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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-18
(45)【発行日】2023-04-26
(54)【発明の名称】コネクタおよび接続方法
(51)【国際特許分類】
   H01R 4/16 20060101AFI20230419BHJP
   H01R 12/59 20110101ALI20230419BHJP
   H01R 43/04 20060101ALI20230419BHJP
【FI】
H01R4/16
H01R12/59
H01R43/04 Z
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019174852
(22)【出願日】2019-09-26
(65)【公開番号】P2021051946
(43)【公開日】2021-04-01
【審査請求日】2022-06-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 秀明
(72)【発明者】
【氏名】古本 哲也
(72)【発明者】
【氏名】松永 章宏
【審査官】関 信之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-129244(JP,A)
【文献】特開2018-156861(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 4/16
H01R 12/59
H01R 43/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレキシブル導体に接続されるコネクタであって、
2つ以上の突起を有するベース部材と、
導電性材料から形成され且つ前記2つ以上の突起がそれぞれ挿入される凹状の突起収容部を有する2つ以上のコンタクトと、
前記2つ以上のコンタクトを保持し且つ前記ベース部材に対向するように配置されるハウジングと、
前記2つ以上のコンタクトのうち互いに隣接する一対のコンタクトに渡るようにフレキシブル導体が前記ベース部材と前記ハウジングとの間に配置された状態で、前記2つ以上の突起のうち前記一対のコンタクトに対応する一対の突起がそれぞれ前記フレキシブル導体と共に前記一対のコンタクトの前記突起収容部に挿入された場合に、前記一対のコンタクトの間において前記フレキシブル導体を切断して一対のフレキシブル導体片に二分するための切断部と
を備え、
前記切断部により二分された前記一対のフレキシブル導体片が、それぞれ前記一対の突起の側面と前記一対のコンタクトの前記突起収容部の内面との間に挟まれて前記一対のコンタクトの前記突起収容部の内面に接触することで、前記一対のコンタクトが前記一対のフレキシブル導体片に電気的に接続されることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記切断部は、前記ベース部材および前記ハウジングの一方に突出形成された切断用突状部と、前記ベース部材および前記ハウジングの他方に形成され且つ前記一対の突起が前記一対のコンタクトの前記突起収容部に挿入された場合に前記切断用突状部が挿入される切断用溝部とを含み、
前記切断用突状部および前記切断用溝部は、それぞれ、前記一対の突起を結ぶ直線または前記一対のコンタクトを結ぶ直線に沿った第1の方向に対して直交する第2の方向に、前記フレキシブル導体の幅よりも広い幅を有する請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記切断用溝部が形成された前記ベース部材および前記ハウジングの前記他方は、前記第1の方向における前記切断用溝部の両側にそれぞれ突出形成されたガイド部を有し、
前記ガイド部は、前記一対の突起を結ぶ直線上または前記一対のコンタクトを結ぶ直線上に配置され且つ前記フレキシブル導体を収容するための窪みを有する請求項2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記窪みは、収容された前記フレキシブル導体を仮保持するために、前記第2の方向に前記フレキシブル導体の幅よりも狭い幅を有する請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記切断用突状部は、前記一対の突起の突出高さよりも低い突出高さを有する請求項2~4のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記切断用突状部は、前記フレキシブル導体を切断するための切断刃を有する請求項2~5のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記2つ以上のコンタクトは、それぞれ、筒状部と、前記筒状部の一端に形成されたコンタクト側フランジを有し、
前記ハウジングは、前記2つ以上のコンタクトの前記筒状部が貫通し且つ前記コンタクト側フランジよりも小さい2つ以上のコンタクト用貫通孔を有し、
