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特許7264993仮想対象と投擲物とのインタラクションを制御する方法及びその装置、並びにコンピュータプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】仮想対象と投擲物とのインタラクションを制御する方法及びその装置、並びにコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/573 20140101AFI20230418BHJP
   G06T 13/20 20110101ALI20230418BHJP
   G06T 19/00 20110101ALI20230418BHJP
   A63F 13/5258 20140101ALI20230418BHJP
   A63F 13/533 20140101ALI20230418BHJP
   A63F 13/837 20140101ALI20230418BHJP
【FI】
A63F13/573
G06T13/20
G06T19/00 300A
G06T19/00 300B
A63F13/5258
A63F13/533
A63F13/837
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021510519
(86)(22)【出願日】2019-07-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-26
(86)【国際出願番号】 CN2019096602
(87)【国際公開番号】W WO2020024806
(87)【国際公開日】2020-02-06
【審査請求日】2020-11-04
(31)【優先権主張番号】201810870034.4
(32)【優先日】2018-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517392436
【氏名又は名称】▲騰▼▲訊▼科技(深▲セン▼)有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100150197
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 直樹
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 柏君
【審査官】柳 重幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-196042(JP,A)
【文献】特開2005-087325(JP,A)
【文献】スコット・ロジャーズ,「「レベルアップ」のゲームデザイン」,第1版,株式会社オライリー・ジャパン,2012年08月22日,p.271-275
【文献】「METAL GEAR SOLID PEACE WALKER」,電撃ゲームス Vol.2,日本,株式会社アスキー・メディアワークス,2009年12月01日,第9巻 第22号,p.24-31
【文献】WackyJacky101,「GUIDE: How to PROPERLY throw GRENADES in PLAYERUNKNOWN's BATTLEGROUNDS(PUBG)」,YouTube [online] [video],2017年10月21日,https://www.youtube.com/watch?v=Mn3uR4bzfSk,特に1:02-1:18、3:43-4:19参照。[2021年12月24日検索]
【文献】David M. Bourg,ゲーム開発のための物理シミュレーション入門,第1版,株式会社オーム社,2003年07月25日,p.1-2,34-44
【文献】谷尻 豊寿, 谷尻 かおり,これだけはおさえたい ゲームプログラムの物理の知識 基礎の基礎,第1版,日本,株式会社技術評論社,2011年02月25日,p.71-86,104-106
【文献】「【PUBGモバイル】『投擲で初心者脱出』~第5回 意外と知らないPUBGモバイル講座~」,トゥエンティ山田から、ゲーム初心者の皆様へ [online],2018年06月08日,<http://blog.livedoor.jp/twentyyamada-pubgm/archives/9848474.html>,[2022年8月29日検索]
【文献】「【PUBG MOBILE】スマホ版ついに登場!操作方法を確認してみた」,YouTube [online] [video],2018年05月16日,<https://www.youtube.com/watch?v=jXOnO9kImHk>,[2022年8月29日検索]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 13/00-13/98
A63F 9/24
G06T 13/20
G06T 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末に適用される仮想対象と投擲物とのインタラクションを制御する方法であって、
前記端末が、仮想シーンにおける投擲物をピックアップするように仮想対象を制御するステップと、
前記端末が、前記仮想シーンにおける前記仮想対象の三次元座標を決定し、三次元座標におけるX軸、Y軸、およびZ軸座標を変更し、前記変更された三次元座標を前記投擲物の初期位置の座標として使用するステップであって、前記変更された三次元座標のX軸およびY軸は、前記三次元座標の水平面への投影点を所定の角度及び所定の距離に応じて右後に移動させた位置であり、前記変更された三次元座標のX軸、Y軸、およびZ軸は、前記仮想対象の上げた手の高さによって決定される、ステップと、
前記端末が、前記仮想シーンのカメラの撮影方向を前記投擲物の投擲方向とするステップと、
前記端末が、前記初期位置、前記投擲方向、前記投擲物の初期投擲速度及び重力加速度影響を受けた物体の運動法則に基づいて、前記投擲物の運動軌跡が前記運動法則に合致した曲線になるように前記運動軌跡を決定するステップと、
前記端末が、前記仮想シーンに前記運動軌跡を表示するステップと、
含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記端末が、前記初期位置、前記投擲方向、前記投擲物の初期投擲速度及び重力加速度影響を受けた物体の運動法則に基づいて、前記投擲物の運動軌跡が前記運動法則に合致した曲線になるように前記運動軌跡を決定するステップは、
前記端末が、下記式により、前記投擲物の運動軌跡を決定するステップを含み、
【数1】
ここで、(x,y,z)は、前記運動軌跡におけるいずれか1つの位置の座標を表し、(x,y,z)は、前記初期位置の座標を表し、(x,y,z)は、前記運動軌跡の終了位置の座標を表し、(a,b,c)は、前記投擲方向を表し、
【数2】
であり、vは、前記初期投擲速度を表し、gは、重力加速度を表すことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記端末が、複数の所定の時刻を取得するステップであって、隣接するいずれか2つの所定の時刻の時間間隔が所定の時間長であるステップと、
前記端末が、前記初期位置、前記投擲方向、前記初期投擲速度及び前記運動法則に基づいて、各所定の時刻における前記投擲物の位置を決定するステップと、
第1所定の時刻における前記投擲物の第1位置が前記仮想シーンの障害物領域内に位置しないが、第2所定の時刻における前記投擲物の第2位置が前記仮想シーンの障害物領域内に位置する場合、前記端末が、前記第2位置を前記運動軌跡の終了位置とするステップであって、前記第2所定の時刻が前記第1所定の時刻の次の時刻であるステップと、を更に含むことを特徴とする
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記端末が、前記初期位置、前記投擲方向、前記初期投擲速度及び前記運動法則に基づいて、各所定の時刻における前記投擲物の位置を決定するステップは、
前記端末が、各所定の時刻に対して、下記式により、前記所定の時刻における前記投擲物の位置を決定するステップを含み、
【数3】
ここで、tは、前記所定の時刻を表し、(x,y,z)は、前記所定の時刻における前記投擲物の位置の座標を表すことを特徴とする
請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記端末が、前記仮想シーンにおける投擲物をピックアップするように仮想対象を制御するステップは、
前記端末が、前記仮想シーンに前記投擲物のピックアップボタンを表示するステップと、
