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特許7265615FM通信装置、無線通信装置、および、FM通信方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-18
(45)【発行日】2023-04-26
(54)【発明の名称】FM通信装置、無線通信装置、および、FM通信方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/10 20060101AFI20230419BHJP
   H04B 1/16 20060101ALI20230419BHJP
【FI】
H04B1/10 B
H04B1/16
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2021505608
(86)(22)【出願日】2020-02-13
(86)【国際出願番号】 JP2020005443
(87)【国際公開番号】W WO2020184041
(87)【国際公開日】2020-09-17
【審査請求日】2022-03-29
(31)【優先権主張番号】P 2019045320
(32)【優先日】2019-03-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000166247
【氏名又は名称】古野電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000970
【氏名又は名称】弁理士法人 楓国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】八本 大希
【審査官】浦口 幸宏
(56)【参考文献】
【文献】特開昭58-005037(JP,A)
【文献】特開2001-144675(JP,A)
【文献】特開平05-122095(JP,A)
【文献】特開昭55-010265(JP,A)
【文献】特開2006-295397(JP,A)
【文献】特開平11-331110(JP,A)
【文献】英国特許出願公開第02460012(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 1/10
H04B 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
周波数帯域が重なるTDMA信号とFM通信信号とを受信可能なアンテナで受信された前記FM通信信号を復調するFM復調部と、
前記TDMA信号の送信中を検出するTDMA送信検出部と、
前記TDMA送信検出部の検出結果を用いて、前記TDMA信号の送信中に、前記FM復調部からの出力音を制御する出力音制御部と、
を備え
前記出力音制御部は、前記TDMA信号の送信中に、前記出力音に対するゲインを低下させる、
FM通信装置。
【請求項2】
周波数帯域が重なるTDMA信号とFM通信信号とを受信可能なアンテナで受信された前記FM通信信号を復調するFM復調部と、
前記TDMA信号の送信中を検出するTDMA送信検出部と、
前記TDMA送信検出部の検出結果を用いて、前記TDMA信号の送信中に、前記FM復調部からの出力音を制御する出力音制御部と、
を備え、
前記出力音制御部は、前記TDMA信号の送信中に前記出力音をホワイトノイズに置き換える、
FM通信装置。
【請求項3】
周波数帯域が重なるTDMA信号とFM通信信号とを受信可能なアンテナで受信された前記FM通信信号を復調するFM復調部と、
前記TDMA信号の送信中を検出するTDMA送信検出部と、
前記TDMA送信検出部の検出結果を用いて、前記TDMA信号の送信中に、前記FM復調部からの出力音を制御する出力音制御部と、
を備え、
前記出力音制御部は、前記FM復調部からの出力音に対して遅延処理を行う、
FM通信装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項のいずれかに記載のFM通信装置であって、
前記アンテナと前記FM復調部との間に接続され、前記TDMA信号による通信と前記FM通信信号による通信とを切り替えるスイッチ回路を更に備える、
FM通信装置。
【請求項5】
請求項に記載のFM通信装置であって、
前記TDMA送信検出部は、
前記スイッチ回路の切り替え状態から、前記TDMA信号の送信中を検出する、
FM通信装置。
【請求項6】
請求項1乃至請求項のいずれかに記載のFM通信装置であって、
前記TDMA送信検出部は、
前記TDMA信号のレベルを用いて、前記TDMA信号の送信中を検出する、
FM通信装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項のいずれかに記載のFM通信装置であって、
前記TDMA信号は、AIS信号であり、
前記FM通信信号は、VHF無線信号である、
FM通信装置。
【請求項8】
周波数帯域が重なるTDMA信号とFM通信信号とを送受信するアンテナと、
前記TDMA信号を通信するTDMA通信部と、
前記FM通信信号を復調するFM復調部と、
前記TDMA信号の送信中を検出するTDMA送信検出部と、
前記TDMA送信検出部の検出結果を用いて、前記TDMA信号の送信中の出力音を制御する出力音制御部と、
を備えるFM無線部と、
前記TDMA通信部と前記FM無線部とを切り替えて前記アンテナに接続するスプリッタと、
を備え、
前記出力音制御部は、前記TDMA信号の送信中に、前記出力音に対するゲインを低下させる、
無線通信装置。
【請求項9】
周波数帯域が重なるTDMA信号とFM通信信号とを送受信するアンテナと、
前記TDMA信号を通信するTDMA通信部と、
前記FM通信信号を復調するFM復調部と、
前記TDMA信号の送信中を検出するTDMA送信検出部と、
前記TDMA送信検出部の検出結果を用いて、前記TDMA信号の送信中の出力音を制御する出力音制御部と、
を備えるFM無線部と、
前記TDMA通信部と前記FM無線部とを切り替えて前記アンテナに接続するスプリッタと、
