直な平面に関して配置され、互いに対して変位不可能に軸方向で保持される。連結位置における平行なコネクタは、少なくとも2つのアーム結合部の離間した平行な位置決めのために、および/または、少なくとも2つのアーム結合部を連結することのために供することができる。また、平行なコネクタを用いることで、少なくとも2つのアーム結合部と、加えて、さらに直接的または間接的に隣接するアーム結合部とは、平行な離間した関係で保持され、連結され得る。具体的には、平行なコネクタは、回転軸に対して少なくとも実質的に回転対称であり得る。
【0048】
有利には、連結装置は、連結位置における平行なコネクタがアーム結合部の所与の構成要素と機能的および動作的に係合するように設計され得る。マニピュレータのさらなる設計仕様では、内部コネクタの形態において少なくとも1つの径方向内側に配置された平行なコネクタが、隣接するアーム結合部の端において互いに対向する中心開口部へとトルク伝達する関係で係合することが、回転軸に関してそれぞれ提供され得る。また、外部コネクタの形態で径方向外向きに配置された平行なコネクタが、端と端とを接して隣接する関係でのアーム結合部のハウジングにおける係合のために設計されて設けられ得る。また、回転軸に対して横向きに延び、横コネクタの形態である平行なコネクタが設けられてもよく、その平行なコネクタは、その端において別のアーム結合部に隣接するアーム結合部のハウジングと、アーム結合部の中心開口部へと径方向内側へのトルク伝達の関係で係合するように適合され、中心開口部に対して径方向で離間される。
【0049】
一方のアーム結合部の回転の伝達軸から他方のアーム結合部の回転の伝達軸へのトルクの伝達が、2つのアーム結合部の連結を介してもたらされることが提供され得る。その目的のために、2つのアーム結合部のハウジングと2つのアーム結合部の回転軸とはそれぞれ一体に固定して連結される。有利な単純な様態では、2つのアーム結合部の回転軸は、内部コネクタを介して回転不可能に一体に連結でき、2つのアーム結合部のハウジングは、外部コネクタを介して回転不可能に連結され得る。
【0050】
あるいは、2つのアーム結合部の間の連結は回転連結の形態であってもよい。回転連結では、2つのアーム結合部の一方の回転軸に作用するトルクは、他方のアーム結合部のハウジングへと伝達され得る。具体的には、2つのアーム結合部が、回転軸に対して横向きに延びる横コネクタを用いて回転可能に一体に連結されることが提供され得る。横コネクタは、2つのアーム結合部の一方の回転軸に、径方向内側の端部で、回転不可能な関係において、具体的には、回転不可能かつ変位不可能な関係において、連結され得る。また、径方向外側の端部を有する横コネクタは、一方のアーム結合部のハウジングに滑動または転動可能に連結でき、他方のアーム結合部のハウジングに固定的に連結できる。このようにして、一方のアーム結合部のハウジングは、滑動または転動可能な関係で横コネクタの径方向外側端部分に圧し掛かることができる。
【0051】
マニピュレータのさらなる実施形態では、少なくとも2つのアーム結合部は、他方のアーム結合部上に一方のアーム結合部のための回転案内手段を形成するように互いに連結されていてもよい。具体的には、回転軸の周りに回転させられるアーム結合部は他方のアーム結合部上で案内され得る。具体的には、案内手段によって引き起こされ得る摩擦損失を除き、これは、一方のアーム結合部から他方のアーム結合部へのトルクの実質的な伝達なしで起こり得る。例えば、摩擦表面におけるテフロン(登録商標)被覆のような通常の方策が、摩擦を低減するために提供され得る。平行なコネクタによる有利に単純な様態では、2つのアーム結合部の回転軸は、内部コネクタの形態で径方向内側に配置された平行なコネクタを用いることと、外部コネクタの形態での径方向外側に配置された平行なコネクタが、他方のアーム結合部のハウジングに滑動または転動で移動可能な関係で、一方のアーム結合部のハウジングに回転不可能に連結されることとによって、固定的に連結できる。あるいは、回転案内手段を提供するための外部コネクタは、一方のアーム結合部のハウジングに滑動および転動能に連結でき、他方のアーム結合部のハウジングに回転不可能に連結できる。
【0052】
内部コネクタを介した回転軸の回転不可能な連結は、回転案内手段において、2つのアーム結合部が一体に軸方向で保持されることを第一に提供する。回転案内手段では、一方のアーム結合部は、他方のアーム結合部上において、つまり、他方のアーム結合部のハウジング上において、回転案内手段の回転で案内される。さらに、生じる可能性のある摩擦損失を除いて、トルクは他方のアーム結合部に伝達されない。これの結果は、例えば他方のアーム結合部の伝達は、例えばモータトルクに繋がることについて、なおも「自由」であるということである。
【0053】
平行なコネクタは、それぞれの係合を提供するために、連結位置において向かい合う中心開口部の一方または両方の開口部へとトルク伝達するように係合するように設計される限り、それぞれの中心開口部の雌ネジに適合された雄ネジを有する端部を有し得る。連結位置において、2つのネジ山は、互いへとトルク伝達する関係で係合する。その目的のために、ネジ連結を作り出すための適切な捩じ込み移動が当接部のおかげで制限できる。これに対応して、内部コネクタは、2つのアーム結合部の回転不可能な連結を作り出すために、軸方向で隣接する2つのアーム結合部の、設置位置において互いに対向する中心開口部への係合のための雄ネジを備える部分を各々有する2つの自由端を有することができる。回転不可能な連結では、一方の結合部のギアホイールから他方の結合部のギアホイールへのトルクの直接的な伝達が実施できる。
【0054】
