(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-18
(45)【発行日】2023-04-26
(54)【発明の名称】コイン処理装置
(51)【国際特許分類】
G07D 3/00 20060101AFI20230419BHJP
【FI】
G07D3/00 C
(21)【出願番号】P 2021142889
(22)【出願日】2021-09-02
【審査請求日】2022-03-23
(31)【優先権主張番号】P 2020148852
(32)【優先日】2020-09-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000116987
【氏名又は名称】旭精工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】是永 知賢
【審査官】小島 哲次
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-119473(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 1/00- 3/16
G07D 9/00-13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コインを1枚ずつ搬送する回転体と、
前記回転体によって搬送される前記コインを所定の方向に案内するガイド部と、
前記ガイド部に沿って移動する前記コインの金種を検出する検出部と、
を有し、
前記回転体は、回転軸側から遠心方向に配置された複数のアーム部を有し、隣り合う前記アーム部の間に前記コインが1枚入り、前記回転体の回転に伴い、隣り合う前記アーム部の回転方向の後進側の前記アーム部によって前記コインが押動され、前記ガイド部に沿って前記コインが移動し、1枚ずつ搬送される前記コインの金種を前記検出部で検出するコイン処理装置において、
それぞれの前記アーム部は、先行する前記コインを押動する押動アーム部と、後続する前記コインの挙動を緩衝する緩衝アーム部とを有
し、
前記アーム部には、前記押動アーム部と前記緩衝アーム部との間に溝が配置され、前記押動アーム部の先端側と前記緩衝アーム部の先端側が前記溝によって分断されていることを特徴とすることを特徴とするコイン処理装置。
【請求項2】
前記アーム部
は、前記溝の前記アーム部の基端側に拡張部を有し、前記拡張部は、前記緩衝アーム部と前記押動アーム部との間隔が前記アーム部の先端側より広い部分を有することを特徴とする請求項1に記載のコイン処理装置。
【請求項3】
前記緩衝アーム部は可撓性の樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のコイン処理装置。
【請求項4】
コインを1枚ずつ搬送する回転体と、
前記回転体によって搬送される前記コインを所定の方向に案内するガイド部と、
前記ガイド部に沿って移動する前記コインの金種を検出する検出部と、
を有し、
前記回転体は、回転軸側から遠心方向に配置された複数のアーム部を有し、隣り合う前記アーム部の間に前記コインが1枚入り、前記回転体の回転に伴い、隣り合う前記アーム部の回転方向の後進側の前記アーム部によって前記コインが押動され、前記ガイド部に沿って前記コインが移動し、1枚ずつ搬送される前記コインの金種を前記検出部で検出するコイン処理装置において、
それぞれの前記アーム部は、先行する前記コインを押動する押動アーム部と、後続する前記コインの挙動を緩衝する緩衝アーム部とを有し、
前記緩衝アーム部は可撓性の樹脂により形成されていることを特徴とす
るコイン処理装置。
【請求項5】
前記緩衝アーム部は、前記アーム部の基端側のアーム基部と、前記アーム基部に回動可能に固定されたアーム可動部とを有し、
前記アーム可動部は、前記アーム可動部の初期位置から、前記押動アーム部に近づく方向に移動することで、前記コインが当接したときの衝撃を緩衝することを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載のコイン処理装置。
【請求項6】
コインを1枚ずつ搬送する回転体と、
前記回転体によって搬送される前記コインを所定の方向に案内するガイド部と、
前記ガイド部に沿って移動する前記コインの金種を検出する検出部と、
を有し、
前記回転体は、回転軸側から遠心方向に配置された複数のアーム部を有し、隣り合う前記アーム部の間に前記コインが1枚入り、前記回転体の回転に伴い、隣り合う前記アーム部の回転方向の後進側の前記アーム部によって前記コインが押動され、前記ガイド部に沿って前記コインが移動し、1枚ずつ搬送される前記コインの金種を前記検出部で検出するコイン処理装置において、
それぞれの前記アーム部は、先行する前記コインを押動する押動アーム部と、後続する前記コインの挙動を緩衝する緩衝アーム部とを有し、
前記緩衝アーム部は、前記アーム部の基端側のアーム基部と、前記アーム基部に回動可能に固定されたアーム可動部とを有し、
