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特許7265434調理の方法、システム、プログラムおよび機器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-18
(45)【発行日】2023-04-26
(54)【発明の名称】調理の方法、システム、プログラムおよび機器
(51)【国際特許分類】
   A47J 37/06 20060101AFI20230419BHJP
   A47J 37/08 20060101ALI20230419BHJP
【FI】
A47J37/06 306
A47J37/08
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019129063
(22)【出願日】2019-07-11
(65)【公開番号】P2021013492
(43)【公開日】2021-02-12
【審査請求日】2022-02-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000220262
【氏名又は名称】東京瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083725
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 正一
(74)【代理人】
【識別番号】100140349
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 継立
(74)【代理人】
【識別番号】100153305
【弁理士】
【氏名又は名称】畝本 卓弥
(72)【発明者】
【氏名】浅輪 泰久
(72)【発明者】
【氏名】鹿島 彰浩
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼屋 駿介
(72)【発明者】
【氏名】中倉 雛子
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-309236(JP,A)
【文献】特開平04-114611(JP,A)
【文献】特開2005-168358(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 37/06
A47J 37/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部と支持部材を備えるプラテン部の前記支持部材に被調理物を支持させる工程と、
前記支持部材とともに前記被調理物をグリドル部に移送する工程と、
前記プラテン部の前記本体部と前記グリドル部の間に前記支持部材とともに前記被調理物を挟み込んで加熱する工程と、
加熱後、前記支持部材とともに前記被調理物を前記グリドル部から移送し、その移送中、前記本体部の加熱面から前記被調理物を分離させる工程と、
を含むことを特徴とする調理方法。
【請求項2】
さらに、前記被調理物の加熱前、前記支持部材に前記被調理物を支持させた時点から前記プラテン部の加熱動作を開始し、前記被調理物の加熱後、移送中の前記プラテン部の加熱動作を停止させる工程を含むことを特徴とする請求項に記載の調理方法。
【請求項3】
前記被調理物の移送情報、加熱情報の何れかを含む提示情報を生成する工程と、
前記提示情報を提示する工程と、
を含むことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の調理方法。
【請求項4】
加熱面を有し、該加熱面からの放熱により被調理物を加熱するグリドル部およびプラテン部と、
前記プラテン部に被調理物を支持させる支持機構と、
前記支持機構に支持させた前記被調理物を前記プラテン部とともに前記グリドル部に移送する移送機構と、
を備え、前記プラテン部と前記グリドル部の間に前記支持機構とともに前記被調理物を挟み込んで加熱することを特徴とする調理システム。
【請求項5】
前記支持機構は、
前記被調理物を支持する支持板と、
前記プラテン部に前記支持板を昇降可能に支持させる支持シャフトと、
を備え、
前記被調理物の加熱中、前記グリドル部と前記プラテン部の間に前記支持板を前記被調理物とともに挟み、前記被調理物の移送中、前記プラテン部の加熱面から前記被調理物を分離させることを特徴とする請求項に記載の調理システム。
【請求項6】
さらに、少なくとも前記プラテン部に備えた熱源部と、
前記被調理物の加熱前、前記支持機構に前記被調理物を支持させた時点から前記プラテン部の加熱動作を開始し、前記被調理物の加熱後、移送中の前記プラテン部の加熱動作を停止させる制御部と、
を備えることを特徴とする請求項または請求項に記載の調理システム。
【請求項7】
さらに、情報提示部を備え、前記制御部が前記被調理物の移送情報、加熱情報の何れかを含む提示情報を生成し、前記情報提示部が前記提示情報を提示することを特徴とする請求項に記載の調理システム。
【請求項8】
コンピュータにより実現させるためのプログラムであって、
