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特許7265612光ファイバケーブル、光ファイバケーブルを用いた光コンバイナユニット、及び、レーザ装置
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  • 特許-光ファイバケーブル、光ファイバケーブルを用いた光コンバイナユニット、及び、レーザ装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-18
(45)【発行日】2023-04-26
(54)【発明の名称】光ファイバケーブル、光ファイバケーブルを用いた光コンバイナユニット、及び、レーザ装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/44 20060101AFI20230419BHJP
   G02B 6/42 20060101ALI20230419BHJP
   H01S 3/067 20060101ALN20230419BHJP
【FI】
G02B6/44 366
G02B6/44 386
G02B6/42
G02B6/44 331
G02B6/44 341
H01S3/067
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021502020
(86)(22)【出願日】2020-02-18
(86)【国際出願番号】 JP2020006257
(87)【国際公開番号】W WO2020171059
(87)【国際公開日】2020-08-27
【審査請求日】2021-06-07
(31)【優先権主張番号】P 2019029420
(32)【優先日】2019-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005186
【氏名又は名称】株式会社フジクラ
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100206081
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 央
(74)【代理人】
【識別番号】100188891
【弁理士】
【氏名又は名称】丹野 拓人
(72)【発明者】
【氏名】佐山 忠嘉
【審査官】奥村 政人
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-014579(JP,A)
【文献】特開2003-279444(JP,A)
【文献】特開平05-183224(JP,A)
【文献】特開2004-350155(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0221601(US,A1)
【文献】特開2014-224898(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/02- 6/10
G02B 6/44
G01M 11/00
H01B 11/00-11/22
H01S 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源から出力されるレーザ光を伝搬する光ファイバと、
インナーチューブと前記インナーチューブを覆うアウターチューブとを有するケーブル被覆と、
第1開放検知線と第2開放検知線とを有する一対の開放検知線と、
第1断線検知線と第2断線検知線とを有する一対の断線検知線と、
光ファイバケーブルの第1端部に配置された光コネクタと、を備え、
前記第1開放検知線の第1端部および前記第2開放検知線の第1端部は、前記光コネクタの内部に配置されており、かつ前記光コネクタの内部で電気的に接続されておらず、
前記第1断線検知線の第1端部および前記第2断線検知線の第1端部は、前記光コネクタの内部に配置されており、かつ前記光コネクタの内部で電気的に接続されており、
前記光ファイバと、前記第1断線検知線とが、前記インナーチューブの内側の第1領域に配置されており、
前記第2断線検知線、前記第1開放検知線及び前記第2開放検知線が、前記インナーチューブの外側と前記アウターチューブの内側との間の第2領域に配置されている、光ファイバケーブル。
【請求項2】
前記第1断線検知線の前記第1端部及び前記第2断線検知線の前記第1端部は、前記光コネクタの内部において、温度センサを介して電気的に接続されている、請求項1に記載の光ファイバケーブル。
【請求項3】
前記第1断線検知線、前記第2断線検知線、前記第1開放検知線及び前記第2開放検知線のうち、前記第1断線検知線の少なくとも一部は、前記ケーブル被覆の内部において、前記光ファイバに最も近い位置に配置されており、
前記ケーブル被覆の内部に位置する前記第2断線検知線は、絶縁層で被覆されており、
前記ケーブル被覆の内部に位置する前記第1断線検知線は、絶縁層を有さない、又は、前記第2断線検知線の絶縁層よりも厚みが小さい絶縁層で被覆されている、請求項1または2に記載の光ファイバケーブル。
【請求項4】
前記光ファイバと前記第1断線検知線とは、少なくとも一部において被覆部材により一体化されている、請求項1からのいずれか1項に記載の光ファイバケーブル。
【請求項5】
前記光ファイバと前記第1断線検知線とは、前記光コネクタの内部で少なくとも一部において前記被覆部材により一体化されている、請求項に記載の光ファイバケーブル。
【請求項6】
請求項1からいずれか1項に記載の光ファイバケーブルと、
