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特許7265334データ収集装置、データ収集システムおよびデータ収集方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-18
(45)【発行日】2023-04-26
(54)【発明の名称】データ収集装置、データ収集システムおよびデータ収集方法
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/01 20060101AFI20230419BHJP
【FI】
G08G1/01 A
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018195244
(22)【出願日】2018-10-16
(65)【公開番号】P2020064406
(43)【公開日】2020-04-23
【審査請求日】2021-09-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000237592
【氏名又は名称】株式会社デンソーテン
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】曽田 智史
(72)【発明者】
【氏名】平嶋 善隆
(72)【発明者】
【氏名】濱岡 達哉
【審査官】武内 俊之
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-234649(JP,A)
【文献】特開2016-186822(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載された車載装置に当該車両に関するデータの収集条件を送信し、当該収集条件を満たすデータを収集するデータ収集装置であって、
前記データ収集装置の利用者から、前記収集条件受け付け、
前記データ収集装置で収集した過去のデータの収集実績に基づいて、前記収集条件で収集される事象の発生確率を算出し、
前記データ収集装置の利用者から、前記収集条件を満たすデータの希望収集量を受け付け、
前記発生確率に基づいて、前記希望収集量を満たすために必要な前記データの収集期間を前記利用者に通知する制御部
を備える、データ収集装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記収集期間に関する情報として少なくとも、前記希望収集量のデータの収集が完了する完了予定に関する情報、または、前記利用者の指定日時までの前記収集条件を満たすデータの収集量に関する情報を前記利用者に通知する
請求項1に記載のデータ収集装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記利用者から受け付けた前記収集条件に類似する過去の類似収集条件を収集実績から抽出して当該類似収集条件による事象の発生頻度を導出し、該発生頻度に基づいて前記発生確率を算出する
請求項1または2に記載のデータ収集装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記収集条件の各項目に設定された優先度、および、前記利用者によって指定された各項目への各指定値に対する関連度に応じて、前記類似収集条件を抽出する
請求項3に記載のデータ収集装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか一つに記載のデータ収集装置と、
前記車載装置と、
前記利用者が前記収集条件の指定操作を行うとともに、前記データ収集装置によって算出された前記発生確率に基づく情報の通知を受ける端末装置と
を備える、データ収集システム。
【請求項6】
車両に搭載された車載装置に当該車両に関するデータの収集条件を送信し、当該収集条件を満たすデータを収集するデータ収集装置が実行するデータ収集方法であって、
前記データ収集装置の利用者から、前記収集条件受け付けることと、
前記データ収集装置で収集した過去のデータの収集実績に基づいて、前記収集条件で収集される事象の発生確率を算出することと、
前記データ収集装置の利用者から、前記収集条件を満たすデータの希望収集量を受け付けることと、
前記発生確率に基づいて、前記希望収集量を満たすために必要な前記データの収集期間を前記利用者に通知することと
を含む、データ収集方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、データ収集装置、データ収集システムおよびデータ収集方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、各車両に搭載された車載装置から道路情報を収集するデータ収集装置が知られている。かかるデータ収集装置では、各車両の位置情報に基づき、道路情報の収集対象となる車両を選別することで、所望する位置の道路情報を収集する(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-055581号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述した従来技術は、ユーザに対し、指定した収集条件による情報収集の確実性を把握させるうえで、さらなる改善の余地がある。
【0005】
具体的には、上述した従来技術では、ユーザが端末を介してセンター装置に接続し、センター装置上のユーザインタフェースからアップロードの条件などの任意の収集条件を指定することが可能である。このことは、状況に応じた柔軟な情報収集や、通信量の削減などに寄与するものではあるが、その一方で、ユーザは、指定した収集条件に該当して情報が収集される確率がどのくらいあり、また、かかる確率に基づいて、所望する収集期間にどの程度の件数が収集できるのかを把握しにくい。