雄ネジに対する雌ネジの相対回転が連結位置において阻止されることは、特有の利点として見なされる。具体的には、雌ネジと雄ネジとは互いに固定される。これは、中心開口部の雌ネジとのネジ係合にある雄ネジを有する部分の、回転軸との関係において遊びのない構成を可能にする。具体的には、ボルト、ピン、またはネジ要素のような少なくとも1つの阻止要素が、中心開口部の雌ネジと端部分の雄ネジとの遊びのないネジ係合のために提供され得る。連結部分における阻止要素は、回転軸との関係において軸方向に、2つの相互係合するネジの間で同じ合致する阻止開口部へと導入されるように配置され得る。阻止開口部は、両方のネジのそれぞれに同一の半円形の溝を設けることによって製作でき、それによって、2つの溝は、2つのネジ山の所与の相対回転位置において円形の阻止開口を提供するように一体になる。端部は、連結位置に到達するように、当接部に対して遊びのないように中心開口部へと捩じ込まれ得る。そのため、阻止要素は2つのネジの間に導入され得る。阻止要素は、ネジの阻止係合によって、遊びのない回転不可能な連結を可能にする。好ましくは、阻止要素が所定位置へと捩じ込まれることで、中心開口部を有する2つの構成要素はそれらの端において互いに対して捩じ込まれる。
【0055】
阻止要素は、両方のネジと交差する回転軸と平行に導入できる。2つのネジ山との関係において、ネジ係合状態にある雄ネジと雌ネジとが回転軸に関して径方向で重なり合うオーバーラップ領域を設けることが可能である。オーバーラップ領域は、中心開口部の円筒形状に対応する中空円筒形のものであり得る。
【0056】
例えば、ネジ連結において遊びのないことが摩耗のために失われる場合、2つの構成要素はもはやそれらの端において遊びのない関係で互いに圧し掛かっていないことによって、阻止要素を解放することができ、遊びなしに構成要素互いに捩じ込み、延いては阻止要素をネジ山同士の間に再導入させることができる。
【0057】
好ましくは、例えば6個または8個といった複数の阻止開口部が設けられ、これらは好ましくは連結位置において周方向に等間隔に配置され、さらに、回転軸に関して同じ半径上に配置される。阻止開口部を構成する溝の数は、阻止開口部を形成するために溝が再び一体になる位置である再調節のための回転位置に到達するのに必要な回転角度を減少させる。
【0058】
有利な実施形態では、マニピュレータはモジュール構造のものであり得る。個別のモジュールは、例えば、それら自体でのアーム結合部、モータ、具体的にはギアホイールまたはさらなる伝達構成要素といったトランスミッションへのトルクの伝達のためのモータシャフト、ハウジング、ギアホイール、さらなる伝達構成要素、アダプタ、平行なコネクタのようなさらなる連結構成要素のようなアーム結合部のそれぞれ個別の構成要素、および/または中空形状部材であり得る。
【0059】
本発明のさらなる詳細および利点は、保護の範囲を制限することなく、添付の図面を参照する好ましい実施形態の説明から、以下で明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【
図2A】
図1のアーム結合部と同様であるが調節装置を伴うアーム結合部のさらなる実施形態の図である。
【
図2B】
図1のアーム結合部と同様であるが調節装置を伴うアーム結合部のさらなる実施形態の
図2AのA-A矢視図である。
【
図3】トルク伝達で連結されたモータを伴うアーム結合部のさらなる実施形態の図である。
【
図4】トルク伝達で連結されたモータを伴うアーム結合部のさらなる実施形態の図である。
【
図5】トルク伝達で連結されたモータを伴うアーム結合部のさらなる実施形態の図である。
【
図6】
図1~
図5の協働する伝達部材を個別に示した側面図である。
【
図7】アーム結合部のさらなる実施形態の回転軸との関係における断面図であり、ここでは逆ウォームトランスミッションを伴っている。
【
図8】
図7の伝達部材の協働の個別の図を伴う側面図である。
【
図9】
図7の伝達部材の協働の個別の図を伴う側面図である。
【
図10】ここでは線形トランスミッションを伴うアーム結合部のさらなる実施形態の側面図である。
【
図11】
図10のアーム結合部の回転軸に関する断面図である。
【
図12A】中空形状部材を示す図であり、磁気テープを伴う構造を示す。
【
図13】
図11のアーム結合部のための歯付きラック形状部材の斜視図である。
【
図14】ハウジングに固定され得るセンサ手段の斜視図である。
【
図15】ここではモータシャフトのための端案内挿入体を伴う、
図1のアーム結合部の実施形態の側面図である。
【
図16】
図15のアーム結合部の回転の伝達軸に関する長手方向のC-C矢視図である。
【
図17】
図16に示されている部分Jの拡大した縮尺での図である。
【
図19】マニピュレータの実施形態の、2つの固定的に相互連結されたアーム結合部IVおよびVの斜視図である。
【
図21A】
図18の2つのアーム結合部のハウジングを回転不可能に連結するための外部コネクタの図である。
【
図21B】
図18の2つのアーム結合部のハウジングを回転不可能に連結するための外部コネクタの図である。
【
図22】
図18の2つのアーム結合部の2つの回転結合軸を固定的に連結するための内部コネクタの斜視図である。
【
図23】マニピュレータのさらなる実施形態の2つの回転可能に相互連結されたアーム結合部IおよびIIの断面図である。
【
図24A】
図23の2つのアーム結合部の回転連結のための横コネクタの図である。
【
図24B】
図23の2つのアーム結合部の回転連結のための横コネクタの図である。
【
図25A】アーム結合部IおよびIIが一体に回転可能に連結され、アーム結合部IIおよびIIIが回転案内する関係で一体に連結されている、マニピュレータのさらなる実施形態の3つの相互に連結されたアーム結合部I~IIIの斜視図である。
【
図25B】アーム結合部IおよびIIが一体に回転可能に連結され、アーム結合部IIおよびIIIが回転案内する関係で一体に連結されている、マニピュレータのさらなる実施形態の3つの相互に連結されたアーム結合部I~IIIの長手方向の断面図である。
【
