(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-18
(45)【発行日】2023-04-26
(54)【発明の名称】コンテナ化されたLNG液化ユニット及び関連するLNGを生産する方法
(51)【国際特許分類】
F25J 1/00 20060101AFI20230419BHJP
F25J 1/02 20060101ALI20230419BHJP
F25J 5/00 20060101ALI20230419BHJP
F17C 6/00 20060101ALI20230419BHJP
F25B 1/10 20060101ALI20230419BHJP
【FI】
F25J1/00 B
F25J1/02
F25J5/00
F17C6/00
F25B1/10 Z
(21)【出願番号】P 2019550813
(86)(22)【出願日】2018-03-14
(86)【国際出願番号】 AU2018050235
(87)【国際公開番号】W WO2018165712
(87)【国際公開日】2018-09-20
【審査請求日】2021-03-12
(32)【優先日】2017-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】515267471
【氏名又は名称】ウッドサイド エナジー テクノロジーズ プロプライエタリー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】弁理士法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クーパー、スティーブン
【審査官】目代 博茂
(56)【参考文献】
【文献】特表2016-514823(JP,A)
【文献】特表2008-503609(JP,A)
【文献】中国実用新案第204079929(CN,U)
【文献】実開平04-027388(JP,U)
【文献】特開2016-065643(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2013-0009064(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25J1/00-5/00
C10L3/00-3/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテナ化されたLNG液化ユニットであって、
LNG液化プラントと、
輸送可能なコンテナであって、前記LNG液化プラントは、前記輸送可能なコンテナ内に完全に収容されている、輸送可能なコンテナと、
前記コンテナにおいて支持された1つ以上のコネクタであって、前記1つ以上のコネクタは、供給、流体、及び用役の別個の分離された流れを可能にするように配置され、前記1つ以上のコネクタは、供給流ガスが前記コンテナの中に流れること、前記コンテナの外へのLNGの流れ、及び前記LNG液化プラントの外部電源への接続を可能にするように配置されている、1つ以上のコネクタと
を備える、LNG液化ユニット。
【請求項2】
前記輸送可能なコンテナは密閉されている、請求項1に記載のLNG液化ユニット。
【請求項3】
前記コネクタは、前記コンテナから熱エネルギーを除去することを可能にする熱伝達流体入口ポート及び出口ポートを含む、請求項1又は2に記載のLNG液化ユニット。
【請求項4】
前記コネクタは、(a)前記コンテナからガス又は液体を除去することを可能する排出管及び(b)前記LNG液化プラントの機器及び/又は計装の動作を容易にするための流体の供給を可能にする1つ以上の用役流体ポートの何れか1つ又は両方を含む、請求項1~3の何れか一項に記載のLNG液化ユニット。
【請求項5】
前記コンテナは、(a)不活性流体、(b)窒素ガス、又は(c)大気圧に対して正圧に加圧された不活性流体の何れか1つで充填されている、請求項1~4の何れか一項に記載のLNG液化ユニット。
【請求項6】
前記LNG液化プラントの状態及び性能を監視し、前記液化ユニットに関連する遠隔アクセスできる状態及び性能情報を提供することができる監視システムを備える、請求項1~5の何れか一項に記載のLNG液化ユニット。
【請求項7】
前記監視システムは、前記コンテナ内の環境特性を更に監視することができる、請求項6に記載のLNG液化ユニット。
【請求項8】
前記環境特性は、前記コンテナ内の大気圧、前記コンテナにおける雰囲気の組成、前記コンテナ内の温度、及び前記LNG液化プラントの1つ以上の選択された構成要素の温度のうちの1つ以上を含む、請求項7に記載のLNG液化ユニット。
【請求項9】
前記LNG液化プラントは、主極低温熱交換器(MCHE)と、前記MCHEを通って冷媒を循環させるための冷媒回路とを備え、前記冷媒回路は、少なくとも1つの圧縮機と、前記少なくとも1つの圧縮機を駆動するための少なくとも1つの電気モータとを含む、請求項1~8の何れか一項に記載のLNG液化ユニット。
【請求項10】
前記MCHEは、≧1のアスペクト比を有し、幅及び/又は深さは高さより大きい、請求項9に記載のLNG液化ユニット。
【請求項11】
前記MCHEは、2つ以上の別個の熱交換器を備える、請求項9又は10に記載のLNG液化ユニット。
【請求項12】
各別個の熱交換器は、≧1のアスペクト比を有する、請求項11に記載のLNG液化ユニット。
【請求項13】
前記MCHEは、垂直方向に1メートル当たり最大100℃の熱応力で動作するように配置されている、請求項9~12の何れか一項に記載のLNG液化ユニット。
【請求項14】
前記電気モータは、前記少なくとも1つの圧縮機を10,000rpm~25,000rpmの間の速度で回転させるように配置されている、請求項9~13の何れか一項に記載のLNG液化ユニット。
【請求項15】
前記少なくとも1つの圧縮機は、低圧圧縮機及び高圧圧縮機を備える、請求項9~14の何れか一項に記載のLNG液化ユニット。
【請求項16】
前記少なくとも1つのモータは、前記低圧圧縮機と前記高圧圧縮機との両方を駆動する単一のモータを含む、請求項15に記載のLNG液化ユニット。
【請求項17】
前記冷媒回路は、前記冷媒の液相と気相とを分離するための少なくとも1つの分離器を含み、前記少なくとも1つの分離器は≧1のアスペクト比を有する、請求項9~16の何れか一項に記載のLNG液化ユニット。
【請求項18】
前記少なくとも1つの圧縮機と前記分離器との間で前記冷媒回路において少なくとも1つの中間冷却器を備える、請求項17に記載のLNG液化ユニット。
【請求項19】
空気が前記コンテナに蓄積することを防ぎ、又は前記コンテナから空気を移すことができる材料の注入を容易にするように配置されたポートを備える、請求項1~18の何れか一項に記載のLNG液化ユニット。
【請求項20】
前記LNG液化プラントは、0.30MTPA以下のLNGを生産するように構成されている、請求項1~19の何れか一項に記載のLNG液化ユニット。
【請求項21】
前記LNG液化プラントは、0.10MTPA以下のLNGを生産するように構成されている、請求項20に記載のLNG液化ユニット。
【請求項22】
複数のコンテナ化された請求項1~21の何れか一項に記載のLNG液化ユニットを備えるLNG生産プラントであって、
各コンテナ化されたLNG液化ユニットは、LNGの所定量を生産するように配置され、マニホールドシステムが、前記1つ以上のコネクタに接続可能であり、前記複数のコンテナ化されたLNG液化ユニットと、少なくとも天然ガスの供給流、電源、及びLNG貯蔵設備との間の接続を可能にする、LNG生産プラント。
【請求項23】
前記複数のLNG液化ユニットの一部は、互いの上に積み重ねられている、請求項22に記載のLNG生産プラント。
【請求項24】
積み重ねられたLNG液化ユニットの少なくとも1つのバンクを備え、前記マニホールドシステムは、前記LNG液化ユニットの前記少なくとも1つのバンクに隣接して延びる、請求項22又は23に記載のLNG生産プラント。
【請求項25】
前記少なくとも1つのバンクは、前記積み重ねられたLNG液化ユニットの少なくとも2つのバンクを含み、前記マニホールドシステムは、相互に隣接するバンク間又はバンクの外側の周りを延びる、請求項24に記載のLNG生産プラント。
【請求項26】
前記LNG液化ユニット及び前記マニホールドシステムは、全てのLNG液化ユニットの1つの面が前記マニホールドシステムに接続されることを可能にするように配置されている、請求項22~25の何れか一項に記載のLNG生産プラント。
【請求項27】
各LNG液化ユニットは、長さXm、高さYm、及び幅Zmを有し、X>Yであり、各バンクは、長さLm、高さHm、及び幅Wmを有し、Lm>Wmであり、各バンクにおいて、各液化ユニットの長さ方向は、前記バンクの長さ方向に垂直である、請求項23~26の何れか一項に記載のLNG生産プラント。
【請求項28】
LNG液化ユニットの各バンクを構築及び解体するように構成された1つ以上のクレーンを備える、請求項24~27の何れか一項に記載のLNG生産プラント。
【請求項29】
前記クレーンは、LNG液化ユニットをバンクに設置し、又はLNG液化ユニットをバンクから取り外すことができるガントリークレーンを備える、請求項28に記載のLNG生産プラント。
【請求項30】
各コンテナ化されたLNG液化ユニットは、閉ループ冷媒回路を備える、請求項22~29の何れか一項に記載のLNG生産プラント。
【請求項31】
各コンテナ化されたLNG液化ユニットは、熱伝達流体が各コンテナ化されたLNG液化ユニットの中に及び外に流れることを可能にする前記マニホールドシステムに接続するように配置された開ループ熱伝達流体回路を備える、請求項22~30の何れか一項に記載のLNG生産プラント。
【請求項32】
前記マニホールドシステムと流体連通し、前記熱伝達流体の冷却を容易にするように配置された冷却設備を備える、請求項31に記載のLNG生産プラント。
【請求項33】
前記冷却設備は、空冷及び/又は水冷設備を備える、請求項32に記載のLNG生産プラント。
【請求項34】
前記液化プラントは、液化の前に、水、酸性ガス、水銀、及び二酸化炭素のうちの1つ以上を、前記供給流ガスから除去するように配置された前処理設備を備える、請求項1~13の何れか一項に記載のLNG液化ユニット。