前記2つ以上のコンタクト用貫通孔に前記2つ以上のコンタクトの前記筒状部を貫通させると共に前記コンタクト側フランジを前記ベース部材に向けて押しつけるように前記ハウジングが前記ベース部材に固定されることで、前記2つ以上のコンタクトが前記ベース部材に固定される請求項1~6のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記ベース部材は、前記突起よりも高く突出するハウジング固定用ポストを有し、
前記ハウジングは、凹状のポスト収容部を有し、
前記ハウジング固定用ポストが前記ポスト収容部に収容されることで前記ハウジングは前記ベース部材に固定される請求項7に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記ハウジングは、絶縁性材料からなる請求項1~8のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記ハウジングは、相手側コネクタの一部が収容される相手側コネクタ収容部を有する請求項1~9のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記ベース部材は、絶縁性材料からなる請求項1~10のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項12】
前記フレキシブル導体は、独立して、前記ベース部材と前記ハウジングとの間に配置される請求項1~11のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項13】
前記フレキシブル導体は、絶縁性の基板本体の表面上に露出するように配置され、
前記フレキシブル導体が前記ハウジングに対向し、前記基板本体の裏面が前記ベース部材に対向するように、前記フレキシブル導体が前記ベース部材と前記ハウジングとの間に配置される請求項1~11のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項14】
前記コンタクトは、プラグ型のコンタクトである請求項1~13のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項15】
前記コンタクトは、レセプタクル型のコンタクトである請求項1~13のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項16】
ハウジングに保持された一対のコンタクトを一対のフレキシブル導体片にそれぞれ接続する接続方法であって、
ベース部材に形成された一対の突起を前記一対のコンタクトの凹状の突起収容部に対向させて配置し、
前記一対のコンタクトに渡るようにフレキシブル導体を前記ハウジングと前記ベース部材との間に配置し、
前記フレキシブル導体を間に挟んで前記ハウジングと前記ベース部材とを互いに押し付けることにより、前記一対の突起をそれぞれ前記フレキシブル導体と共に前記一対のコンタクトの前記突起収容部に挿入すると共に、前記ハウジングおよび前記ベース部材の少なくとも一方に配置された切断部により前記一対のコンタクトの間において前記フレキシブル導体を切断して一対のフレキシブル導体片に二分し、前記一対のフレキシブル導体片が、それぞれ前記一対の突起の側面と前記一対のコンタクトの前記突起収容部の内面との間に挟まれて前記一対のコンタクトの前記突起収容部の内面に接触することで、前記一対のコンタクトが前記一対のフレキシブル導体片に電気的に接続されることを特徴とする接続方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、コネクタおよび接続方法に係り、特に、フレキシブル導体に接続されるコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブル導体に接続されるコネクタとして、例えば、特許文献1には、図18に示されるようなコネクタ1が開示されている。コネクタ1は、フレキシブルなフラットケーブル2に装着されるもので、突き刺し片3を有する金属板4と、受け溝5が形成された金属製の受け溝プレート6を備えている。
【0003】
突き刺し片3が受け溝5の一端に沿って挿入されるように金属板4と受け溝プレート6とを位置合わせした状態で、金属板4の突き刺し片3をフラットケーブル2に突き刺すと、フラットケーブル2内のフレキシブル導体7が突き刺し片3により剪断され、突き刺し片3の挿入に伴って、フレキシブル導体7の剪断された部分が、受け溝5の他端と突き刺し片3との間に形成された隙間に巻き込まれて延伸切断部7Aとなり、突き刺し片3に接触する。これにより、金属板4とフレキシブル導体7が電気的に接続される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2005-122901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図18に示されるように、フラットケーブル2への突き刺し片3の突き刺しにより、フレキシブル導体7が剪断されて突き刺し片3の両側に位置する2つの導体部分に分割される。しかしながら、分割された2つの導体部分のうち、延伸切断部7Aを有する一方の導体部分のみが金属板4と電気的に接続されて電気回路を形成し、延伸切断部7Aを有しない他方の導体部分は電気回路に寄与することなく無用の存在となってしまう。
