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▶ チーム コンベヤー インテレクチュアル プロパティーズ,エルエルシーの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】自動化システム内の調整されたコンベヤ
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20230418BHJP
   B65G 1/133 20060101ALI20230418BHJP
【FI】
B65G1/137 A
B65G1/133 Z
【請求項の数】 39
(21)【出願番号】P 2021560647
(86)(22)【出願日】2020-03-19
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-06-06
(86)【国際出願番号】 US2020023718
(87)【国際公開番号】W WO2020210001
(87)【国際公開日】2020-10-15
【審査請求日】2022-12-21
(31)【優先権主張番号】62/832,701
(32)【優先日】2019-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/898,414
(32)【優先日】2019-09-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521446059
【氏名又は名称】チーム コンベヤー インテレクチュアル プロパティーズ,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【弁理士】
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ゴーマン,ジョン ジー.
【審査官】福島 和幸
(56)【参考文献】
【文献】特開平8-143111(JP,A)
【文献】特開昭62-36202(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/137
B65G 1/133
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
少なくとも1つの移送コンベヤと、
複数の保管コンベヤであって、前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、少なくとも1つの物品を保持するように構成された複数のセグメントを備え、前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、物品が前記保管コンベヤから前記少なくとも1つの移送コンベヤに移動可能であるように、前記少なくとも1つの移送コンベヤの一部と整列される部分を備える、保管コンベヤと、
少なくとも1つのハードウェアプロセッサ
記少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されるときに
単一の目的地の位置に1つ以上の物品を集める命令を受け取ることと
前記1つ以上の物品のそれぞれについて、
その上に前記物品が保持されている前記複数の保管コンベヤのうちの1つの保管コンベヤ上のセグメントを識別することと
別されたセグメントを前記少なくとも1つの移送コンベヤと整列させるように前記1つの保管コンベヤを制御することと
前記識別されたセグメントから前記少なくとも1つの移送コンベヤ上に前記物品を移動させることと
前記物品を前記単一の目的地の位置と整列させるように前記少なくとも1つの移送コンベヤを制御することと
前記少なくとも1つの移送コンベヤから前記単一の目的地の位置に前記物品を移動させることと
を行うように構成された1つ以上のソフトウェアモジュール
備える、システムであり、
複数のエンティティのそれぞれが場所-時間識別子と関連付けられ、前記複数のエンティティが前記システム内のすべての物品を備え、各エンティティについての各場所-時間識別子が、
表面上の前記エンティティの相対的な位置を識別する表面ベクトルと、
前記エンティティが前記表面ベクトル内で特定された相対的な位置にある時間を識別する時間ベクトルと、
を備える、システム
【請求項2】
前記1つ以上のソフトウェアモジュールが、前記システム内の物品のそれぞれについて、前記時間ベクトル変化する際に、各場所-時間識別子をその関連する物品に関連付けて保存し、前記物品が前記システムに入から前記物品が前記システム出る時まで、前記システム内の物品のそれぞれに関連付けられたすべての場所-時間識別子のログを作成するように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つ以上のソフトウェアモジュールが、前記ログに基づいて、前記システムの効率の測定値を生成するように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つ以上のソフトウェアモジュールが、前記効率の測定値を最適化するように、前記システム内の物品に関連付けられた場所-時間識別子に基づいて、前記システム内の物品の移動を調整するように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項5】
各エンティティについての各場所-時間識別子が、その上に前記表面が位置する構成要素を示す構成要素ベクトルをさらに備える、請求項に記載のシステム。
【請求項6】
各エンティティについての各場所-時間識別子が、前記システムの下に横たわる地面に対する前記エンティティの位置を識別する地面ベクトルをさらに備える、請求項に記載のシステム。
【請求項7】
前記1つ以上のソフトウェアモジュールが、前記時間ベクトルおよび前記地面ベクトルがある期間にわたって変化する際に、各場所-時間識別子をその関連するエンティティに関連付けて記憶し、前記一定期間にわたって前記複数のエンティティのそれぞれに関連付けられたすべての場所-時間識別子のログを作成するように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項8】
各エンティティについての各場所-時間識別子が、前記エンティティのタイプを識別する何ベクトルをさらに備える、請求項に記載のシステム。
【請求項9】
前記複数のエンティティが、前記複数の保管コンベヤのすべてのセグメントをさらに備える、請求項に記載のシステム。
【請求項10】
前記1つ以上のソフトウェアモジュールが、前記システム内の物品のそれぞれについて、前記物品が前記複数の保管コンベヤまたは前記少なくとも1つの移送コンベヤのうちの1つの上に最初に収納される時間に、前記場所-時間識別子を決定するように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項11】
前記1つ以上のソフトウェアモジュールが、前記システム内の物品の移動を、前記システム内のそれらの物品に関連付けられた場所-時間識別子に基づいてスケジュールするように構成される、請求項に記載のシステム。
【請求項12】
前記システムが複数の処理ステーションをさらに備え、前記複数の処理ステーションのそれぞれが、前記複数の保管コンベヤまたは前記少なくとも1つの移送コンベヤのうちの少なくとも1つの上でアクセス可能な物品を処理するように構成され、前記1つ以上のソフトウェアモジュールは、前記複数の保管コンベヤに保管された2つ以上の物品のセットの移動を、前記2つ以上の物品に関連付けられた場所-時間識別子に基づいて調整するように構成され、その結果、前記2つ以上の物品のそれぞれが、事前にスケジュールされた時間に前記複数の処理ステーションの各々1つに同時にアクセス可能になる、請求項に記載のシステム。
【請求項13】
前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサが、前記少なくとも1つの移送コンベヤおよび前記複数の保管コンベヤのそれぞれを、互いから独立して移動するように独立して制御するように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項14】
前記少なくとも1つの移送コンベヤおよび前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、2つの方向に移動するように構成される、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、それと前記保管コンベヤが整列され前記少なくとも1つの移送コンベヤの部分の移動方向と直交する方向に移動するように方向付けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数の保管コンベヤのそれぞれが垂直ループを備え、前記複数の保管コンベヤのそれぞれの保持面が、前記少なくとも1つの移送コンベヤの保持面より上に配置され、前記識別されたセグメントから前記少なくとも1つの移送コンベヤ上に前記物品を移動させることが、前記物品が前記1つの保管コンベヤから前記少なくとも1つの移送コンベヤに落ちるまで、前記識別されたセグメントを前記少なくとも1つの移送コンベヤに向かって移動させることを備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記少なくとも1つの移送コンベヤの一部と整列され前記複数の保管コンベヤのそれぞれの部分が、それと前記保管コンベヤの部分が整列され前記少なくとも1つの移送コンベヤの一部の移動方向と平行である方向に移動する、請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、2つの方向に移動するように構成され、前記1つ以上のソフトウェアモジュールは、前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されるときに
移動を最小限にするように、前記1つの保管コンベヤを前記2つの方向のうちどちらに移動させるかを決定し、
前記1つの保管コンベヤを決定された方向に移動させるように制御する、
ように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
前記少なくとも1つの移送コンベヤおよび前記複数の保管コンベヤのうちの少なくとも1つのセグメントに保持された物品の特性を読み取るように構成されたリーダ装置を備える1つ以上の読み取りステーションをさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項20】
前記システムが、
前記少なくとも1つの移送コンベヤおよび前記複数の保管コンベヤを取り囲む建物
前記少なくとも1つの移送コンベヤにアクセス可能である複数の目的地の位置を備える目的地システム
備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項21】
システムであって、
少なくとも1つの移送コンベヤと、
複数の保管コンベヤであって、前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、少なくとも1つの物品を保持するように構成された複数のセグメントを備え、前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、物品が前記保管コンベヤから前記少なくとも1つの移送コンベヤに移動可能であるように、前記少なくとも1つの移送コンベヤの一部と整列される部分を備え、前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、それと前記保管コンベヤが整列される、前記少なくとも1つの移送コンベヤの部分の移動方向と直交する方向に移動するように方向付けられ、前記複数の保管コンベヤのそれぞれが垂直ループを備え、前記複数の保管コンベヤのそれぞれの保持面が、前記少なくとも1つの移送コンベヤの保持面より上に配置される、保管コンベヤと、
前記少なくとも1つの移送コンベヤの一部と整列される、前記複数の保管コンベヤのそれぞれの部分と、前記少なくとも1つの移送コンベヤとの間のシュートと、
少なくとも1つのハードウェアプロセッサと、
前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されるときに、
単一の目的地の位置に1つ以上の物品を集める命令を受け取ることと、
前記1つ以上の物品のそれぞれについて、
その上に前記物品が保持されている、前記複数の保管コンベヤのうちの1つの保管コンベヤ上のセグメントを識別することと、
識別されたセグメントを前記少なくとも1つの移送コンベヤと整列させるように前記1つの保管コンベヤを制御することと、
前記識別されたセグメントから前記少なくとも1つの移送コンベヤ上に前記物品を移動させることであって、前記識別されたセグメントから前記少なくとも1つの移送コンベヤ上に前記物品を移動させることが、前記物品が前記1つの保管コンベヤから前記少なくとも1つの移送コンベヤに落ちるまで、前記識別されたセグメントを前記少なくとも1つの移送コンベヤに向かって移動させることを備え、前記1つの保管コンベヤから前記少なくとも1つの移送コンベヤ上に前記物品を落とすことは、前記少なくとも1つの移送コンベヤへの下向きのスライド経路を提供するシュートに前記物品を落とすことを備えることと、
前記物品を前記単一の目的地の位置と整列させるように前記少なくとも1つの移送コンベヤを制御することと、
前記少なくとも1つの移送コンベヤから前記単一の目的地の位置に前記物品を移動させることと、
を行うように構成された1つ以上のソフトウェアモジュールと、
を備える、システム。
【請求項22】
システムであって、
少なくとも1つの移送コンベヤと、
複数の保管コンベヤであって、前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、少なくとも1つの物品を保持するように構成された複数のセグメントを備え、前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、物品が前記保管コンベヤから前記少なくとも1つの移送コンベヤに移動可能であるように、前記少なくとも1つの移送コンベヤの一部と整列される部分を備え、前記少なくとも1つの移送コンベヤの一部と整列される、前記複数の保管コンベヤのそれぞれの部分が、それと前記保管コンベヤの部分が整列される、前記少なくとも1つの移送コンベヤの一部の移動方向と平行である方向に移動し、前記複数の保管コンベヤのそれぞれが垂直ループを備え、前記複数の保管コンベヤのそれぞれの保持面が、前記少なくとも1つの移送コンベヤの保持面より上に配置される、保管コンベヤと、
少なくとも1つのハードウェアプロセッサと、
前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されるときに、
単一の目的地の位置に1つ以上の物品を集める命令を受け取ることと、
前記1つ以上の物品のそれぞれについて、
その上に前記物品が保持されている、前記複数の保管コンベヤのうちの1つの保管コンベヤ上のセグメントを識別することと、
識別されたセグメントを前記少なくとも1つの移送コンベヤと整列させるように前記1つの保管コンベヤを制御することと、
前記識別されたセグメントから前記少なくとも1つの移送コンベヤ上に前記物品を移動させることであって、前記識別されたセグメントから前記少なくとも1つの移送コンベヤ上に前記物品を移動させることが、前記識別されたセグメントから、前記少なくとも1つの移送コンベヤに向かって下向きのスライド経路を提供するシュートに前記物品を押し込むことを備えることと、
前記物品を前記単一の目的地の位置と整列させるように前記少なくとも1つの移送コンベヤを制御することと、
前記少なくとも1つの移送コンベヤから前記単一の目的地の位置に前記物品を移動させることと、
を行うように構成された1つ以上のソフトウェアモジュールと、
を備える、システム。
【請求項23】
前記識別されたセグメントから前記少なくとも1つの移送コンベヤ上に前記物品を移動させることが、
された物品が前記下向きのスライド経路の端部にあるビンの中にスライドするのを待つことと、
前記ビンを前記少なくとも1つの移送コンベヤの保持面上に押すことと
をさらに備える、請求項22に記載のシステム。
【請求項24】
システムであって、
少なくとも1つの移送コンベヤであって、前記少なくとも1つの移送コンベヤが、複数の入れ子式コンベヤを備える、移送コンベヤと、
複数の保管コンベヤであって、前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、少なくとも1つの物品を保持するように構成された複数のセグメントを備え、前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、物品が前記保管コンベヤから前記少なくとも1つの移送コンベヤに移動可能であるように、前記少なくとも1つの移送コンベヤの一部と整列される部分を備える、保管コンベヤと、
少なくとも1つのハードウェアプロセッサと、
前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されるときに、
単一の目的地の位置に1つ以上の物品を集める命令を受け取ることと、
前記1つ以上の物品のそれぞれについて、
その上に前記物品が保持されている、前記複数の保管コンベヤのうちの1つの保管コンベヤ上のセグメントを識別することと、
識別されたセグメントを前記少なくとも1つの移送コンベヤと整列させるように前記1つの保管コンベヤを制御することと、
前記識別されたセグメントから前記少なくとも1つの移送コンベヤ上に前記物品を移動させることと、
前記物品を前記単一の目的地の位置と整列させるように前記少なくとも1つの移送コンベヤを制御することと、
前記少なくとも1つの移送コンベヤから前記単一の目的地の位置に前記物品を移動させることと、
を行うように構成された1つ以上のソフトウェアモジュールと、
を備える、システム。
【請求項25】
システムであって、
少なくとも1つの移送コンベヤと、
複数の保管コンベヤであって、前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、少なくとも1つの物品を保持するように構成された複数のセグメントを備え、前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、物品が前記保管コンベヤから前記少なくとも1つの移送コンベヤに移動可能であるように、前記少なくとも1つの移送コンベヤの一部と整列される部分を備え、前記複数の保管コンベヤが、複数の別個の保管システムに配置され、前記複数の別個の保管システムのそれぞれが、前記複数の保管コンベヤのうちの2つ以上を備える、保管コンベヤと、
少なくとも1つのハードウェアプロセッサと、
前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されるときに、
単一の目的地の位置に1つ以上の物品を集める命令を受け取ることと、
前記1つ以上の物品のそれぞれについて、
その上に前記物品が保持されている、前記複数の保管コンベヤのうちの1つの保管コンベヤ上のセグメントを識別することと、
識別されたセグメントを前記少なくとも1つの移送コンベヤと整列させるように前記1つの保管コンベヤを制御することと、
前記識別されたセグメントから前記少なくとも1つの移送コンベヤ上に前記物品を移動させることと、
前記物品を前記単一の目的地の位置と整列させるように前記少なくとも1つの移送コンベヤを制御することと、
前記少なくとも1つの移送コンベヤから前記単一の目的地の位置に前記物品を移動させることと、
を行うように構成された1つ以上のソフトウェアモジュールと、
を備える、システム。
【請求項26】
前記複数の別個の保管システムのそれぞれが、前記複数の保管コンベヤのうちの少なくとも別の1つの上に積み重ねられている、前記複数の保管コンベヤのうちの少なくとも1つを備える、請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
システムであって、
少なくとも1つの移送コンベヤと、
複数の保管コンベヤであって、前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、少なくとも1つの物品を保持するように構成された複数のセグメントを備え、前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、物品が前記保管コンベヤから前記少なくとも1つの移送コンベヤに移動可能であるように、前記少なくとも1つの移送コンベヤの一部と整列される部分を備える、保管コンベヤと、
少なくとも1つのハードウェアプロセッサと、
前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されるときに、
単一の目的地の位置に1つ以上の物品を集める命令を受け取ることと、
前記1つ以上の物品のそれぞれについて、
その上に前記物品が保持されている、前記複数の保管コンベヤのうちの1つの保管コンベヤ上のセグメントを識別することと、
識別されたセグメントを前記少なくとも1つの移送コンベヤと整列させるように前記1つの保管コンベヤを制御することと、
前記識別されたセグメントから前記少なくとも1つの移送コンベヤ上に前記物品を移動させることと、
前記物品を前記単一の目的地の位置と整列させるように前記少なくとも1つの移送コンベヤを制御することと、
前記少なくとも1つの移送コンベヤから前記単一の目的地の位置に前記物品を移動させることと、
を行うように構成された1つ以上のソフトウェアモジュールと、
を備える、システムであり、
前記1つの保管コンベヤが、前記1つの保管コンベヤの保持面を冷却する冷却部品を備え、前記1つ以上のソフトウェアモジュールが、前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されるときに、前記1つの保管コンベヤの保持面を冷却するように前記冷却部品を制御する、システム。
【請求項28】
システムであって、
少なくとも1つの移送コンベヤと、
複数の保管コンベヤであって、前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、少なくとも1つの物品を保持するように構成された複数のセグメントを備え、前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、物品が前記保管コンベヤから前記少なくとも1つの移送コンベヤに移動可能であるように、前記少なくとも1つの移送コンベヤの一部と整列される部分を備える、保管コンベヤと、
少なくとも1つのハードウェアプロセッサと、
前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されるときに、
単一の目的地の位置に1つ以上の物品を集める命令を受け取ることと、
前記1つ以上の物品のそれぞれについて、
その上に前記物品が保持されている、前記複数の保管コンベヤのうちの1つの保管コンベヤ上のセグメントを識別することと、
識別されたセグメントを前記少なくとも1つの移送コンベヤと整列させるように前記1つの保管コンベヤを制御することと、
前記識別されたセグメントから前記少なくとも1つの移送コンベヤ上に前記物品を移動させることと、
前記物品を前記単一の目的地の位置と整列させるように前記少なくとも1つの移送コンベヤを制御することと、
前記少なくとも1つの移送コンベヤから前記単一の目的地の位置に前記物品を移動させることと、
を行うように構成された1つ以上のソフトウェアモジュールと、
を備える、システムであり、
前記1つの保管コンベヤが、前記1つの保管コンベヤの保持面を温める加温部品を含み、前記1つ以上のソフトウェアモジュールが、前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されるときに、前記1つの保管コンベヤの保持面を温めるように前記加温部品を制御する、システム。
【請求項29】
システムであって、
少なくとも1つの移送コンベヤと、
複数の保管コンベヤであって、前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、少なくとも1つの物品を保持するように構成された複数のセグメントを備え、前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、物品が前記保管コンベヤから前記少なくとも1つの移送コンベヤに移動可能であるように、前記少なくとも1つの移送コンベヤの一部と整列される部分を備える、保管コンベヤと、
少なくとも1つのハードウェアプロセッサと、
前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されるときに、
単一の目的地の位置に1つ以上の物品を集める命令を受け取ることと、
前記1つ以上の物品のそれぞれについて、
その上に前記物品が保持されている、前記複数の保管コンベヤのうちの1つの保管コンベヤ上のセグメントを識別することと、
識別されたセグメントを前記少なくとも1つの移送コンベヤと整列させるように前記1つの保管コンベヤを制御することと、
前記識別されたセグメントから前記少なくとも1つの移送コンベヤ上に前記物品を移動させることと、
前記物品を前記単一の目的地の位置と整列させるように前記少なくとも1つの移送コンベヤを制御することと、
前記少なくとも1つの移送コンベヤから前記単一の目的地の位置に前記物品を移動させることと、
を行うように構成された1つ以上のソフトウェアモジュールと、
を備える、システムであり、
前記1つの保管コンベヤの周囲温度が制御可能であり、前記1つ以上のソフトウェアモジュールが、前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されるときに、温度を維持するかまたはある温度範囲内にとどまるように前記1つの保管コンベヤの周囲温度を制御する、システム。
【請求項30】
システムであって、
少なくとも1つの移送コンベヤと、
複数の保管コンベヤであって、前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、少なくとも1つの物品を保持するように構成された複数のセグメントを備え、前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、物品が前記保管コンベヤから前記少なくとも1つの移送コンベヤに移動可能であるように、前記少なくとも1つの移送コンベヤの一部と整列される部分を備える、保管コンベヤと、
少なくとも1つのハードウェアプロセッサと、
前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されるときに、
単一の目的地の位置に1つ以上の物品を集める命令を受け取ることと、
前記1つ以上の物品のそれぞれについて、
その上に前記物品が保持されている、前記複数の保管コンベヤのうちの1つの保管コンベヤ上のセグメントを識別することと、
識別されたセグメントを前記少なくとも1つの移送コンベヤと整列させるように前記1つの保管コンベヤを制御することと、
前記識別されたセグメントから前記少なくとも1つの移送コンベヤ上に前記物品を移動させることと、
前記物品を前記単一の目的地の位置と整列させるように前記少なくとも1つの移送コンベヤを制御することと、
前記少なくとも1つの移送コンベヤから前記単一の目的地の位置に前記物品を移動させることと、
を行うように構成された1つ以上のソフトウェアモジュールと、
を備える、システムであり、
前記少なくとも1つの移送コンベヤおよび前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、複数の割り出し位置のそれぞれで停止するように構成される、システム。
【請求項31】
システムであって、
少なくとも1つの移送コンベヤと、
複数の保管コンベヤであって、前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、少なくとも1つの物品を保持するように構成された複数のセグメントを備え、前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、物品が前記保管コンベヤから前記少なくとも1つの移送コンベヤに移動可能であるように、前記少なくとも1つの移送コンベヤの一部と整列される部分を備える、保管コンベヤと、
前記少なくとも1つの移送コンベヤおよび前記複数の保管コンベヤのうちの少なくとも1つのセグメント上に保持された物品の特性を読み取るように構成されたリーダ装置を備える1つ以上の読み取りステーションであって、前記リーダ装置が、読み取られた物品上の機械読み取り可能な指標の画像をキャプチャするように構成されたカメラを備える、読み取りステーションと、
少なくとも1つのハードウェアプロセッサと、
