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特許7265564互いに電磁的に遮蔽された2つの領域を備えたハウジングを含む電気又は電子デバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-18
(45)【発行日】2023-04-26
(54)【発明の名称】互いに電磁的に遮蔽された2つの領域を備えたハウジングを含む電気又は電子デバイス
(51)【国際特許分類】
   H05K 9/00 20060101AFI20230419BHJP
   H02M 7/48 20070101ALI20230419BHJP
   H05K 5/04 20060101ALI20230419BHJP
   H01L 23/00 20060101ALI20230419BHJP
【FI】
H05K9/00 C
H02M7/48 Z
H05K5/04
H01L23/00 C
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2020567813
(86)(22)【出願日】2019-06-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-09-27
(86)【国際出願番号】 EP2019064615
(87)【国際公開番号】W WO2019234084
(87)【国際公開日】2019-12-12
【審査請求日】2022-03-14
(31)【優先権主張番号】102018113409.6
(32)【優先日】2018-06-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】515078095
【氏名又は名称】エスエムエイ ソーラー テクノロジー アクティエンゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】SMA Solar Technology AG
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【弁理士】
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100198650
【弁理士】
【氏名又は名称】小出 宗一郎
(72)【発明者】
【氏名】マーティン ジューバ
【審査官】小林 大介
(56)【参考文献】
【文献】特開平8-330780(JP,A)
【文献】国際公開第2017/141784(WO,A1)
【文献】実開平1-110492(JP,U)
【文献】特開2009-266907(JP,A)
【文献】特開2014-103166(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0063810(US,A1)
【文献】特開2000-208981(JP,A)
【文献】特開平5-145262(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 9/00
H05K 5/00- 5/06
H02M 7/48
H01L 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
後壁(10)と、前記後壁(10)を周方向に囲む側壁(16)とを含むハウジング(3)を備えた電気又は電子デバイス(30)であって、
前記ハウジング(3)には、第1の領域(1)及び第2の領域(2)が含まれており、前記第1の領域(1)は、電磁両立性(EMC)に関する前記第2の領域(2)からの遮蔽を含み、
前記ハウジング(3)は、前記側壁(16)及び/又は前記後壁(10)の内側に段状突起部(4)を含み、
電磁両立性のための前記遮蔽は、遮蔽板(5)を含み、前記遮蔽板(5)を用いて前記第1の領域(1)は前記第2の領域(2)から区切られ、前記側壁(16)及び/又は前記後壁(10)への前記遮蔽板(5)の電気的接続は、前記遮蔽板(5)を区切る周辺領域が、少なくとも前記周辺領域の長さの大部分に沿って、前記段状突起部(4)と面的に重なり合い、前記段状突起部(4)上に留められるという点において形成され、
前記ハウジング(3)の前記後壁(10)は、前記第1の領域(1)の底面と前記第2の領域(2)の底面の両方を形成し、前記遮蔽板(5)の少なくとも一部は、前記後壁(10)上に平らに置かれ、それによって前記後壁(10)に直接電気的に接触すること、又は
前記ハウジング(3)内の前記後壁(10)の上に延びる金属板(7)が、前記第1の領域(1)の底面と前記第2の領域(2)の底面の両方を形成し、前記遮蔽板(5)の少なくとも一部は、前記金属板(7)上に平らに置かれ、それによって前記金属板(7)に直接電気的に接触すること
を特徴とする、電気又は電子デバイス(30)。
【請求項2】
前記遮蔽板(5)は、前記第1の領域(1)に配置された構成部品を前記第2の領域(2)に配置されたさらなる構成部品に電気的に接続するケーブル又はバスバーを導出するための隙間(6)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の電気又は電子デバイス(30)。
【請求項3】