図26A】アーム結合部IIおよびIIIの間で回転案内手段を実施するための外部コネクタのさらなる実施形態の図である。
【
図26B】アーム結合部IIおよびIIIの間で回転案内手段を実施するための外部コネクタのさらなる実施形態の図である。
【
図27】マニピュレータのさらなる実施形態の2つの固定的に相互連結されたアーム結合部IVおよびVの斜視図である。
【
図28】アーム結合部Vと平行に回転可能な追加のアーム結合部Vを伴う、
図27の長手方向の断面図である。
【
図29A】端にモータトルクが伝達されるように結合されている、
図25に示されている回転可能に相互連結された2つのアーム結合部IおよびIIの斜視図である。
【
図29B】端にモータトルクが伝達されるように結合されている、
図25に示されている回転可能に相互連結された2つのアーム結合部IおよびIIの長手方向の断面図である。
【
図30】
図25Aおよび
図25Bに示されている3つのアーム結合部と、
図28に示されている3つのアーム結合部とを伴うマニピュレータのさらなる実施形態の側面図である。
【
図31】
図28に示されている3つのアーム結合部と、
図23に示されている2つのアーム結合部とを伴うマニピュレータのさらなる実施形態の長手方向の断面図である。
【
図32A】モータを用いて連続して駆動される3つのアーム結合部を伴うマニピュレータのさらなる実施形態の側面図である。
【
図32B】モータを用いて連続して駆動される3つのアーム結合部を伴うマニピュレータのさらなる実施形態の長手方向の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0061】
本明細書では、上、下、前、後、右、および左のような場所を記載するためのすべての用語は、他に定められていない場合、それぞれの図自体において示される通りの意味である。
図1~
図18は、これに限定されることなく、マニピュレータMのためのアーム結合部1の可能な実施形態を異なる図および部分図で示している。
図19~32は、一体に組み合わされ、動作的に一体に連結されているアーム結合部1を有するマニピュレータMの可能な実施形態を示している。アーム結合部1の複数のさらなる組合せおよび結合が可能であり、それらも保護の範囲に含まれることになるのは直ちに明らかである。
【0062】
具体的には
図1、
図2、
図5、
図8、
図11、
図16、
図20B、
図25B、
図28、
図29B、および
図32Bから分かるように、アーム結合部1は、回転軸gの周りに回転可能であるギアホイール2を各々有する。ギアホイール2は、アーム結合部1のハウジング3において回転可能に装着されている。図に示されたアーム結合部1の実施形態では、アーム結合部1の両方の端21においてそれぞれのアダプタ22を有している。ギアホイール2は、2つのアダプタ22を用いたそれぞれの軸受7を介して、すなわち、回転軸gとの関係において両側において、ハウジング3に回転可能に配置されている。
図18Aおよび
図18Bは、ここでは独立した構成要素であるアダプタ22の個別の図を各々示している。あるいは、アダプタ22のうちの少なくとも一方は、ギアホイール2に一体的に連結されてもよい。
【0063】
2つのアダプタ22は、ギアホイール2の端21から離れる方を向く側面23と、回転軸gに関して中心であり、雌ネジ25を有する開口部24とを各々有する。少なくとも、2つのアダプタ22の一方だけに中心開口部24を設けることも可能である。
図18Aおよび
図18Bが示すように、アダプタ22は各々、軸方向に突出した、円筒形状の押込み突起221を有し、突起221は、半径上に配置され、周方向で等間隔に配置され、取付位置において、ギアホイール2に設けられた、対応するプラグ開口部222へと軸方向にそれぞれ係合する。突起221を有するアダプタがギアホイールの両側に設けられているため、開口部222は貫通開口の形態をとり、取付位置において、対応する突起221が両側からそれら貫通開口部へとそれぞれ係合する。アダプタ22およびギアホイール2は全体として、それぞれ、回転軸gに関して回転対称である。
【0064】
ハウジング3は、さらなるギア要素(ギア要素)4を収容するための受入部分31を有する。さらなるギア要素4は、動作軸w上で回転軸gに対して横切る方向で配置されている。動作軸wは回転軸gと離間して配置されている。さらなるギア要素4は、動作軸wを介して受入部分31に装着して配置されている。図示されたアーム結合部1の実施形態では、両方の軸、つまり動作軸wと回転軸gとは、動作軸wと回転軸gとの間の間隔に対して垂直な方向に延びる平面と互いに平行に、かつ離間した関係で延びており、前記間隔は離間方向aに延びている。この場合の間隔は、2つの軸の間の最小の距離である。回転軸gと動作軸wとは交差していない。
【0065】
ギア要素4は、ギアホイール2の周囲に動作的に連結され得る。ギアホイール2とさらなるギア要素4とは、アーム結合部1へと繋げられたモータトルクの伝達のためのトランスミッションGを形成している。モータ5自体は、それぞれ関連付けられたアーム結合部1から離間されて配置されている。
【0066】
ギアホイール2とさらなるギア要素4とは、離間方向aに関して軸方向で互いに対して遊びなしで作用するように配置されている。その目的のために、ギアホイール2とさらなるギア要素4とは離間方向aにおいて互いに対して移動可能に配置される。遊びの自由度を設定するために、図示されたアーム結合部1の実施形態では、ギアホイール2だけが、離間方向aにおいてハウジング3に対して移動可能に調節装置6を用いて配置されている。ここで相対的な移動は、さらなるギア要素4に向かう離間方向aにおけるギアホイール2の変位によってもたらされる。
【0067】
