(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-18
(45)【発行日】2023-04-26
(54)【発明の名称】ソーラーモジュールを支持するデバイス、キット、製造方法、およびソーラーモジュール装置
(51)【国際特許分類】
H02S 20/24 20140101AFI20230419BHJP
H02S 20/23 20140101ALI20230419BHJP
E04D 13/18 20180101ALI20230419BHJP
F24S 25/61 20180101ALI20230419BHJP
F24S 30/20 20180101ALI20230419BHJP
F24S 30/425 20180101ALI20230419BHJP
【FI】
H02S20/24
H02S20/23 A
E04D13/18 ETD
F24S25/61
F24S30/20
F24S30/425
(21)【出願番号】P 2021163319
(22)【出願日】2021-10-04
【審査請求日】2022-05-11
(32)【優先日】2020-10-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】513177716
【氏名又は名称】マウンティング システムズ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
【氏名又は名称原語表記】Mounting Systems GmbH
【住所又は居所原語表記】Mittenwalder Strasse 9 a, D-15834 Rangsdorf, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】テクサバー ヴァカ リコ
(72)【発明者】
【氏名】カルステン フィリッピ
【審査官】土屋 保光
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-205122(JP,A)
【文献】特開2014-175352(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0111713(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2012/0298201(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02S 20/24
H02S 20/23
E04D 13/18
F24S 25/61
F24S 30/20
F24S 30/425
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ソーラーモジュールを支持するためのデバイスであって;
第1受け入れ開口部(8a)を有するベースレール(1)と、
ソーラーモジュール(101)の一端を保持するために前記ベースレール(1)上に配置され、前記第1受け入れ開口部(8a)内に配置された第1接続エレメント(7a)を有する支持体(2)と、
前記ベースレール(1)を少なくとも部分的に取り囲むように前記ベースレール(1)上に配置され、第1位置と第2位置との間で前記ベースレール(1)に沿って移動可能とされた固定用レール(12)と、
を備え、
前記固定用レール(12)は前記第2位置における前記第1受け入れ開口部(8a)を少なくとも部分的に閉じ、これにより前記第1受け入れ開口部(8a)から外への前記第1接続エレメント(7a)の移動が防止され、
前記固定用レール(12)は前記第1位置における第1受け入れ開口部(8a)のブロックを解除し、これにより前記第1受け入れ開口部(8a)から外への前記第1接続エレメント(7a)の移動が可能となる、デバイス。
【請求項2】
前記固定用レール(12)を前記第2位置に固定するように構成された固定エレメントを備え、これにより前記第2位置から前記第1位置への前記固定用レール(12)の移動が防止される、請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記固定エレメントが、前記固定用レール(12)の前記第2位置から前記第1位置への移動が防止される固定位置と、前記固定用レール(12)の前記第2位置から前記第1位置への移動が可能となるブロック解除位置との間では、工具なしで移動可能である請求項2に記載のデバイス。
【請求項4】
前記固定用レール(12)は、前記ベースレール(1)をさらなるデバイスのさらなるベースレール(1)に接続するように構成される接続レールを備えて形成される、請求項1~3のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項5】
前記第1受け入れ開口部(8a)は前記ベースレール(1)の少なくとも上側に開口しており、前記第2位置の前記固定用レール(12)は、前記ベースレールの上側の前記第1受け入れ開口部(8a)を少なくとも部分的に覆っている、請求項1~4のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項6】
前記ベースレール(1)は、第2受け入れ開口部(8b)を有し;
前記支持体(2)は、前記第1受け入れ開口部(8a)内または前記第2受け入れ開口部(8b)内に前記第1接続エレメント(7a)と共に配置されるように構成され;
固定用レール(12)は、
前記第2位置において前記第2受け入れ開口部(8b)を閉じ、これによって前記第2受け入れ開口部(8b)から外への前記第1接続エレメント(7a)の移動が防止され;
または固定用レール(12)が少なくとも部分的に第2の受け入れ開口部(8b)を閉じる第3位置までベースレール(1)に沿って移動可能であり、これによって第2受け入れ開口部(8b)から外への前記第1接続エレメント(7a)の移動が防止される、請求項1~5のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項7】
前記支持体(2)が第1保持位置に配置され、それによって前記支持体(2)は第1接続エレメント(7a)が前記第1受け入れ開口部(8a)に配置されたときに、ソーラーモジュール(101)を前記ベースレール(1)に対して第1角度で保持するように構成され;
前記支持体(2)が第2保持位置に配置され、それによって前記支持体(2)が第1接続エレメント(7a)が前記第2受け入れ開口部(8b)に配置されたときに、ソーラーモジュール(101)を前記ベースレール(1)に対して第2角度で保持するように構成され、前記第2角度は前記第1角度と異なる、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記支持体(2)は、前記ソーラーモジュール(101)の上端を保持するための上部支持体(2)である、請求項1~7のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項9】
ソーラーモジュールの下端を保持するために前記ベースレール(1)上に配置された下部支持体(13)を有する、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記ベースレール(1)は、ソーラーモジュール(101)のケーブルを受け入れ、配策するように構成されている、請求項1~9のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項11】
前記ベースレール(1)はバラスト保持デバイス(102)の一方に配置するように構成され、これにより前記バラスト保持デバイス(102)が前記ベースレール(1)上に少なくとも部分的に載置され、
前記支持体(2)は前記ベースレール(1)上に少なくとも部分的に載置されるときに、前記バラスト保持デバイス(102)の少なくとも1つの開口部(103)内に、少なくとも部分的に配置されるように構成され、
前記支持体(2)はこの場合、前記バラスト保持デバイス(102)の上方への移動を実質的に防止するように成形されている、請求項1~10のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項12】
第1受け入れ開口部(8a)を有するベースレール(1)と、
第1接続エレメント(7a)を有する、ソーラーモジュール(101)の一端を保持するための支持体(2)と、
固定用レール(12)と、を備え、
前記支持体(2)はソーラーモジュールを支持するためのデバイスを製造するために、前記ベースレール(1)上に配置されるように構成され、前記第1接続エレメント(7a)はこの場合、前記第1受け入れ開口部(8a)内に配置されるように構成され;
前記固定用レール(12)はベースレール(1)を少なくとも部分的に取り囲むようにベースレール(1)上に配置され、第1位置と第2位置との間でベースレール(1)に沿って移動できるように構成された固定用レール(12)であって、
前記固定用レール(12)は前記第2位置において第1受け入れ開口部(8a)を少なくとも部分的に閉じ、これによって第1受け入れ開口部(8a)から外への第1接続エレメント(7a)の移動が防止され;
前記固定用レール(12)は前記第1位置における第1受け入れ開口部(8a)のブロックを解除し、これによって前記第1受け入れ開口部(8a)から外への前記第1接続エレメント(7a)の移動が可能となる、
請求項1~11のいずれか1項に記載のデバイスのためのキット。
【請求項13】
ソーラーモジュールを支持するためのデバイスを製造するための方法であって:
第1受け入れ開口部(8a)を有するベースレール(1)を提供し;
ソーラーモジュール(101)の一端を保持するための支持体(2)を配置し、前記支持体(2)は前記ベースレール(1)上に第1接続エレメント(7a)を有し、前記第1接続エレメント(7a)は、前記第1受け入れ開口部(8a)内に配置されており;
