(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-17
(45)【発行日】2023-04-25
(54)【発明の名称】バルブ付き食品保存調理容器
(51)【国際特許分類】
F24C 7/02 20060101AFI20230418BHJP
A47J 27/00 20060101ALI20230418BHJP
B65D 51/16 20060101ALI20230418BHJP
B65D 81/34 20060101ALI20230418BHJP
【FI】
F24C7/02 551A
A47J27/00 103N
B65D51/16
B65D81/34 U
(21)【出願番号】P 2022512818
(86)(22)【出願日】2020-08-25
(86)【国際出願番号】 US2020047820
(87)【国際公開番号】W WO2021041426
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-03-28
(32)【優先日】2019-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】512054182
【氏名又は名称】マイヤー インテレクチュアル プロパティーズ リミテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】518299806
【氏名又は名称】チェン,スタンリー,キン スイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】チェン,スタンリー キン スイ
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-077145(JP,A)
【文献】国際公開第2008/044739(WO,A1)
【文献】特開平01-240475(JP,A)
【文献】特開2012-056587(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24C 7/02
B65D 51/16
B65D 81/34
A47J 27/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)底部および上に向かって延在する側壁を有する収容部であって、前記側壁は前記収容部の上開口部を定める縁部で終端し、前記底部は底中央部分と、前記底中央部分を取り囲む底周縁部分とを有し、前記底周縁部分が前記底中央部分から下向きに延在して前記底中央部分の底面と前記底周縁部分の底面との間に鉛直の間隙が形成される、収容部と、
b)前記収容部のための取り外し可能な蓋と、
を備える一以上の食料品を調理または保存するための容器であって、
前記蓋には、
i)前記蓋が前記収容部に配置されているときに前記収容部の流体保持内部領域から空気を選択的に通気させるように構成されたバルブを有する中央部分と、
ii)前記蓋の前記中央部分の周りを取り囲むように配置された環状のガスケットと、
iii)前記ガスケットの少なくとも一部の周りを取り囲むように配置された環状の蓋周縁部と、
が備えられ
前記バルブには前記中央部分の全厚みを貫通して延在する開口部が設けられ、また前記バルブにはさらにバルブプラグが備えられ、前記バルブプラグに、
(1)前記蓋の前記中央部分の上面から鉛直方向で上に延在するバルブ上部分であって、前記バルブ上部分は下向きの圧力によって、鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮するように構成されており、前記バルブ上部分は、収縮したとき、前記底中央部分の底面と前記底周縁部分の底面との間にある前記鉛直の間隙と同じかこれより小さな鉛直寸法を有し、前記バルブ上部分は、前記下向きの圧力が存在しない場合に前記鉛直方向でよりコンパクトな形状から上向きに戻って拡張するようにさらに構成され、前記バルブ上部分は、拡張したとき、前記底中央部分の底面と前記底周縁部分の底面との間にある前記鉛直の間隙よりも大きな第2鉛直寸法を有する、ことを特徴とするバルブ上部分と、
(2)前記蓋の前記中央部分の底面より鉛直方向で下に延在するバルブ底部分と、
(3)前記蓋の前記中央部分の前記開口部の内側に少なくとも部分的に配置されているバルブ中央部分であって、前記バルブ中央部分は前記バルブ上部分を前記バルブ底部分に接続しており、また前記バルブ中央部分には、
1.前記開口部を少なくとも実質的に封止するように構成された上幅広領域と、
2.前記開口部の中に空気通路が設けられるようにして前記開口部を封止解除するように構成された底狭領域と、
が備えられた、バルブ中央部分と、
が備えられることを特徴とする、
一以上の食料品を調理または保存するための容器。
【請求項2】
a)底部および上に向かって延在する側壁を有する収容部であって、前記側壁は前記収容部の上開口部を定める縁部で終端し、前記底部は底中央部分と、前記底中央部分を取り囲む底周縁部分とを有し、前記底周縁部分が前記底中央部分から下向きに延在して前記底中央部分の底面と前記底周縁部分の底面との間に鉛直の間隙が形成される、収容部と、
b)前記収容部のための取り外し可能な蓋であって、前記蓋は、前記蓋が前記収容部に配置されているときに前記収容部の流体保持内部領域から空気を選択的に通気させるように構成されたバルブ、を有する蓋と、
を備える一以上の食料品を調理または保存するための容器であって、
前記バルブには前記蓋の一部分の全厚みを貫通して延在する開口部が設けられ、また前記バルブにはさらにバルブプラグが備えられ、前記バルブプラグに、
i)前記蓋の前記一部分の上面から鉛直方向で上に延在するバルブ上部分であって、前記バルブ上部分は下向きの圧力によって鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮するように構成されており、前記バルブ上部分は、前記下向きの圧力が存在しない場合に前記鉛直方向でよりコンパクトな形状から上向きに戻って拡張するようにさらに構成されている、バルブ上部分
であって、前記バルブ上部分は、収縮したとき、前記底中央部分の底面と前記底周縁部分の底面との間にある前記鉛直の間隙と同じかこれより小さな鉛直寸法を有し、また前記バルブ上部分は、拡張したとき、前記底中央部分の底面と前記底周縁部分の底面との間にある前記鉛直の間隙よりも大きな第2鉛直寸法を有する、バルブ上部分と、
ii)前記蓋の前記一部分の底面より鉛直方向で下に延在するバルブ底部分と、
iii)前記蓋の前記一部分の前記開口部の内側に少なくとも部分的に配置され、前記バルブ上部分を前記バルブ底部分に接続する、バルブ中央部分と、
が備えられることを特徴とする、
一以上の食料品を調理または保存するための容器。
【請求項3】
前記バルブ中央部分に、
a)前記開口部を少なくとも実質的に封止するように構成された幅広領域と、
b)前記開口部の中に空気通路が設けられるようにして前記開口部を封止解除するように構成された狭領域と、
が設けられたことを特徴とする請求項2に記載の容器。
【請求項4】
a)前記幅広領域が、前記バルブ中央部分が前記蓋に対して下向きに動かされたときに前記開口部を少なくとも実質的に封止するように構成された、上幅広領域であって、
b)前記狭領域が、前記バルブ中央部分が前記蓋に対して上向きに動かされたときに前記開口部の中に空気通路が設けられるように前記開口部を封止解除するように構成された、底狭領域である、
ことを特徴とする請求項
3に記載の容器。
【請求項5】
前記容器は、前記容器が前記蓋により封止されているときに、電子レンジで加熱されるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の容器。
【請求項6】
前記蓋が、
a)中央部分であって、前記蓋の前記一部分が前記蓋の前記中央部分に含まれている中央部分と、
b)前記蓋の前記中央部分の周りを取り囲むように配置された環状のガスケットと、
c)前記ガスケットの少なくとも一部の周りを取り囲むように配置された環状の蓋周縁部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項2に記載の容器。
【請求項7】
前記環状のガスケットが、
a)前記ガスケットを前記中央部分に接合させる上側部分と、
b)前記ガスケットの前記上側部分から下向きに下がる鉛直部分であって、前記ガスケットの前記上側部分の外端部より水平方向内側に位置する外側部が設けられる、鉛直部分と、
c)前記ガスケットの前記鉛直部分にある前記外側部から水平方向外側に延在する可撓スカートと、
を備えることを特徴とする請求項
6に記載の容器。
【請求項8】
前記収容部と前記蓋の前記一部分が何れもガラス製であることを特徴とする請求項2に記載の容器。
【請求項9】
前記収容部は、前記収容部の前記側壁の外面に一以上の窪み部を有し、前記一以上の窪み部が前記収容部の前記縁部まで上に向かって延在することを特徴とする請求項2に記載の容器。
【請求項10】
前記バルブ上部分が、
a)中心部に開口を有する実質的に円形の上レベル部と、
b)底レベル部と、
c)前記底レベル部から前記実質的に円形の上レベル部まで螺旋状に上へと延びる2以上の接続セグメント部と、
を備えていることを特徴とする請求項2に記載の容器。
【請求項11】
前記バルブ上部分が上向きに湾曲したフラップを含み、前記上向きに湾曲したフラップには、前記上向きに湾曲したフラップの中心部に開口部が設けられており、前記上向きに湾曲したフラップは、前記上向きに湾曲したフラップの湾曲の底区域で前記バルブ中央部分に接合していることを特徴とする請求項2に記載の容器。
【請求項12】
前記バルブプラグの少なくとも一部がシリコーンゴム製であることを特徴とする請求項2に記載の容器。
【請求項13】
容器の収容部のための取り外し可能な蓋であって、
a)前記蓋が前記収容部に配置されているときに前記収容部の流体保持内部領域から空気を選択的に通気させるように構成されたバルブを備え、
前記バルブには前記蓋の一部分の全厚みを貫通して延在する開口部が設けられ、また前記バルブはさらにバルブプラグを有し、前記バルブプラグに、
i)前記蓋の前記一部分の上面から鉛直方向で上に延在するバルブ上部分であって、
前記バルブ上部分は下向きの圧力によって、鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮するように構成されており、前記バルブ上部分は、前記下向きの圧力が存在しない場合に前記鉛直方向でよりコンパクトな形状から上向きに戻って拡張するようにさらに構成され、前記バルブ上部分は、前記バルブ上部分が前記鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮するときに前記蓋の前記一部分の上面に向かって下向きに動くように構成された、上レベル部を有し、前記バルブ上部分は、前記バルブ上部分が前記鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮するときに、実質的に同じ位置に保たれるように構成された底レベル部をさらに有する、バルブ上部分と、
ii)前記蓋の前記一部分の底面より鉛直方向で下に延在するバルブ底部分と、
iii)前記蓋の前記一部分の前記開口部の内側に少なくとも部分的に配置され、前記バルブ上部分を前記バルブ底部分に接続する、バルブ中央部分
であって、
前記バルブ中央部分に、前記開口部を少なくとも実質的に封止するように構成された幅広領域と、前記開口部の中に空気通路が設けられるようにして前記開口部を封止解除するように構成された狭領域と、が設けられたバルブ中央部分と、
が備えられることを特徴とする、
取り外し可能な蓋。
【請求項14】
a)前記幅広領域が、前記バルブ中央部分が前記蓋に対して下向きに動かされたときに前記開口部を少なくとも実質的に封止するように構成された、上幅広領域であって、
b)前記狭領域が、前記バルブ中央部分が前記蓋に対して上向きに動かされたときに前記開口部の中に空気通路が設けられるように前記開口部を封止解除するように構成された、底狭領域である、
ことを特徴とする請求項
13に記載の取り外し可能な蓋。
【請求項15】
a)中央部分であって、前記蓋の前記一部分が前記蓋の前記中央部分に含まれている中央部分と、
b)前記蓋の前記中央部分の周りを取り囲むように配置された環状のガスケットと、
c)前記ガスケットの少なくとも一部の周りを取り囲むように配置された環状の蓋周縁部と、
をさらに備えることを特徴とする請求項
13に記載の取り外し可能な蓋。
【請求項16】
前記上レベル部が中心部に開口を有する実質的に円形の上レベル部であって、また前記バルブ上部分に、前記底レベル部から前記実質的に円形の上レベル部まで螺旋状に上へと延びる2以上の接続セグメント部がさらに備えられていることを特徴とする請求項
13に記載の取り外し可能な蓋。
【請求項17】
前記バルブ上部分が上向きに湾曲したフラップを含み、
前記上向きに湾曲したフラップには、前記上向きに湾曲したフラップの中心部に開口部が設けられており、
前記上向きに湾曲したフラップは、前記上向きに湾曲したフラップの湾曲の底区域で前記バルブ中央部分に接合し、
前記底区域が前記底レベル部を含み、
前記上向きに湾曲したフラップの残りの部分が前記上レベル部を含む、
ことを特徴とする請求項
13に記載の取り外し可能な蓋。
【請求項18】
a)一以上の食料品を調理または保存するための容器を電子レンジの内部に配置させるステップであって、前記容器に、
i)底部および上に向かって延在する側壁を有する収容部であって、前記側壁が前記収容部の上開口部を定める縁部で終端する、収容部と、
ii)前記収容部のための取り外し可能な蓋であって、前記蓋は、前記蓋が前記収容部に配置されているときに前記収容部の流体保持内部領域から空気を選択的に通気させるように構成されたバルブを有し、前記バルブには前記蓋の一部分の全厚みを貫通して延在する開口部が設けられ、また前記バルブにはさらにバルブプラグが備えられ、前記バルブプラグに、
(1)前記蓋の前記一部分の上面から鉛直方向で上に延在するバルブ上部分であって、前記バルブ上部分は下向きの圧力によって鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮するように構成されており、前記バルブ上部分は、前記下向きの圧力が存在しない場合に前記鉛直方向でよりコンパクトな形状から上向きに戻って拡張するようにさらに構成されている、バルブ上部分と、
(2)前記蓋の前記一部分の底面より鉛直方向で下に延在するバルブ底部分と、
(3)前記蓋の前記一部分の前記開口部の内側に少なくとも部分的に配置され、前記バルブ上部分を前記バルブ底部分に接続する、バルブ中央部分
であって、前記バルブ中央部分に、前記開口部を少なくとも実質的に封止するように構成された幅広領域と、前記開口部の中に空気通路が設けられるようにして前記開口部を封止解除するように構成された狭領域と、が設けられたバルブ中央部分と、
が備えられる取り外し可能な蓋と、
が備えられるステップと、
b)前記容器が電子レンジの内部に配置され、さらに前記容器が前記蓋によって封止されているときに電子レンジを作動させるステップと、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項19】
前記容器を電子レンジの内部に配置させるステップの前に前記蓋の前記一部分に配置された前記バルブを開放するステップがさらに含まれていることを特徴とする請求項
18に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して交換可能な蓋が設けられた容器、より具体的には一以上のバルブを有する電子レンジ対応容器に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、食料品は取り外し可能な蓋が設けられたプラスチック保存収容部に保存することができる。しかしながら、これら通常の保存容器には欠点がある場合がある。
【発明の概要】
【0003】
第1の態様では、一以上の食料品を調理または保存するための容器に、底部および上に向かって延在する側壁を有する収容部であって、前記側壁は前記収容部の上開口部を定める縁部で終端し、前記底部は底中央部分と、前記底中央部分を取り囲む底周縁部分とを有し、前記底周縁部分が前記底中央部分から下向きに延在して前記底中央部分の底面と前記底周縁部分の底面との間に鉛直の間隙が形成される、収容部と、前記収容部のための取り外し可能な蓋と、が備えられ、前記蓋には、前記蓋が前記収容部に配置されているときに前記収容部の流体保持内部領域から空気を選択的に通気させるように構成されたバルブを有する中央部分と、前記蓋の前記中央部分の周りを取り囲むように配置された環状のガスケットと、前記ガスケットの少なくとも一部の周りを取り囲むように配置された環状の蓋周縁部と、が備えられ前記バルブには前記中央部分の全厚みを貫通して延在する開口部が設けられ、また前記バルブにはさらにバルブプラグが備えられ、前記バルブプラグに、前記蓋の前記中央部分の上面から鉛直方向で上に延在するバルブ上部分であって、前記バルブ上部分は下向きの圧力によって、鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮するように構成されており、前記バルブ上部分は、収縮したとき、前記底中央部分の底面と前記底周縁部分の底面との間にある前記鉛直の間隙と同じかこれより小さな鉛直寸法を有し、前記バルブ上部分は、前記下向きの圧力が存在しない場合に前記鉛直方向でよりコンパクトな形状から上向きに戻って拡張するようにさらに構成され、前記バルブ上部分は、拡張したとき、前記底中央部分の底面と前記底周縁部分の底面との間にある前記鉛直の間隙よりも大きな第2鉛直寸法を有する、ことを特徴とするバルブ上部分と、前記蓋の前記中央部分の底面より鉛直方向で下に延在するバルブ底部分と、前記蓋の前記中央部分の前記開口部の内側に少なくとも部分的に配置されているバルブ中央部分であって、前記バルブ中央部分は前記バルブ上部分を前記バルブ底部分に接続しており、また前記バルブ中央部分には、前記開口部を少なくとも実質的に封止するように構成された上幅広領域と、前記開口部の中に空気通路が設けられるようにして前記開口部を封止解除するように構成された底狭領域と、が備えられた、バルブ中央部分と、が備えられる。