前記アーム可動部は、前記アーム可動部の初期位置から、前記押動アーム部に近づく方向に移動することで、前記コインが当接したときの衝撃を緩衝することを特徴とするコイン処理装置。
【請求項7】
前記アーム可動部に設けられた突起と、
前記回転体の外部に固定され、前記突起に接触する突起受面を備える規正部と、を更に有し、
前記回転体を回転させることで、前記突起と前記突起受面は、接触しながら相対移動し、
前記突起と前記規正部とによって、前記回転体の回転に伴って、前記コインの当接によって移動した前記アーム可動部を、前記初期位置に戻すことを特徴とする請求項5または請求項6に記載のコイン処理装置。
【請求項8】
コインを1枚ずつ搬送する回転体と、
前記回転体によって搬送される前記コインを所定の方向に案内するガイド部と、
前記ガイド部に沿って移動する前記コインの金種を検出する検出部と、
を有し、
前記回転体は、回転軸側から遠心方向に配置された複数のアーム部を有し、隣り合う前記アーム部の間に前記コインが1枚入り、前記回転体の回転に伴い、隣り合う前記アーム部の回転方向の後進側の前記アーム部によって前記コインが押動され、前記ガイド部に沿って前記コインが移動し、1枚ずつ搬送される前記コインの金種を前記検出部で検出するコイン処理装置において、
それぞれの前記アーム部は、先行する前記コインを押動する押動アーム部と、後続する前記コインの挙動を緩衝する緩衝アーム部とを有し、
前記アーム部には、前記押動アーム部と前記緩衝アーム部との間に溝が配置され、前記押動アーム部の前記回転軸側と前記緩衝アーム部の前記回転軸側が前記溝によって分断されていることを特徴とす
るコイン処理装置。
【請求項9】
前記押動アーム部は、前記押動アーム部の中央部にくびれ部を備えることを特徴とする請求項1から請求項8の何れか1項に記載のコイン処理装置。
【請求項10】
前記コインを貯留する貯留容器と、
前記貯留容器に貯留された前記コインを一枚ずつに分離し、搬送するディスクと、
前記ディスクによって一枚ずつ搬送される前記コインを前記ディスクの外周方向に移動させるレバーと、
を有し、
前記レバーから離れた前記コインは、前記回転軸よりも上方であり、前記回転体の回転軌跡よりも外側から、隣り合う前記アーム
部の間に送り出されることを特徴とする請求項1から請求項9の何れか1項に記載のコイン処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コインを1枚ずつ搬送するコイン処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、国家によって発行する流通貨幣は、複数の金種のコインを含む。コインは金種毎に直径、厚み、材質、デザインが異なるので、誰にでも容易に金種が識別できる。金種毎に異なる特徴を有するので、機械により金種を識別することも可能である。また、識別したコインを、金種毎に容器に格納することも可能である。コイン処理装置では、コインの金種を識別し、金種毎にコインを格納し、必要に応じて格納されているコインの払出を行う。
【0003】
例えば、貯留容器に投入された複数のコインを一枚ずつ送り出し、金種を識別する装置として、特開2020-119473号公報の硬貨分離検知装置が知られている。この様なコイン処理装置は、4段階の工程を備える。まず、複数枚のコインを1枚ずつ送り出す工程である。次いで、1枚ずつ搬送されるコインの金種を識別する工程である。次いで、金種別分配装置によって金種別に分配して金種別保留装置に保留する行程である。次いで、外部機器などからの指令によって当該金種別保留装置から所定の金種のコインを所定数送り出して硬貨受取口へ送り出す行程である。
【0004】
コイン処理装置を使用する装置の例は、自動釣銭機である。自動釣銭機は、投入されたコインを金種毎に格納する。また、自動釣銭機は、釣銭の額に基づき排出するコインの金種および枚数を演算する。自動釣銭機は、演算された金種および枚数に基づいて、コインを排出する。コイン処理装置をPOSシステムに組み込み、POSシステム内の他の装置を用い釣銭の額の演算し、コイン処理装置から釣銭を払出すこともできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
国家によって使用するコインの金種は様々である。例えば、日本では1、5、10、50、100、500円の6種類のコインが広く使用されている。また、ヨーロッパでは1、2、5、10、20、50セント、1、2ユーロの8金種、アメリカ合衆国では1、5、10、25、50セント、1ドルの6金種のコインが広く使用されている。多くの国家では、複数の金種のコインを発行し、流通させている。コインの重さも様々である。軽いコインの重さに対して重いコインの重さは、5~10倍程度の重さがある。例えば、日本の軽いコインは、1円硬貨であり、その重さは約1グラムである。日本の重いコインは、500円硬貨であり、その重さは約7グラムである。
【0007】