前記ベースレール(1)上に固定用レール(12)を配置し、また
前記固定用レール(12)が第1位置で
前記ベースレール(1)を少なくとも部分的に取り囲むようにし、第1位置では前記固定用レール(12)が前記第1受け入れ開口部(8a)のブロックを解除し、これによって前記第1受け入れ開口部(8a)から外への前記第1接続エレメント(7a)の移動が可能となっており;
前記固定用レール(12)を前記ベースレール(1)に沿って前記第1位置から第2位置に移動させ、第2位置では前記固定用レール(12)は前記第1受け入れ開口部(8a)を少なくとも部分的に閉じ、これによって前記第1受け入れ開口部(8a)から外への前記第1接続エレメント(7a)の移動が防止されている;
というステップを含む方法。
【請求項14】
請求項1~11のいずれか1項に記載の
デバイスである第1デバイス(100a)と;
請求項1~11のいずれか1項に記載の
デバイスである第2デバイス(100b)と;
ソーラーモジュール(101)と、を含む、ソーラーモジュール装置であり、
第1デバイス(100a)および第2デバイス(100b)は互いに対して配置および配向され、これにより第1デバイス(100a)のベースレールおよび第2デバイス(100b)のベースレール(1)が実質的に平行に延び、第1デバイス(100a)の支持体(2)が第2デバイス(100b)の支持体(2)に直接対向して配置され;
前記ソーラーモジュール(101)は、その第1側面を第1デバイス(100a)上に配置され、前記ソーラーモジュール(101)の一端は前記第1デバイス(100a)の支持体(2)によって第1側面の領域に保持され、第1側面と反対側の第2側面は第2デバイス(100b)上に配置され、前記ソーラーモジュール(101)の端部は前記第2デバイス(100b)の支持体(2)によって第2側面の領域に保持され;
第1デバイス(100a)の固定用レール(12)および第2デバイス(100b)の固定用レール(12)は、それぞれ第2位置に配置され、これによって第1デバイスおよび第2デバイス(100a、100b)のベースレール(1)の第1受け入れ開口部(8a)がそれぞれ少なくとも部分的に閉鎖され、前記第1デバイスおよび第2デバイス(100a、100b)のそれぞれの第1接続エレメント(7a)がそれぞれの第1受け入れ開口部(8a)から外へ移動することが防止される、ソーラーモジュール装置。
【請求項15】
請求項1~11のいずれか1項に記載の
デバイスである第3デバイスと;
請求項1~11のいずれか1項に記載の
デバイスである第4デバイスと;
さらなるソーラーモジュール(101)と、を含む、請求項14に記載のソーラーモジュール装置であり、
前記第3デバイスは前記第1デバイス(100a)の後方に配置および配向され、これにより前記第1デバイス(100a)のベースレール(1)の長手方向軸と前記第3デバイスのベースレール(1)の長手方向軸とが実質的に重なり;
前記第4デバイスは前記第2デバイス(100b)の後方に配置および配向され、これにより前記第2デバイス(100b)のベースレール(1)の長手方向軸と前記第4デバイスのベースレール(1)の長手方向軸とが実質的に重なり;
前記第3デバイスおよび前記第4デバイスは互いに対して配置および配向され、これにより前記第3デバイスの支持体(2)が前記第4デバイスの支持体(2)に直接対向して配置され;
前記さらなるソーラーモジュール(101)は第1側面を前記第3デバイス上に配置され、前記さらなるソーラーモジュール(101)の一端は前記第3デバイスの支持体(2)によって前記第1側面の領域内に保持され、前記第1側面と反対側の第2側面は第4デバイス上に配置され、前記さらなるソーラーモジュール(101)の端部は前記第4デバイスの支持体(2)によって前記第2側面の領域内に保持され;
前記第1デバイス(100a)の固定用レール(12)は、
前記第1デバイス(100a)の固定用レール(12)の第1端部によって前記第1デバイスのベースレール(1)を少なくとも部分的に取り囲むように、第2位置に配置され、
前記第1デバイス(100a)の固定用レール(12)の前記第1端部と反対側の第2端部によって、前記第3デバイスのベースレール(1)上に配置されており、ベースレール(1)を少なくとも部分的に取り囲んでおり、
前記第2デバイス(100b)の固定用レール(12)は、
前記第2デバイス(100b)の固定用レール(12)の第1端部によって前記第2デバイス(100b)のベースレール(1)を少なくとも部分的に取り囲むように、第2位置に配置され、
前記第2デバイス(100b)の固定用レール(12)の前記第1端部と反対側の第2端部によって、前記第4デバイスのベースレール(1)上に配置されており、かつ少なくとも部分的に取り囲んでいる、ソーラーモジュール装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ソーラーモジュールを支持するためのデバイス、キット、およびそれを製造するための方法、ならびにソーラーモジュール装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ソーラーモジュール、特に光学電池モジュールおよび太陽熱集熱器は、自立型または屋根上に配置することができる。傾斜のある屋根の場合、屋根の傾きはソーラーモジュールの向く方位となる。平坦な屋根に取り付ける場合および自立して取り付ける場合には、基点に応じた方位および水平に対する角度位置の両方が、特にフレームの構造状態、地理的所在地に応じて期待される太陽の位置、ならびに周囲の物体によって日陰となる可能性等の状況に応じて適応され得る。
【0003】
平坦な屋根に取り付けるための1つの構成によれば、ソーラーモジュールは、脚の形をした支持体上に取り付けられる。脚部は例えば、ベースレール上に固定することができる。この状況では、ソーラーモジュールがソーラーモジュールのより高い後端を反対側で支持する2つの上部脚部に固定される。ソーラーモジュールはこれらの上部支持体から斜め下方に延び、特に、2つの下部脚部またはソーラーモジュールの前端を反対側で支持する支持体によって、下部前端でベースレールに固定される。傾斜した支持面または支柱上でソーラーモジュール全体に沿って延びる直線支持体とは対照的に、準斑状の取付体は、この種のシステムにおいて小さな締結面と共に実装される。水平に対するソーラーモジュールの角度は、この場合、高さの差異と、前部(下部)の支持面と後部(上限)の支持面との間の距離によって決まる。ベースレール上に配置された前部脚部および後部脚部を有するこの種のシステムは、例えば、WO 2015/069112 A1およびWO 2019/143701 A1号に記載されている。
【0004】
この種の保持システムの構造では、支持または脚部をベースレールに取り付ける必要がある。使用現場でのシステムの構築中にベースレールに脚部を取り付けることは複雑で、通常は追加ツールが必要である。あるいは、脚部がベースレール上に予め取り付けられていてもよい。例えば、支持体は、ベースプロファイルに接続された折り畳みプロファイルとして形成されてもよい。
【発明の概要】
【0005】
本発明の目的は、ソーラーモジュールの単純化された取り付けが平坦な屋根または自立型で可能にされた、ソーラーモジュールのための保持システムのための改良された技術を提供することである。特に、支持体は、ベースレール上に柔軟かつ容易に取り付け可能である。
【0006】
この目的を達成するために、独立請求項1に記載のソーラーモジュールを支持するためのデバイスが提供される。さらに、後の請求項に記載のソーラーモジュール装置ならびにソーラーモジュールを支持するデバイスのキットおよび製造方法が提供される。
【0007】
一態様によれば、ソーラーモジュールを支持するデバイスが提供される。デバイスは、第1受け入れ開口部を有するベースレールと、前記ベースレール上に配置され、ソーラーモジュールの端部を保持するための支持体と、第1受け入れ開口部内に配置される第1接続エレメントを有する支持体と、前記ベースレールを少なくとも部分的に取り囲むように前記ベースレール上に配置され、かつ前記ベースレールに沿って第1位置と第2位置との間で移動可能である固定用レールと、を有する。固定用レールは第2位置における第1受け入れ開口部を少なくとも部分的に閉じ、これにより第1受け入れ開口部から外への第1接続エレメントの移動が防止される。第1位置において、固定用レールは、第1受け入れ開口部のブロックを解除(unblock)し、これにより第1受け入れ開口部から外への第1接続エレメントの移動が可能となる。
【0008】
ベースレールは、プロファイルレールで形成されてもよい。ベースレールは特に、金属プロファイルまたはプラスチック材料プロファイル、特に中空プロファイルの、例えば切断された、または切り落とされた、断片の長さの部分で形成されてもよい。例示的な実施形態では、接続エレメントがベースレールの開口部、特に受け入れ開口部に配置されてもよいピンまたはボルトであってもよい。
【0009】
さらなる態様によれば、ソーラーモジュールを支持するデバイスのためのキットはベースレールを備える。ベースレールは、第1受け入れ開口部と、ソーラーモジュールの一端を保持するための支持体である、第1の接続エレメントを有する支持体と、固定用レールと、を備える。この状況において、支持体はソーラーモジュールを支持するデバイスを製造するためにベースレール上に配置されるように構成され、第1接続エレメントは第1受け入れ開口内に配置されるように構成される。固定用レールはベースレールを少なくとも部分的に取り囲むようにベースレール上に配置されるように、また、第1位置と第2位置との間でベースレールに沿って移動されるように構成される。固定用レールは前記第2位置における第1受け入れ開口部を少なくとも部分的に閉じ、これによって第1受け入れ開口部から外への第1接続エレメントの移動が防止される。前記第1位置において、前記固定用レールは前記第1受け入れ開口部のブロックを解除し、これによって、前記第1受け入れ開口部から外への第1接続エレメントの移動が可能となる。
