(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】自動注射器用の硬質の針シールド除去器
(51)【国際特許分類】
A61M 5/32 20060101AFI20230418BHJP
A61M 5/20 20060101ALI20230418BHJP
【FI】
A61M5/32 502
A61M5/20
(21)【出願番号】P 2021549996
(86)(22)【出願日】2020-02-26
(86)【国際出願番号】 EP2020055012
(87)【国際公開番号】W WO2020173998
(87)【国際公開日】2020-09-03
【審査請求日】2021-10-22
(32)【優先日】2019-02-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】310021434
【氏名又は名称】ベクトン ディキンソン フランス
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ルイ プチ
【審査官】二階堂 恭弘
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-510534(JP,A)
【文献】国際公開第2017/223354(WO,A1)
【文献】特表2018-520738(JP,A)
【文献】特表2016-526996(JP,A)
【文献】特表2016-538058(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0228984(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/32
A61M 5/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンジバレル、針、及び、前記針を少なくとも部分的に取り囲む針シールドを備える自動注射器のためのシールド除去アセンブリ(100)であって、
ユーザにより把持されるように構成され、近位端(155)と遠位端(160)を有する、キャップ除去器(150)であって、前記キャップ除去器(150)の前記遠位端(160)は、その中を通過する少なくとも1つの開口部(162)を備える、前記キャップ除去器(150)と、
前記キャップ除去器(150)内に受け入れられ、近位端(115)と遠位端(120)を有する、リテーナ(110)であって、前記リテーナ(110)は、前記針シールドの少なくとも1つの相補的把持形体と係合するように構成された把持形体(125)を備え、前記遠位端(120)は、その中を通過する開口部(122)を備える、前記リテーナ(110)と、を備え、
前記リテーナは、前記キャップ除去器に対して軸方向に移動可能であり、
前記リテーナ(110)は、少なくとも1つの半径方向に延びる突起部(135)を含み、前記キャップ除去器(150)は、前記半径方向に延びる突起部(135)を受け入れるように構成された少なくとも1つの窓(170)を含む、
ことを特徴とするシールド除去アセンブリ。
【請求項2】
前記少なくとも1つの把持形体は、少なくとも1つの突起部を備え、前記少なくとも1つの相補的把持形体は、前記針シールドの近位端を備える、ことを特徴とする請求項1に記載のシールド除去アセンブリ。
【請求項3】
前記少なくとも1つの把持形体(125)が前記針シールドの前記少なくとも1つの相補的把持形体と長手方向に間隔が空けられ、前記針シールドの前記少なくとも1つの相補的把持形体の近位に配置される第1の位置から、前記少なくとも1つの把持形体(125)が前記針シールドの少なくとも1つの相補的把持形体に係合する第2の位置まで、前記自動注射器の前記針シールドが前記シールド除去アセンブリ(100)を通過して前進することができるように、前記シールド除去アセンブリ(100)が構成されることを特徴とする請求項1又は2に記載のシールド除去アセンブリ。
【請求項4】
前記少なくとも1つの把持形体(125)は、前記リテーナ(110)の前記近位端(115)に配置され、前記自動注射器の前記針シールドが前記シールド除去アセンブリ(100)を通過して、前記針シールドの前記近位端が前記リテーナ(110)の前記少なくとも1つの把持形体(125)から長手方向に間隔が空けられた第1の位置から、前記針シールドの前記近位端が前記リテーナ(110)の前記少なくとも1つの把持形体(125)に隣接する第2の位置まで、前進することができるように、前記シールド除去アセンブリ(100)は構成されることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のシールド除去アセンブリ。
【請求項5】
前記リテーナは、少なくとも1つの突起部(112)を備え、
前記キャップ除去器(150)は、前記リテーナ(110)の前記少なくとも1つの突起部(112)から長手方向に間隔が空けられた少なくとも1つの肩部(152)を備え、
その結果、前記少なくとも1つの肩部(152)が前記少なくとも1つの突起部(112)と係合する前に、前記キャップ除去器(150)は、設定された距離だけ
シリンジから長手方向に移動する、ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のシールド除去アセンブリ。
【請求項6】
前記キャップ除去器(150)の前記遠位端(160)の前記開口部は、前記リテーナ(110)の前記遠位端(120)の前記開口部よりも大きな直径を有する、ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載のシールド除去アセンブリ。
【請求項7】
近位端、開口した遠位端を有し、長手方向軸を規定するハウジングと、
前記ハウジング内に保持され、バレル(210)を有するシリンジ(200)と、
前記シリンジバレル(210)の遠位端に取り付けられた針(220)と、
近位端(232)及び遠位端を有し、前記針(220)を少なくとも部分的に取り囲むように構成された取り外し可能針シールド(230)と、
請求項1から
6のいずれか1項に記載のシールド除去アセンブリ(100)と
を備えることを特徴とする自動注射器。
【請求項8】