コイン処理装置には、コインを1枚ずつ搬送する搬送部が備えられている。コインは、傾斜したベースに支持された状態で、回転体に押動されて搬送される場合がある。先行するコインが回転体に押動されているときに、後続のコインが回転体に衝突した場合、衝突の衝撃によって、先行するコインは、振動や不規則な移動をする。後続のコインが回転体に衝突した場合、衝突の衝撃が回転体を介して先行するコインに伝わる。先行するコインは、衝突の衝撃によって、回転体に弾かれる。コインの金種を検出する検出部の検出領域を先行するコインが移動しているときに、後続のコインが回転体に衝突する場合、検出部はコインの特徴を正確に検出できずに、誤った金種の判断をしてしまう。また、先行するコインが軽く後続のコインが重い場合、先行する軽いコインは移動しやすいので、特に問題が顕著となる。このように、後続のコインの挙動が、先行するコインの搬送に悪影響を与える課題があった。
【0008】
本発明は、先行して搬送されるコインが、後続のコインの挙動から受ける影響を防止乃至低減する手段を備えたコイン処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のコイン処理装置は、コインを1枚ずつ搬送する回転体と、前記回転体によって搬送される前記コインを所定の方向に案内するガイド部と、前記ガイド部に沿って移動する前記コインの金種を検出する検出部と、を有し、前記回転体は、回転軸側から遠心方向に配置された複数のアーム部を有し、隣り合う前記アーム部の間に前記コインが1枚入り、前記回転体の回転に伴い、隣り合う前記アーム部の回転方向の後進側の前記アーム部によって前記コインが押動され、前記ガイド部に沿って前記コインが移動し、1枚ずつ搬送される前記コインの金種を前記検出部で検出するコイン処理装置において、それぞれの前記アーム部は、先行する前記コインを押動する押動アーム部と、後続する前記コインの挙動を緩衝する緩衝アーム部とを有し、前記アーム部には、前記押動アーム部と前記緩衝アーム部との間に溝が配置され、前記押動アーム部の先端側と前記緩衝アーム部の先端側が前記溝によって分断されていることを特徴とすることを特徴とする。
また、本発明のコイン処理装置は、コインを1枚ずつ搬送する回転体と、前記回転体によって搬送される前記コインを所定の方向に案内するガイド部と、前記ガイド部に沿って移動する前記コインの金種を検出する検出部と、を有し、前記回転体は、回転軸側から遠心方向に配置された複数のアーム部を有し、隣り合う前記アーム部の間に前記コインが1枚入り、前記回転体の回転に伴い、隣り合う前記アーム部の回転方向の後進側の前記アーム部によって前記コインが押動され、前記ガイド部に沿って前記コインが移動し、1枚ずつ搬送される前記コインの金種を前記検出部で検出するコイン処理装置において、それぞれの前記アーム部は、先行する前記コインを押動する押動アーム部と、後続する前記コインの挙動を緩衝する緩衝アーム部とを有し、前記緩衝アーム部は可撓性の樹脂により形成されていることを特徴とすることができる。
また、本発明のコイン処理装置は、コインを1枚ずつ搬送する回転体と、前記回転体によって搬送される前記コインを所定の方向に案内するガイド部と、前記ガイド部に沿って移動する前記コインの金種を検出する検出部と、を有し、前記回転体は、回転軸側から遠心方向に配置された複数のアーム部を有し、隣り合う前記アーム部の間に前記コインが1枚入り、前記回転体の回転に伴い、隣り合う前記アーム部の回転方向の後進側の前記アーム部によって前記コインが押動され、前記ガイド部に沿って前記コインが移動し、1枚ずつ搬送される前記コインの金種を前記検出部で検出するコイン処理装置において、それぞれの前記アーム部は、先行する前記コインを押動する押動アーム部と、後続する前記コインの挙動を緩衝する緩衝アーム部とを有し、前記緩衝アーム部は、前記アーム部の基端側のアーム基部と、前記アーム基部に回動可能に固定されたアーム可動部とを有し、前記アーム可動部は、前記アーム可動部の初期位置から、前記押動アーム部に近づく方向に移動することで、前記コインが当接したときの衝撃を緩衝することを特徴とすることができる。
また、本発明のコイン処理装置は、コインを1枚ずつ搬送する回転体と、前記回転体によって搬送される前記コインを所定の方向に案内するガイド部と、前記ガイド部に沿って移動する前記コインの金種を検出する検出部と、を有し、前記回転体は、回転軸側から遠心方向に配置された複数のアーム部を有し、隣り合う前記アーム部の間に前記コインが1枚入り、前記回転体の回転に伴い、隣り合う前記アーム部の回転方向の後進側の前記アーム部によって前記コインが押動され、前記ガイド部に沿って前記コインが移動し、1枚ずつ搬送される前記コインの金種を前記検出部で検出するコイン処理装置において、それぞれの前記アーム部は、先行する前記コインを押動する押動アーム部と、後続する前記コインの挙動を緩衝する緩衝アーム部とを有し、前記アーム部には、前記押動アーム部と前記緩衝アーム部との間に溝が配置され、前記押動アーム部の前記回転軸側と前記緩衝アーム部の前記回転軸側が前記溝によって分断されていることを特徴とすることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、先行して搬送されているコインに対して、後続のコインの挙動に基づいて生じる影響を防止乃至軽減できる。コインの搬送経路におけるコインの挙動を抑制でき、好適にコインを搬送することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】