前記ピックアップボタンに対する確認操作を検出した場合、前記端末が、前記投擲物をピックアップするように前記仮想対象を制御し、前記仮想対象による前記投擲物のピックアップの動的画像を表示するステップと、を含むことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記端末が、前記仮想シーンに前記運動軌跡を表示するステップは、
前記端末が、前記仮想シーンに、前記投擲物の投擲ボタンを表示するステップと、
前記投擲ボタンに対する押圧操作を検出した場合、前記端末が、前記仮想シーンに前記運動軌跡を表示するステップと、を含むことを特徴とする
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記投擲ボタンに対する押圧操作を検出した場合、前記端末が、前記仮想シーンに前記運動軌跡を表示した後、前記方法は、
方向調整操作を検出した場合、前記端末が、前記方向調整操作に基づいて前記カメラの撮影方向を調整し、調整された前記カメラの撮影方向を調整された前記投擲物の投擲方向として決定するステップと、
前記端末が、前記初期位置、前記調整された投擲方向、前記初期投擲速度及び前記運動法則に基づいて、前記投擲物の運動軌跡を再決定するステップと、
前記端末が、前記仮想シーンに、再決定された運動軌跡を表示するステップと、を更に含むことを特徴とする
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記投擲ボタンに対する押圧操作を検出した場合、前記端末が、前記仮想シーンに前記運動軌跡を表示した後、前記方法は、
前記投擲ボタンに対する解放操作を検出した場合、前記端末が、前記投擲物に対して投擲操作を行うように前記仮想対象を制御し、前記投擲物が前記運動軌跡に沿って前記運動軌跡の終了位置までに運動する動的画像を表示することを更に含むことを特徴とする
請求項6に記載の方法。
【請求項9】
仮想対象と投擲物とのインタラクションを制御する装置であって、
仮想シーンにおける投擲物をピックアップするように仮想対象を制御するように構成されるピックアップモジュールと、
パラメータ決定モジュールであって、
前記仮想シーンにおける前記仮想対象の三次元座標を決定し、三次元座標におけるX軸、Y軸、およびZ軸座標を変更し、前記変更された三次元座標を前記投擲物の初期位置の座標として使用することであって、前記変更された三次元座標のX軸およびY軸は、前記三次元座標の水平面への投影点を所定の角度及び所定の距離に応じて右後に移動させた位置であり、前記変更された三次元座標のX軸、Y軸、およびZ軸は、前記仮想対象の上げた手の高さによって決定され、
記仮想シーンのカメラの撮影方向を前記投擲物の投擲方向とするように構成されるパラメータ決定モジュールと、
前記初期位置、前記投擲方向、前記投擲物の初期投擲速度及び重力加速度影響を受けた物体の運動法則に基づいて、前記投擲物の運動軌跡が前記運動法則に合致した曲線になるように前記運動軌跡を決定するように構成される軌跡決定モジュールと、
前記仮想シーンに前記運動軌跡を表示するように構成される表示モジュール、を備えることを特徴とする、装置。
【請求項10】
前記軌跡決定モジュールは更に、下記式により、前記投擲物の運動軌跡を決定するよう
に構成され、
【数4】
ここで、(x,y,z)は、前記運動軌跡におけるいずれか1つの位置の座標を表し、
(x,y,z)は、前記初期位置の座標を表し、(x,y,z)は、前記運動軌跡の終了位置の座標を表し、(a,b,c)は、前記投擲方向を表し、
【数5】
であり、vは、前記初期投擲速度を表し、gは、重力加速度を表すことを特徴とする
請求項に記載の装置。
【請求項11】
複数の所定の時刻を取得するように構成される時刻決定モジュールであって、隣接するいずれか2つの所定の時刻の時間間隔が所定の時間長である、時刻決定モジュールと、
前記初期位置、前記投擲方向、前記初期投擲速度及び前記運動法則に基づいて、各所定の時刻における前記投擲物の位置を決定するように構成される位置決定モジュールと、
第1所定の時刻における前記投擲物の第1位置が前記仮想シーンの障害物領域内に位置しないが、第2所定の時刻における前記投擲物の第2位置が前記仮想シーンの障害物領域内に位置する場合、前記第2位置を前記運動軌跡の終了位置とするように構成される終了位置決定モジュールであって、前記第2所定の時刻が前記第1所定の時刻の次の時刻である、終了位置決定モジュールと、を更に備えることを特徴とする
請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記表示モジュールは、
前記仮想シーンに、前記投擲物の投擲ボタンを表示するように構成されるボタン表示ユニットと、
前記投擲ボタンに対する押圧操作を検出した場合、前記仮想シーンに前記運動軌跡を表示するように構成される軌跡表示ユニットと、を備えることを特徴とする
請求項9に記載の装置。
【請求項13】
前記表示モジュールは、
前記投擲ボタンに対する解放操作を検出した場合、前記投擲物に対して投擲操作を行うように前記仮想対象を制御し、前記投擲物が前記運動軌跡に沿って前記運動軌跡の終了位置までに運動する動的画像を表示するように構成される投擲操作モジュールを更に備えることを特徴とする
請求項12に記載の装置。
【請求項14】
仮想対象と投擲物とのインタラクションを制御する端末であって、前記端末は、プロセッサとメモリとを備え、前記メモリに、少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセット又は命令セットが記憶されており、前記命令、前記プログラム、前記コードセット又は前記命令セットは、前記プロセッサによりロードされて、請求項1からのうちいずれか一項に記載の仮想対象と投擲物とのインタラクションを制御する方法を実行するように構成されることを特徴とする、前記端末。
【請求項15】
前記端末に、請求項1からのうちいずれか一項に記載の仮想対象と投擲物とのインタラクションを制御する方法を実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
この出願は、2018年8月2日に提出された出願番号201810870034.4、発明名称「仮想対象と投擲物とのインタラクションを制御する方法及びその装置、並びに記憶媒体」の中国特許出願の優先権を要求し、その全ての内容は引用によって本願に組み込まれる。
【0002】
本願の実施例は、コンピュータ技術分野に関し、特に、仮想対象と投擲物とのインタラクションを制御する方法及びその装置、並びにコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0003】
コンピュータ技術の迅速な進歩及びインテリジェント端末の普及に伴い、電子ゲームは、広く適用されている。電子ゲームは、仮想シーンを提供し、仮想シーンに仮想アイテムを表示することができる。ユーザは、端末により、仮想対象を制御して仮想アイテムとインタラクションを行うことができる。ここで、投擲物は、一般的に使用される仮想アイテムである。ユーザは、仮想対象を制御して、投擲物をピックアップし、投擲物に対して投擲操作を行うことができる。
【0004】
ユーザによる投擲物の運動軌跡の制御を容易にするために、ユーザが投擲物をピックアップするように仮想対象を制御した後、投擲物に対して投擲操作を行う前に、端末は、投擲物の位置を運動軌跡の初期位置とし、仮想シーンのカメラの撮影方向を投擲物の投擲方向とし、始点位置から投擲方向に沿って直線を作成し、該直線と仮想シーンにおける1つの障害物との交点を運動軌跡の終了位置とし、始点位置と終了位置を結んだ直線を運動軌跡とすることができる。該運動軌跡は、図1に示すとおりである。続いて、端末は、仮想シーンに運動軌跡を表示することで、ユーザに、投擲物に対して投擲操作を行う前に投擲物の運動軌跡を知り得て、投擲物の投擲方向を調整するかを判定できるようにする。
【0005】
本願の実施例を実現する過程において、関連技術には少なくとも下記課題点があることを発明者は見出した。上記関連技術において、重力による投擲物の運動軌跡への影響を考慮しておらず、決定された運動軌跡が重力加速度による影響を受けた物体の運動法則に合致しない。したがって、正確性が低く、真実のシーンをシミュレートするという効果を達成することができない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願の実施例は、関連技術における運動軌跡の正確性が低いという課題を解決することができる、仮想対象と投擲物とのインタラクションを制御する方法及びその装置、並びに記憶媒体を提供する。前記技術的解決手段は以下のとおりである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様によれば、仮想対象と投擲物とのインタラクションを制御する方法を提供する。前記方法は、
