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特許7265340ゲームプログラム、記録媒体、ゲーム処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-18
(45)【発行日】2023-04-26
(54)【発明の名称】ゲームプログラム、記録媒体、ゲーム処理方法
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/45 20140101AFI20230419BHJP
   A63F 13/63 20140101ALI20230419BHJP
【FI】
A63F13/45
A63F13/63
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2018207374
(22)【出願日】2018-11-02
(65)【公開番号】P2020069316
(43)【公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】595000427
【氏名又は名称】株式会社コーエーテクモゲームス
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 斉大
(72)【発明者】
【氏名】仲佐 和幸
【審査官】鈴木 智之
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-062419(JP,A)
【文献】特開2018-042751(JP,A)
【文献】特開2010-154931(JP,A)
【文献】特開2017-099816(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00ー13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置を、
プレイヤにより操作される第1オブジェクトが配置されるゲームステージのプレイ時間を、前記プレイヤの入力に基づいて可変に設定するプレイ時間設定処理部、
設定された前記プレイ時間に基づいて、記ゲームステージにおける前記プレイヤによる前記第1オブジェクトの操作により前記第1オブジェクトが実行する行動速度を可変に設定する行動速度設定処理部、
として機能させる、ゲームプログラム。
【請求項2】
前記行動速度設定処理部は、
前記設定されたプレイ時間に基づいて、記ゲームステージにおける前記プレイヤによる前記第1オブジェクトの操作により前記第1オブジェクトが実行する移動速度を可変に設定する、
請求項1に記載のゲームプログラム。
【請求項3】
前記情報処理装置を、
前記設定されたプレイ時間に基づいて、前記ゲームステージで発生する第1ゲームイベントの進行速度を可変に設定する進行速度設定処理部、
としてさらに機能させる、請求項1又は2に記載のゲームプログラム。
【請求項4】
情報処理装置を、
プレイヤの入力に基づいてゲームステージのプレイ時間を可変に設定するプレイ時間設定処理部、
設定された前記プレイ時間に基づいて、前記プレイヤにより操作される第1オブジェクトの前記ゲームステージにおける行動速度を可変に設定する行動速度設定処理部、
前記設定されたプレイ時間に基づいて、前記ゲームステージで発生するバトルの進行速度を可変に設定する進行速度設定処理部
として機能させる、
ームプログラム。
【請求項5】
前記情報処理装置を、
前記ゲームステージで発生する第2ゲームイベントの前記プレイヤによる選択入力を受け付けるイベント選択受付処理部、
としてさらに機能させ、
前記プレイ時間設定処理部は、
選択された前記第2ゲームイベントの時間長に基づいて前記プレイ時間を可変に設定する、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項6】
前記イベント選択受付処理部は、
前記ゲームプログラムにより操作される第2オブジェクトにより上演される演目の前記プレイヤによる選択入力を受け付け、
前記プレイ時間設定処理部は、
選択された前記演目の上演時間に基づいて前記プレイ時間を可変に設定する、
請求項5に記載のゲームプログラム。
【請求項7】
前記情報処理装置を、
前記ゲームステージで再生される楽曲の前記プレイヤによる選択入力を受け付ける楽曲選択受付処理部、
としてさらに機能させ、
前記プレイ時間設定処理部は、
選択された前記楽曲の再生時間に基づいて前記プレイ時間を可変に設定する、
請求項1乃至4のいずれか1項に記載のゲームプログラム。
【請求項8】
請求項1乃至7のいずれか1項に記載のゲームプログラムを記録した、情報処理装置が読み取り可能な記録媒体。
【請求項9】