図1は、コイン処理装置の外観の斜視図である。
【
図2】
図2は、コイン処理装置の構成を説明する斜視図である。
【
図3】
図3は、コイン処理装置の主要部の斜視図である。
【
図4】
図4は、回転体の第1の例を説明する図である。
【
図5】
図5は、コイン処理装置の動作を説明する図である。
図5(a)は、第1の状態を示す図である。
図5(b)は、第2の状態を示す図である。
図5(c)は、第3の状態を示す図である。
【
図6】
図6は、回転体の第2の例を説明する図である。
【
図7】
図7は、回転体の第3の例を説明する図である。
【
図8】
図8は、回転体の第4の例を説明する図である。
【
図9】
図9は、回転体の第5の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0013】
図1は、コイン処理装置の外観の斜視図である。コイン処理装置1は、略立方体状の外装ケースに覆われている。コイン処理装置1には、コインを投入する投入口2、払出されるコインを受けるトレー3が備えられている。
【0014】
コインを投入する投入口2の開口が、外装ケースの上面の手前側に配置されている。払出されるコインを受けるトレー3が、外装ケースのフロント面に配置されている。コイン処理装置1の内側と外側とを貫通する出金口4が、外装ケースのフロント面のトレー3に対応する位置に設けられている。出金口4を介して払出されるコインを、トレー3が受け止める。外装ケースの上面の手前側の投入口2の隣には、表示装置5が配置されている。表示装置5は、コイン処理装置1の状態や、入金額、出金額、案内などを表示する。投入されたコインを分離、識別、格納、払出す装置が外装ケースに覆われている。
【0015】
例えば、コイン処理装置1は、自動釣銭機、自動両替機等のコインを入出金する装置である。投入口2にコインが投入される。投入されたコインの金種及び枚数を不図示の制御部が取得し、投入された金額を把握する。不図示の制御部によってコインの払出しの有無が演算される。コインの払出しがある場合は、不図示の制御部は、払出すコインの金種、枚数を演算し、コインホッパーを制御してコインを排出する。排出されたコインは、トレー3に送られる。
【0016】
次に、コイン処理装置1の構成について説明する。
図2は、コイン処理装置の構成を説明する斜視図である。一般に使用されているコインは、複数の金種から構成される。コインは、サイズ、材質、デザインなどの要素が金種毎に異なっている。コイン処理装置1の投入口2(
図1)には、複数の金種のコインが混ぜられた状態で投入される。コイン処理装置1は、投入されたコインを一枚ずつに分け、分けられたコインの金種を識別する。コイン処理装置1は、識別されたコインを金種毎に格納する。
【0017】
コイン処理装置1は、3つの部分に分けられる。3つの部分とは、投入されたコインを1枚ずつ区分して送り出す分離部6、コインの金種を識別する識別部7、コインを金種毎に分けて格納する振分部8である。
【0018】
投入口2(
図1)に投入されるコイン9は、貯留容器10に格納される。貯留容器10に格納されたコイン9は、1枚ずつ分離され、次工程に搬送される。
【0019】
分離部6には、コイン9を1枚ずつ保持する凹部を備えたディスク11が設けられている。ディスク11は、水平方向に対して傾斜して配置されている。ディスク11の下方には、貯留容器10が配置されている。貯留容器10の底部が、ディスク11の外周に沿って形成されている。貯留容器10は、ディスク11の下側半分から三分の一程度を覆う。ディスク11が水平方向に対して傾斜して配置されているので、コイン9は、ディスク11側にもたれかかる。ディスク11を回転させることで、ディスク11にもたれているコイン9が、ディスク11の凹部に入り込み、搬送される。ディスク11はモーター13によって駆動される。
【0020】
ディスク11には、コイン9が収容される凹部が3カ所に設けられている。各凹部に設けられているレバー12は、コイン9が所定位置に運ばれたときに動作し、コイン9を次行程に移動させる。すなわち、コイン9は、受渡部14で分離部6から識別部7に受け渡される。
【0021】
識別部7は、1枚ずつ搬送されるコイン9の金種を識別し、次工程である振分部8にコイン9を受け渡す。識別部7は、ケース15によって覆われている。識別部7については後述する。
【0022】
識別部7によって金種が識別されたコイン9は、振分部8に渡される。振分部8では、コイン9は、外周面をレール16に支持され、表または裏面を傾斜支持部17に支持され、ベルト19に設けられた搬送ピン18に押されて搬送される。搬送ピン18はベルト19に等間隔に配置されている。隣り合う搬送ピン18の間にコイン9が1枚入る。分離部6のディスク11、識別部7の後述する回転体、搬送ピン18が配置されたベルト19は、同期して駆動する。
