(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-18
(45)【発行日】2023-04-26
(54)【発明の名称】強皮症の治療のための方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/404 20060101AFI20230419BHJP
A61P 17/00 20060101ALI20230419BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230419BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20230419BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20230419BHJP
【FI】
A61K31/404
A61P17/00
A61P43/00 105
A61K9/20
A61K9/48
(21)【出願番号】P 2021518472
(86)(22)【出願日】2019-10-03
(86)【国際出願番号】 US2019054576
(87)【国際公開番号】W WO2020072824
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2022-09-20
(32)【優先日】2018-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500478097
【氏名又は名称】アリーナ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133927
【氏名又は名称】四本 能尚
(74)【代理人】
【識別番号】100147186
【氏名又は名称】佐藤 眞紀
(74)【代理人】
【識別番号】100174447
【氏名又は名称】龍田 美幸
(74)【代理人】
【識別番号】100185960
【氏名又は名称】池田 理愛
(72)【発明者】
【氏名】アダムス, ジョン ダブリュー.
【審査官】石井 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】欧州特許出願公開第01195165(EP,A1)
【文献】特表2018-525336(JP,A)
【文献】特表2011-529049(JP,A)
【文献】Expert Opinion on Therapeutic Patents,2016年,Vol.26, No.4, pp.455-470
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00-31/80
A61K 9/00- 9/72
A61K 47/00-47/69
A61P 1/00-43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
それを必要とする個体において皮膚線維症の治療および/または予防のための、治療有効量の(R)-2-(7-(4-シクロペンチル-3-(トリフルオロメチル)ベンジルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-イル)酢酸(化合物1)、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物を含む、組成物。
【請求項2】
前記個体が、炎症性腸疾患または過敏性腸症候群を有さない、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記個体が、潰瘍性大腸炎を有さない、請求項1~
2のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項4】
前記個体が、クローン病を有さない、請求項1~
3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
それを必要とする個体において皮膚線維症の治療および/または予防のための医薬品の製造における、(R)-2-(7-(4-シクロペンチル-3-(トリフルオロメチル)ベンジルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-イル)酢酸(化合物1)、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物の使用。
【請求項6】
前記個体が、炎症性腸疾患または過敏性腸症候群を有さない、請求項
5に記載の使用。
【請求項7】
前記個体が、潰瘍性大腸炎を有さない、請求項
5~
6のいずれか一項に記載の使用。
【請求項8】
前記個体が、クローン病を有さない、請求項
5~
7のいずれか一項に記載の使用。
【請求項9】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物が、約1mg~約5mgの化合物1に相当する量である、請求項1~
4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物が、約1mg~約2mgに相当する量である、請求項1~
4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物が、約1mgの化合物1に相当する量である、請求項1~
4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物が、約2mgの化合物1に相当する量である、請求項1~
4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物が、化合物1、化合物1のカルシウム塩、および化合物1のL-アルギニン塩から選択される、請求項1~
