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特許7265552トランジスタ、およびメモリ・セルの高さ方向に延びるストリングのアレイ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-18
(45)【発行日】2023-04-26
(54)【発明の名称】トランジスタ、およびメモリ・セルの高さ方向に延びるストリングのアレイ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/336 20060101AFI20230419BHJP
   H01L 29/788 20060101ALI20230419BHJP
   H01L 29/792 20060101ALI20230419BHJP
   H01L 21/316 20060101ALI20230419BHJP
   H01L 21/318 20060101ALI20230419BHJP
   H01L 29/78 20060101ALI20230419BHJP
   H01L 29/786 20060101ALI20230419BHJP
   H10B 41/27 20230101ALI20230419BHJP
   H10B 41/30 20230101ALI20230419BHJP
   H10B 43/27 20230101ALI20230419BHJP
   H10B 43/30 20230101ALI20230419BHJP
   H01L 21/20 20060101ALN20230419BHJP
【FI】
H01L29/78 371
H01L21/316 M
H01L21/318 M
H01L29/78 301H
H01L29/78 618C
H01L29/78 619A
H10B41/27
H10B41/30
H10B43/27
H10B43/30
H01L21/20
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020536234
(86)(22)【出願日】2018-12-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-03-18
(86)【国際出願番号】 US2018065462
(87)【国際公開番号】W WO2019133277
(87)【国際公開日】2019-07-04
【審査請求日】2020-08-17
(31)【優先権主張番号】62/610,847
(32)【優先日】2017-12-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595168543
【氏名又は名称】マイクロン テクノロジー,インク.
(74)【代理人】
【識別番号】100121083
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 宏義
(74)【代理人】
【識別番号】100138391
【弁理士】
【氏名又は名称】天田 昌行
(74)【代理人】
【識別番号】100074099
【弁理士】
【氏名又は名称】大菅 義之
(74)【代理人】
【識別番号】100106851
【弁理士】
【氏名又は名称】野村 泰久
(72)【発明者】
【氏名】ウェルズ デイビッド エイチ
(72)【発明者】
【氏名】トラン ルアン シー
(72)【発明者】
【氏名】リー ジエ
(72)【発明者】
【氏名】カンデカール アニス エー
(72)【発明者】
【氏名】シュロトリ クーナル
【審査官】宮本 博司
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-222785(JP,A)
【文献】特開2016-225614(JP,A)
【文献】特開昭63-174348(JP,A)
【文献】特開平04-109623(JP,A)
【文献】特開平05-074627(JP,A)
【文献】特開平02-110930(JP,A)
【文献】特開2015-053336(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/336
H10B 43/30
H10B 43/27
H10B 41/30
H10B 41/27
H01L 21/316
H01L 21/318
H01L 29/786
H01L 21/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向した第1および第2の側を有するチャネル材料と、
前記チャネル材料の前記第1の側に隣接したゲートであって、ゲート絶縁体が前記ゲートと前記チャネル材料との間にある、ゲートと、
対向した第1および第2の側を有する第1の絶縁性材料であって、前記第1の側が前記チャネル材料の前記第2の側に隣接し、前記第1の絶縁性材料はチューブを含む、第1の絶縁性材料と、
前記第1の絶縁性材料の組成物とは異なる組成物の第2の絶縁性材料であって、前記第2の絶縁性材料は前記第1の絶縁性材料の前記第2の側に隣接し、前記第2の絶縁性材料は、Al、HfN、HfO(xおよびyはそれぞれ0よりも大きい)、HfY(xおよびyはそれぞれ0よりも大きい)、BN、AlN、SiC、ダイヤモンド、Si(x、y、およびzはそれぞれ0よりも大きい)、Hf(x、y、およびzはそれぞれ0よりも大きい)、HfO(x、y、およびzはそれぞれ0よりも大きい)、HfY(x、y、およびzはそれぞれ0よりも大きい)、BN(xおよびyはそれぞれ0よりも大きい)、およびAlN(xおよびyはそれぞれ0よりも大きい)のうちの少なくとも1つからなり、かつ、前記第1の絶縁性材料のチューブの半径方向内側のチューブを含み、前記第2の絶縁性材料は下記(a)、(b)、および(c)のうちの少なくとも1つを有する、第2の絶縁性材料と、
を備えるトランジスタであって、
(a):前記第1の絶縁性材料よりも低い酸素拡散率、
(b):正味の正電荷、
(c):前記第1の絶縁性材料よりも少なくとも2倍大きい剪断強度
である、トランジスタ。
【請求項2】
前記第1の絶縁性材料は、前記チャネル材料の前記第2の側に直に接している、請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項3】
前記第2の絶縁性材料は、前記第1の絶縁性材料の前記第2の側に直に接している、請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項4】
