(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】被介護者用下衣
(51)【国際特許分類】
A41D 1/06 20060101AFI20230418BHJP
A41D 1/00 20180101ALI20230418BHJP
【FI】
A41D1/06 K
A41D1/06 502C
A41D1/00 Z
(21)【出願番号】P 2022099910
(22)【出願日】2022-06-21
【審査請求日】2022-08-23
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522249279
【氏名又は名称】西田 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【氏名又は名称】山田 強
(72)【発明者】
【氏名】西田 真之
【審査官】津田 健嗣
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3157436(JP,U)
【文献】実開平07-024924(JP,U)
【文献】特開2016-211141(JP,A)
【文献】特開2019-123978(JP,A)
【文献】特開2000-314016(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D 10/00
A41D 13/12
A41D 1/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体の下胴部の周りを覆う下胴覆い部と、
片脚ずつの周りを覆う
ズボンタイプの脚覆い部とを備えた被介護者用下衣であって、
前記下胴覆い部の背面側において、臀部から上端縁までの部分が開放されていることにより、前記下胴覆い部の両端部が背面側において互いに離れており、
前記下胴覆い部の腰部は周方向に伸縮可能とされ、
開放部分の周りの少なくとも一部には、着用者の不織布製オムツに着脱される面ファスナを備え、
前記開放部分の下縁部には、仰向けでの着用状態において垂れ下がって股を隠すための股隠し片が縫製されている、被介護者用下衣。
【請求項2】
前記下胴覆い部の両端部において、それぞれの腰部に前記面ファスナが設けられている、請求項1に記載の被介護者用下衣。
【請求項3】
前記下胴覆い部の両端部において、それぞれの下端から前記上端縁の間には、前記腰部以外にも前記面ファスナが設けられている、請求項1に記載の被介護者用下衣。
【請求項4】
前身頃と後身頃とが縫製されて前記下胴覆い部が形成されていて、
前記開放部分は、前記後身頃の幅方向途中に形成されている、請求項1に記載の被介護者用下衣。
【請求項5】
前記開放部分の両脇における前記後身頃の横幅が5cm以上15cm以下である、請求項4に記載の被介護者用下衣。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被介護者が着用する下衣に関する。
【背景技術】
【0002】
自宅、介護施設や病院等において、ベッド等から起き上がることが困難な被介護者が上衣と下衣とに分かれた寝衣を着用した場合、着替えの際に被介護者が臀部を持ち上げたり、何度も身体の向きを変えたりする必要がある。このような動作は、介護者にとっても被介護者にとっても負担が大きい。そういった負担を軽減するために、着替えを行いやすいように工夫された被介護者用の下衣が提案されている。例えば、左右の重ね部を重ね合わさせたり開いたりすることで前開き部を開閉するようにし、前開き部が開かれた状態の股下部分では、臀部に至るまで開かれるようにした下衣が知られている(特許文献1及び特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-203219号公報
【文献】特開2017-206779号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従前の被介護者用の下衣は、被介護者用に工夫がされていない一般の下衣と比較すれば負担が軽減されているとはいえ、下衣を着替える際には被介護者の身体を横向きにする等、態勢を変える必要があることに変わりはない。そのため、介護者や被介護者の負担軽減は十分とはいえない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、被介護者の身体の向きを変えず仰向けのままで着替えることができ、介護者や被介護者の負担軽減できる被介護者用下衣を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明は、