調節装置6は、ギアホイール2の軸受7またはギアホイール2のアダプタ22に取り付けられており、アダプタ22を介してギアホイール2が装着されている。ギアホイール2は、ハウジング3にに設けられた軸受7を介して、ギアホイール2のアダプタ22の軸方向両側に回転可能に装着されている。軸受7は、ハウジング3に割り当てられ、ここでは回転軸gに関して外側に配置される第1軸受輪または軌道輪71と、ギアホイール2に割り当てられ、回転軸gに関して内側に配置される第2軸受輪または軌道輪72とを各々有する。調節の目的のために、さらなるギア要素4に向かう離間方向aに作用する調節力Eが、第1軸受輪71の少なくとも一方へと繋げられる。有利には、機械的な力の実行の観点から、ここでは、調節力Eが、2つの第1軸受輪71を介して、ギアホイール2の変位のためにギアホイール2に加えられることが提供される。
【0068】
その目的のために、調節力Kが、調節装置6によって離間方向aに関して径方向に発生し、その調節力Kは、離間方向aにおいて動作的な傾斜面Sにおける滑動を用いて、それぞれ関連付けられた第1軸受輪71内へと導入され、離間方向aにおいてさらなるギア要素4に向かう方向へと転換される。傾斜面は、ここでは離間方向aに対して同じ傾斜の度でそれぞれ配置され、その角度はここでは60°未満である。この目的のために、各々の第1軸受輪71のために、離間方向aに関して、第1軸受輪71に向かう径方向において、調節開口部62において可変位置でハウジング3に配置される調節要素61が設けられている。調節開口部62は、回転軸gの上方、より具体的には、回転軸の周りで延びる半径の最上点に配置されている。このようにして、それぞれの第1軸受輪71は、機械的な力の観点から有利な様態では、その最上点において調節力Eを同時に受ける。調節要素61は、雄ネジを備えたネジ山付きシャフト63を有し、その雄ネジによって、シャフト63は調節開口部62において雌ネジとネジ係合している。そのネジ係合はセルフロック式である。調節要素61は、傾斜面Sを有する円錐形の作用端64でハウジング3内へと突出しており、作用位置において、第1軸受輪71の調節凹部621に設けられた傾斜面Sに圧し掛かる。このようにして、ギアホイール2は、遊びのない関係で伝達部分に圧し掛かるまで、離間方向aの傾斜面Sの作用の下で、調節要素61のネジ移動でさらなるギア要素4に押し付けられ得る。作用端64の係合のために、作用端64に合致させられ、延いては傾斜面Sも有する開口部が、第1軸受輪71上に設けられる。
【0069】
また、トランスミッションGを保護するために、ハウジング3の一部として、回転軸gに関して同軸上に、輪状開口部33を有する環状のカバー32が、軸方向においてギアホイール2の両側にそれぞれ設けられている。カバー32はハウジング3の外側に径方向外側で固定される。機能的に必要な場合、カバー32には中央輪状開口33が設けられており、中央輪状開口33によって、それぞれに関連付けられた中心開口34部は、覆われていないままであるか、または、少なくとも外部からアクセス可能である。輪状開口部33は、モータシャフト52、および/または中空形状部材8における駆動シャフト51、具体的には滑り軸受のために用いることができる。輪状開口部33の大きさは、例えば、シャフト51、52または中空形状部材8のそれぞれの直径における支持のためにといった、それぞれの目的に最小限となるように設計され得る。また、
図2Bおよび
図2Cから分かるように、カバー32は調節開口部62を有してもよく、調節開口部62では、上述の調節要素61が、外部からアクセス可能に配置され、カバー32において捩じ込み移動可能に装着される。
【0070】
さらなるギア要素4は、動作軸wとの関係において、ギアホイール2に関して軸方向に遊びなしで配置される。
図1~
図6に示されたアーム結合部の実施形態では、トランスミッションGは、ウォームギア26の形態での出力側のギアホイール2と、ウォーム41の形態での入力側のさらなるギア要素4とを伴うウォームトランスミッションG1の形態である。ウォームギア26とウォーム41とは、アーム結合部1の他の部分がねじ係合されていない状態で、
図6に示されている。ウォームギア26のウォーム41と合致する通常の螺旋状の歯の構成261がはっきりと見られる。
図5から分かるように、動作軸wは、ここではモータ5によって直接的に駆動される駆動シャフト51である。ウォーム41は、駆動シャフト51にクランプ嵌合した状態で駆動シャフト51に配置されている。
【0071】
図5から分かるように、駆動シャフト51は中空形状部材8において保護されて配置され、より明確には、中空形状部材8に設けられた中央内部通路81に配置されている。駆動シャフト51はさらに、受入部分31におけるそれぞれの軸受7を介して、ウォーム41の両側において動作軸wに関して軸方向で回転可能に装着されている。さらなるギア要素4を、動作軸wに関して軸方向で遊びのない関係で装着し、延いては、ギアホイール2およびさらなるギア要素4の動作軸wに関して軸方向で遊びのない相互作用で装着するための調節は、ギアホイール2およびさらなるギア要素4の相互作用のための前述した調節と同様にもたらされ、このような相互作用は、離間方向aに関して軸方向で遊びがない。しかしながら、ここでは、動作軸wに対する軸方向でのギアホイール2の変位は、その軸受7を介してもたらされる。中空形状部材8自体は、受入部分31に対して回転不可能および変位不可能に配置される。その目的のために、中空形状部材8の両側に、アンダーカット受入溝82が設けられており、そこに、受入部分31に設けられたアンカー突起が中空形状部材8の回転不可能な装着のために係合されるである。
【0072】