前記第2の絶縁性材料は、(a):前記第1の絶縁性材料よりも低い酸素拡散率を有する、請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項5】
前記第2の絶縁性材料は、(b):正味の正電荷を有する、請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項6】
前記第2の絶縁性材料は、(c):前記第1の絶縁性材料よりも少なくとも2倍大きい剪断強度を有する、請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項7】
前記第2の絶縁性材料は、前記(a)、(b)、および(c)のうちの1つのみを有する、請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項8】
前記第2の絶縁性材料は、前記(a)、(b)、および(c)のうちの2つのみを有する、請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項9】
前記第2の絶縁性材料は、前記(a)、(b)、および(c)の3つ全部を有する、請求項1に記載のトランジスタ。
【請求項10】
垂直方向に伸長する第1のチューブとして構成された、対向した第1および第2の側を有するチャネル材料と、
前記チャネル材料の前記第1の側に隣接したゲートであって、ゲート絶縁体および電荷貯蔵材料が前記ゲートと前記チャネル材料との間にあり、前記ゲート絶縁体および前記電荷貯蔵材料は、前記垂直方向に伸長する第1のチューブの外側に、垂直方向に伸長する第2のチューブとして構成される、ゲートと、
対向した第1および第2の側を有する第1の絶縁性材料であって、前記第1の側が前記チャネル材料の前記第2の側に隣接し、Si(xおよびyはそれぞれ0よりも大きい)、Si(x、y、およびzはそれぞれ0よりも大きい)、Al、ZrO、HfO、Pr、およびTaのうちの少なくとも1つを含む、第1の絶縁性材料と、
前記第1の絶縁性材料の組成物とは異なる組成物の第2の絶縁性材料であって、前記第1の絶縁性材料の前記第2の側に隣接し、S(x、y、およびzはそれぞれ0よりも大きい)、Hf(x、y、およびzはそれぞれ0よりも大きい)、HfO(x、y、およびzはそれぞれ0よりも大きい)、HfY(x、y、およびzはそれぞれ0よりも大きい)、BN(xおよびyはそれぞれ0よりも大きい)、およびAlN(xおよびyはそれぞれ0よりも大きい)のうちの少なくとも1つを含む、第2の絶縁性材料と、
を備えるトランジスタ。
【請求項11】
前記第1の絶縁性材料の前記第1の側は、前記チャネル材料の前記第2の側に直に接しており、Si、Si、Al、ZrO、HfO、Pr、およびTaのうちの前記少なくとも1つは、前記チャネル材料の前記第2の側に直に接している、請求項10に記載のトランジスタ。
【請求項12】
前記第1の絶縁性材料は、Si、Si、Al、ZrO、HfO、Pr、およびTaのうちの前記少なくとも1つから本質的になる、請求項11に記載のトランジスタ。
【請求項13】
前記第2の絶縁性材料は、前記第1の絶縁性材料の前記第2の側に直に接しており、S、Hf、HfO、HfY、BN、およびAlNのうちの前記少なくとも1つは、前記第1の絶縁性材料のSi、Si、Al、ZrO、HfO、Pr、およびTaのうちの前記少なくとも1つに直に接している、請求項10に記載のトランジスタ。
【請求項14】
メモリ・セルの高さ方向に延びるストリングのアレイであって、
交互する絶縁階層とワード線階層との垂直スタックであって、前記ワード線階層は、個々のメモリ・セルの制御ゲート領域に対応する端子端部を有する、垂直スタックと、
個々の前記制御ゲート領域に沿って高さ方向に延びる前記個々のメモリ・セルの電荷ブロック領域と、
前記電荷ブロック領域の個々に沿って高さ方向に延びる前記個々のメモリ・セルの電荷貯蔵材料と、
前記垂直スタックに沿って高さ方向に延び、側面内側を有するチャネル材料と、
前記チャネル材料と前記電荷貯蔵材料との間で横方向にある絶縁の電荷通過材料と、
対向した第1および第2の側を有する第1の絶縁性材料であって、前記第1の側が前記チャネル材料の前記側面内側に隣接し、前記第1の絶縁性材料はチューブを含む、第1の絶縁性材料と、
前記第1の絶縁性材料の組成物とは異なる組成物の第2の絶縁性材料であって、前記第2の絶縁性材料は前記第1の絶縁性材料の前記第2の側に隣接し、前記第2の絶縁性材料は、前記第1の絶縁性材料のチューブの半径方向内側のチューブを含み、かつ、下記(a)、(b)、および(c)のうちの少なくとも1つを有する、第2の絶縁性材料と、
を備え、
(a):前記第1の絶縁性材料よりも低い酸素拡散率、
(b):正味の正電荷、
(c):前記第1の絶縁性材料よりも少なくとも2倍大きい剪断強度
である、アレイ。
【請求項15】
メモリ・セルの高さ方向に延びるストリングのアレイであって、
交互する絶縁階層とワード線階層との垂直スタックであって、前記ワード線階層は、個々のメモリ・セルの制御ゲート領域に対応する端子端部を有する、垂直スタックと、
個々の前記制御ゲート領域に沿って、および、前記絶縁階層に沿って、高さ方向に延びる前記個々のメモリ・セルの電荷ブロック領域であって、第1のチューブとして構成された電荷ブロック領域と、
前記電荷ブロック領域の個々に沿って高さ方向に延びる前記個々のメモリ・セルの電荷貯蔵材料であって、前記第1のチューブ内に第2のチューブとして構成された電荷貯蔵材料と、
前記垂直スタックに沿って高さ方向に延びるチャネル材料であって、前記第2のチューブ内に第3のチューブとして構成され、且つ、側面内側を有するチャネル材料と、
前記チャネル材料と前記電荷貯蔵材料との間で横方向にある絶縁の電荷通過材料と、
対向した第1および第2の側を有する第1の絶縁性材料であって、前記第1の側が前記チャネル材料の前記側面内側に隣接し、Si(xおよびyはそれぞれ0よりも大きい)、Si(x、y、およびzはそれぞれ0よりも大きい)、Al、ZrO、HfO、Pr、およびTaのうちの少なくとも1つを含む、第1の絶縁性材料と、
前記第1の絶縁性材料の組成物とは異なる組成物の第2の絶縁性材料であって、前記第2の絶縁性材料は前記第1の絶縁性材料の前記第2の側に隣接し、前記第2の絶縁性材料は、S(x、y、およびzはそれぞれ0よりも大きい)、Hf(x、y、およびzはそれぞれ0よりも大きい)、HfO(x、y、およびzはそれぞれ0よりも大きい)、HfY(x、y、およびzはそれぞれ0よりも大きい)、BN(xおよびyはそれぞれ0よりも大きい)、およびAlN(xおよびyはそれぞれ0よりも大きい)のうちの少なくとも1つを含む、第2の絶縁性材料と、