身体の下胴部の周りを覆う下胴覆い部と、両脚又は片脚ずつの周りを覆う脚覆い部とを備えた被介護者用下衣であって、
前記下胴覆い部の背面側において、臀部から上端縁までの部分が開放されていることにより、前記下胴覆い部の両端部が背面側において互いに離れており、
前記下胴覆い部の腰部は周方向に伸縮可能とされ、
開放部分の周りの少なくとも一部には、着用者の不織布製オムツに着脱される面ファスナを備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、下衣が着用された状態では、脚覆い部に脚が通され、下胴覆い部の腰部を伸ばしながら面ファスナを着用者のオムツに付着させる。そうすると、オムツを着用した下胴部の前側が下胴覆い部によって覆われた状態が維持される。これにより、下衣としての機能が果たされる。下衣を着替える場合には、まず、面ファスナをオムツから剥がして下胴覆い部を前方に開けると、下胴覆い部が脱げる。そこからさらに脚を脚覆い部から抜けば、下衣を脱がせることができる。着用時にはその反対の動作を行う。この着脱の間、着用者の身体の向きを変えず仰向けを維持できるため、介護者や被介護者の負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】ズボンタイプ下衣の着用状態を示し、(a)は正面図、(b)は背面図。
【
図5】ズボンタイプ下衣の着脱の様子を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明を具体化した一実施の形態について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態では、図面に示されたズボンタイプ下衣10に具体化されている。
【0010】
ズボンタイプ下衣10は、綿、ポリエステル等の各種生地やそれらの混合生地により全体が形成され、
図1乃至
図3に示すように、股上部11と、一対の脚部12とを有している。股上部11及び一対の脚部12は、前身頃13と後身頃14とが、内股側と脇側とで縫合されることによって形成されている。
【0011】
図4に示すように、股上部11は、着用者の身体のうち下胴部Bの周りを少なくとも覆う部分であり、下胴覆い部に相当する。ここでいう下胴部Bとは、身体が有する胴体部(腕、脚、首から上の頭部を除く部位)のうち下腹部からヒップにかけての部位をいうものとする。股上部11のうち、ズボンタイプ下衣10が着用された時に着用者の腰あたりに配置される部位を腰部11aという。一対の脚部12は、それぞれが着用者の片方の脚Lの周りを覆う部分であり、脚覆い部に相当する。
【0012】
図1乃至
図3に戻り、股上部11は、股上本体21と、ウエスト部22と、開放部分23と、面ファスナ24a,24bと、股隠し片25とを有している。
【0013】
股上本体21は、着用者の下胴部Bを覆う股上部11の主たる部位である。ウエスト部22は股上本体21の上端部にあり、その裏側にはウエストゴム22aが縫合されて伸縮可能となっている。ウエスト部22が伸縮することにより、着用者のウエストに合わせてウエスト部22を調整することが可能となる。なお、股上本体21のうち上下中央付近よりもウエスト部22の側となる部位とウエスト部22とが、前述した股上部11の腰部11aに相当している。
【0014】
開放部分23は、股上部11の背面側に設けられている。開放部分23が設けられたことにより、ウエスト部22から臀部26の下端部までの部分が、縦方向に大きく開放されている。開放部分23の幅方向においても、幅方向中央から左右にかけて左右対称に開放され、幅方向の半分以上が大きく開放されている。後身頃14において、開放部分23の左右には、縦方向に帯状に延びる縦帯部27がそれぞれ設けられている。縦帯部27は、前身頃13と後身頃14とが縫合された脇線15から開放部分23の縦縁部28のまでの横幅Wを有し、その横幅Wの寸法は5cm以上15cm以下に設定されている。縦帯部27の横幅Wは、5cm以上8cm以下であることがより好ましい。縦帯部27は臀部26の下端部まで延び、開放部分23の下縁部29の幅方向端部とアールを描きながらつながっている。開放部分23の下縁部29は、左右中央が凸となるなだらかな波形状をなしている。
