(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-18
(45)【発行日】2023-04-26
(54)【発明の名称】コーヒー・マシンから蒸気を排出するために操作ユニットを手動制御する方法、および操作ユニット
(51)【国際特許分類】
A47J 31/44 20060101AFI20230419BHJP
B01F 23/235 20220101ALI20230419BHJP
【FI】
A47J31/44 410
B01F23/235
(21)【出願番号】P 2020501540
(86)(22)【出願日】2018-06-08
(86)【国際出願番号】 EP2018065124
(87)【国際公開番号】W WO2019015865
(87)【国際公開日】2019-01-24
【審査請求日】2021-05-12
(32)【優先日】2017-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CH
(73)【特許権者】
【識別番号】504237533
【氏名又は名称】シュタイナー・アーゲー・ウェギス
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】シュタイナー,アドリアン
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-161125(JP,A)
【文献】特開平07-059535(JP,A)
【文献】特開昭60-234175(JP,A)
【文献】特表2012-504439(JP,A)
【文献】実開平06-055519(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2017/0079464(US,A1)
【文献】米国特許第04800805(US,A)
【文献】国際公開第2010/121299(WO,A1)
【文献】欧州特許出願公開第01656862(EP,A1)
【文献】特開2009-045463(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 31/00-31/60
A47J 43/12
B01F 21/00-25/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手動調節可能な操作要素(101)による制御下で蒸気ランス(50)から蒸気を送出することのできる、コーヒー・マシンから蒸気を送出するための操作ユニットを手動制御する方法であって、前記操作要素(101)は、蒸気が送出されない非送出係合位置をとり、この非送出係合位置から、特定量の蒸気を送出するための特定量送出係合位置へ調節可能であり、または蒸気の量を連続して調節することができる、方法において、
前記操作ユニットに、
前記非送出係合位置のための段(302)と、前記段(302)から第1の方向に延びる少なくとも1つの
特定量の蒸気を送出するための特定量送出係合位置のための
少なくとも1つの段を有する段付経路(304)および前記非送出係合位置のための段(302)から前記第1の方向と反対の第2の方向へ延び蒸気量を任意に調節する任意調節係合位置のための傾斜状勾配(303)が配置された成形部(301)と
、
前記段(302)と、前記段付経路(304)及び前記傾斜状勾配(303)が配置された前記成形部(301)に対する係合位置を変更することによって蒸気出力用弁(210)を開閉する制御部材(300)であって、該制御部材(300)の前記成形部(301)に対する係合位置は前記操作要素(101)の位置に応じて
変更される制御部材(300)と
を設け、
前記制御部材(300)が前記操作要素(101)の移動に応じて前記成形部(301)を移動し、これにより、
前記非送出係合位置から、前記第1の方向へ少なくとも
特定量の蒸気を送出するための少なくとも1つの
特定量送出係合位置に調節することができ、かつ調節中に蒸気の量が変化する任意調節係合位置に、前記第1の方向と反対の第2の方向へ調節することができることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記操作要素(101)を前記少なくとも1つの
