(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-18
(45)【発行日】2023-04-26
(54)【発明の名称】マルチパターン化スパッタトラップ及び製造方法
(51)【国際特許分類】
C23C 14/56 20060101AFI20230419BHJP
【FI】
C23C14/56 E
(21)【出願番号】P 2020520274
(86)(22)【出願日】2018-10-11
(86)【国際出願番号】 US2018055380
(87)【国際公開番号】W WO2019075183
(87)【国際公開日】2019-04-18
【審査請求日】2021-10-04
(32)【優先日】2017-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【氏名又は名称】松田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】ジェームス・エル・コーシュ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイコブ・シー・ルジチカ
【審査官】山本 一郎
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3116197(JP,U)
【文献】国際公開第2011/122317(WO,A1)
【文献】特表2005-538257(JP,A)
【文献】特表2016-500028(JP,A)
【文献】特開2013-133522(JP,A)
【文献】特表2016-532316(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子トラップを備えるスパッタリングチャンバ構成要素であって、前記粒子トラップが、
前記粒子トラップの表面の少なくとも一部分上に形成された第1のパターンであって、第1のパターンスレッド数を有する繰り返しパターンで配置され、第1のパターン上面を有し、且つ、
第1の深さを有し、第1及び第2のスレッドによって分離された第1の窪みであって、前記第1及び第2のスレッドが、前記第1のパターン上面を形成する第1及び第2のスレッド上面を有する、第1の窪みと、
第1の高さを有し、第1及び第2の溝によって分離された第1の隆起部であって、前記第1の隆起部が、前記第1のパターン上面を形成する第1の隆起部上面を有する、第1の隆起部と、のうち一方を含む、第1のパターンと、
前記第1のパターン上面の少なくとも一部分上に形成された第2のパターンであって、第2の
パターンスレッド数を有する繰り返しパターンで配置され、第2のパターン上面を有し、且つ、
第2の深さを有し、第3及び第4のスレッドによって分離された第2の窪みであって、前記第3及び第4のスレッドが、前記第2のパターン上面を形成するように構成された第3及び第4のスレッド上面を有する、第2の窪みと、
第2の高さを有し、第3及び第4の溝によって分離された第2の隆起部であって、前記第2の隆起部が、前記第2のパターン上面を形成するように構成された第2の隆起部上面を有する、第2の隆起部と、のうちの一方を含む、第2のパターンと、
を含む、スパッタリングチャンバ構成要素。
【請求項2】
スパッタリングチャンバ構成要素上に粒子トラップを形成する方法であって、
第1のパターン化された上面を形成するために、前記スパッタリングチャンバ構成要素の表面の少なくとも一部分上に第1のパターンを形成することと、
前記第1のパターン化された上面の少なくとも一部分上に第2のパターンを形成することと、を含み、
前記第1のパターンが、
側壁によって隔てられた隣接する第1の窪みを有する繰り返しパターンで配置された複数の第1の窪みであって、第1の深さ及び第1の幅を有する、複数の第1の窪みと、
溝によって分離された隣接する第1の隆起部を有する繰り返しパターンで配列された複数の第1の隆起部であって、第1の高さ及び第1の幅を有する、複数の第1の隆起部と、のうち一方を含み、
前記第2のパターンが、
側壁によって隔てられた隣接する第2の窪みを有する繰り返しパターンで配置された複数の第2の窪みであって、第2の深さ及び第2の幅を有する、複数の第2の窪みと、
溝によって分離された隣接する第2の隆起部を有する繰り返しパターンで配列された複数の第2の隆起部であって、第2の高さ及び第2の幅を有する、複数の第2の隆起部と、うちの一方を含む、方法。
【請求項3】
前記第1のパターンスレッド数が、1インチ当たり約15本~約80本のスレッドであり、前記第2のパターンスレッド数が、1インチ当たり約15本~約80本のスレッドである、請求項1に記載の
スパッタリングチャンバ構成要素。
【請求項4】
第1のパターンが第1のスレッド数を有し、第2のパターンが第2のスレッド数を有し、第1のスレッド数が、1インチ当たり約15本~約80本のスレッドであり、第2のスレッド数が、1インチ当たり約15本~約80本のスレッドである、請求項2に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、物理蒸着装置で使用されるスパッタトラップ及びコイルセットに関する。より具体的には、本開示は、粒子を低減させるスパッタトラップ及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
堆積法は、基板の表面全体に材料の薄膜を形成する際に使用される。堆積法は、例えば、集積回路及びデバイスを作製する際に最終的に使用される層を形成するための半導体デバイスの製造プロセスにおいて使用され得る。堆積法の一例は、物理蒸着(PVD)である。PVD法は、スパッタリングプロセスを含んでよい。スパッタリングは、堆積されるべき材料のターゲットを形成することと、強力な電界に近接する負に帯電したカソードとしてターゲットを提供することと、を含む。電界は、低圧不活性ガスをイオン化し、プラズマを形成するために使用される。プラズマ中の正帯電イオンは、負に帯電したスパッタリングターゲットに向かって電界によって加速される。イオンはスパッタリングターゲットに影響を及ぼし、それによってターゲット材料を排出する。排出されたターゲット材料は、主に原子又は原子群の形態であり、スパッタリングプロセス中にターゲット付近に配置された基板上に薄い均一な薄膜を堆積させるために使用され得る。
【0003】
短絡、プラズマアーク、堆積プロセスの中断、又は粒子の発生を引き起こさずに堆積装置、スパッタリングチャンバシステム、及び/又はイオン化プラズマ堆積システムと共に使用するための構成要素を開発することが望ましい。堆積装置で使用するための構成要素の改善が望まれる。
【発明の概要】
【0004】
これら及び他の必要性は、本開示の様々な態様、実施形態、及び構成によって対処される。
【0005】
本開示の実施形態は、粒子トラップを含むスパッタリングチャンバ構成要素を含み、この粒子トラップは、粒子トラップの表面の少なくとも一部分上に形成された第1のパターンであって、第1のパターンスレッド数を有する繰り返しパターンで配置され、第1のパターン上面を有する第1のパターンと、第1のパターン上面の少なくとも一部に形成された第2のパターンであって、第2のスレッド数を有する繰り返しパターンで配列され、第2のパターン上面を有する第2のパターンと、を含む。第1のパターンは、第1の深さを有し、第1及び第2のスレッドによって分離された第1の窪みであって、第1及び第2のスレッドは、第1のパターン上面を形成する第1及び第2のスレッド上面を有する第1の窪みと、第1の高さを有し、第1及び第2の溝によって分離された第1の隆起部であって、第1のパターン上面を形成する第1の隆起部上面を有する第1の隆起部と、のうちの一方を含む。第2のパターンは、第2の深さを有し、第3及び第4のスレッドによって分離された第2の窪みであって、第3及び第4のスレッドが、第2のパターン上面を形成するように構成された第3及び第4のスレッド上面を有する、第2の窪みと、第2の高さを有し、第3及び第4の溝によって分離された第2の隆起部であって、第2のパターン上面を形成するように構成された第2の隆起部上面を有する第2の隆起部と、のうち一方を含む。
【0006】