複数の入力用光ファイバから出射される光が入射する光コンバイナとを備え、
前記光コンバイナの出射端と前記光ファイバケーブルに配置された前記光ファイバのコアとが光学的に接続されている、光コンバイナユニット。
【請求項7】
請求項1からいずれか1項に記載の光ファイバケーブルと、
前記光ファイバケーブルを伝搬する光を出射する少なくとも一つの光源と、を備えるレーザ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバケーブル、光ファイバケーブルを用いた光コンバイナユニット、及び、レーザ装置に関する。
本願は、2019年2月21日に日本に出願された特願2019-029420号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
【背景技術】
【0002】
高出力のレーザ光を伝搬する光ファイバケーブルにおいては、なんらかの理由により光ファイバが損傷を受けた場合等に、速やかにレーザ光の出力を下げられることが求められる。光ファイバが損傷を受けた場合に光ファイバケーブルで生じる異常を検知するための技術が特許文献1に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】日本国特開2004-205764号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、光ファイバケーブルをレーザヘッドに接続させる際に接続不良が生じる場合がある。接続不良の状態でレーザ光が出力された場合、接続不良が生じている箇所からレーザ光が外部空間へ放出されてしまう可能性がある。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたもので、レーザ光を伝搬する光ファイバケーブルとレーザヘッドとの接続不良を検知可能な光ファイバケーブル、光ファイバケーブルを用いた光コンバイナユニット、及び、レーザ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様に係る光ファイバケーブルは、光源から出力されるレーザ光を伝搬する光ファイバと、インナーチューブと前記インナーチューブを覆うアウターチューブとを有するケーブル被覆と、第1開放検知線と第2開放検知線とを有する一対の開放検知線と、光ファイバケーブルの第1端部に配置された光コネクタと、を備え、前記第1開放検知線の第1端部および前記第2開放検知線の第1端部は、前記光コネクタの内部に配置されており、かつ前記光コネクタの内部で電気的に接続されておらず、前記光ファイバは、前記インナーチューブの内側の第1領域、または前記インナーチューブの外側と前記アウターチューブの内側との間の第2領域のいずれか一方の領域に配置され、前記一対の開放検知線のうち少なくとも一方は、前記光ファイバの配置されていない前記第1領域または前記第2領域のいずれか一方に配置されている。
【0007】
光ファイバケーブルをレーザヘッドへ接続する際には、レーザヘッドに設けられた接続部材(バヨネット)と光ファイバケーブルの光コネクタとが接続される。ここで、第1開放検知線と第2開放検知線とが電気的に接続されるように接続部材に短絡回路が設けられる。光ファイバケーブルの光コネクタがレーザヘッドに対して正常に接続されている場合は第1開放検知線と第2開放検知線とが電気的に接続される。一方で、光ファイバケーブルとレーザヘッドとの間に接続不良が生じている場合は、第1開放検知線と第2開放検知線とが電気的に接続されない。このように、第1開放検知線と第2開放検知線との通電の有無により接続部材と光コネクタとの接続不良が生じているか否かを判定することができる。これにより、光ファイバケーブルとレーザヘッドとの接続不良を検知することが可能になる。
【0008】
また、開放検知線のうち、少なくとも一方が光ファイバの配置されていない領域に配置される。この構成により、仮に光ファイバケーブル内で光ファイバの断線が発生した場合であっても、例えば、少なくとも一方の開放検知線が断線することにより、光ファイバの断線も検知することができる。また、いずれか一方の開放検知線がインナーチューブの隔壁によって光ファイバから隔てられているため、一対の開放検知線同士が接触して通電することを防ぐことができる。
【0009】
また、光ファイバケーブルは、第1断線検知線と第2断線検知線とを有する一対の断線検知線をさらに備え、前記第1断線検知線の第1端部および前記第2断線検知線の第1端部は、前記光コネクタの内部に配置されており、かつ前記光コネクタの内部で電気的に接続されていてもよい。
【0010】
このような構成によれば、接続部材と光コネクタとの接続不良に加えて光ファイバケーブル内の光ファイバの断線も検知することが可能になる。また、断線検知線と開放検知線とが独立して構成されているため、光ファイバの断線検知と光コネクタにおける開放検知とを独立して検知することが可能となる。
【0011】
また、前記第1断線検知線の前記第1端部及び前記第2断線検知線の前記第1端部は、前記光コネクタの内部において、温度センサを介して電気的に接続されていてもよい。
【0012】
このような構成により、断線検知線を温度検知線としても用いることができる。すなわち、一対の検知線に光ファイバの断線検知及び光コネクタ内部の温度検出の両方の機能を持たせることができる。
【0013】
また、前記光ファイバと前記第1断線検知線とが前記第1領域に配置されており、前記第2断線検知線、前記第1開放検知線及び前記第2開放検知線が前記第2領域に配置されていてもよい。