【0015】
後身頃14では、左右の縦帯部27の間に開放部分23が設けられていることにより、股上部11の背面側では、脇線15同士の間の全域が開放されているのではなく、脇線15同士の間の少し狭まった途中の領域が開放されている。そして、開放部分23が設けられていることにより、股上部11の両端部は背面側において互いに離れている。
【0016】
面ファスナ24a,24bは、股上部11の両端部にそれぞれ設けられた第1面ファスナ24aと、前側中央部に設けられた第2面ファスナ24bとがある。第1面ファスナ24aは、左右の両脇線15の上部側であってウエスト部22の下方において、股上本体21の裏側に縫合されている。
【0017】
第1面ファスナ24aは、左右それぞれにおいて、上下に2つ離間しながら並んで設けられている。2つの第1面ファスナ24a同士の間は、介護者の指が少なくとも1つ入るだけの余裕がある。上下に並ぶ2つの第1面ファスナ24aのうち、少なくとも上側にある第1面ファスナ24aは股上部11の腰部11aに設けられている。より詳しくは、股上部11において、縦帯部27の下端部からウエスト部22までの間のうち、ウエスト部22寄りの位置であって、ウエスト部22に近接した位置に設けられている。第2面ファスナ24bは、前身頃13の中心線16の上部であってウエスト部22の下方かつウエスト部22に近接した位置において、股上本体21の裏側に縫合されている。
【0018】
股隠し片25は、開放部分23の下縁部29に設けられている。股隠し片25は、略半月状をなしており、下縁部29から凸となる状態で、また、幅方向中央を基準とした左右対称となって下縁部29に縫製されている。股隠し片25は、着用者の股を隠すという機能を発揮するために設けられており、この機能については後ほど述べる。
【0019】
以上の構成を有するズボンタイプ下衣10は、不織布製オムツDを着用した被介護者に着用される。着用状態において、
図4(a)に示すように、股上部11によって、不織布製オムツDが着用された被介護者の下胴部Bの前側が覆われている。また、一対の脚部12にはそれぞれに着用者の片方の脚Lが通され、片方の脚Lずつの周りが脚部12によって覆われている。
【0020】
ウエスト部22を着用者の腰の大きさに合わせて伸ばしながらその腰にウエスト部22が当てられ、第1面ファスナ24aが不織布製オムツDの両脇に付着されるとともに、第2面ファスナ24bが不織布製オムツDの前側中央に付着されている。
図4(b)に示すように、ウエスト部22の両端部及び縦帯部27は着用者の背面側に回り込んでいる。面ファスナ24a,24bが不織布製オムツDに付着することにより、股上部11によって着用者の下胴部Bの前側が覆われ、ウエスト部22の両端部及び縦帯部27が背面側で保持された状態が維持される。
【0021】
ズボンタイプ下衣10が着用された状態の背面側では、
図4(b)に示すように、開放部分23が設けられている。開放部分23の存在により、着用者の不織布製オムツDの背面側が露出している。着用者が仰向けになっている場合、着用者の股下部分では、開放部分23の下縁部29に設けられた股隠し片25が垂れ下がる。これを仰臥面(ベッド等の上面)と着用者のヒップとの間に入れ込むことにより、着用者の股が隠される。
【0022】
ズボンタイプ下衣10の着替えは、次のようにして行われる。まず、ズボンタイプ下衣10を脱がせる場合について説明する。
図5(a)に示すように、ズボンタイプ下衣10が着用された状態では、前述したように、ウエスト部22が着用者の腰に当てられ、第1面ファスナ24a及び第2面ファスナ24bが不織布製オムツDに付着されることで、股上部11によって不織布製オムツDを含む下胴部Bの前側が覆われている。
【0023】
この状態で、
