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特許7265532スプリットリング共振器、基板、及びコネクタ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-18
(45)【発行日】2023-04-26
(54)【発明の名称】スプリットリング共振器、基板、及びコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01Q 9/04 20060101AFI20230419BHJP
【FI】
H01Q9/04
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020513218
(86)(22)【出願日】2019-04-03
(86)【国際出願番号】 JP2019014785
(87)【国際公開番号】W WO2019198588
(87)【国際公開日】2019-10-17
【審査請求日】2022-02-07
(31)【優先権主張番号】P 2018077203
(32)【優先日】2018-04-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000231073
【氏名又は名称】日本航空電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117341
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 拓哉
(72)【発明者】
【氏名】小坂 圭史
(72)【発明者】
【氏名】半杭 英二
(72)【発明者】
【氏名】鳥屋尾 博
(72)【発明者】
【氏名】松永 泰彦
【審査官】岸田 伸太郎
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/027824(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/159369(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/151139(WO,A1)
【文献】特開平06-037519(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 9/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グランドパターンから切り離されている第一グランド端子を備えるスプリッ卜リング共振器であって、
前記スプリットリング共振器は、方形リング形状を有しており、
前記第一グランド端子が、直線Lからみて、前記スプリッ卜リング共振器におけるスプリッ卜が存在する側、に位置し、
前記直線L上には、前記スプリッ卜リング共振器におけるリングの中心である点Cが存在し、
前記直線Lは、前記点Cと、前記スプリッ卜と、を結ぶ線分と直交し、
前記グランドパターンから切り離されている第二グランド端子を備え、
前記第一グランド端子が、前記スプリッ卜リング共振器における第一の隅、に位置し、
前記第二グランド端子が、前記直線Lからみて、前記スプリッ卜が存在する側、に位置し、前記スプリッ卜リング共振器における第二の隅、に位置し、
前記スプリットリング共振器は、スプリッ卜リング部を備えており、
前記スプリッ卜リング部は、前記スプリットと、前記スプリッ卜を挟んで前記直線Lに沿って延びる第一導体と、前記直線Lに沿って延びる第二導体と、前記直線Lと直交する方向に沿って延びる第三導体と、前記直線Lと直交する方向に沿って延びる第四導体とにより前記方形リング形状に形成されており、
前記第一の隅及び前記第二の隅は、前記第一導体と前記第三導体とが交わる部分及び前記第一導体と前記第四導体とが交わる部分に夫々位置している
スプリッ卜リング共振器。
【請求項2】
前記グランドパターンから切り離されている第三グランド端子を備え、
前記第三グランド端子が、前記直線Lからみて、前記スプリッ卜が存在しない側、に位置する
請求項1に記載のスプリッ卜リング共振器。
【請求項3】
グランドパターンから切り離されている第一グランド端子を備えるスプリッ卜リング共振器であって、
前記第一グランド端子が、直線Lからみて、前記スプリッ卜リング共振器におけるスプリッ卜が存在する側、に位置し、
前記直線L上には、前記スプリッ卜リング共振器におけるリングの中心である点Cが存在し、
前記直線Lは、前記点Cと、前記スプリッ卜と、を結ぶ線分と直交し、
前記グランドパターンから切り離されている第三グランド端子を備え、
前記第三グランド端子が、前記直線Lからみて、前記スプリッ卜が存在しない側、に位置する
スプリッ卜リング共振器。
【請求項4】
グランドパターンから切り離されている第一グランド端子を備えるスプリッ卜リング共振器であって、
前記第一グランド端子を含むすべてのグランド端子が、直線Mからみて、片方の側、に位置し、
前記直線Mは、前記スプリッ卜リング共振器におけるリングの中心である点Cと、前記スプリッ卜リング共振器におけるスプリッ卜と、を結ぶ線分を延伸した直線であり、
前記第一グランド端子が、直線Lからみて、前記スプリッ卜が存在する側、に位置し、
前記直線L上には、前記点Cが存在し、
前記直線Lは、前記線分と直交する
スプリッ卜リング共振器。
【請求項5】
放射導体が、前記直線Mからみて、前記第一グランド端子が存在しない側、に備えられている
請求項4に記載のスプリッ卜リング共振器。
【請求項6】
基板及びコネクタの少なくとも一方である対象物に接続されるスプリッ卜リング共振器であって、前記対象物は、グランドパターンを備えており、
前記スプリッ卜リング共振器は、前記グランドパターンから切り離されている第一グランド端子を備えており、
前記第一グランド端子が、直線Lからみて、前記スプリッ卜リング共振器におけるスプリッ卜が存在する側、に位置し、
前記直線L上には、前記スプリッ卜リング共振器におけるリングの中心である点Cが存在し、
前記直線Lは、前記点Cと、前記スプリッ卜と、を結ぶ線分と直交し、
前記グランドパターンから切り離されている第二グランド端子を備え、
前記スプリットリング共振器は、方形リング形状を有しており、
前記第一グランド端子が、前記スプリッ卜リング共振器における第一の隅、に位置し、
前記第二グランド端子が、前記直線Lからみて、前記スプリッ卜が存在する側、に位置し、前記スプリッ卜リング共振器における第二の隅、に位置し、
前記スプリットリング共振器は、スプリッ卜リング部を備えており、
前記スプリッ卜リング部は、前記スプリットと、前記スプリッ卜を挟んで前記直線Lに沿って延びる第一導体と、前記直線Lに沿って延びる第二導体と、前記直線Lと直交する方向に沿って延びる第三導体と、前記直線Lと直交する方向に沿って延びる第四導体とにより前記方形リング形状に形成されており、
前記第一の隅及び前記第二の隅は、前記第一導体と前記第三導体とが交わる部分及び前記第一導体と前記第四導体とが交わる部分に夫々位置しており、
前記グランドパターンから切り離されている第三グランド端子を備え、
前記第三グランド端子が、前記直線Lからみて、前記スプリッ卜が存在しない側、に位置する
スプリッ卜リング共振器。
【請求項7】
グランドパターンと端子とを備える基板であって、前記端子は、請求項1からのいずれかに記載のスプリットリング共振器における第一グランド端子に接続される
基板。
【請求項8】
グランドパターンと端子とを備えるコネクタであって、前記端子は、請求項1からのいずれかに記載のスプリットリング共振器における第一グランド端子に接続される
コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スプリットリング共振器、基板、及びコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信装置に用いられる小型アンテナとして、スプリットリング共振器を用いたアンテナが知られている。
例えば、特許文献1に、スプリットリング共振器を備えた無線通信装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2013/027824号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1におけるスプリットリング共振器は、基板上に直接、グランドパターンに接続された状態で実装されている。