前記キャップ除去器(150)は、前記ハウジングに対して回転可能ではないことを特徴とする請求項7に記載の自動注射器。
【請求項9】
自動注射器を組み立てる方法であって、
下部アセンブリ(300)を提供するステップであって、前記下部アセンブリは、
近位端及び遠位端を有し、長手方向軸を規定する下部ハウジング(310)と、
前記下部ハウジング(310)の前記遠位端に配置されたシールド除去アセンブリ(100)であって、
ユーザによって把持されるように構成され、近位端(155)及び遠位端(160)、を有するキャップ除去器(150)であって、前記キャップ除去器の遠位端は、その中を通過する少なくとも1つの開口部(162)を備える、キャップ除去器と、
前記キャップ除去器(150)内に受け入れられ、少なくとも1つの把持形体(125)を備える近位端(115)及び遠位端(120)を有する、リテーナ(110)であって、前記リテーナ(110)の前記遠位端(120)は、その中を通過し、初期構成において、前記キャップ除去器(150)の前記遠位端(160)から間隔が空けられた開口部(122)を有する、リテーナと、を備え
、
前記リテーナは、前記キャップ除去器に対して軸方向に移動可能であり、
前記リテーナ(110)は、少なくとも1つの半径方向に延びる突起部(135)を含み、前記キャップ除去器(150)は、前記半径方向に延びる突起部(135)を受け入れるように構成された少なくとも1つの窓(170)を含む、
前記シールド除去アセンブリと、を備える、
前記下部ハウジングを提供するステップと、
シリンジ(200)を前記下部アセンブリに挿入するステップであって、前記シリンジ(200)は、
近位端及び遠位端を有するバレル(210)と、
前記バレル(210)の前記遠位端に配置された針(220)と、
少なくとも1つの相補的把持形体(233)を備える近位端(232)及び遠位端(234)を有し、前記針(220)を少なくとも部分的に取り囲むように構成された取り外し可能な針シールド(230)と、を備え、
前記挿入するステップは、前記シリンジ(200)を長手方向軸に沿って前記下部ハウジング(310)の前記遠位端に向かって移動させ、その結果、前記リテーナ(110)の前記少なくとも1つの把持形体(125)が長手方向に間隔が空けられ、前記針シールド(230)の前記少なくとも1つの相補的把持形体(233)の近位に配置されるステップを含む、挿入するステップと、
上部ハウジングを備える上部アセンブリを前記下部アセンブリ上に配置するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
前記リテーナ(110)の前記少なくとも1つの把持形体(125)は、前記針シールド(230)の近位端に係合するように構成された突起部(125)であり、
前記シリンジ(200)を前記下部アセンブリに挿入するステップは、前記少なくとも1つの突起部(125)が前記針シールド(230)の前記近位端の近位に配置され、前記針シールド(230)の前記近位端から長手方向に間隔が空けられるように、前記シリンジ(200)を遠位方向に押し出すステップを含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記シリンジ(200)を前記下部アセンブリ(300)に挿入するステップの後に、前記少なくとも1つの把持形体(125)が前記針シールドの前記近位端に係合するように、前記シリンジ(200)を近位方向に押し出すステップを更に含む、ことを特徴とする請求項9又10に記載の方法。
【請求項12】
前記シリンジ(200)を近位方向に押し出すステップは、前記キャップ除去器(150)の前記遠位端(160)の前記少なくとも1つの開口部(162)、及び、前記リテーナ(110)の前記遠位端(120)の開口部(122)を通してデバイスを挿入して、前記シリンジ(200)を近位方向に押し出すステップを備える。ことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記シリンジバレル(210)の前記近位端はフランジ(240)を備え、前記下部ハウジング(310)の前記近位端はリング(320)を備えることを特徴とする請求項10から12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記シリンジ(200)の挿入後、前記シリンジフランジ(240)が前記リング(320)に隣接することを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記シリンジ(200)を前記下部アセンブリ(300)に挿入するステップの後に、前記シリンジ(200)を近位方向に押し出すステップであって、前記シリンジ(200)を近位方向に押し出すステップの後に、前記シリンジフランジ(240)が前記リング(320)から長手方向に間隔が空けられることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、自動注射器、及び、それを組み立てる方法、より具体的には、自動注射器から針シールドを除去するための装置、並びに、そのような装置を含む自動注射器を組み立てるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動注射器などの自動薬物送達デバイスは、針の無菌性を維持し、針とユーザとの間の不注意な接触を防ぐために、取り外し可能なシールドを備えて設計される。これらの針シールドの多くは弾性であり、針シールドとキャップ又は他の取り外し装置との間の正確な配置としっかりとしたグリップを確保することは困難な場合があり、その結果、シールド又は滑りを取り除くために過剰な力が必要になり、シールドをまったく取り外すことができなくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