【0004】
第2の態様では、一以上の食料品を調理または保存するための容器に、底部および上に向かって延在する側壁を有する収容部であって、前記側壁は前記収容部の上開口部を定める縁部で終端し、前記底部は底中央部分と、前記底中央部分を取り囲む底周縁部分とを有し、前記底周縁部分が前記底中央部分から下向きに延在して前記底中央部分の底面と前記底周縁部分の底面との間に鉛直の間隙が形成される、収容部と、前記収容部のための取り外し可能な蓋であって、前記蓋は、前記蓋が前記収容部に配置されているときに前記収容部の流体保持内部領域から空気を選択的に通気させるように構成されたバルブ、を有する蓋と、が備えられ、前記バルブには前記蓋の一部分の全厚みを貫通して延在する開口部が設けられ、また前記バルブにはさらにバルブプラグが備えられ、前記バルブプラグに、前記蓋の前記一部分の上面から鉛直方向で上に延在するバルブ上部分であって、前記バルブ上部分は下向きの圧力によって鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮するように構成されており、前記バルブ上部分は、前記下向きの圧力が存在しない場合に前記鉛直方向でよりコンパクトな形状から上向きに戻って拡張するようにさらに構成されている、バルブ上部分と、前記蓋の前記一部分の底面より鉛直方向で下に延在するバルブ底部分と、前記蓋の前記一部分の前記開口部の内側に少なくとも部分的に配置され、前記バルブ上部分を前記バルブ底部分に接続する、バルブ中央部分と、が備えられる。
【0005】
別の態様は、前記バルブ上部分は、収縮したとき、前記底中央部分の底面と前記底周縁部分の底面との間にある前記鉛直の間隙と同じかこれより小さな鉛直寸法を有し、また前記バルブ上部分は、拡張したとき、前記底中央部分の底面と前記底周縁部分の底面との間にある前記鉛直の間隙よりも大きな第2鉛直寸法を有する、ことを特徴とする上記のあらゆる容器である。
【0006】
別の態様は、前記バルブ中央部分に、前記開口部を少なくとも実質的に封止するように構成された幅広領域と、前記開口部の中に空気通路が設けられるようにして前記開口部を封止解除するように構成された狭領域と、が設けられたことを特徴とする上記のあらゆる容器である。
【0007】
別の態様は、前記幅広領域が、前記バルブ中央部分が前記蓋に対して下向きに動かされたときに前記開口部を少なくとも実質的に封止するように構成された、上幅広領域であって、前記狭領域が、前記バルブ中央部分が前記蓋に対して上向きに動かされたときに前記開口部の中に空気通路が設けられるように前記開口部を封止解除するように構成された、底狭領域である、ことを特徴とする上記のあらゆる容器である。
【0008】
別の態様は、前記容器は、前記容器が前記蓋により封止されているときに、電子レンジで加熱されるように構成されていることを特徴とする上記のあらゆる容器である。
【0009】
別の態様は、前記蓋が、中央部分であって、前記蓋の前記一部分が前記蓋の前記中央部分に含まれている中央部分と、前記蓋の前記中央部分の周りを取り囲むように配置された環状のガスケットと、前記ガスケットの少なくとも一部の周りを取り囲むように配置された環状の蓋周縁部と、をさらに備えることを特徴とする上記のあらゆる容器である。
【0010】
別の態様は、前記環状のガスケットが、前記ガスケットを前記中央部分に接合させる上側部分と、前記ガスケットの前記上側部分から下向きに下がる鉛直部分であって、前記ガスケットの前記上側部分の外端部より水平方向内側に位置する外側部が設けられる、鉛直部分と、前記ガスケットの前記鉛直部分にある前記外側部から水平方向外側に延在する可撓スカートと、を備えることを特徴とする上記のあらゆる容器である。
【0011】
別の態様は、前記収容部と前記蓋の前記一部分が何れもガラス製であることを特徴とする上記のあらゆる容器である。
【0012】
別の態様は、前記収容部は、前記収容部の前記側壁の外面に一以上の窪み部を有し、前記一以上の窪み部が前記収容部の前記縁部まで上に向かって延在することを特徴とする上記のあらゆる容器である。
【0013】
別の態様は、前記バルブ上部分が、中心部に開口を有する実質的に円形の上レベル部と、底レベル部と、前記底レベル部から前記実質的に円形の上レベル部まで螺旋状に上へと延びる2以上の接続セグメント部と、を備えていることを特徴とする上記のあらゆる容器である。
【0014】
別の態様は、前記バルブ上部分が上向きに湾曲したフラップを含み、前記上向きに湾曲したフラップには、前記上向きに湾曲したフラップの中心部に開口部が設けられており、前記上向きに湾曲したフラップは、前記上向きに湾曲したフラップの湾曲の底区域で前記バルブ中央部分に接合していることを特徴とする上記のあらゆる容器である。
【0015】
別の態様は、前記バルブプラグの少なくとも一部がシリコーンゴム製であることを特徴とする上記のあらゆる容器である。
【0016】
第3の態様において、容器の収容部のための取り外し可能な蓋に、前記蓋が前記収容部に配置されているときに前記収容部の流体保持内部領域から空気を選択的に通気させるように構成されたバルブが備えられ、前記バルブには前記蓋の一部分の全厚みを貫通して延在する開口部が設けられ、また前記バルブはさらにバルブプラグを有し、前記バルブプラグに、前記蓋の前記一部分の上面から鉛直方向で上に延在するバルブ上部分であって、前記バルブ上部分は下向きの圧力によって、鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮するように構成されており、前記バルブ上部分は、前記下向きの圧力が存在しない場合に前記鉛直方向でよりコンパクトな形状から上向きに戻って拡張するようにさらに構成され、前記バルブ上部分は、前記バルブ上部分が前記鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮するときに前記蓋の前記一部分の上面に向かって下向きに動くように構成された、上レベル部を有し、前記バルブ上部分は、前記バルブ上部分が前記鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮するときに、実質的に同じ位置に保たれるように構成された底レベル部をさらに有する、バルブ上部分と、前記蓋の前記一部分の底面より鉛直方向で下に延在するバルブ底部分と、前記蓋の前記一部分の前記開口部の内側に少なくとも部分的に配置され、前記バルブ上部分を前記バルブ底部分に接続する、バルブ中央部分と、が備えられる。
【0017】
別の態様は、前記バルブ中央部分に、前記開口部を少なくとも実質的に封止するように構成された幅広領域と、前記開口部の中に空気通路が設けられるようにして前記開口部を封止解除するように構成された狭領域と、が設けられたことを特徴とする上記のあらゆる取り外し可能な蓋である。
【0018】
別の態様は、前記幅広領域が、前記バルブ中央部分が前記蓋に対して下向きに動かされたときに前記開口部を少なくとも実質的に封止するように構成された、上幅広領域であって、前記狭領域が、前記バルブ中央部分が前記蓋に対して上向きに動かされたときに前記開口部の中に空気通路が設けられるように前記開口部を封止解除するように構成された、底狭領域である、ことを特徴とする上記のあらゆる取り外し可能な蓋である。
【0019】
別の態様は、中央部分であって、前記蓋の前記一部分が前記蓋の前記中央部分に含まれている中央部分と、前記蓋の前記中央部分の周りを取り囲むように配置された環状のガスケットと、前記ガスケットの少なくとも一部の周りを取り囲むように配置された環状の蓋周縁部と、をさらに備えることを特徴とする上記のあらゆる取り外し可能な蓋である。
【0020】
別の態様は、前記上レベル部が中心部に開口を有する実質的に円形の上レベル部であって、また前記バルブ上部分に、前記底レベル部から前記実質的に円形の上レベル部まで螺旋状に上へと延びる2以上の接続セグメント部がさらに備えられていることを特徴とする上記のあらゆる取り外し可能な蓋である。
【0021】
別の態様は、前記バルブ上部分が上向きに湾曲したフラップを含み、前記上向きに湾曲したフラップには、前記上向きに湾曲したフラップの中心部に開口部が設けられており、前記上向きに湾曲したフラップは、前記上向きに湾曲したフラップの湾曲の底区域で前記バルブ中央部分に接合し、前記底区域が前記底レベル部を含み、前記上向きに湾曲したフラップの残りの部分が前記上レベル部を含む、ことを特徴とする上記のあらゆる取り外し可能な蓋である。
【0022】
第4の態様において、方法として、一以上の食料品を調理または保存するための容器を電子レンジの内部に配置させるステップであって、前記容器に、底部および上に向かって延在する側壁を有する収容部であって、前記側壁が前記収容部の上開口部を定める縁部で終端する、収容部と、前記収容部のための取り外し可能な蓋であって、前記蓋は、前記蓋が前記収容部に配置されているときに前記収容部の流体保持内部領域から空気を選択的に通気させるように構成されたバルブを有し、前記バルブには前記蓋の一部分の全厚みを貫通して延在する開口部が設けられ、また前記バルブにはさらにバルブプラグが備えられ、前記バルブプラグに、前記蓋の前記一部分の上面から鉛直方向で上に延在するバルブ上部分であって、前記バルブ上部分は下向きの圧力によって鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮するように構成されており、前記バルブ上部分は、前記下向きの圧力が存在しない場合に前記鉛直方向でよりコンパクトな形状から上向きに戻って拡張するようにさらに構成されている、バルブ上部分と、前記蓋の前記一部分の底面より鉛直方向で下に延在するバルブ底部分と、前記蓋の前記一部分の前記開口部の内側に少なくとも部分的に配置され、前記バルブ上部分を前記バルブ底部分に接続する、バルブ中央部分と、が備えられる取り外し可能な蓋と、が備えられるステップと、前記容器が電子レンジの内部に配置され、さらに前記容器が前記蓋によって封止されているときに電子レンジを作動させるステップと、が備えられる。
【0023】
別の態様は、前記容器を電子レンジの内部に配置させるステップの前に前記蓋の前記一部分に配置された前記バルブを開放するステップがさらに含まれていることを特徴とする上記のあらゆる方法である。
【図面の簡単な説明】
【0024】
本開示ならびに本開示の特徴および利点の一以上の実施例をより完全に理解するために、添付の図面と併せて以下の説明を参照する。
【0025】
【
図1A】
図1Aは、収容部と、収容部の上に配置されて食品保存/調理容器を閉めるための蓋と、を有する例示的な食品保存/調理容器の断面図である。
【0026】
【
図1B】
図1Bは、蓋が収容部の上に配置された状態にある
図1Aに係る食品保存/調理容器の右角における拡大断面図である。
【0027】
【
図2】
図2は、蓋が収容部の上に配置されない場合における、
図1Aに係る食品保存/調理容器の蓋のみの左角におけるさらなる拡大断面図である。
【0028】
【
図3A】
図3Aは食品保存/調理容器の蓋の別の実施例に係る断面図である。
【0029】
【0030】
【0031】
【
図4A】
図4Aは食品保存/調理容器の蓋と収容部に係る別の実施例の断面図である。
【0032】
【0033】
【
図5A】
図5Aは、蓋に開放姿勢にあるバルブが設けられた、食品保存/調理容器の蓋と収容部の別の実施例の断面図である。
【0034】
【0035】
【
図6】
図6はバルブの例示的な外形を表す、
図5Aの食品保存/調理容器の上面図である。
【0036】
【0037】
【
図8】
図8は
図5Aの食品保存/調理容器の一部分における断面図であって、蓋の可撓スカートが下向きに変形する例を表す。
【0038】
【
図9】
図9は、
図5Aの食品保存/調理容器にある熱湯が、バルブが閉まった状態で冷却されたときに観測された圧力の時間変化を表すグラフである。
【0039】
【0040】
【
図11A】
図11Aは蓋に別の例示的なバルブが設けられた、食品保存/調理容器の蓋と収容部の別の実施例を表す断面図である。
【0041】
【
図11B】
図11Bは一方の収容部が他方の収容部の上に積み重なった、
図11Aに係る2つの食品保存/調理容器の断面図である。
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【
図12D】
図12Dは、鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮した例示的な上部分を有する
図12Aに係るプラグを表している。
【0046】
【0047】
【0048】
【
図13C】
図13Cは、鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮した例示的な上部分を有する
図13Aに係るプラグを表している。
【発明を実施するための形態】
【0049】
本開示の実施形態は、図面の
図1A~
図13Cを参照することによって最もよく理解され、各図面において同様の対応する部材には同じ符号が使用される。
【0050】
通常、食料品(残り物の食料品など)は、取り外し可能な蓋を有するプラスチック製の保存容器に保管することができる。しかしこれら普通の保存容器に欠点がある場合がある。例えば、これら保存容器の一部は電子レンジで加熱することができない。
【0051】
その一方、
図1A~
図13Cの食品保存/調理容器は、これら通常の保存容器に係る一以上の欠点に対処することができる。例えば、
図1A~
図13Cの食品保存/調理容器は、(食品保存/調理容器が、蓋により封止されていたとしても)電子レンジで加熱することができる。これにより、幾つかの実施例において、使用者は、食料品を電子レンジで加熱する前に、食料品を通常の保存容器から電子レンジ皿に移動させなくて済む。別の実施例において、
図1A~
図13Cの食品保存/調理容器は電子レンジ調理の際に通気させることができる。別の実施例において、
図1A~
図13Cの食品保存/調理容器は、食品保存/調理容器の上面または側面、好ましくは両面と上面の両方から、食料品を視認可能にすることができる。さらなる実施例として、
図1A~
図13Cの食品保存/調理容器は閉じることができ(例えば、係合させて封止させることができる)、また食品保存/調理容器が逆さまになっても食料品が漏れ出し、または外にこぼれないようにすることができる。
【0052】
図1A~
図2は食品保存/調理容器100の一実施例を表している。図示の通り、食品保存/調理容器100は収容部110と蓋200とを備えている。収容部110は食料品(例えば、固体の食料、液体、等)を保持、保存および/または調理(例えば、加熱、冷却、等)するためのあらゆるタイプの収容部または容器とすることができる。例えば、収容部110は、食料(残り物の食材など)を保存して、さらにこの残り物を収容部110の中に保存したまま、(例えば電子レンジで)加熱するために使用することができるガラス製の食料保存/調理収容部とすることができる。
【0053】
収容部110には底部120が含まれる。底部120は収容部110の基礎部分とすることができ、表面に配置されたときに収容部110を(例えば直立に保持して)支えることができる。底部120はあらゆる形状を有することができる。例えば、底部120の外面120a、底部120の内面120b、または底部120の全ては、円形、楕円形、正方形、長方形、ひし形、不規則な形状、その他形状、またはこれらのあらゆる組み合わせに形成することができる。図示の例では、底部120(および収容部110)の全てを円形状に(例えば、円対称性を有するように)形成されている。底部120はさらにあらゆる寸法を有することができる。例えば、底部120はあらゆる長さ(または径)、および厚みを有することができる。
【0054】
底部120は、収容部110が底部120の上に乗っているときに水平に配向させることができる。幾つかの実施例において、収容部110が底部120の上に乗っているときに、底部120を実質的に水平(例えば、水平から+/-5度)に配向させることができる。底部120の外面120aおよび/または内面120bはあらゆる湾曲度合および/または角度を有することができる。例えば、外面120aおよび/または内面120bの一方(または両方)は、平坦、実質的に平坦(平坦から+/-5度)、凸状、凹状、または他のあらゆる湾曲度合および/または角度を有することができる。図示の例では、外面120aが凹形状を有し、内面120bが凸形状を有することで、底部120は水平面から上向きに湾曲する。
【0055】
収容部110はさらに、底部120に接続されこれを取り囲む、上向きに延在する側壁130を有している。側壁130が底部120から上向きに延在することで、収容部110の流体保持内部領域190が形成されるようになっている。側壁130は底部120からあらゆる上向きの延在角度で上向きに延在することができる。例えば、側壁130は、90度、85度、80度、70度、60度、45度、95度、100度、110度、120度、135度、他の上向きの延在角度、または45度から135度までの間のあらゆる角度(または角度範囲)、またはこれらの実質的(例えば+/-5度)な角度で、上向きに延在することができる。
【0056】