【0006】
実施形態の一態様は、上記に鑑みてなされたものであって、ユーザに対し、指定した収集条件による情報収集の確実性を把握させることができるデータ収集装置、データ収集システムおよびデータ収集方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の一態様に係るデータ収集装置は、車両に搭載された車載装置に当該車両に関するデータの収集条件を送信し、当該収集条件を満たすデータを収集するデータ収集装置であって、制御部を備える。前記制御部は、前記データ収集装置の利用者から、前記収集条件受け付け、前記データ収集装置で収集した過去のデータの収集実績に基づいて、前記収集条件で収集される事象の発生確率を算出し、前記データ収集装置の利用者から、前記収集条件を満たすデータの希望収集量を受け付け、前記発生確率に基づいて、前記希望収集量を満たすために必要な前記データの収集期間を前記利用者に通知する。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、ユーザに対し、指定した収集条件による情報収集の確実性を把握させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1A図1Aは、実施形態に係るデータ収集方法の概要説明図(その1)である。
図1B図1Bは、実施形態に係るデータ収集方法の概要説明図(その2)である。
図1C図1Cは、実施形態に係るデータ収集方法の概要説明図(その3)である。
図1D図1Dは、実施形態に係るデータ収集方法の概要説明図(その4)である。
図1E図1Eは、実施形態に係るデータ収集方法の概要説明図(その5)である。
図1F図1Fは、実施形態に係るデータ収集方法の概要説明図(その6)である。
図1G図1Gは、実施形態に係るデータ収集方法の概要説明図(その7)である。
図1H図1Hは、実施形態に係るデータ収集方法の概要説明図(その8)である。
図2図2は、実施形態に係るデータ収集システムの構成例を示すブロック図である。
図3A図3Aは、収集条件設定画面の一例を示す図(その1)である。
図3B図3Bは、収集条件設定画面の一例を示す図(その2)である。
図4A図4Aは、類似条件の検索動作の説明図(その1)である。
図4B図4Bは、類似条件の検索動作の説明図(その2)である。
図4C図4Cは、類似条件の検索動作の説明図(その3)である。
図5図5は、収集条件の発生確率の算出方法の説明図である。
図6図6は、実施形態に係るデータ収集システムが実行する処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して、本願の開示するデータ収集装置、データ収集システムおよびデータ収集方法の実施形態を詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0011】
また、以下では、「頻度」と言った場合、過去の実績から統計学的に抽出された、ある事象が起こった割合を指すものとする。また、「確率」と言った場合、ある事象がこれから起こりうる割合を指すものとする。
【0012】
まず、実施形態に係るデータ収集方法の概要について、図1A図1Hを用いて説明する。図1A図1Hは、実施形態に係るデータ収集方法の概要説明図(その1)~(その8)である。なお、図1A図1Hでは、実施形態に係るデータ収集方法を適用したデータ収集システム1を例に挙げて説明を行う。
【0013】
図1Aに示すように、実施形態に係るデータ収集システム1は、データ収集装置10と、車両V-1,V-2,V-3…にそれぞれ搭載された車載装置100-1,100-2,100-3…と、利用者端末200とを含む。なお、以下では、車両全般を指す場合には「車両V」と、また、車載装置全般を指す場合には「車載装置100」と、それぞれ記載する。
【0014】
データ収集装置10は、たとえばインターネットや携帯電話回線網等のネットワークNを介したクラウドサービスを提供するクラウドサーバとして構成され、データ利用者から車両データの収集要求を受け付けるとともに、受け付けた収集要求に基づき、各車載装置100から車両データを収集し、データ利用者へ提供する。
【0015】
車載装置100は、たとえばカメラや、加速度センサ、GPS(Global Positioning System)センサといった各種センサ、記憶デバイス、マイクロコンピュータなどを有するドライブレコーダであって、データ収集装置10が受け付けた収集要求に応じた車両データを車両Vから採取する。
【0016】
また、車載装置100は、採取した車両データをデータ収集装置10へ必要に応じてアップロードする。このようにドライブレコーダを車載装置100として兼用することによって、車両Vへ搭載する車載部品を効率化することができる。なお、兼用することなく、車載装置100とドライブレコーダとを別体で構成してもよい。
【0017】
利用者端末200は、データ利用者が利用する端末であり、たとえばノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップ型PC、タブレット端末、PDA(Personal Digital Assistant)、スマートフォン、眼鏡型や時計型の情報処理端末であるウェアラブルデバイス(wearable device)などである。
【0018】