特定量送出係合位置へ調節したとき、ミルクの温度が測定され、目標のミルク温度に達したときに、蒸気の出力が中止されることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記操作要素(101)は、調節後にその調節に係る係合位置に留まり、手動または自動で旋回して前記非送出係合位置へ戻されなければならないことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記操作要素(101)を、前記非送出係合位置から、2つの異なる量の蒸気を送出するための2つの連続する任意調節係合位置へ前記第2の方向に旋回させることができることを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記操作要素(101)の前記第2の方向への調節中に、蒸気の量は最小値から最大値へ変化し、前記操作要素(101)は前記非送出係合位置へ自動で旋回して戻ることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
操作ユニット(100)は、
固定スリーブ(202)と、
蒸気ランス(50)が取付けられ得る出口ヘッド(204)であって前記固定スリーブ(202)に対して可動の出口ヘッド(204)と、
操作要素(101)を含むとともに前記固定スリーブ(202)に対して可動の操作スリーブ(102)とを備え、
前記非送出係合位置に、または少なくとも1つの
特定量の蒸気を送出するための少なくとも1つの
特定量送出係合位置に、または蒸気の量を任意に調節することのできる前記第2の方向への任意調節係合位置に、前記操作スリーブ(102)を前記操作要素(101)により可動させることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法を実行するための操作ユニット。
【請求項7】
前記固定スリーブ(202)の一方側に装着されかつ前記蒸気ランス(50)が取り付けられた前記出口ヘッド(204)と、前記固定スリーブ(202)の前記一方側と反対の側に装着された前記操作要素(101)を含む前記操作スリーブ(102)は、前記固定スリーブ(202)に対して各々回転可能であることを特徴とする、請求項6に記載の操作ユニット。
【請求項8】
前記成形部(301)は、前記操作スリーブ(102)に配置され、前記固定スリーブ(202)内でばね(305)により動作する、軸方向に可動な前記制御部材としてのピン(300)が前記成形部(301)に
係合され、前記操作要素(101)のための案内機能を形成することを特徴とする、請求項6または7に記載の操作ユニット。
【請求項9】
媒体供給管(203)から前記蒸気ランス(50)へ蒸気を流すために前記操作要素(101)により制御可能なバルブピン(212)を含む蒸気出力用弁としての比例弁(210)が、前記操作スリーブと前記固定スリーブ(102、202)内に存在することを特徴とする、請求項6~8のいずれか一項に記載の操作ユニット。
【請求項10】
開口部(214)および前記バルブピン(212)により前記比例弁(210)に形成された横断面が略矩形状であるため、蒸気の流量の変化が略線形であることを特徴とする、請求項9に記載の操作ユニット。
【請求項11】
通気弁(32)を含む通気デバイスが、前記蒸気ランス(50)を通して蒸気出口に割り当てられ、蒸気の供給が中止された場合に、前記通気デバイスを通して空気を供給することができるため、真空の形成によって容器から前記蒸気ランス内へミルクが戻ることを防ぐことができることを特徴とする、請求項6~10のいずれか一項に記載の操作ユニット。
【請求項12】
請求項6~11のいずれか一項に記載の手動制御可能な操作ユニット(100)を備えるコーヒー・マシンであって、主弁(30)により開閉し、前記操作ユニット(100)につながる媒体供給管(203)に接続する蒸気ボイラと、電子制御ユニットとを備え、前記電子制御ユニットは、電気接続部(60)により、下端部で前記蒸気ランス(50)と一体化された温度センサ(T)を含む前記操作ユニット(100)に接続され、前記主弁(30)を前記電子制御ユニットにより操作することができることを特徴とするコーヒー・マシン。
【請求項13】
前記電子制御ユニットが、前記温度センサ(T)により検出された実際の温度が予め設定された目標温度を超えたと判定したときに、前記主弁(30)を前記電子制御ユニットにより閉じることができることを特徴とする、請求項12に記載のコーヒー・マシン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーヒー・マシンから蒸気を排出するために操作ユニットを手動制御する方法であって、蒸気ランスから排出された蒸気を手動変位可能な操作要素により制御することができ、1つの位置において、この要素は、蒸気が排出されない係合位置を占め、その位置から、特定量の蒸気を排出するための係合位置へ変位することができ、または蒸気の量を調節するためにその位置から実質的に連続して変位することができる方法、および、この方法を実施するための操作ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