を備え、
前記出力音制御部は、前記FM復調部からの出力音に対して遅延処理を行う、
無線通信装置。
【請求項10】
請求項8または請求項9に記載の無線通信装置であって、
前記スプリッタと前記FM無線部は、同一筐体内に収容される、
無線通信装置。
【請求項11】
請求項8または請求項9に記載の無線通信装置であって、
前記スプリッタと前記TDMA通信部は、同一筐体に収容される、
無線通信装置。
【請求項12】
請求項乃至請求項11のいずれかに記載の無線通信装置であって、
前記スプリッタは、
前記TDMA通信部と前記FM無線部とを切り替えて前記アンテナに接続するスイッチ回路を備え、
前記TDMA送信検出部は、
前記スイッチ回路の切り替え状態から、前記TDMA信号の送信中を検出する、
無線通信装置。
【請求項13】
請求項12に記載の無線通信装置であって、
前記スプリッタは、
前記切り替え状態を検出して、切替状態検出信号を生成する切替状態検出部を、更に備え、
前記TDMA送信検出部は、
前記切替状態検出信号を用いて、前記TDMA信号の送信中を検出する、
無線通信装置。
【請求項14】
請求項乃至請求項11のいずれかに記載の無線通信装置であって、
前記TDMA送信検出部は、
前記TDMA信号のレベルを用いて、前記TDMA信号の送信中を検出する、
無線通信装置。
【請求項15】
請求項乃至請求項14のいずれかに記載の無線通信装置であって、
前記TDMA信号は、AIS信号であり、
前記FM通信信号は、VHF無線信号である、
無線通信装置。
【請求項16】
周波数帯域が重なるTDMA信号とFM通信信号とを受信可能なアンテナで受信された前記FM通信信号を復調し、
前記TDMA信号の送信中を検出し、
前記TDMA信号による送信の検出結果を用いて、前記TDMA信号の送信中に、前記FM通信信号から復調された出力音を制御前記出力音に対するゲインを低下させる、
FM通信方法。
【請求項17】
周波数帯域が重なるTDMA信号とFM通信信号とを受信可能なアンテナで受信された前記FM通信信号を復調し、
前記TDMA信号の送信中を検出し、
前記TDMA信号による送信の検出結果を用いて、前記TDMA信号の送信中に、前記FM通信信号から復調された出力音を制御し、前記出力音をホワイトノイズに置き換える、
FM通信方法。
【請求項18】
周波数帯域が重なるTDMA信号とFM通信信号とを受信可能なアンテナで受信された前記FM通信信号を復調し、
前記TDMA信号の送信中を検出し、
前記TDMA信号による送信の検出結果を用いて、前記TDMA信号の送信中に、前記FM通信信号から復調された出力音を制御し、前記出力音に対して遅延処理を行う、
FM通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、AIS等のTDMA通信とVHF通信等のFM通信とをこれらに共通のアンテナで実現する無線通信装置、および、無線通信装置を構成し、FM通信を行うFM通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、無線通信装置が記載されている。特許文献1に記載の無線通信装置は、VHF通信とAIS通信とを行っている。VHF通信の周波数帯域とAIS通信の周波数帯域とは重なっている。したがって、VHF通信とAIS通信とは、1個のアンテナによって行われている。
【0003】
VHF受信部とAIS通信部とは、スプリッタを介して、アンテナに接続している。スプリッタは、VHF無線信号を受信する時には、VHF受信部とアンテナとを接続する。スプリッタは、AIS通信を行う時には、AIS通信部とアンテナとを接続する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】英国特許出願公開第2460012号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
AIS通信は、TDMA(Time Division Multiple Access)方式を採用している。このため、AIS通信部は、送信時刻になると、AIS信号を送信する。AIS信号の送信中、VHF受信部とアンテナとの接続は切断される。すなわち、特許文献1に記載示すような従来の無線通信装置は、AIS通信時に、VHF受信部に無線信号を出力しない。
【0006】
しかしながら、VHF受信部は、FM復調方式を用いているので、無線信号が入力されず、入力信号のレベルが急激に低下すると、ノイズを発生してしまう。
【0007】
したがって、本発明の目的は、TDMA方式の送信時にFM復調に生じるノイズを抑制する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明のFM通信装置は、FM復調部、TDMA送信検出部、および、出力音制御部を備える。FM復調部は、周波数帯域が重なるTDMA信号とFM通信信号とを受信可能なアンテナで受信されたFM通信信号を復調する。TDMA送信検出部は、TDMA信号の送信中を検出する。出力音制御部は、TDMA送信検出部の検出結果を用いて、TDMA信号の送信中に、FM復調部からの出力音を制御する。
【0009】
この構成では、TDMA信号の送信中にFM復調において発生するノイズの出力は、制御される。
【発明の効果】
【0010】
この発明によれば、TDMA方式の送信時にFM復調に生じるノイズを抑制できる。特に、VHF無線の受信中に極短時間のAIS通信の送信が割り込む際のノイズを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】第1の実施形態に係る無線通信装置の構成を示す機能ブロック図である。
図2】(A)、(B)は、出力音の変化の第1態様を示す図である。
図3】VHF無線信号の通信方法の一態様を示すフローチャートである。
図4】第2の実施形態に係る無線通信装置の構成を示す機能ブロック図である。
図5】第3の実施形態に係る無線通信装置の構成を示す機能ブロック図である。
図6】出力音の変化の第2態様を示す図である。