【0023】
レール16には、4つのフラップ21が設けられている。各フラップ21は、レール16に沿って移動するコイン9の移動方向を可変する。コイン9は、フラップ21によって、通過させられるか、スライダー22の方向に移動させられるか、下方に落とされるか、の何れかの方向に移動させられる。
【0024】
スライダー22に移動させられたコイン9は、対応するコイン通路23を通り、
図2の手前側に図示されたコインホッパー20に格納される。また、下方に落とされコイン9は、不図示の対応するコイン通路を通り、
図2の奥側に図示されたコインホッパー20に格納される。
【0025】
振分部8のコイン9の搬送路には、コイン9が通過したか否かを検出するコインセンサー24が配置されている。コインセンサー24は、搬送路におけるコイン9の有無を検出することができる。
【0026】
また、コインホッパー20に格納されなかったコイン9は、オーバーフロー孔25に落ち、オーバーフロー容器26に格納される。オーバーフロー孔25は、レール16の端部に配置されている。
【0027】
識別部7によって金種の識別されたコイン9は、8つのコインホッパー20またはオーバーフロー容器26の何れかに格納される。各コインホッパー20は格納する金種が予め決められており、コイン9の金種に応じてフラップ21を動作させることで、対応する金種のコイン9をコインホッパー20に導くことができる。コインホッパー20が8台配置されているので8種類までの金種に対応することができる。
【0028】
また、各コインホッパー20から出金口4(
図1)に導く不図示の通路にコイン9を排出し、コインホッパー20に格納されているコイン9を出金する。
【0029】
次に分離部6と識別部7について説明する。
図3は、コイン処理装置の主要部の斜視図である。分離部6と識別部7が隣り合い、その奥側に振分部8が配置されている。振分部8は一部分が図示されている。
【0030】
分離部6のディスク11は、ディスク軸30に固定され、反時計回りに回転する。識別部7の回転体38は、回転体軸39に固定され、時計回りに回転する。ベルト19は、不図示の2つのプーリーに掛け回され、反時計回りに回転する。ディスク11と回転体38とベルト19は、同期して回転する。分離部6によって1枚ずつに分離されたコイン9は、1枚ずつ分離されて搬送される。
【0031】
ディスク11の外周側、回転体38の外周側には、コイン9の移動を制限する外枠37が設けられている。外枠37は、コイン9が、外部に出ないように配置されている。
【0032】
ディスク11には3カ所のディスク凹部31が設けられ、各ディスク凹部31には、レバー12が設けられている。
【0033】
分離部ベース32、受渡部14、識別部ベース34は、面一に配置され、平坦である。分離部ベース32、受渡部14、識別部ベース34の上をコイン9が摺動する。分離部ベース32、受渡部14、識別部ベース34は、水平方向に対して傾斜して配置されている。例えば、45度傾斜している。コイン9は、分離部ベース32、受渡部14、識別部ベース34の上では、表または裏面が対向して接し、支持される。またコイン9は、重力によって下方に力が加わり、支えが無ければ、下方に滑り落ちる。
【0034】
ディスク凹部31に入ったコイン9は、ディスク11の回転によって、受渡部14の方向に搬送される。コイン9が受渡部14に差し掛かるとレバー12が動作する。レバー12は、ディスク凹部31からコイン9を、ディスク11の外周方向に押し出す。
【0035】
レバー12によって、押し出されたコイン9は、受渡部14に移動し、さらに、識別部7に移動する。重力の力で、コイン9は、下方に滑り落ちるように移動する。
【0036】
回転体38は、3つのアーム部40が、回転体38の中心から放射状に延在する。すなわち、回転体38の回転体軸39を中心側として、遠心力の方向である遠心方向に、アーム部40が設けられている。アーム部40は、回転体軸39を中心として、120度間隔で3本配置されている。回転体38とディスク11は連動して回転するので、各ディスク凹部31のコイン9は、各アーム部40間に受け渡される。コイン9は、隣り合う2つのアーム部40によって1枚ずつ区分される。コイン9は、隣り合うアーム部40間に1枚入り、回転体38の回転に伴い搬送される。隣り合うアーム部40間のコイン9は、回転体38の回転方向の後進側のアーム部40によって押動される。
【0037】
識別部7における外枠37の一部には、直線状のセンサガイド部35が形成されている。コイン9は、センサガイド部35に沿って直線状に搬送され、搬送されている間に検出部36によって特徴が検出される。センサガイド部35は、検出部36の検出領域に対応して設けられている。
【0038】