また、データ利用者は、たとえばデータ収集装置10から提供される車両データに基づいて自動運転技術の開発を行う開発者などである。データ収集装置10は、かかるデータ利用者に対し、利用者端末200を介してアクセス可能なユーザインタフェース(以下、「UI」と記載する)画面を提供する。
【0019】
データ利用者は、かかるUI画面を介し、図1Aに示すように、車両データの収集条件を指定する。すると、これを受け付けたデータ収集装置10は、各車両Vへかかる収集条件をたとえばファイル形式で配信する。
【0020】
収集条件には、図1Bに示すように、車両データの収集に関する各種パラメータが含まれる。各種パラメータは、同図に示すように、たとえば「対象車両」、「データ種別」、「収集トリガ条件」、「収集期間」などであり、データ利用者は、上述のUI画面を介してこれらを任意に指定することが可能である。
【0021】
なお、「対象車両」は、収集対象となる車両Vの識別情報である。また、「データ種別」は、収集対象となるデータの種別、一例としてアクセル開度率などである。「収集トリガ条件」は、収集のトリガとなる条件であり、一例として車速が所定速を超えた場合などである。
【0022】
たとえば図1Aの例では、少なくとも車両V-2の車載装置100-2は、「車速>60km/h」を収集トリガ条件として、データ種別「アクセル開度率」が収集される収集条件が指定されている。
【0023】
そして、車載装置100は、各車両Vにおいて採取した車両データを適宜データ収集装置10へアップロードし、データ収集装置10はこれを蓄積する。そして、データ利用者は、たとえば前述のUI画面を介して、データ収集装置10に蓄積された車両データを閲覧またはダウンロードする。
【0024】
より具体的に、データ収集システム1においてデータ利用者へ車両データが提供されるまでの一連の流れについて、図1C図1Eを用いて説明する。図1Cに示すように、まずデータ利用者は、データ収集装置10と接続された利用者端末200により収集条件を指定する。
【0025】
また、この際に、データ収集装置10は、収集することとなる実データRに付加され、かかる実データRの検索や概要把握に用いられるインデックスデータとしての特性を有するタグデータTの生成用データを生成する。なお、かかるタグデータTの生成用データは、利用者端末200あるいはデータ収集装置10に記憶されたプログラムや生成用データを用いつつ、データ利用者の操作に基づいて生成される。
【0026】
そして、指定された収集条件や、生成されたタグデータTの生成用データは、データ収集装置10に記憶されるとともに、データ収集の対象となる車両Vへ配信されて、車載装置100にも記憶される。
【0027】
次に、各車載装置100は、各種センサの出力データを監視し、記憶している収集条件を満たすイベントが発生した場合に、その実データRを記憶デバイスに記憶する。また、各車載装置100は、記憶しているタグデータTの生成用データと実データRとに基づき、当該実データRに対応するタグデータTを生成して記憶する。そして、各車載装置100は、タグデータTをデータ収集装置10にアップロードし、データ収集装置10はそのタグデータTを記憶する。なお、このとき、実データRは、データ収集装置10へはアップロードされない。
【0028】
そして、データ利用者が、利用者端末200により、データ収集状況の確認や実データRの収集のためにデータ収集装置10と接続すると、データ収集装置10により収集されたタグデータTに基づくメタ情報が利用者端末200に表示される。あわせて、各タグデータTに対応する実データRを収集する操作を行うためのUI画面が表示される。
【0029】
そして、図1Dに示すように、データ利用者が、利用者端末200により、収集する実データRに対応するタグデータTを指定すると、データ収集装置10を介して該当の車載装置100へ実データRを指定する指示データが送信される。
【0030】
その後、図1Eに示すように、指定された実データRが、各車載装置100からデータ収集装置10へアップロードされ、データ収集装置10に記憶される。そして、データ利用者が、利用者端末200により、データ収集装置10に記憶された実データRにアクセスして、かかる実データRの閲覧やダウンロードなどを行う。
【0031】
なお、車載装置100のデータ容量の観点からは、データ収集装置10にアップロードされた実データRおよびこれに対応するタグデータTは、データ収集装置10へのアップロード後に車載装置100から削除されることが好ましい。
【0032】
また、タグデータTは、実データRの一部を単純に抜粋したようなデータではなく、データ利用者が参照したときに実データRの概要を把握し、実データRの要否を判断できる程度にメタ情報化されていることが好ましい。
【0033】
ところで、上述したように、データ利用者は、収集条件パラメータを任意に指定することができるが、このことは、ユーザにとって、指定した収集条件に該当して確実に情報が収集される確率がどのくらいあり、また、かかる確率に基づいて、所望する収集期間にどの程度の件数が収集できるのかを把握させづらいということである。
【0034】
すなわち、図1Fに示すように、データ利用者は、任意に指定した収集条件で希望収集量「XXX件」を収集したい場合に、どれくらいかかるのかといったことを把握することが難しい。
【0035】
そこで、実施形態に係るデータ収集方法では、データ収集装置10が、データ利用者から任意の収集条件と所望の収集量の指定を受けた場合に、データ収集のトリガとなるイベントの発生頻度を過去の類似収集条件(以下、「類似条件」と言う)に基づいて抽出することとした。また、抽出した頻度に基づいて、データ利用者に指定された収集条件での上記イベントの発生確率を算出し、かかる確率に関する確率情報を生成して、利用者端末200へ通知することとした。