【0010】
さらに別の態様によれば、ソーラーモジュールを支持するデバイスを製造するための方法が提供される。この方法によれば、第1受け入れ開口部を有するベースレールが提供される。第1接続エレメントを有するソーラーモジュールの端部を保持する支持体がベースレール上に配置され、前記第1接続エレメントが前記第1受け入れ開口部に配置されている。固定用レールは、第1位置において、ベースレール上に配置され、少なくとも部分的にベースレールを取り囲み、固定用レールは第1受け入れ開口部のブロックを解除し、これによって固定用レールは第1受け入れ開口部から外への第1接続エレメントの移動が可能となる。固定用レールは、ベースレールに沿って、第1位置から第2位置に移動され、第1受け入れ開口部を少なくとも部分的に閉じ、これによって固定用レールは第1受け入れ開口部から外への第1接続エレメントの移動が防止される。
【0011】
本方法のステップは、特定された順序以外の順序で実行されてもよい。特に、固定用レールは支持体がベースレール上に配置される前に、および/またはベースレールと少なくとも部分的に並行して、第1位置に配置されてもよい。
【0012】
追加の態様によれば、ソーラーモジュール装置が提供される。ソーラーモジュール装置は、開示における第1デバイス、開示における第2デバイス、およびソーラーモジュールを有する。第1デバイスおよび第2デバイスは互いに対して配置および配向され、これによって第1デバイスのベースレールおよび第2デバイスのベースレールが実質的に平行に延び、第1デバイスの支持体が第2デバイスの支持体に直接対向して配置される。ソーラーモジュールは第1デバイス上に第1側面を配置され、ソーラーモジュールの一端は第1デバイスの支持体によって第1側面の領域内に保持され、また第1側面とは反対側の第2側面を第2デバイス上に配置され、ソーラーモジュールの端部は第2デバイスの支持体によって第2側面の領域に保持される。第1デバイスの固定用レールおよび第2デバイスの固定用レールは、第2位置にそれぞれ配置され、第1デバイスおよび第2デバイスのベースレールの第1受け入れ開口部がそれぞれ少なくとも部分的に閉鎖され、第1デバイスおよび第2デバイスのそれぞれの第1接続エレメントのそれぞれの第1受け入れ開口部から外への移動が防止されるようになっている。
【0013】
第1デバイスおよび第2デバイスのベースレールの実質的に平行なコースは、ソーラーモジュールを取り付ける際の通常の取り付け公差の範囲内における、ベースレールの平行なコースを意味する。第2デバイスの支持体に直接対向する第1デバイスの支持体の配置は、特に、第1デバイスの支持体の点を通って第1および第2デバイスのベースレールに垂直に延びる直線が、第2デバイスの支持体の同じ点を通っても延びるか、またはこの点から僅かな距離だけ延びることを意味してもよい。ベースレールの実質的に平行な配置と、互いに直接対向する支持体の配置は、特に、ベースレールの隣り合う、およびベースレールに沿って、前後に複数のソーラーモジュールの配置が、ソーラーモジュールのそれぞれのフレームの間に生じる干渉、例えば衝突または重複を生じることなく、可能にされる場合において実現される。
【0014】
本開示の意味におけるソーラーモジュールは特に、光学電池モジュールおよび太陽熱集熱器であってもよい。
【0015】
デバイスは、固定用レールを第2位置に固定するように構成された固定エレメントで形成されてもよく、これによって固定用レールの第2位置から第1位置への移動が防止される。したがって、固定用レールは第1位置および第2位置の間で移動可能であり、その移動は、固定エレメントによって制限または防止される。その結果、第1の接続エレメントは、第1接続エレメントのブロックを解除するための第2位置から十分に離れている固定用レールを移動させることによってはブロックが解除されない。
【0016】
固定エレメントは、固定用レールの第2位置から第1位置への移動が防止される固定位置と、固定用レールの第2位置から第1位置への移動が可能なブロック解除位置と、の間で工具なしで移動可能であってもよい。本発明の意味において、「工具なし」とは固定位置とブロック解除位置との間の固定エレメントの移動が、ユーザが工具を使用する必要なしに実現可能であることを意味する。すなわち、特に、素手で可能であり得る。
【0017】
例えば、固定エレメントが固定位置において、特に弾性的に、固定用レール内の対応する凹部に係合するラッチエレメントで形成されてもよい。あるいは、ラッチエレメントが固定用レール上に配置され、デバイスの別のエレメント、例えばベースレール上の対応する凹部に係合してもよい。ブロック解除位置では、ラッチエレメントが関連する凹部から移動される。この状況では、ロックエレメントが固定位置内の固定用レールの移動を妨げることがある。固定は特定の閾値を超える力を加えることによって克服することができ、ラッチエレメントは次いで、関連する凹部から外に、ブロック解除位置へと移動し、固定用レールの移動が可能になる。特に、第1位置に向かって固定用レールに強く引っ張ることによって、対応する力を加えるようにしてもよい。ラッチエレメントには、例えば、弾性ノーズ、圧力片、またはスプリングピンを設けることができる。
【0018】
あるいは、固定エレメントが工具なしで挿入され得る接続エレメント、例えば、対応する開口部に挿入される固定ピンまたは翼部ネジであってもよい。
【0019】
別の構成では、固定用レールがツールを使用して第2位置に固定されてもよい。例えば、固定用レールは、ネジ止め、リベット止め、接着、または溶着によって、第2位置に固定されてもよい。
【0020】
固定用レールは、ベースレールをさらなるデバイスのさらなるベースレールに接続するように構成された接続レールと共に形成されてもよい。特に、ソーラーモジュール用の保持システムの形成に関して、既に存在するエレメントの使用は、接続レールの対応する適合によって可能にされてもよい。その結果、よりコンパクトなシステムを提供することができ、これにより、取り扱いを簡単にすることができる。
【0021】
支持体は、複数の第1接続エレメントを有することができる。例えば、支持体は、例えばピンとして設計され、ベースレールの延長方向に対して横断方向に反対方向に支持体から離れて延びる2つの第1接続エレメントを有していてもよい。この場合、第1受け入れ開口部は、第1受け入れ開口部内に第1接続エレメントが配置されたときに、2つの第1接続エレメントのそれぞれがベースレールの壁上に載置するように、ベースレールの対向する壁を貫通して延び、したがって、ベースレールの両側で支持体を支持することができる。
【0022】
一般に、本開示の意味における接続エレメントは他の構成要素、例えば、支持体または支持エレメント上に配置され、固定される他の構成要素として提供されてもよい。あるいは、接続エレメントは構成要素の一部、例えば、そのような構成要素の突起であってもよく、したがって、製造プロセス中に既に関連する構成要素上に配置されてもよい。
【0023】
第1受け入れ開口部は少なくともベースレールの上側に開口していてもよく、第2位置における固定用レールはベースレールの上側の第1受け入れ開口部を少なくとも部分的に覆っていてもよい。例えば、受け入れ開口部は、ベースレールの全幅にわたって延び、ベースレールの延びる方向に対して横方向に延びる接続エレメントが上方から挿入され得る、ベースレール内の上方に開いた凹部として設計されてもよい。あるいは、横方向に制限された開口部を有する受け入れ開口部をベースレールの上側に形成してもよく、例えばベースレールの上側にボアを有するように形成してもよい。この種の実施形態では、例えば、垂直に配置されたピンなどの垂直に延びる接続エレメントを、上方から受け入れ開口部に挿入または差し込んでもよい。さらなる代替として、ベースレールの一方の側に開口する受け入れ開口部が設けられてもよい。これは、上方に開口した受け入れ開口部を有する実施形態と同様に構成することができ、対応する接続エレメントをベースレールの対応する側から前記受け入れ開口内に導入することができる。
【0024】
ベースレールは、第2受け入れ開口部を有していてもよい。支持体は、第1接続エレメントが第1受け入れ開口部または第2受け入れ開口部に配置されるように構成されてもよい。この状況において、固定用レールは第2位置における第2受け入れ開口部を少なくとも部分的に閉じることができ、これによって第2受け入れ開口部から外への第1接続エレメントの移動が防止される。これに代えてまたはこれに加えて、固定用レールは第2受け入れ開口部を少なくとも部分的に閉じる第3位置にベースレールに沿って移動されてもよく、これによって第2受け入れ開口部から外への第1接続エレメントの移動が防止される。別の実施形態では、固定用レールが第3位置における第1受け入れ開口部を少なくとも部分的に閉鎖または開放することができる。固定用レールは、固定エレメントによって第3位置に固定されてもよい。この状況において、第2位置における固定用レールの固定に関連して説明した実施形態を、それに応じて提供してもよい。固定用レールは、第2位置および第3位置の両方で固定することができる。第2位置および第3位置における固定には、同じ固定エレメントまたは異なった固定エレメントを設けることができる。
【0025】
支持体は、第1接続エレメントが第1受け入れ開口部に配置された場合に、ベースレールに対して第1角度でソーラーモジュールを保持するように構成された第1保持位置に配置されてもよい。第1接続エレメントが第2受け入れ開口部に配置される場合は、支持体は、ベースレールに対して第2角度でソーラーモジュールを保持するように構成された第2保持位置に配置されてもよく、第2角度は第1角度とは異なっている。