を備える、アレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書に開示された実施形態は、トランジスタ、メモリ・セルの高さ方向に延びるストリングのアレイ、トランジスタのチャネル領域を形成する方法、およびメモリ・アレイを形成するのに使用される方法に関する。
【背景技術】
【0002】
メモリは、集積回路の一種であり、データを記憶するためのコンピュータ・システムに使用される。メモリは、個々のメモリ・セルからなる1つまたは複数のアレイで製造され得る。メモリ・セルは、(ビット線、データ線、またはセンス線とも呼ばれ得る)デジット線、および(ワード線とも呼ばれ得る)アクセス線を用いて、書き込まれたり、読み出されたりすることができる。センス線は、アレイの列に沿ってメモリ・セルを導電的に相互接続することができ、アクセス線は、アレイの行に沿ってメモリ・セルを導電的に相互接続することができる。各メモリ・セルは、センス線とアクセス線の組合せを通じて固有的にアドレス指定することができる。
【0003】
メモリ・セルは、揮発性、半揮発性、または不揮発性であり得る。不揮発性メモリ・セルは、電力がないときに長期間にわたってデータを記憶することができる。従来から、不揮発性メモリは、少なくとも約10年の保持時間を有するメモリであることを特徴とする。揮発性メモリは、電力を消費し、したがってデータ記憶を維持するためにリフレッシュ/書き込みが行われる。揮発性メモリは、数ミリ秒以下の保持時間を有し得る。それにもかかわらず、メモリ・セルは、少なくとも2つの異なる選択可能な状態にメモリを保持または記憶するように構成されている。2進法では、これらの状態は、「0」または「1」のどちらかとみなされる。他の進法では、少なくとも一部の個々のメモリ・セルは、3つ以上の情報レベルまたは情報状態を記憶するように構成され得る。
【0004】
電界効果トランジスタは、メモリ・セルに使用できる電子部品の一種である。これらのトランジスタは、その間に半導電性チャネル領域を有する一対の導電性ソース/ドレイン領域を備える。導電性ゲートが、チャネル領域に隣接し、そこから薄いゲート絶縁体によって隔てられている。ゲートに適している電圧の印加により、電流がチャネル領域を通じてソース/ドレイン領域の一方から他方へ流れることを可能にする。電圧がゲートから取り除かれると、電流は、チャネル領域を通じて流れるのが大きく防がれる。電界効果トランジスタは、ゲート絶縁体と導電性ゲートとの間のゲート構造の一部として、さらなる構造、例えば、可逆的にプログラム可能な電荷貯蔵領域を備えることもできる。
【0005】
フラッシュ・メモリは、メモリの一種であり、現代のコンピュータおよび装置において多数の用途を有する。例えば、現代のパーソナル・コンピューターは、フラッシュ・メモリ・チップに記憶されたBIOSを有し得る。別の例として、コンピュータおよび他の装置は、従来のハード・ドライブに取って代わるソリッド・ステート・ドライブにフラッシュ・メモリを利用することがますます一般的になっている。さらに別の例として、フラッシュ・メモリは、それにより製造者が新しい通信プロトコルが標準化されるときにこの新しい通信プロトコルをサポートするとともに、強化された特徴について装置をリモートでアップグレードする能力を与えることができるので、無線電子装置に普及している。
【0006】
NANDは、集積フラッシュ・メモリの基本アーキテクチャであり得る。NANDセル・ユニットは、メモリ・セルの直列の組合せに直列(この直列の組合せは、一般的にNANDストリングと呼ばれる)に結合された少なくとも1つの選択デバイスを備える。NANDアーキテクチャは、可逆的にプログラム可能な垂直トランジスタを個々に備えた垂直にスタックしたメモリ・セルを3次元配置で備えるように構成され得る。
【0007】
トランジスタは、メモリ回路以外の回路に使用される場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態によるメモリ・セルの高さ方向に延びるストリングのアレイの一部の概略断面図である。
図2図1の線2-2に沿った断面図である。
図3図1の線3-3に沿った断面図である。
図4】本発明の一実施形態によるメモリ・セルの高さ方向に延びるストリングのアレイの一部の概略断面図である。
図5】本発明の一実施形態によるトランジスタの概略断面図である。
図6】本発明の一実施形態によるトランジスタの概略断面図である。
図7】本発明の一実施形態によるプロセス中の基板構造の概略断面図である。
図8図7により示された加工ステップに続く加工ステップにおける図7の構造の図である。
図9図8により示された加工ステップに続く加工ステップにおける図8の構造の図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の実施形態は、不揮発性トランジスタ、半揮発性トランジスタ、および揮発性トランジスタ(例えば、いずれの電荷貯蔵材料も持たない揮発性トランジスタ)を包含する。本発明の実施形態は、メモリ・セルの高さ方向に延びるストリングのアレイ、例えば、NANDメモリ・セルのストリングも包含する。本発明の実施形態は、トランジスタのチャネル領域を形成する方法、およびメモリ・アレイを形成するのに使用される方法も包含する。
【0010】
やはり個々のトランジスタのメモリ・セルの高さ方向に延びるストリングのアレイに係る第1の例示の実施形態が、図1図3を参照して説明される。構造10は、(すなわち、本明細書では電気的に)導電性/導体/伝導性材料、半導電性/半導体/半伝導性材料、または(すなわち、本明細書では電気的に)絶縁の/絶縁体/絶縁性材料のうちのいずれか1つまたは複数を含み得るベース基板11を備える。様々な材料が、ベース基板11の上に高さ方向に形成されている。材料は、図1図3に示された材料の高さ方向内側または高さ方向外側に離れていることができる。例えば、集積回路の他の部分的または全体的に製造される構成要素は、ベース基板11の上方、辺り、または範囲内のどこかに与えられ得る。トランジスタのアレイの範囲内の構成要素を動作させる制御回路および/または他の周辺回路が、製造されてもよく、トランジスタ・アレイまたはサブ・アレイ内で全体的または部分的にであっても、またはなくてもよい。さらに、複数のサブ・アレイは、縦に並んで、または互いに対して他のやり方で独立して製造および動作することもできる。この文献では、「サブ・アレイ」は、アレイとみなすこともできる。