このため、特許文献1に開示されている態様では、スプリットリング共振器を、部品として単体で流通させたり、設計の要求に応じて柔軟に組み合わせたりすることができない。
すなわち、特許文献1に開示されている態様では、スプリットリング共振器を、部品として取り扱うことができない。
【0005】
本開示のある態様の目的は、上述したいずれかの課題を解決するスプリットリング共振器、基板、及びコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示のある態様に係るスプリットリング共振器は、グランドパターンから切り離されている第一グランド端子を備える。
【0007】
本開示のある態様に係る基板は、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器におけるグランドパターンから切り離されているグランド端子と、接続される端子とを備える。
【0008】
本開示のある態様に係るコネクタは、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器におけるグランドパターンから切り離されているグランド端子と、接続される端子とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本開示における様々な態様によれば、スプリットリング共振器を、部品として取り扱うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の平面図である。
図2】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の平面図である。
図3】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の平面図である。
図4】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の斜視図である。
図5】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の斜視図である。
図6】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の平面図である。
図7】本開示のある態様に係る基板の平面図である。
図8】本開示のある態様に係る基板の平面図である。
図9】本開示のある態様に係るコネクタの斜視図である。
図10】本開示のある態様に係るコネクタと主回路基板との接続を説明する図である。
図11】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器を説明する図である。
図12】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の平面図である。
図13】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の平面図である。
図14】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の斜視図である。
図15】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器における電流を比較する図である。
図16】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の平面図である。
図17】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の平面図である。
図18】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の斜視図である。
図19】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の反射損失特性を示すグラフである。
図20】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の平面図である。
図21】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の平面図である。
図22】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の斜視図である。
図23】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器における電流を比較する図である。
図24】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の反射損失特性を示すグラフである。
図25】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の平面図である。
図26】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の平面図である。
図27】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の斜視図である。
図28】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器と基板との接続形態を比較する図である。
図29】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器とコネクタの接続形態を比較する図である。
図30】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の平面図である。
図31】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の平面図である。
図32】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の斜視図である。
図33】放射導体における電流を説明する図である。
図34】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の平面図である。
図35】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の平面図である。
図36】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の斜視図である。
図37】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器と基板との接続形態を比較する図である。
図38】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の平面図である。
図39】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の平面図である。
図40】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の斜視図である。
図41】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の平面図である。
図42】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の平面図である。
図43】本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の斜視図である。
図44】実施形態に係るスプリットリング共振器の放射導体における電流を示す平面図である。
図45】実施形態に係るスプリットリング共振器をリードによって基板に接続するための構成の一例を示す斜視図である。
図46】実施形態に係るスプリットリング共振器をリードによって基板に接続するための構成の他の例を示す斜視図である。
図47】実施形態に係るスプリットリング共振器をリードによって基板に接続するための構成のさらに他の例を示す斜視図である。
図48】実施形態に係るスプリットリング共振器をリードによって基板に接続するための構成のさらに他の例を示す斜視図である。
