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特許7265356シルセスキオキサン樹脂及びオキサアミン組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-18
(45)【発行日】2023-04-26
(54)【発明の名称】シルセスキオキサン樹脂及びオキサアミン組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 83/06 20060101AFI20230419BHJP
   C08G 77/38 20060101ALI20230419BHJP
   C08K 5/17 20060101ALI20230419BHJP
   G03F 7/004 20060101ALI20230419BHJP
   G03F 7/075 20060101ALI20230419BHJP
   G03F 7/20 20060101ALI20230419BHJP
   H01L 21/027 20060101ALI20230419BHJP
【FI】
C08L83/06
C08G77/38
C08K5/17
G03F7/004 501
G03F7/004 503Z
G03F7/075 511
G03F7/20 521
H01L21/30 573
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2018557410
(86)(22)【出願日】2017-04-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-07-18
(86)【国際出願番号】 US2017029775
(87)【国際公開番号】W WO2017192345
(87)【国際公開日】2017-11-09
【審査請求日】2018-11-01
【審判番号】
【審判請求日】2020-09-30
(31)【優先権主張番号】62/330,914
(32)【優先日】2016-05-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590001418
【氏名又は名称】ダウ シリコーンズ コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100173107
【弁理士】
【氏名又は名称】胡田 尚則
(74)【代理人】
【識別番号】100128495
【弁理士】
【氏名又は名称】出野 知
(72)【発明者】
【氏名】ペン-フェイ・フー
(72)【発明者】
【氏名】ウォンバム・ジャン
【合議体】
【審判長】杉江 渉
【審判官】藤代 亮
【審判官】橋本 栄和
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-133185(JP,A)
【文献】特開2007-133266(JP,A)
【文献】国際公開第2008/001782(WO,A1)
【文献】特表2009-543135(JP,A)
【文献】特表2007-536386(JP,A)
【文献】特表2009-542859(JP,A)
【文献】特開平10-326015(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L
C08G
C08K
G03F
H01L
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)シルセスキオキサン樹脂と(B)オキサアミンとを含むシルセスキオキサン含有組成物であって、
前記(A)シルセスキオキサン樹脂が、式(I):
[HSiO3/2t1[Z-L-SiO3/2t2[H(RO)SiO2/2[(RO)SiO(4-x)/2[RSiO3/2t3 (I)
を有し、式中、
添え字t1は、0.4~0.9のモル分率であり、
添え字t2は、0.1~0.6のモル分率であり、
添え字dは、0~0.45のモル分率であり、
添え字xは1、2、又は3の整数であり、
添え字yは、0~0.25のモル分率であり、
添え字t3は、0~0.15のモル分率であり、
t1+t2の和は、≧0.9~≦1であり、t1+t2+d+y+t3の和は、1であり、
各Rは独立して、H又(C-C)アルキルであり、
各Rは、独立してHO-L-又はHOOC-L-であり、
各Lは、独立して、非置換若しくは(C-C)アルキル、-OH、及びフッ素原子(全フッ素化置換まで(全フッ素化置換を含む))から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換された二価の(C-C20)炭化水素基であり、及び
各Zは、-OH、-COOH、-O-THP、-OCH(R3a、-OC(R3b、-COOCH(R3a、-COOC(R3b、-OCOOCH(R3a、又は-OCOOC(R3bであり、
THPは、テトラヒドロピラン-2-イルであり、
各R3aは、独立して、(C-C)アルキル、(C-C12)シクロアルキル、(C-C10)アラルキル、((C-C)アルキル) SiCHCH-であり、あるいは2つのR3aは、それらの両方が結合する炭素原子と一緒になった、(C-C12)シクロアルキル又は(C-C12)ビシクロアルキルであり、
各R3bは、独立して、(C-C)アルキル、(C-C12)シクロアルキル、(C-C10)アラルキル、((C-C)アルキル) SiCHCH-であり、あるいは2つのR3bは、それらの両方が結合する炭素原子と一緒になった、(C-C12)シクロアルキル又は(C-C12)ビシクロアルキルであり、残りのR3bは、独立して、(C-C)アルキル、(C-C12)シクロアルキル、(C-C10)アラルキル、又は((C-C)アルキル) SiCHCH-であり、あるいは、全ての3つのR3bは、それらが全て結合している炭素原子と一緒になった、(C-C12)ビシクロアルキルであり、
(B)オキサアミンは、ジメチル-(1-メチル-エタノール-2-イル)-アミン;及びエチル-ジ(1-メチル-エタノール-2-イル)-アミンから選択される、シルセスキオキサン含有組成物。
【請求項2】
前記(A)シルセスキオキサン樹脂において、
添え字t1は、0.4~0.65のモル分率であり、
添え字t1は、0.65~0.9のモル分率であり、
添え字t2は、0.1~0.35のモル分率であり、
添え字t2は、0.5~0.6のモル分率であり、
添え字dは、0であり、
添え字dは、>0~0.45のモル分率であり、
添え字xは、1であり、
添え字xは、2であり、
添え字xは、3であり、
添え字yは、0であり、
添え字yは、>0~0.25のモル分率であり、
添え字t3は、0であり、
添え字t3は、>0~0.15のモル分率であり、
少なくとも1つのRはHであり、
添え字dは、>0~0.45のモル分率であり、又は添え字yは、>0~0.25のモル分率であり、かつ少なくとも1つのRはHであり、
少なくとも1つのRは、独立して(C-C)アルキルであり、
添え字dは、>0~0.45のモル分率であり、又は添え字yは、>0~0.25のモル分率であり、かつ少なくとも1つのRは(C-C)アルキルであり、
少なくとも1つのRは、独立してHO-L-であり、
添え字t3は、>0~0.15のモル分率であり、かつ少なくとも1つのRは、独立してHO-L-であり、
少なくとも1つのRは、独立してHOOC-L-であり、
添え字t3は、>0~0.15のモル分率であり、かつ少なくとも1つのRは、独立してHOOC-L-であり、
少なくとも1つのLは、独立して、非置換である二価の(C-C20)炭化水素基であり、
少なくとも1つのLは、独立して、非置換である二価の(C-C10)ビシクロアルカン基であり、
少なくとも1つのLは、少なくとも1つの(C-C)アルキル基で置換されている二価の(C-C20)炭化水素基であり、
少なくとも1つのLは、少なくとも1つの(C-C)アルキル基で置換されている二価の(C-C10)ビシクロアルカン基であり、
少なくとも1つのLは、少なくとも1つの-OHで置換されている二価の(C-C20)炭化水素基であり、
少なくとも1つのLは、少なくとも1つの-OHで置換されている二価の(C-C10)ビシクロアルカン基であり、
少なくとも1つのLは、独立して、少なくとも1つのフッ素原子(全フッ素化置換まで(全フッ素化置換を含む))で置換されている二価の(C-C20)炭化水素基であり、
少なくとも1つのLは、独立して、少なくとも1つのフッ素原子(全フッ素化置換まで(全フッ素化置換を含む))で置換されている二価の(C-C10)ビシクロアルカン基であり、
少なくとも1つのZは、-OHであり、
少なくとも1つのZは、-COOHであり、
少なくとも1つのZは、-O-THPであり、
少なくとも1つのZは、-OCH(R3aであり、
少なくとも1つのZは、-COOCH(R3aであり、
少なくとも1つのZは、-OCOOCH(R3aであり、
少なくとも1つのZは、-OC(R3bであり、
少なくとも1つのZは、-COOC(R3bであり、
少なくとも1つのZは、-OCOOC(R3bであり、
少なくとも1つのR3a又はR3bは、独立して(C-C)アルキルであり、
少なくとも1つのR3a又はR3bは、独立して(C-C12)シクロアルキルであり、
少なくとも1つのR3a又はR3bは、独立して(C-C10)アラルキルであり、
少なくとも1つのR3a又はR3bは、独立して((C-C)アルキル) SiCHCH-であり、
2つのR3a又は2つのR3bは、それらの両方が結合している炭素原子と一緒になった、(C-C12)シクロアルキル又は(C-C12)ビシクロアルキルであり、あるいは
全ての3つのR3bは、それらが全て結合している炭素原子と一緒になった、(C-C12)ビシクロアルキルである、請求項1に記載のシルセスキオキサン含有組成物。
【請求項3】
前記(A)式(I)のシルセスキオキサン樹脂において、前記Z-L-が、以下の一価のカルボン酸エステル:ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル-2-カルボン酸、二級脂肪族エステル;ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル-2-カルボン酸、三級脂肪族エステル;ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イル-2-カルボン酸、二級脂肪族エステル;又はビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イル-2-カルボン酸、三級脂肪族エステルから選択される、請求項1又は2に記載のシルセスキオキサン含有組成物。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか一項に記載のシルセスキオキサン含有組成物を含む製造品。
【請求項5】
基板上にレジスト像を生成する方法であって、前記方法が、
請求項1~3のいずれか一項に記載の前記シルセスキオキサン含有組成物を基板の表面に塗布し、これにより、前記基板の前記表面上にその塗布膜を形成することであって、前記シルセスキオキサン含有組成物が、前記(A)シルセスキオキサン樹脂と、前記(B)オキサアミンと、(C)光酸発生剤とを含む、塗布することと、
前記塗布膜を放射線にマスク露光させて、潜像パターンを含む露光膜を作製することと、
前記露光膜を現像して、前記潜像パターンからレジスト像を生成し、前記基板上に配設された前記レジスト像を含む製造品を供与することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、シルセスキオキサン樹脂とオキサアミンとを含むシルセスキオキサン含有組成物、それから調製される生成物、シルセスキオキサン含有組成物と光酸発生剤とを含むフォトレジスト組成物、それから調製された生成物、その作製及び使用方法、並びにそれを含有する製造品及び半導体素子に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの光/電子デバイスの重要な特徴部は、パターン又は集積回路(IC)を含む。パターン及びICは、パターンをフォトレジスト層から、半導体材料又は導電性金属などの基板に転写させることによって作製され得る。フォトレジスト層は、感光材料を含むフォトレジスト組成物を含む。フォトレジスト層ナノパターンは、紫外(UV)線によるフォトリソグラフィーを用いて形成され、エッチングを用いて転写される。
【0003】
新しい光/電子デバイスをより強力に、より小さく、かつより速く作製するために、これらのパターン又はICは、より小型かつ微細な特徴部サイズで(より微細な解像度)で製造されねばならない。より微細なパターン解像度を可能にするための1つの方法は、光のより短い波長を使用することである。波長を365ナノメートル(nm)から248nm(KrF)~193nm(ArF)にまで短くする傾向にある。最終的には、波長は、157nm(F2)及び/又は13nmにおける極端紫外線(EUV)であってもよい。しかしながら、特定の波長で有用であるフォトレジスト組成物は、より短い波長において反応することに失敗する場合がある。別の方法は、多層レジストを単一層レジストの代わりに形成することである。パターンがより微細になるにつれて、したがってパターンアスペクト比がより大きくなるにつれて、単一層レジストは、崩壊の危険にさらされるようになる。フォトレジスト層の所定の厚さに対して、多層レジストは、より高いアスペクト比を有するパターンを可能にし得る。更に別の方法は、フォトレジスト組成物が化学増幅されるように配合することであり、これは、光のより短い波長における弱い応答に対抗する助けとなる。通常は、これらの方法の組み合わせが使用される。
【0004】
化学増幅型フォトレジスト組成物は、酸感応性であるフォトレジストポリマーと少量の光酸発生剤とを含む。酸感応性フォトレジストポリマーは、酸解離性基、酸開裂性基、又は酸不安定性基と呼ばれることもあるペンダント酸感応性基を含有する巨大分子鎖を含む。光酸発生剤(PAG)それ自体は酸ではないが、PAGは、ある特定の波長の光を吸収して、生成物酸をin situ生成する化合物である。一部の化学増幅型フォトレジスト組成物は、組成物の所望の特性を増強させるか、又は組成物の所望の特性を阻害する1つ以上の任意の添加剤と更に配合されてもよい。このような添加剤の例は、酸開裂性の溶解阻害剤、架橋剤(例えば、ネガ型フォトレジスト組成物における)、溶媒、染料、増感剤、安定剤(例えば、貯蔵寿命安定剤)、酸拡散制御剤、界面活性剤又は消泡剤などのコーティング助剤、付着促進剤、及び可塑剤である。
【0005】
様々な既存の化学増幅型フォトレジスト組成物が知られている。これらのいくつかは、酸感応性基を含む有機ポリマーに基づいている。他のものは、酸感応性基を含むオルガノシロキサンポリマーに基づいている。全ての既存の組成物が、光のより短い波長の使用を可能にするか、又は満足のいくパターンを生成するわけではない。
【0006】
酸開裂性基を有する既存のシルセスキオキサン樹脂は、R.Soorlyakumaranらへの米国特許第7,261,992(B2)号(「SOORLYAKUMARAN」)で言及されている。SOORLYAKUMARANは、数ある中でも、リソグラフィーフォトレジスト組成物で使用するためのフルオロカルビノール-及び/又はフルオロ酸官能化シルセスキオキサンポリマー及びコポリマーに言及している。SOORLYAKUMARANはまた、フルオロカルビノール-及び/又はフルオロ酸官能化シルセスキオキサンポリマーが、フルオロカルビノーツ官能化シルセスキオキサンモノマーと酸開裂性基で置換されたシルセスキオキサンモノマーとのコポリマーである組成物も言及している。この組成物は、酸開裂性の溶解阻害剤、架橋剤、溶媒、染料、増感剤、安定剤及び酸拡散制御剤として使用される添加剤、界面活性剤又は消泡剤などのコーティング助剤、付着促進剤、及び可塑剤などの添加剤を更に含み得る。安定剤及び酸拡散制御剤として使用される添加剤の例は、変化する塩基度を有する化合物である。これらとしては、窒素化合物、例えば、脂肪族一級、二級、及び三級アミン、環状アミン(例えば、ピペリジン、ピリミジン、モルホリン)、芳香族複素環(例えば、ピリジン、ピリミジン、プリン)、イミン(例えば、ジアザビシクロウンデセン、グアニジン、イミド、アミド)などを挙げることができる。
【0007】
酸開裂性基を有する既存のシルセスキオキサン樹脂は、S.Huらへの米国特許第7,625,687(B2)号(「HU1]);S.Huらへの米国特許第8,088,547(B2)号(「HU2]);S.Huらへの米国特許第8,148,043(B2)号(「HU3]);及びS.Huらへの米国特許第8,524,439(B2)号(「HU4])に記載されている。HU1、HU2、HU3、及びHU4は、独立して、数ある中でも、(HsiO3/2)単位及び(RSiO3/2)単位を含有するシルセスキオキサン樹脂を記載しており、式中、Rは酸解離性基である。酸解離性基(R)は、式-(R-L-(R-C(R)(R)---(RZ又は一般式-(R-L-(R-C(R)(R)---(RZによって記述される。HU3はまた、シルセスキオキサン樹脂と、嵩高の三級アミン、イミド、アミド、及びポリマーアミンから選択される有機塩基添加剤とを含むシルセスキオキサン系組成物に言及している。有機塩基添加剤は、有機塩基が7-ジエチルアミノ-4-メチルクマリンではないという条件で、電子求引性基を含有する。誘起塩基添加剤の一部は、オキソ(=O)基を含有する。HU4の組成物は、7-ジエチルアミノ-4-メチルクマリンを含む。溶媒、酸発生剤、界面活性剤、溶解阻害剤、架橋剤、増感剤、ハレーション阻害剤、付着促進剤、貯蔵安定剤、消泡剤、コーティング助剤、可塑剤等のうちの1つ以上を含む他の添加剤がフォトレジスト組成物で使用されてもよい。