第1のパターンスレッド数が、1インチ当たり約15本~約80本のスレッド数であり、第2のパターンスレッド数が、1インチ当たり約15本~約80本のスレッド数である、段落[0006]に記載のスパッタリングチャンバ粒子トラップ。
【0007】
第1及び第2のパターンの少なくとも一部に形成された第3のパターンを更に含む、段落[0006]又は[0007]のいずれかに記載のスパッタリングチャンバ粒子トラップ。
【0008】
第3のパターンの少なくとも一部に形成された少なくとも1つの追加のパターンを更に含む、段落[0006]~[0008]のいずれかに記載のスパッタリングチャンバ粒子トラップ。
【0009】
第1のパターンは、第1の深さを有し、且つ第1及び第2のスレッドによって分離された第1の窪みを含み、第2のパターンは、第2の深さを有し、且つ第3及び第4のスレッドによって分離された第2の窪みを含み、第1の方向に延在する第1のスレッドは、隣接する第1の窪みを第2の方向に分離する側壁を形成し、第2の方向は、第1の方向に対して0度より大きく180度未満の角度であり、第2の方向に延在する第2のスレッドは、隣接する第1の窪みを第1の方向に分離する側壁を形成し、第1の方向に平行な方向に延在する第3のスレッドは、隣接する第2の窪みを第2の方向に平行な方向に分離する側壁を形成し、第2の方向に平行な方向に延在する第4のスレッドは、隣接する第2の窪みを第1の方向に平行な方向に分離する側壁を形成する、段落[0006]~[0009]のいずれかに記載のスパッタリングチャンバ粒子トラップ。
【0010】
第1のパターンは、第1の深さを有し、且つ第1及び第2のスレッドによって分離された第1の窪みを含み、第2のパターンは、第2の高さを有し、第3及び第4の溝によって分離された第2の隆起部を含み、第1の方向に延在する第1のスレッドは、隣接する第1の窪みを第2の方向に分離する側壁を形成し、第2の方向は、第1の方向に対して0度より大きく180度未満の角度であり、第2の方向に延在する第2のスレッドは、隣接する第1の窪みを第1の方向に分離する側壁を形成し、第1の方向に平行な方向に延在する第3の溝は、隣接する第2の隆起部を第2の方向に平行な方向に分離する側壁を形成し、第2の方向に平行な方向に延在する第4の溝は、隣接する第2の隆起部を第1の方向に平行な方向に分離する側壁を形成する、段落[0006]~[0008]のいずれかに記載のスパッタリングチャンバ粒子トラップ。
【0011】
第1のパターンは、第1の高さを有し、且つ第1及び第2の溝によって分離された第1の隆起部を含み、第2のパターンは、第2の高さを有し、且つ第3及び第4の溝によって分離された第2の隆起部を含み、第1の方向に延在する第1の溝は、隣接する第1の隆起部を第2の方向に分離する側壁を形成し、第2の方向は、第1の方向に対して0度超且つ180度未満の角度であり、第2の方向に延在する第2の溝は、隣接する第1の隆起部を第1の方向に分離する側壁を形成し、第1の方向に平行な方向に延在する第3の溝は、隣接する第2の隆起部を第2の方向に平行な方向に分離する側壁を形成し、第2の方向に平行な方向に延在する第4の溝は、隣接する第2の隆起部を第1の方向に平行な方向に分離する側壁を形成する、段落[0006]~[0008]のいずれかに記載のスパッタリングチャンバ粒子トラップ。
【0012】
第1のパターンは、第1の高さを有し、且つ第1及び第2の溝によって分離された第1の隆起部を含み、第2のパターンは、第2の深さを有し、且つ第3及び第4のスレッドによって分離された第2の窪みを含み、第1の方向に延在する第1の溝は、隣接する第1の隆起部を第2の方向に分離する側壁を形成し、第2の方向は、第1の方向に対して0度超且つ180度未満の角度であり、第2の方向に延在する第2の溝は、隣接する第1の隆起部を第1の方向に分離する側壁を形成し、第1の方向に平行な方向に延在する第3のスレッドは、隣接する第2の窪みを第2の方向に平行な方向に分離する側壁を形成し、第2の方向に平行な方向に延在する第4のスレッドは、隣接する第2の窪みを第1の方向に平行な方向に分離する側壁を形成する、段落[0006]~[0008]のいずれかに記載のスパッタリングチャンバ粒子トラップ。
【0013】
第1のパターンスレッド数が第2のパターンスレッド数よりも大きい、段落[0006]~[0013]のいずれかに記載のスパッタリングチャンバ粒子トラップ。
【0014】
第2のパターンスレッド数が第1のパターンスレッド数よりも大きい、段落[0006]~[0013]のいずれかに対するスパッタリングチャンバ粒子トラップ。
【0015】
第1のパターンスレッド数が第2のパターンスレッド数と同じである、段落[0006]~[0013]のいずれかに対するスパッタリングチャンバ粒子トラップ。
【0016】
第1及び第2の窪みのうちの少なくとも1つが、表面に平行な方向に平行四辺形断面形状を有する、段落[0006]~[0016]のいずれかに対するスパッタリングチャンバ粒子トラップ。
【0017】
第1及び第2の隆起部のうちの少なくとも1つが、表面に平行な方向に平行四辺形断面形状を有する、段落[0006]~[0017]のいずれかに対するスパッタリングチャンバ粒子トラップ。
【0018】
第1及び第2の窪みのうちの少なくとも1つの平均深さが約330μm~約600μmである、段落[0006]~[0018]のいずれかに対するスパッタリングチャンバ粒子トラップ。
【0019】
第1及び第2の隆起部のうちの少なくとも1つの平均高さが、約0μm~約600μmである、段落[0006]~[0019]のいずれかに対するスパッタリングチャンバ粒子トラップ。
【0020】
タンタル(Ta)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、タングステン(W)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)合金、チタン(Ti)合金、アルミニウム(Al)合金、銅(Cu)合金、ニッケル(Ni)合金、コバルト(Co)合金、モリブデン(Mo)合金、金(Au)合金、銀(Ag)合金、白金(Pt)合金、タングステン(W)合金、クロム(Cr)合金から選択される少なくとも1つの材料から形成される、段落[0006]~[0020]のいずれかに対するスパッタリングチャンバ粒子トラップ。
【0021】
本開示の実施形態はまた、スパッタリングチャンバ構成要素上に粒子トラップを形成する方法を含み、この方法は、スパッタリングチャンバ構成要素の表面の少なくとも一部分上に第1のパターンを形成することと、第1のパターン化された上面の少なくとも一部に第2のパターンを形成することと、を含む。第1のパターンは、側壁によって隔てられた隣接する第1の窪みを有する繰り返しパターンで配置された複数の第1の窪みであって、第1の深さ及び第1の幅を有する第1の窪みと、溝によって分離された隣接する第1の隆起部を有する繰り返しパターンで配置された複数の第1の隆起部であって、第1の高さ及び第1の幅を有する第1の隆起部と、を含む。第2のパターンは、側壁によって隔てられた隣接する第2の窪みを有する繰り返しパターンで配置された複数の第2の窪みであって、第2の深さ及び第2の幅を有する複数の第2の窪みと、溝によって分離された隣接する第2の隆起部を有する繰り返しパターンで配置された複数の第2の隆起部であって、第2の高さ及び第2の幅を有する複数の第2の隆起部と、のうちの一方を含む。
【0022】
第1及び第2の窪みの少なくとも1つは、逆ピラミッドの形状に成形され、各逆ピラミッドの基部が第1の表面に平行であり、各逆ピラミッドの頂部が表面に陥入して配向され、各逆ピラミッドの高さは、複数の第1及び第2の窪みの少なくとも1つの各々の深さを画定する、段落[0022]に記載の方法。
【0023】
第1のパターンを形成することは、グリットブラスト又はワイヤブラッシングを含まず、第2のパターンを形成することは、グリットブラスト又はワイヤブラッシングを含まない、段落[0022]又は[0023]に記載の方法。
【0024】
第1及び第2の窪みのうちの少なくとも1つの平均深さが、約330μm~約600μmである、段落[0022]~[0024]のいずれかに記載の方法。