したがって、自動注射器が使用される場合に針シールドを迅速かつ容易に除去するために確実に配置することができる針シールド除去器の必要性が当技術分野に存在する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本明細書で提供されるのは、シリンジバレル、針、及び、針を少なくとも部分的に取り囲む針シールドを含む自動注射器用のシールド除去アセンブリである。シールド除去アセンブリは、ユーザによって把持されるように構成され、近位端及び遠位端を有する、キャップ除去器であって、キャップ除去器の遠位端がその中を通過する少なくとも1つの開口部を有するキャップ除去器と、キャップ除去器内に受け入れられ、近位端及び遠位端を有するリテーナであって、針シールドの少なくとも1つの相補的な把持形体と係合するように構成された少なくとも1つの把持形体、及び、その中を通過する開口部を有し、キャップ除去器の遠位端に隣接するように構成された遠位端を有する、リテーナを備える。シールド除去アセンブリは、把持形体が針シールドの相補的把持形体の近位に位置する第1の位置から、把持形体が針シールドの相補的把持形体に隣接する第2の位置まで、自動注射器の針シールドがシールド除去アセンブリを通って前進できるように構成される。
【0005】
また、本明細書で提供されるのは、近位端、開放遠位端を有し、長手方向軸を規定するハウジングと、ハウジング内に保持され、バレルを有するシリンジと、シリンジバレルの遠位端に取り付けられた針と、近位端及び遠位端を有する取り外し可能な針シールドであって、針を少なくとも部分的に取り囲むように構成された針シールドと、及び、シールド除去アセンブリと、を備える自動注射器である。
【0006】
また、本明細書で提供されるのは、下部アセンブリを提供するステップを含む自動注射器を組み立てる方法であって、下部アセンブリは、近位端及び遠位端を有し、長手方向軸を確定する下部ハウジングと、下部ハウジングの遠位端に配置されたシールド除去アセンブリとを含み、ユーザによって把持されるように構成され、近位端、遠位端を有するキャップ除去器であって、キャップ除去器の遠位端はその中を通過する少なくとも1つの開口部を有するキャップ除去器と、キャップ除去器内に受け入れられ、少なくとも1つの把持形体を有する近位端と、遠位端と、を有するリテーナであって、リテーナの遠位端は、その中を通過する少なくとも1つの開口部を有し、初期構成においてキャップ除去器の遠位端から間隔を空けられた、リテーナを含む。この方法はさらに、シリンジを下部アセンブリに挿入するステップを含み、シリンジは、近位端及び遠位端を有するバレルと、バレルの遠位端に配置された針と、及び、取り外し可能な針シールドであって、少なくとも1つの相補的把持形体を有する近位端及び遠位端を有し、針を少なくとも部分的に取り囲むように構成された針シールドと、を備える。シリンジを挿入するステップは、リテーナの把持形体がシリンジバレルの遠位端の近位にあるシリンジバレルに接触し、針シールドの遠位端がリテーナの遠位端に隣接するように、シリンジを長手方向軸に沿って下部ハウジングの遠位端に向かって移動させることを含む。この方法は、上部ハウジングを含む上部アセンブリを下部アセンブリ上に配置するステップをさらに含む。
【0007】
さらなる実施形態及び態様を以下に記載する。
【0008】
シリンジバレル、針、及び、針を少なくとも部分的に取り囲む針シールドを含む、自動注射器用のシールド除去アセンブリであって、ユーザによって把持されるように構成され、近位端及び遠位端を有するキャップ除去器であって、キャップ除去器の遠位端は、その中を通過する少なくとも1つの開口部を備える、キャップ除去器と、キャップ除去器内に受け入れられ、近位端及び遠位端を有するリテーナであって、針シールドの少なくとも1つの相補的把持形体と係合するように構成された少なくとも1つの把持機能を備え、遠位端は、その中を通過する開口部を備え、キャップの遠位端に隣接するように構成されたリテーナと、を備え、シールド除去アセンブリは、自動注射器の針シールドが、把持形体が相補的把持形体の近位に位置する第1の位置から、把持形体が針シールドの相補的把持形体に隣接する第2の位置へ、シールド除去アセンブリを通過して前進できるように構成される。
【0009】
上述のシールド除去アセンブリにおいて、把持形体がリテーナの近位端に配置された突起部であり、シールド除去アセンブリは、自動注射器の針シールドがシールド除去アセンブリを通過して、針シールドの近位端がリテーナの近位端から長手方向に間隔が開けられた第1の位置から、針シールドの近位端がリテーナの近位端から長手方向に間隔が開けられた第2の位置であって、針シールドの近位端は、リテーナの近位端に隣接している第2の位置まで、前進できるように、シールド除去アセンブリは、構成される。
【0010】
上述のシールド除去アセンブリにおいて、リテーナが少なくとも1つの半径方向に延びる突起部を含み、キャップ除去器が半径方向に延びる突起部と係合するように構成された少なくとも1つの肩部を含む。
【0011】
上述のシールド除去アセンブリにおいて、少なくとも1つの半径方向に延びる突起部は、肩部から長手方向に間隔が空けられ、その結果、キャップ除去器が、リテーナの半径方向に延びる突起部がキャップ除去器内で肩部に係合する前に、設定された距離だけシリンジがから長手方向に離れるように移動する。
【0012】
上述のシールド除去アセンブリにおいて、キャップ除去器の遠位端の開口部が、リテーナの遠位端の開口部よりも大きい直径を有する。
【0013】
自動注射器は、近位端、開口遠位端を有し、長手方向軸を規定するハウジングと、ハウジング内に保持され、バレルを有するシリンジと、シリンジバレルの遠位端に取り付けられた針と、近位端及び遠位端を有する取り外し可能な針シールドであって、針を少なくとも部分的に取り囲むように構成された針シールドと、上述のようなシールド除去アセンブリと、を備える。
【0014】
上述の自動注射器において、キャップ除去器がハウジングの開放遠位端を少なくとも部分的に取り囲む。
【0015】
上述の自動注射器において、キャップ除去器がハウジングに対して回転可能ではない。
【0016】