【0014】
このような構成によれば、何らかの異常により光ファイバが断線した場合、インナーチューブ内に配置されている第1断線検知線が溶断して光ファイバの断線が検知される。さらに、光ファイバ及び第1断線検知線が配置されている第1領域と、第2断線検知線、第1開放検知線及び第2開放検知線が配置されている第2領域と、がインナーチューブの隔壁によって隔てられていることにより、第1断線検知線と第2断線検知線とが接触して再び通電することが抑制される。
その結果、確実に光ファイバの断線を検知することができる。同様に、第1開放検知線と第2開放検知線とが漏れ出たレーザ光により損傷し通電してしまうことを防ぐことができる。これにより、確実に光ファイバケーブルとレーザヘッドとの接続不良を検知することができる。
【0015】
また、前記第1断線検知線、前記第2断線検知線、前記第1開放検知線及び前記第2開放検知線のうち、前記第1断線検知線の少なくとも一部は、前記ケーブル被覆の内部において、前記光ファイバに最も近い位置に配置されており、前記ケーブル被覆の内部に位置する前記第2断線検知線は、絶縁層で被覆されており、前記ケーブル被覆の内部に位置する前記第1断線検知線は、絶縁層を有さない、又は、前記第2断線検知線の絶縁層よりも厚みが小さい絶縁層で被覆されていてもよい。
【0016】
このような構成によれば、何らかの異常により光ファイバに断線が発生した場合、第1断線検知線を優先的に溶断させることができ、早期に光ファイバの断線を検知し得る。
【0017】
また、前記光ファイバと前記第1断線検知線とは、少なくとも一部において被覆部材により一体化されてもよい。
【0018】
このような構成によれば、何らかの異常により光ファイバに断線が発生した場合、第1断線検知線をさらに優先的に溶断させることができ、早期に光ファイバの断線を検知し得る。
【0019】
また、前記光ファイバと前記第1断線検知線とは、前記光コネクタの内部で少なくとも一部において前記被覆部材により一体化されていてもよい。
【0020】
例えば、レーザ光を被加工体に照射した際に、反射光の影響により、光コネクタ内部で光ファイバの断線が生じやすい。このような構成によれば、光ファイバの断線が生じやすい光コネクタ内において光ファイバに断線が発生した場合、第1断線検知線を優先的に溶断させることができ、早期に光コネクタ内での光ファイバの断線を検知し得る。
【0021】
また、上記課題を解決するため、本発明の一態様に係る光コンバイナユニットは、上記光ファイバケーブルと、複数の入力用光ファイバから出射される光が入射する光コンバイナとを備え、前記光コンバイナの出射端と前記光ファイバケーブルに配置された前記光ファイバのコアとが光学的に接続されていてもよい。
【0022】
上記の光ファイバケーブルによって、光ファイバケーブルとレーザヘッドとの接続不良を検知することが可能な光コンバイナユニットを実現することができる。
【0023】
また、上記課題を解決するため、本発明の一態様に係るレーザ装置は上記光ファイバケーブルと、上記光ファイバケーブルを伝搬する光を出射する少なくとも一つの光源とを備えていてもよい。
【0024】
上記の光ファイバケーブルによって光ファイバケーブルとレーザヘッドとの接続不良を検知することが可能なレーザ装置を実現することができる。
【発明の効果】
【0025】
以上のように本発明の一態様に係る光ファイバケーブルによれば、レーザ光を伝搬する光ファイバケーブルとレーザヘッドとの接続不良を検知することが可能となる。
また、本発明の一態様に係る光コンバイナユニットによれば、上記光ファイバケーブルを備えていることにより、レーザ光を伝搬する光ファイバケーブルとレーザヘッドとの接続不良を検知することが可能となる。
また、本発明の一態様に係るレーザ装置においては、上記光ファイバケーブルを備えていることにより、レーザ光を伝搬する光ファイバケーブルとレーザヘッドとの接続不良を検知することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本実施形態に係るレーザ装置の一部(光伝搬部)を示す概念図である。
図2】本実施形態に係るレーザ装置の一部(開放検知線部)を示す概念図である。
図3A】本実施形態に係るレーザ装置の一部(断線検知線部)を示す概念図である。
図3B図3Aのレーザ装置の一部(断線検知線部)の変形例を示す概念図である。
図4】本実施形態に係る光ファイバケーブルの断面図である。
図5】本実施形態に係る光ファイバケーブルの一部を示す概念図である。
図6】本実施形態に係るレーザ装置を示す概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本実施形態に係る光ファイバケーブル、光ファイバケーブルを用いた光コンバイナユニット、及び、レーザ装置の好適な実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0028】
まず、本実施形態のレーザ装置100の構成について説明する。
【0029】
図6は、本発明の実施形態に係るレーザ装置100を示す概念図である。図6に示すように、本実施形態のレーザ装置100は、レーザシステム本体110と、光ファイバケーブル30と、を主な構成として備える。
【0030】
レーザシステム本体110は、光源50および判定部60を有する。光ファイバケーブル30の第2端部30bがレーザシステム本体110に接続されている。
