(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-18
(45)【発行日】2023-04-26
(54)【発明の名称】コーヒーメーカー
(51)【国際特許分類】
A47J 31/42 20060101AFI20230419BHJP
A47J 31/057 20060101ALI20230419BHJP
【FI】
A47J31/42
A47J31/057
(21)【出願番号】P 2019011309
(22)【出願日】2019-01-25
【審査請求日】2021-11-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000109325
【氏名又は名称】株式会社ツインバード
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100080089
【氏名又は名称】牛木 護
(74)【代理人】
【識別番号】100161665
【氏名又は名称】高橋 知之
(74)【代理人】
【識別番号】100188994
【氏名又は名称】加藤 裕介
(72)【発明者】
【氏名】吉田 勝彦
(72)【発明者】
【氏名】松尾 和則
(72)【発明者】
【氏名】長澤 拓栄
【審査官】松井 裕典
(56)【参考文献】
【文献】実開昭54-097286(JP,U)
【文献】実開昭56-023030(JP,U)
【文献】特開2013-039206(JP,A)
【文献】実開昭56-013672(JP,U)
【文献】実開昭61-201631(JP,U)
【文献】特開2003-061827(JP,A)
【文献】特開昭56-043915(JP,A)
【文献】特開2003-181252(JP,A)
【文献】特開2002-253194(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00-31/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、この本体に設けられるミルと、このミルの排出口の下方に配置される抽出具と、この抽出具に湯を供給するためのノズル体とを有して構成されるコーヒーメーカーにおいて、
前記排出口が前記抽出具の中央部の上方に位置し、前記排出口の下方にコーヒー粉の分散手段が設けられ
、
前記分散手段が、上方に凸となる凸面部を有し、
前記凸面部が、上方に凸となる双半円錐部分を有することを特徴とするコーヒーメーカー。
【請求項2】
本体と、この本体に設けられるミルと、このミルの排出口の下方に配置される抽出具と、この抽出具に湯を供給するためのノズル体とを有して構成されるコーヒーメーカーにおいて、
前記排出口が前記抽出具の中央部の上方に位置し、前記排出口の下方にコーヒー粉の分散手段が設けられ
、
前記分散手段が、上方に凸となる凸面部を有し、
前記ミルが回転刃を有し、この回転刃の回転方向後側に前記凸面部を偏位させたことを特徴とするコーヒーメーカー。
【請求項3】
本体と、この本体に設けられるミルと、このミルの排出口の下方に配置される抽出具と、この抽出具に湯を供給するためのノズル体とを有して構成されるコーヒーメーカーにおいて、
前記排出口が前記抽出具の中央部の上方に位置し、前記排出口の下方にコーヒー粉の分散手段が設けられ
、
前記分散手段が、上方に凸となる凸面部を有し、
前記分散手段が前記凸面部と取付軸とを有し、これら凸面部と取付軸が回転体形状であり且つ金属で一体成形されることを特徴とするコーヒーメーカー。
【請求項4】
前記ミルの
前記排出口の下部に筒状体が設けられ、この筒状体に前記分散手段が設けられることを特徴とする請求項1
~3のいずれか1項に記載のコーヒーメーカー。
【請求項5】
前記凸面部が、上方に凸となる双半円錐部分を有することを特徴とする請求項
2又は3記載のコーヒーメーカー。
【請求項6】
前記凸面部が、軸が水平な双円錐であることを特徴とする請求項
1又は5記載のコーヒーメーカー。
【請求項7】
前記ミルが回転刃を有し、この回転刃の回転方向後側に前記凸面部を偏位させたことを特徴とする請求項
3記載のコーヒーメーカー。
【請求項8】
前記分散手段が導電材料で構成され、前記本体に電荷を一時的に貯める貯電部材が設けられ、前記分散手段が前記貯電部材と電気的に接続されることを特徴とする請求項1
~3のいずれか1項に記載のコーヒーメーカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ミルを有するドリップ式のコーヒーメーカーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のコーヒーメーカーとしては、外装ケース(本願発明の本体に相当する)内に粉砕部(本願発明のミルに相当する)が設けられ、この粉砕部のコーヒー粉排出口の下方に抽出部(本願発明の抽出具に相当する)が設けられると共に、この抽出部に湯を注ぐ出湯口(本願発明のノズル体)が前記粉砕部のコーヒー粉排出口に隣接して設けられるコーヒーメーカーが知られている(例えば、特許文献1参照)。また、本体内にミル部(本願発明のミルに相当する)が設けられ、このミル部の通路部(本願発明のコーヒー粉排出口に相当する)の下方に抽出部(本願発明の抽出具に相当する)が設けられると共に、湯が前記通路部を通って前記抽出部に注がれるコーヒーメーカーも知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-125252号公報
【文献】特開2016-214437号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ハンドドリップによってコーヒーを美味しく淹れるために、幾つかの方法が提案されている。何れの淹れ方でも、共通して、抽出具内のコーヒー粉が平らになるようにされる。この条件をコーヒーメーカーで再現することができれば、美味しいコーヒーを抽出することができると期待される。
【0005】
しかしながら、前者のようなコーヒーメーカーでは、コーヒー粉が抽出部内で山状になることで、コーヒーを良好に抽出することが難しいという問題があった。一方、後者のようなコーヒーメーカーでは、コーヒー粉が抽出部内で山状になるばかりでなく、コーヒー粉が抽出部内で偏った貯まり方をすることで、コーヒーを良好に抽出することが難しいという問題があった。
【0006】
本発明は以上の問題点を解決し、抽出具内のコーヒー粉の偏りを軽減して、美味しいコーヒーを抽出することができるコーヒーメーカーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に記載のコーヒーメーカーは、本体と、この本体に設けられるミルと、このミルの排出口の下方に配置される抽出具と、この抽出具に湯を供給するためのノズル体とを有して構成されるコーヒーメーカーにおいて、前記排出口が前記抽出具の中央部の上方に位置し、前記排出口の下方にコーヒー粉の分散手段が設けられ、前記分散手段が、上方に凸となる凸面部を有し、前記凸面部が、上方に凸となる双半円錐部分を有するものである。
【0008】
また、本発明の請求項2に記載のコーヒーメーカーは、本体と、この本体に設けられるミルと、このミルの排出口の下方に配置される抽出具と、この抽出具に湯を供給するためのノズル体とを有して構成されるコーヒーメーカーにおいて、前記排出口が前記抽出具の中央部の上方に位置し、前記排出口の下方にコーヒー粉の分散手段が設けられ、前記分散手段が、上方に凸となる凸面部を有し、前記ミルが回転刃を有し、この回転刃の回転方向後側に前記凸面部を偏位させたものである。
【0009】
また、本発明の請求項3に記載のコーヒーメーカーは、本体と、この本体に設けられるミルと、このミルの排出口の下方に配置される抽出具と、この抽出具に湯を供給するためのノズル体とを有して構成されるコーヒーメーカーにおいて、前記排出口が前記抽出具の中央部の上方に位置し、前記排出口の下方にコーヒー粉の分散手段が設けられ、前記分散手段が、上方に凸となる凸面部を有し、前記分散手段が前記凸面部と取付軸とを有し、これら凸面部と取付軸が回転体形状であり且つ金属で一体成形されるものである。
【0010】
また、本発明の請求項4に記載のコーヒーメーカーは、請求項~3のいずれか1項において、前記ミルの前記排出口の下部に筒状体が設けられ、この筒状体に前記分散手段が設けられるものである。
【0011】
また、本発明の請求項5に記載のコーヒーメーカーは、請求項2又は3において、前記凸面部が、上方に凸となる双半円錐部分を有するものである。
【0012】
また、本発明の請求項6に記載のコーヒーメーカーは、請求項1又は5において、前記凸面部が、軸が水平な双円錐のものである。
【0013】
また、本発明の請求項7に記載のコーヒーメーカーは、請求項3において、前記ミルが回転刃を有し、この回転刃の回転方向後側に前記凸面部を偏位させたものである。
【0014】
更に、本発明の請求項8に記載のコーヒーメーカーは、請求項1~3のいずれか1項において、前記分散手段が導電材料で構成され、前記本体に電荷を一時的に貯める貯電部材が設けられ、前記分散手段が前記貯電部材と電気的に接続されるものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の請求項1~3に記載のコーヒーメーカーは、以上のように構成することにより、コーヒー粉が前記抽出具内で山状にならないようにして偏りを軽減できるので、コーヒーを良好に抽出することができる。
【0016】
また、前記ミルの排出口の下部に筒状体が設けられ、この筒状体に分散手段が設けられることにより、構造を簡単にできるので、安価に作製することができる。
【0017】
また、前記分散手段が、上方に凸となる凸面部を有することにより、コーヒー粉が前記抽出具内で山状にならないようにして偏りを軽減できるので、これにより、コーヒーをより良好に抽出することができる。
【0018】