図49】実施形態に係るスプリットリング共振器をリードによって基板に接続するための構成のさらに他の例を示す斜視図である。
図50】実施形態に係るスプリットリング共振器をリードによって基板に接続するための構成のさらに他の例を示す斜視図である。
図51】実施形態に係るスプリットリング共振器をリードによって基板に接続するための構成のさらに他の例を示す斜視図である。
図52】実施形態に係るスプリットリング共振器をリードによって基板に接続するための構成のさらに他の例を示す斜視図である。
図53】実施形態に係るスプリットリング共振器をリードによって基板に接続するための構成のさらに他の例を示す斜視図である。
図54】実施形態に係るスプリットリング共振器をリードによって基板に接続するための構成のさらに他の例を示す斜視図である。
図55】実施形態に係るスプリットリング共振器をリードによって基板に接続するための構成のさらに他の例を示す斜視図である。
図56】実施形態に係るスプリットリング共振器をリードによって基板に接続するための構成のさらに他の例を示す斜視図である。
図57】実施形態に係るスプリットリング共振器をリードによって基板に接続するための構成のさらに他の例を示す斜視図である。
図58】実施形態に係るスプリットリング共振器をリードによって基板に接続するための構成のさらに他の例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示における様々な態様は、あくまで例示であり、特許請求の範囲に記載された発明の技術的範囲の限定を意図するものではない。
【0012】
本開示のある態様に係るスプリットリング共振器11は、グランドパターンから切り離されているグランド端子14を備える。
【0013】
図1図2図3は、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器11の例を示す図である。
【0014】
例えば、スプリットリング共振器11におけるリングの中心を、点Cと呼ぶこととする。
例えば、スプリットリング共振器11におけるスプリットと、点Cと、を結ぶ線分を、線分mと呼ぶこととする。
例えば、線分mを延伸した直線を、直線Mと呼ぶこととする。
例えば、線分m(ないし直線M)と直交し、点Cを通る直線を直線Lと呼ぶこととする。つまり、直線L上には、点Cが存在する。
例えば、直線Mが延びる方向を、Y軸方向と呼ぶこととする。
例えば、直線Lが延びる方向を、X軸方向と呼ぶこととする。
【0015】
例えば、スプリットリング共振器11は、スプリットリング部12を、備えてもよい。
例えば、スプリットリング部12は、スプリット部12gと、スプリット部12gを挟んでX軸方向に延びる第一導体12aと、X軸方向に延びる第二導体12bと、Y軸方向に延びる第三導体12cと、Y軸方向に延びる第四導体12dと、により、方形リングに沿った略C字の形状として、形成されていてもよい。
例えば、スプリットリング部12は、円形リング、楕円形リング、トラックリング等、その他様々なリングに沿った形状でもよい。
例えば、スプリットリング部12は、板金で形成されていてもよい。
【0016】
例えば、スプリットリング共振器11は、グランドパターンから切り離されているグランド端子14を備えてもよい。
例えば、スプリットリング共振器11は、グランド端子14だけでなく、グランドパターンから切り離されているグランド端子14を複数備えてもよい。
例えば、グランド端子14は、グランドパターンと電気的に接続できる態様であればどのような態様であってもよい。
例えば、グランド端子14は、はんだ付け、圧着、コネクタ、ピン等により、グランドパターンと電気的に接続されるものであってもよい。
例えば、グランド端子14は、図1に示すような、ランドパターンであってもよい。
例えば、グランド端子14は、図2に示すような、スプリットリング共振器11の外周から外側へ突出するパターンであってもよい。
例えば、グランド端子14は、図3に示すような、スプリットリング共振器11の被覆を部分的に剥がした露出パターンであってもよい。
例えば、グランド端子14に限らず、本開示におけるいずれのグランド端子についても、グランドパターンと電気的に接続できる態様であればどのような態様であってもよい。
例えば、グランド端子14は、板金で形成されていてもよい。
【0017】
図4図5図6は、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器11の例を示す図である。
図4図5図6には、スプリットリング共振器11が、グランド端子14を1つ備える構成が示されている。
しかし、スプリットリング共振器11は、グランド端子を、2つ以上備えていてもよい。
【0018】
例えば、スプリットリング共振器11は、図4に示すように、スプリットリング部12と、グランド端子14と、給電端子13と、を備えてもよい。
例えば、給電端子13は、電線及び板金で形成されていてもよい。
例えば、給電端子13は、スプリットリング部12にRF(Radio Frequency)信号を給電するための端子であってもよい。
例えば、給電端子13は、スプリットリング部12に接続されてもよい。
例えば、給電端子13には、伝送線路が接続されてもよい。
例えば、給電端子13は、第一導体12aに接続されてもよい。
【0019】
例えば、スプリットリング共振器11は、図5に示すように、スプリットリング部12と、グランド端子14と、給電端子13と、チップ本体15と、を備えてもよい。
【0020】
例えば、スプリットリング共振器11は、図6に示すように、スプリットリング部12と、グランド端子14と、給電端子13と、プリント基板15’と、を備えてもよい。
例えば、スプリットリング部12と、グランド端子14と、給電端子13と、は、図6に示すように、プリント基板15’の一面に備えられてもよい。
例えば、プリント基板15’は、単層構成でも、多層構成でもよい。
例えば、プリント基板15’が多層構成である場合、スプリットリング部12と、グランド端子14と、給電端子13とは、いずれかの層に備えられてもよい。
【0021】
本開示のある態様に係る基板は、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器におけるグランドパターンから切り離されているグランド端子と接続される端子を備える。
【0022】
図7図8は、本開示のある態様に係る基板101の例を示す図である。
【0023】
例えば、基板101は、外側が方形のグランドパターン101gを備えてもよい。
例えば、基板101は、受け端子101rを備えてもよい。
例えば、受け端子101rとは、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器におけるグランドパターンから切り離されているグランド端子と接続される端子であってもよい。
例えば、基板101は、図7に示すように、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の形状や寸法に応じた空隙101aを備えてもよい。
この場合、例えば、図7に示すように、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器を空隙101aに収容し、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器におけるグランドパターンから切り離されているグランド端子と、受け端子101rと、を接続することで、アンテナを形成してもよい。
例えば、基板101は、図8に示すように、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器の形状や寸法に応じた空隙を備えていなくてもよい。
この場合、例えば、図8に示すように、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器を、グランドパターン101g’における辺や縁に隣接させ、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器におけるグランドパターンから切り離されているグランド端子と、受け端子101rと、を接続することで、アンテナを形成してもよい。
【0024】