4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物が、化合物1のL-アルギニン塩である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物が、前記化合物1のL-アルギニン塩の無水非溶媒和結晶形態である、請求項1~
4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物が、前記化合物1の非溶媒和L-アルギニン塩の結晶性自由板晶癖である、請求項1~
4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物が、化合物1の無水非溶媒和結晶形態である、請求項1~
4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物が、経口投与される、請求項1~
4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物が、経口投与に好適なカプセルまたは錠剤として製剤化される、請求項1~
4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物が、1日1回投与される、請求項1~
4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物が、約1mg~約5mgの化合物1に相当する量である、請求項5~8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項22】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物が、約1mg~約2mgに相当する量である、請求項5~8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項23】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物が、約1mgの化合物1に相当する量である、請求項5~8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項24】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物が、約2mgの化合物1に相当する量である、請求項5~8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項25】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物が、化合物1、化合物1のカルシウム塩、および化合物1のL-アルギニン塩から選択される、請求項5~8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項26】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物が、化合物1のL-アルギニン塩である、請求項5~8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項27】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物が、前記化合物1のL-アルギニン塩の無水非溶媒和結晶形態である、請求項5~8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項28】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物が、前記化合物1の非溶媒和L-アルギニン塩の結晶性自由板晶癖である、請求項5~8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項29】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物が、化合物1の無水非溶媒和結晶形態である、請求項5~8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項30】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物が、経口投与される、請求項5~8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項31】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物が、経口投与に好適なカプセルまたは錠剤として製剤化される、請求項5~8のいずれか一項に記載の使用。
【請求項32】
前記化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物が、1日1回投与される、請求項5~8のいずれか一項に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、とりわけ、強皮症のための(R)-2-(7-(4-シクロペンチル-3-(トリフルオロメチル)ベンジルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-イル)酢酸(化合物1)による治療を、それを必要とする個体において行う方法に関する。
【背景技術】
【0002】
スフィンゴシン-1-ホスフェート(S1P)受容体1-5は、7回膜貫通ドメインを有するGタンパク質共役受容体のファミリーを構成する。S1P1~S1P5と呼ばれるこれらの受容体(以前はそれぞれ、内皮分化遺伝子(EDG)受容体-1、-5、-3、-6、および-8と呼ばれていた;Chun et.al.,Pharmacological Reviews,54:265-269,2002)は、スフィンゴシンキナーゼ触媒によるスフィンゴシンのホスフェート化によって生成されるスフィンゴシン-1-ホスフェートによる結合を介して活性化される。S1P1、S1P4、およびS1P5受容体は、Giを活性化するが、Gqを活性化せず、S1P2およびS1P3受容体は、GiおよびGqの両方を活性化する。S1P1受容体ではなく、S1P3受容体が、アゴニストに反応して、細胞内カルシウムを増加させる。