【0025】
第1及び第2の隆起部のうちの少なくとも1つの平均高さが、約0μm~約600μmである、段落[0022]~[0025]のいずれかに記載の方法。
【0026】
第1のパターンは、第1のローレット工具をスパッタリングチャンバ構成要素に押し込むことによって形成され、第2のパターンは、第2の刻み工具をスパッタリングチャンバ構成要素に押し込むことによって形成され、第1のローレット工具及び第2のローレット工具は、同じ又は異なるスレッド数を有する、段落[0022]~[0026]のいずれかに記載の方法。
【0027】
第1のパターンが第1のスレッド数を有し、第2のパターンが第2のスレッド数を有し、第1のスレッド数及び第2のスレッド数が同じであるか又は異なっている、段落[0022]~[0027]のいずれかに記載の方法。
【0028】
第1のスレッド数が1インチ当たり約15本~約80本であり、第2のスレッド数が1インチ当たり約15本~約80本である、段落[0022]~[0028]のいずれかに記載の方法。
【0029】
第1のスレッド数及び第2のスレッド数のうちの1方が1インチ当たり約25本であり、第1のスレッド数及び第2のスレッド数のうちの他方が1インチ当たり約80本である、段落[0022]~[0029]のいずれかに記載の方法。
【0030】
スパッタリングチャンバ粒子トラップが、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、タングステン(W)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)合金、チタン(Ti)合金、アルミニウム(Al)合金、銅(Cu)合金、ニッケル(Ni)合金、コバルト(Co)合金、モリブデン(Mo)合金、金(Au)合金、銀(Ag)合金、白金(Pt)合金、タングステン(W)合金、クロム(Cr)合金、から選択される少なくとも1つの材料から形成される、段落[0022]~[0030]のいずれかに記載の方法。
【0031】
多数の実施形態が開示されるが、それでもなお当業者には、本発明の例示的実施形態を示し、説明する以下の詳細な説明から、本発明の他の実施形態が明らかになるであろう。したがって、図面及び詳細な説明は、制限的なものではなく、本質的に実例とみなされるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】スパッタリング装置で使用され得る例示的なコイルの平面図である。
【
図2】スパッタリング装置で使用され得る例示的なコイルの側面図である。
【
図3】粒子トラップ上で使用され得るローレットパターンの比較例の顕微鏡写真である。
【
図4】粒子トラップ上で使用され得るローレットパターンの他の比較例の顕微鏡写真である。
【
図5】いくつかの実施形態による、粒子トラップ上で使用され得る例示的な第1及び第2のローレットパターンを示す顕微鏡写真である。
【
図6】いくつかの実施形態による、粒子トラップ上で使用され得る例示的な部分A上の第1のローレットパターンと、部分B上の第1のローレットパターン及び第2のローレットパターンとを示す顕微鏡写真である。
【
図7】いくつかの実施形態による、粒子トラップ上で使用され得る他の例示的な第1及び第2のローレットパターンを示す顕微鏡写真である。
【
図8】いくつかの実施形態による、粒子トラップ上で使用され得る、部分C上の第1のローレットパターン及び(
図7に示す)部分D上の第1のパターン及び第2のローレットパターンの例を示す顕微鏡写真である。
【
図9】
図6のような部分Aに示される第1のパターンの断面概略図である。
【
図10】
図6のような部分Bに示される第1のパターン及び第2のパターンの断面概略図である。
【
図11】
図5に示すような第1及び第2のパターンの概略側面図である。
【
図12】いくつかの実施形態による、粒子トラップを形成する例示的な方法のフロー図である。
【
図13】いくつかの実施形態による、粒子トラップを形成する他の例示的な方法のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
スパッタリングプロセス中、スパッタリングされた粒子は、気相内に噴出され、スパッタリングチャンバ内の任意の表面に堆積し得る。経時的に、これらの堆積物が蓄積し、スパッタリングプロセス中に除去され、粒子を形成し得る。次いで、粒子は基板上に再堆積して、基板を汚染し得る。粒子トラップは粒子を捕捉し、スパッタリング中に粒子が基材上に再付着するのを防ぐ。スパッタリングチャンバ内で使用される構成要素の耐用年数を改善するために、スパッタリングチャンバ構成要素は、スパッタリングされた材料の再付着部位及び粒子トラップとして機能するように変更され得る。材料付着部位、つまり粒子トラップは、例えば、平坦面及び傾斜面を排除しつつ、表面積を増加させ、表面に機械的キーイングすることによって粒子の剥離を低減する、特異的にパターン化された表面を含んでもよい。
【0034】
本明細書では、物理蒸着装置において使用され得る粒子トラップが開示される。粒子トラップは、例えば捕捉により、物理堆積装置内における基板上への汚染粒子の再堆積を防止するために使用され得る。様々なスパッタリングチャンバ構成要素は、本明細書に開示されるような粒子トラップを含み得る。粒子トラップに好適な例示的なスパッタリングチャンバ構成要素としては、スパッタリングチャンバ内で使用されるボス、コイル、ターゲット、及び他の構成要素が挙げられる。例えば、粒子トラップの表面パターンは、スパッタリングプラズマに曝露されるコイル、ターゲット(すなわち、側壁、フランジ、バッキングプレート)、シールド、ボス、カバーリング、カップ、ピン及び/又はクランプ、並びにスパッタリングチャンバ内の他の表面の表面全体又は表面の一部に適用することができる。また、本明細書では、物理蒸着装置で使用する粒子トラップを有するコイルが開示される。また、本明細書では、物理蒸着装置で使用するコイル上に粒子トラップを形成する方法が開示される。いくつかの実施形態では、粒子トラップは、(i)窪み、陥没、又はディンプルポケットを有する表面、又は(ii)表面に形成された第1のパターンに従って隆起部又は隆起した角錐を有する表面のいずれかを含んでもよい。加えて、粒子トラップは、(i)窪み、陥没、又はディンプルポケットを有する表面、又は(ii)同じ表面に形成された第2のパターンに従って隆起部又は隆起した角錐を有する表面のいずれかを含んでもよい。加えて、粒子トラップは、同じ表面に形成された第3、第4、第5、又はそれ以上のパターンを更に含んでもよい。少なくとも2つの別個のパターンに従った窪み及び/又は隆起部は、両方のパターンが共通の表面に埋め込まれるか、又は別の方法で関連付けられた二重パターン化配置で、別個に形成されてもよい。この少なくとも2つのパターン化された配置は、再堆積されたスパッタ粒子を捕捉するための深さ(すなわち、窪みを介して)を形成する一方で、アーク発生を抑制するためのより微細なテクスチャ(すなわち、溝及び隆起部を介して)を提供すると考えられる。この少なくとも2つのパターン化された配置は、表面張力を低減するために直線を破断しながら表面積が増加すると考えられる。
【0035】
いくつかの実施形態では、粒子トラップは、物理蒸着装置において使用され得るコイルの表面に沿って形成されてよい。いくつかの実施形態では、スパッタリングコイルは、粒子トラップの表面の少なくとも一部に一致する第1及び第2のパターンを有し得る。有利なことに、少なくとも2つの異なるパターンを有する表面は、更なる表面テクスチャ加工を必要としないか、又は換言すれば、化学エッチング、プラズマエッチング、グリットブラスト、粒子ブラスト、又はワイヤブラシ模様のうちのいずれか1つを含まないことが好ましい。少なくとも2つの異なるパターンを含む表面は、スパッタリングプラズマに曝露されるコイル、ターゲット、シールド、ボス、及びスパッタリングチャンバ内の任意の表面に適用され得、したがって粒子の生成に寄与することができる。少なくとも2つの異なるパターンは、少なくとも、倍率において区別可能である。
【0036】
図1は、スパッタリングチャンバなど物理蒸着装置で使用され得るスパッタリングコイル6の平面図である。