【請求項35】
液化の前に、水、酸性ガス、水銀、及び二酸化炭素のうちの1つ又は任意の2つ以上の組合せを、前記供給流ガスから除去するように配置された前処理設備を備える、請求項22~3
3の何れか一項に記載のLNG生産プラント。
【請求項36】
生産サイトにおいてLNG生産プラントを構築する方法であって、
LNG液化容量を天然ガス供給流における天然ガスの質量流量に等しくさせるために、要求に応じて、複数のコンテナ化された請求項1~21の何れか一項に記載のLNG液化ユニットを接続又は切断して、前記LNG液化容量の個別の増分変化を可能にするために、マニホールドを使用するステップと、
前記マニホールドを通って、前記天然ガス供給流からの天然ガスの流れ及び電力を前記コンテナ化されたLNG液化ユニットの接続された一部に導通し、前記コンテナ化されたLNG液化ユニットの前記接続された一部によって液化されたLNGをLNG貯蔵設備に導通するステップと
を含む方法。
【請求項37】
1つ以上の前記コンテナ化されたLNG液化ユニットを積み重ねて、積み重ねられたコンテナ化されたLNG液化ユニットの1つ以上のバンクを形成するステップを含む、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記コンテナ化されたLNG液化ユニットを熱伝達流体回路に接続するために、前記マニホールドを使用するステップを含み、前記熱伝達流体回路は、前記接続されたコンテナ化されたLNG液化ユニット及び外部熱交換器の各々を通る熱伝達流体の流れを可能にするように配置されている、請求項36又は37に記載の方法。
【請求項39】
1つ以上の前記コンテナ化されたLNG液化ユニットを、不活性ガスの供給部に接続するために、前記マニホールドを使用するステップを含む、請求項36~38の何れか一項に記載の方法。
【請求項40】
LNGを生産する方法であって、
1つ以上のコンテナ化された請求項1~21の何れか一項に記載のLNG液化ユニットに対してマニホールドを選択的に接続又は切断するステップであって、各ユニットは、個別の量のLNGを天然ガスから生産するように動作可能であり、前記接続又は切断は、前記生産された量のLNGを天然ガス供給流からの前記天然ガスの質量流量に等しくさせるために実行される、ステップと、
前記マニホールドを通って、前記コンテナ化されたLNG液化ユニットの接続された一部に前記天然ガス及び電力を導通するステップと、
前記天然ガスを液化して前記天然ガスからLNGを生産するために、前記接続されたコンテナ化されたLNG液化ユニットを動作するステップと、
前記マニホールドを通って、LNG貯蔵設備に前記LNGを導通するステップと
を含む方法。
【請求項41】
前記個別の量のLNGは、0.01MTPA~0.30MTPAの間にある、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記コンテナ化されたLNG液化ユニットの各々の動作状態を監視して前記ユニットにおける障害又は故障を検出するステップと、ユニットにおける障害又は故障の検出の際には、前記天然ガス供給流から前記ユニットを切断又はさもなければ分離するステップとを含む、請求項40又は41に記載の方法。
【請求項43】
各コンテナ化されたLNG液化ユニットが障害又は故障があるとして検出される場合には、前記マニホールドを、新しいコンテナ化されたLNG液化ユニットに接続するステップを含み、それによって、天然ガスが、前記新しいコンテナ化されたLNG液化ユニットに接続される、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
前記マニホールドを介して前記接続されたコンテナ化されたLNG液化ユニット及び外部熱伝達流体熱交換器を通って熱伝達流体を循環させるステップを含む、請求項40~43の何れか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
コンテナ化されたLNG液化ユニット及び関連するLNGを生産する方法が開示される。ユニット及び方法は、追加のLNG液化ユニットを切り替えることによって、必要に応じてLNG生産を拡大又は縮小するために使用されてもよい。
【背景技術】
【0002】
LNGの大規模生産は、多くの場合、数百億米ドルのオーダーの巨大な設備投資を要求する。例えば、シェブロンのゴルゴンプロジェクトにおいては、3つのLNGトレインからの15.6MTPAの生産容量のために、540億米ドルのオーダーのコストが報告されている(http://www.energy-pubs.com.au/blog/cost-of-gorgon-increases/)。
【0003】
LNGトレインは、水、酸性ガス、水銀、及びC5+を除去するための前処理プラント、極低温熱交換器、圧縮機、ガス、電気、又は蒸気駆動部、及び空冷熱交換器のバンクを含む、多くの相互接続された処理プラント、システム、並びに機器を備える非常に複雑な構造である。
【0004】
設備投資を削減するために、LNGトレインを、続いて生産サイトに輸送され、互いに相互接続される、オフサイトの複数(例えば3~5)の別個のモジュールとして構築することが提案されている。別個のモジュールは、生産サイトに輸送される前に検査及び試験されることができる。このようなモジュラートレインは、3~5MPTAのオーダーの容量で提案される。
【0005】
上記の方法におけるLNGトレインのモジュール化は、全体的な設備投資を削減することに役立つと考えられる一方で、それでもなお、数十億米ドルのオーダーのままである。加えて、生産容量の向上は、一般的に、続いて更なるトレインを設置することによってのみ達成可能であり、そして3~5MPTAの「単位」においてのみ達成可能である。
【0006】
背景技術に対する上記言及は、その技術が当業者の共通の一般知識の一部を形成することを認めるものではない。上記言及はまた、本明細書に開示されるようなLNG液化ユニット及びLNGを生産する方法の用途を制限することが意図されない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
一態様においては、コンテナ化されたLNG液化ユニットが開示され、LNG液化ユニットは、
LNG液化プラントと、
輸送可能なコンテナであって、LNG液化プラントは、輸送可能なコンテナ内に完全に収容される、輸送可能なコンテナと、
コンテナにおいて支持された1つ以上のコネクタであって、1つ以上のコネクタは、供給及び流体の別個の分離された流れを可能にするように配置され、1つ以上のコネクタは、供給流ガスがコンテナの中に流れること、コンテナの外へのLNGの流れ、及びLNG液化プラントの外部電源への接続を可能にするように配置される、1つ以上のコネクタと
を備える。
【0008】
一実施形態においては、1つ以上のコネクタは、コンテナから熱を除去することを容易にするように更に配置される。この目的のために、1つ以上のコネクタが、コンテナの中及び外への熱伝達流体の流れを可能にするように配置されてもよい。流体は、例えば水であってもよい。
【0009】
一実施形態においては、1つ以上のコネクタは、供給及び流体の各々のための対応する導管及び継手への同時接続を可能にする単一のマルチポートコネクタを備える。
【0010】
一実施形態においては、輸送可能なコンテナは密閉される。
【0011】
一実施形態においては、コネクタは、コンテナからエネルギーを除去することを可能にする熱伝達流体入口ポート及び出口ポートを含む。
【0012】
一実施形態においては、コネクタは、コンテナからガス又は液体を除去することを可能にする排出管を含む。
【0013】
一実施形態においては、コネクタは、LNG液化プラントの機器及び/又は計装の動作を容易にするために流体の供給を可能にする1つ以上の用役流体ポートを含む。
【0014】
一実施形態においては、コンテナは不活性流体で充填される。
【0015】
一実施形態においては、不活性流体は窒素ガスを含む。
【0016】
一実施形態においては、不活性流体は、大気圧に対して正圧である。
【0017】
一実施形態においては、コンテナは、ISOの輸送コンテナの外部サイズ及び形状である。
【0018】
一実施形態においては、ユニットは、LNG液化プラントの状態及び性能を監視し、液化ユニットに関連する遠隔アクセスできる状態及び性能情報を提供することができる監視システムを備える。
【0019】
一実施形態においては、監視システムは更に、コンテナ内の環境特性を監視することができる。
【0020】
一実施形態においては、環境特性は、コンテナ内の大気圧、コンテナにおける雰囲気の組成、コンテナ内の温度、及びLNG生産プラントの1つ以上の選択された構成要素の温度のうちの1つ以上を含む。
【0021】
一実施形態においては、LNG生産プラントは、主極低温熱交換器(MCHE)と、MCHEを通って冷媒を循環させるための冷媒回路とを備え、冷媒回路は、少なくとも1つの圧縮機と、少なくとも1つの圧縮機を駆動するための少なくとも1つの電気モータとを含む。
【0022】
一実施形態においては、MCHEは、≧1のアスペクト比を有し、幅及び/又は深さは高さより大きい。
【0023】
一実施形態においては、MCHEは、2つ以上の別個の熱交換器を備える。
【0024】
一実施形態においては、MCHEの冷却デューティは、2つ以上の別個の熱交換器間で分割される。
【0025】
一実施形態においては、各別個の熱交換器は、≧1のアスペクト比を有する。
【0026】
一実施形態においては、MCHEは、垂直方向に1メートル当たり最大100℃の熱応力で動作するように配置される。
【0027】
一実施形態においては、MCHEは3D印刷熱交換器を含む。
【0028】
一実施形態においては、電気モータは、少なくとも1つの圧縮機を少なくとも4,000rpm又は最大約25,000RPMの速度で回転させるように配置される。
【0029】
一実施形態においては、少なくとも1つの圧縮機は、低圧圧縮機及び高圧圧縮機を含む。
【0030】
一実施形態においては、少なくとも1つのモータは、低圧圧縮機と高圧圧縮機との両方を駆動する単一のモータを含む。