中空形状部材8は、2つの部分、つまり、第1部分83と第2部分84とに分割される。第1部分83と第2部分84は、駆動シャフト51を中空形状部材8において支持する2つの軸受7とウォーム41の軸方向の、動作軸wに対する軸方向の延長線上で互いから離間して配置されている。その結果、ウォーム41の周りの領域はウォームギア26に対して外部からアクセス可能である。加えて、動作軸wの方向に関して軸方向で遊びがない限り、ギアホイール2とさらなるギア要素4との間の動作連結の構造的に複雑でない調節が可能とされる。第1部分83と第2部分84は、それらの端において、それらと関連付けられた軸受7において、ウォーム41に向けてそれらの端、すなわち、設定ユニットからウォーム41に向かう方向に関して、前軸受73および後軸受74と係合し、それにより、ウォーム41から遠い他方の端において、受入部分31でそれぞれ支持されている。
【0073】
図5において右に配置されている第2部分84は、クランプ要素65によって支持されている。作用位置では、クランプ要素65は、周方向で摩擦係止する関係で第2部分84に径方向外側で圧し掛かる。クランプ要素65は受入部分31に捩じ込み可能にさらに配置される。クランプ要素65は、受入部分31における漸進的な捩じ込みにより、対応して増加する径方向の摩擦力を第2部分84の周囲に及ぼし、本出願では、これが第2部分84との摩擦係合を引き起こすように設計されている。
【0074】
図5において左に配置されている第1部分83は、その支持された端で、力を伝達する関係で設定ユニット67に圧し掛かる。ユニットは、動作軸wの方向において、受入部分31に捩じ込み可能に配置されている。設定ユニットは調節装置671を有し、調節装置671によって、第1部分83が中空形状部材8における軸方向の変位で前軸受73に押し付けることができ、そのため軸受は、遊びがなくなるまでさらなるギア要素に押し付けられる。このようにして、ギアホイール2とさらなるギア要素4との間の動作連結における軸方向の遊びは排除できる。例えば
図4から分かるように、調節装置671は、外側からアクセス可能な袋ナットの回転によって作動可能である。設定ユニット67は、動作軸wに対して軸方向であり、駆動シャフト51が端において中へと突出するがそこで自由なままである有底開口66を有する。自由なままであるというのは、有底開口66の内部において有底開口66に圧し掛からないことを意味する。
【0075】
ギアホイール2およびウォーム41の形態でのさらなるギア要素4のための上述の軸受7は、アーム結合部1の図示された実施形態においてころ軸受の形態に各々なっているが、本発明はそれに限定されず、任意の他の適切な形態の軸受が使用できる。あるいは、軸受のうちの少なくとも一部は、有利には潤滑剤のない、具体的にはプラスチックの滑り軸受である、滑り軸受の形態でそれぞれあり得る。
【0076】
図7は、アーム結合部1の別の実施形態の回転軸gに関する断面図である。トランスミッションGは、ここでは逆ウォームトランスミッションG2の形態になっている。ウォームトランスミッションG1とは逆に、ここでは、トルクは駆動側においてギアホイール2を介して導入され、駆動出力側においてトランスミッションからさらなるギア要素4を用いて動作軸wへと伝達される。それに応じて、
図8および
図9から分かるように、平歯車の形態でのギアホイール2は、周方向に雄ネジ27を有し、さらなるギア要素4は平歯構成42を有する。ここでは駆動出力側にある中空形状部材8は動作軸wを形成している。さらなるギア要素4は、中空形状部材8において回転不可能に配置されている。中空形状部材8は、受入部分31において、軸方向で相互に離間した2つのクランプ要素65を介して回転可能に支持されている。クランプ要素65は、ここでは、中空形状部材8をクランプすることなく案内および支持のために供される。上述したように、中空形状部材8は内部通路81を有する。内部通路81は、
図7に示されたアーム結合部の実施形態における逆ウォームトランスミッションG2を形成するために必要とされないので、配線のような他の構成要素、または、
図31に例示されているように、遠い方のアーム結合部のためのさらなる駆動シャフト51は、さらなる駆動シャフト51がトルクをアーム結合部1へと伝達することなく、中空形状部材8を通過させられ得る。
【0077】
図10および
図11はアーム結合部1のさらなる実施形態の図を各々示しており、
図12および
図13は、この実施形態の個別の構成要素を各々示している。線形トランスミッションG3の一部として、ギアホイール2は平歯車28の形態であり、さらなるギア要素4は歯付きラック要素43の形態である。歯付きラック要素43は動作軸wを形成している。歯付きラック要素43は、設置位置においてギアホイールの方に開放している第1の受入溝84において設置位置で配置されている。第1の受入溝84は、アンダーカット受入溝82のように、アンダーカットの構成のものである。設置位置では、歯付きラック要素43は、アンダーカット構成に適合された脚部44を介して第1の受入溝84へと係合し、それによって中空形状部材に軸方向で回転不可能および径方向で変位不可能に装着される。また、クランプ要素65が歯付きラック要素43の両側に設けられ、クランプ要素65は中空形状部材8にクランプ嵌めで配置され、歯付きラック要素43がその端において軸方向で圧し掛かる。このようにして、歯付きラック要素43は受入溝84において軸方向で変位不可能に保持される。第1の受入溝84は、ギアホイール2への歯係合のためにギアホイール2に向けて開放されて配置されている。
【0078】
図12Aおよび
図12Bは中空形状部材8の斜視図および断面図を示している。中空形状部材8を回転不可能に配置するための上述のアンダーカット受入溝82と上受入溝85に加えて、下受入溝86が測定要素を受け入れるために下側に設けられており、この場合、例として、移動測定のための磁気テープMaがここでは配置されている。移動測定のための関連するセンサ手段Rが、
図14に例示されており、センサ手段は、半殻の形のものであり、受入部分31において中央で動作軸wに関して固定されるように適合されている。
【0079】
図19~