このため、複数のフレキシブル導体7に複数の金属板4を接続する場合に、個々のフレキシブル導体7に対して1つの金属板4を配置しなければならず、複数系統の電気回路の形成に手間がかかるという問題がある。
【0006】
この発明は、このような従来の問題点を解消するためになされたもので、複数のフレキシブル導体片に対して複数のコンタクトを容易に電気的に接続することができるコネクタを提供することを目的とする。
また、この発明は、複数のフレキシブル導体片に対して複数のコンタクトを容易に電気的に接続する接続方法を提供することも目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明に係るコネクタは、フレキシブル導体に接続されるコネクタであって、2つ以上の突起を有するベース部材と、導電性材料から形成され且つ2つ以上の突起がそれぞれ挿入される凹状の突起収容部を有する2つ以上のコンタクトと、2つ以上のコンタクトを保持し且つベース部材に対向するように配置されるハウジングと、2つ以上のコンタクトのうち互いに隣接する一対のコンタクトに渡るようにフレキシブル導体がベース部材とハウジングとの間に配置された状態で、2つ以上の突起のうち一対のコンタクトに対応する一対の突起がそれぞれフレキシブル導体と共に一対のコンタクトの突起収容部に挿入された場合に、一対のコンタクトの間においてフレキシブル導体を切断して一対のフレキシブル導体片に二分するための切断部とを備え、切断部により二分された一対のフレキシブル導体片が、それぞれ一対の突起の側面と一対のコンタクトの突起収容部の内面との間に挟まれて一対のコンタクトの突起収容部の内面に接触することで、一対のコンタクトが一対のフレキシブル導体片に電気的に接続されるものである。
【0008】
切断部は、ベース部材およびハウジングの一方に突出形成された切断用突状部と、ベース部材およびハウジングの他方に形成され且つ一対の突起が一対のコンタクトの突起収容部に挿入された場合に切断用突状部が挿入される切断用溝部とを含み、切断用突状部および切断用溝部は、それぞれ、一対の突起を結ぶ直線または一対のコンタクトを結ぶ直線に沿った第1の方向に対して直交する第2の方向に、フレキシブル導体の幅よりも広い幅を有することが好ましい。
【0009】
また、切断用溝部が形成されたベース部材およびハウジングの他方は、第1の方向における切断用溝部の両側にそれぞれ突出形成されたガイド部を有し、ガイド部は、一対の突起を結ぶ直線上または一対のコンタクトを結ぶ直線上に配置され且つフレキシブル導体を収容するための窪みを有することが好ましい。
窪みは、収容されたフレキシブル導体を仮保持するために、第2の方向にフレキシブル導体の幅よりも狭い幅を有することができる。
切断用突状部は、一対の突起の突出高さよりも低い突出高さを有することが好ましい。
切断用突状部は、フレキシブル導体を切断するための切断刃を有することができる。
【0010】
2つ以上のコンタクトは、それぞれ、筒状部と、筒状部の一端に形成されたコンタクト側フランジを有し、ハウジングは、2つ以上のコンタクトの筒状部が貫通し且つコンタクト側フランジよりも小さい2つ以上のコンタクト用貫通孔を有し、2つ以上のコンタクト用貫通孔に2つ以上のコンタクトの筒状部を貫通させると共にコンタクト側フランジをベース部材に向けて押しつけるようにハウジングがベース部材に固定されることで、2つ以上のコンタクトがベース部材に固定されるように構成することができる。
この場合、ベース部材は、突起よりも高く突出するハウジング固定用ポストを有し、ハウジングは、凹状のポスト収容部を有し、ハウジング固定用ポストがポスト収容部に収容されることでハウジングはベース部材に固定されることが好ましい。
【0011】
好ましくは、ハウジングは、絶縁性材料から形成されている。
ハウジングは、相手側コネクタの一部が収容される相手側コネクタ収容部を有することが好ましい。
ベース部材は、絶縁性材料からなることが好ましい。
【0012】
フレキシブル導体は、独立して、ベース部材とハウジングとの間に配置されるように構成することができる。
あるいは、フレキシブル導体は、絶縁性の基板本体の表面上に露出するように配置され、フレキシブル導体がハウジングに対向し、基板本体の裏面がベース部材に対向するように、フレキシブル導体がベース部材とハウジングとの間に配置されてもよい
なお、コンタクトは、プラグ型のコンタクトとすることもでき、あるいは、レセプタクル型のコンタクトとすることもできる。
【0013】
この発明に係る接続方法は、ハウジングに保持された一対のコンタクトを一対のフレキシブル導体片にそれぞれ接続する接続方法であって、ベース部材に形成された一対の突起を一対のコンタクトの凹状の突起収容部に対向させて配置し、一対のコンタクトに渡るようにフレキシブル導体をハウジングとベース部材との間に配置し、フレキシブル導体を間に挟んでハウジングとベース部材とを互いに押し付けることにより、一対の突起をそれぞれフレキシブル導体と共に一対のコンタクトの突起収容部に挿入すると共に、ハウジングおよびベース部材の少なくとも一方に配置された切断部により一対のコンタクトの間においてフレキシブル導体を切断して一対のフレキシブル導体片に二分し、一対のフレキシブル導体片が、それぞれ一対の突起の側面と一対のコンタクトの突起収容部の内面との間に挟まれて一対のコンタクトの突起収容部の内面に接触することで、一対のコンタクトが一対のフレキシブル導体片に電気的に接続される方法である。