前記遮蔽板(5)は、プラグイン接続のコネクタ部が取り付けられる開口部を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の電気又は電子デバイス(30)。
【請求項4】
前記ハウジング(3)は、前記ハウジング(3)の前記後壁(10)の反対側に配置され、前記側壁(16)の周縁(15)上に留められた、解放可能なカバー(27)を含むことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の電気又は電子デバイス(30)。
【請求項5】
前記第1の領域(1)は、前記後壁(10)と前記遮蔽板(5)との間に配置され、一方前記第2の領域(2)は、前記遮蔽板(5)と前記カバー(27)との間に配置されることを特徴とする、請求項4に記載の電気又は電子デバイス(30)。
【請求項6】
前記段状突起部(4)は、前記側壁(16)の前記内側に配置されて前記ハウジング(3)の内周を完全に囲み、任意に、前記遮蔽板(5)を区切る前記周辺領域は、いかなるギャップもなく前記段状突起部(4)と重なり合うことを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の電気又は電子デバイス(30)。
【請求項7】
前記ハウジング(3)は、前記後壁(10)に垂直に方向づけられたハウジング寸法に沿って内側と外側の両方に段状に構築され、その結果、前記内側突起部(4)は、前記ハウジング(3)の前記側壁(16)に沿って少なくとも部分的に延びる、対応する外側突起部(14)を有することを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の電気又は電子デバイス(30)。
【請求項8】
前記段状突起部(4)は、複数の補強材(19)を含むことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の電気又は電子デバイス(30)。
【請求項9】
前記遮蔽板(5)は、前記段状突起部(4)上に解放可能に留められ、特に前記段状突起部(4)と螺合されることを特徴とする、請求項1~8のいずれか一項に記載の電気又は電子デバイス(30)。
【請求項10】
前記電気又は電子デバイス(30)は、インバータとして、特に太陽光発電(PV)インバータとして形成されることを特徴とする、請求項1~9のいずれか一項に記載の電気又は電子デバイス(30)。
【請求項11】
前記ハウジング(3)の前記第1の領域(1)には、前記インバータの電力電子部品、例えば半導体スイッチ(21)、前記半導体スイッチ(21)用の駆動回路(22)、及び/又はEMCフィルタなどが含まれており、
一方前記第2の領域(2)には、前記インバータをDC電流源、特にPV発電機に接続するための接続部品、前記インバータをAC電流シンク、特にエネルギー供給網に接続するための接続部品、及び/又は分離要素、例えばリレーが含まれている
ことを特徴とする、請求項10に記載の電気又は電子デバイス(30)。
【請求項12】
前記ハウジング(3)は、ダイカストハウジングとして、特にアルミニウムダイカストハウジングとして形成されることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の電気又は電子デバイス(30)。
【請求項13】
前記遮蔽板(5)の前記周辺領域は、前記段状突起部(4)と面的に重なり合わない領域において、前記ハウジングの側壁(16)又は後壁(10)との弾性電気接点を提供する折り曲げられたばね接点(32)を含むことを特徴とする、請求項1~12のいずれか一項に記載の電気又は電子デバイス(30)。
【請求項14】
前記ハウジング(3)の前記後壁(10)又は前記側壁(16)は、ヒートシンク(17)によって覆われた隙間(18)を含み、前記ヒートシンク(17)は、前記後壁(10)又は前記側壁(16)の外側に配置され、前記外側に留められていることを特徴とする、請求項1~13のいずれか一項に記載の電気又は電子デバイス(30)。
【請求項15】
前記遮蔽板(5)は、前記ハウジング(3)からの前記遮蔽板(5)の容易な取り外しを行う取り外しデバイスを含み、前記取り外しデバイスは、隙間、ラグ(33)として周りを曲げられた周辺領域、又は前記遮蔽板(5)上に留められた小穴(31)を含むことを特徴とする、請求項1~14のいずれか一項に記載の電気又は電子デバイス(30)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、互いに電磁的に遮蔽された2つの領域を含むハウジングを備えた電気又は電子デバイスに関する。領域は、互いに閉鎖され、互いとの空気の交換を全く許さない領域として、共通のハウジング内にそれぞれ形成され得る。しかしながら、代わりに、領域を閉鎖されたように形成せず、開口部を通して互いに接続することも可能であり、開口部を介して領域間で空気の交換を行うことができる。電気又は電子デバイスは、デバイス内で高周波で動作し、干渉電磁放射を引き起こす構成部品、例えば半導体スイッチを含む。干渉放射は、通常、デバイスの動作における望まれない副作用であるが、それは、完全に回避することができず、デバイスの他の構成部品の動作に悪影響を与えることがある。加えて、デバイスによって外向きに発せられる干渉放射は、関連ガイドライン/規格によって指定された限界値に従う。それゆえ、デバイスの内部における、及び該当する場合加えて同様に外側にデバイスの周囲エリアへの干渉放射は、それに応じて遮蔽されなければならない。