本体部と支持部材を備えるプラテン部の前記支持部材とともに被調理物をグリドル部に移送するための制御情報を生成する機能と、
前記プラテン部の前記本体部と前記グリドル部の間に前記支持部材とともに前記被調理物を挟み込んで加熱するための制御情報を生成するための機能と、
を前記コンピュータにより実現させるためのプログラム。
【請求項9】
さらに、前記被調理物の加熱前、前記支持部材に前記被調理物を支持させた時点から前記プラテン部の加熱動作を開始し、前記被調理物の加熱後、移送中の前記プラテン部の加熱動作を停止させるための制御情報を生成する機能を前記コンピュータにより実現させるための請求項に記載のプログラム。
【請求項10】
前記被調理物の移送情報、加熱情報の何れかを含む提示情報を生成する機能と、
前記提示情報を提示する機能と、
を前記コンピュータにより実現させるための請求項8または請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
加熱面を有し、該加熱面からの放熱により被調理物を加熱するグリドル部およびプラテン部と、
前記プラテン部に被調理物を支持させる支持機構と、
前記支持機構に支持させた前記被調理物を前記プラテン部とともに前記グリドル部に移送する移送機構と、
を備え、前記プラテン部と前記グリドル部の間に前記支持機構とともに前記被調理物を挟み込んで加熱することを特徴とする機器。
【請求項12】
前記支持機構は、
前記被調理物を支持する支持板と、
前記プラテン部に前記支持板を昇降可能に支持させる支持シャフトと、
を備え、
前記被調理物の加熱中、前記グリドル部と前記プラテン部の間に前記支持板を前記被調理物とともに挟み、前記被調理物の移送中、前記プラテン部の加熱面から前記被調理物を分離させることを特徴とする請求項11に記載の機器。
【請求項13】
さらに、少なくとも前記プラテン部に備えた熱源部と、
前記被調理物の加熱前、前記支持機構に前記被調理物を支持させた時点から前記プラテン部の加熱動作を開始し、前記被調理物の加熱後、移送中の前記プラテン部の加熱動作を停止させる制御部と、
を備えることを特徴とする請求項11または請求項12に記載の機器。
【請求項14】
さらに、情報提示部を備え、前記制御部が前記被調理物の移送情報、加熱情報の何れかを含む提示情報を生成し、前記情報提示部が前記提示情報を提示することを特徴とする請求項13に記載の機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はたとえば、クラムシェルグリドルなど、パティなどの被調理物を加熱調理に用いられる調理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
クラムシェルグリドルは、焼板とプラテンとの間にパティなどの被調理物を挟んで加熱する調理機器であり、焼板側にたとえば、燃焼熱源、プラテン側にたとえば、電熱源を備える。
斯かるクラムシェルグリドルに関し、プラテンの昇降、回転移動および焼板とプラテンの間隔設定を単一のモーターの回転により自動的にかつ一工程で行うことが知られている(特許文献1)。
このクラムシェルグリドルに関し、プレートカバーとしてグリルプレートを2分割して覆い、プレートカバー41を、短冊形状のカバー部材31aを複数連結して、グリルプレート3を覆うことが知られている(特許文献2の段落番号0021および図8)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平10-309236号公報
【文献】特開2014-124409号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、クラムシェルグリドルではパティなどの被調理物は食用油を敷いたグリドル部に投入され、グリドルとプラテンの間に挟まれて焼き上げられる。
被調理物の加熱処理では、グリドルへ被調理物の投入前、プラテンを開く操作が必要であり、被調理物の加熱後、グリドルからの被調理物の取出し前、同様のプラテンを開く操作が不可欠である。被調理物の投入、取出しのため、調理者はプラテンの開閉でグリドルの加熱面などの高温環境に曝されるという課題がある。
発明者は、被調理物の投入、取出しのために行うプラテンの開閉操作が調理効率に大きく影響すること、調理者の安全性を高度に維持すべきことなどの知見を得た。
そこで、本発明の目的は上記課題および知見に鑑み、被調理物の加熱処理のための操作を軽減し、調理の安全性を高めるとともに調理効率を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
記目的を達成するため、本発明の調理方法の一側面によれば、本体部と支持部材を備えるプラテン部の前記支持部材に被調理物を支持させる工程と、前記支持部材とともに前記被調理物をグリドル部に移送する工程と、前記プラテン部の前記本体部と前記グリドル部の間に前記支持部材とともに前記被調理物を挟み込んで加熱する工程と、加熱後、前記支持部材とともに前記被調理物を前記グリドル部から移送し、その移送中、前記本体部の加熱面から前記被調理物を分離させる工程とを含