仮想シーンにおける投擲物をピックアップするように仮想対象を制御するステップと、
前記投擲物の位置を初期位置とし、前記仮想シーンのカメラの撮影方向を前記投擲物の投擲方向とするステップと、
前記初期位置、前記投擲方向、前記投擲物の初期投擲速度及び重力加速度影響を受けた物体の運動法則に基づいて、前記投擲物の運動軌跡が前記運動法則に合致した曲線になるように前記運動軌跡を決定するステップと、
前記仮想シーンに前記運動軌跡を表示するステップと、を含む。
【0008】
一態様によれば、仮想対象と投擲物とのインタラクションを制御する装置を提供する。前記装置は、
仮想シーンにおける投擲物をピックアップするように仮想対象を制御するように構成されるピックアップモジュールと、
前記投擲物の位置を初期位置とし、前記仮想シーンのカメラの撮影方向を前記投擲物の投擲方向とするように構成されるパラメータ決定モジュールと、
前記初期位置、前記投擲方向、前記投擲物の初期投擲速度及び重力加速度影響を受けた物体の運動法則に基づいて、前記投擲物の運動軌跡が前記運動法則に合致した曲線になるように前記運動軌跡を決定するように構成される軌跡決定モジュールと、
前記仮想シーンに前記運動軌跡を表示するように構成される表示モジュールと、を備える。
【0009】
一態様によれば、仮想対象と投擲物とのインタラクションを制御する端末を提供する。前記端末は、プロセッサとメモリとを備え、前記メモリには、少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセット又は命令セットが記憶されており、前記命令、前記プログラム、前記コードセット又は前記命令セットは、前記プロセッサによりロードされて、
仮想シーンにおける投擲物をピックアップするように仮想対象を制御するステップと、
前記投擲物の位置を初期位置とし、前記仮想シーンのカメラの撮影方向を前記投擲物の投擲方向とするステップと、
前記初期位置、前記投擲方向、前記投擲物の初期投擲速度及び重力加速度影響を受けた物体の運動法則に基づいて、前記投擲物の運動軌跡が前記運動法則に合致した曲線になるように前記運動軌跡を決定するステップと、
前記仮想シーンに前記運動軌跡を表示するステップと、を実行するように構成される。
【0010】
一態様によれば、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。前記コンピュータ可読記憶媒体には、少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセット又は命令セットが記憶されており、前記命令、前記プログラム、前記コードセット又は前記命令セットは、プロセッサによりロードされて、前記仮想対象と投擲物とのインタラクションを制御する方法における操作を実行するように構成される。
【0011】
一態様によれば、コンピュータプログラムを提供する。前記コンピュータプログラムがコンピュータ上で実行される場合、コンピュータに、上記本願の実施例に記載の仮想対象と投擲物とのインタラクションを制御する方法を実行させる。
【発明の効果】
【0012】
本願の実施例で提供される技術的解決手段による有益な効果は少なくとも以下を含む。
【0013】
本願の実施例で提供される方法及びその装置、並びに記憶媒体によれば、仮想シーンにおける投擲物をピックアップするように仮想対象を制御し、投擲物の位置を初期位置とし、仮想シーンのカメラの撮影方向を投擲物の投擲方向とし、運動軌跡が上記運動法則に合致した曲線になるように、初期位置、投擲方向、投擲物の初期投擲速度及び重力加速度影響を受けた物体の運動法則に基づいて、投擲物の運動軌跡を決定し、仮想シーンに前記運動軌跡を表示する。決定された運動軌跡は、重力による影響を考慮したものであり、重力加速度影響を受けた物体の運動法則に合致するため、正確性を向上させ、真実のシーンをシミュレートするという効果を達成することができる。
【0014】
また、複数の所定の時刻を取得し、各所定の時刻における投擲物の位置を比較し、障害物に初めて遭遇した投擲物の位置を運動軌跡の終了位置とすることで、運動軌跡の正確な終了位置を決定し、人間により投擲された物体が障害物に遭遇したという効果をシミュレートすることができ、より現実的にする。
【0015】
また、ユーザが方向調整操作を行う場合、方向調整操作に基づいて投擲物の投擲方向を調整し、更に投擲物の運動軌跡を調整することができるため、運動軌跡の柔軟な調整を実現し、ユーザの需要を満たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】関連技術による投擲物の運動軌跡を示す概略図である。
図2】本願の実施例による仮想シーンを示す概略図である。
図3】本願の実施例による仮想対象と投擲物とのインタラクションを制御する方法を示すフローチャートである。
図4】本願の実施例によるピックアップボタンを示す概略図である。
図5】本願の実施例によるカメラの撮影方向のベクトルを示す概略図である。
図6】本願の実施例によるカメラによる撮影方向の調整を示す概略図である。
図7】本願の実施例による投擲ボタンを示す概略図である。
図8】本願の実施例による運動軌跡及びその終了位置を示す概略図である。
図9】本願の実施例による方向調整操作のリマインド情報を示す概略図である。
図10】本願の実施例による調整された運動軌跡を示す概略図である。
図11】本願の実施例による操作フローを示す概略図である。
図12】本願の実施例による仮想対象と投擲物とのインタラクションを制御する装置の構造を示す概略図である。
図13】本願の実施例による端末の構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本願の実施例における技術的解決手段をより明確に説明するために、実施例の説明に必要な図面を簡単に説明する。勿論、図面は本願の一部の実施例に過ぎず、当業者は創造的な労力を要することなく、これらの図面に基づいて他の図面を得ることもできる。
【0018】
以下、本願の実施例における図面を参照しながら、本願の実施例における技術的解決手段を明瞭かつ完全に説明する。勿論、記述される実施例は、全ての実施例ではなく、ただ本願の一部の実施例である。本願における実施例に基づいて、当業者が創造的な労力なしに得られる他の実施例の全ては、本願の保護の範囲に含まれる。
【0019】
まず、本願の実施例に係る用語を以下のように説明する。
【0020】
仮想シーンは、アプリケーションプログラムが端末上で実行される場合に表示(又は提供)される仮想環境である。仮想環境は、真実の世界に対するシミュレーション環境であってもよく、セミシミュレーションセミ架空型環境であってもよく、完全にフィクション環境であってもよい。該仮想シーンは、二次元仮想シーンであってもよく、三次元仮想シーンであってもよい。
【0021】
例えば、該仮想シーンには、空、陸地、海洋などが含まれてもよい。該陸地は、砂漠、都市などの環境要素を含んでもよい。該仮想シーンは更に、例えば、晴れた日、雨天、霧又は夜間などの天気のような様々な天気における真実の環境をシミュレートするために用いられてもよい。該仮想シーンには、仮想アイテムが含まれてもよい。仮想対象は、仮想アイテムをピックアップし、ピックアップされた仮想アイテムを投擲するか又は捨てることができる。
【0022】
仮想対象は、仮想シーンにおける移動可能な三次元モデルであり、ユーザのキャラクターを表すためのものである。該仮想対象は、例えば、仮想シーンに表示されるキャラクター、動物等のような仮想キャラクター、仮想動物、アニメキャラクターなどの如何なる形態であってもよい。任意選択的に、仮想対象は、三次元仮想シーンにおいて、アニメーションスケルトン技術に基づいて構築された三次元モデルである。各仮想対象は、三次元仮想シーンにおいて自体の形状及び体積を持ち、三次元仮想シーンにおける一部の空間を占有する。
【0023】
仮想アイテムは、仮想シーンに配置されたアイテムである。仮想対象によるピックアップ、投擲又は廃棄に供する。例えば、該仮想アイテムは、衣類、ヘルメット、防弾チョッキ、医療品、冷兵器又は火器などであってもよく、手榴弾、火炎瓶、スタングレネード等の投擲可能な投擲物等であってもよい。
【0024】
カメラは、仮想シーンにおける仮想対象の周辺に位置する三次元モデルである。一人称視点を用いる場合、カメラは、仮想対象の頭部付近又は仮想対象の頭部に位置する。三人称視点を用いる場合、カメラの仮想対象の後に位置し、カメラの視野角により仮想シーンを観察する。
【0025】
カメラの撮影方向は、仮想対象の一人称視点又は三人称視点で仮想シーンにおいて観察する場合の観察方向である。
【0026】