【0008】
一部の既存の樹脂は、満足のいく構造的特徴及び性能を達成するための課題に直面している。例えば、大部分の既存のシルセスキオキサン樹脂は、低い熱安定性(すなわち、低いガラス転移温度、T)を有する。これらはまた、微細なパターン解像度、高い光感度、及び広範な加工寛容度(プロセス条件を変化させるための許容度)を含む他の特性を構成することが困難である。一部の既存のシルセスキオキサン樹脂は、紫外線曝露中に(例えば、193nmにおいて)脱ガスする。一部の既存の組成物は、それらの性能を損傷させる添加剤を含有する。
【発明の概要】
【0009】
理想的には、レジスト像は、所望の直線辺を有する垂直の特徴部を有する。直線の垂直辺は、レジスト層における孔またはトレンチ(例えば、
【0010】
【数1】
【0011】
を画定してもよい。その結果は、有益には湾曲した角頂部又は四角張った角頂部
【0012】
【数2】
【0013】
有するI字状である断面プロファイルを有する垂直の特徴部である。しかしながら、本発明者らは、特定の既存のアミン添加剤を含有する既存のフォトレジスト組成物が、頂部に望ましくない張り出し部又は縁部を有する断面プロファイルを有する垂直の特徴部を有するレジスト像を作成することを発見した。その結果は、T字状である断面プロファイル
【0014】
【数3】
【0015】
を有する垂直の特徴部である。T字状断面プロファイルは、現像液が、垂直の特徴部の底部におけるよりも垂直の特徴部の頂部において、より少ない材料を溶解するときに形成される。縁のついた頂部を有するT字状断面プロファイルを備えた垂直の特徴部を有するレジスト像をエッチングすることは、レジスト像を下にある基板に転写することにおいて、湾曲した角頂部又は四角張った角頂部を備えたI字状断面プロファイルの垂直の特徴部を有するレジスト像をエッチングすることよりも効果が低い。
【0016】
理論によって束縛されるものではないが、本発明者らは、T字状断面プロファイルを備えた垂直の特徴部を有するレジスト像が、レジスト層のマスク露光(マスク照射)部分の表面領域が、レジスト層のマスク照射部分のより深い領域よりも現像液(例えば水性塩基)に溶解しにくくなるか、又は溶解が遅くなる場合に形成されると考える。本発明者らは、表面に位置する既存のアミンが、高エネルギーの又はより短い波長の放射線を受光する際に、レジスト層の表面における溶解度又は溶解動力学におけるこの変化を何とかして容易にするが、一方でレジスト層内のより深くにある既存のアミンは、全く又はほとんど影響を有さないと考える。例えば、おそらくは、既存のアミンは、レジスト層の表面におけるシリコーン樹脂の一部の架橋を容易にする。
【0017】
本発明者らは、シルセスキオキサン樹脂と式(II)(以降に記載)のオキサアミンとを含むシルセスキオキサン含有組成物が、T字状断面プロファイル問題などの前述の問題のうちの1つ以上を解決することを発見した。本発明の実施形態は、シルセスキオキサン含有組成物、それから調製される生成物、シルセスキオキサン含有組成物と光酸発生剤とを含むフォトレジスト組成物、それから調製された生成物、その作製及び使用方法、並びにそれを含有する製造品及び半導体素子に関する。シルセスキオキサン含有組成物は、フォトレジスト組成物を調製するために使用することができる。フォトレジスト組成物は、単一層フォトレジストの層として、又は多層フォトレジストの層として、両者ともにフォトリソグラフィーパターニングの方法で使用することができる。シルセスキオキサン含有組成物はまた、反射防止膜又は光学封入材などのフォトリソグラフィー以外の他の光関連用途で使用されてもよい。シルセスキオキサン含有組成物はまた、付着剤、コーティング、及び封止剤などの光を用いない「ダーク」用途で使用されてもよい。シルセスキオキサン含有組成物は、非電子応用のための製造品を作製するために使用されてもよく、本組成物は、非電子物品及びデバイスで使用されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明のある特定の実施形態は、添付図面で例示される。これら図面は、同じ要素及び特徴部について同じ番号を保持する。
【0019】
図1】基板の実施形態の立面図である。
図2】下層・オン・基板の実施形態の立面図である。
図3】二層のレジスト・オン・基板の実施形態の立面図である。
図4】マスク照射レジスト・オン・基板の実施形態の立面図である。
図5】現像レジスト・オン・基板の実施形態の立面図である。
図6】プラズマエッチングレジスト・オン・基板の実施形態の立面図である。
図7】ハロゲンエッチング基板の実施形態の立面図である。
図8】パターン付き構造体の実施形態の立面図である。
図9】パターン付き基板の実施形態を作製するプロセスの工程の概略図である。
図10】本発明のレジスト像の実施形態のレジスト像の線断面プロファイルの一連の白黒写真である。
図11】(本発明以外)本発明以外のレジスト像のレジスト像の線断面プロファイルの一連の白黒写真である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
「発明の概要」及び「要約書」は、参照により本明細書に組み込まれる。本発明は、複数の典型的な非限定の実施形態、及び実施例を開示することにより、例示的な方法で本明細書で説明されている。
【0021】
シルセスキオキサン含有組成物は、(A)後述される式(I)のシルセスキオキサン樹脂と、(B)後述される式(II)のオキサアミンとを含む。シルセスキオキサン含有組成物は、構成成分(A)及び(B)からなってもよく(すなわち、0の任意の構成成分)、又は構成成分(A)、(B)、及び後述される1、2、3、又はそれ以上の任意の構成成分(例えば、(C)光酸発生剤及び/又は(D)溶媒)を含んでもよい。シルセスキオキサン含有組成物は、構成成分(A)及び(B)、並びに必要に応じて、いずれか任意の構成成分を一緒に混合することによって調製することができる。シルセスキオキサン含有組成物は、1成分配合物として、又は2成分配合物などの多成分配合物として調製することができる。1成分配合物は、冷所及び/又は暗所貯蔵能力を有する最終消費者に、及び/又は使用の直前に多成分を一緒に混合することを避けたい最終消費者にとって魅力がある。2成分配合物などの多成分配合物は、冷所及び/又は暗所貯蔵能力を欠く最終消費者に、及び/又は使用の直前に複数成分を一緒に混合することを望む最終消費者にとって魅力がある。
【0022】
フォトレジスト組成物は、(A)式(I)のシルセスキオキサン樹脂、(B)式(II)のオキサアミン、及び(C)光酸発生剤を含む。フォトレジスト組成物における(B)式(II)のオキサアミンのモル量は、(C)光酸発生剤のモル量よりも少なくてもよい。フォトレジスト組成物は、構成成分(A)、(B)及び(C)からなってもよく(すなわち、0の任意の構成成分)、又は構成成分(A)、(B)、(C)、及び後述される1、2、3、又はそれ以上の任意の構成成分(例えば、(D)溶媒)を含んでもよい。フォトレジスト組成物は、構成成分(A)、(B)、(C)、及びいずれか任意の構成成分を一緒に混合することによって調製することができる。あるいは、フォトレジスト組成物は、シルセスキオキサン含有組成物、構成成分(C)、及びいずれか任意の構成成分を混合することによって調製されてもよい。フォトレジスト組成物は、1成分配合物として、又は2成分配合物などの多成分配合物として調製することができる。
【0023】
シルセスキオキサン含有組成物及びフォトレジスト組成物は、独立して、シルセスキオキサン含有組成物又はフォトレジスト組成物をそれぞれ含む製造品として調製されてもよい。調製は、それぞれの組成物を成形することを含んでもよい。
【0024】
シルセスキオキサン含有組成物及びフォトレジスト組成物は、光/電子構成要素と、シルセスキオキサン含有組成物又はフォトレジスト組成物とをそれぞれ含む光/電子デバイスで使用することができる。光/電子構成要素は、光学的構成要素、電子的構成要素、又は光学的構成要素と電子的構成要素との組み合わせであってもよい。シルセスキオキサン含有組成物及びフォトレジスト組成物は、光学的/電子的構成要素と直接的又は間接的に接触して配設され得る。
【0025】
本発明のいくつか実施形態は以下に番号付けされた態様を含む。
【0026】
態様1.(A)シルセスキオキサン樹脂と(B)オキサアミンとを含むシルセスキオキサン含有組成物であって、(A)シルセスキオキサン樹脂が、式(I):
[HSiO3/2t1[Z-L-SiO3/2t2[H(RO)SiO2/2[(RO)SiO(4-x)/2[RSiO3/2t3 (I)
を有し、式中、添え字t1は、0.4~0.9のモル分率であり、添え字t2は、0.1~0.6のモル分率であり、添え字dは、0~0.45のモル分率であり、添え字xは1、2、又は3の整数であり、添え字yは、0~0.25のモル分率であり、添え字t3は、0~0.15のモル分率であり、t1+t2の和は、≧0.9~≦1であり、t1+t2+d+y+t3の和は、1であり、各Rは独立して、H又(C-C)アルキルであり、各Rは、独立してHO-L-又はHOOC-L-であり、各Lは、独立して、非置換若しくは(C-C)アルキル、-OH、及びフッ素原子(全フッ素化置換まで(全フッ素化置換を含む))から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換された二価の(C-C20)炭化水素基であり、及び各Zは、-OH、-COOH、-O-THP、-OCH(R3a、-OC(R3b、-COOCH(R3a、-COOC(R3b、-OCOOCH(R3a、又は-OCOOC(R3bであり、THPは、テトラヒドロピラン-2-イルであり、各R3aは、独立して、(C-C)アルキル、(C-C12)シクロアルキル、(C-C10)アラルキル、((C-C)アルキル)3SiCH2CH2-であり、あるいは2つのR3aは、それらの両方が結合する炭素原子と一緒になった、(C-C12)シクロアルキル又は(C-C12)ビシクロアルキルであり、各R3bは、独立して、(C-C)アルキル、(C-C12)シクロアルキル、(C-C10)アラルキル、((C-C)アルキル)3SiCH2CH2-であり、あるいは2つのR3bは、それらの両方が結合する炭素原子と一緒になった、(C-C12)シクロアルキル又は(C-C12)ビシクロアルキルであり、残りのR3bは、独立して、(C-C)アルキル、(C-C12)シクロアルキル、(C-C10)アラルキル、又は((C-C)アルキル)3SiCH2CH2-であり、あるいは、全ての3つのR3bは、それら全てが結合する炭素原子と一緒になった、(C-C12)ビシクロアルキルであり、(B)オキサアミンは式(II):R (3-n)N-[(CHCH(R)O)-R5] (II)を有し、式中、添え字mは、1~10の整数であり、添え字nは1、2、又は3の整数であり、各Rは、独立して、非置換の(C-C12)アルキルであり、各Rは、独立して、H又は非置換の(C-C12)アルキルであり、各R5は、独立して、H又は、非置換であるか、若しくは1、2、又は3つの(C-C12)アルコキシ基で独立して置換されている(C-C12)アルキルである、シルセスキオキサン含有組成物。
【0027】
態様2.(A)シルセスキオキサン樹脂において、添え字t1は、0.4~0.65のモル分率であり、添え字t1は、0.65~0.9のモル分率であり、添え字t2は、0.1~0.35のモル分率であり、添え字t2は、0.5~0.6のモル分率であり、添え字dは、0であり、添え字dは、>0~0.45のモル分率であり、添え字xは、1であり、添え字xは、2であり、添え字xは、3であり、添え字yは、0であり、添え字yは、>0~0.25のモル分率であり、添え字t3は、0であり、添え字t3は、>0~0.15のモル分率であり、少なくとも1つのRはHであり、添え字dは、>0~0.45のモル分率であり、又は添え字yは、>0~0.25のモル分率であり、かつ少なくとも1つのRはHであり、少なくとも1つのRは、独立して(C-C)アルキルであり、添え字dは、>0~0.45のモル分率であり、又は添え字yは、>0~0.25のモル分率であり、かつ少なくとも1つのRは(C-C)アルキルであり、少なくとも1つのRは、独立してHO-L-であり、添え字t3は、>0~0.15のモル分率であり、かつ少なくとも1つのRは、独立してHO-L-であり、少なくとも1つのRは、独立してHOOC-L-であり、添え字t3は、>0~0.15のモル分率であり、かつ少なくとも1つのRは、独立してHOOC-L-であり、少なくとも1つのLは、独立して、非置換である二価の(C-C20)炭化水素基であり、少なくとも1つのLは、独立して、非置換である二価の(C-C10)ビシクロアルカン基であり、少なくとも1つのLは、少なくとも1つの(C-C)アルキル基で置換されている二価の(C-C20)炭化水素基であり、少なくとも1つのLは、少なくとも1つの(C-C)アルキル基で置換されている二価の(C-C10)ビシクロアルカン基であり、少なくとも1つのLは、少なくとも1つの-OH基で置換されている二価の(C-C20)炭化水素基であり、少なくとも1つのLは、少なくとも1つの-OH基で置換されている二価の(C-C10)ビシクロアルカン基であり、独立して少なくとも1つのLは、少なくとも1つのフッ素原子(全フッ素化置換まで(全フッ素化置換を含む))で置換されている二価の(C-C20)炭化水素基であり、少なくとも1つのLは、独立して少なくとも1つのフッ素原子(全フッ素化置換まで(全フッ素化置換を含む))で置換されている二価の(C-C10)ビシクロアルカン基であり、少なくとも1つのZは、-OHであり、少なくとも1つのZは、-COOHであり、少なくとも1つのZは、-O-THPであり、少なくとも1つのZは、-OCH(R3aであり、少なくとも1つのZは、-COOCH(R3aであり、少なくとも1つのZは、-OCOOCH(R3aであり、少なくとも1つのZは、-OC(R3bであり、少なくとも1つのZは、-COOC(R3bであり、少なくとも1つのZは、-OCOOC(R3bであり、少なくとも1つのR3a又はR3bは、独立して(C-C)アルキルであり、少なくとも1つのR3a又はR3bは、独立して(C-C12)シクロアルキルであり、少なくとも1つのR3a又はR3bは、独立して(C-C10)アラルキルであり、少なくとも1つのR3a又はR3bは、独立して((C-C)アルキル)3SiCH2CH2-であり、2つのR3a又は2つのR3bは、それらが結合している炭素原子と一緒になった、(C-C12)シクロアルキル又は(C-C12)ビシクロアルキルであり、あるいは、全ての3つのR3bは、それらが全て結合している炭素原子と一緒になった、(C-C12)ビシクロアルキルである、態様1に記載のシルセスキオキサン含有組成物。
【0028】
態様3.(A)式(I)のシルセスキオキサン樹脂において、Z-L-は、以下の一価のカルボン酸エステル:ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル-2-カルボン酸、二級脂肪族エステル;ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル-2-カルボン酸、三級脂肪族エステル;ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イル-2-カルボン酸、二級脂肪族エステル;又はビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イル-2-カルボン酸、三級脂肪族エステルから選択される、態様1又は2に記載のシルセスキオキサン含有組成物。
【0029】