図2は、側面から見た
図1のスパッタリングコイル6を示す。
図1及び
図2に示されるように、スパッタリングコイル6は、実質的に円形であり得るリング8を含んでよい。リング8は中心軸10を有し、リングの円周は中心軸10の周りに画定されている。いくつかの実施形態では、スパッタリングコイル6は、円周に間隙12を有するリング8として形成されてよい。例えば、リング8は、間隙12によって離間される、第1の端部及び第2の端部を有してよい。スパッタリングコイル6は、リング8の中心軸10に向かって半径方向内側に面する内面16を有してよい。スパッタリングコイル6は、リング8の中心軸10から半径方向に離れる方向に面する外面18を有し得る。
【0037】
図2の側面図から示されるように、スパッタリングコイル6は、例えば、リング8の中心軸10に垂直な平面内にある上面20を有する。いくつかの実施形態では、スパッタリング操作中、上面20は、スパッタリングターゲットの方向に面してよい。また、スパッタリングコイル6は、リング8の中心軸10に垂直な平面内にあり、上面20と反対側にある下面22を含む。スパッタリング操作中、下面22は、基板の方向、つまりスパッタリングターゲットから離れる方向に面するように方向付けられてよい。いくつかの実施形態では、スパッタリングコイル6は、スパッタリングコイル6に取り付けられ、外面18から延びる1つ以上のボス24など追加の構成要素又は特徴を含み得る。ボス24は、スパッタリングコイル6をスパッタリング装置内の定位置に保持するために使用されてよい。いくつかの実施形態では、スパッタリングチャンバ環境に露出されたスパッタリングコイル6の表面の少なくとも一部は、その上に形成された粒子トラップを有し得る。粒子トラップはまた、ボス24のうちの少なくとも1つに形成され得る。例えば、粒子トラップは、少なくとも1つのボス24のスパッタリングチャンバに露出した表面の全てに、又は少なくとも一部分上に形成されてもよい。いくつかの実施形態では、粒子トラップは、スパッタリングコイル6及びボス24上に形成される。
【0038】
図3は、スパッタリングチャンバ構成要素の表面に形成され得る粒子トラップ40Aの例示的な比較例を示す。
図3に示されるように、粒子トラップ40Aは、スパッタリングチャンバ構成要素の表面に形成されたテクスチャ42を含む。テクスチャ42は、本明細書で逆ローレット又は雌型ローレットと称される特定のローレットである。窪み56は、繰り返し隣接パターンにおける第1のスレッド52と第2のスレッド54との間に画定される。
図4は、標準的なローレット又は雄型ローレットと呼ばれるローレットパターンを有する粒子トラップ40Bの別の比較例を示す。突起44は、第1及び第2の押圧スレッドすなわち溝46、48の間に画定される。
【0039】
図5は、本開示による粒子トラップ140の画像である。粒子トラップ140は、表面150上に第1のパターン160及び第2のパターン180を含む。第1のパターン160及び第2のパターン180は、表面150全体にわたって一致する。いくつかの実施形態では、第1のパターン160及び第2のパターン180は、一致しているか、又は両方とも表面の一部分上に存在する。いくつかの実施形態では、表面150は、
図1に示すように、コイル6の内面16及び/又は外面18上にあってもよい。いくつかの実施形態では、
図1に示すように、表面150は、コイル6の内面16及び/又は外面18の一部又は全体であってもよい。以下で
図5を更に詳細に説明する。本明細書の粒子トラップの実施形態にはコイルが示されているが、本明細書に記載されるような少なくとも第1及び第2のパターンを含む粒子トラップは、例えば、
図1に示されるようなボス24の外側半径方向表面の一部又は全体に、完全に又は部分的に形成され得るか、又は刻み付けされ得る。より一般的には、本明細書に記載されるような少なくとも第1及び第2のパターンを含む粒子トラップは、物理蒸着条件に曝露されたスパッタリング構成要素の表面の一部又は全面に完全に又は部分的に形成され得るか、又は刻み付けされ得る。
【0040】
図6は、表面250の部分A(顕微鏡写真の上部領域)に示すような第1のパターン260の形成後であるが、第2のパターン280の形成前の粒子トラップ240を示す画像である。
図6はまた、表面250の部分B(顕微鏡写真の下部領域)における第1のパターン260及び第2のパターン280の形成後の粒子トラップを示す。第1のパターン260は、粒子トラップ240の表面250の少なくとも一部分上に形成される。パターン260は、窪み256を含む粗い雌型ローレットの例であり、窪み256はそれぞれ深さを有し、繰り返しパターンで配置されている。窪み256は、スレッド254によって第1の方向D
1に、且つスレッド252によって第2の方向D
2に分離されている。第2のパターン280は、微細な標準的なローレットの例であり、第1のパターン260を有する表面にパターン化されている。パターン260は、高さを有し、繰り返しパターンで配置された隆起部242を含む。隆起部242は、溝246によって第3の方向D
3に、溝244によって第4の方向D
4に分離されている。
【0041】
再び
図6を参照すると、スレッド252は互いに平行であり、第1の方向D
1に延在する。第1のスレッド252は、隣接する窪み256を第2の方向D
2に分離する側壁255を形成する。スレッド254は互いに平行であり、第2の方向D
2に延在する。第2のスレッド254は、隣接する窪み256を第1の方向D
1に分離する側壁255を形成する。第2の方向は、第1の方向に対して0度超且つ180度未満の角度であり、第1のスレッド252は第2のスレッド254と交差する。スレッド252及び254の上面は、上面258を形成する。
図6の上部部分Aのパターン260の上面258は、
図9の断面図に概略的に示されている。
【0042】
第2のパターンの特徴を示す
図5を再び参照すると、粒子トラップ140は、第1のパターン160と表面の少なくとも一部分上で一致する第2のパターン180を更に含む。例えば、いくつかの実施形態では、第2のパターンは、(
図6の上面258と同様に)上面158の少なくとも一部分上に形成される。
図5の第2のパターンは雄型ローレットであり、高さh
1を有し、繰り返しパターンで配置された隆起部142を含む。隆起部142の高さh
1は、隆起部142の上面158から頂部148まで測定される距離である。いくつかの実施形態では、隆起部142の頂部148は、隆起部142が板状であるように平坦又は実質的に平坦であってもよく、換言すれば、高さh
1はゼロに等しくてもよい。他の実施形態では、高さh
1はゼロよりも大きい。再び
図5を参照すると、第2のパターン180は、互いに平行であり、第3の方向D
3に延在する第1の溝144を含む。第1の溝は、隣接する隆起部142を第4の方向D
4に分離する側壁145を形成する。第2の溝146は、互いに平行であり、第4の方向に延在する。第2の溝は、隣接する隆起部146を第3の方向に分離する側壁145を形成する。第4の方向は、第3の方向に対して0度超且つ180度未満の角度であり、第1の溝144は第2の溝146と交差する。
図5及び
図6の実施例では、窪み及び隆起部は平行四辺形であり、方向D
1及びD
3は平行であり、方向D
2及びD
4は平行である。別個の第1及び第2のパターンの平行四辺形の反復配置は、裸眼のみではなく、倍率下で認識可能である。別個の第1及び第2のパターンは、方向D
1及びD
3が平行であり、方向D
2及びD
4が平行であるように配置される。
【0043】
図5のように、パターン160及び180はそれぞれ、同じであっても異なっていてもよいスレッド数を含む。スレッド数は、一般に、1インチ当たりのスレッドの単位(TPI)で言及される。いくつかの実施形態では、パターン160のスレッド数は、パターン180のスレッド数よりも大きい。他の実施形態では、パターン160のスレッド数は、パターン180のスレッド数よりも小さい。パターン160及び180は一致しており、パターン160及び180は、同じ表面を少なくとも部分的に被覆することを意味する。パターンの特徴は、互いにオフセットされてもよい。換言すれば、いくつかの実施形態では、パターン160の窪み156は、パターン180の隆起部142と一致しない。他の実施形態では、パターン160及び180の特徴は一致し、例えば、(