前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されるときに、
単一の目的地の位置に1つ以上の物品を集める命令を受け取ることと、
前記1つ以上の物品のそれぞれについて、
前記1つ以上の読み取りステーションのうちの少なくとも1つによってキャプチャされた画像から前記物品を識別することと、
その上に前記物品が保持されている、前記複数の保管コンベヤのうちの1つの保管コンベヤ上のセグメントを識別することと、
前記物品の識別子を識別されたセグメントの識別子にマッピングすることと、
前記識別されたセグメントを前記少なくとも1つの移送コンベヤと整列させるように前記1つの保管コンベヤを制御することと、
前記識別されたセグメントから前記少なくとも1つの移送コンベヤ上に前記物品を移動させることと、
前記物品を前記単一の目的地の位置と整列させるように前記少なくとも1つの移送コンベヤを制御することと、
前記少なくとも1つの移送コンベヤから前記単一の目的地の位置に前記物品を移動させることと、
を行うように構成された1つ以上のソフトウェアモジュールと、
を備える、システム。
【請求項32】
前記識別されたセグメントの識別子は、その上に前記読み取られた物品が保持されている、前記コンベヤの表面上の位置を一意に識別する表面ベクトルを備え、前記1つ以上のソフトウェアモジュールは、前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されるときに、前記表面ベクトルを、自動化システム内の前記識別されたセグメントの位置を一意に識別する地面ベクトルにマッピングするように構成される、請求項31に記載のシステム。
【請求項33】
システムであって、
少なくとも1つの移送コンベヤと、
複数の保管コンベヤであって、前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、少なくとも1つの物品を保持するように構成された複数のセグメントを備え、前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、物品が前記保管コンベヤから前記少なくとも1つの移送コンベヤに移動可能であるように、前記少なくとも1つの移送コンベヤの一部と整列される部分を備える、保管コンベヤと、
前記少なくとも1つの移送コンベヤおよび前記複数の保管コンベヤのうちの少なくとも1つのセグメント上の機械読み取り可能な指標を読み取るように構成されたリーダ装置を備える1つ以上の読み取りステーションと、
少なくとも1つのハードウェアプロセッサと、
前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されるときに、
単一の目的地の位置に1つ以上の物品を集める命令を受け取ることと、
前記1つ以上の物品のそれぞれについて、
読み取られた機械読み取り可能な指標に基づいて、その上に前記物品が保持されている、前記複数の保管コンベヤのうちの1つの保管コンベヤ上のセグメントを識別することと、
前記リーダ装置の位置に基づいて識別されたセグメントの位置を決定することと、
前記識別されたセグメントを前記少なくとも1つの移送コンベヤと整列させるように前記1つの保管コンベヤを制御することと、
前記識別されたセグメントから前記少なくとも1つの移送コンベヤ上に前記物品を移動させることと、
前記物品を前記単一の目的地の位置と整列させるように前記少なくとも1つの移送コンベヤを制御することと、
前記少なくとも1つの移送コンベヤから前記単一の目的地の位置に前記物品を移動させることと、
を行うように構成された1つ以上のソフトウェアモジュールと、
を備える、システム。
【請求項34】
システムであって、
少なくとも1つの移送コンベヤと、
複数の保管コンベヤであって、前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、少なくとも1つの物品を保持するように構成された複数のセグメントを備え、前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、物品が前記保管コンベヤから前記少なくとも1つの移送コンベヤに移動可能であるように、前記少なくとも1つの移送コンベヤの一部と整列される部分を備える、保管コンベヤと、
少なくとも1つのハードウェアプロセッサと、
前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されるときに、
単一の目的地の位置に1つ以上の物品を集める命令を受け取ることと、
前記1つ以上の物品のそれぞれについて、
その上に前記物品が保持されている、前記複数の保管コンベヤのうちの1つの保管コンベヤ上のセグメントを識別することと、
識別されたセグメントを前記少なくとも1つの移送コンベヤと整列させるように前記1つの保管コンベヤを制御することと、
前記識別されたセグメントから前記少なくとも1つの移送コンベヤ上に前記物品を移動させることと、
前記物品を前記単一の目的地の位置と整列させるように前記少なくとも1つの移送コンベヤを制御することと、
前記少なくとも1つの移送コンベヤから前記単一の目的地の位置に前記物品を移動させることと、
を行うように構成された1つ以上のソフトウェアモジュールと、
前記少なくとも1つの移送コンベヤおよび前記複数の保管コンベヤを取り囲む建物と、
前記少なくとも1つの移送コンベヤにアクセス可能である複数の目的地の位置を備える目的地システムであって、前記目的地システムが、前記複数の目的地の位置としての複数のロッカーを備える、目的地システムと、
を備える、システム。
【請求項35】
前記1つ以上のソフトウェアモジュールが、前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されるときに
少なくとも1つのネットワークを介してウェブアプリケーションから前記1つ以上の物品を集める命令を受信し、
前記単一の目的地の位置に対応するロッカーの識別子を、前記少なくとも1つのネットワークを介して前記ウェブアプリケーションに提供する、
ようにさらに構成される、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
システムであって、
少なくとも1つの移送コンベヤと、
複数の保管コンベヤであって、前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、少なくとも1つの物品を保持するように構成された複数のセグメントを備え、前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、物品が前記保管コンベヤから前記少なくとも1つの移送コンベヤに移動可能であるように、前記少なくとも1つの移送コンベヤの一部と整列される部分を備える、保管コンベヤと、
少なくとも1つのハードウェアプロセッサと、
前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されるときに、
単一の目的地の位置に1つ以上の物品を集める命令を受け取ることと、
前記1つ以上の物品のそれぞれについて、
その上に前記物品が保持されている、前記複数の保管コンベヤのうちの1つの保管コンベヤ上のセグメントを識別することと、
識別されたセグメントを前記少なくとも1つの移送コンベヤと整列させるように前記1つの保管コンベヤを制御することと、
前記識別されたセグメントから前記少なくとも1つの移送コンベヤ上に前記物品を移動させることと、
前記物品を前記単一の目的地の位置と整列させるように前記少なくとも1つの移送コンベヤを制御することと、
前記少なくとも1つの移送コンベヤから前記単一の目的地の位置に前記物品を移動させることと、
を行うように構成された1つ以上のソフトウェアモジュールと、
前記少なくとも1つの移送コンベヤおよび前記複数の保管コンベヤを取り囲む建物であって、前記建物が40フィートの輸送用コンテナを備える、建物と、
前記少なくとも1つの移送コンベヤにアクセス可能である複数の目的地の位置を備える目的地システムであって、前記目的地システムが、前記輸送用コンテナに取り付け可能であり、かつ前記輸送用コンテナから取り外し可能である、目的地システムと、
を備える、システム。
【請求項37】
システムであって、
少なくとも1つの移送コンベヤと、
複数の保管コンベヤであって、前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、少なくとも1つの物品を保持するように構成された複数のセグメントを備え、前記複数の保管コンベヤのそれぞれが、物品が前記保管コンベヤから前記少なくとも1つの移送コンベヤに移動可能であるように、前記少なくとも1つの移送コンベヤの一部と整列される部分を備える、保管コンベヤと、
少なくとも1つのハードウェアプロセッサと、
前記少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されるときに、
単一の目的地の位置に1つ以上の物品を集める命令を受け取ることと、
前記1つ以上の物品のそれぞれについて、
その上に前記物品が保持されている、前記複数の保管コンベヤのうちの1つの保管コンベヤ上のセグメントを識別することと、
識別されたセグメントを前記少なくとも1つの移送コンベヤと整列させるように前記1つの保管コンベヤを制御することと、
前記識別されたセグメントから前記少なくとも1つの移送コンベヤ上に前記物品を移動させることと、
前記物品を前記単一の目的地の位置と整列させるように前記少なくとも1つの移送コンベヤを制御することと、
前記少なくとも1つの移送コンベヤから前記単一の目的地の位置に前記物品を移動させることと、
前記システム内のすべての物品を追跡することと、
サプライチェーンの外部システムと通信することによって、前記追跡に基づいて、各タイプの物品の補充を自動的に開始することと、
を行うように構成された1つ以上のソフトウェアモジュールと、
を備える、システム。
【請求項38】
少なくとも1つの移送コンベヤおよび複数の保管コンベヤを備える自動化システムであって、前記複数の保管コンベヤのそれぞれは、少なくとも1つの物品を保持するように構成された複数のセグメントを備え、前記複数の保管コンベヤのそれぞれは、物品が前記保管コンベヤから前記少なくとも1つの移送コンベヤに移動可能であるように、前記少なくとも1つの移送コンベヤの一部と整列される部分を備える、自動化システム内で、少なくとも1つのハードウェアプロセッサを使用して、
単一の目的地の位置に1つ以上の物品を集める命令を受信することと
前記1つ以上の物品のそれぞれについて、
その上に前記物品が保持されている前記複数の保管コンベヤのうちの1つの保管コンベヤ上のセグメントを識別することと
別されたセグメントを前記少なくとも1つの移送コンベヤと整列させるように前記1つの保管コンベヤを制御することと
前記識別されたセグメントから前記少なくとも1つの移送コンベヤ上に前記物品を移動させることと
前記物品を前記単一の目的地の位置と整列させるように前記少なくとも1つの移送コンベヤを制御することと
記少なくとも1つの移送コンベヤから前記単一の目的地の位置に前記物品を移動させることと
複数のエンティティのそれぞれを場所-時間識別子と関連付けることであって、前記複数のエンティティが前記自動化システム内のすべての物品を備え、各エンティティについての各場所-時間識別子が、
表面上の前記エンティティの相対的な位置を識別する表面ベクトルと、
前記エンティティが前記表面ベクトル内で特定された相対的な位置にある時間を識別する時間ベクトルと、
を備えることと、
を行うことを備える方法。
【請求項39】
その中に命令格納ている非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記命令、少なくとも1つの移送コンベヤおよび複数の保管コンベヤを備える自動化システムであって、前記複数の保管コンベヤのそれぞれは、少なくとも1つの物品を保持するように構成された複数のセグメントを備え、前記複数の保管コンベヤのそれぞれは、物品が前記保管コンベヤから前記少なくとも1つの移送コンベヤに移動可能であるように、前記少なくとも1つの移送コンベヤの一部と整列される部分を備える、自動化システムのプロセッサによって実行されるときに、前記プロセッサに、
単一の目的地の位置に1つ以上の物品を集める命令を受信することと
前記1つ以上の物品のそれぞれについて、
その上に前記物品が保持されている前記複数の保管コンベヤのうちの1つの保管コンベヤ上のセグメントを識別することと
別されたセグメントを前記少なくとも1つの移送コンベヤと整列させるように前記1つの保管コンベヤを制御することと
前記識別されたセグメントから前記少なくとも1つの移送コンベヤ上に前記物品を移動することと
前記物品を前記単一の目的地の位置と整列させるように前記少なくとも1つの移送コンベヤを制御することと
記少なくとも1つの移送コンベヤから前記単一の目的地の位置に前記物品を移動させることと
複数のエンティティのそれぞれを場所-時間識別子と関連付けることであって、前記複数のエンティティが前記自動化システム内のすべての物品を備え、各エンティティについての各場所-時間識別子が、
表面上の前記エンティティの相対的な位置を識別する表面ベクトルと、
前記エンティティが前記表面ベクトル内で特定された相対的な位置にある時間を識別する時間ベクトルと、
を備えることと、
を行わせる、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2019年4月11日に提出された米国仮特許出願第62/832,701号、および2019年9月10日に提出された米国仮特許出願第62/898,414号に付与された優先権を主張するものであり、その両方は完全に記載されているかのように参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書に記載された実施形態は自動化に向けられ、詳細には、自動化システム内の複数のコンベヤの調整に向けられる。
【背景技術】
【0003】
文明は、石器時代から現代に至るまで、物を保管する同じ基本的な方法:CSPC(carry(運ぶ)、stow(収納する)、pick(ピッキングする)、carry(運ぶ))を使用してきた。この収納方法が続いてきたのは、人間の運動能力が非常に多才であったからである。協同するのに適した前腕を有する人間の腕、優れた触覚、および視覚的な調整が、目的を持った知的処理装置である人間の脳によって管理され、CSPCを効率的にする。
【0004】
冷蔵庫、冷凍庫、食器棚、ロッカー、引き出し、およびクローゼットは、CSPCシステムの一般的な例であり、どの家庭にもある収納システムのサブセットを表す。小規模な店舗、スーパーマーケット、集荷センター、および大規模なフルフィルメントセンターにおいても、規模は変わるがプロセスは同じである。CSPCシステムは、サンプル、試薬、および反応容器を収納し、手動または自動でピッキングする臨床検査から、家庭用倉庫、小売店、スーパーマーケット、果ては倉庫、巨大な小売店のフルフィルメントセンターに至るまで、様々な規模に及ぶ。これらのシステムのすべてにおいて、基本となるスキーマは全く同じである。それは、これらのシステムのすべてにおいて、収納場所が固定された棚の上にあるという事実によって特徴づけられる。
【0005】
例えば、フルフィルメントシステムはすべて同じプロセスを採用している。大規模なフルフィルメントセンターでは、何百人もの人間が収納要員やピッキング要員として働いている。平均的なシフトの間、160,000個のSKU(ストック・キーピング・ユニット)の実例を広大な棚に収納するために、収納要員はカートや脚立と一緒に最大13マイル歩くこともある。ショッピングリストを組み立てて配送するために、何百人もの人間のピッキング要員が、同じくカートや脚立と一緒に、1シフトあたり最大13マイルを歩いて、顧客のショッピングリストをトートに集め、それを梱包のチームに送る。
【0006】
同様に、従来の買い物では、顧客が買い物リストを作成し、車で店舗に行き、固定された棚から物品を見つけ、選び、ショッピングカートに入れ、レジで交渉し、物品を袋詰めし、袋詰めされた物品を顧客の車に移動させ、袋詰めされた物品を車に積み込み、車で帰宅するという流れになっている。これまでは、このような運ぶおよび選ぶという作業のすべてを顧客自身にしてもらうことで、店は満足していた。しかしながら、オンラインショッピングの台頭により、食料品および他の消費財市場における顧客の利便性に焦点を当てることによって、大きな変化を余儀なくされている。具体的には、オンラインショッピングの利便性に後押しされて、実店舗は今や、従来の買い物に伴う作業の多くを担うようになってきている。
【0007】
分析的には、これらの作業のほとんどは、個々の販売品をあるスペースから別のスペースに移動させ、所有権の移転と関連する料金を記録するだけである。ほとんどの場合、このような物品の移動は、店員または顧客が依然として手作業で行っている。CSPCの自動化には大きな可能性があるが、フルフィルメントシステムにおける現在の自動化アプローチは、人間の収納要員、ピッキング係、梱包係を支援し、その処理能力を高めるために自動化を採用するものであり、人間に取って代わるものではない。現在、何十社もの企業が、自動移動式マニピュレーションロボット(AMR)、自律搬送車(AGV)、および視覚案内ロボット(VGR)を製造している。例えば、Amazon(商標)は現在、数十億ドル規模の自動化プログラムに取り組んでいる。全世界185カ所の大規模フルフィルメントセンターのうち約50カ所で、20万台の「ルンバ」型AMRを採用し、それらは48インチセクションまたは保管棚のスタックをピックアップして収納要員やピッキング要員に運び、歩行時間を短縮することで作業をスピードアップしている。これにより、10時間シフトの場合、2倍を超える物品の処理能力がもたらされたが、収納要員やピッキング要員には過酷な労働条件が課せられている。収納要員やピッキング要員は、床または脚立の上から、固定された棚の上に高低差をつけて保管されている、重さ50ポンドまでのカートに入った最大300個の物品を1時間ごとに置いたり、ピッキングしたりしなければならない。オーダーフルフィルメントの他の自動化プロジェクトが、他の企業によって同様のロボット車両を使って進行中である。これらのシステムはすべて、人間の収納要員およびピッキング要員を依然として必要としている。なぜなら、様々なサイズや形状の物品をスタックからピッキングするのに適切な汎用性のあるグリッパを備えたAMRはまだ利用できず、少なくとも10年はかかると推定されているからである。
【0008】
さらに、これらのフルフィルメントシステムで使用される車両には、複雑なナビゲーションが必要である。車両は、移動(例えば、回転、加速、減速、その他)の間、衝突および物品の落下を回避しなければならない。さらに、車両は充電、保守の必要があり、最終的には引退しなければならない。また、安全面での懸念もある。多くの自律走行車は、広大なオープンエリアで動作しなければならず、自律走行車が検出および回避できる特別なジャケットを着用した特別な保守作業員のみが、そのエリア内に入ることを許可されている。
【0009】
小規模のスケールでも、同じCSPCの原則が適用される。例えば、フルフィルメントシステムで使用されているのと同じCSPCシステムが、自動診断機器でも使用されている。サンプル、試薬、および反応容器は自動化された機器に収納される。個々の検査を行うためには、慎重に識別された物品をピッキングし、分析ステーションに搬入・搬出しなければならない。従来の診断機器では、複雑なロボットを使って物品を内部に移動させていた。このようなロボットは一般に、高度に制御された複雑な動きを、多くの場合3次元的に行う複数の機械システムを必要とする。さらに、自動化されたシステムの中で、異なるプロセスを担当する異なるエリア間で物品を移動させなければならないのが一般的である(例えば、グリッパを備えたロボットアームによって)。そのため、このようなシステムを構築および維持するためのコストは法外に高いものとなり得る。
【0010】
要約すると、現在の自動化へのアプローチは、人間のCSPC法を模倣することであり、運搬はロボットが行い、収納は固定棚が行い、ピッキングはグリッパの「手」を持つ複雑なロボットアームが行うというものである。そのため、従来の自動化システムで現在採用されている複雑な搬送および機械ロボットに好ましくは頼らない、CSPCの自動化へのアプローチの根本的な変更が求められている。
【発明の概要】
【0011】
したがって、自動化システム内で複数のコンベヤを提供し、調整するためのシステム、方法、および非一時的なコンピュータ可読媒体が開示される。
【0012】
一実施形態では、以下を含むシステムが開示される:少なくとも1つの移送コンベヤ;複数の保管コンベヤであって、それぞれが、少なくとも1つの物品を保持するように構成された複数のセグメントを備え、それぞれが、物品が保管コンベヤから少なくとも1つの移送コンベヤに移動可能であるように、少なくとも1つの移送コンベヤの一部と整列する部分を備える、複数の保管コンベヤ;少なくとも1つのハードウェアプロセッサ;および、1つまたは複数のソフトウェアモジュールであって、少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されると、単一の目的地の位置に1つまたは複数の物品を集める命令を受け取り、1つまたは複数の物品のそれぞれについて、物品が保持されている複数の保管コンベヤのうちの1つのセグメントを識別し、識別されたセグメントを少なくとも1つの移送コンベヤと整列させるように前記1つの保管コンベヤを制御し、識別されたセグメントから前記少なくとも1つの移送コンベヤ上に物品を移動させ、物品を単一の目的地の位置と整列させるように前記少なくとも1つの移送コンベヤを制御し、前記少なくとも1つの移送コンベヤから単一の目的地の位置に物品を移動させるように構成された1つまたは複数のソフトウェアモジュール。
【0013】
一実施形態では、少なくとも1つのハードウェアプロセッサは、少なくとも1つの移送コンベヤおよび複数の保管コンベヤのそれぞれを、互いに独立して移動するように独立して制御するように構成されてもよい。少なくとも1つの移送コンベヤおよび複数の保管コンベヤは、2方向に移動するように構成されてもよい。複数の保管コンベヤのそれぞれは、保管コンベヤが整列している少なくとも1つの移送コンベヤの部分の移動方向と直交する方向に移動するように方向付けられてもよい。複数の保管コンベヤのそれぞれは、垂直ループを含んでもよく、複数の保管コンベヤのそれぞれの保持面は、少なくとも1つの移送コンベヤの保持面より上に配置され、識別されたセグメントから少なくとも1つの移送コンベヤ上に物品を移動させることは、物品が1つの保管コンベヤから少なくとも1つの移送コンベヤに落ちるまで、識別されたセグメントを少なくとも1つの移送コンベヤに向かって移動させることを含む。システムは、少なくとも1つの移送コンベヤの一部と整列する複数の保管コンベヤのそれぞれの部分と、少なくとも1つの移送コンベヤとの間にシュートをさらに含んでもよく、1つの保管コンベヤから物品を少なくとも1つの移送コンベヤ上に落とすことは、少なくとも1つの移送コンベヤへの下向きのスライド経路を提供するシュートに物品を落とすことを含む。少なくとも1つの移送コンベヤの一部と整列している複数の保管コンベヤのそれぞれの部分は、保管コンベヤの前記部分が整列している少なくとも1つの移送コンベヤの一部の移動方向と平行な方向に移動してもよい。複数の保管コンベヤのそれぞれは、水平ループを含んでもよく、複数の保管コンベヤのそれぞれの保持面は、少なくとも1つの移送コンベヤの保持面より上に配置され、識別されたセグメントから少なくとも1つの移送コンベヤ上に物品を移動させることは、識別されたセグメントから物品を、少なくとも1つの移送コンベヤに向かって下向きのスライド経路を提供するシュートに押し込むことを含む。識別されたセグメントから少なくとも1つの移送コンベヤ上に物品を移動させることは、押された物品が下向きのスライド経路の端部にあるビンの中にスライドするのを待つことと、ビンを少なくとも1つの移送コンベヤの保持面に押すこととをさらに含んでもよい。
【0014】
一実施形態では、少なくとも1つの移送コンベヤは、複数の入れ子式コンベヤを含む。複数の保管コンベヤは、複数の別個の保管システムに配置されてもよく、複数の別個の保管システムのそれぞれは、複数の保管コンベヤのうちの2つ以上を含む。複数の別個の保管システムのそれぞれは、複数の保管コンベヤのうちの少なくとも1つが、複数の保管コンベヤのうちの少なくとも別の1つの上に積み重ねられていてもよい。
【0015】
複数の保管コンベヤのそれぞれは、2つの方向に移動するように構成されてもよく、1つまたは複数のソフトウェアモジュールは、少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されると、移動を最小限にするように、1つの保管コンベヤを2つの方向のうちどちらに移動させるかを決定し、決定された方向に移動するように1つの保管コンベヤを制御するように構成される。また、少なくとも1つの移送コンベヤと複数の保管コンベヤのそれぞれは、複数の割り出し位置のそれぞれで停止するように構成されてもよい。
【0016】
1つの保管コンベヤは、1つの保管コンベヤの保持面を冷却する冷却部品を含んでいてもよく、1つまたは複数のソフトウェアモジュールは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、1つの保管コンベヤの保持面を冷却するように冷却部品を制御する。1つの保管コンベヤは、1つの保管コンベヤの保持面を温める加温部品を含んでいてもよく、1つまたは複数のソフトウェアモジュールは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、1つの保管コンベヤの保持面を温めるように加温部品を制御する。1つの保管コンベヤの周囲温度は制御可能であってもよく、1つまたは複数のソフトウェアモジュールは、少なくとも1つのプロセッサによって実行されると、1つの保管コンベヤの周囲温度を制御して、温度を維持するか、またはある温度範囲内にとどまるようにする。
【0017】
一実施形態では、システムは、少なくとも1つの移送コンベヤまたは複数の保管コンベヤのうちの少なくとも1つのセグメントに保持された物品の特性を読み取るように構成されたリーダ装置を含む1つまたは複数の読み取りステーションをさらに備える。リーダ装置は、読み取った物品上の機械読み取り可能な指標の画像をキャプチャするように構成されたカメラを含んでもよく、1つまたは複数のソフトウェアモジュールは、少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されると、画像から読み取った物品を識別し、読み取った物品が保持されているセグメントを識別し、読み取った物品の識別子を識別されたセグメントの識別子にマッピングするように構成される。識別されたセグメントの識別子は、読み取った物品が保持されているコンベヤの表面上の位置を一意に識別する表面ベクトルを含んでいてもよく、1つまたは複数のソフトウェアモジュールは、少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されると、表面ベクトルを、自動化システム内の識別されたセグメントの位置を一意に識別する地面ベクトルにマッピングするように構成される。一実施形態では、システムは、少なくとも1つの移送コンベヤまたは複数の保管コンベヤのうちの少なくとも1つのセグメント上の機械読み取り可能な指標を読み取るように構成されたリーダ装置を含む1つまたは複数の読み取りステーションをさらに備え、1つまたは複数のソフトウェアモジュールは、読み取られた機械読み取り可能な指標に基づいてセグメントを識別し、リーダ装置の位置に基づいて識別されたセグメントの位置を決定するように構成される。
【0018】
システムは、少なくとも1つの移送コンベヤおよび複数の保管コンベヤを取り囲む建物;および、少なくとも1つの移送コンベヤにアクセス可能な複数の目的地の位置を含む目的地システムをさらに含んでもよい。目的地システムは、複数の目的地の位置として、複数のロッカーを含んでもよい。1つまたは複数のソフトウェアモジュールは、少なくとも1つのハードウェアプロセッサによって実行されると、少なくとも1つのネットワークを介してウェブアプリケーションから1つまたは複数の物品を収集する命令を受信し、単一の目的地の位置に対応するロッカーの識別子を、少なくとも1つのネットワークを介してウェブアプリケーションに提供するようにさらに構成されてもよい。建物は40フィートの輸送用コンテナを含んでもよく、目的地システムは、輸送用コンテナに取り付け可能であり、輸送用コンテナから取り外し可能である。
【0019】