【0003】
化合物(R)-2-(7-(4-シクロペンチル-3-(トリフルオロメチル)ベンジルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-イル)酢酸(化合物1)は、強力で(EC50 cAMP、0.093nM(ヒト))、選択的であり(EC50 β-アレスチン、6.10nM(S1P1)、>10,000nM(S1P2)、>10,000nM、(S1P3)、147nM(S1P4)、および24.4nM(S1P5))、S1P1受容体の経口投与可能な治験薬候補である。
【0004】
S1Pは、リンパ球がリンパ組織から出て、走化性勾配を介して血流に入るために必要とされるシグナル伝達スフィンゴ脂質である。S1P1受容体は、リンパ組織と血液との間のリンパ球再循環を調節することが示されている生理学的伝達物質である。S1P1受容体の結合および内在化は、リンパ組織内のリンパ球の保持をもたらし得、その後、末梢リンパ球数の減少および炎症部位への補充のためのリンパ球の可用性をもたらし得る。S1P1受容体表面発現は、リンパ組織から循環へのS1P勾配媒介リンパ球の移動に必要とされる(Brinkmann V.,Nat Rev Drug Discov 2010 November;9(11):883-97)。
【0005】
化合物1は、経口投与可能な選択的スフィンゴシン1-ホスフェート受容体(S1P)アゴニストである。S1P1受容体は、リンパ組織と血液との間のリンパ球再循環を調節することが示されている生理学的伝達物質である。S1P1受容体の結合および内在化は、リンパ組織内のリンパ球の保持をもたらし得、その後、末梢リンパ球数の減少および炎症部位への補充のためのリンパ球の可用性をもたらし得る。S1P1受容体表面発現は、リンパ組織から循環へのS1P勾配媒介リンパ球の移動に必要とされる(Brinkmann V.,et. al.,Nat Rev Drug Discov 2010 November;9(11):883-97)。
【0006】
健康な対象で行われた単一の上昇用量研究および複数の上昇用量研究は、化合物1のリンパ球低下能力を実証した。
本明細書に記載されるように、(R)-2-(7-(4-シクロペンチル-3-(トリフルオロメチル)ベンジルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-イル)酢酸(化合物1)、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物は、強皮症の新規の療法を提供するであろう。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【文献】Chun et.al.,Pharmacological Reviews,54:265-269,2002
【文献】Brinkmann V.,Nat Rev Drug Discov 2010 November;9(11):883-97
【発明の概要】
【0008】
強皮症(全身性硬化症とも呼ばれる)は、皮膚および/または内臓の進行性線維症をもたらし得る多系統の自己免疫疾患である。この状態は、過剰なコラーゲン沈着を特徴としている。CREST症候群(限定性強皮症とも呼ばれる)として既知の状態の1つの形態は、以下の特徴をもたらし得る:石灰沈着症、レイノー現象、食道運動障害、強指症、および毛細血管拡張症。
【0009】
その様々な実施形態では、本発明は、とりわけ、治療有効量の化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物を投与することを含む、全身性硬化症の治療および/または予防を、それを必要とする個体において行う方法を対象とする。
【0010】
その様々な実施形態では、本発明は、とりわけ、治療有効量の化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物を投与することを含む、強皮症の治療および/または予防を、それを必要とする個体において行う方法を対象とする。
【0011】
その様々な実施形態では、本発明は、とりわけ、治療有効量の化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物を投与することを含む、状態の治療および/または予防を、それを必要とする個体において行う方法を対象とし、ここで、状態は以下から選択される:全身性強皮症、びまん性全身性強皮症、限定性全身性強皮症、全身性硬化症、びまん性全身性硬化症、限定性全身性硬化症、強皮症、びまん性強皮症、限定性強皮症、CREST症候群、びまん性皮膚全身性硬化症、限定性皮膚全身性硬化症、びまん性皮膚強皮症、限定性皮膚強皮症、限局性強皮症、モルフィア、線状強皮症、剣創状強皮症(scleroderma en coup de sabre)、皮膚硬化のない強皮症、進行性全身性硬化症、進行性強皮症、関連する間質性肺疾患を伴う全身性硬化症、関連する間質性肺疾患を伴う強皮症、肺胞炎を伴う全身性硬化症、肺胞炎を伴う強皮症、全身性硬化症に関連する肺胞炎、強皮症に関連する肺胞炎、肺線維症(lung fibrosis)を伴う全身性硬化症、肺線維症(lung fibrosis)を伴う強皮症、全身性硬化症に関連する肺線維症(lung fibrosis)、強皮症に関連する肺線維症(lung fibrosis)、肺線維症(pulmonary fibrosis)を伴う全身性硬化症、肺線維症(pulmonary fibrosis)を伴う強皮症、全身性硬化症に関連する肺線維症(pulmonary fibrosis)、強皮症に関連する肺線維症(pulmonary fibrosis)、全身性硬化症に関連する腎発症、強皮症に関連する腎発症、線維性肺胞炎のエビデンスを伴うびまん性強皮症、およびびまん性皮膚病変を伴う全身性硬化症。