光ファイバケーブル30は、光ファイバ21、開放検知線7、断線検知線6、ケーブル被覆31、および光コネクタ36を備える。
光源50から出力されたレーザ光は、光ファイバ21を伝搬して光コネクタ36から外部へ出射される。
【0031】
第1開放検知線71の第2端部と第2開放検知線72の第2端部とは、判定部60に接続されており、判定部60を介して電気的に接続されている。
第1断線検知線61の第2端部と第2断線検知線62の第2端部とは、判定部60に接続されており、判定部60を介して電気的に接続されている。
【0032】
図1は、本実施形態に係るレーザ装置100の光伝搬部1を示す概念図である。図1に示すように、本実施形態の光伝搬部1は、光源50と、光ファイバケーブル30とを主な構成として備える。また、本実施形態の光コンバイナユニット2は、複数の入力用光ファイバ11と、光コンバイナ20と、光ファイバケーブル30とを主な構成として備える。
なお、図1では、説明のためレーザ装置100の光伝搬部1以外の構成の図示を省略している。
【0033】
光源50は、複数のレーザユニット10と複数の入力用光ファイバ11と光コンバイナ20とを備える。
【0034】
それぞれのレーザユニット10は、所定の波長の信号光を出射するレーザ光源であり、例えば、ファイバレーザ装置や固体レーザ装置である。レーザユニット10がファイバレーザ装置である場合、例えば共振器型のファイバレーザ装置や、MO-PA(Master Oscillator Power Amplifier)型のファイバレーザ装置が用いられる。それぞれのレーザユニット10から出射する信号光は、例えば、1070nmの波長の光である。
なお、信号光とは、信号を含む光に限定されない。
【0035】
それぞれのレーザユニット10には、レーザユニット10から出射する信号光を伝搬する入力用光ファイバ11が接続されている。入力用光ファイバ11は、ベアファイバと、ベアファイバの外周に形成された被覆層と、を備える。ベアファイバは、例えば石英系ガラスなどにより形成され、光を伝達する。ベアファイバは、コアと、コアを覆うクラッドと、を有している。被覆層は、例えばUV硬化型樹脂により形成され、ベアファイバを覆っている。被覆層は、1層の樹脂層により形成されていてもよいし、プライマリ層およびセカンダリ層の2層を備えていてもよい。または、2層以上の樹脂層を備えていてもよい。
【0036】
それぞれの入力用光ファイバ11は、例えば、コアの直径が20μm程度のフューモードファイバとされる。従って、それぞれのレーザユニット10から出射する信号光は、2から10程度のLP(Linearly Polarized)モードで、それぞれの入力用光ファイバ11を伝搬する。
【0037】
光コンバイナ20は、複数の入力用光ファイバ11のコアと光ファイバ21のコアとを接続する部材である。光コンバイナ20では、例えば、それぞれの入力用光ファイバ11の端面と、入力用光ファイバ11よりも直径の大きい光ファイバ21の端面とが接続されている。
【0038】
光ファイバ21は、ベアファイバと、ベアファイバの外周に形成された被覆層と、を備える。ベアファイバは、例えば石英系ガラスなどにより形成され、光を伝達する。ベアファイバは、コアと、コアを覆うクラッドと、を有している。光ファイバ21の被覆層は、入力用光ファイバ11と同様な構成であってもよい。
光ファイバ21は、例えば、コアの直径が50μmから100μm程度、クラッドの外径が360μm程度のマルチモードファイバであることが好ましい。
【0039】
図1から図6を用いて、光ファイバケーブル30を説明する。
図1に示すように、光ファイバケーブル30の第1端部30aには、光コネクタ36が取り付けられている。光ファイバケーブル30の第2端部30bにおいて、光ファイバ21が、光コンバイナ20に接続されている。光ファイバケーブル30の第2端部30bでは、光ファイバ21が光ファイバケーブル30のケーブル被覆31から延出しており、光ファイバケーブル30から延出した光ファイバ21が、光コンバイナ20と接続されていてもよい。なお、図1から図6において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0040】
図2には、レーザ装置100の開放検知部を示す。開放検知部は、光ファイバケーブル30、および判定部60を備える。
図2に示すように、光ファイバケーブル30の第1端部30aに配置された光コネクタ36は、レーザヘッド(不図示)に設けられた接続部材(バヨネット)70へ接続されている。
光ファイバケーブル30の第2端部30b側において、第1開放検知線71および第2開放検知線72は、判定部60に接続されている。
【0041】
なお、図2では、説明のためレーザ装置100の開放検知部以外の構成の図示を省略している。また、図2では、光ファイバケーブル30の第2端部30bが判定部60に接続されているが、光ファイバケーブル30の第2端部30bから第1開放検知線71および第2開放検知線72が延出しており、延出した第1開放検知線71および第2開放検知線72が判定部60と接続されていてもよい。
【0042】
(開放検知線)
一対の開放検知線7は、ケーブル被覆31に挿通されている。開放検知線7は、例えば、導電性を有する金属で形成されている。一対の開放検知線7は、第1開放検知線71および第2開放検知線72を有する。第1開放検知線71の第1端部は光コネクタ36の内部まで延びている。また、同様に第2開放検知線72の第1端部は光コネクタ36の内部まで延びている。光ファイバケーブル30内において、一対の開放検知線7同士は電気的に接続されていない。また、光コネクタ36内に配置された第1及び第2開放検知線71、72の第1端部同士は、電気的に接続されていない。