自動注射器を組み立てる方法は、下部アセンブリを提供するステップであって、下部アセンブリは、近位端及び遠位端を有し、長手方向軸を規定する下部ハウジングと、下部ハウジングの遠位端に配置されたシールド除去アセンブリと、を備え、シールド除去アセンブリ、ユーザによって把持されるように構成され、近位端、遠位端を有するキャップ除去器であって、キャップ除去器の遠位端は、その中を通過する少なくとも1つの開口部を含むキャップ除去器と、キャップ除去器内に受け入れられ、少なくとも1つの把持形体を有する近位端と遠位端を有するリテーナであって、リテーナの遠位端はその中を通過し、初期構成においてキャップ除去器の遠位端から間隔が空けられた少なくとも1つの開口部を含むリテーナと、を備えるステップと、シリンジを下部アセンブリに挿入するステップであって、シリンジは、近位端及び遠位端を有するバレルと、バレルの遠位端に配置された針と、少なくとも1つの相補的な把持形体を有する近位端、及び遠位端を有する取り外し可能な針シールドであって、針を少なくとも部分的に取り囲むように構成された針シールドを備える挿入するステップは、シリンジを長手軸方向に沿って、下部ハウジングの遠位端に向かって動かし、その結果、リテーナの把持形体がシリンジバレルの遠位端の近位でシリンジバレルに接触し、針シールドの遠位端は、リテーナの遠位端に隣接するステップを含む挿入するステップと、上部ハウジングを含む上部アセンブリを下部アセンブリ上に配置するステップを含む。
【0017】
上述の方法において、リテーナの把持形体が、針シールドの近位端に係合するように構成された少なくとも1つの突起部を含み、シリンジを下部アセンブリに挿入するステップが、少なくとも1つの突起部が針シールドの近位端の近位に配置されるように、シリンジを遠位方向に押し出すステップを含む。
【0018】
上述の方法において、シリンジを下部アセンブリに挿入した後、少なくとも1つの把持形体が針シールドの近位端に係合するように、シリンジを近位方向に押し出すステップをさらに含む。
【0019】
上述の方法において、シリンジを近位方向に押し出すステップは、キャップ除去器の遠位端、及び、リテーナの遠位端の少なくとも1つの開口部を通してデバイスを挿入して、シリンジを近位方向に押し出すステップを含む。
【0020】
上述の方法において、シリンジを近位方向に押し出した後、少なくとも1つの突起部が針シールドの近位端に係合する。
【0021】
上述の方法において、シリンジバレルの近位端がフランジを備え、下部ハウジングの近位端がリングを備える。
【0022】
上述の方法において、シリンジの挿入後、シリンジフランジがリングに隣接する。
【0023】
上述の方法において、シリンジを下部アセンブリに挿入するステップの後に、シリンジを近位方向に押し出すステップをさらに含み、シリンジを近位方向に押し出すステップの後に、シリンジフランジをリングから長手方向に間隔を開けさせる。
【0024】
上述の方法において、リテーナが少なくとも1つの半径方向に延びる突起部を含む。
【0025】
上述の方法において、キャップ除去器が、キャップ除去器の近位端と遠位端との間の側壁に肩部を含む。
【0026】
自動注射器は、近位端、開口した遠位端を有し、長手方向軸を規定するハウジングと、ハウジング内に保持され、バレルを有するシリンジと、シリンジバレルの遠位端に取り付けられた針と、近位端及び遠位端を有し、針を少なくとも部分的に取り囲むように構成された取り外し可能針シールドと、シールド除去アセンブリと、を備え、シールド除去アセンブリは、ユーザにより把持されるように構成され、近位端と遠位端を有する、キャップ除去器であって、キャップ除去器の遠位端は、その中を通過する少なくとも1つの開口部を備えるキャップ除去器と、キャップ除去器内に受け入れられ、近位端と遠位端を有するリテーナであって、近位端が針シールドの近位端とシリンジバレルの遠位端との間で針シールドと係合するように構成され、遠位端がその中を通過する少なくとも1つの開口部を備え、キャップ除去器の遠位端に隣接するように構成されたリテーナと、を備え、針シールドがシールド除去アセンブリを通って、針シールドの近位端がリテーナの近位端から長手方向に間隔があけられた第1の位置から、針シールドの近位端がリテーナの近位端に隣接する第2の位置まで、前進することができように適合される。
【0027】
上述の自動注射器において、リテーナ及びキャップ除去器が、キャップ除去器の長手方向の動きの開始と、リテーナの長手方向の動きの開始との間の遅れを提供するように配置される。
【0028】
上述の自動注射器において、リテーナの近位端が少なくとも1つの把持形体を含む。
【0029】
上述の自動注射器において、第1の位置において、針シールドの近位端は、少なくとも1つの把持形体から長手方向に間隔が空けられ、第2の位置において、針シールドの近位端は、少なくとも1つの把持形体に隣接する。
【0030】
上述の自動注射器において、リテーナがリテーナの遠位端から近位に延びる少なくとも1つの部材を備え、少なくとも1つの部材が半径方向に延びる突起部を備える。
【0031】
上述の自動注射器において、キャップ除去器がハウジングの開放遠位端を少なくとも部分的に取り囲む。
【0032】
上述の自動注射器において、キャップ除去器がハウジングに対して回転可能に固定される。
【0033】
自動注射器を組み立てる方法は、下部アセンブリを提供するステップを含み、下部アセンブリは、近位端及び遠位端を有し、長手方向軸を規定する下部ハウジングと、下部ハウジングの遠位端に配置されたシールド除去アセンブリを備え、シールド除去アセンブリは、ユーザによって把持されるように構成され、近位端及び遠位端を有するキャップ除去器であって、キャップ除去器の遠位端がその中を通過する少なくとも1つの開口部を備える、キャップ除去器と、キャップ除去器内に受け入れられ、近位端及び遠位端を有するリテーナであって、リテーナの遠位端がその中を通過し、初期構成においてキャップ除去器の遠位端から間隔が空けられた開口部を有する、リテーナと、を備え、方法は、シリンジを下部アセンブリに挿入するステップを含み、シリンジは、近位端及び遠位端を有するバレルと、バレルの遠位端に配置された針と、近位端及び遠位端を有し、針を少なくとも部分的に取り囲むように構成された取り外し可能な針シールドと、を備え、シリンジを挿入するステップは、シリンジを長手方向軸に沿って下部ハウジングの遠位端に向かって移動させ、その結果、リテーナの近位端がシリンジバレルの遠位端の近位にあるシリンジバレルに接触し、針シールドの遠位端がリテーナの遠位端に隣接するステップを含み、方法は、上部ハウジングを備える上部アセンブリを下部アセンブリ上に配置するステップを含む。
【0034】
上述の方法において、リテーナの近位端が少なくとも1つの把持形体を含み、シリンジを下部アセンブリに挿入するステップが、少なくとも1つの把持形体が針シールドの近位でシリンジバレルに接触するようにシリンジに遠位方向に押し出すステップを含む。