【0011】
構造10は、メモリ・セル30の高さ方向に延びるストリング14のアレイ12を備える。ただ1つの単一のストリング14が示されており、大抵、数百、数千、数万などのそのようなストリングがアレイ12に含まれている。アレイ12は、交互する絶縁階層18とワード線階層20との垂直スタック16を備える。例示の階層20は、導電性材料22を含む。例には、元素金属(例えば、タングステン、チタン、銅など)、金属材料(例えば、金属窒化物、金属ケイ化物、金属炭化物など)、および導電性ドープされた半導電性材料(例えば、シリコン、ガリウムなど)を含むとともに、それらの混合物が含まれる。例示の階層18は、絶縁材料24(例えば、ドープ・二酸化シリコンまたは非ドープ・二酸化シリコン)を含む。アレイ12は、図1に7つの垂直に交互する階層18、20を有するものとして示されているが、より少ないまたは大抵もっと多い(例えば、数ダース、数百などの)ものが形成され得る。したがって、より多くの階層18および20が、図示された階層の上方および/または下方にあり得る。階層18および20は、任意の適切な垂直厚さとすることができ、互いに対して同じまたは異なる垂直厚さを有することができる。一例として、階層18および20は、約10ナノメートル(nm)から300nmの厚さをそれぞれ有することができる。
【0012】
ワード線階層20は、個々のメモリ・セル30の制御ゲート領域28に対応する示された図1の断面の端子端部26を有する。メモリ・セル30のおおよその位置は、図1に括弧で、および図3に破線の輪郭で示されており、図示された例では、メモリ・セル30は、本質的にリング状または環状である。制御ゲート領域28は、行方向に個々のワード線階層20内で複数のストリング14の複数のメモリ・セル30を相互接続する(1つのみが、図3に示され、数字で指定されている)個々の制御ゲート線29の一部であり得る。誘電材料27(図3;例えば、二酸化シリコンおよび/または窒化シリコン)は、制御ゲート線29間で横方向にある。代替の既存の構造または未開発の構造が使用されてもよい。例えば、図3に示された制御ゲート線29を縦方向に真っ二つ(図示せず)に分岐させ、このようにしてそのような分岐した制御ゲート線が別々に制御可能である場合に別々に制御することができる2つのメモリ・セル(図示せず)を作り出すことによって、複数のメモリ・セル(図示せず)が、個々のワード線階層20内で単一のストリング14のまわりに形成されてもよい。
【0013】
個々のメモリ・セル30は、個々の制御ゲート領域28に沿って高さ方向に延びる電荷ブロック領域31と、個々の電荷ブロック領域31に沿って高さ方向に延びる電荷貯蔵材料34とを有する。電荷ブロックは、メモリ・セル内で以下の機能を有することができる。プログラム・モードでは、電荷ブロックは、電荷キャリアが電荷貯蔵材料(例えば、フローティング・ゲート材料、電荷トラップ材料など)から制御ゲートに向けて通ることを防ぐことができ、消去モードでは、電荷ブロックにより、電荷キャリアが制御ゲートから電荷貯蔵材料に流れ込むのを防ぐことができる。したがって、電荷ブロックは、個々のメモリ・セルの制御ゲート領域と電荷貯蔵材料との間の電荷移動を阻止するように機能することができる。図示されるような一例の電荷ブロック領域は、絶縁体材料32(例えば、25から80オングストロームの例示の厚さを有する二酸化シリコンおよび/または1つまたは複数の高k材料)を含む。さらなる例として、電荷ブロック領域は、(例えば、絶縁の電荷貯蔵材料34と導電性材料22との間に任意の異なる組成材料がない場合に)そのような電荷貯蔵材料が絶縁である電荷貯蔵材料(例えば、材料34)の横方向(例えば、径方向)外側部分を備えることができる。それにもかかわらず、さらなる一例として、制御ゲートの電荷貯蔵材料と導電性材料の界面は、任意のセパレート組成絶縁体材料32がない場合に電荷ブロック領域として機能するのに十分であり得る。さらに、絶縁体材料32との組合せにおける導電性材料22と材料32(存在するとき)の界面は、電荷ブロック領域として一緒に機能することができ、代替としてまたはさらに、絶縁の電荷貯蔵材料(例えば、窒化シリコン材料34)の横方向外側領域として一緒に機能することができる。
【0014】
それにもかかわらず、一実施形態では、電荷ブロック領域31は、スタック16に沿って高さ方向におよびチューブ23の形態で延びる絶縁体材料32から形成される。一実施形態では、電荷貯蔵材料34は、スタック16に沿って高さ方向におよびチューブ25の形態で延びる。電荷貯蔵材料34は、任意の適切な組成物を含むことができ、いくつかの実施形態では、フローティング・ゲート材料(例えば、ドープ・シリコンまたは非ドープ・シリコン)、または電荷トラップ材料(例えば、窒化シリコン、金属ドットなど)を含むことができる。いくつかの実施形態では、電荷貯蔵材料34は、窒化シリコンを含み得る、窒化シリコンから本質的になり得る、または窒化シリコンからなり得る。一例の厚さは、50から80オングストロームである。
【0015】
個々のメモリ・セル30は、スタック16に沿って高さ方向にやはり延びるチャネル材料36(理想的には、結晶)を含む。一実施形態では、チャネル材料36は、チューブ25の形態で同じように延びる。チャネル材料36は、側面内側37(例えば、径方向内側)と、側面外側38(例えば、径方向外側)とを有する。いくつかの実施形態では、側38および37は、それぞれ対向した第1および第2の側38および37と呼ばれる。例示のチャネル材料36は、シリコン、ゲルマニウム、およびいわゆるIII族/V族半導体材料(例えば、GaAs、InP、GaP、およびGaN)のうちの1つまたは複数などの非ドープのまたは適切にドープされた結晶半導体材料を含む。
【0016】
電荷通過材料40(例えば、ゲート絶縁体)は、横方向(例えば、径方向)のチャネル材料36と電荷貯蔵材料34との間にある。一実施形態では、電荷通過材料40は、スタック16に沿って高さ方向におよびチューブ33の形態で延びる。電荷通過材料40は、例として、2つの絶縁体酸化物(例えば、二酸化シリコン)の間に挟まれた窒素含有材料(例えば、窒化シリコン)を有するバンドギャップ工学的構造であり得る。一例の厚さは、25から80オングストロームである。