また、前記凸面部が、上方に凸となる双半円錐部分を有することにより、前記凸面部上にコーヒー粉が残り難くすることができる。
【0019】
また、前記凸面部が、軸が水平な双円錐であることにより、コーヒー粉が前記抽出具内で山状にならないように均等に溜められると共に、前記分散手段の水平軸を中心として、いかなる角度で取付けても、上方に凸となる双半円錐部分を有することができるので、より安定した分散の効果が得られ、これにより、コーヒーをより良好に抽出することができる。
【0020】
また、ミルが回転刃を有し、この回転刃の回転方向後側に前記凸面部を偏位させたことにより、コーヒー粉がより多く排出される場所に分散手段を設けることができるので、前記コーヒー粉の分散をより効率的に行うことができる。
【0021】
また、分散手段が凸面部と取付軸とを有し、これら凸面部と取付軸が回転体形状であり且つ金属で一体成形されることにより、取付軸を細くすることができ、この取付軸がコーヒー粉の排出の妨げになることを抑えることができるばかりでなく、製造が容易で且つ強度を高めることができる。
【0022】
更に、前記分散手段が導電材料で構成され、前記本体に電荷を一時的に貯める貯電部材が設けられ、前記分散手段が前記貯電部材と電気的に接続されることにより、前記ミルによって挽かれて帯電したコーヒー粉が前記分散手段に接触すると、前記コーヒー粉の電荷が前記分散手段から導電材料を通じて、前記貯電部材に移動した後、この貯電部材から外部に自然放電される。この結果、コーヒー粉同士が反発し難くすることができるので、コーヒー粉が抽出具から漏れ難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施例1を示すコーヒーメーカーの前後方向の縦断面図である。
【
図7】同上、上部部分を取り外した状態の斜視図である。
【
図14】本発明の実施例2を示す分散手段と筒状体の側面図である。
【
図15】本発明の実施例3を示す分散手段と筒状体の側面図である。
【
図16】本発明の実施例4を示す分散手段と筒状体の側面図である。
【
図17】本発明の実施例5を示す分散手段と筒状体の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例1】
【0025】
以下、本発明の実施例1について、
図1~
図13に基づいて説明する。1は、電動ミル付きのコーヒーメーカーである。このコーヒーメーカー1の本体たるケース本体2は、後側の立設部3と、この立設部3の下部と一体的に設けられた基部4と、前記立設部3の上部と一体的に設けられた前側の庇部5とを備える。そして、これら立設部3と基部4と庇部5は、それぞれ合成樹脂からなる。また、前記基部4の前部は、載置部4Aとなる。そして、前記立設部3には、貯水部6が設けられる。
【0026】
前記貯水部6の底部には、
図1に示すように、前記貯水部6内の水を加熱する加熱手段7が設けられる。また、前記ケース本体2には、前記加熱手段7により加熱して得られた湯を、抽出具としてのドリッパー8に送る送湯手段9が設けられる。なお、この送湯手段9としては、ポンプ等が例示される。
【0027】
また、前記ドリッパー8は、前記庇部5の下方に配置される。そして、前記ドリッパー8内には、抽出具としてのペーパーフィルター10が交換可能に配置される。
【0028】
前記載置部4Aは、上方が開口すると共に、この開口を塞ぐように、略平面状の加熱板11が設けられる。そして、この加熱板11の下面には、ヒーター12が熱的に接して設けられる。
【0029】
前記加熱板11上には、飲料サーバー13が着脱可能に載置される。この飲料サーバー13は、上方が開口した耐熱ガラス製の容器本体14と、この容器本体14の側板に取り付けられた合成樹脂製の把持部15と、前記容器本体14の上部開口を覆う合成樹脂製の蓋体16とを備える。
【0030】
前記立設部3の前方には、前記載置部4Aの飲料サーバー13の上方に、上からミル17と、ノズル体たる湯供給部18と、抽出具たる前記ドリッパー8と、前記飲料サーバー13とが配置される。また、前記ミル17は、前記ケース本体2の取付凹部19に対して着脱可能に取り付けられる。なお、前記取付凹部19は前記庇部5の上面前側に形成される。更に、前記湯供給部18は、前記庇部5の下部側に位置する。
【0031】
前記ケース本体2には、導電材料からなる接触部材たる導電レバー21が設けられる。そして、前記ドリッパー8は、導電材料、好ましくは導電性合成樹脂から構成される。前記ドリッパー8は、
図1に示すように、前記ミル17からコーヒー粉が供給される位置で前記導電レバー21に接触する。一方、前記ケース本体2には、電荷を一時的に貯める貯電部材たる導電材料製の底板22が設けられる。この例では、前記底板22はステンレス板により構成される。そして、この底板22は、導線23を介して前記導電レバー21と電気的に接続される。なお、前記底板22は平板状をなし、前記ケース本体2の外面に露出する。
【0032】
また、ステンレス製の前記底板22は、前記ケース本体2を構成する合成樹脂より比重が大きいので、錘になる。このため、前記コーヒーメーカー1を安定して設置することができる。
【0033】
前記底板22は、
図1に示すように、ケース本体2の底面を構成する。そして、前記底板22と前記導電レバー21とは、前述したとおり、前記導線23により電気的に接続される。
【0034】
前記ミル17は、コーヒー豆を粉砕するものである。そして、前記ミル17は、上部に投入口24を有するホッパー25を備えると共に、前記投入口24を開閉するミル蓋体26を備える。また、前記ホッパー25にはコーヒー豆が投入され、このコーヒー豆は、シューター部27に送られる。このシューター部27に送られたコーヒー豆は、ミルモーター35(
図7)により回転させられるミルスクリュー29により回転刃30と固定刃31との間に向けて送られる。更に、コーヒー豆は、前記回転刃30と固定刃31との間で挽かれて、前記コーヒー粉(挽き豆)となる。なお、
図2において、前記回転刃30は反時計回り方向に回転する。また、本実施例のミル17は、金属製円板からなる前記回転刃30と固定刃31を用いる臼歯式であるが、ブレードが回転してコーヒー豆を挽くタイプのミルであってもよい。
【0035】
また、前記ミル17の下部には排出口たる落下口32が一体に設けられ、この落下口32から前記コーヒー粉が前記ドリッパー8内に落下供給される。なお、前記落下口32は円筒状である。
【0036】
前記ミルモーター35は、前記ケース本体2に内蔵される。前記ミルモーター35により回転駆動するミル駆動ギア36は、前記取付凹部19に臨んで設けられると共に、前記ミル駆動ギア36に噛合するミル従動ギア37がミル17に設けられる。そして、前記ミル17を前記取付凹部19に着脱することにより、前記ミル駆動ギア36とミル従動ギア37の噛合と噛合解除とが行われる。
【0037】
また、前記ミル17には、
図1に示すように、前記コーヒー粉の粉砕度合(粒度)を調整する粒度調整手段38が設けられ、操作部である回動式のダイヤル39を有する。前記粒度調整手段38は、前記回転刃30の前面と固定刃31の後面との間隔を調整することにより、コーヒー粉の粉砕度合を調整するものである。そして、前記ダイヤル39を回動させることにより、前記回転刃30の前面と固定刃31の後面との間隔を調整することができる。
【0038】
前記載置部4Aの前部には、斜めの前面部41が設けられる。この前面部41には、前記コーヒーメーカー1を使用する際に操作されるスイッチ42が複数配置される。また、
図4などに示すように、前記載置部4Aの右側面には、電源のオン・オフを操作する電源スイッチ43が配置され、家庭用電源によりコーヒーメーカー1が駆動する。
【0039】
前記落下口32が前記ドリッパー8の中央部の上方に位置する。また、ノズル体たる前記湯供給部18は、前記落下口32を中心に回転可能に設けられる環状のノズル本体51と、このノズル本体51の下部に設けられる吐出口52とを有すると共に、
図2に示すように、前記ノズル本体51を回転させるための電動機たるノズル用のモーター53を有する。
【0040】
前記ノズル本体51は、前記庇部5の庇部底板5Kの下面に着脱可能で且つ回転可能に設けられ、前記庇部底板5Kの下面には、前記ノズル本体51の周囲を囲む取付筒状部54が下方に突設される。
【0041】
前記ノズル本体51は、
図6及び
図11などに示すように、円環状の底板部55と、この底板部55の周囲から上方に突設された周壁部56と、この周壁部56の外面に一体に設けられた複数の歯部57から構成された従動ギア58とを備える。なお、この従動ギア58の回転中心は縦方向をなす。また、前記底板部55は、その中心を挟んで、一側(
図11における左側)が、他側(
図11における右側)よりもやや低くなるように形成される。
【0042】
前記ノズル本体51は、前記ミル17の前記落下口32を中心として回転する。前記ノズル本体51の中心には、前記落下口32に対応して、上方に向かって中央筒部61が突設される。この中央筒部61の内部には上下に貫通する透孔が設けられると共に、前記中央筒部61の上縁内周には内鍔部62が周設される。そして、前記ノズル本体51内には、湯が供給される湯受け空間63が設けられる。また、前記底板部55には筒体64が縦設され、この筒体64の内部には貫通した透孔が形成される。この透孔はオーバーフロー孔65であり、何らかの理由で前記吐出口52が詰まった際に前記湯受け空間63内の湯を排出するためのものである。なお、前記湯受け空間63には、前記筒体64の上端まで湯を入れることができる。また、
図1において、符号Sは、前記落下口32の中心であり、この中心Sは前記ノズル本体51の回動中心でもある。そして、前記中心Sは、前記ドリッパー8の中心と略一致する。
【0043】