一実施形態では、複数のエンティティのそれぞれが、場所-時間識別子と関連付けられ、複数のエンティティはシステム内のすべての物品を含み、各エンティティの各場所-時間識別子は、表面上のエンティティの相対的な位置を識別する表面ベクトルと、表面ベクトルで識別される相対的な位置にエンティティが存在する時間を識別する時間ベクトルとを含む。1つまたは複数のソフトウェアモジュールは、システム内の物品のそれぞれについて、時間ベクトルの変化に応じて、各場所-時間識別子をその関連する物品に関連付けて保存し、物品がシステムに入った時刻から物品がシステムから出る時刻まで、システム内の物品のそれぞれに関連付けられたすべての場所-時間識別子のログを作成するように構成されてもよい。1つまたは複数のソフトウェアモジュールは、ログに基づいて、システムの効率の測定値を生成するようにさらに構成されてもよい。1つまたは複数のソフトウェアモジュールは、効率の測定値を最適化するために、システム内の物品に関連付けられた場所-時間識別子に基づいて、システム内の物品の移動を調整するように構成されてもよい。各エンティティの各場所-時間識別子は、表面が位置する構成要素を示す構成要素ベクトルをさらに含んでいてもよい。各エンティティの各場所-時間識別子は、システムの下に横たわる地面に対するエンティティの位置を識別する地面ベクトルをさらに含んでもよい。1つまたは複数のソフトウェアモジュールは、時間ベクトルおよび地面ベクトルが一定期間にわたって変化するにつれ、各場所-時間識別子をその関連するエンティティと関連付けて記憶し、一定期間にわたって複数のエンティティのそれぞれに関連付けられたすべての場所-時間識別子のログを作成するように構成されてもよい。各エンティティの各場所-時間識別子は、エンティティの種類を識別する何ベクトルをさらに含んでいてもよい。複数のエンティティは、さらに、複数の保管コンベヤのすべてのセグメントを含んでもよい。1つまたは複数のソフトウェアモジュールは、物品が複数の保管コンベヤまたは少なくとも1つの移送コンベヤのうちの1つに最初に収納された時点で、システム内の物品のそれぞれについて場所-時間識別子を決定するように構成されてもよい。1つまたは複数のソフトウェアモジュールは、システム内の物品に関連付けられた場所-時間識別子に基づいて、システム内の物品の移動をスケジュールするように構成されてもよい。システムは、複数の処理ステーションをさらに備えてもよく、複数の処理ステーションのそれぞれは、複数の保管コンベヤまたは少なくとも1つの移送コンベヤの少なくとも1つ上でアクセス可能な物品を処理するように構成され、1つまたは複数のソフトウェアモジュールは、2つ以上の物品に関連付けられた場所-時間識別子に基づいて、複数の保管コンベヤ上に保管された2つ以上の物品のセットの移動を、2つ以上の物品のそれぞれが事前にスケジュールされた時間に複数の処理ステーションのそれぞれの1つに同時にアクセス可能になるように調整するように構成される。1つまたは複数のソフトウェアモジュールは、システム内のすべての物品を追跡し、サプライチェーンの外部システムと通信することによって、追跡に基づいて、各タイプの物品の補充を自動的に開始するように構成されてもよい。
【0020】
一実施形態では、少なくとも1つの移送コンベヤと複数の保管コンベヤとを備え、複数の保管コンベヤのそれぞれは、少なくとも1つの物品を保持するように構成された複数のセグメントを含み、複数の保管コンベヤのそれぞれは、物品が保管コンベヤから少なくとも1つの移送コンベヤに移動可能であるように、少なくとも1つの移送コンベヤの一部と整列する部分を含んでいる、自動化システム内で、単一の目的地の位置に1つまたは複数の物品を集める命令を受信し、1つまたは複数の物品のそれぞれについて、物品が保持されている複数の保管コンベヤの1つのセグメントを識別し、識別されたセグメントを少なくとも1つの移送コンベヤと整列させるように1つの保管コンベヤを制御し、識別されたセグメントから物品を少なくとも1つの移送コンベヤ上に移動させ、物品を単一の目的地の位置と整列させるように少なくとも1つの移送コンベヤを制御し、物品を少なくとも1つの移送コンベヤから単一の目的地の位置に移動させるために、少なくとも1つのハードウェアプロセッサを使用することを含む方法が開示される。本方法は、上記および本明細書のシステムに関して記載された機能またはプロセスのいずれかをさらに含み得る。
【0021】
一実施形態では、命令が格納されている非一時的なコンピュータ可読媒体が開示される。命令は、少なくとも1つの移送コンベヤと複数の保管コンベヤとを備え、複数の保管コンベヤのそれぞれは、少なくとも1つの物品を保持するように構成された複数のセグメントを備え、複数の保管コンベヤのそれぞれは、物品が保管コンベヤから少なくとも1つの移送コンベヤに移動可能であるように、少なくとも1つの移送コンベヤの一部と整列する部分を備えている、自動化システムのプロセッサによって実行されると、プロセッサに:単一の目的地の位置に1つまたは複数の物品を集める命令を受信させ、1つまたは複数の物品のそれぞれについて、物品が保持されている複数の保管コンベヤの1つのセグメントを識別させ、識別されたセグメントを少なくとも1つの移送コンベヤと整列させるように1つの保管コンベヤを制御させ、識別されたセグメントから物品を少なくとも1つの移送コンベヤ上に移動させ、物品を単一の目的地の位置と整列させるように少なくとも1つの移送コンベヤを制御させ、物品を少なくとも1つの移送コンベヤから単一の目的地の位置に移動させてもよい。命令はさらに、プロセッサに、上記および本明細書のシステムに関して記載された機能またはプロセスのいずれかを実行させてもよい。
【0022】
本発明の詳細は、その構造および動作の両方に関して、添付の図面を検討することによって部分的に理解することができる。図面中、同様の参照番号は同様の部分を指している。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1A-1F】本明細書に記載されたプロセスの1つまたは複数が、一実施形態に従って実施され得る、コンベヤの例示的なシステムの図である。
図2】本明細書に記載された処理の1つまたは複数が、一実施形態に従って実行され得る、例示的な処理システムを示す図である。
図3A-3B】一実施形態による、コンベヤの動きが調整され得る方法の例を示す。
図4】一実施形態による、自動化された物品収集のためのプロセスにおける搬送システムの使用を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
一実施形態において、自動化システム内で調整された、潜在的に双方向のコンベヤを提供し、使用するためのシステムおよび方法が開示されている。この記載を読んだ後、当業者には、様々な代替的な実施形態および代替的な適用で本発明を実施する方法が明らかになるであろう。しかしながら、本発明の様々な実施形態が本明細書に記載されるが、これらの実施形態は、例示および説明のみの目的で提示され、限定されるものではないことが理解される。したがって、様々な実施形態のこの詳細な記載は、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の範囲または幅を制限すると解釈されるべきではない。
【0025】
開示されたコンベヤ技術は、倉庫または小売店のフルフィルメントなどの大規模スケールの状況、自動化診断機器などの小規模スケールの状況、およびそれらの間やそれ以上のあらゆる場所で使用することができる。フルフィルメントの背景に特に適した実施形態では、搬送システムは、複数のコンコースにおける積み重ねられたカルーセル上の物品の保管を含み得る。保管カルーセルは、カルーセル表面上の座標によって識別できる物品を運び、移動させることができる。カルーセルは、物品を一括して保管するが、例えば、単純な自動プッシュ機構を用いて、個々の保管物品を特定の場所に移動させることができる。追加的にまたは代替的に、ラックまたはビンをコンベヤに乗せて収納要員まで運び、コンベヤ上の特定の場所に物品を収納することも可能である。コンベヤ上の位置の座標は、その位置に収納された特定の物品の識別子として機能し得る。このアプローチでは、収納要員が1つの収納ポート以外の場所を歩く必要がないため、自動化にとってより自然なアプローチである。加えて、人間のピッキング要員はもはや不要である。高価なロボットグリッパアームの必要性も回避される。
【0026】
一実施形態では、カルーセルのコンベヤは、ステッピングモータまたはサーボモータによって駆動される単純なラックアンドピニオン機構によって動くことができる。これは高いシステム信頼性を提供する。それというのも、ステッピングモータまたはサーボモータは構造が単純であり、非常に頑丈で強力であり、故障が少なく信頼性が高いためである。また、ステッピングモータおよびサーボモータは、直線運動(例えば、時計回り、反時計回り)および速度を完全に制御できるため、プロセッサはカルーセルの停止、起動、および移動を正確に制御することができる。
【0027】
コンベヤ(例えば、トラック上を走るもの)を使用することで、ロボット車両が必要とする非常に複雑なナビゲーション方式および衝突回避が排除される。加えて、カルーセルは、人間がカルーセルのすぐそばで安全に作業できるので、ロボット車両よりもはるかに安全である。しかしながら、人間が物品をピッキングする必要はない。つまり、人間がアクセス可能である必要がないため、カルーセルをより高く積み上げることができ、これによって倉庫の必要面積を50%超削減することができる。加えて、カルーセルのモータは移動する物体に搭載する必要がないため、バッテリを充電する必要もない。
【0028】
一実施形態では、保管された物品、これらの物品が保管されている保管および移送コンベヤ、および/または、例えば処理ステーションを含むシステムの他の(潜在的にはすべての)構成要素を識別するために、PTID(place-time identification)が使用される。PTIDとは、搬送システムを制御する処理システムが、移動しなければならないもの、それがどのコンベヤのどこにあるか、どこに移動させるか、いつ移動させるかを登録し得ることを意味する。これにより、統括制御システムは、すべての移動される物品、生じるすべてのイベント、およびすべての処理ステーションの作業量を追跡し、日々の作業の詳細な履歴を記憶することが可能になる。これにより、その日の作業を詳細にスケジュールすることが可能になる。また、システムの物理的な作業をリアルタイムで正確に追跡する詳細なコンピュータモデルを作成することも可能になる。追加的に、追跡されたデータにデータ分析を適用することで、システムの効率を大幅に改善することが可能となる。
【0029】
開示されている実施形態は、保管されている物品を一括して搬送する移動式保管棚を用いて、保管およびフルフィルメントシステムにおける「ピッキング」の完全な自動化を提供し得る。物品は、移動式保管棚上の座標によって識別されてもよく、選択された個々の保管物品を、単純なプッシュ機構によって適切なステーションに排出することが可能になる。かくして、特定の実施形態では、人間またはロボットのピッキング要員が棚から物品を引き出す必要性を完全に排除することができる。
【0030】
1.システムの概要
1.1.コンベヤの概要
理解を容易にするために、本明細書では、システム内の動きは、X、Y、およびZの直交座標系、ならびに、時間次元および「何」の次元で記載され得る。上からの眺めを提供する図では、Z軸はページを貫いて直交するように伸び、X軸とY軸はページの平面内にあり、互いに直交している。斜視図に関しては、Z軸は図示されたシステムを介して実質的に垂直に延びる一方、X軸およびY軸はZ軸に直交する平面内にある。
【0031】
図1Aは、一実施形態による、コンベヤの例示的なシステムの上面図である。図示された実施形態では、システム100の各コンベヤ110は、平面図において円形である。しかしながら、コンベヤ110の1つまたは複数(すべてを含む)は、代わりに、平面図において楕円形、線形、正方形、長方形、または他の任意の形状であってもよい。円形または楕円形のコンベヤ110が使用される実施形態では、コンベヤ110は、“カルーセル”と呼ばれることがある。各カルーセルコンベヤ110は、Z軸を中心に回転し、同心円状の場合には、他のすべてのカルーセルコンベヤ110と同じ点を中心に回転する。特定の形状または配置に関わらず、各コンベヤ110の保持面(例えば、上面)は、それぞれが少なくとも1つの物品114を保持するように構成されている複数のセグメント112に分割されてもよい。
【0032】
複数のコンベヤ110が、平面図において互いに同心円状に図示されており、コンベヤ110Aはコンベヤ110Bの中に入れ子になっているか、またはコンベヤ110Bに囲まれ、このコンベヤ110Bが今度はコンベヤ110Cの中に入れ子になっているか、またはコンベヤ110Cに囲まれ、このコンベヤ110Cが今度は、といった具合に続いていく。一実施形態では、各コンベヤ110の上面は、すべての他のコンベヤ110の上面と同じX-Y平面内にある。しかしながら、他の構成も可能である。例えば、すべてを含む2つ以上のコンベヤ110の上面が、異なるX-Y平面内に位置していてもよい。この場合、上面が異なる平面内にある2つ以上のコンベヤ110は、平面図において重なっていてもよい。一実施形態では、すべてのコンベヤ110は、その上面がすべてZ軸に直交する異なるX-Y平面内に横たわる同じ半径のものであってもよい。換言すると、コンベヤ110は、Z軸に沿って積み重ねられてもよい。
【0033】
図1Bは、一実施形態による、コンベヤの例示的なシステムの斜視図である。図示の実施形態では、複数のネストコンベヤ110がZ軸に沿って積み重ねられている。搬送システム100は、任意の数の積み重ねられたコンベヤ110を含んでもよく、一般に、自動化システムの高さと、それらの保持面に物品114を収容するために積み重ねられたコンベヤ110間に必要とされる間隔とによってのみ制限される。
【0034】
図示されているように、各搬送システム100は、複数のコンベヤ110A~110Nを含み得る。あるいは、各搬送システム100は、単一のコンベヤ110のみから構成され得る。各搬送システム100内のコンベヤ110の数は、一般に、コンベヤ110が搬送システム100内でどのように使用されるか、所望の処理量、および/または他の設計目標に依存する。したがって、コンベヤ110の数は、1つ、2つ、3つ、4つ、または図1Aおよび1Bに示されているように任意の整数Nであり得る。さらに、コンベヤ110の1つまたは複数は、傾斜していてもよく、水平ではなく垂直に回転していてもよく、斜めに配置されていてもよく、および/またはそれらに類するように構成されていてもよい。図示の実施形態では、コンベヤ110は、互いに等距離に離間している。しかしながら、代替的な実施形態において、コンベヤ110間の距離は、X-Y平面内および/またはZ軸に沿って変化してもよい。
【0035】
図1Cは、別の実施形態による、コンベヤの例示的なシステムの上面図である。図示された実施形態では、搬送システム100内で物品を移送する2つの入れ子式コンベヤ110Xおよび110Yが存在する。しかしながら、代替の実施形態では、単一の移送コンベヤ110のみ、または3つ以上のそのような移送コンベヤ110が存在してもよい。複数の移送コンベヤ110を有する実施形態では、各移送コンベヤ110は、その隣接する移送コンベヤ110に隣接し、かつ平行であってもよい。隣接する移送コンベヤ110は、互いに同一平面上にあってもよいし、任意の距離だけ離れていてもよい。好ましくは、隣接する移送コンベヤ110は、物品114がそれらの間に落下したり、引っかかったりするのを防ぐために、互いに十分に近い間隔で配置される。
【0036】
図示されているように、搬送システム100は、保管システム120の間に延びる「フィンガ」を含んでいてもよい。この場合、各保管システム120は、保管のために物品114を保持する複数の保管コンベヤ110Aを含んでいてもよい。例えば、各保管コンベヤ110Aは、複数の同じ種類の物品114を保管し、これらの物品114をその保管コンベヤ110Aの前にある移送コンベヤ110(例えば、110Xまたは110Y)のセグメント112に積み込むように構成されていてもよい。搬送システム100は、任意の数の保管システム120を含んでもよい。搬送システム100の保管システム120は、すべて同じサイズであってもよいし、または図示されているように、(例えば、保管コンベヤ110Aの数、保管コンベヤ110Aの幅および/または長さなどの点で)サイズが異なるものであってもよい。
【0037】
各保管コンベヤ110は、隣接する移送コンベヤ110の移動方向と直交する方向に移動してもよい。例えば、Y-Z平面内のループを構成し得る保管コンベヤ110は、Y軸に沿って移動するように構成されてもよく、一方、隣接する移送コンベヤ110はX軸に沿って移動するように構成される。このようにして、保管コンベヤ110は、物品114を移送コンベヤ110のセグメント112に向かって、またその上に移動させてもよい。具体的には、保管コンベヤ110Aは、上を向いて物品114を保持しているセグメント112を、セグメント112が保管コンベヤの範囲の端まで回転して、ループの戻り部分に下向きになるまで回転させてもよく、それによって、物品114は、保管コンベヤ110Aの端から移送コンベヤ110Xのセグメント112上に移動するか、または移送コンベヤ110Xのセグメント112上に下向きのスライド経路を提供するシュートに移動する。代替的な実施形態では、保管システム120の保管コンベヤ110は、(例えば、ロボットプッシャ、ヘリカルワイヤ等によって)移送コンベヤ110のセグメント112上に押し込まれる物品114を保管する固定式保管棚と置き換えられてもよい。
【0038】
移送コンベヤ110は、物品114を目的地システム130に移送してもよい。一実施形態では、目的地システム130は、物品114の集合がその上に保管されるピックアップ棚132、または物品114の集合が保管される保管領域を、ピックアップまたはさらなる処理のために含んでもよい。例えば、特定の物品114を保持している移送コンベヤ110のセグメント112が特定の棚132を通過する際に、ロボットプッシャまたはグリッパが、特定の物品114を移送コンベヤ110から特定の棚132に移動させてもよい。これは、複数の異なる物品114に対して行われてもよく、それによって、特定の棚132上に物品114の集合を構築する。このようにして、個々の物品114は、保管コンベヤ110上の様々な場所から回収され、単一の棚132にまとめて集められてもよい。
【0039】
一実施形態では、目的地システム130は、複数のロッカーを含んでいてもよい。各ロッカーは、棚132を含んでもよい。各棚132は、後方から移送コンベヤ110にアクセス可能であり、また、前方から(例えば、開閉可能な、潜在的にロック可能なドアを介して)アクセス可能である。したがって、例えば、顧客は、複数の消費者製品を選択することができ(例えば、オンラインストアを介して)、自動化システムは、選択された消費者製品を保管コンベヤ110から移送コンベヤ110上に回収し、その後の顧客によるピックアップおよび/または購入のために、棚132の背面アクセス開口部を介して、移送コンベヤ110から棚132上に押し出すことによって、回収された消費者製品を収集することができる。
【0040】
図1Dは、一実施形態による、図1Cに図示されたコンベヤのシステムの斜視図である。図示された実施形態では、複数の移送コンベヤ110がZ軸に沿って積み重ねられている。ここでも、自動化システムは、任意の数の積み重ねられた移送コンベヤ110を含んでいてもよく、一般的には、自動化システムの高さと、物品114を収容するために移送コンベヤ110間に必要とされる間隔とによってのみ制限される。図示を容易にするために、保管システム120は、図1Dには図示されていない。しかしながら、保管システム120は、同様の方法で、保管システム120の各レベルが移送コンベヤ110のレベルに対応するように、積み重ねられた保管コンベヤ110Aを含むこともできることを理解すべきである。あるいは、保管システム120は、積み重ねられた保管コンベヤ110Aを含んでもよいが、移送コンベヤ110はすべて、積み重ねられた保管コンベヤ110Aの最下位レベルと同じレベル、または積み重ねられた保管コンベヤ110Aの最下位レベルより下にある単一のレベル上にある。この場合、シュートは、積み重ねられた保管コンベヤ110Aの各レベルと、単一レベルの移送コンベヤ110との間に、下向きのスライド経路を提供してもよい。
【0041】
図1Eは、別の実施形態による、例示的なコンベヤのシステムの上面図である。この実施形態では、搬送システム100は、移送コンベヤ110Xと、それぞれが少なくとも1つの保管コンベヤ110Aを含む保管システム120A~120Nとを備える。各保管システム120には単一の保管コンベヤ110Aのみが図示されているが、保管システム120の1つまたは複数、潜在的にはすべてが、複数の入れ子式保管コンベヤ110を含むことができる。移送コンベヤ110Xもまた、複数の入れ子式コンベヤ110を含み得る。システムは、単一の保管システム120または任意の複数の保管システム120を含む、任意の数の保管システム120を含み得る。本質的に、保管コンベヤ110Aは、従来のシステムにおける固定棚を置き換えるために、移動する棚として機能し得る。
【0042】
図1Fは、一実施形態による、図1Eに示されたコンベヤのシステムにおける保管システム120の側面図である。本実施形態では、各保管システム120は、複数の積み重ねられた保管コンベヤ110Aを含んでいてもよい。各保管システム120は、単一の保管コンベヤ110Aまたは任意の複数の保管コンベヤ110A(例えば、8つの積み重ねられた保管コンベヤ110A、20個の積み重ねられた保管コンベヤ110A等)を含む、任意の数の積み重ねられた保管コンベヤ110Aを含んでもよい。例えば、倉庫において、保管システム120は、複数レベルの高さに積み重ねられてもよい(例えば、30レベルの保管システム120)。保管システム120の各スタックは、本明細書では、“コンコース”と呼ばれることがある。
【0043】
各保管コンベヤ110Aは、それぞれが1つまたは複数の物品114を保持するセグメント112を含んでもよい。より一般的には、いずれかの実施形態における各保管コンベヤ110は、そのようなセグメント112に分割されてもよい。セグメント112は、単一の物品114を保持していてもよいし、複数の物品114(例えば、物品114のラック)を保持していてもよい。セグメント112が複数の物品114を保持する場合、物品114は、保管コンベヤ110Aを横切って(すなわち、移動方向に直交して)横方向に延びる半径方向のラインでセグメント112上に整列されてもよい。
【0044】
各保管システム120は、保管コンベヤ110Aのセグメント112上に物品114を保管してもよい。単一の保管システム120内の物品は、同じまたは同様のタイプ(例えば、同じSKU)の関連する物品114であってもよく、または、様々なタイプ(例えば、異なるSKU)の無関係な物品114であってもよい。保管コンベヤ110Aのいずれのセグメント112も、セグメント112からシュート150に少なくとも1つの物品114を積み下ろすように構成されたステーション140まで回転されてもよい。例えば、ステーション140は、ロボットプッシャを含んでもよく、このロボットプッシャは、ステーション140の前にあるセグメント112からシュート150に物品114を押し込む。セグメント112が半径方向に整列した複数の物品114を保持する場合、ステーション140は、1度に1つの物品114のみを積み下ろすように構成されてもよい。例えば、ステーション140がロボットプッシャを含む実施形態では、ロボットプッシャは、1度に1つの物品114がシュート150に押し込まれることを保証する距離だけ押すように構成されてもよい。あるいは、処理システム200は、1回の動作で押し込まれる物品114の数を決定し、決定された数の物品114のみをシュート150に押し込むのに十分な距離を移動するようにロボットプッシャを制御してもよい(例えば、自動販売機で使用されるものなど、精密なヘリカルワイヤプッシュシステムを使用する)。
【0045】
平面図では保管システム120ごとに2つのシュート150が図示されているが、各保管システム120は、平面図において、単一のシュート150または3つ以上のシュート150を含む任意の数のシュート150を含んでもよい。シュート150の数は、移送コンベヤ110Xと整列している(例えば、対面している)各保管コンベヤ110A上のセグメント112の数に等しくなり得る。各ステーション140は、各シュート150に対して個別のロボットプッシャを含んでもよい(例えば、2つのシュート150に対して2つのロボットプッシャ)。加えて、図1Fの側面図に示すように、シュート150がN個積み重ねられてもよい。具体的には、保管システム120の保管コンベヤ110Aの各レベルに対して、少なくとも1つのシュート150があってもよい。さらに、移送コンベヤ110Xが複数の入れ子式コンベヤ110を含む実施形態では、各レベルは、移送コンベヤ110Xの各入れ子式コンベヤへの経路を提供するために、保管コンベヤ110Aの単一セグメント112に対して複数のシュート150を含んでもよい。複数のシュート150の代わりとして、単一のシュート150が、保管コンベヤ110Aのセグメント112、保管システム120のレベル、および/または移送コンベヤ110Xの間の経路の出発点および/または目的地を変更するために、(例えば、自動化されたロボットを介して)移動可能であり得る。
【0046】
物品114がシュート150に押し込まれると、物品114はシュート150を下ってビン160に移動する。例えば、移送コンベヤ110Xの各セグメント112は、ビン160を保持または備えるように構成されてもよい。特定のシュート150で保管システム120から物品114を受け取るビン160を保持している移送コンベヤ110Xのセグメント112が、シュート150の近くに到着すると、ビン160は、移送コンベヤ110Xのセグメント112から移動され、シュート150の下に配置されてもよい。ビン160は、ロボットプッシャまたはプラーを含む、任意の既知の手段によって移動されてもよい。
【0047】
このようにして、シュート150内の物品114は、シュート150を滑り降りてビン160に入る。このようにして、複数の保管コンベヤ122からの物品114が、単一のビン160に集められてもよい。例えば、物品114は、同じ保管システム120内の2つ以上の積み重ねられた保管コンベヤ110A、または異なる保管システム120からの2つ以上の保管コンベヤ110Aから、単一のビン160に集められてもよい。ビン160に、特定の保管システム120で、または特定のシュート150を介して受け取るべき物品のすべてが積み込まれると、ビン160は、移送コンベヤ110Xのセグメント112に再び積み込まれてもよい。ここでも、これは、ロボットプッシャまたはプラーを含む、任意の既知の手段によって実行されてもよい。
【0048】
積み重ねられた保管システム120のコンコースを利用する実施形態では、選択された物品114は、スタックの任意のレベルから同じビン160にシュートすることができる。例えば、スタック内の各保管システム120が200個のセグメントを有する場合、30個の保管システム120のスタックを含むコンコースは、6,000個のSKUのいずれか1つへのランダムなアクセスを提供することになる。換言すると、コンコースは6,000個の異なるSKUを保管することができる。この構成は、例えば、追加のコンコースを追加することによって、スケールアップすることができる。例えば、それぞれ30レベルの高さの30個のコンコースは、180,000個の異なるSKUへのランダムなアクセスを提供することができ、選択された物品114のセットは、人間のピッキング要員を必要とせずに、顧客の注文から数秒以内にピッキングを開始することができる。
【0049】
搬送システム100は、物品114を保管コンベヤ110Aからビン160に移すために物品114をシュート150に押し込むものとして図示および記載されているが、物品114を保管コンベヤ110Aからビン160に移すために、ロボットプッシャおよび/またはシュート150を利用しない他の機構を使用してもよい。加えて、ビン160は、物品114を積み込んでいる間移送コンベヤ110Xから取り除かれるものとして図示されているが、代替的な実施形態では、ビン160は、物品114を積み込んでいる間移送コンベヤ110X上に留まることができる。これにより、ビン160を移送コンベヤ110X上に、または移送コンベヤ110Xから移動させる機構の必要性がなくなる。
【0050】
ステーション140は主に、物品114を保管コンベヤ110から移動させる機構に関して記載されているが、他のタイプのステーション140も企図される。例えば、自動化された読み取りステーション140が、コンベヤ110に積み込まれる物品114上の機械読み取り可能な指標を読み取るために、収納ポートの近くに配置されてもよく、また、カメラなどの機器を使用して動きを記録するために、搬送システム100全体に配置されてもよい。
【0051】