図7】VHF無線信号の通信方法の一態様を示すフローチャートである。
図8】第4の実施形態に係る無線通信装置の構成を示す機能ブロック図である。
図9】第5の実施形態に係る無線通信装置の構成を示す機能ブロック図である。
図10】第6の実施形態に係る無線通信装置の構成を示す機能ブロック図である。
図11】第7の実施形態に係る無線通信装置の構成を示す機能ブロック図である。
図12】第8の実施形態に係る無線通信装置の構成を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る無線通信装置について、図を参照して説明する。図1は、第1の実施形態に係る無線通信装置の構成を示す機能ブロック図である。
【0013】
図1に示すように、無線通信装置10は、アンテナ100、VHFスプリッタ20、VHF無線機30、および、AISトランスポンダ40を備える。VHFスプリッタ20は、本発明の「スプリッタ」に対応する。VHF無線機30は、本発明の「FM通信装置」または「FM通信部」に対応する。AISトランスポンダ40は、本発明の「TDMA通信部」に対応する。
【0014】
アンテナ100は、VHFスプリッタ20に接続する。VHFスプリッタ20は、VHF無線機30およびAISトランスポンダ40に接続する。
【0015】
アンテナ100は、VHF無線信号およびAIS信号を送受信する。VHF無線信号の周波数帯域とAIS信号の周波数帯域とは重なる。
【0016】
AISトランスポンダ40は、TDMA方式で、AIS信号の送受信を行う。
【0017】
(VHFスプリッタ20の構成および信号処理)
VHFスプリッタ20は、分配器21、スイッチ回路22、分波器23、および、切替状態検出部24を備える。分配器21は、アンテナ100およびスイッチ回路22に接続する。スイッチ回路22は、分波器23およびAISトランスポンダ40に接続する。分波器23は、VHF無線機30に接続する。切替状態検出部24は、スイッチ回路22および分波器23に接続する。
【0018】
分配器21は、アンテナ100からの無線信号を、スイッチ回路22における2端子に出力する。この2端子は、分配器21に接続する端子である。分配器21は、これら2端子の一方から出力された無線信号を、アンテナ100に出力する。また、分配器21は、これら2端子の他方から出力された無線信号を、アンテナ100に出力する。
【0019】
スイッチ回路22は、AIS信号の送信時には、分配器21と分波器23との接続を遮断する。
【0020】
また、スイッチ回路22は、AIS信号の送信時以外の時間には、分配器21と分波器23とを接続する。
【0021】
スイッチ回路22は、VHF信号の送信時には、分配器21とAISトランスポンダ40との接続を遮断する。
【0022】
また、スイッチ回路22は、VHF信号の送信時以外の時間には、分配器21とAISトランスポンダ40とを接続する。
【0023】
この構成によって、AIS信号の送信時には、VHFスプリッタ20は、AISトランスポンダ40とアンテナ100とを接続する。また、AIS信号の送信時には、VHFスプリッタ20は、VHF無線機30とアンテナ100との接続を遮断する。
【0024】
一方、VHF信号の送信時には、VHFスプリッタ20は、AISトランスポンダ40とアンテナ100との接続を遮断する。また、VHF信号の送信時には、VHFスプリッタ20は、VHF無線機30とアンテナ100とを接続する。なお、VHFスプリッタ20は、AIS信号の送信、VHF信号の送信のいずれでもないときは、アンテナ100に対して、VHF無線機30とAISトランスポンダ40の両方を接続する。
【0025】
切替状態検出部24は、スイッチ回路22の切替状態を検出して、切替状態検出信号を分波器23に出力する。切替状態検出部24は、分波器23(VHF無線機30)と分配器21(アンテナ100)が接続していなければ、切替状態検出信号を出力する。切替状態検出部24は、分波器23(VHF無線機30)と分配器21(アンテナ100)が接続していれば、切替状態検出信号の出力を停止する。切替状態検出信号は、例えば、所定レベル(0でない)からなる直流の電圧信号である。なお、切替状態検出信号は、VHF無線信号と異なる周波数であり、VHF無線信号に対して分波可能であれば、直流の電圧信号に限らない。
【0026】
分波器23は、スイッチ回路22側からの信号と、切替状態検出部24からの信号とを合波して、VHF無線機30に出力する。これにより、AIS信号の送信時以外の時間では、分波器23は、VHF無線信号を、VHF無線機30に出力する。AIS信号の送信時には、分波器23は、切替状態検出信号を、VHF無線機30に出力する。
【0027】
(VHF無線機30の構成および信号処理)
VHF無線機30は、分波器31、FM復調部32、アンプ33、AIS送信検出部34、出力音制御部35、可変アンプ36、および、スピーカ37を備える。AIS送信検出部34は、本発明の「TDMA送信検出部」に対応する。なお、図1は、VHF無線機30におけるVHF無線信号の受信機能のみを記載しているが、VHF無線機30は、VHF無線信号の送信機能部を有していてもよい。
【0028】
分波器31は、VHFスプリッタ20の分波器23に接続する。分波器31は、FM復調部32およびAIS送信検出部34に接続する。FM復調部32は、アンプ33の入力端に接続する。アンプ33の出力端は、出力音制御部35に接続する。AIS送信検出部34は、出力音制御部35に接続する。出力音制御部35は、可変アンプ36の入力端に接続する。可変アンプ36の出力端は、スピーカ37に接続する。
【0029】
分波器31は、フィルタ機能を有する。分波器31は、VHF無線信号を、FM復調部32に出力し、AIS送信検出部34に出力しない。分波器31は、切替状態検出信号を、AIS送信検出部34に出力し、FM復調部32に出力しない。
【0030】
FM復調部32は、VHF無線信号を復調して、アンプ33に出力する。アンプ33は、復調信号を増幅して、出力音制御部35に出力する。
【0031】