また、前記庇部底板5Kには、受筒部66が下方に向かって突設される。この受筒部66の内部には、上下に貫通する透孔が設けられる。そして、前記受筒部66の上部には、庇部底板5Kより一段低い上向きの段部67が設けられる。なお、前記受筒部66は、前記取付筒状部54と同心円状に配置される。また、前記受筒部66は、前記落下口32の下方で、この落下口32と中心Sを同一とする。
【0044】
図5及び11などに示すように、前記ノズル本体51の前記底板部55には、複数(3個)のノズル71,71A,71Bが一体に形成される。これらノズル71,71A,71Bには、それぞれ前記吐出口52が設けられる。これらの吐出口52は、前記ノズル本体51の回動中心Sに向けて斜設される。
【0045】
この例では、3個のノズル71,71A,71Bが、前記底板部55に、中心Sを中心とした周方向に等間隔で近接して配置され、更に、3個のノズル71,71A,71Bが前記底板部55の径方向にずらして配置される。即ち、3個のノズル71,71A,71Bは前記中心Sから異なる位置にある。具体的には、周方向に隣り合うノズル71,71Aは、周方向一方側のノズル71が周方向他方側のノズル71Aよりも中心Sから離れた位置にある。同様に、周方向に隣り合うノズル71A,71Bは、周方向一方側のノズル71Aが周方向他方側のノズル71Bよりも中心Sから離れた位置にある。なお、複数の71,71A,71Bは、ノズル本体51の中心Sに対して、平面視で90°以内の範囲に配置される。
【0046】
また、前記各ノズル71,71A,71Bは、
図11に示すように、前記底板部55の一側に配置され、また、前記筒体64は、前記底板部55の他側に配置される。そして、前記ノズル本体51の前記湯受け空間63に湯を供給すると、この湯受け空間63内の湯が少量になっても、前記底板部55の低い側に設けられた前記各ノズル71,71A,71Bへと湯が集まる。なお、複数のノズル71,71A,71Bの吐出口52,52,52は、前記回動中心Sに対して、同じ角度をなして斜設される。
【0047】
従って、後述するように、前記ノズル本体51が回転している状態で、複数の前記ノズル71,71A,71Bから吐き出された湯は、前記ドリッパー8の中心から異なる位置
に落下する。即ち、複数の前記ノズル71,71A,71Bから吐き出された湯は、前記回動中心Sを中心とした同心円を描く。従って、前記ドリッパー8に均一に湯を供給することができる。
【0048】
前記庇部底板5Kの受筒部66には、
図6などに示すように、上方から上部の取付部材72が取り付けられる。この取付部材72は、本体側筒部73と、押さえ鍔部74と、外筒部75と、外鍔部76とを一体に有する。前記本体側筒部73は、前記ノズル本体51の前記内鍔部62に挿入される。また、前記押さえ鍔部74は、前記本体側筒部73の高さ方向中央に周設される。また、前記外筒部75は、前記押さえ鍔部74の外周に突設されると共に、前記本体側筒部73と同心円に形成される。更に、前記外鍔部76は、前記外筒部75の上縁に設けられて、前記段部67内に嵌入される。そして、前記本体側筒部73と外鍔部76との間に、上部が開口したリング状の溝部77が設けられる。
【0049】
前記外鍔部76には、外周側に膨出する一対の膨出部76A,76Aが設けられ、これら一対の膨出部76A,76Aに取付ボス部78と接続ボス部79が突設される。また、前記溝部77内には、弾性を有するシール部材80が配置される。
【0050】
そして、上方から前記受筒部66内に前記本体側筒部73を挿入すると共に、前記外鍔部76を前記段部67に載せ、取付ボス部78に挿通したビス78A(
図7)を庇部底板5K側の図示しないビス孔に螺合することにより、前記庇部底板5Kに前記取付部材72が取り付けられる。そして、前記取付部材72の取付状態で、前記本体側筒部73の下部が受筒部66の下端から下方に突出する。
【0051】
取付状態の前記取付部材72には、
図6などに示すように、下部の取付部材である筒状体81が着脱可能に設けられる。この筒状体81は、前記ノズル本体51をケース本体2に取り付けるための取付体である。前記筒状体81は、バヨネット結合などの回動結合機構82(
図11)により前記本体側筒部73に着脱可能に取り付けるための取付筒部83を有する。この取付筒部83には、後述する分散手段101を取り付ける取付腕部84が下方に伸びて一体に突設される。なお、この取付腕部84は角柱状をなす。このように、前記ミル17の排出口である落下口32の下部に設けられる前記筒状体81に分散手段101が設けられることにより、構造を簡単にできるので、分散手段101を取り付けるための構造体を安価に作製することができる。また、前記取付筒状部54内には、前記モーター53により回転する駆動ギア(図示せず)の一部が臨んで設けられ、この駆動ギアが前記ノズル本体51の前記従動ギア58に歯合する。
【0052】
そして、前記ノズル本体51の中央筒部61に、前記取付部材72の本体側筒部73を挿通して前記ノズル本体51を前記周壁部56内に配置すると共に、前記駆動ギアに前記従動ギア58を歯合させ、前記本体側筒部73の下部に前記取付筒部83を取り付ける。これにより、前記ノズル本体51の内鍔部62が前記押さえ鍔部74と取付筒部83の上端により上下から挟まれて保持される。この結果、前記ケース本体2に対して前記本体側筒部73を中心に前記ノズル本体51が回転可能に取り付けられる。なお、前記押さえ鍔部74は、前記ノズル本体51の回転支持部たる内鍔部62の浮き上がりを防止する押さえ部である。そして、前記筒状体81を前記ケース本体2に取り付けた状態で、前記落下口32と取付筒部83が連通する。
【0053】
なお、前記送湯手段9から前記送液路(図示せず)を通して前記湯受け空間63に湯が送られる。この場合、前記ノズル本体51の湯受け空間63に対応して、前記庇部底板5Kに湯供給筒(図示せず)が設けられ、この湯供給筒を通って前記ノズル本体51の上部開口から前記湯受け空間63に湯が供給される。
【0054】
前記庇部底板5Kの上面には複数のボス部(図示せず)が設けられ、これらボス部に平面長方形形状の接続筒取付体86が固定される(
図7)。この接続筒取付体86はシャッターカバーであり、後述するシャッター91の上部を覆って設けられる。前記接続筒取付体86には、前記本体側筒部73に対応して、接続筒87が一体に設けられる。また、この接続筒87には、前記ミル17の前記落下口32が着脱可能に挿入接続される。そして、前記ミル17を前記取付凹部19に取り付けることにより、前記接続筒87内に前記落下口32が挿入接続される。
【0055】
また、前記接続筒87の下方には、この接続筒87の下端を開閉するシャッター91が設けられる。このシャッター91は板片状をなし、前記庇部底板5Kの上面に沿って水平方向に進退して前記落下口32を開閉する。このために、前記シャッター91には前記接続筒87に連通する透孔91Tが穿設される。また、
図11に示すように、前記庇部底板5Kの上面には、前記シャッター91を幅方向から挟んで案内する案内枠部92が設けられる。また、前記シール部材80は、前記シャッター91の下面に接する。これによって、前記シール部材80がシャッター91の下面と前記庇部底板5Kの上面との間の隙間を塞ぐ。なお、前記シャッター91は、前記シール部材80に摺動して進退する。
【0056】
前記ケース本体2は、
図7に示すように、前記シャッター91を駆動するためのシャッター駆動手段93を備える。このシャッター駆動手段93は、モーター94と前記シャッター91の前進位置と後退位置を検出する検出手段95を備える。なお、前記シャッター91は、前記コーヒーメーカー1の左斜め前から右斜め後に進退する。
【0057】
そして、前記モーター94の駆動により、前記シャッター91が前進して前記接続筒87と前記シャッター91の透孔91Tが連通することで、前記接続筒87が開成された状態になる(シャッター91の前進位置)。ここから前記モーター94が更に駆動すると、前記シャッター91が後退して前記接続筒87と前記シャッター91の透孔91Tとの位置がずれ、前記接続筒87が閉成する(シャッター91の後退位置)。なお、前記シャッター91の前進位置及び後退位置を前記検出手段95が検出することで、前記モーター94の駆動が制御される。
【0058】
排出口たる前記落下口32の下方には、コーヒー粉の分散手段101が設けられる。この分散手段101は、前記筒状体81に設けられる。前記分散手段101は、前記落下口32の下方に配置する分散部たる凸面部102と、この凸面部102を前記筒状体81に固定する固定部103とを有する。なお、
図5では、前記本体側筒部73,前記筒状体81及び前記分散手段101を図示省略している。また、前記凸面部102は、取付状態において、上に凸となる面を有する部材である。
【0059】
また、前記落下口32から前記取付筒部83の下端までが、前記ケース本体2内の内部落下路33であり、前記取付筒部83の下端から前記ドリッパー8の内部までが、外部落下路34である。これら内部落下路33と外部落下路34をコーヒー粉が落下する。そして、前記外部落下路34において、前記取付筒部83の下端より下方で且つ前記ドリッパー8の上縁より上方に前記分散手段101を設けたから、コーヒー粉の分散効果を確保できる。
【0060】
図1などに示すように、装着状態の前記ドリッパー8と前記ノズル本体51との間には、隙間105が設けられる。そして、この隙間105から、前記ドリッパー8内のコーヒー粉に湯が注がれて膨らむ様子を見せる演出効果が得られる。
【0061】
図1に示すように、前記飲料サーバー13の蓋体16には、前記ドリッパー8の下部を装着する装着受け部106が設けられる。また、前記ドリッパー8の下部側には、前記蓋体16の前記装着受け部106に装着する装着部107が設けられる。そして、前記蓋体16の装着受け部106に、前記ドリッパー8の下部の装着部107を遊嵌することにより、前記飲料サーバー13に前記ドリッパー8を安定して装着することができる。
【0062】