態様4.Z-L-は、以下の一価のカルボン酸エステル:ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル-2-カルボン酸、1’,1’-ジメチルエチルエステル;ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イル-2-カルボン酸、1’,1’-ジメチルエチルエステル;ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル-2-カルボン酸、1’-メチルエチルエステル;ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イル-2-カルボン酸、1’-メチルエチルエステル;ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル-2-カルボン酸、アダマン-1’-イルエステル;ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イル-2-カルボン酸、アダマン-1’-イルエステル;ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル-2-カルボン酸、3’-メチルアダマン-1’-イルエステル;ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イル-2-カルボン酸、3’-メチルアダマン-1’-イルエステル;ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル-2-カルボン酸、2’-メチルアダマン-2’-イルエステル;ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イル-2-カルボン酸、2’-メチルアダマン-2’-イルエステル;ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル-2-カルボン酸、2’-エチルアダマン-2’-イルエステル;ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イル-2-カルボン酸、2’-エチルアダマン-2’-イルエステル;ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル-2-カルボン酸、シクロヘキシルエステル;ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イル-2-カルボン酸、シクロヘキシルエステル;ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル-2-カルボン酸、1’-エチルシクロペンチルエステル;ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イル-2-カルボン酸、1’-エチルシクロペンチルエステル;ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル-2-カルボン酸、2’-ヒドロキシ-2’,6’,6’-トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3’-イルエステル;及びビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イル-2-カルボン酸、2’-ヒドロキシ-2’,6’,6’-トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3’-イルエステルから選択される、態様3に記載のシルセスキオキサン含有組成物。
【0030】
態様5.(A)式(I)のシルセスキオキサン樹脂が、1,000~50,000の重量平均分子量(M)を有する、態様1~4のいずれか1つに記載のシルセスキオキサン含有組成物。
【0031】
態様6.(B)式(II)のオキサアミンにおいて、添え字mは、1~5.5の整数であり、添え字mは、5.5~10の整数であり、添え字nは1であり、添え字nは2であり、添え字nは3であり、nは1又は2であり、かつRは非置換の(C-C)アルキルであり、少なくとも1つのRは、独立してHであり、少なくとも1つのRは、独立して非置換の(C-C12)アルキルであり、少なくとも1つのRは、独立してHであり、少なくとも1つのRは、独立して非置換である(C-C12)アルキルであり、少なくとも1つのR及びRは、独立して、非置換の(C-C)アルキルであり、少なくとも1つのR及びRは、独立して、非置換の(C-C12)アルキルであり、少なくとも1つのRは、独立して、1、2、又は3つの(C-C12)アルコキシ基で独立して置換されている(C-C12)アルキルであり、少なくとも1つのRは、独立して、1つの(C-C12)アルコキシ基で独立して置換されている(C-C12)アルキルであり、少なくとも1つのRは、独立して、1つの(C-C)アルコキシ基で独立して置換されている(C-C)アルキルであり、少なくとも1つのRは、独立して、2つの(C-C12)アルコキシ基で独立して置換されている(C-C12)アルキルであり、少なくとも1つのRは、独立して、3つの(C-C12)アルコキシ基で独立して置換されている(C-C12)アルキルであり、少なくとも1つのRは、独立して、1、2、又は3つの(C-C)アルコキシ基で独立して置換されている(C-C)アルキルであり、あるいは少なくとも1つのRは、独立して、1、2、又は3つの(C-C12)アルコキシ基で独立して置換されている(C-C)アルキルである、態様1~5のいずれか1つに記載のシルセスキオキサン含有組成物。
【0032】
態様7.(B)式(II)のオキサアミンが、トリ(2-(エチルオキシ)エチル)-アミン;トリ(1-メチル-エタノール-2-イル)-アミン;トリ(2-(3’-メチルブチルオキシ)エチル)-アミン;トリ(2-(ヘキシルオキシ)エチル)-アミン;トリ(2-(オクチルオキシ)エチル)-アミン;トリ(2-(メトキシメトキシ)エチル)-アミン;トリ(2-(メトキシエトキシ)エチル)-アミン;トリ(2-(2’-エトキシエトキシ)エチル)-アミン;及びトリ(2-(2’-(2”-メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)-アミンから選択される、態様1~5のいずれか一項に記載のシルセスキオキサン含有組成物。あるいは、(B)式(II)のオキサアミンが、エチル-ジ(2-(エチルオキシ)エチル)-アミン;エチル-ジ(1-メチル-エタノール-2-イル)-アミン;エチル-ジ(2-(3’-メチルブチルオキシ)エチル)-アミン;エチル-ジ(2-(ヘキシルオキシ)エチル)-アミン;エチルジ-(2-(オクチルオキシ)エチル)-アミン;エチル-ジ(2-(メトキシメトキシ)エチル)-アミン;エチル-ジ(2-(メトキシエトキシ)エチル)-アミン;エチル-ジ(2-(2’-エトキシエトキシ)エチル)-アミン;及びエチル-ジ(2-(2’-(2”-メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)-アミンから選択される、態様1~5のいずれか一項に記載のシルセスキオキサン含有組成物。あるいは、(B)式(II)のオキサアミンが、ジメチル(2-(エチルオキシ)エチル)-アミン;ジメチル-(1-メチル-エタノール-2-イル)-アミン;ジメチル-(2-(3’-メチルブチルオキシ)エチル)-アミン;ジメチル-(2-(ヘキシルオキシ)エチル)-アミン;ジメチル-(2-(オクチルオキシ)エチル)-アミン;ジメチル-(2-(メトキシメトキシ)エチル)-アミン;ジメチル-(2-(メトキシエトキシ)エチル)-アミン;ジメチル-(2-(2’-エトキシエトキシ)エチル)-アミン;及びジメチル-(2-(2’-(2”-メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)-アミンから選択される、態様1~5のいずれか1つに記載のシルセスキオキサン含有組成物。
【0033】
態様8.態様1~7のいずれか1つに記載のシルセスキオキサン含有組成物と、(C)光酸発生剤とを含むシルセスキオキサン含有組成物。
【0034】
態様9.(C)光酸発生剤が、オニウム塩、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物、スルホネート化合物、又はこれらの任意の2つ以上の組み合わせを含む、態様8に記載のシルセスキオキサン含有組成物。
【0035】
態様10.1つ以上の構成成分(添加剤):(D)溶媒、(E)付着促進剤、(F)染料、(G)ハレーション阻害剤、(H)可塑剤、(I)増感剤、(J)安定剤(例えば、貯蔵安定剤)、及び(K)界面活性剤を独立して更に含む、態様1~9のいずれか1つに記載のシルセスキオキサン含有組成物。いくつかの実施形態では、シルセスキオキサン含有組成物は、構成成分(D)~(K)を含有しない。いくつかの実施形態では、シルセスキオキサン含有組成物は、(D)溶媒、(E)付着促進剤、又は(D)及び(E)の両方を更に含む。
【0036】
態様11.態様1~10のいずれか1つに記載のシルセスキオキサン含有組成物を含む製造品。
【0037】
態様12.基板上にレジスト像を生成する方法であって、方法が、態様1~10のいずれか1つに記載のシルセスキオキサン含有組成物を基板の表面に塗布し、これにより、基板の表面上にその塗布膜を形成することであって、シルセスキオキサン含有組成物が、(A)シルセスキオキサン樹脂と、(B)オキサアミンと、(C)光酸発生剤とを含む、塗布することと、塗布膜を放射線にマスク露光させて、潜像パターンを含む露光膜を作製することと、露光膜を現像して、潜像パターンからレジスト像を生成し、基板上に配設されたレジスト像を含む製造品を供与することと、を含む、方法。基板は、シルセスキオキサン含有組成物を受け取ることができ、かつその塗布膜を支持することができる任意の物品であってもよい。例えば、基板は、半導体ウエハ又は下層(例えば、ハードマスク又は反射防止膜)であってもよい。下層は、自立であってもよく、又は半導体ウエハ上に配設されてもよい。
【0038】
態様13.基板が、ベア半導体ウエハを含み、基板が、下塗りされた半導体ウエハを含み、基板が、ベア半導体ウエハをヘキサメチルジシラザンで下塗りすることによって調製された下塗りされた半導体ウエハを含み、基板が、半導体ウエハを含み、かつシルセスキオキサン含有組成物が、半導体ウエハの表面上に直接塗布され、基板が、炭化ケイ素、炭窒化ケイ素、窒化ケイ素、酸化ケイ素、オキシ窒化ケイ素、又はオキシ炭窒化ケイ素を含む表面部分を有する半導体ウエハを含み、かつシルセスキオキサン含有組成物が、半導体ウエハの表面部分上に直接塗布され、基板が、半導体ウエハの表面(例えば、図2の1)上に配設された、反射防止膜(ARC)又はハードマスク層などの下層(例えば、図2の2)を含み、かつシルセスキオキサン含有組成物が、半導体ウエハ上に直接塗布されることなく、下層(例えばARC又はハードマスク層)上に直接塗布され(図3の場合のように)、塗布工程の前に、シルセスキオキサン含有組成物が、(D)溶媒を更に含み、塗布工程が、スピンコーティングを含み、塗布膜が、(D)溶媒を更に含み、方法が、マスク露光工程の前に塗布膜を乾燥させる(ソフトベークする)ことを更に含み、塗布膜が、0.01~5マイクロメートルの厚さを有し、放射線が、紫外(UV)線、X線照射、e-ビーム放射、及び極端紫外(EUV)線から選択され、放射線が、13ナノメートル(nm)~365nmの範囲の波長を有し、放射線が、365nm、248nm、193nm、157nm、又は13nmを含む波長を有し、現像工程が、マスク露光膜(例えば図4の3)を水性塩基を含む現像液と接触させることを含み、方法が、マスク露光膜を摂氏30度(℃)から200℃の温度で加熱し、現像工程前にマスク露光膜を冷却することを更に含み、現像工程が、冷却されたマスク露光膜を、水性塩基を含む現像液と接触させる工程を含み、あるいは、現像工程が、マスク露光膜を水性テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを含む現像液と接触させることを含む、態様12に記載の基板上にレジスト像を生成する方法。放射線波長は、248nm又は193nmを含んでもよい。
【0039】
態様14.基板が、半導体ウエハの表面上に配設されたハードマスク層を含み、かつシルセスキオキサン含有組成物が、半導体ウエハ上に直接塗布されることなく、ハードマスク層上に直接塗布され、方法が、レジスト像を酸素(O)プラズマエッチングし、レジスト像をハードマスク層に転写することによってハードマスク層をエッチングし、そして半導体ウエハの表面上に配設された二層像を含む第1の半導体素子を供与することを更に含み、二層像が、レジスト像層とハードマスク像層とを含み、半導体ウエハの表面の一領域が、二層像によって被覆されており、半導体ウエハの表面の別の領域が非被覆であり(例えば、図6の場合のように)、あるいは、基板が、半導体ウエハの表面上に配設されたハードマスク層を含み、かつシルセスキオキサン含有組成物が、半導体ウエハ上に直接塗布されることなく、ハードマスク層上に直接塗布され、方法が、(i)レジスト像を酸素(O)プラズマエッチングし、レジスト像をハードマスク層に転写することによってハードマスク層をエッチングして、半導体ウエハの表面上に配設された二層像を順次含む第1の半導体素子を供与することであって、二層像が、レジスト像層とハードマスク像層とを含み、半導体ウエハの表面の一領域が、二層像によって被覆されており、半導体ウエハの表面の別の領域が非被覆である(例えば、図6の場合のように)、酸素プラズマエッチングすることと、(ii)第1の半導体素子の半導体ウエハの表面の非被覆領域をハロゲンエッチングして、残りの塗布膜、ハードマスク層の少なくとも一部、及び半導体ウエハの非被覆領域の一部(しかし全てではない)を除去することによって、二層像を半導体ウエハに転写して、基底半導体層上に配設された半導体像を含む第2の半導体素子を供与することと、を更に含む、態様12又は13に記載の基板上にレジスト像を生成する方法。例えば、図7の場合のように、塗布膜の全て、ハードマスク層の一部、及び半導体ウエハの非被覆領域の一部(しかし全てではない)が除去され、あるいは図8の場合のように、塗布膜の全て、ハードマスク層の全て、及び半導体ウエハの非被覆領域の一部(しかし全てではない)が除去される。
【0040】
態様15.態様14の方法によって作製された第1又は第2の半導体素子を含む半導体素子。
【0041】
態様16.第2の半導体素子を含み、第2の半導体素子の半導体像が、5を超えるアスペクト比、矩形のプロファイル、又はこれらの両方を有する、態様15に記載の半導体素子。
【0042】
本発明者らは、先行技術のフォトレジストの前述した問題のうちの1つ以上に対して技術的解決法を提示する。本発明者らの発明の実施形態は、I字状断面プロファイルを有する垂直の特徴部を有するレジスト像を作成し、これにより、既存のアミンによる既存のレジスト像における垂直の特徴部のT字状断面プロファイルの問題を解決する。この技術的解決策は、248nm、あるいは197nm、あるいは157nm、あるいは13nmの波長を有する光を用いて光パターニングすることを可能にすることができる。本発明のポジ型レジスト像におけるI字状断面プロファイルを有する垂直の特徴部の例を、図10に示す。本発明以外のレジスト像におけるT字状断面プロファイルを有する垂直の特徴部の例を、図11(本発明以外)に示す。
【0043】
理論によって束縛されるものではないが、本発明者らは、式(II)のオキサアミンが、窒素原子及び酸素原子が分子内水素結合を形成し、安定な錯体を形成することができる低エネルギー立体配座を有すると考える。これにより、フォトレジスト組成物などのシルセスキオキサン含有樹脂組成物が高強度の放射線に露光され、PAGの酸生成物を生成すると、式(II)のオキサアミンと、酸生成物とを含む安定な分子内水素結合錯体を形成することができる。分子内水素結合錯体は、アミン/酸生成物に結び付き、これにより、式(II)のオキサアミンが、レジスト層の表面において、式(I)のシルセスキオキサン樹脂の架橋を容易にすることを防止することができる。このようにして、レジストパターンのT断面プロファイル状の線が回避される。
【0044】
対照的に、既存の本発明以外のアミンは、安定な分子内水素結合錯体を物理的に形成することができ図、したがって、既存のアミンは、本発明以外のレジスト層の表面においてシルセスキオキサン樹脂の架橋を容易にし得る。例えば、簡単なアミン(酸素原子を含まない)などの本発明以外のアミンは、分子内水素結合錯体に必要とされる酸素原子を欠く。モルホリンなどの本発明以外のアミンは、N及びO原子が同じH原子にH結合することができる低エネルギー立体配座を形成することができない。オキソ置換アミンなどの本発明以外のアミンは、N及びO原子が同じH原子にH結合することができる低エネルギー立体配座を形成することが不可能であり得る。あるいは、オキソは、安定な錯体を形成するために十分に塩基性の酸素原子を欠く場合がある。したがって、本発明者らは、既存の本発明以外のアミンが、ポジ型レジストにおけるT断面プロファイル状の線の形成を容易にするか、又は少なくとも防止することができないと考える。
【0045】
(A)式(I)のシルセスキオキサン樹脂、(B)式(II)のオキサアミン、及び(C)光酸発生剤を含むフォトレジスト組成物を含むシルセスキオキサン含有組成物の実施形態は、13nm~365nm、例えば、13nm、157nm、193nm、又は248nmの波長で光透過性であり得る。本実施形態はまた、半導体材料又はARC若しくはハードコート材料などの下層に対して付着性も有する。本実施形態はまた、例えば、光の不在下で、30℃~250℃に1分~120分間加熱される場合に、熱安定性であり得る。(C)光酸発生剤を更に含む本実施形態は、放射線への露光中に化学増幅される。得られた放射線露光実施形態は、水性テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAHaq)、例えば2.5重量%のTMAHaqなどの水性塩基中で現像可能であり得る。
【0046】
本明細書に別途記載がない限り、本明細書で使用される化学技術用語は、IUPAC.Compendium of Chemical Terminology,2nd ed.(the「Gold Book」)。A.D.McNaught及びA.Wilkinsonによりコンパイル。Blackwell Scientific Publications,Oxford(1997)。XMLオンライン修正バージョン:http://goldbook.iupac.org(2006-)(M.Nic,J.Jirat,B.Kosataによって作成);更新はA.Jenkinsによってコンパイルされた。ISBN 0-9678550-9-8.doi:10.1351/goldbook.IUPACで定義されていない用語は、Hawley’s CONDENSED CHEMICAL DICTIONARY,11th edition,N.Irving Sax & Richard J.Lewis,Sr.,1987(Van Nostrand Reinhold)で定義されてもよい。
【0047】
