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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-18
(45)【発行日】2023-04-26
(54)【発明の名称】紙容器発泡装置
(51)【国際特許分類】
   B31B 50/00 20170101AFI20230419BHJP
【FI】
B31B50/00
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2022506041
(86)(22)【出願日】2019-08-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-10-07
(86)【国際出願番号】 CN2019099876
(87)【国際公開番号】W WO2021026670
(87)【国際公開日】2021-02-18
【審査請求日】2022-01-28
(73)【特許権者】
【識別番号】522037757
【氏名又は名称】張靜文
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(74)【代理人】
【識別番号】100167601
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 信之
(74)【代理人】
【識別番号】100201329
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 真二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100220917
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 忠大
(72)【発明者】
【氏名】張靜文
【審査官】佐藤 秀之
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第104416707(CN,A)
【文献】特開平11-123783(JP,A)
【文献】特開2001-088160(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B31B 50/00
B32B 5/00
B29C 44/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙容器発泡装置であって、
水平面において材料供給回収領域、予熱領域、加熱領域及び冷却領域に区分され、該予熱領域、該加熱領域及び該冷却領域内にそれぞれガイド部が設けられる本体と、
閉ループのチェーンを含み、該チェーンが該水平面に該材料供給回収領域、該予熱領域、該加熱領域及び冷却領域に沿って順次延びて前進した後、該材料供給回収領域に戻り、該チェーンが該予熱領域、該加熱領域及び該冷却領域内にそれぞれ迂回して延びることにより、該予熱領域、該加熱領域及び該冷却領域はそれぞれ少なくとも1つの鉛直断面に少なくとも2つの該チェーンを有する経路を有する搬送機構と、
支持部及びベースを有し、それぞれ前記ベースにより該チェーンの一側に間隔をあけて順次設けられる複数の支持座であって、該支持部は紙容器を支持するために該ベースに回転可能に設けられ、各前記支持座が該チェーンに伴って該予熱領域、該加熱領域及び該冷却領域内を前進する時、該ガイド部は該支持部と摩擦して該支持部の自転を促進する複数の支持座と、
該予熱領域及び該加熱領域内を加熱するように該予熱領域及び該加熱領域に設けられ、該予熱領域の温度は該加熱領域の温度よりも低い加熱機構と、
該冷却領域内を冷却するように該冷却領域に設けられる冷却機構と、
材料供給機構及び材料回収機構であって、それぞれ該材料供給回収領域の上方に設けられ、該材料供給機構は該予熱領域に近く、該材料回収機構は該冷却領域に近く、該材料供給機構は紙容器を該複数の支持座の支持部に順次載置し、該材料回収機構は該複数の支持座上の紙容器を順次回収する前記材料供給機構及び前記材料回収機構と、を含む、