【0043】
また、第1開放検知線71の第2端部と第2開放検知線72の第2端部とは、図6に示すように判定部60に接続されており、判定部60を介して電気的に接続されている。
【0044】
図2に示すように、光ファイバケーブル30をレーザヘッド(不図示)へ接続する際には、レーザヘッドに設けられた接続部材70と光ファイバケーブル30の光コネクタ36とが接続される。ここで、接続部材70には短絡回路70aが設けられており、接続部材70と光コネクタ36とが正常に接続された場合は、第1開放検知線71と第2開放検知線72とが電気的に接続される。
【0045】
このように、判定部60は、第1開放検知線71と第2開放検知線72との間の電気的な回路の通電状態をモニタする。判定部60は、開放検知線7同士の回路が通電状態にあり、接続部材70と光コネクタ36とが正常に接続されていることが検知された場合に、レーザ装置100においてレーザ光の出射が可能な状態と判定する。判定部60は、レーザ装置100においてレーザ光が出射可能な状態であるとの情報を光源50に伝達する。
【0046】
一方で、接続部材70と光コネクタ36とが正常に接続されていない場合、すなわち接続不良が生じている場合は、第1開放検知線71と第2開放検知線72とが電気的に接続されていない状態となる。この場合は、第1開放検知線71と第2開放検知線72との間に閉回路が形成されない。通電状態をモニタする判定部60は、接続部材70と光コネクタ36とが正常に接続されていないことを検知し、レーザ装置100においてレーザ光の出射が不可能な状態と判定する。さらに、判定部60は、レーザ装置100がレーザ光を出射しないように光源50を制御する。これにより、レーザ装置100においてレーザ光の出射が停止されるため、接続部材70と光コネクタ36との間からレーザ光が誤って出射されることを防ぐことができる。また、使用者に向かってレーザ光が照射されてしまうことを防ぐことができるので、使用者の安全が確保される。
【0047】
このように、第1開放検知線71と第2開放検知線72との通電の有無により接続部材70と光コネクタ36との接続不良が生じているか否かを判定することができる。これにより、光ファイバケーブル30とレーザヘッドとの接続不良を検知することが可能になる。
【0048】
図3Aに、レーザ装置100の断線検知部を示す。断線検知部は、光ファイバケーブル30、および判定部60を備える。
図3Aに示すように、光ファイバケーブル30の第1端部30aに配置された光コネクタ36は、回路基板80を備える。
光ファイバケーブル30の第2端部30b側において、第1断線検知線61および第2断線検知線62が、判定部60に接続されている。
【0049】
なお、図3Aでは、説明のためレーザ装置100の断線検知部以外の構成の図示を省略している。また、図3Aでは、光ファイバケーブル30の第2端部が判定部60に接続されているが、光ファイバケーブル30から第1断線検知線61および第2断線検知線62が延出しており、延出した第1断線検知線61および第2断線検知線62が判定部60と接続されていてもよい。
【0050】
(断線検知線)
図3Aに示すように、一対の断線検知線6がケーブル被覆31に挿通されている。断線検知線6は、例えば、導電性を有する金属で形成されている。一対の断線検知線6は、第1断線検知線61と第2断線検知線62とを有する。第1断線検知線61の第1端部は光コネクタ36の内部まで延びており、光コネクタ内の回路基板80に接続されている。また、第2断線検知線62の第1端部は光コネクタ36の内部まで延びており、光コネクタ内の回路基板80に接続されている。光コネクタ36内に配置された第1断線検知線61及び第2断線検知線62の第1端部同士は、回路基板80を介して電気的に接続されている。
【0051】
また、第1断線検知線61の第2端部と第2断線検知線62の第2端部は、図6に示すように判定部60に接続されており、判定部60を介して電気的に接続されている。
【0052】
ここで、なんらかの理由により光ファイバ21が断線した場合、その断線箇所からレーザ光が放射され、第1断線検知線61または第2断線検知線62が溶断される。
【0053】
その結果、第1断線検知線61と第2断線検知線62との間に形成された閉回路の通電が遮断される。当該回路の通電状態をモニタする判定部60は、通電が遮断されたことにより光ファイバ21の断線を検知し、レーザ装置100においてレーザ光の出射が不可能な状態と判定する。判定部60は、レーザ装置100がレーザ光を出射しないように光源50を制御する。これにより、レーザ装置100においてレーザ光の出射が停止される。また、レーザ光が断線箇所から出射して周辺の機器や作業者へ照射されてしまうことを防ぐことができるので、周辺の機器の損傷を防ぎ、また作業者の安全を確保することができる。
【0054】
また、ケーブル被覆31は、図4に示すように円筒状に形成されたアウターチューブ13とインナーチューブ12とを有する。アウターチューブ13はインナーチューブ12を覆うように配置されている。すなわち、ケーブル被覆31は二重の管で構成されている。