【発明の効果】
【0014】
この発明によれば、互いに隣接する一対のコンタクトに渡るようにフレキシブル導体がベース部材とハウジングとの間に配置された状態で、一対のコンタクトに対応する一対の突起がそれぞれフレキシブル導体と共に一対のコンタクトの突起収容部に挿入された場合に、一対のコンタクトの間においてフレキシブル導体を切断して一対のフレキシブル導体片に二分するための切断部を備え、切断部により二分された一対のフレキシブル導体片が、それぞれ一対の突起の側面と一対のコンタクトの突起収容部の内面との間に挟まれて一対のコンタクトの突起収容部の内面に接触するので、複数のフレキシブル導体片に対して複数のコンタクトを容易に電気的に接続することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】この発明の実施の形態1に係るコネクタを斜め上方から見た斜視図である。
図2】実施の形態1に係るコネクタを斜め下方から見た斜視図である。
図3】実施の形態1に係るコネクタを斜め上方から見た組立図である。
図4】実施の形態1に係るコネクタを斜め下方から見た組立図である。
図5】実施の形態1のコネクタに用いられるベース部材を斜め上方から見た斜視図である。
図6】実施の形態1のコネクタに用いられるベース部材に形成された切断用突状部を示す拡大斜視図である。
図7】実施の形態1のコネクタに用いられるハウジングを斜め下方から見た斜視図である。
図8】ハウジングに形成された切断用溝部を示す拡大斜視図である。
図9】実施の形態1のコネクタに用いられるコンタクトを示す斜視断面図である。
図10】ハウジングにフレキシブル導体を位置合わせした状態を示す斜視図である。
図11】ハウジングの切断用溝部にフレキシブル導体を保持させた状態を示す斜視図である。
図12】実施の形態1に係るコネクタを示す断面図である。
図13図12の部分拡大図である。
図14】実施の形態2のコネクタに用いられるベース部材を示す斜視図である。
図15】実施の形態2のコネクタに用いられるベース部材に形成された切断用突状部を示す拡大斜視図である。
図16】実施の形態2に係るコネクタを示す断面図である。
図17図16の部分拡大図である。
図18】フラットケーブルに実装された従来のコネクタを示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
実施の形態1
図1および図2に、実施の形態1に係るコネクタ11を示す。コネクタ11は、例えば、ウエアラブルデバイスを嵌合するための衣服側コネクタ部として使用されるもので、複数のフレキシブル導体片21に接続されている。
【0017】
コネクタ11は、ハウジング12と、複数のコンタクト13と、複数のフレキシブル導体片21を間に挟んでハウジング12に対向するベース部材14を備えており、複数のコンタクト13と複数のフレキシブル導体片21が互いに電気的に接続されている。ハウジング12は、凹部12Aを有しており、複数のコンタクト13は、それぞれ、ハウジング12の凹部12A内において、凹部12Aの平面状の底面に対し垂直に突出している。
フレキシブル導体片21としては、複数の導電繊維を撚り合わせることにより作製された導電糸が使用されている。
【0018】
ここで、便宜上、ハウジング12の凹部12Aの底面がXY面に沿って延び、それぞれのコンタクト13が突出する方向を+Z方向と呼ぶことにする。
ハウジング12の-Z方向側に複数のフレキシブル導体片21が配置され、複数のフレキシブル導体片21の-Z方向側にベース部材14が配置されている。
複数のコンタクト13として、第1列R1および第2列R2の2つの列に配列された計4つのコンタクト13が配置されている。第1列R1および第2列R2は、それぞれ、Y方向に沿って延び、互いに隣接する一対のコンタクト13から形成されている。また、第1列R1および第2列R2は、互いにX方向に離れており、第2列R2は、第1列R1の+X方向側に配置されている。
【0019】
図3および図4にコネクタ11の組立図を示す。ハウジング12は、絶縁性樹脂等の絶縁性材料からなり、+Z方向に向かって開いている凹部12A内に、4つのコンタクト用貫通孔12Bが形成されている。凹部12Aは、図示しない相手側コネクタの一部が収容される相手側コネクタ収容部を構成するものである。4つのコンタクト用貫通孔12Bは、4つのコンタクト13にそれぞれ対応している。また、XY方向において凹部12Aの外側の箇所で且つハウジング12の-Z方向を向いた面12Cに、2つの凹状のポスト収容部12Dが形成されている。
【0020】
4つのコンタクト13は、それぞれ、金属等の導電性材料から形成されたプラグ型のコンタクトで、ハウジング12の凹部12Aに図示しない相手側コネクタの一部が収容された場合に、相手側コネクタの対応するコンタクトに接続されるものである。コンタクト13は、Z方向に延びる円筒形状の筒状部13Aと、筒状部13Aの-Z方向端部からXY面に沿って延びるフランジ13Bを有している。
【0021】