【0031】
一実施形態においては、冷媒回路は、冷媒の液相と気相とを分離するための少なくとも1つの分離器を含み、少なくとも1つの分離器は、より大きい≧1のアスペクト比を有する。
【0032】
一実施形態においては、LNG液化ユニットは、少なくとも1つの圧縮機と分離器との間で冷媒回路において少なくとも1つの中間冷却器を備える。
【0033】
一実施形態においては、コンテナはベントを備える。
【0034】
一実施形態においては、LNG液化ユニットは、空気がコンテナに蓄積することを防ぎ、又はコンテナから空気を移すことができる材料の注入を容易にするように配置されたキルポートを備える。
【0035】
一実施形態においては、液化プラントは、液化の前に、水、酸性ガス、水銀、及び二酸化炭素のうちの1つ以上を、供給流ガスから除去するように配置された前処理設備を備える。
【0036】
一実施形態においては、LNG液化プラントは、最大0.30MTPAのLNGを生産するように構成される。
【0037】
一実施形態においては、LNG液化プラントは、最大0.10MTPAのLNGを生産するように構成される。
【0038】
第2の態様においては、複数のコンテナ化されたLNG液化ユニットを備えるLNG生産プラントが開示され、各コンテナ化されたLNG液化ユニットは、0.01~0.30MTPAのオーダーのLNGの所定量を生産するように配置され、マニホールドシステムが、複数のコンテナ化されたLNG液化ユニットと、少なくとも天然ガスの供給流、電源、及びLNG貯蔵設備との間の接続を可能にする。幾つかの実施形態においては、LNGの所定量は、0.01~0.10MTPAのオーダーである。
【0039】
一実施形態においては、複数のLNG液化ユニットの一部は、互いの上に積み重ねられる。
【0040】
一実施形態においては、LNG生産プラントは、積み重ねられたLNG液化ユニットの少なくとも1つのバンクを備え、マニホールドシステムは、LNG液化ユニットの少なくとも1つのバンクに隣接して延びる。
【0041】
一実施形態においては、少なくとも1つのバンクは、積み重ねられたLNG液化ユニットの少なくとも2つのバンクを含み、マニホールドシステムは、相互に隣接するバンク間又はバンクの外側の周りを延びる。
【0042】
一実施形態においては、LNG液化ユニット及びマニホールドシステムは、全てのLNG液化ユニットの1つの面がマニホールドシステムに直接アクセスできることを可能にするように配置される。
【0043】
一実施形態においては、各LNG液化ユニットは、長さXm、高さYm、及び幅Zmを有し、X>Yであり、各バンクは、長さLm、高さHm、及び幅Wmを有し、Lm>Wmであり、各バンクにおいて、各液化ユニットの長さ方向は、バンクの長さ方向に垂直である。
【0044】
一実施形態においては、LNG生産プラントは、LNG液化ユニットの各バンクを構築及び解体するように構成された1つ以上のクレーンを備える。
【0045】
一実施形態においては、クレーンは、LNG生産プラントの幅に及び、LNG液化ユニットをバンクに設置し、又はLNG液化ユニットをバンクから取り外すことができるガントリークレーンを備える。
【0046】
一実施形態においては、各コンテナ化されたLNG液化ユニットは、閉ループ冷媒回路を備える。
【0047】
一実施形態においては、各コンテナ化された液化ユニットは、熱伝達流体が各コンテナ化されたLNG液化ユニットの中に及び外に流れることを可能にするマニホールドシステムに接続するように配置された開ループ熱伝達流体回路を備える。
【0048】
一実施形態においては、LNG生産プラントは、マニホールドシステムと流体連通し、熱伝達流体の冷却を容易にするように配置された冷却設備を備える。
【0049】
一実施形態においては、冷却設備は、空冷及び/又は水冷設備を備える。
【0050】
一実施形態においては、各コンテナ化されたLNG液化ユニットは、第1の態様、及びその関連する実施形態によるLNG液化ユニットを含む。
【0051】
一実施形態においては、LNG生産プラントは、第1の態様、及びその関連する実施形態による複数のLNG液化ユニットと、各コンテナにおけるコネクタを介して1つ以上のLNG液化ユニットを、供給流ガス、LNG貯蔵設備、及び電源に選択的に接続するように配置されたマニホールドシステムとを備え、LNG生産プラントは、生産プラントにおける液化ユニットの各々の生産容量の合計に等しい最大生産容量を有する。
【0052】
第3の態様においては、LNGを生産する方法が開示され、方法は、天然ガス供給流に対して、供給流における天然ガスの質量流量に一致させるために、要求に応じて個別の増分LNG液化容量を接続又は切断するステップを含む。
【0053】
一実施形態においては、方法は、個別の増分LNG液化容量を0.01MTPA~0.30MTPAの間の単位で接続するステップを含む。
【0054】
一実施形態においては、方法は、個別の増分LNG液化容量を、1つ以上のコンテナ化されたLNG液化ユニットとして提供するステップを含み、各コンテナ化されたLNG液化ユニットは、天然ガス供給流に対して、供給流から天然ガスの少なくとも一部を受け取るように接続され、ある量のLNGを天然ガスの一部から生産することができる。
【0055】
一実施形態においては、方法は、コンテナ化されたLNG液化ユニットの各々の動作状態を監視してユニットにおける障害又は故障を検出するステップと、ユニットにおける障害又は故障の検出の際には、天然ガス供給流からユニットを切断又はさもなければ分離するステップとを含む。
【0056】
一実施形態においては、方法は、各コンテナ化されたLNG液化ユニットが障害又は故障があるとして検出される場合には、天然ガス供給流に対して、新しいコンテナ化されたLNG液化ユニットを接続するステップを含む。
【0057】
一実施形態においては、方法は、各コンテナ化されたLNG液化ユニットによって生産されたLNGをLNG貯蔵設備に移送するステップを含む。
【0058】
一実施形態においては、方法は、天然ガス供給流に対して接続されたコンテナ化されたLNG液化ユニット、及び熱伝達流体熱交換器を通って熱伝達流体を循環させるステップを含む。
【0059】
一実施形態においては、方法は、1つ以上のコンテナ化されたLNG液化ユニットを、第1の態様、及びその関連する実施形態による液化ユニットとして提供するステップを含む。
【0060】
第4の態様においては、約-161℃の温度及び約1barの圧力でLNGを供給する方法が開示され、方法は、
固定位置において、-161℃より高い温度及び1barより大きい圧力でLNGを生産するステップと、
生成されたLNGを保持するための加圧貯蔵タンクを有する輸送船に、生成されたLNGを移送するステップと、
輸送船を目的地の港に航行する一方で、LNGを約-161℃に冷却し、LNGの格納圧力を約1barに低下させるステップと
を含む。
【0061】
一実施形態においては、方法は、1つ以上のコンテナ化されたLNG液化ユニットにおいてLNGを生産するステップを含み、各コンテナ化されたLNG液化ユニットは、-161℃より高い温度及び1barより大きい圧力でLNGを生産するように構成される。
【0062】
一実施形態においては、方法は、固定位置においてLNGを生産するステップを含み、第3の態様、及びその関連する実施形態によるLNGを生産するステップを含む。
【0063】
第5の態様においては、生産サイトにおいてLNG生産プラントを構築する方法が開示され、方法は、天然ガス供給流に対して、天然ガス供給流における天然ガスの質量流量に一致させるために、要求に応じて個別の増分LNG液化容量を接続又は切断するステップを含む。
【0064】
一実施形態においては、個別の増分LNG液化容量を接続するステップは、1つ以上のコンテナ化されたLNG液化ユニットを生産サイトに輸送するステップであって、各ユニットは天然ガス供給流からLNGの所定量を生産することができる、ステップと、天然ガス供給流に対して1つ以上のコンテナ化されたLNG液化ユニットを接続するステップとを含む。
【0065】
一実施形態においては、方法は、1つ以上のコンテナ化されたLNG液化ユニットを積み重ねて、積み重ねられたコンテナ化されたLNG液化ユニットの1つ以上のバンクを形成するステップを含む。
【0066】
一実施形態においては、方法は、1つ以上のコンテナ化されたLNG液化ユニットを自律的に積み重ねて、1つ以上のバンクを形成するステップを含む。
【0067】
一実施形態においては、方法は、接続されたコンテナ化されたLNG液化ユニット及び外部熱交換器の各々を通る熱伝達流体の流れを可能にするように配置された熱伝達流体回路に、コンテナ化されたLNG液化ユニットを接続するステップを含む。
【0068】
一実施形態においては、方法は、1つ以上のコンテナ化されたLNG液化ユニットを、電源に接続するステップを含む。
【0069】
一実施形態においては、方法は、1つ以上のコンテナ化されたLNG液化ユニットを、LNG貯蔵設備に接続するステップを含む。
【0070】
一実施形態においては、方法は、1つ以上のコンテナ化されたLNG液化ユニットを、不活性ガスの供給部に接続するステップを含む。
【0071】
一実施形態においては、方法は、1つ以上のコンテナ化されたLNG液化ユニットに、電源、LNG貯蔵設備、及びガスの供給部のうちの1つ以上を自律的に接続するステップを含む。
【0072】
一実施形態においては、方法は、1つ以上のコンテナ化されたLNG液化ユニットに、電源、熱伝達流体回路、及び不活性ガスの供給部を同時に接続するステップを含む。
【0073】
第6の態様においては、天然ガスの液化を容易にするための冷却システムが開示され、冷却システムは、ある量の単一の混合冷媒(SMR)と、SMRが少なくとも第1のLMR冷媒流、第1の熱交換器主冷媒流、過冷却LMR流、及び第2の熱交換器主冷媒流を有する複数の冷媒流として通って循環する閉ループ冷却回路とを備え、回路は、第1及び第2の熱交換器と、SMRを圧縮するための少なくとも1つの圧縮機とを有し、
第1の熱交換器は、過冷却されたLMR冷媒流を生成するために、第1の熱交換器主冷媒流に対して第1のLMR冷媒流を冷却するように配置され、