AIS送信検出部34は、切替状態検出信号を検出すれば、オン信号を生成して、出力音制御部35に出力する。AIS送信検出部34は、切替状態検出信号を検出しなければ、オン信号を出力しない。オン信号は、例えば、所定レベルの直流の電圧信号であり、後述のANDゲート351のオンレベルを超える信号である。
【0032】
出力音制御部35は、ANDゲート351、スイッチ素子352、スイッチ素子353、および、減衰器354を備える。ANDゲート351の第1入力端子には、ENABLE信号が入力されている。ANDゲート351の第2入力端子は、AIS送信検出部34に接続する。ANDゲート351の出力端子は、スイッチ素子352およびスイッチ素子353に接続する。
【0033】
スイッチ素子352は、共通端子、第1選択端子、および、第2選択端子を備える。スイッチ素子352は、第1選択端子と第2選択端子のいずれかを選択して、共通端子に接続する。
【0034】
スイッチ素子353は、共通端子、第3選択端子、および、第4選択端子を備える。スイッチ素子353は、第3選択端子と第4選択端子のいずれかを選択して、共通端子に接続する。
【0035】
スイッチ素子352の共通端子は、アンプ33の出力端に接続する。スイッチ素子352の第1選択端子は、スイッチ素子353の第3選択端子に接続する。スイッチ素子352の第2選択端子は、減衰器354を介して、スイッチ素子353の第4選択端子に接続する。スイッチ素子353の共通端子は、可変アンプ36の入力端に接続する。
【0036】
減衰器354は、抵抗器等であり、入力された信号のレベルを抑圧する。
【0037】
ANDゲート351は、AIS送信検出部34からのオン信号が入力されると、スイッチ切替信号を出力する。
【0038】
スイッチ素子352は、スイッチ切替信号が入力されていなければ、共通端子と第1選択端子とを接続する。スイッチ素子352は、スイッチ切替信号が入力されていれば、共通端子と第2選択端子とを接続する。
【0039】
スイッチ素子353は、スイッチ切替信号が入力されていなければ、共通端子と第3選択端子とを接続する。スイッチ素子353は、スイッチ切替信号が入力されていれば、共通端子と第4選択端子とを接続する。
【0040】
これにより、スイッチ素子352とスイッチ素子353とは、AIS信号の送信中でなければ、直接接続する。すなわち、AIS信号の送信中でなければ、アンプ33の出力端は、減衰器354を介することなく、可変アンプ36の入力端に接続する。
【0041】
一方、スイッチ素子352とスイッチ素子353とは、AIS信号の送信中であれば、減衰器354を介して接続する。すなわち、AIS信号の送信中であれば、アンプ33の出力端は、減衰器354を介して、可変アンプ36の入力端に接続する。
【0042】
可変アンプ36は、設定されたゲインによって、入力信号を増幅して、スピーカ37に出力する。スピーカ37は、可変アンプ36の出力信号を音に変換して、放音する。
【0043】
このような構成および制御によって、VHF無線機30は、次に示す作用効果を実現できる。
【0044】
具体的には、上述の構成および制御によって、出力音制御部35は、AIS信号の送信中でなければ、VHF無線信号を減衰器354で抑圧せずに出力する。一方、出力音制御部35は、AIS信号の送信中であれば、FM復調部32で発生したノイズを減衰器354で抑圧して出力する。
【0045】
これにより、出力音は、図2(A)、図2(B)に示すように変化する。図2(A)、図2(B)は、出力音の変化の第1態様を示す図である。
【0046】
図2(A)、図2(B)に示すように、AIS信号の送信中(図2(B)におけるAIS送信期間)でない期間、VHF無線機30は、VHF無線信号からFM復調されたVHF音声を所定レベル(振幅)で出力する。また、AIS信号の送信中、VHF無線機30は、FM復調部32で発生したノイズを抑圧して出力する。図2(A)、図2(B)に示すように、ノイズのレベル(振幅)は、VHF音声のレベルよりも低い。一方、この制御を行わない従来の構成では、ノイズのレベルは、VHF音声のレベルよりも大幅に大きくなる。
【0047】
このように、VHF無線機30は、AIS信号の送信によってVHF無線通信が中断される際に生じるノイズを抑制できる。特に、AIS信号は、VHF音声が放音される時間よりも極短い時間で挿入される。具体的には、AIS信号の送信期間は、最大で80msec.である。VHF音声に割り込まれるノイズは、耳障りである。しかしながら、この構成を備えることによって、VHF無線機30は、この耳障りなノイズを抑制でき、VHF音声による通話等を快適にできる。
【0048】
(VHF無線信号の通信方法の第1態様)
上述の説明では、VHF無線機30で実現する各処理は、それぞれに個別の機能部によって実現されている。しかしながら、上述の各処理をプログラム化して記憶しておき、演算処理装置は、このプログラムを実行するようにしてもよい。この場合、例えば、演算処理装置は、図3に示すフローチャートを実行すればよい。図3は、VHF無線信号の通信方法の一態様を示すフローチャートである。なお、図3は、VHF無線信号を受信している状態を開始状態としている。
【0049】
演算処理装置は、VHF無線信号を受信している(S11)。演算処理装置は、AIS信号の送信開始を検出すると(S12:YES)、出力音のレベルを抑圧する(S13)。演算処理装置は、AIS信号の送信開始を検出していなければ(S12:NO)、出力音のレベルの抑圧を行わない。
【0050】
演算処理装置は、レベルの抑圧中に、AIS信号の送信終了を検出すると(S14:YES)、出力音のレベルを復帰する(S15)。出力音のレベルの復帰は、出力音のレベルの抑圧を停止することである。演算処理装置は、AIS信号の送信終了を検出しなければ(S14:NO)、出力音のレベルの抑圧を継続する。
【0051】
(第2実施形態)
本発明の第2の実施形態に係る無線通信装置について、図を参照して説明する。図4は、第2の実施形態に係る無線通信装置の構成を示す機能ブロック図である。