【背景技術】
【0002】
互いに電磁的に遮蔽された2つの領域を備えた従来の電気又は電子デバイスの場合、金属ハウジング内、例えばダイカストハウジング内に配置された金属遮蔽板を用いて遮蔽を提供することが知られている。遮蔽板は、ハウジングの内部で、遮蔽板の片側に配置された第1の領域を遮蔽板の反対側に配置された第2の領域から分離する。この目的で、遮蔽板は、ハウジングの後壁又は側壁に取り付けられた突出マウンティング上に装着される。金属製の突出マウンティングは、ハウジング内で遮蔽板を固定し、同時にそれをハウジングに電気的に接続する効果を有する。しかしながら、このようにしてハウジング内に留められた遮蔽板の遮蔽効果は、-少なくとも、生産を妥当な支出内に収めることを考慮する場合-必ずしも適切であるとは限らない。これに対する理由の1つは、遮蔽板が装着される隣接した突出マウンティング間の比較的遠い距離である。相対的に遠い距離は、周波数が増加するにつれて、すなわち波長が短くなるにつれて、遮蔽するべき高周波干渉信号に対してより透過的になる。別の理由は、遮蔽板と突出マウンティング-ひいてはハウジング-との間の局所的に制限された電気接点が十分に低いインピーダンスで形成されないことである。他方、突出マウンティングの数を増加させることは、具体的に材料の観点からも、具体的にプロセスの観点からも、電気デバイスの生産における過度に増加した支出を伴う。従来のハウジングの場合、側壁又は後壁上に突出マウンティングを取り付ける努力を回避するために、ダイカストプロセス中にハウジングの側壁又は後壁上に個々の突出マウンティングを成形することが同様に知られている。しかしながら、これにより複雑さが増加することが多く、結果としてダイカスト金型を作成することが困難になる。
【0003】
文献米国特許第6,275,683B1号明細書は、長方形の壁構造を備えたフレームと、フレームに嵌合し、摩擦、締り嵌め、又はスナップ機構によってフレーム内に保持される遮蔽インサートとを含む、無線電話用の電磁遮蔽を開示している。
【0004】
文献米国特許第4,884,171号明細書は、アルミニウムの外側ハウジングを備えた遮蔽デバイスを開示している。外側ハウジングは、導電性デッキによって閉じられる開口頂部を有する。導電要素間の接続のために、間隔の狭いねじ、高導電性仕上げ及びEMIガスケットが使用される。
【0005】
文献米国特許出願公開第2011 0063810A1号明細書は、キャビティを有するハウジング、第1及び第2のプリント回路基板を備えた低ノイズコンバータを開示している。第1のプリント回路基板の表面に金属層が配置される。第2のプリント回路基板は、チップを有し、キャビティ内に配置される。チップから放射される電磁界を遮蔽するために、第1のプリント回路基板は、金属層がキャビティに面するように、キャビティを囲む支持面上に置かれる。
【0006】
文献欧州特許出願公開第1996004A1号明細書は、コイル状ワイヤ製品を受け入れるためにハウジングの底部に配置された少なくとも1つの凹部を備えたインバータ用ハウジングを開示しており、この凹部は、仕切りシートによって覆うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、第1及び第2の領域を備え、第1の領域が第2の領域に関連した電磁両立性(electromagnetic compatibility:EMC)のための遮蔽を含む、特許請求項1のプリアンブルによる電気又は電子デバイスを提供する問題に対処する。この場合、遮蔽は、特に容易且つ安価に提供され得る。それは同様に、遮蔽するべき領域の配置及びサイズにおける高い自由度と同時に、デバイスの構成部品の可能な限り高い実装密度を達成するように意図される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によって対処される問題は、独立特許請求項1の特徴を備えた電気又は電子デバイスによって解決される。従属特許請求項2~15は、電気又は電子デバイスの好ましい実施形態を対象とする。
【0009】
本発明による電気又は電子デバイスは、後壁と、後壁を周方向に囲む側壁とを含む、ハウジングを含む。ハウジングには、第1の領域及び第2の領域が含まれており、第1の領域は、電磁両立性(EMC)に関する第2の領域からの遮蔽を含む。この場合、デバイスのハウジングは、側壁及び/又は後壁の内側に段状突起部を含む。そのうえ、電磁両立性のための遮蔽は遮蔽板を含み、それを用いて第1の領域は第2の領域から区切られる。側壁及び/又は後壁への遮蔽板の電気的接続は、遮蔽板を区切る周辺領域が、少なくともその長さの大部分に沿って、段状突起部と面的に重なり合い、その上に留められるという点において形成される。デバイスは、ハウジングの後壁が第1の領域の底面と第2の領域の底面の両方を形成し、遮蔽板の少なくとも一部が後壁上に平らに置かれ、それによって後壁に直接電気的に接触すること、又は、ハウジング内の後壁の上に延びる金属板が第1の領域の底面と第2の領域の底面の両方を形成し、遮蔽板の少なくとも一部が金属板上に平らに置かれ、それによって金属板に直接電気的に接触することを特徴とする。