図26Bは、少なくとも2つのアーム結合部1の間の連結の3つの基本的な形態の側面図、断面図、および個別の図を示している。少なくとも2つのアーム結合部1は、端において回転軸gに対して同軸に、相互に平行な関係で配置されている。少なくとも2つのアーム結合部1は、少なくと対向する端面において中心開口部24を各々有し、2つの開口部24は相互に一列で配置されている。少なくとも2つのアーム結合部1はマニピュレータMの実施形態の一部である。アーム結合部1同士の間で連結を行うために、平行なコネクタ91を有する連結装置9があり、コネクタ91を用いることで、アーム結合部1同士は、平行に互いから離間して配置され、共通の回転軸gの周りに回転可能に装着される。
【0080】
図19~
図21において、2つのアーム結合部1は、固定された連結VIを形成して一体に固定的に連結されており、すなわち、少なくとも2つのアーム結合部1のハウジング3と少なくとも2つのアーム結合部1のギアホイール2とはそれぞれ回転不可能に一体に連結されている。その目的のために、2つのアーム結合部1の2つの回転軸gは、内部コネクタ92の形態とされた径方向内側の平行なコネクタ91によって一体に回転不可能に連結されている。また、2つのアーム結合部1のハウジング3は、外部コネクタ93の形態での径方向外側の平行なコネクタ91を用いて一体に連結されている。そのため、トルクが一方のアーム結合部1の回転軸gに加えられるとき、トルクは他方のアーム結合部1の回転軸gへと直接的に伝達され、より明確には、1:1の比で伝達される。同じことが、アーム結合部1のハウジング3へとトルクを繋げること、および、他方のアーム結合部1のハウジング3へのトルクの伝達に当てはまる。
【0081】
内部コネクタ92と外部コネクタ93とは、
図21Aおよび
図21Bと
図22とにおける個別の図でそれぞれ示されている。内部コネクタ92は、両端においてそれぞれの雄ネジ27を備えた細長い形状のものであり、雄ネジ27によって、2つの相互連結されたアーム結合部1の対向する2つの開口部24に回転不可能に係合する。外部コネクタ93は環状のものであり、2つのアーム結合部1は、軸方向の延長線上に、相互に離間して保持される。また、周囲において軸方向の両端で、径方向に等間隔で配置された押込み突起94が設けられ、設置位置において、ハウジング3において対応するように設けられたプラグ開口へと軸方向で係合する。2つのアーム結合部1は、内部コネクタ92によって軸方向で一体に保持され、外部コネクタ93に軸方向で押し付けられ保持される。
【0082】
雌ネジ25と雄ネジ95とのネジ係合の回転を防ぐために、両方のアーム結合部1に関して、ここでは各々がネジ要素681の形態である複数の同一の阻止要素68が、相互係合する雌ネジ25と雄ネジ95のオーバーラップ領域へと軸方向で捩じ込まれて、それによって雌ネジ25と雄ネジ95の相対回転を阻止することがそれぞれ提供される。これにより、2つの相互連結されるアーム結合部1が軸方向で変位不可能および回転不可能に確実に保持される。
【0083】
ここでは8個であるネジ要素681は、半径上に配置され、周方向に等間隔に配置されている。各ネジ要素681と関連付けられるのは、相互係止する雌ネジ25と雄ネジ95の間の阻止開口部69である。阻止開口部69を提供するために、半円形の断面を有する軸方向の溝691が、それぞれの阻止開口部69ごとに雌ネジ25と雄ネジ95に設けられており、2つの軸方向の溝691は、ネジ係合において、一方が他方の上方において、雌ネジ25と雄ネジ95の所与の相対的な回転位置において移動させられ、その一方が他方の上方の位置において、軸方向の溝691同士は、円形の阻止開口部69を少なくとも1つ提供するために互いを補完する。このように、組み立てるときには、2つのアーム結合部1は、2つの開口部の雌ネジ25と雄ネジ95が最も低い可能な予応力を掛けることで遊びのない関係で互いへと係合し、また、さらなる段階においてネジ要素681をそれぞれの関連付けられる阻止開口部69へと捩じ込ませるために、軸方向の溝691がそれぞれの阻止開口部69を形成するために組み合わさるような程度まで、外部コネクタ93を介して、および、2つの中心開口部24における内部コネクタのネジ係合を介して、それらアーム結合部1の間隔を伴って一体に捩じ込まれる。同じ手順により、例えば遊びが摩耗のため動作中に起こるとき、遊びは排除でき、その目的のために、第一に、2つの開口部24の一方のネジ要素681が緩められる必要がある。
【0084】
したがって、ネジ係合の遊びの調節は、段階的にもたらされ、つまり、ここでは8個の阻止要素68で、45°の回転角度での間隔にわたって延びている。したがって、遊びの調節または遊びのないことが実施できる精度は、とりわけ阻止要素68の数に依存する。相互係止する雌ネジ25と雄ネジ95のネジ係合に関する遊びのないことの調節の種類は、マニピュレータMの以下に記載される他の実施形態でも用いられる。
【0085】
図23を参照すると、2つのアーム結合部1は回転可能に一体に結合されており、回転軸gに関して回転連結V2を形成している。回転連結V2はここでは横コネクタ96によってもたらされた。横コネクタ96はクランク状に曲げられた形のものであり、径方向内側でネジ山の付けられたスリーブ状の端部分961で、軸方向で変位不可能である一方のアーム結合部1のギアホイール2の中心開口部24の雌ネジ25へと、径方向内側で軸方向のネジ係合で係合する。ここでも、上述した調節装置を用いて、阻止要素68を用いて、ネジ係合は、遊びのない
状態が設定された後、雌ネジ25の相対回転を防止するために阻止される。他方の径方向外側の端部分962により、横コネクタ96は、他方のアーム結合部1のハウジング3に径方向外側で軸方向において固定的に連結されている、すなわち、
図24Aにおけるネジ開口部98において見られるように、捩じ込まれると、2つのアーム結合部1は、横コネクタ96の外側端領域の軸方向の延長にわたって間隔を空けてて保持される。
【0086】