側壁130は、側壁130の水平最外部分を定める外面130aと、側壁130の水平最内部分を定める内面130bとを有することができる。外面130aおよび/または内面130bは、あらゆる湾曲度合および/または角度を有することができる。例えば、外面130aおよび内面130bの一方(または両方)は、平坦、実質的に平坦(平坦から+/-5度)、凸状、凹状、または他のあらゆる湾曲度合および/または角度を有することができる。別の実施例では、外面130aおよび内面130bの一方(または両方)は、60度、55度、50度、45度、40度、35度、30度の湾曲度合または実質的な(例えば、+/-5度の)湾曲度合、他のあらゆる湾曲度合、または30度から60度までの間の(湾曲度合の範囲にある)湾曲度合、またはこれらの実質的な(例えば、+/-5度の)湾曲度合を有するようにして、湾曲させることができる。側壁130はあらゆる厚みを有することができる。
【0057】
側壁130は、収容部110の上開口部150を定める縁部140で終端するまで上向きに延在することができる。この上開口部150により、食料を収容部110の流体保持内部領域190の中に入れ、および/またはここから取り出すことができる。縁部、上開口部150、または全ての収容部110は、円形、楕円形、正方形、長方形、ひし形、不規則な形状、その他形状、またはこれらのあらゆる組み合わせに形成することができる。図示の通り、収容部110は円形に形成される(例えば、円対称性を有する)。上開口部150はあらゆる大きさを有することができる。例えば、上開口部150は側壁130の対向する2つの部分の間であらゆる長さ(または径)を有することができる。
【0058】
収容部110の縁部140は、底部120からあらゆる鉛直距離に配置させることができる。例えば、縁部140は、底部120から0.5インチ、底部120から1インチ、底部120から2インチ、底部120から3インチ、底部120から5インチ、底部120から6インチ、底部120から8インチ、底部120から10インチ、部120から12インチ、底部120から24インチ、底部120から他のあらゆる距離、または底部120から0.5インチから24インチまでの間にある鉛直距離(または鉛直距離の範囲)、にある鉛直距離または実質的な(例えば、+/-10%の)鉛直距離に配置させることができる。側壁130の外面130aは、縁部140の水平に最も外側の面を定めることができ、また壁130の内面130bは、縁部140の水平に最も内側の面を定めることができる。
【0059】
収容部110は、収容部110の中で食料品を保持、保存、および/または調理することのできる(例えば、電子レンジでの加熱、冷蔵庫での冷却、等)あらゆる素材から作ることができる。例えば、収容部110は、プラスチック、ガラス、セラミックガラス(例えば不透明セラミックガラス)、陶器材料、非金属材料、収容部110の中で食料品を保持、保存、および/または調理することのできる他のあらゆる材料、またはこれらの組み合わせ、から作ることができる。図示の例では、収容部110はガラスで作られている。ガラスでできた収容部110によって、実施例によっては、食品保存/調理容器100を電子レンジで加熱することができる(つまり、食品保存/調理容器100に保存された食料品を電子レンジで加熱できる)ようになる。ガラス製(透明ガラス、等)の収容部110はまた、食品保存/調理容器100の中に保存された食料品を、収容部110の側壁130から視認することを可能にする。
【0060】
上述した通り、食品保存/調理容器100にはさらに、収容部110と食品保存/調理容器100を封止するために使用することのできる蓋200が備えられる。この封止によって、収容部110の流体保持内部領域190から食料品がこぼれることを防止することができる。収容部110を封止するために、蓋200は収容部110の流体保持内部領域190の中に向かって、少なくとも部分的に下向きに延在するように構成することができ(例えば、縁部140を通過して下に延在することができる)、収容部110の側壁130の内面130bに対して篏合的に封止するようにさらに構成することができる。蓋200は取り外し可能であって、(例えば、洗浄のために、食品保存/調理容器100に食料品を追加するために)収容部110と食品保存/調理容器100を封止解除することができる。
【0061】
図示の通り、蓋200にはガスケット220で囲まれた中央部分210が含まれる。中央部分210はあらゆる形状を有することができる。例えば、中央部分210の外面210a、中央部分210の内面210b、または中央部分210の全てを、円形、楕円形、正方形、長方形、ひし形、不規則な形状、その他形状、またはこれらのあらゆる組み合わせ、に形成することができる。図示の例では、中央部分210(および蓋200の全て)は円形(例えば、円対称性を有する)に形成される。中央部分210はあらゆる寸法を有することができる。例えば、央部分210はあらゆる長さ(または径)と厚みを有することができる。
【0062】
中央部分210は、蓋200が収容部110に配置されたとき水平に配向することができる。実施例によっては、中央部分210は、蓋200が収容部110に配置されたとき実質的に水平に(例えば、水平方向から+/-5度に)配向することができる。中央部分210の外面210aおよび/または内面210bは、あらゆる湾曲の度合いまたは角度を有することができる。例えば、外面210aおよび内面210bの一方(または両方)は、平坦、実質的に平坦(平坦から+/-5度)、凸状、凹状、または他のあらゆる湾曲度合および/または角度を有することができる。図示の例では、外面210aと内面210bは何れも平坦であって、中央部分210を平板状にしている。
【0063】
中央部分210は、蓋200を付けた状態で収容部110の中で食料品を保持、保存、および/または調理(例えば、電子レンジでの加熱、冷蔵庫での冷却、等)することができるあらゆる材料から作ることができる。例えば、中央部分210は、プラスチック、ガラス、セラミックガラス(例えば不透明セラミックガラス)、陶器素材、非金属素材、収容部110の中で食料品を保持、保存、および/または調理することのできる他のあらゆる素材、またはこれらの組み合わせ、から作ることができる。図示の例では、中央部分210はガラスで作られている。ガラスでできた中央部分210によって、実施例によっては、食品保存/調理容器100を電子レンジで加熱することができる(つまり、食品保存/調理容器100に保存された食料品を電子レンジで加熱できる)ようになる。ガラス製(透明ガラス、等)の中央部分210はまた、食品保存/調理容器100の中に保存された食料品を、食品保存/調理容器100の蓋200の上から視認することを可能にする。
【0064】
蓋にはさらにガスケット220が含まれる。ガスケット220は、側壁130の内面130bと中央部分210との接合部を封止することにより、収容部100と食品保存/調理容器100を封止することのできる、あらゆるデバイス、部品、またはユニットとすることができる。ガスケット220は、あらゆる形状および/または寸法を有することができる。例えば、ガスケット220をリング状(例えば、環状)とすることで、ガスケット220は、中央部分210を中央部分210の水平方向で全周に沿って囲うことができる。さらに、ガスケット220の環状形状は円に限られない。代わりに、環状形状として、環状円、楕円形、正方形、長方形、ひし形、不規則な形状、他の任意の任意の形状、または前述の任意の組み合わせを含むことができる。さらに、環状形状として、一以上の楕円部分、曲線部分、非曲線部分、曲線部分と非曲線部分の組み合わせ、または前述の任意の組み合わせ、を含むことができる。これによりガスケット220をあらゆる形状の収容部110にフィットさせることができ、例えば楕円状の収容部110に、または直線状の側面と丸みを帯びた角を有する収容部110にフィットさせることができる。ガスケット220の代替的な形状にかかわらず、ガスケット220は、ガスケットのサブコンポーネントの剛性を考慮して、側壁130の形状に合わせて形成されるべきであって、ガスケット外側223aが屈曲して内面130bと封止的に係合するように形成される。この屈曲範囲は、容器100、蓋200およびガスケット220の想定される製造上のばらつきを受け入れるべきであって、蓋200が縁部140に対してどのように中心決めされているかに関係なく、ガスケット外側223aが内面130bと接触する。これらのばらつきは可撓スカート224と外側部223aが変形することのできる機能によって受け入れることができる。
【0065】
ガスケット220は、側壁130の内面130bと中央部分210との接合部を封止することにより、収容部110と食品保存/調理容器100を封止することのできるあらゆる素材から作ることができる。例えば、ガスケット220はゴム製、ポリマー、エラストマー(例えば、シリコーン、フルオロシリコーン、等)、側壁130の内面130bと中央部分210との接合部を封止することができ(食品保存/調理容器100を封止することのでき)るあらゆる素材、またはこれらの組み合わせ、から作ることができる。
【0066】
図1Bに図示されている通り、ガスケット220には、上側部分221と、鉛直部分223と、可撓スカート224とが含まれる。上側部分221は、ガスケット220を中央部分210に結合させるように構成されている。上側部分221は、ガスケット220を中央部分210にあらゆる方法で接合させるように構成することができる。例えば、上側部分221は、ガスケット220を中央部分210に接合させる接着剤を含むことができる。別の実施例では、図示の通り、上側部分221は、中央部分210の外周領域210a(
図2に図示)を受け入れることのできる内溝222(例えば、内周側溝)を有することができる。この内溝222は外周領域210aを保持することができ、これによりガスケット220を中央部分210に接合する。さらなる実施例として、上側部分221に、中央部分210の内溝の中に受け入れられる外周領域を設ける(即ち、上記の実施例とは反対である)ことができる。上側部分221には、上側部分221の水平方向に最も外側にある部分を定める外端部221aを設けることができる。
【0067】
上側部分221はあらゆる寸法および/または形状を有することができる。例えば上側部分221は、上側部分221の外端部221aが、側壁130の内面130bを通過して水平方向で外側に延在するような厚み(その他の寸法)を有することができる。別の実施例では、上側部分221は、上側部分221の外端部221aが、側壁130の外面130aを通過して水平方向で外側に延在するような厚み(その他の寸法)を有することができる。内面130bおよび/または外面130bを水平方向外側に通過して延在させることによって、ガスケット220(および蓋200)が収容部110の流体保持内部領域190内部に、完全に押し入れられることを、上側部分221のサイズにより防止することができる。
【0068】
ガスケット220はさらに鉛直部分223を含む。ガスケット220の鉛直部分223はガスケット220の上側部分221から下向きに下がっている。鉛直部分223は上側部分221から距離225を置いて下向きに下げることができる。この距離はどのような長さでもよく、例えば或いは実質的に(例えば+/-10%)、0.05インチ、0.1インチ、0.2インチ、0.3インチ、0.5インチ、0.75インチ、1インチ、1.5インチ、2インチ、3インチ、他のあらゆる長さ、または0.05インチと3インチの間にあるあらゆる長さ(または長さ範囲)とすることができる。
【0069】
鉛直部分223は、鉛直部分223の水平方向に最も外側の部分を定める外側部223aを含む。鉛直部分223の外側部223aは、ガスケット220の上側部分221の外端部221aより内側に位置(内に位置)させることができる。これにより鉛直部分223と可撓スカート224を、収容部110の流体保持内部領域190の内部にフィットさせることができる一方で、上側部分221または上側部分221の一部を、収容部110の流体保持内部領域190の外側に留めることができる。このような位置決めによって、ガスケット220は、側壁130の内面130bと中央部分210との接合部を封止することができ、これにより食品保存/調理容器100が封止される。外端部221aに対する鉛直部分223の内側位置は距離226として表される。距離226はどのような長さでもよく、例えば或いは実質的に(例えば+/-10%)、0.05インチ、0.1インチ、0.2インチ、0.3インチ、0.5インチ、0.75インチ、1インチ、1.5インチ、他のあらゆる長さ、または0.05インチと1.5インチの間にあるあらゆる長さ(または長さ範囲)とすることができる。
【0070】
鉛直部分223は上側部分221から角度227をつけて下向きに下すことができる。角度227は、鉛直部分223の外側部223aを、ガスケット220の上側部分221の外端部221aから内側に配置(内に位置)することのできるあらゆる角度とすることができる。例えば、角度227は、90度、85度、80度、75度、95度、100度、105度、外側部223aを外端部221aから内側に配置することのできる他のあらゆる角度、または75度から105度までの間にあるあらゆる角度(または角度範囲)とすることができるか、または実質的に(例えば+/-10%)することができる。
【0071】
さらに図示されている通り、ガスケット220にはまた可撓スカート224が含まれる。可撓スカート224は鉛直部分223の外側部223aから水平方向で外側に延在する。この延在によって可撓スカート224が側壁130の内面130bに接触する(および/または、押し付けられる)。この接触によって、ガスケット220(および蓋200)は、収容部110の側壁130の内面130bに対し係合的に封止することができる。
【0072】
可撓スカート224は、可撓スカート224の少なくとも一部が上下に屈曲(或いは動く)ことができるように、構成することができる。この可撓性によって、蓋200が収容部110の上に置かれた(鉛直部分223と鉛直スカート224が収容部110の流体保持内部領域190の中に配置された)ときに、可撓スカート224のこの部分を(摩擦および/または圧力によって)、収容部110の側壁130の内面130bにより上向きに動かすことができる。この上向きの動きの例が
図1Bに図示されているが、ここにおいて可撓スカート224が(破線で示された)未変形状態から、(実線で示された)上向きの変形状態に動いている。さらに蓋200を収容部110から取り外したとき、可撓スカート224の一部を未変形状態(破線で示される)に再び下向きに動かすことができる。
【0073】
可撓スカート224は、可撓スカート224の一部を上下に屈曲(或いは動かす)ことができるようなあらゆる方法で構成することができる。例えば、可撓スカート224はこのような屈曲が可能なあらゆる厚み(その他の寸法)を有することができる。別の例では、ガスケット220と可撓スカート224の素材(例えば、上述のゴム、ポリマー、エラストマーなど)はこのような屈曲を可能にする(またはその可能性に貢献する)ことができる。
【0074】
可撓スカート224は、収容部110の側壁130の内面130bに対し係合的に封止するようにして、側壁130の内面130bに接触させる(および/または、押し付ける)ことのできる、あらゆる寸法および/または形状を有することができる。例えば、可撓スカート224は未変形状態において、水平面を水平方向で外側に延在すること(つまり平坦にすること)ができる。好ましい実施例として、可撓スカート224は未変形状態において上向きの湾曲を有することができる。この上向きの湾曲(
図1Bで破線で表示)によって、収容部110の側壁130の内面130bに接触したときに、さらに上向きに曲がる(
図1Bの実線で表示)ような内在的な性質が提供される。また別の実施例として、可撓スカート224は未変形状態で下向きの湾曲を有することができる。可撓スカート224の例示的な形状に関するさらなる詳細は
図10A~
図10Dに図示されている。
【0075】
未変形状態(
図1Bの破線で図示)において、可撓スカート224は、側壁130の内面130bに接触させる(および/または押し付ける)ことができる任意の大きさだけ上下に湾曲することができる。例えば、湾曲によって、45度、50度、60度、70度、75度、80度、90度、100度、110度、120度、130度、135度、140度、150度、可撓スカート224を側壁130の内面130bに接触させる(および/または押し付ける)ことができる任意の角度、または45度から150度までの間にある任意の角度(または角度範囲)、の中心角度(
図2に図示)または実質的な(例えば、+/-10%)中心角度を有する弧を創出することができる。
【0076】
蓋200はさらに蓋周縁部250を有する。蓋周縁部250は、ガスケット220、中央部分210、および/または蓋200に外面または縁を提供するようにしてガスケット220および/または中央部分210に接合することのできる、あらゆるデバイス、部品またはユニットとすることができる。
図1Bに図示の通り、蓋周縁部250はガスケット220の上側部分221の周りに延在させることができる。例えば、蓋周縁部250の上面250bを上側部分221の上面221bに配置させることができ、蓋周縁部250の底面250cは上側部分221の底面221cに配置させることができ、また蓋周縁部250の外端部250aは上側部分221の外端部221aに配置させることができる。これにより蓋周縁部250にガスケット220の上側部分221の外表面の一部または全部を取り囲ませることができる。蓋周縁部250の外端部250aは、蓋周縁部250の水平方向に最も外側の部分を定めることができる。
【0077】