【0052】
図4に示すように、第2の実施形態に係る無線通信装置10Aは、第1の実施形態に係る無線通信装置10に対して、VHF無線機30Aの構成において異なる。無線通信装置10Aの基本的な構成は、無線通信装置10と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0053】
VHF無線機30Aは、VHFスプリッタ20A、FM復調部32、アンプ33、AIS送信検出部34A、出力音制御部35、可変アンプ36、および、スピーカ37を備える。すなわち、VHF無線機30Aは、第1の実施形態に示したVHF無線機30の構成とVHFスプリッタ20の構成とを、1つの筐体に備える。
【0054】
AIS送信検出部34Aは、スイッチ回路22に接続する。AIS送信検出部34Aは、第1の実施形態に示した切替状態検出部24とAIS送信検出部34との機能を実現する。より具体的には、例えば、AIS送信検出部34Aは、FM復調部32と分配器21(アンテナ100)が接続していなければ、オン信号を生成して、出力音制御部35に出力する。AIS送信検出部34Aは、FM復調部32と分配器21(アンテナ100)が接続していれば、オン信号を出力しない。
【0055】
このような構成であっても、VHF無線機30Aは、第1の実施形態に示したVHF無線機30と同様の作用効果を奏する。そして、無線通信装置10Aは、第1の実施形態に係る無線通信装置10と比較して、構成要素を少なくできる。
【0056】
(第3実施形態)
本発明の第3の実施形態に係る無線通信装置について、図を参照して説明する。図5は、第3の実施形態に係る無線通信装置の構成を示す機能ブロック図である。
【0057】
図5に示すように、第3の実施形態に係る無線通信装置10Bは、第1の実施形態に係る無線通信装置10に対して、VHF無線機30Bの構成において異なる。無線通信装置10Bの他の構成は、無線通信装置10と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0058】
VHF無線機30Bは、分波器31、AIS送信検出部34、可変アンプ36、スピーカ37、DSP325、AD変換部381、および、DA変換部382を備える。分波器31は、VHFスプリッタ20の分波器23に接続する。分波器31は、AIS送信検出部34およびAD変換部381に接続する。AD変換部381およびAIS送信検出部34は、DSP325に接続する。
【0059】
DSP325は、プログラマブルな信号処理回路である。DSP325は、FM復調部32B、および、出力音制御部35Bを備える。FM復調部32Bは、AD変換部381に接続する。FM復調部32Bは、出力音制御部35Bに接続する。出力音制御部35Bは、DA変換部382に接続する。DA変換部382は、可変アンプ36の入力端に接続する。可変アンプ36の出力端は、スピーカ37に出力する。
【0060】
AD変換部381は、アナログ信号からなるVHF無線信号をデジタル信号に変換して、FM復調部32Bに出力する。FM復調部32Bは、VHF無線信号を復調して、出力音制御部35Bに出力する。
【0061】
出力音制御部35Bは、AIS送信検出部34からオン信号を受けていなければ、VHF無線信号を増幅して出力する。すなわち、出力音制御部35Bは、AIS信号の送信中以外の期間では、VHF無線信号を増幅して出力する。
【0062】
出力音制御部35Bは、AIS送信検出部34からオン信号を受けていれば、FM復調部32Bから出力されるノイズのレベルを抑圧して出力する。
【0063】
なお、出力音制御部35Bは、AIS送信検出部34からオン信号を受けていれば、FM復調部32Bから出力されるノイズを、ホワイトノイズに置換して出力することも可能である。この際、ホワイトノイズのレベル(振幅)は、VHF無線信号の振幅と同じ程度であることが好ましい。また、ホワイトノイズに限らず、他の音声信号等を用いてもよい。他の音声信号としては、例えば、ホワイトノイズをフィルタ処理した疑似音声信号、切り替えの直前の音声信号のコピー信号等を採用することもできる。
【0064】
すなわち、出力音制御部35Bは、AIS信号の送信中には、FM復調のノイズを抑圧して出力するか、ホワイトノイズを出力する。
【0065】
DA変換部382は、デジタル信号からなる出力音制御部35Bの出力信号をアナログ信号に変換して、可変アンプ36に出力する。
【0066】
このように、出力音制御部35Bをプログラマブルな信号処理回路で実現しても、VHF無線機30Bは、VHF無線機30と同様の作用効果を奏する。
【0067】
また、VHF無線機30Bは、FM復調のノイズに代えて、耳障りになり難いホワイトノイズを出力することで、VHF無線機30と同様の作用効果を奏する。
【0068】
図6は、出力音の変化の第2態様を示す図である。図6に示すように、AIS信号の送信中(図6におけるAIS送信期間)でない期間、VHF無線機30Bは、VHF無線信号からFM復調されたVHF音声を所定レベル(振幅)で出力する。また、AIS信号の送信中、VHF無線機30Bは、FM復調部32で発生したノイズに代えて、ホワイトノイズを出力する。図6に示すように、ホワイトノイズのレベル(振幅)は、VHF音声のレベルと略同じである。
【0069】
なお、出力音制御部35Bは、遅延処理を実行できる。この遅延処理によって、出力音制御部35Bは、FM復調のノイズに対する抑圧の開始タイミングの遅延を保証できる。したがって、出力音制御部35Bは、より確実にレベルが抑圧されたノイズを出力できる。もしくは、この遅延処理によって、出力音制御部35Bは、FM復調のノイズに対するホワイトノイズへの切り替えの開始タイミングの遅延を保証できる。したがって、出力音制御部35Bは、FM復調のノイズに代えて、より確実にホワイトノイズを出力できる。
【0070】
(VHF無線信号の通信方法の第2態様)
