(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-18
(45)【発行日】2023-04-26
(54)【発明の名称】好塩基球の活性化を検出するための方法
(51)【国際特許分類】
G01N 33/53 20060101AFI20230419BHJP
G01N 33/543 20060101ALI20230419BHJP
C12Q 1/02 20060101ALN20230419BHJP
【FI】
G01N33/53 Q
G01N33/53 K
G01N33/543 575
C12Q1/02
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2018147570
(22)【出願日】2018-08-06
【審査請求日】2021-08-04
(32)【優先日】2017-08-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2017-12-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516125624
【氏名又は名称】ユーロイミューン・メディツィニシェ・ラボルディアグノシュティカ・アクチエンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】100099623
【氏名又は名称】奥山 尚一
(74)【代理人】
【氏名又は名称】松島 鉄男
(74)【代理人】
【識別番号】100125380
【氏名又は名称】中村 綾子
(74)【代理人】
【識別番号】100142996
【氏名又は名称】森本 聡二
(74)【代理人】
【識別番号】100166268
【氏名又は名称】田中 祐
(74)【代理人】
【識別番号】100170379
【氏名又は名称】徳本 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100180231
【氏名又は名称】水島 亜希子
(74)【代理人】
【氏名又は名称】有原 幸一
(72)【発明者】
【氏名】ユリア グリューネ
(72)【発明者】
【氏名】ヘニング セイスマン
(72)【発明者】
【氏名】アルフ ヴァイマン
【審査官】大瀧 真理
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/105541(WO,A1)
【文献】特表2005-509845(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第02037269(EP,A1)
【文献】国際公開第2012/044756(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 33/48 - 33/98
C12Q 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アレルギーの指標として活性化好塩基球を使用するための方法であって、該方法は、以下の工程:
a)患者の全血サンプルに由来する好塩基球を、水性溶液中の全血の体積含有量が少なくとも20体積%である、全血の存在下での該水性溶液中のアレルゲンと、該アレルゲンによる該好塩基球の活性化を可能にする条件下で接触させる工程、
b)工程a)からの該好塩基球を富化する工程、および
c)活性化好塩基球を検出する工程
を包含し、
ここで工程c)における該検出は、好塩基球に関する好塩基球の表面に位置するマーカーが化学発光によって検出されるという点で行われ、
かつ、
ここで工程b)において、好塩基球は、該好塩基球が、活性化好塩基球に特徴的なマーカーであるポリペプチドに特異的に結合するリガンドに結合するという点で富化され、
かつ/または、工程c)における該検出は、活性化好塩基球に特徴的なマーカーが化学発光によって検出されるという点で行われる、
方法。
【請求項2】
前記全血は、非処理全血である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
工程a)は、水性溶液中で、少なくとも30体積
%の全血含有量で行われる、請求項1および2のうちの1項に記載の方法。
【請求項4】
前記好塩基球の活性化を停止する工程を包含する、請求項1~3のうちの1項に記載の方法。
【請求項5】
工程b)において、前記好塩基球は、該好塩基球が
、該好塩基球の活性化状態とは独立して好塩基球の細胞表面に位置するポリペプチドに特異的に結合するリガンドに結合するという点で富化される、請求項1~4のうちの1項に記載の方法。
【請求項6】
前記リガンドは、前記ポリペプチドに対するモノクローナル抗体である、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
工程b)において、前記好塩基球は、固定化される、請求項1~6のうちの1項に記載の方法。
【請求項8】
前記好塩基球は、ビー
ズ上に固定化される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記好塩基球は、固定化後に洗浄される、請求項7~8のうちの1項に記載の方法。
【請求項10】
工程b)において、赤血球は、溶解および除去される、請求項1~9のうちの1項に記載の方法。
【請求項11】
前記赤血球は、前記好塩基球の固定化の前に遠心分離によって除去される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記検出は、工程c)において、好塩基球の表面に位置する前記マーカ
ーに対して化学発光が可能な標識とともに提供されるリガンドを使用して行われる、請求項1~11
のうちの1項に記載の方法。
【請求項13】
化学発光が可能な標識とともに提供される前記リガンドは、それ自体が、化学発光が可能な標識を含むか、または化学発光が可能な標識を有する二次抗体に結合するモノクローナル抗体である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
工程a)、工程b)および工程c)は、マイクロタイタープレートのウェル中で行われる、請求項1~13
のうちの1項に記載の方法。
【請求項15】
工程a)は、工程b)および工程c)の前に行われる、請求項1~14
のうちの1項に記載の方法。
【請求項16】
キットであって、
好塩基球をアレルゲンに接触させるための容
器、ならびに
好塩基球を富化するための好塩基球の細胞表面に位置するポリペプチドに対するリガンド、および好塩基球の細胞表面に位置する検出のためのマーカーに対するリガンドであって、
ここで好塩基球の表面に位置する検出のための該マーカーに対する該リガンドは、化学発光が可能な標識を含み、
ここで化学発光が可能な該標識は、化学発光反応を触媒する酵素または適切な条件下で化学発光シグナルを自身で生成する分子であり得、ここで前者の場合の該酵素は、化学発光が可能な基質溶液と組み合わせて該キット中に含まれ、
そしてここで好塩基球の細胞表面に位置する該ポリペプチドおよび/または好塩基球の細胞表面に位置する該マーカーは、活性化好塩基球に特徴的である、
リガン
ド
を含む、キット。
【請求項17】
アレルギーを診断するための、アレルギーを診断するキットを生成するための、またはアレルゲンに対するアレルギーの処置のための候補活性成分をスクリーニングするための、好塩基球を富化するための好塩基球の細胞表面に位置するポリペプチドに対するリガンドを、好塩基球の細胞表面に位置する検出のためのマーカーに対するリガンドと一緒に含む組み合わせ物であって、
ここで好塩基球の細胞表面に位置する検出のための該マーカーに対する該リガンドは、化学発光が可能な標識を含み、
ここで化学発光が可能な該標識は、化学発光反応を触媒する酵素または適切な条件下で化学発光シグナルを自身で生成する分子であり得、ここで前者の場合の該酵素は、化学発光が可能な基質溶液と組み合わせて使用され、
そしてここで好塩基球の細胞表面に位置する該ポリペプチドおよび/または好塩基球の細胞表面に位置する該マーカーは、活性化好塩基球に特徴的である、
組み合わせ物。
【発明の詳細な説明】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0001】
本発明は、アレルギーを診断するための方法であって、患者の全血サンプルに由来する好塩基球を、水性溶液中の全血の体積含有量が少なくとも20体積%である、全血の存在下での上記水性溶液中のアレルゲンと、上記アレルゲンによる上記好塩基球の活性化を可能にする条件下で接触させる工程、上記工程a)からの好塩基球を富化する工程および活性化好塩基球を検出する工程を包含し、ここで上記検出は、活性化好塩基球に特徴的なマーカーが化学発光によって検出されるという点で行われる、方法;ならびに、以下:好塩基球をアレルゲンと接触させるための、好ましくはマイクロタイタープレートである容器、任意選択で、アレルゲン、好ましくは、化学発光が可能な標識とともに提供されるマーカーに対するリガンド(該リガンドは、より好ましくはモノクローナル抗体である)である、化学発光によって活性化好塩基球に特徴的なマーカーを検出するための作用物質(agent)、任意選択で、好塩基球の活性化を停止するための作用物質、任意選択で、好塩基球の活性化状態とは独立して好塩基球の細胞表面に位置するポリペプチドに結合する固定化可能なリガンド(ここで該リガンドは、好ましくは該ポリペプチドに対するモノクローナル抗体である)、および任意選択で、赤血球を溶解および/または除去するための作用物質、を含むキットに関する。
【0002】
IgE媒介性免疫応答に基づく即時性アレルギー(I型アレルギーともいわれる)の診断において、使用される主な方法は、詳細な患者病歴を入手し、次いで、皮膚プリックテストまたはチャレンジ試験などの皮膚試験を行うことであり、これは、アレルギー診断におけるゴールドスタンダードである。補助として、インビトロ試験が、1種または1種より多くの特定のアレルゲンに対する特異的IgE抗体の存在が検出される手段によって使用される。
【0003】
このような検出を行うために、アレルゲンは、スポンジ、膜またはビーズなどのマトリクスに結合され、患者血清と接触される。この後、結合したIgEの量が、標識された抗ヒトIgE抗体を使用して決定される。
【0004】
インビトロでの特異的IgE決定の利点は、行うのが容易であり、標準化可能であり、そして大規模に実現可能であるという事実にある。しかし多くの場合には、この方法は、臨床上関連のあるアレルギーと単純な感作との間を区別できない。
【0005】
さらなる欠点は、多くの抗原の利用可能性に乏しいこと、およびアレルゲンにおける、マトリクスへのその連結が原因である、考えられるコンホメーション変化であり、これは、検出されるべきIgE抗体に対する親和性を変化させ得る。多くの場合において、アレルゲン抽出物は、困難を伴ってのみ標準化され得るか、または全く標準化され得ない。さらに、より小さなアレルゲンは、血清アルブミンなどのキャリア分子に結合されなければならない。さらに、好塩基球およびマスト細胞などのエフェクター細胞に対する血清中のIgE抗体および膜結合したIgE抗体のアレルゲン特異性は、溶解し結合したIgEのゆっくりとした交換のみが起こるので、必ずしも同じではない。最後に、特異的IgE抗体を検出するためのインビトロ試験において反映され得ない他の因子は、細胞性アレルギー反応が実際に誘発されるかどうか、血中の全IgE 対 特異的IgEの全体的な比または抗体の親和性を決定する。
【0006】
特に、IgEおよび皮膚試験が不明瞭な結果を生じる場合には、それ故に、補助として、好塩基球脱顆粒試験または好塩基球活性化試験(BAT)などの細胞試験システムを使用することは、賢明である。通常は、用語「BAT」は、フローサイトメトリー試験を参照して使用される。
【0007】
特異的IgE抗体決定(これは、血清中に溶解した生物学的に不活性なIgE含有量のみを決定する)を超える細胞試験の特定の利点は、それら試験が、好塩基球の細胞表面上のレセプターに結合したIgE抗体へのアレルゲンの結合およびその架橋によって誘発される実際の細胞生物学的反応を検出することである。細胞試験はまた、脱顆粒能力の閾値を決定することを可能にする。それらは、患者において治療の成功をモニターするために、特に免疫療法後に必要とされる。
【0008】
概して、細胞試験は、まず、患者血液をアレルゲンと接触させることによって行われる。その患者が既に感作されている場合、これは、好塩基球の細胞表面に位置するレセプターに結合したアレルゲン特異的IgE抗体へのアレルゲンの結合を生じる。これは、IgEレセプターの架橋をもたらし、これは翻って、好塩基性顆粒球の脱顆粒を、従って、細胞内顆粒からのメディエーターの放出を誘発する。これらのメディエーター(例えば、ヒスタミン、ロイコトリエンおよびトリプターゼ)は、酵素イムノアッセイによって上清中で定量され得る。メディエーターの分泌は、CD63またはCD203cなどのマーカー(これらは、細胞内顆粒の膜に以前は位置しており、従って、細胞反応も示す)の上昇した細胞表面濃度を相伴う。従って、メディエーターの分泌は、アレルゲンに対する細胞反応を示す。
【0009】
この上昇した表面濃度は、発蛍光団に結合される、活性化特異的細胞表面マーカーに対する抗体を使用するフローサイトメトリーによって今日まで慣用的な診断において検出されてきた。この場合、調べられるべき細胞は、薄い測定チャンバを通って液体流の中で個々に流れ、異なる波長の複数のレーザー光を通過し、ここで各細胞タイプに特徴的な散乱光が生成され、同時に、それぞれの波長に応じて、その抗体に連結した発蛍光団が刺激される(ただし活性化した細胞が存在することを条件とする)。励起した発蛍光団によって発せられた光および散乱光は、検出器によって捕らえられる。
【0010】
この試験システムの欠点は、フローサイトメーターの取得費用が高額であること、試験結果が複雑であること(これは、訓練された技術職員によって解釈され得るに過ぎない)、および標準化の困難さである。さらに、全ての場合で、1つのデバイスで一度に1サンプルを測定することが可能であるのみである。
【0011】
本発明に従うさらなる課題は、活性化可能な好塩基球を含むサンプルの品質に関する。そのサンプルの品質および従って、それらの診断法の適切性は、それらが専門的な標準に従って得られ、輸送され、そして貯蔵されるかどうかに依存する。例えば、細胞は、熱または不適切な緩衝液に曝される場合に死滅し得る。
【0012】
その品質が不十分である場合、これは、偽陰性の結果を引き起こし得る。これは、陰性の結果が、患者がアレルギー性でないということを示さないが、単純に患者のサンプルが不十分な品質のものであるか、またはより正確には、活性化可能な好塩基球が含まれないかもしくは少なすぎることを意味する。
【0013】
それは、サンプルの欠陥のある品質がフローサイトメトリーなどの複雑な方法を行うことによってのみ検出される場合、特に非効率的である。
【0014】
従って、サンプルの品質を効率的な方法で、すなわち、ハイスループットに適したプロセスを使用して決定するために適した方法(単数または複数))が必要である。このような方法は、アレルゲンを使用して行われず、従って、診断上有用な結果を提供しないが、サンプル品質が別個のバッチで行われる診断法に適しているかどうかに関して予測を行うことを可能にする。この方法は、診断法の前に、診断法の後に、または診断法と並行して行われ得る。この方法またはそこで使用される試薬は、細胞調製物、好ましくはサンプル中の活性化可能な好塩基球の数または含有量を決定するのに働き得る。
【0015】
DE 10235310は、好塩基球の活性化が蛍光カルシウム染料を使用して検出される試験を開示する。密度勾配遠心分離によって分画された血液が使用される。
【0016】
WO 2012/044756、US 2009/0246805、WO 98/32014およびEP 2037269は、好塩基球の活性化を検出するためのフローサイトメトリー試験を開示する。
【0017】
この背景に対して、本発明の目的は、先行技術に記載される方法の上述の欠点が克服され得る手段、特に、フローサイトメーター以外のシステムで行われ得る好塩基球活性化試験による方法および上記方法に適した試薬を提供することである。
【0018】
特に、目的は、ハイスループット法において複数のサンプルの同時処理を可能にするシステムを提供することである。さらに、再現性および標準化可能性(standardizability)が担保されることである。
【0019】
この目的およびさらなる目的は、本発明の主題によって、特に、添付の独立請求項の主題によって達成され、ここで好ましい実施形態は、従属請求項に示される。
【0020】
第1の局面において、本発明の課題は、アレルギーを診断するための方法、好ましくはハイスループットに適した方法によって解決され、上記方法は、以下の工程:
a)患者の全血サンプルに由来する好塩基球を、水性溶液中の全血の体積含有量が少なくとも20体積%である、全血の存在下での上記水性溶液中のアレルゲンと、上記アレルゲンによる好塩基球の活性化を可能にする条件下で接触させる工程、
b) 工程a)からの好塩基球を富化する工程、および
c)活性化好塩基球を検出する工程、
を包含し、
ここで工程c)における検出は、活性化好塩基球に特徴的なマーカーが化学発光によって検出されるという点で行われる。
【0021】
あるいは、上記課題は、アレルギーを診断するための方法によって第1の局面において解決され、上記方法は、以下の工程:
a)患者の全血サンプルに由来する好塩基球を、水性溶液中の全血の体積含有量が少なくとも20体積%である、全血の存在下での上記水性溶液中のアレルゲンと、上記アレルゲンによる好塩基球の活性化を可能にする条件下で接触させる工程、
b)工程a)からの好塩基球を富化する工程、および
c)活性化好塩基球を検出する工程、
を包含し、
ここで工程c)における検出は、好塩基球の表面に位置するマーカーが化学発光によって検出されるという点で行われ、
ここで工程b)において、好塩基球は、上記好塩基球が、活性化好塩基球に特徴的なマーカーであるポリペプチドに特異的に結合するリガンドに結合するという点で富化され、
そして/または工程c)における検出は、活性化好塩基球に特徴的なマーカーが化学発光によって検出されるという点で行われる。
【0022】
好ましい実施形態において、上記全血は、非処理全血である。
【0023】
さらに好ましい実施形態において、工程a)は、少なくとも30体積%、好ましくは35体積%、より好ましくは40体積%、より好ましくは45体積%の全血含有量を含む、水性溶液中で行われる。
【0024】
さらなる実施形態において、上記方法は、好塩基球の活性化を、好ましくは工程b)の前に停止する工程を包含する。
【0025】
さらなる実施形態において、工程b)の好塩基球は、上記好塩基球が、好塩基球の細胞表面に位置するポリペプチドに特異的に結合するリガンドに結合するという点で富化される。このポリペプチドは、上記好塩基球の活性化状態および/または活性化好塩基球に特徴的なマーカー、好ましくは活性化好塩基球に特徴的なさらなるマーカー(これは、化学発光によって本発明に従って検出されるマーカーとは異なる)とは独立して、好塩基球の細胞表面に位置するポリペプチドであり得る。特に好ましい実施形態において、それは、上記好塩基球の活性化状態とは独立して好塩基球の細胞表面に位置するポリペプチドである。
【0026】
さらなる実施形態において、好塩基球の活性化状態とは独立して好塩基球の細胞表面に位置するポリペプチドに特異的に結合するリガンドは、上記ポリペプチドに対するモノクローナル抗体である。
【0027】
好ましい実施形態において、上記好塩基球は、工程b)において固定化される。
【0028】
好ましい実施形態において、上記好塩基球は、工程b)において、ビーズ、好ましくは磁性ビーズ上で固定化される。
【0029】
好ましい実施形態において、上記好塩基球は、固定化後に洗浄される。
【0030】
好ましい実施形態において、上記赤血球は、工程b)において溶解および除去される。
【0031】
好ましい実施形態において、上記赤血球は、上記好塩基球の固定化前に遠心分離によって除去される。
【0032】
好ましい実施形態において、工程c)における検出は、好塩基球の表面に位置するマーカー、好ましくは活性化好塩基球に特徴的なマーカーに対する、化学発光が可能な標識とともに提供されるリガンドを使用して行われる。
【0033】
好ましい実施形態において、化学発光が可能な標識とともに提供されるリガンドは、モノクローナル抗体であって、それ自身化学発光が可能な標識を含むか、または化学発光が可能な標識を有する二次抗体に結合するモノクローナル抗体である。
【0034】
好ましい実施形態において、工程a)、工程b)および工程c)は、マイクロタイタープレート中で行われる。
【0035】
好ましい実施形態において、工程a)は、工程b)および工程c)の前に行われる。
【0036】
さらなる局面において、本発明の目的は、キットであって、以下:好ましくはマイクロタイタープレートである、好塩基球をアレルゲンと接触させるための容器、任意選択で、アレルゲン、好ましくは化学発光が可能な標識とともに提供されるマーカーに対するリガンド(該リガンドは、より好ましくは、モノクローナル抗体である)である、化学発光によって活性化好塩基球に特徴的なマーカーを検出するための作用物質、任意選択で、好塩基球の活性化を停止するための作用物質、任意選択で、好塩基球の活性化状態とは独立して好塩基球の細胞表面に位置するポリペプチドに結合する固定化されたリガンド(ここで該リガンドは、好ましくは該ポリペプチドに対するモノクローナル抗体である)、ならびに任意選択で、赤血球を溶解および/または除去するための作用物質を含む、キットによって達成される。
【0037】
あるいは、上記課題は、さらなる局面において、キットであって、以下:好ましくはマイクロタイタープレートである、好塩基球を上記アレルゲンと接触させるための容器、任意選択で、アレルゲン、好塩基球の富化のための好塩基球の細胞表面に位置するポリペプチドに対するリガンド、および好塩基球の細胞表面に位置する検出のためのマーカーに対するリガンド(化学発光が可能な標識を含む)、を含むキットによって解決され、ここで上記化学発光が可能な標識は化学発光反応を触媒する酵素または適切な条件下で化学発光シグナルを自身で生成する分子であり得、ここで前者の場合の酵素は、化学発光が可能な基質溶液と組み合わせて該キットの中に含まれ、そしてここで好塩基球の細胞表面に位置するポリペプチドおよび/または好塩基球の細胞表面に位置するマーカーは、活性化好塩基球に特徴的である。任意選択で、上記キットは、好塩基球の活性化を停止するための作用物質を含む。任意選択で、上記キットは、赤血球を溶解および/または除去するための作用物質を含む。
【0038】
本発明に従うキットの中に含まれる試薬はまた、アレルギーを診断するためのキットを提供するために、好塩基球をアレルゲンと接触させるための容器ありまたはなしで使用され得る。
【0039】
さらなる局面において、上記課題は、アレルギーを診断するために、アレルギーを診断するためのキットを生成するために、またはアレルゲンに対するアレルギーの処置のための候補活性成分をスクリーニングするために、好塩基球の細胞表面上に位置する検出のためのマーカーに対するリガンドと一緒に、好塩基球を富化するための好塩基球の細胞表面に位置するポリペプチドに対するリガンドの使用によって解決され、ここで好塩基球の細胞表面に位置する検出のためのマーカーに対するリガンドは、化学発光が可能な標識を含み、ここで上記化学発光が可能な標識は、化学発光反応を触媒する酵素または適切な条件下で化学発光シグナルを自身で生成する分子であり得、ここで前者の場合の酵素は、化学発光が可能な基質溶液と組み合わせて使用され、そしてここで好塩基球の細胞表面に位置するポリペプチドおよび/または好塩基球の細胞表面に位置するマーカーは、活性化好塩基球に特徴的である。
【0040】
さらなる局面において、上記課題は、アレルギーを診断するために、アレルギーを診断するためのキットを提供するために、またはアレルゲンに対するアレルギーの処置のための候補活性成分をスクリーニングするために、活性化好塩基球に特徴的なリガンドに対するリガンドの使用によって解決され、ここで上記リガンドは、化学発光が可能な標識を有する。
【0041】
好ましい実施形態において、上記使用は、好ましくはハイスループット法において感度を増加させるためのものである。
【0042】
本発明は、まず、患者の全血サンプルに由来する好塩基球を、水性溶液中のアレルゲンと接触させる工程a)を含む、アレルギーを診断するための方法に関する。上記全血サンプルは、好ましくは抗凝固剤作用を有する物質を有する全血である。上記全血は、好塩基球が、水性溶液中のその最終体積含有量が少なくとも20体積%、より好ましくは25体積%、30体積%、35体積%、40体積%、45体積%、50体積%、55体積%、60体積%、65体積%、70体積%、75体積%または80体積%であるような量で、アレルゲンと実際に接触させられる前に水性溶液に添加される。全血の存在は、好塩基球とアレルゲンとの接触を、実質的に生理学的な条件下で起こさせる。
【0043】
上記方法は、好ましくは、ハイスループットに適切な方法である。これは、好ましい実施形態において、複数のサンプル、例えば、少なくとも2個、4個、8個、16個または32個のサンプルの並行処理を可能にする方法をいうことが理解される。ここで上記方法の工程(これは、個々のサンプルに必要とされる処理時間のうちの少なくとも50%、より好ましくは60%、70%、80%または90%を占める)は、本質的に、上記サンプルの処理と同時に行い得る。これは、実際の測定プロセスがサンプルの全てに関して連続的に測定デバイスを使用して行われる方法を含むが、サンプルに関する個々の非並行処理時間は、5分間、より好ましくは4分間、3分間、2分間、1分間または30秒間を超えない。例えば、ハイスループットに適した方法は、この目的に適したマイクロタイタープレート中での化学発光測定を含む。対照的に、例えば、フローサイトメトリーは、ハイスループットに適した方法ではない。
【0044】
全血は、好ましくは非処理全血である。好ましい実施形態において、用語「非処理全血(unprocessed whole blood)」は、本明細書で使用される場合、血液が希釈され得るかまたは保存のための化学物質(好ましくは抗凝固薬作用を有する物質(例えば、ヘパリン))が血液に添加され得るが、例えば、密度勾配遠心分離などの遠心分離法によって分画されないことを意味すると理解される。
【0045】
工程a)はまた、異なる並行処理バッチにおいて、1種より多くのアレルゲンおよび/または1種より多くの濃度のアレルゲンを用いて行われ得る。特に、上記抗原は、相当する数の並行バッチにおいて、2種またはこれより多くの、好ましくは3種またはこれより多くの異なる濃度で使用され得る。好ましくは、陽性コントロールおよび陰性コントロールが、さらに行われる。好ましい実施形態において、上記アレルゲンは、分類学上の動物界、節足動物門のダニ培養物およびダニの糞便;分類学上の動物界、脊索動物門に由来する鱗片、毛、唾液、糞便もしくは他の分泌物;分類学上の菌界、子嚢菌門に由来する芽胞もしくは粒子;分類学上の球果植物綱に由来する花粉、分類学上の植物界、双子葉植物綱に由来する花粉、分類学上の植物界、単子葉植物綱に由来する花粉;分類学上の動物界、節足動物門に由来する毒素もしくは分泌物;または分類学上の植物界、双子葉植物綱の樹木に由来するゴムもしくはゴムを含む生成物を含む群から選択される物質である。
【0046】
好ましい実施形態において、上記アレルゲンは、以下を含む群から選択される薬物である:抗生物質、より好ましくはβ-ラクタム、より好ましくはペニシリンG、ペニシリンV、PPL、MDM、アモキシシリンおよびアンピシリンを含む群からのもの;セファロスポリン、より好ましくはセファゾリン、セファマンドール、セファクロル、セフォナキシム(cefonaxime)、セフタジジム、セフォタキシム、セフタジジム、セフェピムを含む群からのもの;カルバペネム、モノバクタム、β-ラクタマーゼインヒビター、より好ましくはクラブラン酸;マクロライド、アミノグリコシド、リファマイシン、糖タンパク質、ポリペプチド、テトラサイクリン、イミダゾール、キノロン、ピラゾロン、より好ましくはスルファメトキサゾール;ストレプトグラミン、ニトロフラン、イソニアジド、ペンタミジン;防腐剤、より好ましくはクロルヘキシジン、殺真菌薬、抗ウイルス剤、抗マラリア薬、鎮痛薬、COX-2インヒビターおよび非ステロイド系抗炎症剤、好ましくはアスピリン、リジン-アスピリン、イブプロフェン、ケトプロフェン、ジクロフェナク、ナプロキセン、パラセタモール、ジピロン、インドメタシン、メフェナム酸、フェニルブタゾンおよびプロピフェナゾンを含む群からのもの;神経筋遮断薬、好ましくはスキサメトニウム、アトラクリウム、シスアトラクリウム、ミバクリウム、パンクロニウム、ロクロニウム、ベクロニウムおよびスクシニルコリンを含む群からのもの;催眠薬および局所麻酔薬、好ましくはミダゾラム、プロポフォール、チオペンタール、フェンタニルおよびリドカインを含む群からのもの;精神安定薬;オピオイド;放射線造影剤、好ましくはイオン性ヨード造影剤(ionic iodinated contrast agent)、非イオン性ヨード造影剤、イソスルファンブルー、パテントブルーおよびメチレンブルーを含む群からのもの;プロトンポンプインヒビター、抗けいれん薬および神経弛緩薬、好ましくはカルバマゼピン、フェニトインおよびバルプロ酸を含む群からのもの;抗精神病薬;抗鬱薬;ドパミン;抗ヒスタミン薬;コルチコステロイドおよびグルココルチコイド;化学療法剤および免疫抑制薬;利尿薬;抗凝固薬;血管収縮薬および血管拡張薬;心臓薬、好ましくはスタチン、ACEインヒビター、αレセプター遮断薬、βレセプター遮断薬、カルシウムアンタゴニストおよび降圧剤を含む群からのもの;(抗)腫瘍薬;(抗)甲状腺薬;エストロゲン;ヘパリンおよび誘導体;インスリン;ストレプトキナーゼおよびウロキナーゼ。
【0047】
好ましい実施形態において、上記アレルゲンは、コロイドエキスパンダー(colloid expander)、血漿エキスパンダーまたは補助剤であり、好ましくはアルブミン、デキストラン、ゼラチン、ヘタスターチ、ペンタスターチ、シニストリン(sinistrin)、ポリドカノール600(エトキシスクレロール)、ラクトース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、プロタミンおよびアプロチニンを含む群から選択される。
【0048】
好ましい実施形態において、上記アレルゲンは、食品添加剤であり、好ましくは食品保存剤、食用色素、食品仕上げ剤(food finishing agent)、抗酸化剤および乳化剤を含む群から選択される。
【0049】
好ましい実施形態において、上記アレルゲンは、環境汚染物質または有害物質であり、好ましくはイソシアネート、イソチアゾリノン、ホルムアルデヒド、エチレンオキシド、フタル酸無水物、クロラミン-T、DMSO、ラテックスならびに膨張剤(baking agent)、食品加工、および洗浄産業(washing industry)において使用される酵素を含む群から選択される。
【0050】
好ましい実施形態において、上記アレルゲンは、Acarus、Glycyphagus、Lepidoglyphus、Tryophagus、Blomia、Dermatophagoides、Euroglyphus、BlatellaおよびPeriplanetaから選択される属のダニから構成される群より選択されるダニ培養物および/または糞便;Canis、FelisまたはEquusから選択される属の動物の鱗片、毛、唾液または糞便;Cladosporium、Aspergillus、Penicillium、AlternariaおよびCandidaから構成される群から選択される属の酵母、糸状菌、または真菌;Chamaecyparis、Cryptomeria、Cupressus、Juniperus、Anthoxanthum、Cynodon、Dactylis、Festuca、Holcus、Hordeum、Lolium、Oryza、Paspalum、Phalaris、Phleum、Poa、Secale、Sorghum、Triticum、Zea、Ambrosia、Artemisia、Alnus、Betula、Corylus、Fraxinus、OleaおよびPlatanusから構成される群から選択される属の花粉;Apis Bombus、Dolichovespula、Polistes、Polybia、VespaおよびVespulaから構成される群から選択される属の昆虫に由来する毒液;ならびにHevea属に由来するゴムまたはゴムを含む生成物、を含む群より選択される物質である。
【0051】
好ましい実施形態において、上記アレルゲンは、分類学上の動物界、節足動物門のエビまたはエビ含有食品;分類学上の動物界、節足動物門のロブスターまたはロブスター含有食品;分類学上の植物界、単子葉植物綱に由来する果実、豆果、穀物、もしくは豆、またはこのような果実、豆果、穀物、および/もしくは豆を含む食品;分類学上の植物界、双子葉植物綱に由来する果実、豆果、穀物、もしくは豆、このような果実、豆果、穀物、および/もしくは豆を含む食品;ならびに分類学上の植物界、双子葉植物綱の堅果もしくは堅果含有食品を含む群から選択される物質である。
【0052】
好ましい実施形態において、上記アレルゲンは、牛乳、牛乳含有食品、鶏肉タンパク質、鶏肉含有食品、魚肉または魚肉含有食品を含む群から選択される物質である。
【0053】
好ましい実施形態において、上記アレルゲンは、Hordeum、Oryza、Secale、Triticum、Zea、Arachis、Corylis、Juglans、Prunus、Anacardium、PistaciaおよびGlycineを含む群から選択される物質である。