【0036】
具体的には、図1Gに示すように、実施形態に係るデータ収集方法では、まずデータ利用者が、利用者端末200を介して「希望収集量」および「収集条件」を指定する(ステップS1)。すると、これを受けたデータ収集装置10は、過去の類似条件を解析し(ステップS2)、その解析結果から前述の発生確率を算出する(ステップS3)。
【0037】
そして、データ収集装置10は、算出した確率に関する確率情報を生成する(ステップS4)。同図に示すように、確率情報には、たとえば「データ収集確率:○○件/分」、「完了予測日時:○月△日□時」、「希望日時までの収集データ量予測:○件」といった内容が含まれる。
【0038】
そして、データ収集装置10は、生成した確率情報を利用者端末200へ通知する(ステップS5)。また、このとき、データ収集装置10は、データ利用者が指定した希望日時までに終わらない場合、または、類似条件がない場合、データ利用者に対し、条件変更をガイダンスする(ステップS6)。
【0039】
具体的には、図1Hに示すように、データ収集装置10は、利用者端末200に対し、条件変更をガイダンスするUI画面を提供する。たとえば、データ収集装置10は、同図のパターンP1として示すように、「完了予定日時」を表示させる。また、「データ収集確率」を表示させてもよい。なお、「データ収集確率」は、同図に示すように、「○○件/分」のような所定時間あたりの発生件数に限らず、たとえば「△△分/件」のような発生間隔を示すものであってもよい。
【0040】
また、同図のパターンP1に示すように、データ利用者に指定された条件式に警告としてのエクスクラメーションマークとともに、「閾値を○○まで下げれば完了予定日時が××となります」といったガイダンスメッセージを表示させて、データ利用者に適切な値での条件入力を促す。
【0041】
また、データ収集装置10は、データ利用者に指定された希望日時までに収集が完了する類似条件を過去の実績などから検索しておき、パターンP2として示すように、おすすめの条件式のパッケージとしてリスト表示することもできる。データ利用者がかかるリストから所望のパッケージを選択すると、選択されたパッケージの内容で容易に条件変更を行うことができる。
【0042】
このように、実施形態に係るデータ収集方法では、データ収集装置10が、データ利用者から任意の収集条件と所望の収集量の指定を受けた場合に、データ収集のトリガとなるイベントの発生頻度を過去の類似条件に基づいて抽出することとした。また、抽出した頻度に基づいて、データ利用者に指定された収集条件での上記イベントの発生確率を算出し、かかる確率に関する確率情報を生成して、利用者端末200へ通知することとした。
【0043】
したがって、実施形態に係るデータ収集方法によれば、データ利用者に対し、指定した収集条件による情報収集の確実性を把握させることができる。以下、実施形態に係るデータ収集システム1の構成例について、より具体的に説明する。
【0044】
図2は、実施形態に係るデータ収集システム1の構成例を示すブロック図である。なお、図2では、実施形態の特徴を説明するために必要な構成要素のみを表しており、一般的な構成要素についての記載を省略している。
【0045】
換言すれば、図2に図示される各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。例えば、各ブロックの分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することが可能である。
【0046】
また、図2を用いた説明では、既に説明済みの構成要素については、説明を簡略するか、省略する場合がある。
【0047】
図2に示すように、実施形態に係るデータ収集システム1は、データ収集装置10と、車載装置100と、利用者端末200とを含む。
【0048】
まず、データ収集装置10から説明する。データ収集装置10は、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。
【0049】
通信部11は、たとえば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。通信部11は、ネットワークNと有線または無線で接続され、ネットワークNを介して、車載装置100や、利用者端末200との間で情報の送受信を行う。
【0050】
記憶部12は、たとえば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現され、図2の例では、収集条件情報DB12aと、収集データDB12bとを記憶する。
【0051】
収集条件情報DB12aは、利用者端末200から指定され、後述する受付部13bによって受け付けられた収集条件が蓄積される。すなわち、収集条件情報DB12aは、収集条件に関する過去の実績を含む。
【0052】
収集データDB12bは、後述する収集部13fによって各車載装置100から収集された収集データが蓄積される。すなわち、収集データDB12bは、収集データの過去の実績を含む。なお、収集データは、前述のタグデータTおよび実データRを含む。
【0053】
制御部13は、コントローラ(controller)であり、たとえば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、データ収集装置10内部の記憶デバイスに記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部13は、たとえば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現することができる。