図9に示すように)隆起部142の溝は、窪み156の側壁と一致する。いくつかの実施形態では、第1の方向分離窪み156は、第3の方向分離隆起部142に平行である。いくつかの実施形態では、第2の方向分離窪み156は、第4の方向分離隆起部142に平行である。いくつかの実施形態では、第1及び第3の方向は同じであり、第2及び第4の方向は同じであり、更に、第2及び第4の方向は、第1及び第3の方向に対して0度超且つ180度未満の角度である。第1のパターン160について本明細書で言及されるスレッド数は、第2の方向の第2のスレッドに関して第1の方向の第1のスレッドについて計算されたものと同じである。第2のパターン180について本明細書で言及されるスレッド数は、第4の方向の第2の溝に関して、第3の方向の第1の溝について計算されたものと同じである。いくつかの実施形態では、第1のパターンスレッド数は、1インチ当たり約15本~約80本であり、第2のパターンスレッド数は、1インチ当たり約15本~約80本である。1インチ当たり約15のスレッド数は比較的粗く、1インチ当たり約80のスレッド数は比較的微細である。いくつかの実施形態では、第1のパターン及び第2のパターンのうちの1方は、1インチ当たり約25のスレッド数を有し、第1のパターン及び第2のパターンの他方は、1インチ当たり約80のスレッド数を有する。
【0044】
図7は、本開示の別の二重パターン化配置を示す画像粒子トラップ表面350である。
図7は、本開示の実施形態による、粒子トラップ340の表面350上の第1のパターンとしての逆ローレットパターン及び第2のパターンとしての標準的なローレットを示す。
図7の例では、第1及び第2のパターンの両方が比較的粗い。本開示のいくつかの実施形態では、第1のパターン及び第2のパターンのうちの一方は、粗いスレッド数を有し、第1のパターン及び第2のパターンの他方は、微細なスレッド数を有する。他の実施形態では、第1のパターン及び第2のパターンの両方が、粗いスレッド数を有する。更に他の実施形態では、第1のパターン及び第2のパターンの両方が、微細なスレッド数を有する。いくつかの実施形態では、第1及び第2のパターンスレッド数は同じである。
図8は、表面450の部分C(顕微鏡写真の上部領域)に示すような第1のパターン360の形成後であるが、第2のパターン380の形成前の粒子トラップ340を示す画像である。
図8はまた、表面450の部分D(顕微鏡写真の下部領域)における第1のパターン360及び第2のパターン380の形成後の粒子トラップを示す。
図8の例は、パターン380の隆起部がパターン360の窪みと一致する、同じ又は類似のスレッド数を有する第1及び第2のパターンを示す。
【0045】
図9は、
図6の部分Aのスパッタリングチャンバ構成要素240上の第1のパターン260の断面概略図である。スパッタリングチャンバ構成要素240は、厚さt
240を有する。第1のパターン260は、繰り返し配置に配置された窪み256と、スレッド252とを含む。各窪み256は、(スレッドによって形成される)底部284及び壁286を含み、深さd
1を有する。上面258は、底部284からの距離又は深さd
1である。
【0046】
図10は、
図6の例示的な部分Bのような、スパッタリングチャンバ構成要素240上で一致する第1のパターン260及び第2のパターン280の断面概略図である。スパッタリングチャンバ構成要素240の上面258上の第2のパターン280は、繰り返し配置で配置された隆起部242、溝244及び溝246を含む(溝246は、
図10に示されるように断面平面内にない)。各隆起部242は、溝244によって形成される高さh
1及び側壁245を有する。
図10に示す高さh
1は、上面258の上方に延在する隆起部242の頂部248からの距離である。
図10に示す高さh
2は、隆起部242の頂部248から窪み256の底部284までの距離である。
【0047】
図11は、
図5に示される第1のパターン160の概略図であり、いくつかの実施形態による、第2のパターン180の更なる特徴を示す。
図11に示されるように、スレッドの頂部182は、第1の平面95内に位置する。上面158は、平面95と整列又は平行である。窪み156の底部184は、第2の平面96内に位置する。いくつかの実施形態では、スレッド152の頂部182は、幅99を有する。いくつかの実施形態では、スレッド152の頂部182の幅99は、約100μm、125μm、150μm、若しくは約175μmと小さくてよく、又は約200μm、250μm、275μm、若しくは300μmと大きくてもよく、又は前述の値の任意の対の間であってよい。いくつかの実施形態では、各窪み156の底部184は、幅98を有する。いくつかの実施形態では、各窪み156の底部184の幅98は、約60μm、100μm、125μm、若しくは約200μmと小さくてよく、又は約300μm、400μm、500μm、若しくは600μmと大きくてよく、又は前述の値の任意の対の間であってよい。
【0048】
図11に示されるように、側壁186は、スレッド152の頂部182と窪み156の底部184との間に延在する。一般的に、窪み156は、隣接するスレッドによって形成された4つの側壁と、底部で反転されたピラミッド形状とを有し、4つの側壁は、断面で平行四辺形として現れる。他の実施形態では、窪み156の形状に応じて、3つの側壁、4つの側壁、又は5つの側壁又はそれ以上がパターン160に関して企図される。底部184の窪み形状は、スレッド方向又はパターンに影響を及ぼす必要はない。いくつかの実施形態では、側壁186は、
図9のように、平面95に対してある角度である。いくつかの実施形態では、側壁186は、第1の平面95などスレッド152の頂部182によって画定される平面に対して垂直、又は実質的に垂直である。いくつかの実施形態では、側壁186は、第2の平面96など窪み156の底部184によって画定される平面に対して垂直、又は実質的に垂直である。いくつかの実施形態では、側壁186は、約1°、10°、15°、若しくは30°と小さい角度、又は約45°、60°、80°、若しくは約90°と大きい角度、又は前述の値の任意の対の間の角度を頂部182に対してなして形成される。すなわち、側壁186は、約1°、10°、15°、若しくは30°と小さい角度、又は約45°、60°、80°、若しくは約90°と大きい角度、又は前述の値の任意の対の間の角度を第1の平面95に対してなして形成される。いくつかの実施形態では、側壁186は、底部184から約1°、10°、15°、若しくは30°と小さい角度、又は約45°、60°、80°、若しくは約90°と大きい角度、又は前述の値の任意の対の間の角度を底部に対してなして形成される。すなわち、側壁186は、底部から約1°、10°、15°、若しくは30°と小さい角度、又は約45°、60°、80°、若しくは約90°と大きい角度、又は前述の値の任意の対の間の角度を第2の平面96に対してなして形成される。いくつかの実施形態では、側壁186は、第1の平面95に対して湾曲している。
【0049】
いくつかの実施形態では、スレッド152の頂部182は、湾曲した平面を画定し得る。すなわち、第1の平面95は湾曲していてよい。例えば、湾曲面95は、
図1のコイル内面16又は外面18に対応する。湾曲している第1の平面95を有する実施形態では、窪み156の深さ92は、第1の平面95と窪みの底部184との間の最大距離であってよい。粒子トラップ140は、窪み156の平均深さ92として定義され得る平均深さを有してよい。いくつかの実施形態では、窪み156の深さ92、及び/又は窪み156の平均深さは、約300μm、325μm、350μm、若しくは約375μmと小さくてよく、又は約400μm、550μm、600μm、若しくは650μmと大きくてよく、又は前述の値の任意の対の間であってよい。
【0050】