蓋周縁部250は蓋200の部分に圧力を与えることができる。例えば、幾つかの実施例において、蓋周縁部250は上側部分221の上面221b(さらに中央部分210の外周領域210aの上側)に実質的に下向きの圧力を与えることができ、またさらに上側部分221の底面221c(さらに中央部分210の外周領域210aの底側)に実質的に上向きの圧力を与えることができる。これはガスケット220が中央部分210に接合されることを補助することができ、これは例えば、上側部分221(および上側部分221の内溝222)を中央部分210の外周領域210aに押し込むかまたは絞めこむことによって接合される。別の実施例として、蓋周縁部250は実質的に水平方向の圧力をガスケット220の上側部分221の外端部221aに与えることができ、これにより外端部221aの対向する側面を共に絞める(或いは圧力を与える)ことができる(例えば、対向する側面の間に配置された中央部分210に対してこれらを絞めこむ)。これにより上側部分221にある内溝222を、中央部分210の外周領域210aに対し、さらに封止して係合して、付勢させる(および/または、反対に、中央部分210の外周領域210aが、上側部分221にある内溝222とさらに封止して係合するように、付勢させる)ことができる。例えば、中央部分210の外周領域210aを、(例えば、内溝222の最も外側の水平縁を、中央部分210の外周領域210aの外周に対し、さらに押すことによって)上側部分211の内溝222の中に、さらに付勢させることができる。
【0078】
幾つかの実施例において、蓋周縁部250はガスケット220に対するサポートを提供することができる。例えば、蓋周縁部250はガスケット220の素材を蓋周縁部250の近傍において強化することができる。この例として、蓋周縁部250は上側部分221の一部を締め付け、上側部分221を強化することができる(蓋周縁部250により纏められる)。これによりガスケット220を非常に柔らかく柔軟な素材で作る(ことで可撓スカート224の変形性を高める)ことを可能にしながらも、蓋200が収容部110に固く配置された場合に、ガスケット220(および蓋200)が収容部110の流体保持内部領域190の内側から完全に押し出されることがないように、上側部分221を十分に硬くし、かつ柔らかくならないようにすることができる。
【0079】
蓋周縁部250は、食品保存/調理容器100が食料品を保持、保存、および/または調理させることができる、あらゆる素材から作ることができる。例えば、蓋周縁部250は、食品保存/調理容器100の収容部110の中に保持された食料品を電子レンジで加熱しながら、食品保存/調理容器100を電子レンジの中に配置させることのできるあらゆる素材から作ることができる。この例として、蓋周縁部250は、プラスチック、ガラス、陶器素材、非金属素材、金属素材、食品保存/調理容器100に食料品を保持、保存、および/または調理させることができる他のあらゆる素材、またはこれらの組み合わせ、から作ることができる。好ましい実施例において、蓋周縁部250は金属またはステンレス鋼から作ることができる。幾つかの実施例において、薄く湾曲した金属シートから作られた蓋周縁部250の使用は、電子レンジでのアーク放電を防止するため、食品保存/調理容器100を電子レンジの中で加熱することを可能にする。
【0080】
さらに、好ましい実施例において、蓋周縁部250の素材は金属等の滑らかな素材とすることができる。例えば、ガスケット220が側壁130の内面130bに接触して(これにより封止を提供した)場合に、蓋周縁部250の底面250cの滑らかな素材(金属等)が(例えば、ガラス製の)収容部110の縁部140に接触することで、幾つかの実施例において、さらなる封止を提供することができる。さらにはキャビネットまたは冷蔵庫内における食料の保存または調理のために、封止された食品保存/調理容器100を概して気密にすることができる。
【0081】
蓋周縁部250はあらゆる寸法および/または形状を有することができる。例えば、上述の通り、蓋周縁部250は幾つかの実施例において、ガスケット220の上側部分221の外表面の一部または全部を取り囲むように寸法決めすることのできる薄い金属シートとすることができる。幾つかの実施例において、蓋周縁部250は、蓋周縁部250の外端部250aが、側壁130の内面130bを通過して水平方向外側に延在するような厚み(またはその他の寸法)を有することができる。他の実施例において、蓋周縁部250は、蓋周縁部250の外端部250aが、側壁130の外面130aを通過して水平方向外側に延在するような厚み(またはその他の寸法)を有することができる。内面130bおよび/または外面130bを水平方向外側に通過して延在させることによって、ガスケット220(および蓋200)が収容部110の流体保持内部領域190内部に完全に押し入れられることを防止することを、蓋周縁部250のサイズによって補助することができる。したがって、収容部110と食品保存/調理容器100を閉鎖または封止するために開口部150に蓋200が設置されると、蓋周縁部250が第1縁部140を超えて延在することで、ガスケット220の上開口部150への鉛直方向の移動を制限することができ、可撓スカート224が側壁130の内面130bに封止的に係合するようになっている。ガスケット220の鉛直方向の移動がこのように制限されることによって、蓋200が食品保存/調理容器100を封止していても、ガスケット220の一部(例えば、上側部分221、上側部分221の一部)を、収容部110の縁部140よりも鉛直方法で上に保つことができる。
【0082】
蓋周縁部250はリング状(すなわち環状)とすることができ、これにより蓋周縁部250が、ガスケット220の上側部分221を水平方向の全周に沿って(つまりガスケット220の上側部分221の外端部221aの全部に沿って)取り囲むことが可能となる。さらには、蓋周縁部250の環状形状は円に限られない。代わりに、この環状形状には環状の円、楕円、四角、長方形、ひし形、不規則な形状、他の形状、またはこれらの組み合わせ、が含まれていても構わない。さらに、環状形状として、一以上の楕円部分、曲線部分、非曲線部分、曲線部分と非曲線部分の組み合わせ、または前述の任意の組み合わせを含むことができる。これにより蓋周縁部250をあらゆる形状のガスケット220および収容部110にフィットさせることができ、例えば楕円状のガスケット220および収容部110、または直線状の側面と丸みを帯びた角とを有するガスケット220および収容部110、にフィットさせることができる。図示の例では、蓋周縁部250、ガスケット220、中央部分210、蓋200、および収容部110は、円形に形成されている。蓋200と蓋周縁部250の代替的な形状にかかわらず、蓋周縁部250が金属で作られ、収容部110が電子レンジでの使用を意図している場合には、蓋周縁部250に鋭利な角部は設けられるべきではなく、数ミリメートルよりも大きな曲率半径を有するべきであって、より好ましくは少なくともセンチメートルまたは数センチメートルの曲率半径を有するべきである。
【0083】
蓋周縁部250は、上側部分221の上面221bを越えて水平方向内側を(中央部分210に向かって)延在し、また中央部分210に接触するように下向きに延在する上内周部251を有することができる。これにより幾つかの実施例において、ガスケット220の内溝222に汚れが浸入する可能性を最小限に抑えることができる。好ましい実施例では、
図1Bおよび
図2に図示の通り、上内周部251は折り返されている。これにより幾つかの実施例において、折り返しの湾曲部分を中央部分210に接触させることができる。
【0084】
明細書の範囲から逸脱することなく、
図1A~
図2の食品保存/調理容器100に対して変更、追加、置換/置換を行うことができる。例えば、食品保存/調理容器100の蓋200に蓋周縁部250が含まれるものとして説明してきたが、実施例によっては、蓋200に蓋周縁部250が含まれずとも構わない。
【0085】
図3A~
図3Cは食品保存/調理容器100の蓋200に関する別の実施例を表す。
図3A~
図3Cの蓋200は
図1A~
図2の蓋200に実質的に類似するものとすることができる。しかし、
図3A~
図3Cの蓋200のガスケット220はさらに、一以上の緩衝部260および一以上の孔229を含むことができる。また、
図3A~
図3Bの蓋200は、
図1A~
図2の収容部110に実質的に類似する収容部110の上に配置(またはこれと共に使用)することができる。
【0086】
図示の通り、ガスケット220は一以上の緩衝部260を備えることができる。緩衝部260は、蓋200が収容部110に中心決めされることを補助することができる。例えば、蓋200が収容部110に配置されるとき、緩衝部260を収容部110の側壁130の内面130bに当てるか、または擦れされることができる。緩衝部260がこのように側壁130の内面130bに両側面で当たり、または擦れることにより、蓋200が収容部110で正しく中心決めされていることをユーザーに知らせることができる例えば、緩衝部260により提供される誘導を使用することによって、ユーザーは、中央部分210が縁部140により定められる平面と平行な平面内にきた状態で、蓋200を下向きにより簡単に動かすことができる。
【0087】
実施例によっては、可撓スカート224の柔軟な性質によって、蓋200が収容部110で正しく中心決めされていることをユーザーに正しく知らせることができなくなる可能性があるため、緩衝部260が役に立つことがある。それどころか、緩衝部がないと、ユーザーは蓋200を不適切に配置させる可能性があって、可撓スカート224の第1部分を内面130bに接近させすぎる一方で、可撓スカート224の反対側の部分が内面130bから離れすぎているような位置に蓋200を不適切に配置させ(これにより効果のない封止が提供され)る可能性がある。
【0088】
緩衝部260は、収容部110に蓋200を中心決めさせることを補助することのできる、ガスケット220に配置されたあらゆる構造体とすることができる。例えば、緩衝部260は、ガスケット220の外形状における突起部(またはその他の材料片)、ガスケット220の上側部分221から下向きに突出するリップ、収容部110に蓋200を中心決めさせることを補助することのできる、ガスケット220に配置された他のあらゆる構造体、またはこれらのあらゆる組み合わせ、とすることができる。図示の例では、緩衝部260は、ガスケット220の外形状における突起部(またはその他の材料片)である。
【0089】
緩衝部260は、収容部110に蓋200を中心決めさせることを補助することのできる、ガスケット220のあらゆる位置に配置させることができる。例えば、緩衝部260は、ガスケット220の上側部分221に(例えば、上側部分221の底面221cから下向きに延在するリップとして)配置させることができるか、ガスケット220の鉛直部分223に(例えば、鉛直部分223の外側部223aから水平方向外側に延在する突起部として)配置させることができるか、ガスケット220の上側部分221と鉛直部分223の両方(例えば、
図3A~
図3Cに図示の通り、底面221cから下向きに延在し、さらに鉛直部分223の外側部223aから水平方向外側に延在する突起部)に配置させることができるか、収容部110に蓋200を中心決めさせることを補助することのできるガスケット220の他のあらゆる位置に配置させることができるか、またはこれらの組み合わせの位置に配置させることができる。
【0090】
緩衝部260は、収容部110に蓋200を中心決めさせることを補助することのできるあらゆる寸法および/または形状を有することができる。例えば緩衝部260は、水平方向で最も外側にある面が、ガスケット220の上側部分221の外端部221aから内側に位置(内に位置)するように寸法決めすることができる。この水平方向で最も外側にある面の位置によって、上側部分221または上側部分221の一部を収容部110の流体保持内部領域190の外側に留めたまま、収容部110の流体保持内部領域190の中に緩衝部260をフィットさせることができる。
【0091】
また別の例では、例えば緩衝部260は、水平方向で最も外側にある面が、可撓スカート224の水平方向で最も外側の部分から内側に位置(内に位置)するように寸法決めすることができる。これにより緩衝部260を上下に屈曲するように構成させることなく、緩衝部260は、(蓋200が収容部110に配置されたときに)蓋200を収容部110に中心決めさせることを補助することができる。別の実施例として緩衝部260は、(蓋200が収容部110に配置されたときに)緩衝部260の水平方向で最も外側の面が側壁130の内面130bに位置するか、これより僅かに内側に位置するようにして、寸法決めすることができる。実施例によっては、(食品保存/調理容器100を封止するために蓋200が収容部110に配置されたときの)緩衝部260の水平方向で最も外側の面と側壁130の内面130bとの間の水平距離は、例えば、0ミリメートル、0.1ミリメートル、0.25ミリメートル、0.5ミリメートル、1ミリメートル、1.5ミリメートル、2ミリメートル、緩衝部260が収容部110に蓋200を中心決めさせることを補助することができるあらゆる距離、もしくは0ミリメートルから2ミリメートルまでの間にある距離(または距離範囲)、にある距離または実質的(例えば+/-10%)な距離とすることができる。
【0092】
ガスケット220に任意数の緩衝部260を設けることができる。例えば、ガスケット220に2以上の緩衝部260を設けることができるが、4~6個の緩衝部260が好ましい。蓋と縁部の周囲によっては6を超える緩衝部260を設けることが好ましい場合もあるが、緩衝部260間が30度から90度まで間の一様な角度間隔であれば、成形の複雑さや製造上の欠陥の可能性を不必要に高めることがなく、中心決めする上で十分である。緩衝部260は、ガスケット220に沿って互いに間隔を空ける(例えば、角度の間隔を空ける)ことができる。例えば、各緩衝部260は、ガスケット220の外周に沿って(例えば、上側部分221の外端部221aによって創出された周囲に沿って)、0.25インチ、0.5インチ、1インチ、1.5インチ、2インチ、3インチ、5インチ、もしくは0.25インチから5インチまでの間にある任意の距離だけ、またはこれらの実質的な距離(例えば、+/-10%)だけ、互いの緩衝部260の間隔を空ける(例えば、角度の間隔を空ける)ことができる。
【0093】
また図示の通り、ガスケット220は一以上の孔を備えることができる。この孔229によって、蓋200が収容部110と食品保存/調理容器100を封止しているときに、収容部110の流体保持内部領域190から空気を通気させることができる。例えば、孔229は、ガスケット220の鉛直部分223と側壁の内面130bの間に配置された一以上の位置から収容部110の外に空気を放出することができる。これにより食品保存/調理容器100をより確実に封止することができるが、これは蓋を閉鎖するプロセスの際に、通気によって、流体保持内部領域190に空気が閉じ込められ圧縮されることが防止されるからである。これは有用である可能性があるが、流体保持内部領域190で圧縮された空気は、蓋200を上向きに付勢し、ガスケット220により提供される封止を徐々に破壊する可能性があるからである。
【0094】
さらには、電子レンジで食品保存/調理容器100が加熱されるとき、生成された蒸気および/または熱気が孔229から徐々に通気される(また、蓋周縁部250が収容部110の縁部140に接する場所に、および/または、この場所から排気される)。この蒸気および/または熱気の通気によって、いくつかの実施例において、蓋200が収容部110の上部から爆発的に飛び出すことを、防止することができる。
【0095】
孔229は、蓋200が収容部110に配置され(これにより食品保存/調理容器100が封止され)たときに、流体保持内部領域190から空気を通気させることのできる、ガスケット220上に配置されたあらゆる通気構造体とすることができる。例えば、図示の通り、孔229はガスケット220にある穴(または他の孔)とすることができる。
【0096】
孔229は、蓋200が食品保存/調理容器100を封止しているときに、収容部110の流体保持内部領域190から空気を排気させることのできる、ガスケット220上のあらゆる部分に設けることができる。例えば孔229は、鉛直部分223、可撓スカート224、または蓋200が食品保存/調理容器100を封止しているときに収容部110の流体保持内部領域190から空気を通気させることのできる、ガスケット220上の他のあらゆる部分、またはこれらのあらゆる組み合わせ、に設けることができる。図示の例では、孔229は可撓スカート224に設けられる。幾つかの実施例において、孔229は、可撓スカート224が鉛直部分223の外側部223aに接合する位置の隣接位置(例えば、0.5インチ、0.3インチ、0.1インチ、2ミリメートル、の範囲内または実質的な範囲内)において、可撓スカート224に設けることができる。このような位置決めによって、側壁130の内面130bによって上向きに動かされた場合に、可撓スカート224で孔229が閉塞し、または塞がることを防止することができる。
【0097】
孔229は、蓋200が食品保存/調理容器100を封止しているときに収容部110の流体保持内部領域190から空気を通気させるための、あらゆる寸法および/または形状を有することができる。例えば孔229は、円形、楕円形、正方形、長方形、ひし形、不規則な形状、その他形状、またはこれらのあらゆる組み合わせとして形成することができる。別の実施例として、孔229は、1ミリメートルからおおよそ約5ミリメートル未満までの径または実質的な径(例えば+/-10%)を有することができる。孔229が大きければ大きいほど流体はより漏れやすくなる。どのような物理的な孔も流体密封ではないため、孔が大きくなくて小さい場合には、毛細管力が流体の漏出を最小化させる。
【0098】
孔229は、蓋200が食品保存/調理容器100を封止しているときに収容部110の流体保持内部領域190から空気を排気させることを可能にする、あらゆる方法でガスケット220上に形成することができる。例えば、孔229をガスケット220と一体的に形成することができる。このような場合、ガスケット220を形成するために使用した型に、孔229をまた形成する突出部を設けることができる。別の実施例では、ガスケット200を形成した後に孔229を形成することができる。このような場合、機械などを用いてガスケット200の幅を貫通して孔229をあけることができる。