本開示のある態様に係るコネクタは、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器におけるグランドパターンから切り離されているグランド端子と接続される端子を備える。
【0025】
図9図10は、本開示のある態様に係るコネクタ102の例を示す図である。
【0026】
例えば、コネクタ102は、グランドパターン102gを備えてもよい。
例えば、コネクタ102は、受け端子102rを備えてもよい。
例えば、コネクタ102は、給電パターン102sを備えてもよい。
例えば、コネクタ102は、給電パターン102sの延びる方向を軸方向とし、グランドパターン102gを周面とする円筒形状として、形成されることで、給電パターン102sをコネクタ芯線とし、グランドパターン102gをコネクタ外導体とする同軸コネクタとして、形成されていてもよい。
【0027】
例えば、グランドパターン102gは、コネクタ102の軸方向の一端においてねじ形状を有し、対応するねじ形状を有する他のグランドパターンと電気的及び機構的に接続することが可能となっていてもよい。
例えば、コネクタ102は、軸方向他端側に、グランドパターン102gと隣接して誘電体キャップ102cを備えることで、スプリットリング共振器11を、誘電体キャップ102cに収容可能となっていてもよい。
例えば、スプリットリング共振器11は、コネクタ102の軸方向他端側おいて、グランドパターン102gと隣接して設けられていてもよい。
例えば、グランドパターン102gは、受け端子102rを介してグランド端子14と接続され、給電パターン102sは、給電端子13と接続されてもよい。
【0028】
例えば、コネクタ102は、グランドパターン102gにメスねじ形状を有することでメスコネクタとなってもよい。
例えば、コネクタ102は、オスコネクタを有する主回路基板103に接続してもよい。
例えば、図9に示すように、グランドパターン102gを介して、主回路基板103の主グランドパターン103gに、スプリットリング共振器11(グランド端子14)を接続してもよい。
例えば、グランドパターン102gは、メスねじ形状でもオスねじ形状でもどちらであってもよい。
例えば、図10に示すように、コネクタ102のグランドパターン102gがオスねじ形状を有し、コネクタ102は、メスコネクタを有する主回路基板に接続してもよい。
【0029】
グランド端子14がグランドパターンに接続されると、スプリットリング共振器21における給電端子13とグランド端子14との間に、RF信号に応じた電流を流すことができる。
したがって、以上の本開示のある態様に係るスプリットリング共振器を、以上の本開示のある態様に係る基板や、以上の本開示のある態様に係るコネクタと、組み合わせることで、アンテナを形成することができる。
したがって、以上の、本開示のある態様によれば、スプリットリング共振器を、部品として単体で流通させたり、設計の要求に応じて柔軟に組み合わせたりすることができる。
【0030】
本開示のある態様に係るスプリットリング共振器21は、スプリットリング共振器11において、第一グランド端子が、直線Lからみて、スプリットリング共振器におけるスプリットが存在する側に位置する。直線L上には、スプリットリング共振器におけるリングの中心である点Cが存在し、直線Lは、点Cと、スプリットとを結ぶ線分mと直交する。
【0031】
図11図12図13図14は、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器21の例を示す図である。
【0032】
例えば、スプリットリング共振器における各領域を定義することとする。
【0033】
(スプリットリング共振器の上側)
図11に示すように、直線Lよりスプリットリング共振器のスプリット側をスプリットリング共振器の上側RUとすることとする。
例えば、スプリットリング部12のうち、上半分の部分(スプリット部12gと、第一導体12aと、第三導体12cのうち第二導体12bより第一導体12aに近い部分と、第四導体12dのうち第二導体12bより第一導体12aに近い部分と、からなる部分)がスプリットリング共振器の上側RUとなるように構成されていてもよい。
【0034】
(スプリットリング共振器の下側)
図11に示すように、直線Lよりスプリットリング共振器のスプリット側の反対側をスプリットリング共振器の下側RDとすることとする。
例えば、スプリットリング部12のうち、下半分の部分(第二導体12bと、第三導体12cのうち第一導体12aより第二導体12bに近い部分と、及び第四導体12dのうち第一導体12aより第二導体12bに近い部分と、からなる部分)がスプリットリング共振器の下側RDとなるように構成されてもよい。
【0035】
(スプリットリング共振器の右側)
図11に示すように、直線Mよりスプリットリング共振器の一方側(図9の右側)を右側RRとする。
例えば、スプリットリング部12のうち、右半分の部分(第三導体12cと、第一導体12aのうち第四導体12dより第三導体12cに近い部分と、スプリット部12gのうち第四導体12dより第三導体12cに近い部分と、第二導体12bのうち第四導体12dより第三導体12cに近い部分と、からなる部分)がスプリットリング共振器の右側RRとなるように構成されてもよい。
【0036】
(スプリットリング共振器の左側)
図11に示すように、直線Mより他方側(図9の左側)を左側RLとする。
例えば、スプリットリング部12のうち、左半分の部分(第四導体12dと、第一導体12aのうち第三導体12cより第四導体12dに近い部分と、スプリット部12gのうち第三導体12cより第四導体12dに近い部分と、第二導体12bのうち第三導体12cより第四導体12dに近い部分と、からなる部分)がスプリットリング共振器の左側RLとなるように構成されてもよい。
【0037】
例えば、スプリットリング共振器21は、スプリットリング共振器21の上側RUに、グランド端子14を備えてもよい。
例えば、第三導体12cの位置、第四導体12dの各導体の位置に、それぞれグランド端子14が一つずつ設けられてもよい。
例えば、各グランド端子14は、第三導体12c、第四導体12dの各導体に、それぞれ接続されてもよい。
【0038】
例えば、スプリットリング共振器21は、基板101の空隙101aの位置に設けられてもよい。
例えば、スプリットリング共振器21は、スプリット部12gの離間方向が、空隙101aの広がる方向を向くように、空隙101aに設けられてもよい。
例えば、空隙101aにスプリットリング共振器21が収まるように、スプリットリング共振器21は、基板101に設けられてもよい。ここで、空隙101aの広がる方向とは、グランドパターン101gの方形の各辺のうち、矩形に切り欠かれた一辺が延びる方向をいうこととする。
【0039】
例えば、各グランド端子14は、グランドパターン101gと、はんだ付け、圧着等によって電気的に接続されてもよい。
例えば、各グランド端子14は、グランドパターン101gと、はんだSRを介して接続されてもよい。
例えば、第一導体12aには、RF信号を給電するための給電線WSが接続されてもよい。
【0040】
例えば、第三導体12cの位置、第四導体12dの各導体の位置は、スプリットリング共振器21の上側RUであればどのような位置に設けられてもよい。
例えば、グランド端子14は、第一導体12aの位置に設けられてもよい。その際、グランド端子14は、第一導体12aに接続されてもよい。
例えば、グランド端子14よりもスプリット部12gに近い位置であれば、第三導体12c又は第四導体12dに接続されてもよい。
例えば、給電線WSは、スプリット部12gに接続されてもよい。
【0041】
本開示のある態様に係る基板は、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器21におけるグランドパターンから切り離されているグランド端子と接続される端子を備える。
【0042】
図12図13は、本開示のある態様に係る基板101の例を示す図である。
【0043】
例えば、スプリットリング共振器21は、スプリットリング共振器21の上側RUに、グランド端子14を備えてもよい。
例えば、第三導体12cの位置、第四導体12dの各導体の位置に、それぞれグランド端子14が一つずつ設けられている。各グランド端子14は、第三導体12c、第四導体12dの各導体に、それぞれ接続されてもよい。