本明細書に別途記載がない限り、本明細書で使用される一般用語の意味は、本明細書で見出されるものであり得る。あるいは、異なる実施形態に優先する冠詞「a」、「an」、及び「the」は各々、1つ以上を指す。重量平均分子量又は「M」などのポリマーの平均分子量は、ポリスチレン標準換算によるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて決定される。化学元素又は原子、化学元素の族又は族(複数)は、2013年5月1日付けの元素周期表においてIUPACによって公開されたものを意味するものとする。如何なる比較例も例示的な目的でのみ使用され、先行技術を意味しないものとする。硬化オルガノシロキサンなどの硬化生成物は、特定の反応体及びそれを作製するために使用された硬化条件に応じて変動し得る構造を有してもよい。この変動性は無制限ではなく、反応体の構造及び硬化化学並びに条件に従って制限される。本発明の実施例は、補正請求項に依拠し、補正請求項に対する適切な支持を提供し得る。一成分配合物は、全ての構成成分を硬化生成物を作製するのに必要な割合で含有する混合物を意味する。一成分配合物は、硬化プロセスを開始し、加速させ、又は完了するために、水分(縮合硬化のための)、熱(付加硬化のための)、又は光(付加硬化のための)などの外部因子を使用してもよい。二成分配合物は、硬化の早期開始を防止するために、異なる反応性構成成分を2つの別々かつ相補的な分割部分に隔離する系を意味する。例えば、モノマー又はプレポリマーは一次部分内に含まれてもよいが、触媒は含まれず、硬化触媒は、二次部分内に含まれてもよいが、モノマー又はプレポリマーは含まれない。硬化の開始は、一時部分及び二次部分を一緒に混ぜ合わせて一成分配合物を形成することによって達成される。「~を含まない」又は「欠く」とは、完全に存在しないことを意味するか、あるいは、例えば、核磁気共鳴(NMR)分光法(例えばH-NMR、13C-NMR、又は29Si-NMR)若しくはフーリエ変換赤外(FT-IR)分光法を用いて検出不能であることを意味する。発明及び発明的とは、代表的な実施形態又は態様を意味するものとし、発明の範囲全体として解釈されないものとする。「IUPAC」は、国際純正応用化学連合(International Union of Pure and Applied Chemistry)(IUPAC Secretariat,Research Triangle Park,North Carolina,USA)である。マーカッシュ群は、2つ以上の要素の属を含む。要素A及びBのマーカッシュ群は、「A及びBから選択される要素」、「A及びBからなる群から選択される要素」、又は「要素A又はB」として同等に表現することができる。各要素は、独立して、属の亜属又は種であってもよく、補正請求項において個々に又は集合的に依処することができる。「であってもよい、し得る、ことができる、ことがある(may)」は、選択の余地を供与するものであり、必須ではない。「動作可能な(operative)」は、機能的に可能又は有効であることを意味する。「任意選択の(任意選択的に)」とは、存在しない(又は除外される)か、あるいは存在する(又は含まれる)ことを意味する。特性は、計測のための標準試験方法及び条件(例えば、粘度:23℃及び101.3kPa)を用いて測定される。数の範囲は、整数の範囲が小数値を含まないこと以外は、端点、部分範囲、及び全体値及び/又はその中に包含される小数値を含む。いかなる記載された数値も、補正請求項に依拠し、補正請求項に対する適切な支持を提供し得る。置換されたとは、水素に代えて、例えば置換毎に、1つ以上の置換基を有することを意味する。各置換基は、独立して、ハロゲン原子、-NH、-NHR、-NR、-NO、-OH、-OR、オキソ(=O)、-C≡N、-C(=O)-R、-OC(=O)R、-C(=O)OH、-C(=O)OR、-SH、-SR、-SSH、-SSR、-SC(=O)R、-SOR、-OSOR、-SiR、又は-Si(OR)であってもよく、式中、各Rは、独立して、非置換(C-C30)ヒドロカルビル、あるいは(C-C)ヒドロカルビルである。ハロゲン原子は、F、Cl、Br、又はIであり、あるいは、F、Cl、又はBrであり、あるいは、F又はClであり、あるいは、Fであり、あるいは、Clである。「ビヒクル」とは、別の物質のための担体、分散剤、希釈剤、貯蔵媒体、上清、又は溶媒として作用する液体を意味する。
【0048】
本明細書の任意の化合物は、天然存在比の形態及び同位体濃縮した形態が含まれる全てのその「同位体形態」を含む。いくつかの態様では、同位体形態は、天然存在比の形態、あるいは同位体濃縮した形態である。同位体濃縮した形態は、同位体濃縮した化合物の検出が、治療又は検出で有用である、医学研究又は偽造防止用途などの追加の使用を有することができる。
【0049】
いくつかの態様では、本明細書に記載された任意の組成は、その化学元素が明確に除外されている場合を除いて、元素周期表の第1属~第18属の化学元素のうちの任意の1つ以上を含有してもよい。具体的に排除される化学元素は、(i)ランタノイド及びアクチノイドを含む第2族~第13族及び第18族のいずれか1つからの少なくとも1つの化学元素;(ii)ランタノイド及びアクチノイドを含む、元素周期表の第3周期~第6周期のいずれか1つからの、少なくとも1つの化学元素;又は(iii)Si、O、H、C、N、F、Cl、Br、又はIを除外しないことを除いて、(i)及び(ii)の両方であってもよい。
【0050】
本明細書で使用される場合、レジストパターン又は像の断面プロファイルの線を指す場合の「湾曲した角頂部」という用語は、プロファイルが、水平の最上面(「」などの水平の頂面)を有し、垂直(「|」)であるか、又は上方に傾斜(例えば、「/」)した左側面、垂直(「|」)であるか、又は下方に傾斜(例えば、「\」)した右側面、上方にテーパ状になった移行部(上方に湾曲した角部、例えば
【0051】
【数4】
【0052】
及び下方にテーパ状になった移行部(下方に湾曲した角部、例えば、
【0053】
【数5】
【0054】
を有することを意味する。湾曲した角頂部プロファイルは、図10の画像のそれぞれに例示されている。上方にテーパ状になった移行部は、左側面を水平頂面に接合する。上方にテーパ状になった移行部は、水平頂面を右側面に接合する。左右の側面は、線の幅だけ互いに離間している。
【0055】
本明細書で使用される場合、レジストパターン又は像の断面プロファイルの線を指す場合の「四角張った角頂部」という用語は、上述の水平最上面(水平頂面)、上述の左右側面、及びそれらの間の移行部としての1つ又は2つの右側の直角の角部を有するプロファイルを意味する。四角張った角頂部プロファイルは、以下の形状:
【0056】
【数6】
【0057】
(1つの直角の角部(左)と1つの湾曲の角部(右))及び
【0058】
【数7】
【0059】
(2つの直角の角部)によって例示される。
【0060】
本明細書で使用される場合、レジストパターン又は像の断面プロファイルの線を指す場合の「T-頂部」という用語は、プロファイルが上述の水平最上面(水平頂面)、上述の左右の側面(線が上縁部を有するように、水平最上面は、左右の側面を超えて延びている)を有することを意味し、このT-頂部プロファイルは、以下の形状:
【0061】
【数8】
【0062】
によって例示される。(注記:(臨時記号の再フォントの場合、直前の記号が、Calibriフォント、18ポイント内の1文字のpi-シンボルであるように意図される)。
【0063】
追加の本発明の実施形態を以下に記載する。
【0064】
(A)式(I)のシルセスキオキサン樹脂:
(A)シルセスキオキサン樹脂が、式(I):
[HSiO3/2t1[Z-L-SiO3/2t2[H(RO)SiO2/2[(RO)SiO(4-x)/2[RSiO3/2t3 (I)
を有し、式中、添え字t1は、0.4~0.9のモル分率であり、添え字t2は、0.1~0.6のモル分率であり、添え字dは、0~0.45のモル分率であり、添え字xは1、2、又は3の整数であり、添え字yは、0~0.25のモル分率であり、添え字t3は、0~0.15のモル分率であり、t1+t2の和は、≧0.9~≦1であり、t1+t2+d+y+t3の和は、1であり、各Rは独立して、H又(C-C)アルキルであり、各Rは、独立してHO-L-又はHOOC-L-であり、各Lは、独立して、非置換若しくは(C-C)アルキル、-OH、及びフッ素原子(全フッ素化置換まで(全フッ素化置換を含む))から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換された二価の(C-C20)炭化水素基であり、及び各Zは、-OH、-COOH、-O-THP、-OCH(R3a、-OC(R3b、-COOCH(R3a、-COOC(R3b、-OCOOCH(R3a、又は-OCOOC(R3bであり、THPは、テトラヒドロピラン-2-イルであり、各R3aは、独立して、(C-C)アルキル、(C-C12)シクロアルキル、(C-C10)アラルキル、((C-C)アルキル)3SiCH2CH2-であり、あるいは2つのR3aは、それらの両方が結合する炭素原子と一緒になった、(C-C12)シクロアルキル又は(C-C12)ビシクロアルキルであり、各R3bは、独立して、(C-C)アルキル、(C-C12)シクロアルキル、(C-C10)アラルキル、((C-C)アルキル)3SiCH2CH2-であり、あるいは2つのR3bは、それらの両方が結合する炭素原子と一緒になった、(C-C12)シクロアルキル又は(C-C12)ビシクロアルキルであり、残りのR3bは、独立して、(C-C)アルキル、(C-C12)シクロアルキル、(C-C10)アラルキル、又は((C-C)アルキル)3SiCH2CH2-であり、あるいは、全ての3つのR3bは、それらが全て結合している炭素原子と一緒になった、(C-C12)ビシクロアルキルである。いくつかの実施形態では、添え字t1、t2、d、x、y、及びt2並びに官能基Z、L、R、及びRのうちのいずれか1つは、番号付きの従属態様で上述された通りである。いくつかの実施形態では、(A)シルセスキオキサン樹脂は、後述の実施例のシルセスキオキサン樹脂1である。
【0065】
(B)オキサアミン:
(B)オキサアミンは、式(II):R (3-n)N-[(CHCH(R)O)-R (II)を有し、式中、添え字mは1~10整数であり、添え字nは1、2、又は3の整数であり、各Rは、独立して、非置換の(C-C12)アルキルであり、各Rは、独立して、H又は非置換の(C-C12)アルキルであり、各Rは、独立して、H又は、非置換であるか、若しくは1、2、又は3つの(C-C12)アルコキシ基で独立して置換されている(C-C12)アルキルである、シルセスキオキサン含有組成物。いくつかの実施形態では、添え字m及びn並びに基R、R及びR
、番号付きの従属態様で上述された通りである。いくつかの実施形態では、添え字nは1である。いくつかの実施形態では、添え字nは2である。いくつかの実施形態では、添え字nは3である。いくつかの実施形態で(B)オキサアミンは、前述の態様7のオキサアミンである。いくつかの実施形態では、(B)オキサアミンは、以降に記載される実施例のオキサアミン(B-1)(参考例)、(B-2)(参考例)、(B-3)(参考例)、又は(B-4)である。
【0066】
(B)オキサアミンは、通常、(A)シルセスキオキサン樹脂の全100部当たり、0.01部~5部、あるいは0.05部~4部、あるいは0.07部~3部、あるいは0.09部~2部の濃度でシルセスキオキサン含有組成物中に存在する。
【0067】
(C)光酸発生剤(PAG)。
フォトレジスト組成物は、1つ以上の(C)光酸発生剤を含む。(C)光酸発生剤(「PAG」)は、酸ではなく(ブレンステッド又はルイス酸ではなく)、電磁放射線への露光時に酸を発生する任意の化合物を含む。したがって、PAGは、プロ酸として機能し、酸性効果を呈する前に光化学的交換を受ける化合物である。いくつかの態様では、PAGは、オニウム塩、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、スルホン化合物、スルホネート化合物、又はオニウム塩、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、グリオキシム誘導体、スルホン化合物、及びスルホネート化合物のうちのいずれか2つ以上の組み合わせである。他の有用な光酸発生剤は、米国特許第7,261,992(B2)号の第10段落第57行~第11段落第9行に記載のものを含む。これらとしては、ニトロベンジルエステル及び米国特許第4,189,323号に記載されたs-トリアジン誘導体などのs-トリアジン誘導体が挙げられる。
【0068】
オニウム塩:(C)PAGとして使用するのに好適なオニウム塩の例は、ヨードニウム塩、スルホニウム塩(テトラヒドロチオフェニウム塩を含む)、ホスホニウム塩、ジアゾニウム塩、及びピリジニウム塩である。(C)PAGとして使用するのに好適なオニウム塩の具体例は、米国特許第8,729,148(B2)号の第14段落第40行~第15段落第4行に列記されており、トリ(4-4’-アセチルフェニルチオ)-フェニル)スルホニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである。
【0069】
ハロゲン含有化合物:C)PAGとして使用するのに好適なハロゲン含有化合物の例は、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、及びハロアルキル基含有複素環式化合物である。(C)PAGとして使用するのに好適なハロゲン含有化合物の具体例は、(トリクルロメチル)-s-トリアジン誘導体、例えばフェニルビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、4-メトキシフェニルビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、並びに1-ナフチルビス(トリクロロメチル)-s-トリアジン、及び1,1-ビス(4’-クロロフェニル)-2,2,2-トリクロロエタンである。
【0070】
ジアゾケトン化合物:(C)PAGとして使用するのに好適なジアゾケトン化合物の例は、米国特許第8,729,148(B2)号の第15段落第4行~23行に列記されているジアゾメタン誘導体;1,3-ジケト-2-ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、及びジアゾナフトキノン化合物である。PAGとして使用するのに好適なジアゾケトン化合物の具体例としては、1,2-ナフトキノンジアジド-4-スルホニルクロライド、2,3,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノンの1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホニルクロライド、1,2-ナフトキノンジアジド-4-スルホネート若しくは1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホネート、及び1,1,1-トリス(4’-ヒドロキシフェニル)エタンの1,2-ナフトキノンジアジド-4-スルホネート若しくは1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルホネートである。
【0071】
グリオキシム誘導体:(C)PAGとして使用するのに好適なグリオキシム誘導体の例は、米国特許第8,729,148(B2)号の第15段落第23行~46行に列記されている。
【0072】
スルホン化合物:(C)PAGとして使用するのに好適なスルホン化合物の例は、β-ケトスルホン、β-スルホニルスルホン、及びこれらの化合物のα-ジアゾ化合物である。スルホン化合物の具体例は、4-トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、及びビス(フェニルスルホニル)メタンである。
【0073】
スルホネート化合物:(C)PAGとして使用するのに好適なスルホネート化合物の例は、アルキルスルホネート、アルキルイミドスルホネート、ハロアルキルスルホネート、アリールスルホネート、及びイミノスルホネートである。(C)PAGとして使用するのに好適なスルホネート化合物の具体例は、ベンゾイントシレート、ピロガロールトリス(トリフルオロメタンスルホネート)、ニトロベンジル-9,10-ジエトキシアントラセン-2-スルホネート、トリフルオロメタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2,3-ジカルボジイミド、N-ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホネート、及び1,8-ナフタレンジカルボン酸イミドトリフルオロメタンスルホネートである。
【0074】