図11に示されるように、窪み156は繰り返し単位97を画定する。例えば、各繰り返し単位97は、窪み156の好適な位置から隣接する窪み156の類似の位置まで画定される。いくつかの実施形態では、各繰り返し単位97は、幅を有してよい。1つの繰り返し単位97は、パターン160のスレッド152と一致するパターン180の特徴を示す。パターン180は、直線又は丸みを帯びた頂部147及び側壁145を含む隆起部142を含む。頂部147は、平面195と少なくとも部分的に一致し、隆起部142の高さh
1は、平面95と195との間の距離である。溝144は幅198及び深さd
2を有し、一方、隆起部142は幅197を有する。窪みの底部184から隆起部147の頂部までの合計距離は、
図11のように距離92+h
1又は合計距離D
Tである。合計距離はまた、本明細書では、ピークから谷までの距離と呼ぶこともできる。合計距離D
Tは、別個のパターンのためのローリングツールのピッチに依存する。また、合計距離D
Tに寄与するのは、異なるパターンの特徴(窪み、スレッド、隆起部、溝)の位置合わせ又はオフセットである。ローレット溝のピッチ(標準的なローレット)又はスレッド(逆ローレットの場合)のピッチは、少なくとも15TPI~最大80TPIの範囲である。いくつかの実施形態では、第1のパターンスレッド数は、1インチ当たり約15本~約80本であり、第2のパターンスレッド数は、1インチ当たり約15本~約80本である。いくつかの実施形態では、第1のパターン及び第2のパターンのうちの一方は、1インチ当たり約25のスレッド数を有し、第1のパターン及び第2のパターンの他方は、1インチ当たり約80のスレッドを有する。
【0051】
いくつかの実施形態では、
図5に示すように、パターン160の窪み156は、表面158に平行な方向に平行四辺形の断面形状を有する。平行四辺形断面形状が示されているが、窪み156のための他の形状も可能である。いくつかの実施形態では、窪みの平均深さは、少なくとも約150μm~最大約600μmである。いくつかの実施形態では、窪みの平均深さは、少なくとも約150μm~最大約420μmである。いくつかの実施形態では、窪みの平均深さは約420μmである。いくつかの実施形態では、
図5にも示されるように、パターン180は、表面158に平行な方向に平行四辺形の断面形状を有する隆起部142を含む。平行四辺形断面形状が示されているが、隆起部142の他の形状も可能である。いくつかの実施形態では、隆起部の平均高さは、少なくとも0μm~最大600μmである。いくつかの実施形態では、隆起部の平均高さは、少なくとも150μm~最大420μmである。いくつかの実施形態では、隆起部の平均高さは、約150μmである。山部から谷までの、又は合計距離D
Tは、第2のパターンの特徴と一致する第1のパターンの特徴から、少なくとも150μm~最大600μmである。他の実施形態では、合計距離D
Tは、少なくとも約420μmである。いくつかの実施形態では、合計距離D
Tは、約420μm超である。いくつかの実施形態では、第2のパターンが形成された後、第1のパターンのみと比較してピークから谷又は合計距離D
Tが少なくとも10%増加する。例えば、追加の標準的なパターンは、反転された第1のパターンのスレッド上面を破断し、したがって、隆起部を形成する際の材料の変位に起因して表面積及び場合によってはある程度の高さを加える。
【0052】
いくつかの実施形態では、コイルは、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、タングステン(W)、クロム(Cr)、Ti合金、Al合金、Cu合金、Ta合金、Ni合金、Co合金、Mo合金、Au合金、Ag合金、Pt合金、W合金、又はCr合金から選択される少なくとも1つの材料である。いくつかの実施形態では、トラップはタンタルである。
【0053】
スパッタリングプロセスは、スパッタリングチャンバ内で行われてよい。スパッタリングチャンバシステム構成要素としては、ターゲット、ターゲットフランジ、ターゲット側壁、シールド、カバーリング、コイル、ボス、カップ、ピン及び/又はクランプ、並びに他の機械的構成要素を挙げることができる。多くの場合、コイルは、これらのシステム及び/又は堆積装置内に誘導結合デバイスとして存在して、ターゲットからスパッタリングされる金属原子の少なくとも一部をイオン化するのに十分な密度の二次プラズマを生成する。イオン化金属プラズマシステムでは、一次プラズマが形成され、概してマグネトロンによってターゲット付近に閉じ込められ、続いて、ターゲット表面から放出される原子を生じさせる。コイルシステムによって形成された二次プラズマは、スパッタリングされる材料のイオンを生成する。次いで、これらのイオンは、基板の表面に形成されるシース内の磁界によって基板に引き付けられる。本明細書で使用するとき、用語「シース」は、プラズマと任意の固体表面との間に形成される境界層を意味する。この磁界は、基板にバイアス電圧を印加することによって制御され得る。これは、ターゲットとウェハ基板との間にコイルを配置し、プラズマ密度を増加させ、ウェハ基板上に堆積されるイオンの指向性をもたらすことによって達成される。いくつかのスパッタリング装置は電源コイルを組み込んで、工程被覆率、工程下面被覆率、及びベベル被覆率などによって堆積プロファイルを改善する。
【0054】
プラズマに曝露されるスパッタリングチャンバ内の表面は、これらの表面に堆積されたスパッタリングされた材料で付随的にコーティングされてよい。意図された基板の外部に堆積される材料は、バックスパッタ(back-sputter)又は再蒸着と称されてよい。意図しない表面に形成された、スパッタリングされた材料の薄膜は、スパッタリング環境内の温度変動及び他のストレス要因に曝露される。これらの薄膜に蓄積されたストレスが表面に対する薄膜の付着強度を超えると、層間剥離及び剥離が生じ、粒子が発生し得る。同様に、スパッタリングプラズマが電気アーク事象によって破壊される場合、粒子は、プラズマ内で、及びアーク力を受ける表面からの両方で形成され得る。コイル表面、特に非常に平坦であるか、又は急傾斜面を有するコイル表面は、低付着強度を呈し、望ましくない粒子の蓄積をもたらし得る。PVD中の粒子生成は、デバイス故障の重大な原因であり、超小型電子デバイスの製造における機能性を低減する最も有害な要因の1つであることが既知である。
【0055】
スパッタリング材料の堆積は、スパッタリングコイルの表面で生じ得る。コイルセットは、コイル表面、特に非常に平坦であるか、又は急傾斜面を有するコイル表面に起因して、粒子状物質を生成する。スパッタリングプロセス中、多くの場合、スパッタリングチャンバ内からの微粒子はコイルから脱落する。これを克服するために、スパッタリングチャンバ構成要素は、多くの場合、様々な方法で修正されて、粒子トラップとして機能する能力を改善し、また粒子形成に伴う問題も低減し得る。
【0056】
短絡、プラズマアーク、堆積プロセスの中断、又は粒子の発生を引き起こさずに堆積装置、スパッタリングチャンバシステム、及び/又はイオン化プラズマ堆積システムと共に使用するための高性能コイルを開発することが望ましい。本明細書に開示される方法を使用して、スパッタリング装置コイル上で使用する改善された表面が粒子トラップとして使用されて、コイル性能を改善してよい。
【0057】
図12に示すように、スパッタリングチャンバ構成要素上に粒子トラップを形成する方法が提供される。この方法は、スパッタリングチャンバ構成要素の表面の少なくとも一部分上に第1のパターンを形成することと、第1のパターンの少なくとも一部分上に第2のパターンを形成することと、を含む。本明細書に記載されるような単なる一例では、第1のパターン160は雌型ローレットであり、側壁によって分離された隣接する窪みを有する複数の窪みを含む。窪みは、深さ及び第1の幅を有する。第2のパターン180は雄型ローレットであり、溝によって分離された隣接する隆起部を有する複数の隆起部を含む。隆起部は、高さ及び第2の幅を有する。パターンは、明確にするために、第1のパターン160及び第2のパターン180として本明細書に記載される。パターンはいずれかの順序で形成されてもよいことが認識されるであろう。すなわち、いくつかの実施形態では、第2のパターン180は、スパッタリングチャンバ構成要素の少なくとも一部分上に形成されてもよく、第1のパターン160は、第2のパターン180の少なくとも一部分上に形成されてもよい。このようにして、第1のパターン及び第2のパターンの少なくとも一部分が一致する。テクスチャはまた、任意の組み合わされたピッチの雄型の雄型又は雌型の雌を含み得る。