上述の説明では、VHF無線機30Bで実現する各処理は、それぞれに個別の機能部によって実現されている。しかしながら、上述の各処理をプログラム化して記憶しておき、演算処理装置は、このプログラムを実行するようにしてもよい。この場合、例えば、演算処理装置は、図7に示すフローチャートを実行すればよい。図7は、VHF無線信号の通信方法の一態様を示すフローチャートである。なお、図7は、VHF無線信号を受信している状態を開始状態としている。また、図7は、FM復調のノイズをホワイトノイズに置換する態様を示す。
【0071】
演算処理装置は、VHF無線信号を受信している(S11)。演算処理装置は、AIS信号の送信開始を検出すると(S12:YES)、ホワイトノイズに置換する(S21)。演算処理装置は、AIS信号の送信開始を検出していなければ(S12:NO)、ホワイトノイズへの置換を行わない。
【0072】
演算処理装置は、ホワイトノイズへの置換中に、AIS信号の送信終了を検出すると(S14:YES)、ホワイトノイズへの置換を終了する(S22)。演算処理装置は、AIS信号の送信終了を検出しなければ(S14:NO)、ホワイトノイズへの置換を継続する。
【0073】
(第4実施形態)
本発明の第4の実施形態に係る無線通信装置について、図を参照して説明する。図8は、第4の実施形態に係る無線通信装置の構成を示す機能ブロック図である。
【0074】
図8に示すように、第4の実施形態に係る無線通信装置10Cは、第1の実施形態に係る無線通信装置10に対して、AIS通信装置400を有する点で異なる。無線通信装置10Cの基本的な構成は、無線通信装置10と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0075】
AIS通信装置400は、AISトランスポンダ40とVHFスプリッタ20とを備える。すなわち、AIS通信装置400は、第1の実施形態に示したAISトランスポンダ40とVHFスプリッタ20の構成とを、1つの筐体に備える。
【0076】
このような構成であっても、無線通信装置10Cは、第1の実施形態に示した無線通信装置10と同様の作用効果を奏する。そして、無線通信装置10Cは、第1の実施形態に係る無線通信装置10と比較して、構成要素を少なくできる。
【0077】
(第5実施形態)
本発明の第5の実施形態に係る無線通信装置について、図を参照して説明する。図9は、第5の実施形態に係る無線通信装置の構成を示す機能ブロック図である。
【0078】
図9に示すように、第5の実施形態に係る無線通信装置10Dは、第4の実施形態に係る無線通信装置10Cに対して、切替状態検出部24の接続態様において異なる。無線通信装置10Dの他の構成は、無線通信装置10と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0079】
切替状態検出部24は、AISトランスポンダ40からAIS送信信号を検出すると、切替状態検出信号を分波器23に出力する。例えば、切替状態検出部24は、AISトランスポンダ40から出力される信号レベルが所定レベル以上であることを検出すると、AIS送信信号の送信中であると検出する。切替状態検出部24は、AISトランスポンダ40からAIS送信信号を検出しないと、切替状態検出信号を分波器23に出力しない。
【0080】
このような構成であっても、無線通信装置10Dは、無線通信装置10Cと同様の作用効果を奏する。
【0081】
(第6実施形態)
本発明の第6の実施形態に係る無線通信装置について、図を参照して説明する。図10は、第6の実施形態に係る無線通信装置の構成を示す機能ブロック図である。
【0082】
図10に示すように、第6の実施形態に係る無線通信装置10Eは、第1の実施形態に係る無線通信装置10に対して、VHFスプリッタ20E、および、AIS送信検出部34Eにおけるオン信号の生成方法において異なる。無線通信装置10Eの他の構成は、無線通信装置10と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0083】
VHFスプリッタ20Eは、分配器21およびスイッチ回路22を備える。スイッチ回路22は、分配器21、AISトランスポンダ40、および、VHF無線機30CのFM復調部32に接続する。すなわち、VHFスプリッタ20Eは、第1の実施形態に係るVHFスプリッタ20から分波器23および切替状態検出部24を省略した構成を備える。
【0084】
VHF無線機30Eは、第1の実施形態に係るVHF無線機30に対して、分波器31を省略した構成を備える。AIS送信検出部34Eは、AISトランスポンダ40に接続する。
【0085】
AIS送信検出部34Eは、AISトランスポンダ40からAIS送信信号が入力されるとオン信号を生成し、出力音制御部35に出力する。例えば、AIS送信検出部34Eは、入力信号のレベルが所定レベル以上であることを検出すると、AIS送信信号が入力されたと判定する。AIS送信検出部34Eは、AISトランスポンダ40からAIS通信信号(送信信号)が入力されなければオン信号を生成しない。
【0086】
このような構成であっても、無線通信装置10Eは、無線通信装置10と同様の作用効果を奏する。
【0087】
(第7実施形態)
本発明の第7の実施形態に係る無線通信装置について、図を参照して説明する。図11は、第7の実施形態に係る無線通信装置の構成を示す機能ブロック図である。
【0088】
図11に示すように、第7の実施形態に係る無線通信装置10Fは、第1の実施形態に係る無線通信装置10に対して、VHF無線機30Fを備える点で異なる。無線通信装置10Fの他の構成は、無線通信装置10と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0089】
VHF無線機30Fは、分波器31、FM復調部32、AIS送信検出部34F、可変アンプ36、および、スピーカ37を備える。FM復調部32は、可変アンプ36の入力端に接続する。
【0090】
AIS送信検出部34Fは、切替状態検出信号を検出すれば、オン信号を生成して可変アンプ36に出力する。オン信号は、可変アンプ36の利得を低下させる信号である。AIS送信検出部34Fは、切替状態検出信号を検出しなければ、オン信号を生成しない。