第2の熱交換器は、液化天然ガスを生成するために、第2の熱交換器主冷媒流に対して天然ガス供給流を冷却するように配置され、第2の熱交換器主冷媒流は、少なくとも部分的に過冷却LMR流から得られ、
少なくとも第1及び第2の熱交換器主冷媒流は、少なくとも1つの圧縮機によって作り出された冷却システムを通じる圧力差のみによって循環する。
【0074】
一実施形態においては、第1の熱交換器は、第1の熱交換器主冷媒流が第1の熱交換器を通って流れ、第1のLMR冷媒流との熱伝達によって蒸発して、第1の蒸気冷媒流を生成するように構成される。
【0075】
一実施形態においては、過冷却されたLMR流は、第1の膨張流及び第2の膨張流を形成するために分流され、第1の熱交換器主冷媒流は、少なくとも部分的に第1の膨張流を含み、第2の熱交換器主冷媒流は、少なくとも部分的に第2の拡張流を含む。
【0076】
一実施形態においては、複数の冷媒流は、過冷却されたHMR流を生成するために、第2の熱交換器において第2の熱交換器主冷媒流に対して冷却される第1のHMR冷媒流を含む。
【0077】
一実施形態においては、過冷却されたHMR流は、第3の膨張流及び第4の膨張流を形成するために分流されて膨張され、第3の膨張流は、第2の熱交換器主冷媒流を形成するために第2の膨張流と組合され、第4の膨張流は、第1の熱交換器主冷媒流を形成するために第1の膨張流と組合される。
【0078】
一実施形態においては、第2の熱交換器主冷媒流は、第2の蒸気冷媒流を形成するために、第2の熱交換器において蒸発する。
【0079】
一実施形態においては、冷却回路は、第1の蒸気冷媒流及び第2の蒸気冷媒流を受け取る第1の分離器を備える。
【0080】
一実施形態においては、少なくとも1つの圧縮機は、低圧圧縮機、高圧圧縮機を含み、冷媒システムは、低圧圧縮機と高圧圧縮機との間で流体連通する第2の分離器を含み、第2の分離器からの蒸気は、第1のLMR冷媒流を形成するために高圧圧縮機によって圧縮される。
【0081】
一実施形態においては、第2の分離器からの底部液体は、第1のHMR冷媒流を形成する。
【0082】
一実施形態においては、第1及び第2の蒸気冷媒流は、第1の圧縮機によって圧縮される。
【0083】
第2の実施形態においては、冷媒システムは、高圧圧縮機と流体連通する第3の分離器を備え、第3の分離器からの蒸気は、第1のLMR流を形成し、第3の分離器からの底部液体は、第1のHMR流を形成する。
【0084】
第7の態様においては、天然ガスの液化を容易にするための冷却システムが開示され、冷却システムは、ある量の単一の混合冷媒(SMR)と、SMRが少なくとも第1のLMR冷媒流、第1の熱交換器主冷媒流、過冷却LMR流、及び第2の熱交換器主冷媒流を有する複数の冷媒流として通って循環する閉ループ冷却回路とを備え、回路は、第1及び第2の熱交換器を有し、
第1の熱交換器は、過冷却されたLMR冷媒流を生成するために、第1の熱交換器主冷媒流に対して第1のLMR冷媒流を冷却するように配置され、
第2の熱交換器は、液化天然ガスを生成するために、第2の熱交換器主冷媒流に対して天然ガス供給流を冷却するように配置され、第2の熱交換器主冷媒流は、少なくとも部分的に過冷却されたLMR流から得られ、
少なくとも第1のLMR冷媒流は混合相冷媒流である。
【0085】
一実施形態においては、第1の熱交換器主冷媒流は混合相冷媒流である。
【0086】
一実施形態においては、第2の熱交換器主冷媒流は混合相冷媒流である。
【0087】
一実施形態においては、第1の熱交換器の中に流れる第1の熱交換器主冷媒流における単一の混合冷媒の組成は、第2の熱交換器の中に流れる第2の熱交換器主冷媒流における単一の混合冷媒の組成とは異なる。
【0088】
第8の態様においては、天然ガスの液化を容易にするための冷却システムが開示され、冷却システムは、ある量の単一の混合冷媒(SMR)と、SMRが複数の冷媒流として通って循環する閉ループ冷却回路とを備え、冷却回路は、少なくとも1つの圧縮機、及び互いから離間された少なくとも2つの熱交換器を有し、第1の熱交換器は、予冷されたLMR冷媒流を生成するために、SMRをそれ自体に対して冷却するように配置され、第2の熱交換器は、液化天然ガスを生成するために、予冷されたLMR冷媒流から部分的に供給される第2の熱交換器主冷媒流に対して天然ガスを冷却するように配置される。
【0089】
第9の態様においては、天然ガスの液化を容易にするための冷却システムが開示され、冷却システムは、ある量のSMRと、SMRが通って流れる閉ループ冷媒回路とを備え、回路は2つの離間された熱交換器を有し、SMRは、第1の熱交換器主冷媒流、及び第1の熱交換器に別個の入口において提供される第1のLMR流、並びに第2の熱交換器主冷媒流、及び第2の熱交換器に別個の入口において提供される第1のHMR流として循環し、入口の各々におけるSMR冷媒流の組成は互いから異なる。
【0090】
第6~第9の態様の何れか1つの実施形態においては、第1の熱交換器及び第2の熱交換器の一方又は両方は、1より大きいアスペクト比を有する(すなわち「水平」熱交換器)。
【0091】
第6~第9の態様の何れか1つの実施形態においては、SMR冷媒は、圧縮機によって作り出された圧力差によってのみ熱交換器を通って循環する。
【0092】
第10の態様においては、液化システムが開示され、液化システムは、
少なくとも第1の熱交換器及び第2の異なる熱交換器を有する冷媒回路と、
回路を通って流れ、軽い及び重い混合冷媒分画を含むある量のSMRと
を備え、
第1の熱交換器は、軽い及び重い冷媒分画の第1の割合を有するSMR流によって冷却され、第2の熱交換器は、軽い及び重い冷媒分画の第2の異なる割合を有するSMR流によって冷却される。この配置の例は、破線で示される弁が含まれる
図5に示される。
【0093】
一実施形態においては、第1又は第2の熱交換器の何れか一方のためのSMR流における重い冷媒分画の割合はゼロである。これは、破線で示される弁が省略される
図5における配置によって例示される。
【0094】
第11の態様においては、液化システムが開示され、液化システムは、
少なくとも第1の熱交換器及び第2の熱交換器を有する冷媒回路と、
回路を通って流れ、軽い及び重い混合冷媒分画を含むある量のSMRと、
少なくとも第1の熱流部分と第2の熱流部分とに分割される流体の熱流であって、第1の熱流部分は第1の熱交換器を通って流れるように導かれ、第2の熱流部分は第2の熱交換器を通って流れるように導かれる、熱流と
を備える。この配置の例は、
図7及び
図8に示される。
【0095】
一実施形態においては、分割される熱流は、システムによって液化される天然ガス流である。これはまた、
図7及び
図8に例示される。加えて、この実施形態においては、第1及び第2の熱交換器は互いから異なってもよい。表現言語又は必要な暗示により文脈が別途要求する場合を除き、本明細書全体を通して、「異なる熱交換器」又は「異なるタイプの交換器」という表現及び「異なる交換器」のような変形は、少なくとも以下の熱交換器間の違いを含むことが意図される。
・異なる数のパス又はチャネル。
・交換機のサイズが異なるが、同じ数のパス又はチャネル。
・(a)異なる圧力、(b)異なる流量、及び(c)異なる組成のうちの1つ又は2つ以上の任意の組合せの冷媒流での動作。
【0096】
第12の態様においては、液化システムが開示され、液化システムは、
少なくとも第1の熱交換器及び第2の熱交換器を有する冷媒回路と、
回路を通って流れ、軽い及び重い混合冷媒分画を含むある量のSMRと
を備え、第1の熱交換器は、軽い及び重い冷媒分画の第1の割合を有するSMR流によって冷却され、第2の熱交換器は、軽い及び重い冷媒分画の第2の異なる割合を有するSMR流によって冷却され、流体の熱流は、少なくとも第1の熱流部分と第2の熱流部分とに分割され、第1の熱流部分は、第1及び第2の熱交換器の一方を通って流れるように導かれ、第2の熱流部分は、第1及び第2の熱交換器の他方を通って流れるように導かれる。この配置の例は、
図10に示される。加えて、この態様の一実施形態においては、第1及び第2の熱交換器は互いから異なってもよい。
【0097】
概要に記載されたようなLNG液化ユニット及び関連するLNGを生産する方法の範囲内にあり得る任意の他の形態にもかかわらず、次に、具体的な実施形態が、添付の図面を参照して、例としてのみ説明される。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【
図1】開示されるコンテナ化されたLNG液化ユニットの一実施形態の概略等角図である。
【
図2】
図1に示されるコンテナ化されたLNG液化ユニットのプラント及び機器の1つの角度からの等角図である。
【
図3】
図2に示されるプラント及び機器の第2の角度からの等角図である。
【
図4】
図2に示されるプラント及び機器の第3の角度からの等角図である。
【
図5】LNG液化ユニットの一実施形態のフロー図である。
【
図6】LNG液化ユニットの第2の実施形態のフロー図である。
【
図7】LNG液化ユニットの第3の実施形態のフロー図である。
【
図8】LNG液化ユニットの第4の実施形態のフロー図である。
【
図9】LNG液化ユニットの第5の実施形態のフロー図である。
【
図10】LNG液化ユニットの第6の実施形態のフロー図である。
【
図11】LNG液化ユニットの第7の実施形態のフロー図である。
【
図12】200個の開示されるLNG液化ユニットを組み込む9.9MPTA LNG生産設備の概略図であり、各液化ユニットは、0.05MPTAの名目上のLNG生産容量を有する。
【発明を実施するための形態】
【0099】
添付の図面を参照すると、コンテナ化されたLNG液化ユニット10の実施形態は、LNG液化プラント12(
図2~
図4に示される)と、輸送可能なコンテナ14(
図1に示される)とを備える。LNG液化プラント12は、輸送可能なコンテナ14内に完全に収容される。示される実施形態においては、複数のコネクタ16a~16f(以下、概して「コネクタ16」と呼ばれる)がコンテナ14において支持されて、コンテナ14の中及び/又は外への供給、流体、及び用役の別個の相互に分離された流れを可能にする。
【0100】