この調理方法において、さらに、前記被調理物の加熱前、前記支持部材に前記被調理物を支持させた時点から前記プラテン部の加熱動作を開始し、前記被調理物の加熱後、移送中の前記プラテン部の加熱動作を停止させる工程を含んでよい。
この調理方法において、前記被調理物の移送情報、加熱情報の何れかを含む提示情報を生成する工程と、前記提示情報を提示する工程とを含んでよい。
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の調理システムの一側面によれば、加熱面を有し、該加熱面からの放熱により被調理物を加熱するグリドル部およびプラテン部と、前記プラテン部に被調理物を支持させる支持機構と、前記支持機構に支持させた前記被調理物を前記プラテン部とともに前記グリドル部に移送する移送機構とを備え、前記プラテン部と前記グリドル部の間に前記支持機構とともに前記被調理物を挟み込んで加熱する。
この調理システムにおいて、前記支持機構は、前記被調理物を支持する支持板と、前記プラテン部に前記支持板を昇降可能に支持させる支持シャフトとを備え、前記被調理物の加熱中、前記グリドル部と前記プラテン部の間に前記支持板を前記被調理物とともに挟み、前記被調理物の移送中、前記プラテン部の加熱面から前記被調理物を分離させてよい。
この調理システムにおいて、さらに、少なくとも前記プラテン部に備えた熱源部と、前記被調理物の加熱前、前記支持機構に前記被調理物を支持させた時点から前記プラテン部の加熱動作を開始し、前記被調理物の加熱後、移送中の前記プラテン部の加熱動作を停止させる制御部とを備えてよい。
この調理システムにおいて、さらに、情報提示部を備え、前記制御部が前記被調理物の移送情報、加熱情報の何れかを含む提示情報を生成し、前記情報提示部が前記提示情報を提示してよい。
【0007】
上記目的を達成するため、本発明のプログラムの一側面によれば、コンピュータにより実現させるためのプログラムであって、本体部と支持部材を備えるプラテン部の前記支持部材とともに被調理物をグリドル部に移送するための制御情報を生成する機能と、前記プラテン部の前記本体部と前記グリドル部の間に前記支持部材とともに前記被調理物を挟み込んで加熱するための制御情報を生成するための機能とを前記コンピュータにより実現させる。
このプログラムにおいて、さらに、前記被調理物の加熱前、前記支持部材に前記被調理物を支持させた時点から前記プラテン部の加熱動作を開始し、前記被調理物の加熱後、移送中の前記プラテン部の加熱動作を停止させるための制御情報を生成する機能を前記コンピュータにより実現させてよい。
このプログラムにおいて、前記被調理物の移送情報、加熱情報の何れかを含む提示情報を生成する機能と、前記提示情報を提示する機能と、を前記コンピュータにより実現させてよい。
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の機器の一側面によれば、加熱面を有し、該加熱面からの放熱により被調理物を加熱するグリドル部およびプラテン部と、前記プラテン部に被調理物を支持させる支持機構と、前記支持機構に支持させた前記被調理物を前記プラテン部とともに前記グリドル部に移送する移送機構とを備え、前記プラテン部と前記グリドル部の間に前記支持機構とともに前記被調理物を挟み込んで加熱する。
この機器において、前記支持機構は、前記被調理物を支持する支持板と、前記プラテン部に前記支持板を昇降可能に支持させる支持シャフトとを備え、前記被調理物の加熱中、前記グリドル部と前記プラテン部の間に前記支持板を前記被調理物とともに挟み、前記被調理物の移送中、前記プラテン部の加熱面から前記被調理物を分離させてよい。
この機器において、さらに、少なくとも前記プラテン部に備えた熱源部と、前記被調理物の加熱前、前記支持機構に前記被調理物を支持させた時点から前記プラテン部の加熱動作を開始し、前記被調理物の加熱後、移送中の前記プラテン部の加熱動作を停止させる制御部とを備えてよい。
この機器において、さらに、情報提示部を備え、前記制御部が前記被調理物の移送情報、加熱情報の何れかを含む提示情報を生成し、前記情報提示部が前記提示情報を提示してよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) パティなどの被調理物の投入、取出し前のプラテンの開閉操作から調理者を開放でき、調理作業の安全性をより高めることができる。
(2) プラテン部の開閉操作が自動化される結果、従前のプラテンの開閉操作を省略でき、調理者によるプラテンの開閉に要する時間を被調理物の投入、取出しの準備作業などに利用でき、調理効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施の形態に係る調理工程を示すフローチャートである。
図2】調理機器の一例を示す図である。
図3】調理機器の各グリドル部の熱源部を示す図である。
図4】調理機器の各プラテン部の熱源部を示す図である。
図5】プラテン昇降機構および被調理物支持機構の一例を示す図である。
図6】被調理物の投入を示す図である。
図7】被調理物の移送から加熱までを示す図である。
図8】被調理物の加熱状態を示す図である。