【0054】
好ましい実施形態において、上記アレルゲンは、以下を含む群からの抗原またはその改変体を含むポリペプチドである:Aca s 13、Gly d 2、Lep d 2、Lep d 5、Lep d 7、Lep d 10、Lep d 13、Tyr p 2、Tyr p 3、Tyr p 10、Tyr p 13、Tyr p 24、Blo t 1、Blo t 2、Blo t 3、Blo t 4、Blo t 5、Blo t 6、Blo t 10、Blo t 11、Blo t 12、Blo t 13、Blo t 19、Blo t 21、Der f 1、Der f 2、Der f 3、Der f 6、Der f 7、Der f 10、Der f 11、Der f 13、Der f 14、Der f 15、Der f 16、Der f 17、Der f 18、Der f 22、Der m 1、Der p 1、Der p 2、Der p 3、Der p 4、Der p 5、Der p 6、Der p 7、Der p 8、Der p 9、Der p 10、Der p 11、Der p 14、Der p 20、Der p 21、Der p 23、Eur m 1、Eur m 2、Eur m 3、Eur m 4、Eur m 14、Bla g 1、Bla g 2、Bla g 4、Bla g 5、Bla g 6、Bla g 7、Bla g 8、Per a 1、Per a 3、Per a 6、Per a 7、Per a 9、Per a 10、Can f 1、Can f 2、Can f 3、Can f 4、Can f 5、Can f 6、Fel d 1、Fel d 2、Fel d 3、Fel d 4、Fel d 5w、Fel d 6w、Fel d 7、Fel d 8、Equ c 1、Equ c 2、Equ c 3、Equ c 4 and Equ c 5、Cla c 9m、Cla c 14、Cla h 2、Cla h 5、Cla h 6、Cla h 7、Cla h 8、Cla h 9、Cla h 10、Cla h 12、Asp fl 13、Asp f 1、Asp f 2、Asp f 3、Asp f 4、Asp f 5、Asp f 6、Asp f 7、Asp f 8、Asp f 9、Asp f 10、Asp f 11、Asp f 12、Asp f 13、Asp f 15、Asp f 16、Asp f 17、Asp f 18、Asp f 22、Asp f 23、Asp f 27、A5p f 28、A5p f 29、Asp f 34、Asp n 14、Asp n 18、Asp n 25、Asp o 13、Asp o 21、Pen b 13、Pen b 26、Pen ch 13、Pen ch 18、Pen ch 20、Pen ch 31、Pen ch 33、Pen ch 35、Pen c 3、Pen c 13、Pen c 19、Pen c 22、Pen c 24、Pen C 30、Pen c 32、Pen o 18、Fus c 1、Fus c 2、Alt a 1、Alt a 3、Alt a 4、Alt a 5、Alt a 6、Alt a 7、Alt a 8、Alt a 10、Alt a 12、Alt a 13、Cand a 1、Cand a 3 and Cand b 2、Cha o 1、Cha o 2、Cup a 1、Cup s 1、Cup s 3、Jun a 1、Jun a 2、Jun a 3、Jun o 4、Jun s 1、Jun v 1 and Jun v 3、Ant o 1、Cyn d 1、Cyn d 7、Cyn d 12、Cyn d 15、Cyn d 22w、Cyn d 23、Cyn d 24、Dac g 1、Dac g 2、Dac g 3、Dac g 4、Dac g 5、Fes p 4、Hol l 1、Hol l 5、Hor v 1、Hor v 5、Lol p 1、Lol p 2、Lol p 3、Lol p 4、Lol p 5、Lol p 11、Pas n 1、Pha a 1、Pha a 5、Phl p 1、Phl p 2、Phl p 4、Phl p 5、Phl p 6、Phl p 7、Phl p 11、Phl p 12、Phl p 13、Poa p 1、Poa p 5、Sec c 1、Sec C 5、Sec c 20、Sor h 1、Tri a 15、Tri a 21、Tri a 27、Tri a 28、Tri a 29、Tri a 30、Tri a 31、Tri a 32、Tri a 33、Tri a 34、Tri a 35、Zea m 1、Zea m 12、Amb a 1、Amb a 2、Amb a 3、Amb a 4、Amb a 5、Amb a 6、Amb a 7、Amb a 8、Amb a 9 and Amb a 10、Amb p 5、Amb t 5、Art v 1、Art v 2、Art v 3、Art v 4、Art v 5、Art v 6、Aln g 1、Aln g 4、Bet v 1、Bet v 2、Bet v 3、Bet v 4、Bet v 6、Bet v 7、Cor a 10、Fra e 1、Ole e 1、Ole e 2、Ole e 3、Ole e 4、Ole e 5、Ole e 6、OIe e 7、Ole e 8、Ole e 9、Ole e 10、Ole e 11、Pla a 1、Pla a 2、Pla a 3、Pla or 1、Pla or 2 and Pla or 3、Api c 1、Api d 1、Api m 1、Api m 2、Api m 3、Api m 4、Api m 5、Api m 6、Api m 7、Api m 8、Api m 9、Api m 10、Api m 11、Bom p 1、Bom p 4、Bom t 1、Bom t 4、Dol a 5、Dol m 1、Dol m 2、Dol m 5、Pol a 1、Pol a 2 and Pol a 5、Pol d 1、Pol d 4、Pol d 5、Pol e 1、Pol e 4 and Pol e 5、PoI f 5、Pol g 1、Pol g 5、Poly p 1、Poly s 5、Vesp c 1、Vesp c 5、Vesp ma 2、Vesp ma 5、Vesp m 1、Vesp m 5、Ves g 5、Ves m 1、Ves m 2、Ves m 5、Ves p 5、Ves s 1、Ves s 5、Ves vi 5、Ves v 1、Ves v 2、Ves v 3、Ves v 5、Hev b 1、Hev b 2、Hev b 3、Hev b 4、Hev b、5 Hev b 6、Hev b 7、Hev b 8、Hev b 9、Hev b 10、Hev b 11、Hev b 12、Hev b 13 and Hev b 14、Hor v 12、Hor v 15、Hor v 16、Hor v 17、Hor v 21、Ory s 12、Sec c 20、Tri a 12、Tri a 14、Tn a 18、Tri a 19、Tri a 21、Tri a 25、Tri a 26、Tri a 36、Zea m 14、Zea m 25、Ara h 1、Ara h 2、Ara h 3、Ara h 4、Ara h 5、Ara h 6、Ara h 7、Ara h 8、Ara h 9、Ara h 10、Ara h 11、Cor a 1、Cor a 2、Cor a 8、Cor a 9、Cor a 11、Cor a 12、Cor a 13、Cor a 14、Jug n 1、Jug n 2、Jug r 1、Jug r 2、Jug r 3、Jug r 4、Pru du 3、Pru du 4、Pru du 5、Pru du 6、Ana o 1、Ana o 2、Ana o 3、Pis v 1、Pis v 2、Pis v 3、Pis v 4、Pis v 5、Gly m 1、Gly m 2、Gly m 3、Gly m 4、Gly m 5およびGly m 6。
【0055】
工程a)は、好塩基球をアレルゲンと接触させるための容器の中で行われ得る。好ましい実施形態において、上記容器は、マイクロタイタープレートである。さらに好ましい実施形態において、上記アレルゲン(単数または複数)は、凍結乾燥形態で容器中に先ず入れられ、水性溶液および全血サンプルの添加に際して液相へと変換される。
【0056】
好ましい実施形態において、上記抗原は、Ara h 7アイソタイプ7.0201(EP 17000245)である。さらに好ましい実施形態において、上記抗原は、EP 16000165.7に記載されるマカダミアナッツ抗原である。改変ポリペプチドはまた、抗原、例えば、EP 15001277.1に開示されるオレオシン構築物として使用され得る。
【0057】
好ましい実施形態において、上記方法は、好塩基球の活性化を、好ましくは工程b)の前に停止する工程を包含する。当業者は、その活性化反応を停止する種々の手段、例えば、EDTAなどのカルシウム結合剤の添加、アジド(好ましくは、アジ化ナトリウム)の添加、またはサンプルの冷却(好ましくは高くても4℃の温度への)に精通している。
【0058】
好ましくは,工程a)の後に、上記好塩基球は、工程b)において富化される。好ましい実施形態において、用語「富化する」は、本明細書で使用される場合、全細胞の総数または白血球の数に対する、好ましくは全血サンプル中の白血球の数に対する好塩基球の数が、好ましくは少なくとも2倍、5倍、10倍、20倍、50倍、100倍または1000倍、より好ましくは少なくとも1000倍だけ増加することを意味すると理解される。これは、好ましくは、好塩基球が、それらの活性化状態に依存してまたは独立して、好ましくは独立して、好塩基球において発現され、それらの細胞表面に位置する一方で、他の細胞では、少なくとも他の細胞のうちの大部分では、僅かな程度でのみ存在するかまたは好ましくは全く存在しないポリペプチドへと第1の結合部位を介して特異的に結合するリガンドを結合するという点で起こる。このポリペプチドは、従って、血液サンプル中の細胞の総数に対して好塩基球を富化するための選択剤として適切でなければならない。この場合、その富化が完全に成功裡というわけでないが、少数の他の細胞がサンプル中に残っている場合(例えば、樹状細胞)、それは受容可能である。好ましくは、上記ポリペプチドは、好塩基球の活性化状態とは独立して好塩基球の細胞表面に位置するポリペプチドの群(これは、CD123(データベースコード NM_002183)、CD193(NP_001828)、FcεRI(NM_002001)、IgE, CD203c(NM_005021)およびCRTH2 (NM_004778)を含み、好ましくはCD123またはIgEであり、より好ましくはCD123である)から選択される。本願において使用されるデータベースコードの全ては、番号によって特定されるデータベースにおいて優先日を生じる最先の出願の出願日にオンラインで利用可能になった配列に言及する。上記リガンドは、好ましくは、上記ポリペプチドに対するモノクローナル抗体、好ましくはCD123またはIgEに対する、より好ましくはCD123に対するモノクローナル抗体である(Agis, H., Fuereder, W., Bankl, H. C., Kundi, M., Sperr, W. R., Willheim, M., ... & Valent, P. (1996). Comparative immunophenotypic analysis of human mast cells, blood basophils and monocytes. Immunology, 87(4), 535-543.; Sainte-Laudy, J. Sabba, A., Vallon C, Guerin JC (1998). Analysis of anti-IgE and allergen induced human basophil activation by flow cytometory. Comparison with histamine release. Inflamm Res. 47(10), 401-8.)。なおより好ましい実施形態において、単離されたモノクローナル抗体が使用される。さらに好ましい実施形態において、上記好塩基球は、1種より多くのリガンド(上記リガンドは、好塩基球の活性化状態に依存してまたは独立して好塩基球において発現されかつそれらの細胞表面に位置するポリペプチドに第1の結合部位を介して特異的に結合し、ここで上記ポリペプチドは、好ましくは好塩基球の活性化状態とは独立して好塩基球の細胞表面において発現されるペプチドの群(これは、CD123(データベースコードNM_002183)、CD193(NP_001828)、FcεRI(NM_002001)、IgE、CD203c(NM_005021)およびCRTH2(NM_004778)を含む)から選択される)、より好ましくは2種または3種のリガンド(ここでより好ましくは上記リガンドのうちの1つは、CD123である)に結合する。好塩基球の活性化状態に依存して好塩基球において発現され、かつそれらの細胞表面に位置するポリペプチドは、好ましくは、バソグラヌリン(basogranulin)(Mochizuki A, McEuen AR, Buckley MG, Walls AF. The release of basogranulin in response to IgE-dependent and IgE-independent stimuli: validity of basogranulin measurement as an indicator of basophil activation. J. Allergy Clin. Immunol. 2003 Jul; 112(1): 102-8.)、2D7抗原(CL Kepley, SS Craig and LB Schwartz. Identification and partial characterization of a unique marker for human basophils. J Immunol June 15, 1995, 154 (12) 6548-6555;)、アビジン結合メディエーター(Joulia R, Valitutti S, Didier A, Espinosa E. Direct monitoring of basophil degranulation by using avidin-based probes. J Allergy Clin Immunol. 2017)、CD13(NM_001150)、CD45 (NM_001150)、CD63(NP_001244318.1)、CD107a(NM_00556)、CD11b(NM_000632)、CD62L(NM_000655)、CD11c(XM_011545852)、CD164(NM_001142401)、CD45(NM_001267798)およびCD203c(NM_005021)を含む群から選択され、そして好ましくはCD63(Knol, E. F., Mul, F. P., Jansen, H., Calafat, J., & Roos, D. (1991). Monitoring human basophil activation via CD63 monoclonal antibody 435. Journal of Allergy and Clinical Immunology, 88(3), 328-338.)である。
【0059】
好ましくは、上記リガンドは、これを固体キャリア上に固定化するために、好ましくは具体的には、上記キャリアが相補的結合能力、より具体的には、上記リガンドに特異的に結合する能力を示す場合に、使用され得る第2の結合部位を含む。好ましくは、上記リガンドは、それ自体、ビオチン、ストレプトアビジン、Hisタグ、GST、アビジン、ニュートラアビジン、プロテインA、プロテインG、プロテインL、SタグおよびMBPを含む群から選択される結合能力を有する分子を含む。上記固体キャリアは、好ましくはビーズ、好ましくは磁性ビーズ、マイクロタイタープレート、プラスチックから構成される反応容器およびガラスから構成される反応容器を含む群からのキャリアである。特に好ましい実施形態において、上記キャリアは、ビーズ、好ましくは磁性ビーズであり、そして上記ビーズを含む水性溶液は、マイクロタイタープレートのウェル中に置かれる。好ましい実施形態において、上記水性溶液は、工程a)および/または工程b)において、例えば、撹拌または振盪によって連続して混合される。
【0060】
上記方法の好ましい実施形態において、赤血球の溶解およびその後の除去は、好ましくは、工程b)において行われる。赤血球を溶解するための方法は、当業者に、例えば、US 4902613、US 6143567またはWO 85/05640に記載されるように公知である。例えば、低張性溶解は、水単独で、またはジエチレングリコール、ホルムアルデヒドおよびクエン酸(US 4902613)の存在下で行われ得る。