また、前記容器本体14の底板部108には、該容器本体14より径小なリング状の段差部109が下方に膨出形成され、この段差部109が遊嵌するリング状の内縁枠110が、前記加熱板11の上面に突出形成される。従って、前記加熱板11の上面に前記飲料サーバー13を載置すると、前記内縁枠110内に前記段差部109が嵌り、前記飲料サーバー13の水平位置が位置決めされる。
【0063】
前記ドリッパー8は、導電材料たる導電性合成樹脂からなり、
図1などに示すように、前後方向に細長く形成された底部111と、この底部111の周囲から上方に向かって略テーパー状に拡大形成された側板部112と、この側板部112の上縁前部に設けられた横方向の把持部113とを一体に備える。なお、前記把持部113は板片状をなす。
【0064】
図2及び
図3に示すように、前記側板部112の内周には、複数のリブ部114が周方向に間隔をおいて突出形成される。このように、複数の前記リブ部114を縦設することにより、前記ペーパーフィルター10の外周は、前記側板部112に密着することなく、複数の前記リブ部114に部分的に接触する。
【0065】
図1に示すように、前記底部111には、抽出されたコーヒー液が落下する複数の透孔115が穿設される。これら複数の透孔115は、前記蓋体16にドリッパー8を装着した状態で、前記蓋体16の中央開口部16Aに連通する。
【0066】
前記透孔115の下端は、前記底部111の下面から下方に突出した筒部116の内部に形成される。このように、前記筒部116を設けることにより、前記透孔115を落下するコーヒー液が前記底部111の下面に回り込むことなく、前記筒部116の下端から下方へ落下する。
【0067】
前記導電レバー21は、金属製の線材を略U字形に屈曲して形成される。詳述すると、前記導電レバー21は、縦方向の左右の腕部121,121の下端を湾曲状の横部122により連結し、左右の前記腕部121,121の縦方向中央に屈曲部123,123を設けて形成される。この結果、前記導電レバー21は、正面視で略コ字形であり、側面視で略へ字状である。そして、
図13に示す前記導電レバー21の待機位置で、前記腕部121,121の上部が略垂直な縦方向になると共に、前記腕部121,121の下部が斜め前向きになるように構成される。
【0068】
また、前記庇部5の庇部底板5Kの後側には、前記導電レバー21が遊挿配置された開口部124が設けられる。この開口部124の近傍において、左右方向の枢軸部(図示せず)により、前記導電レバー21が前記ケース本体2に揺動可能に枢着される。なお、前記開口部124には、前記腕部121,121の上部が挿通され、これらの腕部121,121の上端側が前記ケース本体2内に配置される。
【0069】
そして、
図1に示す前記ドリッパー8の装着状態では、このドリッパー8に押された前記導電レバー21は、下部側が後方に移動するように回動し、前記横部122が前記ドリッパー8の側板部112の外面に当接する。一方、前記腕部121は前記ドリッパー8に当接しない。
【0070】
前記コーヒーメーカー1は、前記電源スイッチ43がオンであっても、前記導電レバー21が待機位置にある場合、前記ミル17,サーバー加熱手段たる前記ヒーター12及び
前記送湯手段9が作動しないように制御される。一方、前記導電レバー21がドリッパー装着位置にある場合、電気で駆動する装置の全てを駆動することができる。
【0071】
前記導電レバー21の上端には、固定手段たるビス(図示せず)により、前記導線23の一端が連結される。また、前記導線23の他端は、固定手段たるビス132とナット133により、前記底板22の上面に連結される。このように、前記導線23は、前記ケース本体2に内蔵される。また、前記底板22は、前記ケース本体2の底面全体を構成するように広く形成される。そして、前記底板22の前後左右には、合成樹脂製の脚部134が設けられる。なお、前記導線23は、前記導電レバー21を可動にする程度の可撓性を有する。
【0072】
図13などに示すように、左右の前記腕部121,121の上部には、合成樹脂製のホルダー135が外嵌される。このホルダー135は、ビスにより前記腕部121,121に固定される。なお、前記導線23は前記腕部121,121に電気的に接続される。
【0073】
また、前記開口部124には、シリコンゴムやエラストマー樹脂等からなるシール部材136が設けられ、このシール部材136に前記左右の前記腕部121,121が挿通される。この結果、左右の前記腕部121,121は、水密状態で前記開口部124に挿通されると共に、前記シール部材136が弾性変形することにより揺動可能となる。
【0074】
また、前記導電レバー21を待機位置側に回動付勢する付勢手段たるコイルスプリング(図示せず)が設けられる。なお、前記ホルダー135がケース本体2側のストッパ(図示せず)に当接することにより、前記導電レバー21のそれ以上の揺動が阻止されるので、前記導電レバー21が待機位置に位置決めされる。
【0075】
また、前記ケース本体2には、接触検知スイッチ139が設けられる。前記導電レバー21が
図13に示す待機位置にある場合、前記ホルダー135の検知部135Aの凹部に前記接触検知スイッチ139の作動子139Sが当接して、前記スイッチ139がオフ状態となる。この結果、前記接触検知スイッチ139により、前記導電レバー21が待機位置であることが検知される。一方、前記導電レバー21が
図1及び
図4に示す、前記ドリッパー8の装着位置にある場合、前記導電レバー21が揺動し、前記作動子139Sが前記検知部135Aの凸部に押されて、前記接触検知スイッチ139がオンになる。この結果、前記接触検知スイッチ139により、前記導電レバー21が装着位置であることが検知される。
【0076】
このように、前記導電レバー21は、前記ドリッパー8の有無、即ち、前記蓋体16に前記ドリッパー8が装着された状態で、前記飲料サーバー13が前記加熱板11に載せられたか否かを検知する検知手段を兼ねる。
【0077】
上述したように、前記導電レバー21は、待機位置と装着位置との間で揺動する。この際、前記シール部材136が変形することにより、前記開口部124における水密性が確保されるので、該開口部124からケース本体2の内部に湯気や埃が侵入することが防止される。
【0078】
次に、本発明の特徴構成である前記分散手段101の詳細について説明する。この例では、前記凸面部102は双円錐である。双円錐とは、2つの円錐部分141,141を合同な底面同士で連結して一体化した立体であり、2つの円錐部分141,141の連結箇所が赤道面142となる。そして、この赤道面142は円形である。端的に言えば、双円錐とは、算盤の珠のような形状である。なお、本例では、2つの円錐部分141,141は合同である。また、前記双円錐の軸たる中心軸143を水平方向に配置した状態で、前記凸面部102の上半分が双半円錐部分144である。また、前記凸面部102は、前記中心軸143を中心とした回転体形状をなす。
【0079】
前記中心軸143は、前記ケース本体2の左右方向に配置される。この左右方向の中心軸143に対して、前記ケース本体2の前後方向に配置された前記回転刃30の軸芯は交差方向、この例では直交方向に配置される。また、双円錐である前記凸面部102は、前記中心軸143を含む垂直面に対して面対称をなす。なお、以下に説明する他の実施例の凸面部も同様に面対称をなす。
【0080】
前記円錐部分141の先端部146の角度θは略90度である。また、前記先端部146は使用者が触る可能性があるので、安全のため湾曲状に形成される。同様に、前記赤道面142の外周は、面取り加工が施され、円錐部分141,141の側面同士のなす角度θSは略90度である。このように、角度θを設定することにより、凸面部102の上部にコーヒー粉が溜まることを防止でき、凸面部102上にコーヒー粉が残り難くなる。なお、この例のように2つの合同な円錐部分141,141からなる双円錐の場合、前記角度θSにより前記角度θが決まる。
【0081】
前記固定部103は、前記凸面部102と一体に設けられた取付軸151を備え、この取付軸151は前記中心軸143と同軸状である。従って、一体に形成された前記取付軸151と凸面部102は、前記中心軸143を中心とした回転体形状をなす。このように、前記取付軸151と凸面部102を、前記中心軸143を中心とした回転体形状とすることで、水平軸である前記中心軸143を中心として、いかなる角度で前記取付腕部84に前記分散手段101を取り付けても、上方に凸となる双半円錐部分144を有することができるので、より安定した分散の効果が得られる。また、前記取付軸151と凸面部102を、前記中心軸143を中心とした回転体形状で且つ金属で一体成形することにより、製造が容易で且つ強度を高めることができる。
【0082】
前記取付軸151を一体に設けた凸面部102は導電材料からなり、この例では真鍮製である。なお、前記取付軸151は円柱形状をなし、この取付軸151の直径は、前記凸面部102の直径の1/3以下、好ましくは1/4以下であり、金属製としたことにより強度を確保できるため、このように取付軸151を細いものにすることができる。そして、このように前記取付軸151を細くすることができるので、前記取付軸151がコーヒー粉の排出の妨げになることを抑えることができる。
【0083】
前記取付軸151の基端側には、前記筒状体81の取付腕部84への取付部が設けられる。この取付部は、取付軸151の基端に設けられた雄螺子部152と、この雄螺子部152に螺合するナット153と、前記筒状体81の取付腕部84の内面に当接する鍔部154とを備える。また、前記取付筒部83の取付腕部84の下部側には、前記雄螺子部152が挿通される透孔156と、この透孔156に連通して前記取付腕部84の外面側に形成される収納凹部157とが設けられる。この収納凹部157に前記ナット153が収納されると共に、このナット153が前記収納凹部157の内面に係合して回り止め状態となる。なお、前記透孔156は前記取付筒部83の直径方向に形成される。また、前記鍔部154とナット153により前記取付腕部84を締め付けて、この取付腕部84に前記分散手段101を固定する締付固定手段を構成している。