【0010】
本発明による電気デバイスの場合、カバーと後壁との間の任意の所望の接続線に沿って、同数の領域を配置することが可能である。これは、いずれの場合にもただ1つの領域としてもよく、又はいずれの場合にもいくつかの領域としてもよい。しかしながら、これに代わるものとして、カバーと後壁との間の第1の接続線に沿って第1の数の領域、特にただ1つの領域を配置し、それと対照的に、第1の数と異なる第2の数の領域、特に2つの領域をカバーと後壁との間の第2の接続線に沿って配置することが同様に可能である。いずれの場合も、遮蔽板の一部を後壁上又は後壁の上に延びる金属板上に平らに置くことができる。後壁上又は金属板上に置かれている部分は、有利には遮蔽板の折り曲げられた周辺領域である。遮蔽板が平らに置かれることは、周辺領域の大部分に沿って遮蔽板と後壁との間又は遮蔽板と金属板との間に直接且つ途切れない電気接点を作り出す効果を有する。
【0011】
後壁と側壁の両方は、大抵は金属、例えばアルミニウムを含む。後壁及び側壁は、有利には、完全に金属から作り出される。後壁及び側壁は、それぞれ、1つの部品の形をとってもよく、さもなければいくつかの相互接続セグメントの形をとってもよい。後壁及び側壁は、互いに解放可能に又は解放不可能に接続することができる。後者の場合、ハウジングは、例えば深絞り又はダイカストプロセスによって作り出されたハウジングの形をとり得る。遮蔽板は、大部分、有利には完全に、金属から形成される。遮蔽板は、同様に、1つの部品の形をとってもよく、さもなければいくつかの相互接続セグメントの形をとってもよい。同じことが金属板に同じく当てはまる。段状突起部は、少なくともある特定の領域で、平面形態である支持面を含む。遮蔽板を区切る周辺領域が、その長さの大部分に沿って、段状突起部、特にその支持面と面的に重なり合い、その上に留められることは、遮蔽板と側壁、金属板及び/又は後壁との間の表面加圧を通して平らな形の電気接点がそこに形成されることを意味する。したがって、遮蔽板は、その周辺領域の大部分に沿って、透過的に、直接且つ即座に、側壁、後壁及び/又は金属板に電気的に接続される。平らな形の電気接点は、遮蔽板の周辺領域のうち、側壁、後壁及び/又は金属板に接続されていない部分が最小限に低減され、有利には完全に回避されさえするという効果を有する。これは、遮蔽板の反対側に配置された第2の領域に関連した、遮蔽板の片側に配置された第1の領域の優れた電磁遮蔽をもたらす。互いに関連した領域の遮蔽は、側壁及び/又は後壁に対する遮蔽板の電気的接続が金属突出マウンティングを通して孤立点においてのみもたらされる、従来の変形形態の遮蔽よりもはるかに良好である。同時に、段状突起部は、側壁上に容易にもたらすことができ、該当する場合同様にハウジングの後壁上に容易にもたらすことができる。具体的には、突起部は、例えば多段式深絞りプロセスにおいて、ハウジングの側壁上に形成され得る。ハウジング、又はハウジングの部品が、ダイカストプロセスを通して作り出される場合、段状突起部は、ハウジングのダイカスト金型内、又はハウジング部品上に提供され得る。段状突起部は、したがって、側壁又はハウジングの一体部品である。従来のハウジングの場合に必要な、ハウジングの後壁及び/又は側壁上への個々の突出マウンティングの取り付けの必要がない。本発明によるデバイスの場合、ダイカスト金型の側壁及び/又は後壁上の段状突起部の成形は、はるかに容易に実施することができる。段状突起部は、同様に、側壁に沿って、又はハウジングに沿って異なる高さで延びることができる。例えば、それは、ハウジングの第1の高さから第2の高さまで延在する傾斜した構成部品を含み得る。このようにして、互いに関連した第1及び第2の領域の設計及び配置において大きな自由度が得られる。大きな自由度の結果として、構成部品の高い実装密度及び-結果として-電気又は電子デバイスの極めてコンパクトな構造形態を達成することができる。要約すると、第2の領域に関連した第1の領域の電磁遮蔽が著しく改善された2つの領域を含むデバイスが得られる。電気又は電子デバイスは、同様に、安価に、且つ簡単な方法で作り出すことができる。
【0012】
電気又は電子デバイスの有利な一実施形態で、遮蔽板は、ケーブル又はバスバーを導出するための隙間を含む。ケーブル又はバスバーを用いて、第1の領域に配置された構成部品を第2の領域に配置されたさらなる構成部品に電気的に接続することができる。隙間は、遮蔽板の周辺領域に配置することができる。代わりに又は加えて、隙間は、同様に、遮蔽板の内部領域に、換言すれば遮蔽板の周辺領域から離れて、開口部として形成されてもよい。遮蔽板は、同様に、プラグイン接続のコネクタ部が取り付けられる開口部を含み得る。コネクタ部は、雄又は雌形状のコネクタ部とすることができる。相補的な形態の嵌合コネクタをコネクタ部に接続することができ、それは次に、第1の領域に配置された構成部品を第2の領域に配置されたさらなる構成部品に電気的に接続するために使用することができる。隙間又は開口部が必然的に伴う電磁遮蔽のわずかな局所的弱化は、この場合許容することができる。隙間又は開口部の寸法が十分に小さければ、それは無視できる。
