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  • 特許-椅子用身体固定バンド 図1
  • 特許-椅子用身体固定バンド 図2
  • 特許-椅子用身体固定バンド 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-18
(45)【発行日】2023-04-26
(54)【発明の名称】椅子用身体固定バンド
(51)【国際特許分類】
   A47C 16/00 20060101AFI20230419BHJP
   A47C 7/40 20060101ALI20230419BHJP
   A47C 7/62 20060101ALI20230419BHJP
   A61G 5/10 20060101ALI20230419BHJP
【FI】
A47C16/00 Z
A47C7/40
A47C7/62
A61G5/10
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019196421
(22)【出願日】2019-10-29
(65)【公開番号】P2021069495
(43)【公開日】2021-05-06
【審査請求日】2021-11-12
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和1年10月17日、株式会社タカギ・パックスが、汎用性の高い椅子用身体固定バンドを、株式会社豊泉家(大阪府大阪市西区京町堀1-11-1)に販売した。
(73)【特許権者】
【識別番号】000132921
【氏名又は名称】株式会社タカギ・パックス
(74)【代理人】
【識別番号】100129676
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼荒 新一
(74)【代理人】
【識別番号】100158067
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 基
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼木 保夫
【審査官】寺澤 忠司
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-189280(JP,A)
【文献】特表2007-519428(JP,A)
【文献】米国特許第04934005(US,A)
【文献】韓国公開実用新案第20-2011-0000674(KR,U)
【文献】特開2008-167932(JP,A)
【文献】特開2000-201961(JP,A)
【文献】特開2002-054012(JP,A)
【文献】特開2005-013462(JP,A)
【文献】特開2014-018590(JP,A)
【文献】特開2008-086654(JP,A)
【文献】特開2000-296153(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47C 7/00-7/74,16/00
A61G 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
身体を椅子に固定するための椅子用身体固定バンドにおいて、
伸縮性を有するバンド本体と、
表面の両側端部から所定範囲に設けられているメス型面ファスナーと、
裏面の中央に設けられている中央オス型面ファスナーと、両側端部又は両側端部近傍にそれぞれ設けられている端部オス型面ファスナーと、前記端部オス型面ファスナーの中央側に隣接して又は隙間を開けてそれぞれ設けられる端部メス型面ファスナーと、
を備え、
前記端部オス型面ファスナーと前記端部メス型面ファスナーとの間は折目が形成されていることを特徴とする椅子用身体固定バンド。
【請求項2】
前記メス型面ファスナーは、表面の全面に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の椅子用身体固定バンド。
【請求項3】
前記中央オス型面ファスナーは、対向して貼り付けられる椅子用メス型面ファスナーを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載の椅子用身体固定バンド。
【請求項4】
前記中央オス型面ファスナーに代えて中央メス型面ファスナーを備え、
前記中央メス型面ファスナーは、前記椅子用メス型面ファスナーに代えて、対向して貼り付けられる椅子用オス型面ファスナーを備えていることを特徴とする請求項3に記載の椅子用身体固定バンド。
【請求項5】
前記端部オス型面ファスナーに代えてメス型の面ファスナーを用い、