【0099】
ガスケット220にあらゆる数の孔229を設けることができる。例えば、ガスケット220には好ましくは2~8個の孔が設けることができるが、電子レンジ調理の際に蒸気や熱風を外に流出させて内圧の形成が最小化されるように、孔の大きさに応じてこれよりも多くのまたは少ない数の孔229を配置させることができる。孔229を再現可能な方法で1mm未満で作成することができれば、熱風や蒸気を逃がすための同じ有効断面積を提供するという意図で、より多くを使用することができる。これからさらに説明する他の実施形態では孔229を必要としない。孔229はガスケット220に沿って互いに間隔をあける(例えば、接線方向に間隔をあける)ことができる。例えば、各孔229は、可撓スカート224によって創出された周囲に沿って、1ミリメートル、2ミリメートル、0.1インチ、0.25インチ、0.5インチ、1インチ、1.5インチ、2インチ、3インチ、5インチ、もしくは1ミリメートルから5インチまでの間にある任意の距離だけ、またはこれらの実質的な距離(例えば、+/-10%)だけ、互いの孔229の間隔を空けることができる。
【0100】
本明細書の範囲から逸脱することなく、
図3A~
図3Cの蓋200に対して変更、追加、および/または、置き換えを行うことができる。例えば蓋200は緩衝部260と孔229の両方を備えるものとしてこれまで説明してきたが、蓋200は緩衝部260のみ、または孔229のみを備えるものとして、または緩衝部260と孔229の何れも含まれないものとすることができる。
【0101】
図4A~
図4Bは食品保存/調理容器100の収容部110と蓋200の別の実施例を表している。
図4A~
図4Bの収容部110は、
図1A~
図2および/または
図3A~
図3Cに係る収容部110と実質的に類似している。しかしながら、
図4A~
図4Bの収容部110にはさらに一以上の窪み部131をさらに含むことができる。
図4A~
図4Bの蓋200は、
図1A~
図2および/または
図3A~
図3Cに係る蓋200と実質的に類似している。しかしながら、蓋200の蓋周縁部250は異なる形状を有することができる。窪み部131と蓋周縁部250のこの形状によって、蓋200を収容部110から取り外し易くすることができる。
【0102】
図示の通り、収容部110の側壁130の外面130aは、収容部110の縁部140まで上に向かって延在する一以上の窪み部131を含むことができる。窪み部131は、ユーザーが一以上の指(または指先もしくは他の物体)を挿入することができるスペースを提供することができ、蓋周縁部250の一部分の下側に指(その他の物体)を配置することができる。この配置によってユーザーは蓋フレーム250を上向きにより簡単に付勢させ、ガスケット220を、収容部110の側壁130の内面130bとの封止的な係合から、より容易に解放させることによって、食品保存/調理容器100を開けることができる。その後、収容部110の内容物を収容部110から上開口部150を介して注ぐ(または取り出す)ことができる。
【0103】
窪み部131は、ユーザーが一以上の指(または指先もしくはその他の物体)を挿入することができるスペースを提供する、あらゆる寸法および/または形状(および/または配置)を有することができる。例えば窪み部131は、蓋周縁部250の外端部250aが(窪み部131が設けられた)外面130aを、2ミリメートル、0.1インチ、0.2インチ、0.25インチ、0.3インチ、0.4インチ、0.5インチ、0.6インチ、0.75インチ、0.8インチ、0.9インチ、1インチ、1.5インチ、もしくは2ミリメートルから1.5インチまでの間にある任意の距離(もしくは距離範囲)だけ、またはこれらの実質的な距離(例えば、+/-10%)だけ越えて、水平方向外側に延在させるだけの深さを有することができる。別の実施例として、窪み部131は、外面130aの周囲に沿って、一以上の指(例えば、1つの指、2つの指、4つの指)を窪み部131の中にフィットさせることのできる幅(または長さ)を有することができる。この例として、窪み部131は、外面130aの周囲に沿って、0.5インチ、1インチ、1.5インチ、2インチ、2.5インチ、3インチ、3.5インチ、4インチ、5インチ、外面130aの全周、または0.5インチから外面130aの全周までの間にあるあらゆる距離(または距離範囲)の幅(または長さ)もしくは実質的(例えば、+/-10%)な幅(または長さ)を有することができる。図示の例では、
図4A~
図4Bの外面130aには、外面130aの全周を取り囲んで延在する(つまり外面130aの全周に等しい幅を有している)1つの窪み部131が設けられている。
【0104】
外面130aは任意数の窪み部131を有することができる。例えば、外面130aは1個の窪み部131、2個の窪み部131、3個の窪み部131、4個の窪み部131、8個の窪み部131、10個の窪み部131、20個の窪み部131、他のあらゆる数の窪み部131、または1個から20個までの(範囲内にある)窪み部131を有することができる。図示の例では、
図4A~
図4Bの外面130aには、外面130aの全周を取り囲んで延在する1つの窪み部131が設けられる。
【0105】
外面130aに複数の窪み部131が設けられる(例えば、四角形の収容部110の各側面に1つの窪み部131がある)場合、外面130aに沿って窪み部131を互いに離すことができる。例えば、各窪み部131は、外面130aの周囲に沿って、0.5インチ、1インチ、2インチ、3インチ、4インチ、5インチ、6インチ、10インチ、もしくは0.5インチから10インチまでの間にある任意の距離(もしくは距離範囲)だけ、またはこれらの実質的な距離(例えば、+/-10%)だけ、互いの窪み部131の間隔を空けることができる。幾つかの実施例において、外面130aは、収容部110の一側面あたり一以上の窪み部131を設けることができる。例えば、収容部110が四角形(または実質的に四角形)の場合、外面130aは、四角形の一側面あたり1つの窪み部131(全部で4つの窪み部131)を設けることができる。これらの窪み部131は、例えば、各側面の中心部(中央部)に配置させることができる。
【0106】
上記の通り、
図4A~
図4Bの蓋周縁部250は、
図1A~
図3の蓋周縁部250とは異なる形状を有することができる。図示の通り、蓋周縁部250(例えば、金属製のリング状薄シート)は、ガスケット220の上側部分221の外端部221a上に(を覆って)配置された外端部250aと、ガスケット220の上側部分221の上面221b上に(を覆って)配置された上面250bと、ガスケット220の上側部分221の底面221c上に(を覆って)配置された底面250cと、を有することができる。これにより蓋周縁部250に、ガスケット220の上側部分221の外表面の一部または全部を覆わせることができる。
【0107】
図1A~
図3の蓋フレーム250と同様にして、
図4A~
図4Bの蓋フレーム250の上面250bは、上側部分221の上面221bを越えて水平方向内側を(中央部分210に向かって)延在し、また中央部分210に接触するように下向きに延在する上内周部251を有することができる。
図4A~
図4Bの上内周部251が緩く折り返されていることによって、丸上縁部254を提供することができる。この丸上縁部254を中央部分210に近づけて接触させることができる。さらには、丸上縁部254によってさらに、全ての上面250bを丸型の外形状にさせることができる。幾つかの実施例において、この丸型の形状によって上面250bの一部分を、ガスケット220の上側部分221の上面221bを覆いながらも、これに常時接触することなく、延在させることができる。これは
図4Bにおいて上面221bと上面250bの間にある間隙により認められる。
【0108】
図4A~
図4Bの蓋フレーム250の底面250cは丸下縁部252を有することができる。この丸下縁部252の一部または全部は、図示の通り、窪み部131の位置において、外面130aを通過して水平外側に延在することができる。外面130aを越えて延在することによって、収容部110の蓋200をユーザーが持ち上げるために使用することのできるより快適な丸縁を、蓋フレーム250に設けることができる。幾つかの実施例において、この丸下縁部252によって底面250cの一部分を、ガスケット220の上側部分221の底面221cを覆いながらも、これに常に接触させないで、延在させることができる。これは
図4Bにおいて底面250cと底面221cの間にある間隙から認められる。丸下縁部252は、
図4Bに図示の通り、外端部221aと内溝222の開始部分との間にあるガスケット220の深さ(または厚み)と同じくらいの深さD(
図4Bに図示)を有することができる。
【0109】
ガスケット220の上側部分221は、丸下縁部252と丸上縁部254の間にあり、これと隣接する領域の内に固定することができる。実施例によっては、上述の通り、蓋周縁部250に近接させてガスケット220の素材を強化することができる。これによって幾つかの実施例において、蓋200が持ち上げられた場合に中央部分210を内溝222の中に残したままとすることができる。さらには、蓋フレーム250がガスケット200の上側部分221を強化したまま、収容部110の側壁130の内面130bを容易に湿潤させ封止するために、可撓スカート224を柔らかく柔軟にすることができる。
【0110】
収容部110から蓋200を持ち上げるためには、ユーザーは窪み部131において丸下縁部252の下に、少なくとも1つの指先を入れることができることが理解されよう。さらに蓋200を上から掴んで、または下から収容部110を押し上げることによって、ユーザーは丸下縁部252の下に少なくとも1つの指先を入れることができることも理解されよう。
【0111】
本明細書の範囲を逸脱することなく、
図4A~
図4Bの食品保存/調理容器100に、改変、追加、および/または、置き換えを行うことができる。例えば、食品保存/調理容器100は、窪み部131と、丸下縁部252と、丸上縁部254とをそれぞれ含むものとして説明されるが、実施例によっては、食品保存/調理容器100は、窪み部131のみを有するか、丸下縁部252のみを有するか、丸上縁部254のみを有するか、これら3つの特徴のうち2つの特徴のみを有するか、またはこれら3つの特徴を一切含まないものとすることができる。
【0112】
図5A~
図9は、食品保存/調理容器100の収容部110および蓋200の別の実施例を表している。
図5A~
図9の収容部110は、
図1A~
図2、
図3A~
図3C、および/または
図4A~
図4Bに係る収容部110と実質的に類似したものとすることができる。
図5A~
図9の蓋200は、
図1A~
図2、
図3A~
図3C、および/または
図4A~
図4Bに係る蓋200と実質的に類似したものとすることができる。しかしながら、
図5A~
図9の中央部分210は、蓋200が収容部110および食品保存/調理容器100を封止しているときに、収容部110の流体保持内部領域190から空気を選択的に通気させることのできる一以上のバルブ300をさらに含むことができる。
【0113】
バルブ300によって食品保存/調理容器100をより確実に封止することができるが、これは通気によって、蓋を閉鎖するプロセス中に空気が流体保持内部領域190の中に閉じ込められ圧縮されることを防止することができるからである。例えば、食品保存/調理容器100が封止されているときにバルブ300が開放(通気)すると、収容部110中の空気がバルブ300から通気されているときに蓋200を下向きに抑えることができる。これは、流体保持内部領域190内の圧縮空気が食品保存/調理容器100から完全に封止されることを防止し、或いは蓋200が上向きに付勢されてガスケット220によって提供される封止が徐々に破壊されることを防止することができるために、有用である場合がある。例えば、このバルブ300による通気によって、ガスケット220の可撓スカート224を、側壁130の内面130bに対して(縁部140の下で)封止させることができる。また、蓋200を収容部110上に配置し、食品保存/調理容器が完全に封止された後に、バルブ300を閉鎖することができる。さらに、バルブ300が開放している状態で、電子レンジで食品保存/調理容器100が加熱されると、発生した蒸気および/または熱風はバルブ300から徐々に排気される。このような蒸気および/または熱風の通気によって、蓋200が収容部110の上部から爆発的に飛び出すことを防止することができる。
【0114】
幾つかの実施例において、蓋200でバルブ300を使用することによって、ガスケット220に孔229が一切含まれない場合であっても、空気を通気させることができる。例えば、孔229のない食品保存/調理容器100にバルブ300を備えることができる。別の実施例では、食品保存/調理容器100において、バルブ300と孔229を含めることができる。幾つかの実施例において、蓋200に孔229またはバルブ300の何れも設けられていない場合(またはバルブ300が閉鎖している場合)には、閉じ込められた空気の圧縮によって可撓スカート224を収容部110の縁部140より下に完全に挿入することについて抵抗を受けるので、閉じ込められた空気の圧縮によって、食品保存/調理容器100の封止は防止される。他の実施例では、食品保存/調理容器100に孔229またはバルブ300が設けられていない場合であっても、食品保存/調理容器100はまだこの空気の一部を排気させることができる。さらには、他の実施例において、食品保存/調理容器100に孔229またはバルブ300が設けられていない場合であっても、食品保存/調理容器100を適切に封止することができる。例えば、実施例によっては、食品保存/調理容器100に孔229またはバルブ300の何れかが設けられていなくとも構わない。
【0115】
図示の例では、
図5A~
図9の食品保存/調理容器100には一以上のバルブ300が含まれる。バルブ300は、中央部分210を通って流体保持内部領域190から空気を選択的に通気させることができ、また中央部分210を通って流体保持内部領域190から空気を通気することを選択的に防止することもできる、あらゆるデバイス、部品、またはユニットとすることができる。例えば、バルブ300は、穴とプラグの組み合わせ、スライドゲートバルブ、ダイヤフラムもしくはメンブレンバルブとすることができ、または中央部分210を通って流体保持内部領域190から空気を選択的に通気させることができ、且つ中央部分210を通って流体保持内部領域190から空気を通気することを選択的に防止することもできる、あらゆるデバイス、部品、またはユニットとすることができ、またはこれらの組み合わせとすることができる。
図5A~
図9のバルブ300は、図示の通り、穴とプラグの組み合わせである。
【0116】
図示の実施例において、バルブ300は中央部分210における穴115と、プラグ301とを有する。穴115は中央部分210の全厚みを通って延在するあらゆる開口部とすることができ、穴115から中央部分210を通って空気を通過させることができるようになっている。穴115は、バルブ300によって空気を、中央部分210を通って流体保持内部領域190から選択的に通気させることができ、また中央部分210を通って流体保持内部領域190から空気を通気することを選択的に防止することもできる、あらゆる形状および/または寸法を有することができる。
【0117】
プラグ301は、穴115を選択的に塞ぐ(または閉鎖する)ことのできるあらゆるデバイス、部品、またはユニットとすることができる。プラグ301は、穴115を選択的に塞ぐことで中央部分210から空気が通過しないようにすることのできる、あらゆる素材から作製することができる。例えばプラグ301は、ゴム、ポリマー、エラストマー(例えば、シリコーン、フルオロシリコーン、等)から作ることができ、プラグ301が穴115を選択的に塞ぐ(或いは閉鎖する)こと(で中央部分210を空気が通過しないようにすること)のできるあらゆる素材、またはこれらの組み合わせ、から作ることができる。好ましい実施例において、プラグ301はシリコーンゴムのような柔らかく弾性のある変形可能な素材から作られている。
【0118】
プラグ301は、穴115を選択的に塞ぐ(或いは閉鎖する)ことのできるあらゆる寸法および/または形状を有することができる。例えば、図示の通り、プラグ301は、穴115の中に少なくとも部分的に配置された中央部分302と、上部分303と、底部分304とを備えることができる。上部分303は、穴115の上から外側に延在し、穴115よりも大きな寸法(例えば、幅)を有することができる。ユーザーはプラグ301を下向きに動かすためにこの上部分303を押し下げることができ、またプラグ301を上向きに動かすためにこの上部分303を引き上げることができる。上部分303は、穴115の底部の外側に延在し、穴115よりも大きな寸法(例えば、幅)を有することができる。
【0119】
中央部分302は、上幅広領域302aと底狭領域302bの、2つの領域を含むことができる。上幅広領域302aは、穴115の形状および/または大きさと同じ(かこれよりも大きい)形状および/または大きさを有することができる。例えば、上幅広領域302aが穴115の中に配置(または位置合わせ)された場合(例えば、
図5Bに認められる通り、穴115の側壁の内側に上幅広領域302aが配置されるようにしてプラグ301が下向きに動く場合)、上幅広領域302aは少なくとも実質的に穴115を閉鎖することができ、バルブ300から空気が通過することを防止する。
【0120】
底狭領域302bは、穴115の形状および/または大きさと異なる、および/またはこれよりも小さな、形状および/または大きさを有することができる。例えば、底狭領域302bが穴115の中に配置(または位置合わせ)された場合(例えば、