情報処理装置によって実行されるゲーム処理方法であって、
プレイヤにより操作される第1オブジェクトが配置されるゲームステージのプレイ時間を、前記プレイヤの入力に基づいて可変に設定するステップと、
設定された前記プレイ時間に基づいて、記ゲームステージにおける前記プレイヤによる前記第1オブジェクトの操作により前記第1オブジェクトが実行する行動速度を可変に設定するステップと、
を有する、ゲーム処理方法。
【請求項10】
情報処理装置によって実行されるゲーム処理方法であって、
プレイヤの入力に基づいてゲームステージのプレイ時間を可変に設定するステップと、
設定された前記プレイ時間に基づいて、前記プレイヤにより操作される第1オブジェクトの前記ゲームステージにおける行動速度を可変に設定するステップと、
前記設定されたプレイ時間に基づいて、前記ゲームステージで発生するバトルの進行速度を可変に設定するステップと、
を有する、ゲーム処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームプログラム、当該ゲームプログラムが記録された記録媒体、及びゲーム処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プレイヤがゲームのプレイ時間を可変に設定できるようにしたゲームが知られている。
【0003】
このようなゲームの一例として、例えば特許文献1には、プレイヤが制限時刻を入力し、プレイヤに提示される場面の候補に設定された時間長と残りプレイ時間とを対比することで、プレイヤに提示すべき場面を選択するゲームシステムが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-119588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記ゲームシステムでは、残りプレイ時間が少ない場合にプレイヤに提示される場面が削られることとなる。このため、プレイヤがプレイすることができる場面が減少し、プレイヤの満足度が低下するという課題があった。
【0006】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、プレイヤがプレイ時間を可変に設定できるゲームにおいて、プレイヤの満足度が低下することを防止できるゲームプログラム、記録媒体、及びゲーム処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明のゲームプログラムは、情報処理装置を、プレイヤの入力に基づいてゲームステージのプレイ時間を可変に設定するプレイ時間設定処理部、設定された前記プレイ時間に基づいて、前記プレイヤにより操作される第1オブジェクトの前記ゲームステージにおける行動速度を可変に設定する行動速度設定処理部、として機能させる。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の記録媒体は、上記ゲームプログラムを記録した、情報処理装置が読み取り可能な記録媒体である。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明のゲーム処理方法は、情報処理装置によって実行されるゲーム処理方法であって、プレイヤの入力に基づいてゲームステージのプレイ時間を可変に設定するステップと、設定された前記プレイ時間に基づいて、前記プレイヤにより操作される第1オブジェクトの前記ゲームステージにおける行動速度を可変に設定するステップと、を有する。
【発明の効果】
【0010】
本発明のゲームプログラム等によれば、プレイヤがプレイ時間を可変に設定できるゲームにおいて、プレイヤの満足度が低下することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】一実施形態に係るゲームシステムの全体構成の一例を表すシステム構成図である。
図2】情報処理装置の機能的構成の一例を表すブロック図である。
図3】演目の選択画面の一例を表す説明図である。
図4】演目の選択画面の他の例を表す説明図である。
図5】情報処理装置のCPUによって実行される処理手順の一例を表すフローチャートである。
図6】バックグラウンドで再生される楽曲を選択する変形例における情報処理装置の機能的構成の一例を表すブロック図である。
図7】情報処理装置のハードウェア構成の一例を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0013】
<1.ゲームシステムの全体構成>
まず、図1を用いて、本実施形態に係るゲームシステム1の全体構成の一例について説明する。図1に示すように、ゲームシステム1は、情報処理装置3と、コントローラ5と、表示装置7を有する。コントローラ5及び表示装置7の各々は、情報処理装置3と有線又は無線により通信可能に接続されている。