【0035】
上述の方法において、シリンジを下部アセンブリに挿入した後、少なくとも1つの把持機能がシリンジバレルの遠位端と針シールドの近位端との間に配置されるようにシリンジを近位方向に押し出すステップをさらに含む。
【0036】
上述の方法において、シリンジを近位方向に押し出すステップは、キャップ除去器の遠位端、及び、リテーナの遠位端の少なくとも1つの開口部を通してデバイスを挿入して、シリンジを近位方向に押し出すステップを含む。
【0037】
上述の方法において、シリンジを近位方向に押し出した後、少なくとも1つの把持形体が針シールドの近位端に係合する。
【0038】
上述の方法において、シリンジバレルの近位端がフランジを備え、下部ハウジングの近位端がリングを備える。
【0039】
上述の方法において、シリンジの挿入後、シリンジフランジがリングに隣接する。
【0040】
上述の方法において、シリンジを下部アセンブリに挿入するステップの後に、シリンジを近位方向に押し出すステップをさらに含み、シリンジを近位方向に押し出すステップの後に、フランジはリングから長手方向に間隔が空けられる。
【0041】
上述の方法において、上部アセンブリを下部アセンブリ上に配置した後、フランジがリングに隣接する。
【0042】
上述の方法において、リテーナがリテーナの遠位端から近位方向に延びる少なくとも1つの部材を備え、少なくとも1つの部材が半径方向に延びる突起部を備える。
【0043】
上述の方法において、キャップ除去器が、キャップ除去器の近位端と遠位端との間の側壁に肩部を含む。
【0044】
シリンジバレル、針、及び、針を少なくとも部分的に取り囲む針シールドを備える自動注射器のためのシールド除去アセンブリであって、ユーザにより把持されるように構成され、近位端と遠位端を有するキャップ除去器であって、キャップ除去器の遠位端は、その中を通過する少なくとも1つの開口部を備える、キャップ除去器と、キャップ除去器内に受け入れられ、近位端と遠位端を有するリテーナであって、近位端は、針シールドの近位端とシリンジバレルの遠位端との間で針シールドと係合するように構成され、遠位端は、その中を通過する開口部を備え、キャップ除去器の遠位端に隣接するように構成され、自動注射器の針シールドが、シールド除去アセンブリを通って、針シールドの近位端がリテーナの近位端から長手方向に間隔が空けられた第1の位置から、針シールドの近位端がリテーナの近位端に隣接する第2の位置まで前進することができるように、シールド除去アセンブリは構成される。
【0045】
上述の自動注射器において、リテーナ及びキャップ除去器が、キャップ除去器の長手方向の動きの開始と、リテーナの長手方向の動きの開始との間の遅れを提供するように配置される。
【0046】
上述の方法において、リテーナがリテーナの遠位端から近位方向に延びる少なくとも1つの部材を備え、少なくとも1つの部材が半径方向に延びる突起部を備える。
【0047】
上述のシールド除去アセンブリにおいて、遅れ提供装置は、リテーナの半径方向に延びる突起部とキャップ除去器の肩部との間の長手方向の距離を規定し、その結果、キャップ除去器は、リテーナの半径方向に延びる突起部がキャップ除去器の肩部に係合する前に、設定された距離だけシリンジから長手方向に離れるように移動する。
【0048】
上述のシールド除去アセンブリにおいて、リテーナの近位端が少なくとも1つの把持形体を備える。
【0049】
上述のシールド除去アセンブリにおいて、第1の位置において、針シールドの近位端は、少なくとも1つの把持形体から長手方向に間隔が空けられ、第2の位置において、針シールドの近位端は、少なくとも1つの把持形体に隣接する。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1A】本明細書に記載の非限定的な実施形態又は態様によるシールド除去アセンブリの側面図である。
【
図1B】本明細書に記載の非限定的な実施形態又は態様によるシールド除去アセンブリの底面図である。
【
図2A】本明細書に記載の非限定的な実施形態又は態様によるシールド除去アセンブリの分解図である。
【
図2B】
図2Aに示されるようなシールド除去アセンブリの斜視図である。
【
図3】本明細書に記載の非限定的な実施形態又は態様によるシールド除去アセンブリの断面図である。
【
図4A】本明細書に記載の非限定的な実施形態又は態様によるシールド除去アセンブリの斜視図である。
【
図4B】本明細書に記載の非限定的な実施形態又は態様によるシールド除去アセンブリの斜視図である。
【
図5A】本明細書に記載の非限定的な実施形態又は態様によるシールド除去アセンブリの分解斜視図である。
【
図5B】本明細書に記載の非限定的な実施形態又は態様によるシールド除去アセンブリのキャップ除去器の斜視図である。
【
図5C】本明細書に記載の非限定的な実施形態又は態様によるシールド除去アセンブリのリテーナの斜視図である。
【
図6】本明細書に記載の非限定的な実施形態又は態様によるシールド除去アセンブリの断面斜視図である。
【
図7】本明細書に記載の非限定的な実施形態又は態様によるシールド除去アセンブリを含む自動注射器の断面図である。
【
図8】本明細書に記載の非限定的な実施形態又は態様によるシールド除去アセンブリを含む自動注射器の断面図である。
【
図9】本明細書に記載の非限定的な実施形態又は態様によるシールド除去アセンブリを含む自動注射器の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
以下の説明は、当業者が本発明を実施するために企図される説明された実施形態を作成及び使用することを可能にするために提供される。しかしながら、様々な修正、等価物、変形、及び、代替物は、当業者に容易に明らかなことである。任意の、及び、全てのそのような修正、変形、等価物、及び、代替物は、本発明の主旨及び範囲の中に入ることが意図されたものである。
【0052】