【0017】
構造10は、対向した第1および第2の側43および44をそれぞれ有する第1の絶縁性材料42を備える。一実施形態では、第1の絶縁性材料42は、スタック16に沿って高さ方向におよびチューブ39の形態で延びる。第1の側43は、(すなわち、第2の側44よりずっともっと)チャネル材料36の隣接した側面内側37である。構造10は、第1の絶縁性材料42の組成物とは異なる組成物の第2の絶縁性材料46を含み、それぞれ対向した第1および第2の側47および48を有する。一実施形態では、第2の絶縁性材料46は、スタック16に沿って高さ方向におよびチューブ41の形態で延びる。第2の絶縁性材料46は、第1の絶縁性材料42の第2の側44に隣接している。例示のメモリ・セル・ストリング14は、径方向中央の固体誘電材料50(例えば、スピン・オン誘電体、二酸化シリコン、および/または窒化シリコン)を備えるものとして示されている。代替として、およびほんの例として、メモリ・セル・ストリング14の径方向中央部分は、空所(図示せず)を含むまたは固体材料(図示せず)を持たないことができる。
【0018】
一実施形態では、第1の絶縁性材料42は、Si(それぞれ0よりも大きいxおよびy)、Si(それぞれ0よりも大きいx、y、およびz)、Al、ZrO、HfO、Pr、およびTaのうちの少なくとも1つを含み、それから本質的になり、またはそれからなり、第2の絶縁性材料46は、Si、Al、HfN、HfO(それぞれ0よりも大きいxおよびy)、HfY(それぞれ0よりも大きいxおよびy)、BN、AlN、SiC、ダイヤモンド、ダイヤモンド・ライク・カーボン、Si(それぞれ0よりも大きいx、y、およびz)、Hf(それぞれ0よりも大きいx、y、およびz)、HfO(それぞれ0よりも大きいx、y、およびz)、HfY(それぞれ0よりも大きいx、y、およびz)、BN(それぞれ0よりも大きいxおよびy)、およびAlN(それぞれ0よりも大きいxおよびy)のうちの少なくとも1つを含む、それから本質的になる、またはそれからなる。一実施形態では、図示されるように、第1の絶縁性材料42の第1の側43は、チャネル材料36の側面内側37に直に接しており、Si、Si、Al、ZrO、HfO、Pr、およびTaのうちの少なくとも1つは、チャネル材料36の側面内側37に直に接している。一実施形態では、図示されるように、第2の絶縁性材料46は、第1の絶縁性材料42の第2の側44に直に接しており、Si、Al、HfN、HfO、HfY、BN、AlN、SiC、ダイヤモンド、ダイヤモンド・ライク・カーボン、Si、Hf、HfO、HfY、BN、およびAlNのうちの少なくとも1つは、第1の材料42のSi、Si、Al、ZrO、HfO、Pr、およびTaのうちの少なくとも1つに直に接している。一実施形態では、第1の絶縁性材料42は、Si、Si、Al、ZrO、HfO、Pr、およびTaのうちの2つ以上を含む。一実施形態では、第2の絶縁性材料46は、Si、Al、HfN、HfO、HfY、BN、AlN、SiC、ダイヤモンド、ダイヤモンド・ライク・カーボン、Si、Hf、HfO、HfY、BN、およびAlNのうちの2つ以上を含む。他の実施形態に関連して本明細書に図示および/または説明されるような任意の他の属性または態様が使用されてもよい。
【0019】
材料/領域28、31、34、40、36、42、および46は、本発明の一実施形態によるトランジスタ55の例示の一実施形態を構成し、そのような実施形態において、トランジスタ55は、電荷貯蔵材料を含む不揮発性のプログラム可能なトランジスタである。
【0020】
一実施形態では、材料42および46について上記の具体的に述べられた組成材料のいずれを含むかに関係なく、第2の絶縁性材料46は、(a)、(b)、および(c)のうちの少なくとも1つを有し、ただし、(a)は、第1の材料42よりも低い酸素拡散率であり、(b)は、正味の正電荷(すなわち、負電荷がやはり存在し得るとしても正であり、一定の正電荷密度としても知られる全電荷または総電荷)であり、(c)は、第1の材料42よりも少なくとも2倍大きい剪断強度である。一実施形態では、第2の絶縁性材料46は、(a):第1の材料42よりも低い酸素拡散率を有し、そのような一実施形態では、600℃で5×10-11/cm以下の酸素拡散率を有し、そのような一実施形態では、第1の材料42よりも少なくとも2倍低い酸素拡散率を有し、そのような一実施形態では、第1の材料42よりも少なくとも10倍低い酸素拡散率を有する。一実施形態では、第2の絶縁性材料46は、(b):正味の正電荷を有し、そのような一実施形態では、少なくとも5.0×1012/cmの正味の正電荷を有する。一実施形態では、第2の絶縁性材料46は、(c):第1の材料42よりも少なくとも2倍大きい剪断強度を有し、そのような一実施形態では、少なくとも200GPaの剪断強度を有し、そのような一実施形態では、第1の材料42よりも少なくとも4倍大きい剪断強度を有する。例として、いくつかの可能な第2の絶縁体材料46の剪断強度は、Si:250から310GPa、Al:400GPa、BN:440GPa、AlN:350GPa、SiC:480GPa、ダイヤモンド:1050GPa、およびダイヤモンド・ライク・カーボン:200GPaである。例示のSiO第1の材料は、50から80GPaの典型的な剪断強度を有する。
【0021】
一実施形態では、第2の絶縁性材料46は、(a)、(b)、および(c)のうちの1つのみを有する。一実施形態では、第2の絶縁性材料46は、(a)、(b)、および(c)のうちの2つのみを有する。一実施形態では、第2の絶縁性材料46は、(a)、(b)、および(c)の3つ全部を有する。一実施形態では、チャネル材料36は、結晶シリコンを含み、第1の絶縁性材料42は、Si(それぞれ0よりも大きいxおよびy)を含み、第2の絶縁性材料46は、Siを含む。他の実施形態に関連して本明細書に図示および/または説明されるような任意の他の属性または態様が使用されてもよい。
【0022】
図4は、メモリ・アレイ12aの別の例示の実施形態を例示する構造10aを示す。上述した実施形態と同じ番号が、適切な場所に使用されており、いくらかの構造の違いは、添字「a」を用いて示される。例示のメモリ・セル30aは、トランジスタ55aを個々に備える。例示の電荷ブロック材料32a、電荷貯蔵材料34a、およびゲート絶縁体材料40aは、構造10aにおける垂直スタック16に全て沿って延びるのではない。電荷ブロック材料32aは、電荷貯蔵材料34aを部分的に囲む。他の実施形態に関連して本明細書に図示および/または説明されるような任意の他の属性または態様が使用されてもよい。