【0061】
赤血球の除去は、好ましくは遠心分離によって行われる。
【0062】
好塩基球の活性化は、活性化に特徴的なマーカーの表面濃度が化学発光によって検出されるという点で、本発明に従って検出される。好ましくは、マーカーは、バソグラヌリン(Mochizuki A, McEuen AR, Buckley MG, Walls AF. The release of basogranulin in response to IgE-dependent and IgE-independent stimuli: validity of basogranulin measurement as an indicator of basophil activation. J. Allergy Clin. Immunol. 2003 Jul; 112(1): 102-8)、2D7抗原(CL Kepley, SS Craig and LB Schwartz. Identification and partial characterization of a unique marker for human basophils. J Immunol June 15, 1995, 154 (12): 6548-6555)、アビジン結合メディエーター(Joulia R, Valitutti S, Didier A, Espinosa E. Direct monitoring of basophil degranulation by using avidin-based probes. J Allergy Clin Immunol. 2017)、CD13(NM_001150)、CD45(NM_001150)、CD63(NP_001244318.1)、CD107a(NM_00556)、CD11b(NM_000632)、CD62L(NM_000655)、CD11c(XM_011545852)、CD164(NM_001142401)、CD45(NM_001267798)およびCD203c(NM_005021)を含む群から選択され、そして好ましくはCD63(Knol, E. F., Mul, F. P., Jansen, H., Calafat, J., & Roos, D. (1991). Monitoring human basophil activation via CD63 monoclonal antibody 435. Journal of Allergy and Clinical Immunology, 88(3), 328-338)である。これらマーカーのうちの1種より多くを検出することは、可能である。この目的のために、活性化好塩基球に特徴的なマーカーに対するリガンド、好ましくはモノクローナル抗体が、好ましくは、化学発光が可能な標識とともに提供される。なおより好ましい実施形態において、単離されたモノクローナル抗体が使用される。
【0063】
上記化学発光が可能な標識は、化学発光反応を触媒する酵素または適切な条件下で化学発光シグナルを自身で生成する分子、好ましくは後者の分子、より好ましくはアクリジニウムエステルまたはアクリジニウムスルホンアミドであり得る。工程a)の前に行われる工程において、活性化好塩基球に特徴的なマーカーに対するリガンドは、化学発光が可能な標識に連結され得る。例えば、上記モノクローナル抗体は、アクリジニウムエステル(AE)と混合され得る。AE化合物は、臨床診断のための自動化アッセイにおいて既に使用されている高特異的活性標識である(I Weeks, I Beheshti, F McCapra, AK Campbell, JS Woodhead. Acridinium esters as high specific activity labels in immunoassay. Clin Chem 29: 1474-1479 (1983))。抗体へのAE化合物の連結は、十分に確立されており、通常は、フェノール環においてN-ヒドロキシスクシンイミジル(NHS)などの官能基を介して達成される。この目的のために、精製抗体が、AE(例えば、Heliosenseという会社のNSP-SA-NHS、NSP-DMAEまたはNSP-DMAE-NHS)と特定の期間にわたって室温で反応される。この後に、その標識された抗体は、カラムまたは他の精製法(例えば、HPLC)を使用して未反応の遊離AEから分離される。
【0064】
好ましい実施形態において、上記アクリジニウムエステルは、以下の式:
【化1】
を有し、ここでR1は、アルキル、置換されたアルキル、アリール、または置換されたアリール基であり、R2およびR3は、互いに独立して、水素またはアルキル、置換されたアルキル、ハロゲン、シアニド、ヒドロキシ、アルコキシ、チオール、またはアルキルメルカプト基を含む群から選択され、Yは、脱離基(好ましくはpKa<12を有する)であり、好ましくはアリールオキシ、置換されたアリールオキシ、置換されたアルコキシ、メルカプト、置換されたメルカプト、スルホンアミジル、置換されたスルホンアミジル、N-ヒドロキシルアミド、または置換されたN-ヒドロキシルアミド基を含む群からのものであり、上記アクリジニウムエステルは、ポリペプチド(好ましくは抗体)に連結され得るかまたは連結される基、好ましくはN-ヒドロキシスクシンイミジル(NHS)基を含む。適切な化合物および方法は、WO 2012/028167に記載される。
【0065】
化学発光検出キット(例えば、Invitronという会社から)はまた、検出のために使用され得る。未結合抗体を洗浄した後に、2種のトリガーを連続して(各々100μl;トリガー1:過酸化水素を含む;トリガー2:水酸化ナトリウムを含む)、ルミノメーターに自動的に添加する。この場合、アクリジニウムエステル化合物は、アルカリ性条件下で酸化され、それは、発光するアクリドンを生成する。このシグナルは、代表的には1~5秒間持続する閃光の形態で発せられる(フラッシュルミネッセンス)。発光の短い持続時間は、開始および測定が検出器の中で直接行われることを必要とする。適切なルミノメーターは、マイクロタイタープレートにおける自動的なトリガー添加およびシグナルの検出を可能にする。より高い強度を達成するために、通常はシグナル全体が、測定間隔にわたって積分される。
【0066】
代替手段は、酵素(好ましくはペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼおよびβ-ガラクトシダーゼを含む群から選択される)への抗体の連結であり、上記酵素は、化学発光が可能な基質と反応し得る(Kricka LJ. (2003). Clinical applications of chemiluminescence. Analytica chimica acta, 500(1): 279-286)。この場合、酵素に依存して、環式ジアシルヒドラジドの群からの基質(好ましくはルミノールまたはイソルミノール、アクリジン、ジオキセタンおよびその誘導体)が使用される。この目的に最も一般に使用される酵素は、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)であり、これは、過酸化水素の存在下でルミノールの酸化を触媒する。このようにして発せられた光は、425nmの波長で検出され得る。考えられるアプローチは、Neupert, W., Oelkers, R., Brune, K., Geisslinger, G. A new reliable chemiluminescence immunoassay (CLIA) for prostaglandin E2 using enhanced luminol as substrate. Prostaglandins. 1996 Nov; 52(5): 385-401に記載される。
【0067】
さらなる代替手段は、電気化学発光の使用である。トリス(2,2-ビピリジル)ルテニウム(II)は、いくつかのイムノアッセイにおいて既に使用されている(Xiaoming Zhou, Debin Zhu, Yuhui Liao, Weipeng Liu, Hongxing Liu, Zhaokui Ma & Da Xing (2014). Synthesis, labeling and bioanalytical applications of a tris(2,2-bipyridyl)ruthenium(II)-based electrochemiluminescence probe. Nature Protocols, Volume 9, pp. 1146-1159)。電流が印加された後、620nmの最大発光を有する化学発光が、ルテニウム錯体とトリプロピルアミン(TPA)との反応において、周りの媒体から生成される。好ましくは、化学発光が可能な標識は、化学発光が可能な金属錯体(好ましくは、ルテニウムを含む)である。
【0068】
好ましい実施形態において、化学発光が可能な標識は、別の基による発光を触媒するか、またはその標識自体が、400nmもしくはこれより大きい、好ましくは400nm~650nm、より好ましくは400nm~550nm、より好ましくは405nm~500nm、より好ましくは405nm~490nm、より好ましくは410~490nm、より好ましくは410~450nm、および最も好ましくは415~445nmの波長でルミネッセンスを発光する。適切な化合物および方法は、Natrajanら(2010) Enhanced immunoassay sensitivity using chemiluminescent acridinium esters with increased light output, Analytical Biochemistry, 27 July 2010に記載される。
【0069】
好ましくは、複数の反応は、マイクロタイタープレートの異なるウェルにおいて並行して行われ、その化学発光シグナルは、市販のプレートルミノメーター(例えば、Berthold Technologies製)を使用して検出される。ここで、好塩基球活性化の程度は、未刺激コントロールに対して化学発光シグナルの強度または増加と相関する。陽性評価に関しては、当業者が慣用的に決定し得る試験基質に依存する閾値を、超えていなければならない。
【0070】
好ましくは、上記方法は、先ず工程a)、続いて工程b)、および最後に工程c)の順序で行われる。しかし、まず工程b)、続いて工程a)、およびその後工程c)を行うことも可能である。あるいは、工程b)および工程c)は、同時にまたは重複する方法で行われ得る。
【0071】
特に好ましい実施形態において、工程a)の後、好塩基球の活性化状態とは独立して好塩基球の細胞表面に位置するポリペプチドに特異的に結合するリガンドおよび化学発光が可能な標識とともに提供される活性化好塩基球に特徴的なマーカーに対するリガンドの両方が、好塩基球ともに水性溶液に添加される。より好ましくは、これは、キャリアの存在下で行われ、ここで上記好塩基球の活性化状態とは独立して好塩基球の細胞表面に位置するポリペプチドに特異的に結合するリガンドは、より好ましくは、ビーズなどの固体キャリア上に既に固定化されているかまたはその固定化に供される。この後に、その水性溶液は交換され得、その固定化された好塩基球が洗浄され得、ここで過剰なリガンドおよび未結合細胞が除去される。存在するとすれば、残っているものは、好塩基球の活性化状態とは独立して好塩基球の細胞表面に位置するポリペプチドに特異的に結合するリガンドを介して、キャリア上に固定される好塩基球である。これらの固定化好塩基球の中で、アレルゲンとの接触によって実際に活性化されるものは、活性化好塩基球に特徴的なマーカーに対するリガンドがそれらに結合されるという点で特徴づけられる。後者のリガンドがそれ自体、化学発光が可能な標識とともに提供されない場合、必要な場合、任意選択で、過剰なリガンドを除去するための洗浄工程の後に、そして次の工程において、後者のリガンドに結合する化学発光が可能な標識を有する二次抗体が添加され得、ここでこの抗体は、活性化好塩基球にのみ結合されたままであり、非活性化好塩基球には結合されない。過剰な二次抗体は、さらなる洗浄工程において除去され得る。
【0072】
この後に、化学発光が測定される。この方法によって、特に、赤血球の除去と組み合わせにおいて、活性化の検出における感度のレベルは、好塩基球の低含有量に関わらず達成され得、そのレベルはフローサイトメトリーを使用する方法のレベルに匹敵する。
【0073】
本発明に従う方法および/もしくは本発明に従うキット、または本発明に従うキットの中に含まれ得るものなどの1種もしくは1種より多くの試薬はまた、候補活性成分の選択から治療上有効な活性成分を同定するために、候補活性成分をスクリーニングするために使用され得る。この場合、工程a)は、好塩基球を候補活性成分と接触させる工程の後に行われる。治療上有効な候補活性成分の場合には、候補活性成分を含まないか、または有効でない候補活性成分を含むバッチと比べてより低いレベルの活性化が認められる。
【0074】
好ましい実施形態において、用語「候補活性成分」とは、本明細書で使用される場合、患者において治療効果を有すると想定されるか、または好ましくはアレルギー反応を軽減もしくは防止するという意味においてかかる治療効果を有するかどうかを決定するために調べられるべき化合物に言及することが理解される。好ましい実施形態において、1種または1種より多くの既に既知の活性成分が、任意選択で、アレルギーに罹患している患者の下位群においてのみ有効であり、特定の患者において有効であるかどうかを決定するために調べられる。
【0075】
本発明は、アレルギーを診断するために、またはアレルギーを診断するためのキットを生成するために、活性化好塩基球に特徴的なリガンドに対する化学発光が可能な標識を含むリガンドの使用に関する。本発明に従うキットはまた、アレルギーを診断するために使用され得る。生成は、リガンドへの化学発光が可能な標識の連結を含み得る。上記リガンドは、キット、組成物、または好塩基球の活性化状態とは独立して好塩基球の細胞表面に位置するポリペプチドに特異的に結合するリガンドとの別の組み合わせにおいて使用され得る。
【0076】
本発明に従うキットは、アレルゲンの存在とは独立して好塩基球を活性化する試薬を含み得る。このような試薬は、先行技術において記載され、ホルミル-メチオニル-ロイシル-フェニルアラニン(fMLP)、イオノマイシン、12-ミリステート-13-アセテート(PMA)、fMLPおよびA23187、抗ヒトIgG、抗IgEレセプター抗体C40/80ならびにシノメニンを含むが、これらに限定されない。上記試薬は、好ましくは、fMLPおよび/または抗Fcイプシロン-RI、より好ましくはfMLPである。
【0077】
本発明はさらに、サンプルの品質を効率的に、すなわち、ハイスループットに適している方法によって、決定するために使用される方法およびこの方法に適している試薬に関する。このような方法は、アレルゲンを使用して行われないので、診断上有用な結果を提供しないが、そのサンプル品質が別個のバッチにおいて行われる診断法に適しているかどうかに関して行われるべき推定を可能にする。
【0078】
本発明に従う方法は、この目的のために行われ、ここで上記アレルゲンは、アレルゲンの存在とは独立して活性化可能な好塩基球を活性化することが公知の試薬によって置き換えられる。
【0079】
さらなるまたは代替の陽性コントロールとして、患者サンプルの代わりに、好塩基球調製物がアレルゲンまたはアレルゲンの存在とは独立して活性化可能な好塩基球を活性化することが公知の試薬と組み合わせて添加され得る。ここで上記好塩基球調製物は、十分に反応性であることが公知である、すなわち、アレルゲンによって活性化可能である。それは、本発明に従うキット単独で、またはアレルゲンもしくはアレルゲンの存在とは独立して活性可能な好塩基球を活性化することが公知の試薬と組み合わせて使用され得る。
【0080】
この方法は、診断方法の前に、その後に、またはそれと並行して、またはそれとは独立して、行われ得る。
【0081】
本発明はさらに、好塩基球活性化を検出するか、または好塩基球を含むサンプルの品質、好ましくはサンプル中に含まれる好塩基球の活性化可能性を決定するための方法の信頼性を検証または確認するための非診断法に関し、上記方法は、以下の工程を包含する:
【0082】
a)患者の全血サンプルに由来する好塩基球を、アレルゲンの存在とは独立して好塩基球を活性化する試薬と、上記アレルゲンによる好塩基球の活性化を可能にする条件下で接触させる工程、
b)上記工程a)からの好塩基球を富化する工程、および
c)活性化好塩基球を検出する工程、
ここで工程c)における検出は、活性化好塩基球に特徴的なマーカーが化学発光によって検出されるという点で行われる。
【0083】
アレルゲンの存在とは独立して好塩基球を活性化する試薬は、ホルミル-メチオニル-ロイシル-フェニルアラニン(fMLP;例えば、Sigma(St Louis, MO)製)および/または抗IgEレセプター抗体であり得る。