この方法では、一方のアーム結合部1のギアホイール2によって横コネクタ96へと導入されるトルクは、2つのアーム結合部1がトルク伝達において回転軸gに関して互いに対して回転するように、他方のアーム結合部1のハウジングに伝達され得る。2つのアーム結合部1の相対回転において起こる摩擦損失を最小限にするために、横コネクタ96と一方のアーム結合部1のハウジング3との間において径方向外側では、横コネクタ96は、横方向および軸方向で一方のアーム結合部1の方を向き、一方のアーム結合部1だけが横コネクタ96において径方向外側に圧し掛かる滑動面97を有する。
【0087】
例を用いると、連結のさらなる形態である、2つの相互連結されたアーム結合部1のための回転案内手段V3の形態を説明するために、
図25および
図26が参照させられる。回転案内手段V3では、2つの相互連結されたアーム結合部1は、互いに対して回転させられ、互いに対して案内させられる。しかしながら、その相対的な移動は受動的であり、すなわち、回転移動は2つのアーム結合部の一方から能動的に生じない。これに対し、回転連結V2の場合、回転移動は2つの相互連結されたアーム結合部1の一方によって能動的に作り出される。
図25Aおよび
図25Bは、3つの相互に連結されたアーム結合部1を伴うマニピュレータMのさらなる実施形態を示している。図をより明確にするために、アーム結合部1には、ローマ数字I~IIIが追加的に付されている。
図25Bに示されているように、アーム結合部Iは右に配置されており、アーム結合部IIIは左に配置されており、アーム結合部IIはアーム結合部IとIIIとの間の中央に配置されている。アーム結合部I~IIIの
図25Aに示された動作軸wとここでは平行である長手方向の断面図から分かるように、上述されている回転連結V2は、アーム結合部Iとアーム結合部IIとの間に設けられており、アーム結合部IはウォームトランスミッションG1を有し、アーム結合部IIは線形トランスミッションを有する。この構成では、トルクはアーム結合部Iのギアホイール2からアーム結合部IIのハウジング3へと繋げられ、それによってアーム結合部IIはアーム結合部Iに対して回転させられる。2つのアーム結合部IIおよびIのギアホイール2は、内部コネクタ92を用いて互いに対して回転不可能および変位不可能に連結されている。そのため、アーム結合部IIの線形トランスミッションG3の平歯車28は内部コネクタ92を介して回転させられ、平歯車28は、駆動出力側において歯付きラック要素43と噛み合い、動作軸wの方向において線形に移動する。
【0088】
外部コネクタ93も備えられる。
図26Aおよび
図26Bから分かるように、回転連結V2の場合にあるように、押込み突起94が駆動出力端に設けられている一方で、滑動面97が駆動入力端に設けられている。換言すると、外部コネクタ93は、各々の場合で、アーム結合部IIのハウジング3に径方向外側で回転不可能に連結されており、アーム結合部IIIのハウジング3に回転で滑動して移動可能に連結されている。アーム結合部IIがアーム結合部Iによって能動的に回転させられるとき、アーム結合部IIは、同時に、アーム結合部IIIにおいて回転で滑動して移動可能に案内される。
【0089】
図27~
図28および
図29A~
図29Bは、アーム結合部1を連結するための3つのさらなる可能な選択肢を示しており、それらのアーム結合部1は、ウォーム駆動部G1を用いて駆動入力側においてそれぞれ駆動される。
図27に示された2つのアーム結合部1は
図28に示されており、
図29Aに示された2つの2つのアーム結合部Iは
図29Bに示されており、各々の場合で長手方向の断面図で示されている。それらに従って、
図27~
図29において左に示されたアーム結合部1はウォーム駆動部G1を有している。ウォーム駆動部G1のウォーム41は、アーム結合部1との関係において離間して配置されたモータ5によって駆動される。また、左手のアーム結合部1に隣接するアーム結合部1は、
図28に示されているように、線形トランスミッションG3を有する。2つの隣接するアーム結合部は、一方のアーム結合部1のウォームギア26から他方のアーム結合部1の平歯車28へと繋げられるトルクが線形トランスミッションG1を用いて歯付きラック要素43の線形移動へと変換されるように、
図28に示されているように固定された連結V1を用いて一体に連結されている。
【0090】
図28に示されたマニピュレータMの実施形態は、線形トランスミッションG3を伴う他方のアーム結合部1に対して離間して配置された線形トランスミッションG3を伴うさらなるアーム結合部1を有している。他方のアーム結合部1へのトルク連結のために、この構成は、間隔にわたって架橋する駆動シャフト部54を有する。駆動シャフト部54は、2つの線形トランスミッションG3がウォームトランスミッションG1を介して同期して駆動されるように、2つの線形トランスミッションG3の平歯車28に回転不可能に連結されている。駆動シャフト部54は、アーム結合部1の対向する中心開口部34におけるそれぞれの連結要素53を用いて、両端において回転可能に装着されている。その目的のために、雄ネジ27を有する連結要素53は、それぞれ関連付けられた中心開口部34の雌ネジ25と上述したような遊びのないネジ係合にある。その連結要素53は、
図18Cおよび
図18Dにおける個々の図において例を用いて示されている。
【0091】
図29Aおよび
図29Bに示したマニピュレータMの実施形態は、ウォームトランスミッションG1を伴うアーム結合部1に、回転軸gとの関係において端部においてモータシャフト52と結合され、結合器55を用いて駆動シャフト51に連結されるさらなるモータ5を有する。駆動シャフト51は、ウォームトランスミッションG1を伴うアーム結合部1を、トルクをそのアーム結合部1に伝達することなく延びる。2つの相互連結されたアーム結合部1は、上述したように2つのアーム結合部1から遠い方の中心開口部24において支持される。この場合、アーム結合部1は逆ウォームトランスミッションG2のギアホイール2に回転不可能に連結される。したがって、中空形状部材8はさらなるモータ5を介して回転において設定される。