端末は、一人称視点を利用して表示を行うことができる。表示される仮想シーンには、仮想対象の手、腕又は手で持った兵器等のみが含まれる。それにより、該仮想対象の視点により仮想シーンを観察するという効果をシミュレートすることができる。又は、三人称視点を利用して表示を行うこともできる。三人称視点の方向は、一人称視点の方向と一致する。三人称視点によれば、端末のスクリーンに背向した仮想シーンを仮想シーンに表示する。これにより、ユーザは、仮想シーンにおいて、制御された仮想対象の動作、所在環境などを確認できる。
【0027】
本願の実施例は、例えば、FPS(First-Person Shooter Game:一人称シューティングゲーム)、RTS(Real-Time Strategy:リアルタイムストラテジー)ゲーム又はMOBA(Multiplayer Online Battle Arena:マルチプレイヤーオンラインバトルアリーナ)等のような電子ゲームに関する。端末は、電子ゲームの設定ファイルをダウンロードしてインストールすることができる。該設定ファイルには、該電子ゲームのアプリケーションプログラム、ページ表示データ又は仮想シーンデータが含まれる。ユーザが該端末において電子ゲームにログインした場合、端末は、該設定ファイルを呼び出すことで、電子ゲームにおける仮想シーンをレンダリングして表示することができる。ユーザは、端末において制御操作を行うことができる。端末は、制御操作を検出した後、該制御操作に対応するゲームデータを決定し、該ゲームデータをレンダリングして表示することができる。該ゲームデータには、仮想シーンデータ、該仮想シーンにおける仮想対象の行為データ等が含まれてもよい。
【0028】
ユーザは、制御操作により、該仮想シーンにおいて移動するように仮想対象を制御することができる。シューティングゲームを例として、ユーザは、仮想対象を制御して、該仮想シーンの空で自由落下、滑空するか又はパラシュートを開いて落下することができ、陸地でランニング、ジャンプ、腹這い、腰を曲げて歩くこともでき、また、仮想対象を制御して海洋で水泳、浮遊又は潜水することもできる。勿論、ユーザは、仮想対象を制御して、乗り物を乗って該仮想シーンにおいて移動することもできる。ユーザはさらに、仮想対象を制御して、該仮想シーンにおける仮想アイテムを発見し、該仮想シーンにおける仮想アイテムをピックアップし、ピックアップされた仮想アイテムを使用して別の仮想対象と戦うか又は投擲物に対して投擲操作を行うことができる。
【0029】
ユーザは、制御操作により、仮想対象を回転制御して、カメラの撮影方向を調整することができる。これは、仮想対象の視点範囲の調整に相当する。例えば、制御操作は、スライド操作であってもよい。端末は、該スライド操作を検出した場合、該スライド操作のスライド方向、スライド距離及びスライド速度に基づいて、該スライド操作に対応する視点の回転方向、回転角度及び回転速度を決定することができる。例えば、該スライド操作のスライド方向は、視点の回転方向に対応してもよい。該スライド操作のスライド距離は、視点の回転角度と正の相関関係を有してもよい。該スライド操作のスライド速度は、該視点の回転速度と正の相関関係を有してもよい。
【0030】
図2は、本願の実施例による仮想シーンを示す概略図である。図2に示すように、端末は、仮想シーンを表示する。該仮想シーンには、仮想対象が含まれる。仮想シーンの手で投擲物を持っている。
【0031】
図3は、本願の実施例による仮想対象と投擲物とのインタラクションを制御する方法を示すフローチャートである。本願の実施例の実行主体は、端末である。該端末は、携帯電話、コンピュータ、タブレット又はインテリジェントゲーム機などの装置であってもよい。該端末は、仮想シーンをサポートするアプリケーションプログラムを実行することができる。該アプリケーションプログラムは、仮想現実アプリケーションプログラム、三次元マッププログラム、軍事シミュレーションゲームプログラム、FPSゲームプログラム、MOBAゲームプログラム等のアプリケーションプログラムであってもよい。図3に示すように、該方法は、以下を含む。
【0032】
301において、端末が、仮想シーンにおける投擲物をピックアップするように仮想対象を制御する。
【0033】
本願の実施例において、端末は、仮想シーンを表示し、空、陸地等の環境要素又は衣類、投擲物等の仮想アイテムのような、仮想シーンに配置された各要素を表示する。ここで、投擲物は、手榴弾、火炎瓶、スタングレネード等のような、仮想対象によりピックアップされてから投擲される仮想アイテムであってもよい。
【0034】
端末は、仮想アイテム設定データを取得することができる。該仮想アイテム設定データには、各仮想アイテムのタイプが含まれてもよい。手榴弾、火炎瓶、スタングレネード等の仮想アイテムのタイプは、投擲物タイプである。これらの投擲物に対して、端末は、仮想対象を、ピックアップ操作又は投擲操作のうちの少なくとも1つを行うように制御することができる。
【0035】
可能な実現形態において、図4に示すように、端末は、仮想シーンに、投擲物のピックアップボタンを表示する。ピックアップボタンに対する確認操作を検出した場合、投擲物をピックアップするように仮想対象を制御し、仮想対象による投擲物のピックアップの動的画像を表示する。
【0036】
ここで、該確認操作は、ピックアップボタンに対するクリック操作又は長押し操作等であってもよい。端末は、ピックアップボタンを表示する場合、リマインド情報を表示し、ピックアップボタンに対する確認操作を行うようにユーザに促すこともできる。例えば、該リマインド情報は、「ここをクリックして、投擲物をキャラクターの手で持ってください」という情報である。
【0037】
ここで、仮想対象によるピックアップに供する投擲物は、該仮想対象に帰属する投擲物であってもよいし、現在、仮想対象の近傍に位置して無帰属状態にある投擲物であってもよい。
【0038】
例えば、仮想アイテムの観点から言えば、端末は、帰属関係テーブルを確立することができる。該帰属関係テーブルには、各仮想アイテムの帰属する仮想対象が含まれる。仮想対象の観点から言えば、端末は、仮想対象のアイテムライブラリを確立することができる。該仮想対象に帰属する仮想アイテムは、いずれも、該アイテムライブラリに記憶されたものと認められる。
【0039】
従って、端末は、ユーザの操作に基づいて仮想対象のアイテムライブラリを開く場合、仮想対象に帰属する仮想アイテムを表示し、投擲物のピックアップボタンを表示する。ユーザによるピックアップボタンに対する確認操作を検出した場合、投擲物をピックアップするように仮想対象を制御する。
【0040】
又は、端末は、ユーザの操作に基づいて、仮想シーンにおいて移動するように仮想対象を制御し、所定の範囲内の仮想シーンの画面を表示する。該所定の範囲に1つの投擲物が含まれ、且つ帰属関係テーブルに従って該投擲物が無帰属状態であると判定した場合、投擲物のピックアップボタンを表示することができる。ユーザによるピックアップボタンに対する確認操作を検出した場合、投擲物をピックアップするように仮想対象を制御する。
【0041】
当然ながら、本願の実施例は、1つの投擲物のピックアップを例として説明するが、仮想対象のアイテムライブラリ又は所定の範囲内の仮想シーンには1つ又は複数の投擲物が含まれてもよい。各投擲物のピックアップ過程はこれに類似する。ここで、詳細な説明を省略する。
【0042】
ここで、表示される、仮想対象による投擲物のピックアップの動的画像は、投擲物が仮想対象の手までに移動する動的画像であってもよく、仮想対象が腰を曲げて投擲物を拾った動的画像であってもよい。これにより、真実のシーンにおける人々によるアイテムのピックアップの効果をシミュレートすることができる。画面は、よりリアルで鮮やかである。
【0043】
302において、端末が、投擲物の位置を初期位置とし、仮想シーンのカメラの撮影方向を投擲物の投擲方向とする。
【0044】
投擲物をピックアップするように仮想対象を制御する過程において、端末は、表示された動的画像に基づいて、投擲物の位置を追跡し、仮想対象による投擲物のピックアップを完了した後、投擲物の位置を決定し、投擲物の運動軌跡の初期位置とすることができる。
【0045】
又は、端末は、仮想対象の位置に基づいて、仮想対象と所定の相対的な位置関係を示す位置を投擲物の位置と決定し、投擲物の運動軌跡の初期位置とすることもできる。
【0046】
可能な実現形態において、該所定の相対的位置関係は、投擲物が仮想対象の所在する位置にあり且つ高さが所定の数値であることである。従って、端末は、仮想シーンにおける仮想対象の三次元座標を取得し、該三次元座標におけるZ軸座標を所定の数値に変更し、変更された三次元座標を初期位置の座標と決定する。ここで、該所定の数値は、一般的にアイテムをピックアップした手の高さによって決まってもよい。これにより、投擲物が仮想対象の体にあり且つ仮想対象の手にあるという効果をシミュレートすることができる。