図5Aに認められる通り、穴115の側壁の内側に底狭領域302bが配置されるようにしてプラグ301が上向きに動く場合)、
図5Aに図示されているように、穴115から空気の通り道を提供することができる。底狭領域302bの形状および/または大きさの例として、底狭領域302bが穴115と同じくらいの幅でなくとも構わない(穴115の幅よりも鉛直方向により厚みがあっても構わない)。別の実施例として、底狭領域302bは穴と異なる形状でも構わない(例えば、穴115が円形の断面を有する一方で底狭領域302bが三角形の断面を有していても構わない)。
【0121】
バルブ300が開いている場合(例えば、プラグ301が引き上げられている場合)、空気や蒸気は穴115から出ることができ、また外気を穴115の中に入ることができる(これにより収容部110の流体保持内部領域190の中の真空を解放することができる)。場合によっては、バルブ300が閉まっている場合(例えば、プラグ301が押し下げられている場合)、空気や蒸気を穴115から出さず、また外気を穴115の中に入れないようにすることができる。
【0122】
幾つかの実施例において、バルブ300はさらに、穴115の周囲から蓋200を封止して螺合するOリング、または内部のインサート(図示せず)を含むことができる。さらには、プラグ301が引き上げられた場合にバルブ300が開くものとして図示されているが、実施例によっては、プラグ301が引き上げられた場合にバルブ300が閉まっても(かつプラグ301が押し下げられた場合に開いても)構わない。このような実施例では、底狭領域302bを、上幅広領域302aより鉛直方向上側に配置させることができる。
【0123】
好ましい実施形態において、バルブ300はさらに、食品保存/調理容器100の中で保持および/または/保存される食料に関する一以上の表示を提供することができる。例えば、
図6に図示されている通り、蓋200に、食品保存/調理容器100の中で保持、および/または、保存される食料品の使用可能日を表す一以上のマーク290(例えば、食品保存/調理容器100の中に食料品が入れられた日付の表示、食料品を廃棄すべき時の表示)を含めることができる。図示の通り、マーク290は一週間のうち1日から7日まで動くことができるが、一か月の週、一年のうちの月、或いは他の表示(例えば、食材の種類、調理方法、等)を表すものとすることができる。
【0124】
図6の実施例において、プラグ301はさらに、蓋200上のマーク290の1つを指し示すことのできる形状もしくはマーク(例えば、外側を向く1つの穴306)を含むことができる。例えば、外側を向く穴306が4を指し示す場合、食料品が水曜日(つまり週の4日目)に食品保存/調理容器100の中に入れられたことを指し示すようにすることができる。この外側を向く穴306(または他の形状もしくはマーク)はマーク290の何れかに回転(時計回り、反時計回り、等)させることができる。このために、通気することなく穴115の内側で(ユーザーが)プラグ301を回転させることができる。プラグ301を回転しやすくするために、プラグ301にはユーザーが摘むことのできる上向きに丸まっている縁307を有する外側領域を設けることができる。バルブ300が閉まると、プラグ301の上部分303を中央部分210において概して平坦にすることができる。しかしながら、プラグ301の上向きに丸まっている縁307によって、例えバルブ300が閉まっていたとしても、ユーザーはプラグ301を容易に摘んで回転させることができる。プラグ301は把持のために上向きに延在する部分を有することができ、これはガスケットのように好ましくはゴムまたはエラストマーとすることにより、内部の真空を解放し、また調理済のもしくは保存された食品を出すために蓋を持ち上げることができる。
【0125】
中央部分210はあらゆる数のバルブ300を含むことができる。例えば、中央部分210は、1つのバルブ300、2つのバルブ300、3つのバルブ300、4つのバルブ300、他の数のバルブ300、または1つのバルブ300から4つのバルブ300の間にあるあらゆる数のバルブ300(または範囲内のバルブ300)を含むことができる。さらには、バルブ300は中央部分210のあらゆる位置に配置させることができる。例えば、バルブ300は、中央部分210の中心、中央部分210の中心から外れた位置、中央部分210の隅、中央部分210のあらゆる位置、またはこれらの組み合わせ、に配置させることができる。図示の通り、
図5A~
図9の中央部分210には中央部分210の中央に配置された1つのバルブ300が含まれる。
【0126】
幾つかの実施例において、食料品が(保存等のために)収容部110の中に配置されているときに食料品が既に加熱されている場合、高温の食料品が蒸気と熱気を生成し、これがバルブ300の外に排出されることがある。さらに、バルブ300が閉じていると、収容部110にある高温の食料品が冷却されることにより(冷蔵庫内での冷却、等)、食品保存/調理容器100の中に閉じ込められている蒸気が凝縮する場合がある。この真空によって収容部110内に真空が生じ、これにより蓋200は、ガスケット220と可撓スカート224が収容部110と単に摩擦で係合するときよりも、より大きな力で定位置に保持される。収容部110に真空を提供するこの方法は、内部の食料品がこぼれること(例え収容部が逆さまになっても)から保護し、細菌を排除することにより保存期間を改善し、また食料品の匂いが冷蔵庫に移ることを防止するなどの、さらなる利点を提供することができる。しかしながら、幾つかの実施例において、真空を提供するこのような方法により問題が生じる可能性がある。例えば、蓋200への大気圧は蓋サイズが高くなるにつれて高くなるため、(蓋サイズの大きな)大きな容器にこのような真空を提供することによって、補強された蓋またはより厚い蓋(または蓋の径に対する制限)がまた必要となる場合がある。
【0127】
図5A~
図9(および/または
図1A~
図2、
図3A~
図3C、および/または
図4A~
図4B)に係る食品保存/調理容器のガスケット220は、いくつかの実施例において、この問題を解決することのできる自己通気を提供することができる。この自己通気によって収容部110内に真空が形成され過ぎること(これは上述の通り問題となる場合がある)を防止することができる。さらには、自己通気が行われた後に、バルブ300を再開放して、蓋100を取り外して再挿入(あるいは単に最挿入)し、その後バルブ300を閉めて蓋200を閉じた姿勢に保つことができる。
【0128】
この自己通気を提供するために、内圧と外圧により、可撓スカート224の少なくとも一部が下向きに曲がる(或いは動く)ようにして、可撓スカート224をさらに構成することができる。この可撓性によって、
図7A~
図7Cおよび
図8に図示されている通り、可撓スカート224のこの部分を下向きに変形させることができる。例えば、(上記の通り、封止された食品保存/調理容器100における加熱された食料品の冷却によって)収容部110に真空が形成されると、食品保存/調理容器100外側の大気圧が相対的に高くなることによって、可撓スカート224の周囲の部分を、向きを変え下向きに湾曲させることにより、変形させることができる。この下向きの変形によって、
図7A~
図7Cおよび
図8に認められる通り、可撓スカート224の外側を向く部分224aを下に翻らせて内側を向かせる一方で、可撓スカート224の内側を向く部分224bを下に翻らせて外側を向かせることができる。この下向きの変形の際中において、例えば、下向きの変形により創出された間隙から収容部110に少量の空気を入れることができる。少量の空気が収容部110の中に入るこの動作は自己通気と呼ばれる。自己通気によって収容部110に完全な真空が形成されないようにすることができる。幾つかの実施例において、この自己通気によって、大きな収容部110での補強された蓋または厚い蓋の必要性(または蓋の径に対する制限)をなくすことができる。
【0129】
可撓スカート224は、(
図7Aに表され、さらに上記の通り)未変形の状態で上向きに僅かに曲がっていたとしてもこの自己通気を提供することができ、さらに(
図7Aに表され、さらに上記の通り)側壁130の内面130bに接触したときに上向きに変形した状態へと上に曲げられたとしてもこの自己通気を提供することができる。このような実施例において、例えば、(収容部110に真空が形成され)食品保存/調理容器100の外側における大気圧が相対的に高くなることによって、可撓スカート224の周囲の部分を、向きを変え下向きに湾曲させることにより、変形させることができる。
【0130】
可撓スカート224は、可撓スカート224の周囲の部分を、向きを変え下向きに湾曲させることにより変形させることができるような、あらゆる方法で構成することができる。例えば、可撓スカート224は、このような下向きの変形を可能にするようなあらゆる厚み(またはその他の寸法)を有することができる。別の実施例として、ガスケット220および可撓スカート224の素材(例えば、上述のようなゴム、ポリマー、エラストマー、等)はこのような下向きの変形を可能にする(または可能にすることに貢献する)ようなものとすることができる。
【0131】
下向きに変形する可撓スカート224の周囲部分は、可撓スカート224のあらゆる周囲部分とすることができる。例えば、これは可撓スカート224の周囲の一部のみとすることができ、または可撓スカート224の全周囲とすることができる。さらには、可撓スカート224の一部は、外圧が食品保存/調理容器100の内圧を上回る任意の圧力差で下向きに変形させることができる。
【0132】
さらには、可撓スカート224の周囲の一部分は下向きに変形させるものの、可撓スカート224の周囲の残りの部分を変形させなくすることができる。例えば、撓スカート224の周囲のこの残りの部分を、(例えば可撓スカート224の弾性コンプライアンス等によって)側壁130の内面130bに常にまたはほぼ常に接触させたままとすることができる。これは下向きに変形した部分が両側で、側壁130の内面130bに常にまたはほぼ常に接触している残りの部分によって境界決めできる(例えば、境界を提供することにより)ことを意味している。これにより
図9に表されているように真空レベルをゆっくり下げることができるが、これは沸点近くの水が約50℃まで冷却したときの、測定される圧力の時間変化を表す。図示の通り、食品保存/調理容器100内で空気を追い出した蒸気が凝縮して内圧が下がると、(バルブ300が閉まり、ガスケット200が側壁130の内面130bに対して蓋200を封止した状態における、食品保存/調理容器100内の圧力と外圧の間の)圧力差を、2分未満のうちに約0.09バールだけ大きくすることができる。しかしながら、矢印901の時間軸の変位で示される通り、外圧によって可撓スカート224に下向きの変形が生じると、これにより翻りが生じて、内向きに向く部分224bが側壁130の内面130bに接触して、圧力差に最初の略瞬間的な降下が生じる。その後、下向きに変形した部分を取り囲む可撓スカート224の小さな非接触領域によって空気がゆっくりと漏れ出すことで、食品保存/調理容器100を約15分で大気圧に戻すことができる。
【0133】
本明細書の範囲を逸脱することなく
図5A~
図9の食品保存/調理容器100に、改変、追加、および/または、置き換えを行うことができる。例えば、食品保存/調理容器100は、バルブ300と、マーク290と、自己通気可撓スカート224とをそれぞれ含むものとして説明されるが、実施例によっては、食品保存/調理容器100は、バルブ300のみを有するか、マーク290のみを有するか、自己通気可撓スカート224のみを有するか、これら3つの特徴のうち2つの特徴のみを有するか、またはこれら3つの特徴を一切含まないものとすることができる。
【0134】
図10A~
図10Dは食品保存/調理容器100のガスケット220に係る追加実施例を表している。
図10A~
図10Dのガスケット220は、
図1A~
図2、
図3A~
図3C、
図4A~
図4C、および/または
図5A~
図9に係るガスケット220と実質的に類似したものとすることができる。しかしながら、
図10A~
図10Dのガスケット220は異なる形状を有することができる。例えば、
図10Aのガスケット220の可撓スカート224は(平坦な端部ではなく)丸い端部を有することができる。この丸い端部によって可撓スカート224を下向きにより容易に変形させることができ、また(食品保存/調理容器100の内部における内圧と外圧との間における)圧力差が降下した後に、下向きの変形から可撓スカート224をより容易にひっくり返すことができる。これによって圧力差が降下した後で、ガスケット220に食品保存/調理容器100をさらに封止させることができる。
【0135】
別の実施例として、
図10Bの可撓スカート224は未変形の状態で(
図1A~
図9に認められる上向きの湾曲とは反対の)下向きの湾曲を有することができる。さらなる実施例として、
図10Cの可撓スカート224は湾曲部を全く設けなくても構わない。その代わり、外側に向かって水平にまたは実質的に水平に延在させることができる。また丸まった端部を有することができる。別の実施例として、
図10Dの可撓スカート224は外側に向かって水平にまたは実質的に水平に延在させることができ、また大きく丸まった端部を有することができる。
【0136】
図11A~
図11Bは、食品保存/調理容器100の収容部110と蓋200の別の実施例を表しており、蓋200にはバルブ300のもう1つの実施例が含まれている。
図11A~
図11Bのバルブ300は、鉛直方向でよりコンパクトな形状に(例えば、上部分303にかかる下向きの圧力に応答して)収縮することができ、また鉛直方向でよりコンパクトな形状から上向きに(例えば、下向きの圧力が除かれることに応答して)戻って拡張することができる上部分303が設けられたプラグ301を有することができる。いくつかの実施例において、収縮によって上部分303の鉛直寸法を小さくすることができる。これにより複数の食品保存/調理容器100を互いに積み重ねることができる。例えば、積み重なると、上側の容器100の自重によって、底側の容器100のバルブ300の上部分303が下向きに押され、上部分303が鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮するようにして、上部分303を下向きに付勢することができる。このような場合、蓋200の上部分303が積層の妨げにさらないようにして、容器100を互いに積み重ねることができる。幾つかの実施例において、蓋200のある上側の容器100の自重は(例え容器100が空だったとしても)、上部分303が鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮するように底側の容器100の上部分303を下向きに付勢するのに、十分なものとすることができる。これにより容器100が空であったとしても容器100を互いに積み重ねることができる。
【0137】
プラグ301の上部分303は、鉛直方向でよりコンパクトな形状から(例えば、下向きの圧力がなくなることによって)上向きに拡張することもできる。上向きに拡張することによって、上部分303は上向きに蓋200から離れて移動することができ、幾つかの実施例において、これによってユーザーがより容易に把持および/または操作できるようになる。さらには、いくつかの実施例において、拡張した上部分303と蓋200との間の鉛直距離は、容器100から放出される熱によって、および/または、開放されたバルブ300から出る高温蒸気によって、ユーザーの手に火傷を負うことを防止することができる。
【0138】
図示の通り、
図11A~
図11Bの食品保存/調理容器100には収容部110が含まれる。
図11A~
図11Bの収容部110は、
図1A~
図2、
図3A~
図3C、
図4A~
図4B、および/または
図5A~
図9の収容部110と実質的に同じものとすることができる。さらには、収容部110の底部120は底中央部分404と底周縁部分408を含むことができる。底周縁部分408は底中央部分404を取り囲むことができ、底中央部分404からさらに下向きに延在することができる。
【0139】
底中央部分404から下向きに延在することによって、底周縁部分408は、底中央部分404の底面404aと底周縁部分408の底面408aとの間に鉛直の間隙412を創出することができる。この鉛直の間隙412は、底周縁部分408が平坦面に配置されたときに、底部分404が平坦面に接触しないようなスペースを形成することができる。鉛直の間隙412は、例えば、或いは、実質的(+/-10%等)に、2.5ミリメートル、5ミリメートル、7.5ミリメートル、10ミリメートル、15ミリメートル、20ミリメートル、1インチ、1.5インチ、他のあらゆる鉛直距離、または2.5ミリメートルから1.5インチまでの間にあるあらゆる鉛直距離(または鉛直距離の範囲)、のあらゆる距離とすることができる。
【0140】
図示の通り、
図11A~
図11Bの食品保存/調理容器100にはさらに蓋200が含まれる。
図11A~
図11Bの蓋200は、
図1A~
図2、
図3A~
図3C、
図4A~
図4B、および/または、
図5A~
図9の蓋200と実質的に類似したものとすることができる。加えて、
図11A~
図11Bの蓋200の中央部分210は、蓋200が収容部110と食品保存/調理容器100を封止しているときに、収容部110の流体保持内部領域190から空気を選択的に通気させることのできる、一以上のバルブ300を有することができる。
図11A~
図11Bのバルブ300は、
図5A~
図9のバルブ300と実質的に類似したものとすることができる。しかしながら、
図11A~