図5(b)に示すように、第1面ファスナ24a及び第2面ファスナ24bを不織布製オムツDから剥がす。上下に2つ並ぶ第1面ファスナ24aを剥がす際は、両者の間に介護者の指が少なくとも1つ入るだけの余裕が設けられているため、その間に指を入れながら2つの第1面ファスナ24aを剥がす。各面ファスナ24a,24bを剥がした後、股上部11を持ち上げて前方に開ける。これにより、着用者の身体を横向きにすることなく仰向けのままで股上部11が脱げて、ズボンタイプ下衣10はそれぞれ各脚部12に着用者の片方の脚Lがそれぞれ通されただけの状態となる。その後、着用者の膝を立てる等しながら各脚部12から着用者の脚Lを抜くことで、ズボンタイプ下衣10は着用者から脱がされる。
【0024】
ズボンタイプ下衣10を着用させる場合は、これと反対の動作をする。まず、ズボンタイプ下衣10の各脚部12に、着用者の膝を立てる等しながら着用者の脚Lを通し、着用者の股部分まで股上部11を上げる。その後、
図5(b)に示すように、ウエスト部22を着用者の腰の大きさに合わせて伸ばしながらその腰にウエスト部22を当て、股上部11を着用者の下胴部Bに覆いかぶせる。そして、第1面ファスナ24aを不織布製オムツDに付着させるとともに、第2面ファスナ24bを不織布製オムツDに付着させる。その後、ウエスト部22の両端部及び縦帯部27を着用者の背面側に回り込ませる。また、開放部分23の下縁部29から垂れ下がっている股隠し片25を仰臥面と着用者のヒップとの間に入れ込み、着用者の股を隠す。そうすると、
図5(a)に示すように、股上部11によって不織布製オムツDを含む下胴部Bの前側が覆われ、ズボンタイプ下衣10が着用される。この場合も、着用者の身体を横向きにすることなく仰向けのまま行える。
【0025】
ズボンタイプ下衣10の着替えを伴わず、不織布製オムツDを交換するだけの場合には、ズボンタイプ下衣10を着替える場合と一部同じである。
図5(b)に示すように、第1面ファスナ24a及び第2面ファスナ24bを不織布製オムツDから剥がし、股上部11を持ち上げる。これにより、着用者の身体を横向きにすることなく仰向けのままで股上部11を脱がすことができ、不織布製オムツDが露出して交換可能な状態となる。オムツ交換後は、ウエスト部22を着用者の腰に当て、各面ファスナ24a,24bを不織布製オムツDに付着させる。さらに、ウエスト部22の両端部及び縦帯部27を着用者の背面側に回り込ませ、股隠し片25を入れ込む。これにより、再び着用状態となる。
【0026】
以上説明した本実施形態のズボンタイプ下衣10によれば、次のような作用効果が得られる。
【0027】
(1)股上部11の背面側に開放部分23が設けられ、股上部11の両端部には第1面ファスナ24aが設けられている。ズボンタイプ下衣10を着用する場合には、脚部12に脚Lを通した後、ウエスト部22を腰に当てると、不織布製オムツDを着用した下胴部Bの前側が股上部11によって覆われる。第1面ファスナ24aを着用者の不織布製オムツDに付着させると、その状態が維持される。ズボンタイプ下衣10を着替える場合には、各面ファスナ24a,24bを不織布製オムツDから剥がして股上部11を前方に開けると、股上部11が脱げる。そこからさらに脚Lを脚部12から抜けばズボンタイプ下衣10を脱がせることができる。このように、着用者の身体の向きを変えず仰向けのままでズボンタイプ下衣10を着替えることができ、介護者や被介護者の負担を軽減できる。また、体の向きを変えることに伴うずれ力を着用者のヒップに生じさせるおそれが少なくなり、ずれ力が原因とされる床ずれの発症も抑制できる。
【0028】
(2)ズボンタイプ下衣10を着替えたり、オムツ交換したりするために、股上部11を脱がす場合に、上下に2つ並ぶ第1面ファスナ24aの間に介護者の指を入れながら剥がすことで、2つの第1面ファスナ24aを一挙に剥がすことができる。そのため、第1面ファスナ24aを剥がしやすい。
【0029】
(3)介護者や被介護者の負担を軽減できることから、着替えに対する心理的負担も軽減される。ズボンタイプ下衣10を寝巻やパジャマ等の寝衣ではなく、素材、デザイン等を工夫したものとすれば、訪問者との応対時にそのズボンタイプ下衣10に着替えることが簡単にできるようになる。これにより、被介護者は、寝衣よりも恥ずかしさ等を感じる気持ちを低減させた状態で訪問者と気軽に応対できる。