検出部36には、コイン9の特徴を検出するセンサーが配置されている。検出部36を一定の条件で通過させることで、検出精度が向上する。そのため、センサガイド部35を直線状にしている。コイン9は、所定の位置を所定の速度で通過しているときに、検出部36のセンサーによって特徴が検出される。コイン9の検出時に、コイン9の速度が変化したり、弾みながら移動したりすることで、誤検出してしまう場合があり、誤検出を防止する必要がある。
【0039】
それぞれのアーム部40は、押動アーム部41と緩衝アーム部42が設けられている。押動アーム部41は、コイン9を押動する。緩衝アーム部42は、後続のコイン9の挙動を緩衝する。アーム部40には、緩衝アーム部42に衝突したコイン9の衝撃が、押動アーム部41に伝わり難いように、押動アーム部41と緩衝アーム部42の間に溝が設けられている。
【0040】
押動アーム部41によって検出部36の検出領域を移動中の先行するコイン9は、後続のコイン9による影響を受けないか、または影響が低減された状態で搬送される。
【0041】
例えば、緩衝機能の無いアーム部40を使った場合を考える。検出部36の検出領域を移動中の先行するコイン9があり、分離部6から受け渡された後続のコイン9がアーム部40に衝突した場合、後続のコイン9が衝突した衝撃が、アーム部40を介して先行するコイン9に伝わる。先行するコイン9は、進行方向に強い力が働き、アーム部40からはじき飛ばされる。その後、外枠37やアーム部40と衝突を繰り返し、振動する。先行するコイン9は、金種の検出中に予期せぬ移動をするので、金種が誤検出される。
【0042】
緩衝アーム部42は、後続するコイン9の衝突の影響を低減乃至防止することができる。緩衝アーム部42は、後続するコイン9の衝突の影響を低減乃至防止する手段とも言える。
【0043】
識別部7の上部には、受渡孔43が設けられている。コイン9は、受渡孔43を通り抜け、識別部7から振分部8に移動する。ベルト19と回転体38は同期して回転しているので、コイン9は、隣り合う搬送ピン18の間に入る。振分部8では、フラップ21を駆動し、コイン9を金種毎にコインホッパーに案内する。フラップ21には、レール16(
図2)と面一となるフラップ頂部33が設けられている。フラップ頂部33を、コイン9の移動方向に対して垂直方向に移動させることで、コイン9を通過させるか、一方側に落とすか、他方側に落とすかを選択することができる。落とされたコイン9は、それぞれ別々のコインホッパーに導かれ、格納される。
【0044】
次に、コイン9を搬送する回転体38について説明する。
図4は、回転体の第1の例を説明する図である。
【0045】
回転体38は回転体軸39を中心に矢印で示した回転体回転方向47の方向に回転する。回転体38は、回転体軸39を中心にして放射状に3つのアーム部40が設けられている。アーム部40の基底方向から先端方向に向けて分離凹部46が形成されている。分離凹部46は溝である。アーム部40は、分離凹部46によって、押動アーム部41と緩衝アーム部42に分けられている。押動アーム部41は、コイン9を押動する押動部44を備え、コイン9を外枠37(
図3)に沿って押動する。回転体38の回転によってコイン9が上方に移動すると、コイン9は押動アーム部41の案内部45に沿って転がり、受渡孔43(
図3)に渡される。
【0046】
前工程から受け渡されたコイン9が、緩衝アーム部42に当接する場合について説明する。破線で示されている前工程からの後続のコインは、矢印で示されたコイン移動方向48に落ちて緩衝アーム部42に当接する。コイン9が緩衝アーム部42に当接すると、緩衝アーム部42が撓み、衝撃を吸収する。分離凹部46によって、緩衝アーム部42に当接したコイン9の衝撃が、先行するコイン9に、押動アーム部41を介して直線的に伝わることを防止できる。そのため、後続するコイン9の衝撃によって、先行するコイン9が弾かれることを防止乃至低減できる。各押動アーム部41の先端部には、コイン9を押動する平坦な側面である押動部44を備えている。押動部44によって押動されるコイン9は、センサガイド部35(
図3)に沿って、移動することができる。分離凹部46がアーム部40の基底部まで設けられているので、後続のコイン9によって緩衝アーム部42に加わる力が、押動アーム部41へ伝わり難い。また緩衝アーム部42の根元が太く、先端が細い2段階の弧状なので、緩衝アーム部42の先端で受けた力が、2段階に緩衝された後、他の部分に伝わる。
【0047】
緩衝アーム部42は、基底部が先端部より太く形成されている。また緩衝アーム部42は、弧状の形状である。弧状にすることで、緩衝アーム部42のどの位置にコイン9が当接しても力を受け流しやすくしている。また、緩衝アーム部42を、押動アーム部41より細く形成している。緩衝アーム部42を軽く、押動アーム部41を重くすることで、先行するコイン9への振動を軽減する。また、押動アーム41の中央部はくびれており、回転軸39側または先端側に向かい漸次幅広に形成されている。
【0048】
次に、
図5を用いて、コイン9の移動について説明する。
図5は、コイン処理装置の動作を説明する図である。
図5(a)は、第1の状態を示す図である。
図5(b)は、第2の状態を示す図である。
図5(c)は、第3の状態を示す図である。