【0044】
例えば、スプリットリング共振器21は、基板101の縁部に隣接して設けられてもよい。
例えば、スプリットリング共振器21は、スプリット部12gの離間方向が、隣接する基板101の縁部が延びる方向となるように設けられてもよい。
例えば、各グランド端子14は、グランドパターン101g’と、電線WRを介して、はんだ付け、圧着等によって電気的に接続されてもよい。
例えば、給電線WSと電線WRが、コネクタの芯線と外導体で実現されていてもよい。
【0045】
例えば、グランド端子14は、スプリットリング共振器21の上側RUであればどのような位置に設けられてもよい。
例えば、グランド端子14は、第一導体12aの位置に設けられても良い。その際、グランド端子14は、第一導体12aに接続されてもよい。
【0046】
本開示のある態様に係るコネクタは、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器21におけるグランドパターンから切り離されているグランド端子と接続される端子を備える。
【0047】
図14は、本開示のある態様に係るコネクタ102の例を示す図である。
【0048】
例えば、スプリットリング共振器21は、スプリットリング共振器21の上側RUに、グランド端子14を備える。本実施形態では、第三導体12cの位置、第四導体12dの各導体の位置に、それぞれグランド端子14が一つずつ設けられてもよい。
例えば、各グランド端子14は、第三導体12c、第四導体12dの各導体に、それぞれ接続されてもよい。
【0049】
例えば、スプリットリング共振器21は、コネクタ102に設けられてもよい。
例えば、スプリットリング共振器21は、スプリット部12gの離間方向が、コネクタ102の径方向となるように設けられてもよい。
例えば、各グランド端子14は、グランドパターン102gと、電線WRを介して、はんだ付け、圧着等によって電気的に接続されてもよい。
【0050】
例えば、スプリットリング共振器21の上側RUであればどのような位置に設けられてもよい。
例えば、グランド端子14は、第一導体12aの位置に設けられても良い。その際、グランド端子14は、第一導体12aに接続されてもよい。
【0051】
図15に示すように、スプリットリング共振器21を空隙に設ける場合(図12に示すスプリットリング共振器21の場合)、空隙に設けない場合(図13に示すスプリットリング共振器21場合)に比べて、放射に寄与する電流Irがスプリットリング共振器21の上側に流れやすい。このため、図12に示すスプリットリング共振器21では、上側にグランド端子14があることで、電流Irが、グランド端子14を介した他の導体に流れやすい。これによって、スプリットリング共振器21の放射特性がよくできる。
さらにスプリットリング共振器21を空隙に設ける場合、空隙にスプリットリング共振器が収まるように接続される。このため、図12に示すスプリットリング共振器21では、電流Irが、スプリットリング共振器21の上側において、そのままグランド端子14を介して向きが変わることなく、基板101のグランドパターン101gの辺上を流れることができる。したがって、よりスプリットリング共振器21の放射特性をよくできる。
【0052】
本開示のある態様に係るスプリットリング共振器31は、スプリットリング共振器21において、グランドパターンから切り離されている第二グランド端子を備え、第一グランド端子が、スプリットリング共振器31における第一の隅に位置する。第二グランド端子は、直線Lからみて、スプリットが存在する側に位置し、スプリットリング共振器における第二の隅に位置する。
【0053】
図16図17図18は、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器31の例を示す図である。
【0054】
例えば、スプリットリング共振器31は、スプリットリング共振器31の上側RUの2隅(第一導体12aと第三導体12cとが交わる部分と、第一導体12aと第四導体12dとが交わる部分と、の2つの部分)の位置に、それぞれグランド端子14を備えてもよい。
【0055】
本開示のある態様に係る基板は、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器31におけるグランドパターンから切り離されているグランド端子と接続される端子を備える。
【0056】
図16図17は、本開示のある態様に係る基板101の例を示す図である。
【0057】
例えば、スプリットリング共振器31は、スプリットリング共振器31の上側RUの2隅(第一導体12aと第三導体12cとが交わる部分と、第一導体12aと第四導体12dとが交わる部分と、の各部分)の位置に、それぞれグランド端子14を備えてもよい。
【0058】
本開示のある態様に係るコネクタは、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器31におけるグランドパターンから切り離されているグランド端子と接続される端子を備える。
【0059】
図18は、本開示のある態様に係るコネクタ102の例を示す図である。
【0060】
例えば、スプリットリング共振器31は、スプリットリング共振器31の上側RUの2隅(第一導体12aと第三導体12cとが交わる部分と、第一導体12aと第四導体12dとが交わる部分と、の各部分)の位置に、それぞれグランド端子14を備えてもよい。
【0061】
さらに、図16図17図18に示すスプリットリング共振器31では、スプリットリング共振器31の上側RUの2隅にグランド端子14があるため、図12図13図14に示すスプリットリング共振器21に比べて、より辺上に沿って電流Irが流れやすい。このため、さらにスプリットリング共振器31の放射特性を良好にできる。
【0062】
図19には、同条件における各スプリットリング共振器の反射損失の周波数特性を示す。
曲線aは、図15に示すスプリットリング共振器31の反射損失曲線を示す。
曲線bは、図12に示すスプリットリング共振器21の反射損失曲線を示す。
曲線cは、後に図21に示す第七実施形態におけるスプリットリング共振器51の反射損失曲線を示す。
曲線dは、参考例として、後に示すスプリットリング共振器41において、グランド端子14を設けず、グランド端子44だけを設けた場合のスプリットリング共振器の反射損失曲線を示す。
図19に示すように、共振周波数foにおける反射損失は、曲線d、曲線c、曲線b、曲線aの順に小さくなる。
特に曲線aにおける反射損失特性は、スプリットリング共振器を回路基板に一体に形成した場合(一体基板時)の反射損失特性に最も近い特性となる。
【0063】
本開示のある態様に係るスプリットリング共振器41は、スプリットリング共振器21又はスプリットリング共振器31において、グランドパターンから切り離されている第三グランド端子を備え、第三グランド端子が、直線Lからみて、スプリットが存在しない側に位置する。
【0064】
図20図21図22は、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器41の例を示す図である。
【0065】
例えば、スプリットリング共振器41は、スプリットリング共振器41の上側RUに、グランド端子14を備える。
例えば、第三導体12c、第四導体12dの各導体の位置に、グランド端子14が一つずつ設けられてもよい。
例えば、スプリットリング共振器41は、スプリットリング共振器41の下側RDに、グランド端子44をさらに備えてもよい。
例えば、グランド端子44は、第二導体12bの位置に設けられていてもよい。
グランド端子44は、第二導体12bに接続されてもよい。
例えば、グランド端子44は、グランドパターン101gと、はんだSRを介して接続されてもよい。
【0066】
本開示のある態様に係る基板は、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器41におけるグランドパターンから切り離されているグランド端子と接続される端子を、備える。
【0067】
図20図21は、本開示のある態様に係る基板101の例を示す図である。
【0068】
例えば、スプリットリング共振器41は、スプリットリング共振器41の下側RDに、グランド端子44をさらに備えてもよい。