以下、説明の目的のために、用語「上部の」、「下部の」、「右の」、「左の」、「垂直の」、「水平の」、「最上部」、「最下部」、「横の」、「縦の」、及び、それらの派生語は、図面において配向されるように、本発明に関するものとする。しかしながら、本発明は、それとは反対に明示的に特定されない限り、様々な代替的な変形を前提としてもよいことは理解されよう。また、添付の図面に示され、及び、以下の明細書に記載される具体的なデバイスは、単に、本発明の例示的な実施形態であることも理解されるべきである。そのため、本明細書に開示される実施形態に関連する具体的な寸法、及び、他の物理的な特徴は、限定的であるとしてみなされるべきではない。
【0053】
本明細書で提供されるのは、針を含む薬物送達デバイスのためのシールド除去アセンブリである。非限定的な実施形態又は態様では、薬物送達デバイスは、ユーザへの物質の自動又は手動送達のための自動注射器又は他の同様のデバイスである。
図1~6を参照して、リテーナ110及びキャップ除去器150を含むシールド除去アセンブリ100が示されている。リテーナ110はキャップ除去器150内にネストされている。非限定的な実施形態又は態様において、キャップ除去器150は、その遠位端でフレア状になって人間工学に基づいた把持面を形成し、ユーザがキャップ除去器をしっかりと把持できるようにする。リテーナ110及びキャップ除去器150は、例えば、プラスチックなどに限定されない、任意の硬質材料で形成することができる。
【0054】
図2A、2B、及び、5A~5Cは、本明細書に記載のシールド除去アセンブリの非限定的な実施形態又は態様の分解図を示す。キャップ除去器150は、ハウジングに最も近くなるように構成された近位端155と、遠位端160と、を含む。非限定的な実施形態又は態様では、キャップ除去器150の近位端155は、自動注射器のハウジング(図示せず)と係合する2つ以上のアームを含む。そのような非限定的な実施形態又は態様では、キャップ除去器150のアームは、自動注射器のハウジングとの安全で解放可能な係合を可能にするために、少なくとも1つの突起部又は肩部を含む。キャップ除去器150の遠位端160は、その中を通過する少なくとも1つの開口部162を含む。非限定的な実施形態又は態様では、キャップ除去器150は、その側壁に少なくとも1つの開口部170を含む。非限定的な実施形態又は態様では、キャップ除去器150は、2つの開口部170を含む。非限定的な実施形態又は態様では、キャップ除去器150は、キャップ除去器150の反対側に配置された2つの開口部170を含む。
【0055】
図1、2A、2B、4、5A、及び、5Bを引き続き参照すると、リテーナ110は、近位端(115、ハウジングに最も近い)及び遠位端120を含む。非限定的な実施形態又は態様では、リテーナ110の近位端115は、自動注射器の針シールド(図示せず)と係合する2つ以上のアームを含む。そのような非限定的な実施形態又は態様では、リテーナ110のアームは、針シールドとの確実な係合を可能にするために少なくとも1つの突起部を含む。リテーナ110の遠位端120は、その中を通過する少なくとも1つの開口部122を含む。非限定的な実施形態では、リテーナ110の遠位端120は、キャップ除去器150の遠位端160に隣接するように構成される。非限定的な実施形態又は態様では、キャップ除去器150の遠位端160の開口部162は、リテーナ110の遠位端120の開口部122よりも大きな直径である。非限定的な実施形態又は態様では、この直径の違いにより、リテーナ110を、キャップ除去器150の遠位端160の開口部162を通してキャップ除去器150に導入することができる。
【0056】
上述のように、リテーナ110の近位端115は、針シールドとの確実な係合を可能にするために、突起部などの少なくとも1つの把持形体を含むことができる。
図3及び
図6に目を向けると、リテーナ110がその近位端115に少なくとも1つの把持形体125を含む、非限定的な実施形態又は態様によるシールド除去アセンブリが示されている。少なくとも1つの把持形体は、少なくとも1つの突起部125であり得、そしてそれがそのフランジによって針シールドを把持することができるように構成され得る。
【0057】
非限定的な実施形態又は態様では、シールド除去アセンブリ100のリテーナ110及びキャップ除去器150は、自動注射器(図示せず)の針シールド及び/又はシリンジを、リテーナ110及びキャップ除去器150の遠位端120、160の開口部122、162のそれぞれを通して、ツールなどのデバイスを導入することによりリテーナに対して移動できるように構成又は配置される。キャップ除去器とリテーナの開口部を通してツールを配置すると、針シールドとシリンジを近位方向に移動できるため、針シールドに対する突起部125の位置を調整して、リテーナ110と針シールドとの間のグリップを確保できる。
【0058】
非限定的な実施形態又は態様で上述のように、
図3及び6を引き続き参照すると、キャップ除去器150は、その側壁に少なくとも1つの開口部170を含む。少なくとも1つの開口部170は、リテーナ110上の少なくとも1つの半径方向に延びる突起部135がその中を通過して延びることを可能にするように構成される。
図3及び6に示される非限定的な実施形態又は態様では、少なくとも1つの半径方向に延びる突起部135が、リテーナ110の遠位端120から近位方向に延びるアームから延びる。他の非限定的な実施形態又は態様(図示せず)では、少なくとも1つの半径方向に延びる突起部135が、リテーナ110の本体上に配置されている。
【0059】
図2A及び2Bを参照すると、シールド除去アセンブリ100の除去中に、キャップ除去器150とリテーナ110との間に遅れ配置が提供される。リテーナ110は、少なくとも1つの突起部112がキャップ除去器150の少なくとも1つの肩部152の近位に配置されるように、キャップ除去器150内に受け入れられる。非限定的な実施形態又は態様では、少なくとも1つの突起部112は、少なくとも片方の肩部152の近位面との係合により、リテーナ110がキャップ除去器150から遠位方向に変位するのを防ぐ。非限定的な実施形態又は態様では、リテーナ110は、キャップ除去器150の少なくとも1つの肩部152の遠位に配置された少なくとも1つのフランジ114をさらに含む。このようにして、リテーナ110は、少なくとも1つのフランジ114の近位面が少なくとも1つの肩部152の遠位面と係合することにより、キャップ除去器150から近位方向に変位するのを防ぐ。リテーナ110上の少なくとも1つの突起部112と少なくとも1つのフランジ114との間の長手方向の空間は、これらの構成要素間に所定量の「遊び」をもたらす。したがって、非限定的な実施形態又は態様では、キャップ除去器150が遠位方向に引っ張られて、シールド除去アセンブリ100が取り付けられている薬物送達デバイスから除去されると、少なくとも1つの肩部152がリテーナ110の少なくとも1つの突起部112と係合する前に、キャップ除去器150が特定の距離だけ引っ張られる。これは、キャップ除去器150の動きの開始とリテーナ110の動きの開始との間に遅れをもたらす。キャップ除去器150が十分に動き、少なくとも1つの肩部152が少なくとも1つの突起部112と係合すると、リテーナ110が薬物送達デバイスから引き離され始め、針シールドに対して少なくとも1つの突起部125の配置のため、針シールドがシリンジ及び針から引き離され始める。