【0014】
情報処理装置3は、例えば据え置き型のゲーム機である。但しこれに限定されるものではなく、例えば入力部や表示部等を一体に備えた携帯型のゲーム機でもよい。また、ゲーム機以外にも、例えば、サーバコンピュータ、デスクトップ型コンピュータ、ノート型コンピュータ、タブレット型コンピュータ等のように、コンピュータとして製造、販売等されているものや、携帯電話、スマートフォン、ファブレット等のように、電話機として製造、販売等されているものでもよい。
【0015】
プレイヤは、コントローラ5を用いて各種の操作入力を行う。図1に示す例では、コントローラ5は例えば十字キー9や複数のボタン11等を有する。なお、コントローラ5は上記十字キー9又はボタン11等に代えて又は加えて、例えばジョイスティックやタッチパッド等を有してもよい。
【0016】
表示装置7は、例えばブラウン管、液晶、プラズマ、有機EL、プロジェクター等によるディスプレイ装置である。表示装置7は、音声を出力するスピーカー(図示省略)を一体又は別体として備えてもよい。
【0017】
<2.ゲームの概略内容>
次に、本実施形態に係るゲーム、すなわち、本発明のゲームプログラム及びゲーム処理方法が情報処理装置3によって実行されることにより提供されるゲームの概略内容の一例について説明する。
【0018】
本実施形態に係るゲームは、プレイヤが、自身が操作可能なゲームキャラクタ(以下適宜「プレイヤキャラクタ」という。第1オブジェクトの一例)を介してゲームに登場する複数のゲームキャラクタと会話をしたり、行動を共にしたり、種々のイベントを擬似的に体験したりする、いわゆるアドベンチャーゲームである。プレイヤキャラクタ以外のゲームキャラクタ(以下適宜「ノンプレイヤキャラクタ」という。第2オブジェクトの一例)は、ゲームプログラムにより規定される所定のアルゴリズム(いわゆるゲームAI)により自動制御される。
【0019】
ゲームに登場するゲームキャラクタは、例えば人間の男性キャラクタ、女性キャラクタ、人間以外の動物キャラクタ、人間や動物以外の仮想的な生物キャラクタ、ロボットやアンドロイドなどのキャラクタ、物品や物体のキャラクタ等、特に限定されるものではない。本実施形態では、人間のキャラクタである場合を一例として説明する。
【0020】
本実施形態のゲームでは、調査パート、潜入パート、及び絆パートからなる3つのパートが1つのチャプターを構成している。各チャプターでは所定のミッションが課され、プレイヤはそのミッションを達成することで複数のチャプターをクリアしながら、ゲームを進行させる。
【0021】
調査パートでは、プレイヤは、ゲームキャラクタにアドバイスを要求したり作戦会議を開くことにより、各ゲームキャラクタの意見を聞きながら、マップ上のどのポイントに移動して何を調査するか等について作戦を練る。そして、チームを構成するゲームキャラクタを選択して1又は複数のチームを編成し、チームごとにマップ上のポイントに移動して調査を行い、情報を収集する。
【0022】
調査パートにおいて所定の条件が満たされると、潜入パートに移行する。潜入パートでは、一部のゲームキャラクタ(例えばノンプレイヤキャラクタ)がショーを上演し、その間に他のゲームキャラクタ(例えばプレイヤキャラクタ)が潜入行動を実行する。潜入行動中は、敵キャラクタとの戦闘やミニゲーム等の多彩なイベントが発生し、収集した情報に基づいて与えられたミッションを制限時間(ショーの上演時間)内に達成すると、クリアとなる。
【0023】
なお、各ゲームキャラクタ間には、絆の度合いを表すパラメータである「相棒度」がそれぞれ設定されている。相棒度は、調査パート及び潜入パートにおいて、各ゲームキャラクタ間の会話やその他のコミュニケーションによって増減する。潜入パートが終了する際に、相棒度が所定値以上となったゲームキャラクタがいる場合には、絆パートに移行し、当該2人のゲームキャラクタの絆を描いた特別な絆イベントが発生する。なお、相棒度が所定値に満たない場合には絆パートには移行せず、次のチャプターに移行する。
【0024】
本発明は、潜入パートのプレイ時間に関わるものである。以下、この詳細について説明する。
【0025】
<3.情報処理装置の機能的構成>
次に、図2乃至図4を用いて、情報処理装置3の機能的構成の一例について説明する。
【0026】
図2に示すように、情報処理装置3は、イベント選択受付処理部13と、プレイ時間設定処理部15と、行動速度設定処理部17と、進行速度設定処理部19と、潜入パート処理部21とを有する。
【0027】
イベント選択受付処理部13は、ゲームステージで発生する第2ゲームイベントのプレイヤによる選択入力を受け付ける。例えば、イベント選択受付処理部13は、ゲームプログラムにより操作されるノンプレイヤキャラクタにより上演される演目のプレイヤによる選択入力を受け付ける。