【0030】
(4)第1面ファスナ24aは、股上部11の両端部、詳しくは脇線15上において、少なくとも股上部11の腰部11aに設けられている。このように、伸縮可能なウエスト部22に近接した位置に第1面ファスナ24aが設けられているため、ウエスト部22を着用者の腰の大きさに合わせて伸ばしてその腰に当てた状態を好適に保持することができる。
【0031】
(5)第1面ファスナ24aは上下に2つ設けられ、股上部11の腰部11aに設けられるだけでなく、その下方にも設けられている。股上部11の背面側に設けられた開放部分23は、腰部11aよりも下方の臀部26に至るまで開放されているため、股上部11の各端部のうち腰部11aよりも下方にある部位がめくれしまうおそれがある。そのため、腰部11aの両端部だけでなく、その下方においても、第1面ファスナ24aを不織布製オムツDに付着させることができれば、下胴部Bの側部が股上部11で覆われた状態を安定して保持し、不織布製オムツDが露出してしまうおそれを低減できる。
【0032】
(6)股上部11は前身頃13と後身頃14とが縫製されて形成されており、開放部分23は、後身頃14の幅方向全域にわたって形成されているのではなく、幅方向途中に形成されている。そのため、股上部11の背面側には、開放部分23の両脇に所定の幅を持った縦帯部27が設けられ、仰向けでの着用状態ではこの縦帯部27が背面側に回り込む。これにより、仰向けでの着用状態において、股上部11の両端部が下胴部Bの側部に垂れ下がってしまうことがなく、下胴部Bの側方で不織布製オムツDや肌が露出することを抑制できる。
【0033】
(5)開放部分23の下縁部29には、仰向けでの着用状態において股下部分で垂れ下がる股隠し片25が縫製されている。この垂れ下がった股隠し片25を仰臥面と着用者のヒップとの間に入れ込むことにより着用者の股が隠され、着用者の股下部分で不織布製オムツDや肌が露出することを抑制できる。
【0034】
なお、本発明は、上記実施形態のズボンタイプ下衣10に限定されるものではなく、例えば次のような構成を採用してもよい。
【0035】
(a)第1面ファスナ24が設けられる箇所は、股上部11の両端部であれば任意であり、例えば縦帯部27の裏側やウエスト部22の裏側であってもよい。また、第1面ファスナ24aが設けられる数も任意であり、上記実施形態における下側の第1面ファスナ24aよりも下方にさらに第1面ファスナ24aを追加してもよい。上記実施形態における2つの第1面ファスナ24aが設けられた構成はそのまま、別の箇所に第1面ファスナ24aが追加された構成としてもよい。
【0036】
(b)開放部分23について、後身頃14の幅方向に全域にわたる横幅を有していてもよいし、縦帯部27の横幅Wをより狭くし、背面側に回り込めない程度の横幅に設定してもよい。
【0037】
(c)被介護者用下衣は、上記実施形態のズボンタイプ下衣10だけでなく、スカートに具体化されてもよい。スカートとした場合、下胴部Bを覆う部位が下胴覆い部とされ、ズボンタイプ下衣10の股上部11と同様の構成が設けられる。すなわち、背面側に開放部分が設けられて両端部が互いに離れ、腰部が伸縮可能とされるとともに、開放部分の周りには面ファスナが設けられる。スカートのうち、両方の脚Lを覆う部位が脚覆い部となる。なお、スカートとした場合のシルエット形状は任意である。
【符号の説明】
【0038】
10…ズボンタイプ下衣(被介護者用下衣)、11…股上部(下胴覆い部)、11a…腰部、12…脚部(脚覆い部)、13…前身頃、14…後身頃、23…開放部分、24…面ファスナ、25…股隠し片、B…下胴部、L…脚、D…不織布製オムツ。
【要約】
【課題】被介護者の身体の向きを変えず仰向けのままで着替えることができ、介護者や被介護者の負担軽減できる被介護者用下衣を得る。
【解決手段】ズボンタイプ下衣10は、股下部11と脚部12とを備えている。股下部11の背面側において、臀部26から腰部11aまでの部分が開放されてなる開放部分23が設けられており、それにより股上部11の両端部が背面側において互いに離れている。股上部11の腰部11aは、周方向に伸縮可能とされている。股上部11の両端部には、着用者の不織布製オムツに着脱される面ファスナ24a,24bを備えている。
【選択図】
図2