紙容器発泡装置。
【請求項2】
該本体は、前側と後側を定義し、該前側と該後側を前後縁として縦長方向を定義し、該縦長方向に垂直する横方向を定義し、該縦長方向及び該横方向はいずれも該水平面に平行であり、該材料供給回収領域は該本体の前側に位置し、該予熱領域、該加熱領域及び該冷却領域は該横方向に沿って配列されて該材料供給回収領域の後方に位置する、請求項1に記載の紙容器発泡装置。
【請求項3】
該チェーンは、該材料供給回収領域内で該横方向に沿って延び、該予熱領域、該加熱領域及び該冷却領域内でそれぞれ該縦長方向に沿って往復して延びてU字状の2列を呈し、且つ該予熱領域と該加熱領域との間にもU字状に接続され、該加熱領域と該冷却領域との間にもU字状に接続され、該材料供給回収領域と該予熱領域との間にL字状に接続され、該冷却領域と該材料供給回収領域との間にL字状に接続される、請求項2に記載の紙容器発泡装置。
【請求項4】
該チェーンは、該予熱領域、該加熱領域及び該冷却領域における方向変換部で該本体の後端に近接し、該予熱領域と該加熱領域との間の接続方向変換部で該材料供給回収領域に近接し、該加熱領域と該冷却領域との間の接続方向変換部で該材料供給回収領域に近接する、請求項3に記載の紙容器発泡装置。
【請求項5】
該チェーンは、該冷却領域において該縦長方向に沿って2回往復して延びてW字状の4列状を呈する、請求項3に記載の紙容器発泡装置。
【請求項6】
該搬送機構は複数の歯車をさらに含み、該複数の歯車は、それぞれ該予熱領域、該加熱領域及び該冷却領域の該縦長方向に沿う両端及び該材料供給回収領域の該横方向に沿う両端に設けられ、該チェーンにそれぞれ噛合し、該複数の歯車の回転によって該チェーンの前進と方向変換を駆動する、請求項3に記載の紙容器発泡装置。
【請求項7】
該加熱機構は、複数の加熱板及び複数の給気口を含み、該複数の加熱板は、該予熱領域及び該加熱領域に設けられて該複数の支持座の上方に位置し、該複数の給気口は、該予熱領域及び該加熱領域に設けられて該加熱板の上方に位置し、気流を提供することにより、該複数の加熱板によって加熱された空気を該複数の支持座に吹き付ける、請求項1から6のいずれか1項に記載の紙容器発泡装置。
【請求項8】
該冷却機構は、少なくとも1つのファン及び通風口を含み、該ファンは該冷却領域内に気流を提供し、該通風口は該冷却領域内の熱気を排出する、請求項1から6のいずれか1項に記載の紙容器発泡装置。
【請求項9】
該材料回収機構は、負圧によって該複数の支持座上の紙容器を吸引する、請求項1から6のいずれか1項に記載の紙容器発泡装置。
【請求項10】
該チェーンは該冷却領域において該縦長方向に沿って2回往復して延びてW字状の4列状を呈し、該搬送機構は複数の歯車をさらに含み、該複数の歯車は、それぞれ該予熱領域、該加熱領域及び該冷却領域の該縦長方向に沿う両端及び該材料供給回収領域の該横方向に沿う両端に設けられ、該チェーンにそれぞれ噛合し、該複数の歯車の回転によって該チェーンの前進と方向変換を駆動し、該加熱機構は、複数の加熱板及び複数の給気口を含み、該複数の加熱板は、該予熱領域及び該加熱領域に設けられて該複数の支持座の上方に位置し、該複数の給気口は、該予熱領域及び該加熱領域に設けられて該加熱板の上方に位置し、気流を提供することにより、該複数の加熱板によって加熱された空気を該複数の支持座に吹き付け、該冷却機構は、少なくとも1つのファン及び通風口を含み、該ファンは該冷却領域内に気流を提供し、該通風口は該冷却領域内の熱気を排出し、材料回収機構は、負圧によって該複数の支持座上の紙容器を吸引し、該本体は、気流循環システムを含み、該気流循環システムは、該予熱領域、該加熱領域及び該冷却領域にそれぞれ吸気機構及び排気機構を有し、該予熱領域、該加熱及び該冷却領域における特定方向の気流の流れを維持し、該予熱領域と該加熱領域との間は、第1仕切板で互いに完全に仕切られず