【0028】
「ゲームステージ」は、コンピュータゲームにおける構成単位であり、例えば面、フェーズ、レベル、ラウンド、エリア、チャプター、マップ、ワールド、ブロック、シナリオ、エピソード、ピリオド等ともいうことができる。本実施形態では、例えばあるチャプターにおける潜入パートのことである。
【0029】
「第2ゲームイベント」は、潜入パートで発生するゲームイベントであり、例えばノンプレイヤキャラクタによるショーの上演である。前述したように、潜入パートでは、ノンプレイヤキャラクタがショーを上演し、その間にプレイヤキャラクタを含むゲームキャラクタが潜入行動を実行する。プレイヤは、そのショーで上演される演目を選択することができ、イベント選択受付処理部13はその選択入力を受け付ける。
【0030】
「上演される演目」は、例えば歌唱される楽曲の曲目、楽器により演奏される楽曲の曲目、上演される演劇、演技、ダンス、舞、曲芸、話芸、鳴り物などの題目等のことをいう。
【0031】
なお、第2ゲームイベントは、ゲームステージ上で発生する事象、事柄、出来事等であればよく、上記ショーの上演以外にも、例えばミッションの発生、敵キャラクタとのバトル、アイテムやスキル等の取得、新たな要素(ストーリーやマップ等)の開放、等としてもよい。
【0032】
プレイ時間設定処理部15は、プレイヤの入力に基づいてゲームステージのプレイ時間を可変に設定する。より詳細には、プレイ時間設定処理部15は、プレイヤにより選択された上記第2ゲームイベントの時間長に基づいてプレイ時間を可変に設定する。例えば、プレイ時間設定処理部15は、プレイヤにより選択された演目の上演時間に基づいてプレイ時間を可変に設定する。
【0033】
「第2ゲームイベントの時間長」は、第2ゲームイベントが例えばノンプレイヤキャラクタによるショーの上演である場合には、そのショーの演目の上演時間である。また例えば、第2ゲームイベントが上述したミッションの発生、敵キャラクタとのバトル、アイテムやスキル等の取得、新たな要素(ストーリーやマップ等)の開放、等である場合には、それぞれのイベントの発生時間、あるいは、それぞれのイベントを表す映像(イベントムービー)の再生時間である。
【0034】
図3及び図4に、演目の選択画面の一例を示す。図3は、ノンプレイヤキャラクタがショーの中で楽曲を演奏する場合の例であり、プレイヤは曲目を選択することができる。各曲目には演奏時間が設定されており、プレイ時間設定処理部15は、プレイヤにより選択された曲目の演奏時間に基づいてプレイ時間を可変に設定する。例えば、演奏の終わりのタイミングでプレイ時間が終了するように設定される。図3に示す例では、カーソル23により曲目「セレナード」が選択されており、プレイ時間は2分35秒に設定される。
【0035】
図4は、ノンプレイヤキャラクタがショーの中でダンスを行う場合の例であり、プレイヤはダンスの種別を選択することができる。各ダンスには上演時間が設定されており、プレイ時間設定処理部15は、プレイヤにより選択されたダンスの上演時間に基づいてプレイ時間を可変に設定する。例えば、上演の終わりのタイミングでプレイ時間が終了するように設定される。図4に示す例では、カーソル23により演目「社交ダンス」が選択されており、プレイ時間は7分15秒に設定される。
【0036】
なお、図3及び図4には、潜入パートで潜入する場所の一例として「敵基地」、当該チャプターにおけるミッションの一例として「スタジアムでの爆破計画を阻止せよ」が表示されている。
【0037】
なお、図3及び図4では演目ごとに時間を表示することにより、プレイヤが演目の時間の長短(言い換えると設定されるプレイ時間の長短)を確認しながら演目を選択できるようにしたが、時間を表示せずに演目だけを表示してもよい。この場合には、プレイヤは時間を意識せずに、単純に視聴したい曲目やダンスのみを考えて選択することとなり、設定されるプレイ時間の長短が分からないので、プレイヤの緊張感、高揚感を高めることができる。
【0038】
図2に戻り、行動速度設定処理部17は、上記プレイ時間設定処理部15により設定されたプレイ時間に基づいて、プレイヤにより操作されるプレイヤキャラクタのゲームステージにおける行動速度を可変に設定する。例えば、行動速度設定処理部17は、ゲームステージのプレイ時間が相対的に長く設定された場合には、プレイヤキャラクタの行動速度を相対的に遅く設定し、プレイ時間が相対的に短く設定された場合には、プレイヤキャラクタの行動速度を相対的に速く設定する。このときの行動速度の増減量は、設定されたプレイ時間内にプレイヤが無理なくゲームステージをクリア可能なようにレベルデザイン(障害や仕掛けの設計、アイテムや敵の配置などを含めた、ゲームキャラクタたちが動き回るゲーム空間の設計)等を考慮して調整される。また、行動速度設定処理部17は、ノンプレイヤキャラクタの行動速度についてもプレイヤキャラクタと同様に設定する。