【0026】
支持体は互いに移動可能に接続された第1支持エレメントおよび第2支持エレメントで形成されてもよく、これによって第1支持エレメントが第1位置と第2位置との間で第2支持エレメントに対して移動可能となる。支持体は第1支持エレメントが第1位置に配置されたときにはベースレールより上の第1高さまで延び、第1支持エレメントが第2位置に配置されたときにはベースレールより上の第2高さまで延び、第2高さは第1高さとは異なっているように設けられてもよい。
【0027】
ベースレールの上方の支持体の高さは、特に、ベースレールの上側からベースレールの上側よりも上の支持体の最上点までの間隔によって規定されてもよい。ベースレールの上側および支持体の最上点はベースレール上の水平方位またはデバイスの基板の上に対して規定されてもよく、例えば、床または平らな屋根の上に対して規定されてもよい。ソーラーモジュールが水平に対して斜めに配置される場合、ソーラーモジュールの上端はソーラーモジュールの最上エッジによって規定されてもよく、ソーラーモジュールの最上エッジはベースレール上の水平方位またはデバイスのグラウンドの上に対して規定される。
【0028】
第1支持エレメントおよび第2支持エレメントは、同じように設計され、互いに接続されて上部支持体を形成することができる。例えば、第1支持エレメントおよび第2支持エレメントは、同じ形状を有する可能性がある。そして、第1の支持エレメントおよび第2の支持エレメントは互いに対して長手方向軸を中心として180度の角度だけ回転させて配置することができ、例えばヒンジ点で互いに連結することができる。
【0029】
支持体は、第2接続エレメントを有することができる。特に、第1接続エレメントが第1の支持エレメント上に配置され、第2接続エレメントが第2支持エレメント上に配置されてもよい。第2接続エレメントは、ベースレール内のさらなる受け入れ開口部内に静止状態で配置されてもよい。この場合、本発明の意味において、第2接続エレメントの静止配置は、第2接続エレメントがベースレールに対して変位不能であることを意味する。すなわち、静止配置であれば並進的に動くことはない。よって、第2接続エレメントの回転を可能とすることができる。第2接続エレメントは、固定用レールによって、またはさらなる固定用レールによって、さらなる受け入れ開口部に固定されてもよい。これに関連して、第1接続エレメントの固定に関連して説明した実施形態を、それに応じて提供することができる。支持体は、第2支持エレメント上に配置された複数の第2接続エレメントを有することができる。複数の第1接続エレメントに関して説明した実施形態は、複数の第2接続エレメントに対応して設けることができる。
【0030】
ソーラーモジュールを支持するための支持構造は、デバイスの支持エレメントを使用して形成されてもよい。支持エレメントは特に、例えば鋳造金属、好ましくは鋳造アルミニウムで作られた鋳造部品として形成することができる。あるいは、支持エレメントが切断された長さのプロファイルで形成されてもよい。この場合、支持エレメントは、特にバリ取りによって再加工することができる。
【0031】
別の実施形態では、支持体がそれ自体では可動でなくてもよく、デバイス上に配置されるソーラーモジュールの角度調整は、支持体の下部をベースレール上に位置決めすることによって、および/または支持体の上側をソーラーモジュールの領域内に位置決めすることによって実施されてもよい。
【0032】
支持体は、ソーラーモジュールの上端を保持するための上部支持体であってもよい。上部支持体は、ソーラーモジュールの上端をベースレールに対してソーラーモジュールの異なる角度で保持するように構成することができる。あるいは、上部支持体がソーラーモジュールの上端をベースレールに対してソーラーモジュールの単一の角度で保持するように構成されてもよい。この状況において、上部支持体は、ソーラーモジュールの異なる角度に対して調整可能であってもよく、および/またはソーラーモジュールの異なる角度に対してベースレール上に配置されてもよく、または所定の角度に対して構成された支持体であってもよい。
【0033】
加えて、デバイスは、ソーラーモジュールの下端を保持するためにベースレール上に配置された下部支持体を有することができる。下部支持体は、ソーラーモジュールの下端をベースレールに対してソーラーモジュールの異なる角度で保持するように構成することができる。あるいは、下部支持体がソーラーモジュールの下端をベースレールに対してソーラーモジュールの単一角度で保持するように構成されてもよい。この状況において、下部支持体は、ソーラーモジュールの異なる角度に対して調整可能であってもよく、および/またはソーラーモジュールの異なる角度に対してベースレール上に配置されてもよい。下部支持体および上部支持体と共に、配置は、高い脚部および低い脚部を有するソーラーモジュール用の保持システムを形成するように構成することができる。
【0034】
上部支持体および下部支持体は、それぞれ、ベースレール内の1つまたは複数の対応する受け入れ開口部内に配置するための1つまたは複数の接続エレメントを有することができる。この状況において、デバイスの支持体に関連して説明した様々な実施形態は、それぞれ、上部支持体および下部支持体の一方または両方に設けることができる。上下の支持は、固定用レールで固定することができる。あるいは、上部支持体および下部支持体の一方を固定用レールで固定し、上部支持体および下部支持体の他方をさらなる固定用レールで固定してもよい。固定用レールに関連して説明した実施形態は、それに応じて、さらなる固定用レールのために提供されてもよい。
【0035】
別の構成では、支持体がソーラーモジュールの下端を保持するための下部支持体であってもよく、デバイスはさらに、固定用レールによって固定することができないソーラーモジュールの上端を保持するための上部支持体を有してもよい。
【0036】
ベースレールは、ソーラーモジュールのケーブルを受け入れかつ配策するように構成することができる。この目的のために、ベースレールは、1つまたは複数のケーブル受け入れデバイスを有することができる。例えば、ケーブル受け入れデバイスは、例えば、チャンネルを備えて形成されてもよく、特にベースレールのコースに沿ってケーブルを配策するためのチャンネルを備えて形成されてもよい。ケーブルをベースレール、特に1つまたは複数のケーブル受け入れデバイス内に受け入れること、および配策することによって、ケーブルは損傷から、特にベースレールまたはデバイスの他の構成要素の鋭利なエッジによる損傷から保護され得る。その結果、長さに切断されたプロファイルレールがデバイスに使用されている場合でも、ケーブルを迅速かつ安全に敷設することができる。ベースレールは複数のケーブルを受け入れ、配策するように構成することができる。
【0037】
1つまたは複数のケーブル受け入れデバイスがベースレール自体を用いて形成されてもよい。特に、ベースレールを形成するプロファイルは、ケーブルの配策を可能にするように設計することができる。例えば、ベースレールは、ケーブルダクトの形状を有することができる。インナーレールベースと、ピンまたは支持体のような他の上にあるエレメントとの間の間隔はソーラーモジュールのケーブルのプラグコネクタ、特に、対応する規格に対応するプラグコネクタが、その間隔によって形成された自由空間を通って移動できるように等分することができる。ベースレールは、複数のケーブルを受け入れるように構成されてもよい。特に、ベースレールは、複数のケーブルを受け入れるために等分されていてもよい。
【0038】
従って、デバイス内の構造的機能に加えて、ベースレールは、ケーブルダクトの機能も想定することができる。その結果、ケーブル配策のための追加のデバイスを提供する必要性を排除することができる。したがって、特に、生産コスト、物流、および設置コストを低減することによって、コストの低減を達成することができる。
【0039】
さらに、固定用レールおよび/または接続レール、特に接続レールで形成された固定用レールは、ソーラーモジュールのケーブルを受け入れ、配策するように構成されてもよい。この場合、ソーラーモジュールのケーブルを受け入れ、配策するためのベースレールの実施形態についてそれに応じて規定される。
【0040】
本開示は、デバイスの残りの構成とは独立して、ソーラーモジュール装置内のソーラーモジュール保持システムに、またはソーラーモジュールのケーブルを受け入れ、配策するように構成されたソーラーモジュールを支持するデバイスにベースレールおよび固定用レールを提供する。この場合、ケーブルを受け入れること、および配策することのためのデバイスのベースレールの適用に関する上記の実施形態が、それに応じて適用される。
【0041】
ベースレールはその上にバラスト保持デバイスの片側を配置するように構成することができ、それによってバラスト保持デバイスが少なくとも部分的にベースレールに載置される。支持体は後者が少なくとも部分的にベースレール上に載置されるときに、バラスト保持デバイスの少なくとも1つの開口部に少なくとも部分的に配置されるように構成することができ、そして支持体は、これにより、この場合において、実質的にバラスト保持デバイスの上方への移動を防止するような形に成形されている。支持体の形状と共に、支持体とバラスト保持デバイスとの間のポジティブフィットは、少なくともバラスト保持デバイスの上方への移動方向において、バラスト保持デバイスの上方への移動が実質的に防止される程度に確立される。支持体の形状は、バラストデバイスの他の方向への移動を防止することができないようなものであってもよい。あるいは、支持体の形状がバラストデバイスの他の方向への移動を防止することもできる。バラスト保持デバイスが、特に風の作用によって、ベースレールから外れるほど上方に移動する可能性がないのであれば、バラスト保持デバイスの上方への移動は実質的に防止されている。この場合、ベースレールに対するバラスト保持デバイスの移動という形での多少の移動は、ベースレール上のバラスト保持デバイスの位置の固定を損なうことがなければ許容される。