【0047】
又は、該所定の相対的位置関係は、投擲物が仮想対象の右後に位置し、仮想対象とは所定の角度をなし、仮想対象との距離が所定の距離であり、且つ高さが所定の数値であることである。従って、端末は、仮想シーンにおける仮想対象の三次元座標を取得し、該三次元座標の水平面への投影点を該所定の角度及び所定の距離に応じて右後に移動させ、移動された位置のX軸座標及びY軸座標を投擲物のX軸座標及びY軸座標とし、投擲物のZ軸座標を所定の数値と決定する。これにより、初期位置の座標を決定する。ここで、所定の角度及び所定の距離は、一般的には上げた手の高さによって決定されてもよい。これにより、投擲物が仮想対象の手にあり、仮想対象が該投擲物を投擲しようとする準備動作を行うという効果をシミュレートすることができる。
【0048】
別の可能な実現形態において、端末は、仮想対象を、投擲物をピックアップするように制御した後、該投擲物に対して投擲操作を行う前に、仮想シーンにおいて移動するように仮想対象を制御することもできる。仮想対象の移動過程において、投擲物の位置を追跡することで、投擲物の位置をリアルタイムに決定し、投擲物の運動軌跡の初期位置とすることができる。又は、仮想対象が移動した後、移動した仮想対象の位置に基づいて、仮想対象と相対的位置関係を示す位置を投擲物の位置と決定し、投擲物の運動軌跡の初期位置とする。
【0049】
本願の実施例において、端末は、仮想シーンにおいてカメラを構築することで仮想対象の視点をシミュレートする。一人称視点を利用する場合、カメラは、仮想対象の頭部付近に位置するか又は仮想対象の頭部に位置する。カメラの撮影方向により仮想シーンを観察するステップは、仮想対象の視点により仮想シーンを観察することに相当する。三人称視点を利用する場合、カメラは、仮想対象の後に位置し、カメラの撮影方向により、仮想シーンを観察する。
【0050】
ここで、撮影方向は、ベクトルの形態で表されてもよい。図5に示すように、カメラの座標系は、カメラの所在する位置を原点とする。カメラの撮影方向は、水平方向右向きのベクトルa、直前方のベクトルb及び垂直方向のベクトルcで表されてもよい。つまり、(a,b,c)は、撮影方向のベクトルを表し、且つ該ベクトルは、単位ベクトルであり、

【数1】
である。カメラの運動は、ベクトルaを中心とした回転、ベクトルbを中心とした回転、ベクトルcを中心とした回転、ベクトルaを中心としたサッケード、ベクトルbを中心とした水平移動又はベクトルcを中心とした昇降などを含んでもよい。例えば、図6に示すように、ゲームシーンにおいて、端末は、ゲーム画面を表示する。カメラがベクトルbを中心として左へ回転した場合、表示されたゲーム画面は、ゲーム画面Aからゲーム画面A’に切り換えられる。これにより、仮想対象が顔を振り向けるという効果をシミュレートすることができる。
【0051】
投擲物をピックアップするように仮想対象を制御した後、投擲物の投擲方向がカメラの撮影方向と一致すると認められるため、仮想シーンのカメラの撮影方向を投擲物の投擲方向と決定し、つまり、初期位置における投擲物の移動方向と決定する。
【0052】
303において、端末は、初期位置、投擲方向、投擲物の初期投擲速度及び重力加速度影響を受けた物体の運動法則に基づいて、投擲物の運動軌跡が運動法則に合致した曲線になるように運動軌跡を決定する。
【0053】
まず、投擲物の初期投擲速度は、所定の速度であってもよい。例えば、一般的に人々が物体を投擲する場合の初期速度によって決定されてもよい。vは、初期投擲速度を表し、(a,b,c)は、投擲方向を表す。従って、初期投擲速度及び投擲方向によれば、投擲物の初期速度を(va,vb,vc)と決定することができる。
続いて、(x,y,z)は、初期位置の座標を表す。初期投擲時刻は、時刻0である。投擲物を投擲した後、運動過程における投擲物の座標を(x,y,z)とし、対応する時刻をtとし、gが重力加速度を表す。従って、重力加速度を受けた物体の運動法に基づいて、下記式を決定することができる。
【0054】

【数2】
【0055】

【数3】
を後の2つの公式に代入すると、下記式を得ることができる。
【0056】

【数4】
【0057】
つまり、端末は、上記式により、投擲物の運動軌跡を決定することができる。
【0058】
また、投擲物が投擲されてから、投擲物が運動する過程において仮想シーンにおける障害物に出会う場合、投擲物が運動を中止し、運動軌跡が終了する。従って、端末は、下記のステップにより、運動軌跡の終了位置を決定することができる。
【0059】
3031において、複数の所定の時刻を取得し、隣接するいずれか2つの所定の時刻の時間間隔が所定の時間長である。
【0060】
例えば、tは、所定の時刻を表し、該所定の時間長は0.01秒である。従って、取得された複数の所定の時刻は、t=0、t=0.01、t=0.02であり、以下同様である。実施の場合、該所定の時間長の大きさは、精度需要及びアルゴリズムの複雑さの需要によって決まってもよい。
【0061】
3032において、初期位置、投擲方向、初期投擲速度及び該運動法則に基づいて、各所定の時刻における投擲物の位置を決定する、端末は、各所定の時刻に対して、それぞれ上記式(1)、(2)、(3)により、対応する所定の時刻における投擲物の位置の座標を算出する。
【0062】
3033において、第1所定の時刻における投擲物の第1位置が仮想シーンの障害物領域内に位置しないが、第2所定の時刻における投擲物の第2位置が仮想シーンの障害物領域内に位置する場合、第2位置を運動軌跡の終了位置とし、第2所定の時刻が第1所定の時刻の次の時刻である。
【0063】
端末は、仮想シーンの障害物設定データを取得することができる。該障害物設定データには、例えば、地面領域、山地領域、ターゲット領域等のような様々な障害物の所在する領域が含まれる。従って、各所定の時刻における投擲物の位置を算出した後、該位置が仮想シーンの1つの障害物領域内にあるかどうかを判定することができる。該位置が仮想シーンの障害物領域内に位置しないと、対応する所定の時刻で投擲物が依然として運動していることを表す。該位置が仮想シーンの障害物領域内に位置すると、対応する所定の時刻で、投擲物が障害物に出会って運動を中止したことを表す。従って、端末は、判定により、第1所定の時刻における投擲物の第1位置が仮想シーンの障害物領域内に位置しないが、第2所定の時刻における投擲物の第2位置が仮想シーンの障害物領域内に位置すると判定する。前記第2所定の時刻が前記第1所定の時刻の次の時刻である。投擲物が第2所定の時刻の第2位置で障害物に初めて出会ったことを表す。これにより、第2位置を運動軌跡の終了位置と決定する。
【0064】
要するに、端末は、下記式を利用して、投擲物の運動軌跡を決定することができる。
【0065】

【数5】
【0066】
ここで、xは、仮想シーンのx軸における第2位置の座標を表す。上記方式で決定された運動軌跡は、放物線であり、重力加速影響を受けた物体の運動法則に合致する。
【0067】
304において、端末が仮想シーンに運動軌跡を表示し、ステップ305又は307を実行する。
【0068】
該運動軌跡は、初期位置及び終了位置を含む。端末は、初期位置から終了位置までの運動軌跡を仮想シーンに表示することができる。
【0069】
可能な実現形態において、端末は、投擲物をピックアップするように仮想対象を制御した後、仮想シーンに投擲物の投擲ボタンを表示することができる。投擲ボタンに対する押圧操作を検出した場合、仮想シーンに運動軌跡を表示する。
【0070】
例えば、端末は、投擲物をピックアップするように仮想対象を制御した後、仮想シーンに投擲物の投擲ボタンを表示し、上記ステップ302~303を実行して投擲物の運動軌跡を決定する。続いて、投擲ボタンに対する押圧操作を検出した場合、仮想シーンに運動軌跡を表示する。又は、端末は、投擲物をピックアップするように仮想対象を制御した後、仮想シーンに投擲物の投擲ボタンを表示する。投擲ボタンに対する押圧操作を検出した場合、上記ステップ302~303を実行して投擲物の運動軌跡を決定し、仮想シーンに運動軌跡を表示する。
【0071】
図7及び図8に示すように、ユーザが左側の投擲ボタンを押圧する場合、端末は、投擲物の運動軌跡を表示し、運動軌跡及びその終了位置をリマインドする。ユーザは、運動軌跡を確認し、運動軌跡に基づいて、該運動軌跡がどのようなものであるか、着地点がどこにあるかを前もって知ることができる。これにより、自体の投擲方向が正確であるかを知ることができ、投擲物に対して投擲操作を行うか、それとも投擲方向を調整するかを判定することができる。
【0072】
305において、端末が方向調整操作を検出した場合、方向調整操作に基づいて、カメラの撮影方向を調整し、調整された前記カメラの撮影方向を調整された投擲物の投擲方向として決定する。