【0084】
前記分散手段101を前記筒状体81に取り付ける際には、前記収納凹部157内にナット153を配置し、内側から前記透孔156に挿通した前記雄螺子部152を前記ナット153に螺合させ、このナット153と前記鍔部154により前記透孔156の周囲を締め付けて固定する。このように、前記取付軸151と共に前記凸面部102を回して前記分散手段101の取り付けを行っても、この分散手段101が回転体形状をなすため、前記中心軸143を中心とした前記凸面部102の向きを気にすることなく、取り付けることができる。
【0085】
前記回動結合機構82の本体側は、
図12に示すように、上部の前記取付部材72の本体側筒部73の下端外周に幅狭な突起状嵌合部161と幅広な突起状嵌合部162を設け、これら突起状嵌合部161,162は板片状をなし、周方向に離れて対向した位置に配置される。
【0086】
また、前記回動結合機構82の筒状体81側は、
図8及び
図9などに示すように、前記筒状体81の取付筒部83の上部に嵌合受け部163,164を設け、前記筒状体81を回動することにより、前記嵌合受け部163,164に前記突起状嵌合部161,162が着脱可能に連結される。
【0087】
前記嵌合受け部163,164について詳述する。前記筒状体81の取付筒部83の上端内周には、前記本体側筒部73に外嵌する外嵌部165が設けられる。この外嵌部165は、前記取付筒部83の下部側に比べて内面側に膨出して肉厚に形成される。そして、前記外嵌部165の内面側に、前記突起状嵌合部161,162を取付筒部83の中心軸方向から挿通する挿通溝部166,166Aがそれぞれ設けられる。また、これら挿通溝部166,166Aの下部の周方向一側には、前記突起状嵌合部161,162の上面が係止する下向き段部167,167Aが略水平に設けられる。更に、これら下向き段部167,167Aの反挿通溝部側には、前記突起状嵌合部161,162の縁部が当接する当接部168,168Aがそれぞれ設けられる。そして、
図11に示すように、前記筒状体81を前記本体側筒部73に取り付けた状態で、前記取付筒部83の上縁面83Jが前記内鍔部62の下面に当接し、前記上縁面83Jにより前記ノズル本体51が回転可能に支持される。
【0088】
このように、前記筒状体81の取付筒部83の上縁面83Jは、前記ノズル本体51の中央部である前記内鍔部62を回転可能に支持する回転支持部であり、前記内鍔部62が被回転支持部である。なお、前記取付筒部83の外周には滑り止め部たる凹部83Sが周方向に間隔を置いて縦設されるので、前記筒状体81の回動操作が容易となる。
【0089】
また、前記取付部材72は、前記膨出部76A,76Aを有する外鍔部76が前記段部67に内嵌することにより、突起状嵌合部161,162が位置決めされた状態で前記ケース本体2に取り付けられる。そして、前記突起状嵌合部161,162の上面が前記下向き段部167,167Aに係止すると共に、前記突起状嵌合部161,162の縁部が前記当接部168,168Aに当接した取付状態で、前記分散手段101の中心軸143が左右方向に位置決めされるように、前記回動結合機構82が構成される。
【0090】
従って、上述したように、前記本体側筒部73に前記ノズル本体51をセットした後、下方から前記本体側筒部73の突起状嵌合部161,162に前記挿通溝部166,166Aを挿通し、前記筒状体81を
図9の矢印方向に回すことにより、前記嵌合受け部163,164に前記突起状嵌合部161,162が嵌合し、前記突起状嵌合部161,162の縁部が前記当接部168,168Aに当接する位置で前記分散手段101が正しく左右方向に位置合わせされる。なお、幅広な前記突起状嵌合部162は、これより幅狭な前記挿通溝部166を通らないため、誤って前記分散手段101を左右逆に取り付けることがない。
【0091】
また、
図2に示すように、前記分散手段101は、前記回転刃30の回転方向後側である前記ケース本体2の右側に、前記分散手段101の凸面部102の赤道面142を偏位させる。この例では、前記取付軸151の長さを設定することにより、前記赤道面142が中心Sの位置よりケース本体2の右側にずれて配置される。このように構成することで、前記回転刃30の回転により挽かれて落下するコーヒー粉が、前記落下口32内で回転方向後側である右側に偏るのに対して、その右側に前記凸面部102を配置することにより、コーヒー粉が前記ドリッパー8内で偏った山状にならないように、均等に供給することができる。
【0092】
また、
図12に示すように、前記本体側筒部73の幅広な突起状嵌合部162の外周には、クリック用の係入凹部169が設けられる。一方、
図8に示すように、前記係入凹部169に係入するクリック用の突起部170が、前記下向き段部167Aの下方で前記取付筒部83の内面に突設される。
【0093】
前記筒状体81を前記本体側筒部73に結合する際には、前記筒状体81を回すことにより、前記突起状嵌合部161,162が前記下向き段部167,167Aの下に係入すると共に、突起部170が突起状嵌合部162の外周に圧接して僅かに弾性変形し、前記突起状嵌合部161,162の縁部が当接部168,168Aに当接すると、係入凹部169内に突起部170が嵌入し、クリック感が得られる。
【0094】
そして、前記突起部170の前記突起状嵌合部162の外周への圧接と、前記係入凹部169内への嵌入により、前記本体側筒部73に位置決め状態で前記筒状体81が連結される。これにより、前記ミル17の駆動による振動などにより、前記筒状体81が前記本体側筒部73から外れることが防止される。
【0095】
前記取付部材72及び前記筒状体81は導電材料からなり、この例では導電性合成樹脂製である。また、前記接続ボス部79には、固定手段たる導電性のビス171により導線172の一端が接続され、この導線172の他端が前記底板22に電気的に接続される。従って、前記分散手段101は、前記筒状体81、前記取付部材72及び導線172により、前記底板22に電気的に接続される。
【0096】
次に、前記コーヒーメーカー1の使用方法の一例について説明する。まず、使用者は、前記電源スイッチ43をオンにする。次に、使用者は、前記ドリッパー8内に前記ペーパーフィルター10をセットすると共に、前記ドリッパー8を飲料サーバー13の蓋体16に装着する。この場合、前記蓋体16の装着受け部106に、前記ドリッパー8の下部の装着部107を遊嵌させることにより、前記飲料サーバー13に前記ドリッパー8を安定して装着することができる。
【0097】
そして、使用者は、前記ドリッパー8を装着した前記飲料サーバー13を、前記庇部5の下方へ前側から後側に向かって水平に差し入れ、前記飲料サーバー13を前記載置部4Aの加熱板11上に載置する。このように前記ドリッパー8を装着位置にセットすると、このドリッパー8に導電レバー21が接触した後、この導電レバー21が装着位置に揺動し、これを前記スイッチ139が検出する。この結果、前記ミル17,前記ヒーター12及び前記送湯手段9が作動可能な状態となる。
【0098】
また、使用者は、前記ミル17にコーヒー豆を投入する前に、前記ダイヤル39を操作して好みの粒度に調整しておく。そして、前記貯水部6内に、抽出するコーヒー液の杯数に応じた量の水を入れる。更に、前記ミル17のミル蓋体26を外し、前記投入口24から前記ホッパー25内に所定量のコーヒー豆を入れる。なお、この段階では、前記シャッター91が前記落下口32を塞いだ状態であり、前記ミル17とドリッパー8内とが連通していない。
【0099】
そして、使用者が前記スイッチ42を操作すると、以下の動作が順次行われる。まず、
前記シャッター駆動手段93が、前記落下口32を開く方向に、前記シャッター91を移動させる。これによって、前記落下口32が開き、前記ミル17が前記ドリッパー8内と連通する。次に、前記ミル17が作動する。このミル17を作動させるために、前記ミルモーター35が回転駆動すると、前記シューター部27内のコーヒー豆が、前記ミルスクリュー29により前記回転刃30と固定刃31との間に向けて送られ、これらの回転刃30と固定刃31との間で挽かれてコーヒー粉(挽き豆)となる。そして、このコーヒー粉が、前記落下口32から前記ドリッパー8にセットされた前記ペーパーフィルター10内に落下供給される。
【0100】
前記落下口32からコーヒー粉が落下供給されると、前記分散手段101の凸面部102の上にコーヒー粉が落下し、コーヒー粉が凸面部102に当たって分散して落下する。この場合、前記回転刃30の回転により挽かれて落下するコーヒー粉は、前記落下口32内において、前記回転刃30の回転方向後側である右側に偏るが、このようにコーヒー粉がより多く排出される場所に前記分散手段101の凸面部102を設けることで、コーヒー粉が均等に分散して前記ペーパーフィルター10内に貯められる。これによって、前記ペーパーフィルター10の中心から外れた位置が高くなるような山状にコーヒー粉が貯まることなく、凹凸が緩和された状態でコーヒー粉が貯まることになる。
【0101】
また、前記ミル17の作動と同時に、前記加熱手段7への通電を開始する。これによって、前記貯水部6内の水が加熱されて湯となる。次に、前記ミル17がコーヒー豆を全て挽き終わったことを検知すると、このミル17を停止させると共に、前記シャッター駆動手段93により、前記落下口32を閉じる方向に前記シャッター91を移動させる。なお、前記ミルモーター35に流れる電流を検知することで、コーヒー豆を挽き終わったか否かを判断することができる。また、前記モーター53を停止させることで、前記ノズル本体51の回転を停止させる。なお、この時点で、前記貯水部6内の水は未だ湯になっていない。