【0012】
その様々な実施形態では、本発明は、とりわけ、治療有効量の化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物を投与することを含む、皮膚線維症の治療および/または予防を、それを必要とする個体において行う方法を対象とする。
【0013】
その様々な実施形態では、本発明は、とりわけ、治療有効量の化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物を投与することを含む、CREST症候群の治療を、それを必要とする個体において行う方法を対象とする。
【0014】
その様々な実施形態では、本発明は、とりわけ、治療有効量の化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物を投与することを含む、強皮症の治療を、それを必要とする個体において行う方法を対象とする。
【0015】
他の実施形態では、本発明は、強皮症の治療を、それを必要とする個体において行うための医薬品の製造における、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物の使用を対象とする。
【0016】
本明細書に開示された本発明のこれらおよび他の態様は、特許開示が進むにつれてより詳細に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】ブレオマイシン誘発性の皮膚線維症のげっ歯類モデルにおける化合物1(APD334と呼ばれる)の投与スキームを示す。mpk=mg/kg。
【
図2A】ブレオマイシン誘発性の皮膚線維症のげっ歯類モデルにおけるコラーゲン沈着に対する化合物1(334と呼ばれる)の効果を示す。
【
図2B】皮膚線維症のげっ歯類モデルにおける真皮の厚さに対する化合物1(334と呼ばれる)の効果を示す。
【
図2C】ブレオマイシン誘発性の皮膚線維症のげっ歯類モデルにおける真皮に対する化合物1(エトラシモドと呼ばれる)の効果を示す。
【
図3A】ブレオマイシン誘発性の皮膚線維症のげっ歯類モデルにおける真皮線維症に対する化合物1(334と呼ばれる)の効果を示す。
【
図3B】皮膚線維症のげっ歯類モデルにおける炎症に対する化合物1(334と呼ばれる)の効果を示す。
【
図3C】ブレオマイシン誘発性の皮膚線維症のげっ歯類モデルにおける平均表皮の厚さに対する化合物1(334と呼ばれる)の効果を示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
その様々な実施形態では、本発明は、とりわけ、治療有効量の(R)-2-(7-(4-シクロペンチル-3-(トリフルオロメチル)ベンジルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-イル)酢酸(化合物1)、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物を投与することを含む、強皮症の治療を、それを必要とする個体において行う方法を対象とする。
【化1】
【0019】
他の実施形態では、本発明は、強皮症の治療のための医薬品の製造における、(R)-2-(7-(4-シクロペンチル-3-(トリフルオロメチル)ベンジルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-イル)酢酸(化合物1)、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物の使用を対象とする。
【0020】
他の実施形態では、本発明は、強皮症の治療に使用するための、(R)-2-(7-(4-シクロペンチル-3-(トリフルオロメチル)ベンジルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-イル)酢酸(化合物1)、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物を対象とする。
【0021】
本開示は、とりわけ、治療有効量の(R)-2-(7-(4-シクロペンチル-3-(トリフルオロメチル)ベンジルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-イル)酢酸(化合物1)、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物を投与することを含む、強皮症の治療を、それを必要とする個体において行う方法をさらに提供する。
【0022】
他の実施形態では、本発明は、個体における強皮症の治療のための医薬品の製造における、(R)-2-(7-(4-シクロペンチル-3-(トリフルオロメチル)ベンジルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-イル)酢酸(化合物1)、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物の使用を対象とする。
【0023】
他の実施形態では、本発明は、強皮症の治療に使用するための、(R)-2-(7-(4-シクロペンチル-3-(トリフルオロメチル)ベンジルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-イル)酢酸(化合物1)、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物を対象とする。
【0024】
化合物1および化合物1のL-アルギニン塩の調製のための特定のプロセスは、以前に記載されている(WO2010/011316およびWO2011/094008を参照されたい)。加えて、化合物1のL-アルギニン塩の新規の結晶性板癖は以前に記載されており、本明細書では「化合物1の非溶媒和L-アルギニン塩の結晶性自由板晶癖」と呼ばれる(WO2016/209809を参照されたい)。