例えば、グランド端子44は、第二導体12bの位置に設けられてもよい。
例えば、グランド端子44は、第二導体12bに接続されてもよい。
例えば、グランド端子44は、グランドパターン101gとはんだSRを介して接続されてもよい。
【0069】
本開示のある態様に係るコネクタは、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器41におけるグランドパターンから切り離されているグランド端子と接続される端子を備える。
【0070】
図22は、本開示のある態様に係るコネクタ102の例を示す図である。
【0071】
例えば、スプリットリング共振器41は、スプリットリング共振器41の上側RUにグランド端子14を備える。
例えば、第三導体12c、第四導体12dの各導体の位置にグランド端子14が一つずつ設けられてもよい。
スプリットリング共振器41は、スプリットリング共振器41の下側RDにグランド端子44をさらに備える。
例えば、グランド端子44は、第二導体12bの位置に設けられてもよい。
例えば、グランド端子44は、第二導体12bに接続されてもよい。
例えば、グランド端子44は、グランドパターン101gと、電線WRを介してはんだ付け、圧着等によって電気的に接続されてもよい。
例えば、図18に示すスプリットリング共振器にグランド端子44を適用してもよい。
例えば、図14に示すスプリットリング共振器にグランド端子44を適用してもよい。
【0072】
図20に示すスプリットリング共振器41では、給電のグランドのためのグランド端子44が、スプリットリング共振器41の下側に備えられている。ここで、給電点が上側辺上(スプリット部12gを含む第一導体12a)にあり、その給電点に接続された給電線WSが、スプリットリング共振器41のリング内の開口を跨いでスプリットリング共振器41の下側に延伸されるとする。この場合、給電電流Isのリターン電流Igが上側のグランド端子14まで迂回することなく、直接、スプリットリング共振器41からグランドパターン101gに到達できる。このため、図23に示すように、図12に示すスプリットリング共振器21に比べて、図20に示すスプリットリング共振器41は、インピーダンスの変化が少なく、よりマッチングが得やすくなる。
したがって、図24に示すように、共振周波数foにおける反射損失は、図12に示すスプリットリング共振器21に比べて、図20に示すスプリットリング共振器41の方が小さくなる。ここで、曲線a’、曲線b’は、図19の時とは異なる条件におけるスプリットリング共振器41、スプリットリング共振器21の反射損失の周波数特性をそれぞれ示す。
【0073】
本開示のある態様に係るスプリットリング共振器51は、スプリットリング共振器21において、第一グランド端子が、直線Lからみて、スプリットリング共振器におけるスプリットが存在しない側に位置する。直線L上には、スプリットリング共振器におけるリングの中心である点Cが存在し、直線Lは、点Cと、スプリットとを結ぶ線分mと直交する(図1参照)。
【0074】
図25図26図27は、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器51の例を示す図である。
【0075】
例えば、スプリットリング共振器51は、スプリットリング共振器51の下側RDに、グランド端子14を備えてもよい。
例えば、スプリットリング共振器51の下側RDの2隅(第二導体12bと第三導体12cとが交わる部分と、第二導体12bと第四導体12dとが交わる部分と、の各部分)の位置にそれぞれグランド端子14を備えてもよい。
【0076】
例えば、スプリットリング共振器51の下側RDの2隅にそれぞれグランド端子14が設けられているが、スプリットリング共振器51の下側RDであればどのような位置に設けられてもよい。
例えば、グランド端子14は、第二導体12bの位置に設けられてもよい。
例えば、グランド端子14は、第三導体12cの位置、第四導体12dの各導体の位置にそれぞれ設けられてもよい。
【0077】
本開示のある態様に係る基板は、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器51におけるグランドパターンから切り離されているグランド端子と接続される端子を備える。
【0078】
図25図26は、本開示のある態様に係る基板101の例を示す図である。
【0079】
例えば、スプリットリング共振器51は、基板101の縁部に隣接して設けられてもよい。
例えば、スプリットリング共振器51は、スプリット部12gの離間方向が、隣接する基板101の縁部が延びる方向となるように設けられてもよい。
【0080】
本開示のある態様に係るコネクタは、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器51におけるグランドパターンから切り離されているグランド端子と接続される端子を、備える。
【0081】
図27は、本開示のある態様に係るコネクタ102の例を示す図である。
【0082】
例えば、スプリットリング共振器51は、グランドパターン102gと隣接してコネクタ102に設けられる。
例えば、スプリットリング共振器51は、スプリット部12gの離間方向が、コネクタ102の径方向となるように設けられてもよい。
例えば、グランド端子14はグランドパターン102gに電線WRを介して接続されてもよい。
【0083】
スプリット部12gが、基板101のグランドパターン101g’がある方とは異なる方向に向いているとする。この場合、図28に示すように、空隙を有さないグランドパターン101g’に接続する際、図13に示すスプリットリング共振器21より、下側にグランド端子14がある図26に示すスプリットリング共振器51の方が、短い距離でのグランドパターン101g’に接続できる。したがって、図13に示すスプリットリング共振器21より、図26に示すスプリットリング共振器51の方が、構造上、基板101に接続しやすい。
【0084】
スプリット部12gは、コネクタ102のグランドパターン102gがある方とは異なる方向に向いているとする。この場合、図29に示すように、図14に示すスプリットリング共振器21より、下側にグランド端子がある図27に示すスプリットリング共振器51の方が、短い距離でグランドパターン102gに接続できる。したがって、図14に示すスプリットリング共振器21より、図27に示すスプリットリング共振器51の方が、構造上、コネクタ102に接続しやすい。
【0085】
本開示のある態様に係るスプリットリング共振器61は、スプリットリング共振器51において、放射導体を備える。
【0086】
図30図31図32は、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器61の例を示す図である。
【0087】
例えば、スプリットリング共振器61は、放射導体16を備えてもよい。
例えば、スプリットリング共振器61は、スプリット部12gの離間方向に対向して離れている一対の放射導体16(放射導体16R及び放射導体16L)を備えてもよい。
例えば、放射導体16R及び放射導体16Lは、互いに離間方向に離れるように延びていてもよい。
例えば、放射導体16R及び放射導体16Lは、離間方向に延びる面形状の板金で形成されていてもよい。
例えば、放射導体16は、スプリットリング共振器61の上側RUに設けられていてもよい。
例えば、放射導体16Rは、第三導体12cに接続されていてもよい。
例えば、放射導体16Lは、第四導体12dに接続されていてもよい。
例えば、放射導体16R及び放射導体16Lがグランドパターン101gと接触しないように、放射導体16R及び放射導体16Lのうち、スプリットリング部12に接続されている一端は、グランドパターン101gの広がる面と交わる方向にさらに延びていてもよい。
【0088】
本開示のある態様に係る基板は、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器61におけるグランドパターンから切り離されているグランド端子と接続される端子を備える。
【0089】
図30図31は、本開示のある態様に係る基板101の例を示す図である。
【0090】