【0084】
以下において、本発明は、例示によって図面を参照しながら説明される。記載される実施形態は、あらゆる点において、限定ではない例証としてのみ理解されるべきであり、列挙される特徴の種々の組み合わせは、本発明の範囲内に含まれる。
【0085】
本発明は、以下の項目を提供する。
(項目1)
アレルギーを診断するための方法であって、該方法は、以下の工程:
a)患者の全血サンプルに由来する好塩基球を、水性溶液中の全血の体積含有量が少なくとも20体積%である、全血の存在下での該水性溶液中のアレルゲンと、、該アレルゲンによる該好塩基球の活性化を可能にする条件下で接触させる工程、
b)工程a)からの該好塩基球を富化する工程、および
c)活性化好塩基球を検出する工程
を包含し、
ここで工程c)における該検出は、好塩基球に関する好塩基球の表面に位置するマーカーが化学発光によって検出されるという点で行われ、
ここで工程b)において、好塩基球は、該好塩基球が、活性化好塩基球に特徴的なマーカーであるポリペプチドに特異的に結合するリガンドに結合するという点で富化され、
そして/または工程c)における該検出は、活性化好塩基球に特徴的なマーカーが化学発光によって検出されるという点で行われる、
方法。
(項目1A)
アレルギーの指標として活性化好塩基球を使用するための方法であって、該方法は、以下の工程:
a)患者の全血サンプルに由来する好塩基球を、水性溶液中の全血の体積含有量が少なくとも20体積%である、全血の存在下での該水性溶液中のアレルゲンと、、該アレルゲンによる該好塩基球の活性化を可能にする条件下で接触させる工程、
b)工程a)からの該好塩基球を富化する工程、および
c)活性化好塩基球を検出する工程
を包含し、
ここで工程c)における該検出は、好塩基球に関する好塩基球の表面に位置するマーカーが化学発光によって検出されるという点で行われ、
ここで工程b)において、好塩基球は、該好塩基球が、活性化好塩基球に特徴的なマーカーであるポリペプチドに特異的に結合するリガンドに結合するという点で富化され、
そして/または工程c)における該検出は、活性化好塩基球に特徴的なマーカーが化学発光によって検出されるという点で行われる、
方法。
(項目2)
前記全血は、非処理全血である、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目3)
工程a)は、水性溶液中で、少なくとも30体積%、好ましくは35体積%、より好ましくは40体積%、より好ましくは45体積%の全血含有量で行われる、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目4)
好ましくは工程b)の前に、前記好塩基球の活性化を停止する工程を包含する、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目5)
工程b)において、前記好塩基球は、該好塩基球が、好ましくは該好塩基球の活性化状態とは独立して好塩基球の細胞表面に位置するポリペプチドに特異的に結合するリガンドに結合するという点で富化される、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目6)
前記リガンドは、前記ポリペプチドに対するモノクローナル抗体である、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目7)
工程b)において、前記好塩基球は、固定化される、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目8)
前記好塩基球は、ビーズ、好ましくは磁性ビーズ上に固定化される、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目9)
前記好塩基球は、固定化後に洗浄される、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目10)
工程b)において、赤血球は、溶解および除去される、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目11)
前記赤血球は、前記好塩基球の固定化の前に遠心分離によって除去される、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
前記検出は、工程c)において、好塩基球の表面に位置する前記マーカー、好ましくは活性化好塩基球に特徴的なマーカーに対して化学発光が可能な標識とともに提供されるリガンドを使用して行われる、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
化学発光が可能な標識とともに提供される前記リガンドは、それ自体が、化学発光が可能な標識を含むか、または化学発光が可能な標識を有する二次抗体に結合するモノクローナル抗体である、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目14)
工程a)、工程b)および工程c)は、マイクロタイタープレートのウェル中で行われる、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目15)
工程a)は、工程b)および工程c)の前に行われる、前記項目のいずれか一項に記載の方法。
(項目16)
キットであって、
好塩基球をアレルゲンに接触させるための容器であって、ここで該容器は、好ましくはマイクロタイタープレートである、容器、
任意選択で、アレルゲン、ならびに
好塩基球を富化するための好塩基球の細胞表面に位置するポリペプチドに対するリガンド、および好塩基球の細胞表面に位置する検出のためのマーカーに対するリガンドであって、
ここで好塩基球の表面に位置する検出のための該マーカーに対する該リガンドは、化学発光が可能な標識を含み、
ここで化学発光が可能な該標識は、化学発光反応を触媒する酵素または適切な条件下で化学発光シグナルを自身で生成する分子であり得、ここで前者の場合の該酵素は、化学発光が可能な基質溶液と組み合わせて該キット中に含まれ、
そしてここで好塩基球の細胞表面に位置する該ポリペプチドおよび/または好塩基球の細胞表面に位置する該マーカーは、活性化好塩基球に特徴的である、
リガンド、
任意選択で、該好塩基球の活性化を停止するための作用物質、ならびに
任意選択で、赤血球を溶解および/または除去するための作用物質、
を含む、キット。
(項目17)
アレルギーを診断するための、アレルギーを診断するキットを生成するための、またはアレルゲンに対するアレルギーの処置のための候補活性成分をスクリーニングするための、
細胞表面に位置する検出のためのマーカーに対するリガンドと組み合わせた、好塩基球を富化するための好塩基球の細胞表面に位置するポリペプチドに対するリガンドの使用であって、
ここで好塩基球の細胞表面に位置する検出のための該マーカーに対する該リガンドは、化学発光が可能な標識を含み、
ここで化学発光が可能な該標識は、化学発光反応を触媒する酵素または適切な条件下で化学発光シグナルを自身で生成する分子であり得、ここで前者の場合の該酵素は、化学発光が可能な基質溶液と組み合わせて使用され、
そしてここで好塩基球の細胞表面に位置する該ポリペプチドおよび/または好塩基球の細胞表面に位置する該マーカーは、活性化好塩基球に特徴的である、
使用。
(項目17A)
アレルギーを診断するための、アレルギーを診断するキットを生成するための、またはアレルゲンに対するアレルギーの処置のための候補活性成分をスクリーニングするための、
好塩基球を富化するための好塩基球の細胞表面に位置するポリペプチドに対するリガンドを、好塩基球の細胞表面に位置する検出のためのマーカーに対するリガンドと一緒に含む組み合わせ物であって、
ここで好塩基球の細胞表面に位置する検出のための該マーカーに対する該リガンドは、化学発光が可能な標識を含み、
ここで化学発光が可能な該標識は、化学発光反応を触媒する酵素または適切な条件下で化学発光シグナルを自身で生成する分子であり得、ここで前者の場合の該酵素は、化学発光が可能な基質溶液と組み合わせて使用され、
そしてここで好塩基球の細胞表面に位置する該ポリペプチドおよび/または好塩基球の細胞表面に位置する該マーカーは、活性化好塩基球に特徴的である、
組み合わせ物。
【0086】
開示の摘要
本発明は、以下に関する:アレルギーを診断するための方法であって、上記方法は、患者の全血サンプルに由来する好塩基球を、水性溶液中の全血の体積含有量が少なくとも20体積%である、全血の存在下での上記水性溶液中のアレルゲンと、アレルゲンによる好塩基球の活性化を可能にする条件下で接触させる工程、工程a)からの好塩基球を富化する工程および活性化好塩基球を検出する工程を包含し、ここで上記検出は、活性化好塩基球に特徴的なマーカーの発現が化学発光によって検出されるという点で行われる方法;ならびに、キットであって、以下:好ましくはマイクロタイタープレートである、好塩基球をアレルゲンと接触させるための容器、任意選択で、アレルゲン、好ましくは化学発光が可能な標識とともに提供されるマーカーに対するリガンド(ここで該リガンドは、より好ましくはモノクローナル抗体である)である、化学発光によって活性化好塩基球に特徴的なマーカーを検出するための作用物質、、任意選択で、好塩基球の活性化を停止するための作用物質、任意選択で、好塩基球の活性化状態とは独立して好塩基球の細胞表面に位置するポリペプチドに結合する固定化可能なリガンド(ここで上記リガンドは、好ましくは上記ポリペプチドに対するモノクローナル抗体である)、および任意選択で、赤血球を溶解および/または除去するための作用物質、を含むキット。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【
図1-1】
図1は、フラッシュ化学発光相対発光量(relative light unit)(RLU;
図1a~d)において測定される本発明に従う方法の結果を示す。各場合において、花粉に対してアレルギーのある個人に由来する全血50μlを、種々の濃度(10μg~1ng)のアレルゲン抽出物(t2:ニワトコ花粉抽出物;t3:カバノキ花粉抽出物;t4:ハシバミ花粉抽出物)またはコントロール(抗FcεRIおよびfMLP)で刺激し、好塩基球活性化を化学発光試験によって決定した。それぞれの棒グラフは、アレルゲン濃度またはコントロールに応じて、絶対RLU測定値を示す。その測定値はまた、棒の上に示される。
図1aは、未刺激コントロール(陰性コントロール)ならびに抗FcεRIおよびfMLPでのコントロール刺激の反応を示す。
図1bは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml)のニワトコ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図1cは、種々の濃度(1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml、1ng/ml)のカバノキ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図1dは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml)のハシバミ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。決定を三連で行った。平均値および標準偏差を計算した。
図1e~hは、
図1a~dに示されるサンプルに関して、(活性化サンプルのRLUの平均値)/(陰性コントロールのRLUの平均値)として計算した刺激指数(SI)を示す。
【
図1-2】
図1は、フラッシュ化学発光相対発光量(relative light unit)(RLU;
図1a~d)において測定される本発明に従う方法の結果を示す。各場合において、花粉に対してアレルギーのある個人に由来する全血50μlを、種々の濃度(10μg~1ng)のアレルゲン抽出物(t2:ニワトコ花粉抽出物;t3:カバノキ花粉抽出物;t4:ハシバミ花粉抽出物)またはコントロール(抗FcεRIおよびfMLP)で刺激し、好塩基球活性化を化学発光試験によって決定した。それぞれの棒グラフは、アレルゲン濃度またはコントロールに応じて、絶対RLU測定値を示す。その測定値はまた、棒の上に示される。
図1aは、未刺激コントロール(陰性コントロール)ならびに抗FcεRIおよびfMLPでのコントロール刺激の反応を示す。
図1bは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml)のニワトコ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図1cは、種々の濃度(1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml、1ng/ml)のカバノキ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図1dは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml)のハシバミ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。決定を三連で行った。平均値および標準偏差を計算した。
図1e~hは、
図1a~dに示されるサンプルに関して、(活性化サンプルのRLUの平均値)/(陰性コントロールのRLUの平均値)として計算した刺激指数(SI)を示す。
【0088】
【
図2-1】
図2は、%(
図2a~d)でまたは平均蛍光強度(MFI;
図2e~h)として、好塩基球活性化試験と活性化好塩基球のフローサイトメトリーでの決定とを示す。各場合に、花粉に対してアレルギーのある個人に由来する全血50μlを、種々の濃度(10μg~1ng)の
図1の試験におけるものと同じアレルゲン抽出物(t2:ニワトコ花粉抽出物; t3:カバノキ花粉抽出物; t4:ハシバミ花粉抽出物)またはコントロール(抗FcεRIおよびfMLP)で刺激し、好塩基球活性化をフローサイトメトリーによって決定した。それぞれの棒グラフは、アレルゲン濃度またはコントロールに応じて、活性化好塩基球の含有量を示す。測定値はまた、棒の上に示される。
図2aは、未刺激コントロール(陰性コントロール)ならびに抗FcεRIおよびfMLPでのコントロール刺激の反応を示す。好塩基球のうちのおよそ30%は、両方の陽性コントロールにおいて活性化した。10%より高い刺激において、反応を陽性と評価した。
図2bは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml)のニワトコ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図2cは、種々の濃度(1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml、1ng/ml)のカバノキ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図2dは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml)のハシバミ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。CD123+/HLA-DR
-表現型を有する細胞を、好塩基球として同定し、活性化を抗CD63-VioBlueで検出した。
【
図2-2】
図2は、%(
図2a~d)でまたは平均蛍光強度(MFI;
図2e~h)として、好塩基球活性化試験と活性化好塩基球のフローサイトメトリーでの決定とを示す。各場合に、花粉に対してアレルギーのある個人に由来する全血50μlを、種々の濃度(10μg~1ng)の
図1の試験におけるものと同じアレルゲン抽出物(t2:ニワトコ花粉抽出物; t3:カバノキ花粉抽出物; t4:ハシバミ花粉抽出物)またはコントロール(抗FcεRIおよびfMLP)で刺激し、好塩基球活性化をフローサイトメトリーによって決定した。それぞれの棒グラフは、アレルゲン濃度またはコントロールに応じて、活性化好塩基球の含有量を示す。測定値はまた、棒の上に示される。
図2aは、未刺激コントロール(陰性コントロール)ならびに抗FcεRIおよびfMLPでのコントロール刺激の反応を示す。好塩基球のうちのおよそ30%は、両方の陽性コントロールにおいて活性化した。10%より高い刺激において、反応を陽性と評価した。