コネクタ16の各々は、容器14の共通壁11に設けられる。コネクタは、以下を含むがこれらに限定されない。
・液化のためのガスの供給流がプラント12に供給されることを可能にする供給ガス入口コネクタ16a。
・プラント12によって生成されたLNGがコンテナ14を出て、例えば貯蔵タンクの中に流れることを可能にするLNG出口コネクタ16b。
・プラント12を形成する機器に電力を供給する電源コネクタ16c。
・窒素ガス等のこれに限定されない不活性ガスがコンテナ14の中に流れて、不活性環境を提供することを可能にし、並びに/又は計装及び制御を動作させるための、不活性ガス入口コネクタ16d。
・水等の熱伝達流体がコンテナ14内の1つ以上の中間冷却器又は他の熱交換器に提供されることを可能にするための熱伝達流体入口コネクタ16e。
・熱伝達流体がコンテナ14から例えば熱除去プラントに出ることを可能にし、熱伝達流体入口16eに再循環することを可能にし、それによって、コンテナ14から熱エネルギーが除去されることを可能にする熱伝達流体出口コネクタ16f。
・ユニット10を作動させ、メンテナンスの前にユニットを停止させ、及び/又は炭化水素の吹き出し等の緊急対応のために使用されるための、コンテナ14から不要な液体を除去することを可能にする排出コネクタ16g。
・不要な蒸気の除去又は炭化水素の放出のためのベント16h。
・LNGプラント12を完全に停止して無害にするために、ガス、液体、又はスラリーを注入することを可能にするできるキルポートコネクタ(示されない)。
【0101】
コンテナ14は、コンテナ14の中及び外への流体の制御されない流れを防ぐために密閉されてもよい。更に、コンテナ14には、外側環境に対して正圧が提供されてもよい。
【0102】
コンテナ14が一般的な形状及び構成にあり、その上、ISOのコンテナの外部サイズ及び形状を有することは有利であるが必須ではない場合がある。ISOのコンテナは、広い範囲の標準寸法を有し、世界中の出荷港並びに鉄道及び道路輸送車両において取り扱われる。従って、このようなコンテナの輸送及び移動のためのインフラストラクチャが容易に利用可能であり、簡単に複製される。ISOのコンテナは、10フィートから53フィートまで(約3mから16m)の標準長において利用可能である。大部分の標準長のために、幅又は高さにおいて異なる範囲のコンテナサイズがまたある。開示されるコンテナ化されたLNG液化ユニット10の幾つかの実施形態は、標準のISOの40フィート(12m)コンテナ内に収まるように配置される。適切な寸法である一方、標準のISOのコンテナは、液化ユニットの重量に適合するために構造的な補強及び強化を要求する可能性がある。比較として、標準のISOの40フィートコンテナは約30トンの定格最大容量を有する一方、液化ユニット12の重量は80~90トンのオーダーになる可能性がある。
【0103】
次に、具体的に
図2~
図4を参照すると、液化ユニット12は単一の混合冷媒(SMR)プロセスを利用する。液化ユニット12は主極低温熱交換器(MCHE)を使用し、そのデューティサイクルは、2つの別個の、この例においては異なる極低温熱交換器17及び18に分流される。(熱交換器17は2つとしての全てのチャネルを通過させ、一方、熱交換器18は3つのチャネルを有する。)後により詳細に説明されるように、熱交換器17は冷媒の予冷を提供し、一方、熱交換器18は天然ガス供給物の液化をもたらす。
【0104】
熱交換器17及び18は、プレート熱交換器又は3D印刷熱交換器を含むがこれらに限定されない様々なタイプであってもよい。本実施形態において使用される技術に関係なく、熱交換器は≧1のアスペクト比を有し、これは、それらの長さLがそれらの高さHより大きいことを意味する。これは、高さの寸法がその長さ/幅の寸法より大きい従来のMCHEとは正反対である。加えて、熱交換器17及び18は、少なくとも90℃~100℃/mの高さのオーダーの熱応力を取り扱うことが要求される。例えば、
図5に示されるSMR回路の一実施形態においては、熱交換器17は、周囲温度(例えば、約25℃)のLMR入口供給部と、約-159℃の拡張主冷媒供給部とを有し、熱交換器自体は、約2m未満の高さ寸法Hを有する。熱交換器17は少なくとも2つのチャネルを要求し、一方、熱交換器18は少なくとも3つのチャネルを要求する。
【0105】
液化ユニット12には、低圧圧縮機20及び高圧圧縮機22が設けられる。圧縮機20、22は、共通の電気駆動部23によって駆動される。圧縮機20及び22は、密閉される。気相冷媒は、分離器24を介して低圧圧縮機20の入口に供給される。低圧圧縮機20は、蒸気を約15bar及び約100℃の温度に圧縮する。圧縮された冷媒は、圧縮された冷媒の温度を約25℃に低下させる中間冷却器26(水流との熱交換により冷却が行われる)を通過する。
【0106】
圧縮された冷媒は分離器28に供給される。分離器28は、一般的な垂直配置ではなく水平配置にある。分離器28内の気相と液相との間をより明確に分離するために、その水平配置により、分離器28は、蒸気容器29a(
図2を参照)と、マニホールド29cを介して互いに流体連通する液体容器29bとを備える。
【0107】
分離器28からの蒸気相は、蒸気容器29aから高圧圧縮機22の入口に供給される。圧縮機22は、(水流との熱交換によってまた冷却される)後方冷却器30を通る流れによって約25℃に冷却され、導管32を介して二相の軽い混合冷媒(LMR)として熱交換器17の入口34に供給される冷媒を圧縮する。分離器28からの液相は、液体容器29b及び導管36を介して、重い混合冷媒(HMR)として第2の熱交換器18の入口38に供給される。
【0108】
入口34に提供されるLMRは、熱交換器17において、導管40を介して熱交換器17の入口42提供される第1の熱交換器主冷媒流に対して冷却される。LMRは冷却され、導管44を介して熱交換器16を出て、そこで分流器46に供給される。分流器46は、冷却されたLMRを、導管52を通って第1の膨張弁52に流れる第1の流れと、導管54を通って第2の膨張弁56に流れる第2の流れとに分流する。この実施形態における第1の流れと第2の流れとの間の流量は同じではなく、約1.5:1の比率である(すなわち、導管50を通る流量は、導管54を通って流れる流量の約1.5倍である)。
【0109】
入口38に提供されるHMRは、第2の熱交換器18において、導管58によって入口60に提供される第2の熱交換器主冷媒流に対して冷却される。HMRは冷却され、導管62を介して熱交換器18を出て、分流器64に流れる。分流器64は、冷却されたHMRを、導管を通って第3の膨張弁68に流れる第1の流れと、導管を通って第4の膨張弁72に流れる第2の流れとに分流する。導管66及び70を通過する流れの間の流量は、約1:13の比率である(すなわち、膨張弁72への流量は、膨張弁68への流量の13倍である)。
【0110】
膨張弁52は、導管74を通る第1の膨張冷媒流を提供する。膨張弁56は、導管76を通る第2の膨張冷媒流を提供する。第3の膨張弁68は、導管78を通る第3の膨張冷媒流を提供する。第4の膨張弁72は、導管80を通る第4の膨張冷媒流を提供する。導管40を通って入口42に流れる第1の熱交換器主冷媒流は、導管74及び80を介して提供される第1及び第4の膨張冷媒流の組合せである。導管58を通って入口60に流れる第2の熱交換器主冷媒流は、それぞれ導管76及び78を介して提供される第2及び第3の膨張冷媒流の組合せを含む。
【0111】
第1及び第2の熱交換器主冷媒流間の相対質量流量は約2:1である(すなわち、入口42への質量流量は入口60での質量流量の約2倍である)。
【0112】
蒸発された冷媒は、出口63を介して第1の熱交換器17を出て、導管65を通って第1の分離器24に流れる。蒸発された冷媒は、出口67を介して第2の熱交換器18を出て、導管69そして導管65を通って第1の分離器24に流れる。
【0113】
天然ガス供給流は、約25℃の温度及び約80barの圧力で、コネクタ16aによって第2の熱交換器18の入口82に提供される。天然ガス供給流は、熱交換器18内で液化され、約-157℃の温度及び約78barの圧力で、出口84においてLNGとして出る。LNGは導管86を通って膨張弁88に流れ、約-161℃~-162℃の間の温度に冷却され、1barに減圧され、そしてコネクタ16bに供給される。コネクタ16bに接続された導管90は、LNGを、コンテナ14の外側にあってそれから離れたLNG貯蔵タンク92に供給する。この配置の小さい変形例においては、弁88はコンテナ14の外側にあってもよい。
【0114】
液化ユニット10は単一の混合冷媒を利用する一方、熱交換器17、18の各々における冷媒の組成は異なる。これは、入口34及び38において提供されるLMR及びHMRがそれぞれ、蒸気相及び液相で異なる割合の冷媒の組成を有するために生じる。入口34において提供されるLMRは、液相と蒸気相との両方の冷媒を有し、HMRは入口38において液相のみで提供される。
【0115】
図5に示されるプラント12の実施形態においては、膨張弁68は、これが任意の弁であることを示すために破線で示される。この弁が含まれる場合には、熱交換器17、18の各々に供給する弁があって、両方が2つの冷媒分画(すなわち、LMR及びHMR)の混合物を受け取ることができる。1つの交換器のための理想的な冷媒組成が100%のより軽い分画である場合には、簡素化するために弁68を省くことができる。
【0116】
図2はまた、水の形態の熱交換器流体を中間冷却器26及び後方冷却器30に提供する導管94を示す。導管94は、コネクタ16eと流体連通する。導管96は、使用済みの熱交換器流体を冷却器26及び32からコネクタ16fに供給する。
【0117】
本実施形態においては、モータ23は、圧縮機20及び22を駆動するために両端において同軸駆動シャフトを有する単一のモータである。理想的には、圧縮機20及び22は同じ速度で駆動されるように配置され、それによって、1つ以上のギアボックスの必要性を回避する。しかし、ギアボックスの使用を介して圧縮機が同じモータによって異なる速度で駆動される実施形態がまた考えられる。実際、後に以下で議論されるように、圧縮機20及び22が異なるモータによって駆動されることがまた可能である。