前記端部メス型面ファスナーに代えてオス型の面ファスナーを使用したことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の椅子用身体固定バンド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子用身体固定バンドに関する。
【背景技術】
【0002】
椅子に身体を固定するためのバンドとして、左右の側壁部と、乗員が着座する着座部と、乗員がもたれ掛かる背凭れ部とを備えるシート部分で乗員を保持する車椅子において、両側壁部の内面には、背凭れ部の前面に近接する位置において先端同士が連結されて両側壁部間を乗員の体型に応じた着座空間に調節するための身体保持用の調節ベルトを用いたものがある(特許文献1)。
【0003】
かかる身体保持用の調節ベルトによれば、乗員がいかなる体型であっても体型に合った快適な着座姿勢に保持することができるように両側壁部間の着座空間を調整できるという効果を有する。
【0004】
しかしながら、かかる調節ベルトは、車椅子に固定されているものであり、様々な椅子に汎用できるものではないという問題点があった。また、面ファスナーがむき出しの状態で取り付けられているので、衣服に面ファスナーが貼り付いたりすると、衣服が損傷する可能性があるという問題点があった。又、むき出しになっている皮膚に接触したりすると、擦り傷を負う可能性があった。
【0005】
さらに、近年、椅子に座った状態で行う棒サッカーが盛んに行われている。しかし、棒サッカーに夢中になるあまり、椅子から落ちてしまう競技者が発生することがある。そこで、競技中に椅子から転落することがないようにベルトを締めて行っている。しかしながら、従来は、バックル式のベルトを毎回身体に合わせて取り付けなければならないため、煩雑であり、取付けに手間がかかるという問題点があった。さらに、バックル式の固定ベルトの場合、このような競技に使用する場合には、金具が身体に触れると圧力によって痛みを感じる場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2005-13462号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、車椅子に限らず、通常の椅子等にも汎用して使用することができ、かつ面ファスナーを使用して固定する方法を採用しているにもかかわらず、オス型面ファスナーが衣服に接触して、衣服に損傷を与えることを低減することができ、さらに、オス型面ファスナーが皮膚に接触して傷が形成されることを低減することができる椅子用身体固定バンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
【0009】
本発明にかかる椅子用身体固定バンドは、
身体を椅子に固定するための椅子用身体固定バンドにおいて、
伸縮性を有するバンド本体と、
表面の両側端部から所定範囲に設けられているメス型面ファスナーと、
裏面の中央に設けられている中央オス型面ファスナーと、両側端部又は両側端部近傍にそれぞれ設けられている端部オス型面ファスナーと、前記端部オス型面ファスナーの中央側に隣接して又は隙間を開けてそれぞれ設けられる端部メス型面ファスナーと、
を備え、
前記端部オス型面ファスナーと端部メス型面ファスナーとの間は折目が形成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明にかかる椅子用身体固定バンドによれば、表側にメス型面ファスナーが設けられており、両側端部又は両側端部近傍にそれぞれ端部オス型面ファスナーが設けられているので、椅子を介して身体に巻きつけてメス型面ファスナーと、端部オス型面ファスナーを貼り付けることで身体を椅子に固定することができる。さらに、端部オス型面ファスナーは、不使用時に端部メス型面ファスナーと折り曲げた状態で貼り付けることができるので、端部オス型面ファスナーが露出された状態を回避することができる。そのため、オス型面ファスナーが不用意に衣服に貼り付いて、衣服が損傷する可能性を低減することができる。また、オス型面ファスナーが直接皮膚に触れて擦り傷が発生する可能性を低減することができる。
【0011】
また、本発明にかかる椅子用身体固定バンドにおいて、前記メス型面ファスナーは、表面の全面に設けられていることを特徴とするものであってもよい。
【0012】
かかる構成を採用することによって、着座する者の体型にかかわらず、椅子用身体固定バンドで身体を固定することができるようになる。
【0013】
さらに、本発明にかかる椅子用身体固定バンドにおいて、前記中央オス型面ファスナーは、対向する椅子用メス型面ファスナーを備えていることを特徴とするものであってもよい。
【0014】