【0073】
ユーザは、投擲物の投擲方向を調整しようとする場合、方向調整操作を行うことで、カメラの撮影方向を調整し、調整されたカメラの撮影方向を調整された投擲物の投擲方向とすることができる。
【0074】
ここで、仮想シーンを表示する場合、視点調整コントロールを表示することができる。ユーザは、視点調整コントロールにより方向調整操作を行い、カメラの撮影方向を、時計回りに回転するか又は逆時計回りに回転するように制御し、投擲物の投擲方向を調整することができる。該方向調整操作は、押圧操作であってもよい。ユーザは、端末の視点調整コントロール上で押圧操作を行う。端末は、該押圧操作の該視点調整コントロールにおける位置、該押圧操作の押圧力及び押圧時間に基づいて、撮影方向の調整角度を決定することができる。
【0075】
又は、該方向調整操作は、端末に対する回転操作であってもよい。該端末は、回転操作を検出した場合、回転操作の回転方向、回転角度及び回転速度に基づいて、撮影方向の調整角度を決定する。
【0076】
又は、該方向調整操作は、ユーザが投擲ボタンを押圧する過程におけるスライド操作であってもよい。該端末はスライド操作を検出した場合、スライド操作のスライド方向及びスライド距離に基づいて、撮影方向の調整角度を決定する。勿論、該方向調整操作は、ボタン押し操作又は端末に接続されたロッカーデバイスに対するトグル操作などの他の操作であってもよい。
【0077】
306において、端末が、初期位置、調整された投擲方向、初期投擲速度及び運動法則に基づいて、投擲物の運動軌跡を再決定し、仮想シーンに、再決定された運動軌跡を表示する。
【0078】
投擲方向を調整した後、端末は、調整された投擲方向に基づいて、上記ステップ303と類似した方式で、投擲物の運動軌跡を再決定し、再決定された運動軌跡を表示する。
【0079】
図9に示すように、ユーザが投擲ボタンを押圧する場合、端末は、投擲物の運動軌跡を表示し、「スクリーンの右側の空白領域をスライドしてください」というリマインド情報を表示し、投擲方向を調整するようにユーザに促す。ユーザがスクリーンにおいて左へスライドする場合、カメラは左へ回転し、図10に示した回転した後に撮影された仮想シーン及び再決定された運動軌跡を表示する。図9及び図10を比較することで、仮想シーンの画面が左へ移動し、運動軌跡の終了位置も左へ移動したことが明らかになる。
【0080】
307において、端末が、投擲物に対して投擲操作を行うように仮想対象を制御し、投擲物が運動軌跡に沿って運動軌跡の終了位置までに運動する動的画像を表示する。
【0081】
上記ステップ304の可能な実現形態によれば、端末は、投擲ボタンに対する押圧操作を検出した場合、仮想シーンに運動軌跡を表示する。ユーザは、運動軌跡が要件に合致したと判定した場合、投擲ボタンを解放することができる。端末は、投擲ボタンに対する解放操作を検出した場合、投擲物に対して投擲操作を行うように仮想対象を制御し、投擲物が運動軌跡に沿って運動軌跡の終了位置までに運動する動的画像を表示する。
【0082】
なお、投擲物が終了位置に到着した場合、投擲物が障害物に作用する動的画像を表示することもできる。例えば、投擲物が手榴弾である。手榴弾が地上の一位置に到着した場合、該位置で、手榴弾の爆発の動的画像を表示する。
【0083】
該ステップ307は、ステップ304の後に実行されてもよく、ステップ306の後に実行されてもよく、具体的には、ユーザが方向調整操作を行うかどうかに基づいて決定されることに留意されたい。又は、端末は、他の場合に、ステップ307を実行してもよい。例えば、端末は、運動軌跡の表示を完了した後、ステップ307を自動的に実行するか、又は該仮想対象が他の仮想対象により攻撃されたことを検出した場合、ステップ307を自動的に実行してもよい。
【0084】
本願の実施例で提供される方法は、仮想シーンにおける投擲物をピックアップするように仮想対象を制御し、投擲物の位置を初期位置とし、仮想シーンのカメラの撮影方向を投擲物の投擲方向とし、初期位置、投擲方向、投擲物の初期投擲速度及び重力加速度影響を受けた物体の運動法則に基づいて、投擲物の運動軌跡を決定して、運動軌跡が上記運動法則に合致した曲線になるようにし、仮想シーンに運動軌跡を表示する。決定された運動軌跡は、重力による影響を考慮したものであり、重力加速度影響を受けた物体の運動法則に合致するため、正確性を向上させ、真実のシーンをシミュレートするという効果を達成することができる。
【0085】
また、複数の所定の時刻を取得し、各所定の時刻における投擲物の位置を比較し、障害物に初めて遭遇した投擲物の位置を運動軌跡の終了位置とすることで、運動軌跡の正確な終了位置を決定し、人間により投擲された物体が障害物に遭遇したという効果をシミュレートすることができ、より現実的にする。
【0086】
また、ユーザが方向調整操作を行う場合、方向調整操作に基づいて投擲物の投擲方向を調整し、更に投擲物の運動軌跡を調整することができるため、運動軌跡の柔軟な調整を実現し、ユーザの需要を満たすことができる。
【0087】
図11は、本願の実施例による操作フローを示す概略図である。図11に示すように、該操作フローは以下を含む。
【0088】
1101において、端末は、投擲物のピックアップボタンを表示し、ユーザは、ピックアップボタンをクリックした後、端末は、手で投擲物を取るように仮想対象を制御する。
【0089】
1102において、端末は、投擲物の投擲ボタンを表示し、ユーザは、投擲ボタンを押圧した後、端末は、仮想対象が該投擲物を投擲しようとする準備動作の動的画像を表示し、且つ端末は、カメラの撮影方向を呼び出すことで、投擲物の運動軌跡を決定し、該運動軌跡を表示する。
【0090】
1103において、ユーザは、スクリーンの右側空白領域でスライド操作を行い、端末は、スライド操作に基づいてカメラの撮影方向を調整し、更に投擲物の投擲方向を調整し、運動軌跡を再決定し、再決定された運動軌跡を表示する。
【0091】
1104において、ユーザは、投擲ボタンを解放し、端末は、投擲物を投擲するように仮想対象を制御し、投擲物が運動軌跡に沿って終了位置までに運動する動的画像を表示する。
【0092】
本願の実施例は、運動軌跡決定方法を提供する。投擲物の運動軌跡及びその終了位置を前もって企画することで仮想シーンに展示することができる。これにより、ユーザは、現在の投擲方向に応じて投擲物に対して投擲操作を行う場合の投擲物の運動軌跡を前もって知ることができる。また、ユーザは、投擲方向を調整し、投擲物の運動軌跡及び着地位置を変更することもできる。
【0093】
図12は、本願の実施例による仮想対象と投擲物とのインタラクションを制御する装置の構造を示す概略図である。図12に示すように、該装置は端末に適用され、該装置は、
【0094】
上記実施例における仮想シーンにおける投擲物をピックアップするように仮想対象を制御するステップを実行するように構成されるピックアップモジュール1201と、
上記実施例における初期位置及び投擲方向の決定ステップを実行するように構成されるパラメータ決定モジュール1202と、
上記実施例における初期位置、投擲方向、投擲物の初期投擲速度及び重力加速度影響を受けた物体の運動法則に基づいて、投擲物の運動軌跡を決定するステップを実行するように構成される軌跡決定モジュール1203と、
上記実施例における仮想シーンに運動軌跡を表示するステップを実行するように構成される表示モジュール1204と、を備える。
【0095】
任意選択的に、軌跡決定モジュール1203は更に、上記実施例における下記式により投擲物の運動軌跡を決定するステップを実行するように構成される。
【0096】

【数6】
【0097】
任意選択的に、装置は、
上記実施例における複数の所定の時刻の取得ステップを実行するように構成される時刻決定モジュールと、
上記実施例における初期位置、投擲方向、初期投擲速度及び運動法則に基づいて各所定の時刻における投擲物の位置を決定するステップを実行するように構成される位置決定モジュールと、
上記実施例における第1所定の時刻における投擲物の第1位置が仮想シーンの障害物領域内に位置しないが、第2所定の時刻における投擲物の第2位置が仮想シーンの障害物領域内に位置する場合、第2位置を運動軌跡の終了位置とするステップを実行するように構成される終了位置決定モジュールと、を更に備える。
【0098】
任意選択的に、表示モジュール1204は、
上記実施例における仮想シーンに投擲物の投擲ボタンを表示するステップを実行するように構成されるボタン表示ユニットと、
上記実施例における投擲ボタンに対する押圧操作を検出した場合、仮想シーンに運動軌跡を表示するステップを実行するように構成される軌跡表示ユニットと、を備える。
【0099】
任意選択的に、表示モジュール1204は、