代替的な実施形態では、コンコースは、コンベヤ110の代わりに、物品114を保管するための固定された保持棚を含んでもよい。適切なタイミングで物品114をシュート150に押し込むために、各棚の後ろにプッシュ機構を配置してもよい。しかしながら、この代替実施形態は、多数のプッシュ機構(例えば、コンコースに保管されている物品の種類ごとに1つ)を必要とし、コンベヤ110が物品114を保管するために使用される第1の実施形態の汎用性を実現しない。
【0052】
移送コンベヤ110Xは、1つまたは複数の保管システム120から収集された物品114のグループを、目的地システム130に移動させてもよい。目的地システム130は、手動または自動の梱包および出荷システム(例えば、倉庫内)、実店舗のロッカーまたはチェックアウトレジ、および/または物品114の集合を利用し得る任意の他のシステムであってもよい。
【0053】
搬送システム100は、積み込みエリア170を含んでもよい。積み込みエリア170は、物品114を配送トラックから保管コンベヤ110Aに移動させる自動化システムであってもよい。代替的に、積み込みエリア170は、ストック要員または収納要員が配送トラックから保管コンベヤ110A上に物品114を手動で移動させ得るように、単に保管コンベヤ110Aへのアクセスを可能にしてもよい。この場合、積み込みエリア170は、本明細書では、“収納ポート”と呼ばれることもある。物品114は積み込まれ、本明細書の別の場所で考察されるように処理システム200によって自動的に在庫表に記入されてもよい。積み込みエリア170は、シュート150からみて保管システム120の反対側に図示されているが、積み込みエリア170は、保管システム120の任意の側に配置されてもよい。加えて、図示されていないが、積み込みエリア170は、同様に、図1A~1Dに示された実施形態のいずれかに存在してもよい。積み込みエリア170は、保管システム120の保管コンベヤ110Aへの直接的なアクセスを提供するため、または移送コンベヤ110を介して保管システム120への間接的なアクセスを提供するために位置付けられてもよいことを理解すべきである。
【0054】
図1A~1Fは、搬送システム100の異なる形状プロファイルを示している。搬送システム100の意図された使用方法および/または所望のレイアウト(例えば、設置面積)に応じて、他の形状プロファイルが可能であることを理解すべきである。特定の形状プロファイルにかかわらず、好ましい実施形態では、各コンベヤ110は、両方向(例えば、カルーセルコンベヤの場合は平面図で時計回りおよび反時計回り、リニアコンベヤの場合は前方および後方等)に動くことができる。移送コンベヤ110に関して本明細書に記載されている特性のいずれかは、保管コンベヤ110でも共有することができ、その逆もまた同様であることを理解すべきである。
【0055】
一実施形態では、各コンベヤ110は、本明細書の他の箇所で記載される処理システムの制御下で、ラックアンドピニオンシステムを駆動する、ステッピングモータ、サーボモータ、ゼネバ機構などの独自のモータによって駆動されてもよい。代替の実施形態では、コンベヤ110を駆動するために電磁推進を使用することができる。各カルーセルコンベヤ110は、固定されたベースに沿って移動し、別個のまたはオンボードのモータまたは他の駆動システムによって(例えば、トラック上で)駆動されてもよい。
【0056】
一実施形態では、各コンベヤ110は、方向および/または速度の点で、任意の他のコンベヤ110から独立して、並行して回転してもよい。例えば、コンベヤ110Aは、コンベヤ110Bが反対方向に回転するか、または静止しているときに、一方向に回転してもよい。追加的にまたは代替的に、コンベヤ110Aは、コンベヤ110Bとは異なる速度で移動してもよい。各コンベヤ110の動きは、本明細書の他の箇所で記載した1つまたは複数の処理システムによって独立して制御されてもよい。処理システムは、多種多様な用途で複雑な物流を行うために、コンベヤ110の動きを調整するようにプログラムされてもよい。
【0057】
各コンベヤ110は、任意のサイズ、形状、およびタイプの物品114を保持するように構成されてもよい。いくつかの実装では、同じコンベヤ110は、異なるサイズ、形状、および/またはタイプの物品114を保持するように構成されてもよい。他の実施態様では、各コンベヤ110は、同じサイズ、形状、および/またはタイプの物品を保持する。
【0058】
コンベヤ110は、コンベヤ110上の特定の位置にある物品を、ステーション140、目的地システム130、または他のシステムに関連する特定の位置に移動させるように構成されてもよい。一実施形態では、コンベヤ110は、コンベヤ110上の特定の位置にある物品を、複数のステーション140、目的地システム130、または他のシステムのうちのいずれか1つに関連する場所に移動させるように構成される。いずれの場合も、ステーション140または他のシステムは、物品に対して何らかの操作(例えば、押し、引き、撮像、検出、測定、操作、組み立て、グループ化、包装等)を行うための1つまたは複数の機器を含んでいてもよい。そのようなステーション140または他のシステムは、複数のコンベヤ110からの整列した物品に対して、単一の共同操作または同時の共通操作を行ってもよい。
【0059】
複数のステーション140を利用する実施形態では、各ステーション140は、同じまたは異なる操作を並行して行ってもよい。例えば、第1のステーション140(例えば、コンベヤ110の1つのセグメント112にアクセスする)は、1つまたは複数の物品を搬送システム100に積み込んでもよく、一方、第2のステーション140(例えば、コンベヤ110の別のセグメント112にアクセスする)は、同時に1つまたは複数の物品を搬送システム100から荷下ろししてもよい。別の例として、第1のステーション140は、コンベヤ110上に1つまたは複数の物品を積み込みまたは荷下ろししてもよく、一方、第2のステーション140は、コンベヤ110の同じサブセットまたは異なるサブセット上の物品上の機械読み取り可能な指標を同時に読み取る。
【0060】
物品は、搬送システム100の意図された使用に適した任意の方法で、コンベヤ110上に配置されてもよいし、コンベヤ110内に収容されてもよい。例えば、物品は、コンベヤ110の上面に置かれてもよい。あるいは、物品は、コンベヤ110上の個々の引き出し、コンテナ、仕切り、ラック、区画、または他のハウジング内に収容されてもよい。例えば、コンベヤ110は、列車のようにリンクされた、または連結された一連の車輪付きの車を含んでもよい。回生制動は、コンベヤ110に少なくとも部分的に電力を供給する、バッテリ、スーパーキャパシタ、および/またはフライホイールのエネルギーを節約するために使用され得る。
【0061】
全体を通して考察したように、コンベヤ110の動きは、処理システムの制御下で調整されてもよい。しかしながら、コンベヤ110は独立して制御可能であるため、各コンベヤ110は、両方向に単独で移動し、独立して停止および始動することもできる。これにより、任意のコンベヤ110上の任意の部分へのランダムアクセスが可能となり、それにはその部分によって保持されることができる任意の物品114または連続する物品114のセットが含まれる。例えば、アクセスする物品114を特定する命令(例えば、別の構成要素またはシステム、グラフィカルユーザインターフェースを介したオペレータなどによって発行される)に応答して、処理システムは、コンベヤ110上の物品114の位置を決定し(例えば、物品114の識別子を本明細書の別の場所で考察されるPTIDにマッピングすることによって)、物品114の位置がアクセス可能になるように(例えば、特定のステーション140、目的地システム130、割り出しされた位置等において)、コンベヤ110を移動させてもよい。別の例として、アクセスするコンベヤ110の一部分(例えば、セグメント112)を特定する命令(例えば、別の構成要素またはシステム、グラフィカルユーザインターフェースを介したオペレータなどによって発行される)に応答して、処理システムは、コンベヤ110のその部分の位置を決定し、その部分の位置がアクセス可能になるように(例えば、特定のステーション140、目的地システム130、割り出しされた位置、積み込みエリア170等において)、コンベヤ110を移動させてもよい。このようにして、物品114をコンベヤ110に収納したり、コンベヤ110から回収したりすることができ、および/または、コンベヤ110の任意のセグメント112にアクセスすることができる。
【0062】
上述したように、各コンベヤ110はセグメント112に分割されてもよい。例えば、カルーセルコンベヤ110は、ウェッジ(例えば、環状セクター、円弧状セグメント、三日月等)に論理的にセグメント化されてもよい。同様に、リニアコンベヤ110は、長方形に分割されてもよい。各コンベヤ110は、コンベヤ110が停止したときに、各セグメント112の中心が、複数の割出し位置のうちの1つと整列されなければならないように構成されてもよい。換言すると、コンベヤ110が静止しているとき、すべてのセグメント112の中心は、割り出しされた位置になければならず、割り出しされた位置の間にあることはできない。したがって、処理システム200が、そのセグメントの中心が割り出しされた位置と整列される前にコンベヤ110を停止させた場合、コンベヤ110は、停止する前にそのセグメントの中心が割り出しされた位置に整列するために必要な最小量を移動し続けることができる。カルーセルコンベヤ110の場合、カルーセルコンベヤ110は、固定のラジアン量の倍数だけ移動することができるであろうし、リニアコンベヤ110の場合、リニアコンベヤ110は、固定の距離の倍数だけ移動することができるであろう。
【0063】
セグメント112の中心だけでなく、割り出しされた位置も等距離に配置されていてもよく、セグメント112の数は、所与のコンベヤ110における割り出しされた位置の数と等しくてもよい。一実施形態では、割り出しされた位置は、セグメント112の少なくとも1つが、ステーション140、目的地システム130、または他のシステムによって適切にアクセス可能である、それぞれのコンベヤ110の位置を表す。入れ子状コンベヤ110のセット内の各コンベヤ110は、すべての他のコンベヤ110と同じ数の割り出しされた位置を有してもよいし、1つまたは複数の他のコンベヤ110と異なる数の割り出しされた位置を有してもよい。同様に、入れ子状コンベヤ110のセット内の各コンベヤ110は、意図された使用法に応じて、すべての他のコンベヤ110と同じ数のセグメント112に分割されてもよいし、1つまたは複数の他のコンベヤ110とは異なる数のセグメント112に分割されてもよい。代替的な実施形態では、割り出しされた位置は省略されてもよい。そのような実施形態では、処理システムは、各コンベヤ110を制御して、任意の位置に、任意の回転距離または直線距離だけ移動させてもよい。
【0064】
有利なことに、搬送システム100における自動化またはロボット化された動きは、短くて直接的であり、同じ機構(例えば、コンベヤ110の割り出しと移動)によって実施されるので、自動化システムは、最小かつ安価な設計を利用することができる。例えば、コンベヤ110の全ての動きは、同じ、制御しやすい機構(例えば、ラックアンドピニオンシステムを駆動する、ステッピングモータまたはサーボモータ、ゼネバ機構等を含み得る駆動部、電磁推進部等)によって実行されてもよく、直接的、一次元的、迅速、かつ短い場合が多い。これにより、現在の高価なシステムで採用されているロボット機構の90%を取り除くことができ、同時に処理量を増大することができる。
【0065】
一実施形態では、コンベヤ110の各セグメント112は、個別に移動可能であってもよい。例えば、各セグメント112は、それぞれのコンベヤ110から(例えば、垂直方向、水平方向等に)突き出されるように構成されてもよい。セグメント112がそのそれぞれのコンベヤ110から突き出されたとき、コンベヤ110の他のセグメント112は、コンベヤ110内の突き出されたセグメントの位置に移動するか、またはそれを通過するように構成されてもよく、その後、突き出されたセグメント112は、コンベヤ110内に戻されてもよい。これにより、セグメント112がコンベヤ110内で互いにすれ違うことができる。
【0066】
加えて、一実施形態では、2つの隣接するコンベヤ110の2つのセグメント112が整列しているとき、一方のコンベヤ110の1つのセグメント112上の物品114が、他方のコンベヤ110上の隣接するセグメント112に押されるか、または他の方法で移されてもよい。この移動は、物品114を保持しているセグメント112を横切って延び、物品114を隣接するセグメント112に横切って押し、その後引っ込むように構成されているロボットプッシャ、または、物品114を掴んで隣接するセグメント112に横切って引っ張るように構成されているロボットグリッパによって実施されてもよい。そのような実施形態では、物品114がコンベヤ110の間で動けなくなる可能性を低減するために、隣接するコンベヤ110は、隣接するコンベヤ110の間に間隔がないか、ほとんど間隔がない(例えば、自動化システムに格納されている最も狭い物品114の幅よりも小さい)ように、互いに実質的に同じ高さであってもよい。
【0067】
一実施形態では、コンベヤ110および/または棚132の1つまたは複数は温度制御されてもよい。そのような実施形態では、コンベヤ110のセグメント112、またはコンベヤ110もしくは棚132全体の表面温度は、例えば熱電加熱および/または冷却を用いて制御されてもよい。同じコンベヤ110または異なる棚132の異なるセグメント112が、例えば、互いに異なる温度になるように、個別に制御されてもよい。代替的または追加的に、包囲する自動化システムの部分が温度制御されてもよい(例えば、トンネル内の周囲の冷気または熱気)。そのような実施形態では、処理システム200は、1つまたは複数のコンベヤ110の1つまたは複数のセグメント112をこれらの温度制御された部分に移動させて、それらのセグメントによって保持される物品の温度を制御してもよい。いずれの場合も、温度制御されたコンベヤ110、棚132、または自動化システムの温度制御された部分の温度は、処理システムの制御下で調整されてもよい。例えば、冷蔵する必要のある物品や冷凍のままである必要のある物品は、適切な温度に冷却された保持部材に保管してもよい。同様に、加熱する必要のある物品は、適切な温度に加熱された保持部品に保管されてもよい。
【0068】
搬送システム100は、任意の外部システムと適応性を持たせることができ、および/またはインターフェースできることを理解すべきである(例えば、有線および/または無線通信、ならびにアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を介して)。このような外部システムの例としては、限定されないが、検査室情報システム(LIS)、遠隔操作システム、ダッシュボードシステム、品質管理システム、アラームシステム、在庫管理システム(例えば、検体および/または試薬を管理し、自動再注文を実行し得る)、および/または同様のものが挙げられる。
【0069】
1.2.例示的な処理装置
図2は、本明細書に記載した様々な実施形態に関連して使用することができる例示的な処理システム200を示すブロック図である。例えば、処理システム200は、搬送システム100内のコンベヤ110および/またはステーション140を制御するため、自動化システム内の他のロボットシステムを制御するため、および/または同様に、本明細書に記載した機能、プロセス、または方法の1つまたは複数として、またはそれらと組み合わせて使用することができる。システム200は、サーバ、従来のパーソナルコンピュータ、または任意の他のプロセッサ対応のデバイスであり得る。当業者には明らかなように、他のコンピュータシステムおよび/またはアーキテクチャも使用することができる。
【0070】
一実施形態では、システム200は、コンベヤ110を駆動する1つまたは複数のモータを制御する。例えば、システム200は、モータのアクチュエータを駆動して、モータを起動および停止し、モータの移動方向を変更し、モータの速度を変更し、および/または同様のことを行ってもよい。搬送システム100を含む自動化システムは、各コンベヤ110のための別個のシステム200、および/または、潜在的にすべてを含む2つ以上のコンベヤ110を制御する単一のシステム200を含み得る。複数のシステム200を含む自動化システムにおいて、システム200は、例えば、1つのマスターシステム200が2つ以上のスレーブシステム200の動作を管理するように、階層的に配置されていてもよい。
【0071】
加えて、システム200は、1つまたは複数のステーション140と通信して、ステーション140を制御し、および/またはステーション140によって感知されたデータを受信、分析、および/または報告してもよい。例えば、システム200は、ステーション140の1つまたは複数の機器(例えば、カメラ、NFCチップ、無線周波数識別(RFID)インタロゲータ、または他のセンサ等)を制御する命令を、ステーション140に送信してもよい。また、システム200は、ステーション140の1つまたは複数の機器によって収集されたデータ(例えば、画像データ、信号データ等)を受信してもよい。この受信したデータは、さらなる制御または報告の目的で、システム200によって分析、解釈、またはその他の方法で処理されてもよい。
【0072】
システム200はまた、自動化システムの外部にある1つまたは複数の他のシステムと通信してもよい。システム200は、例えば、アプリケーションプログラミングインターフェース(API)を介して、および/または少なくとも1つのネットワークを介して、これらの外部システムと通信してもよい。システム200は、外部システムから命令を受け取り、外部システムにデータを提供してもよい。
【0073】
システム200は、各物品114を名前、SKU、および/または他の特性または特徴によってピッキングすることができるように、システム200によって管理される各物品114に関する情報を記憶する(例えば、二次メモリ220内の)1つまたは複数のデータベーステーブルを管理してもよい。加えて、システム200は、これらのプロパティの1つまたは複数を利用して、物品114をどのようにルーティングおよび/または優先順位付けするかを決定してもよい。例えば、特定の物品114が温度制御される必要性に関する情報に基づいて、システム200は、特定の物品114を温度制御されたコンベヤ110にルーティングすることができる。さらに、システム200は、そのような情報を使用して、要求されている物品114のブランドまたはバージョン、ピッキングのための旧式になったり期限切れになったりするのに近い物品114の選択、最も人気のある物品114の検出、収納のための在庫切れまたは在庫の少ない物品114の検出(例えば、それらの物品114の供給をできるだけ制限し、および/またはそれらの物品114をより多く注文するため)、在庫切れの物品114の代用品の選択、および/またはそのようなものなど、他の決定を行うことができる。
【0074】
システム200は、好ましくは、プロセッサ210などの1つまたは複数のプロセッサを含む。入力/出力を管理するための補助プロセッサ、浮動小数点数学演算を実行するための補助プロセッサ、信号処理アルゴリズムの高速実行に適したアーキテクチャを有する特殊目的マイクロプロセッサ(例えば、デジタル信号プロセッサ)、主処理システムに従属するスレーブプロセッサ(例えば、バックエンドプロセッサ)、デュアルまたはマルチプロセッサシステムのための追加のマイクロプロセッサまたはコントローラ、および/またはコプロセッサなど、追加のプロセッサが提供されてもよい。そのような補助プロセッサは、離散的なプロセッサであってもよいし、プロセッサ210と統合されていてもよい。システム200で使用することができるプロセッサの例としては、限定されるものではないが、Pentium(登録商標)プロセッサ、Core i7(登録商標)プロセッサ、およびXeon(登録商標)プロセッサがあり、これらはすべて、カリフォルニア州サンタクララのIntel Corporationから入手可能である。
【0075】
プロセッサ210は、好ましくは、通信バス205に接続される。通信バス205は、ストレージとシステム200の他の周辺コンポーネントとの間の情報転送を容易にするためのデータチャネルを含んでもよい。さらに、通信バス205は、データバス、アドレスバス、および/または制御バス(図示せず)を含む、プロセッサ210との通信に使用される信号のセットを提供してもよい。通信バス205は、例えば、ISA(Industry Standard Architecture)、EISA(Extended Industry Standard Architecture)、MCA(Micro Channel Architecture)、PCI(Peripheral Component Interconnect)ローカルバスに準拠したバスアーキテクチャ、IEEE488汎用インターフェースバス(GPIB)、IEEE696/S-100などを含むIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)によって公布された規格など、任意の標準または非標準のバスアーキテクチャを構成してもよい。
【0076】
システム200は、好ましくは、メインメモリ215を含み、また、二次メモリ220を含んでもよい。メインメモリ215は、本明細書で考察される機能および/またはモジュールの1つまたは複数など、プロセッサ210上で実行されるプログラムの命令およびデータの記憶を提供する。メモリに格納され、プロセッサ210によって実行されるプログラムは、C/C++、Java、JavaScript、Perl、Visual Basic、.NETなどを含むがこれらに限定されない、任意の適切な言語に従って記述および/またはコンパイルされてもよいことを理解されたい。メインメモリ215は、典型的には、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)および/またはスタティックランダムアクセスメモリ(SRAM)などの半導体ベースのメモリである。他の半導体ベースのメモリタイプには、例えば、シンクロナスダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)、ラムバスダイナミックランダムアクセスメモリ(RDRAM)、強誘電体ランダムアクセスメモリ(FRAM)などが含まれ、読み取り専用メモリ(ROM)も含まれる。
【0077】
二次メモリ220は、任意選択的に、内部媒体225および/またはリムーバブル媒体230を含むことができる。リムーバブル媒体230は、任意の周知の方法で読み出され、および/または書き込まれる。リムーバブル記憶媒体230は、例えば、磁気テープドライブ、コンパクトディスク(CD)ドライブ、デジタルバーサタイルディスク(DVD)ドライブ、他の光学ドライブ、フラッシュメモリドライブなどであってもよい。
【0078】
二次メモリ220は、コンピュータ実行可能なコード(例えば、開示されたソフトウェアモジュール)および/または他のデータが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体である。二次メモリ220に格納されたコンピュータソフトウェアまたはデータは、プロセッサ210による実行のためにメインメモリ215に読み込まれる。
【0079】
代替的な実施形態では、二次メモリ220は、コンピュータプログラムまたは他のデータもしくは命令がシステム200にロードされることを可能にするための他の同様の手段を含んでもよい。そのような手段は、例えば、外部記憶媒体245からシステム200にソフトウェアおよびデータを転送することを可能にする通信インターフェース240を含んでもよい。外部記憶媒体245の例としては、外付けハードディスクドライブ、外付け光学ドライブ、外付け光磁気ドライブ、および/またはそれらに類するものを含んでもよい。二次メモリ220の他の例としては、プログラマブルリードオンリーメモリ(PROM)、消去可能プログラマブルリードオンリーメモリ(EPROM)、電気的消去可能リードオンリーメモリ(EEPROM)、フラッシュメモリ(EEPROMと同様のブロック指向のメモリ)などの半導体ベースのメモリを含んでもよい。
【0080】
上述したように、システム200は、通信インターフェース240を含んでもよい。通信インターフェース240は、システム200と外部デバイス(例えばプリンタ)、ネットワーク、または他の情報源との間でソフトウェアおよびデータを転送することを可能にする。例えば、コンピュータソフトウェアまたは実行可能コードは、通信インターフェース240を介して、ネットワークサーバ(例えば、プラットフォーム110)からシステム200に転送されてもよい。通信インターフェース240の例には、内蔵ネットワークアダプタ、ネットワークインターフェースカード(NIC)、PCMCIA(Personal Computer Memory Card International Association)ネットワークカード、カードバスネットワークアダプタ、ワイヤレスネットワークアダプタ、ユニバーサルシリアルバス(USB)ネットワークアダプタ、モデム、ワイヤレスデータカード、通信ポート、赤外線インターフェース、IEEE 1394ファイアワイヤ、およびシステム200をネットワークまたは他のコンピューティングデバイスとインターフェースすることが可能な任意の他のデバイスが含まれる。通信インターフェース240は、好ましくは、イーサネットIEEE802規格、ファイバーチャネル、デジタル加入者線(DSL)、非同期デジタル加入者線(ADSL)、フレームリレー、非同期転送モード(ATM)、統合デジタルサービスネットワーク(ISDN)、パーソナルコミュニケーションサービス(PCS)、伝送制御プロトコル/インターネットプロトコル(TCP/IP)、シリアルラインインターネットプロトコル/ポイントツーポイントプロトコル(SLIP/PPP)などの業界で推進されているプロトコル規格を実装するが、同様にカスタマイズされたまたは非標準のインターフェースプロトコルを実装してもよい。
【0081】
通信インターフェース240を介して転送されるソフトウェアおよびデータは、一般に電気通信信号255の形態である。これらの信号255は、通信チャネル250を介して通信インターフェース240に提供されてもよい。一実施形態では、通信チャネル250は、有線または無線ネットワーク、または任意の様々な他の通信リンクであってもよい。通信チャネル250は、信号255を搬送し、数例を挙げると、ワイヤまたはケーブル、光ファイバ、従来の電話回線、セルラー電話リンク、ワイヤレスデータ通信リンク、無線周波数(「RF」)リンク、または赤外線リンクを含む様々な有線または無線通信手段を使用して実装することができる。
【0082】
コンピュータ実行可能なコード(例えば、1つまたは複数のソフトウェアモジュールを含むコンピュータプログラム)は、メインメモリ215および/または二次メモリ220に格納される。コンピュータプログラムは、通信インターフェース240を介して受信し、メインメモリ215および/または二次メモリ220に格納することもできる。そのようなコンピュータプログラムは、実行されると、システム200が本明細書の他の場所に記載される様々なプロセスおよび機能を実行することを可能にする。
【0083】
本記載において、「コンピュータ可読媒体」という用語は、コンピュータ実行可能コードおよび/または他のデータをシステム200にまたはシステム200内に提供するために使用される任意の非一時的なコンピュータ可読記憶媒体を指すために使用される。このような媒体の例としては、メインメモリ215、二次メモリ220(内部メモリ225、リムーバブル媒体230、外部記憶媒体245を含む)、および通信インターフェース240と通信可能に結合された任意の周辺デバイス(ネットワーク情報サーバまたは他のネットワークデバイスを含む)がある。これらの非一時的なコンピュータ可読媒体は、実行可能なコード、プログラミング命令、ソフトウェア、および/または他のデータをシステム200に提供する手段である。
【0084】
ソフトウェアを使用して実施される実施形態では、ソフトウェアは、コンピュータ可読媒体に格納され、リムーバブル媒体230、I/Oインターフェース235、または通信インターフェース240を介してシステム200にロードされてもよい。そのような実施形態では、ソフトウェアは、電気通信信号255の形でシステム200にロードされる。ソフトウェアは、プロセッサ210によって実行されると、好ましくは、プロセッサ210に、本明細書の他の箇所に記載されているプロセスおよび機能のうちの1つまたは複数を実行させる。
【0085】