これにより、可変アンプ36の利得は低下しない。
【0091】
このような構成によって、VHF無線機30Fは、AIS送信中にはFM復調のノイズを抑圧して出力し、AIS送信中以外の期間ではVHF音声を所定レベルで出力する。すなわち、VHF無線機30Fは、第1の実施形態に示したVHF無線機30と同様の作用効果を奏する。
【0092】
(第8実施形態)
本発明の第8の実施形態に係る無線通信装置について、図を参照して説明する。図12は、第8の実施形態に係る無線通信装置の構成を示す機能ブロック図である。
【0093】
上述の各実施形態は、AIS信号とVHF無線信号とを通信する無線通信装置を示した。しかしながら、AIS信号は、他のTDMA信号であり、VHF無線信号は、他の周波数帯域のFM通信信号であってもよい。この際、TDMA信号の周波数帯域とVHF無線信号の周波数帯域とは、重なっている。
【0094】
第8の実施形態に係る無線通信装置10Gの基本的な構成および処理は、第1の実施形態に係る無線通信装置10と同様であり、同様の箇所の説明は省略する。
【0095】
図12に示すように、無線通信装置10Gは、アンテナ100、スプリッタ20G、FM無線機30G、および、TDMA通信機40Gを備える。
【0096】
スプリッタ20Gは、分配器21、スイッチ回路22、分波器23、および、切替状態検出部24を備える。FM無線機30Gは、分波器31、FM復調部32、アンプ33、TDMA通信検出部34G、出力音制御部35、可変アンプ36、および、スピーカ37を備える。
【0097】
TDMA通信機40Gは、第1の実施形態に係るAISトランスポンダ40と同様の処理を、TDMA通信信号に対して行う。TDMA通信検出部34Gは、第1の実施形態に係るAIS送信検出部34と同様の処理を行う。
【0098】
このように、TDMA信号とFM通信信号とを1つのアンテナ100で通信する場合においても、無線通信装置10Gの構成を備えることによって、FM復調時のノイズを抑圧できる。
【0099】
なお、上述の各実施形態の構成は、適宜組合せが可能であり、それぞれの組合せに応じた作用効果を奏する。
【符号の説明】
【0100】
10、10A、10B、10C、10D、10E、10F、10G:無線通信装置
20、20E:VHFスプリッタ
20G:スプリッタ
21:分配器
22:スイッチ回路
23:分波器
24:切替状態検出部
30、30A、30B、30C、30E、30F:VHF無線機
30G:FM無線機
31:分波器
32、32B:FM復調部
33:アンプ
34、34C、34E、34F:AIS送信検出部
34G:TDMA通信検出部
35、35B:出力音制御部
36:可変アンプ
37:スピーカ
40:AISトランスポンダ
40G:TDMA通信機
100:アンテナ
325:DSP
351:ANDゲート
352、353:スイッチ素子
354:減衰器
381:AD変換部
382:DA変換部
400:AIS通信装置
【用語】
【0101】
必ずしも全ての目的または効果・利点が、本明細書中に記載される任意の特定の実施形態に則って達成され得るわけではない。従って、例えば当業者であれば、特定の実施形態は、本明細書中で教示または示唆されるような他の目的または効果・利点を必ずしも達成することなく、本明細書中で教示されるような1つまたは複数の効果・利点を達成または最適化するように動作するように構成され得ることを想到するであろう。
【0102】
本明細書中に記載される全ての処理は、1つまたは複数のコンピュータまたはプロセッサを含むコンピューティングシステムによって実行されるソフトウェアコードモジュールにより具現化され、完全に自動化され得る。コードモジュールは、任意のタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体または他のコンピュータ記憶装置に記憶することができる。一部または全ての方法は、専用のコンピュータハードウェアで具現化され得る。
【0103】
本明細書中に記載されるもの以外でも、多くの他の変形例があることは、本開示から明らかである。例えば、実施形態に応じて、本明細書中に記載されるアルゴリズムのいずれかの特定の動作、イベント、または機能は、異なるシーケンスで実行することができ、追加、併合、または完全に除外することができる (例えば、記述された全ての行為または事象がアルゴリズムの実行に必要というわけではない)。さらに、特定の実施形態では、動作またはイベントは、例えば、マルチスレッド処理、割り込み処理、または複数のプロセッサまたはプロセッサコアを介して、または他の並列アーキテクチャ上で、逐次ではなく、並列に実行することができる。さらに、異なるタスクまたはプロセスは、一緒に機能し得る異なるマシンおよび/またはコンピューティングシステムによっても実行され得る。
【0104】
本明細書中に開示された実施形態に関連して説明された様々な例示的論理ブロックおよびモジュールは、プロセッサなどのマシンによって実施または実行することができる。プロセッサは、マイクロプロセッサであってもよいが、代替的に、プロセッサは、コントローラ、マイクロコントローラ、またはステートマシン、またはそれらの組み合わせなどであってもよい。プロセッサは、コンピュータ実行可能命令を処理するように構成された電気回路を含むことができる。別の実施形態では、プロセッサは、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、またはコンピュータ実行可能命令を処理することなく論理演算を実行する他のプログラマブルデバイスを含む。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ、例えば、デジタル信号プロセッサ(デジタル信号処理装置)とマイクロプロセッサの組み合わせ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1つ以上のマイクロプロセッサ、または任意の他のそのような構成として実装することができる。本明細書中では、主にデジタル技術に関して説明するが、プロセッサは、主にアナログ素子を含むこともできる。例えば、本明細書中に記載される信号処理アルゴリズムの一部または全部は、アナログ回路またはアナログとデジタルの混合回路により実装することができる。コンピューティング環境は、マイクロプロセッサ、メインフレームコンピュータ、デジタル信号プロセッサ、ポータブルコンピューティングデバイス、デバイスコントローラ、または装置内の計算エンジンに基づくコンピュータシステムを含むが、これらに限定されない任意のタイプのコンピュータシステムを含むことができる。