【0013】
電気又は電子デバイスの1つの実施形態で、ハウジングは、ハウジングの後壁の反対側に配置され、側壁の周縁上に留められた、解放可能なカバーを含む。この実施形態の一変形形態で、第1の領域は、後壁と遮蔽板との間に配置することができ、一方第2の領域は、遮蔽板とカバーとの間に、遮蔽板の反対側に配置することができる。第1の領域及び/又は第2の領域は、したがって、後壁とカバーとの間に少なくとも部分的に上下に配置され、該当する場合、同様に完全に上下に配置される。
【0014】
段状突起部が側壁の内側に配置されている電気又は電子デバイスの一実施形態で、段状突起部は、部分的にだけでなく、完全にハウジングの内周を囲む。この場合、遮蔽板を区切る周辺領域は、何もギャップなく、又は局所的に制限されたギャップとして少なくとも1つの隙間を伴って、段状突起部と重なり合うことができる。この実施形態では、第1の領域だけがハウジングの後壁に隣接している。
【0015】
さらなる一実施形態で、段状突起部は、複数の補強材を含む。補強材は、側壁の局所的な円錐状又は円筒状の肥厚として形成され得る。階段状突起部の支持面で始まって、それらは、後壁に垂直な方向に側壁に沿って、後壁の方向又は後壁から離れる方向に延在し得る。側壁のそのような補強材は、特に、電気又は電子デバイスのハウジングがダイカストハウジングとして、特にアルミニウムダイカストハウジングとして形成されるときはいつでも有利である。補強材は、ダイカストハウジングのダイカスト金型に容易に組み込むことができる。それらは、ダイカストプロセスを実行した後、ダイカストハウジングがダイカスト金型から解放されるときに力を吸収する目的を果たす。
【0016】
1つの実施形態で、段状突起部は、側壁の高さの範囲、すなわち、ハウジングの後壁に垂直に方向づけられた側壁の範囲に対して、少なくとも大部分、側壁の高さの中間領域に配置される。この場合、高さの中間領域は、側壁のそれぞれの高さの20%~80%の間の領域である。このようにして、電気又は電子部品を配置するための十分な空間が、デバイス内で高さの範囲の方向に段状突起部の上と下の両方で利用可能である。段状突起部は、側壁の厚さが異なる形をとり得る。例えば、段状突起部の上の部分は、側壁の小さい厚さを含むことができ、一方段状突起部の下の領域は、段状突起部によって増加する側壁の厚さを含む。有利な一実施形態で、電気又は電子デバイスのハウジングは、後壁に垂直に方向づけられたハウジング寸法に沿って内側と外側の両方に段状に構築され、その結果、内側突起部は、ハウジングの側壁に沿って少なくとも部分的に延び、該当する場合完全に延びる、対応する外側突起部を含む。ハウジングが、側壁上に上下に配置されたいくつかの段状突起部を含むことは、同様に可能である。このようにして、側壁の厚さは、側壁の大部分にわたってハウジングの安定性に必要な最小値に保つことができる。これにより、必要なハウジング材料の明確な削減、ひいては著しい軽量化が可能になる。
【0017】
電気又は電子デバイスの遮蔽板を段状突起部に解放不可能に接続することは、原則として可能である。他方、有利な一変形形態で、遮蔽板は、段状突起部上に解放可能に留められ、例えばそこで段状突起部にねじ留めされる。これにより、特にそれぞれの領域に配置された構成部品に関して、その後のデバイスの維持管理が容易に実施可能となる。遮蔽板は、有利には、この目的で、ハウジングからの遮蔽板の容易な取り外しを行うことができる取り外しデバイスを含む。この場合、取り外しデバイスは、手作業で又は補助工具で遮蔽板を把持するのに適している。取り外しデバイスは、例えば、隙間、ラグとして周りを曲げられた周辺領域、又は遮蔽板上に留められた小穴を含み得る。
【0018】
構造設計上、遮蔽板はこれらの領域に沿って同様に案内されるけれども、側壁の高さに沿って段状突起部がない側壁の領域が存在する場合がある。したがって、さらなる予防措置がなければ、側壁の内側とそれに隣接した遮蔽板の周辺領域との間にギャップが作り出されることになる。ギャップの程度によっては、それは互いに関連した領域の電磁遮蔽の不利な欠陥につながる場合がある。電気又は電子デバイスの有利な一変形形態で、少なくとも遮蔽板の周辺領域は、段状突起部と面的に重なり合わない領域において、折り曲げられたばね接点を含み、それは、遮蔽板の周辺領域に隣接する、ハウジングの側壁又は後壁の領域との弾性電気接点を提供する。このようにして、段状突起部と重なり合っていない遮蔽板の周辺領域においても、依然として、十分な電磁遮蔽を得ることができる。
【0019】
電気又は電子デバイスの1つの実施形態で、ハウジングの後壁及び/又は側壁は、ヒートシンクによって覆われた少なくとも1つの隙間を含む。この場合、ヒートシンクは、後壁又は側壁の外側に配置され、その上に留められる。ヒートシンクは、有利には、押し出しプロセスによって作り出されたヒートシンクである。そのようなヒートシンクは、ダイカストプロセスによって作り出されるヒートシンクよりもはるかに安価に作り出すことができる。隙間を覆うことによって、ヒートシンクの表面の一部がハウジングの内部空間に隣接している。このようにして、廃熱を発生させる電力電子部品、例えば半導体スイッチは、外側に装着されたヒートシンク上に直接装着することができ、したがって、効果的且つ安価に冷却することができる。