いくつかの実施形態では、(C)光酸発生剤は、ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4-t-ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4-t-ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ-n-ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ-n-ブタンスルホネート、シクロヘキシル-2-オキソシクロヘキシルメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジシクロヘキシル-2-オキソシクロヘキシルメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、2-オキソシクロヘキシルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4-ヒドロキシ-1-ナフチルジメチルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4-ヒドロキシ-1-ナフチルテトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1-(1’-ナフチルアセトメチル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフルオロメタンスルホニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2,3-ジカルボジイミド、N-ヒドロキシスクシンイミドトリフルオロメタンスルホネート、又は1,8-ナフタレンジカルボン酸イミドトリフルオロメタンスルホネートである。
【0075】
シルセスキオキサン含有組成物(例えば、フォトレジスト組成物)中で使用されるべき(C)光酸発生剤の量は、(A)シルセスキオキサン樹脂の全100重量部当たり、0.01重量部~10重量部、あるいは0.05重量部~7重量部、あるいは0.09重量部~2重量部であってもよい。光酸発生剤の量が、(A)シルセスキオキサン樹脂の0.01重量部未満である場合、このような少量を含有するシルセスキオキサン含有組成物(例えば、フォトレジスト組成物)の感度及び現像性(放射線露光前後のTMAHaqなどの現像溶液中の溶解度における差)は、減少する傾向があり得る。PAGの量が(A)シルセスキオキサン樹脂の10重量部を超える場合、このような大量を含有するシルセスキオキサン含有組成物(例えば、フォトレジスト組成物)は恐らくは減少した放射線透過性のために、湾曲した角頂部又は四角張った頂部の断面プロファイルを有する、レジストパターンを形成することができない。
【0076】
いくつかの実施形態では、シルセスキオキサン含有組成物及び/又はフォトレジスト組成物は、1つ以上の構成成分又は添加剤:(D)溶媒、(E)付着促進剤、(F)染料、(G)ハレーション阻害剤、(H)可塑剤、(I)増感剤、(J)安定剤(例えば、貯蔵安定剤)、及び(K)界面活性剤を独立して更に含む。添加剤(D)~(K)は任意選択である。いくつかの実施形態では、シルセスキオキサン含有組成物及び/又はフォトレジスト組成物は、添加剤(D)~(K)を含まない(欠く)。他の実施形態では、シルセスキオキサン含有組成物及び/又はフォトレジスト組成物は、添加剤(D)~(K)のうちの少なくとも1つ、あるいは少なくとも2つ、あるいは3つ以上を独立して更に含む。いくつかの実施形態では、シルセスキオキサン含有組成物は、(D)溶媒、(E)付着促進剤、又は(D)及び(E)の両方を更に含む。
【0077】
(D)溶媒:いくつかの実施形態では、シルセスキオキサン含有組成物(例えば、フォトレジスト組成物)は、(D)溶媒を含まない(欠く)。いくつかの実施形態では、シルセスキオキサン含有組成物(例えば、フォトレジスト組成物)は、1つ以上の(D)溶媒を更に含む。(D)溶媒は、シルセスキオキサン含有組成物(例えば、フォトレジスト組成物)の他の構成成分を溶解し、分散させ、又は希釈して、コーティングを必要とする基板上により容易にコーティングされ得る混合物を供与する。フォトレジスト組成物のためのこのような基板の例は、半導体ウエハ若しくは金属ウエハ、又は基板、下層、及びフォトレジスト組成物のコーティング(フォトレジスト層)を順次含む多層フォトレジストの下層(例えば、ARC)である。下層は、フォトレジスト層と基板との間に配設される(「挟まれる」)。(D)溶媒の例は、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、2-ヘプタノン、メチルペンチルケトン(MAK)、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、乳酸エチルのようなラクテートアルキルエステル、1,2-プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート(PGMEA)、アルキレングリコールモノアルキルエステル、酢酸ブチル、2-エトキシエタノール、及びエチル3-エトキシプロピオネートである。シルセスキオキサン含有組成物(例えば、フォトレジスト組成物)中に存在するとき、(D)溶媒は、シルセスキオキサン含有組成物(例えば、フォトレジスト組成物)の総重量に基づいて、50重量%~90重量%の濃度であってもよい。
【0078】
(E)付着促進剤:いくつかの実施形態では、シルセスキオキサン含有組成物(例えば、フォトレジスト組成物)は、(F)付着促進剤を含まない(欠く)。いくつかの実施形態では、シルセスキオキサン含有組成物(例えば、フォトレジスト組成物)は、1つ以上の(F)付着促進剤を更に含む。(F)付着促進剤は、シルセスキオキサン含有組成物(例えば、フォトレジスト組成物)の半導体ウエハ(例えば、シリコンウエハ)又は金属表面などのパターニングを必要とする基板への接合を向上させるために使用されてもよい。(F)付着促進剤はまた、多層レジストの下層、例えば、反射防止膜(ARC)又はハードコート層などの下層への接合を高めるために使用されてもよい。を用いることもできる多層レジストの下層への接着を向上させるために使用されてもよい。(F)付着促進剤の例は、市販のシランカップリング剤などのシランカップリング剤である。シランカップリング剤は、通常、官能化アルキル基に加えて、3つのアルコキシ基又は2つのアルコキシ基、及び全てが同じケイ素原子に結合されたアルキル基を含有する。官能化アルキル基は、アミノアルキル基、エポキシ-アルキル基、アクリルオキシアルキル基、メタクリルオキシアルキル基、ウレイドアルキル基、イソシアヌラトアルキル基、メルカプトアルキル基、又はアルケニル基であってもよい。例としては、ビニルトリメトキシシラン、2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチル-トリメトキシシラン、及び3-グリシドキシプロピルトリメトキシシランが挙げられる。シルセスキオキサン含有組成物(例えば、フォトレジスト組成物)中に存在するとき、(F)付着促進剤は、シルセスキオキサン含有組成物(例えば、フォトレジスト組成物)の総重量に基づいて、0.01重量%~5重量%の濃度であってもよい。
【0079】
(F)染料:(F)染料は、シルセスキオキサン含有組成物(例えば、フォトレジスト組成物)の光学密度を調整するために使用することができる。
【0080】
(G)ハレーション阻害剤:(G)ハレーション阻害剤は、フォトレジスト組成物のフォトレジスト層の直接露光領域の境界を越えるリソグラフィー放射線(光)の発散を防止するために使用することができる。
【0081】
(H)可塑剤:(H)可塑剤は、シルセスキオキサン含有組成物(例えば、フォトレジスト組成物)の粘度を調整し、その取り扱い性又は塗布性を向上させるために使用することができる。
【0082】
(I)増感剤:(I)増感剤は、第1の波長において放射線を吸収し、放出された放射線を(C)光酸発生剤に伝達する第2の波長において放射線を放出することによって(第1及び第2の波長は同一であっても異なってもよい)、(C)光酸発生剤の活性を増強させるために使用することができる。
【0083】
(J)安定剤:(J)安定剤は、シルセスキオキサン含有組成物(例えば、フォトレジスト組成物)の貯蔵寿命を、例えば、その中の酸化的反応、酸塩基の反応、又は他の分解反応を阻害することによって延長させるために使用することができる。
【0084】
(K)界面活性剤:(K)界面活性剤は、半導体ウエハ又は多層フォトレジストの下層(例えば、ARC)などの基板上のシルセスキオキサン含有組成物(例えば、フォトレジスト組成物)のコーティングの均一性を改善するために使用することができる。
【0085】
シルセスキオキサン含有組成物及びフォトレジスト組成物は、他の又は追加の任意選択の添加剤を構成成分として含有してもよい。シルセスキオキサン含有組成物及びフォトレジスト組成物中の全ての構成成分の合計濃度は100%である。
【0086】
いくつかの実施形態では、シルセスキオキサン含有組成物はフォトレジスト組成物である。フォトレジスト組成物は化学増幅型フォトレジスト組成物である。フォトレジスト組成物は、フォトレジスト組成物が基板上にコーティングされた後に、マスク状態で照射される準備ができるまで、365nmよりも短い波長を有する光から保護され得る。例えば、フォトレジスト組成物は、黄色光又は赤色光から本質的になる環境下で調製かつコーティングすることができる。露光(マスク状態で照射)された後に、化学増幅型フォトレジスト組成物は、初期に酸感応性フォトレジストポリマーと生成物酸とを含む化学増幅フォトレジスト組成物に変換される。生成物酸は、酸感応性フォトレジストポリマーの酸感応性基の開裂を容易にして、ペンダント酸性基を有する巨大分子鎖を含む生成物ポリマーを供与する。開裂の速度は、化学増幅フォトレジスト組成物を加熱することによって高めることができる。開裂後に、化学増幅フォトレジスト組成物は、生成物酸と生成物ポリマーとを含む。酸感応性フォトレジストポリマー、PAG、生成物酸、及び生成物ポリマーは、異なりかつ全く別の化合物である。
【0087】
化学増幅型フォトレジスト組成物の一部が露光され、化学増幅型フォトレジスト組成物の別の部分が露光されない場合、化学増幅型フォトレジスト組成物(未反応の)を含む非露光領域と、化学増幅フォトレジスト組成物(開裂生成物)を含む露光領域とを含む複合材料が形成される。化学増幅型フォトレジスト組成物が一次元で制限され、露光がパターンを画定するフォトマスクを通して行われる場合、非露光領域と、化学増幅フォトレジスト組成物の潜像パターンを画定するパターン付き露光領域とを有する複合材料がシート又は膜の形状で形成される。化学増幅型フォトレジスト組成物は、生成物ポリマーと反応性である架橋剤を含まず、複合材料のシート又は膜を、現像液(例えば、水性塩基などの塩基性溶液)で現像することによって、ポジ型レジスト像を潜像パターンから形成することができる。現像液は、非露光領域を溶解することなく、露光領域を選択的に溶解し、これによって、残存する比露光領域によって画定される、ポジ型レジスト像を生成する。
【0088】
フォトレジスト組成物を除去するために有用な現像溶液は、水と塩基とからなる水溶液を含む。塩基は、脱イオン水中に可溶性であり、>7の水素イオン指数(pH)を有する水溶液を供与する化学化合物である。この塩基性化学化合物は、アンモニア又は1族又は2族の金属水酸化物若しくは炭酸塩などの無機化学化合物である。あるいは、塩基性化学化合物は、アミン又は塩基性窒素含有複素環などの有機化学化合物であってもよい。塩基の例は、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、コリン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム、アンモニア、エチルアミン、プロピルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ピロール、ピペリジン、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン、及び1,5-ジアザビシクロ[4.3.0]-5-ノネンである。フォトレジスト組成物がポジ型フォトレジストとして使用するために配合されるとき、フォトレジスト層の露光領域は、現像溶液中に可溶性となり、非露光領域は、現像溶液中に不溶性となるであろう。一旦露光されたフォトレジスト層(ポジ型フォトレジスト)が現像溶液で現像されると、フォトレジスト層の溶解されていない残部(「パターン」)は、水で洗浄され、過剰な現像溶液をそれから除去することができる。
【0089】
現像液は、(B)オキサアミンとは、構造、配合、機能若しくは用途、及び/又は量で異なる。例えば、現像液の塩基性化学化合物がアミンである場合でも、これは、通常、(B)オキサアミンではなく、非置換のアルキル含有アミンである。更に、現像液は、水中の塩基性化学化合物の溶液であるが、これに対して(B)オキサアミン及びそれを含むシルセスキオキサン含有組成物は、水を実質的に含まない(例えば、0重量%~1重量%未満の水を有する)。また、現像液は、膜の非露光領域を溶解することなく、フォトレジスト組成物のマスク露光膜のマスク露光領域を選択的に溶解するために現像工程で使用される。(B)オキサアミンは、主として、マスク露光工程において、かつマスク露光工程の直後に使用され、ここでは、(A)シルセスキオキサン樹脂、(B)オキサアミン、及び(C)光酸発生剤又はその生成物酸を含むフォトレジスト組成物の膜のマスク露光領域を化学増幅すると考えられる。生成物酸は、マスク露光工程においてフォトレジスト組成物の膜のマスク露光領域の(C)光酸発生剤の放射線に露光される際に、(C)光酸発生剤からin situ形成される。(B)オキサアミンは、マスク露光工程以外の工程で、例えば、塗布、任意選択の乾燥、現像、及び/又は任意選択の加熱工程で、フォトレジスト組成物における追加の用途を有することができる。更に、(B)オキサアミンは、(C)光酸発生剤を含まないシルセスキオキサン含有組成物の実施形態における、界面活性剤、付着促進剤、溶媒、安定剤、又は可塑剤などの用途を有してもよい。更に、塩基性化学化合物は、通常、現像液中に1~5重量%の濃度で存在するのに対して、(B)オキサアミンは、通常、(A)シルセスキオキサン樹脂の全100部当たり、0.01部~5部、あるいは0.05部~4部、あるいは0.07部~3部の濃度でシルセスキオキサン含有組成物中に存在する。
【0090】
次いでパターンが下層基板に転写され得る。二層フォトレジストでは、転写は、パターンを下層(例えば、ARC又はハードコート層)を経て基板(例えば、シリコン又は金属)上に転写することを含む。単一層フォトレジストでは、下層がないため、パターンは基板上に直接転写される。典型的に、パターンは、酸素、プラズマ、又は酸素/二酸化硫黄プラズマ等、反応性イオンでのエッチングを介して転写される。エッチング法は、当該技術分野において周知である。
【0091】
別の実施形態は、基板上、又は基板上に配設された下層上にレジスト像を生成するためのプロセスである。いくつかの実施形態では、プロセスは、(a)基板を、構成成分(A)~(C)、及び典型的には構成成分(D)溶媒も含むフォトレジスト組成物で被覆して、基板上にフォトレジスト組成物の塗布膜を含むレジスト被膜基板を形成する工程と、(b)塗布膜をマスク露光する(像様露光)するか、又は放射線(例えば、248nm、193nm、又は157nm)でマスク照射して、潜像パターンを含有する露光膜を含む照射レジストを作製する工程と、(c)マスク照射レジストの露光膜を現像し、潜像パターンからレジスト像を作製して現像レジストを供与する工程と、を含む。現像レジストは、基板上に配設されたレジスト像を含む製造品である。他の実施形態では、プロセスは、(a)基板上に予め配設されている下層を、構成成分(A)~(C)、及び典型的には構成成分(D)溶媒も含むレジスト組成物で被覆して、基板上に二層を形成し、この二層が、下層に配設されたレジスト組成物の塗布膜を含む、二層を形成する工程と、(b)塗布膜を放射線にマスク露光(像様露光)して、潜像パターンを含有する露光膜を作製する工程と、(c)露光膜を現像し、潜像パターンからレジスト像を作製して、基板上に配設されたレジスト像を含む製造品を供与する工程と、を含む。
【0092】
好適な基板は、セラミック、金属又は半導体基板であり、好ましい基板は、例えば、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、オキシ窒化ケイ素、炭化ケイ素、及びオキシ炭化ケイ素が含まれるシリコン含有基板である。
【0093】
下層は、ハードコート層(例えば、有機ハードコート層)又は反射防止膜(ARC)であってもよい。下層は、レジスト組成物の膜を形成する被覆工程の前に基板上に形成される。典型的には、下層は、マスク露光工程で使用される結像波長において高度に光吸収性であり、レジスト組成物と化学的に適合性のある材料から構成されるか、又はなる。典型的な下層材料は、架橋されたポリ(4-ヒドロキシスチレン)、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、フッ素化ポリマー、及び環状オレフィンポリマーである。例えば、ジアゾナフトキノン(DNQ)又はノボラックである。
【0094】
(a)被覆する工程の前に、通常、下層又は基板の表面は、場合によっては、レジスト組成物がその上に塗布されるか、又は被覆される前に洗浄される。好適な洗浄手順は、当該技術分野において既知である。レジスト組成物は、場合によっては、スピンコーティング、スプレーコーティング、又はドクターブレーディングなどの技術を用いて、下層上に、又は基板上に直接被覆されてもよい。典型的には、レジスト膜は、(D)溶媒を含み、塗布膜がマスク露光工程で放射線に露光される前に(乾燥後)に乾燥(ソフトベーク)される。乾燥又はソフトベーク工程は、レジスト膜を、30℃~200℃、典型的には80℃~140℃の範囲の温度で、短時間にわたって(例えば、20秒~90秒)、通常はおよそ1.0分のオーダーで加熱することを含んでもよい。得られた乾燥膜は、0.01マイクロメートル(μm)~5.0μm、あるいは0.02~2.5μm、あるいは0.05μm~1.0μm、あるいは0.10μm~0.20μmの厚さを有する。