特にコーヒー・マシンにおいて蒸気を発生させるために、公開文献DE4445436において開示されているように、簡単な弁を手動操作ユニットとして使用して、供給される蒸気の量を制御することが知られている。排出される蒸気は、実質的に、カプチーノ、ラテ・マキアート、またはミルク入りコーヒーなどの、ミルクを含むコーヒー・スペシャルティを調製するために、したがって、ミルクの泡を生成するために使用される。高温蒸気を変位させ、または圧縮空気と混合し、ミルクまたは容器に浸したランスを使用して加えることによって、ミルクを加熱し、カップを上下に動かすことにより所望のミルクの泡を形成することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、カップなどに入ったある量のミルクに簡単な操作でミルクの泡を最適に生成することができるように、コーヒー・マシンから蒸気を送出するための、手動制御方法および操作ユニットをさらに開発することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によれば、この目的は、請求項1の特徴による方法、および請求項6の特徴による蒸気を排出するための操作ユニットにより解決される。
【0005】
本発明によるこの手動制御方法において、操作要素は、少なくとも特定量の蒸気を放出するために、基本位置から少なくとも1つの係合位置へ一方向に調節され、または蒸気の量が調節に伴って変化する反対方向に調節される。
【0006】
したがって、本発明によるこの方法は、所望の送出モードと、カップまたは同様の容器内のミルクの量とに応じて、ミルクの泡を最適に生成することができること、すなわち、一方では、ミルクがあまりにも速く加熱されることがなく、他方では、加熱時に泡を最適な濃度で形成することができることを特徴とする。一方向に手動で動かすために、コーヒー・マシンから蒸気を排出するための操作要素は、蒸気が排出されない基本位置から、特定量の蒸気に対応する少なくとも1つの係合位置へ動かすことができるように構成される。
【0007】
操作要素をこの少なくとも1つの係合位置に調節したときに、ミルクの温度を測定し、ミルクの温度が目標値に達したときに、蒸気の送出および蒸気を中止することが非常に有利である。これにより、ミルクが過熱されず、常に所望の最適温度になることが保証される。
【0008】
操作要素を反対方向に手動で動かすことにより、蒸気の排出を、好ましくは連続して少量から最大量まで変化させることができる。
【0009】
さらに有利な実施形態は、従属請求項において定義される。
【0010】
また、異なるミルクの量、異なる温かい飲料の範囲についての異なる最終温度、および/またはミルクの泡の多様な濃度が存在する場合、またはこれらを達成すべきである場合でも、通常の略自動化された制御と手動制御との両方を使用するだけで最適な飲料を生成することが特に有利である。
【0011】
操作要素は、旋回可能なレバーまたは回転ノブとして設計されることが好ましい。さらなる幾何形状が、操作要素の可能な実施形態について考えられる。
【0012】
好ましい実施形態において、旋回する蒸気ランスと組み合わせた操作要素が、コーヒー・マシンに取り付けられ、場合により、それ自体が蒸気ランスに対して旋回可能であるように取り付けられる。これは、コーヒー・マシンの手動操作が特に簡単であるという利点を有する。
【0013】
通気管が蒸気ランスに設けられ、弁を介してコーヒー・マシンの内部に接続されて、そこに開口するため、弁が開いた状態で、コーヒー・マシンの内部から蒸気ランスへ空気が流れて、真空、したがって蒸気ランス内へミルクが逆流することを避けることができることが適切である。これは、高温のミルクは蒸気ランス内にこびりついて付着し、蒸気ランスを詰まらせるからである。
【0014】
以下で、図面を参照しながら、例示的な実施形態を用いて、本発明をより詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】コーヒー・マシン(図示せず)における蒸気ランスを含む、本発明による操作ユニットの斜視図である。
【
図2】
図1による操作ユニットの長手方向断面図である。
【
図3】
図1による操作ユニットの操作要素を含むスリーブの内面図である。
【
図4】
図1による操作ユニットの部分断面図である。
【
図5】電気部品を含む、
図1による操作ユニットの部分断面図である。
【
図6】電気部品を含む、反対側から見た、
図1による操作ユニットの部分断面図である。
【
図7】基本位置に追加したさらなる所定位置における操作要素を示す図である。
【
図8】
図3による、ピンを含むスリーブの部分断面図である。
【
図9】反対方向への別の変位における操作要素を示す図である。