【0042】
支持体の形状は、バラストデバイスの上方に支持体の拡大プロファイルを設けることによって、バラスト保持デバイスの上方への移動を実質的に防止することができる。これに代えて、またはこれに加えて、バラスト保持デバイスの上方の支持体はまっすぐ上方に延びていなくてもよい。例えば、支持体は少なくともバラスト保持デバイスの上方に斜めに延びることができ、それによって少なくともベースレールの延びる方向におけるバラスト保持デバイスの前方移動および/または後方移動が同時に防止されるなら、バラスト保持デバイスの上方移動は実質的に防止され、結果、バラスト保持デバイスは、支持体に向かって移動することができない。
【0043】
バラスト保持デバイスは、バラストを受け入れるための凹部と、ベースレール上に配置されるように構成されたベアリングエッジとを有するバラストトラフまたはバラストレールであってもよい。バラスト保持デバイスの少なくとも1つの開口部は、バラスト保持デバイスの横方向エッジに開口する支持エッジに切り欠きを有して形成することができる。切り欠きは、支持体を取り囲むことができる。この場合、ベースレールの延長方向の切り欠きのエッジは前後の支持体に抗して静止することができ、これにより、バラスト保持デバイスの前後への移動が実質的に防止される。
【0044】
一般に、明示的に言及された異なるエレメントの数より多くが提供されてもよい。例えば、第1支持エレメントの第1位置および第2位置に加えて、さらなる受け入れ開口部、固定用レールのさらなる位置、および/またはさらなる位置を設けることができる。
【0045】
本開示は、ベースレールと、ソーラーモジュールの端部を保持するためにベースレール上に配置された支持体と、バラストを受け入れるためのバラストデバイスとを有する、ソーラーモジュールを支持するためのデバイスの配置を提供する。バラスト保持デバイスの片側はバラスト保持デバイスが少なくともベースレール上のセクションに載置されるように、ベースレール上に配置される。そして、支持体がバラスト保持デバイスの少なくとも1つの開口部内の部分に少なくとも配置されるように、支持体は、この場合バラスト保持デバイスの上方への移動が実質的に防止されるような形に成形される。このようなデバイスに関連して、バラスト保持デバイスに関する上記の実施形態、およびソーラーモジュールを固定用レールで支持するためのデバイスにおけるバラスト保持デバイスの配置が、それに応じて適用されてもよい。
【0046】
ソーラーモジュールの構成は、開示による第3デバイス、開示による第4デバイス、およびさらなるソーラーモジュールを追加的に有することができる。この状況において、第3デバイスは第1デバイスの後ろに配置および配向されてもよく、それによって第1デバイスのベースレールの長手方向軸と第3デバイスのベースレールの長手方向軸とが実質的に重なる。第4デバイスは第2デバイスの後ろに配置および配向されてもよく、それによって第2デバイスのベースレールの長手方向軸と第4デバイスのベースレールの長手方向軸とが実質的に重なる。第3デバイスおよび第4デバイスは互いに対して配置および配向されてもよく、それによって第3デバイスの支持体が第4デバイスの支持体に直接対向して配置される。さらなるソーラーモジュールは第1側面を第3デバイス上に配置されてもよく、さらなるソーラーモジュールの一端は第3デバイスの支持体によって第1側面の領域内に保持される。そして、第1側面と反対側の第2側面を第4デバイス上に配置されてもよく、さらなるソーラーモジュールの端部は、第4デバイスの支持体によって第2側面の領域内に保持される。この状況において、第1デバイスの固定用レールは、第1デバイスのベースレールを第1デバイスの固定用レールの第1端部で少なくとも部分的に取り囲む第2位置に配置することができ、第3デバイスのベースレールを第1端部と反対側に位置する第1デバイスの固定用レールの第2端部で少なくとも部分的に取り囲むように配置することができる。第2デバイスの固定用レールは第2デバイスのベースレールを第2デバイスの固定用レールの第1端部で少なくとも部分的に取り囲む第2位置に配置することができ、第4デバイスのベースレールを第1端部と反対側に位置する第1デバイスの固定用レールの第2端部で少なくとも部分的に取り囲むように配置することができる。構成要素の配置はベースレールの長手方向コースまたはベースレールに従って次々に規定され、ベースレールの前端はベースレールのコースに沿って後端と反対側に位置する端部である。
【0047】
別の構成では、第3デバイスおよび第4デバイスがさらなるソーラーモジュールが第3デバイス上の第1側面に配置される、修正されたデバイスであってもよい。さらなるソーラーモジュールの一端は、ソーラーモジュールと同様に、第1デバイスの支持体によって第1側面の領域に保持される。そして、第1側面と反対側の第2側面を第4デバイス上に配置してもよく、ここで、さらなるソーラーモジュールの端部は、第2デバイスの支持体によって、ソーラーモジュールと同様に第2側面の領域に保持される。この状況において、第1デバイスの固定用レールは、第1デバイスのベースレールを第1デバイスの固定用レールの第1端部で少なくとも部分的に取り囲む第2位置に配置することができる。さらに、第1デバイスの固定用レールは、第1端部と反対側に位置する第1デバイスの固定用レールの第2端部がベースレールを少なくとも部分的に取り囲むように第3デバイスのベースレール上に配置されてもよい。第2デバイスの固定用レールは、第2デバイスのベースレールを第2デバイスの固定用レールの第1端部で少なくとも部分的に取り囲む第2位置に配置することができる。さらに、第2デバイスの固定用レールは第4デバイスのベースレール上に、第1デバイスの固定用レールの第2端部がベースレールを少なくとも部分的に取り囲む第2端部と反対側に配置してもよい。第3デバイスおよび第4デバイスは、それぞれ、追加のソーラーモジュールがそれに応じて配置されてもよい支持体を有してもよい。
【0048】
ソーラーモジュール装置は、対応する支持デバイスの間に配置された1つまたは複数のさらなる支持デバイスを有することができる。例えば、1つまたは複数の前記支持デバイスのベースレールに平行に配向されたベースレールを備え、ソーラーモジュールを中央に支持することができる。ソーラーモジュール装置はさらに、任意の数の追加の支持デバイスを有することができる。
【0049】
一般に、2つのソーラーモジュールは、本開示におけるソーラーモジュール装置内において、互いに隣り合って配置されてもよい。すなわち、1つのソーラーモジュールはその第1側面を支持デバイス上、特に本開示におけるソーラーモジュールを支持するためのデバイス上に配置され、さらなるソーラーモジュールは、その第2側面を同じ支持デバイス上に配置される。この状況において、ソーラーモジュールのそれぞれの他方の側面は、それぞれのさらなる支持デバイス上にそれぞれ配置されてもよい。さらなる支持デバイスはソーラーモジュール装置の横方向端部を形成してもよく、またはその上に、順に、さらなるソーラーモジュールの側面がそれぞれ配置されてもよい。
【0050】
2つのソーラーモジュールはソーラーモジュール装置内で互いに前後に配置されてもよく、ソーラーモジュールの傾きは、下に向かって同じ方向または逆方向に傾斜していてもよい。同じ方向の傾斜の場合、ソーラーモジュールのそれぞれの上端は、それぞれの上部支持体によって保持されてもよい。ソーラーモジュールが反対方向に傾いている場合、両方のソーラーモジュールのそれぞれの上端を同じ上部支持体によって保持することができる。
【0051】
ソーラーモジュール装置内において、ソーラーモジュールの配置は互いに隣り合って、および前後に並んでもよく、それに応じて、上述のそのような配置の実施形態が可能である。互いに隣り合う2つのソーラーモジュールおよび互いに反対の傾斜を有する前後に並んだ2つのさらなるソーラーモジュールの配置において、4つのソーラーモジュールは、特に、それぞれのコーナー領域において、同じ上部支持体によって保持されてもよい。
【0052】
ソーラーモジュール装置の支持デバイス、特に本開示におけるソーラーモジュールを支持するためのデバイスは、4つまでのソーラーモジュールそれぞれにおける上端のそれぞれを片側の領域に保持するように構成することができる。この目的のために、支持デバイスの支持体は、ソーラーモジュール、特にソーラーモジュールのフレームプロファイルが支持デバイスに取り付けられるように配置される1つまたは複数のストップエレメントを有することができる。4つのソーラーモジュールのそれぞれの上縁部および/またはそれぞれの側縁部のためのストップは、特に1つまたは複数ストップエレメントと形成することができる。これに代えてまたはこれに加えて、支持デバイスの上部支持体はそれぞれのケースに最大4つのソーラーモジュールの上端をそれぞれ締結するための締結エレメント、例えばクランプエレメントおよび/またはネジエレメントを有することができる。
【0053】
キット、ソーラーモジュールを支持するためのデバイスを製造するため方法、および/またはソーラーモジュール装置に関して、ソーラーモジュールを支持するデバイスに関して記述された構成がそれに応じて提供され、その逆もまた同様である。
【0054】
バラスト保持デバイスは、特に、ソーラーモジュール装置に設けることができ、バラストデバイスはその第1側面を第1デバイス上に配置され、第1側面と反対側の第2側面を第2デバイス上に配置される。バラスト保持デバイスに関連して、デバイスに関連して説明された構成は、バラスト保持デバイスの一方の側面に関して、第1デバイスおよび第2デバイスのそれぞれに相応して提供されてもよい。これに代えて、またはこれに加えて、第1デバイスのベースレールおよび第2デバイスのベースレールのうちの少なくとも1つは、記載された構成に従って、ソーラーモジュールの1つまたは複数のケーブルを受け入れて配策するように構成されてもよい。