ケーブル被覆31の材質としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレンエチルアクリレート共重合体(EEA)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンプロピレン共重合体(EP)などのポリオレフィン(PO)樹脂、ポリ塩化ビニル(PVC)などを用いることができる。アウターチューブ13およびインナーチューブ12は同じ材質で形成されていてもよいし、異なる材料で形成されていてもよい。
【0055】
インナーチューブ12の内部の第1領域R1にはレーザ光が伝搬する光ファイバ21および絶縁層で被覆された第1断線検知線61が挿通されている。光ファイバ21の両端はそれぞれ光コネクタ36及び光コンバイナ20に光学的に接続されている。なお、第1断線検知線61は絶縁層を備えていなくてもよい。
【0056】
第1領域R1において、第1断線検知線61は、光ファイバ21の延びる長手方向に沿って設けられていてもよく、また、光ファイバ21の長手方向に沿って螺旋状に巻き付けるように設けられていてもよい。
【0057】
インナーチューブ12の外側とアウターチューブ13の内側との間の第2領域R2には第2断線検知線62、第1開放検知線71、および第2開放検知線72が挿通されている。第2断線検知線62、第1開放検知線71、および第2開放検知線72はそれぞれ絶縁層で被覆されていてもよい。
このように、第1断線検知線61、第2断線検知線62、第1開放検知線71及び第2開放検知線72のうち、第1領域R1に配置された第1断線検知線61は光ファイバ21に最も近い位置に配置されている。
【0058】
ここで、何らかの理由により光ファイバ21に断線が発生してその断線箇所からレーザ光が放射された際に、光ファイバ21に最も近い位置に配置されている第1断線検知線61が優先的に溶断する。これにより、第1断線検知線61と第2断線検知線62との間に形成された回路の通電が遮断されるため、光ファイバ21の断線が検知される。
さらに、光ファイバ21及び第1断線検知線61が配置されている第1領域R1と第2断線検知線62が配置されている第2領域R2とがインナーチューブ12の隔壁によって隔てられている。これにより、断線検知後に第1断線検知線61と第2断線検知線62とが接触して、再び通電したと判定されることを防ぐことができる。このように、第1断線検知線61および第2断線検知線62によって光ファイバケーブル30の長手方向における光ファイバ21の断線を確実に検知することができる。
【0059】
また、第1断線検知線61の絶縁層の厚さは、第2断線検知線62の絶縁層の厚さよりも小さくてもよい。
さらに、第1断線検知線61は、第2断線検知線62よりも光ファイバ21の近くに配置されている。これにより、光ファイバ21に断線が発生して断線箇所からレーザ光が放射された際に、第1断線検知線61は早期に溶断する。これに対して、インナーチューブ12の隔壁によって断線箇所から隔てられ、かつ、相対的に絶縁層の厚みの大きい第2断線検知線62は第1断線検知線61と比べて溶断しにくい。このため、第1断線検知線61と第2断線検知線62とが接触した場合でも、第2断線検知線62が絶縁層で被覆されているため、当該断線検知線の回路において再び通電することが抑制される。その結果、光ファイバの断線をさらに確実に検知することができる。
【0060】
第1断線検知線61は絶縁層を備えておらず、信号線が露出していてもよい。すなわち、第1断線検知線61と第2断線検知線62のうち、第2断線検知線62のみが絶縁層を備えていてもよい。第1断線検知線61が絶縁層で被覆されている場合に比べて、光ファイバ21が断線した際により早期に第1断線検知線61を溶断させることができるため、光ファイバ21の断線をより早期に検知することができる。
【0061】
さらに、第2領域R2には絶縁層で被覆された第1開放検知線71と第2開放検知線72とが挿通されている。
【0062】
すなわち、光ファイバ21及び第1断線検知線61が配置されている第1領域R1と第1開放検知線71と第2開放検知線72とが配置されている第2領域R2とがインナーチューブ12の隔壁によって隔てられている。このため、光ファイバ21に断線が発生して、断線箇所からレーザ光が放射された際に第1断線検知線61が溶断する場合であっても、第1開放検知線71と第2開放検知線72とが接触して通電することが抑制される。また、第1開放検知線71および第2開放検知線72が絶縁層を有する場合でも、レーザ光により当該被覆層が損傷し、開放検知線71、72同士が接触して通電することを防ぐことができる。その結果、光ファイバケーブル30とレーザヘッドとの接続不良を確実に検知することができる。
【0063】
なお、第1開放検知線71と第2開放検知線72とのうち、少なくとも一方が光ファイバ21の配置されていない第2領域R2に配置されていればよい。すなわち、第1領域R1および第2領域R2のうち、一方には光ファイバ21が配置され、他方には一対の開放検知線7のうち少なくとも一方が配置されていればよい。これにより、光ファイバ21に断線が発生した場合であっても、例えば、少なくとも一方の開放検知線7が断線することにより、光ファイバ21の断線も検知することができる。また、いずれか一方の開放検知線7がインナーチューブ12の隔壁によって光ファイバ21と隔てられているため、開放検知線7同士が接触して通電することを防ぐことができる。
【0064】
また、図5に示すように、光ファイバ21と第1断線検知線61とは、少なくとも一部において被覆部材90により一体化されていてもよい。被覆部材90は、例えば、熱収縮チューブであってもよい。
【0065】