【0039】
「行動速度」は、プレイヤキャラクタ(ノンプレイヤキャラクタも同様)が実行する各種の行動の速度であり、例えばプレイヤキャラクタのゲームステージにおける移動速度である。例えば、歩きと走りを切り替えることによりプレイヤキャラクタの移動速度を可変させてもよいし、プレイヤキャラクタが跳躍して移動する場合には跳躍距離を可変させてもよい。また、プレイヤキャラクタが乗り物に乗って移動する場合には乗り物の速度を可変させてもよい。
【0040】
なお、プレイヤキャラクタの行動は、プレイヤキャラクタがゲームステージ上で実行する各種の行動、動作等であればよく、上記移動以外にも、例えば所定の物品や場所を調べたり、探したり、アイテムを使用したり、スキルを発動させたり、等でもよい。
【0041】
進行速度設定処理部19は、上記プレイ時間設定処理部15により設定されたプレイ時間に基づいて、ゲームステージで発生する第1ゲームイベントの進行速度を可変に設定する。例えば、進行速度設定処理部19は、ゲームステージのプレイ時間が相対的に長く設定された場合には、第1ゲームイベントの進行速度を相対的に遅く設定し、プレイ時間が相対的に短く設定された場合には、第1ゲームイベントの進行速度を相対的に速く設定する。このときの進行速度の増減量は、設定されたプレイ時間内にプレイヤが無理なくゲームステージをクリア可能なようにレベルデザイン等を考慮して調整される。
【0042】
「第1ゲームイベント」は、潜入パートで発生するゲームイベントであり、例えば味方キャラクタと敵キャラクタとのバトルである。バトルの進行速度の調整は、例えば味方キャラクタや敵キャラクタの動作速度を調整したり、バトル中に挿入される映像の省略や当該映像の再生速度の調整(早回し、遅回し)を行う等により行われる。
【0043】
なお、第1ゲームイベントは、ゲームステージ上で発生する事象、事柄、出来事等であればよく、上記バトル以外にも、例えばミッションの発生、アイテムやスキル等の取得、新たな要素(ストーリーやマップ等)の開放、等としてもよい。
【0044】
潜入パート処理部21は、上述した潜入パートを実行するために必要な処理(上述した各処理部による処理を除く)を実行する。例えば、選択された演目の上演の実行、各ゲームキャラクタの移動や各種の行動、各種イベント(バトル等)の発生、各種画面の表示等を行う。
【0045】
なお、以上説明した各処理部における処理等は、これらの処理の分担の例に限定されるものではなく、例えば、更に少ない数の処理部(例えば1つの処理部)で処理されてもよく、また、更に細分化された処理部により処理されてもよい。また、上述した各処理部の機能は、後述するCPU101(後述の図7参照)が実行するゲームプログラムにより実装されるものであるが、例えばその一部がASICやFPGA等の専用集積回路、その他の電気回路等の実際の装置により実装されてもよい。
【0046】
<4.情報処理装置が実行する処理手順>
次に、図5を用いて、情報処理装置3のCPU101によって実行される処理手順の一例について説明する。本フローチャートは、潜入パートが実行された場合に開始される。
【0047】
ステップS10では、情報処理装置3は、イベント選択受付処理部13により、ノンプレイヤキャラクタにより上演される演目のプレイヤによる選択入力を受け付ける。
【0048】
ステップS20では、情報処理装置3は、プレイ時間設定処理部15により、上記ステップS10でプレイヤにより選択された演目の上演時間に基づいてプレイ時間を設定する。
【0049】
ステップS30では、情報処理装置3は、行動速度設定処理部17により、上記ステップS20で設定されたプレイ時間に基づいて、プレイヤキャラクタのゲームステージにおける行動速度を設定する。前述したように、行動速度には移動速度が含まれる。
【0050】
ステップS40では、情報処理装置3は、進行速度設定処理部19により、上記ステップS20で設定されたプレイ時間に基づいて、ゲームステージで発生する第1ゲームイベントの進行速度を設定する。前述したように、第1ゲームイベントには敵キャラクタとのバトルが含まれる。
【0051】
ステップS50では、情報処理装置3は、潜入パート処理部21により、上記ステップS10で選択された演目のノンプレイヤキャラクタによる上演を開始する。
【0052】
ステップS60では、情報処理装置3は、潜入パート処理部21により、プレイヤキャラクタ(ノンプレイヤキャラクタを引き連れてもよい)による所定の潜入場所への潜入行動を実行する。