ベース部材14は、絶縁性樹脂等の絶縁性材料からなり、平板部14Aを有している。平板部14Aの+Z方向を向いた面14Bに、4つのコンタクト13にそれぞれ対応する4つの突起15が突出形成されている。さらに、平板部14Aの面14Bには、それぞれ、突起15よりも高い突出高さを有する2つのハウジング固定用ポスト16が突出形成されている。これら2つのハウジング固定用ポスト16は、ハウジング12の2つの凹状のポスト収容部12Dに対応している。
【0022】
ハウジング12の4つのコンタクト用貫通孔12Bと、4つのコンタクト13と、ベース部材14の4つの突起15は、互いに対応する位置に配置されている。
同様に、ハウジング12の2つのポスト収容部12Dと、ベース部材14の2つのハウジング固定用ポスト16は、互いに対応する位置に配置されている。
【0023】
また、図3に示されるように、ベース部材14の平板部14Aの+Z方向を向いた面14Bには、2つの切断用突状部17が配置され、図4に示されるように、ハウジング12の-Z方向を向いた面12Cには、2つの切断用溝部18が配置されている。これらベース部材14の2つの切断用突状部17とハウジング12の2つの切断用溝部18は、互いに対応する位置に配置されている。また、互いに対応する切断用突状部17と切断用溝部18は、この発明における切断部を構成している。
【0024】
4つのコンタクト13とベース部材14との間に、2本のフレキシブル導体22が配置されている。それぞれのフレキシブル導体22は、複数の導電繊維を撚り合わせることにより作製された導電糸からなり、コネクタ11が組み立てられると、ベース部材14の切断用突状部17とハウジング12の切断用溝部18との作用により、2つのフレキシブル導体片21に切断されて、対応する2つのコンタクト13にそれぞれ接続されることとなる。
【0025】
図5に示されるように、ベース部材14の4つの突起15は、4つのコンタクト13に対応して、Y方向(第1の方向)に沿って延びる直線L11上において互いにY方向に隣接する一対の突起15と、直線L11よりも+X方向側に位置し且つY方向(第1の方向)に沿って延びる直線L12上において互いにY方向に隣接する一対の突起15とから構成されている。
【0026】
直線L11上に配置された一対の突起15は、第1列R1を形成する一対のコンタクト13に対応し、直線L11上の一対の突起15の間に1つの切断用突状部17が配置されている。同様に、直線L12上に配置された一対の突起15は、第2列R2を形成する一対のコンタクト13に対応し、直線L12上の一対の突起15の間にもう1つの切断用突状部17が配置されている。
【0027】
図6に示されるように、切断用突状部17は、X方向に沿って延び且つベース部材14の平板部14Aの+Z方向を向いた面14Bから+Z方向に突出する平板形状を有し、切断用突状部17の+Z方向端部にX方向に沿って延びる先端部17Aが形成されている。先端部17Aは、直線L11、L12に直交するX方向(第2の方向)に沿ってフレキシブル導体22の幅(直径)よりも広い幅W1を有している。平板部14Aの面14Bから先端部17Aまでの切断用突状部17の突出高さH1は、平板部14Aの面14Bからの突起15の突出高さよりも低くなっている。
また、平板部14Aの面14Bには、切断用突状部17を挟んで切断用突状部17の+Y方向側および-Y方向側と、直線L11、L12を挟んで直線L11、L12の+X方向側および-X方向側に計4つの矩形の収容溝17Bが形成されている。
【0028】
図7に示されるように、ハウジング12の4つのコンタクト用貫通孔12Bは、4つのコンタクト13に対応して、Y方向(第1の方向)に沿って延びる直線L21上において互いにY方向に隣接する一対のコンタクト用貫通孔12Bと、直線L21よりも+X方向側に位置し且つY方向(第1の方向)に沿って延びる直線L22上において互いにY方向に隣接する一対のコンタクト用貫通孔12Bとから構成されている。
【0029】
直線L21上に配置された一対のコンタクト用貫通孔12Bは、第1列R1を形成する一対のコンタクト13に対応し、直線L21上の一対のコンタクト用貫通孔12Bの間に1つの切断用溝部18が配置されている。同様に、直線L22上に配置された一対のコンタクト用貫通孔12Bは、第2列R2を形成する一対のコンタクト13に対応し、直線L22上の一対のコンタクト用貫通孔12Bの間にもう1つの切断用溝部18が配置されている。
【0030】
図8に示されるように、切断用溝部18は、X方向に沿って延びる溝である。ハウジング12の-Z方向を向いた面12Cには、切断用溝部18を挟んで切断用溝部18の+Y方向側および-Y方向側にそれぞれ-Z方向に向かって突出する一対のガイド部18Aが形成され、これら一対のガイド部18Aの間に切断用溝部18が形成されている。切断用溝部18の底面は、ハウジング12の-Z方向を向いた面12Cよりも-Z方向に窪んでいる。
【0031】
また、一対のガイド部18Aは、それぞれ、直線L21、L22の+X方向側および-X方向側に配置された一対のガイド片18Bに分割され、切断用溝部18の周辺に計4つのガイド片18Bが形成されている。4つのガイド片18Bのうち、直線L21、L22を挟んで互いにX方向に対向する2対のガイド片18Bの間に、それぞれ、直線L21、L22上に配置された窪み19が形成されている。切断用溝部18は、X方向に沿ってフレキシブル導体22の幅(直径)よりも広い幅W2を有している。窪み19は、収容されたフレキシブル導体22を仮保持するためのもので、フレキシブル導体22の幅(直径)よりも狭い幅W3を有している。