【0118】
各ユニット10は、LNG液化プラント12の状態及び性能を監視し、液化ユニットに関連する遠隔アクセスできる状態及び性能情報を提供することができる監視システム(示されない)を備える。監視システムは、コンテナ内の環境特性を更に監視してもよい。環境特性は、コンテナ14内の雰囲気の圧力、コンテナ14における雰囲気の組成、コンテナ14内の雰囲気温度、及びLNG生産プラントの1つ以上の選択された構成要素の温度のうちの1つ以上が含むが、これらに限定されない。
【0119】
図6は、代替の液化プラント12aのためのSMR回路の実施形態を示す。
図6においては、
図5と同じ参照番号が、同じ機能を示すために使用される。液化プラント12と12aとの間の主な違いは以下である。
・プラント12の2チャネル熱交換器17と比較して、プラント12aにおける3チャネル熱交換器17aの使用。この結果、プラント12aのこの実施形態においては、同様の熱交換器を有する。
・高圧圧縮機22と水冷却器30とが直列に接続されたプラント12aにおける第3の分離器31の組み込み。
・分離器28からの底部液体の、熱交換器17aの入口73に提供される第2のHMR流としての提供。
・熱交換器17aからの冷却された第2のHMR冷媒流を受け取って膨張させ、これを、導管40において入口42に流れる第1の熱交換器主冷媒流に加える膨張弁71。
【0120】
分離器31からの蒸気は、導管32を介して熱交換器17aの入口34に供給される軽い混合冷媒(LMR)を構成する。分離器31からの底部液体は、第2の熱交換器18の入口38に供給される第1のHMR冷媒流を提供する。これは、過冷却された第1のHMR流を生成するために、導管58によって入口60に提供される第2の熱交換器主冷媒流に対して第2の熱交換器18において冷却される。
【0121】
液化プラント12と12aとの両方において、冷媒は、圧縮機20、22によって生成される圧力差のみによって循環する。プラント12、12a又は冷媒を循環させるための対応するユニット10においては、ポンプは要求されない。
【0122】
図7は、代替の液化プラント12bのためのSMR回路の実施形態を示す。
図7においては、
図6と同じ参照番号が、同じ機能を示すために使用される。液化プラント12aと12bとの間の主な違いは以下である。
・プラント12bは、2つの4チャネル(又は4パス)熱交換器17b及び18bを有する。
・この図においては、コネクタ16aにおいて提供される天然ガス流が、分流器120において分割され、少なくとも1つの高温供給流が、熱交換器17bと18bとの両方にそれぞれ入口82x及び82yに供給される。この分割は、分流器又は異なる熱交換器への追加の弁が動的に制御されることを含めて制御されることができる。
・天然ガス供給物は、熱交換器17b、18bを通過することによって液化され、混合器122において組合され、その後、膨張機88を通過して貯蔵設備92に入る。
・熱交換器17a及び17bに天然ガスを供給するための分流の割合は、熱交換器17a、17bの各々のための複合曲線のデューティ及び形状を制御するために(動的に変えることを含めて)変えることができる。
・分離器28からのHMRは、熱交換器17bの入口73に供給され、分離器31からのHMRは(液化ユニット12aのように)熱交換器18bの入口38に供給される。
・分離器31からのLMRは、分流器124において分割され、熱交換器17bの入口34及び熱交換器18bの入口126に供給される。
・熱交換器17b及び18bを通過するLMR及びHMRは、導管130を通って流れ、続いて分流器132において、導管40を通って熱交換器17bの入口42に流れる第1のSMR流、及びに導管58を通って熱交換器18bの入口60に流れる第2のSMR流に分割される、SMRを生成するために、混合器128において組合される。
・そして、それぞれのSMR流は、混合器131において組合され、低圧圧縮機20及び高圧圧縮機22の圧縮のために分離器24に供給される。
・この配置では、熱交換器17b及び18bが互いに物理的に異なることが可能である。
【0123】
図7に示される液化ユニット12bの可能な変更が、弁制御分離器によって熱交換器17b及び18bからLMR及びHMRがまた供給される、混合器128と並行する第2の混合器を提供することである。例えば、弁制御分離器が、熱交換器17bからのHMRが混合器128及び第2の混合器(示されない)にユーザ制御比率で提供されることを可能にするように、導管134において交換されることができる。これは、熱交換器17b、18bからのLMR/HMRラインの各々のために行われることができる。混合器128は、導管58を通ってMRを熱交換器18bに供給するように配置されることができ、一方、第2の混合器は、導管40を通ってMRを交換器17bに供給することができる。次に、熱交換器17b及び18bに供給されるMR(特に、各MR供給におけるLMR/HMRの比率)は変えることができる。これは、「MR」供給流の1つにゼロHMRを有することを含む。
【0124】
この重要性は、それが異なる特性の熱交換器の使用を容易にすることである(すなわち、複数の熱交換器が使用される場合、全てが同じである必要はない)。2つの非同一又は異なる熱交換器を使用することの考えられる利点、少なくとも2つの熱交換器を使用することの利点が、以下で説明される。
【0125】
当業者が認識するように、冷却プロセスの効率性のために、冷媒熱放出曲線は、温度駆動力を提供するような小さいオフセットで、冷却される流れのものと一致する必要がある。
【0126】
LNGを製造するための従来のアプローチは、複数の熱流を単一の冷媒流によって冷却するマルチ蒸気熱交換器を使用することである。
【0127】
冷媒流の組成及び条件は、複数の高温流の複合曲線の組合せに一致するような温度プロファイルを生成するように慎重に選択される。複数の高温流は、天然ガスと高圧冷媒自体との両方を含む。
【0128】
要求される処理量が単一の熱交換器において構築されることできるものを超える状況においては、典型的には、複数の同一の熱交換器、例えば、2つの並列コイル巻き熱交換器が使用される。各熱交換器を通る正しい流れを保証するために、対称配管を使用することが慣例である。これは、一方の熱交換器を通る流路が、他方の熱交換器を通る平行流路より制限されることを保証する。場合によっては、製造公差を考慮するように流れを付勢するための予備の計量器として釣り合い弁がまた使用されてもよい。
【0129】
複数の同一(又は鏡像)コア(例えば4~10コア)が使用されるプレートフィン熱交換器の場合、各コアを通じる圧力降下が実際に同一であることを保証するように大径ヘッダが使用される。
【0130】
両方の場合において、同一のコアの使用は、全ての供給が個々の各熱交換器の区分に導管で導かれる必要があることを意味する。これは、制限的且つ高価な配管設計、及び熱交換器自体の複雑化につながる。
【0131】
代替案は、複数の異なる熱交換器における熱流の各々を冷却することである。これは、複数の熱交換器への接続数を低減させることができ、また、対称配管の必要性を除去することができる。
【0132】
同一ではない熱交換器を使用することの欠点は、各々が冷媒によって冷却される流れのための異なる複合曲線を有することである。この結果、冷媒冷却曲線は完全には最適化されない。本実施形態(すなわち、第2の混合器を有する)の上記説明の変更された形態は、2つの異なる方法におけるこの懸念を克服することを目的とする。第1に、各熱交換器17b、18bにおいて使用される冷媒組成は、各熱交換器のために独立して調整されてもよい。この組成の変化は、各交換器における低温冷媒の加熱曲線を変え、各区分において高温複合曲線をより一致させることを可能にする。第2に、高温流の1つを分流し、それを複数の熱交換器に通して、複合曲線のデューティと形状との両方が調整されてもよい。この結果、高温複合曲線の形状を、可能な限り類似させるために調整することができる。これは、単一の冷媒組成が効率を損なうことなく両方の熱交換器を冷却するために使用されることを可能にする。
【0133】
最後に、高温流の少なくとも1つを分流して各交換器において可能な限り類似する高温複合曲線を作り出し、更に、各熱交換器に供給される冷媒の組成を調整して各熱交換器において温度プロファイルを一致させるという、2つのアプローチの組合せが使用されることができる。
図7に示される例においては、熱交換器17b及び18bに供給される天然ガス(「高温流」を構成してもよい天然ガス流)の分流は、この目的のために変えてもよい。それぞれの熱交換器17b及び18bに供給されるHMR(「高温流」をまた構成する)は、少なくとも圧力及び温度に関して互いから異なることがまた理解されるであろう。最後に、それぞれの熱交換器17b及び18bに供給されるLMRの分流比はまた、例えば弁の使用によって分流器124において変えてもよい。
【0134】
冷媒の組成を調整するために、「重い」冷媒分画と「軽い」冷媒分画との間の流れの比率が調整されてもよい。これによって、混合冷媒の平均分子量は、設計段階と動的に動作する際との両方において制御されることができる。
【0135】
従って、要約すると、
図7に示される液化プラント12の実施形態は、熱交換器17b、18b(それらが同一であっても意図的に異なっていても)が異なる組成のSMR流によって冷却されることを可能にする。
【0136】
図8は、
図7に示されるプラント12bの簡素化された形態である液化プラント12cを示す。簡素化は、排出分離器31の削除によってもたらされ、その結果、2つの4パス交換器を2つの3パス交換器17c及び18cと交換することができることによってもたらされる。プラント12bと同様に、プラント12cは、2つの熱交換器17c、18c間で天然ガスを(この場合不均一に)分流することができて、両熱交換器において実質的に同じ高温側冷却曲線を可能にする。従って、効率の低下を最小限にしながら、同じ組成の冷媒が両方の熱交換器に送られることができる。
【0137】