図2bは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml)のニワトコ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図2cは、種々の濃度(1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml、1ng/ml)のカバノキ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図2dは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml)のハシバミ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。CD123+/HLA-DR
-表現型を有する細胞を、好塩基球として同定し、活性化を抗CD63-VioBlueで検出した。
【0089】
好塩基球の最大反応性は、それぞれの使用される最高濃度での花粉抽出物に応じて、80~88%であり、アレルゲン抽出物の希釈率が増加するとともに、一定に低下した。
【0090】
【
図3-1】
図3は、フラッシュ化学発光相対発光量(RLU;
図3a~d)で測定した本発明に従う方法の結果を示す。各場合に、花粉に対してアレルギーのある個人に由来する全血50μlを、種々の濃度(10μg~1ng)のアレルゲン抽出物(f49:リンゴ抽出物; g6:オオアワガエリ花粉抽出物; t3:カバノキ花粉抽出物)またはコントロール(抗FcεRIおよびfMLP)で刺激し、好塩基球活性化を化学発光試験によって決定した。それぞれの棒グラフは、アレルゲン濃度またはコントロールに応じて、絶対RLU測定値を示す。測定値はまた、棒の上に示される。
図3aは、未刺激コントロール(陰性コントロール)および抗FcεRIおよびfMLPでのコントロール刺激の反応を示す。
図3bは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml)のリンゴ抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図3cは、種々の濃度(1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml、1ng/ml)のオオアワガエリ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図3dは、種々の濃度(1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml、1ng/ml)のカバノキ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。決定を三連で行った。平均値および標準偏差を計算した。
図3e~hは、
図3a~dにおいて示されるサンプルに関して、(活性化サンプルのRLUの平均値)/(陰性コントロールのRLUの平均値)として計算した刺激指数(SI)を示す。
【
図3-2】
図3は、フラッシュ化学発光相対発光量(RLU;
図3a~d)で測定した本発明に従う方法の結果を示す。各場合に、花粉に対してアレルギーのある個人に由来する全血50μlを、種々の濃度(10μg~1ng)のアレルゲン抽出物(f49:リンゴ抽出物; g6:オオアワガエリ花粉抽出物; t3:カバノキ花粉抽出物)またはコントロール(抗FcεRIおよびfMLP)で刺激し、好塩基球活性化を化学発光試験によって決定した。それぞれの棒グラフは、アレルゲン濃度またはコントロールに応じて、絶対RLU測定値を示す。測定値はまた、棒の上に示される。
図3aは、未刺激コントロール(陰性コントロール)および抗FcεRIおよびfMLPでのコントロール刺激の反応を示す。
図3bは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml)のリンゴ抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図3cは、種々の濃度(1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml、1ng/ml)のオオアワガエリ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図3dは、種々の濃度(1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml、1ng/ml)のカバノキ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。決定を三連で行った。平均値および標準偏差を計算した。
図3e~hは、
図3a~dにおいて示されるサンプルに関して、(活性化サンプルのRLUの平均値)/(陰性コントロールのRLUの平均値)として計算した刺激指数(SI)を示す。
【0091】
【
図4-1】
図4は、%(
図4a~d)でまたは平均蛍光強度(MFI;
図4e~h)として、好塩基球活性化試験と活性化好塩基球のフローサイトメトリーによる決定を示す。各場合に、花粉に対してアレルギーのある個人に由来する全血50μlを、種々の濃度(10μg~1ng)のアレルゲン抽出物(f49:リンゴ抽出物; g6:オオアワガエリ花粉抽出物; t3:カバノキ花粉抽出物)またはコントロール(抗FcεRIおよびfMLP)で刺激し、好塩基球活性化をフローサイトメトリーによって決定した。それぞれの棒グラフは、アレルゲン濃度またはコントロールに応じて、活性化好塩基球の含有量を示す。測定値はまた、棒の上に示される。
図4aは、未刺激コントロール(陰性コントロール)および抗FcεRIおよびfMLPでのコントロール刺激の反応を示す。好塩基球のうちのおよそ30%は、両方の陽性コントロールにおいて活性化した。10%より高い刺激において、反応を陽性と評価した。
図4bは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml)のリンゴ抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図4cは、種々の濃度(1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml、1ng/ml)のオオアワガエリ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図4dは、種々の濃度(1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml、1ng/ml)のカバノキ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。CD123+/HLA-DR
-表現型を有する細胞を好塩基球と同定し、活性化を抗CD63-VioBlueで検出した。
【
図4-2】
図4は、%(
図4a~d)でまたは平均蛍光強度(MFI;
図4e~h)として、好塩基球活性化試験と活性化好塩基球のフローサイトメトリーによる決定を示す。各場合に、花粉に対してアレルギーのある個人に由来する全血50μlを、種々の濃度(10μg~1ng)のアレルゲン抽出物(f49:リンゴ抽出物; g6:オオアワガエリ花粉抽出物; t3:カバノキ花粉抽出物)またはコントロール(抗FcεRIおよびfMLP)で刺激し、好塩基球活性化をフローサイトメトリーによって決定した。それぞれの棒グラフは、アレルゲン濃度またはコントロールに応じて、活性化好塩基球の含有量を示す。測定値はまた、棒の上に示される。
図4aは、未刺激コントロール(陰性コントロール)および抗FcεRIおよびfMLPでのコントロール刺激の反応を示す。好塩基球のうちのおよそ30%は、両方の陽性コントロールにおいて活性化した。10%より高い刺激において、反応を陽性と評価した。
図4bは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml)のリンゴ抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図4cは、種々の濃度(1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml、1ng/ml)のオオアワガエリ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図4dは、種々の濃度(1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml、1ng/ml)のカバノキ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。CD123+/HLA-DR
-表現型を有する細胞を好塩基球と同定し、活性化を抗CD63-VioBlueで検出した。
【0092】
抽出物に応じて、好塩基球の最大反応性は、それぞれの使用される最高濃度で96~65%であり、アレルゲン抽出物の希釈率が増加するとともに一定に低下した。
【0093】
【
図5-1】
図5は、フラッシュ化学発光相対発光量(RLU;
図5a~d)で測定した本発明に従う方法の結果を示す。各場合に、花粉に対してアレルギーのある個人に由来する全血50μlを、種々の濃度(10μg~1ng)のアレルゲン抽出物(e94:rFeld d 1; t3:カバノキ花粉抽出物; w6:ヨモギ花粉抽出物)またはコントロール(抗FcεRIおよびfMLP)で刺激し、好塩基球活性化を化学発光試験によって決定した。それぞれの棒グラフは、アレルゲン濃度またはコントロールに応じて、絶対RLU測定値を示す。測定値はまた、棒の上に示される。
図5aは、未刺激コントロール(陰性コントロール)および抗FcεRIおよびfMLPでのコントロール刺激の反応を示す。
図5bは、種々の濃度(1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml、1ng/ml)のrFel d 1で刺激したサンプルの反応を示す。
図5cは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml)のカバノキ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図5dは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml)のヨモギ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。決定を三連で行った。平均値および標準偏差を計算した。
図5e~hは、
図5a~dに示されるサンプルに関して、(活性化サンプルのRLUの平均値)/(陰性コントロールのRLUの平均値)として計算した刺激指数(SI)を示す。
【
図5-2】
図5は、フラッシュ化学発光相対発光量(RLU;
図5a~d)で測定した本発明に従う方法の結果を示す。各場合に、花粉に対してアレルギーのある個人に由来する全血50μlを、種々の濃度(10μg~1ng)のアレルゲン抽出物(e94:rFeld d 1; t3:カバノキ花粉抽出物; w6:ヨモギ花粉抽出物)またはコントロール(抗FcεRIおよびfMLP)で刺激し、好塩基球活性化を化学発光試験によって決定した。それぞれの棒グラフは、アレルゲン濃度またはコントロールに応じて、絶対RLU測定値を示す。測定値はまた、棒の上に示される。
図5aは、未刺激コントロール(陰性コントロール)および抗FcεRIおよびfMLPでのコントロール刺激の反応を示す。
図5bは、種々の濃度(1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml、1ng/ml)のrFel d 1で刺激したサンプルの反応を示す。
図5cは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml)のカバノキ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図5dは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml)のヨモギ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。決定を三連で行った。平均値および標準偏差を計算した。
図5e~hは、
図5a~dに示されるサンプルに関して、(活性化サンプルのRLUの平均値)/(陰性コントロールのRLUの平均値)として計算した刺激指数(SI)を示す。
【0094】
【
図6-1】
図6は、%(
図6a~d)でまたは平均蛍光強度(MFI;
図6e~h)として、好塩基球活性化試験と活性化好塩基球のフローサイトメトリーによる決定を示す。各場合に、花粉に対してアレルギーのある個人に由来する全血50μlを、種々の濃度(10μg~1ng)のアレルゲン抽出物(e94:rFeld d 1; t3:カバノキ花粉抽出物; w6:ヨモギ花粉抽出物)またはコントロール(抗FcεRIおよびfMLP)で刺激し、好塩基球活性化をフローサイトメトリーによって決定した。それぞれの棒グラフは、アレルゲン濃度またはコントロールに応じて、活性化好塩基球の含有量を示す。測定値はまた、棒の上に示される。
図6aは、未刺激コントロール(陰性コントロール)および抗FcεRIおよびfMLPでのコントロール刺激の反応を示す。好塩基球のうちのおよそ40%は、両方の陽性コントロールにおいて活性化した。10%より高い刺激において、反応を陽性と評価した。
図6bは、種々の濃度(1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml、1ng/ml)のrFel d 1で刺激したサンプルの反応を示す。
図6cは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml)のカバノキ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図6dは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml)のヨモギ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。CD123+/HLA-DR
-表現型を有する細胞を好塩基球として同定し、活性化を抗CD63-VioBlueで検出した。
【
図6-2】
図6は、%(
図6a~d)でまたは平均蛍光強度(MFI;
図6e~h)として、好塩基球活性化試験と活性化好塩基球のフローサイトメトリーによる決定を示す。各場合に、花粉に対してアレルギーのある個人に由来する全血50μlを、種々の濃度(10μg~1ng)のアレルゲン抽出物(e94:rFeld d 1; t3:カバノキ花粉抽出物; w6:ヨモギ花粉抽出物)またはコントロール(抗FcεRIおよびfMLP)で刺激し、好塩基球活性化をフローサイトメトリーによって決定した。それぞれの棒グラフは、アレルゲン濃度またはコントロールに応じて、活性化好塩基球の含有量を示す。測定値はまた、棒の上に示される。
図6aは、未刺激コントロール(陰性コントロール)および抗FcεRIおよびfMLPでのコントロール刺激の反応を示す。好塩基球のうちのおよそ40%は、両方の陽性コントロールにおいて活性化した。10%より高い刺激において、反応を陽性と評価した。
図6bは、種々の濃度(1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml、1ng/ml)のrFel d 1で刺激したサンプルの反応を示す。
図6cは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml)のカバノキ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図6dは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml)のヨモギ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。CD123+/HLA-DR
-表現型を有する細胞を好塩基球として同定し、活性化を抗CD63-VioBlueで検出した。
【0095】
抽出物に応じて、好塩基球の最大反応性は、73~12%であった。
【0096】
【
図7-1】
図7は、フラッシュ化学発光相対発光量(RLU;
図7a~d)で測定した本発明に従う方法の結果を示す。各場合に、花粉に対してアレルギーのある個人に由来する全血50μlを、種々の濃度(10μg~1ng)のアレルゲン抽出物(e2:イヌの毛抽出物; i3:スズメバチ(wasp)毒液抽出物; i209: rVes v 5)またはコントロール(抗FcεRIおよびfMLP)で刺激し、好塩基球活性化を化学発光試験によって決定した。それぞれの棒グラフは、アレルゲン濃度またはコントロールに応じて、絶対RLU測定値を示す。測定値はまた、棒の上に示される。
図7aは、未刺激コントロール(陰性コントロール)および抗FcεRIおよびfMLPでのコントロール刺激の反応を示す。