、該加熱領域と該冷却領域との間は第2仕切板で互いに完全に仕切られていない、請求項4に記載の紙容器発泡装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発泡装置に関し、特に、紙容器発泡装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、発泡層を有する断熱紙容器の製造は、紙容器の外表面に発泡材を塗布した後、紙容器を加熱装置内で加熱発泡させ、発泡済みの紙容器を別の場所に移動して冷却し、冷却済みの紙容器を互いに重ね合わせる。しかし、このプロセスは非常に複雑で手間がかかり、加熱装置と冷却装置をそれぞれ用意する必要があるだけでなく、紙容器を手動で搬送して収集する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これに対し、同一の機台の異なる位置に加熱領域と冷却領域が設けられ、搬送ベルトにより紙容器を搬送して加熱領域と冷却領域を通過させ、連続生産の効果を達成する連続生産ライン型の発泡装置が現れた。しかしながら、十分な発泡を達成するように十分な加熱時間を確保するため、また発泡層を十分に冷却することを確保するために、加熱領域と冷却領域はそれぞれ相当な長さを有しなければならず、発泡装置の体積も相当な大きさでなければならない。
【0004】
従って、十分な発泡と十分な冷却を確保した上で発泡装置の体積を如何に小さくするかが、当業者にとって大きな課題である。
【0005】
本発明の主な目的は、機台の体積を効果的に小さくしながらも加熱領域と冷却領域を確実に仕切るように十分な経路長さを確保できる紙容器発泡装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は、本体、搬送機構、複数の支持座、加熱機構、冷却機構、材料供給機構及び材料回収機構を含む紙容器発泡装置を提供する。
【0007】
該本体は、水平面において材料供給回収領域、予熱領域、加熱領域及び冷却領域に区分され、該予熱領域、該加熱領域及び該冷却領域内にそれぞれガイド部が設けられる。該搬送機構は、閉ループのチェーンを含み、該チェーンが該水平面に該材料供給回収領域、該予熱領域、該加熱領域及び冷却領域に沿って順次延びて前進した後、該材料供給回収領域に戻り、該チェーンが該予熱領域、該加熱領域及び該冷却領域内にそれぞれ迂回して延びることにより、該予熱領域、該加熱領域及び該冷却領域はそれぞれ少なくとも1つの鉛直断面に少なくとも2つの該チェーンを有する経路を有する。各前記支持座は、支持部及びベースを有し、それぞれ前記ベースにより該チェーンの一側に間隔をあけて順次設けられ、該支持部は紙容器を支持するために該ベースに回転可能に設けられ、各前記支持座が該チェーンに伴って該予熱領域、該加熱領域及び該冷却領域内を前進する時、該複数のガイド部は該支持部と摩擦して該支持部の自転を促進する。該加熱機構は、該予熱領域及び該加熱領域内を加熱するように該予熱領域及び該加熱領域に設けられ、該予熱領域の温度は該加熱領域の温度よりも低い。該冷却機構は、該冷却領域内を冷却するように該冷却領域に設けられる。該材料供給機構及び該材料回収機構は、それぞれ該材料供給回収領域の上方に設けられ、該材料供給機構は該予熱領域により近く、該材料回収機構は該冷却領域により近く、該材料供給機構は紙容器を該複数の支持座の支持部に順次載置し、該材料回収機構は該複数の支持座上の紙容器を順次回収する。
【0008】
任意選択的に、該本体は、前側と後側を定義し、該前側と該後側を前後縁として縦長方向を定義し、該縦長方向に垂直する横方向を定義し、該縦長方向及び該横方向はいずれも該水平面に平行であり、該材料供給回収領域は該本体の前側に位置し、該予熱領域、該加熱領域及び該冷却領域は該横方向に沿って配列されて該材料供給回収領域の後方に位置する。
【0009】