光ファイバ21と第1断線検知線61とが被覆部材90により一体化された領域では、光ファイバ21に断線が発生して断線箇所からレーザ光が放射された際に、早期に第1断線検知線61を溶断させることができる。このため、光ファイバ21の断線をより早期に検知することができる。
【0066】
被覆部材90が配置される領域は、光ファイバ21の長手方向において何れの箇所に配置されていてもよいが、光コネクタ36の内部で、光ファイバ21と第1断線検知線61とが少なくとも一部において被覆部材90により一体化されていることが好ましい。
【0067】
例えば、レーザ光を被加工体に照射した際に、被加工体からの反射光により、光コネクタの内部で光ファイバ21の断線が生じやすい。光コネクタ36の内部において光ファイバ21と第1断線検知線61とが被覆部材90により一体化された構成によれば、光ファイバ21の断線が生じやすい光コネクタ36の内部において第1断線検知線61を優先的に溶断させることができる。このように、早期に光コネクタ36内での光ファイバ21の断線を検知することができる。
【0068】
なお、光ファイバ21と第1断線検知線61とが被覆部材90によって一体化されている箇所は、ケーブル被覆31の内部でもよいし、光ファイバ21の長手方向において複数の個所で一体化されていてもよい。
【0069】
(温度検知線)
また、図3Bに示すように、第1断線検知線61と第2断線検知線62との第1端部同士は、光コネクタ36の内部において温度センサ81を介して電気的に接続されていてもよい。図3Bにおいては、光コネクタ36内に配置された回路基板80に温度センサ81が配置されている。温度センサ81は光コネクタ内部の温度変化を検知することができる。温度センサ81として、サーミスタを用いてもよい。サーミスタは、温度の変化により抵抗値が変化する電子部品である。温度センサ81において、電気的に検出された温度情報は判定部60に入力される。
【0070】
第1断線検知線61の第1端部と第2断線検知線62の第1端部とが回路基板80に接続されることにより、第1断線検知線61と第2断線検知線62とは温度センサ81を介して電気的に接続されて閉回路が形成される。
【0071】
このような構成により、断線検知線6を温度検知線としても用いることができる。すなわち、一対の検知線に光ファイバの断線検知及び光コネクタ内部の温度検出の両方の機能を持たせることができる。
【0072】
以上説明したように、本実施形態の光ファイバケーブル30は、光源50から出力されるレーザ光を伝搬する光ファイバ21と、インナーチューブ12と前記インナーチューブ12を覆うアウターチューブ13とを有するケーブル被覆31と、第1開放検知線71と第2開放検知線72とを有する一対の開放検知線7と、光ファイバケーブル30の第1端部30aに配置された光コネクタ36と、を備え、第1開放検知線71の第1端部および第2開放検知線72の第1端部は、光コネクタ36の内部に配置されており、かつ光コネクタ36の内部で電気的に接続されておらず、光ファイバ21は、インナーチューブ12の内側の第1領域R1、またはインナーチューブ12の外側とアウターチューブ13の内側との間の第2領域R2のいずれか一方の領域に配置され、一対の開放検知線7のうち少なくとも一方は、光ファイバ21の配置されていない第1領域R1または第2領域R2のいずれか一方に配置されている。
【0073】
この構成により、光ファイバケーブル30の光コネクタ36がレーザヘッドに対して正常に接続されている場合は第1開放検知線71と第2開放検知線72とが電気的に接続される。一方で、光ファイバケーブル30とレーザヘッドとの間に接続不良が生じている場合は、第1開放検知線71と第2開放検知線72とが電気的に接続されない。このように、第1開放検知線71と第2開放検知線72との通電の有無により接続部材70と光コネクタ36との接続不良が生じているか否かを判定することができる。これにより、光ファイバケーブル30とレーザヘッドとの接続不良を検知することが可能になる。
【0074】
また、開放検知線7のうち、少なくとも一方が光ファイバ21の配置されていない領域に配置される。この構成により、仮に光ファイバケーブル30内で光ファイバ21の断線が発生した場合であっても、例えば、少なくとも一方の開放検知線7が断線することにより、光ファイバ21の断線を検知することができる。また、いずれか一方の開放検知線7がインナーチューブ12の隔壁によって光ファイバ21から隔てられているため、一対の開放検知線7同士が接触して通電することを防ぐことができる。
【0075】
また、光ファイバケーブル30は、第1断線検知線61と第2断線検知線62とを有する一対の断線検知線6をさらに備え、第1断線検知線61の第1端部および第2断線検知線62の第1端部は、光コネクタ36の内部に配置されており、かつ光コネクタ36の内部で電気的に接続されていてもよい。
【0076】
この構成により、接続部材70と光コネクタ36との接続不良に加えて光ファイバケーブル30内の光ファイバ21の断線も検知することが可能になる。また、断線検知線6と開放検知線7とが独立して構成されているため、光ファイバ21の断線検知と光コネクタ36における開放検知とを独立して検知することが可能となる。
【0077】
また、第1断線検知線61の第1端部及び第2断線検知線62の第1端部は、光コネクタ36の内部において、温度センサ81を介して電気的に接続されていてもよい。
この構成により、断線検知線6を温度検知線としても用いることができる。すなわち、一対の検知線に光ファイバの断線検知及び光コネクタ36内部の温度検出の両方の機能を持たせることができる。