【0049】
図5(a)は、第1の状態を示す図である。識別部7では、先行するコイン9が押動部44によって押され、センサガイド部35に沿って検出部36の検出領域を移動している。また、後続のコイン9が重力によって外枠37に沿って、最下位置に移動中である。後続するコイン9は、落下の衝撃が緩衝され、回転体38の後から外枠37に沿って移動している。分離部6では、コイン9を次工程に渡すため、レバー12が動作している。
【0050】
図5(b)は、第2の状態を示す図である。識別部7では、回転体38が回転し、先行するコイン9が、押動部44に押され、外枠37に沿って移動している。また、後続のコイン9は、外枠37の最下位置で停止している。分離部6では、レバー12の動作が進み、コイン9が次工程に渡される直前である。
【0051】
図5(c)は、第3の状態を示す図である。分離部6からコイン9が次工程である識別部7に渡された後を示している。押動部44が案内部45より高い位置となり、最も先行しているコイン9が案内部45に移動した状態である。受渡孔43に、コイン9が入る前の状態である。
【0052】
次に先行しているコイン9は、外枠37の最下位置にあったコイン9を押動部44によってセンサガイド部35に沿って押動している状態である。また、前工程の分離部6からコイン9が受け渡され、緩衝アーム部42にコイン9が当接した状態である。
【0053】
ここで、仮にアーム部に後続するコイン9の衝撃を緩衝する緩衝機構が無い場合について考える。後続のコイン9の衝突の衝撃が、アーム部を介して、先行するコイン9に伝わる。緩衝機構が無ければ、後続のコイン9の衝突の衝撃が、先行するコイン9に最短距離で伝わる。そのため、押動部44によって押動中のコイン9は、破線で示されたコイン9の方向に、押動部44に接する位置から弾き飛ばされる。押動部44から離れた破線で示されたコイン9は、センサガイド部35や回転体38の側面に何度も当たり、検出部36の領域内で振動したり、予期せぬ方向に移動したりする。検出部36は、正確にコイン9の特徴を検出することができない。
【0054】
アーム部に緩衝アーム部42のような緩衝機構がある場合、後続のコイン9の衝突の衝撃が、アーム部を介して先行するコイン9に伝わるが、その力は小さい。そのため、検出部36の領域内では、コイン9は押動部44によって押され続け、センサガイド部35に沿って移動する。検出部36は、コイン9を好適に検出することができる。また、更に先行する案内部45に支持されているコイン9に伝わる衝撃力も小さく、回転体38は、好適にコイン9を搬送できる。コイン9は、次工程に好適に受け渡たされる。
【0055】
次に回転体の別の形態の例を説明する。
図6は、回転体の第2の例を説明する図である。回転体38のアーム部40を分離凹部46によって押動アーム部41と緩衝アーム部42に分ける。分離凹部46は、基端側から先端側までおおよそ等間隔で押動アーム部41と緩衝アーム部42を分離する溝である。分離凹部46の回転体38の回転中心に近い側の基端に、拡張部49が設けられている。分離凹部46の間隔は、基端側から先端側まで大凡同じ幅の溝である。拡張部49は、分離凹部46の幅よりも広い幅の溝で構成されている。拡張部49は、分離凹部46による力の分断を更に効果的にする。押動アーム部41の根元が細くなるので、押動アーム部41に加わった力が他の部分に伝わりにくくなる。また、緩衝アーム部42の根元が、屈曲するので、緩衝アーム部42が撓み易い。コインが緩衝アーム部42に当接した場合に、当接したコイン9の衝撃力を吸収し、衝撃力が他の部分に伝わり難くなる。拡張部49は、上面視で円形の形状を説明したが、この形状に限らない。拡張部49は、アーム部40の先端側より基端側の幅が実質的に広い溝であればよい。
【0056】
次に回転体の別の形態の例を説明する。
図7は、回転体の第3の例を説明する図である。回転体38のアーム部40は、先行部50と可撓部51を備える。先行部50は、例えば、金属、プラスチック、ゴム製である。先行部50は、コインを押動する。可撓部51は、ゴムや可撓性の樹脂で形成された部分である。可撓部51は、後続のコインの衝突による衝撃を吸収し、先行部50に伝わる衝撃力を低減する。先行部50と可撓部51は、一体として構成されている。可撓部51に衝突したコインの衝撃は、可撓部51によって吸収され、先行部50には衝撃が弱まって伝えられる。そのため、先行部50によって先行するコインを押動している場合であっても、先行するコインは、後続のコインによる影響が低減される。または実質的に影響を受けない。可撓部51の衝撃が十分弱められれば、先行部50への影響を防止できる。そこで、両者を、ゴムや可撓性の樹脂などの衝撃を弱められる同一の材質とすることもできる。また、可撓部51の後続のコインが当接する部分に、先行部50と同じ硬質の部材を配置することで、可撓部51の強度を向上させることもできる。可撓部51は、先行部50と硬質の部材の間に挟まれる。可撓部51のコインとの当接部は強度が向上する。コインの衝撃は、可撓部51によって吸収される。可撓部51は、コインの衝撃を吸収する衝撃吸収部材として機能する。また、アーム部40の基端側から先端側に溝を設けても良い。例えば、先行部50と可撓部51の間に溝を設けることで、さらに衝撃を緩衝することができる。