【0020】
1つの実施形態によれば、電気又は電子デバイスは、スイッチングコンバータとして形成される。スイッチングコンバータは、DCコンバータ(DC/DC)又はインバータ(DC/AC)とし得る。特に、インバータは、太陽光発電(PV)インバータとして形成され得る。デバイスがスイッチングコンバータとして形成される場合、ハウジングの第1の領域には、有利には、高周波信号に基づいて動作するか、高周波信号を発生させるか、又はさらなる電気的に接続された構成部品への高周波信号の伝達を遮断するように意図される、スイッチングコンバータの電力電子部品が含まれている。そのような電力電子部品は、例えば、半導体スイッチ、半導体スイッチ用の駆動回路、及び/又はEMCフィルタを含み得る。ハウジングの第2の領域は、有利には、スイッチングコンバータを入力側の電流源に接続するための接続部品を含む。スイッチングコンバータがインバータとして、特にPVインバータとして形成される場合、電流源は、DC源、特にPV発電機を含み得る。そのうえ、第2の領域には、スイッチングコンバータを電流シンクに接続するための接続部品が含まれていてもよい。スイッチングコンバータがインバータを含む場合、電流シンクはAC電流シンクとして形成され、それは特にエネルギー供給網を含み得る。代わりに又は加えて、分離要素、例えばリレーがスイッチングコンバータの第2の領域に配置され得る。
【0021】
本発明は、図に表される好ましい例示的な実施形態に基づいて、以下にさらに解説され説明される。これらの中で、図1a~図1dは、本発明による電気又は電子デバイスの構築における異なる段階を示す。以下の解説は、そのハウジングが互いに電磁的に遮蔽された2つの領域を含む電気又は電子デバイスとして太陽光発電(PV)インバータの実施例に基づいている。しかしながら、解説は、PVインバータに限定されるものではなく、互いに電磁的に遮蔽される2つの領域を備えた任意の電気デバイスに移し替えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1a】1つの実施形態での本発明によるデバイスの構築における初期段階を示す。
図1b】本発明によるデバイスの構築における図1aに関連した進行した段階を示す。
図1c】本発明によるデバイスの構築における図1bに関連したより進行した段階を示す。
図1d】本発明によるデバイスの構築における図1cに関連したより進行した段階を示す。
図1e図1a~図1dによる、本発明によるデバイスの構築におけるほぼ最終段階を示す。
図2a】さらなる一実施形態での本発明による電気デバイスを通る断面を示す。
図2b図2aからの本発明による電気デバイスの平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1aは、デバイス30としてのPVインバータの実施例での本発明による電気又は電子デバイス30の構築における初期段階を示す。デバイス30は、ダイカストハウジングとして、特にアルミニウムダイカストハウジングとして形成されたハウジング3を含む。ハウジング3は、後壁10と、後壁10を周方向に囲み、後壁10に接続される側壁16とを含む。この場合、図1aに表されるハウジング3は、例として立方体形状である。しかしながら、代わりに、異なるハウジング形態のハウジング、例えば円筒形に構築されたハウジングが同様に可能である。後壁10上に2つの隙間18が配置され、それらは、外側から後壁上に装着されたヒートシンク17(図1b参照)によって覆われる。ヒートシンク17は、例として、押し出し異形材から作り出されたヒートシンクの形で形成される。後壁10の内側に熱交換器20が配置される。熱交換器20は、ハウジング3の内部空間と外部空間の両方に突出した冷却リブを含む。それは、ダイカストプロセスによってハウジング3とともに作り出される、ハウジング3の一体部品として形成される。図1aで、熱交換器20は、例として、内部のファン(図1aに表されていない)を介してハウジング3の外部領域のさらなる空気流に内部空間で発生した空気流の熱エネルギーを放出する、空気/空気熱交換器として形成される。この場合、さらなる空気流は、外部ファン(図1aに表されていない)によって駆動してもよく、さもなければ対流によって発生させてもよい。プリント回路基板及び/又は金属板7(図1c参照)をハウジングに固定し、電気的に接続するための金属突出マウンティング12が、後壁10に内側で取り付けられる。プリント回路基板及び/又は金属板7(図1c参照)をハウジング3に受け入れ、電気的に接続するのに同じく役立つ、さらなる金属突出マウンティング11は、側壁16に取り付けられ、それに直接電気的に接続される。側壁16は、ハウジング3の全周にわたって延在する段状突起部4を内側に含む。突起部4は、少なくともある特定の領域で、平面形態である支持面を含む。外側には、内側突起部4に対応する突起部14が配置される。外側突起部14は、同様に、ハウジング3の全周にわたって側壁16に沿って延びる。このようにして、ハウジング3の段又はテラス状の構造は、後壁10に垂直な方向に作り出される。側壁16は、いくつかの点において、突起部4と後壁10との間に延在する円錐状補強材19を含む。側壁16に沿って、隣接するねじ付きブッシュを備えた周縁15が延びており、その上にカバー27(図1e参照)を留めることができる。ハウジング3は、同様に、第1の領域1及び第2の領域2を含む。しかしながら、構築のこの段階で、2つの領域1、2は、まだ互いに電磁的に遮蔽されていない。領域1、2の配置及び互いの境界は、同様に、図1aではまだ見ることができない。