【0078】
また、光ファイバ21と第1断線検知線61とが第1領域R1に配置されており、第2断線検知線62、第1開放検知線71及び第2開放検知線72が第2領域R2に配置されていてもよい。
【0079】
この構成により、何らかの異常により光ファイバ21が断線した場合、インナーチューブ12内に配置されている第1断線検知線61が溶断して光ファイバの断線が検知される。さらに、光ファイバ21及び第1断線検知線61が配置されている第1領域R1と、第2断線検知線62、第1開放検知線71及び第2開放検知線72が配置されている第2領域R2と、がインナーチューブ12の隔壁によって隔てられていることにより、第1断線検知線61と第2断線検知線62とが接触して再び通電することが抑制される。
その結果、確実に光ファイバ21の断線を検知することができる。同様に、第1開放検知線71と第2開放検知線72とが漏れ出たレーザ光により損傷し通電してしまうことを防ぐことができる。これにより、確実に光ファイバケーブル30とレーザヘッドとの接続不良を検知することができる。
【0080】
また、第1断線検知線61、第2断線検知線62、第1開放検知線71及び第2開放検知線72のうち、第1断線検知線61の少なくとも一部は、ケーブル被覆31の内部において、光ファイバ21に最も近い位置に配置されており、ケーブル被覆31の内部に位置する第2断線検知線62は、絶縁層で被覆されており、ケーブル被覆31の内部に位置する第1断線検知線61は、絶縁層を有さない、又は、第2断線検知線62の絶縁層よりも厚みが小さい絶縁層で被覆されていてもよい。
【0081】
この構成により、何らかの異常により光ファイバ21に断線が発生した場合、第1断線検知線61を優先的に溶断させることができ、早期に光ファイバ21の断線を検知し得る。
【0082】
また、光ファイバ21と第1断線検知線61とは、少なくとも一部において被覆部材90により一体化されてもよい。
これにより、何らかの異常により光ファイバ21に断線が発生した場合、第1断線検知線61をさらに優先的に溶断させることができ、早期に光ファイバ21の断線を検知し得る。
【0083】
また、光ファイバ21と第1断線検知線61とは、光コネクタ36の内部で少なくとも一部において被覆部材90により一体化されていてもよい。
【0084】
例えば、レーザ光を被加工体に照射した際に、反射光の影響により、光コネクタ36内部で光ファイバの断線が生じやすい。このような構成によれば、光ファイバ21の断線が生じやすい光コネクタ36内において光ファイバ21に断線が発生した場合、第1断線検知線61を優先的に溶断させることができ、早期に光コネクタ36内での光ファイバ21の断線を検知し得る。
【0085】
本実施形態の光コンバイナユニット2は、上記光ファイバケーブル30と、複数の入力用光ファイバ11から出射される光が入射する光コンバイナ20とを備え、光コンバイナ20の出射端と光ファイバケーブル30に配置された光ファイバ21のコアとが光学的に接続されていてもよい。
上記の光ファイバケーブル30によって、光ファイバケーブル30とレーザヘッドとの接続不良を検知することが可能な光コンバイナユニット2を実現することができる。
【0086】
また、本実施形態のレーザ装置100は上記光ファイバケーブル30と、上記光ファイバケーブル30を伝搬する光を出射する少なくとも一つの光源50とを備えていてもよい。
上記の光ファイバケーブル30によって、光ファイバケーブル30とレーザヘッドとの接続不良を検知することが可能なレーザ装置100を実現することができる。
【0087】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態または実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0088】
例えば、光ファイバケーブル30は、断線検知線6を有していなくてもよい。
また、第1領域R1および第2領域に配置される構成が入れ替わっていてもよい。例えば、第1領域R1に第2断線検知線62、第1開放検知線71、および第2開放検知線72が配置されており、第2領域R2に光ファイバ21および第1断線検知線61が配置されていてもよい。
【0089】
なお、第1開放検知線71および第2開放検知線72が、それぞれ絶縁層で被覆されていない構成も採用可能である。この場合、一対の開放検知線7のうち、一方が第1領域R1に配置され、他方が第2領域に配置されていてもよい。また、光ファイバケーブル30の横断面視において、インナーチューブ12を挟んで第1開放検知線71および第2開放検知線72が対向する位置に配置されていてもよい。
【0090】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
【符号の説明】
【0091】
1・・・光伝搬部
2・・・光コンバイナユニット
6・・・断線検知線
7・・・開放検知線
10・・・レーザユニット
11・・・入力用光ファイバ
12・・・インナーチューブ
13・・・アウターチューブ
20・・・光コンバイナ
21・・・光ファイバ
30・・・光ファイバケーブル
31・・・ケーブル被覆
36・・・光コネクタ
50・・・光源
60・・・判定部
61・・・第1断線検知線
62・・・第2断線検知線
71・・・第1開放検知線
72・・・第2開放検知線
80・・・回路基板
81・・・温度センサ
90・・・被覆部材
100・・・レーザ装置
R1・・・第1領域
R2・・・第2領域
図1
図2
図3A
図3B
図4
図5
図6