かかる構成を採用することによって、椅子に椅子用オス型面ファスナーを設ければ、裏面の中央に中央メス型面ファスナーを有しているので、椅子に椅子用身体固定バンドを取り付けることができるため、様々な椅子に容易に取り付けることができる。また、使用者が一時的に椅子から離れる場合や、着座する者を変更する場合等に、椅子用身体固定バンドをいちいち仕舞う必要がなくなる。また、使用後においても椅子に巻きつけておくことで、椅子用身体固定バンドを回収することなく、椅子に取り付けておいた状態で片付けることができる。
【0015】
さらに、本発明にかかる椅子用身体固定バンドにおいて、
前記中央オス型面ファスナーに代えて中央メス型面ファスナーを備え、
前記中央メス型面ファスナーは、対向して貼り付けられる椅子用のオス型面ファスナーを備えていることを特徴とするものであってもよい。
【0016】
中央オス型面ファスナーに代えて中央メス型面ファスナーとし、中央メス型面ファスナーに対向して貼り付けられる椅子用のオス型面ファスナーを備えているものとすることによっても同様の効果を得ることができる。
【0017】
さらに、本発明にかかる椅子用身体固定バンドにおいて、
前記端部オス型面ファスナーに代えてメス型の面ファスナーを用い、
前記端部メス型面ファスナーに代えてオス型の面ファスナーを使用したことを特徴とするものであってもよい。
【0018】
係る構成を採用しても同様の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明にかかる椅子用身体固定バンドによれば、背もたれ又は座面を有する椅子であれば、様々な椅子に汎用して使用することができ、かつ面ファスナーを使用して固定するにもかかわらず、衣服に損傷を与えることを低減することができ、かつオス型面ファスナーが皮膚に接触して傷が形成されることを低減することができる椅子用身体固定バンドを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、実施形態にかかる椅子用身体固定バンド100の構成の概略を示す平面図、背面図及び側面図である。
図2図2は、実施形態にかかる椅子用身体固定バンド100の使用状態を示す図である。
図3図3は、実施形態にかかる椅子用身体固定バンド100の使用状態を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
次に、本発明にかかる椅子用身体固定バンド100の実施形態について、図を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態及び図面は、本発明の実施形態の一部を例示するものであり、これらの構成に限定する目的に使用されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更することができる。
【0022】
図1には、実施形態にかかる椅子用身体固定バンド100の表側、裏側及び側面を表す概略図が示されている。
【0023】
本実施形態にかかる椅子用身体固定バンド100は、主として伸縮性を有するバンド本体10と、表面の両側端部から所定範囲に設けられているメス型面ファスナー20と、裏面の中央に設けられている中央オス型面ファスナー30と、両側端部又は両側端部近傍にそれぞれ設けられている端部オス型面ファスナー40と、端部オス型面ファスナー40の中央側に隣接して又は隙間を開けてそれぞれ設けられる端部メス型面ファスナー50と、中央オス型面ファスナー30に対向して取り付けられている椅子用メス型面ファスナー60と、を備えている。なお、図1において、右上がりの2本斜線がメス型の面ファスナーを示し、左下がりの3本斜線がオス型の面ファスナーを示す。
【0024】
バンド本体10は、長尺な部材で作製されており、両端を引っ張ることによって長さを長くすることができ、開放することによって元の長さに復帰可能な伸縮性を有する部材によって形成されている。
【0025】
メス型面ファスナー20は、図1Aに示すように、バンド本体10の表側の両端側から所定距離設けられている。メス型面ファスナー20の長さは、身体に巻きつけた場合に後述する端部オス型面ファスナー40と貼り付け合う位置に設けられていればよい。
【0026】
中央オス型面ファスナー30は、図1Bに示すように、裏面側の中央に設けられており、後述する椅子90に取り付けられる椅子用メス型面ファスナー60に貼り付けられる。
【0027】
端部オス型面ファスナー40は、裏側の端部又は端部近傍に設けられる。端部メス型面ファスナー50は、端部オス型面ファスナー40に対して中央側に隣接して、又は少しの間隔をおいて設けられる。端部オス型面ファスナー40と端部メス型面ファスナー50との間には折目が設けられていて、使用しないときには、端部オス型面ファスナー40と端部メス型面ファスナー50を折り畳んで貼り付けることによって、端部オス型面ファスナー40が露出しないようにすることができる。端部オス型面ファスナー40の面を完全に塞ぐために、端部メス型面ファスナー50は、端部オス型面ファスナー40よりも長尺方向に長くなるように形成するとよい。