図9】被調理物の加熱終了から移送までを示す図である。
図10】被調理物の取出しを示す図である。
図11】調理情報ファイルを示す図である。
図12】第2の実施の形態に係る調理システムの一例を示す図である。
図13】制御装置のハードウェアの一例を示す図である。
図14】調理情報の提示を示す図である。
図15】調理の処理シーケンスを示す図である。
図16】第3の実施の形態に係る調理機器の一部を切欠いて示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る調理工程の一例を示している。この図1に示す工程は一例であり、斯かる工程に本発明が限定されるものではない。
この調理工程は、本発明の調理方法またはプログラムにより実現される工程の一例であり、図1において、Sは工程、Sに付した番号は工程順の一例である。
この調理工程には、被調理物Fの投入(S101)、被調理物Fの移送(S102)、被調理物Fの加熱(S103)、被調理物Fの加熱終了の判断(S104)、被調理物Fの移送(S105)、被調理物Fの取出し(S106)が含まれる。
【0012】
被調理物Fの投入(S101): 調理すべき被調理物Fが加熱前待機部20-1からプラテン部本体11(プラテン部10)側の支持板16(図2)上に投入される。
被調理物Fの移送(S102): 支持板16に支持させた被調理物Fは、プラテン部本体11とともに、グリドル部8の加熱面9上に移送される。
被調理物Fの加熱(S103): 支持板16に支持させた被調理物Fは、プラテン部10とグリドル部8の間に挟み込まれて加熱される。
被調理物Fの加熱終了の判断(S104): 被調理物Fは予め設定された一定の加熱時間で加熱される。加熱開始からたとえば、加熱時間を計測し、被調理物Fが加熱終了かを判断する。
被調理物Fの移送(S105): 加熱を終了した被調理物Fはグリドル部8側からプラテン部本体11とともに加熱後待機部20-2の高さ位置に移送される。
被調理物Fの取出し(S106): 被調理物Fは支持板16から加熱後待機部20-2側に取出し、調理品として提供される。
【0013】
<調理機器2>
図2は、調理機器2の一例を示している。この調理機器2は機器の一例である。この調理機器2は、複数の被調理物Fを加熱するためのグリドル4およびプラテン6を備えている。グリドル4およびプラテン6は被調理物Fを加熱する加熱部の一例であり、グリドル4は被調理物Fの下面側加熱部、プラテン6は被調理物Fの上面側加熱部である。
グリドル4は被調理物Fを加熱する鉄板などの加熱板である。このグリドル4には一例として、1列5面のグリドル部8としてグリドル部8-1、8-2、8-3、8-4、8-5に分割されている。以後、特定の位置を指定しない場合には、単にグリドル部8と称する。各グリドル部8は図中単一の被調理物Fを破線で示しているが、二以上の被調理物Fを加熱してもよく、グリドル部8は二以上の被調理物Fの加熱に必要な面積を有してもよい。
【0014】
プラテン6は移送可能であり、この実施の形態ではグリドル4の上面に昇降可能である。このプラテン6は各グリドル部8に対応し、たとえば、5組のプラテン部10-1、10-2、10-3、10-4、10-5が設置されている。以後、特定の位置を指定しない場合には、単にプラテン部10と称する。各プラテン部10はたとえば、一つ以上の被調理物Fを加熱するに必要な面積を有する。
各プラテン部10には被調理物Fの移送機構の一例であるプラテン昇降機構12が備えられるとともに、被調理物支持機構14が備えられている。プラテン昇降機構12はプラテン部10を個別に昇降させる。被調理物支持機構14は支持機構の一例であり、被調理物Fを載せて支持する支持板16を備えている。支持板16は熱伝導の良い金属板で形成すればよい。この支持板16は複数の支持シャフト18によりプラテン部10に昇降可能に支持されている。
図中、プラテン昇降機構12を挟んで、プラテン昇降機構12の左側(たとえば、調理機器2の正面側)に加熱前の被調理物Fを待機させる加熱前待機部20-1、プラテン昇降機構12の右側(たとえば、調理機器2の背面側)に加熱後の被調理物Fを待機させる加熱後待機部20-2が設けられている。
プラテン昇降機構12によって上昇させる支持板16の上限位置は、加熱前待機部20-1および加熱後待機部20-2に一致ないし近似の位置である。
【0015】
<各グリドル部8の熱源部22>
図3は、各グリドル部8の熱源部22を示している。各グリドル部8には、加熱面9とともに、この加熱面9から放熱させて被調理物Fを加熱するための熱源部22が設けられている。各熱源部22は燃焼熱源、電熱源の何れでもよい。各熱源部22はそれぞれの加熱駆動部24により駆動され、この駆動は制御装置60(図12)で個別に制御される。
【0016】
<プラテン部10の熱源部26>
図4はプラテン部10の熱源部26を示している。各プラテン部10には各グリドル部8上の被調理物Fのたとえば、上面側を個別に加熱する熱源部26が設けられている。各熱源部26にはたとえば、電熱源が用いられる。各熱源部26はそれぞれの加熱駆動部28により駆動され、この駆動は制御装置60(図12)で個別に制御される。