【0102】
次に、前記貯水部6内の水が、コーヒー液の抽出に適した所定温度(80~90℃)の湯になったことが、温度センサ(図示せず)により検知されると、前記加熱手段7へ供給する電力を停止させる。そして、前記送湯手段9が作動して前記ドリッパー8へ第一回目の給湯を行う。
【0103】
前記送湯手段9が作動して前記ドリッパー8へ給湯を行う前に、前記モーター53が駆動し、ノズル本体51が一定速度で回転する。前記ノズル本体51の回転中、前記貯水部6内の湯が、前記送湯手段9により前記送液路を介してノズル本体51内の湯受け空間63に供給される。この湯受け空間63に供給された湯は、回転する前記ノズル本体51に設けられた複数の前記ノズル71,71A,71Bの吐出口52から斜め内側下方に向かって吐き出され(
図1)、前記ドリッパー8内のコーヒー粉に均一に回し掛けされる。また、複数のノズル71,71A,71Bの吐出口52,52,52が前記ノズル本体51の径方向にずらして配置されているため、湯は、前記ドリッパー8内のコーヒー粉に対し同心円状に回し掛けされる。従って、前記ドリッパー8の中央部において、径方向にも均一に湯が供給される。そして、所定時間経過後、前記送湯手段9が停止して第一回目の送湯が終了する。同時に、前記モーター53を停止させることで、前記ノズル本体51の回転を停止させる。この第一回目の送湯により、前記ペーパーフィルター10内のコーヒー粉は蒸らされる。
【0104】
第一回目の送湯終了から所定蒸らし時間経過すると、蒸らし工程が終了する。そして、この蒸らし工程が終了した後、前記送湯手段9が作動して、前記ドリッパー8へ第二回目の送湯を行う。なお、前述した通り、前記貯水部6内の水の量が、抽出するコーヒー液の杯数に応じた量であるので、前記貯水部6内の全ての湯を前記ドリッパー8に供給すれば
、所定の杯数のコーヒー液が得られることになると共に、前記貯水部6内が空になる。また、第二回目の送湯の際にも、前記ノズル本体51が回転し、湯が前記吐出口52から吐き出され、前記ドリッパー8内のコーヒー粉に対し同心円状に均一に回し掛けされる。なお、前記ノズル本体51の回転速度は、5~10回転/分程度である。これにより、前記ドリッパー8にセットされたペーパーフィルター10に貯められたコーヒー粉の中央部に湯を均等に注ぐことができるので、コーヒー液を良好に抽出して美味しいコーヒー液を得ることができる。なお、前記ドリッパー8において抽出されたコーヒー液は、前記ドリッパー8の透孔115と前記飲料サーバー13の蓋体16の中央開口部16Aを通過して、前記飲料サーバー13内に貯められる。また、第二回目の送湯と同時に、前記ヒーター12への通電を開始する。これによって、前記加熱板11に載置された前記飲料サーバー13及びこれに貯められたコーヒー液が保温される。なお、前記ヒーター12への通電は、通電開始から所定時間(例えば30分間)である。そして、前記貯水部6内の湯が全て前記ドリッパー8に送られて送湯が完了した後、前記モーター53を停止させることで、前記ノズル本体51は回転を停止する。
【0105】
前記ミル17の回転刃30と固定刃31とによりコーヒー豆を粉砕することで、前記コーヒー粉が帯電する。なお、前記コーヒー粉の粒子は、同じ極性に帯電する。即ち、コーヒー粉の粒子同士が電気的に反発した状態となる。この結果、前記コーヒー粉が前記落下口32から落下する際、前記隙間105からドリッパー8の外側にこぼれ易くなる。
【0106】
これに対して、装着位置の前記ドリッパー8に前記導電レバー21が接しているため、前記ペーパーフィルター10内に落下した前記コーヒー粉の電荷は、前記ペーパーフィルター10から前記ドリッパー8と前記導電レバー21と導線23を経て底板22に移動して、これに貯められる。なお、この底板22に貯められた電荷は、徐々に外部に自然放電される。この結果、前記ペーパーフィルター10内に貯められたコーヒー粉は、帯電していない状態となる。従って、前記落下口32から落下してくる前記コーヒー粉は、前記ペーパーフィルター10内に貯められたコーヒー粉によって反発されることがない。このため、前記コーヒー粉が前記ドリッパー8から漏れ難くすることができる。なお、前記ペーパーフィルター10の材質である紙は、僅かに電気を通すことができるので、導電材料と見なすことができる。このため、前記コーヒー粉の電荷は、前記ペーパーフィルター10から前記ドリッパー8を介して前記導電レバー21に逃がすことができる。
【0107】
なお、落下中のコーヒー粉の粒子同士は、未だ帯電しているため、広がりながら落下することになる。この落下中のコーヒー粉は、前記筒状体81の取付筒部83の下端近傍で、前記分散手段101に接触する。このように、前記コーヒーミル17によって挽かれて帯電したコーヒー粉が前記分散手段101に接触すると、コーヒー粉の電荷が前記分散手段101から前記筒状体81、前記取付部材72及び導線172を通じて、前記底板22に移動した後、この底板22から外部に自然放電される。しかも、コーヒー粉が前記内部落下路33を落下する際、導電材料からなる前記取付部材72及び筒状体81にコーヒー粉が接触することにより、コーヒー粉の電荷を底板22に逃がすことができる。この結果、コーヒー粉同士が反発し難くすることができるので、コーヒー粉が抽出具から漏れ難くすることができる。また、凸面部102は、上部に双半円錐部分144を有する双円錐であるため、その外面形状に案内されてコーヒー粉が均等に落下し、しかも、凸面部102にコーヒー粉が堆積することなく、その外面形状により滑り落ち、付着を防止できる。
【0108】
更に、前述したとおり、落下中のコーヒー粉と前記ペーパーフィルター10内に貯められたコーヒー粉は反発しない。即ち、落下中のコーヒー粉が広がる電気的な要素は、落下中のコーヒー粉自体の電荷のみである。従って、下方からの反発力がないため、落下中のコーヒー粉の広がりが抑えられる。更に、前述したように、導電材料からなる前記取付部材72及び筒状体81にコーヒー粉が接触することにより、コーヒー粉の電荷を底板22
に逃がすことができるので、落下中のコーヒー粉が広がる電気的な要素は、落下中に前記取付部材72及び筒状体81に触れなかった少量のコーヒー粉自体の電荷のみである。このため、前記隙間105の距離が適正であれば、広がって落下するコーヒー粉を前記ペーパーフィルター10で十分受けることができるので、前記コーヒー粉が前記ドリッパー8から漏れ難くすることができる。
【0109】
一方、コーヒー豆が接触する前記回転刃30と固定刃31又はその周辺の部材は、コーヒー粉と逆の極性に帯電する。しかしながら、周囲の物体との間で電荷の授受が行われることで、長期的に、電気的中性に戻る。
【0110】
以上のように本実施例では、本体たるケース本体2と、このケース本体2に設けられるミル17と、このミル17の排出口たる落下口32の下方に配置される抽出具としてのドリッパー8及びペーパーフィルター10と、これらの抽出具に湯を供給するためのノズル体たる湯供給部18とを有して構成されるコーヒーメーカー1において、前記落下口32が前記抽出具の中央部の上方に位置し、前記落下口32の下方にコーヒー粉の分散手段101が設けられるから、コーヒー粉が前記抽出具内で山状にならないように均等に溜められ、コーヒーを良好に抽出することができる。
【0111】
また、前記ミル17の排出口たる落下口32の下部に筒状体81が設けられ、この筒状体81に前記分散手段101が設けられるから、構造を簡単にして安価に作製することができる。
【0112】
また、前記分散手段101が、上方に凸となる凸面部102を有するから、コーヒー粉が前記抽出具内で山状にならないように均等に溜められ、これにより、コーヒーをより良好に抽出することができる。
【0113】
また、前記凸面部102が、上方に凸となる双半円錐部分144を有するから、前記凸面部102上にコーヒー粉が残り難くすることができる。
【0114】
また、前記凸面部102が、軸たる中心軸143が水平な双円錐であるから、コーヒー粉が前記抽出具内で山状にならないように均等に溜められると共に、前記分散手段101の水平軸たる取付軸151を中心として、いかなる角度で取付けても、上方に凸となる双半円錐部分144を有することができるので、より安定した分散の効果が得られ、これにより、コーヒーをより良好に抽出することができる。
【0115】
また、前記ミル17が回転刃30を有し、この回転刃30の回転方向後側に前記凸面部102を偏位させたから、コーヒー粉がより多く排出される場所に分散手段101の凸面部102を設けることができるので、前記コーヒー粉の分散をより効率的に行うことができる。
【0116】
更に、前記分散手段101が、凸面部102と取付軸151とを有し、これらが回転体形状であり且つ金属で一体成形されているから、樹脂製などの場合に比べて、取付軸151を細くすることができ、この取付軸151がコーヒー粉の排出の妨げになることを抑えることができるばかりでなく、製造が容易で且つ強度を高めることができる。
【0117】
また、前記分散手段101が導電材料である金属で構成され、前記本体たるケース本体2に電荷を一時的に貯める貯電部材たる底板22が設けられ、前記分散手段101が前記底板22と電気的に接続されるから、前記ミル17によって挽かれて帯電したコーヒー粉が前記分散手段101に接触すると、前記コーヒー粉の電荷が前記分散手段101から導電材料たる筒状体81、取付部材72及び導線172を通じて、前記底板22に移動した
後、この底板22から外部に自然放電される。この結果、コーヒー粉同士が反発し難くすることができるので、コーヒー粉が抽出具から漏れ難くすることができる。
【0118】
以下、実施例上の効果について説明する。ミル17の排出口たる落下口32の下方に取付体たる筒状体81が設けられ、この筒状体81に分散部たる凸面部102が設けられているから、取付構造を簡易にできるので、安価に作製することができる。
【0119】