【0054】
制御部13は、UI提供部13aと、受付部13bと、解析部13cと、ガイダンス生成部13dと、配信部13eと、収集部13fとを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0055】
UI提供部13aは、収集条件の設定画面のほか、データ収集に関する種々のUI画面を生成し、通信部11を介して利用者端末200に対し、提供する。UI画面の具体例については、図3Aおよび図3Bを用いた説明で後述する。また、UI提供部13aは、後述するガイダンス生成部13dによって生成されたガイダンス情報をUI画面へ含ませて提供する。
【0056】
ガイダンス情報には、利用者端末200からデータ利用者によって指定された収集条件に基づいて、後述する解析部13cにより算出された確率に関する確率情報が含まれる。
【0057】
受付部13bは、データ利用者により、利用者端末200から指定された希望収集量および収集条件を通信部11を介して受け付け、解析部13cへ通知する。また、受付部13bは、データ利用者により指定された収集条件を、収集条件情報DB12aへ格納する。
【0058】
また、受付部13bは、データ利用者によりたとえば希望日時までにデータ収集が完了するように条件変更された収集条件を受け付けた場合に、これにより、収集条件情報DB12a内の該当する収集条件を更新する。
【0059】
解析部13cは、受付部13bによって受け付けられた希望収集量、収集条件、収集条件情報DB12a、および、収集データDB12bに基づいて過去の類似条件を解析する。具体的には、解析部13cは、受付部13bによって受け付けられた収集条件に類似する過去の類似条件を収集条件情報DB12aから抽出する。なお、ここに言う類似条件は、同一条件を含む。
【0060】
このとき、解析部13cは、収集条件の各項目に関連付けた優先度に基づき、類似度の高い順に、過去の類似条件を収集条件情報DB12aから検索する。この点については、図4A図4Cを用いた説明で後述する。
【0061】
また、解析部13cは、類似条件があった場合に、当該類似条件でデータ収集のトリガとなるイベントが発生する頻度を、収集データDB12bに基づいて抽出する。また、解析部13cは、抽出した頻度に基づいて、データ利用者に指定された収集条件での上記イベントの発生確率を算出する。そして、解析部13cは、算出した確率をガイダンス生成部13dへ通知する。
【0062】
なお、解析部13cは、該当する類似条件がなかった場合、より少ない変更で類似条件とすることができる収集条件の項目をガイダンス生成部13dへ通知する。
【0063】
また、解析部13cは、該当する類似条件はあったが、算出した確率では希望日時までにデータ収集が完了しない場合、類似条件からより少ない変更で希望日時までに完了する条件を探索し、探索結果をガイダンス生成部13dへ通知する。言い換えれば、解析部13cは、類似条件に基づく完了予測日時が希望日時を超える場合に、希望日時までに完了する他の類似条件をたとえば変更量が少ない順に抽出し、UI提供部13aに対し、データ利用者へ通知させる。なお、図1Hに示したおすすめの条件式のパッケージのように、複数個をリストアップして通知してもよい。
【0064】
ガイダンス生成部13dは、解析部13cから通知された解析結果に基づき、データ利用者に条件変更させる場合を含む、収集条件に関するガイダンス情報を生成し、UI提供部13aへ通知する。たとえばガイダンス生成部13dは、図1Gに示したような確率情報が表示されるように、ガイダンス情報を生成する。また、たとえばガイダンス生成部13dは、図1Hに示したような条件変更のガイダンスが表示されるように、ガイダンス情報を生成する。
【0065】
配信部13eは、収集条件情報DB12aへ格納され、設定された収集条件を、対象車両となる車両Vへ、たとえばファイル形式で通信部11を介して配信する。収集部13fは、車載装置100からアップロードされる車両データを、通信部11を介して収集し、収集データDB12bへ蓄積する。
【0066】
次に、車載装置100について説明する。車載装置100は、通信部101と、記憶部102と、制御部103とを備える。また、車載装置100は、上述したように、カメラや、加速度センサ、GPSセンサなどの各種センサ150が接続される。
【0067】
通信部101は、通信部11と同様に、たとえばNIC等によって実現される。通信部101は、ネットワークNと無線で接続され、ネットワークNを介して、データ収集装置10との間で情報の送受信を行う。また、通信部101は、各種センサ150の出力データを受信する。
【0068】
記憶部102は、記憶部12と同様に、たとえば、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現され、図2の例では、収集条件情報102aと、車両データ情報102bとを記憶する。
【0069】
収集条件情報102aは、データ収集装置10から配信された収集条件を含む情報である。車両データ情報102bは、後述する採取部103cによって採取された車両データを含む情報である。車両データは、前述のタグデータTおよび実データRを含む。
【0070】