上記実施例における投擲ボタンに対する解放操作を検出した場合、投擲物に対して投擲操作を行うように仮想対象を制御し、投擲物が運動軌跡に沿って前記運動軌跡の終了位置までに運動する動的画像を表示するステップを実行するように構成される投擲操作モジュールを更に備える。
【0100】
上記実施例で提供される仮想対象と投擲物とのインタラクションを制御する装置がインタラクションを行う場合、単に上述した各機能モジュールの区分を持って例を挙げて説明したが、実際の応用においては、必要に応じて上述の機能割当を異なる機能モジュールで完成させ、即ち、設備の内部構造を異なる機能モジュールに区分することによって、上述した全部又は一部の機能を完成させることができることに留意されたい。なお、上記実施例で提供された仮想対象と投擲物とのインタラクションを制御する装置と仮想対象と投擲物とのインタラクションを制御する装置は、同一の構想に属し、その具体的な実現過程について方法実施例を参照し、ここで、詳細な説明を省略する。
【0101】
図13は、本願の一例示的な実施例による端末1300の構造を示すブロック図である。該端末1300は、スマートフォン、タブレット、MP3プレーヤー(Moving Picture Experts Group Audio Layer III:動画エキスパートグループオーディオレイヤ3)、MP4(Moving Picture Experts Group Audio Layer IV::動画エキスパートグループオーディオレイヤ4)プレーヤー、ノートパソコン又はデスクトップパソコンのような携帯型移動端末であってもよい。端末1300は、ユーザ装置、携帯端末、ラップトップ端末、デスクトップ端末などの他の名称と呼ばれてもよい。
【0102】
一般的には、端末1300は、プロセッサ1301と、メモリ1302とを備える。
【0103】
プロセッサ1301は、1つ又は複数のプロセッシングコアを含んでもよい。例えば、4コアプロセッサ、8コアプロセッサ等である。プロセッサ1301は、DSP(Digital Signal Processing:デジタル信号処理)、FPGA(Field-Programmable Gate Array:フィールドプログラマブルゲートアレイ)、PLA(Programmable Logic Array:プログラマブルロジックアレイ)のうちの少なくとも1つのハードウェア形態により実現してもよい。プロセッサ1301は、ホストプロセッサ及びコプロセッサを含んでもよい。ホストプロセッサは、アウェイク状態であるデータを処理するためのプロセッサであり、CPU(Central Processing Unit:中央プロセッサ)とも呼ばれる。コプロセッサは、待機状態であるデータを処理するための低電力プロセッサである。幾つかの実施例において、プロセッサ1301に、GPU(Graphics Processing Unit:画像プロセッサ)が集積されてもよい。GPUは、ディスプレイが表示すべきコンテンツのレンダリング及び描画に用いられる。幾つかの実施例において、プロセッサ1301は、AI(Artificial Intelligence:人工知能)プロセッサを含んでもよい。該AIプロセッサは、機器学習に関わる演算操作を処理するためのものである。
【0104】
メモリ1302は、1つ又は複数のコンピュータ可読記憶媒体を含んでもよい。該コンピュータ可読記憶媒体は、非一時的なものであってもよい。メモリ1302は、高速ランダムアクセスメモリ、及び不揮発性メモリを含んでもよい。例えば、1つ又は複数の磁気ディスク記憶装置、フラッシュ記憶装置を含む。幾つかの実施例において、メモリ1302における非一時的なコンピュータ可読記憶媒体は、少なくとも1つの命令を記憶するためのものである。該少なくとも1つの命令は、プロセッサ1301により実行され、本願の方法実施例で提供される仮想対象と投擲物とのインタラクションを制御する方法を実現させる。
【0105】
幾つかの実施例において、端末1300は、任意選択的に、外部装置インタフェース1303と、少なくとも1つの外部装置とを備えてもよい。プロセッサ1301、メモリ1302及び外部装置インタフェース1303は、バス又は信号線を介して接続される。各外部装置は、バス、信号線又は回路基板を介して外部装置インタフェース1303に接続される。具体的には、外部装置は、無線周波数回路1304、タッチディスプレイ1305、カメラコンポーネント1306、オーディオ回路1307、位置決めコンポーネント1308及電源1309のうちの少なくとも1つを含む。
【0106】
外部装置インタフェース1303は、I/O(Input /Output:入力/出力)に関わる少なくとも1つの外部装置をプロセッサ1301及びメモリ1302に接続するためのものであってもよい。幾つかの実施例において、プロセッサ1301、メモリ1302及び外部装置インタフェース1303は、同一のチップ又は回路基板に集積される。幾つかの他の実施例において、プロセッサ1301、メモリ1302及び外部装置インタフェース1303のうちのいずれか1つ又は2つは、単独のチップ又は回路基板上で実現されてもよく、本実施例はこれを限定するものではない。
【0107】
無線周波数回路1304は、電磁信号とも呼ばれるRF(Radio Frequency:無線周波数)信号の受信及び送信に用いられる。無線周波数回路1304は電磁信号を経由して通信ネットワーク及び他の通信装置と通信する。無線周波数回路1304は、電気信号を電磁信号に変換して送信するか又は受信した電磁信号を電気信号に変換する。任意選択的に、無線周波数回路1304は、アンテナシステム、RF送受信機、1つ又は複数の増幅器、チューナ、発振器、デジタル信号プロセッサ、コーデックチップセット、加入者識別モジュールカードなどを含む。無線周波数回路1304は、少なくとも1つの無線通信プロトコルにより、他の端末と通信することができる。該無線通信プロトコルは、ワールドワイドウェブ、メトロエリアネットワーク、イントラネット、各世代の移動体通信ネットワーク(2G、3G、4G及び5G)、無線ローカルエリアネットワーク及び/又はWiFi(Wireless Fidelity:ワイヤレスフィデリティ)ネットワークを含むが、これらに限定されない。幾つかの実施例において、無線周波数回路1304は、NFC(Near Field Communication:近接場通信)に関わる回路を含んでもよく、本願は、これを限定するものではない。
【0108】
ディスプレイ1305は、UI(User Interface:ユーザインタフェース)を表示するためのものである。該UIは、図形、テキスト、アイコン、ビデオ及びそれらの任意の組み合わせを含んでもよい。ディスプレイ1305がタッチディスプレイである場合、ディスプレイ1305は、ディスプレイ1305の表面又は表面の上方のタッチ信号を採取する能力を持つ。該タッチ信号は、制御信号としてプロセッサ1301に入力されて処理されてもよい。この場合、ディスプレイ1305は、ソフトボタン及び/又はソフトキーボードとも呼ばれる仮想ボタン及び/又は仮想キーボードを提供するためのものであってもよい。幾つかの実施例において、ディスプレイ1305は1つであってもよく、端末1300のフロントパネルに設けられる。別の幾つかの実施例において、ディスプレイ1305は少なくとも2つであってもよく、それぞれ端末1300の異なった表面に設けられるか又は折り畳むように設けられる。また幾つかの実施例において、ディスプレイ1305は、フレキシブルディスプレイであってもよく、コンピュータ装置1300の湾曲表面又は折り畳み面に設けられる。なお、ディスプレイ1305は、非矩形の不規則な画像に設けられてもよく、つまり、異形ディスプレイであってもよい。ディスプレイ1305として、LCD(Liquid Crystal Display:液晶ディスプレイ)、OLED(Organic Light-Emitting Diode:有機発光ダイオード)などの材質からなるものであってもよい。
【0109】
カメラコンポーネント1306は、画像又はビデオの採取に用いられる。任意選択的に、カメラコンポーネント1306は、フロントカメラ及びリアカメラを備える。一般的には、フロントカメラは、端末のフロントパネルに設けられ、リアカメラは、端末の背面に設けられる。幾つかの実施例において、リアカメラは少なくとも2つであり、それぞれメインカメラ、デプスカメラ、広角カメラ、長焦点カメラのうちのいずれか1つである。これにより、メインカメラとデプスカメラを組み合わせて背景ぼかし機能を実現させる。メインカメラと広角カメラを組み合わせてパノラマ撮影及びVR(Virtual Reality:仮想現実)撮影機能又は他の組み合わせによる撮影機能を実現させる。幾つかの実施例において、カメラコンポーネント1306は、フラッシュを含んでもよい。フラッシュは、単色フラッシュであってもよく、二色フラッシュであってもよい。二色フラッシュは、暖色光フラッシュと冷色光フラッシュとの組み合わせを指し、様々な色温度での光線補償に用いられる。