【0095】
(b)マスク露光する工程において、塗布膜(例えば、乾燥塗布膜)は、潜像パターンをマスク露光膜に作成するように設計されたマスクを通して放射線に露光される。潜像パターンは、最終的に所定のパターンを有するパターン付き半導体素子を供与するのに好適なものである。放射線は、UV、X線、e-ビーム、又はEUVであってもよい。EUVは、13nmの波長を有することができる。典型的には、放射線は、157nm~365nm(例えば、157nm又は193nm)の波長を有する紫外線である。好適な放射線源としては、水銀、水銀/キセノン、及びキセノンランプが挙げられる。特定の放射線源は、KrFエキシマレーザ又はFエキシマレーザである。より長い波長、例えば365nmの放射線が使用される場合、放射線の吸収を強化するために、フォトレジスト組成物中に増感剤が含まれてもよい。フォトレジスト組成物の満足のいく露光は、通常、塗布膜の表面積の1平方センチメートル当たり10~<100ミリジュール(mJ/cm)で、あるいは10mJ/cm~50mJ/cmの放射線で照射することによって達成される。
【0096】
(b)マスク露光工程において、放射線は、フォトレジスト組成物の露光膜のマスク露光領域における光酸発生剤によって吸収され、その中に生成物酸をin situ生成する。フォトレジスト組成物が放射線に露光された後に、得られた露光膜は、通常、30℃~200℃の範囲の温度で、短時間にわたって、およそ1分のオーダーで加熱される。フォトレジスト組成物がポジ型フォトレジストである場合、生成物酸は、フォトレジスト組成物中に存在する(A)シルセスキオキサン樹脂の酸解離性基(例えば、式(I)のZ基)の開裂を引き起こし、これによって、露光膜中の現像液可溶性の領域を有する潜像パターンを形成する。
【0097】
工程(c)現像工程において、露光膜を好適な現像液と接触させて、露光膜の潜像パターンからレジスト像を作製する。現像液の組成は、前述している。ポジ型フォトレジスト膜では、フォトレジストの露光領域は、現像液中に可溶性(「現像液可溶性」)となり、(c)現像工程は、露光領域を現像液中で溶解し、露光されたポジ型フォトレジスト膜の非露光領域を、生成像又はパターンの形態で置き去りにする。露光膜が現像され、生成像又はパターンが形成された後、通常は、残存するレジスト膜(「パターン」)は水で洗浄されて、いかなる残留現像液も除去する。
【0098】
工程(c)及び任意選択の洗浄工程から得られた生成像又はパターンは、次いで、基板に直接に転写されるか、又は場合によっては、下層を通して基板に転写される。典型的に、パターンは、分子酸素プラズマ、及び/又は分子酸素/二酸化硫黄プラズマ等、反応性イオンでのエッチングによって転写される。プラズマを形成するための好適な技術及び機械装置としては、電子サイクロトロン共鳴(ECR)、ヘリコン、誘導結合プラズマ(ICP)及び透過型結合プラズマ(TCP)などのシステムが挙げられる。
【0099】
したがって、フォトレジスト組成物は、前述のフォトリソグラフィーパターン形成法又はパターン付き構造体を製造するためのプロセスで使用されてもよい。作成され得るパターン付き構造体の例は、金属配線、電気接点用の導管としての孔又はビア、絶縁部(例えば、ダマシントレンチ又は浅いトレンチ分離)、キャパシタ構造体用のトレンチ、及び集積回路素子を製造するために使用され得る他の構造体が挙げられる。
【0100】
いくつかの実施形態は、半導体ウエハ上に配設されたフォトレジスト組成物の層を含むレジスト塗布ウエハを含む。フォトレジスト組成物は、半導体ウエハに直接接触していてもよく、又はレジスト塗布ウエハは、フォトレジスト組成物の層と半導体ウエハとの間に配設された下層を更に含んでもよい。下層は、半導体ウエハを下層組成物で被覆することによって形成することができる。半導体ウエハは、場合によっては、これがフォトレジスト組成物又は下層組成物で被覆される場合、ベアウエハであってもよい。あるいは、半導体ウエハは、ベア半導体ウエハを下塗り剤で前処理することによって作成された下塗りされたウエハであってもよい。前処理は、下塗り剤の化学蒸着を含むことができる。下塗り剤は、フォトレジスト層又は下層の付着、場合によっては、半導体ウエハへの付着を増強するのに有効な任意の化合物を含んでよい。例えば、下塗り剤化合物は、ヘキサメチルジシラザンであってもよい。
【0101】
いくつかの実施形態は、レジスト塗布ウエハを、80℃~140℃(例えば、90℃~120℃、例えば、100℃又は110℃)の温度で、わずかな時間(例えば、30秒~120秒、例えば45秒~90秒、又は50秒~70秒、例えば60秒)加熱することによって調製されたソフトベークウエハを含む。ソフトベークウエハは、半導体ウエハ上に、又は半導体ウエハの上に配設された下層上に配設されたソフトベークレジスト層を含む。
【0102】
いくつかの実施形態は、レジスト塗布ウエハ又はソフトベークウエハを、例えば248nm、193nm、157nmを含む放射線に、レジスト塗布ウエハ又はソフトベークウエハの表面積の1平方センチメートル当たり10~75ミリジュール(mJ/cm)の線量を用いて露光することによって調製されたマスク照射ウエハを含む。いくつかの実施形態では、放射線は、15mJ/cm~55mJ/cm、あるいは20mJ/cm~50mJ/cm、あるいは23mJ/cm~45mJ/cmで投射される。マスク照射ウエハは、半導体ウエハ上に、又は半導体ウエハの上に配設された下層上に配設されたマスク照射レジスト層を含む。マスク照射レジスト層は、潜像パターンを含有する。
【0103】
いくつかの実施形態は、マスク状態放射ウエハを、80℃~140℃(例えば、90℃~120℃、例えば、100℃又は110℃)の温度で、わずかな時間(例えば、30秒~120秒、例えば45秒~90秒、又は50秒~70秒、例えば60秒)加熱することによって調製された露光後ベークウエハを含む。露光後ベークウエハは、半導体ウエハ上に、又は半導体ウエハの上に配設された下層上に配設された露光後ベークレジスト層を含む。露光後ベークレジスト層は、潜像パターンを含有する。
【0104】
いくつかの実施形態は、材料の他の部分を除去することなく、マスク照射レジスト材料の一部又は露光後ベークレジスト材料の一部を除去するように、マスク照射ウエハ又は露光後ベークウエハを現像液と接触させて、これにより、レジストパターン又は像を形成することによって調製された現像レジストを含む。現像液は、フォトレジスト組成物のポジ型レジスト配合物には、水性塩基溶液を含むことができる。ポジ型レジスト配合物は、構成成分(A)~(C)を含む。現像レジストは、半導体ウエハ上に、又は半導体ウエハの上に配設された下層上に配設された現像レジスト層を含む。現像レジスト層は、レジストパターン又はレジスト像を含有する。レジストパターン又は像は、電界放射型走査電子顕微鏡(FE-SEM)によって湾曲した角頂部又は四角張った角頂部を有するものとして特性化される断面プロファイルを有する垂直の特徴部を含有することができる。
【0105】
いくつかの実施形態は、過剰の現像液を現像レジストから濯ぐことによって調製された濯ぎレジストを含む。過剰の現像液は、現像レジストに固着する場合があり、現像レジストを揮発性有機溶媒などの濯ぎ剤で濯ぐことによって除去することができる。濯ぎレジストは、半導体ウエハ上に、又は半導体ウエハの上に配設された下層上に配設された濯ぎレジスト層を含む。濯ぎレジスト層は、レジストパターン又はレジスト像を含有する。レジストパターン又は像は、FE-SEMによって湾曲した角頂部又は四角張った角頂部を有するものとして特性化される断面プロファイルを有する垂直の特徴部を含有することができる。
【0106】
いくつかの実施形態は、現像レジスト又は濯ぎレジストを、異方性エッチング技術を用いて、エッチング剤でエッチングすることによって調製されたエッチングレジストを含む。エッチング剤は、分子酸素プラズマ、ハロゲンプラズマ、又は分子酸素プラズマ、続いてハロゲンプラズマの逐次適用を含むことができる。いくつかの実施形態では、エッチングレジストは、分子酸素プラズマエッチングレジストである。他の形態では、エッチングレジストは、ハロゲンプラズマエッチングレジストである。他の実施形態では、エッチングレジストは、逐次的な分子酸素プラズマ、続いてハロゲンプラズマでエッチングレジストである。分子酸素プラズマエッチングレジストは、半導体ウエハ上に、又は半導体ウエハの上に配設された下層上に配設された分子酸素プラズマエッチングレジスト層を含む。ハロゲンプラズマエッチングレジスト層は、パターン付き半導体ウエハを含むパターン付き構造体上に配設されたハロゲンプラズマエッチング下層を含有する。
【0107】
いくつかの実施形態は、エッチングレジスト層をパターン付き半導体ウエハから除去することによって調製されたパターン付き構造体を含む。
【0108】
いくつかの実施形態を添付の図面で例示する。
【0109】
図1は、基板の立面図である。図1において、基板1は、コーティングの必要がある物品である。基板1の例は、ウエハ及びシートである。基板1は、半導体材料から構成されてもよい。半導体材料は、ケイ素、ゲルマニウム、又はガリウムの化合物に基づいてもよい。例えば、半導体材料は、ヒ化ガリウム又は窒化ガリウムであってもよい。あるいは、半導体材料は、多結晶ケイ素、単結晶ケイ素、又は炭化ケイ素であってもよい。基板1は、均質の材料であってもよく、又は2つ以上の層(図示せず)を有してもよい。例えば、基板1は、基底層と、基底層上の表面層とを有してもよい。基底層は、半導体材料から構成されてもよく、表面層の上位にあってもよい。表面層は、ドープ材料又は半導体材料の化合物から構成されてもよい。半導体材料の化合物として使用することができるケイ素の化合物の例は、窒化ケイ素、酸化ケイ素、炭窒化ケイ素、オキシ炭化ケイ素、オキシ窒化ケイ素、及びオキシ炭窒化ケイ素である。表面層は、半導体材料の表面をドープすることによって(例えば、ドーパントの蒸着)、半導体材料の表面を処理することによって(例えば、酸化)、又は好適な材料を半導体材料上に堆積させることによって(例えば蒸着)形成されてもよい。
【0110】
図2は、下層・オン・基板の立面図である。図2において、下層・オン・基板10は、基板1上に配設された下層2を含む。下層2は、基底層と表面層とを有する基板1の実施形態の表面層の一例であってもよい。あるいは、下層2は、基板1とは明らかに異なりかつ別個のものであってもよい。例えば、下層2は、反射防止膜(ARC)層又はハードマスク層であってもよい。下層2は、スピンコーティングなどの任意の好適な堆積プロセスによって、基板1上に堆積されてもよい。
【0111】
図3は、二層のレジスト・オン・基板の実施形態の立面図である。図3において、レジスト・オン・基板20は、基板1上に配設された二層レジスト26を含む。二層レジスト26は、下層2の上に配設されたフォトレジスト組成物3から構成される。フォトレジスト組成物3は、スピンコーティングなどの任意の好適な堆積プロセスによって、下層2の上に堆積されてもよい。フォトレジスト組成物3は、(A)シルセスキオキサン樹脂、(B)オキサアミン、及び(C)光酸発生剤を含む化学増幅型フォトレジスト組成物である、本フォトレジスト組成物の一実施形態であってもよい。
【0112】
図4は、マスク照射レジスト・オン・基板の立面図である。図4において、マスク照射レジスト・オン・基板30は、基板1上に配設された下層2の上に配設されたフォトレジスト組成物3を含み、フォトレジスト組成物3は、潜像パターン4を含有する。フォトレジスト組成物3は、構成成分(A)、(B)、及び(C)を含む本化学増幅型フォトレジスト組成物の一実施形態であってもよい。最初に、潜像パターン4は、構成成分(A)及び(B)、並びに構成成分(C)の光促進反応の生成物酸を含む化学増幅フォトレジスト組成物を含む。次いで、潜像パターン4の化学増幅フォトレジスト組成物は、構成成分(A)シルセスキオキサン樹脂と生成物酸との反応を受けて、生成物ポリマーを供与する。生成物ポリマーは、構成成分(A)の酸解離性の開裂反応によって形成される。開裂反応は、生成物酸によって可能となり、かつ増強される(増幅される)。所望の場合、開裂反応は、マスク照射レジスト・オン・基板30の露光後ベーキングによって更に増強されてもよい。生成物ポリマーの形成が完了した後に、マスク照射レジスト・オン・基板30は、現像などの後続の工程の準備ができている。
【0113】
図5は、現像レジスト・オン・基板の立面図である。図5において、現像レジスト・オン・基板40は、基板1上に配設された下層2の上に配設されたフォトレジスト組成物3を含む。フォトレジスト組成物3は、レジスト像含有トレンチ5を画定する。トレンチ5は、マスク照射レジスト・オン・基板30の潜像パターン4(図4を参照)が現像工程を介してそこから除去されており、その結果、下層2の一部を露出させる容積空間(溝部)である。
【0114】
図6は、プラズマエッチングレジスト・オン・基板の立面図である。図6において、プラズマエッチングレジスト・オン・基板50は、基板1上に配設された下層2の上に配設されたフォトレジスト組成物3を含む。フォトレジスト組成物3及び下層2は、一緒になって二層像含有トレンチ6を画定する。トレンチ6は、図5に示したように、露光された下層2の部分が、プラズマエッチング工程を介して除去されており、その結果、基板1の一部を露出させる容積空間である。トレンチ6は、5を超えるアスペクト比を有することができる。プラズマエッチング工程は、酸素(O)プラズマを含むことができる。
【0115】
図7は、ハロゲンエッチング基板の立面図である。図7において、ハロゲンエッチング基板60は、基板1の残部の上に配設された下層2の残部を含む。下層2の残部及び基板1の残部は、一緒になって、トレンチ7を含む転写されたパターンを画定する。トレンチ7は、図6に示したように、露光された基板1の部分が、ハロゲンエッチング工程などのエッチング工程を介して除去されており、その結果、基板1内にトレンチ7を作成する容積空間である。ハロゲンエッチング工程は、クロロフルオロカーボンのプラズマを含んでもよい。クロロフルオロカーボンは、トリクロロフルオロメタン(CClF)、ジクロロジフルオロメタン(CCl)、ジクロロフルオロメタン(HCClF)、クロロジフルオロメタン(HCClF)、クロロトリフルオロメタン(CClF)、クロロフルオロメタン(HCClF)、及びこれらのいずれか2つ以上の組み合わせであってもよい。
【0116】
図8は、パターン付き構造体の立面図である。図8において、パターン付構造体70は、図7に示した下層2の残部を含まない。パターン付構造体70は、金属配線、電気接点用の導管としての孔又はビア、絶縁部(例えば、ダマシントレンチ又は浅いトレンチ分離)、キャパシタ構造体用のトレンチ、及び集積回路素子を製造するために使用され得る他の構造体を含むことができる。
【0117】
図9は、パターン付き構造体の作製プロセスのある特定の工程の概略図である。図9において、プロセスは、工程(A)~(F)、及び任意選択的に工程(G)を含む。図9のプロセスの一実施形態は、ポジ型フォトレジスト組成物の使用を参照して、本明細書で記載される。いくつかの実施形態では、ポジ型フォトレジスト組成物は、構成成分(A)~(C)を含み、かつ構成成分(H)架橋剤を含まない(欠く)。工程(A)は、下層組成物を基板上に被覆して、下層・オン・基板(例えば、図2の下層・オン・基板10)を供与することを含む。工程(B)は、ポジ型フォトレジスト組成物を下層・オン・基板上に被覆して、二層レジスト・オン・基板(例えば、図3の二層レジスト・オン・基板20)を供与することを含む。工程(C)は、二層レジスト・オン・基板を、その別の部分を照射することなく、選択的に照射して(例えば、フォトマスクを通して)、マスク照射レジスト・オン・基板(例えば、図4のマスク照射レジスト・オン・基板30)を供与することを含む。工程(C)は、工程(D)の前に、マスク照射下レジスト・オン・基板をソフトベークすることを更に含んでもよい。工程(D)は、マスク照射レジスト・オン・基板を現像液(例えば、水性塩基)と接触させて、現像レジスト(例えば、図5の現像レジスト40)を供与することを含む。この実施形態では、現像レジストは、ポジ型フォトレジスト組成物のマスク照射レジスト部分を欠くであろう(例えば、図4に示した潜像パターンは除去されるであろう)し、ポジ型フォトレジスト組成物の非照射部分を保持するであろう(例えば、図4のフォトレジスト組成物3の非照射部分を保持するであろう)。工程(D)は、過剰な現像液を現像レジストから濯ぐことと、工程(E)の前に濯いだ現像レジストを乾燥させることとを更に含んでもよい。濯ぎ剤は、精製水を含んでもよい。工程(E)は、現像レジストをプラズマエッチングして、プラズマエッチングレジスト(例えば、図6のプラズマエッチングレジスト50)を供与することを含む。工程(F)は、プラズマエッチングレジストをハロゲンエッチングして、ハロゲンエッチング基板(例えば、図7のハロゲンエッチング基板60)を供与することを含む。工程(G)は、任意選択である。工程(G)は、いかなるわずかな基板材料も除去することなく、又はわずかばかりの基板材料も除去することなく、二層レジスト材料のいかなる残部も除去し、ポジ型パターン付構造体(例えば、図8のパターン付構造体70)を供与することを含む。工程(G)は、ハロゲンエッチングすることを含んでもよく、工程(F)の時間を延長することによって行われてもよい。エッチング工程は、深堀反応性イオンエッチングなどの任意の好適な異方性エッチング技術を含む。