一実施形態では、I/Oインターフェース235は、システム200の1つまたは複数の構成要素と、1つまたは複数の入力および/または出力デバイスとの間のインターフェースを提供する。例示的な入力デバイスは、限定されないが、センサ、キーボード、タッチスクリーンまたは他のタッチセンシティブデバイス、バイオメトリックセンシングデバイス、コンピュータマウス、トラックボール、ペンベースのポインティングデバイス、および/または同様のものを含む。出力デバイスの例としては、他の処理デバイス、ブラウン管(CRT)、プラズマディスプレイ、発光ダイオード(LED)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、プリンタ、真空蛍光ディスプレイ(VFD)、表面伝導電子放出素子ディスプレイ(SED)、フィールドエミッションディスプレイ(FED)および/または同様のものが挙げられるが、これらに限定されない。場合によっては、(例えば、スマートフォン、タブレット、または他のモバイルデバイスにおける)タッチパネルディスプレイの場合のように、入力デバイスと出力デバイスが組み合わされてもよい。
【0086】
システム200はまた、音声ネットワークおよび/またはデータネットワークを介したワイヤレス通信を促進する任意選択のワイヤレス通信コンポーネントを含んでもよい。ワイヤレス通信コンポーネントは、アンテナシステム270、無線システム265、およびベースバンドシステム260を含む。システム200では、無線システム265の管理の下、アンテナシステム270によって無線周波数(RF)信号が空中で送受信される。
【0087】
一実施形態では、アンテナシステム270は、1つまたは複数のアンテナと、アンテナシステム270に送信および受信信号経路を提供するためのスイッチング機能を実行する1つまたは複数のマルチプレクサ(図示せず)とを含んでもよい。受信経路では、受信されたRF信号は、マルチプレクサから、受信されたRF信号を増幅し、増幅された信号を無線システム265に送信する低雑音増幅器(図示せず)に結合され得る。
【0088】
代替実施形態では、無線システム265は、様々な周波数で通信するように構成された1つまたは複数の無線機を含んでもよい。一実施形態では、無線システム265は、復調器(図示せず)および変調器(図示せず)を1つの集積回路(IC)に組み合わせてもよい。また、復調器と変調器は別々の構成要素であってもよい。受信経路では、復調器は、ベースバンド受信オーディオ信号を残してRFキャリア信号を剥ぎ取り、これが無線システム265からベースバンドシステム260に送られる。
【0089】
受信信号に音声情報が含まれている場合、ベースバンドシステム260はその信号をデコードし、アナログ信号に変換する。その後、信号は増幅され、スピーカーに送られる。また、ベースバンドシステム260は、マイクからアナログオーディオ信号を受信する。これらのアナログオーディオ信号は、ベースバンドシステム260によってデジタル信号に変換され、エンコードされる。ベースバンドシステム260はまた、送信用のデジタル信号をエンコードし、無線システム265の変調器部分にルーティングされるベースバンド送信オーディオ信号を生成する。変調器は、ベースバンド送信オーディオ信号をRFキャリア信号と混合し、アンテナシステム270にルーティングされ、電力増幅器(図示せず)を通過する可能性のあるRF送信信号を生成する。電力増幅器は、RF送信信号を増幅し、それをアンテナシステム270にルーティングし、そこで信号は送信のためにアンテナポートに切り替えられる。
【0090】
ベースバンドシステム260はまた、中央処理装置(CPU)であってもよいプロセッサ210と通信可能に結合される。プロセッサ210は、データ記憶領域215および220にアクセスできる。プロセッサ210は、好ましくは、メインメモリ215または二次メモリ220に格納することができる命令(すなわち、1つまたは複数のソフトウェアモジュールを含むコンピュータプログラム等)を実行するように構成される。コンピュータプログラムはまた、ベースバンドプロセッサ260から受信し、メインメモリ210または二次メモリ220に格納するか、または受信時に実行することができる。そのようなコンピュータプログラムは、実行されると、システム200が開示された実施形態の様々なプロセスおよび機能を実行することを可能にする。
【0091】
1.3.場所-時間識別(PTID)
本明細書で考察されるように、物品114は、(例えば、人間またはロボットの収納要員およびピッキング要員を必要とする固定棚とは対照的に)保管コンベヤ上に保管されてもよい。一実施形態では、自動化システム内の各物品114および/またはセグメント112は、場所-時間識別子(PTID)と関連付けられる。追加的にまたは代替的に、各コンベヤ位置および/またはシステム構成要素(例えば、ステーション140)は、PTIDと関連付けられてもよい。簡単にするために、PTIDに関連付けられた物品114、位置、または構成要素のすべてを、本明細書ではまとめて「エンティティ(entities)」または単数形で「エンティティ(entity)」と呼ぶことがある。
【0092】
各PTIDは、コンベヤ110に対する位置、地面に対する位置、時間、識別された物体が何であるか、またはこれらの任意の組み合わせによって、エンティティを識別することができる。したがって、PTIDは、物品114が搬送システム100を通って移動する際に物品114を識別するために、指標を読む必要性を排除するために使用することができる。いくつかのケースでは、PTIDは、搬送システム100内の物品114の唯一の識別子であってもよい。
【0093】
PTIDは、搬送システム100が、コンベヤ110に保管されている物品114を、その位置および時間のみによって識別された状態で一括して移動させることを可能にする。搬送システム110は、ナビゲーションを必要としない単純な一次元の動きで、個々の物品114または物品114のグループを、特定の固定された目的地に、指定された時間に、並行して届けることができる。これは、搬送システム100を制御する処理システム200が、どの物品114を移動させなければならないか、その物品114がどのコンベヤ110のどこにあるか、さらにその物品114を移動する場所および時間を知っていることを意味する。
【0094】
PTIDはまた、制御システム200がイベントをモデル化および識別することを可能にする。したがって、制御システム200は、すべてのイベントをスケジュールし、追跡し、実行し、記録してもよい。監視されるイベントは、ステーション140で発生するイベント(例えば、押し、引き、ピペッティング、読み取り、分析など)、特定のセグメント112で発生するイベント(例えば、積み込み、収納、ピッキングなど)、および/または搬送システム100内の他のどこかで発生するイベントであってもよい。システム200は、搬送システム100で発生していることのリアルタイムモデルを維持して、搬送システム100の過去および将来のイベントをモデル化するために使用されるだけでなく、例えば、保守を必要とするコンベヤ110、ステーション140、および/または他の構成要素を識別するために使用されてもよい。
【0095】
PTIDは、極めて高い柔軟性を提供する。例えば、自動診断機器において、検査のバッチ実行中に、バッチ実行を即座に一時停止し、PTIDを保存して、緊急の検査を非常に異なるコンベヤの配置で実行できるようにすることができる。その緊急検査が完了した後、処理システムは、物品114、セグメント112、および/または他の構成要素のすべてを、バッチ実行が一時停止された時点の、それらの保存されたPTIDによって表されるような位置に戻し、その後、バッチ実行を再開することができる。このように、PTIDは、先着順である従来のシステムとは異なり、システムを以前の状態に戻すことができることによって(例えば、その状態のPTIDを保存して呼び出すことによって)、作業を実行する順序に柔軟性を持たせることができる。
【0096】
一実施形態では、各PTIDはベクトルを含む。PTIDのベクトルは、複数のサブベクトルを含んでいてもよい。これらのサブベクトルは、限定されないが、Cベクトル、Sベクトル、Gベクトル、Tベクトル、および/またはWベクトルを含んでもよい。しかしながら、PTIDは、より少ない数のサブベクトル、より多い数のサブベクトル、または異なるサブベクトルを含んでもよいことを理解すべきである。例えば、PTIDに追加の情報を詰め込むために(例えば、操作性を向上させるために)、PTIDに追加のサブベクトルを追加してもよい。
【0097】
各Cベクトルまたは構成要素ベクトルは、エンティティ(例えば、物品114)がどのコンベヤ110または他の構成要素(例えば、棚)に位置しているかを示す一次元ベクトルであってもよい。例えば、Cベクトルは、構成要素の一意の識別子を含んでもよい。
【0098】
各Sベクトルまたは表面ベクトルは、コンベヤ110または搬送システム100の他の保持構成要素(例えば、固定された保管棚、ルンバ型ロボット車両などのロボット車両、その他)の1つの表面上の物品114の固定位置を識別する、本明細書でS座標と呼ばれる1つまたは複数の座標のセットを含んでもよい。Sベクトルは表面上の固定された位置を表しているが、表面自体は、例えば、表面が保管または移送コンベヤ110の上面である場合には、動いてもよいことを理解されたい。一実施形態では、Sベクトルは、特定の構成要素の特定の表面(例えば、特定のコンベヤ110の上面)上の固定された原点を中心とした、2次元ユークリッド空間におけるデカルトのXおよびY座標を含む。SベクトルのX-Y座標の各セットは、表面上の固有の位置を表す。
【0099】
各Gベクトルまたは地面ベクトルは、地面(例えば、搬送システム100の下の地表)上の固定された原点を中心とした位置を識別する、本明細書でG座標と呼ばれる1つまたは複数の座標のセットを含んでもよい。一実施形態では、Gベクトルは、固定された原点を中心とした、2次元ユークリッド空間におけるデカルトのX-Y座標を含む。GベクトルのX-Y座標の各セットは、地面上の固有の位置を表す。一実施形態では、各Gベクトルは、実世界の全地球測位システム(GPS)座標(例えば、緯度および経度、および任意選択的に標高)、または特定の空間(例えば、自動化システムのハウジング、店舗、工場、または倉庫の床、その他)に対して定義された同様の座標を含む。
【0100】
代替実施形態では、Sベクトルおよび/またはGベクトルは、デカルト座標系の代わりに、固定された中心極の周りの極座標系の座標を含んでもよい。この場合、極座標は、(x、y)の代わりに、(r、θ)または半径と角度と呼ばれることがある。
【0101】
各T-ベクトルまたは時間ベクトルは、時間座標(例えば、タイムスタンプ)を含んでもよい。各時間座標は、時間軸上の点を表し、実時間または経過時間(例えば、ストップウォッチのような、固定された開始時点からの)を定義し、個々のタスクを監視するために使用することができる。例えば、Tベクトルは、物品114のステーション140への配送を特定の時間にスケジュールするように制御システム200に指示するために使用することができる。また、Tベクトルは、タスク(例えば、様々な物品114の移動)に優先順位を付け、最も重要な(例えば、時間的制約のある)タスクを最初に処理するなど、トリアージを行うために使用することができる。また、Tベクトルは、すべてのイベント(例えば、移動、処理など)をスケジューリングし、記録することを可能にする。Tベクトルにより、搬送システム100における過去のオペレーションの履歴を収集、保存すること、ならびに将来のオペレーションの予測、スケジューリングが可能となる。過去のオペレーションの履歴は、例えば、自動化システムの効率を最適化するためのデータ分析に使用することができる。
【0102】
PTIDにおけるTベクトルの有用性の例は、複数のコンコースのコンベヤ110を有するフルフィルメント倉庫の文脈で説明することができる。処理システム200は、Tベクトルを使用してイベントを正確にスケジュールすることができる。例えば、ショッピングリストの物品114が異なるコンコースに渡って保管されていた場合、処理システム200は、各コンコースの各物品114が、ビン160がプッシュ機構を通過する正確な時間に、コンコース内のプッシュ機構にあるように、物品114およびビン160の移動をスケジュールすることができる。換言すると、各物品114の位置とビン160の位置は、各物品114がそれぞれのコンコースから押し出される時に、互いに一致するようにスケジュールされている。Tベクトルは、このようなレベルの精度を可能にし、結果として、効率を向上させる。
【0103】
各Wベクトルまたは「何」ベクトルは、表現されたエンティティが何であるかを示すベクトルであってもよい。例えば、Wベクトルは、表現されたエンティティを、物品114、位置、または搬送システム100の構成要素として識別する識別子を含んでもよい。Wベクトルは、さらに、物品114、位置、または構成要素の種類(例えば、パッセンジャー物品、保管物品、パッセンジャーの位置、保管場所、システム構成要素、コンベヤ110、固定された表面、セグメント112、ラック、ビン160、その他)を識別してもよい。Wベクトルは、PTIDがどのような種類のエンティティを識別しているかを示す(例えば、コンベヤ110、固定棚、物品114、位置、セグメント112、ラック、ピペッター、読み取り、パッキング、または他のステーション140、その他)。このように、Wベクトルは、タイプ分類を表す別次元の座標である。Wベクトルにより、制御システム200は、例えば、特定のPTIDによって識別されているエンティティの種類を識別することができるので、制御システム200は、物品114、位置、またはシステム構成要素を区別することができる。
【0104】
一実施形態では、各コンベヤ110は、複数のセグメント112に分割される。各コンベヤ110に関してこれらの複数のセグメント112のそれぞれは、一緒になって自動化システムの保持構成要素内のセグメントの位置を一意に識別する、CベクトルおよびSベクトルの一意のペアに恒久的に関連付けられてもよい。ロボット車両および収納棚(例えば、棚132)などの他の保持構成要素(例えば、それぞれが一意のCベクトルで表される)の保持面も、それぞれが独自のSベクトルと関連付けられた領域またはセグメントに分割されてもよい。
【0105】
各セグメント(例えば、コンベヤ110のセグメント112または別の保持構成要素のセグメント)は、独自のS座標系を有することもできる。例えば、各セグメントは、X座標およびY座標によって定義される独自のユークリッド空間を有することができる。したがって、セグメントのSベクトルが指定されると、そのセグメント上のすべての物品114のすべてのPTIDのSベクトルのS座標は、そのセグメントのS座標系に基づいて計算することができる。換言すると、ユークリッド空間におけるセグメントは、S座標のセット(例えば、S座標のリストまたはS座標の範囲)によって定義されてもよい。セグメントに対するこのS座標のセットから1つまたは複数のS座標を、セグメント上の個々の物品114に割り当てることができる。大きな物品114が複数のS座標をカバーする領域を占めている場合、複数のS座標を割り当ててもよい。あるいは、そのような物品114には、そのような物品114の「重心」を表す単一のS座標を割り当ててもよい。基本的に、各セグメント112は、物品114または物品114の一部を保持するセグメントの独自の系にセグメント化することができる。
【0106】
円形のカルーセルコンベヤ110に関して、SベクトルのためのS座標を確立する目的で、X軸は、コンベヤ110の円形プロファイルと同軸であると定義することができ、Y軸は、コンベヤ110の円形プロファイルの中心から外側に延びる半径方向の線であると定義することができる。したがって、カルーセルコンベヤ110上の各物品には、カルーセルコンベヤ110の円形X軸上の物品の位置を識別するX座標と、X座標を通って延びる半径方向の線上の物品の位置を識別するY座標とが割り当てられてもよい。これらのS座標は、XとYではなく、一般的に半径および角度と呼ばれる極座標である。これは、入れ子状の円形のカルーセルコンベヤ110を利用する実施形態では、特に便利であるかもしれない。極座標系では、平面上の各点は、基準点からの距離と、基準方向からの角度とによって決定される。したがって、極座標系の各位置はベクトルであり、行列代数の方程式を適用することが可能である。
【0107】
自動化システムの各コンベヤ100または他の保持構成要素に対して、別個のSベクトル系を利用してもよい。そのような実施形態では、2つのエンティティは、同じSベクトルを有するが(すなわち、2つのエンティティが、それぞれの表面上の固定点に関して同じ位置にあることを表す)、異なるCベクトルを有し得る(すなわち、2つのエンティティが異なる表面上にあるため)。あるいは、すべての保持構成要素は、特に、すべての保持構成要素の上面が同一平面内にある場合(例えば、同心円状のカルーセルコンベヤ110を有する実施形態の場合)には、単一の共有ユークリッド空間で定義され得る。このような実施形態では、全てのSベクトルにおける全てのS座標が単一の基準点を用いて定義されてもよいので、Cベクトルは必要ないかもしれない。換言すると、Sベクトルだけを使用して、搬送システム100内のエンティティの物理的な位置を一意に識別することができる。
【0108】
Sベクトル系のユークリッド空間は、Gベクトル系の下に横たわる地面ユークリッド空間(例えば、自動化システムのコンベヤ110および他の保持構成要素の下に横たわる)に重ね合わせてもよい。両方のユークリッド空間は、全く同じ寸法を有していてもよく、Sベクトル系のユークリッド空間は、コンベヤ110の下にある地面ユークリッド空間上の固定された原点を中心にGベクトル系の地面ユークリッド空間に直接関係していてもよい。原点の選択は、自動化システムの実装と応用に依存し、複数の原点があってもよい。原点が2つの系の間で整列されている間にコンベヤ110が停止している場合、または、保持構成要素が固定構成要素(例えば、保持棚)である場合には、Sベクトルが正確にSベクトルと一致してもよい。上述したように、コンベヤ110の上面などの移動面上の物品114のS座標は、それらの物品114のG座標に対して時間とともに移動する可能性がある。しかしながら、Sベクトル系とGベクトル系との関係から、Sベクトル系の点がGベクトル系の固定点に結びつけられてもよい。加えて、物品114および/またはコンベヤ110の位置は、(例えば、読み取りステーション140を通過する際に)常に監視されてもよい。
【0109】
上述の方法で、物品114をPTIDと関連付けることができ、自動化システム全体のその正確な位置を処理システム200によって追跡することができる。換言すると、自動化システム内の物品114の正確な位置は、その割り当てられたPTIDを使用して識別することができる。処理システム200は、自動化システム内のすべての物品114のPTIDを常に追跡し、人間の介入なしにその動きを制御してもよい。例えば、処理システム200は、コンベヤ110および/または他のデバイス(例えば、ロボットプッシャまたはグリッパ、自動梱包機等)を制御して、物品114または物品114のセットを、ソースPTID(例えば、保管コンベヤ110または棚)から取り出し、移送コンベヤ110上に移動させ、移送コンベヤ110上で物品114を搬送し(その間、PTIDは、そのSベクトルが固定されたままで、その変化するGベクトルを反映するように継続的に更新されてもよい)、移送コンベヤ110上の物品114を目的地PTID(例えば、棚132)に配送することができる。保持構成要素(例えば、コンベヤ110、棚132等)間の物品の移動は、カメラによって観察されてもよく、カメラは人工知能(AI)によって監視および/または制御されてもよい。
【0110】
一実施形態では、処理システム200は、Cベクトル、Sベクトル、Gベクトル、およびTベクトルの組み合わせに基づいて、特定の時間に物品114を搬送システム100内の特定の位置(例えば、セグメント112、梱包または他の処理ステーション140、シュート150、積み込みエリア170等)に移動させるように(例えば、ソフトウェアによって)構成することができる。固定された目的地(例えば、静止したステーション140)には、下に横たわるユークリッド地面空間におけるWベクトルおよび固定されたGベクトルが割り当てられてもよい。
【0111】
一実施形態では、処理システム200は、光学的または機械的システム(例えば、物品114および/またはセグメント112が通過するときにその上のコードを光学的にスキャンする光学読み取りステーション140)を利用して、GベクトルおよびSベクトル系の固定原点の関係に基づいて、所与のSベクトルに対するGベクトルを継続的に決定してもよい。換言すると、処理システム200は、任意の所与の瞬間に、コンベヤ110-したがって、コンベヤ110上の物品114-の正確な位置を決定することができる。したがって、処理システム200は、コンベヤ110が停止しているか、または動いているかにかかわらず、コンベヤ110上の任意の物品114のG座標を計算することができる。これにより、処理システム200は、例えば、1つまたは複数のコンベヤ110を使用して物品114をあるG座標から別のG座標に移動させることによって、任意の物品114のG座標を制御することができる。これは、PTIDシステムにおける品質管理のために重要であり得る。
【0112】
リレーショナルデータベースは、そのPTIDを介して物品114を追跡するために使用されてもよい。具体的には、各物品114は、リレーショナルデータベースにおいてPTIDと関連付けられてもよい。PTIDは、物品114のリレーショナルデータベースへのインデックスまたはキーとして使用されてもよい。例えば、Sベクトルは、物品114のテーブルへのインデックスとして使用されてもよく、そのSベクトルを有する1つまたは複数の物品114に関する情報のすべてまたはサブセットを検索する。代替的または追加的に、GベクトルおよびTベクトルの組み合わせを、物品114のテーブルへのインデックスとして使用してもよい。代替的または追加的に、任意の他のサブベクトルまたはサブベクトルの組み合わせ、または任意の指標読み取り(例えば、読み取りステーション140によって捕捉される)が、物品114のテーブルへのインデックスとして使用されてもよい。物品114は、リレーショナルデータベースにおいて、物品識別子(例えば、SKU)、1つまたは複数の物品記述子(例えば、タイプ、価格等)、および/または同様のものなど、他のデータと同様に関連付けられてもよい。リレーショナルデータベースは、物品114のすべての動きを持続的に記録してもよい。例えば、移動した物品114、移動元のPTID、移動先のPTID、移動の時間、および/または同様のものを識別する行が移動テーブルに格納されてもよい。この移動の履歴は、監査、デバッグ、搬送システム100の使用に対するロイヤリティの計算、および/または同様のものを含む、様々な用途に使用することができる。
【0113】
本明細書の他の箇所で述べたように、一実施形態では、搬送システム100は、任意のコンベヤ110上に保管された任意の物品114または連続する物品114のセットのランダムアクセスを可能にし、および/または任意のコンベヤ110の任意のセグメント112へのランダムアクセスを可能にする。例えば、各セグメント112は、PTIDによって個別にアドレス指定されてもよい。処理システム200は、物品114またはセグメント112へのランダムアクセスの命令を受け取ってもよい。命令は、物品114の識別子および/またはセグメント112のSベクトルまたは完全なPTIDを含んでいてもよく、自動化システムの別の構成要素から、外部システムから、自動化システムのグラフィカルユーザインターフェースを介してオペレータから、および/または同様のものから受け取られてもよい。命令が物品114の識別子を含む場合、処理システム200は、識別子を、物品114が配置されているセグメント112およびコンベヤ110を識別するSベクトルまたはフルPTIDにマッピングしてもよい。そうでなければ、命令がSベクトルまたはフルPTIDを含む場合、このSベクトルまたはPTIDは、処理システム200にランダムにアクセスされるセグメント112およびコンベヤ110を容易に識別する。いずれの場合も、セグメント112が識別されると、処理システム200は、次に、セグメント112を含むコンベヤ110を制御して、セグメント112をアクセスされ得る位置に移動させてもよい。例えば、アクセス位置は、ステーション140(例えば、プッシャまたはグリッパなどのロボットシステムを含む)、目的地システム130、積み込みエリア170(例えば、収納またはピッキングのための)、および/または同様のものにアクセス可能な位置であってもよい。
【0114】
このようにして、搬送システム100内の任意のセグメント112および/または物品114にランダムにアクセスすることができる。セグメントにランダムにアクセスするこの能力は、物品114を任意のコンベヤ110の任意のセグメント112から迅速に荷積み下ろししたり、任意のセグメント112に迅速に積み込んだりすることを可能にし、大量の物品114(例えば、頻繁に使用または購入される物品)を、互いに近くおよび/またはアクセス位置の近くでコンベヤ110上に収納することを可能にする。加えて、処理システム200は、コンベヤ110のセグメント112のランダムアクセスを利用して、例えば、コンベヤ110上の物品114を自動的に再ソートして、自動化システム内でのそれらの物品114の配置を最適化する(例えば、より頻繁に使用または購入される物品を、目的地システム130、ステーション140、積み込みエリア170等の近くに収納する)ことができる。
【0115】
物品114が特定の保持構成要素(例えば、コンベヤ110、ロボット車両、または保管棚の特定のセグメント112)上に配置されている限り、物品114の位置は、その処理の間、その関連するSベクトルに固定されてもよいし、別の既知のSベクトルに移動してもよいので、読み取り手段(例えば、バーコードリーダ)を介して物品114を追跡し続ける必要はない。このように、有利なことに、物品114はその場で処理されるので、物品の位置が一度特定されると(例えば、特定のSベクトルでその関連するバーコードまたは他の機械読み取り可能な指標を読み取ることによって)、再度特定される必要はない。これは、物品114を他のコンベヤ110に複数回転送した後(例えば、ソート処理中に)であっても、次のコンベヤ110上のSベクトルが転送のたびに捕捉されるので(すなわち、PTID保存)、同様である。好ましい動作原理は、プロセスの可能な限り早い段階で、一度だけパッセンジャー物品114のPTID識別を確立することである。
【0116】
一実施形態では、物品114または物品114のラックが1つのコンベヤ110から別のコンベヤ110に移動されると、移動された各物品114またはラックのPTIDは、移動を反映するように更新される。新しいコンベヤ110上の物品114の新しいPTIDを確立することによって、物品114は、その現在のPTIDのみによって識別されて、サプライチェーンを進むことができる。これにより、サプライチェーン全体で物品114を何度もスキャンする必要がなくなる。例えば、物品114の位置(例えば、その現在のCベクトルとSベクトルの組み合わせ)は移動前に既に知られており、その目的地の位置(例えば、物品114が押されたり引かれたりその他の方法で移動されるセグメント112のCベクトルとSベクトルの組み合わせ)は知られているので、処理システム200は、単に物品114のPTIDを更新することができ(例えば、物品114が移動されるセグメント112のCベクトルとSベクトルの組み合わせを反映するために)、この際、(例えば、その現在の位置を決定するために)物品114をスキャンする必要はない。
【0117】
高速で動くコンベヤから物品が押し出されるときに物品をスキャンするリーダなど、物品が移動するときに物品を識別するために利用できる多くの複雑で高価な機構がある。しかしながら、これらの機構はすべて、各移動ポイントまたは出口ポイントに固定のスキャナを必要とする。有利なことに、PTIDを使用すれば、そのようなスキャナは必要ない。
【0118】
加えて、コンベヤ110を停止させることができるので、より単純なピッキングおよび/またはプッシュ機構を移動のために使用することができ、それに伴って費用も削減される。例えば、一実施形態では、2つのコンベヤ110間の物品の移動のために、2つのコンベヤ110は、ソースセグメント112(すなわち、物品114が現在保持されているセグメント112)および目的地セグメント112(すなわち、物品114が移動されるべきセグメント112)が互いに隣接するように停止されてもよい。次いで、非常に単純なプッシュ機構を用いて、物品114をソースセグメント112から目的地セグメント112に押すことができる。これにより、複雑で高価なグリッパ機構を必要とせず、動作中にエラーが発生する機会が減る。この場合、処理システム200は、移動された物品114のPTID内のCベクトルおよびSベクトルを、ソースセグメント112のCベクトルおよびSベクトルから、目的地セグメント112のCベクトルおよびSベクトルにそれぞれ更新するだけである。これはすべて、物品114をスキャンすることなく行うことができる。