【0058】
図12に示すように、方法400は、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、タングステン(W)、クロム(Cr)、Ti合金、Al合金、Cu合金、Ta合金、Ni合金、Co合金、Mo合金、Au合金、Ag合金、Pt合金、W合金、又はCr合金から選択される少なくとも一つの材料を選択することを含む、トラップ材料408を準備することを含む。本開示の実施形態によるスパッタリングターゲットに好適な材料としては、純粋な元素及び合金が挙げられる。例えば、スパッタリングターゲットに好適なスパッタリング材料としては、Ti、Al、Cu、Ta、Ni、Co、Mo、Au、Ag、Pt、W、Cr、Ti合金、Al合金、Cu合金、Ta合金、Ni合金、Co合金、Mo合金、Au合金、Ag合金、Pt合金、W合金、及びCr合金から選択される少なくとも1つの材料が挙げられる。いくつかの実施形態では、Ti、Al、Cu、Ta、Ni、Co、Mo、Au、Ag、Pt、W、及びCrから選択される材料などの単一元素から作製されるターゲットの場合、スパッタリングターゲットは実質的に純粋であり、又は純粋である。実質的に純粋とは、元素含有量がほぼ純粋であり、又は少なくとも99.9%であることを意味する。例えば、スパッタリングターゲットの好適なスパッタリング材料は、Ti、Al、Cu、Ta、Ni、Co、Mo、Au、Ag、Pt、W、及びCrから選択される少なくとも1つの実質的に純粋な材料を含むことができる。他の実施形態では、スパッタリングターゲットのスパッタリング材料は合金である。合金は、周期表から少なくとも1つの他の元素と混合された主元素を含み、スパッタリング材料は、混合される1つ以上の元素よりも多量の主元素を含有する。標準の命名規則に従って、合金は主要元素の合金として参照されることがある。例えば、主元素がAlである合金は、Al合金と称される。スパッタリングターゲットの好適なスパッタリング材料は、Ti、Al、Cu、Ta、Ni、Co、Mo、Au、Ag、Pt、W、及びCrから選択される少なくとも1つの主元素を含むことができる。このような材料は、それぞれ、Ti合金、Al合金、Cu合金、Ta合金、Ni合金、Co合金、Mo合金、Au合金、Ag合金、Pt合金、W合金、及びCr合金と称されることがある。いくつかの実施形態では、選択されたスパッタリングターゲットの材料はタンタルである。
【0059】
準備されたコイル材料は、工程410において、任意選択的にリングに形成されてよい。方法400は、工程412において第1のパターン化された上面を形成する工程を更に含む。1つの非限定的な例では、第1のパターン化された上面は、(
図6の部分Aのパターン260のように)繰り返し配置で窪みを有する反転された(雌型)ローレットの表面であり、工程410において任意に環状に形成されている。窪みが逆ピラミッドとして成形されてよく、各逆ピラミッドの基部が表面に平行であり、各逆ピラミッドの頂部が表面に陥入して方向付けられ、各逆ピラミッドの高さは、複数の窪みの各窪みの深さを画定する。第1のパターンは、例えば、第1のローレット工具をスパッタリングチャンバ構成要素に押し込むことによって形成される。いくつかの実施形態では、窪みの平均深さは、約330μm~約600μmである。
【0060】
方法400は、工程414のように、第1のパターン化された上面と同じ表面上に第2のパターン化上面を形成することを更に含む。第2のパターンは、非限定的な例では、繰り返し配置での標準的な(雄型)ローレットの表面又は隆起部、すなわち、第1の刻み付き表面の少なくとも一部分の(
図6の部分Bに示すパターン260と一致するパターン280のような)第2のパターン280であってもよい。第2のパターン280は、例えば、第2のローレット工具をスパッタリングチャンバ構成要素に押し込むことによって形成される。いくつかの実施形態では、隆起部の平均高さは、約0μm~約600μmである。任意選択的に、工程416のように、少なくとも1つの追加のパターン化された上面が、一致する第1及び第2のパターン化された上面上に形成される。必要に応じて、当該技術分野において既知であるように、工程420のように、トラップをエッチングすることができる。エッチング工程420は、第1及び第2のパターンの表面特性を有意に変化させることなく、残留物を洗浄又は除去するための化学エッチング又はプラズマエッチングが挙げられるが、これらに限定されない。有利なことに、方法400は、いずれのローレットパターンのグリットブラスト又はワイヤブラッシングを必要としなくてもよい。
【0061】
図13は、方法400と同様の方法500を示しており、この方法は、工程518において、少なくとも第1及び第2のパターン化された上面を形成した後に、工程518においてリングに形成されてもよい。方法500は、工程512で第1のパターン化された上面を形成する工程を含む。方法500は、工程514のように、第1のパターン化された上面と同じ表面上に第2のパターン化された上面を形成する工程を含む。任意選択的に、工程516のように、少なくとも1つの追加のパターン化された上面が、一致する第1及び第2のパターン化された上面上に形成される。工程518のように、トラップは、任意選択的にリングに形成されてもよい。必要に応じて、当該技術分野において既知のように、工程520のように、トラップが更にエッチングされてもよい。エッチング工程520は、第1及び第2のパターンの表面特性を有意に変化させることなく、残留物を洗浄又は除去するための化学エッチング又はプラズマエッチングが挙げられるが、これらに限定されない。有利なことに、方法500は、いずれのローレットパターンのグリットブラスト又はワイヤブラッシングを必要としなくてもよい。
【0062】
方法400及び500では、第1のパターンは、(i)側壁によって隔てられた隣接する第1の窪みを有する繰り返しパターンで配置された複数の第1の窪みであって、第1の深さ及び第1の幅を有する第1の窪みと、(ii)溝によって分離された隣接する第1の隆起部を有する繰り返しパターンで配置された複数の第1の隆起部であって、第1の高さ及び第1の幅を有する第1の隆起部と、を含む。方法400及び500では、第2のパターンは、(i)第2のパターンは、側壁によって隔てられた隣接する第2の窪みを有する繰り返しパターンで配置された複数の第2の窪みであって、第2の深さ及び第2の幅を有する複数の第2の窪みと、(ii)溝によって分離された隣接する第2の隆起部を有する繰り返しパターンで配置された複数の第2の隆起部であって、第2の高さ及び第2の幅を有する複数の第2の隆起部と、のうちの一方を含む。
【0063】
第1のパターン及び第2のパターン、すなわち、窪み及び隆起部又はスレッド及び溝の特徴は、繰り返し配置で互いからオフセットされてもよい。あるいは、第1及び第2のパターンの特徴は、互いに対して整列又は一致してもよい。パターンの整列は、例えば、第1の方向のスレッドが平行であり、第3の方向に溝に対してオフセットされていることを含み得る。いくつかの実施形態では、第1及び第3の方向は同じである。あるいは、又はそれに加えて、第2の方向のスレッドは、第4の方向の溝に対して平行であり、オフセットされている。いくつかの実施形態では、第2及び第4の方向は同じである。
【0064】
いくつかの実施形態では、方法400及び500は、工程412、414、512及び514のいずれかと同様に繰り返されるローレットを含む。繰り返されるローレットは、構成要素又はコイルのより大きな表面上に繰り返されるパターン(すなわち、パターン160及び/又はパターン180)を形成するのに有用である。
【0065】
本発明の範囲から逸脱することなく、記載した例示的な実施形態に対して様々な修正及び付加を行うことができる。例えば、上述の実施形態は、特定の特徴に言及するものであるが、本発明の範囲はまた、異なる特徴の組み合わせを有する実施形態及び上述の特徴の全てを含むわけではない実施形態を含む。