【0060】
また、本明細書には、ハウジング、バレルを有するシリンジ、針、及び、針シールド、並びに、シールド除去アセンブリを含む自動注射器が提供される。
図7~9を参照すると、ハウジングと、バレル210を有するシリンジ200、及び、それに取り付けられた針220と、針を少なくとも部分的に取り囲むように構成された取り外し可能な針シールド230と、シールド除去アセンブリ100と、を備える自動注射器が示されている。自動注射器ハウジング(下部ハウジング310が示されているが、以下に説明するように、自動注射器は上部ハウジングを含むことができることを理解されたい)は、近位端及び遠位端を含み、遠位端は針220がその中を通過することを可能にするために開放しており、物質がユーザに送達されることを可能にする。
【0061】
取り外し可能な針シールド230は、近位端232、及び、遠位端234を含むことができる。非限定的な実施形態又は態様では、取り外し可能な針シールド230は、エラストマの内側部分、及び、硬質の外側部分を含む2ピースの針シールドである。非限定的な実施形態又は態様では、硬質の外側部分は、針シールド230のエラストマの内側部分を少なくとも部分的に取り囲んでいる。非限定的な実施形態又は態様では、針シールド230は、少なくとも1つのフランジ、又は、肩部235を含む。非限定的な実施形態又は態様では、少なくとも1つのフランジ、又は、肩部235は、硬質の外側部分と係合するために、エラストマの内側部分に配置されている。非限定的な実施形態又は態様では、針シールド230は、その近位端232上に少なくとも1つの相補的な把持形体233を含む。非限定的な実施形態又は態様では、少なくとも1つの相補的な把持形体233は、リテーナの少なくとも1つの把持形体125と相補的であり、それらと係合可能であるように構成される。非限定的な実施形態又は態様では、少なくとも1つの相補的な把持形体233は、針シールド230の近位端である。
【0062】
非限定的な実施形態又は態様では、針シールド230のエラストマの部分は、1つ又は複数の天然、又は、合成ゴム、及び/又は、熱可塑性エラストマ、あるいはそれらの組み合わせで形成されている。非限定的な実施形態又は態様では、針シールド230の硬質の外側部分は、硬質プラスチックで形成されている。非限定的な実施形態又は態様では、硬質の外側部分はポリプロピレンで形成されている。
【0063】
シールド除去アセンブリ100は、上述のように、キャップ除去器150及びリテーナ110を含む。非限定的な実施形態又は態様では、キャップ除去器150及び/又はリテーナ110は、上述の特徴のうちの1つ又は複数を含む。非限定的な実施形態又は態様では、キャップ除去器150は、ハウジングの開放した遠位端を少なくとも部分的に取り囲む。非限定的な実施形態又は態様では、キャップ除去器150は、ハウジングに対して回転可能ではない。自動注射器ハウジング、及び/又は、キャップ除去器150は、針シールド230の取り外し中の、ハウジング及び針220に対して、キャップ除去器150、従って、リテーナ110及び針シールド230の、回転を防止するための適切な特徴を含むことができる。非限定的な実施形態、又は、態様では、適切な回転防止機能には、1つ又は複数の突起部、ガイドチャネル、及び/又は、キャップ除去器150、及び/又は、ハウジング上の肩部が含まれる。
【0064】
また、本明細書では、自動注射器の下部ハウジングアセンブリを提供するステップと、シリンジを下部アセンブリに挿入するステップと、上部アセンブリを下部アセンブリに配置するステップと、を含む、シールド除去アセンブリを含む自動注射器を組み立てる方法が提供される。第1のステップでは、それに係合するシールド除去アセンブリ100を含む下部ハウジングアセンブリ300が提供される。下部ハウジングアセンブリ300は、下部ハウジング310を含む。非限定的な実施形態又は態様では、下部アセンブリ300は、その近位端にリング320を含む。下部ハウジングアセンブリ300は近位端及び遠位端を含み、遠位端はシリンジの針がその中を通過できるように開放されており、下部ハウジング310の近位端はシリンジが通過できるように開放されおり、ハウジングに挿入される。ハウジングは、例えば、限定されないが、硬質プラスチックを含む、任意の適切な材料で形成されうる。下部アセンブリ300はまた、シールド除去アセンブリ100を含む。シールド除去アセンブリ100は、前述のように、キャップ除去器150及びリテーナ110を含み、それぞれが、その中を通過する開口部162、122を有する遠位端160、120を有する。非限定的な実施形態又は態様では、キャップ除去器150及び/又はリテーナ110は、上述の特徴のうちの1つ又は複数を含む。初期構成では(例えば、シールド除去アセンブリ100が下部ハウジング300の上に配置される場合)、リテーナ110の遠位端120は、キャップ除去器150の遠位端160から間隔が空けられる。
【0065】