【0055】
記載された実施形態に代えて、またはそれに加えて、一実施形態における支持デバイスは、ベースレールおよび固定用レールの領域に排水システムを備えて形成されてもよい。この目的のために、排水溝がベースレールの底部領域に設けられてもよく、溝はベースレールの長手方向に延び、水、特に雨水を排水する役割を果たす。ベースレールにケーブルが挿入されている場合、これによりケーブルが水中に横たわるのを防ぐ。次いで、排水溝を介してベースレールから流出または排水される水は下部の固定用レールに到達することができ、底部領域の固定用レール上に形成された凹部に沿って外部に排水されることができる。排水路は、凹部と、その上に配置された固定用レールのベースとによって形成される。
【0056】
さらなる実施形態では説明された実施形態に代えて、またはそれに加えて、下部支持体はベースレール上に旋回可能に取り付けられた支持構成要素を用いて形成されることが提供されてもよい。支持または保持構成要素は、ソーラーモジュールが配置される支持表面を提供する。スペーサーピンは互いに隣り合って形成された支持面上に配置されてもよく、スペーサーピンは両側に配置されるべきソーラーモジュールのためのストップを形成している。保持構成要素は旋回軸を中心として旋回可能であるようにベースレール上に取り付けられており、この軸はベースレールの長手方向に対して横方向に延びている。保持爪はせん断レールまたは固定用レールがベースレールと保持爪との間の間隔領域内に押し込まれ得るように、ベースレールを反対側で、かつベースレールから離れた距離で取り囲み得る。保持構成要素が旋回軸を中心に旋回されると、保持爪は、(上方に旋回することによって)係合から解放されてもよい。保持構成要素の旋回可能な取り付けは、ソーラーモジュールの異なる傾斜角度への連続的な調整を可能にする。
【0057】
さらなる実施形態が、以下、図面を参照してより詳細に説明される:
【図面の簡単な説明】
【0058】
【
図1】
図1は固定されていない構成でソーラーモジュールを支持するためのデバイスを示す。
【
図2】
図2はソーラーモジュールを固定構成で支持するための別のデバイスを示す。
【
図3】
図3は輸送構成においてソーラーモジュールを支持するためのさらに別のデバイスを示す。
【
図4A】
図4Aは低い上部支持体を有するソーラーモジュールを支持するデバイスを示す。
【
図4B】
図4Bは高い上部支持体を有するソーラーモジュールを支持するための別のデバイスを示す。
【
図5】
図5は片側10度構成のソーラーモジュール装置を示す;
【
図6】
図6は片側15度構成の別のソーラーモジュール装置を示す;
【
図7】
図7は両側10度構成のさらに別のソーラーモジュール装置を示す;
【
図8B】
図8Bはさらなるソーラーモジュール装置の詳細図を示す;
【
図9】
図9はソーラーモジュールをベースレールで支持するためのデバイスのための装置の概略図を示す;
【
図10】
図10は支持構成要素または保持構成要素を有する
図9の装置における部分概略図を示す;
【
図11】
図11は横ウインドデフレクタを有するソーラーモジュールを支持するためのデバイスのための装置の概略図を示す;
【
図14】支持構成要素または保持構成要素を有する、
図13の装置の部分拡大概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1は、ソーラーモジュールを支持するためのデバイスを示す。デバイスは、ベースレール1と形成される。上部支持体2はベースレール1上に配置され、上部支持体2はソーラーモジュールの上端をソーラーモジュールの片側に保持するために使用される。
【0060】
上部支持体2は、高さ調節可能である。この目的のために、支持体は2つの支持エレメント3a、3bと形成される。
図1の例示的な実施形態では、支持エレメント3a、3bの各々は2つの鋳造金属部品4と形成される。鋳造金属部品4は円筒ピン5によって互いに接続されている。図示の実施形態では、4つの鋳造金属部品4は構造的に同一である。
【0061】
支持エレメント3a、3bはヒンジ軸A上に位置する2つのヒンジ点6a、6bにおいて円筒ピン5によって互いに連結され、ヒンジ軸Aの周りの回転を可能にする。その結果、支持エレメント3a、3bは、互いに対して旋回され得る。支持エレメント3a,3bのそれぞれの下端には、円筒ピン5がそれぞれ2つの接続エレメント7a、7bと形成される。接続エレメント7a、7bは支持エレメント3a,3bから横方向に突出している。
【0062】
また、接続エレメント7a,7bは、ベースレール1の受け入れ開口部8a、8b、8cに配置されていてもよい。この場合、ベースレールの第1受け入れ開口部8aおよび第2受け入れ開口部8bはベースレール1の対向する側壁9a、9bにおいてそれぞれ1つの長孔状を形成しており、それぞれが全幅にわたってベースレール1を貫通し、かつ、ベースレールの上側に開口する間隙として形成されている。第1支持エレメント3aの接続エレメント7aは、上方から第1受け入れ開口部8aに向けて、または第2受け入れ開口部8bに向けて挿入することができる。これによって、ベースレール3のコースに沿った第1支持エレメント3aの下端のそれぞれの位置が規定される。
図1に記載のデバイスでは、第1受け入れ開口部8a中に第1接続エレメント7aが配置されている。
【0063】
ベースレール1のさらなる受け入れ開口部8cは円形の断面を有する間隙として形成され、この間隙はベースレール1の全幅を貫通し、かつ、ベースレール1の対向する側壁9a、9bに円形のボアを形成する。第2支持体3bの接続エレメント7bは、さらなる受け入れ開口部8c内に回転可能に配置されている。示された実施形態では、第2支持エレメント3bの接続エレメント7bがピン端として、円筒ピン5中において配置され、かつ、円筒ピン5から突出して、形成されている。この円筒ピンはさらなる受け入れ開口部8cに係合し、かつ、第2支持エレメント3bの下端をベースレール1の延びる方向に沿って静止した状態で固定している。
【0064】
図2はソーラーモジュールを支持するデバイスを示す。
図2のデバイスは、
図1の構成と比較して、第1支持エレメント3aの接続エレメント7aがベースレール1の第2受け入れ開口部8bに配置されている。この結果、第1支持エレメント3aおよび第2支持エレメント3は
図1に示す構成に対して旋回し、そして第1接続エレメント7aと第2接続エレメント7bとの距離によって決まる第1支持エレメント3aの下端と第2支持エレメント3bとの距離が大きくなる。したがって、ベースレール1の上方にある、第1接続エレメント7a、第2接続エレメント7b、およびヒンジ点6a、6bにより形成される各三角形の高さは低くなる。これにより、
図1に示す構成の上部支持体と比較して、
図2の構成の上部支持体の全高が低くなる。さらに、ソーラーモジュールの支持点がベースレール1に対してシフトする。その結果、上端がそれぞれの上部支持体2上に保持され、かつ、下端がそれぞれのベースレール1の高さにあるソーラーモジュールについて、
図1の構成および
図2の構成の間において、水平に対する異なる角度が達成される。
【0065】
図1および
図2の表現を比較すると、第1受け入れ開口部8aまたは第2受け入れ開口部8b内の第1接続エレメント7aの配置に応じて、ヒンジ点6a、6bの前後にベースレール1のコースに沿って配置された円筒ピン5が、第1支持エレメント3aおよび第2支持エレメント3bにおける鋳造金属部品4の異なる開口部と接触することが明らかである。この場合、上部支持体2をさらに安定させるために、適当なピン5が対応する開口部内に固定される。
【0066】
上部支持体2は保持デバイス10を有する。保持デバイス10は、それぞれのソーラーモジュールを保持するために2つの支持面11a、11bを有する。2つの支持面には1つまたは複数のソーラーモジュールが配置され、固定され得る。支持面11a、11bはソーラーモジュールを水平に対してある角度で支持するために、保持デバイス10の中央部分に対してある角度で配置される。ストップは、支持面11a、11bの各々に形成され、それに対して、保持デバイス10上に配置されるソーラーモジュールは、特にソーラーモジュールのフレーム構造に関して、それらを配向させるために横方向に配置されてもよい。したがって、示された実施形態において、保持デバイス10が4つのソーラーモジュール、すなわち、各々がベアリング面11a、11bの各々の上で互いに横方向に隣り合って配置された2つのソーラーモジュールを保持するように構成されていることが明らかである。
【0067】
図1と
図2の比較から明らかなように、第1受け入れ開口部8aと第2受け入れ開口部8bは、ベースレール1の上端とは異なる深さを有している。その結果、
図2に示すように、第1接続エレメント7aと第2接続エレメント7bとは、第1接続エレメント7aが第2受け入れ開口部8bに配置されたときに、同じ高さに配置される。第1接続エレメント7aが第1受け入れ開口部8aに配置された場合、第1接続エレメント7aは第2接続エレメント7bよりも高い位置にある。その結果、
図1に係る構成の保持デバイスは、
図2に係る構成で設定された中段部分の水平方位に対して角度が付けられる。異なる構成の支持面11aの水平に対して異なる角度がこのようにして達成される。
図1の例示的な構成では、支持面11aの水平に対する角度、したがって、ソーラーモジュールが支持面11a上に平らに配置される水平に対する角度は、15度である。
図2の例示的な実施形態によれば、水平に対する支持面11aの角度、したがって、ソーラーモジュールのベアリング角度は、10度である。
【0068】