制御部103は、制御部13と同様に、コントローラであり、たとえば、CPUやMPU等によって、車載装置100内部の記憶デバイスに記憶されている各種プログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部103は、たとえば、ASICやFPGA等の集積回路により実現することができる。
【0071】
制御部103は、取得部103aと、検出部103bと、採取部103cと、アップロード部103dとを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。
【0072】
取得部103aは、データ収集装置10から配信された収集条件を取得し、収集条件情報102aへ格納する。検出部103bは、各種センサ150からの出力データを監視し、収集条件においてトリガとなるイベントの発生を検出する。
【0073】
たとえば検出部103bは、収集条件において車両データを採取するトリガとなるイベントの発生を検出した場合に、採取部103cに車両データを採取させる。また、たとえば検出部103bは、収集条件において車両データをデータ収集装置10へアップロードさせるトリガとなるイベントの発生を検出した場合に、アップロード部103dに車両データをアップロードさせる。
【0074】
採取部103cは、検出部103bによって車両データを採取するトリガの発生が検出された場合に、各種センサ150の出力データに基づく車両データを採取して車両データ情報102bへ格納する。また、採取部103cは、検出部103bによって車両データの採取を停止するトリガの発生が検出された場合に、車両データの採取を停止する。
【0075】
アップロード部103dは、検出部103bによって車両データをアップロードするトリガの発生が検出された場合に、車両データ情報102bに格納された車両データをデータ収集装置10へアップロードする。
【0076】
次に、UI提供部13aがUI画面として利用者端末200へ提供する、収集条件設定画面の具体例について図3Aおよび図3Bを用いて説明する。図3Aおよび図3Bは、収集条件設定画面の一例を示す図(その1)および(その2)である。
【0077】
図3AのM1部に示すように、「収集条件設定画面」は、収集条件ごとに、車両データを採取するトリガとなるイベント発生の条件式の指定が可能な「トリガブロック」項目を有する。
【0078】
かかる項目では、図3Bに示すように、GUIウィジェットのドロップダウンリストなどにより、条件式の「パラメータ」や「記号」が選択可能となっている。「閾値」はたとえば直接の入力指定が可能であるが、「パラメータ」や「記号」と同様に、ドロップダウンリストなどによる指定が可能であってもよい。
【0079】
なお、図3Aに示すように、こうしたトリガブロックは、「+」ボタンを押下することにより、追加することが可能である。また、追加した際には、「and」や「or」といったブール演算子の入力部が表示され論理条件の設定が可能である(同図のM1部参照)。したがって、トリガとなるイベント発生は、複合条件での指定が可能である。
【0080】
また、図3Aに示すように、「収集条件設定画面」では、収集データのさらに詳細な条件指定が可能である。たとえばGUIウィジェットのラジオボタンなどで選択可能な「通常」および「メタ情報」は、前述の実データRおよびタグデータTに対応する。「データ種別」は、採取する車両データの種別、たとえばアクセル開度率などを指定する項目である。
【0081】
「希望収集量」項目は、上述した希望収集量の指定項目であり、データ利用者が、同図に示すM2部へ任意のたとえば件数を指定することにより、データ収集装置10は、指定された件数に基づくガイダンス情報を生成することになる。
【0082】
「希望完了日時」項目は、データ利用者が指定する収集期間に対応する項目であり、データ利用者が、同図に示すM3部へ任意の希望完了日時を指定することにより、データ利用者の所望する収集期間が設定される。
【0083】
「サンプリング周期」項目は、サンプリング周期が指定される項目である。また、「差分抽出」項目により、前回からの差分bit長のみデータを採取するか否かを指定することもできる。これらにより、データ利用者は、目的に応じた柔軟な収集条件の指定を行うことが可能となる。
【0084】
次に、解析部13cが、類似度の高い順に、過去の類似条件を収集条件情報DB12aから検索する点について、図4A図4Cを用いて説明する。図4A図4Cは、類似条件の検索動作の説明図(その1)~(その3)である。
【0085】
まず、説明の前提として、前述のトリガブロックにおいて図4Aに示す条件式が指定されていたものとする。
【0086】
解析部13cは、かかるトリガブロックの「パラメータ」、「記号」および「閾値」につき、それぞれ指定される項目に応じて関連度を重み付けする。以下の説明で、関連度や優先度を「A」~「F」などのアルファベットで表した場合、「A」側が関連度または優先度が高いものとする。また、関連度を「△」や「×」で表した場合、「△」の方が関連度が高く、「×」の方が関連度が低いものとする。
【0087】
具体的には、解析部13cは、図4Aに示す条件式が指定されていた場合に、図4Bに示すように、パラメータの指定値「車速」に対しては、たとえば「加速度」に関連度「A」、「エンジン回転数」に関連度「B」、「ブレーキ圧」に関連度「C」、「エンジン油温」に関連度「F」を設定する。
【0088】
また、解析部13cは、記号の指定値「>」に対しては、たとえば「≧」に関連度「△」、「=」、「<」、「≦」にそれぞれ関連度「×」を設定する。
【0089】
また、解析部13cは、閾値の指定値「60」に対しては、たとえばこれに前後する「50」、「70」に関連度「△」、「40」、「80」にそれぞれ関連度「×」を設定する。