【0119】
有利なことに、搬送システム100内で物品114を移動するために、単純で安価な機構を使用するこの能力は、自動化された収納システムを初めて実用化する。一例として、臨床検査室は、窓口でサンプルを受け取ることができる。サンプルはスキャンされ、それによって自動化システムにサンプルの到着と存在を知らせる。加えて、サンプルに対して実施されるべき検査が自動化システムに入力され得る(例えば、手動またはLISを介して)。複数の手動での収納ステップを省くために、サンプルは、受け取り時にラック(例えば、サンプル用の20×20のスロットを有する)に配置することができる。その際、ラック全体のPTIDを自動的に確立することができる。新たに確立されたPTIDは、オーバーヘッドカメラシステム(例えば、読み取りステーション140として機能する)によって検証されてもよい。加えて、ラック内の各サンプルのPTIDは、その時点で、ラックのS座標系(例えば、20×20座標系)に従って、自動的に確立されてもよい。換言すると、各サンプルは、ラック固有のS座標系(例えば、20×20グリッドのラックスロットの1つ)内の位置を表すSベクトルを持つPTIDを取得する。このようにして、多数のサンプル(例えば、20×20のラックで最大400個)を投入し、すべてのサンプルのPTIDを1つのステップで迅速に計算することができる。サンプルのラックが投入されたコンベヤシステム100は、その後、自動化システム内のコンベヤ110上の最適な位置にラックを収納することができ、それにより収納要員が歩く必要性が排除される。このようにして、自動化システムにサンプルを一括して投入することができ、小さな未識別ロットをオンボードで識別しなければならないのとは対照的である。また、サンプルは、それぞれの検査のために、自動化システム内の様々なステーション140に連続して配送するようにスケジュールすることができる。
【0120】
PTIDシステムは、サプライチェーン全体に拡張することができ、ジャストインタイムシステムおよびカイゼンシステムを容易にする、即時の統合されたフィードバックを提供する。例えば、PTIDは、自動化システムが、ある期間(例えば、稼働日)内のすべての動きおよび動作をスケジュールすることを可能にする。LIS上で検査が注文されるとすぐに(例えば、医師によって)、自動化システムは、検査されるべきサンプルのPTIDを使用して、受け入れ時および各検査ステーション140におけるサンプルの予約を行うことができる。自動化システム内のすべての動きおよび動作は、品質管理、処理量、効率、負荷レベル、請求書作成、高度なデータ分析、および/または同様のものを改善するために、(例えば、動きおよび/または動作の保存された履歴に基づいて)モデル化され、スケジュールされてもよい。したがって、例えば、特定の時間帯に1つの検査ステーション140が忙しくなる場合、自動化システムは、その検査ステーション140でのバックアップを防止するように、および/または他のタスクを並行して実行するように検査をスケジュールし、それによって処理量を向上させることができる。
【0121】
倉庫の背景において、カルーセルを階層的に配置し、PTIDシステムを使用して管理することができる。例えば、階層の1つのレベルで、より遅いカルーセルコンベヤ110が大量の在庫を保管する。別の階層レベルで、より速いカルーセルコンベヤ110が少量の在庫を保管し、迅速なアクセスを可能にする。より速いカルーセルコンベヤ110内の物品114が枯渇すると(例えば、その物品のSKUがより速いカルーセルコンベヤ110内のより少ないPTIDと関連付けられることによって決定されるように)、より遅いカルーセルコンベヤ110からの物品114は、より速いカルーセルコンベヤ110に移動されてもよい。これらの物品114は、より速いカルーセルコンベヤ110が枯渇する前に再ストックされることを保証するスケジュールに従って移動されてもよいが、作業を妨げない時間(例えば、予想される忙しくない時間帯など、実行すべき作業またはタスクがより少ないとき)に移動されてもよい。したがって、梱包および出荷プロセスにおける処理量を大幅に改善することができる。加えて、処理システム200は、倉庫が特定の物品114を使い果たしつつあるときを判断し、物品114の再供給を開始および/またはスケジューリングする要求をサプライチェーンの上流に自動的に送ることができる。このように、処理システム200は、在庫および出荷制御、ならびにイベントスケジューリングを実行することができる。
【0122】
TベクトルとSベクトルまたはGベクトルのいずれかとのペアリングは、パッセンジャー物品114およびシステム構成要素(ピペッター、自動梱包機等)をラベル付けして識別し、処理システム200が自動化システム内の動作を指定および制御するために使用することができる、メトニマス名(metonymous name)またはキーと考えることができる。GベクトルとWベクトルとのペアリングは、パッセンジャー物品114、ステーション140(例えば、ピペッター、梱包機等)、ビン160、および/または任意の他の構成要素に名前を付けることができる。有利なことに、PTIDは、処理システム200がベクトル値によって多くの異種のタイプのエンティティを識別することを可能にする。例えば、処理システム200は、物品114およびステーション140のこのPTIDベースの知識を使用して、自動化システムを自己最適化するAIアルゴリズムを実行することができる。
【0123】
本明細書の他の箇所で考察されるように、処理システム200は、コンベヤ110の位置を監視することによって、Gベクトル系に対する、任意の移動物品114または構成要素のPTIDの各Sベクトルを追跡し、更新してもよい。この追跡中に、処理システム200は、移動物品114または構成要素のPTIDのTベクトルを動的に更新してもよい。このように、処理システム200は、任意の特定の瞬間に、その現在の位置およびその将来の位置の両方に関して、任意の移動エンティティを追跡することができる。加えて、処理システム200は、搬送システム100内のすべての移動、動作、および/または他のイベントの履歴を(例えば、二次メモリ220に)記憶してもよい。この履歴は、現在の時刻までのすべてのイベントを含み得ることを理解されたい。加えて、処理システム200は、将来のために予定されたすべてのイベントを(例えば、二次メモリ220に)記憶することができる。したがって、処理システム200は、この絶えず更新される情報を使用して、Sベクトルを採用することなく、任意のTベクトル(すなわち、時間)において特定のGベクトル(すなわち、地面の位置)に何があるかを識別することができる。
【0124】
また、PTIDシステムは、処理システム200がラベル付けされたイベントをスケジュールすることを可能にする。例えば、処理システム200は、特定のTベクトル(すなわち、特定の時間)において、特定のGベクトルおよびWベクトル(すなわち、自動化システム内の特定の地面の位置にある特定のもの)において、CベクトルおよびSベクトル(すなわち、特定のコンベヤ110の表面上の特定の位置)をスケジュールすることができる。このようにして、処理システム200は、特定のステーション140(例えば、ピペッター、梱包機等)の前に特定の物品114またはセグメント112を並べるために、この特定のPTIDをスケジュールすることができる。加えて、Cベクトル、Gベクトル、およびTベクトルの組み合わせは、イベント(例えば、所与の検査ステーション140で所与のサンプルを処理すること)をモデル化することができる。
【0125】
PTIDはまた、トリアージのために処理システム200によって使用されてもよい。例えば、自動診断機器の止血ステーション140で検査の注文がたくさんあるとする。処理システム200がステーション140で予約を行う能力は、止血のタイムスロットが無駄にならないように、また、予約されたタイムスロットのために止血ステーション140にサンプルを持っていくのに遅延がないようにすることが重要であるので、価値があるだろう。処理システム200は、PTIDベクトルを利用し、スケジューリングを最適化するために、1つまたは複数のアルゴリズム(例えば、機械学習または他のAIアルゴリズム)を使用することができる。例えば、アルゴリズムは、予約を最適化し、物品114のキューイング(例えば、止血ステーション140の近く)を最適化し、コンベヤ110が予約に間に合うように物品114を止血ステーション140に移送するために自由であることを保証し、および/または同様のことを行うことができる。検査が医師によって注文されるとすぐに、またはサンプルが自動化システムで受け入れられると、サンプルに対して注文されたすべての検査は、各検査ステーション140(例えば、GベクトルおよびWベクトルのペア)における特定の時間スロット(すなわち、Tベクトル)にスケジュールされてもよい。加えて、緊急の検査注文は、優先順位の低い注文の前に緊急の検査の注文を実施できるように、必要に応じて他のサンプルの他の検査を遅延および/または再スケジューリングするように、優先順位およびトリアージを与えられてもよい。
【0126】
一実施形態では、処理システム200は、PTIDシステムの品質管理を行う。例えば、自動読み取りステーション140は、PTIDによって提供されているアイデンティティが正しいことを確認するために、コンベヤ110上を通過する物品114上の機械読み取り可能な指標を読み取るために、搬送システム100全体に選択的に配置されてもよい。具体的には、機械読み取り可能な指標を使用して、物品114とそのPTIDを検索し、検索されたPTIDを、処理システム200による追跡に従って、機械読み取り可能な指標を捕捉した自動読み取りステーション140の前の位置に対応するPTIDと比較してもよい。PTIDが一致した場合、PTIDシステムは現実と整合している。そうでなく、PTIDが一致しない場合、PTIDシステムは整合しておらず、再較正プロセスが開始されてもよく、即時警報(例えば、誤動作を示す)が発せられてもよく(例えば、音が鳴らされるか、1人または複数人の受信者に送信される)、および/または同様のことが行われてもよい。PTID検証のインスタンスは、PTIDシステムが適切に整合されていることを保証するために、統計的サンプリングとして行うことができ、それによってPTIDシステムの完全性に対する継続的な信頼を提供する。さらなる安全対策において、機械読み取り可能な指標(例えば、QRコード)が、コンベヤ110の表面上(例えば、1つまたは複数またはすべてのセグメント112上)に印刷されてもよく、それによって、統計に基づくPTID検証のために自動読み取りステーション140によってサンプリングされる位置をラベル付けする。
【0127】
一実施形態では、処理システム200は、すべてのコンベヤ110の現在の位置を監視し、記録する。例えば、コンベヤ110を動かすためにステッピングモータを使用する実施形態では、処理システム200は、コンベヤ110のステッピングモータに送られるパルスをカウントして、それらの現在の位置を追跡してもよい。代替的に、処理システム200は、上述したように、コンベヤ110が自動読み取りステーション140を通過する際に、コンベヤ110上の機械読み取り可能な指標を読み取ってもよい。いずれの場合も、PTIDシステムの不整合または誤動作がある場合、処理システム200は、この情報を使用して、PTIDシステムを搬送システム100と整合した状態に戻すことができる。
【0128】
加えて、PTIDの完全性をさらに確実にするために、すべての収納イベントが(例えば、カメラシステムによって)監視されてもよい。例えば、コンベヤ110が収納のために保管セグメント112を差し出すたびに、カメラは、保管セグメント112上に配置された物品114の画像またはビデオを捕捉してもよい。一実施形態では、一旦物品114がコンベヤ110の表面上の特定の位置に置かれると、その物品114は、そのコンベヤ110上にある間そのSベクトルが一定であるように、同じコンベヤ110の同じ表面上の他の場所には決して移動しない。
【0129】
一実施形態では、搬送システム100のコンベヤ110の1つまたは複数(例えば、潜在的にすべてのコンベヤ110)は、磁気コンベヤであってもよい。磁気コンベヤは、鉄製の物品をコンベヤベルトに解放可能に固定するために磁石を使用する。これは、コンベヤベルトの移動中であっても、コンベヤベルトの表面上の物品114が正確なSベクトルに留まることを保証するために使用することができる。注目すべきは、物品114自体は、鉄性である必要はない(しかし、特定の用途ではあり得る)ことである。例えば、物品114は、本明細書の他の箇所に記載したように、鉄製のラックまたは他の容器に配置されてもよい。この場合、処理システム200は、物品114が配置されているラックまたは他の容器のPTIDに基づいて、物品114の個々のPTIDを計算してもよい。
【0130】
処理システム200は、すべての固定または移動エンティティのオペレーションをそのPTIDによって記録することができるので、PTIDシステムは、規模の大小にかかわらず、物流システムの業務の効率に対する前例のない制御を可能にする。例えば、PTIDは、業務を円滑に進めるためにあらゆる障害を検知してタイムリーに改善することが仕事である、フルフィルメントセンターの「水蜘蛛」と呼ばれる人間の作業員の機能の多くをPTIDによって自動化することができる。PTIDにより、処理システム200は、固定または移動するすべてのエンティティのすべてのオペレーションを継続的にモデル化することができるので、いずれかのエンティティが誤動作、減速、過負荷、または在庫切れになった場合、処理システム200は、オペレーションを冗長なエンティティに迂回させたり、特定の推奨事項をもってタイムリーに人間による修復を求めたりすることができる。
【0131】
有利なことに、少なくとも部分的に、搬送システム100内のすべてのSKUまたは物品114を識別するためにPTIDを使用した結果、人間のピッキング要員を排除することができる(例えば、フルフィルメント倉庫の背景において)。これは、各物品114の(例えば、特定の構成要素の特定の表面上の)詳細な位置が、自動化システムに入った時から、自動化システム内での滞在および自動化システムを通る移動の全体を通して、自動化システムを出るまで(例えば、出荷または梱包エリアで移送コンベヤ110を出るまで)、処理システム200に知られているからである。従来のシステムは、一般に、そのような詳細で一貫した情報を維持しておらず、したがって、収集のために特定の物品を識別してピッキングするために人間を必要とする。開示された搬送システム100は、本発明者が認識している中で、物品の収集のために人間のピッキング要員を排除することを可能にする唯一のシステムである。
【0132】
1.4.カルーセルの調整例
図3Aおよび3Bは、一実施形態による、コンベヤ110の動きがどのように調整され得るかの例を示す。図示された搬送システム100は、4つの同心円状のカルーセルコンベヤ110を含む。各カルーセルコンベヤ110は、例えばウェッジ112に分割されており、各ウェッジ112は異なるPTIDで表されている。
【0133】
図示の例では、処理システム100は、A1、B1、C1、D1で表されるSベクトルを割り当てられたウェッジ112を、例えば、ステーション140の1つまたは複数の機器(例えば、ロボットプッシャ)を使用した操作のためにそれらがすべてアクセスされ得るように、半径方向の線に整列させなければならないと判断する。図3Aおよび3Bに示すように、コンベヤ110A上のA1は、3つの割り出し位置だけ時計回りに回転され、コンベヤ110B上のB1は、15の割り出し位置だけ反時計回りに回転され、コンベヤ110C上のC1は、7つの割り出し位置だけ反時計回りに回転され、コンベヤ110D上のD1は、4つの割り出し位置だけ時計回りに回転され、カルーセル110A~110D上のA1、B1、C1、およびD1を、同じ半径方向の線に整列させる。その結果、移動後、A1は位置300Aに、B1は位置300Bに、C1は位置300Cに、D1は位置300Dに位置する。したがって、図3Bに示すように、A1、B1、C1、およびD1によって識別されるウェッジ112のすべてが、単一の半径方向の線上で同時にアクセス可能である。
【0134】
図3Aおよび3Bの例では、コンベヤ110は、両方向に回転することができる。したがって、処理システム200は、コンベヤ110のそれぞれについて、その特定のコンベヤ110にとって最も効率的な移動方向を選択してもよい。効率は、最小の移動の量または移動の数として定義されてもよい。この場合、処理システム200は、特定のセグメント112をその目的の割り出し位置に移動させるために必要な移動量が最も少ない移動方向を選択してもよい。しかしながら、代替システム100では、コンベヤ110は単一の方向にのみ移動してもよく、または、効率の異なる定義が使用されてもよい。例えば、効率は、最も多くの数のセグメント112および/または物品114を同時に適切な位置に移動させる動きを優先し得る。
【0135】
注目すべきは、コンベヤ110は、コンベヤ110を横切るセグメント112の任意の組み合わせを、互いに(例えば、ステーション140、目的地システム130、または他のシステムで)一列に整列させるように制御されてもよい。したがって、処理システム200は、セグメント112を整列させるためにコンベヤ110を調整し、それによって、(例えば、ステーション140の機器を使用して)整列された物品114に特定のタスクを実行するために、それらのセグメント112に保持されている特定の物品114を整列させてもよい。この場合、各コンベヤ110は、セグメント112が整列されると、タスクのすべてのステップに必要な物品114のすべてがコンベヤ110を横切る直線上で利用可能になるように、全体的なタスクの同じステップにすべて関連する物品114のセットを運んでもよい。例えば、図3Bを参照すると、タスクの第1のステップのための第1の物品114は、A1に位置して位置300Aでアクセス可能であり、タスクの第2のステップのための第2の物品114は、B1に位置して位置300Bでアクセス可能であり、タスクの第3のステップのための第3の物品114は、C1に位置して位置300Cでアクセス可能であり、タスクの第4のステップのための第4の物品114は、D1に位置して位置300Dでアクセス可能であってもよい。より大きな数のセグメントを使用して、何百万または何十億もの物品114の異なる組み合わせを、連続的にまたは並行して迅速に整列させることができる。
【0136】
2.プロセスの概要
次に、搬送システム100を制御するためのプロセスの実施形態について詳細に記載する。記載されたプロセスは、搬送システム100を含む自動化システムの1つまたは複数のハードウェアプロセッサ(例えば、プロセッサ210)によって実行される1つまたは複数のソフトウェアモジュールで具現化されてもよいことを理解されたい。記載されたプロセスは、ソースコード、オブジェクトコード、および/またはマシンコードで表される命令として実装されてもよい。これらの命令は、ハードウェアプロセッサ210によって直接実行されてもよいし、代わりに、オブジェクトコードとハードウェアプロセッサ210の間で動作する仮想マシンによって実行されてもよい。
【0137】
代替的に、記載されたプロセスは、ハードウェアコンポーネント(例えば、汎用プロセッサ、集積回路(IC)、特定用途向け集積回路(ASIC)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブルロジックデバイス、離散ゲートまたはトランジスタロジック等)、ハードウェアコンポーネントの組み合わせ、またはハードウェアコンポーネントとソフトウェアコンポーネントの組み合わせとして実装されてもよい。ハードウェアとソフトウェアの互換性を明確に示すために、本明細書では、様々な例示的なコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、およびステップを、その機能性の観点から一般的に記載している。このような機能がハードウェアとして実装されるか、ソフトウェアとして実装されるかは、特定の用途とシステム全体に課せられた設計上の制約に依存する。熟練者は、特定の用途ごとに様々な方法で記載された機能を実装することができるが、そのような実装の決定は、本発明の範囲からの逸脱を引き起こすと解釈されるべきではない。加えて、コンポーネント、ブロック、モジュール、回路、またはステップ内の機能のグループ化は、記載を容易にするためのものである。特定の機能またはステップは、本発明から逸脱することなく、1つのコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、またはステップから別のコンポーネント、ブロック、モジュール、回路、またはステップに移動することができる。
【0138】
さらに、本明細書に記載されているプロセスは、ステップの特定の配置および順序で図示されているが、各プロセスは、より少ない、より多い、または異なるステップ、およびステップの異なる配置および/または順序で実施することができる。加えて、別のステップの完了に依存しないいずれのステップも、ステップが特定の順序で記載または図示されている場合でさえ、その別の独立したステップの前、後、または並行して実行できることを理解すべきである。
【0139】
説明のために、本明細書では、特定の構成で特定の数のコンベヤ110を含む搬送システム100を参照して、プロセスを記載する。しかしながら、これらの例は限定的なものではなく、異なる数のコンベヤ110および/または異なる形状のコンベヤ110を含む、協働するコンベヤ110の他の構成に、記載されたプロセスを適応させる方法は、当業者には容易に明らかになるであろう。
【0140】
2.1.ソフトウェア
処理システム200は、搬送システム100を制御する1つまたは複数のソフトウェアモジュール(例えば、メインメモリ215および/または二次メモリ220に格納され、プロセッサ210によって実行される)を格納および実行してもよい。この制御は、コンベヤ110の動きのタイミングを互いにおよび実行されている操作に対して最適化すること(例えば、滞留時間を最小化し、処理量を増加させること)、処理のために必要なリードタイムを実施すること、処理のために物品114を選択すること、ピックアップおよび/または処理のために物品114の集合をまとめること、および/または同様のことを含んでもよい。
【0141】
一実施形態では、制御ソフトウェアは、人工知能を利用して、自動化システムおよび/または人間のユーザの意図を予測してもよい。例えば、制御ソフトウェアは、観察され保存されている履歴データセットを用いて、観察された一連のイベントに基づいて実行されるべき次の操作を予測するために、機械学習アルゴリズムを訓練してもよい。追加的にまたは代替的に、人工知能(例えば、畳み込みニューラルネットワークを採用する)を使用して、1つまたは複数の自動読み取りステーションによって捕捉された画像データ内の物体(例えば、物品114)を認識および/または分類してもよい。
【0142】
処理システム200はまた、自動化システムによって(例えば、1つまたは複数のステーション140の機器によって)生成された、画像データまたは他の感知されたデータを含むデータを分析するために、1つまたは複数のソフトウェアモジュール(例えば、メインメモリ215および/または二次メモリ220に格納され、プロセッサ210によって実行される)を格納および実行してもよい。この分析は、検査の結果を決定および解釈すること(例えば、読み取りステーションのカメラによって捕捉された画像データに基づいて)、物品114の在庫表を作成すること(例えば、読み取りステーションのカメラによって捕捉された機械読み取り可能な指標の画像データに基づいて)、物品114を位置(例えば、Sベクトル)にマッピングすること、SベクトルをGベクトルにマッピングすること(例えば、PTIDを更新すること)、および/または同様のことを含んでもよい。
【0143】
注目すべきは、自動化システムのサイズに関わらず、同じ制御および分析ソフトウェアを処理システム200が使用できることである。したがって、自動化システムは、新しいソフトウェアを開発する必要なく、特定の用途のために必要または所望に応じてスケールアップまたはスケールダウンすることができる。例えば、自動化システムは、小型、中型、および/または大型のバージョンで製造することができる。自動化システムのサイズにかかわらず、ソフトウェアは、搬送システム100の動作を最適化し、搬送システム100によって生成されたデータを分析する。
【0144】
制御ソフトウェアを実行する処理システム200は、任意の時間に各コンベヤ110上でどのプロセスがアクティブであるかを監視してもよい。カルーセルコンベヤ110が静止していることを必要とする特定のコンベヤ110上でプロセスがアクティブでないとき、処理システム200は、オペレータ(例えば、収納のための自動化システムの開放可能なアクセスポイントに近い)、または迅速な積み込み/荷下ろしのための他のシステム(例えば、ロボット積み込み/荷下ろしシステム)によるアクセスを容易にするために、コンベヤの空のセグメント112を配置するために、コンベヤ110を自動的に移動させてもよい。
【0145】
同様に、いずれのアクティブなプロセスも中断しない場合、処理システム200によって実行される制御ソフトウェアは、頻繁に使用される物品114の位置と、それらの頻繁に使用される物品114が操作されるステーション140または目的地システム130との間の距離を最小化するために、1つまたは複数のコンベヤ110を自動的に移動させてもよい。例えば、非活動期間中に、制御ソフトウェアは、頻繁に使用される物品114を保持するコンベヤ110のセグメント112を、自動化されたステーション140と整列するように、自動的に移動させてもよい。これにより、頻繁に使用される物品114を含む新しい操作を開始するのに必要なリードタイムを減少させることができる。
【0146】
一実施形態では、制御ソフトウェアは、スケジュールされた操作のために操作を最適化することもできる。例えば、所与の時間に複数の操作が予定されており、各操作が操作を開始することができる前に特定の準備を必要とする場合、処理システム200によって実行される制御ソフトウェアは、リードタイムに応じて準備に優先順位を付けてもよい。したがって、リードタイムが最も長い操作の準備は、最も高い優先順位を与えられ、最初に実行されてもよく、一方、リードタイムが最も短い操作は、最も低い優先順位を与えられ、最後に実行されてもよい。
【0147】
制御ソフトウェアはまた、過去の時間帯別の負荷に敏感であってもよい。例えば、制御ソフトウェアは、自動化システムの履歴的な使用データを保存し、その履歴的な使用データを使用して、今後のニーズを予測してもよい。例えば、特定の物品114が特定の日の特定の時間に定期的に操作される場合、処理システム200によって実行される制御ソフトウェアは、操作が定期的に実行される特定の日のほぼ特定の時間に準備が完了するように、十分なリードタイムでそのような操作(例えば、物品の移動および/または再ソート)の準備を自動的に開始してもよい。
【0148】
2.2.物品の積み込み/収納
一実施形態では、1つまたは複数の物品114は、機械読み取り可能な指標(例えば、バーコード、クイックレスポンス(QR)コード、英数字文字列、NFCチップ、RFIDタグ等)でラベル付けされてもよい。これらの物品114がコンベヤ110に積み込まれる時点で、処理システム200は、物品114が積み込まれる各セグメント112が自動読み取りステーション140を通過するように、コンベヤ110を自動的に移動させてもよい。自動読み取りステーション140は、読み取りステーション140に現在アクセス可能なコンベヤ110のセグメント112上の物品114の機械読み取り可能な指標を読み取って(例えば、カメラ、バーコードリーダ、NFCチップ、RFIDインタロゲータ等の機器を介して)、物品114を識別してもよい。処理システム200は、コンベヤ110の各セグメント112を(例えば、そのPTIDを介して)追跡するので、処理システム200は、どのセグメント112が読み取りステーション140に現在アクセス可能であるかを識別することもできる。したがって、処理システム200は、その物品114の識別子を、その物品が積み込まれたコンベヤ110のセグメント112の識別子(例えば、セグメントのSベクトル)にマッピングしてもよい。このマッピングされた関連付けは、物品114がコンベヤ110から取り出されるまで(例えば、メモリ215または220に)記憶されてもよい。有利には、この関連付けによって、物品114を、コンベヤ110上の位置に基づいて後続の操作で識別することができ、コンベヤ110上の物品114の位置を、物品114の識別子を用いて検索することができる。
【0149】