【0092】
図30に示されたマニピュレータMの実施形態では、機能的な関係の視点から、アーム結合部1は第1のグループU1と第2のグループU2とに分割でき、
図30で下に示されている第1のグループU1は
図25を参照してすでに説明されており、
図30で上に配置されている第2のグループU2は
図28を参照してすでにより詳細に説明されている。それらから外れて、第2のグループのアーム結合部1はここでは基部Bに装着されており、第1のグループのアーム結合部1はマニピュレータMの作用ヘッド側に配置されている。第2のグループでは、駆動シャフト部54によって離間されている2つのアーム結合部1と、延いては、中空形状部材8にそれぞれ配置されている関連する歯付きラック要素43とは、平行に同期して移動する。中空形状部材8の上部に配置された自由端に設けられているのは、それぞれ関連付けられた中空形状部材において案内される駆動シャフトへとトルクを繋げ、それを介して第1のグループの2つの外側の結合部1を駆動するそれぞれのモータ5である。マニピュレータMの広範囲の移動が、アーム結合部1のおかげで可能とされることは明らかである。
【0093】
図31に示されたマニピュレータMの実施形態では、使用されるアーム結合部1は2つのグループU2、U3へと同じく分割できる。一方のグループは、
図31において左に配置されているすでに述べた第2のグループU2である。中空形状部材8にそれぞれ装着された歯付きラック要素43は、互いと平行に保持された同期して線形に変位させられるため、
図31に示されているように、それらの安定化のために横棒材99を用いて一体に固定的に連結され得る。両方のグループU2、U3のアーム結合部1は、回転軸gと同軸に配置されている。
【0094】
他方のグループU2の2つのアーム結合部1の間には、
図23との関係においてすでに上で説明した回転連結V2があり、
図31において左にあるアーム結合部1は、
図31において右にあるアーム結合部1を駆動する。左のアーム結合部1はウォーム駆動部G1が設けられ、右におけるアーム結合部1には逆ウォームトランスミッションG2が設けられている。右のアーム結合部1を通過させられる中空形状部材8は、右のアーム結合部1の逆ウォームトランスミッションG2を用いて駆動させられ、次いで右のアーム結合部1は、端において、回転軸gに関してトルク伝達で係合するモータ5に結合されている。また、さらなるモータ5は、端において中空形状部材8に結合され、ここではさらに示されていない目的のために中空形状部材8において案内される駆動シャフト51を駆動する。駆動シャフト51は、中空形状部材8において隠されて配置されているため、破線によって示されているだけである。
【0095】
互いと直接的に隣接している2つのグループU2、U3の2つのアーム結合部1の間には、それらのハウジング3が外部コネクタ93およびネジ連結V4を用いて回転不可能にトルク伝達なしで一体に連結される限り、まだ記載されていない連結のさらなる形態がある。
【0096】
図32を参照すると、マニピュレータMは、3個で指示されるようなトルク伝達に関して連続して配置された実質的に同一の構造の3つのアーム結合部1を有し、各々のアーム結合部1はウォームトランスミッションG1を有し、ウォームトランスミッションG1のウォーム41は、アーム結合部1を通過する単一の駆動シャフト51によって駆動される。
【0097】
ギアホイール2およびさらなるギア要素4のような伝達構成要素は、本明細書で記載されたすべての実施形態におけるアーム結合部1が、安価に組み立てられ、複雑にならずに交換できるようなモジュール構成のものである。マニピュレータM、モータ5、アーム結合部1、中空形状部材8、および/または、具体的には、様々な変形および大きさでの伝達構成要素である構成要素は、各々モジュール構造のものであり、そのため容易に組み立ておよび交換することができる。
【符号の説明】
【0098】
1 アーム結合部
2 ギアホイール
21 端部
22 アダプタ
221 押込み突起
222 押込み開口
223 案内挿入体
23 側面
24 開口部
25 雌ネジ
26 ウォームギヤ
261 螺旋状の歯の構成
27 雄ネジ
28 平歯車
29 外部の歯の構成
3 ハウジング
31 受入部分
32 カバー
33 輪状開口
4 さらなるギア要素
41 ウォーム
42 平歯構成
43 歯付きラック要素
44 脚部
45 アンカー要素
5 モータ
51 駆動シャフト
52 モータシャフト
53 連結装着
54 駆動シャフト部分
55 結合器
6 調節装置
61 調節要素
62 調節開口部
621 調節凹部
63 ネジ山付きシャフト
64 作用端
65 クランプ要素
651 内ネジスリーブ
652 外ネジスリーブ
66 有底開口
67 設定ユニット
671 設定装置
68 阻止要素
681 ネジ要素
69 阻止開口部
691 溝
7 軸受
71 第1軸受輪
72 第2軸受輪
73 前軸受
74 後軸受
8 中空形状部材
81 内部通路
82 アンダーカット受入溝
83 第1部分
84 第2部分
85 上受入溝
86 下受入溝
9 連結装置
91 平行なコネクタ
92 内部コネクタ
921 内部ネジ連結
93 外部コネクタ
94 押込み突起
95 雄ネジ
96 横コネクタ
961 内側端領域
962 外側端領域
97 滑動面
98 ネジ開口部
99 横棒材
a 離間方向
g 回転軸
w 動作軸
B 基部
E 調節力
G トランスミッション
G1 ウォームトランスミッション
G2 逆ウォームトランスミッション
G3 線形トランスミッション
M マニピュレータ
Ma 磁気テープ
R センサ手段
S 傾斜面
V1 固定された連結
V2 回転連結
V3 回転案内手段
V4 ネジ連結
U1 第1のグループ
U2 第2のグループ
U3 第3のグループ