【0025】
特定の実施形態
その様々な実施形態では、本発明は、とりわけ、治療有効量の(R)-2-(7-(4-シクロペンチル-3-(トリフルオロメチル)ベンジルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-イル)酢酸(化合物1)、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物を投与することを含む、強皮症の治療を、それを必要とする個体において行う方法を対象とする。
【0026】
他の実施形態では、本発明は、強皮症の治療を、それを必要とする個体において行うための医薬品の製造における、(R)-2-(7-(4-シクロペンチル-3-(トリフルオロメチル)ベンジルオキシ)-1,2,3,4-テトラヒドロシクロペンタ[b]インドール-3-イル)酢酸(化合物1)、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物の使用を対象とする。
【0027】
当業者は、本明細書に記載の状態を診断し、かつ/または治療を評価するのに適切な技術を理解し、評価するであろう。
【0028】
いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、全身性強皮症である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、びまん性全身性強皮症である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、限定性全身性強皮症である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、全身性硬化症である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、びまん性全身性硬化症である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、限定性全身性硬化症である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、強皮症である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、びまん性強皮症である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、限定性強皮症である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、CREST症候群である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、びまん性皮膚全身性硬化症である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、限定性皮膚全身性硬化症である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、びまん性皮膚強皮症である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、限定性皮膚強皮症である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、限局性強皮症である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、モルフィアである。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、線状強皮症である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、剣創状強皮症である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、皮膚硬化のない強皮症である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、進行性である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、進行性全身性硬化症である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、進行性強皮症である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、関連する間質性肺疾患を伴う全身性硬化症である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、関連する間質性肺疾患を伴う強皮症である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、肺胞炎を伴う全身性硬化症である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、肺胞炎を伴う強皮症である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、全身性硬化症に関連する肺胞炎である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、強皮症に関連する肺胞炎である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、肺線維症(lung fibrosis)を伴う全身性硬化症である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、肺線維症(lung fibrosis)を伴う強皮症である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、全身性硬化症に関連する肺線維症(lung