【0017】
<プラテン昇降機構12>
図5のAは、各プラテン部10のプラテン昇降機構12を示している。このプラテン昇降機構12は各プラテン部10をグリドル部8に対して昇降させるための機構である。このプラテン昇降機構12は昇降駆動部30を備え、この昇降駆動部30によってプラテン部本体11を昇降させる。プラテン部本体11にはグリドル部8の加熱面9に支持板16を挟んで対向する加熱面13を備える。加熱面13は被調理物Fを加熱するための放熱面を構成している。
プラテン部本体11の昇降動作は昇降センサー32に検出され、昇降位置が位置センサー33に検出される。温度センサー34はたとえば、プラテン部本体11に設置され、プラテン部本体11側の加熱温度または放熱温度を検出する。被調理物検出部36は、支持板16に存在する被調理物Fを検出し、この検出情報が被調理物Fの投入情報、取出し情報として用いられる。昇降センサー32、位置センサー33、温度センサー34または被調理物検出部36に得られる検出情報は制御装置60(図12)に提供される。昇降センサー32は位置センサー33に代用させてもよい。
【0018】
<被調理物支持機構14>
プラテン部本体11には被調理物Fを支持する被調理物支持機構14が備えられる。この被調理物支持機構14は被調理物Fを載せて支持する支持機構の一例である。この被調理物支持機構14は、被調理物Fを支持する支持板16を備え、この支持板16を複数の支持シャフト18で昇降自在に支持する。
図5のBは、支持シャフト18の支持構造を示している。支持シャフト18は、プラテン部本体11に設けられた支持孔35に摺動自在に支持されている。つまり、支持板16は自重で下限位置に下降でき、プラテン部本体11の下降時、グリドル部8の加熱面13からの反力を利用してプラテン部本体11の加熱面13側に支持板16を移動させることができる。
支持シャフト18には中途部にストッパ19が取り付けられ、このストッパ19で支持シャフト18がプラテン部本体11に係止され、支持板16の下降位置および支持シャフト18の昇降範囲が規制されている。
【0019】
<被調理物Fの投入>
図6は、加熱前待機部20-1から支持板16への被調理物Fの移送を示している。
支持板16はプラテン昇降機構12により、上限位置に到達させる。このとき、加熱前待機部20-1に待機する被調理物Fは操作治具38により、矢印で示すように、加熱前待機部20-1から支持板16の上面に移送させて投入することができる。
【0020】
<被調理物Fの投入後の移送>
図7は、投入された被調理物Fの移送を示している。被調理物Fの投入を契機に、プラテン昇降機構12はプラテン部本体11を図7のAに示す状態から図7のBの状態に下降させる。
図7のBは、支持板16がグリドル部8の加熱面9に到達し、接触した状態を示している。この状態で、プラテン昇降機構12によりプラテン部本体11の下降を継続すると、図7のCに示すように、支持板16はグリドル部8の加熱面9に支持され、支持シャフト18をガイド軸としてプラテン部本体11を被調理物Fに接触するまで下降させる。
この結果、被調理物Fは、グリドル部8の加熱面9とプラテン部本体11の加熱面13との間に支持板16とともに把持される。このとき、被調理物Fには適当な加圧力を付与することが可能である。この加圧力は、プラテン部本体11の自重またはプラテン昇降機構12による押圧力の何れで設定してもよい。
【0021】
<被調理物Fの加熱>
図8は、被調理物Fの加熱処理を示している。被調理物Fはグリドル部8とプラテン部本体11の間に支持板16とともに挟まれ、各熱源部22、26からの双方の放熱を受けて加熱される。つまり、被調理物Fの上下面が同時に加熱され、いわゆる被調理物Fの両面焼きが行われる。
【0022】
<被調理物Fの取出し前の移送>
図9は、加熱終了時のプラテン部本体11の位置を示している。被調理物Fの加熱終了を契機に、プラテン部本体11側の熱源部26の加熱を終了し、プラテン昇降機構12がプラテン部本体11を図9のAに示す状態から図9のBないし図9のCの状態に上昇させる。
このとき、支持板16は、自重および被調理物Fの重量により、図9のBに示すように、グリドル部8の加熱面9側に取り残され、被調理物Fの上面部はプラテン部本体11の加熱面13から引き離される。そして、プラテン部本体11および支持板16は図9のCに示すように、グリドル部8の加熱面9から離れた状態に移送させる。
【0023】
<被調理物Fの取出し>
図10は、プラテン部本体11側から加熱後待機部20-2への被調理物Fの移送を示している。
加熱後、加熱後待機部20-2の位置まで支持板16を上昇させ、この支持板16上に待機する被調理物Fは操作治具38により、矢印で示すように、支持板16から加熱後待機部20-2に移送させ、調理品として提供できる。
【0024】
<調理情報ファイル40>
図11は調理情報ファイル40の一例を示している。この調理情報ファイル40には調理機器2の動作状況を表す情報テーブルが格納される。この情報テーブルには情報項目部42、プラテン部情報部44が含まれる。