【
図10】
図3による、ピンを含むスリーブの部分断面図である。
【
図11】反対方向への別の変位における操作要素を示す図である。
【
図12】
図3による、ピンを含むスリーブの部分断面図である。
【
図13】操作ユニットの蒸気出口用の弁開口部の横断面図である。
【
図14】
図1による操作ユニットの水圧方式を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1は、媒体供給管203を含むコーヒー・マシン200(詳細には図示せず)における操作ユニット100を示す。この操作ユニット100は、第1のスリーブ202と、取付け可能な蒸気ランス50を含む出口ヘッド204と、操作要素101を含む第2のスリーブ102とを備える。傾斜した取付台201を使用して、スリーブ202、したがって操作ユニットをコーヒー・マシン200に取り付ける。
【0017】
図2によれば、蒸気ランス50が取り付けられた出口ヘッド204と、スリーブ202の反対側に操作要素101を含むスリーブ102とは、各々軸受リング205、206により互いに対して回転可能に取り付けられる。したがって、出口ヘッド204に取り付けられたハンドル51を含む蒸気ランス50は、操作要素101を含むスリーブ102に対して回転軸DAの周りを旋回可能である。これにより、この蒸気ランス50を、様々な大きさのカップまたは容器に対して快適に挿入し、取り出すことができる。挿入後、カップまたは容器内のミルクを加熱する、または泡立てることができる。
【0018】
スリーブ102、202の中心には、バルブピン212を含む比例弁210があり、これを操作要素101により制御して、媒体供給管203から蒸気ランス50内へ媒体を送出することができる。操作要素101を含むスリーブ102は、スリーブ202近くの軸受リング205の中央にある。スリーブ102は、比例弁210のバルブスリーブ211内のバルブピン212に機械的に接続されるため、比例弁210を操作要素101により制御することができる。バルブピン212は、媒体供給管203を部分的に、半分、または完全に閉じる。
【0019】
本発明の文脈において、スリーブ102は、
図3において見られる、回転軸DAの方向に段付きの輪郭301を有する。輪郭301は、段付経路304、部分傾斜部303、および操作要素の基本位置のための段302を有する。この基本位置において、比例弁210は閉じているため蒸気を排出しない。
【0020】
したがって、この輪郭301は、ばね305により付勢されるピン300に動作可能に接続され、これにより、係合作用力を形成し、操作要素101のための案内機能およびスナップ嵌め機能が生じる。このばね305とばね305が付勢するピン300とは、輪郭301に垂直な固定スリーブ202内で軸方向に上下に調節可能である。
【0021】
これにより、長手方向に可動のピン300において、例えば、モータまたはアクチュエータによる比例弁210の電気制御のための位置サンプリングなどの形の、追加の電気機能を働かせてもよい。
【0022】
理想的には、隠蔽された輪郭301が、様々な異なる所望の蒸気レベルに対応する予め設定された位置についての様々な段を持つ部分段付経路304を有することが理想的である。
【0023】
加えて、輪郭301は傾斜状経路303を有し、これを通して、操作要素101の可変位置が生じる。この可変位置において、比例弁210による蒸気出力が予め設定された位置によって決定されるのではなく、無限に可変に調節することができ、蒸気の量が手動で調節または変更される。輪郭301の傾斜状経路303と、ばね305およびピン300とにより、スリーブと、スリーブに伴う操作要素101とは、操作要素101が解放されると、蒸気用の弁が閉じる基本位置へ旋回運動によって自動で戻る。
【0024】
図4は、操作ユニット100における蒸気および/または空気用の媒体供給203、ならびに以下で説明するコーヒー・マシンにつながる通気管35を示す。
【0025】
図5および
図6は、操作ユニット100の電気部品を示し、この電気部品から、電線62、63を含む電気接続部60が、ミルクの温度を測定するために、蒸気ランス50の下端部おいて一体化された温度センサTを電子制御ユニットS(図示せず)に接続する。
【0026】
スリーブ102、202内のさらなる電気接続部61は、電線64、65を含む操作要素101の偏向方向を検出するために、スリーブ102、202に組み込まれた電気部品Kを、電子制御ユニットSに接続する。そのような電気部品Kは、操作要素101のこのような偏向方向を検出可能な簡単な電気スイッチまたはセンサであってよい。
【0027】
図7は、ある量の蒸気が排出される、予め設定された位置における操作ユニット100の操作要素101を示す。操作要素101は、垂直軸Vから見て、基本位置から特定の角度、例えば17°偏向する。