fibrosis)である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、強皮症に関連する肺線維症(lung fibrosis)である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、肺線維症(pulmonary fibrosis)を伴う全身性硬化症である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、肺線維症(pulmonary fibrosis)を伴う強皮症である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、全身性硬化症に関連する肺線維症(pulmonary fibrosis)である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、強皮症に関連する肺線維症(pulmonary fibrosis)である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、全身性硬化症に関連する腎発症である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、強皮症に関連する腎発症である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、線維性肺胞炎のエビデンスを伴うびまん性強皮症である。いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、びまん性皮膚病変を伴う全身性硬化症である。
【0029】
いくつかの実施形態では、治療および/または予防されるべき状態は、活動性である。いくつかの実施形態では、活動性疾患は、悪化する皮膚スコアによって測定される。いくつかの実施形態では、活動性疾患は、mRSSポイントの低減によって測定される。いくつかの実施形態では、活動性疾患は、赤血球沈降速度(ESR)の増加によって測定される。いくつかの実施形態では、活動性疾患は、疾患の新たな発症によって検出される。
【0030】
いくつかの実施形態では、個体は、炎症、線維症、血管障害、および/または自己免疫について評価される。いくつかの実施形態では、個体は、以下のうちの少なくとも1つについて評価される:皮膚肥厚、中手指節(MCP)関節の近位の皮膚肥厚、指の皮膚肥厚、腫れぼったい指、強指症、指先病変、指先潰瘍、点状瘢痕、毛細血管拡張症、異常な爪折り毛細血管、石灰沈着症、拡張した食道、強皮症腎発症、間質性肺疾患、肺動脈性高血圧症および/または間質性肺疾患、レイノー現象、関連抗体(例えば、抗セントロメア抗体、抗Scl-70抗体/抗トポイソメラーゼ抗体、抗フィブリラリン自己抗体、抗RNAポリメラーゼIII自己抗体、抗Th/To、PM-Scl、抗Ro、抗U1-リボヌクレオタンパク質など)、ならびに皮膚のコラーゲンmRNAレベル。いくつかの実施形態では、強皮症は、皮膚に局在している。いくつかの実施形態では、強皮症は、皮膚以外の少なくとも1つの器官を伴う。いくつかの実施形態では、強皮症は、全身性硬化症と呼ばれる。いくつかの実施形態では、強皮症は、CREST症候群である。
【0031】
いくつかの実施形態では、状態は、血漿サンプルを使用して評価される。いくつかの実施形態では、状態は、血液サンプルを使用して評価される。いくつかの実施形態では、状態は、皮膚生検サンプルを使用して評価される。いくつかの実施形態では、状態は、線維性バイオマーカーを使用して評価される。いくつかの実施形態では、状態は、状態特異的自己抗体の検出を使用して評価される。
【0032】
いくつかの実施形態では、状態は、修正されたロドナン皮膚スコア(MRSS)を使用して評価される。いくつかの実施形態では、各身体部位のMRSSスコアは、以下の通りである:0=皮膚の関与なし、1=軽度の肥厚、2=中程度の肥厚、および3=重度の肥厚。いくつかの実施形態では、身体部位でのMRSSは、少なくとも2である。いくつかの実施形態では、個体は、中程度の皮膚肥厚を有する。いくつかの実施形態では、皮膚の厚さは、17の異なる身体部位で測定される。いくつかの実施形態では、個体は、少なくとも15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、または51の全身MRSSスコアを有する。
【0033】
いくつかの実施形態では、状態は、触診を使用して評価される。いくつかの実施形態では、状態は、17の異なる身体領域での触診を使用して評価される。いくつかの実施形態では、身体領域は、以下のうちの少なくとも1つを含む:指、手、前腕、腕、足、脚、および大腿(両側)、ならびに顔、胸、および腹部(単独)。
【0034】
いくつかの実施形態では、状態は、限局性強皮症皮膚評価ツール(LoSCAT)を使用して評価される。いくつかの実施形態では、LoSCATは、18の皮膚の解剖学的部位を評価する。いくつかの実施形態では、LoSCATは、疾患活動性(mLoSSI)および損傷(LoSDI)パラメータを捕捉する。いくつかの実施形態では、LoSCATは、疾患の不活性期の間に限局性強皮症疾患に起因する皮膚病変を考慮に入れる。いくつかの実施形態では、各部位のスコアは、各パラメータの最も厳しいスコアに基づいている。いくつかの実施形態では、皮膚の変化を対側または同側の皮膚領域と比較して、対象間の変動を最小限に抑える。
【0035】
いくつかの実施形態では、LeroyおよびMedsger基準が使用される。いくつかの実施形態では、1988年のLeroyおよびMedsger基準が使用される。いくつかの実施形態では、2001年のLeroyおよびMedsger基準が使用される。いくつかの実施形態では、状態は、米国リウマチ学会(ACR)基準を使用して評価される。いくつかの実施形態では、状態は、欧州リウマチ学会(EULAR)基準を使用して評価される。いくつかの実施形態では、2013年のACR/EULAR診断基準が使用される。いくつかの実施形態では、2013年のACR/EULAR診断基準を使用して、それらが少なくとも9の合計スコアを有する場合、個体は、全身性硬化症と診断される。