情報項目部42には加熱状況部46、被調理物部48、加熱時間部50、加熱開始時刻部52、加熱終了時刻部54、温度情報部56が設定されている。プラテン部情報部44には第1の実施の形態に係るプラテン部10-1、10-2、10-3、10-4、10-5を表す識別情報が格納される。加熱状況部46には各プラテン部10の加熱状況情報が格納される。被調理物部48には調理される被調理物Fの識別情報が格納される。加熱時間部50には被調理物Fの加熱時間情報が格納される。加熱開始時刻部52には各支持板16上に投入された被調理物Fごとの加熱開始時刻情報が格納される。加熱終了時刻部54には各プラテン部10の被調理物Fごとの加熱終了時刻情報が格納される。そして、温度情報部56には各プラテン部10の加熱面13の温度情報が格納される。同様に、各グリドル部8の加熱面9の温度情報を格納してもよい。
【0025】
<提示情報の生成>
被調理物Fの移送情報、加熱情報の何れかを含む提示情報を生成し、この提示情報を提示する。
【0026】
<第1の実施の形態の効果>
この第1の実施の形態によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) パティなどの被調理物Fの支持板16に対する投入または取出しを行えば、グリドル部8とプラテン部本体11の間に被調理物Fを把持させることができるので、プラテン開閉操作から調理者を開放でき、調理作業の安全性をより高めることができる。
(2) プラテン部6とプラテン部本体11の被調理物Fの挟み込みないしプラテンの開閉操作が自動化される結果、調理者によるプラテンの開閉操作を省略でき、従前のプラテン部の開閉時間を被調理物Fの投入、取出しの準備作業などに利用でき、調理効率を高めることができる。
【0027】
〔第2の実施の形態〕
図12は、第2の実施の形態に係る調理システムの一例を示している。図12に示す構成は一例であり、斯かる構成に本発明が限定されるものではない。
この調理システム58は、既述の調理工程をコンピュータによる情報処理で実現することができる。
この調理システム58には調理機器2、制御装置60、操作入力装置62、情報提示装置64が備えられる。制御装置60は制御部の一例であり、操作入力装置62は情報入力部の一例であり、また、情報提示装置64は情報提示部の一例である。この実施の形態では、被調理物Fの加熱時間を計測するためのタイマー66が調理機器2に備えられ、その計測時間が制御装置60に提供される。
制御装置60は駆動制御、情報提示制御などに必要な制御情報を生成し、加熱駆動部24、28、昇降駆動部30、情報提示装置64などに提供する。制御装置60は、昇降センサー32、位置センサー33など、各種センサーから検出情報を取得する。制御装置60は、被調理物Fの加熱時間などの計時情報をタイマー66から取得する。制御装置60は、操作入力装置62からの入力情報を取得する。また、制御装置60は提示情報78を生成し、情報提示装置64により情報提示を行う。
【0028】
操作入力装置62は被調理物Fの加熱時間情報や、位置設定情報などの情報入力に用いられる。この操作入力装置62には情報入力に用いられるキーボード、バーコード読取り部、マウス、I/O72(図13)に接続された情報端末の他、タッチパネルが含まれる。タッチパネルは情報提示装置64の情報提示画面76(図14)に設置すればよい。
情報提示装置64はたとえば、LCD(Liquid Crystal Display)で構成し、制御装置60の制御により、調理情報ファイル40(図11)の他、被調理物Fの投入や取出し、加熱調理の状況情報などを含む提示情報78や、アラート情報などを提示する。
【0029】
<制御装置60のハードウェア>
図13は、制御装置60のハードウェアを示している。図13において、図12と同一部分には同一符号を付してある。
制御装置60には、プロセッサ68、記憶部70、入出力部(I/O)72、通信部74が設置されている。プロセッサ68は、記憶部70にあるOS(Operating System)を実行し、既述の調理方法、プログラムで実行すべき各種機能を実現するための情報処理を実行する。この情報処理には調理情報ファイル40(図11)の情報の格納、格納情報の最新情報への更新などの処理が含まれる。
【0030】
I/O72は、プロセッサ68の制御により、情報の入力、情報の取出しなどに用いられる。
記憶部70はROM(Read-Only Memory)、RAM(Random-Access Memory)などの記憶素子を備え、OS、調理プログラムなど、各種のプログラムを格納するとともに、各調理情報ファイル40が格納されている。通信部74はプロセッサ68の制御により、管理センターや携帯情報端末などと無線または有線による接続により情報の授受を行う。
【0031】
<制御装置60の情報処理>
制御装置60の情報処理には、
a)被調理物Fの投入、取出しの検出および制御
b)被調理物Fの加熱制御、加熱時間制御
c)プラテン昇降機構12の昇降制御
d)熱源部22、26の加熱制御
e)情報提示装置64の提示制御
など、多岐にわたる処理や制御が含まれる。
【0032】
<情報提示>