【0032】
なお、切断用溝部18の周辺に形成された4つのガイド片18Bは、コネクタ11が組み立てられると、図6に示される切断用突状部17の周辺に形成された4つの矩形の収容溝17Bにそれぞれ収容される。
【0033】
図9に示されるように、コンタクト13の筒状部13Aは、+Z方向端部が閉じられた円筒形状を有し、フランジ13Bは、筒状部13Aの-Z方向端部に一体に形成され、筒状部13Aの内部に凹状の突起収容部13Cが形成されている。すなわち、突起収容部13Cの開口端部を囲むようにフランジ13Bが形成されている。
このようなコンタクト13は、例えば、プレス加工、切削、絞り加工等により作製することができる。
【0034】
コネクタ11を複数のフレキシブル導体片21に接続する際には、まず、図4に示されるように、+Z方向が下方を向き、-Z方向が上方を向くように、面12Cを上方に向けてハウジング12を図示しない作業台等の表面上に配置し、4つのコンタクト13の筒状部13Aを上方からハウジング12の4つのコンタクト用貫通孔12Bに挿入する。
これにより、図10に示されるように、4つのコンタクト13は、それぞれ、突起収容部13Cが-Z方向に向けられて露出した状態でハウジング12に配置される。
【0035】
次に、2本のフレキシブル導体22を-Z方向からハウジング12の面12Cに向けて移動させ、図11に示されるように、それぞれのフレキシブル導体22の中間部を、対応する切断用溝部18の周辺に形成されたガイド部18Aの窪み19に押し込んで収容させる。
このとき、窪み19は、図8に示されるように、フレキシブル導体22の幅(直径)よりも狭い幅W3を有しているので、フレキシブル導体22の中間部は、窪み19に収容されることで弾性変形し、窪み19に仮保持される。
【0036】
また、窪み19は、直線L21、L22上に配置されているため、フレキシブル導体22の中間部が窪み19に収容されることにより、図11に示されるように、フレキシブル導体22は、切断用溝部18のY方向の両側に配置されている一対のコンタクト13に渡るように配置され、一対のコンタクト13の突起収容部13Cの直上に位置することとなる。
【0037】
この状態で、図5に示されるベース部材14を上下逆さにして-Z方向からハウジング12に向けて移動させる。このとき、まず、ベース部材14の2つのハウジング固定用ポスト16の先端が、ハウジング12の2つのポスト収容部12Dに挿入されることにより、ハウジング12とベース部材14のXY方向における位置合わせがなされる。
【0038】
このようにしてハウジング12に対する位置合わせがなされたベース部材14をハウジング12に向けて押し込むと、フレキシブル導体22を間に挟んで、ベース部材14のそれぞれの突起15が、対応するコンタクト13の突起収容部13Dに挿入され始める。フレキシブル導体22は、切断用溝部18のY方向の両側に配置されている一対のコンタクト13に渡るように配置されているため、これら一対のコンタクト13の突起収容部13Dに対応する一対の突起15が挿入されると、フレキシブル導体22は、一対の突起15により一対のコンタクト13の突起収容部13D内に引きずり込まれ、一対のコンタクト13の間に位置する部分のフレキシブル導体22に張力が発生する。
【0039】
さらに、ベース部材14をハウジング12に向けて押し込むと、ベース部材14の一対の突起15の間に配置され且つ突起15の突出高さよりも低い突出高さH1を有する切断用突状部17が、ハウジング12の対応する切断用溝部18に挿入され、切断用突状部17の先端部17Aが、切断用溝部18に対応して形成された窪み19に仮保持されているフレキシブル導体22の中間部に接触する。
【0040】
そこで、切断用突状部17の先端部17Aが切断用溝部18の底面に達するまで、ハウジング12に向けたベース部材14の押し込みを続けることにより、フレキシブル導体22の中間部は切断用突状部17の先端部17Aで切断され、一対のコンタクト13に渡るように配置されていたフレキシブル導体22は、一対のコンタクト13にそれぞれ対応する一対のフレキシブル導体片21に二分される。なお、切断用突状部17の先端部17Aは、フレキシブル導体22の幅(直径)よりも広い幅W1を有しているので、フレキシブル導体22は確実に切断されることとなる。
【0041】
また、一対の突起15が、対応する一対のコンタクト13の突起収容部13Dに挿入されることで、一対のコンタクト13の間に位置する部分のフレキシブル導体22に張力が発生しているため、切断用突状部17の先端部17Aによりフレキシブル導体22の中間部を容易に切断することができる。
【0042】
切断用突状部17の先端部17Aが切断用溝部18の底面に達するまで、ベース部材14がハウジング12に向けて押し込まれることで、ベース部材14の4つの突起15は、それぞれ、対応するフレキシブル導体片21と共に対応するコンタクト13の突起収容部13Dに十分に挿入される。また、ベース部材14の2つのハウジング固定用ポスト16が、ハウジング12の2つのポスト収容部12Dに圧入されることで、図12に示されるように、ハウジング12とベース部材14が互いに固定され、4本のフレキシブル導体片21に対するコネクタ11の接続が完了する。