任意選択的に、該チェーンは、該材料供給回収領域内で該横方向に沿って延び、該予熱領域、該加熱領域及び該冷却領域内でそれぞれ該縦長方向に沿って往復して延びてU字状の2列を呈し、且つ該予熱領域と該加熱領域との間にもU字状に接続され、該加熱領域と該冷却領域との間にもU字状に接続され、該材料供給回収領域と該予熱領域との間にL字状に接続され、該冷却領域と該材料供給回収領域との間にL字状に接続される。
【0010】
任意選択的に、該チェーンは、該予熱領域、該加熱領域及び該冷却領域における方向変換部で該本体の後端に近接し、該予熱領域と該加熱領域との間の接続方向変換部で該材料供給回収領域に近接し、該加熱領域と該冷却領域との間の接続方向変換部で該材料供給回収領域に近接する。
【0011】
任意選択的に、該チェーンは、該冷却領域において該縦長方向に沿って2回往復して延びてW字状の4列状を呈する。
【0012】
任意選択的に、該搬送機構は複数の歯車をさらに含み、該複数の歯車は、それぞれ該予熱領域、該加熱領域及び該冷却領域の該縦長方向に沿う両端及び該材料供給回収領域の該横方向に沿う両端に設けられ、該チェーンにそれぞれ噛合し、該複数の歯車の回転によって該チェーンの前進と方向変換を駆動する。
【0013】
任意選択的に、該加熱機構は、複数の加熱板及び複数の給気口を含み、該複数の加熱板は、該予熱領域及び該加熱領域に設けられて該複数の支持座の上方に位置し、該複数の給気口は、該予熱領域及び該加熱領域に設けられて該加熱板の上方に位置し、気流を提供することにより、該複数の加熱板によって加熱された空気を該複数の支持座に吹き付ける。
【0014】
任意選択的に、該冷却機構は、少なくとも1つのファン及び通風口を含み、該ファンは該冷却領域内に気流を提供し、該通風口は該冷却領域内の熱気を排出する。
【0015】
任意選択的に、該材料回収機構は、負圧によって該複数の支持座上の紙容器を吸引する。
【0016】
任意選択的に、該チェーンは該冷却領域において該縦長方向に沿って2回往復して延びてW字状の4列状を呈し、該搬送機構は複数の歯車をさらに含み、該複数の歯車は、それぞれ該予熱領域、該加熱領域及び該冷却領域の該縦長方向に沿う両端及び該材料供給回収領域の該横方向に沿う両端に設けられ、該チェーンにそれぞれ噛合し、該複数の歯車の回転によって該チェーンの前進と方向変換を駆動し、該加熱機構は、複数の加熱板及び複数の給気口を含み、該複数の加熱板は、該予熱領域及び該加熱領域に設けられて該複数の支持座の上方に位置し、該複数の給気口は、該予熱領域及び該加熱領域に設けられて該加熱板の上方に位置し、気流を提供することにより、該複数の加熱板によって加熱された空気を該複数の支持座に吹き付け、該冷却機構は、少なくとも1つのファン及び通風口を含み、該ファンは該冷却領域内に気流を提供し、該通風口は該冷却領域内の熱気を排出し、材料回収機構は、負圧によって該複数の支持座上の紙容器を吸引し、該本体は、気流循環システムを含み、該気流循環システムは、該予熱領域、該加熱領域及び該冷却領域にそれぞれ吸気機構及び排気機構を有し、該予熱領域、該加熱及び該冷却領域における特定方向の気流の流れを維持し、該予熱領域と該加熱領域との間は、第1仕切板で互いに完全に仕切られず、該加熱領域と該冷却領域との間は第2仕切板で互いに完全に仕切られていない。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の斜視図である。
図2】本発明の別の角度の斜視図である。
図3】本発明の蓋体が開いた時の斜視図である。
図4】本発明の部分斜視図である。
図5】本発明の横断面図である。
図6】本発明の縦断面図である。
図7】本発明の平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、当業者が本発明をよりよく理解して実施することができるように、図面及び具体的な実施例を参照して本発明をさらに説明するが、本発明は、挙げた実施例に限定されるものではない。
【0019】
図1から図7を参照する。本発明は、本体10、搬送機構20、複数の支持座30、加熱機構40、冷却機構50、材料供給機構60及び材料回収機構70を含む紙容器発泡装置を提供する。