例えば、スプリットリング共振器61は、基板101の縁部に隣接して設けられてもよい。
例えば、スプリットリング共振器61は、スプリット部12gの離間方向が、隣接する基板101の縁部が延びる方向となるように設けられてもよい。
【0091】
本開示のある態様に係るコネクタは、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器61におけるグランドパターンから切り離されているグランド端子と接続される端子を備える。
【0092】
図32は、本開示のある態様に係るコネクタ102の例を示す図である。
【0093】
例えば、スプリットリング共振器61は、グランドパターン102gと隣接してコネクタ102に設けられてもよい。
例えば、スプリットリング共振器61は、スプリット部12gの離間方向が、コネクタ102の径方向となるように設けられてもよい。
例えば、グランド端子14はグランドパターン102gに電線WRを介して接続されてもよい。
【0094】
放射に寄与する電流Irは、スプリット部12gの離間方向に流れやすい。このため、図33の左下に示すように、図30に示すスプリットリング共振器61では、離間方向に延びる放射導体16を備えることで、放射導体16上を電流Irが流れる。したがって、図25に示すスプリットリング共振器51に比べて、図30に示すスプリットリング共振器61の方が、放射特性が良くなる。
さらに、例えば、図33の右下に示すように、スプリットリング共振器61は、放射導体として、離間方向に延びた一端から、さらに、スプリットリング共振器61が広がる面に沿って、離間方向と交差する方向に延びるL字形状の放射導体17を備えてもよい。
図31に示すスプリットリング共振器61と図26に示すスプリットリング共振器51との比較についても同様である。
図32に示すスプリットリング共振器61と図27に示すスプリットリング共振器51との比較についても同様である。
【0095】
本開示のある態様に係るスプリッ卜リング共振器71は、スプリッ卜リング共振器21において、前記第一グランド端子を含むすべてのグランド端子が、直線Mからみて、片方の側に位置する。直線Mは、スプリッ卜リング共振器におけるリングの中心である点Cと、プリッ卜リング共振器におけるスプリッ卜と、を結ぶ線分を延伸した直線である(図1参照)。
【0096】
図34図35図36は、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器71の例を示す図である。
【0097】
例えば、スプリットリング共振器71は、スプリットリング共振器71の右側RR及び左側RLのどちらかに、グランド端子14を備えてもよい。
例えば、スプリットリング共振器71の右側RRにグランド端子14を備えてもよい。
例えば、さらに、グランド端子14は、第三導体12cの位置に設けられてもよい。
例えば、グランド端子14は、第三導体12cに接続されてもよい。
例えば、スプリットリング共振器71は、スプリット部12gの離間方向が、空隙101aの広がる方向と交わるように、空隙101aに設けられる。グランド端子14は、空隙101aにおいて、空隙101aの広がる方向に延びるグランドパターン101gの端部に接続されてもよい。
【0098】
例えば、第三導体12cの位置に、グランド端子14が設けられているが、スプリットリング共振器71の右側RR及び左側RLのどちらかであれば、どのような位置に設けられてもよい。
例えば、グランド端子14は、第一導体12aの位置に設けられてもよい。その際、グランド端子14は、第一導体12aに接続されてもよい。
例えば、グランド端子14は、第二導体12bの位置に設けられてもよい。その際、グランド端子14は、第二導体12bに接続されてもよい。
【0099】
本開示のある態様に係る基板は、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器71におけるグランドパターンから切り離されているグランド端子と接続される端子を備える。
【0100】
図34図35は、本開示のある態様に係る基板101の例を示す図である。
【0101】
例えば、スプリットリング共振器71は、基板101の縁部に隣接して設けられてもよい。
例えば、スプリットリング共振器71は、スプリット部12gの切断方向が、隣接する基板101の縁部が延びる方向となるように設けられてもよい。
【0102】
本開示のある態様に係るコネクタは、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器71におけるグランドパターンから切り離されているグランド端子と接続される端子を備える。
【0103】
図36は、本開示のある態様に係るコネクタ102の例を示す図である。
【0104】
例えば、スプリットリング共振器71は、グランドパターン102gと隣接してコネクタ102に設けられてもよい。
例えば、スプリットリング共振器71は、スプリット部12gの切断方向が、コネクタ102の径方向となるように設けられてもよい。
例えば、グランド端子14はグランドパターン102gに電線WRを介して接続されてもよい。
【0105】
図34に示すスプリットリング共振器71は、スプリットリング共振器71の右側RR及び左側RLのどちらかにグランド端子14を設ければ、グランドパターン101g’と接続しやすい。特に、図37の右に示すように、スプリットリング共振器71の右側RRが、グランドパターン101g’の縁部に隣接している場合、スプリットリング共振器71の右側RRにグランド端子14を設ける方が、左側RLにグランド端子14を設ける場合(図37の左に示す比較例)よりも、より接続しやすい。
【0106】
本開示のある態様に係るスプリッ卜リング共振器81は、スプリッ卜リング共振器71において、一グランド端子が、直線Lからみて、スプリッ卜が存在する側に位置する。直線L上には、点Cが存在し、直線Lは、点Cと、スプリッ卜とを結ぶ線分mと直交する(図1参照)。
【0107】
図38図39図40は、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器81の例を示す図である。
【0108】
例えば、スプリットリング共振器81は、スプリットリング共振器81の右側RR及び左側RLのどちらかであって、スプリットリング共振器81の右側RRにグランド端子14を備えてもよい。
例えば、スプリットリング共振器81の右側RRであって、スプリットリング共振器81の上側RUにグランド端子14を備えてもよい。
【0109】
本開示のある態様に係る基板は、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器81におけるグランドパターンから切り離されているグランド端子と接続される端子を備える。
【0110】
図38図39は、本開示のある態様に係る基板101の例を示す図である。
【0111】
例えば、スプリットリング共振器81は、基板101の縁部に隣接して設けられてもよい。
例えば、スプリットリング共振器81は、スプリット部12gの切断方向が、隣接する基板101の縁部が延びる方向となるように設けられてもよい。
【0112】
本開示のある態様に係るコネクタは、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器81におけるグランドパターンから切り離されているグランド端子と接続される端子を備える。
【0113】
図40は、本開示のある態様に係るコネクタ102の例を示す図である。
【0114】
例えば、スプリットリング共振器81は、グランドパターン102gと隣接してコネクタ102に設けられてもよい。
例えば、スプリットリング共振器81は、スプリット部12gの切断方向が、コネクタ102の径方向となるように設けられてもよい。
例えば、グランド端子14はグランドパターン102gに電線WRを介して接続されていてもよい。
【0115】
図38に示すスプリットリング共振器81は、図34に示すスプリットリング共振器71に比べて、放射に寄与する電流Irが、図38に示すスプリットリング共振器81の上側が流れやすい。このため、図38に示すスプリットリング共振器81は、図34に示すスプリットリング共振器71に比べて、グランド端子14を介した電流が、グランドパターン101g’に流れやすく、放射特性を良好にできる。