図7を参照すると、非限定的な実施形態又は態様では、方法の第2のステップにおいて、シリンジ200が下部ハウジング310に挿入される。シリンジ200は、薬剤又は他の物質をその中に保持するためのバレル210、バレル210の遠位端に配置された針220、及び、取り外し可能な針シールド230を含むことができる。シリンジ200、バレル210、針220、及び、針シールド230は、上述の特徴のうちの1つ又は複数を含むことができる。シリンジバレル210は、任意の有用なサイズであり得、ガラス又はプラスチックなどの任意の有用な材料で形成され得る。非限定的な実施形態又は態様では、シリンジ200はユニタリシリンジ(unitary syringe)であり、針220はシリンジバレル210で形成される。非限定的な実施形態又は態様では、シリンジバレル210は、その中に針220を備えて形成されておらず、代わりに、針ハブ(図示せず)が針220を保持している。注射器針220は、任意の有用な材料で形成することができ、任意の適切なゲージであることができる。針シールド230は、エラストマ材料で形成されたワンピースの針シールド、又は、エラストマ材料で形成された内側部分及び硬質材料で形成された外側部分と、を有するツーピースの針シールドであり得る。針シールド230は、針220を少なくとも部分的に取り囲んでいる。非限定的な実施形態又は態様では、シリンジ200は、その近位端にフランジ240を含む。第2のステップの終わりに、リテーナ110の遠位端120は、キャップ除去器150の遠位端160から長手方向に間隔が空けられたままである。
【0066】
非限定的な実施形態又は態様では、シリンジ200を挿入するステップは、好ましくは少なくとも1つの把持形体125が針シールドの近位端から長手方向に間隔が空けられるように、シリンジ200をハウジング310の遠位端に向かって移動するステップを含む。言い換えれば、少なくとも1つの把持形体125は、その最終位置(
図9に示される)よりも近位にある。この位置では、シリンジフランジの遠位端234がリング320に隣接しています。この位置では、リテーナ110の近位端115がシリンジバレル210に接触する。
【0067】
上述のように、このステップの終わりに、リテーナ110の遠位端120は、キャップ除去器150の遠位端160に対して近位に維持され、その結果、リテーナ110の遠位端120は、キャップ除去器150の遠位端160から長手方向に間隔が空けられている。非限定的な実施形態又は態様では、ツール(図示せず)が、キャップ除去器150の開口部162内に挿入される。このツールを使用して、リテーナ110を近位方向に押すことができ、その結果、リテーナ110の遠位端120は、キャップ除去器150の遠位端160から長手方向に間隔が空けられる。
【0068】
非限定的な実施形態又は態様では、リテーナ110の近位端115は、突起部125などの少なくとも1つの把持形体を含み、突起部125は、シリンジバレル210の遠位端の近位でシリンジバレル210に接触する。このようにして、リテーナ110は「オーバーストローク」位置にあり、少なくとも1つの把持形体125が針シールド230の非常に近位に配置されている(
図7)。非限定的な実施形態、又は、態様では、針シールド230は、少なくとも1つのフランジ又は肩部235を含み、リテーナ110の近位端115は、少なくとも1つの把持形体125を含み、少なくとも1つの把持形体125は、少なくとも1つのフランジ又は肩部235の近位でシリンジバレル210に接触する。
【0069】
図8を参照すると、非限定的な実施形態又は態様では、シリンジを組み立てる方法の第3のステップは、シリンジ200を下部ハウジング310に挿入した後、シリンジ200を近位に動かすステップを含む。非限定的な実施形態又は態様では、シリンジ200を下部ハウジング310内で近位方向に動かすステップは、キャップ除去器150とリテーナ110の遠位端160、120の少なくとも1つの開口部162、122を通してデバイスを挿入するステップと、シリンジ200を近位方向に押し出すために圧力を加えるステップとによって達成される。非限定的な実施形態又は態様では、
図8に示すように、シリンジ200が近位方向に押し出されると、リターナ110の少なくとも1つの把持形体125がその最も近位端で針シールドと係合する。非限定的な実施形態又は態様では、少なくとも1つの把持形体125は、針シールド230上の少なくとも1つの対応する相補的な把持形体233と係合する。非限定的な実施形態又は態様では、シリンジ200が近位方向に押し出された後、シリンジフランジ240は、下部アセンブリ300のリング320から長手方向に間隔が空けられる。このステップの終わりに、少なくとも1つの把持形体125は、針シールド230の少なくとも1つの相補的な把持形体233と係合し、リテーナ110の遠位端120は、キャップ除去器150の遠位端160から長手方向に間隔が空けられ、及び、シリンジフランジ240は、リング320から長手方向に間隔が空けられる。
【0070】
非限定的な実施形態又は態様では、この方法は、上部ハウジングを含む上部アセンブリ(図示せず)を下部アセンブリ上に配置する第4のステップを含む。下部アセンブリ及び下部ハウジングと同様に、上部アセンブリ及び上部ハウジングは、例えば、限定されないが、硬質プラスチックを含む、任意の適切な材料で形成することができる。非限定的な実施形態又は態様では、上部アセンブリを下部アセンブリに配置するステップにより、シリンジフランジ240がリング320に隣接するように、シリンジが遠位に移動する。
【0071】
図9を参照すると、組み立て後、リテーナ110の遠位端120が落下するか、そうでなければキャップ除去器150の遠位端160に向かって変位し、その結果、リテーナ110の遠位端120がキャップ除去器150の遠位端160に隣接する。
【0072】
最終ユーザが針シールドを取り外したい場合は、キャップ除去器を引く。上述のように、リテーナ110の少なくとも1つの突起部112とキャップ除去器150の少なくとも1つの肩部152との間のギャップは、下部ハウジングアセンブリ300から離れるキャップ除去器150の長手方向移動の開始と、下部ハウジングアセンブリ300から離れるリテーナ110の長手方向移動の開始との間の遅れを引き起こす。
【0073】
本発明は、最も実用的で及び好ましい実施形態又は態様であると現在考えられていることに基づいて例示の目的のために詳細に説明されたが、そのような詳細は単にその目的のためであり、及び、本発明は、開示された実施形態又は態様に限定されないが、逆に、添付の特許請求の範囲の精神及び範囲内にある修正及び同等の配置を包含することが意図されていることを理解されたい。例えば、本発明は、可能な限り、任意の実施形態の1つ又は複数の特徴が、他の任意の実施形態の1つ又は複数の特徴と組み合わせられることを企図していることを理解されたい。