【0023】
トランジスタ55および55aは、例示の高さ方向に延びるトランジスタであり、これは、一実施形態では、垂直または垂直の10°以内であることが知られている。代替の一例として、トランジスタは、高さ方向に延びるのではなく、例えば、図5に示されるように構造10bの水平トランジスタ55bであってもよい。上述した実施形態の同じ番号は、適切な場所に使用されており、いくらかの構造の違いは、添字「b」を用いて、または異なる番号で示される。トランジスタ55bは、制御ゲート28b、電荷ブロック領域32b、電荷貯蔵材料34b、および絶縁の電荷通過材料40bを含む。一対のソース/ドレイン領域70および72は、半導体ベース材料71内にある。チャネル領域36bは、半導体ベース材料71内に、およびソース領域70とドレイン領域72との間にあり、チャネル領域36bは、電荷通過材料40bの下にある。第1および第2の絶縁性材料42bおよび46bは、図示されるように与えられる。交互構造(例えば、半導体オン絶縁体)が使用され得るが、半導体材料71はバルク材料として示される。他の実施形態に関連して本明細書に図示および/または説明されるような任意の他の属性または態様が使用されてもよい。
【0024】
個々に図示および説明されるようなそれぞれの例示のトランジスタ55、55a、および55bは、例えば制御ゲート、この制御ゲートに隣接した電荷ブロック領域、この電荷ブロック領域に隣接した電荷貯蔵材料、およびチャネル材料と電荷貯蔵材料との間のゲート絶縁体を備えた不揮発性のプログラム可能なトランジスタを含む。本発明の実施形態は、揮発性トランジスタも包含し、例えば、あるものは、いかなる電荷貯蔵材料も持たず、そのようなトランジスタのアレイを含む。一例として、図6は、構造10cの代替の一実施形態の水平トランジスタ55cを示す。上述した実施形態の同じ番号は、適切な場所に使用されており、いくらかの構造の違いは、添字「c」を用いて示される。トランジスタ55cは、ゲート28c(例えば、行方向[図示せず]に複数のトランジスタ[図示せず]を相互接続するアクセス線[別々に図示せず])の一部として含み、図1図5の構造のいかなる電荷貯蔵材料も持たないものとして示される。もちろん、トランジスタ55cは、水平に向けられる(図示せず)もの以外であってもよい。他の実施形態に関連して本明細書に図示および/または説明されるような任意の他の属性または態様が使用されてもよい。
【0025】
本発明の一実施形態は、メモリ・アレイ、例えば、図1図4のいずれかの実施形態に示されるようなメモリ・アレイを形成するのに使用される方法を含む。例示のそのような方法は、図7図9を参照して説明され、それによって図1図3の例示の完成構造をもたらす。上述した実施形態からの同じ番号は、先の構造、領域など/その先の材料に使用されたものである。構造の実施形態を参照して本明細書に図示および/または説明されるようないずれかの属性または態様は、方法の実施形態に使用されてもよい。同様に、方法の実施形態を参照して本明細書に図示および/または説明されるようないずれかの属性または態様は、構造の実施形態に使用されてもよい。
【0026】
図7を参照すると、そのようなものは、異なる組成材料の交互する階層18および20を含む垂直スタック16を備えたアセンブリまたは構造10を備える図1の構造の前の構造を示す。交互する階層(例えば、18)の異なる(すなわち、少なくとも1つの)組成材料および対応するものの1つは、絶縁であり、例えば、絶縁材料24を含む。例として、加工は、いわゆる「ゲート・ファースト」または「ゲート・ラスト」加工によって行われ得る。それにもかかわらず、アセンブリ/構造10は、少なくとも導電性制御ゲート材料22と、スタック16を通じて高さ方向に延びる非結晶チャネル材料36の中空チューブ35とを備える。例示のチャネル材料は、上述したもののいずれかを含み、そのようなチャネル材料は、図示および説明したプロセスにおいてこの点で非結晶である。
【0027】
図8を参照すると、絶縁体材料42の中空チューブ39は、これ以上で非結晶チャネル材料36が結晶になる結晶化温度未満の温度で非結晶チャネル材料36の中空チューブ35の径方向内側(例えば、側37)に隣接して形成されている。この文献では、「非結晶」は、少なくとも90体積%の非結晶相を必要とし、「結晶」は、少なくとも90体積%の結晶相を必要とする(すなわち、結晶相が1つであるか複数であるかにかかわらず、少なくとも90体積%の全結晶度を意味する)。異なる半導体チャネル材料は、これ以上で非結晶から結晶へそのような転移/変換がある異なる結晶化温度を有する。そのようなものは、チャネル材料内の導電性を変更するドーパントの種類および/または量に一部応じ得る。例えば、単なる例として、非結晶元素シリコンは、約570℃の結晶化温度を有し、これは、そこに与えられるドーパントの種類および量に応じて約530℃まで低下し得る。絶縁体材料42は、任意の適切な既存または未開発のやり方によって堆積することができる。一例は、5mTorrから10mTorrの圧力、少なくとも175℃のチャック温度、および40から3000sccmの適切な前駆体の流量における誘導結合プラズマ炉内のPECVDである。
【0028】
それにもかかわらず、3つ隣接した絶縁体材料42を有する非結晶チャネル材料36は、非結晶チャネル材料を結晶チャネル材料に変えるために結晶化温度以上の温度を受ける。方法の実施形態によれば、そのようなものは、第2の絶縁性材料46(図8に図示せず)のいずれかがある場合にまたは無い場合に生じることも生じないこともあり得る。しかしながら、一実施形態では、絶縁性材料(例えば、第2の絶縁性材料46)は、非結晶チャネル材料36の側37に直に接して形成される。それにもかかわらず、一実施形態では、非結晶チャネル材料は、元素形態のシリコンを含み、第1の絶縁性材料は、SiOを含み、元素形態のシリコンとSiOの界面は、結晶化の前後に、1eVあたり10から1013回のトラップ/cm、一実施形態では、1eVあたり10から1011回のトラップ/cmの界面トラップの密度を有する。
【0029】