【0020】
該本体10は、水平面において材料供給回収領域13、予熱領域14、加熱領域15及び冷却領域16に区分され、該予熱領域14、該加熱領域15及び該冷却領域16内にそれぞれガイド部が設けられ、該予熱領域14と該加熱領域15との間は第1仕切板121で互いにほぼ仕切られ、該加熱領域15と該冷却領域16との間は第2仕切板122で互いにほぼ仕切られる。該搬送機構20は閉ループのチェーン21を含み、該チェーン21は、該水平面に該材料供給回収領域13、該予熱領域14、該加熱領域15及び冷却領域16に沿って順次延びて前進した後、該材料供給回収領域13に戻り、該チェーン21が該予熱領域14、該加熱領域15及び該冷却領域16内にそれぞれ迂回して延びることにより、該予熱領域14、該加熱領域15及び該冷却領域16が、それぞれ少なくとも1つの鉛直断面に少なくとも2つの該チェーン21を有する経路を有する。
各前記支持座30は、支持部32及びベース31を有し、該複数の支持座30はそれぞれそのベース31により該チェーン21の一側に間隔をあけて順次設けられる。該支持部32は、さかさまに置く紙容器90を支持するために該ベース31に回転可能に設けられ、各前記支持座30が該チェーン21に伴って該予熱領域14、該加熱領域15及び該冷却領域16内を前進する時、該複数のガイド部は該支持部32と摩擦して該支持部32の自転を促進する。該加熱機構40は、少なくとも2つの加熱板41を含み、少なくとも2つの加熱板41は、該予熱領域14及び該加熱領域15内を加熱するように該予熱領域14及び該加熱領域15にそれぞれ設けられる。該予熱領域14の温度は該加熱領域15の温度よりも低く、該予熱領域14における該チェーン21は、該予熱領域14における加熱板41の長さ方向に沿って延び、該加熱領域15における該チェーン21は、該加熱領域15における加熱板41の長さ方向に沿って延びる。
該冷却機構50は、該冷却領域16内を冷却するように該冷却領域16に設けられる。該材料供給機構60及び該材料回収機構70はそれぞれ該材料供給回収領域13の上方に設けられ、該材料供給機構60は該予熱領域14により近く、該材料回収機構70は該冷却領域16により近い。該材料供給機構60は、紙容器90を該複数の支持座30の支持部32に順次載置し、該材料回収機構70は、該複数の支持座30上の紙容器90を順次回収する。
【0021】
本実施例において、該本体10は前側と後側を定義し、該前側と該後側の接続方向は縦長方向を定義し、該縦長方向に垂直する横方向を定義する。該縦長方向及び該横方向はいずれも該水平面に平行であり、該材料供給回収領域13は該本体10の前側に位置し、該予熱領域14、該加熱領域15及び該冷却領域16は、該横方向に沿って配列されて該材料供給回収領域13の後方に位置する。
該チェーン21は、該材料供給回収領域13内で該横方向に沿って延び、該予熱領域14、該加熱領域15及び該冷却領域16内でそれぞれ該縦長方向に沿って往復して延びて略U字状の2列状を呈し、且つ該予熱領域14と該加熱領域15との間にもU字状に接続され、該加熱領域15と該冷却領域16との間にもU字状に接続され、該材料供給回収領域13と該予熱領域14との間に略L字状に接続され、該冷却領域16と該材料供給回収領域13との間に略L字状に接続される。
【0022】
好ましくは、該チェーン21は、それぞれ該予熱領域14、該加熱領域15及び該冷却領域16における方向変換部で該本体10の後端に近接し、該予熱領域14と該加熱領域15との間の接続方向変換部で該材料供給回収領域13に近接し、該加熱領域15と該冷却領域16との間接続方向変換部で該材料供給回収領域13に近接する。また、該チェーン21は該冷却領域16において該縦長方向に沿って2回往復して延びて略W字状の4列状を呈し、それにより比較的長い冷却時間を提供する。
【0023】