【0043】
このとき、図13に示されるように、ベース部材14の切断用突状部17により二分された一対のフレキシブル導体片21は、間に挟まれる切断用突状部17の存在により互いに隔離された状態にあり、互いに電気的に短絡することが防止される。
二分された一対のフレキシブル導体片21は、それぞれ、対応する突起15と共に対応するコンタクト13の突起収容部13Cに挿入されて、対応する突起15の側面と対応するコンタクト13の突起収容部13Cの内面との間に挟まれる。これにより、一対のフレキシブル導体片21が一対のコンタクト13の突起収容部13Cの内面に接触し、一対のコンタクト13が一対のフレキシブル導体片21に電気的に接続される。
【0044】
このように、ベース部材14をハウジング12に向けて押し込むだけで、一対のコンタクト13に渡るように配置されていたフレキシブル導体22をベース部材14の切断用突状部17により切断すると共に、一対のコンタクト13を二分された一対のフレキシブル導体片21にそれぞれ電気的に接続することができる。
【0045】
また、この実施の形態1では、ベース部材14が2つの切断用突状部17を有し、ハウジング12が2つの切断用溝部18を有し、2本のフレキシブル導体22がそれぞれ対応する一対のコンタクト13に渡るように配置されるので、ベース部材14をハウジング12に向けて押し込むことで、2本のフレキシブル導体22がそれぞれ一対のフレキシブル導体片21に二分され、4つのコンタクト13が、同時に、4本のフレキシブル導体片21にそれぞれ電気的に接続される。
従って、複数のフレキシブル導体片21に対して複数のコンタクト13を容易に電気的に接続することが可能となる。
また、1つのフレキシブル導体22を一対のフレキシブル導体片21に分断し、一対のフレキシブル導体片21をそれぞれ異なるコンタクト13と電気的に接続することで、コンタクト毎に個別のフレキシブル導体片を配置して接続する場合に比べて、組立が容易になる。
【0046】
実施の形態1では、切断用突状部17がベース部材14に配置され、切断用溝部18がハウジング12に配置されているが、逆に、ベース部材14に切断用溝部18を配置し、ハウジング12に切断用突状部17を配置する構成とすることもできる。このようにしても、同様に、フレキシブル導体22を一対のフレキシブル導体片21に二分して、一対のコンタクト13を一対のフレキシブル導体片21に電気的に接続することが可能となる。
【0047】
なお、この実施の形態1に係るコネクタ11は、第1列R1に配列された一対のコンタクト13と第2列R2に配列された一対のコンタクト13の計2組のコンタクト対を有しているが、これに限るものではなく、1組のコンタクト対のみを有していてもよく、あるいは、3組以上のコンタクト対を有していてもよい。1組のコンタクト対のみを有する場合には、一対のコンタクト13が、1本のフレキシブル導体22から二分された一対のフレキシブル導体片21に電気的に接続される。また、3組以上のコンタクト対を有する場合には、3本以上のフレキシブル導体22がそれぞれフレキシブル導体片21に二分されて対応するコンタクト13に電気的に接続されることとなる。
【0048】
実施の形態2
図14に実施の形態2に係るコネクタに用いられるベース部材34を示す。このベース部材34は、実施の形態1で用いられたベース部材14において、2つの切断用突状部17の代わりに2つの切断用突状部37を用いたものであり、その他の構成は、実施の形態1におけるベース部材14と同様である。すなわち、平板部14Aの+Z方向を向いた面14Bに、4つの突起15と2つのハウジング固定用ポスト16が突出形成されている。2つの切断用突状部37は、それぞれ、対応する一対の突起15の間に配置されている。
【0049】
図15に示されるように、切断用突状部37は、X方向に沿って延び且つ+Z方向に突出する平板形状の突状部本体37Aと、突状部本体37Aに保持された切断刃37Bを有している。突状部本体37Aは、ベース部材34と一体に形成され、絶縁性樹脂等の絶縁性材料からなっている。切断刃37Bは、X方向に沿って延び且つ突状部本体37Aの+Z方向端部から+Z方向に突出しており、金属または樹脂等から形成されている。
切断刃37Bは、X方向に沿ってフレキシブル導体22の幅(直径)よりも広い幅W4を有しており、ベース部材34の平板部14Aの面14Bから切断刃37Bまでの切断用突状部37の突出高さH2は、平板部14Aの面14Bからの突起15の突出高さよりも低くなっている。
このような切断刃37Bが、2つの切断用突状部37のそれぞれに配置されている。
【0050】
実施の形態2に係るコネクタでは、図16に示されるように、ベース部材34はハウジング32に取り付けられる。ハウジング32は、実施の形態1で用いられたハウジング12において、2つの切断用溝部18の底面に、それぞれ、X方向に沿った凹状の切断刃収容部33が形成されたものであり、その他の構成は、実施の形態1におけるハウジング12と同様である。切断刃収容部33は、ハウジング32にベース部材34が押し込まれた際に、ベース部材34の切断用突状部37の切断刃37Bを収容するためのものであり、切断刃37Bを十分に収容し得るX方向の幅とZ方向の深さを有している。