図9を参照すると、一実施形態では、第2の絶縁性材料46の中空チューブ41は、絶縁体/第1の絶縁性材料42の中空チューブ39の径方向内側44に隣接して形成されている。一実施形態では、第2の絶縁性材料46の全部は、非結晶チャネル材料36を結晶チャネル材料36に変える前に形成される。代替の一実施形態では、第2の絶縁性材料46の全部は、非結晶チャネル材料36を結晶チャネル材料36に変えた後に形成される。別の代替の実施形態では、第2の絶縁性材料46の少なくとも一部は、非結晶チャネル材料36を結晶チャネル材料36に変える最中に形成される。続く処理は、図1に示されるように、例えば、固体誘電材料50を有する構造の中央を満たすように行われ得る。
【0030】
本発明による方法は、限定するものではないが水平構造を含む図1図3に示されたもの以外の構造を形成するために使用されてもよい。例えば、今説明したこの方法は、そのトランジスタが高さ方向に延びる、水平向きである、または他の向きであろうとなかろうと、トランジスタのチャネル領域を形成するのに使用されてもよい。
【0031】
一実施形態では、非結晶チャネル材料は、基板の上に形成され、非結晶チャネル材料は、対向した第1および第2の側を有する。絶縁体材料は、これ以上で非結晶チャネル材料が結晶になる結晶化温度未満で(例えば、第2の側が露出されていない場合にはイオン注入を含む、および第2の側が露出されている場合には堆積による)非結晶チャネル材料の第2の側に隣接して形成される。3つ隣接した絶縁体材料を有する非結晶チャネル材料は、非結晶チャネル材料を結晶チャネル材料に変えるために結晶化温度以上の温度を受ける。他の実施形態に関連して本明細書に図示および/または説明されるような任意の他の属性または態様が使用されてもよい。
【0032】
一実施形態では、第1の絶縁性材料は、これ以上で非結晶チャネル材料が結晶になる結晶化温度未満で非結晶チャネル材料の第2の側に隣接して形成される。第1の絶縁性材料は、対向した第1および第2の側を有する。第1の絶縁性材料の第1の側は、非結晶チャネル材料の第2の側に隣接している。第1のチャネル材料が形成されるものからの異なる組成物の第2のチャネル材料は、第1の絶縁性材料の第2の側に隣接している。3つ隣接した第1の絶縁性材料を有する非結晶チャネル材料は、非結晶チャネル材料を結晶チャネル材料に変えるために結晶化温度以上の温度を受ける。他の実施形態に関連して本明細書に図示および/または説明されるような任意の他の属性または態様が使用されてもよい。
【0033】
本発明の方法の実施形態は、メモリ・セルの高さ方向に延びるストリングにおけるストリング電流の改善、プログラム可能な電荷貯蔵トランジスタ中を通り抜けるチャネルの改善、その結晶化前の非結晶チャネル材料の後側のパッシベーション、およびそこに直接対する絶縁体材料を用いたチャネルの後側の界面トラップの密度の減少のうちの任意の1つまたは複数という結果になり得る。
【0034】
この文献では、別段の指定がない限り、「高さ方向」、「より高い」、「上側」、「下側」、「上部」、「頂点」、「底部」、「上方」、「下方」、「下」、「真下」、「上」、および「下方」は、概して垂直方向に対する。「水平」は、主基板面に沿ったおおよその方向(すなわち、10度以内)を指し、製造中これに対して基板は処理されることになり得、垂直は、それにほぼ直交する方向である。「正確に水平」の言及は、主基板面に沿った方向(すなわち、そこからゼロ度)であり、製造中これに対して基板が処理されることになり得る。さらに、本明細書に使用されるとき「垂直の」および「水平」は、互いに対してほぼ直角の方向であり、3次元空間内の基板の向きに関係ない。さらに、「高さ方向に延びる」および「高さ方向に延びている」は、正確に水平から少なくとも45°だけ離れるように角度付けられている方向を指す。さらに、電界効果トランジスタに関して「高さ方向に延びる」および「高さ方向に延びている」はトランジスタのチャネル長さの向きに対し、これに沿って電流は、ソース/ドレイン領域間で動作時に流れる。バイポーラ接合トランジスタの場合、「高さ方向に延びる」および「高さ方向に延びている」は、電流がエミッタとコレクタの間で動作時に沿って流れるベース長の向きを指す。
【0035】
さらに、「ちょうど上」および「ちょうど下」は、2つの積み重ねられた領域/材料/構成要素が互いに対して少なくともいくらか横方向に(すなわち、水平に)重なり合うことを必要とする。また、「ちょうど」が先立っていない「上方」の使用は、他方の上方にある上記の領域/材料/構成要素のある一部が(すなわち、2つの上記の領域/材料/構成要素に何らかの横方向の重なり合いがあるかに関係なく)他方の高さ方向外向きにあることをただ要求する。類似的に、「ちょうど」が先立っていない「下に」の使用は、他方の下にある上記の領域/材料/構成要素のある一部が(すなわち、2つの上記の領域/材料/構成要素に何らかの横方向の重なり合いがあるかに関係なく)他方の高さ方向に内側にあることをただ要求する。
【0036】
本明細書に示された材料、領域、および構造のいずれかは、均一であっても、または均一でなくてもよく、それもかかわらず、そのようなものが上にある任意の材料の上で連続的または断続的であり得る。さらに、特に定めがない限り、各材料は、任意の適切な技法または未開発の技法を用いて形成されてもよく、原子層の堆積、化学蒸着の堆積、物理蒸着の堆積、エピタキシャル成長、拡散ドーピング、およびイオン注入が例である。
【0037】
さらに、「厚さ」はそれだけで(先行する方向の形容詞なし)は、異なる組成物の直接隣接した材料のまたは直接隣接した領域の最も近い表面から直角を成す所与の材料または領域を通じた平均直線距離として定義される。さらに、本明細書に説明された様々な材料または領域は、ほぼ一定の厚さまたは不定の厚さであり得る。不定の厚さの場合、厚さは、特段示されない限り、平均の厚さを指し、そのような材料または領域は、厚さが不定であるので、ある最小の厚さおよびある最大の厚さを有する。本明細書に使用されるとき、「異なる組成物」は、例えば、そのような材料または領域が均一でない場合、互いに直に接して得る2つの上記の材料また領域が、化学的および/または物理的に異なることをただ必要とする。2つの上記の材料または領域が、互いに直に接していない場合、「異なる組成物」は、そのような材料または領域が均一でない場合、互いに最も近い2つの上記の材料または領域のそれらの一部が、化学的および/または物理的に異なることをただ必要とする。この文献では、材料、領域、または構造は、上記の材料、領域、または構造の互いに対しての物理的タッチによる接触が少なくともいくらかあるときに、別のもの「に直に接している」。対照的に、「の上に」、「上に」、「隣接して」、「沿って」、および「直に」が先立っていない「接して」は、介在する材料、領域、または構造により、結果的に上記の材料、領域、または構造の互いに対する物理的タッチによる接触にならない構成だけでなく、「~に直に接している」を包含する。