【0118】
図10は、本発明のレジスト像の実施形態の垂直特徴部の断面プロファイルのFE-SEMを用いて得られた一連の白黒写真である。図10に示すように、本発明の垂直の特徴断面プロファイルは、湾曲した角頂部又は四角張った角頂部を有し、望ましくは余剰材料の縁部が存在しない、すなわちT字状ではない。図10の上下からの画像に用いるフォーカスは、それぞれ0.2μm、0.3μm、及び0.4μmである。
【0119】
図11(本発明以外)は、本発明以外のレジスト像の垂直特徴部の断面プロファイルのFE-SEMを用いて得られた一連の白黒写真である。本発明以外のレジスト像は、既存のアミン添加剤(例えば、7-ジエチルアミノ-4-メチルクマリン又はトリオクチルアミンのいずれか)を含有する本発明以外のレジスト組成物から構成される。図11に示すように、本発明以外の垂直特徴断面プロファイルは、それらの頂部に余剰材料の縁部を有し、すなわちT字状である。図11中の全ての画像に用いられるフォーカスは、0.2μmであった。
【0120】
本発明は、以下の非限定的な実施例によって更に説明され、本発明の実施形態は、この非限定的な実施例の特徴及び限定の任意の組み合わせを含んでもよい。周囲温度は別段の表示がない限り、約23℃である。
【0121】
29Si-NMR装置及び溶媒:Varian 400MHz Mercury分光計を使用した。Cを溶媒として使用した。
【0122】
H-NMR装置及び溶媒:Varian 400MHz Mercury分光計を使用した。Cを溶媒として使用した。
【0123】
調製物1:水素シルセスキオキサン(HSQ)樹脂の合成:濃硫酸及び発煙無水硫酸(fuming sulfur trioxide)をトルエンと混合して、トルエン中のトルエンスルホン酸一水和物(TSAM)の溶液を得た。100グラム(g)のTSAMの溶液に、トルエン(50g)中のトリクロロシラン(10g、0.075モル)の溶液を、窒素ガス雰囲気下で攪拌しながら滴加した。添加後、得られた混合物を、脱イオン(DI)水で少なくとも3回洗浄し、得られた有機相を減圧下でロータリーエバポレータにかけ、溶媒の一部を除去し、これによって、トルエン中のHSQ樹脂の混合物で、5重量%~25重量%の固形分を有するものを得た。
【0124】
オキサアミン(B-1):Aldrich Chemical Companyからのトリ(2-ヘキシルオキシ)エチル)-アミンである式(II)のオキサアミン。
【0125】
オキサアミン(B-2):Aldrich Chemical Companyからのトリ(2-メトキシエトキシ)エチル)-アミンである式(II)のオキサアミン。
【0126】
オキサアミン(B-3):Aldrich Chemical Companyからのトリ(2-3’-メチルブチルオキシ)エチル)-アミンである式(II)のオキサアミン。
【0127】
オキサアミン(B-4):Aldrich Chemical Companyからのトリ(1-メチル-エタノール-2-イル)-アミンである式(II)のオキサアミン。
【0128】
光酸発生剤(C-1):Midori Kagaku Company,Limitedからのトリフェニルスルホニウムヘキサフルオロホスフェート(PhPF ;CAS Reg.番号[57840-38-7])。
【0129】
本発明の実施例(IEx.)1a~1d:構成成分(A-1)の合成:式(I)のシルセスキオキサン樹脂1及びその溶媒交換生成物。無水トルエン中のビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-カルボン酸1,1-ジメチルエチルエステル(0.1モル)の50:50w/w(重量/重量)溶液に、プラチナ(0)1,3-ジエチエニル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン錯体を添加した。得られた混合物に、調製物1の水素シルセスキオキサン樹脂の混合物(約0.33モルのHSQ樹脂を含有する)を、窒素ガス雰囲気下でゆっくりと添加した。添加完了後、得られた混合物を、攪拌しながら8時間還流した。得られたヒドロシリル化反応の進行を、ビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-エン-2-カルボン酸1,1-ジメチルエチルエステルのオレフィン性水素原子に対するピークの完全消失について、H-NMRによって監視し、トルエン中のシルセスキオキサン樹脂1の混合物(IEx.1a)を得た。一旦ピークが消失したら、反応混合物のトルエンを、1,2-プロピレングリコールモノメチルエーテルモノアセテート(PGMEA)、乳酸エチル(EL)、及びメチルイソブチルケトン(MIBK)で溶媒交換して、それぞれPGMEA中のシルセスキオキサン樹脂1の混合物(IEx.1b)、EL中のシルセスキオキサン樹脂1の混合物(IEx.1c)、又はMIBK中のシルセスキオキサン樹脂1の混合物(IEx.1d)を得た。IEx.1a~1dの混合物は、関連溶媒中に4重量%~45重量%のシルセスキオキサン樹脂1を含有した。例えば、IEx.1bの混合物は、PGMEA中に20重量%のシルセスキオキサン樹脂1を含有した。
【0130】
IEx.2a~2d:シルセスキオキサン樹脂含有組成物の(理論的)合成。別々の実験において、IEx.1bのPGMEA中の20重量%のシルセスキオキサン樹脂1の別個のアリコートを、オキサアミン(B-1)、(B-2)、(B-3)、又は(B-4)のうちの異なる1つと混合して、それぞれIEx.2a、2b、2c、又は2dの異なるシルセスキオキサン含有組成物を得る。シルセスキオキサン樹脂1の100部当たり0.10部のオキサアミンを用いる。所望により、IEx.2a~2dのシルセスキオキサン樹脂含有組成物は、0.10μmのポリテトラフルオロエチレンフィルタを通して別々に濾過されて、IEx.2a~2dを得る。あるいは、IEx.2a~2dのシルセスキオキサン樹脂含有組成物を濾過せずに、対応するフォトレジスト組成物を調製するために直接使用される。
【0131】
IEx.3a~3d:フォトレジスト組成物の調製4つの別々の実験において、黄色光の下で、光酸発生剤(C-1)をPGMEA中の20重量%のシルセスキオキサン樹脂1(IEx.1b)のアリコートと混合して、4つの混合物を得た。シルセスキオキサン樹脂1の100部当たり1.00部の光酸発生剤(C-1)を使用した。4つの混合物の各々をPGMEAで希釈し、PGMEA中に16重量%のシルセスキオキサン樹脂1及び光酸発生剤(C-1)を含有する希釈混合物を得た。異なる種類の希釈混合物に、オキサアミン(B-1)、(B-2)、(B-3)、又は(B-4)のうちの異なる1つを添加し、それぞれ、3a、3b、3c、又は3dの異なるフォトレジスト組成物を得た。シルセスキオキサン樹脂1の100部当たり0.10部のオキサアミンを用いた。
【0132】
IEx.4a~4d:レジスト塗布ウエハの調製。別々の実験において、IEx.3a、3b、3c、又は3dのフォトレジスト組成物を、0.10μmのポリテトラフルオロエチレンフィルタを通して濾過して、対応する濾液を得て、この濾液を、ベアシリコンウエハの異なる1つにスピンコーティングして、それぞれIex.4a、4b、4c、又は4dのレジスト塗布ウエハを得た。(「ベア」とは、下層を含有せず、下塗り剤で前処理されなかったシリコンウエハを意味する。)各レジスト塗布ウエハは、ウエハ上に直接配設されたレジスト層を含んだ。各レジスト層は、5,000オングストローム(Å)の厚さを有した。IEx.4aの手順を4回繰り返して、合計で5つのIEx.4aのレジスト塗布ウエハを得た。
【0133】
IEx.5a-1及び5a-5:ソフトベークレジストの調製。別々の実験において、IEx.4aのレジスト塗布ウエハを、90℃(IEx.5a-1)、100℃(IEx.5a-2~IEx.5a-4)、又は120℃(IEx.5a-5)の温度で60秒間加熱し、次いで冷却して、それぞれIEx.5a-1~5a-5のソフトベークレジストを得た。
【0134】
IEx.5b~5d:ソフトベークレジストの調製。別々の実験において、IEx.4b、4c、又は4dのレジスト塗布ウエハを、100℃の温度で60秒間加熱し、次いで冷却して、それぞれIEx.5b~5dのソフトベークレジストを得た。
【0135】
IEx.6a-1及び6a-5:マスク照射レジストの調製。別々の実験において、IEx.5a-1~IEx.5a-5のソフトベークレジストをマスクアライナー内に定置し、表面積の1平方センチメートル当たり30ミリジュール(mJ/cm)(IEx.6a-1)、28mJ/cm(IEx.6a-2)、25mJ/cm(IEx.6a-3)、19mJ/cm(IEx.6a-4)、又は20mJ/cm(IEx.6a-5)の最適化された露光量(Eop)を用いて、二層フォトマスク及びKrFスキャナー、ASML PAS5500/850Dを通しての従来の照明を使用して、248nmの放射線に露光させて、それぞれIEx.6a-1~6a-5のマスク照射レジストを得た。
【0136】
IEx.6b~6d:マスク照射レジストの調製。別々の実験において、IEx.5b、5c、又は5dのソフトベークレジストを、35mJ/cm)(IEx.6b)、24mJ/cm(IEx.6c)、又は50mJ/cm(IEx.6d)のEopを用いて、二層フォトマスク及びASML PAS5500/850Dを通しての従来の照明を使用して、248nmの放射線に露光させて、それぞれIEx.6b~6dのマスク照射レジストを得た。
【0137】
IEx.7a-1~7a-5:露光後ベークレジストの調製。別々の実験において、IEx.6a-1~IEx.6a-5のマスク照射レジストを、100℃(IEx.7a-1及びIEx.7a-2)、110℃(IEx.7a-3)、又は120℃(IEx.7a-4及びIEx.7a-5)の温度で60秒間加熱し、次いで冷却して、それぞれIEx.7a-1~7a-5の露光後ベークレジストを得た。
【0138】
IEx.7b~7d:露光後ベークレジストの調製。別々の実験において、IEx.6b、6c、又は6dのマスク照射レジストを、100℃の温度で60秒間加熱し、次いで冷却して、それぞれIEx.7b~7dの露光後ベークレジストを得た。
【0139】
IEx.8a-1~8a-5:現像レジストの調製。予備湿潤なしに単一のパドルプロセスを用いて行った別の実験において、IEx.7a-1~IEx.7a-5の露光後ベークレジストを、2.38重量%の水性TMAH溶液中で、25℃の温度で60秒間現像してそれぞれ、IEx.8a-1~8a-5の現像レジストを得た。現像レジストは、5μmの結果を含むレジストパターン又は像を含有した。
【0140】
IEx.8b~8d:現像レジストの調製。予備湿潤なしに単一のパドルプロセスを用いて行った別の実験において、IEx.7b、7c、又は7dの露光後ベークレジストを、2.38重量%の水性TMAH溶液中で、25℃の温度で60秒間現像して、それぞれIEx.8b~8dの現像レジストを得た。IEx.8b~8dの現像レジストは、5μmの結果を含むレジストパターン又は像を含有した。
【0141】
IEx.9a-1~9a-5及び9b~9d:現像レジストの特性化。IEx.8a-1~8a-5及び8b~8dの現像レジストの各々を、FE-SEM(Hitachiモデル番号4700)で撮像して、断面プロファイルを取得し、測長走査型電子顕微鏡(Critical Dimension Scanning Electron Microscope)(CD-SEM;Hitachiモデル番号9380)で検査して、マスク照射線量応答性を、最適エネルギー(Eop)における単位変化当たりの限界寸法(CD)の変化として評価した。データを下記の表1に報告する。
【0142】
【表1】
ただし、(B-4)を用いたものは実施例であり、(B-1)~(B-3)を用いたものは参考例である。
【0143】
表1のデータが示すように、IEx.8a-1~8a-5及び8b~8dの本発明の現像レジストは、望ましい断面プロファイル及びEopでの単位変化当たりのCDにおけるゆっくりとした変化(低露光寛容度と称する)を有益に示した。特に、本発明の現像レジストは、湾曲した角頂部又は四角張った角頂部を有する断面プロファイルを有益に示した湾曲した角部を有する断面プロファイルを示した。本発明の現像レジストはまた、15未満の露光寛容度も示した。
【0144】
いくつかの実施形態では、本発明の現像レジストは、湾曲した角頂部又は四角張った角頂部、あるいは湾曲した角頂部、あるいは四角張った角頂部を有する断面プロファイルを有するレジスト像又はパターンによって特徴付けられる。断面プロファイルは、IEx.9a-1~9a-5及び9b~9dのうちのいずれか1つで記載されたFE-SEMを用いて決定される。
【0145】
いくつかの実施形態では、本発明の現像レジストは、7~15.0、あるいは7.0~14.4、あるいは7.1~14.0、あるいは14.0±1、あるいは13±1、あるいは12±1、あるいは10±1、あるいは8±1の露光寛容度によって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、本発明の現像レジストは、前述の露光寛容度のうちのいずれか1つ、又は四角張った角頂部を有する断面プロファイルを有するレジスト像若しくはパターンによって特徴付けられる。いくつかの実施形態では、本発明の現像レジストは、前述の露光寛容度のうちのいずれか1つ、又は湾曲した角頂部を有する断面プロファイルを有するレジスト像若しくはパターンによって特徴付けられる。
【0146】
所望の場合、IEx.8a-1~8a-5及び8b~8dの現像レジストは、濯ぎ剤で濯いで、過剰の現像液を除去して、対応する濯ぎレジストを得てもよい。濯ぎレジストは、分子酸素プラズマ及び/又はハロゲン含有プラズマなどのエッチング剤並びに異方性エッチング技術を用いてエッチングされ、対応するエッチングレジストを得てもよい。エッチングレジストは、ハロゲン含有プラズマなどのエッチング剤及び異方性エッチング技術を用いて更にエッチングされ、対応するパターン付構造体を得てもよい。パターン付構造体は、パターン付シリコンウエハを備え、フォトレジスト組成物又はそれから調製された上述の生成物は含まない。
【0147】
比較例1(本発明以外):7-ジエチルアミノ-4-メチル-クマリンをオキサアミン(B-4)の代わりに使用し、かつ50mJ/cmの代わりに47mJ/cmのEopを使用したこと以外は、IEx.8dを調製するために使用した手順に従って、現像レジストを作製し、比較例1の本発明以外の現像レジストを得た。前述のFE-SEM及びCD-SEM法を用いて分析した場合、現像レジストは、19.4の露光寛容度を有することが判明した。
【0148】
比較例2(本発明以外):トリオクチルアミンをオキサアミン(B-2)の代わりに使用したこと以外は、IEx.8bを調製するために使用した手順に従って、現像レジストを作製し、比較例2の本発明以外の現像レジストを得た。前述のFE-SEM及びCD-SEM法を用いて分析した場合、現像レジストは、15.2の露光寛容度を有することが判明した。
【0149】
以下の特許請求の範囲は、参照により本明細書に組み込まれ、用語「請求項」(単数及び複数)はそれぞれ用語「態様」(単数及び複数)に置き換えられる。本発明の実施形態は、これらの得られた番号付けされた態様も包含する。
(態様)
(態様1)
(A)シルセスキオキサン樹脂と(B)オキサアミンとを含むシルセスキオキサン含有組成物であって、
前記(A)シルセスキオキサン樹脂が、式(I):
[HSiO 3/2 t1 [Z-L-SiO 3/2 t2 [H(R O)SiO 2/2 [(R O) SiO (4-x)/2 [R SiO 3/2 t3 (I)
を有し、式中、
添え字t1は、0.4~0.9のモル分率であり、
添え字t2は、0.1~0.6のモル分率であり、
添え字dは、0~0.45のモル分率であり、
添え字xは1、2、又は3の整数であり、
添え字yは、0~0.25のモル分率であり、
添え字t3は、0~0.15のモル分率であり、
t1+t2の和は、≧0.9~≦1であり、t1+t2+d+y+t3の和は、1であり、
各R は独立して、H又(C -C )アルキルであり、
各R は、独立してHO-L-又はHOOC-L-であり、
各Lは、独立して、非置換若しくは(C -C )アルキル、-OH、及びフッ素原子(全フッ素化置換まで(全フッ素化置換を含む))から独立して選択される少なくとも1つの置換基で置換された二価の(C -C 20 )炭化水素基であり、及び
各Zは、-OH、-COOH、-O-THP、-OCH(R 3a 、-OC(R 3b 、-COOCH(R 3a 、-COOC(R 3b 、-OCOOCH(R 3a 、又は-OCOOC(R 3b であり、
THPは、テトラヒドロピラン-2-イルであり、
各R 3a は、独立して、(C -C )アルキル、(C -C 12 )シクロアルキル、(C -C 10 )アラルキル、((C -C )アルキル)3SiCH CH -であり、あるいは2つのR 3a は、それらの両方が結合する炭素原子と一緒になった、(C -C 12 )シクロアルキル又は(C -C 12 )ビシクロアルキルであり、
各R 3b は、独立して、(C -C )アルキル、(C -C 12 )シクロアルキル、(C -C 10 )アラルキル、((C -C )アルキル)3SiCH CH -であり、あるいは2つのR 3b は、それらの両方が結合する炭素原子と一緒になった、(C -C 12 )シクロアルキル又は(C -C 12 )ビシクロアルキルであり、残りのR 3b は、独立して、(C -C )アルキル、(C -C 12 )シクロアルキル、(C -C 10 )アラルキル、又は((C -C )アルキル)3SiCH CH -であり、あるいは、全ての3つのR 3b は、それらが全て結合している炭素原子と一緒になった、(C -C 12 )ビシクロアルキルであり、