【0051】
実施の形態1と同様にして、フレキシブル導体22が一対のコンタクト13に渡るように配置された状態で、ベース部材34をハウジング32に向けて押し込むと、ベース部材34のそれぞれの突起15が、対応するコンタクト13の突起収容部13Dに挿入され始め、ベース部材34の切断用突状部37が、ハウジング32の対応する切断用溝部18に挿入され、切断用突状部37の切断刃37Bがフレキシブル導体22の中間部に接触する。
【0052】
さらに、ハウジング32に向けてベース部材34を押し込むことにより、フレキシブル導体22の中間部は切断用突状部37の切断刃37Bで切断され、一対のコンタクト13に渡るように配置されていたフレキシブル導体22は、一対のコンタクト13にそれぞれ対応する一対のフレキシブル導体片21に二分される。なお、切断刃37Bは、フレキシブル導体22の幅(直径)よりも広い幅W4を有しているので、フレキシブル導体22は確実に切断されることとなる。
このとき、切断刃37Bの存在により、フレキシブル導体22の中間部を容易に切断することができる。
【0053】
そして、図17に示されるように、ベース部材34の切断用突状部37の切断刃37Bは、ハウジング32の切断用溝部18の底面に形成されている凹状の切断刃収容部33に収容され、切断刃37Bにより二分された一対のフレキシブル導体片21の間に絶縁性の突状部本体37Aが位置することとなる。このため、切断刃37Bが金属から形成されていても、一対のフレキシブル導体片21は、間に挟まれる突状部本体37Aの存在により互いに隔離された状態にあり、互いに電気的に短絡することが防止される。
【0054】
二分された一対のフレキシブル導体片21は、それぞれ、対応する突起15と共に対応するコンタクト13の突起収容部13Cに挿入されて、対応する突起15の側面と対応するコンタクト13の突起収容部13Cの内面との間に挟まれる。これにより、一対のフレキシブル導体片21が一対のコンタクト13の突起収容部13Cの内面に接触し、一対のコンタクト13が一対のフレキシブル導体片21に電気的に接続される。
【0055】
この実施の形態2においても、2組のコンタクト対を有するコネクタに限らず、1組のコンタクト対のみを有するコネクタ、あるいは、3組以上のコンタクト対を有するコネクタに適用することができる。
【0056】
上記の実施の形態1および2では、導電糸からなるフレキシブル導体片21にコンタクト13が接続されているが、これに限るものではなく、同様にして、帯形状のフレキシブル導体片にコンタクト13を接続することもできる。一対のコンタクト13に渡るように配置された帯形状のフレキシブル導体を切断して、一対の帯形状のフレキシブル導体片に二分し、これらのフレキシブル導体片を対応するコンタクト13を接続すればよい。
【0057】
また、上記の実施の形態1および2では、フレキシブル導体片21が、例えば絶縁性の基板本体に支持されることなく、独立してハウジング12、32とベース部材14、34との間に配置されているが、これに限るものではなく、絶縁性材料からなる基板本体の表面上にフレキシブル導体が露出した状態で配置された帯形状のフレキシブル基板にこの発明に係るコネクタを接続することもできる。
【0058】
このようなフレキシブル基板は、基板本体を有することから、上記の実施の形態1および2のように、フレキシブル導体のみを切断する場合に比べて、切断しにくい場合が想定されるが、例えば実施の形態2における切断刃37Bを使用することにより、フレキシブル基板を切断することができる。なお、基板本体の表面上に露出したフレキシブル導体をコンタクト13の突起収容部13Cの内面に接触させて電気的に接続するために、フレキシブル導体がハウジング12、32に対向し、フレキシブル基板は、基板本体の裏面がベース部材14、34に対向するように、フレキシブル基板をベース部材14、34とハウジング12、32との間に配置する必要がある。
【0059】
また、上記の実施の形態1および2では、プラグ型のコンタクト13が用いられているが、これに限るものではなく、同様にして、レセプタクル型のコンタクトを、フレキシブル導体片21に接続するコネクタを構成することもできる。
【符号の説明】
【0060】
1 コネクタ、2 フラットケーブル、3 突き刺し片、4 金属板、5 受け溝、6 受け溝プレート、7 フレキシブル導体、7A 延伸切断部、11 コネクタ、12,32 ハウジング、12A 凹部、12B コンタクト用貫通孔、12C 面、12D ポスト収容部、13 コンタクト、13A 筒状部、13B フランジ、13C 突起収容部、14,34 ベース部材、14A 平板部、14B 面、15 突起、16 ハウジング固定用ポスト、17,37 切断用突状部、17A 先端部、17B 収容溝、18 切断用溝部、18A ガイド部、18B ガイド片、19 窪み、21 フレキシブル導体片、22 フレキシブル導体、37A 突状部本体、37B 切断刃、R1 第1列、R2 第2列、L11,L12,L21,L22 直線、W1,W2,W3,W4 幅、H1,H2 突出高さ。
図1
図2
図3
図4
図5
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