この目的に沿った保持デバイス10の開口部には、ヒンジ軸Aに配置された円筒ピン5とヒンジ点6a、6bの前後にベースレール1のコースに沿って配置された円筒ピン5とが配置されている。その結果、ベースレール1のコースに沿ってヒンジ点6a、6bの前後に配置された円筒ピン5を各支持エレメント3a、3bの種々の位置における鋳造金属部品4の対応する開口部に固定することによって、保持デバイス10の位置および方位の固定が追加的に達成されることがある。
【0069】
図示の構成では、第2接続エレメント7bがデバイスの輸送用状態においてさらなる受け入れ開口部8cに固定位置で予め取り付けられている。ソーラーモジュールを支持するためのデバイスを準備するために、第1接続エレメント7aは、第1受け入れ開口部8aまたは第2受け入れ開口部8bに配置される。図示の実施例では、ヒンジ点6a、6bの前後に配置された円筒ピン5の固定は、第1接続エレメント7aが第1受け入れ開口部内8aまたは第2受け入れ開口部8b内に配置された後にのみ、鋳造金属部品4の対応する開口部内で行われる。これは第1受け入れ開口部内8aまたは第2受け入れ開口部8b内の第1接続エレメント7aを支持エレメント3a、3bに配置する間に、互いに対して移動可能であることが必要であるからである。
【0070】
図1において、固定用レール12は、ベースレール1のコースに沿ってベースレール1の後方に示されている。固定用レール12は連結レールと一緒に形成されている。この連結レールは互いの背後に1つずつ複数の配置を連結するように構成されている。固定用レール12はプロファイルと一緒に形成される。プロファイルは、ベースレール1の外形に当てはめられる。この結果、固定用レール12がベースレール1を下から包囲し、ベースレール1の側壁9a、9bを部分的に覆う。この目的のために、固定用レール12はベースレール1上に押し込まれる。これを
図2に示す。
【0071】
固定用レール12は、ベースレール1上に押しこまれると、第1受け入れ開口部8aおよび第2受け入れ開口部8bを部分的に覆って、閉じる。この場合、固定用レール12の第1位置(図示せず)が規定される。その中で固定用レールは、ベースレール1上に部分的に押し込まれ、まだ覆われておらず、第1受け入れ開口部8aおよび第2受け入れ開口部8bはまだ閉じていない。
図2に示す固定用レール12の第2位置では、後者が第1受け入れ開口部8aおよび第2受け入れ開口部8bを部分的に覆って、閉じるように、ベースレール1上にこれまで押し込まれる。その結果、第1接続エレメント7aはそれらが配置される受入れ開口部8a、8bから(すなわち、
図2の実施形態における第2受け入れ開口部8bから)移動することが防止される。その結果、上部支持体、特に第1支持エレメント3aを所望の位置に固定することが達成される。
【0072】
固定用レール12の内側には、固定用レール12が第1受け入れ開口部8a内のより高い配置および第2受け入れ開口部8b内のより低い配置の両方において、接続エレメント7aを包囲し、かつ固定できるように、それぞれの突起が形成される。
【0073】
固定用レール12は、第2位置にロックされてもよい。例えば、係止エレメントはベースレール1と固定用レール12との間に設けることができる。係止エレメント上において、固定用レール12が係止方式で第2位置にて固定される。例えば、第1接続エレメント7aおよび/または第2接続エレメント7bは弾性または弾性可動ピンエレメントと一緒に形成されてもよい。ピンエレメントは、固定用レール12の内側の対応する間隙に固定する目的で係合する。あるいは、固定用レール12は、例えば、挿入されるピンの手段、ネジ止め、接着、または溶着によって、第2位置でベースレール1に固定されてもよい。
【0074】
図3は、輸送構成におけるソーラーモジュールのための保持システムのための配置を示す。この場合、上部支持体2が完全に潰れるように第1支持エレメント3aが第2支持エレメント3bに対して配置される結果として、第1接続エレメント7aは完全に後方に移動する。この場合、支持エレメント3a,3bは、実質的にベースレール1の内部に配置されている。支持エレメント3a、3bおよび保持デバイス10は、実際には依然としてベースレールのプロファイルを越えて上方に突出する。それにもかかわらず、著しくコンパクトな構造が達成され、その結果、輸送構成における配置の輸送が容易になり得る。固定用レール12を形成する連結レールは、輸送構成において、ほぼ完全にベースレール1の上方に配置されている。この場合、第1接続エレメント7aは、ベースレール1の外側、すなわち後方に配置され、ベースレール1を越えて突出する固定用レール12の部分によって包囲される。その結果、接続エレメント7a、従って上部支持体2は、輸送構成で固定される。加えて、下部支持体13がベースレール1上に配置され、その各々はソーラーモジュールの下端を保持するように構成されている。
【0075】
図4Aおよび4Bはソーラーモジュールを支持するためのデバイスを示しており、このデバイスでは、固定用レール12が高さ調整不可能な上部支持体の固定に使用されている。
図4Aの表示によれば、第1高さを有する上部支持体2aがベースレール1上に配置されている。この目的のために、ベースレール1は、2つの受け入れ開口部8d,8eを有する。上部支持体2aには支持構造体3cが形成されている。支持構造体3cの下端には、ベースレール1の延伸方向に沿ってその前後に受け入れ開口部8d,8eに配置されている接続エレメント7c,7dを有している。この目的のために、ベースレール1の受け入れ開口部8d,8eは上端にて開口している。固定用レール12が受け入れ開口8d、8eを部分的に覆い、かつ、閉じるように、固定用レール12をベースレール1上に押し込んでもよい。そしてこれゆえに、接続エレメント7c、7dを固定し、その結果、
図1および
図2の実施形態に関連する文言に類似した上部支持体2aを固定するようにしてもよい。
図4Aと比較すると、
図4Bに係る実施形態では、上部支持体2bがベースレール1上に配置されているが、これは
図4Aの実施形態に係る上部支持体2aよりも高い。
【0076】
したがって、固定用レール12を第2位置に移動させることによって、
図4Aおよび
図4Bによる各デバイスを取り付けるときに、各上部支持体2a、2bを固定用レール12と共にベースレール1に固定することができる。さらに、固定用レール12を第1位置内に移動させ、ベースレール1上に配置された上部支持体を取り外し、所望の上部支持体をベースレール1上に配置し、かつ固定用レール12を第2位置内に移動させることによって、上部支持体の交換が可能になる。
【0077】
図5は、ソーラーモジュールの配置を示す。ソーラーモジュールの配置は2つのデバイス100a、100bを備える。その各々はベースレール1a、1bと、上部支持体2a、2bと、下部支持体13a、13bと、固定用レール12a、12bとして機能する接続レールとを備える。接続レールは保持システムを拡張するための追加のベースレールにベースレール1a、1bを接続するためのものである。
【0078】
デバイス100a、100bのベースレール1a、1bは平行に配向されている。また、上部支持体2a、2b、および下部支持体13a、13bは、それぞれベースレール1a、1bに沿って互いに同一の高さで配置されている。ソーラーモジュール101は、より良好な明瞭さのために
図5においてフレームとしてのみ示されている。ソーラーモジュール101は反対側の面の上端に載置され、上部支持体2a、2bのベアリング面または支持面11aによって保持されている。下端では、ソーラーモジュール101がそれぞれ、反対側の面に載置され、かつ、下部支持体13a、13bによって保持される。したがって、ソーラーモジュール101はソーラーモジュール装置によって、4つの支持点で保持される。その結果、ソーラーモジュール101のフレーム上の線形支持体とは対照的に、支持体は点状であると理解され得る。ソーラーモジュール101の4点ホルダーは、したがって、
図5に示される保持システムを備える。
【0079】
デバイス100a,100bの上部支持体2a、2bは、それぞれ第2受け入れ開口部8bに第1接続エレメント7aを備えて配置されている。その結果、上部支持体2a、2bがベースレール1の上方において同一の高さを有しており、かつ、支持面11aは水平に対して10度斜めになっている。したがって、ソーラーモジュール101は、水平に対して10度の角度で保持システム内に配向される。
【0080】
図6は、異なる構成のソーラーモジュール装置を示す。ソーラーモジュール装置では、上部支持体2a,2bがそれぞれ第1受け入れ開口部8aに第1接続エレメント7aを備えて配置されている。その結果、上部支持体2a、2bはベースレール1の上方において同一の高さを有しており、かつ、支持面11aは水平に対して15度斜めになっている。したがって、ソーラーモジュール101は、水平に対して15度の角度で、
図6の保持システム内で配向される。
【0081】
代替の構成では、デバイス100a、100b、特に上部支持体2a、2bはソーラーモジュール101の他の角度を設定することができるように設計することができる。この目的のために、受け入れ開口部およびピン5は、後者が受け入れられる穴と同様に、設計および配置されてもよい。これにより、上部支持体2a、2bの第1支持エレメント3aの対応する配置と共に、ソーラーモジュール101の所望の角度が設定される。
【0082】
複数のソーラーモジュール101の横方向配置が提供されてもよく、その各々は、
図5または
図6による配置で提供される。この場合、隣り合って配置された2つのソーラーモジュール101が同じ支持面11a上で互いに隣り合って保持されて提供される。この結果、2つのソーラーモジュールが同じ上部支持体2a、2b上に保持されるように設けられてもよい。
【0083】