本明細書は以下の発明の態様を包含する。
[1]
粒子トラップを備えるスパッタリングチャンバ構成要素であって、前記粒子トラップが、
前記粒子トラップの表面の少なくとも一部分上に形成された第1のパターンであって、第1のパターンスレッド数を有する繰り返しパターンで配置され、第1のパターン上面を有し、且つ、
第1の深さを有し、第1及び第2のスレッドによって分離された第1の窪みであって、前記第1及び第2のスレッドが、前記第1のパターン上面を形成する第1及び第2のスレッド上面を有する、第1の窪みと、
第1の高さを有し、第1及び第2の溝によって分離された第1の隆起部であって、前記第1の隆起部が、前記第1のパターン上面を形成する第1の隆起部上面を有する、第1の隆起部と、のうちの一方を含む、第1のパターンと、
前記第1のパターン上面の少なくとも一部分上に形成された第2のパターンであって、第2のスレッド数を有する繰り返しパターンで配置され、第2のパターン上面を有し、且つ、
第2の深さを有し、第3及び第4のスレッドによって分離された第2の窪みであって、前記第3及び第4のスレッドが、前記第2のパターン上面を形成するように構成された第3及び第4のスレッド上面を有する、第2の窪みと、
第2の高さを有し、第3及び第4の溝によって分離された第2の隆起部であって、前記第2の隆起部が、前記第2のパターン上面を形成するように構成された第2の隆起部上面を有する、第2の隆起部と、のうちの一方を含む第2のパターンと、
を含む、スパッタリングチャンバ構成要素。
[2]
スパッタリングチャンバ構成要素上に粒子トラップを形成する方法であって、
第1のパターン化された上面を形成するために、前記スパッタリングチャンバ構成要素の表面の少なくとも一部分上に第1のパターンを形成することと、
前記第1のパターン化された上面の少なくとも一部分上に第2のパターンを形成することと、を含み、
前記第1のパターンが、
側壁によって隔てられた隣接する第1の窪みを有する繰り返しパターンで配置された複数の第1の窪みであって、第1の深さ及び第1の幅を有する、複数の第1の窪みと、
溝によって分離された隣接する第1の隆起部を有する繰り返しパターンで配列された複数の第1の隆起部であって、第1の高さ及び第1の幅を有する、複数の第1の隆起部と、のうちの一方を含み、
前記第2のパターンが、
側壁によって隔てられた隣接する第2の窪みを有する繰り返しパターンで配置された複数の第2の窪みであって、第2の深さ及び第2の幅を有する、複数の第2の窪みと、
溝によって分離された隣接する第2の隆起部を有する繰り返しパターンで配列された複数の第2の隆起部であって、第2の高さ及び第2の幅を有する、複数の第2の隆起部と、のうちの一方を含む、方法。
[3]
前記第1のパターンスレッド数が、1インチ当たり約15本~約80本のスレッドであり、前記第2のパターンスレッド数が、1インチ当たり約15本~約80本のスレッドである、[1]に記載のスパッタリングチャンバ粒子トラップ又は[2]に記載の方法。
[4]
前記第1のパターンが、第1の深さを有し、且つ第1及び第2のスレッドによって分離された前記第1の窪みを含み、前記第2のパターンが、第2の深さを有し、且つ第3及び第4のスレッドによって分離された前記第2の窪みを含み、
第1の方向に延在する前記第1のスレッドが、隣接する第1の窪みを第2の方向に分離する側壁を形成し、前記第2の方向が、前記第1の方向に対して0度より大きく180度未満の角度であり、前記第2の方向に延在する前記第2のスレッドが、隣接する第1の窪みを前記第1の方向に分離する側壁を形成し、
前記第1の方向に平行な方向に延在する前記第3のスレッドが、隣接する第2の窪みを前記第2の方向に平行な方向に分離する側壁を形成し、前記第2の方向に平行な方向に延在する前記第4のスレッドが、隣接する第2の窪みを前記第1の方向に平行な方向に分離する側壁を形成する、[1]に記載のスパッタリングチャンバ粒子トラップ又は[2]に記載の方法。
[5]
前記第1のパターンが、第1の深さを有し、第1及び第2のスレッドによって分離された前記第1の窪みを含み、前記第2のパターンが、第2の高さを有し、且つ第3及び第4の溝によって分離された前記第2の隆起部を含み、
第1の方向に延在する前記第1のスレッドは、隣接する第1の窪みを第2の方向に分離する側壁を形成し、前記第2の方向は、前記第1の方向に対して0度より大きく180度未満の角度であり、前記第2の方向に延在する前記第2のスレッドは、隣接する第1の窪みを前記第1の方向に分離する側壁を形成し、
前記第1の方向に平行な方向に延在する前記第3の溝は、隣接する第2の隆起部を前記第2の方向に平行な方向に分離する側壁を形成し、前記第2の方向に平行な方向に延在する前記第4の溝は、隣接する第2の隆起部を第1の方向に平行な方向に分離する側壁を形成している、[1]に記載のスパッタリングチャンバ粒子トラップ又は[2]に記載の方法。
[6]
前記第1のパターンが、第1の高さを有し、且つ第1及び第2の溝によって分離された前記第1の隆起部を含み、前記第2のパターンが、第2の高さを有し、且つ第3及び第4の溝によって分離された前記第2の隆起部を含み、
第1の方向に延在する前記第1の溝は、隣接する第1の隆起部を第2の方向に分離する側壁を形成し、前記第2の方向は、前記第1の方向に対して0度より大きく180度未満の角度であり、前記第2の方向に延在する前記第2の溝は、隣接する第1の隆起部を前記第1の方向に分離する側壁を形成し、
前記第1の方向に平行な方向に延在する前記第3の溝は、隣接する第2の隆起部を前記第2の方向に平行な方向に分離する側壁を形成し、前記第2の方向に平行な方向に延在する前記第4の溝は、隣接する第2の隆起部を前記第1の方向に平行な方向に分離する側壁を形成している、[1]に記載のスパッタリングチャンバ粒子トラップ又は[2]に記載の方法。
[7]
前記第1のパターンが、第1の高さを有し、且つ第1及び第2の溝によって分離された前記第1の隆起部を含み、前記第2のパターンが、第2の深さを有し、且つ第3及び第4のスレッドによって分離された前記第2の窪みを含み、
第1の方向に延在する前記第1の溝は、隣接する第1の隆起部を第2の方向に分離する側壁を形成し、前記第2の方向は、前記第1の方向に対して0度より大きく180度未満の角度であり、前記第2の方向に延在する前記第2の溝は、隣接する第1の隆起部を前記第1の方向に分離する側壁を形成し、
前記第1の方向に平行な方向に延在する前記第3のスレッドは、隣接する第2の窪みを前記第2の方向に平行な方向に分離する側壁を形成し、前記第2の方向に平行な方向に延在する前記第4のスレッドは、隣接する第2の窪みを前記第1の方向に平行な方向に分離する側壁を形成している、[1]に記載のスパッタリングチャンバ粒子トラップ又は[2]に記載の方法。
[8]
前記第1及び第2の窪みのうちの少なくとも1つが、前記表面に平行な方向に平行四辺形断面形状を有し、前記第1の隆起部及び前記第2の隆起部のうちの少なくとも1つが、前記表面に平行な方向に平行四辺形断面形状を有する、[1]に記載のスパッタリングチャンバ粒子トラップ又は[2]に記載の方法。
[9]
前記第1及び第2の窪みのうちの少なくとも1つの平均深さが約330μm~約600μmであり、前記第1及び第2の隆起部のうちの少なくとも1つの平均高さが約0μm~約600μmである、[1]に記載のスパッタリングチャンバ粒子トラップ又は[2]に記載の方法。
[10]
前記スパッタリングチャンバ粒子トラップが、タンタル(Ta)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、モリブデン(Mo)、金(Au)、銀(Ag)、白金(Pt)、タングステン(W)、クロム(Cr)、タンタル(Ta)合金、チタン(Ti)合金、アルミニウム(Al)合金、銅(Cu)合金、ニッケル(Ni)合金、コバルト(Co)合金、モリブデン(Mo)合金、金(Au)合金、銀(Ag)合金、白金(Pt)合金、タングステン(W)合金、クロム(Cr)合金から選択される少なくとも一つの材料から形成されている、[1]に記載のスパッタリングチャンバ粒子トラップ又は[2]に記載の方法。