【0028】
図8は、輪郭301の横断面に示す部分段付経路304の第1の段階にあるスリーブ102およびピン300を示し、これは、ある量の蒸気を含む予め設定された位置に対応する。
【0029】
図9によれば、操作要素101は、基本位置から、例えば34°の角度だけ回転した、第2の段階としての予め設定された位置へ旋回する。この第2の段階では、蒸気の排出が、第1の段階よりも単位時間当たりの量を多くして行われる。この量は、ミルクがあまりにも速く加熱されないようにすべき略理想的な時間で、カップまたは容器内のミルクが加熱されるように設定される。
【0030】
図示した17°および34°の偏向角度で、ユーザは、迅速な手の動きにより、1つの段から他の段へ切り替えることができる。偏向角度は、操作要素101の長さおよび操作ユニット100への操作要素101の取付けによっても決定される。比例弁210の機械制御および電気制御の両方により、比例弁210の開口幅を、操作要素101の偏向に比例して得ることができる。
【0031】
図10は、輪郭301の段付経路304の第2の段階におけるスリーブ102およびピン300を示し、これは、特定量の蒸気についての
図9による操作要素101の予め設定された位置に対応する。
【0032】
図11は、基本位置に対応する垂直軸Vの周りで
図7および
図9による位置とは反対方向に偏向した、異なる位置における操作ユニット100の操作要素101を示す。
【0033】
図12は、輪郭301の段付経路304の傾斜状段部におけるスリーブ102およびピン300を示し、ここでは、蒸気の量を任意に選択するように、操作要素101を実質的に段階的に
図11による位置まで偏向させることができる。
【0034】
図13は、略閉じた段階、第1の段階において17°で半分開いた段階、および弁が完全に開いた段階における、比例弁210のバルブスリーブの開口部214の横断面を示す。開口部214および開閉バルブピン212の横断面が略矩形状であるため、蒸気の流量の変化が略線形であることが好ましい。加えて、バルブピン212の変位方向が開口部214の長手方向伸長部分を横切るため、閉位置から完全開位置へ、および完全開位置から閉位置へ、操作要素101を短く変位させるだけでよい。
【0035】
図14は、媒体供給管203、主弁30、比例弁210、通気管35、弁32、および蒸気ランス50(図示せず)の蒸気出口開口部34を含む水圧方式を示す。媒体管203は、ミルクを加熱するまたは泡立てるように蒸気および/または空気を供給するために使用され、コーヒー・マシン(図示せず)内に位置する蒸気ボイラを主弁30および比例弁210に接続し、比例弁210は、蒸気ランス50の蒸気出口開口部34に接続される。
【0036】
主弁30は、操作要素101の作動後に開閉する。操作要素101により予め選択された、例えば17°または34°の偏向角度における予め設定された位置により、温度センサTにより測定された泡立てるミルクの温度が目標値に達したときに、電子制御ユニットSが主弁30を再び閉じるまで、主弁30は蒸気を放出するために開いたままとなる。
【0037】
操作要素101は、主弁30が電子制御ユニットSにより自動で閉じられると偏向位置に留まり、基本位置へ手動で戻されなければならない。これを、本発明の範囲内で、適切な電気デバイスおよび/または機械デバイスにより自動でも行われ得る。
【0038】
比例弁210は、操作要素101の位置に応じて所望の蒸気出力で、ある量の蒸気を排出するように、操作要素101により制御される。加えて、調節可能な蒸気温度の調整が、比例弁210により空気とある量の蒸気とを混合することにより、本発明の範囲内で可能である。
【0039】
通気管35は、弁32をコーヒー・マシン200の内部に接続し、そこで開口するため、弁32が開いたときに、コーヒー・マシン200の内部から蒸気ランス50内へ空気が流れて、真空が形成されることにより蒸気ランス内へミルクが戻ることを防ぐことができる。これは、高温のミルクは蒸気ランス内にこびりついて付着し、蒸気ランスを詰まらせるからである。弁32は、主弁30または比例弁210が閉じると通気のために開き、比例弁210が開くと通気のために閉じる。
【0040】
本発明について、例示的な実施形態を用いて十分に明示した。しかしながら、本発明を、他の変形形態によって示すことができる。したがって、論理上は、操作制御を、旋回運動の代わりに、レールなどにおいて直線的に、または軸方向において回転により調節することもできる。操作要素を回転させたときに、これら2つのロックイン位置が設けられることが有利である。しかしながら、1つのみまたは他のロックイン位置を設けてもよい。