【0057】
次に回転体の別の形態の例を説明する。
図8は、回転体の第4の例を説明する図である。回転体38は、後続するコインの衝撃を吸収するために、緩衝機構を備える。緩衝アーム部42は、アーム基部52とアーム可動部53を備える。アーム基部52が基端側、すなわち回転体軸39側に配置され、アーム可動部53が先端側に配置されている。アーム可動部53は、アーム基部52の先端側に設けられた支軸54によって、回動可能に軸支されている。後続するコインが緩衝アーム部42に当接すると、支軸54を軸として、アーム可動部53が折れ曲がる。アーム可動部53が、押動アーム部41側に折れ曲がることで、コイン9の衝突の衝撃を弱める。アーム基部52とアーム可動部53との間には適度な摩擦力があり、アーム可動部53を初期位置に固定している。アーム可動部53の初期位置は、コインとの当接前の位置である。アーム可動部53は、剛体でも良いし、可撓性の樹脂でも良い。アーム可動部53は、アーム可動部53が支軸54で折れ曲がっても、押動アーム部41に当接しないように、折れ曲り角度を制限する機構を配置するのが好ましい。例えば、支軸54と分離凹部46の間に、アーム可動部53の移動を制限する部材を配置し、アーム可動部53が、押動アーム部41まで回転することを防止する。また、回転体38の回転方向にアーム可動部53が移動する例の他に、コイン9の厚み方向にアーム可動部53を移動させることで衝撃を吸収させることも可能である。
【0058】
アーム可動部53は、点線で示す可動域の限界位置を示すアーム位置58から実線で示されるアーム可動部53の初期位置の間を回動する。アーム可動部53の先端部には、突起55が設けられている。突起55は、規正部56と当接する。規正部56は、回転体38と共に回転しないケース15(
図2)に固定されている。回転体38を、矢印で示されている回転体回転方向47に回転させると、固定されている規正部56に突起55が当接する。当接面57は突起55を受ける突起受面である。突起55が、突起55と接触する当接面57に沿って移動することで、アーム可動部53が初期位置に移動する。すなわち、突起55と規正部56とを相対移動させることで、アーム可動部53が、コイン9当接前の所定位置に移動し、戻る。
【0059】
例えば、点線で示されている可動域を示すアーム位置58は、コイン9の当接後のアーム可動部53の位置を示している。規正部56の当接面57に沿って突起55を移動させることで、アーム可動部53は、押動アーム部41から離れる方向に移動する。また逆に、ケース15(
図2)側に突起を設け、アーム可動部53の先端に傾斜した当接面を持つ規正部を設けても良い。
【0060】
アーム可動部53とアーム基部52との間に、アーム可動部53が押動アーム部41から離れる方向に付勢するバネを設けても良い。その場合、突起55と規正部56は不要となる。
【0061】
次に回転体の別の形態の例を説明する。
図9は、回転体の第5の例を説明する図である。回転体38のアーム部40は、アーム部40の先端側で押動アーム部41と緩衝アーム部42が接続され、回転軸39側に溝が備わる。押動アーム部41と緩衝アーム部42の接続部60は、上面視で湾曲し、緩衝アーム部42と大凡同じ幅で押動アーム部41に接続されている。押動アーム部41と緩衝アーム部42を分離する溝の幅は全域に亘り等間隔である。また、溝の接続部60側に、幅の広い溝を配置しても良い。緩衝アーム部42の根元が、屈曲するので、緩衝アーム部42が撓み易くなり、当接したコイン9の衝撃力を吸収し、衝撃力が他の部分に伝わり難くなる。また、回転体38は、先端側が重くなり、慣性力が増し、回転がより安定する。また、押動アーム41の中央部はくびれており、回転軸39側または先端側に向かい漸次幅広に形成されている。
【符号の説明】
【0062】
1 コイン処理装置
2 投入口
3 トレー
4 出金口
5 表示装置
6 分離部
7 識別部
8 振分部
9 コイン
10 貯留容器
11 ディスク
12 レバー
13 モーター
14 受渡部
15 ケース
16 レール
17 傾斜支持部
18 搬送ピン
19 ベルト
20 コインホッパー
21 フラップ
22 スライダー
23 コイン通路
24 コインセンサー
25 オーバーフロー孔
26 オーバーフロー容器
30 ディスク軸
31 ディスク凹部
32 分離部ベース
33 フラップ頂部
34 識別部ベース
35 センサガイド部
36 検出部
37 外枠
38 回転体
39 回転体軸
40 アーム部
41 押動アーム部
42 緩衝アーム部
43 受渡孔
44 押動部
45 案内部
46 分離凹部
47 回転体回転方向
48 コイン移動方向
49 拡張部
50 先行部
51 可撓部
52 アーム基部
53 アーム可動部
54 支軸
55 突起
56 規正部
57 当接面
58 可動域を示すアーム位置