また、前記分散手段101が、軸たる取付軸151が水平でかつ上方に凸となる分散部たる双円錐の凸面部102を有するから、コーヒー粉がドリッパー8内で山状にならないように均等に溜められ、これにより、コーヒーをより良好に抽出することができる。
【0120】
また、双円錐である前記凸面部102は、前記中心軸143を含む垂直面に対して面対称をなすから、中心軸143の両側下方に均等にコーヒー粉を分散することができる。
【0121】
また、前記庇部底板5Kの前記受筒部66に上向きの段部67を設けると共に、この段部67内に嵌合する外鍔部76を取付部材72に設け、それら本体側位置決め部たる段部67と取付部材側位置決め部たる外鍔部76により、ケース本体2への取付部材72の位置決め手段を構成したから、突起状嵌合部161,162を所定の向きにして取付部材72をケース本体2に取り付けることができる。
【0122】
また、前記回動結合機構82は、前記取付部材72の本体側筒部73の下端外周に突起状嵌合部161,162を設け、前記筒状体81に前記突起状嵌合部161,162を軸方向から挿通する挿通溝部166,166Aを設けると共に、挿通位置から回動して前記突起状嵌合部161,162が係止する下向き段部167,167Aを設けたから、筒状体81を軸方向に移動した後、角度回動するという簡単な操作により、本体側筒部73に筒状体81を着脱可能に取り付けることができる。
【0123】
また、前記突起状嵌合部161,162の縁部が当接部168,168Aに当接した取付状態で、前記分散手段101の中心軸143がケース本体2の左右方向に位置決めされるように回動結合機構82が構成されているから、分散手段101の水平方向における向きを正しく取り付けることができる。
【0124】
また、前記本体側筒部73の幅広な突起状嵌合部162の外周には、クリック用の係入凹部169が設けられ、この係入凹部169に係入するクリック用の突起部170が前記下向き段部167Aの下方で前記取付筒部83の内面に突設されているから、正しい取付位置でクリック感が得られると共に、ミル17の駆動による振動などにより、筒状体81が不用意に外れることがない。
【0125】
また、コーヒー粉がより多く排出される場所に分散手段101の凸面部102を設けると共に、凸面部102を偏位させた方向とは反対側、即ち落下するコーヒー粉が少ない場所に、前記取付軸151の基端側を固定する取付腕部84を、前記取付筒部83の下端から下方に突出させて設けたことで、前記取付腕部84にコーヒー粉が当たりにくくして、この取付腕部84へのコーヒー粉の付着やコーヒー粉の偏った分散を抑制することができる。
【0126】
また、前記ケース本体2の材質と前記取付部材72及び筒状体81の材質が異なり、前記本体側筒部73に前記取付筒部83を結合することにより、前記分散手段101と底板22とを電気的に接続することができ、また、前記取付部材72と底板22を前記導線172により接続したため、この導線172を含む電気的接続構造が前記ケース本体2に内蔵され、外部に露出することがない。
【0127】
また、コーヒー粉が前記内部落下路33内を落下し、この内部落下路33が、導電材料からなる取付部材72及び筒状体81を有して構成されるので、前記取付部材72及び筒状体81の内面にコーヒー粉が接触すると、コーヒー粉の電荷が前記導線172を通じて前記底板22に移動した後、この底板22から外部に自然放電される。このように前記ケース本体2には、前記取付部材72及び筒状体81を備えた導電性通路たる導電性筒部が設けられる。
【0128】
また、本体たるケース本体2と、このケース本体2に設けられるミル17と、このミル17のコーヒー粉の排出口たる落下口32の下方に配置される抽出具たるドリッパー8と、このドリッパー8に湯を供給するためのノズル体たる湯供給部18とを有して構成されるコーヒーメーカー1において、前記落下口32が前記ドリッパー8の中央部の上方に位置し、前記湯供給部18が、前記落下口32を中心に回動可能に設けられる環状のノズル本体51と、このノズル本体51の下部に設けられる吐出口52とを有すると共に、前記ノズル本体51を回動させるための電動機たるモーターを有するから、吐出口52から吐出された湯が前記ドリッパー8内で均等に回し掛けされることで、コーヒーが良好に抽出され、美味しいコーヒーを淹れることができる。
【0129】
また、湯が前記ドリッパー8の中央部に落下するように、前記吐出口52が回動中心Sの方向に傾斜するものであるから、前記ミル17が設けられたコーヒーメーカー1であっても、前記ドリッパー8の中央部に湯を回し掛けすることで、コーヒーをより良好に抽出して美味しいコーヒーを淹れることができる。
【0130】
また、前記回動結合機構82により前記筒状体81を前記本体側筒部73に連結すると共に、連結した筒状体81の上縁面83Jにより前記ノズル本体51が回動可能に支持されるから、前記筒状体81を着脱することにより、前記ノズル本体51を簡単に外して手入れすることができるばかりでなく、前記筒状体81により前記ノズル本体51の取り外しを容易に行うことができる。
【0131】
また、前記排出口たる落下口32の下方にコーヒー粉の分散手段101が設けられるものであるから、コーヒー粉が前記ドリッパー8内で山状にならないように均等に貯められ、これにより、コーヒーをより良好に抽出して美味しいコーヒーを淹れることができる。
【0132】
また、前記ノズル本体51の周壁部56の外周に複数の歯部57を設けることにより、ノズル本体51に従動ギア58を一体に形成したから、構造簡易にして駆動ギアに歯合する従動ギア58を設けることができる。また、前記ノズル本体51の前記底板部55は、前記ノズル71,71A,71Bが設けられた側が低くなるように形成され、特に、前記ノズル本体51の中心に対して、90°以内の範囲に配置されるから、前記ノズル本体51の前記湯受け空間63の湯量が少なくなっても、ノズル71,71A,71Bへと湯が集まり、これにより前記ノズル本体51内の湯を残さず、前記吐出口52から注ぐことができる。更に、複数の前記ノズル71,71A,71Bの吐出口52,52,52が、前記中心Sからの距離が異なる位置に配置されると共に、前記回動中心Sに対して同じ角度で斜設されるから、前記ノズル本体51が回転する状態で、複数の前記ノズル71,71A,71Bから吐き出された湯が、前記ドリッパー8の中心Sから異なる位置に同心円状に落下するため、前記ドリッパー8に均一に湯を供給することができる。また、前記ノズル本体51の湯受け空間63の上部が開口し、この湯受け空間63の上部開口から湯を供給することで、前記ノズル71の吐出口52には送湯手段9の圧力が直接加わらないから、前記吐出口52から湯をやさしく注ぐようにドリッパー8に供給することができる。
【0133】
また、前記ノズル本体51の内鍔部62を筒状体81の上縁面83Jが当接することに
より、回転する前記ノズル本体51を安定して支持することができる。また、前記分散手段101を備えた前記筒状体81により、本体の一部を構成する前記本体側筒部73に前記ノズル本体51を装着する装着手段を備え、この装着手段が、前記本体側筒部73に対して前記筒状体81を角度回動して着脱する前記回動結合機構82であるから、前記筒状体81の着脱作業が容易となる。更に、前記回動結合機構82において、前記当接部168,168Aと突起状嵌合部161,162の縁部により前記分散手段101の位置決め手段を構成したから、前記分散手段101を所定の向きに取り付けることができる。
【0134】
また、本体たるケース本体2と、このケース本体2に取り付けられたミル17と、このミル17によって挽かれた豆を受ける抽出具としてのドリッパー8及びペーパーフィルター10とを有するコーヒーメーカー1において、前記ケース本体2に導電材料からなる接触部材たる導電レバー21が設けられ、前記ドリッパー8が導電材料により構成され、このドリッパー8が前記導電レバー21に接触すると共に、前記ケース本体2に電荷を一時的に貯める貯電部材たる底板22が設けられ、この底板22が前記導電レバー21と電気的に接続されるものであり、前記ミル17によって挽かれて帯電したコーヒー粉が前記ペーパーフィルター10に接触すると、前記コーヒー粉の電荷が前記ペーパーフィルター10から前記ドリッパー8及び前記導電レバー21を経て前記底板22に移動した後、この底板22から外部に自然放電される。この結果、コーヒー粉同士が反発し難くすることができるので、落下するコーヒー粉が前記ドリッパー8から漏れ難くすることができる。また、前記ドリッパー8が導電性合成樹脂で構成されるものであり、抽出に適した形状の前記ドリッパー8を容易に形成することができる。前記ドリッパー8の内部には前記リブ部114が形成されるが、金属製の場合、プレスにしても鋳造にしても、十分な高さのリブ部が形成されたものは製作が難しく、コストも高くなる。これに対して、導電性合成樹脂製の場合、抽出に適した形状のドリッパー8を樹脂成型により安価に製造することができる。また、接触部材たる前記導電レバー21が、前記ドリッパー8の有無を検知する検知手段を兼ねるものであり、部品の増加を抑えながら、前記コーヒーメーカー1を正常に作動させることができる。
【0135】
また、前記容器本体14の底板部108に、この底板部108より径小なリング状の段差部109が下方に膨出形成され、この段差部109が遊嵌するリング状の内縁枠110が前記ヒーター12の上面に突出形成され、載置状態で前記容器本体14の段差部109が前記ヒーター12側の内縁枠110に囲まれるから、前記加熱板11に前記飲料サーバー13を位置決め状態で載置することができ、この飲料サーバー13に装着した前記ドリッパー8を、前記導電レバー21により確実に検出することができる。同様に、前記落下口32の中心Sと前記ドリッパー8の中心との位置合わせも容易に行うことができる。更に、前記導電レバー21が待機位置にある状態では、前記ミル17,サーバー加熱手段たるヒーター12及び送湯手段9が作動しないから、前記ドリッパー8及び飲料サーバー13を装着しない状態での誤操作を防止できる。