図7は、2つのソーラーモジュール101a、101bは一方が他方の後ろに配置されている、さらなるソーラーモジュール装置を示す。この場合、第1ソーラーモジュール101aが反対側の面の上端に載置され、かつ、上部支持体2a、2bの支持面11aによって保持される。その下端において、第1ソーラーモジュール101aは、それぞれ、反対側の面を上に載置され、デバイス100a、100bの下部支持体13a、13bによって保持される。第2ソーラーモジュール101bは、上部支持体2a、2bの支持面11b反対側の面の上端に位置し、それによって保持されている。それらの下端では、第2ソーラーモジュール101bがそれぞれ、反対側を上にして載置されて、それによって保持され、さもなければ図示されていないさらなる下方のデバイスによって保持される。
図7による複数対のソーラーモジュール101a、101bの配置は、互いに隣接して設けられてもよい。この場合、互いに隣り合って配置された2つのソーラーモジュール101a、101bが同じ支持面11a、11b上に互いに隣り合って保持される。これにより、4つのソーラーモジュールが同じ上部支持体2a、2b上に保持されるようにすることができる。
【0084】
図7に係るソーラーモジュール装置では、上部支持体2a、2bがそれぞれ第2受け開口部8bに第1接続エレメント7aを備えて配置される。この結果、上部支持体2a,2bがベースレール1上で同じ高さになるように、かつ、支持面11a,11bのそれぞれが水平に対して10度の角度を有し、支持面11a,11bが反対方向に下降するように配置されている。したがって、
図7によるソーラーモジュール装置のソーラーモジュール101a、101bは、水平に対して10度の角度でそれぞれ互いに反対方向に向き合うように配向されており、かつ、反対方向に向かって下がっている。
【0085】
図5、6、および7に示されるソーラーモジュール装置はソーラーモジュールを平坦な屋根に取り付けるように構成されている。開示される保持システムはまた、他の用途、例えば、ソーラーモジュールの自立型取り付けにも使用可能である。平坦な屋根への取り付けの場合、保持システムを屋根に接続する多くのアプリケーションでは不可能である。これらの理由により、また、平坦な屋根への接続が可能である実施形態における安全性を高めるために、
図5、6、および7の実施形態によるソーラーモジュール装置の保持システムはバラストトラフ102を有している。これは、保持システムの重量を増加させるものであり、従って、例えば、風の作用による保持システムの移動を防止するために、バラストで満たされてもよい。バラストトラフは、ベースレール1a、1b上のエッジ領域において反対側に載置する。特に
図8Aおよび
図8Bの詳細図から分かるように、バラストトラフ102は、エッジ領域に開口部103を有する。開口部103は、受け入れ開口部8a、8b、8c内の接続エレメント7a、7bの様々な配置における支持エレメント3a、3bが開口部103内に受け入れられるように配置され、成形される。これは、ソーラーモジュール101の10度方位のための装置100bの構成について
図8Aに示されている。
図8Bは、ソーラーモジュール101の15度方位のための対応する構成を示す。
【0086】
支持エレメント3a、3bの、特にそれらの上方への拡幅の形状、および鋳造金属部品4の支柱の斜めの方位は、バラストトラフ102の上方への移動を制限する。このように、ベースレール1a、1bからのバラストトラフ102の(完全な)持ち上げが防止される。このようにして、バラストトラフ102は保持システムに固定される。
【0087】
また、
図5および6に示されるソーラーモジュール装置は、それぞれ後部ウインドデフレクタ104を有する。後部ウインドデフレクタ104は、成形金属シートで形成され、風がそれぞれのソーラーモジュール101の後方下から流れて上方に移動するのを防止する。上部支持体2bの異なる構成について
図8Aおよび
図8Bの詳細な表現に例として示すように、上部支持体2bの保持デバイス10上にデフレクタホルダ105が配置されている。デフレクタホルダ105は、凹状に丸められた支持面106を有する。後部ウインドデフレクタ104は凹状に丸められた接触面107を有し、支持面106の形状に適合している。この場合の支持面106および接触面107のそれぞれの形状は、後部ウインドデフレクタ104が単に支持面106上で上部支持体2bの高い構成と上部支持体2bの低い構成との間でシフトされるように選択される。これは、特に、
図8Aおよび8Bの比較において見ることができる。したがって、接触面107の形状により、同じ後部ウインドデフレクタ104は、保持システムに使用するためのデフレクタホルダ105との接続に適している。また、後部ウインドデフレクタは、ソーラーエレメントが異なる角度構成を有するソーラーモジュール装置に適している。例えば、
図5に例を挙げて示すように、10度構成の保持システムの両方、ならびに、
図6に例を挙げて示すように、15度構成の保持システムに適している。
【0088】
後部ウインドデフレクタ104の上端は、適切な固定手段によってデフレクタホルダ105上に所望の位置に固定される。例えば、支持面106上に配置された後部ウインドデフレクタ104はデフレクタホルダ105にネジ止めされてもよいし、締め付けエレメントによって固定されてもよい。後部ウインドデフレクタ104の下端は、下部支持体13によって保持されてもよい。
図8Aでは、例として、さらなる配置の下部支持体13に保持されているウインドデフレクタ104の下端が示されている。この配置は、別の方法では図示されておらず、装置100bの後ろに配置されている。あるいは、ウインドデフレクタ104の下端が別のエレメント上に載置してもよい。
図8Bでは、例として、ウインドデフレクタ104の後端が固定用レール12bとして機能する装置100bの接続レール上に載っていることが示されている。
【0089】
後部ウインドデフレクタ104に加えて、またはこれに代わるものとして、横方向ウインドデフレクタ108を設けてもよい。これにより、それぞれのソーラーモジュール101の横下側から風が流れ、ソーラーモジュールを上方に移動させるのを防止することができる。このような横方向のウインドデフレクタ108は
図5および
図6に、それぞれの装置100a上の金属薄板の形成で示されている。
図7の実施形態によれば、2つの横方向ウインドデフレクタ108a、108bが装置100a上に設けられている。これが一緒になって、保持システムの側面全体を風から遮蔽する。より明確にするために、横方向のウインドデフレクタ108は、それぞれの装置100b上に
図5、6、および7に示されていない。しかしながら、
図5、
図6、および
図7の実施形態による装置100bのために、対応する横方向ウインドデフレクタ108を設けることもできる。
【0090】
これに代えて、または、これに加えて、支持エレメント3a、3bの上、または中にケーブル配策を設けることができる。
【0091】
図9はベースレール1でソーラーモジュールを支持するためのデバイスのための配置の模式図を示しており、その上には、支持エレメント3aが上部支持体の一部として配置されている。ベースレール1上に旋回可能に取り付けられた支持構成要素120を有する下部支持体13のさらなる実施形態は、ベースレール1上に配置される。支持または保持構成要素120を有するベースレール1の部分は
図10に拡大されて示されている。支持構成要素120がソーラーモジュール(図示せず)を配置するための支持表面またはベアリング表面121を設けており、スペーサーピン123は互いに隣り合って形成されたベアリング表面121、122上に配置されている。スペーサーピン123は、両側に配置されるソーラーモジュールのためのストップが形成されている。保持構成要素120は旋回軸124に対して旋回可能となるようにベースレール1上に取り付けられる。旋回軸124はベースレール1の長手方向に対して横方向に延びる。
図9および
図10に示す位置では、維持爪(retaining claws)125がベースレール1を反対側で、かつベースレール1から離れた位置でつかみ、これにより、せん断レール12(図示せず)をベースレール1と保持爪125との間隔領域に押し込むことができる。保持構成要素120が旋回軸124を中心に旋回される場合、保持爪125は、(上方に旋回することによって)
図10に示される係合から解放されてもよい。したがって、保持構成要素120の旋回可能な取り付けは、ソーラーモジュールの異なる傾斜角度への連続的な調整を可能にする。
【0092】
図10の表現によれば、排水溝127はベースレール1の長手方向の底部領域126に形成され、これは水、特に雨水を排水する役割を果たす(
図14の詳細な表現も参照)。ケーブルがベースレール1に挿入されている場合、これによりケーブルが水中に横たわるのを防止する。したがって、排水溝127を介してベースレール1から排水される水は次いで、下方の固定用レール12に到達することができ、そこから、固定用レール12上に形成された凹部128の外部に排出されることができる。排水チャンネルは、凹部128と、その上に配置された固定用レールのベースとによって形成される。
【0093】
図11~
図15は、横方向ウインドデフレクタ108が設けられた実施形態を示す。
図14および
図15によれば、横方向ウインドデフレクタ108の部分130は、固定用レール12上の凹部131に受け入れられ、したがって、その取り付け位置に固定される。
【0094】
ソーラーモジュール101aはクランプエレメント132によって保持構成要素120に固定されており、図示の実施形態では、機械的固定手段としてネジ結合が使用されている。クランプエレメント132は、様々な高さまたは厚さのソーラーモジュールがクランプされる、割り当てられたラッチプロファイル133によって調整されてもよい。
【0095】
上述の説明、特許請求の範囲、および図面に開示された特徴は、異なる実施形態を実施するために、個々に、また任意の組合せで、関連するものであってもよい。