図11Bのバルブ300はさらに、鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮されるように下向きに付勢させることができ、またこの鉛直方向でよりコンパクトな形状から、上向きに戻って拡張することができる上部分303が設けられたプラグ301を有することができる。
【0141】
図示の実施例において、バルブ300は中央部分210における穴115と、プラグ301とを有する。穴115は中央部分210の全厚みを通って延在するあらゆる開口部とすることができ、中央部分210を通って穴115から空気が通気可能になっている。穴115は、中央部分210を通って流体保持内部領域190から空気を選択的に通気させることができ、また中央部分210を通って流体保持内部領域190から空気を通気することを選択的に防止することもできる、あらゆる形状および/または寸法を有することができる。
【0142】
プラグ301は、穴115を選択的に塞ぐ(または閉鎖する)ことのできるあらゆるデバイス、部品、またはユニットとすることができる。プラグ301は、穴115を選択的に塞ぐことで、中央部分210から空気が通過しないようにすることのできる、あらゆる素材から作製することができる。例えばプラグ301は、ゴム、ポリマー、エラストマー(例えば、シリコーン、フルオロシリコーン、等)、プラグ301が穴115を選択的に塞ぐ(或いは閉鎖する)こと(で中央部分210から空気が通過しないようにすること)のできるあらゆる素材、またはこれらの組み合わせ、から作ることができる。好ましい実施例において、プラグ301の一部または全部は、シリコーンゴムのような柔らかく弾性のある変形可能な素材から作られている。
【0143】
プラグ301は、穴115を選択的に塞ぐ(或いは閉鎖する)ことのできる、あらゆる寸法および/または形状を有することができる。例えば、図示の通り、プラグ301は、穴115の中に少なくとも部分的に配置された中央部分302と、上部分303と、底部分304とを備えることができる。
【0144】
上部分303は、中央部分210の上面(例えば、外面210a)より鉛直方向上に延在するようにして、穴115の上から外側に延在させることができる。さらに、上部分303は、穴115よりも大きな寸法(例えば、幅)を有することができる。これにより幾つかの実施例において、プラグ301が穴115から完全に押し下げられることを防止することができる。
【0145】
上部分303は、(例えば、下向きの圧力によって)鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮するように構成することができる。幾つかの実施例において、これにより上部分303の少なくとも上面を、蓋200の中央部分210の上面に向かって下向きに動かすことができる。底側の容器100bに関し、鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮した上部分303の例は
図11Bに図示されている。鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮することによって、いくつかの実施例において、上部分303の鉛直寸法(高さ、等)を小さくすることができる。これにより
図11Bに表される通り、複数の食品保存/調理容器100を互いに積み重ねることができる。例えば、積み重なると、上側の容器100(例えば、
図11Bにおける容器100a)の自重によって、底側の容器100(例えば、
図11bの容器100b)の上部分303が下向きに押され、上部分303を鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮させることができる。このような場合、底側の容器100のバルブ300の上部分303が、積層の妨げにならないようにして、容器100を互いに積み重ねることができる。
【0146】
上部分303が収縮すると、上部分303は、
図11Bに図示されているようなコンパクト鉛直寸法416(例えば、コンパクト高)を有することができる。このコンパクト鉛直寸法416は、
図11Bに同様に図示されている上部分303の非コンパクト鉛直寸法420よりも小さくすることができる。コンパクト鉛直寸法416は、非コンパクト鉛直寸法420よりも小さなあらゆる高さとすることができ、例えば、或いは、実質的(+/-10%等)に、1ミリメートル、2ミリメートル、2.5ミリメートル、5ミリメートル、7.5ミリメートル、10ミリメートル、15ミリメートル、20ミリメートル、1インチ、1.5インチ、非コンパクト鉛直寸法420よりも小さな他のあらゆる高さ、または1ミリメートルから1.5インチまでの間にあるあらゆる高さ(または高さ範囲)、よりも小さなあらゆる高さとすることができる。
【0147】
幾つかの実施例において、コンパクト鉛直寸法420は、底中央部分404の底面404aと底周縁部分408の底面408aとの間にある鉛直の間隙412の鉛直距離と同じかこれよりも低い高さとすることができる。このような場合、これによって、容器100の積層の妨げにならないコンパクト鉛直寸法420に上部分303を収縮させることができる。例えば、上側の容器100aが(
図11Bに図示される通り)底側の容器100bの上に積み重ねられると、上側の容器100aの底周縁部分408を、底側の容器100bの蓋200の中央部分210の上に載せることができ、底側の容器100bのバルブ300の上部分303を、上側の容器100aの鉛直の間隙412の内に完全に篏合させることができる。これにより幾つかの実施例において、上側の容器100は、底側の容器100bの上に重ねられたときにより安定的にすることができる。
【0148】
上部分303を鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮させることは、幾つかの実施例において、上部分303の少なくとも一部分が湾曲し、折り曲げられ、或いは鉛直方向でよりコンパクトな形状に動かされることを意味する場合がある。つまり、幾つかの実施例において、全ての上部分303が鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮する必要はない。このさらなる実施例を、
図12Eを参照して以下に説明する。また、鉛直方向のよりコンパクトな形状への収縮は、幾つかの実施例において、完全に可逆的なものであって、拡張した形状への回復が弾性回復となるように、上部分303の塑性変形が回避される。拡張した形状において、上部分303の把持可能な部分は、蓋200を触る必要がないように(例えば、不快なほど高温の場合)、蓋200の中央部分210の上面から上に十分に離れて延在させることができる。
【0149】
上部分303は、(例えば、下向きの圧力がなくなった場合に)鉛直方向でよりコンパクトな形状から上向きに戻って拡張するように構成することもできる。幾つかの実施例において、これにより上部分303の少なくとも上面を、蓋200の中央部分210の上面から離れて上向きに戻すことができる。上側の容器100aに関し、鉛直方向でよりコンパクトな形状から上向きに戻って拡張した上部分303の例は
図11Bに図示されている。上向きに戻って拡張させることによって、いくつかの実施例において、上部分303の鉛直寸法(高さ、等)を大きくすることができる。これにより、ユーザーがより簡単に上部分303を把持および/または操作できるようになる。例えば、上向きに拡張させることによって、上部分303を蓋200の上面から遠ざけることができ(例えば、上部分303の最上面を蓋200の上面から遠ざけることができる)、これによりユーザーが、(例えば、引き上げるために、プラグ301を回転させるために、蓋200を全部収容部110から持ち上げるために)上部分303を把持し、または上部分303の開口部を把持し(以下に説明)、または他の方法で上部分303を把持し、または上部分303をその他操作するための、追加スペースを提供することができる。
【0150】
上部分303の鉛直寸法(高さ、等)が大きくなることによって、幾つかの実施例において、容器100から放出される熱によって、および/または、開放されたバルブ300から出る高温蒸気によって、ユーザーの手に火傷を負うことを防止することができる。例えば、上向きに拡張することによって、上部分303を蓋200の上面から遠ざけて(例えば、上部分303の最上面を蓋200の上面から遠ざけることができる)、追加スペースを提供することができる。この追加スペースによってユーザーは、開放したバルブ300から漏れる高温蒸気からユーザーの手を遠く離したままの状態で、(上部分303を引き上げるかまたはプラグ301を上向きに移動させることによって)バルブ300を開けることができる。例えば、幾つかの実施例においてバルブ300は、より使い易くおよび/または安全なものとすることができる。
【0151】
上部分303が上向きに戻って拡張すると、上部分303は
図11Bに図示されるような非コンパクト鉛直寸法420(非コンパクト高さ、等)を有することができる。この非コンパクト鉛直寸法420は、
図11Bに図示されている通り、上部分303のコンパクト鉛直寸法416よりも大きなものとすることができる。非コンパクト鉛直寸法420は、例えば、或いは、実質的(+/-10%等)に、5ミリメートル、7.5ミリメートル、10ミリメートル、15ミリメートル、20ミリメートル、1インチ、1.5インチ、2インチ、2.5インチ、3インチ、よりも大きなあらゆる高さ、コンパクト鉛直寸法416よりも大きな他のあらゆる高さ、または10ミリメートルから2.5インチまでの間にあるあらゆる高さ(または高さ範囲)のコンパクト鉛直寸法416よりも大きなあらゆる高さ、とすることができる。
【0152】
幾つかの実施例において、非コンパクト鉛直寸法420は、底中央部分404の底面404aと底周縁部分408の底面408aとの間の鉛直の間隙412の鉛直距離よりも大きな高さとすることができる。このような場合、上側の容器100aが底側の容器100bの上に配置された場合(
図11Bに図示)、(例えば、上側の容器100aの底面404aによって)上部分303が鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮するように、これによって底側の容器100bの上部分303を下向きに付勢させることができる。また上側の容器100aが底側の容器100bの上側から取り外されたとき、底側の容器100bの上部分303は上向きに戻って拡張することができる。
【0153】
上向きに戻ってする上部分303の拡張は自動的なものとすることができる。例えば、この拡張はユーザーが上部分303を引き上げることを必要としないものであっても構わない。その代わり、下向きの圧力がなくなった時に自動的に拡張を引き起こすことができる。上向きに戻ってする上部分303の自動的な拡張によって容器100をより簡単に積み重ねることができる。例えば、(
図11Bに認められる通り)底側の容器100bの上に上側の容器100aを積み重ねることによって、上部分303を収縮させることができる一方で、上側の容器100aを底側の容器100bの上から取り外すことによって、底側の容器100bの上部分303(例えば、上部分303の最上面)を自動的に上向きに戻すことができる。例えば、幾つかの実施例において、上部分303を上向きに戻って拡張させるためにユーザーにさらなる動作を必要とさせることなく、上部分303をユーザーに把持させるか、或いは操作させるための準備をすることができる。これにより幾つかの実施例において、容器100の積み重ねと積み下ろしを簡単にすることができる。
【0154】
上部分303の拡張はあらゆる速さで行うことができる。例えば、上部分303は上向きに直ちに飛び出させることができる。別の例では、上部分303を上向きによりゆっくりと拡張させることができる。
【0155】
プラグ301の上部分303は、上部分303を鉛直方向でよりコンパクトな形状に(例えば、下向きの圧力によって)収縮させることができ、および/または、(例えば、下向きの圧力がなくなったときに)鉛直方向でよりコンパクトな形状から上向きに戻って拡張させることができるような、あらゆる方法で構成することができる。例えば上部分303は、例えばシリコーンゴムなどのように収縮および/または再拡張が可能な弾性素材から作ることができる。別の実施例として、上部分303は、収縮および/または再拡張が可能なサイズ、形状、および/または配置を有することができる。このようなサイズ、形状、および/または配置の例を
図12A~
図12Eおよび13A~
図13Cに関して以下に述べる。他の実施例において、上部分303は、(例えばシリコーンゴムなどのように)収縮および/または再拡張が可能な弾性素材から作ることができ、また上部分303はさらに、収縮および/または再拡張が可能なあらゆるサイズ、形状、および/または配置を有することができる。さらなる実施例において、上部分303は収縮および/または上向きの再拡張、またはこれらの組み合わせが可能なあらゆる方法で構成することができる。
【0156】
図11Aに図示の通り、プラグ301はさらに底部分304と中央部分302とを有することができる。底部分304は、中央部分210の底面(内面210b、等)から下に鉛直に延びるようにして、穴115の底部の外側に延在させることができる。さらに底部分304は、穴115よりも大きな寸法(幅、等)を有することができる。これにより幾つかの実施例において、プラグ301が穴115から完全に抜き上げられることを防止することができる。底部分304はまた、あらゆる形状を有することができる。例えば、底部分304は円盤状の形状を有することができ、または底部分304の中心から外側に延在する2以上の脚部に形成することができる。プラグ301が一体的なものである(つまり単一ユニットから形成される)場合、(例えば、バルブ300が組み立てられたときに)底部分304の脚部が蓋200にある穴115から押し下げられるようにして、脚部は寸法決めされ、可撓性素材から形成されるべきである。幾つかの実施例において、底部分304に、約120度の角度間隔を置いて底部分304の中心から外側に延在する3つの脚部が設けられることが好ましい。この実施例は
図12Dに図示されている。幾つかの実施例において、プラグ301が一度穴115の中に(底部分304が穴115の底部の外側を延びている状態で)挿入されると、これによりプラグ301を穴115から外すことを(バルブ300を閉めるためにユーザーがプラグ301を引き上げたとしても)難しくすることができる。
【0157】
中央部分302は上部分303と底部分304の間に配置され、これらを接続することができる。中央部分302は2つの領域、上幅広領域302aと底狭領域302bとを有することができる。上幅広領域302aは、穴115の形状および/または大きさと同じ(かこれよりも大きな)形状および/または大きさを有することができる。例えば、上幅広領域302aが穴115の内側に(または穴115と一致して)配置されると(例えば、
図5Bおよび
図11Aの例に認められる通り、上幅広領域302aが穴115の側壁の内側に配置されるようにして、プラグ301が蓋200に対し下向きに移動すると)、上幅広領域302aは少なくとも部分的に穴115を塞ぐことができ、バルブ300から空気が通過することが防止される。
【0158】
底狭領域302bは、穴115の形状および/または大きさと異なる、および/または、これよりも小さな形状および/または大きさを有することができる。例えば、底狭領域302bが穴115の内側に(または穴115と一致して)配置されたとき(例えば、底狭領域302bが穴115の側壁の内側に配置されるようにして、プラグ301が蓋200に対し上向きに移動すると)、穴115に空気通路を設けることができる。
図5Aはこの配置と空気通路の例を表している。底狭領域302bの形状および/または大きさの例として、底狭領域302bは穴115と同じくらい広い必要はない(むしろ穴115の厚みと比較して、鉛直方向に厚いかより厚くすることができる)。別の実施例として、底狭領域302bは穴とは異なる形状を有することができる(例えば、穴115を円形の断面積とする一方で、底狭領域302bは三角形の断面積を有することができる)。
【0159】
バルブ300が開くと(例えば、プラグ301が引き上げられると)、空気と蒸気が穴115から排出され、外気を穴115の中に入れることができる(収容部110の流体保持内部領域190の内部の真空を解放することができる)。場合によっては、バルブ300が閉まると(例えば、プラグ301が押し下げられると)、空気と蒸気が穴115から排出されないようになり、外気を穴115の中に入れないようにすることができる。
【0160】
バルブ300は、穴115の周囲から蓋200を封止しこれと篏合するOリング、または内部のインサート(図示せず)をさらに有することができる。さらには、バルブ300は、プラグ301が引き上げられたときに開くものとして図示されているが、幾つかの実施例では、プラグ301が引き上げられたときにバルブ300が閉まる(プラグ301が押し下げられたときに開く)ものとすることができる。このような場合、上幅広領域302aの鉛直方向上に底狭領域302bを配置させることができる。
【0161】
好ましい実施形態において、
図11A~
図11Bのバルブ300はさらに、上述の通り
図6に関して、蓋200のマーク290および指向穴306により、食品保存/調理容器100の中に保持および/または/保存される食料に関する一以上の表示を提供することができる。
【0162】
図11A~
図11Bの中央部分210は任意数のバルブ300を有することができる。例えば、中央部分210は、1つのバルブ300、2つのバルブ300、3つのバルブ300、4つのバルブ300、他の数のバルブ300、または1つのバルブ300から4つのバルブ300の間にあるあらゆる数のバルブ300(範囲内のバルブ300)、を含むことができる。さらには、バルブ300は中央部分210のあらゆる位置に配置させることができる。例えば、バルブ300は、中央部分210の中心、中央部分210の中心からずれた位置、中央部分210の隅、中央部分210のあらゆる位置、またはこれらの組み合わせ、に配置させることができる。図示の通り、