【0053】
ステップS70では、情報処理装置3は、上記ステップS20で設定されたプレイ時間が終了する前、言い換えるとノンプレイヤキャラクタによる上演が終了する前に、当該チャプターで与えられた所定のミッションを達成したか否かを判定する。ミッションを達成していない場合には(ステップS70:NO)、ステップS80に移り、調査パートに戻る。一方、ミッションを達成した場合には(ステップS70:YES)、ステップS90に移り、潜入パートを終了する。そして、本フローを終了する。
【0054】
なお、上述した処理手順は一例であって、上記手順の少なくとも一部を削除又は変更してもよいし、上記以外の手順を追加してもよい。また、上記手順の少なくとも一部の順番を変更してもよいし、複数の手順が単一の手順にまとめられてもよい。
【0055】
<5.実施形態の効果>
本実施形態のゲームプログラムは、情報処理装置3を、プレイヤの入力に基づいてゲームステージのプレイ時間を可変に設定するプレイ時間設定処理部15、設定されたプレイ時間に基づいて、プレイヤにより操作されるプレイヤキャラクタのゲームステージにおける行動速度を可変に設定する行動速度設定処理部17、として機能させる。
【0056】
本実施形態では、プレイヤの入力に基づいて例えばゲームステージのプレイ時間が相対的に長く設定された場合には、プレイヤキャラクタの行動速度を相対的に遅く設定し、プレイ時間が相対的に短く設定された場合には、プレイヤキャラクタの行動速度を相対的に速く設定することができる。これにより、プレイ時間が短い場合でも、プレイヤキャラクタの行動に要する時間を短縮できるので、元々用意された場面やシーン、イベント等を削ることなく、プレイヤはそれらの全てをプレイすることが可能となる。したがって、プレイヤの満足度が低下することを防止できる。
【0057】
また、例えば単にプレイ時間を可変させるだけの場合、プレイ時間が短くなれば難易度が上昇し、プレイ時間が長くなれば難易度は低下することとなる。これに対し、本実施形態によれば、プレイ時間の長短に応じてプレイヤキャラクタの行動速度を増減させることにより、プレイ時間の長短に関わらず、ゲームステージの難易度を略一定とすることができる。これにより、レベルデザインの細かな調整が不要となり、ゲーム設計の工数、費用を低減できる。
【0058】
さらに、設定された時間内でプレイヤがゲームステージを無理なくクリア可能なように各種パラメータ(ゲームキャラクタの行動速度、イベントの進行速度等)を設定するため、プレイヤは安心してゲームを進めることができる。したがって、プレイヤの安心感を高めることができる。
【0059】
また、本実施形態では特に、行動速度設定処理部17は、設定されたプレイ時間に基づいて、プレイヤキャラクタのゲームステージにおける移動速度を可変に設定する。
【0060】
これにより、例えばゲームステージのプレイ時間が相対的に長く設定された場合には、プレイヤキャラクタの移動速度を相対的に遅く設定し、プレイ時間が相対的に短く設定された場合には、プレイヤキャラクタの移動速度を相対的に速く設定することができる。これにより、プレイ時間が短い場合でも、プレイヤキャラクタの移動に要する時間を短縮できるので、元々用意された場面やシーン、イベント等を削ることなく、プレイヤはそれらの全てをプレイすることが可能となる。したがって、プレイヤの満足度が低下することを防止できる。
【0061】
また、本実施形態では特に、ゲームプログラムは、情報処理装置3を、設定されたプレイ時間に基づいて、ゲームステージで発生する第1ゲームイベントの進行速度を可変に設定する進行速度設定処理部19、としてさらに機能させる。
【0062】
これにより、例えばゲームステージのプレイ時間が相対的に長く設定された場合には、第1ゲームイベントの進行速度を相対的に遅く設定し、プレイ時間が相対的に短く設定された場合には、第1ゲームイベントの進行速度を相対的に速く設定することができる。これにより、プレイ時間が短い場合でも、第1ゲームイベントの進行に要する時間を短縮できるので、元々用意された場面やシーン、イベント等を削ることなく、プレイヤはそれらの全てをプレイすることが可能となる。したがって、プレイヤの満足度が低下することを防止できる。
【0063】
また、本実施形態では特に、進行速度設定処理部19は、設定されたプレイ時間に基づいて、ゲームステージで発生するバトルの進行速度を可変に設定する。
【0064】
これにより、例えばゲームステージのプレイ時間が相対的に長く設定された場合には、バトルの進行速度を相対的に遅く設定し、プレイ時間が相対的に短く設定された場合には、バトルの進行速度を相対的に速く設定することができる。これにより、プレイ時間が短い場合でも、バトルの進行に要する時間を短縮できるので、元々用意された場面やシーン、イベント等を削ることなく、プレイヤはそれらの全てをプレイすることが可能となる。したがって、プレイヤの満足度が低下することを防止できる。