【0110】
オーディオ回路1307は、マイクロホン及びスピーカーを含んでもよい。マイクロホンは、ユーザ及び環境の音波を採取し、音波を電気信号に変換してプロセッサ1301に入力して処理するか、又は無線周波数回路1304に入力して音声通信を実現させる。ステレオ音響の採取又はノイズ低減を実現させるために、マイクロホンは、複数であってもよく、それぞれ端末1300の様々な部位に設けられる。マイクロホンは、アレイマイクロホン又は全方向採取型マイクロホンであってもよい。スピーカーは、プロセッサ1301又は無線周波数回路1304からの電気信号を音波に変換するためのものである。スピーカーは、従来のフィルムスピーカーであってもよく、圧電セラミックススピーカーであってもよい。スピーカーは、圧電セラミックススピーカーである場合、電気信号を、人間にとって可聴な音波に変換することができるだけでなく、電気信号を、人間にとって不可聴な音波に変換して距離測定などの用途に適用することもできる。幾つかの実施例において、オーディオ回路1307は、イヤホンジャックを含んでもよい。
【0111】
位置決めコンポーネント1308は、端末1300の現在の地理的位置を位置決めし、ナビゲーション又はLBS(Location Based Service:ロケーションベースサービス)を実現させるためのものである。位置決めコンポーネント1308は、米国のGPS(Global Positioning System:全地球測位システム)、中国の北斗システム、ロシアのガリレオシステム又は欧州連合のガリレオシステムに基づいた位置決めコンポーネントであってもよい。
【0112】
電源1309は、端末1300における各ユニットに給電するためのものである。電源1309は、交流電、直流電、使い捨て電池又は充電可能な電池であってもよい。電源1309が充電可能な電池を含む場合、該充電可能な電池は、有線充電電池又は無線充電電池であってもよい。該充電可能な電池は、急速充電技術をサポートするものであってもよい。
【0113】
幾つかの実施例において、端末1300は、1つ又は複数のセンサ1310を更に備える。該1つ又は複数のセンサ1310は、加速度センサ1311、ジャイロセンサ1312、圧力センサ1313、指紋センサ1314、光学センサ1315及び近接センサ1316を含むが、これらに限定されない。
【0114】
加速度センサ1311は、端末1300により確立された座標系の3つの座標軸における加速度の大きさを検出することができる。例えば、加速度センサ1311は、3つの座標軸における重力加速度の成分を検出することができる。プロセッサ1301は、加速度センサ1311により採取された重力加速度信号に基づいて、タッチディスプレイ1305を、横ビュー又は縦ビューによりユーザインタフェースの表示を行うように制御することができる。加速度センサ1311は、ゲーム又はユーザの運動データの採取にも用いられる。
【0115】
ジャイロセンサ1312は、端末1300の本体方向及び回転角度を検出することができる。ジャイロセンサ1312は、ユーザによる端末1300に対する3D動作を加速度センサ1311と協力して採取することができる。プロセッサ1301は、ジャイロセンサ1312により採取されたデータに基づいて、動作検知(例えば、ユーザによる傾斜操作に基づいてUIを変える)、撮影時の画像安定化、ゲーム制御及び慣性航法機能を実現させることができる。
【0116】
圧力センサ1313は、端末1300の側枠及び/又はタッチディスプレイ1305の下層に設けられてもよい。圧力センサ1313が端末1300の側枠に設けられる時、ユーザによる端末1300に対する把持信号を検出することができる。プロセッサ1301は、圧力センサ1313により採取された把持信号に基づいて、左右手識別又はショートカット操作を行う。圧力センサ1313がタッチディスプレイ1305の下層に設けられる時、プロセッサ1301は、ユーザによるタッチディスプレイ1305に対する加圧操作に基づいて、UIインタフェースにおける操作可能なコントロールの制御を実現させる。操作可能なコントロールは、ボタンコントロール、スクロールバーコントロール、アイコンコントロール、メニューコントロールのうちの少なくとも1つを含む。
【0117】
指紋センサ1314は、ユーザの指紋の採取に用いられる。プロセッサ1301は、指紋センサ1314により採取された指紋に基づいて、ユーザの身分認証を行う。又は、指紋センサ1314は、採取された指紋に基づいて、ユーザの身分認証を行う。ユーザの身分が信頼できる身分であると判定した時、プロセッサ1301は、該ユーザによる関連機密操作の実行を許可する。該機密操作は、スクリーンアンロック、暗号化情報の確認、ソフトウェアダウンロード、支払い及び設定変更などを含む。指紋センサ1314は、端末1300の正面、背面又は側面に設けられてもよい。端末1300に物理的ボタン又はメーカーLogoが設けられた場合、指紋センサ1314は、物理的ボタン又はメーカーと一体化されてもよい。
【0118】
光学センサ1315は、環境光の強度の採取に用いられる。一実施例において、プロセッサ1301は、光学センサ1315により採取された環境光の強度に基づいて、タッチディスプレイ1305の表示輝度を制御することができる。具体的には、環境光の強度が高い時、タッチディスプレイ1305の表示輝度を高くする。環境光の強度が低い時、タッチディスプレイ1305の表示輝度を低くする。別の実施例において、プロセッサ1301は、光学センサ1315により採取された環境光の強度に基づいて、カメラコンポーネント1306の撮影パラメータを動的に調整することもできる。
【0119】
近接センサ1316は、距離センサとも呼ばれ、一般的には、端末1300のフロントパネルに設けられる。近接センサ1316は、ユーザと端末1300の正面との距離の採取に用いられる。一実施例において、近接センサ1316は、ユーザと端末1300の正面との距離が次第に小さくなることを検出した時、プロセッサ1301により、タッチディスプレイ1305をスクリーン点灯状態からスクリーン消灯状態に切り替えるように制御する。近接センサ1316は、ユーザと端末1300の正面との距離が次第に大きくなることを検出した時、プロセッサ1301により、タッチディスプレイ1305をスクリーン消灯状態からスクリーン点灯状態に切り替えるように制御する。
【0120】
図13に示した構造は、端末1300を限定するものではなく、図示したものより多く又は少ないユニットを含んでもよく、幾つかのユニットを組み合わせてもよく、様々なユニット配置を利用してもよいことは、当業者であれば理解されるべきである。
【0121】
本発明の実施例は、コンピュータ可読記憶媒体を更に提供する。該コンピュータ可読記憶媒体に、少なくとも1つの命令、少なくとも1つのプログラム、コードセット又は命令セットが記憶されており、該命令、該プログラム、該コードセット又は該命令セットは、プロセッサによりロードされて、上記実施例における仮想対象と投擲物とのインタラクションを制御する方法における操作を実行するように構成される。
【0122】
上記実施例の全て又は一部の工程はハードウェアにより実行されてもよく、プログラム命令に係るハードウェアにより実行されてもよく、上記プログラムは、コンピュータ可読記憶媒体に記憶されてもよく、上記言及したコンピュータ可読記憶媒体は、読み取り専用メモリ、磁気ディスク又は光ディスクなどであってもよいことは当業者であれば理解されるべきである。
【0123】
以上は、本願の好適な実施例に過ぎず、本願を限定するものではない。本願の精神や原則を逸脱しないあらゆる修正、同等置換、改良などはすべて本発明の保護範囲内に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0124】
1201 ピックアップモジュール
1202 パラメータ決定モジュール
1203 軌跡決定モジュール
1204 表示モジュール
1301 プロセッサ
1302 メモリ
1303 外部装置インタフェース
1304 無線周波数回路
1305 ディスプレイ
1306 カメラコンポーネント
1307 オーディオ回路
1308 位置決めコンポーネント
1309 電源
1310 センサ
1311 加速度センサ
1312 ジャイロセンサ
1313 圧力センサ
1314 指紋センサ
1315 光学センサ
1316 近接センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
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図13