【0090】
そのうえで、解析部13cは、「パラメータ」、「記号」および「閾値」に優先度を設定する。ここで、たとえば「パラメータ」に優先度C、「記号」に優先度A、「閾値」に優先度Bが設定されたものとする。
【0091】
そして、解析部13cは、優先度の高い項目から順に、指定値を関連度が高い順に変化させつつ、類似条件を示す類似条件式を類似度が高い順に生成する。そして、解析部13cは、かかる類似度の高い順に、過去の類似条件を収集条件情報DB12aから検索する。
【0092】
たとえば図4Bに示した優先度および関連度に従えば、解析部13cは、図4Cに示すように、類似条件式#1として、記号を「>」から「≧」に変更した条件式を生成する。そして、かかる類似条件式#1に該当する過去の類似条件を収集条件情報DB12aから検索する。
【0093】
その結果、該当する類似条件がなければ、解析部13cは、たとえば、類似条件式#2として、閾値を「60km/h」から「70km/h」に変更した条件式を生成する。そして、かかる類似条件式#2に該当する過去の類似条件を収集条件情報DB12aから検索する。
【0094】
これを繰り返し、さらに該当する類似条件がなければ、解析部13cは、たとえば、類似条件式#nとして、パラメータを「車速」から「エンジン回転数」に変更し、これに応じて閾値を変更した条件式を生成する。そして、かかる類似条件式#nに該当する過去の類似条件を収集条件情報DB12aから検索する。
【0095】
これを繰り返し、さらに該当する類似条件がなく、その他条件式として示すように、関連度なしの条件式しか残らなければ、解析部13cは、類似条件なしと判定する。
【0096】
なお、図4Bに示した関連度などは、たとえばデータ利用者に条件変更をガイダンスする際に、前述のドロップダウンリスト(図3B参照)などに反映させてもよい。たとえば、現在の指定値からの変更を促すに際して、かかるドロップダウンリストに、関連度の高い順に指定値の候補を列挙するようにしてもよい。
【0097】
言い換えれば、UI提供部13aは、収集条件の一の項目に指定された指定値に応じて、当該一の項目以外の他の項目の指定値をガイダンスすることとなる。これにより、データ利用者が指定したパラメータの内容に応じて、データ利用者に容易に他のパラメータの設定を行わせることができる。
【0098】
次に、解析部13cによる収集条件の発生確率の算出方法について、図5を用いて説明する。図5は、収集条件の発生確率の算出方法の説明図である。図5に示すように、解析部13cは、まず指定のサンプリング周期において希望収集量を収集する場合を必要収集期間とする。
【0099】
また、解析部13cは、指定された収集条件に類似する類似条件でのトリガの発生頻度を条件式ごと(ここでは「条件A」および「条件B」ごと)に抽出し、たとえば必要収集期間にマッピングする。
【0100】
そして、解析部13cは、これに基づき、条件式ごとに、トリガとなるイベントの発生確率を算出する。また、解析部13cは、条件式の組み合わせのAND条件が真となる場合(図中の破線の閉曲線で囲まれた部分参照)の発生確率を算出する。また、解析部13cは、かかるAND条件が真となる場合がX回繰り返される確率を算出する。また、条件式の組み合わせが複数存在する場合、それらの組み合わせのAND条件が真となる場合の発生確率、また、繰り返しの発生確率を算出する。
【0101】
また、解析部13cは、算出したこれら発生確率に基づき、想定されるサンプリング数、すなわち予測値としての収集量を算出する。こうした解析部13cの算出結果はガイダンス生成部13dへ通知され、ガイダンス生成部13dは通知された内容に基づいて、図1Gに示した確率情報などを含むガイダンス情報を生成することとなる。
【0102】
なお、各々の発生確率(%値の場合)の乗算値がAND条件の確率となるが、多くの場合は相関関係が存在するので、その分乗算値よりも実際の確率は高くなる。したがって、簡易的には、条件式の各パラメータの各閾値(適度な間隔)間の相関係数を示すテーブルを予め設定しておき、かかるテーブルにより上記乗算値に対応する相関係数を加味した確率を算出するようにしてもよい。
【0103】
次に、実施形態に係るデータ収集システム1が実行する処理手順について、図6を用いて説明する。図6は、実施形態に係るデータ収集システム1が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【0104】
まず、データ利用者が、利用者端末200から希望収集量を指定する(ステップS101)。また、データ利用者が、利用者端末200から収集条件を指定する(ステップS102)。
【0105】
すると、データ収集装置10の解析部13cが、過去の類似条件を解析する(ステップS103)。ここで、同一条件がある場合(ステップS104,Yes)、解析部13cは、同一条件でのトリガの発生頻度に基づいて指定条件での発生確率を算出する(ステップS105)。
【0106】
また、同一条件がない場合(ステップS104,No)、解析部13cは、同一条件以外の類似条件を類似度が高い順に検索し、類似条件があれば(ステップS106,Yes)、類似条件でのトリガの発生頻度に基づいて指定条件での発生確率を算出する(ステップS107)。
【0107】
また、かかる類似度が高い順の検索を繰り返し、類似条件がなければ(ステップS106,No)、ガイダンス生成部13dがガイダンス情報を生成し、UI提供部13aが、これに基づいて条件変更をガイダンスする(ステップS108)。そして、ステップS102からの処理を繰り返す。
【0108】