【0136】
更に、前記蓋体16の装着受け部106に、前記ドリッパー8の下部の装着部107を遊嵌することにより、前記飲料サーバー13に前記ドリッパー8を安定して装着することができる。また、前記底部111の下面から下方に筒部116を突設し、この筒部116に透孔115が穿設されるから、前記筒部116によって前記透孔115を落下するコーヒー液が前記底部111の下面に回り込むことなく、前記筒部116の下端から下方へ落下せしめることができる。更に、前記底板22を、前記ケース本体2を構成する合成樹脂より比重が大きいステンレス製とすることにより、前記底板22が錘になるため、安定してコーヒーメーカー1を設置することができる。
【0137】
また、前記庇部5の庇部底板5Kに設けられた前記開口部124に、前記シール部材136を設けたから、前記開口部124に前記導電レバー21を可動に設けながら、前記ケース本体2内への湯気や埃などの侵入を前記シール部材136により防止することができる。また、接触部材たる前記導電レバー21が断面円形の金属線材で構成されると共に、本体たる前記ケース本体2に対し可動に設けられるものであり、前記導電レバー21を細い形状に形成することができ、この結果、前記導電レバー21を設けるために前記ケース本体2に形成される隙間たる前記開口部124を狭くして、仮に前記シール部材136が無くても、前記ドリッパー8から前記ケース本体2内に入る湯気の量を少なくすることができる。また、前記導電レバー21は金属丸棒を略U字形に屈曲形成してなるから、構造簡易にして安価に製造できる。
【0138】
また、前記ドリッパー8の装着状態で、このドリッパー8と庇部5との間に前記隙間105が設けられるから、前記加熱板11上への前記飲料サーバー13の出し入れを容易に行うことができる。更に、前記ドリッパー8と前記庇部5の庇部底板5Kとの間に隙間105が設けられるから、前記ドリッパー8内のコーヒー粉に湯が注がれて膨らむ様子を見ることができる。
【実施例2】
【0139】
図14は本発明の実施例2を示し、上記実施例1と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、分散手段の変形例101Aを示す。この分散手段101Aは、凸面部102Aと、固定部103とから構成される。そして、前記凸面部102Aは、双半円錐部分144Aのみから構成される。この双半円錐部分144Aは、実施例1で説明した前記凸面部102を、中心軸143を含む水平面で略2分の1に形成したものである。即ち、2つの半円錐部分141A,141Aの半円形で且つ合同の底面同士を合わせた形状である。そして、2つの半円錐部分141A,141Aの連結箇所が赤道面142Aとなる。即ち、本例における赤道面142Aは半円形である。なお、本例においても、2つの半円錐部分141A,141Aは合同である。また、前記中心軸143を含む下面部147を下側にして配置される。そして、この例の凸面部102Aも、実施例1と同様に前記中心軸143を含む垂直面に対して面対称をなす。
【0140】
従って、この例でも前記赤道面142Aの外周における円弧状部分が上部に位置すると共に、2つの半円錐部分141A,141Aの側面同士が角をなすため、球体に比較して凸面部102Aにコーヒー粉が堆積し難くなる。
【0141】
このように本実施例では、請求項1,2,4,5及び8に対応して、上記実施例1と同様な作用・効果を奏する。
【実施例3】
【0142】
図15は本発明の実施例3を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、分散手段の変形例101Bを示す。この分散手段101Bは、凸面部102Bと、固定部103とから構成される。そして、前記凸面部102Bは球体181であり、この球体181からなる凸面部102Bの上半分が半球体182である。また、前記球体181の中心181Sは、前記回転刃30の回転方向後側に偏位させる。なお、前記球体181を半分にした前記半球体182により凸面部102Bを構成してもよい。そして、この例の凸面部102Bも、上記各実施例と同様に前記中心軸143を含む垂直面に対して面対称をなす。また、前記凸面部102Bと取付軸151が回転体形状である。
【0143】
このように本実施例では、請求項2,3,4,7及び8に対応して、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
【実施例4】
【0144】
図16は本発明の実施例4を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、分散手段の変形例101C示す。この分散手段101Cは、凸面部102Cと、固定部103とから構成される。そして、前記凸面部102Cは円錐形をなし、取付状態で頂点148が上を向くと共に、下部に円形の底面部147Cを有する。また、本例の凸面部102Cの頂角は、前記θSより小さく60°程度である。そして、この例の凸面部102Cも、実施例1と同様に前記中心軸143を含む垂直面に対して面対称をなす。
【0145】
従って、この例でも、前記凸面部102Cの上端に頂点148を有するため、球体に比較して凸面部102Cにコーヒー粉が堆積し難くなる。
【0146】
このように本実施例では、請求項2,4及び8に対応して、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
【実施例5】
【0147】
図17は本発明の実施例5を示し、上記各実施例と同一部分に同一符号を付し、その詳細な説明を省略して詳述する。この例では、分散手段の変形例101Dを示す。この分散手段101Dは、凸面部102Dと、固定部103とから構成される。そして、前記凸面部102Dは双円錐である。この凸面部102Dは、中心軸143の軸方向の長さの異なる2つの円錐部分141D,141D´を底面同士で連結して一体化した立体であり、2つの円錐部分141D,141D´の連結箇所が赤道面142Dである。また、中心軸143を水平方向に配置した状態で、前記凸面部102Dの上半分の双半円錐部分144Dのみとしてもよい。そして、この例の凸面部102Dも、上記各実施例と同様に、前記中心軸143を含む垂直面に対して面対称をなす。また、凸面部102Dと取付軸151が回転体形状である。なお、中心軸143の方向において、円錐部分141D´が円錐部分141Dより長く形成される。
【0148】
従って、この例でも、前記赤道面142Dの外周において、2つの前記円錐部分141D,141D´の側面同士が角をなすため、前記凸面部102Dにコーヒー粉が堆積し難くなる。
【0149】
このように本実施例では、請求項2~4,7及び8に対応して、上記各実施例と同様な作用・効果を奏する。
【0150】
なお、本発明は以上の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変実施が可能である。例えば、双円錐の凸面部の変形例として、赤道面が楕円の双錐体である双楕円錐や、赤道面が多角形の双錐体である双角錐などの凸面部としてもよい。また、実施例3の球状の凸面部に代えて、回転楕円体(長球或いは扁球)の凸面部としてもよい。また、実施例4の円錐の凸面部に代えて、三角錐や四角錐などの凸面部としてもよい。更に、凸面部は中空でもよい。また、実施例では、中心軸を中心に分散手段を回転させてナットに螺合させることにより、取付腕部に取り付けたが、取付腕部に取付軸を直接螺合させるなどして取り付けてもよい。また、取付腕部に取付軸を合成樹脂により一体成形し、この合成樹脂製の取付軸に金属製の凸面部を取り付けてもよい。更に、請求項7以外では、凸面部と取付軸を別体で且つ別材質とし、例えば、取付軸を導電性合成樹脂製とし、その取付軸に金属製の凸面部を取り付けてもよい。
【0151】
更に、実施例では、ノズル本体に従動ギアを設け、この従動ギアと歯合する駆動ギアを電動機により回転させてノズル本体を回転させるようにしたが、ギアの歯合以外でも、ローラやベルトなどを用いて電動機の回転をノズル本体に伝達するようにしてもよい。また、筒状体の装着には、螺子などの他の回転式の取付構造を用いてもよく、回転式以外の装
着構造でもよい。更に、上記実施例では、ドリッパーは飲料サーバーに載せられるが、ドリッパーを本体に取り付けてもよく、例えば、ドリッパーを収納ケース内に収納し、この収納ケースの左右方向一側を縦方向の枢軸により本体に回動可能に取り付け、前記収納ケースを前記ドリッパーと共に回動することにより、前記本体に対して出没自在に設けてもよい。また、上記実施例では、ミルは臼式のものを示したが、ブレード式のミルであってもよい。更に、上記実施例では、導電レバーが待機位置にある状態では、ミル,サーバー加熱手段たるヒーター及び送湯手段が作動しないようにしたが、装置全体が作動しないようにしてもよい。また、ノズル本体には複数(3個)の吐出口を設けたが、吐出口の数は2個や4個以上でもよい。更に、例えば実施例で示した排出口たる落下口の下方に斜めの筒部を設け、この筒部からコーヒー粉が抽出具に落下する場合などには、排出口の下方であって、コーヒー粉が落下する筒部の真下に分散手段を設ければよい。
【符号の説明】
【0152】
1 コーヒーメーカー
2 ケース本体(本体)
8 ドリッパー(抽出具)
10 ペーパーフィルター(抽出具)
17 ミル
18 湯供給部(ノズル体)
22 底板(貯電部材)
32 落下口(排出口)
72 取付部材(導電部材)
81 筒状体(導電部材)
101,101A,101B,101C,101D 分散手段
102,102A,102B,102C,102D 凸面部(分散部)
141,141D,141D´ 円錐部分
142,142A,142D 赤道面
143 中心軸
144,144A,144D 双半円錐部分
151 取付軸(軸・水平軸)