【0065】
また、本実施形態では特に、ゲームプログラムは、情報処理装置3を、ゲームステージで発生する第2ゲームイベントのプレイヤによる選択入力を受け付けるイベント選択受付処理部13、としてさらに機能させ、プレイ時間設定処理部15は、選択された第2ゲームイベントの時間長に基づいてプレイ時間を可変に設定する。
【0066】
これにより、例えば時間長が相対的に長い第2ゲームイベントが選択された場合には、ゲームキャラクタの行動速度や第1ゲームイベント(バトルを含む)の進行速度を相対的に遅く設定し、時間長が相対的に短い第2ゲームイベントが選択された場合には、ゲームキャラクタの行動速度や第1ゲームイベント(バトルを含む)の進行速度を相対的に速く設定することができる。これにより、時間長の短い第2ゲームイベントが選択されてプレイ時間が短くなった場合でも、ゲームキャラクタの行動に要する時間や第1ゲームイベントの進行に要する時間を短縮できるので、元々用意された場面やシーン、イベント等を削ることなく、プレイヤはそれらの全てをプレイすることが可能となる。したがって、プレイヤの満足度が低下することを防止できる。
【0067】
また、本実施形態では特に、イベント選択受付処理部13は、ゲームプログラムにより操作されるノンプレイヤキャラクタにより上演される演目のプレイヤによる選択入力を受け付け、プレイ時間設定処理部15は、選択された演目の上演時間に基づいてプレイ時間を可変に設定する。
【0068】
これにより、例えば上演時間が相対的に長い演目が選択された場合には、ゲームキャラクタの行動速度や第1ゲームイベント(バトルを含む)の進行速度を相対的に遅く設定し、上演時間が相対的に短い演目が選択された場合には、ゲームキャラクタの行動速度や第1ゲームイベント(バトルを含む)の進行速度を相対的に速く設定することができる。これにより、上演時間の短い演目が選択されてプレイ時間が短くなった場合でも、ゲームキャラクタの行動に要する時間や第1ゲームイベントの進行に要する時間を短縮できるので、元々用意された場面やシーン、イベント等を削ることなく、プレイヤはそれらの全てをプレイすることが可能となる。したがって、プレイヤの満足度が低下することを防止できる。
【0069】
<6.変形例等>
なお、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0070】
(6-1.バックグラウンドで再生される楽曲を選択する場合)
上記実施形態では、プレイヤがゲームステージ(潜入パート)で発生するゲームイベント(ショーで上演される演目)を選択することでプレイ時間が設定される場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、プレイヤがゲームステージ(潜入パート)のバックグラウンドで再生される楽曲を選択することでプレイ時間が設定されてもよい。
【0071】
図6に、本変形例の情報処理装置3Aの機能的構成の一例を示す。図6に示すように、
【0072】
図2に示すように、情報処理装置3は、イベント選択受付処理部13の代わりに、楽曲選択受付処理部25を有する。その他の構成については、上記実施形態と同様である。
【0073】
楽曲選択受付処理部25は、ゲームステージで再生される楽曲のプレイヤによる選択入力を受け付ける。楽曲の選択画面は、例えば前述の図3に示す演目の選択画面と同様でよい。この場合、各曲目には再生時間が設定されており、プレイ時間設定処理部15は、プレイヤにより選択された楽曲の再生時間に基づいてプレイ時間を可変に設定する。
【0074】
本変形例によれば、ゲームステージのプレイ中にBGMとして再生される楽曲をプレイヤが選択することができる。このとき、プレイヤにより例えば再生時間が相対的に長い楽曲が選択された場合には、ゲームキャラクタの行動速度や第1ゲームイベント(バトルを含む)の進行速度を相対的に遅く設定し、再生時間が相対的に短い楽曲が選択された場合には、ゲームキャラクタの行動速度や第1ゲームイベント(バトルを含む)の進行速度を相対的に速く設定することができる。これにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。また、プレイヤはゲームプレイ中のBGMを選択することができるので、楽しい気分でプレイできると共に、選択された楽曲に関わらずに難易度が一定に調整されるので、プレイヤは安心してゲームをプレイすることができる。
【0075】
(6-2.その他)