【0028】
椅子用メス型面ファスナー60は、中央オス型面ファスナー30に対して対向して貼り付けられるものであり、使用される椅子90の座面91の裏面や背もたれ92の背面に取り付けられる。容易に椅子90に取り付けられるように椅子用メス型面ファスナー60の貼付け面と反対側の面には両面テープ等を設けても良い。
【0029】
以上のようにして作製された椅子用身体固定バンド100は図2に示すように、椅子90の座面91の裏面側を通して巻きつけるようにして膝を固定したり、背もたれ92の背面側を通して巻きつけるようにして胸部を固定したりして使用される。図3に膝95を固定した状態を模した模式図が示されている。図3に示すように、椅子用メス型面ファスナー60を座面91に貼着し、この椅子用メス型面ファスナー60に中央オス型面ファスナー30を貼り付けることによって、椅子用身体固定バンド100は椅子に取り付けられる。この状態で、端部オス型面ファスナー40と端部メス型面ファスナー50とは折目によって折り畳まれており、端部オス型面ファスナー40のファスナー面が露出することが防止されている。この状態から椅子用身体固定バンド100の両側端部を膝95の上に移動させ、利き手によって使いやすい側の端部オス型面ファスナー40と端部メス型面ファスナー50を剥がして、端部オス型面ファスナー40を露出させる。そして、端部オス型面ファスナー40をメス型面ファスナー20に貼り付けることによって、膝95と座面91を巻きつけるようにして固定することができる。胸部を固定したい場合には、背もたれ92の背面側に椅子用メス型面ファスナー60を取り付けることで同様の方法で固定することができる。
【0030】
このように、本発明にかかる椅子用身体固定バンド100によれば、座面91の底面側又は背もたれ92の背面側に椅子用メス型面ファスナー60を取り付けることで容易に椅子90に椅子用身体固定バンド100を取り付けることができる。また、椅子用身体固定バンド100の両側端部に端部オス型面ファスナー40が設けられているので、いずれかの端部オス型面ファスナー40を使用してメス型面ファスナー20に貼り付けることができ、利き手に応じて選択して貼り付け動作を行うことができる。さらに、両側端部の端部オス型面ファスナー40を使用しないときは、折り畳んでおくことによって端部オス型面ファスナー40が露出することがなく、不用意に衣服に端部オス型面ファスナー40が貼り付いたりして、衣服が損傷する可能性を低減することができる。また、端部オス型面ファスナー40が直接肌に触れて、肌を損傷させる可能性を低減することができる。さらに、使用後においても、椅子用身体固定バンド100は、椅子用メス型面ファスナー60と中央オス型面ファスナー30で椅子90に取り付けられているので、座面91や背もたれ92を巻きつけるようにして椅子90に取り付けた状態で片付けることができる。
【0031】
なお、上述した実施形態においては、メス型面ファスナー20をバンド本体10の表面の両側端部から所定範囲に設けられているものとしたが、バンド本体10の表面の全面に設けても良い。全面に設けることによって、乗員の体型の大小に対する調節幅が大きくなり、様々な体型の人に使用することが可能になる。なお、伸縮性のメス型ファスナーそのものをバンドとして使用してもよい。
【0032】
また、前述した実施形態においては、中央オス型面ファスナー30と、椅子90に取り付けられる椅子用メス型面ファスナー60と、を使用したが、中央オス型面ファスナー30に代えて中央メス型面ファスナーを使用し、椅子用メス型面ファスナー60に代えて椅子用オス型面ファスナーを使用してもよい。かかる構成によっても同様の効果を得ることができる。
【0033】
また、前述した実施形態において、両側端部又は両側端部近傍にそれぞれ設けられている端部オス型面ファスナーと、端部オス型面ファスナーの中央側に隣接して又は隙間を開けてそれぞれ設けられる端部メス型面ファスナーと、を設けるものとしたが、両側端部又は両側端部近傍にそれぞれメス型の面ファスナーを使用し、このメス型面ファスナーの中央側に隣接して又は隙間を開けてそれぞれオス型の面ファスナーを使用してもよい。かかる構成によっても同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
上述した実施の形態で示すように、椅子用の身体固定用バンドとして産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0035】
10…バンド本体、20…メス型面ファスナー、30…中央オス型面ファスナー、40…端部オス型面ファスナー、50…端部メス型面ファスナー、60…椅子用メス型面ファスナー、90…椅子、91…座面、92…背もたれ、95…膝、100…椅子用身体固定バンド


図1
図2
図3