図14は、情報提示装置64の情報提示画面76の提示例を示している。この情報提示画面76には提示情報78が提示される。提示情報78には既述の調理情報ファイル40(図11)の他、図示しないアラート情報などが提示される。
【0033】
<情報処理>
図15は、調理システム58による調理工程の処理シーケンスの一例を示している。この処理シーケンスは、本発明のプログラムまたは調理方法の一例である。このシーケンスでは説明を簡略化するため、プラテン昇降機構12、被調理物検出部36、制御装置60、情報提示装置64を示しているが、情報処理対象はこれに限定されない。この処理シーケンスにおいて、Sは手順または工程を示し、Sに付した番号は手順または工程の順序の一例である。
この情報処理では、制御装置60などの初期設定の後、たとえば、オーダー情報の取得を契機に、空いているグリドル部8のプラテン昇降機構12に対し、プラテン部10の上昇指示を行う(S201)。
プラテン昇降機構12はプラテン部10を上昇させる(S202)。このプラテン部10の支持板16に対し、被調理物Fを投入する。被調理物検出部36は投入された被調理物Fを検出する(S203)。この検出情報の提供を受けた制御装置60は、プラテン部10の下降指示を行う(S204)。下降指示を受けたプラテン昇降機構12はプラテン部10を下降させ(S205)、グリドル部8に到達させる。これにより、被調理物Fはグリドル部8の加熱面9とプラテン部本体11の加熱面13の間に支持板16とともに挟まれて保持される。
【0034】
制御装置60は被調理物検出部36から被調理物Fの検出情報を取得し(S206)、提示情報78を生成する(S207)。この提示情報78は情報提示装置64に提供され、更新された調理情報ファイル40を含む情報を提示する(S208)。
制御装置60は加熱開始を指示し(S209)、グリドル部8とともに該当するプラテン部10が加熱を開始する(S210)。制御装置60は被調理物Fの加熱時間を監視し、加熱時間が終了したかを判断する(S211)。制御装置60は加熱時間の終了により(S211のYES)、プラテン昇降機構12に対し、加熱終了指示を通知する(S212)。プラテン昇降機構12はプラテン部10の加熱を終了させる(S213)。これまでの制御情報について、制御装置60は提示情報78を生成し(S214)、この提示情報78を情報提示装置64に提供する。情報提示装置64は更新された調理情報ファイル40を提示情報78として情報提示を行う(S215)。
【0035】
制御装置60はプラテン昇降機構12にプラテン部10の上昇指示を行い(S216)、これを受けたプラテン昇降機構12はプラテン部10を上昇させる(S217)。このとき、支持板16は加熱後待機部20-2の位置まで被調理物Fを移送する。
支持板16から被調理物Fを加熱後待機部20-2に取り出すと、被調理物検出部36は被調理物Fの取出しを検出する(S218)。制御装置60は被調理物検出部36から被調理物Fの取出し情報を取得し(S219)、提示情報78を生成する(S220)。つまり、これまでの制御情報で調理情報ファイル40が更新される。制御装置60は提示情報78を情報提示装置64に提供し、更新された調理情報ファイル40が提示情報78として情報提示装置64に提示される(S221)。
【0036】
<プログラムにより実現する機能>
このプログラムには次の機能が含まれる。
(1) プラテン部本体11に被調理物Fを支持させてグリドル部8に移送するための制御情報を生成し、プラテン昇降機構12を制御する機能
(2) グリドル部8に移送した被調理物Fをプラテン部本体11とグリドル部8との間に挟み込む制御情報、被調理物Fを加熱するための制御情報を生成する機能
(3) プラテン部本体11に備える支持板16とともに被調理物Fをグリドル部8に移送するための制御情報を生成する機能
(4) プラテン部本体11とグリドル部8の間に支持板16とともに被調理物Fを挟み込んで加熱するための制御情報を生成するための機能
(5) 被調理物Fの加熱前、支持板16に被調理物Fを支持させた時点からプラテン部本体11の熱源部26の加熱動作を開始し、被調理物Fの加熱後、移送中のプラテン部本体11の熱源部26の加熱動作を停止させる機能、これらの加熱動作の制御情報を生成する機能
(6) 情報提示装置64に提示するための提示情報を生成するとともに、加熱時間の経過に応じて、被調理物Fの投入可能なまたは取出し可能なグリドル部情報、プラテン部情報の何れかまたは双方を含む提示情報の生成機能
(7) 制御装置60が、グリドル部8およびプラテン部10による被調理物Fの加熱時間の経過を監視し、加熱時間が終了するグリドル部8およびプラテン部10を検索し、その検索結果とともに被調理物Fの投入指示を含む提示情報を生成する機能
(8) 熱源部22、26に対し、被調理物Fを加熱するための加熱制御情報の生成機能
(9) 制御装置60による調理情報ファイル40の情報更新機能
(10) 制御装置60が、グリドル部8およびプラテン部10の加熱中、休止中などの状態情報から被調理物Fの受入れ順位情報を生成し、提示情報を生成する機能
【0037】
<第2の実施の形態の効果>