分離器28からの底部液体は、熱交換器17cを通過し、その後、弁V1を通過することによって膨張されるHMRを構成する。高圧圧縮機22及び冷却器30を通過した後の圧縮された冷媒は、交換器18cに供給され、その後、弁V2を通って膨張される。弁V1及びV2からの膨張された冷媒は、熱交換器17c及び18cの入口42及び58への第1及び第2の混合冷媒を形成するように組み合わされる。
【0138】
図5のプラント12の配置とは異なり、各例を通過する冷媒の割合は、動作中に可変ではない。低温冷媒流は、各経路を通じる圧力降下に基づいて釣り合う。各交換器を通る天然ガス流を制御することができることは、補償を可能にし、両方の交換器が負荷を共有することができることを保証する。
【0139】
一方、液化プラント12、12a、12b、及び12cはそれぞれ、2つの熱交換器を有するものとして示される。しかし、単一の熱交換器を有する実施形態が、ユニット10における組み込みのために可能である。そのような例の1つが、
図9に示される液化ユニット12dである。
図9において、
図6と同じ参照番号が、同じ機能を示すために使用される。液化プラント12dとプラント12aとの間の実質的な違い、又は液化プラント12dの重要な機能は次のように要約される。
・プラント12cは、単一の4パス熱交換器17を有する。
・プラント12dのためのMR圧縮回路は、プラント12aのMR圧縮回路と同じように、初期分離器24、低圧圧縮機20、中間冷却器26、第2の分離器28、高圧圧縮機22、中間冷却器30、及び最終分離器31を有する。
・分離器28からの底部液体は、熱交換器17の入口73に供給されるHMR流を構成する。
・分離器31からのオーバーヘッド蒸気及び底部液体は混合器138で混合され、入口140への混合相供給が熱交換器17に供給される。
・交換器17を通過した後、HMRは弁V1を通って膨張される。一方、熱交換器17を通過した後の混合相供給は、弁V2を通って膨張される。
・弁V1及びV2からの流れは入口42に供給される混合相の混合冷媒を形成し、天然ガスを冷却すると共に、交換器17を通って流れる流れを予冷する。
【0140】
図10は、両方の熱流(天然ガス流)が複合曲線形状を均一にするように両方の熱交換器17e、18eに分流され、両方の熱交換器が重い分画と軽い分画との両方を有する混合冷媒流を受け取る、液化プラント12eの更に別の実施形態を示す。
【0141】
具体的には、プラント12eにおいては、コネクタ16aに提供される天然ガス供給物は、それぞれの熱交換器の入口82x及び82yに流れる2つの流れに分流される。加えて、熱交換器17eを通過した後の分離器28からの重い混合冷媒は、2つの流れに分流され、弁V1及びV3を通って流れる。交換器18eを通過した後の圧縮機22及び冷却器30からのLMRは、2つの流れに分流され、弁V2及びV4を通って流れる。弁V1及びV2からの重い及び軽い冷媒流は、熱交換器17eの入口42に供給される第1の混合冷媒流を形成するために組合される。同様に、弁V3及びV4からの重い及び軽い冷媒流は、熱交換器18eの入口52に供給される第2の混合冷媒流を形成するために組合される。
【0142】
先の言及のように、天然ガスは、高温側の複合曲線に非常に類似する形状を与えるように両方の熱交換器を通過する。しかし、これは、冷却される必要がある冷媒の異種の流れが完全に一致することはないので完全ではない。
【0143】
この実施形態においては、各熱交換器に供給される冷媒組成を微調整することによって、追加の効率が得られることができる。これは、重い及び軽い冷媒の流れの割合が変化する場合には、様々な条件に亘って最適化を援助する。
【0144】
全体として、これは、
図8に示されるプラント12c及び
図5に示されるプラント12より僅かに複雑であるが、それは、効率及び柔軟性を向上させる。
【0145】
また、熱交換器17e及び18eは、サイズ及び構成が同一として描写されることに留意されたい。それらの両方が3つの流れを有し、それらのうちの2つは同じで、天然ガスと低温冷媒との両方が両方を通過する。しかし、それらは互いに異なる。具体的には、それぞれを通過する第3の流れにおいて大きい違いがある。交換器18eの第3のチャネルは、凝縮されて完全に液化される二相混合物として入る、圧縮機22からの高圧冷媒の流れを有する。交換器17eは、分離器28から液体として入り、過冷却される、より高い分子量を有する中圧冷媒を有する。しかし、最大の違いはそれぞれの相対的なサイズである。前者の流れの質量流量は、実際には液体のみの流れの約10倍である。その結果、交換器18eの相対サイズ/デューティは、交換器17eよりはるかに大きい(>5倍)。
【0146】
これは、「異なる交換機」又は「同一でない交換機」という意味の例である。違いは、例えば以下によって明らかにすることができる。
・異なる数のパス又はチャネル。
・交換機のサイズが異なるが、同じ数のパス又はチャネル。
・(a)異なる圧力、(b)異なる流量、及び(c)異なる組成のうちの1つ又は2つ以上の任意の組合せの冷媒流での動作。
【0147】
図11は、LNG液化ユニット10の実施形態に組み込まれてもよい液化プラント12fの更に別の設計を示す。ここで、プラント12fは、高圧圧縮機22及び冷却器30に続く分離器31を含むという、
図6及び
図7に示されるような混合冷媒圧縮回路を有する。しかし、プラント12fは、第3の3パス熱交換器H1、H2、及びH3の提供によって
図6及び
図7とは異なる。
【0148】
各熱交換器H1、H2、及びH3の第1のパス又はチャネルC1は、コネクタ16aから天然ガスの供給を受け取る。各熱交換器H1、H2、及びH3の第2のパス又はチャネルC2は混合冷媒「MR」を再び受け取り、天然ガスが冷却され液化される。
【0149】
熱交換器H1、H2、及びH3のそれぞれの第3のパス又はチャネルC31、C32、C33はそれぞれ、第2のパス又はチャネルを通って流れる混合冷媒MRに対して予冷される異なる冷媒分画を受け取る。その上、分離器28からの冷媒の重い分画は、熱交換器H1の第3のチャネルC31を通って流れる。分離器31からの冷媒の重い分画は、熱交換器H2の第3のチャネルC32を通って流れる。そして、分離器31からの冷媒の軽い分画は、熱交換器H3の第3のチャネルC33を通って流れる。
【0150】
それぞれの熱交換器を通過した後のこれらの冷媒画分は、それぞれの弁V1、V2、及びV3を通って流れ、熱交換器H1、H2、及びH3の各々を通過する混合冷媒MRを形成するために組合される。
【0151】
プラント12fにおいては、熱交換器H1、H2、及びH3の各々に流れる天然ガスの割合を制御して、熱交換器への流れがそれ自体で釣り合うことを可能にするための弁は示されない。しかし、変形例においては、3つの独立した天然ガス弁は、各熱交換器の各々に対する天然ガスの割合を制御するように組み込まれることができる。これは、熱交換器H1、H2、及びH3における高温側の冷却曲線を制御する。
【0152】
コンテナ化されたLNG液化ユニット10は、約0.01MPTA~0.3MPTAの間の固定流量にLNGを提供するように構成されることができることが想定される。例えば、ユニット10は、0.05MPTAの液化容量を提供するように構成されてもよい。
従って、10MPTAの生産率を有するLNG生産設備は、200個の0.05MPTAのコンテナ化されたLNG液化ユニット10を要求する。先の言及のように、ユニット10は、同じ寸法の標準のISOのコンテナより重い可能性がある。それにも関わらず、ユニット10は、通常のISOのコンテナと同様の方法で取り扱われることができ、従って、クレーン及び他のリフト機械、並びにフォークリフトトラックを含む車両の使用によって積み上げて移動されることができるが、クレーン及び機械は追加の重量に対応する必要がある。このようにして、多数のユニット10が1つ以上のバンクに積み重ねられることができる。
【0153】
図12は、複数のコンテナ化されたLNG液化ユニット10を組み込んだLNG生産プラント100を示す。プラント100は複数のユニット10を備えるので、プラント100からのLNG生産は、ユニット10の容量に等しい増分ユニットで増加(又は実際に減少)することができる。これは、供給ガスの生産が増加し、又は更なる供給ガス源が追加されると、プラント100を比較的容易に拡大することを可能にする。
【0154】
この例においては、プラント100は、198個のコンテナ化されたLNG液化ユニット10を組み込む。ユニット10は、各々が99個の液化ユニット10を有する2つのバンクB1及びびB2に配置される。各バンクB1、B2は、ユニット10の3層の積み重ねられた列から構成され、各列は、33個の並んだユニット10から構成される。各ユニット10が0.05MPTAの液化容量を有する場合には、プラント100の全体の容量は9.9MPTAである。
【0155】
ユニット10の取り扱いを容易にするために、可動ガントリークレーン102がプラント100に設けられる。クレーン102は、バンクB1及びB2を構築するために、ユニット10を持ち上げ、移動させることできる。バンクB1及びB2は、互いに平行に形成され、バンク間に廊下104を形成するように離間される。マニホールドシステム106が廊下104において延び、供給ガス、並びに他の供給、用役、及び電力を、バンクを形成する個々のユニット10の各々に接続するために使用される。この目的のために、バンクが構築される場合には、個々のユニット10は、それらのそれぞれの共通壁11が廊下104に面するように配向される。これは、マニホールド106と全てが壁18にあるコネクタ16との間の接続を容易にする。この配向にある場合には、各ユニットの主な長さXは、それぞれのバンクの長さLに直交する。
【0156】
図12に例示される実施形態においては、9.9MPTAのLNGプラント100のための並んだバンクB1及びB2の全長Lは約80mであり、全高Hは約9mであり、廊下104を含む幅Wは約40mである。この結果、液化設備のために要求される設置面積は約3,200m
2である。比較すると、同等のスティック状に構築された液化設備のための設置面積は、10,500m
2(フィンファンを含む)のオーダーである。
【0157】