詳しくは、該搬送機構20は複数の歯車22をさらに含み、該複数の歯車22は、それぞれ該予熱領域14、該加熱領域15及び該冷却領域16の該縦長方向に沿う両端及び該材料供給回収領域13の該横方向に沿う両端に設けられ、該チェーン21にそれぞれ噛合し、該複数の歯車22の回転によって該チェーン21の前進と方向変換を駆動する。
【0024】
また、該加熱機構40は、複数の給気口42をさらに含み、該複数の加熱板41は該予熱領域14及び該加熱領域15に設けられて該複数の支持座30の上方に位置し、該複数の給気口42は該予熱領域14及び該加熱領域15に設けられて該加熱板41の上方に位置し、気流を提供することにより、該複数の加熱板41によって加熱された空気を該複数の支持座30に吹き付ける。
該冷却機構50は少なくとも1つのファン51及び通風口52を含み、該ファン51は該冷却領域16内に気流を提供し、該通風口52は該冷却領域16内の熱気を排出する。該材料回収機構70は負圧によって該複数の支持座30上の紙容器90を吸引する。該本体10は気流循環システム80をさらに含み、該気流循環システム80は該予熱領域14、該加熱領域15及び該冷却領域16にそれぞれ吸気機構及び排気機構を有し、それにより、該予熱領域14、該加熱領域15及び該冷却領域16における特定方向の気流の流れを維持する。
【0025】
一方、本実施例において、該加熱領域15は主加熱領域151及び降温領域152を含み、該主加熱領域151は該予熱領域14により近く、該降温領域152は該冷却領域16により近く、該降温領域152の温度は該主加熱領域151の温度よりも低く、該主加熱領域151と該降温領域152との間には第3仕切板123で互いにほぼ仕切られる。該材料供給回収領域13の該後側に近い側には第4仕切板124が設けられ、それにより該材料供給回収領域13を該予熱領域14、該加熱領域15及び該冷却領域16の外に仕切る。
【0026】
具体的には、該本体10は、ベース本体12及び蓋体11を含み、該蓋体11は、該ベース本体12の上に枢動可能に覆設され、該チェーン21、該複数の支持座30、該第1仕切板121、該第2仕切板122、該第3仕切板123、該第4仕切板124は該ベース本体12に設けられ、該蓋体11の該ベース本体12に向かう一面には第1板体111、第2板体112及び第3板体113が設けられる。該第1板体111、第2板体112及び第3板体113は、それぞれ該第1仕切板121、第2仕切板122及び第3仕切板123に対応し、該第1板体111、該第2板体112、該第3板体113、該第1仕切板121、該第2仕切板122及び該第3仕切板123は、いずれも該縦長方向に沿って延びる。
該蓋体11が該ベース本体12に覆設される時、該第1板体111と該第1仕切板121とは互いに接合され、該第2板体112と該第2仕切板122とは互いに接合され、該第3板体113と該第3仕切板123とは互いに接合される。また、該本体10は、該予熱領域14と該材料供給回収領域13との間の上方に排熱口が設けられ、それにより該予熱領域14の熱気が該材料供給回収領域13及び外部に流れることを避ける。
【0027】
好ましくは、該第1仕切板121と該第4仕切板124との間、該第2仕切板122と該第4仕切板124との間、該第3仕切板123と該第4仕切板124との間は、それぞれ所定の距離を隔てて該チェーン21が通過するための切り欠きを形成し、該第4仕切板124の該横方向に沿う両端は、それぞれ該本体10の両側辺と所定の距離を隔てて該チェーン21が通過するための切り欠きを形成する。該蓋体11の前側は該第4仕切板124に対応し、該蓋体11が該ベース本体12にカバーされると、該蓋体11の前側と該第4仕切板124は接合されて該予熱領域14、該加熱領域15及び該冷却領域16を内包する。
【0028】