【0036】
いくつかの実施形態では、治療は、本明細書に記載のスコアの変化を使用して評価される。いくつかの実施形態では、治療は、本明細書に記載の測定値の変化率を使用して評価される。いくつかの実施形態では、治療は、治療後の皮膚病変の遠隔サーモグラフィプロファイルの変化を使用して評価される。いくつかの実施形態では、治療は、治療後の標的皮膚病変の超音波プロファイルの変化を使用して評価される。
【0037】
いくつかの実施形態では、状態は、肺のコンピュータ断層撮影(CT)スキャンを使用して評価される。いくつかの実施形態では、状態は、腎機能を測定することによって評価される。いくつかの実施形態では、状態は、クレアチニンの血中レベルを測定することによって評価される。いくつかの実施形態では、状態は、肺機能試験を使用して評価される。いくつかの実施形態では、状態は、肺気量の強制肺活量(FVC)測定値を使用して評価される。いくつかの実施形態では、状態は、肺胞内の酸素交換の拡散能(DLCO)測定値を使用して評価される。
【0038】
いくつかの実施形態では、状態は、皮膚科学生命品質指数(DLQI)を使用して評価される。いくつかの実施形態では、状態は、健康評価質問票-障害指数(HAQ-DI)を使用して評価される。いくつかの実施形態では、状態は、医師の全体的評価(PGA)を使用して評価される。いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物は、約1mg~約5mgの化合物1に相当する量である。
【0039】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物は、約3mgの化合物1に相当する量である。
【0040】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物は、約2.75mgの化合物1に相当する量である。
【0041】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物は、約2.5mgの化合物1に相当する量である。
【0042】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物は、約2.25mgの化合物1に相当する量である。
【0043】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物は、約2mgの化合物1に相当する量である。
【0044】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物は、約1.5mgの化合物1に相当する量である。
【0045】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物は、約1mgの化合物1に相当する量である。
【0046】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物は、約0.5mgの化合物1に相当する量である。
【0047】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物は、化合物1、化合物1のカルシウム塩、および化合物1のL-アルギニン塩から選択される。
【0048】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物は、化合物1のL-アルギニン塩である。
【0049】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物は、化合物1のL-アルギニン塩の無水非溶媒和結晶形態である。
【0050】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物は、化合物1の非溶媒和L-アルギニン塩の結晶性自由板晶癖である。
【0051】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物は、化合物1の無水非溶媒和結晶形態である。
【0052】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物は、経口投与される。
【0053】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物は、経口投与に好適なカプセルまたは錠剤として製剤化される。
【0054】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物は、1日1回投与される。
【0055】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物は、食事と一緒に投与される。
【0056】
いくつかの実施形態では、化合物1、またはその薬学的に許容可能な塩、水和物、もしくは溶媒和物は、食事と一緒に投与されない。
【0057】
いくつかの実施形態では、個体は、炎症性腸疾患を有さない。
【0058】
いくつかの実施形態では、個体は、過敏性腸症候群を有さない。
【0059】
いくつかの実施形態では、個体は、潰瘍性大腸炎を有さない。
【0060】
いくつかの実施形態では、個体は、クローン病を有さない。
【0061】
いくつかの実施形態では、化合物1は、食事と一緒に投与される。
【0062】
いくつかの実施形態では、化合物1は、食事と一緒に投与されない。
【0063】
いくつかの実施形態では、個体は、治療有効量の化合物1を1日1回投与される。
【0064】
医薬組成物