【0024】
図1bは、図1aからの本発明によるデバイス30の構築における図1aに関連したより進行した段階を示す。後側10の内側に、電子デバイス30の動作中に高周波電気信号を発生させるか、又は高周波電気信号によって動作する電力電子部品を備えた第1のプリント回路基板が配置される。ハウジング3の後壁に近い領域では、高周波信号が原因で発生する干渉放射を防止することができない。しかしながら、それは、さらに上に配置された領域(ここでは、後壁から離れている)のさらなる構成部品から、及び同様に電気デバイス30の周囲エリアから、可能な限りうまく遮蔽されるように意図される。第1のプリント回路基板は、複数の半導体スイッチ21用のいくつかの駆動回路22を含む。動作中に冷却するために、各半導体スイッチ21は、ハウジング3の外側に留められたヒートシンク17上に直接装着され、それゆえ熱的に良好にそれに結合される。第1の回路基板は、同様に、PVインバータのDCリンク回路に割り当てられた多数のコンデンサ23を含む。第1の領域1及び第2の領域2は、第1のプリント回路基板の上に位置している。同様にこの段階で、第1の領域1は依然として第2の領域2から電磁的に遮蔽されておらず、依然として2つの領域1、2の境界は見られない。
【0025】
図1cは、図1bからのデバイス30の構築におけるさらにいっそう進行した段階を示す。後壁から少し離れているが平行に延びる平面内に、プリント回路基板が上に装着された金属板7が配置される。金属板7は、この場合突出マウンティング11、12上に装着され、接続ケーブル(図1cに表されていない)を導出するための隙間6を含む。図1cで、金属板7は、隙間6が原因で、突起部4上に重なり合うように置かれていない。しかしながら、これに代わるものとして、金属板7が同じ高さで延びている突起部4と重なり合うことは、同様に可能である。金属板7は、金属板7の上に配置された電気部品に関連した、金属板7の下に配置された構成部品のための電磁遮蔽を提供する。以下の図1d及び図1eで解説されるように、金属板7は、第1の領域1と第2の領域2の両方の底面を形成する。この場合、第1の領域1は、片側(ここでは左側)に配置され、一方第2の領域は、金属板7の上の反対側(ここでは右側)に配置される。この後、金属板7の片側(ここでは左側)に配置された電気部品を金属板7の反対側(ここでは右側)に配置された構成部品から電磁的に遮蔽することが目的である。
【0026】
図1dは、図1bからの本発明によるデバイス30の構築におけるさらにいっそう進行した段階を示す。金属板7の片側の構成部品は、遮蔽板5によって金属板7の反対側の構成部品から電磁的に遮蔽される。図1dの第1の領域1は、したがって、遮蔽板5によって第2の領域2から分離される。この場合、第1の領域1は、金属板7と遮蔽板5との間に位置しており、一方第2の領域2は、金属板7とカバー27との間に配置され、遮蔽板5とカバー27との間に同様に配置される(図1e参照)。遮蔽板5は、例として、1つの部品として形成される。しかしながら、これに代わるものとして、互いに重なり合って螺合される、いくつかのセグメントでそれを構成することが同様に可能である。それは、その存在範囲の大半にわたって平面的に構築されるが、2つの曲げエッジ28.1、28.2にわたって折り曲げられ、2つの平行に延びる部分エリアを互いに接続する領域を含む。遮蔽板5の周辺領域は、段状突起部4と重なり合い、それと螺合される。遮蔽板5の周辺領域上の1つの点においてのみ、隙間6が配置され、その隙間6を通していくつかのバスバー又はいくつかのケーブルが突出することができる。(隙間は、遮蔽板5の上に配置されたさらなるプリント回路基板によって隠されるので、図1dでは見ることができない)。バスバー及びケーブルは、第1の領域1に配置された電気部品をハウジング3の第2の領域2に配置されたさらなる構成部品に接続するのに役立つ。図1dで、第1の領域1は、遮蔽板5の下に配置され、それゆえ遮蔽板5によって隠されるので、第1の領域1に関連する参照符号は、破線で示される。第2の領域2は、遮蔽板5及び金属板7の上に配置され、可視であり、それゆえ実線形式の表記で指し示される。
【0027】
図1eで、電気又は電子デバイス30の構築におけるほぼ最終段階が表されている。このようにして、-小さい寸法の隙間6を別として-連続的に延びる直接の平らな形の電気接点が、遮蔽板5と側壁16との間の周辺領域の大部分に沿って形成される。加えて、遮蔽板5の周辺領域は、遮蔽板5と金属シート7との間に平らな形の電気接点を含む。第1の領域1は、側壁16の内側に対して平らに、且つ金属板7に対して平らに電気的に接続された遮蔽板5によって、第2の領域2から電磁的にかなり遮蔽される。
【0028】