この第2の実施の形態によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) 第1の実施の形態に係る調理方法およびプログラムを実現することができる。
(2) 第1の実施の形態で述べた効果を得ることができる。
【0038】
〔第3の実施の形態〕
図16は、第3の実施の形態に係る調理機器2を示している。図16において、図2ないし図15と同一部分には同一符号を付してある。
この調理機器2は本発明の機器の一例である。この調理機器2にはたとえば、機器筐体80が備えられる。この機器筐体80には既述の制御装置60、操作入力装置62および情報提示装置64が設置される。調理機器2、操作入力装置62および情報提示装置64は制御装置60で制御される。
この調理機器2は、制御装置60の構成および機能を備えたものであり、その詳細は第1および第2の実施の形態で説明しており、その説明を割愛する。
【0039】
<第3の実施の形態の効果>
この第3の実施の形態によれば、次の何れかの効果が得られる。
(1) この第3の実施の形態に係る調理機器2によれば、被調理物Fの調理方法をコンピュータによる情報処理により実現することができる。
(2) この調理機器2によれば、調理システムおよびプログラムにより、第1の実施の形態および第2の実施の形態と同様の効果が得られる。
(3) クラムシェルグリドルに対して、次のような効果が得られる。
ア)調理機器2では被調理物Fを機器内に入れても、焼き上がりまでの間、任意のプラテン部10を自由に開閉できる。
イ)被調理物Fを個別に調理できるので、繁忙状態に関係なく、所望数の被調理物Fの調理に対応でき、調理途中の被調理物Fがあっても随時オーダーを受けて追加調理が可能である。
【0040】
ウ)被調理物Fを順次に、需要に応じて加熱することができる上、プラテン部10の開閉操作から調理者を開放でき、調理者の安全性を高めることができるとともに、調理効率を高めることができる。
エ)機器構造は簡略化されており、製造コストを低減でき、グリドル部8の選択駆動により、ランニングコストを抑制できる。
(4) 多面化された調理面での複数の被調理物Fの一括調理または少数調理ができるとともに、被調理物Fの加熱時間の調整や焼き色確認など、調理者の負担軽減とともに、安全性を高めることができる。
【0041】
〔他の実施の形態〕
(1) 上記実施の形態では、5組のグリドル部8およびプラテン部10を設置しているが、4組以下または6組以上のグリドル部8およびプラテン部10を備えてもよい。
(2) 上記実施の形態では、制御装置60を調理システム58の制御部として構成しているが、調理システム58と連係可能な情報端末を制御装置60に用いてもよい。
(3) 上記実施の形態では、グリル面を複数のグリドル部に分割しているが、本発明は、クラムシェルグリドルなど、調理面が多面化されていない調理システムにも利用でき、上記実施の形態に限定されない。
(4) 加熱前待機部20-1または加熱後待機部20-2の何れかまたは双方にベルトコンベアーを設置し、加熱前または加熱後の被調理物Fを移送し、所望の位置で停止させる構成としてもよい。
以上説明したように、本発明の最も好ましい実施の形態等について説明した。本発明は、上記記載に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載され、または発明を実施するための形態に開示された発明の要旨に基づき、当業者において様々な変形や変更が可能である。斯かる変形や変更が、本発明の範囲に含まれることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明によれば、プラテン部に支持させた被調理物Fをプラテン部とともにグリドル部に移送でき、従前のプラテン部の開閉など、被調理物Fの調理に必要な操作を軽減でき、調理効率の向上ないし安全性を高めることができるなど、有用である。
【符号の説明】
【0043】
F 被調理物
2 調理機器
4 グリドル
6 プラテン
8、8-1、8-2、8-3、8-4、8-5 グリドル部
9、13 加熱面
10、10-1、10-2、10-3、10-4、10-5 プラテン部
11 プラテン部本体
12 プラテン昇降機構
14 被調理物支持機構
16 支持板
18 支持シャフト
19 ストッパ
20-1 加熱前待機部
20-2 加熱後待機部
22、26 熱源部
24、28 加熱駆動部
30 昇降駆動部
32 昇降センサー
33 位置センサー
34 温度センサー
35 支持孔
36 被調理物検出部
38 操作治具
40 調理情報ファイル
42 情報項目部
44 プラテン部情報部
46 加熱状況部
48 被調理物部
50 加熱時間部
52 加熱開始時刻部
54 加熱終了時刻部
56 温度情報部
58 調理システム
60 制御装置
62 操作入力装置
64 情報提示装置
66 タイマー
68 プロセッサ
70 記憶部
72 入出力部(I/O)
74 通信部
76 情報提示画面
78 提示情報
80 機器筐体

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16