一方、ステップS105またはステップS107で発生確率を算出した場合、ガイダンス生成部13dが確率に関する確率情報を生成して、UI提供部13aがこれを通知する(ステップS109)。
【0109】
そして、希望日時までに収集が完了する場合(ステップS110,Yes)、処理を終了する。一方で、希望日時までに収集が完了しない場合(ステップS110,No)、解析部13cが、希望日時までに収集が完了する条件式を検索する(ステップS111)。
【0110】
そして、ガイダンス生成部13dが、その結果に基づいてガイダンス情報を生成し、UI提供部13aが、かかるガイダンス情報に基づいて条件変更をガイダンスする(ステップS112)。そして、ステップS102からの処理を繰り返す。
【0111】
上述してきたように、実施形態に係るデータ収集装置10は、収集部13fと、受付部13bと、解析部13cと、UI提供部13a(「提供部」の一例に相当)とを備える。収集部13fは、各車両Vに搭載された車載装置100から車両Vに関するデータを収集する。受付部13bは、データ利用者(「ユーザ」の一例に相当)からデータの収集条件の指定を受け付ける。解析部13cは、収集条件に指定されたデータが収集されるイベント(「事象」の一例に相当)の発生確率を、過去のデータの収集実績に基づいて算出する。UI提供部13aは、解析部13cによって算出された発生確率に基づく情報をデータ利用者へ提供する。
【0112】
したがって、実施形態に係るデータ収集装置10によれば、データ利用者に対し、指定した収集条件による情報収集の確実性を把握させることができる。
【0113】
また、受付部13bは、データ利用者から収集条件とともにデータの希望収集量(「所望の収集量」の一例に相当)の指定を受け付け、解析部13cは、発生確率に基づいて希望収集量に対して要するデータの収集期間を導出し、かかる収集期間に関する情報をUI提供部13aに提供させる。
【0114】
したがって、実施形態に係るデータ収集装置10によれば、希望収集量に対して要する上記データの収集期間に関する情報を、データ利用者に対し、把握させることができる。
【0115】
また、UI提供部13aは、収集期間に関する情報として少なくとも、希望収集量の収集が完了する完了予定に関する情報、または、データ利用者の指定日時までの収集量に関する情報をデータ利用者へ提供する。
【0116】
したがって、実施形態に係るデータ収集装置10によれば、データ利用者に対し、希望収集量の収集が完了する完了予定、または、データ利用者の指定日時までの収集量を把握させることができる。
【0117】
また、解析部13cは、受付部13bによって受け付けられた収集条件に類似する過去の収集条件である類似条件を収集実績から抽出して当該類似条件による上記イベントの発生頻度を導出し、かかる発生頻度に基づいて発生確率を算出する。
【0118】
したがって、実施形態に係るデータ収集装置10によれば、過去の収集実績に基づいて精度高く算出された発生確率を、データ利用者に通知することが可能となる。
【0119】
解析部13cは、収集条件の各項目に設定された優先度、および、データ利用者によって指定された各項目への各指定値に対する関連度に応じて、類似条件を抽出する。
【0120】
したがって、実施形態に係るデータ収集装置10によれば、収集条件との単なる一致具合でなく、優先度および関連度に応じて類似条件を抽出するので、データ利用者が指定した収集条件と実質的に類似する類似条件を抽出することができる。
【0121】
なお、上述した実施形態では、解析部13cが、指定された収集条件の類似条件があった場合に、当該類似条件でのトリガの発生頻度を抽出し、かかる頻度に基づいて指定された収集条件での発生確率を算出する例を挙げたが、これに限られるものではない。
【0122】
たとえば、解析部13cは、収集条件情報DB12aおよび収集データDB12bに含まれる所定期間分の過去の実績に基づいて深層学習等の機械学習を実行し、任意の収集条件が入力されたならば、かかる収集条件に対応するトリガの発生確率や完了予測日時などを出力する学習モデルを生成してもよい。
【0123】
また、上述した実施形態では、データ利用者が、自動運転技術の開発者等であることとしたが、ユーザの一例であって、たとえばサービスプロバイダ等の法人ユーザや、一般の個人ユーザであってもよい。
【0124】
さらなる効果や変形例は、当業者によって容易に導き出すことができる。このため、本発明のより広範な態様は、以上のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。したがって、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念の精神または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
【符号の説明】
【0125】
1 データ収集システム
10 データ収集装置
12a 収集条件情報DB
12b 収集データDB
13a UI提供部
13b 受付部
13c 解析部
13d ガイダンス生成部
13e 配信部
13f 収集部
100 車載装置
102a 収集条件情報
102b 車両データ情報
103a 取得部
103b 検出部
103c 採取部
103d アップロード部
150 各種センサ
200 利用者端末
V 車両
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図1F
図1G
図1H
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5
図6