例えば、以上では、調査パート、潜入パート、絆パートの3つのパートが1つのチャプターを構成するゲームに本発明を適用した場合を一例として説明したが、調査パートや絆パートは必ずしも必要ではなく、これらのパートがないゲームにも本発明は適用可能である。
【0076】
また、以上では、本発明をアドベンチャーゲームに適用した場合を一例として説明したが、その他のジャンルのゲーム、例えば、シミュレーションゲーム、ロールプレイングゲーム、アクションゲーム、ホラーゲーム等にも、本発明は適用可能である。特に、本発明はプレイヤがプレイヤキャラクタを介してゲームに登場するキャラクタとの間で友情や恋愛を擬似的に体験する恋愛シミュレーションゲーム等にも好適である。
【0077】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【0078】
<7.情報処理装置のハードウェア構成>
次に、図7を用いて、上記で説明したCPU101等が実行するプログラムにより実装された各処理部を実現する情報処理装置3のハードウェア構成の一例について説明する。
【0079】
図7に示すように、情報処理装置3は、例えば、CPU101と、ROM103と、RAM105と、GPU106と、例えばASIC又はFPGA等の特定の用途向けに構築された専用集積回路107と、入力装置113と、出力装置115と、記録装置117と、ドライブ119と、接続ポート121と、通信装置123を有する。これらの構成は、バス109や入出力インターフェース111等を介し相互に信号を伝達可能に接続されている。
【0080】
ゲームプログラムは、例えば、ROM103やRAM105、記録装置117等に記録しておくことができる。
【0081】
また、ゲームプログラムは、例えば、フレキシブルディスクなどの磁気ディスク、各種のCD、MOディスク、DVD等の光ディスク、半導体メモリ等のリムーバブルな記録媒体125に、一時的又は永続的(非一時的)に記録しておくこともできる。このような記録媒体125は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することもできる。この場合、これらの記録媒体125に記録されたゲームプログラムは、ドライブ119により読み出されて、入出力インターフェース111やバス109等を介し上記記録装置117に記録されてもよい。
【0082】
また、ゲームプログラムは、例えば、ダウンロードサイト、他のコンピュータ、他の記録装置等(図示せず)に記録しておくこともできる。この場合、ゲームプログラムは、LANやインターネット等のネットワークNWを介し転送され、通信装置123がこのプログラムを受信する。そして、通信装置123が受信したプログラムは、入出力インターフェース111やバス109等を介し上記記録装置117に記録されてもよい。
【0083】
また、ゲームプログラムは、例えば、適宜の外部接続機器127に記録しておくこともできる。この場合、ゲームプログラムは、適宜の接続ポート121を介し転送され、入出力インターフェース111やバス109等を介し上記記録装置117に記録されてもよい。
【0084】
そして、CPU101が、上記記録装置117に記録されたプログラムに従い各種の処理を実行することにより、前述のイベント選択受付処理部13やプレイ時間設定処理部15等による処理が実現される。この際、CPU101は、例えば、上記記録装置117からプログラムを、直接読み出して実行してもよく、RAM105に一旦ロードした上で実行してもよい。更にCPU101は、例えば、プログラムを通信装置123やドライブ119、接続ポート121を介し受信する場合、受信したプログラムを記録装置117に記録せずに直接実行してもよい。
【0085】
また、CPU101は、必要に応じて、前述のコントローラ5を含む、例えばマウス、キーボード、マイク等(図示せず)の入力装置113から入力する信号や情報に基づいて各種の処理を行ってもよい。
【0086】
GPU106は、CPU101からの指示に応じて例えばレンダリング処理などの画像表示のための処理を行う。
【0087】
そして、CPU101及びGPU106は、上記の処理を実行した結果を、例えば前述の表示装置7やスピーカー(図示せず)等を含む、出力装置115から出力する。さらにCPU101及びGPU106は、必要に応じてこの処理結果を通信装置123や接続ポート121を介し送信してもよく、上記記録装置117や記録媒体125に記録させてもよい。
【符号の説明】
【0088】
3 情報処理装置
3A 情報処理装置
13 イベント選択受付処理部
15 プレイ時間設定処理部
17 行動速度設定処理部
19 進行速度設定処理部
21 潜入パート処理部
25 楽曲選択受付処理部
125 記録媒体
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7