各前記支持座30について、本実施例において、各前記支持座30の支持部32は歯状輪321を有する。各前記ガイド部は少なくとも2つのガイドレール171を含み、該歯状輪321は各前記ガイドレール171に当接して該ガイドレール171に沿って転がることにより(各前記ガイドレール171の底部に摩擦力を増加させるクッションをさらに設けてもよい)、該支持部32を駆動して自転させ、紙容器90の各方向に対する均一な加熱を確保する。該予熱領域14、該加熱領域15及び該冷却領域16のそれぞれの該2つのガイドレール171は中間アイランド部17の対向する両面に形成され、各前記中間アイランド部17は、該予熱領域14、該加熱領域15及び該冷却領域16のそれぞれの2列のチェーン21の間に介在される。
該予熱領域14、該加熱領域15及び該冷却領域16における該チェーン21の付近にはそれぞれ転動面18が設けられ、該複数の転動面18は該複数の支持座30の動作経路の下方に位置し、各前記支持座30の該チェーン21から離れた一端に軸受33が設けられ、該軸受33は水平軸に沿って回転して該転動面18に当接することができる。該支持座30が該チェーン21によって駆動されて移動する時、該軸受33は該転動面18に転がり、それにより、支持座30の円滑な前進を促進するだけでなく、支持座30外側を下へ傾くことを回避するように、支持座30の外側を上へ支持することができる。
【0029】
実際の稼動時、該複数の歯車22は、駆動装置によって駆動されて回転させるように接続され、さらに該チェーン21を駆動して該材料供給回収領域13、該予熱領域14、該加熱領域15、該冷却領域16及び該材料供給回収領域13の順に沿って回転させる。該材料供給機構60は、それぞれのその下方を通過する支持座30の支持部32に発泡対象の紙容器90を載置し、該支持座30は、チェーン21によって駆動されて該予熱領域14及び該加熱領域15を迂回して順次通過することにより、発泡材の発泡を完了させ、さらに該冷却領域16を迂回して通過して完全に冷却され、最後に該材料供給回収領域13に戻って該材料回収機構70によって収集される。
【0030】
上記の構成により、該チェーンは、総面積が最小である前提でその経路長さを可能な限り延長することができる。そのため、材料供給回収領域、予熱領域、加熱領域及び冷却領域が互いに隣接する場合でも、各領域内における支持座の動作経路長さが十分に長いため、紙容器は、確実に発泡するように十分な加熱を受けることができ、冷却領域内でも十分な時間を有して十分に冷却することができ、それにより、材料回収機構が複数の紙容器を重ね合わせることに有利である。
また、該複数の仕切板は、隣接する各領域同士の大部分を仕切り、各領域の熱気が過度に相互に流れないように確保する。そのため、加熱領域の温度を維持しやすく、冷却領域及び予熱領域にも温度が高すぎることはない。一方、加熱板は、支持座の前進方向に完全に延びているので、前進の過程に紙容器を常に均一に加熱することができる。
【産業上の利用可能性】
【0031】
本発明の実施例が提供する紙容器発泡装置は、本体、搬送機構、複数の支持座、加熱機構、冷却機構、材料供給機構及び材料回収機構を含み、機台の体積を効果的に縮小することができ、十分な経路長さを確保して加熱領域と冷却領域を確実に仕切ることができる。そのため、産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0032】
10 本体
11 蓋体
111 第1板体
112 第2板体
113 第3板体
12 ベース本体
121 第1仕切板
122 第2仕切板
123 第3仕切板
124 第4仕切板
13 材料供給回収領域
14 予熱領域
15 加熱領域
151 主加熱領域
152 降温領域
16 冷却領域
17 中間アイランド部
171 ガイドレール
18 転動面
20 搬送機構
21 チェーン
22 歯車
30 支持座
31 ベース
32 支持部
321 歯状輪
33 軸受
40 加熱機構
41 加熱板
42 給気口
50 冷却機構
51 ファン
52 通風口
60 材料供給機構
70 材料回収機構
80 気流循環システム
90 紙容器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7