図7bは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml)のイヌの毛抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図7cは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml)のスズメバチ毒液抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図7dは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml)のrVes v 5で刺激したサンプルの反応を示す。決定を三連で行った。平均値および標準偏差を計算した。
図7e~hは、
図7a~dにおいて示されるサンプルに関して、(活性化サンプルのRLUの平均値)/(陰性コントロールのRLUの平均値)として計算した刺激指数(SI)を示す。
【
図7-2】
図7は、フラッシュ化学発光相対発光量(RLU;
図7a~d)で測定した本発明に従う方法の結果を示す。各場合に、花粉に対してアレルギーのある個人に由来する全血50μlを、種々の濃度(10μg~1ng)のアレルゲン抽出物(e2:イヌの毛抽出物; i3:スズメバチ(wasp)毒液抽出物; i209: rVes v 5)またはコントロール(抗FcεRIおよびfMLP)で刺激し、好塩基球活性化を化学発光試験によって決定した。それぞれの棒グラフは、アレルゲン濃度またはコントロールに応じて、絶対RLU測定値を示す。測定値はまた、棒の上に示される。
図7aは、未刺激コントロール(陰性コントロール)および抗FcεRIおよびfMLPでのコントロール刺激の反応を示す。
図7bは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml)のイヌの毛抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図7cは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml)のスズメバチ毒液抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図7dは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml)のrVes v 5で刺激したサンプルの反応を示す。決定を三連で行った。平均値および標準偏差を計算した。
図7e~hは、
図7a~dにおいて示されるサンプルに関して、(活性化サンプルのRLUの平均値)/(陰性コントロールのRLUの平均値)として計算した刺激指数(SI)を示す。
【0097】
【
図8-1】
図8は、%(
図8a~d)でまたは平均蛍光強度(MFI;
図8e~h)として、好塩基球活性化試験と活性化好塩基球のフローサイトメトリーによる決定を示す。各場合に、花粉に対してアレルギーのある個人に由来する全血50μlを、種々の濃度(10μg~1ng)のアレルゲン抽出物(e2:イヌの毛抽出物; i3:スズメバチ毒液抽出物; i209:rVes v 5)またはコントロール(抗FcεRIおよびfMLP)で刺激し、好塩基球活性化をフローサイトメトリーによって決定した。それぞれの棒グラフは、アレルゲン濃度またはコントロールに応じて、活性化好塩基球の含有量を示す。測定値はまた、棒の上に示される。
図8aは、未刺激コントロール(陰性コントロール)および抗FcεRIおよびfMLPでのコントロール刺激の反応を示す。好塩基球のうちのおよそ30%は、両方の陽性コントロールにおいて活性化した。10%より高い刺激において、反応を陽性と評価した。
図8bは、種々の濃度(1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml、1ng/ml)のイヌの毛抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図8cは、種々の濃度(1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml、1ng/ml)のスズメバチ毒液抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図8dは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml)のrVes v 5で刺激したサンプルの反応を示す。CD123+/HLA-DR
-表現型を有する細胞を好塩基球と同定し、活性化を抗CD63-VioBlueで検出した。
【
図8-2】
図8は、%(
図8a~d)でまたは平均蛍光強度(MFI;
図8e~h)として、好塩基球活性化試験と活性化好塩基球のフローサイトメトリーによる決定を示す。各場合に、花粉に対してアレルギーのある個人に由来する全血50μlを、種々の濃度(10μg~1ng)のアレルゲン抽出物(e2:イヌの毛抽出物; i3:スズメバチ毒液抽出物; i209:rVes v 5)またはコントロール(抗FcεRIおよびfMLP)で刺激し、好塩基球活性化をフローサイトメトリーによって決定した。それぞれの棒グラフは、アレルゲン濃度またはコントロールに応じて、活性化好塩基球の含有量を示す。測定値はまた、棒の上に示される。
図8aは、未刺激コントロール(陰性コントロール)および抗FcεRIおよびfMLPでのコントロール刺激の反応を示す。好塩基球のうちのおよそ30%は、両方の陽性コントロールにおいて活性化した。10%より高い刺激において、反応を陽性と評価した。
図8bは、種々の濃度(1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml、1ng/ml)のイヌの毛抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図8cは、種々の濃度(1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml、1ng/ml)のスズメバチ毒液抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図8dは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml)のrVes v 5で刺激したサンプルの反応を示す。CD123+/HLA-DR
-表現型を有する細胞を好塩基球と同定し、活性化を抗CD63-VioBlueで検出した。
【0098】
抽出物に応じて、好塩基球の最大反応性は、25~8%であった。
【0099】
【
図9-1】
図9は、フラッシュ化学発光相対発光量(RLU;
図9a~d)で測定した本発明に従う方法の結果を示す。各場合に、花粉に対してアレルギーのある個人に由来する全血50μlを、種々の濃度(10μg~100ng)のアレルゲン抽出物(w8:タンポポ花粉抽出物; f17:ヘーゼルナッツ抽出物; f49:リンゴ抽出物; e94 rFel d 1)またはコントロール(抗FcεRIおよびfMLP)で刺激し、好塩基球活性化を化学発光試験によって決定した。それぞれの棒グラフは、アレルゲン濃度またはコントロールに応じて、絶対RLU測定値を示す。測定値はまた、棒の上に示される。
図9aは、未刺激コントロール(陰性コントロール)および抗FcεRIおよびfMLPでのコントロール刺激の反応を示す。
図9bは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml)のタンポポ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図9cは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml)のヘーゼルナッツ抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図9dは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml)のリンゴ抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図9eは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml)のrFel d 1で刺激したサンプルの反応を示す。決定を三連で行った。平均値および標準偏差を計算した。
図9f~jは、
図9a~eに示されるサンプルに関して、(活性化サンプルのRLUの平均値)/(陰性コントロールのRLUの平均値)として計算した刺激指数(SI)を示す。
【
図9-2】
図9は、フラッシュ化学発光相対発光量(RLU;
図9a~d)で測定した本発明に従う方法の結果を示す。各場合に、花粉に対してアレルギーのある個人に由来する全血50μlを、種々の濃度(10μg~100ng)のアレルゲン抽出物(w8:タンポポ花粉抽出物; f17:ヘーゼルナッツ抽出物; f49:リンゴ抽出物; e94 rFel d 1)またはコントロール(抗FcεRIおよびfMLP)で刺激し、好塩基球活性化を化学発光試験によって決定した。それぞれの棒グラフは、アレルゲン濃度またはコントロールに応じて、絶対RLU測定値を示す。測定値はまた、棒の上に示される。
図9aは、未刺激コントロール(陰性コントロール)および抗FcεRIおよびfMLPでのコントロール刺激の反応を示す。
図9bは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml)のタンポポ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図9cは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml)のヘーゼルナッツ抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図9dは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml)のリンゴ抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図9eは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml)のrFel d 1で刺激したサンプルの反応を示す。決定を三連で行った。平均値および標準偏差を計算した。
図9f~jは、
図9a~eに示されるサンプルに関して、(活性化サンプルのRLUの平均値)/(陰性コントロールのRLUの平均値)として計算した刺激指数(SI)を示す。
【
図9-3】
図9は、フラッシュ化学発光相対発光量(RLU;
図9a~d)で測定した本発明に従う方法の結果を示す。各場合に、花粉に対してアレルギーのある個人に由来する全血50μlを、種々の濃度(10μg~100ng)のアレルゲン抽出物(w8:タンポポ花粉抽出物; f17:ヘーゼルナッツ抽出物; f49:リンゴ抽出物; e94 rFel d 1)またはコントロール(抗FcεRIおよびfMLP)で刺激し、好塩基球活性化を化学発光試験によって決定した。それぞれの棒グラフは、アレルゲン濃度またはコントロールに応じて、絶対RLU測定値を示す。測定値はまた、棒の上に示される。
図9aは、未刺激コントロール(陰性コントロール)および抗FcεRIおよびfMLPでのコントロール刺激の反応を示す。
図9bは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml)のタンポポ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図9cは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml)のヘーゼルナッツ抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図9dは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml)のリンゴ抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図9eは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml)のrFel d 1で刺激したサンプルの反応を示す。決定を三連で行った。平均値および標準偏差を計算した。
図9f~jは、
図9a~eに示されるサンプルに関して、(活性化サンプルのRLUの平均値)/(陰性コントロールのRLUの平均値)として計算した刺激指数(SI)を示す。
【0100】
【
図10-1】
図10は、%(
図10a~e)でまたは平均蛍光強度(MFI;
図10f~j)として、好塩基球活性化試験と活性化好塩基球のフローサイトメトリーでの決定を示す。各場合に、花粉に対してアレルギーのある個人に由来する全血50μlを、種々の濃度(10μg~100ng)のアレルゲン抽出物(w8:タンポポ花粉抽出物; f17:ヘーゼルナッツ抽出物; f49:リンゴ抽出物; e94 rFel d 1)またはコントロール(抗FcεRIおよびfMLP)で刺激し、好塩基球活性化をフローサイトメトリーによって決定した。それぞれの棒グラフは、アレルゲン濃度またはコントロールに応じて、活性化好塩基球の含有量を示す。測定値はまた、棒の上に示される。
図10aは、未刺激コントロール(陰性コントロール)および抗FcεRIおよびfMLPでのコントロール刺激の反応を示す。好塩基球のうちのおよそ30%は、両方の陽性コントロールにおいて活性化した。10%より高い刺激において、反応を陽性と評価した。
図10bは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml)のタンポポ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図10cは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml)のヘーゼルナッツ抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図10dは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml)のリンゴ抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図10eは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml)のrFel d 1で刺激したサンプルの反応を示す。CD123+/HLA-DR
-表現型を有する細胞を好塩基球として同定し、活性化を抗CD63-VioBlueで検出した。
【
図10-2】
図10は、%(
図10a~e)でまたは平均蛍光強度(MFI;
図10f~j)として、好塩基球活性化試験と活性化好塩基球のフローサイトメトリーでの決定を示す。各場合に、花粉に対してアレルギーのある個人に由来する全血50μlを、種々の濃度(10μg~100ng)のアレルゲン抽出物(w8:タンポポ花粉抽出物; f17:ヘーゼルナッツ抽出物; f49:リンゴ抽出物; e94 rFel d 1)またはコントロール(抗FcεRIおよびfMLP)で刺激し、好塩基球活性化をフローサイトメトリーによって決定した。それぞれの棒グラフは、アレルゲン濃度またはコントロールに応じて、活性化好塩基球の含有量を示す。測定値はまた、棒の上に示される。
図10aは、未刺激コントロール(陰性コントロール)および抗FcεRIおよびfMLPでのコントロール刺激の反応を示す。好塩基球のうちのおよそ30%は、両方の陽性コントロールにおいて活性化した。10%より高い刺激において、反応を陽性と評価した。
図10bは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml)のタンポポ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図10cは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml)のヘーゼルナッツ抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図10dは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml)のリンゴ抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図10eは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml)のrFel d 1で刺激したサンプルの反応を示す。CD123+/HLA-DR