【0105】
特に明記しない限り、「できる」「できた」「だろう」または「可能性がある」などの条件付き言語は、特定の実施形態が特定の特徴、要素および/またはステップを含むが、他の実施形態は含まないことを伝達するために一般に使用される文脈内での意味で理解される。従って、このような条件付き言語は、一般に、特徴、要素および/またはステップが1つ以上の実施形態に必要とされる任意の方法であること、または1つ以上の実施形態が、これらの特徴、要素および/またはステップが任意の特定の実施形態に含まれるか、または実行されるかどうかを決定するための論理を必然的に含むことを意味するという訳ではない。
【0106】
語句「X、Y、Zの少なくとも1つ」のような選言的言語は、特に別段の記載がない限り、項目、用語等が X, Y, Z、のいずれか、又はそれらの任意の組み合わせであり得ることを示すために一般的に使用されている文脈で理解される(例: X、Y、Z)。従って、このような選言的言語は、一般的には、特定の実施形態がそれぞれ存在するXの少なくとも1つ、Yの少なくとも1つ、またはZの少なくとも1つ、の各々を必要とすることを意味するものではない。
【0107】
本明細書中に記載されかつ/または添付の図面に示されたフロー図における任意のプロセス記述、要素またはブロックは、プロセスにおける特定の論理機能または要素を実装するための1つ以上の実行可能命令を含む、潜在的にモジュール、セグメント、またはコードの一部を表すものとして理解されるべきである。代替の実施形態は、本明細書中に記載された実施形態の範囲内に含まれ、ここでは、要素または機能は、当業者に理解されるように、関連する機能性に応じて、実質的に同時にまたは逆の順序で、図示または説明されたものから削除、順不同で実行され得る。
【0108】
特に明示されていない限り、「一つ」のような数詞は、一般的に、1つ以上の記述された項目を含むと解釈されるべきである。従って、「~するように設定された一つのデバイス」などの語句は、1つ以上の列挙されたデバイスを含むことを意図している。このような1つまたは複数の列挙されたデバイスは、記載された引用を実行するように集合的に構成することもできる。例えば、「以下のA、BおよびCを実行するように構成されたプロセッサ」は、Aを実行するように構成された第1のプロセッサと、BおよびCを実行するように構成された第2のプロセッサとを含むことができる。加えて、導入された実施例の具体的な数の列挙が明示的に列挙されたとしても、当業者は、このような列挙が典型的には少なくとも列挙された数(例えば、他の修飾語を用いない「2つの列挙と」の単なる列挙は、通常、少なくとも2つの列挙、または2つ以上の列挙を意味する)を意味すると解釈されるべきである。
【0109】
一般に、本明細書中で使用される用語は、一般に、「非限定」用語(例えば、「~を含む」という用語は「それだけでなく、少なくとも~を含む」と解釈すべきであり、「~を持つ」という用語は「少なくとも~を持っている」と解釈すべきであり、「含む」という用語は「以下を含むが、これらに限定されない。」などと解釈すべきである。) を意図していると、当業者には判断される。
【0110】
説明の目的のために、本明細書中で使用される「水平」という用語は、その方向に関係なく、説明されるシステムが使用される領域の床の平面または表面に平行な平面、または説明される方法が実施される平面として定義される。「床」という用語は、「地面」または「水面」という用語と置き換えることができる。「垂直/鉛直」という用語は、定義された水平線に垂直/鉛直な方向を指します。「上側」「下側」「下」「上」「側面」「より高く」「より低く」「上の方に」「~を越えて」「下の」などの用語は水平面に対して定義されている。
【0111】
本明細書中で使用される用語の「付着する」、「接続する」、「対になる」及び他の関連用語は、別段の注記がない限り、取り外し可能、移動可能、固定、調節可能、及び/または、取り外し可能な接続または連結を含むと解釈されるべきである。接続/連結は、直接接続及び/または説明した2つの構成要素間の中間構造を有する接続を含む。
【0112】
特に明示されていない限り、本明細書中で使用される、「およそ」、「約」、および「実質的に」のような用語が先行する数は、列挙された数を含み、また、さらに所望の機能を実行するか、または所望の結果を達成する、記載された量に近い量を表す。例えば、「およそ」、「約」及び「実質的に」とは、特に明示されていない限り、記載された数値の10%未満の値をいう。本明細書中で使用されているように、「およそ」、「約」、および「実質的に」などの用語が先行して開示されている実施形態の特徴は、さらに所望の機能を実行するか、またはその特徴について所望の結果を達成するいくつかの可変性を有する特徴を表す。
【0113】
上述した実施形態には、多くの変形例および修正例を加えることができ、それらの要素は、他の許容可能な例の中にあるものとして理解されるべきである。そのような全ての修正および変形は、本開示の範囲内に含まれることを意図し、以下の請求の範囲によって保護される。
図1
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図9
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図11
図12