プラント100は、ガス供給流110に1つ以上の前処理ステップを提供するための前処理設備108をまた備えるように示される。前処理設備108は、例えば、水、酸性ガス(例えば、CO2及びH2S)、水銀、及び重炭化水素C5+のうちの1つ以上を除去することができる。前処理された供給ガスは、それぞれのユニット10へのその後の分配のために、導管111によってマニホールド106に提供される。
【0158】
冷却器26及び30から戻された水を冷却するために熱交換器112が設けられる。熱交換器112は、複数のフィン付きラジエータと1つ以上の大型空気ファンを収容する建物の形態であってもよい。冷却器26及び30からの水は、各ユニット10から、その導管96及びコネクタ16fによって、マニホールド106及び導管113を介して、それがラジエータを通って流れ、空冷又は水冷される熱交換器112に送られる。そして、冷却された水は、それが導管94を通ってそれぞれの冷却器26及び30に流れることができるそれらのコネクタ16eへの導管115及びマニホールド106を介してそれぞれのユニット10に供給される。
【0159】
マニホールドシステム106は、ユニット10を、前処理設備108、熱交換器112、及びLNG貯蔵設備92を含むプラント100の別のシステム及び設備に相互接続する。加えて、マニホールドシステム106は、電源(示されない)からの電力を分配する。電源の形態又はタイプは、ユニット10の動作にとって重要ではない。電源は、例えば、ボイルオフガス若しくはLNGを含む独立した化石燃料生成プラント、遠隔発電設備の変電所、地熱発電所、水力発電所、太陽光発電所、風力発電所、又は波力発電所のうちの1つ、又は任意の2つ以上の組合せを含むことができる。
【0160】
ユニット10は、メンテナンスフリーとして具体的に設計され、点検又はメンテナンスの委託を受けた人々がユニット10に入ることを可能にすることが意図されない。結果として、コンテナ14内の機器は、メンテナンス及び修理のためにコンテナ内の機器への人間のアクセスを可能にするのではなく、利用可能な空間を最も効率的に使用させることを目的として構成されることができる。使用の1つの方法においては、ユニット10で故障が発生した場合には、ユニットは、それをマニホールド106から切断することによってプラント全体から簡単に切り離されることが想定される。これは、マニホールドとコネクタ16との間の物理的切断を介し、又はマニホールドから各ユニット10への接続供給パイプライン、若しくはそれぞれのコネクタの何れかにおけるそれぞれの弁及びスイッチの動作によるものとすることができる。
【0161】
故障したユニット10は、バンクB1、B2から取り外され、又は単にバンクに残して、別のユニット10がマニホールド106に追加若しくはさもなければ接続されることができる。この目的のために、LNG生産プラント100を構築する場合には、1つ以上の冗長ユニット10rが、ユニット10が故障した場合に生産容量が低下する時間を最小限にするために設けられることができる。例えば、
図12を参照して、ユニット10fが故障を発生してマニホールド106から切断されることを推定して、バンクB1の一端において冗長ユニットとして3つの冗長ユニット10r1、10r2、及び10r3が設けられる。ユニット10fは、バンクB1のユニットの最下列にある。
【0162】
プラント100のオペレータは、ユニット10fを切断し、該ユニット10r1に接続することができる。これは、ユニット10r1~10r3が、マニホールド106に事前に接続され、要求される全てが、コネクタ16又はマニホールド106とコネクタ16との間の供給パイプラインの何れかにおける様々なスイッチ及び弁のスイッチング又はオン/オフの切り替えである場合には、ほぼ瞬時に行われることができる。オペレータが故障したユニット10fを物理的に取り外すことを望む場合には、以下を行うことができる。
・2つの他の冗長ユニット10r2及び10r3に切り替える。
・故障したユニット10fの直ぐ上の2つの故障していないユニット10を切り離し、「切り離し」によってまだ達成されない場合には、故障していないユニット10をマニホールド106から物理的に切断する。
・ユニット10f及び直ぐ上の2個の故障していないユニットを物理的に取り外すためにガントリークレーン102を使用する。
・2個の故障していないユニットを新しいユニット10と共にバンクB1に戻すためにガントリークレーン102を使用する。
・故障していないユニット及び新しいユニットをマニホールド106に再接続して冗長ユニット10r1-10r3を切断し、又は冗長ユニットのマニホールド106との接続を維持し、次に2つの故障していないユニット及び新しいユニットを冗長ユニットとして使用する。
【0163】
上記の説明から、ユニット10は、供給流110におけるガスの質量流量を一致させるために、要求に応じて個別のLNG液化容量を接続又は切断することによって、生産サイトにおいてLNG生産プラントを構築する方法を容易にすることを理解されたい。これは、それが、LNG生産を可能にし、この結果、そうでない場合よりかなり早い時期における非常に低い初期設備投資での収入源を可能にし、また、プラントオペレータがそうでない場合より早く生産契約を確立することを可能にするので、莫大な経済的利益があると考えられ、それによって、競合のオペレータより実質的な利点を得る。
【0164】
コンテナ化されたLNG液化ユニット10及び関連する生産プラント100の具体的な実施形態が説明されたが、ユニット10及びプラント100は多くの他の形態で実施されてもよいことを理解されたい。
【0165】
例えば、ユニット10に関して、低圧圧縮機20のための1つ及び高圧圧縮機22のための1つである、2つの別個の圧縮機本体が示される。しかし、低圧圧縮と高圧圧縮との両方が、複数のステージを有する単一の本体内で提供されることができる。更に、高圧及び低圧圧縮機/ステージの両方を駆動する単一のモータの代わりに、各圧縮ステージのために1個の別個のモータが提供されることができる。例えば、4,000RPMより大きい、例えば25,000RPMで動作する高速モータの提供によって、各ユニットの全体サイズを更に小さくすることができると更に考えられる。加えて、各ユニット10は、それ自体の前処理設備を備えることができ、それによって、
図12に現在示される共有設備108の必要性を回避することができる。或いは、各ユニット10は、例えば二酸化炭素を除去するための選択された前処理設備を備えることができる。
【0166】
また、ユニット10は、1barの圧力及び約-161℃の温度で出口コネクタ16bにLNGを提供するものとして説明される。しかし、ユニット10は、より高圧及びより高温でLNGを提供するように構成及び動作されことができ、そして、それは、加圧容器で輸送され、-161℃及び1barに輸送中に冷却及び減圧されてもよい。この変形例においては、ユニット10は、LNGではなく冷却された圧縮された天然ガスを提供するように動作されてもよい。
【0167】
更に、ユニット10は、多数の別個のコネクタ16を有する共通壁11を有するものとして示される。しかし、
図1に現在示されるような供給/用役の各々のための個々のコネクタを有するより、ユニット10に接続される供給及び用役の全て又はサブセットとの同時接続を可能にする単一のマルチポートコネクタが使用されることができる。例えば、
図1におけるコンテナ14の共通壁11に現在示される別個のコネクタ16a~16gによって接続される供給及び用役の各1つのための接続を可能にするために、マルチポートコネクタが提供されることができる。
【0168】
図12は、バンクB1及びB2に積み重ねられた複数のユニット10を備えるプラント100を示す。しかし、複数のユニット10が使用される場合、それらが積み重ねられることは必須ではない。積み重ねは、プラント100の設置面積を小さくすることに関して利点を提供する。設置面積のサイズが重大ではなく重要でもない場合には、ユニット10が積み重ねられる必要はない。
【0169】
更なる供給又は用役のための追加のコネクタがコンテナ14に提供されてもよい。例えば、空気ポート又はコネクタが、人々がメンテナンス/改修のために機器/配管を開けることを可能にする前に、コンテナ14内から不活性ガスを除去することを可能にするために組み込まれてもよい。
【0170】
上記説明の実施形態に対する更なる可能な変形例は、以下を含む。
・熱交換器17及び18を組合せて単一の熱交換器にする。
・バンクB1とバンクB2との間の廊下を通るのではなく、バンクB1及びバンクB2の外側の周りに延伸する構造及び/又は構成でマニホールドシステム106を提供する。ここで任意に、分岐構造として、又は代替的に開ループとしてマニホールド106を形成することを含む。
・マニホールドシステム106を複数の別個のマニホールド又は供給パイプラインとして設ける。例えば、1つのマニホールドがユニット10の各々に天然ガス供給流を提供するために設けられることができ、別のマニホールドがユニット10の各々から貯蔵設備92にLNGを供給するために設けられることができ、別のマニホールド又は供給パイプラインが電力及び不活性流体をユニット10の各々に供給するために設けられることができ、一方、外部熱交換器112におけて冷却される熱伝達流体のための流路をまた設ける。
・
図12は、コンテナ14の移動及び積み重ねのためのガントリークレーンの使用を示すが、当然ながら、異なるタイプのクレーンが使用されることができる。
・
図5~11は、コンテナ化されたユニット10の異なる実施形態における液化プラントのための様々な可能なSMR回路を描写する。しかし、これらの図に示される回路は、ユニット10のコンテナのみの用途に限定されない。加えて、熱交換器ための>1のアスペクト比は、液化プラントが本明細書で説明されたコンテナ化されたユニット10にある場合の特定の用途を有してもよい任意の特性であることを理解されたい。
【0171】
添付の特許請求の範囲及び先の説明においては、表現言語又は必要な暗示によって文脈が別途要求する場合を除き、単語「comprise」及び「comprises」又は「comprising」のような変形は、包括的な語義で使用され、すなわち、記載された機能の存在を特定するが、本明細書において開示されるようなユニット、プラント、及び方法の様々な実施形態における更なる機能の存在又は追加を排除しない。