-表現型を有する細胞を好塩基球として同定し、活性化を抗CD63-VioBlueで検出した。
【
図10-3】
図10は、%(
図10a~e)でまたは平均蛍光強度(MFI;
図10f~j)として、好塩基球活性化試験と活性化好塩基球のフローサイトメトリーでの決定を示す。各場合に、花粉に対してアレルギーのある個人に由来する全血50μlを、種々の濃度(10μg~100ng)のアレルゲン抽出物(w8:タンポポ花粉抽出物; f17:ヘーゼルナッツ抽出物; f49:リンゴ抽出物; e94 rFel d 1)またはコントロール(抗FcεRIおよびfMLP)で刺激し、好塩基球活性化をフローサイトメトリーによって決定した。それぞれの棒グラフは、アレルゲン濃度またはコントロールに応じて、活性化好塩基球の含有量を示す。測定値はまた、棒の上に示される。
図10aは、未刺激コントロール(陰性コントロール)および抗FcεRIおよびfMLPでのコントロール刺激の反応を示す。好塩基球のうちのおよそ30%は、両方の陽性コントロールにおいて活性化した。10%より高い刺激において、反応を陽性と評価した。
図10bは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml)のタンポポ花粉抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図10cは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml)のヘーゼルナッツ抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図10dは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml)のリンゴ抽出物で刺激したサンプルの反応を示す。
図10eは、種々の濃度(10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml)のrFel d 1で刺激したサンプルの反応を示す。CD123+/HLA-DR
-表現型を有する細胞を好塩基球として同定し、活性化を抗CD63-VioBlueで検出した。
【0101】
抽出物に応じて、好塩基球の最大反応性は、89~37%であった。
【0102】
【
図11】
図11は、異なる検出システムでの未刺激コントロール(陰性コントロール)のfMLPでの刺激後の患者サンプルの結果を示す。
図11aは、フラッシュ化学発光相対発光量(RLU)で測定した本発明に従う方法の結果を示す。
図11bは、蛍光強度(FI)として測定した蛍光標識抗体(抗CD63-FITC;2μg/ml)での検出後の本発明の方法に従って行われる好塩基球の活性化の結果を示す。
図11cは、好塩基球活性化試験と活性化好塩基球のフローサイトメトリーでの決定を示す。各場合に、花粉に対してアレルギーのある個人に由来する全血50μlを、fMLPで刺激したかまたは未刺激のままにしておいた(陰性コントロール)。次いで、好塩基球活性化を、上記の方法によって決定した。それぞれの棒グラフは、RLU(
図11a)もしくはFI(
図11b)での絶対測定値または%(
図11c)での好塩基球活性化を示す。
【0103】
【
図12-1】
図12は、好塩基球の富化および検出のための種々の抗体組み合わせを使用する、fMLPでの刺激後の患者サンプルまたは未刺激コントロール(陰性コントロール)の結果を示す。アレルゲンは使用しなかった。
図12aは、フラッシュ化学発光相対発光量(RLU)で測定した本発明に従う方法の結果を示す。
図12bは、
図12aに示されるサンプルに関して、(活性化サンプルのRLUの平均値)/(陰性コントロールのRLUの平均値)として計算した刺激指数(SI)を示す。
図12cは、好塩基球活性化試験と活性化好塩基球のフローサイトメトリーでの決定を示す。
図12dは、抗CD63ビオチンを介する活性化依存性マーカーCD63での好塩基球の富化および抗IgE-NSP-SAでの検出の結果を示す。抗CD63ビオチン抗体を0.2~1μg/mlの濃度で使用した一方で、検出抗体抗IgE-NSP-SAを0.5μg/mlの固定濃度で使用した。
図12eは、
図12dにおいて示されるサンプルに関して、(活性化サンプルのRLUの平均値)/(陰性コントロールのRLUの平均値)として計算した刺激指数(SI)を示す。
【
図12-2】
図12は、好塩基球の富化および検出のための種々の抗体組み合わせを使用する、fMLPでの刺激後の患者サンプルまたは未刺激コントロール(陰性コントロール)の結果を示す。アレルゲンは使用しなかった。
図12aは、フラッシュ化学発光相対発光量(RLU)で測定した本発明に従う方法の結果を示す。
図12bは、
図12aに示されるサンプルに関して、(活性化サンプルのRLUの平均値)/(陰性コントロールのRLUの平均値)として計算した刺激指数(SI)を示す。
図12cは、好塩基球活性化試験と活性化好塩基球のフローサイトメトリーでの決定を示す。
図12dは、抗CD63ビオチンを介する活性化依存性マーカーCD63での好塩基球の富化および抗IgE-NSP-SAでの検出の結果を示す。抗CD63ビオチン抗体を0.2~1μg/mlの濃度で使用した一方で、検出抗体抗IgE-NSP-SAを0.5μg/mlの固定濃度で使用した。
図12eは、
図12dにおいて示されるサンプルに関して、(活性化サンプルのRLUの平均値)/(陰性コントロールのRLUの平均値)として計算した刺激指数(SI)を示す。
【
図12-3】
図12は、好塩基球の富化および検出のための種々の抗体組み合わせを使用する、fMLPでの刺激後の患者サンプルまたは未刺激コントロール(陰性コントロール)の結果を示す。アレルゲンは使用しなかった。
図12aは、フラッシュ化学発光相対発光量(RLU)で測定した本発明に従う方法の結果を示す。
図12bは、
図12aに示されるサンプルに関して、(活性化サンプルのRLUの平均値)/(陰性コントロールのRLUの平均値)として計算した刺激指数(SI)を示す。
図12cは、好塩基球活性化試験と活性化好塩基球のフローサイトメトリーでの決定を示す。
図12dは、抗CD63ビオチンを介する活性化依存性マーカーCD63での好塩基球の富化および抗IgE-NSP-SAでの検出の結果を示す。抗CD63ビオチン抗体を0.2~1μg/mlの濃度で使用した一方で、検出抗体抗IgE-NSP-SAを0.5μg/mlの固定濃度で使用した。
図12eは、
図12dにおいて示されるサンプルに関して、(活性化サンプルのRLUの平均値)/(陰性コントロールのRLUの平均値)として計算した刺激指数(SI)を示す。
【実施例】
【0104】
1a.アレルゲン希釈物の調製:
好塩基球活性化を検出するために、抗CD63抗体(Klon 7G3、BD Bioscience #353014)を、製造業者の指示に従って、NSP-SA-NHSアクリジニウムエステル(Heliosense Biotechnologies, #199293-83-9)に共有結合的に連結した。この後に、その抗体を、PD-10カラム(GE Healthcare, #383420)を使用して精製した。Biomol GmbHのIgEを、同じ方法でNSP-SA-NHSで標識した。
【0105】
1b.アレルゲン希釈物の調製:
T2ニワトコ花粉抽出物(Squarix, #T-4402)、t3カバノキ花粉抽出物(Squarix, #T-4400)およびt4ハシバミ花粉抽出物(Squarix, #T-4404)を、希釈緩衝液(1×ハンクス平衡塩類溶液(Thermo Fisher Scientific #14065056)、40mM HEPES、pH7.4)中で、10μg/ml、1μg/ml、100ng/ml、10ng/ml、および1ng/mlの濃度に希釈した。希釈緩衝液を、陰性コントロールとして使用した。10-6Mの濃度のfMLP(Sigma, #F3506-5MG)および100ng/mlの濃度の抗FcεRI抗体(Klon AER-37, ebioscience, #14-5899-82)を、陽性コントロールとして使用した。さらに、リンゴ抽出物(Squarix #F-2327)、オオアワガエリ花粉抽出物(Squarix, #G-5501)、e94(Rogersら(1993), Recombinant Fel d.I: Expression, purification, IgE binding and reaction with cat-allergic human T cells., Molecular Immunology, 30 April 2010 (6), 559-568に従って精製)、ヨモギ花粉抽出物(Squarix #W-3400)、イヌの毛抽出物(Squarix #E-6617)、スズメバチ毒液抽出物(Squarix #I-7804)、i209(Seismannら, 2010, Clinical and Molecular Allergy, 8:7に従って精製)、タンポポ花粉抽出物(Squarix #W-3404)およびヘーゼルナッツ抽出物(Squarix, #T-4404)を、抗原として使用した。
【0106】
1c.刺激:
末梢全血(ヘパリン処理)の各50μlを、マイクロタイタープレート中で、各50μlのアレルゲンまたはコントロール希釈物と混合し、20分間、37℃においてインキュベーター中でインキュベートした。反応を、10μlの濃縮EDTA溶液(PBS中100mM EDTA)を添加することによって停止させた。
【0107】
2a1.抗体インキュベーション:
この後に、2種の抗体をサンプルに添加した:
1)最終濃度0.5μg/mlの抗CD123ビオチン(Klon H5C6, Biolegend #353014)
2)最終濃度2μg/mlの抗CD63-NSP-SA(Klon 7G3, BD Bioscience #353014)
【0108】
サンプルを混合し、10分間室温でインキュベートした。
【0109】
あるいは、抗CD63ビオチン(Biolegend 353017)および抗CD63-FITC(Miltenyi 130-100-160)を使用した。
【0110】
2a2.赤血球溶解:
赤血球を、100μlのサポニン含有溶解緩衝液(PBS中0.14% サポニン)を添加し、10分間室温でインキュベーションを行うことによって溶解した。この後に、マイクロタイタープレートを、5分間500gにおいて遠心分離し、その上清を除去した。
【0111】
2a3.ビーズインキュベーション:
それぞれのサンプルを、10μgのストレプトアビジン被覆磁性ビーズ(Sera-Mag SpeedBeads streptavidin-blocked particles, GE-Healthcare, #21152104010350)と混合し、10分間室温でインキュベートした。
【0112】
2a4.洗浄:
上記ビーズに結合した細胞を、プレート洗浄機(例えば、MBS96磁石を備えたTecan HydroFlex)において300μlの洗浄緩衝液(0.05% Tween、2mM EDTA、150mM NaCl、0.05% NaN3)で5回洗浄した。
【0113】
2a5.検出:
その後の検出において、CD63抗体上のNSP-SAアクリジニウムエステルを、2種の溶液(H2O2; 0.1M HNO3および0.25M NaOH(Chemiluminescence Detection Reagent Kit, Invitron Ltd., #IV1-001))を使用して誘発した。生成された化学発光シグナル(フラッシュルミネッセンス)を、波長425nmにおいてプレートルミノメーターで(例えば、Berthold Centro LB 960)検出した。
【0114】
2a6.評価:
好塩基球活性化の強度を、未刺激コントロールと比較した化学発光シグナルの増加に基づいて計算した。刺激指数(SI)は、活性化サンプルの相対発光量(RLU)/未刺激サンプルのRLUに基づいて計算され得る。ここで、超えられるべき閾値は、試験物質に依存する。
【0115】
2b.フローサイトメトリー測定:
フローサイトメトリーでの決定のために、抗CD123-PE(Miltenyi Biotec, #130-098-894)、抗HLA-DR-PerCPVio700(Miltenyi Biotec, #130-103-873)および抗CD63-VioBlue(Miltenyi Biotec, #130-100-154)抗体での活性化後に、サンプルを、製造業者の指示に従って、15分間4℃での遮光下でインキュベートした。
【0116】
1mlの1×FACS溶解溶液(BD Bioscience, #349202)の添加および10分間室温でのインキュベーションの後に、サンプルを500gで5分間遠心分離し、その上清を除去し、そのサンプルを再び、各500μlの洗浄緩衝液(Ca2+/Mg2+なしのPBS、0.5% BSA、2mM EDTA、0.05% NaN3)で洗浄した。測定を、フローサイトメーター(例えば、MACS Quant(Miltenyi Biotec))で2時間以内に行った。CD123+/HLA-DR-表現型を有する細胞を好塩基球と同定した。好塩基球は、CD63シグナルが選択された閾値を超えた場合に活性化された。≧10%の全活性化を、陽性と評価した。
【0117】
2c.蛍光測定
抗CD63-FITCの蛍光を、BMG Labtech FLUOstar(485nm/520nm)ユニットで測定した。
【0118】
結果:
化学発光試験(
図1)を刺激サンプルのシグナルがコントロールに対して2倍になった(SI≧2)場合に、陽性と評価した。フローサイトメトリーでの決定(
図2)の評価において、≧10%の活性化を示す全サンプルを、陽性と評価した。化学発光試験とフローサイトメトリー試験との比較は、この2種の試験システムの結果の間の良好な相関および非常に良好な再現性とを示す。ここで化学発光シグナルの測定ダイナミックレンジは、蛍光シグナルのものより有意に広い。
【0119】
フローサイトメトリーでの評価において、分析ウインドウは、各患者について個々に適合されかつそれぞれの評価当事者によって主観的に設定されなければならない活性化細胞集団および非活性化細胞集団(ゲーティング)を規定するために設定する必要がある。種々の評価のこの可能性(this possibility of varying evaluation)は、化学発光試験には存在しない。なぜなら化学発光試験では、構成されるコントロールに対する刺激サンプルの関係性が存在するに過ぎないからである。これは、標準化された評価を可能にする。標準化された評価は、フローサイトメトリー試験においてこのように行うことはできない。さらに、有意により高いサンプルスループットは、マイクロタイタープレート形式におけるサンプル調製、迅速な測定および単純な評価によって可能になる。
【0120】
この試験はまた、検出システムとしての化学発光の使用が、決定的な利点を提供することを示した:好塩基球およびさらなる細胞は、ごく僅かな自家化学発光を示すに過ぎない。測定における標的細胞の絶対純度は、従って、必要とされない。
【0121】
対照的に、死細胞および顆粒球は、特に、高度な自家蛍光を有し、これは、フローサイトメトリーにおいて望ましいシグナルの重なり合いを引き起こすので、相当するゲーティングを要する。好塩基球を精製するためにCD123ビオチン抗体を使用するにあたって、サンプルは、表面にCD123も発現する特に樹状細胞の低含有量を有する。しかし、これらの細胞は、CD63を発現しないので、その検出される抗CD63化学発光シグナルは、専ら好塩基球に帰すことができる。その測定自体は、他の非標識細胞の存在によって損なわれない。
【0122】
検出法としての化学発光と非分画全血の存在との組み合わせは、従って、複数のサンプルが最大の再現性および標準化可能性をもって並行して処理され得る高感度の検出法を提供する。
【0123】
図3~10は、広く種々の抗原およびサンプルドナーを用いて、本発明に従う方法が広く適用可能であることを示す。各場合に、第1の図(例えば、
図3)は、化学発光での同じ実験および比較可能性を示すためにフローサイトメトリーでの次の図(
図4)を示す。上記結果は、この比較可能性が驚くべきことに高いことである。本発明に従う方法は、従って、フローサイトメトリーに取って代わることができる。
【0124】
図11は、3種の検出法、化学発光、蛍光およびフローサイトメトリーの直接比較を示す。化学発光は、感度においてフローサイトメトリーにおおよそ相当し、蛍光より有意に適していることは明らかに認められ得るので、本発明に従う方法は、フローサイトメトリーに取って代わり得ることが確認される。
【0125】
最後に、
図12に示される実験は、活性化依存性リガンドが富化のために使用されかつ活性化非依存性リガンドが検出のために使用される場合に(その逆ではなく)、他の実験の場合と同様に、本発明に従う方法がまた適切に機能することを示す。この場合、化学発光におけるバックグラウンドがシグナルより高いが、そのシグナルは、そのバックグラウンドから明らかに区別され得る。