図11A~
図11Bの中央部分210には、中央部分210の中央に配置された1つのバルブ300が含まれる。
【0163】
別の好ましい実施例において、
図11A~
図11Bの容器100は、
図7A~
図9について上に説明した通り、自己通気可撓スカート224が設けられたガスケット220を有することができる。
【0164】
本明細書の範囲を逸脱することなく、
図11A~
図11Bの食品保存/調理容器100に、改変、追加、および/または、置き換えを行うことができる。例えば、食品保存/調理容器100は、バルブ300と、マーク290と、自己通気可撓スカート224と、をそれぞれ含むものとして説明されるが、実施例によっては、
図11A~
図11Bに係る食品保存/調理容器100は、バルブ300のみを有するか、マーク290のみを有するか、自己通気可撓スカート224のみを有するか、これら3つの特徴のうち2つの特徴のみを有するか、またはこれら3つの特徴を一切含まないものとすることができる。
【0165】
さらには、
図11A~
図11Bのバルブ300は、特定の収容部110と特定の蓋200と共に使用されるものとしてこれまで記載してきたが、
図11A~
図11Bのバルブ300は、あらゆるタイプの収容部およびあらゆるタイプの蓋と共に使用することができる。例えば、
図11A~
図11Bのバルブ300は、中央部分210、ガスケット220、または蓋周縁部250が含まれなくとも構わない蓋と共に使用することができる。この例として蓋は、単一ガラス製の蓋または単一プラスチック製の蓋とすることができる。このような場合においてバルブ300は、単一ガラス製の蓋の一部分、または単一プラスチック製の蓋の一部分に配置させることができる。
【0166】
図12A~
図12Eおよび
図13A~
図13Cは、
図11A~
図11Bの食品保存/調理容器のプラグ301の各実施例を表している。上記の通り、プラグ301の上部分303は、上部分303を鉛直方向でよりコンパクトな形状に(例えば、下向きの圧力によって)収縮させることができ、また(例えば、下向きの圧力がなくなったとき)上部分303を鉛直方向でよりコンパクトな形状から上向きに戻って拡張するように構成することができるような、あらゆるサイズ、形状、および/または、配置を有することができる。
図12A~
図12Eは、上部分303のこのようなサイズ、形状、および/または、配置に係る各実施例を表している。
【0167】
図12Aに図示されている通り、プラグ301の上部分303は、上レベル部432と、底レベル部436と、二以上の接続セグメント部440と、を有することができる。上レベル部432はプラグ301の最上部分とすることができる。プラグ301の上レベル部432に下向きの圧力が与えられると、上述の通り、上部分303は鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮することができる。鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮した上部分303の例は、
図12Eに図示されている。さらには、上レベル部432から下向きの圧力が取り除かれると、上記の通り、上部分303は鉛直方向でよりコンパクトな形状から上向きに戻って拡張する。鉛直方向でよりコンパクトな形状から上向きに戻って拡張された上部分303の例は
図12Aに図示されている。
【0168】
上レベル部432は実質的に円形に形成することができる(例えば、真円に形成することができ、またはゆがんだ円に形成することができ、または楕円形に形成すること、等ができる)。さらには、他の実施例において、上レベル部432は四角形、長方形、ひし形、不規則な形状、他のあらゆる形状、またはこれらのあらゆる組み合わせなど、他のあらゆる形状に形成することができる。
【0169】
上レベル部432はさらに、
図12Cに図示されている通り、上レベル部432の中心部に開口部448を設けることができる。この開口部448によってユーザーはプラグ301をより簡単に把持することができ、これによってバルブ300を開き、プラグ301を捻り、および/または蓋200を収容部110から完全に持ち上げられるようになっている。さらには、この開口部448によってさらに、上部分303が鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮することを支援することができる。例えば開口部448は、上部分303が収縮したときに底レベル部436と2以上の接続セグメント部440を嵌めることのできるスペースを提供することができる。収縮すると、上レベル部432は蓋200に向かって下に移動することができる。上レベル部432のこの下向きの動作によって、2以上の接続セグメント部440を上レベル部432の開口部448へと折り畳む(或いは動かす)ことができる。さらには、幾つかの実施例において、上レベル部432は、開口部448が底レベル部436の全部または一部を包むのに十分なくらいまで(つまり、底レベル部436の一部または全部を開口部448に篏合させることができるまで)下向きにさらに動かすことができる。例えば、これにより上部分303のコンパクト鉛直寸法416をさらに小さくすることができる。
【0170】
上述の通り、上部分303はさらに、底レベル部436と2以上の接続セグメント部440とを備えることができる。底レベル部436は上部分303の最底部分とすることができる。さらに、底レベル部436は上部分303をプラグ301の中央部分302に接続させることができる。底レベル部436は、上部分303が下向きの圧力で収縮した場合に、底レベル部436の全部または一部を開口部448の中に嵌めることのできるあらゆる形状および/または大きさを有することができる。幾つかの実施例において、上部分303が鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮するとき、底レベル部436は収縮せずとも構わない。つまり、上部分303の収縮の際、底レベル部436を収縮前と実質的に同じ位置に保つことができる(例えば、底レベル部436を動かさずとも構わず、および/または、底レベル部436の素材を圧縮せずとも構わず、または動作および/または圧縮は、上レベル部432および接続セグメント部440の動作と比較して、ほんの僅かな大きさとすることができる)。このような場合、上レベル部432と接続セグメント部440のみを圧縮させることができる。このような例は
図12Eに図示されている。
【0171】
接続セグメント部440は上レベル部432を底レベル部436に接続することができる。このために接続セグメント部440は、底レベル部436から上レベル部432まで上向きに延在することができる。図示の通り、接続セグメント部440は、底レベル部436から上レベル部432まで螺旋状に上へと延びる(例えば、螺旋状の形状で上向きに延在する)ことができる。上向きに螺旋状になることによって、上部分303が下向きの圧力によって鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮したときに、接続セグメント部440は開口部448の中に嵌るように動作しやすいようにすることができる。
【0172】
接続セグメント部440は、上部分303が下向きの圧力によって収縮した場合、開口部448の内側に篏合できるようなあらゆる形状および/または大きさを有することができる。さらには、上部分303はあらゆる数の接続セグメント部440を有することができる。例えば、上部分303は2つの接続セグメント部440、3つの接続セグメント部440、4つの接続セグメント部440、または他のあらゆる数の接続セグメント部440を有することができる。幾つかの実施例において、上部分303は1つの接続セグメント部440のみを有することができる。
【0173】
図13A~
図13Cは、
図11A~
図11Bに係る食品保存/調理容器のプラグ301の別の実施例を表す。
図13A~
図13Cに図示の通り、プラグ301の上部分303は、プラグ301の中央部分302に接合してここから上向きに延在するフラップ452を含むことができる。フラップ452はあらゆる方法で中央部分302から上向きに延在させることができる。例えば、フラップ452は上向きに湾曲するか、真直ぐな対角線で上向きに延在するか、ステップ状(階段状、等)に上向きに延在するか、他のあらゆる方法で上向きに延在するか、またはこれらのあらゆる組み合わせ、とすることができる。図示の例ではフラップ452は上向きに湾曲している。フラップ452は上向きに湾曲することを可能にするあらゆる曲がり具合を有することができる。さらに図示の通り、フラップ452は、フラップ452の湾曲の底区域において、中央部分302に接続することができる。これによりフラップ452をこの接続部分から上向きに湾曲させることができる。さらには、接続部分からフラップ45を上向き外側に延在させることができ、これによって鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮する上部分303の機能を高めることができる。
【0174】
フラップ452の最上部分はプラグ301の最上部分(例えば、最上位置)を形成することができる。プラグ301のフラップ452に下向きの圧力が与えられると、上記の通り、上部分303は鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮することができる。鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮した上部分303の例は
図13Cに図示されている。鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮すると、フラップ452の上向きカーブが下向きに曲がり、蓋200の上面(またはその近傍)で平坦にすることができる。さらには、フラップ452から下向きの圧力が取り除かれると、上記の通り、鉛直方向でよりコンパクトな形状から上部分303を上向きに戻って拡張することができる。鉛直方向でよりコンパクトな形状から上向きに戻って拡張した上部分303の例は、
図13A~
図13Bに図示されている。この拡張によってフラップ452を上向きに湾曲して再形成することができる。
【0175】
図13Cに図示の例では、フラップ452は底レベル部454を有する。フラップ452のこの底レベル部454は、上部分303の最底部分とすることができる。さらには、底レベル部454はフラップ452の残りの部分(例えば、上記の通り、これはフラップ452の湾曲の底区域とすることができる)と共に、上向きに湾曲しなくとも構わない。幾つかの実施例において、上部分303が鉛直方向でよりコンパクトな形状に収縮したとき、底レベル部454は収縮せずとも構わない。つまり、上部分303が収縮する際、底レベル部454を収縮の前と実質的に同じ姿勢に保つことができる(例えば、底レベル部454を動かさずとも構わず、および/または底レベル部454の素材を圧縮せずとも構わず、またはこれらの動作および/または圧縮は、フラップ452の残りの部分の動きと比較して僅かな大きさとすることができる)。このような実施例において、上フラップ452の残りの部分のみを収縮させることができる。この例は
図13Cに図示されている。
【0176】
フラップ452は円として実質的に形成することができる(例えば、真円に形成することができ、不規則な円に形成することができ、楕円に形成することができる)。さらに、他の実施例において、フラップ452は、四角形、長方形、ひし形、不規則な形状、他の形状、またはこれらの組み合わせなど、他のあらゆる形状に形成することができる。
【0177】
フラップ452はフラップ452の中心部に開口部156を有することができる。この開口部456によってユーザーはプラグ301をより簡単に把持することができ、バルブ300を開放し、プラグ301を捻り、および/または蓋200が収容部110から完全に持ち上げられるようになっている。他の実施例ではフラップ452は開口部456を有さずとも構わない。
【0178】
本明細書の範囲を逸脱することなく
図1A~
図13Cに係る各々の食品保存/調理容器100(または食品保存/調理容器のあらゆる部品)に、改変、追加、および/または、置き換えを行うことができる。例えば、
図1A~
図13Cのうち何れかに係る食品保存/調理容器の何れか(または食品保存/調理容器の何れかの部品)を、他の
図1A~
図13Cに係る他の食品保存/調理容器の何れか(または食品保存/調理容器の何れかの部品)と、組み合わせるか或いは置き換えることができる。例えば
図5Aのガスケット220を、
図10Aのガスケット220または
図10Cのガスケット220に置き換えることができる。
【0179】
図1A~
図13Cの容器100は、食料の保存と調理の両方を行うために使用することができる。食材は蓋200を設置した状態で、電子レンジで調理することができ、蓋200を取り外した後に食材に焦げ目をつけるために、通常または対流式のオーブンで手早く仕上げることができる。
【0180】
金属製の環状蓋周縁部250の使用により、柔らかいゴム製ガスケット220が補強され、これにより食品の冷却による真空が、収容部の縁部14から収容部の蓋200を引張または移動させないようにすることができる。しかしながらガスケット220は、食料を真空の下、冷蔵庫または冷凍庫で保存する選択肢を提供する。
【0181】
金属製の環状蓋周縁部250は、マイクロ波エネルギーを反射するようなので、電子レンジ調理によって熱くなり過ぎないことが発見され、蓋200と収容部側壁130の内部は調理で発生した蒸気と食料から加熱されるが、ガラスと比較して良好な断熱材であるゴム製のガスケット220によって、熱が金属製の環状蓋周縁部250に移動しないようになっている。
【0182】
例えば、食品を提供するためにテーブルに並べるとき蓋200を設置したままにすることができる。ガスケット220は高温となった空気や蒸気の漏れを防止するため、食品は少なくとも30分間高温に保たれ、初期温度によっては、実質的に45分以上は温かいままである。蓋200が約4mmの厚さで収容部側壁130が約5mmの厚さである場合にこれらの利点が達成される。この範囲内にある厚みのガラスは熱を維持する役に立つが、金属製の蓋周縁部250またはバルブ300のハンドルもしくは把持部(上部分303、等)を加熱しない。したがって、蓋の端、金属部分、または把持部分が熱くなる心配をせずに、食品をかなり温かく保ったまま、食事の際、蓋200を持ち上げることによって、テーブルから食品を直接出すことができる。
【0183】
可撓スカート224と側壁130が、内面130bでの広い相互接触面積が促進されるように形成されているとき、このような接触面積は、空孔190に真空が存在しないとき、蓋200が収容部110から意図せずに外れることに抵抗する摩擦を提供することができることが理解されよう。しかしながら大きすぎる接触面積はガスケットの外側を向く部分224aが、
図7A~
図7Cおよび
図8に表されているように(内側を向くように)翻るための機能を下げるであろう。外側を向く部分224aの表面積(または弓状の長さ)が5%~60%(より好ましくは10%~50%)であることにより、収容部110の側壁130の内面130bと接触し、蓋200が外れやすくなる(これにより内容物が漏れる可能性がある)ことに抵抗する十分な摩擦を提供することができる一方で、過剰な真空レベルを防止するため(つまり自己通気のため)に翻すことも可能であるようにすることが、好ましいことが見出された。外側を向く部分224aの表面積のこの5~60%の面積(または弓状の長さ)が内面130bに接触している例は
図7Aに表されている。
【0184】
本明細書で使用される文法的な冠詞「1つ(one)」、「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「前記(the)」は、特に明記しない限り、「少なくとも1つ」または「一以上」を含むことを意図している。したがって、本明細書では、冠詞は、冠詞の文法的な対象の1つまたは複数(すなわち、「少なくとも1つ」)を指すために使用される。例として、「部品」は、1つまたは複数の部品を意味し、したがって、可能性として、一以上の部品が考えられ、記載された実施形態の用途に適用または使用され得る。さらに、単数形の名詞の使用には複数形が含まれ、複数形の名詞の使用には、使用法の文脈で別段の定めがない限り、単数形が含まれる。さらに、受け入れられている使用法に従って、本明細書において文法的な接続詞「および」と「または」が使用される。例として、「xおよびy」は「x」および「y」を指し示す。一方、「xまたはy」は「x」、「y」を指すか、または「x」と「y」の両方を指す一方で、「xまたはyの何れか」は排他性を指し示す。
【0185】
本明細書は、種々の非限定的かつ非網羅的な実施形態または実施例を参照して記載されている。しかしながら、開示された実施形態または実施例(またはその一部)のいずれかに関する種々の置換、修正、または組み合わせを、本明細書の範囲内で行うことができることは、当業者によって認識されるであろう。したがって、本明細書は、本明細書に明示的には記載されていない追加の実施形態または実施例をサポートするものと考えられ、またそのように理解される。このような実施形態又は実施例は、例えば、本明細書に記載された様々な非限定的かつ非網羅的な実施形態又は実施例に関する開示された部品、要素、特徴、態様、特性、制限等のいずれかを組み合わせ、変更し、又は再編成することによって得ることができる。このように、出願人は、本明細書に様々に記載されているような特徴を追加するために、係属期間中に特許請求の範囲を補正する権利を留保する。