(B)オキサアミンは、式(II):R (3-n) N-[(CH CH(R )O) -R (II)
を有し、式中、
添え字mは、1~10の整数であり、
添え字nは1、2、又は3の整数であり、
各R は、独立して、非置換の(C -C 12 )アルキルであり、
各R は独立して、H又は非置換の(C -C 12 )アルキルであり、
各R は、独立して、非置換であるか、又は1、2、又は3つの(C -C 12 )アルコキシ基で独立して置換されている(C -C 12 )アルキルである、シルセスキオキサン含有組成物。
(態様2)
前記(A)シルセスキオキサン樹脂において、
添え字t1は、0.4~0.65のモル分率であり、
添え字t1は、0.65~0.9のモル分率であり、
添え字t2は、0.1~0.35のモル分率であり、
添え字t2は、0.5~0.6のモル分率であり、
添え字dは、0であり、
添え字dは、>0~0.45のモル分率であり、
添え字xは、1であり、
添え字xは、2であり、
添え字xは、3であり、
添え字yは、0であり、
添え字yは、>0~0.25のモル分率であり、
添え字t3は、0であり、
添え字t3は、>0~0.15のモル分率であり、
少なくとも1つのR はHであり、
添え字dは、>0~0.45のモル分率であり、又は添え字yは、>0~0.25のモル分率であり、かつ少なくとも1つのR はHであり、
少なくとも1つのR は、独立して(C -C )アルキルであり、
添え字dは、>0~0.45のモル分率であり、又は添え字yは、>0~0.25のモル分率であり、かつ少なくとも1つのR は(C -C )アルキルであり、
少なくとも1つのR は、独立してHO-L-であり、
添え字t3は、>0~0.15のモル分率であり、かつ少なくとも1つのR は、独立してHO-L-であり、
少なくとも1つのR は、独立してHOOC-L-であり、
添え字t3は、>0~0.15のモル分率であり、かつ少なくとも1つのR は、独立してHOOC-L-であり、
少なくとも1つのLは、独立して、非置換である二価の(C -C 20 )炭化水素基であり、
少なくとも1つのLは、独立して、非置換である二価の(C -C 10 )ビシクロアルカン基であり、
少なくとも1つのLは、少なくとも1つの(C -C )アルキル基で置換されている二価の(C -C 20 )炭化水素基であり、
少なくとも1つのLは、少なくとも1つの(C -C )アルキル基で置換されている二価の(C -C 10 )ビシクロアルカン基であり、
少なくとも1つのLは、少なくとも1つの-OHで置換されている二価の(C -C 20 )炭化水素基であり、
少なくとも1つのLは、少なくとも1つの-OHで置換されている二価の(C -C 10 )ビシクロアルカン基であり、
少なくとも1つのLは、独立して、少なくとも1つのフッ素原子(全フッ素化置換まで(全フッ素化置換を含む))で置換されている二価の(C -C 20 )炭化水素基であり、
少なくとも1つのLは、独立して、少なくとも1つのフッ素原子(全フッ素化置換まで(全フッ素化置換を含む))で置換されている二価の(C -C 10 )ビシクロアルカン基であり、
少なくとも1つのZは、-OHであり、
少なくとも1つのZは、-COOHであり、
少なくとも1つのZは、-O-THPであり、
少なくとも1つのZは、-OCH(R 3a であり、
少なくとも1つのZは、-COOCH(R 3a であり、
少なくとも1つのZは、-OCOOCH(R 3a であり、
少なくとも1つのZは、-OC(R 3b であり、
少なくとも1つのZは、-COOC(R 3b であり、
少なくとも1つのZは、-OCOOC(R 3b であり、
少なくとも1つのR 3a 又はR 3b は、独立して(C -C )アルキルであり、
少なくとも1つのR 3a 又はR 3b は、独立して(C -C 12 )シクロアルキルであり、
少なくとも1つのR 3a 又はR 3b は、独立して(C -C 10 )アラルキルであり、
少なくとも1つのR 3a 又はR 3b は、独立して((C -C )アルキル)3SiCH CH -であり、
2つのR 3a 又は2つのR 3b は、それらが結合している炭素原子と一緒になった、(C -C 12 )シクロアルキル又は(C -C 12 )ビシクロアルキルであり、あるいは
全ての3つのR 3b は、それらが全て結合している炭素原子と一緒になった、(C -C 12 )ビシクロアルキルである、態様1に記載のシルセスキオキサン含有組成物。
(態様3)
前記(A)式(I)のシルセスキオキサン樹脂において、前記Z-L-が、以下の一価のカルボン酸エステル:ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル-2-カルボン酸、二級脂肪族エステル;ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル-2-カルボン酸、三級脂肪族エステル;ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イル-2-カルボン酸、二級脂肪族エステル;又はビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イル-2-カルボン酸、三級脂肪族エステルから選択される、態様1又は2に記載のシルセスキオキサン含有組成物。
(態様4)
Z-L-が、以下の一価のカルボン酸エステル:
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル-2-カルボン酸、1’,1’-ジメチルエチルエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イル-2-カルボン酸、1’,1’-ジメチルエチルエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル-2-カルボン酸、1’-メチルエチルエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イル-2-カルボン酸、1’-メチルエチルエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル-2-カルボン酸、アダマン-1’-イルエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イル-2-カルボン酸、アダマン-1’-イルエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル-2-カルボン酸、3’-メチルアダマン-1’-イルエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イル-2-カルボン酸、3’-メチルアダマン-1’-イルエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル-2-カルボン酸、2’-メチルアダマン-2’-イルエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イル-2-カルボン酸、2’-メチルアダマン-2’-イルエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル-2-カルボン酸、2’-エチルアダマン-2’-イルエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イル-2-カルボン酸、2’-エチルアダマン-2’-イルエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル-2-カルボン酸、シクロヘキシルエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イル-2-カルボン酸、シクロヘキシルエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル-2-カルボン酸、1’-エチルシクロペンチルエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イル-2-カルボン酸、1’-エチルシクロペンチルエステル;
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル-2-カルボン酸、2’-ヒドロキシ-2’,6’,6’-トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3’-イルエステル;及び
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン-6-イル-2-カルボン酸、2’-ヒドロキシ-2’,6’,6’-トリメチルビシクロ[3.1.1]ヘプタン-3’-イルエステルから選択される、態様3に記載のシルセスキオキサン含有組成物。
(態様5)
前記(A)式(I)のシルセスキオキサン樹脂が、1,000~50,000の重量平均分子量(M )を有する、態様1~4のいずれか一項に記載のシルセスキオキサン含有組成物。
(態様6)
前記(B)式(II)のオキサアミンにおいて、
添え字mは、1~5.5の整数であり、
添え字mは、5.5~10の整数であり、
添え字nは1であり、
添え字nは2であり、
添え字nは3であり、
nは1又は2であり、かつR は非置換の(C -C )アルキルであり、
少なくとも1つのR は、独立してHであり、
少なくとも1つのR は、独立して非置換の(C -C 12 )アルキルであり、
少なくとも1つのR は、独立してHであり、
少なくとも1つのR は、独立して非置換である(C -C 12 )アルキルであり、
少なくとも1つのR 及びR は、独立して、非置換の(C -C )アルキルであり、
少なくとも1つのR 及びR は、独立して、非置換の(C -C 12 )アルキルであり、
少なくとも1つのR は、独立して、1、2、又は3つの(C -C 12 )アルコキシ基で独立して置換されている(C -C 12 )アルキルであり、
少なくとも1つのR は、独立して、1つの(C -C 12 )アルコキシ基で独立して置換されている(C -C 12 )アルキルであり、
少なくとも1つのR は、独立して、1つの(C -C )アルコキシ基で独立して置換されている(C -C )アルキルであり、
少なくとも1つのR は、独立して、2つの(C -C 12 )アルコキシ基で独立して置換されている(C -C 12 )アルキルであり、
少なくとも1つのR は、独立して、3つの(C -C 12 )アルコキシ基で独立して置換されている(C -C 12 )アルキルであり、
少なくとも1つのR は、独立して、1、2、又は3つの(C -C )アルコキシ基で独立して置換されている(C -C )アルキルであり、あるいは
少なくとも1つのR は、独立して、1、2、又は3つの(C -C 12 )アルコキシ基で独立して置換されている(C -C )アルキルである、態様1~5のいずれか一項に記載のシルセスキオキサン含有組成物。
(態様7)
前記(B)式(II)のオキサアミンが、
トリ(2-(エチルオキシ)エチル)-アミン;
トリ(1-メチル-エタノール-2-イル)-アミン;
トリ(2-(3’-メチルブチルオキシ)エチル)-アミン;
トリ(2-(ヘキシルオキシ)エチル)-アミン;
トリ(2-(オクチルオキシ)エチル)-アミン;
トリ(2-(メトキシメトキシ)エチル)-アミン;
トリ(2-(メトキシエトキシ)エチル)-アミン;
トリ(2-(2’-エトキシエトキシ)エチル)-アミン;及び
トリ(2-(2’-(2”-メトキシエトキシ)エトキシ)エチル)-アミンから選択される、態様1~5のいずれか一項に記載のシルセスキオキサン含有組成物。
(態様8)
態様1~7のいずれか一項に記載の前記シルセスキオキサン含有組成物と、(C)光酸発生剤とを含むシルセスキオキサン含有組成物であって、前記(C)光酸発生剤が、オニウム塩、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、グリオキシム誘導体、スルホン化合物、スルホネート化合物、又はこれらの任意の2つ以上の組み合わせを含む、シルセスキオキサン含有組成物。
(態様9)
1つ以上の構成成分(D)溶媒又は(E)付着促進剤を独立して更に含む、態様1~8のいずれか一項に記載のシルセスキオキサン含有組成物。
(態様10)
態様1~9のいずれか一項に記載のシルセスキオキサン含有組成物を含む製造品。
(態様11)
基板上にレジスト像を生成する方法であって、前記方法が、
態様1~9のいずれか一項に記載の前記シルセスキオキサン含有組成物を基板の表面に塗布し、これにより、前記基板の前記表面上にその塗布膜を形成することであって、前記シルセスキオキサン含有組成物が、前記(A)シルセスキオキサン樹脂と、前記(B)オキサアミンと、(C)光酸発生剤とを含む、塗布することと、
前記塗布膜を放射線にマスク露光させて、潜像パターンを含む露光膜を作製することと、
前記露光膜を現像して、前記潜像パターンからレジスト像を生成し、前記基板上に配設された前記レジスト像を含む製造品を供与することと、を含む、方法。
(態様12)
前記基板が、ベア半導体ウエハを含み、
前記基板が、下塗りされた半導体ウエハを含み、
前記基板が、ベア半導体ウエハをヘキサメチルジシラザンで下塗りすることによって調製された下塗りされた半導体ウエハを含み、
前記基板が、半導体ウエハを含み、かつ前記シルセスキオキサン含有組成物が、前記半導体ウエハの表面上に直接塗布され、
前記基板が、炭化ケイ素、炭窒化ケイ素、窒化ケイ素、酸化ケイ素、オキシ窒化ケイ素、又はオキシ炭窒化ケイ素を含む表面部分を有する半導体ウエハを含み、かつ前記シルセスキオキサン含有組成物が、前記半導体ウエハの前記表面部分上に直接塗布され、
前記基板が、半導体ウエハの表面上に配設された下層を含み、かつ前記シルセスキオキサン含有組成物が、前記半導体ウエハ上に直接塗布されることなく前記下層上に直接塗布され、
前記塗布工程の前に、前記シルセスキオキサン含有組成物が、(D)溶媒を更に含み、前記塗布工程が、スピンコーティングを含み、
前記塗布膜が、(D)溶媒を更に含み、前記方法が、前記マスク露光工程の前に、前記塗布膜を乾燥させる(ソフトベークする)ことを更に含み、
前記塗布膜が、0.01~5マイクロメートルの厚さを有し、
前記放射線が、紫外(UV)線、X線照射、e-ビーム放射、及び極端紫外(EUV)線から選択され、
前記放射線が、13ナノメートル(nm)~365nmの範囲の波長を有し、
前記放射線が、365nm、248nm、193nm、157nm、又は13nmを含
む波長を有し、
前記現像工程が、前記マスク露光膜を水性塩基を含む現像液と接触させることを含み、
前記方法が、前記マスク露光膜を摂氏30度(℃)から200℃の温度で加熱し、前記現像工程前に前記マスク露光膜を冷却することを更に含み、前記現像工程が、前記冷却されたマスク露光膜を、水性塩基を含む現像液と接触させる工程を含み、あるいは
前記現像工程が、前記マスク露光膜を水性テトラメチルアンモニウムヒドロキシドを含む現像液と接触させることを含む、態様11に記載の基板上にレジスト像を生成する方法。
(態様13)
前記基板が、半導体ウエハの表面上に配設されたハードマスク層を含み、前記シルセスキオキサン含有組成物が、前記半導体ウエハ上に直接塗布されることなく、前記ハードマスク層上に直接塗布され、前記方法が、前記レジスト像を酸素(O )プラズマエッチングし、前記レジスト像を前記ハードマスク層に転写することによって前記ハードマスク層をエッチングし、そして前記半導体ウエハの前記表面上に配設された二層像を含む第1の半導体素子を供与することを更に含み、前記二層像が、レジスト像層とハードマスク像層とを含み、前記半導体ウエハの前記表面の一領域が、前記二層像によって被覆されており、前記半導体ウエハの前記表面の別の領域が非被覆であり、あるいは
前記基板が、半導体ウエハの表面上に配設されたハードマスク層を含み、かつ前記シルセスキオキサン含有組成物が、前記半導体ウエハ上に直接塗布されることなく、前記ハードマスク層上に直接塗布され、前記方法が、(i)前記レジスト像を酸素(O )プラズマエッチングし、前記レジスト像を前記ハードマスク層に転写することによって前記ハードマスク層をエッチングして、前記半導体ウエハの前記表面上に配設された二層像を順次含む第1の半導体素子を供与することであって、前記二層像が、レジスト像層とハードマスク像層とを含み、前記半導体ウエハの前記表面の一領域が、前記二層像によって被覆されており、前記半導体ウエハの前記表面の別の領域が非被覆である、酸素プラズマエッチングすることと、(ii)前記第1の半導体素子の前記半導体ウエハの前記表面の前記非被覆領域をハロゲン含有エッチングして、前記残りの塗布膜、前記ハードマスク層の少なくとも一部、及び前記半導体ウエハの前記非被覆領域の一部(しかし全てではない)を除去することによって、前記二層像を前記半導体ウエハに転写して、基底半導体層上に配設された半導体像を含む第2の半導体素子を供与することと、を更に含む、
態様11又は12に記載の基板上にレジスト像を生成する方法。
(態様14)
態様13に記載の方法によって作製された前記第1又は第2の半導体素子を含む半導体素子。
図1
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図11