図39に示すスプリットリング共振器81と図35に示すスプリットリング共振器71との比較についても同様である。
図40に示すスプリットリング共振器81と図36に示すスプリットリング共振器71との比較についても同様である。
【0116】
本開示のある態様に係るスプリットリング共振器91は、スプリットリング共振器71又はスプリットリング共振器81において、放射導体が、直線Mからみて、第一グランド端子が存在しない側に備えられている。
【0117】
図41図42図43は、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器91の例を示す図である。
【0118】
例えば、スプリットリング共振器91は、放射導体16’を備えてもよい。
例えば、スプリットリング共振器91は、スプリットリング共振器91の右側RR及び左側RLのどちらかのうち、グランド端子14が設けられている側の反対側に放射導体16’を備えてもよい。
例えば、スプリットリング共振器91は、スプリットリング共振器91の左側RLであって、スプリットリング共振器91の上側RUに放射導体16’を備えてもよい。
例えば、放射導体16’は、第四導体12dに接続されていてもよい。
例えば、放射導体16’は、スプリットリング部12に接続されている一端から離間方向に第四導体12dから離れるように延びていてもよい。
例えば、放射導体16’は、スプリットリング部12から離間方向に延びる面形状の板金で形成されていてもよい。
【0119】
例えば、スプリットリング共振器91の右側RR及び左側RLのどちらかであれば、どのような位置にグランド端子14を備えてもよい。
例えば、スプリットリング共振器91の右側RR及び左側RLのどちらかであって、スプリットリング共振器91の下側RDに、グランド端子14を備えてもよい。
【0120】
本開示のある態様に係る基板は、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器91におけるグランドパターンから切り離されているグランド端子と接続される端子を備える。
【0121】
図41図42は、本開示のある態様に係る基板101の例を示す図である。
【0122】
例えば、スプリットリング共振器91は、基板101の縁部に隣接して設けられてもよい。
例えば、スプリットリング共振器91は、スプリット部12gの切断方向が、隣接する基板101の縁部が延びる方向となるように設けられてもよい。
【0123】
本開示のある態様に係るコネクタは、本開示のある態様に係るスプリットリング共振器91におけるグランドパターンから切り離されているグランド端子と接続される端子を備える。
【0124】
図43は、本開示のある態様に係るコネクタ102の例を示す図である。
【0125】
例えば、スプリットリング共振器91は、グランドパターン102gと隣接してコネクタ102に設けられてもよい。
例えば、スプリットリング共振器91は、スプリット部12gの切断方向が、コネクタ102の径方向となるように設けられてもよい。
例えば、グランド端子14はグランドパターン102gに電線WRを介して接続されてもよい。
【0126】
放射に寄与する電流Irは、スプリット部12gの離間方向に流れやすい。このため、図44の左下に示すように、図41に示すスプリットリング共振器91では、離間方向に延びる放射導体16’を備えることで、放射導体16’上を電流Irが流れる。したがって、図38におけるスプリットリング共振器81に比べて、図41に示すスプリットリング共振器91の方が、放射特性を良好にできる。
さらに、図44の右下に示すように、例えば、スプリットリング共振器91は、放射導体として、離間方向に延びた一端から、スプリットリング共振器91が広がる面に沿って、さらに離間方向と交差する方向に延びるL字形状の放射導体17’を備えてもよい。
図42に示すスプリットリング共振器91と図39に示すスプリットリング共振器81との比較についても同様である。
図43に示すスプリットリング共振器91と図40に示すスプリットリング共振器81との比較についても同様である。
【0127】
以上、各種実施形態を説明したが、この実施形態は、例として示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
【0128】
以下に、スプリットリング共振器をリードによって基板等に接続するための構成を示す。
例えば、スプリットリング共振器のグランド端子14は、図45に示すように、リード92で接続されてもよい。
例えば、スプリットリング共振器のグランド端子14は、図46に示すように、リード92で接続されてもよい。
例えば、スプリットリング共振器のグランド端子14は、図47に示すように、リード92で接続されてもよい。
例えば、図48に示すように、スプリットリング共振器のグランド端子14は、リード92で接続されてもよい。スプリットリング共振器の給電線WSは、リード93で接続されてもよい。
例えば、図49に示すように、スプリットリング共振器のグランド端子14は、リード92で接続されてもよい。スプリットリング共振器の給電線WSは、リード93で接続されてもよい。
例えば、スプリットリング共振器のグランド端子14は、図50に示すように、リード92で接続されてもよい。
例えば、図51に示すように、スプリットリング共振器のグランド端子14及び給電線WSは、各々リード92及びリード93で接続されてもよい。
例えば、スプリットリング共振器のグランド端子14は、図52に示すように、基板101とスプリットリング共振器とがすきまGを有するように、リード92で接続されてもよい。
例えば、スプリットリング共振器のグランド端子14は、図53に示すように、基板101とスプリットリング共振器とがすきまGを有するように、リード92で接続されてもよい。
例えば、スプリットリング共振器のグランド端子14は、図54に示すように、基板101とスプリットリング共振器とがすきまGを有するように、リード92で接続されてもよい。
例えば、図55に示すように、スプリットリング共振器のグランド端子14及び給電線WSは、基板101とスプリットリング共振器とがすきまGを有するように、各々リード92及びリード93で接続されてもよい。
例えば、図56に示すように、スプリットリング共振器のグランド端子14及び給電線WSは、基板101とスプリットリング共振器とがすきまGを有するように、各々リード92及びリード93で接続されてもよい。
例えば、スプリットリング共振器のグランド端子14は、図57に示すように、リード92で基板101に接続されてもよい。
例えば、スプリットリング共振器のグランド端子14は、図58に示すように、リード92で基板101に接続されてもよい。
【0129】
この出願は、2018年4月12日に日本に出願された特願2018―077203を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0130】
11 スプリットリング共振器
12 スプリットリング部
12a 第一導体
12b 第二導体
12c 第三導体
12d 第四導体
12g スプリット部
13 給電端子
14 グランド端子
15 チップ本体
15’ プリント基板
16 放射導体
16’ 放射導体
16L 放射導体
16R 放射導体
17 放射導体
17’ 放射導体
21 スプリットリング共振器
31 スプリットリング共振器
41 スプリットリング共振器
44 グランド端子
51 スプリットリング共振器
61 スプリットリング共振器
71 スプリットリング共振器
81 スプリットリング共振器
91 スプリットリング共振器
92 リード
101 基板
101a 空隙
101g グランドパターン
101g’ グランドパターン
101r 受け端子
102 コネクタ
102c 誘電体キャップ
102g グランドパターン
102s 給電パターン
102r 受け端子
103 主回路基板
103g 主グランドパターン
114 突出パターン
214 露出パターン
C 点
fo 共振周波数
Ig リターン電流
Ir 電流
Is 給電電流
L 直線
M 直線
m 線分
RD 下側
RL 左側
RR 右側
RU 上側
SR はんだ
WR 電線
WS 給電線
図1
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