デバイス30のカバー27と遮蔽板5との間に配置された第2の領域2には、とりわけ、PVインバータの接続部品及び分離要素が位置している。接続部品は、ねじ込み、差し込み、又は締め付けることができる接続要素を含み得る。それらは、接続要素を互いに関連して固定し、それらが短絡するのを防止する追加の保護又は固定要素を含み得る。接続部品により、PVインバータをDC電流源としてのPV発電機に入力側で接続することが可能になる。例として、入力側の接続要素は、ねじ込みケーブルグランドとして形成される(図1eでは隠されているため、可視でない)。この場合、ねじ込みケーブルグランドは、絶縁体26によって囲まれて、それらによって互いに関連して固定され、それによって、短絡を引き起こすことになる、ねじ込みケーブルグランドの互いの接触を防止する。インバータは、電力供給網にAC端子(図1eに表されていない)を通して出力側で接続される。PV発電機への接続、及び同様に電力供給網への接続は、図1eに表されていないさらなる分離要素、例えばリレーを含み得る。第2の領域2、及びハウジング3は、側壁16の周縁15で封止カバー27によって閉め切られる。この目的で、カバー27は、周縁15に配置されたねじ穴に螺合される。
【0029】
図2aで、第2の実施形態における電気又は電子デバイス30を通る断面が表されている。第2の実施形態で、第1の領域1は、後壁10と遮蔽板5との間でハウジング3内に配置される。しかしながら、第1の領域は、完全な後壁10に沿ってではなく、その後部に沿ってのみ延在する。後壁10の前部には、第2の領域2が配置される。遮蔽板5の周辺領域は、側壁16の内側に配置され遮蔽板5がねじ込まれる、段状突起部4と重なり合う。遮蔽板5は、突起部4に沿って後壁10の内側に向かって下方へ延び、そこで後壁10上に平らに置かれ、それによって後壁10に電気的に接触する。デバイス30の第2の実施形態で、後壁10は、第1の領域1(図面の平面の後方領域内)の底面と第2の領域2(図面の平面の前方領域内)の底面の両方を形成する。この場合、第2の領域2は、遮蔽板5と図2に表されていないカバーとの間、並びに図2に表されていないカバー内の後壁の間の両方に位置している。この程度まで、デバイスの第2の実施形態は、図1a~図1eに表されている第1の実施形態に似ている。図1a~図1eによる第1の実施形態の場合、金属板7は、第1の領域1のための底面と第2の領域2のための底面の両方を形成する。他方、第2の実施形態の場合、後壁10は、第1の領域1の底面と第2の領域2の底面の両方を形成する。図1a~図1eと対照的に、電気又は電子部品の表示は、図2aでは省かれている。その代わりに、図2では、遮蔽板5上に配置された取り外しデバイスのさまざまな変形形態が例示されている。
【0030】
遮蔽板5の後壁10と反対方向に面している側に、2つの小穴31が取り付けられている。各小穴31は、手作業で又は工具で貫くことができ、それによって、遮蔽板5は、段状突起部4から解放した時点で上方へ容易に取り外すことができる。遮蔽板5の2つの対辺に、ラグ33として折り曲げられたいくつかの周辺領域-ここでは例として2つ-が位置している。遮蔽板5をラグ33によって把持し、ハウジング3から取り外すことができる。有利には、ラグ33は、この目的で、それらの端部に、再び折り曲げられて遮蔽板5の把持をさらに容易にする領域を含む。図2で、ラグ33は、側壁16の内側との弾性接点を提供するばね接点32として同時に構成される。しかしながら、これは、取り外しデバイスとして構成されたラグ33の場合に単に任意であるにすぎず、絶対的に必要ではない。
【0031】
図2bは、カバー(図2bに表されていない)の方向からの平面図で、図2aからの電気デバイス30の第2の実施形態を示す。突起部4上に置かれている遮蔽板5は、2つの曲げエッジ28.1、28.2を含む。遮蔽板5の第1の部分iは、後壁10から少し離れてこれと平行に延びる。曲げエッジ28.1と28.2との間に遮蔽板5の第2の部分iiが配置される。この場合、第2の部分iiは、後壁10に対して傾斜し、第1の部分iに割り当てられたハウジングの高さから後壁10の高さまで下がって延在する。遮蔽板5の第3の部分iiiは、再び後壁10と並行に延び、後壁10との平らな電気接点を形成する。曲げエッジ28.1と28.2との間に延在する突起部4の部分は、デバイスの後壁10に対して同じく傾斜し、その結果、遮蔽板5は、突起部4上に平らに置かれる。第1の領域1は、遮蔽板5と後壁10との間に配置される。遮蔽板5の下で、それは、遮蔽板5の第1の部分i及び第2の部分iiにわたって延在する。第2の領域2は、後壁10とカバーとの間の下部ハウジング部分に配置され、一方上部ハウジング部分で、それは遮蔽板5とカバーとの間に延在する。
【符号の説明】
【0032】
1 領域
2 領域
3 ハウジング
4 突起部
5 遮蔽板
6 隙間
7 金属板
10 後壁
11 突出マウンティング
12 突出マウンティング
13 ハウジングの高さ
14 突起部
15 周縁
16 側壁
17 ヒートシンク
18 隙間
19 補強材
20 熱交換器
21 半導体スイッチ
22 駆動回路
23 コンデンサ
24 バスバー
25 ケーブル
26 絶縁体
27 カバー
28.1、28.2 曲げエッジ
29 AC端子
30 デバイス
31 小穴
32 ばね接点
33 ラグ
図1a
図1b
図1c
図1d
図1e
図2a
図2b