【0038】
本明細書中、領域/材料/構成要素は、通常の動作において、電流が一方から他方へ連続的に流れることができる場合、互いに対して「電気的に結合」され、原子内部で起こる正電荷および/または負電荷が十分に生成されるときにそのようなものの移動によって主にそうなる。別の電子部品は、領域/材料/構成要素の間にあってもよく、および領域/材料/構成要素に電気的に結合されてもよい。対照的に、領域/材料/構成要素が「直接電気的に結合される」と呼ばれるとき、介在する電子部品は、直接電気的に結合された領域/材料/構成要素間に無い(例えば、ダイオード、トランジスタ、抵抗器、変換器、スイッチ、ヒューズなどは無い)。
【0039】
さらに、「金属材料」は、元素金属、2つ以上の元素金属の混合物または合金、および任意の導電性金属化合物のいずれか1つまたは組合せである。
【0040】
結論
いくつかの実施形態では、トランジスタは、対向した第1および第2の側を有するチャネル材料を含む。ゲートは、チャネル材料の第1の側にあり、ゲート絶縁体は、ゲートとチャネル材料との間にある。第1の絶縁性材料は、対向した第1および第2の側を有し、第1の側が、チャネル材料の第2の側に隣接している。第1の絶縁性材料の組成物とは異なる組成物の第2の絶縁性材料は、第1の絶縁性材料の第2の側に隣接している。第2の絶縁性材料は、(a)、(b)、および(c)のうちの少なくとも1つを有し、ただし、(a):第1の材料よりも低い酸素拡散率、(b):正味の正電荷、および(c):第1の材料よりも少なくとも2倍大きい剪断強度である。いくつかの実施形態では、メモリ・セルの高さ方向に延びるストリングのアレイは、そのようなトランジスタを備える。
【0041】
いくつかの実施形態では、トランジスタは、対向した第1および第2の側を有するチャネル材料を備える。ゲートは、チャネル材料の第1の側にあり、ゲート絶縁体は、ゲートとチャネル材料との間にある。第1の絶縁性材料は、対向した第1および第2の側を有し、第1の側が、チャネル材料の第2の側に隣接している。第1の絶縁性材料は、Si(それぞれ0よりも大きいxおよびy)、Si(それぞれ0よりも大きいx、y、およびz)、Al、ZrO、HfO、Pr、およびTaのうちの少なくとも1つを含む。第1の絶縁性材料の組成物とは異なる組成物の第2の絶縁性材料は、第1の絶縁性材料の第2の側に隣接している。第2の絶縁性材料は、Si、Al、HfN、HfO(それぞれ0よりも大きいxおよびy)、HfY(それぞれ0よりも大きいxおよびy)、BN、AlN、SiC、ダイヤモンド、ダイヤモンド・ライク・カーボン、Si(それぞれ0よりも大きいx、y、およびz)、Hf(それぞれ0よりも大きいx、y、およびz)、HfO(それぞれ0よりも大きいx、y、およびz)、HfY(それぞれ0よりも大きいx、y、およびz)、BN(それぞれ0よりも大きいxおよびy)、およびAlN(それぞれ0よりも大きいxおよびy)のうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、メモリ・セルの高さ方向に延びるストリングのアレイは、そのようなトランジスタを備える。
【0042】
いくつかの実施形態では、トランジスタのチャネル領域を形成する方法は、基板の上に非結晶チャネル材料を形成するステップを含む。非結晶チャネル材料は、対向した第1および第2の側を有する。絶縁体材料は、これ以上で非結晶チャネル材料が結晶になる結晶化温度未満で非結晶チャネル材料の第2の側に隣接して形成される。3つ隣接した絶縁体材料を有する非結晶チャネル材料は、非結晶チャネル材料を結晶チャネル材料に変えるために結晶化温度以上の温度を受ける。
【0043】
いくつかの実施形態では、トランジスタのチャネル領域を形成する方法は、基板の上に非結晶チャネル材料を形成するステップを含む。非結晶チャネル材料は、対向した第1および第2の側を有する。第1の絶縁性材料は、これ以上で非結晶チャネル材料が結晶になる結晶化温度未満で非結晶チャネル材料の第2の側に隣接して形成される。第1の絶縁性材料は、対向した第1および第2の側を有する。第1の絶縁性材料の第1の側は、非結晶チャネル材料の第2の側に隣接している。第1の絶縁性材料の組成物とは異なる組成物の第2の絶縁性材料は、第1の絶縁性材料の第2の側に隣接して形成される。3つ隣接した第1の絶縁性材料を有する非結晶チャネル材料は、非結晶チャネル材料を結晶チャネル材料に変えるために結晶化温度以上の温度を受ける。
【0044】
いくつかの実施形態では、メモリ・アレイを形成するのに使用される方法は、異なる組成材料の交互する階層を備える垂直スタックを含むアセンブリを形成するステップを含む。交互する階層の異なる組成材料および対応するものの一方は、絶縁である。アセンブリは、スタックを通じて高さ方向に延びる非結晶チャネル材料の中空チューブを備える。絶縁体材料の中空チューブは、これ以上で非結晶チャネル材料が結晶になる結晶化温度未満で非結晶チャネル材料の中空チューブの径方向内側に隣接して形成される。3つ隣接した絶縁体材料を有する非結晶チャネル材料は、非結晶チャネル材料を結晶チャネル材料に変えるために結晶化温度以上の温度を受ける。
【0045】
いくつかの実施形態では、メモリ・アレイを形成するのに使用される方法は、異なる組成材料の交互する階層を備える垂直スタックを含むアセンブリを形成するステップを含む。交互する階層の異なる組成材料および対応するものの一方は、絶縁である。アセンブリは、スタックを通じて高さ方向に延びる非結晶チャネル材料の中空チューブを備える。第1の絶縁性材料の中空チューブは、これ以上で非結晶チャネル材料が結晶になる結晶化温度未満で非結晶チャネル材料の中空チューブの径方向内側に隣接して形成される。第2の絶縁性材料の中空チューブは、第1の絶縁性材料の中空チューブの径方向内側に隣接して形成される。3つ隣接した第1の絶縁性材料を有する非結晶チャネル材料は、非結晶チャネル材料を結晶チャネル材料に変えるために結晶化温度以上の温度を受ける。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9