複数の物品114(例えば、同じ菌類タイプの物品114)を含むラックを利用する実施形態において、ラック内の各物品114は、ラックがコンベヤ110のセグメント112上に積み込まれる前に、そのラック内の位置を識別する位置識別子を与えられてもよい。ラックがコンベヤ110上に配置されると、処理システム200は、コンベヤ110上のラックの位置(例えば、Sベクトル)およびラック内の物品114の位置識別子に基づいて、ラック内の各物品114のSベクトルを計算してもよい。
【0150】
自動読み取りステーション140が、コンベヤ110が静止している間に機械読み取り可能な指標を読み取ることしかできない場合、コンベヤ110は、第1の割り出しされた位置に回転し、自動読み取りステーション140が機械読み取り可能な指標を読み取るために十分な時間停止し、第2の割り出しされた位置に回転し、自動読み取りステーション140が次の機械読み取り可能な指標を読み取るために十分な時間停止し、第3の割り出しされた位置に回転し、という具合に続いてもよい。代替実施形態では、自動読み取りステーション140は、コンベヤ110が動いている間に(例えば、ストロボ光を介して)機械読み取り可能な指標を読み取るように構成されてもよい。この場合、コンベヤ110は、自動読み取りステーション140が機械読み取り可能な指標を読み取ることができる速度で(例えば、ストロボ光と同期して)、コンベヤ110上の機械読み取り可能な指標のすべてが読み取られるのに必要なだけ(例えば、全回転または部分回転)単に回転してもよい。
【0151】
一実施形態(例えば、物品114が消費者製品である)では、物品114は、配送トラックから直接コンベヤ110にストックされてもよい。ストック時に、処理システム200は、各物品114に対してPTIDを生成および記憶してもよい(例えば、自動読み取りステーション140を使用して、どの物品114がどのセグメント112上にあるかを識別する)。処理システム200は、自動化システムを通して移送されるときに各物品114のPTIDを保存および更新することができるので、自動化システム内で物品114を識別するためのさらなるステップは必要ない。一実施形態では、物品114のPTID履歴は、供給および流通チェーン全体(例えば、製造施設から、1つまたは複数の流通センター、実店舗等まで)の複数の施設にわたって保存することができる。
【0152】
従来の店舗では、棚にストックすることは労働集約的な手動プロセスである。人間は、物品を視覚的に識別し、配送トラックから保管庫内の特定のカートに物品を移動させ、保管庫から店舗内の割り当てられた場所にある店舗内の棚に物品を移動させなければならない。現在では、似たような物品を同じ通路に並べたり、顧客が買い物リストの物品を見つけやすいように通路にラベルを貼ったりしている。物品の位置は細かいレベルで管理されている。具体的には、各物品はSKUを有し、SKUは物理的な位置が割り当てられ、物品にバーコードと文字で表現されている。ストック要員は、物品のラベルからSKUを読み取り、店舗内のどの場所に物品を置くべきかを判断したり、会計のために在庫数を計算したりする。通例、ストック要員は特定の通路または通路のセクションに割り当てられ、それにより、割り当てられた位置のすべてのSKUに精通するようになる。
【0153】
有利なことに、搬送システム100におけるストックまたは収納のプロセスは、はるかにより簡単である。通路にストック要員を割り当てる代わりに、配送員(例えば、配送トラックの運転手)によって、1つまたは複数の指定された収納ポートでコンベヤ110に物品114が積み込まれてもよい。各物品114のPTIDは積み込みの時点で一度記録され、再度記録される必要がないようにする。例えば、配送員は、物品114上の機械読み取り可能な指標(例えば、バーコード)をスキャンしてもよく、処理システム200は、この指標からの符号化データ(例えば、物品識別子)を受信して、物品114を識別し、識別された物品114を保持するコンベヤ110のセグメント112を決定し、配送員が決定されたセグメント112上に物品114を置くことができるように、決定されたセグメント112を収納ポートに移動させ、物品114を決定されたセグメント112のPTIDに関連付けてもよい。代替的に、配送員は、コンベヤ110の空のセグメント112上に物品114を配置してもよく、処理システム200は、物品114上の機械読み取り可能な指標を自動的に読み取り(例えば、自動読み取りステーション140のカメラまたはバーコードリーダを介して)、物品114をセグメント112のPTIDと関連付けてもよい。物品114をコンベヤ110または他の保持構成要素のセグメント112のPTIDと関連付けるための任意の代替方法が使用されてもよいことを理解すべきである。
【0154】
一実施形態では、同じSKUの複数の物品114が、コンベヤの長手方向(すなわち、移動方向)と直交する横方向にコンベヤ110を横断するセグメント112を占有してもよい。換言すると、単一のセグメント112は、同じSKUを有する同じ物品114の複数のコピーを含んでもよい。これらの物品114は、横方向に、コンベヤ110を横断してセグメント112上に収納されてもよく、その結果、それら物品は、セグメント112上でおよび/またはセグメント112から離れるように横方向に移動できる(例えば、ラック内のヘリカルワイヤまたはスプリングなどを介して)。処理システム200は、各セグメント112を、セグメント112に収納されている物品114のSKUと関連付けてもよい(例えば、二次メモリ220内で)。各収納ポートは、スキャンステーション140を含んでもよい。配送員は、搬送システム100に収納される物品114のSKUを、スキャンステーション140でスキャンしてもよい。処理システム200がスキャンステーション140でSKUのスキャンを検出すると、そのSKUに関連するセグメント112を自動的に識別し、識別されたセグメント112を収納ポートに移動させるように、コンベヤ110を応答的に制御またはスケジュールする。したがって、配送員は、SKUがスキャンされた物品114を、収納ポートで適切なセグメント112上に収納することができる。有利には、配送員は、特定の物品114をどこに収納するかを知る必要はなく、搬送システム100内のどこに収納されているかに関わらず、複数の異なる物品114(例えば、異なるSKUを有する)を、同じ収納ポートで収納することができる。
【0155】
収納は、同じタイプ(例えば、同じSKU)の物品114を、収納ポートにあるいずれかのセグメント112に横方向にスライドさせるだけでよいリサイクル可能なラック(例えば、ヘリカルワイヤを介して前方に押し出された物品を有する)で出荷することによって、さらに改善され得る。この場合、配送員は、複数の物品114を含むラックを、収納ポートでセグメント112の上に単にスライドさせることができる。処理システム200は、ラックおよび/またはセグメント112のPTIDに基づいて、ラック内の物品114のすべての個々のPTIDを計算することができる。
【0156】
上記の態様において、搬送システム100への各物品114の積み込みは、正確に記録することができる(例えば、メモリ220に)。加えて、搬送システム100からの各物品114の荷下ろし(例えば、顧客のピックアップによる)も正確に記録される。したがって、搬送システム100内のすべての物品114の正確なリアルタイム在庫を維持することができる。この在庫は、コンベヤ110のセグメント112が、それらのセグメント112によって保持される物品114上の機械読み取り可能な指標を読み取ってそれらの物品114を識別する自動読み取りステーション140を継続的に通過する際に記録されるリアルタイム在庫と照合することができる。物品114の在庫は、自動化された会計、新しい在庫の自動再注文、および/または在庫修正の必要性の検出に使用することができる。
【0157】
2.3.自動化された物品収集
一実施形態では、搬送システム100は、電子ショッピングカートからのまたは電子ショッピングカート内の消費者製品または他の物品114の収集を自動化するために使用されてもよい。例えば、顧客は、インターネットを介してオンラインストアから購入するために1つまたは複数の物品114を選択することができ、搬送システム100は、出荷のために倉庫内に、その後の顧客によるピックアップのために実店舗内に、および/または同様に、それらの物品114を収集するために使用されてもよい。別の例として、顧客は、実店舗内の電子キオスクから購入のために1つまたは複数の物品を選択することができ、その実店舗内の搬送システム100は、一箇所(例えば、保管棚132)で便利にピックアップするために物品114を自動的に収集することができる。
【0158】
一実施形態では、実店舗全体を自動化システムに転換してもよい。例えば、典型的な固定された陳列棚は、図1A~1Fに図示されているものなどの搬送システム100によって完全にまたは部分的に置き換えられてもよい。店舗で販売される物品114のすべてが、保管コンベヤ110に保管されてもよい。処理システム200は、関連するPTIDを使用して各物品114を常時追跡してもよく、コンベヤ110を独立して制御して、個々の物品114を自動的に取り出して、指定された位置に配送してもよい。処理システム200は、各コンベヤ110を、いずれかの方向に、様々な速度で移動し、割り出しされた位置で停止および始動するように制御してもよく、それによって、自動化システムは、任意のPTID識別された物品114または物品114のセットを、任意のPTID識別された目的地に回収することができる。
【0159】
一実施形態では、自動化システムは、その関連付けられたPTIDに基づいて、任意の物品114をある位置から別の位置に移動させることができる。例えば、処理システム200は、(例えば、別のシステム、人間のオペレータ等から)移動されるべき物品114に関連付けられたSベクトル(潜在的にCベクトルも)を受信してもよい。あるいは、処理システム200は、物品114の識別子(例えば、英数字または数字文字列、名前、タイプ等)を(例えば、別のシステム、人間のオペレータ等から)受け取り、物品の識別子に関連付けられたSベクトルを(例えば、リレーショナルデータベースで)決定してもよい。いずれの場合も、処理システム200は、Sベクトルに関連付けられたGベクトルを検索してもよい。処理システム200はまた、物品114が移動されるべき目的地のGベクトルを受信または決定してもよい。処理システム200は、次に、コンベヤ110、ステーション140、および/または自動化システム内の他のロボット構成要素を制御して、物品114をソースのGベクトルから目的地のGベクトルに移動させてもよい。処理システム200は、各移動(例えば、PTIDの変化によって表される)をリレーショナルデータベース(例えば、メモリ220に格納されている)の移動テーブルに格納して、それによって物品の移動のすべての記録された履歴を保存してもよい。
【0160】
図4は、一実施形態による、物品114を収集するためのプロセス400における搬送システム100の使用を示す。プロセス400は、図1A~1Fの搬送システム100などの搬送システム100の構成要素を制御するために、処理システム200によって(例えば、具体的にはプロセッサ210によって)格納および実行される1つまたは複数のソフトウェアモジュールとして実装されてもよい。
【0161】
ステップ410において、処理システム200は、1つまたは複数の物品114のリストを受け取る。リストは、オンラインストアのグラフィカルユーザインターフェースまたは実店舗の電子キオスクのグラフィカルユーザインターフェースを介してユーザによって作成されてもよい。例えば、ユーザは、グラフィカルユーザインターフェースを介して物品114を選択して、仮想カートに入れてもよい。ユーザが所望の物品114をすべて仮想カートに集めたら、ユーザは、仮想カート内の物品114が購入される取引を開始または完了してもよい。例えば、ユーザは、従来のオンラインチェックアウトプロセスを介して物品114を購入して、ユーザの発送先住所に発送したり、実店舗でユーザがピックアップするために収集したりすることができる。ユーザが実店舗で物品114をピックアップする場合、支払いは、ピックアップの前に(例えば、グラフィカルユーザインターフェースを介した従来のオンラインチェックアウトプロセスを介して)、またはピックアップの際に(例えば、POSシステムによる従来のチェックアウトプロセスを介して)完了してもよい。
【0162】
ステップ420~440において、処理システム200は、ステップ410で受け取った物品114のリスト内の各物品114を反復する。これらの反復は連続して実行されてもよいし、並行して実行されてもよい。一実施形態では、処理システム200は、物品114の収集を最適化するように、収集される物品114に優先順位を付け、および/または搬送システム100内の動きを管理してもよい。最適化は、移動の最小化、収集の時間の最小化、および/または他の指標の最小化もしくは最大化の1つまたはいくつかの組み合わせとして定義されてもよい。
【0163】
ステップ420において、処理システム200は、ステップ410で受け取ったリスト上の物品114が収集されるべく残っているかどうかを判断する。リスト上のいずれかの物品114が収集されるべく残っている場合(すなわち、ステップ420において「Yes」の場合)、プロセス400はステップ430に進む。そうでなく、リスト上の物品114が収集されるべく残っていない場合(すなわち、ステップ420において「No」の場合)、プロセス400は終了してもよい。
【0164】
ステップ430で、処理システム200は、収集される物品114の位置を決定する。例えば、リスト内の各物品114は、特定の物品114または物品114のタイプを識別する物品識別子と関連付けられてもよい(例えば、物品が代替可能である場合、SKU)。処理システム200は、物品識別子を搬送システム100内のPTIDにマッピングしてもよい。最初、PTIDは、保管コンベヤ110上または固定保管棚上の位置(例えば、セグメント112)を識別してもよい。
【0165】
ステップ440で、処理システム200は、搬送システム100の構成要素を制御して、物品114をそのソースからその目的地に移動させる。本明細書の他の箇所で考察したように、処理システム200は、セグメント112を任意の正確な位置に移動(例えば、ステップ)するように各コンベヤ110を独立して制御してもよい。さらに、移動中、物品114のPTIDは、そのSベクトルが特定のコンベヤ110または他の保持構成要素上の位置を表し、そのGベクトルが自動化システムの地面上の位置を表すように、継続的に更新されてもよい。このように、処理システム200は、自動化システム内の各物品114の座標を常に認識し、自動化システム内の任意のソース位置から任意の目的地位置への任意の物品114の正確な配送を可能にする。その結果、一次実施形態では、処理システム200は、多様なソース位置から単一の目的地位置への物品114の任意の特定の組み合わせを見つけて配送することができる。
【0166】
ステップ420~440のすべての反復にわたって、ステップ410で受け取った、リスト内の物品114は、1つまたは複数の目的地で収集される。顧客によるピックアップのために物品114を収集する実施形態では、物品114は、顧客または店舗の人員によって直接アクセス可能なロッカーまたは他の場所の保管棚132など、単一の目的地ですべて収集される。出荷のために物品114を収集する実施形態では、物品114は、単一の受入容器(例えば、ビン160)に収集され、出荷用の箱または他の容器に手動または自動で梱包するために梱包エリアに届けられてもよい。
【0167】
処理システム200は、プロセス400(例えば、物品114の複数の異なるリストについて)および/またはステップ440(例えば、複数の物品114について)の複数の反復を、連続的にまたは並行して実行してもよい。この場合、処理システム200は、複数のタスクを完了するために単一の移動を使用することによって、効率を高めることができる。具体的には、各コンベヤ110のセグメント112は、列車の車両のように一緒に移動する。したがって、コンベヤ110の1つのセグメント112の移動は、同じコンベヤ110の他のすべてのセグメント112も一緒に引っ張る。一実施形態では、処理システム200は、コンベヤ110のこの特徴を利用するために物品114を選択して配置してもよい。例えば、処理システム200は、近くの目的地に行く物品114(例えば、同じリストまたは異なるリスト内の)を同じコンベヤ110上に互いに近接して配置してもよく、好ましくは、それらを目的地で同時に積み下ろすことができる位置に配置してもよい(例えば、目的地も隣接している場合、コンベヤ110の隣接するセグメント112に配置する、目的地と同じ距離だけ間隔を空けて配置するなど)。このようにして、複数の物品114を、1回の移動で複数の異なる目的地に移動させることができ、および/または移送コンベヤ110上におよび/または移送コンベヤ110から離れるように並行して移動させることができ、それによって、自動化システムの処理量を、同じ移動で物品の供給を受けることができる目的地の数で乗算することができる。
【0168】
処理システム200によって実行される制御ソフトウェアは、物品114のリストの収集を最適化して、争奪を最小化し、搬送システム100のパフォーマンスを最大化してもよい。具体的には、処理システム200は、複数の顧客から複数の物品114のリストを同時期にまたは同時に受信してもよい。加えて、ストック要員がコンベヤ110へのアクセスを要求するときに、コンベヤ110の争奪が発生する可能性がある。したがって、制御ソフトウェアは、積み込みおよび荷下ろしのために複数のコンベヤ110をタイムシェアリングすること、緩やかな販売時間向けに配送をスケジューリングすること、および/または同様のことなど、これらの争奪および滞留時間を最小化するためのポリシーを実装してもよい。
【0169】
2.4.店舗内ピックアップ
搬送システム100は、マイクロフルフィルメントシステム(MFC)などの店舗内ピックアップに使用されてもよい。顧客は、ウェブサイトまたはモバイルアプリを使用して、選択された店舗の物品114から仮想カートを構築し、チェックアウトし、それによって選択された店舗から1つまたは複数の物品114の購入を完了してもよい。購入が行われるウェブアプリケーションは、1つまたは複数のネットワーク(例えば、インターネット)を介して、物品114のリストを選択された店舗の自動化システムに通信してもよい。
【0170】
自動化システムが物品114のリストを受信することで、プロセス400がトリガーされ、これはステップ410で表される。この場合、搬送システムは、リスト内のすべての物品114を回収し、店舗の正面またはその近くにあるロッカー内の保管棚132に届けてもよい。ロッカーの識別子(例えば、英数字または数字の文字列)および/または位置は、顧客に提供されてもよい(例えば、顧客のスマートフォン上で実行されるモバイルアプリのグラフィカルユーザインターフェースを介して、テキストメッセージを介してなど)。例えば、顧客のモバイルアプリは、顧客を特定のロッカー番号に案内してもよい。顧客は、モバイルアプリおよび/またはモバイルアプリが提供する認証情報(例えばコード、パスワード等)を使用してロッカーを開け、顧客が購入した物品114をロッカーから取り出すことができる。あるいは、店舗の人員が、ロッカーから物品114を取り出して、顧客に届けてもよい(例えば、ピックアップカウンター、縁石などで)。
【0171】
図1C~1Fは、店舗内ピックアップのための搬送システム100の例を説明するために使用することができる。そのような実施形態では、保管システム120は、1つまたは複数の保管コンベヤ110を含んでもよい。異なる保管システム120は、フロアスペース、設計、使用目的、および/または同様のものに応じて、同じサイズまたは異なるサイズであってもよい。
【0172】
1つまたは複数の移送コンベヤ110は、図1Cおよび1Dに示されるように、平面図において複数の歯またはフィンガを有する櫛形を形成するように、保管システム120に織り込まれてもよい。これにより、各コンベヤ110を長くすることができ、したがって、(平均配送経路は長くなるが)所与の空間により多くの物品114を収納することができる。代替的に、移送コンベヤ110は、図1Eおよび1Fに示されているように、各保管システム120における1つまたは複数のアクセスポイント(例えば、シュート150)を通過してもよい。搬送システム100は、単一の移送コンベヤ110または複数の移送コンベヤ110を含んでもよい。移送コンベヤ110は、入れ子状に並列していてもよいが、必ずしも入れ子状または並列である必要はない。例えば、異なる移送コンベヤ110は、保管システム120の異なるサブセットをサービスしてもよい。
【0173】
プロセス400は、物品114を収集し、目的地システム130のピックアップ棚132に届けるために、図1C~1Fに示された搬送システム100に適用されてもよい。目的地システム130は、複数のロッカー(例えば、店舗の前にある)を含んでもよく、各ロッカーは1つまたは複数のピックアップ棚132を含む。
【0174】
ステップ410で、顧客によって選択された1つまたは複数の物品114のリストを含む注文が処理システム200によって受信される。ステップ420~440において、注文に応答して、処理システム200は、コンベヤ110のうちの1つまたは複数を制御して、リスト内の各物品114を保管システム120から取り出す。例えば、移送コンベヤ110Xの空のセグメント112が、リストから第1の物品114を受け取るために第1の保管コンベヤ110に隣接して移動されてもよく、同じセグメント112または異なるセグメント112が、第2の物品114を受け取るために第1の保管コンベヤ110または第2の保管コンベヤ110に隣接して移動されてもよく、以下同様である。移送コンベヤ110Xの目的地セグメント112が保管コンベヤ110に隣接して移動されると、自動化システムは、任意の既知の機構を介して(例えば、シュートに落とす、目的地セグメント112の上に落とす、ロボットプッシャで押す、ロボットグリッパで引く、など)、物品114をその保管コンベヤ110から目的地セグメント112の上に移動させてもよい。積み重ねられた移送コンベヤ110Xが利用される実施形態では、各保管コンベヤ110の保持面が移送コンベヤ110Xの保持面と実質的に同じ平面にあるか、または移送コンベヤ110Xの保持面の平面よりわずかに上にあるように、保管コンベヤ110は、移送コンベヤ110Xが積み重ねられるのと同じ高さ間隔で積み重ねられてもよい。加えて、各保管コンベヤ110は、物品114が保管コンベヤ110と移送コンベヤ110Xとの間で容易に移動され得る(例えば、押され得る)ように、移送コンベヤ110Xと同一平面であるか、間に間隔がほとんどないか、移送コンベヤ110Xの上方でわずかに重なってもよい。
【0175】
一実施形態では、処理システム200は、複数の物品114を同時に回収するために複数のセグメント112を使用することによって、移動を最小限にしてもよい。例えば、処理システム200は、複数の物品114のそれぞれに対して一度に空のセグメント112が保管コンベヤ110で利用可能となるように、移送コンベヤ110Xを移動させ得る。次に、複数の物品114の1つを有する各保管コンベヤ110は、他の保管コンベヤ110と同時に、そのそれぞれの物品114を利用可能な空のセグメント112上に移動させてもよい。このように、コンベヤ110を位置決めするために必要なのは1回の移動だけであり、すべての物品114を移送コンベヤ110X上に移動させるために必要なのは1回の移動だけである。例として、保管システム120Aがリストの第1の物品114を第1の保管コンベヤ110に保持し、保管システム120Cがリストの第2の物品114を第2の保管コンベヤ110に保持し、保管システム120Gがリストの第3の物品114を第3の保管コンベヤ110に保持していると仮定する。処理システム200は、第1の空のセグメント112を第1の保管コンベヤ110の前に、第2の空のセグメント112を第2の保管コンベヤ110の前に、第3の空のセグメント112を第3の保管コンベヤ110の前に、同時に配置する最小のステップ数を移動するように移送コンベヤ110Xを制御してもよい。次に、保管システム120A、120C、120Gのそれぞれを同時に制御して、第1の保管コンベヤ110からの第1の物品114を第1の空のセグメント112上に移動させ、第2の保管コンベヤ110からの第2の物品114を第2の空のセグメント112上に押し込み、第3の保管コンベヤ110からの第3の物品114を第3の空のセグメント112上に押し込んでもよい。移送コンベヤ110Xが一度にすべての物品に対応できない場合、または単一の移送コンベヤ110Xがリスト上のすべての物品114にアクセスできない場合(例えば、特定の移送コンベヤ110Xのみが特定の物品114にアクセスできる)、このプロセスは、物品114の2つ以上のサブセットに対して、および/または2つ以上の移送コンベヤ110Xに対して繰り返されてもよい。
【0176】
リスト内の物品114の1つまたは複数のサブセットがコンベヤ110上に配置されると(例えば、1回の移動で対応可能な数だけ)、処理システム200は、配置された各物品を目的地システム130内の単一のピックアップ棚132に届けるように移送コンベヤ)110Xを制御する。一例として、移送コンベヤ110Xが、第1のセグメント112上にリストの第1の物品114を保持し、第2のセグメント112上にリストの第2の物品114を保持し、第3のセグメント112上にリストの第3の物品114を保持すると仮定する。処理システム200は、目的地のピックアップ棚132を選択してもよい。第1のセグメント112が選択されたピックアップ棚132に最も近く、第3のセグメント112が選択されたピックアップ棚132から最も遠いと仮定すると、処理システム200は、次に、移送コンベヤ110Xを制御して、第1のセグメント112を選択されたピックアップ棚132の背面に隣接して配置し、第1のセグメント112から物品114を選択されたピックアップ棚132上に移動させ(例えば、ロボットプッシャを使用して)、移送コンベヤ110Xを制御して、第2のセグメント112を選択されたピックアップ棚132の背面に隣接して配置し、第2のセグメント112から選択されたピックアップ棚132上に物品114を移動させ、移送コンベヤ110Xを制御して、第3のセグメント112を選択されたピックアップ棚132の背面に隣接して配置し、第3のセグメント112から選択されたピックアップ棚132上に物品114を移動させる。
【0177】
リストからのすべての物品114が選択されたピックアップ棚132に移動されると、処理システム200は、リストを作成した顧客に通知するウェブアプリケーションまたは他のシステムに通知してもよい。この通知は、選択されたピックアップ棚132の識別子と、ピックアップ棚132にアクセスするためのインストラクションまたは認証情報とを含んでいてもよい。目的地システム130が保管ロッカーを含む実施形態では、識別子はロッカー番号を含んでいてもよく、通知はロッカーを開くためのコードを含んでいてもよい。その結果、顧客は、識別されたロッカーに進み、コードを使用してロッカーを開き、顧客のリストに基づく物品114の集合をピックアップ棚132から取り出すことができる。並行して協働する8つの積み重ねられたコンベヤ110を用いると、45個の物品114のショッピングリストを、手動の介入なしに、4分以内にピックアップ棚132に収集できると推定される。
【0178】
顧客がピックアップを遅らせ、注文された物品114の集合がピックアップ棚132に所定の期間(例えば、7日よりも長い期間)残るような場合、ピックアップ棚132の中身は一掃されてもよい。一実施形態では、ピックアップ棚132の中身は、プロセス400の逆を用いて自動的に一掃されて、移送コンベヤ110Xを用いて物品114をその保管コンベヤ110に戻してもよい。あるいは、処理システム200は、ピックアップ棚132の識別子とともにスタッフに自動的に通知して、スタッフがピックアップ棚132から物品を取り除き、保管コンベヤ110に物品114を再補充できるようにしてもよい。
【0179】
1つの具体的な例は、店舗内または専用の薬局である。人間の薬剤師は、完全に自律的な搬送システム100に置き換えられるかもしれない。顧客は、システム100を用いて自分の処方箋の取引を行うことができ(例えば、電子POSキオスクを介して、現金、クレジットカード、または他の支払い手段を用いて、登録および支払いを行う)、処理システム200は、搬送システム100を応答的に制御して、処方箋(例えば、複数の薬剤容器を含み得る)を収集し、顧客の前のビンに預けることができる。定期的な手順が、顧客に処方薬の使用方法を提供する(例えば、キオスクで映し出される録画されたビデオまたはビデオコールを介して)だけでなく、取引を検証する(例えば、店舗内薬局の場合には、顧客に店舗を出るためのレシートを提供する)ために実施されてもよい。
【0180】
2.5.自動化された店舗
店舗内でのピックアップに関して上述した自動化システムは、自動化された店舗全体にも適応することができる。具体的には、自動化システムは、店舗(例えば、MFC)と併存してもよい。すべての購入は、オンラインアプリおよび/または店舗の電子キオスクを通じて行われてもよい。顧客は、物品114のリストを作成してもよく、自動化された店舗は、搬送システム100を利用して、物品114のリストをピックアップロッカーに集めてもよく、そのロッカーに顧客はアクセスすることができる。
【0181】
このように、顧客は、店舗の内部へのアクセス権を与えられる必要さえない。特定の自動化された店舗は、現場のスタッフがいなくても(例えば、食料品店、コンビニエンスストアなどの代わりに)運営することができる。例えば、保管コンベヤ110および/または棚は、自動化された店舗への外部アクセス箇所(例えば、積み込みエリア170)を介して、配送ドライバーによって補充されてもよい。配送ドライバーおよび/または他のスタッフは、検出された在庫エラーを修正してもよい。メンテナンスエンジニアは、搬送システム100の定期的なメンテナンス、ソフトウェア、電気的、および機械的なエラーの修理、および/またはそのようなもののために派遣されてもよい。顧客は、自分でチェックアウトを行ってもよく、任意の顧客サービスが、リモートオペレータおよび/または人工知能(例えば、チャットボット)を使用して、モバイルアプリ、電子キオスクのユーザインターフェース、電話、および/または同様のものを介して提供されてもよい。
【0182】
自動化された店舗内では、顧客に商品114を陳列する必要がないため、従来の店舗のようにSKUを特定の場所に割り当てる必要がない。配送ドライバーまたは他のストック要員は、(例えば、収納ポートで)移送コンベヤ110上のいずれかの空のセグメント112に物品114を単に置くことができる。物品114上の機械読み取り可能な指標は、自動読み取りステーション140(例えば、カメラまたはバーコードリーダを使用して)によって読み取られてもよく、物品114は、それが置かれたセグメント112のPTIDと自動的に関連付けられてもよい。処理システム200は、次に、任意の最適化戦略(例えば、物品114の収集中に自動化された店舗内での移動を最小限にすること)に従って、物品114を保持構成要素(例えば、保管コンベヤ110、保管棚など)上に分配してもよい。
【0183】
このように、自動化された店舗は、従来の店舗の労働集約的で手動のストックプロセスを置き換え、スピードアップする。処理システム200は、ストック要員のトレーニングが不要または些細なトレーニングのみが必要となるように、どのセグメント112がストック要員に提示されるかを制御することができる。これにより、配送ドライバーや事前にトレーニングを受けていない人でもストック要員になることができる。加えて、処理システム200は、非常に正確な在庫を自動的に維持することができ、手動による在庫検査の必要性を排除することができる。したがって、搬送システム100は、よりスリムな在庫を提供し、在庫切れの事象を減らし、サプライチェーンの効率を高めることに加えて、労働力、トレーニング、在庫管理、会計および記録保持などのコストを排除または削減することができる。
【0184】
一実施形態では、コンベヤ110がカメラおよび/または搬送システム100の他の構成要素を通過する際に、コンベヤ110の連続的な検査を可能にするために、自動化された店舗の内部(例えば、自動化された読み取りステーション140内)にカメラが配置されてもよい。処理システム200は、カメラによって捕捉された画像データを分析して、自動化された店舗内の物品114のリアルタイムの在庫管理、および/またはコンベヤ110および/または他の構成要素の品質管理、PTIDシステムの完全性、および/または同様のものを実行してもよい。問題が検出された場合、処理システム200は、人間の技術者に警告し、および/または問題を修正するために保守技術者を自動的に派遣してもよい。注目すべきは、複数の自動化された店舗を、単一の中央制御室から監視できることである。
【0185】
自動化された店舗は、通路、チェックアウトエリア、カート格納庫、貯蔵庫、および/または同様のものが必要なく、非常に背の高い垂直ストレージを使用することができるため、同じ数の物品114を提供するために従来の店舗よりも多くの少ない平方フィートを必要とする。35,000平方フィートの従来の店舗の機能は、わずか10,000平方フィートの自動化された店舗で実行できると推定される。このように、自動化された店舗は、従業員、冷暖房、不動産費用および/または同様のもののコストの削減により、はるかに少ない費用で運営することができる。
【0186】
自動化された店舗のサイズは、その意図された用途、店舗で販売される物品114の種類、所望の店舗の設置面積などに依存し得る。コンベヤ110は、自動化された店舗によって提供されるべき物品114のすべてを保持するのに十分な全長が保管コンベヤ110にある限り、必要に応じてサイズを拡大または縮小することができる。大きな店舗では、より大きなコンベヤ110が必要となり、注文からピックアップまでの時間が長くなる可能性があるが、搬送システム100の規模に本質的な制限はない。したがって、自動化された店舗は、大型店舗、通常の食料品店、ミニマーケット、または自動販売機のサイズであってもよく、それらの間またはそれらを超えるサイズであってもよい。有利なことに、自動化された店舗の選択されたサイズにかかわらず、搬送システム100によって使用されるソフトウェアおよび他のプロセスは同じであってもよい。
【0187】
顧客が店内に入れない自動化された店舗では、顧客は従来の店舗のように通路を歩いて購入したい物品を探すことがもはやできない。しかしながら、そのような経験は、顧客のデバイスを介したオンラインウェブサイトまたはモバイルアプリ、あるいは自動化された店舗の電子キオスクのグラフィカルユーザインターフェースで模倣することができる。グラフィカルユーザインターフェースは、自動化された店舗で利用可能な物品114のすべてを絵的に表示し、顧客が物品114を選択して仮想カートに追加することを可能にする。グラフィカルユーザインターフェースは、例えば仮想現実において、棚および通路に物品114を陳列してもよく、それにより顧客は、実際の店舗で行うのと同様に、通路を「歩き」、仮想物品に「触れ」て、それらを仮想カートに追加することができる。
【0188】
一実施形態では、自動化された店舗は、物品114が在庫切れになったときに代替品を提供してもよい。具体的には、処理システム200は、本明細書の他の箇所に記載したように、自動化された店舗内のすべての物品114についてリアルタイムで在庫表を作成してもよい。したがって、処理システム200は、注文された物品114が在庫切れになったことを検出し、物品114を注文している顧客に、モバイルアプリまたは他のグラフィカルユーザインターフェースまたはメッセージ手段を介して警告してもよい。また、処理システム200は、管理されたリアルタイム在庫に基づいて、ストックがあることがわかっている1つまたは複数の代替物品114を自動的に提案してもよい。グラフィカルユーザインターフェースを介して、顧客は、代替物品114の1つを選択してもよいし、単に在庫切れの物品114を見送ってもよい。
【0189】
顧客がピックアップを遅らせ、注文された物品114の集合が所定の期間(例えば、7日以上)ピックアップ棚132に残っている場合、ピックアップ棚132の中身は自動的に一掃されてもよい。例えば、ピックアップ棚132の中身は、移送コンベヤ110Xを使用して物品114をその保管コンベヤ110に戻すために、プロセス400の逆を使用して自動的に一掃されてもよい。
【0190】
一実施形態では、自動化された店舗はまた、返却を受け入れるように構成されてもよい。この場合、自動化された店舗の外部の指定された場所(例えば、目的地システム130の近く)に、返却ブースが設けられてもよい。返却ブースは、返却される物品114を置く棚へのアクセスを提供してもよく、ロボットシステム(例えば、プッシャ、掴み装置等)が物品をコンベヤ110に移動させてもよい。あるいは、返却ブースは、コンベヤ110の空のセグメント112への直接のアクセスを提供してもよい。いずれの場合も、コンベヤ110は、返却された物品114を指定された場所(例えば、保管コンベヤ110、物品114を搬送システム100に再収納することができるストック要員がアクセス可能な積み込みエリア170などのエリア、等)に移動させることができる。あるいは、ストック要員は、返却された物品114を管理するために、必要に応じて返却ブースにアクセスしてもよい。
【0191】
自動化された店舗は、図1A~1Fに示された搬送システム100のいずれか、または搬送システム100の他の構成を用いて実施されてもよいことを理解されたい。一例として、自動化された店舗は、図1Aおよび1Bに示された、積み重ねられた円形のカルーセルコンベヤ110を密接に包囲する壁を有する円形の建物を含んでもよい。各カルーセルコンベヤ110は、処理システム200によって制御されるラックアンドピニオンおよび強力な電気モータによって駆動されてレール上で回転してもよい。また、建物は、目的地システム130としてのピックアップロッカーと、カルーセルコンベヤ110上に物品114をストックするために使用される収納ポートとを含んでいてもよい。
【0192】
別の例として、自動化された店舗は、業界標準の40フィートの輸送用コンテナを含むミニ店舗であってもよい。コンテナは、640フィートの保持長さを有する8つの積み重ねられた楕円形のカルーセル保管コンベヤ110を含んでもよい。カルーセルコンベヤ110は、コンテナの片側にあるピックアップロッカー(例えば、20個のロッカー)に物品を供給してもよい。ピックアップロッカーは、任意のコンテナをピックアップロッカーの背後に落として、ピックアップロッカーに物品の供給を開始するためにピックアップロッカーと整列させることができるように、コンテナから独立していてもよい。この場合、ピックアップロッカーは、コンテナから着脱可能であってもよいし、コンテナに取り付けられることなく、単にコンテナの前に据えられてもよい。
【0193】
そのようなコンテナストアは、限られているが有用な範囲の物品114を保管し得る。しかしながら、それぞれが異なる物品114を保持している複数のコンテナストアを一緒に配置するだけで、利用可能な在庫の範囲を容易に拡張することができる。この場合、顧客は、市場の複数の店舗を訪れるのと同様に、異なるコンテナストアの複数のピックアップロッカーを訪れて、所望の物品をすべてピックアップすることができる。
【0194】
コンテナストアが在庫切れになると、単に、完全に在庫のある新しいコンテナストアと交換することができる。この場合、コンテナストアは、補充のための通常の収納ポートさえも含まなくてもよい。枯渇したコンテナストアを補充して再利用できるように、コンテナストアの内部へのアクセスが依然として提供されてもよいが、定期的な補充のための容易なアクセスは提供されなくてもよい。
【0195】
例えば、枯渇したコンテナストアは、その場所から取り除かれ、(例えば、トラック、船、列車等で)中央流通センターに移送されてもよい。中央流通センターで、物品114を保管コンベヤ110に補充できるようにコンテナストアの内部はアクセスされてもよい。その後、補充されたコンテナストアは、所望に応じて、元の場所に移送されてもよいし、新しい場所に提供されてもよい(例えば、元の場所に既に新しいコンテナストアが提供されている場合)。
【0196】
2.6.オンラインストア用設備
搬送システム100は、オンラインストアに使用されてもよい。顧客は、ウェブサイトまたはモバイルアプリを使用して、オンラインストアの物品114から仮想カートを構築し、チェックアウトを行い、それによって、オンラインストアからの1つまたは複数の物品114の購入を完了してもよい。購入が行われるウェブアプリケーションは、1つまたは複数のネットワーク(例えば、インターネット)を介して、物品114のリストを、オンラインストアの1つまたは複数の倉庫、流通センター、または他の施設にある自動化システムに通信してもよい。
【0197】
自動化システムが物品114のリストを受信することで、プロセス400がトリガーされ、これはステップ410で表される。この場合、搬送システム100は、リスト内の物品114のすべてを回収し、施設内の梱包エリア内の単一の場所に届けてもよい。物品114は、自動化されたピックアップおよび自動化された店舗に関して本明細書の他の箇所に記載されているような(例えば、図1C~1Fおよび4に関して示されているような)同様のまたは同一の方法で、保管コンベヤ110から回収され、目的地システム130の単一の場所に届けられてもよいことを理解すべきである。しかしながら、単一の場所が顧客がアクセス可能なエリア(例えば、ロッカー)の棚132である代わりに、単一の場所は梱包エリアである。その後、ロボットシステムまたは人間は、梱包エリアに集められた物品114を、従来の輸送手段を介して(例えば、貨物飛行機、貨物列車、トラック、配送員、独立した請負業者等を利用し得る輸送サービスを介して)顧客の郵送先に配送されるように、輸送用コンテナに梱包してもよい。
【0198】
搬送システム100は、Amazon(商標)のそれなど、オンラインストアの倉庫における処理量を大幅に改善できると推定される。例えば、図1Eおよび1Fに示された実施形態では、20の保管システム120があり、それぞれが20の積み重ねられた保管コンベヤ110Aを備えていると仮定する。同じく、各保管システム120の20のレベルのそれぞれは、20のロボットプッシャを備えたステーション140を含み、各ロボットプッシャは、それぞれの保管コンベヤ110Aのセグメント112およびシュート150と整列され、それにより、20個の物品114が、同じ保管コンベヤ110Aからシュート150に同時に押し込まれ、移送コンベヤ110X上のビン160へと下降できると仮定する。すべての操作を並行して行うことができるので、自動化システム内のすべての物品114に対して、単純、容易、かつ迅速な並行アクセスを提供することができる。例えば、400個のビン160に、例えば20秒かかる1回の操作で、並行して400個の物品114を充填することができる。これは、1時間ごとにおよそ72,000回の回収を行うことになる。もちろん、保管システム120および/または保管コンベヤ110Aの数をスケールアップしてもよく、平均的なプッシュ操作時間を、20秒(例えば、保管コンベヤ110Aがプッシュ中に静止していなければならない場合)から5秒以下(例えば、保管コンベヤ110Aがプッシュ中に動き続けてもよい場合)に短縮してもよい。処理率をさらに向上させるために、処理システム200によって実行される制御ソフトウェアは、物品114の配置(例えば、人気のあるまたは頻繁にアクセスされる物品114を保管コンベヤ110A上に一緒に配置することによって)、物品114が移動しなければならない経路長を短くするためのプッシュ操作の順序、および/またはそのようなものを最適化してもよい。
【0199】
別の例として、倉庫が200,000個の物品114を保管しなければならないとする。搬送システム100は、それぞれが200個の物品114を保持する大きさである1,000個の保管コンベヤ110で構成されてもよい。保管コンベヤ110の各セグメント112が物品114を収容するために12インチの幅を有していなければならないと仮定すると、各保管コンベヤ110は200フィートの周囲長を有することになる。これは、最も長い回収が100フィートになることを意味する。しかしながら、頻繁に使用される物品114は、長い回収が最小化されるように、ステーション140の近くに配置されてもよい。物品114の平均回収時間は10秒であり得、ステーション140で物品114をビン160に押し込むのに必要な時間は約5秒であり得、その結果、合計回収時間は15秒、または1分あたり4回の回収の割合となる。そのような搬送システム100では、1日あたり約560万個の物品114が回収されてもよく、これは1年あたり20億回以上の回収に相当する。
【0200】
2.7.サプライチェーンにおける在庫管理
搬送システム100は、サプライチェーン内の中央流通センターに使用することができる。例えば、スーパーマーケットのサプライチェーンでは、サプライヤは継続的に物品114を流通センターに輸送し、次いで流通センターは必要な物品114を集めて様々な場所のローカル店舗に輸送する。搬送システム100は、これらの中央流通センターで使用されて、ローカル店舗に必要な物品114のすべてを収集し、それらの物品114を中央流通センター内の単一のピックアップ場所に届けてもよい(例えば、本明細書の他の箇所に記載したように、物品114が店舗内のピックアップロッカーまたは倉庫内の梱包エリアに届けられ得る方法と同様に)。次に、物品114の集合を、ピックアップ場所から、関連するローカル店舗に配送するための配送トラック上に移動させるだけである。換言すると、搬送システム100は、ローカル店舗での在庫不足に基づいて、ローカル店舗の「ショッピングリスト」の物品114を収集するために使用することができる。
【0201】
これらの大規模店舗の広範な物品114のリストの物品114を収集するプロセスは、個々の顧客のショッピングリストの物品114を収集するプロセスと同じであることを理解すべきである。唯一の違いは、中央流通センターを流れるすべての物品114を収容するために、コンベヤ110がより大きく、潜在的により多数である必要があることである。
【0202】
注目すべきは、本明細書の他の箇所に記載したように、ローカル店舗が搬送システム100を実装する場合、各ローカル店舗の自動化システムの処理システム200は、そのローカル店舗のすべての物品114の正確なリアルタイム在庫を維持することである。したがって、処理システム200は、リアルタイム在庫に基づいて、ローカル店舗に必要な物品114の正確なリストを自動的に作成し、このリストを中央流通センターの処理システム200に自動的に送信してもよい。中央流通センターの処理システム200は、このリストを受信し、それによってプロセス400のプロセスステップ410をトリガーして、リスト内のすべての物品114を配送トラックに届けてもよい。配達トラックは、すべての物品114をローカル店舗に移送してもよく、配達ドライバーは、本明細書の他の箇所に記載したように、トラックからローカル店舗の搬送システム100に物品114をストックしてもよい。注目すべきことに、ローカル店舗に積み込まれた物品のそれぞれは、その後、ローカル店舗の処理システム200によってリアルタイムで正確に追跡され、このサイクルは、複数のローカル店舗に対して何度も繰り返されてもよい。
【0203】
一実施形態では、ローカル店舗のためのリスト内の物品114は、物品114がその特定の順序で配送トラックに積み込まれるように、特定の順序で積み込みエリアに提供されてもよい。この順序は、ローカル店舗でのストックを最適化するために選択されてもよい。例えば、ローカル店舗の保管コンベヤ110上で互いに近くに保管される物品114は、配送トラックの積み込み中に互いに近くに順序付けされてよい。したがって、それらの物品114はまた、互いに近く、同じようなタイミングで配送トラックから降ろされ、搬送システム100に積み込まれる。より具体的な例として、ローカル店舗において、積み込みポートから最も遠い保管コンベヤ110のセグメント112に第1の商品114が保管され、積み込みポートに最も近い保管コンベヤ110のセグメント112に第3の物品114が保管され、これらの最も遠い位置と最も近い位置の中間に位置する保管コンベヤ110のセグメント112に第2の物品114が保管されているとする。この場合、中央流通センターの搬送システム100は、第3の物品114が最初に(例えば、トラックのバックドアから最も遠い位置に)積み込まれ、第2の物品114が2番目に積み込まれ、第1の物品114が3番目に(例えば、トラックのバックドアに最も近い位置に)積み込まれるように、配送トラックへの物品の積み込みを指示することができる。その結果、物品はローカル店舗で積み下ろされ、第1の物品が(例えば、トラックのバックドアに最も近いので)最初に積み込まれ、第2の物品が2番目に積み込まれ、第3の物品が(例えば、トラックのバックドアから最も遠いので)3番目に積み込まれように、搬送システム100に積み込まれる。
【0204】
同様に、異なるローカル店舗のためのリストからの物品114は、バッチにグループ化され、最適化された順序で単一の配送トラックに積み込まれてもよい。最適化された順序は、ローカル店舗への配送トラックの計画されたルートに基づいてもよい。例えば、配送トラックが、最初に第1のローカル店舗、2番目に第2のローカル店舗、3番目に第3のローカル店舗を訪れるように計画しているとする。この場合、処理システム200は、第3のローカル店舗のバッチを最初に、第2のローカル店舗のバッチを2番目に、第1のローカル店舗のバッチを3番目に、中央流通センターのピックアップエリアに届けるように搬送システム100を制御してもよく、それによりそれらはこの順番で配送トラックに積み込まれる。その結果、第1のローカル店舗のバッチは最初に簡単に荷下ろしすることができるように配送トラックのバックドアに最も近くに位置し、第2のローカル店舗のバッチは2番目に荷下ろしすることができるように中間に位置し、第3のローカル店舗のバッチは3番目に荷下ろしすることができるように配送トラックのバックドアから最も遠くに位置する。これにより、あるバッチを降ろす際に、配送トラック内の他のバッチに邪魔されないようにすることで、配送を最適化することができる。
【0205】
2.8.他の用途
開示された実施形態は、小規模スケールまたは大規模スケールで、上述したもの以外の用途に利用し、適応させることができる。例えば、特定の目的のために異種の物品の動きを調整したり、物品を新しい場所に再ソートしたりしなければならないいずれのシステムも、開示された搬送システム100から恩恵を受けることができる。このようなシステムには、自動化された診断機器、製造業の生産ラインで部品を製品に組み立てること、レストランの厨房で様々な料理を調理すること、高級衣料品店で個人買い物客のために衣装を組み立てること、などが含まれるが、これらに限定されるものではない。開示された搬送システム100は、例えば、自動診断システムのサイズから、100万平方フィートを含む大規模なフルフィルメントセンターまで、その用途に応じて、サイズおよび規模が変化し得ることを理解すべきである。そのようなシステムはすべて、物品を収納し、ピッキングし、運搬し、特定のセットにソートする。有利なことに、搬送システム100は、より安価な製造組立および倉庫設置、単一のより単純なナビゲーションシステム、より単純なロボット、より単純な電力システム、より長い平均故障間隔(MTBF)、故障に対するより迅速な応答時間、より速い処理、より優れたデータ分析、および/またはそのようなものから、低コストをもたらすことができる。
【0206】
臨床検査室では、患者のサンプルが、複数の異なる種の分析モジュール(例えば、化学、イムノアッセイ、化学発光、イオン選択電極(ISE)、血液学、免疫血液学、凝固、核酸試験(NAT)など)を用いて、最大で300種の異なる分析物(例えば、グルコース、コレステロール、ヘモグロビンなど)について検査される。臨床検査室では、複数の自動診断機器を使用し、それぞれが特定の種の検査手順に特化しており、それぞれがその特定の種の検査手順を実行するために必要な反応チューブ、試薬、およびサンプルをストックしている。多くの場合、様々な検査を行うために70種の異なる試薬が特定の機器に保管されている。各機器には、独自の分析前および分析後モジュールや、キュベット、試薬、サンプルのストックがあり、必要に応じて、検査手順の様々なステップでロボットが物品をピックアンドプレースする。加えて、特定の患者のサンプルを複数の異なる機器に分配する必要があり、これは非常に手間がかかる。さらに、処理要件を満たすために、臨床検査室では、同じフルスケールの機器を複数台使用することが多く、これらの機器はそれぞれ25万ドルのコストがかかることもある。
【0207】
特定の実施態様において、開示された搬送システム100は、共通の分析前モジュールおよび分析後モジュールによってサービスされる、すべての種の分析モジュールをオンボードに格納または設置するために、単一の自動診断機器において使用されてもよい。換言すると、搬送システム100は、医師が注文したように、臨床検査室の検査メニュー(例えば、300以上の異なる検査手順)の任意のサブセットをサンプルに対して実行し得るユニバーサル診断機器(UDI)を可能にする。このようなUDIは、物流とコストの両方の理由から非常に望ましいだろう。
【0208】
UDIは、分析モジュールのすべての種が、同一のインテリジェントな同心円状のカルーセルコンベヤ110に沿って直列にインターフェースされる搬送システム100を含んでもよい。キュベット、試薬、およびサンプルの共通のストアは、これらの分析モジュールのすべてをサーバすることができる。具体的には、同心円状のカルーセルコンベヤ110は、本明細書の別の箇所で考察されるように、必要なときに、キュベット、試薬、およびサンプルを各分析モジュールに分配するために回転してもよい。有利なことに、各診断機器の分析モジュールのみが、検査の種ごとに必要とされ、大きくてかさばる高価な各機器自体ではない。特に、分析モジュールは、完全な診断機器のコストのわずか20%に相当する。加えて、処理量を向上させるために、UDIは同じ分析モジュールの複数のコピーを含んでもよい。
【0209】
有利なことに、UDI内の、様々な検査に必要な様々な処理ステーション140を介した物品114(例えば、サンプル、試薬、キュベット等)の移動は、カルーセルコンベヤ110自体によって行うことができる。これにより、ロボットによる移動の必要性がなくなる。加えて、分析モジュールが互いに適切に離間されている場合、1つの分析ステーション140に必要な同じ動きのセットが、すべての分析ステーション140に必要な同じ動きのセットを同時に行うが、物品114(例えば、キュベット、試薬、サンプル等)の異なるセットを用いて行うように、それらの動作を同期させることが可能になる。換言すると、分析ステーション140は、搬送システム100内の動きの同期を介して並行して利用される。
【0210】
別の例として、搬送システム100は製造または組立に使用することができる。具体的には、調整された保管コンベヤ110のチームが、(例えば複合的な物体に)組み立てるための人間またはロボットの組立工に構成要素を物品114として届けるために使用されてもよい。移動は、適切な構成要素(例えば、Wベクトル)を適切な時間(例えば、Tベクトル)に適切な場所(例えば、Cベクトル、Sベクトル、および/またはGベクトル)に持ってくるようにスケジュールされてもよい。例えば、自動車の生産ラインでは、多くの場合、基本モデルからフル装備のモデルまでの範囲で購入者によって指定された、車両モデルの多くのバリエーションが製造される。処理システム200は、構築されている個々の車両モデルごとに適切な部品を送り込むが、適切な順序で、適切なタイミングでそれを行うことができる。
【0211】
開示された実施形態の上の記載は、当業者が本発明を製造または使用することを可能にするために提供される。これらの実施形態に対する様々な変更は、当業者には容易に明らかになるであろうし、本明細書に記載された一般原理は、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の実施形態に適用することができる。したがって、本明細書に示された記載および図面は、本発明の現在好ましい実施形態を表しており、したがって、本発明によって広く企図される主題を代表するものであることを理解されたい。さらに、本発明の範囲は、当業者に明らかになる可能性のある他の実施形態を完全に包含すること、および本発明の範囲はそれに応じて限定されないことを理解されたい。
【0212】
本明細書に記載されている「A、B、またはCの少なくとも1つ」、「A、B、またはCの1つまたは複数」、「A、B、およびCの少なくとも1つ」、「A、B、およびCの1つまたは複数」、および「A、B、C、またはそれらの任意の組み合わせ」などの組み合わせは、A、B、および/またはCの任意の組み合わせを含み、Aの倍数、Bの倍数、またはCの倍数を含んでいてもよい。具体的には、「A、B、またはCの少なくとも1つ」、「A、B、またはCの1つまたは複数」、「A、B、およびCの少なくとも1つ」、「A、B、およびCの1つまたは複数」、「A、B、C、またはそれらの任意の組み合わせ」などの組み合わせは、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AおよびB、AおよびC、BおよびC、またはAおよびBおよびCであってもよく、そのような組み合わせは、その構成要素であるA、B、および/またはCの1つまたは複数のメンバーを含んでいてもよい。例えば、AとBの組み合わせは、1つのAと複数のB、複数のAと1つのB、または複数のAと複数のBを含んでもよい。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図2
図3A
図3B
図4