本発明のさらなる態様は、本明細書に記載される1つ以上の化合物および1つ以上の薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物に関する。いくつかの実施形態は、本発明の化合物および薬学的に許容可能な担体を含む医薬組成物に関する。
【0065】
本発明のいくつかの実施形態は、本明細書に開示される化合物実施形態のうちのいずれかによる少なくとも1つの化合物および薬学的に許容可能な担体を混合することを含む、医薬組成物を生産する方法を含む。
【0066】
製剤は、任意の好適な方法によって、典型的には、活性化合物(複数可)を、液体もしくは微粉化固体担体、または両方と、必要な割合で均一に混合し、次に必要に応じて、得られた混合物を所望の形状に形成することによって調製され得る。
【0067】
結合剤、充填剤、許容可能な湿潤剤、錠剤化潤滑剤、および崩壊剤のような従来の賦形剤を、経口投与用の錠剤およびカプセルに使用することができる。経口投与用の液体調製物は、溶液、乳濁液、水性、または油性懸濁液、およびシロップの形態であり得る。代替的に、経口調製物は、使用前に水または別の好適な液体ビヒクルで再構成することができる乾燥粉末の形態であり得る。懸濁剤または乳化剤、非水性ビヒクル(食用油を含む)、保存剤、ならびに香味剤および着色剤のような追加の添加剤を、液体調製物に添加することができる。非経口剤形は、本発明の化合物を好適な液体ビヒクルに溶解し、適切なバイアルまたはアンプルを充填および密封する前に溶液を濾過滅菌することによって調製することができる。これらは、剤形を調製するための当該技術分野で知られている多くの適切な方法のほんの数例である。
【0068】
本発明の化合物は、当業者によく知られている技術を使用して医薬組成物に製剤化することができる。本明細書で言及されるもの以外の好適な薬学的に許容可能な担体は、当該技術分野において知られており、例えば、Remington,The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,2000,Lippincott Williams&Wilkins,(Editors:Gennaro et al.)を参照されたい。
【0069】
予防または治療における使用のために、本発明の化合物は、代替用途において、未加工または純粋化学物質として投与され得ることが可能であるが、しかしながら、化合物または活性成分を、薬学的に許容可能な担体をさらに含む医薬製剤または組成物として提示することが好ましい。
【0070】
したがって、本発明はさらに、本発明の化合物、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくは誘導体を、その1つ以上の薬学的に許容可能な担体および/または予防成分と共に含む医薬製剤を提供する。担体(複数可)は、製剤の他の成分と適合性があり、そのレシピエントに過度に有害でないという意味で「許容可能」でなければならない。
【0071】
医薬製剤は、経口、直腸、鼻腔、局所(口腔内および舌下を含む)、膣内、もしくは非経口(筋肉内、皮下、および静脈内を含む)投与に好適なもの、または吸入、吹送、もしくは経皮パッチによる投与に好適な形態であるものを含む。経皮パッチは、薬物の分解を最小限に抑えながら効率的な方法での吸収のために薬物を提供することによって、薬物を制御された速度で分配する。典型的には、経皮パッチは、不浸透性バッキング層、単一感圧接着剤、および剥離ライナーを有する除去可能な保護層を含む。当業者であれば、当業者の必要性に基づいて所望の有効な経皮パッチを製造するのに適切な技術を理解および認識するであろう。
【0072】
したがって、本発明の化合物は、従来のアジュバント、担体、または希釈剤と共に、医薬製剤およびそれらの単位剤形の形態にすることができ、かつ、そのような形態では、すべて経口使用のための、錠剤もしくは充填カプセルのような固体、または溶液、懸濁液、乳濁液、エリキシル、ゲル、もしくはそれが充填されたカプセルのような液体として、直腸投与用の坐剤の形態で、あるいは非経口(皮下を含む)使用のための滅菌注射可能溶液の形態で、用いられ得る。そのような医薬組成物およびそれらの単位剤形は、追加の活性化合物または原理の有無にかかわらず、従来の成分を従来の割合で含むことができ、そのような単位剤形は、用いられる意図された一日投与量範囲に相応する任意の好適な有効量の活性成分を含有し得る。
【0073】
経口投与について、医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル、懸濁液、または液体の形態であり得る。医薬組成物は、好ましくは、特定量の活性成分を含有する剤形単位で作製される。そのような剤形単位の例は、ラクトース、マンニトール、トウモロコシデンプン、またはジャガイモデンプンのような従来の添加剤;結晶セルロース、セルロース誘導体、アカシア、トウモロコシデンプン、またはゼラチンのような結合剤;トウモロコシデンプン、ジャガイモデンプン、またはカルボキシメチル-セルロースナトリウムのような崩壊剤;およびタルクまたはステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤を有する、カプセル、錠剤、粉末、顆粒、または懸濁液である。活性成分は、例えば、食塩水、デキストロース、または水が好適な薬学的に許容可能な担体として使用され得る組成物として注射によっても投与され得る。
【0074】
本発明の化合物、またはその塩、溶媒和物、水和物、もしくは生理学的に機能的な誘導体は、医薬組成物の有効成分として、特にS1P1受容体調節薬として使用することができる。「活性成分」という用語は、「医薬組成物」の文脈で定義され、一般的に薬学的利益をもたらさないと認識されるであろう「不活性成分」とは対照的に、主要な薬理学的効果をもたらす医薬組成物の成分を意味することが意図される。
【0075】
本発明の化合物を使用するときの用量は、変動することができ、慣例であり、医師に知られているように、各個別の事例における個別の状態に調整されるべきものである。それは、例えば、治療される病気の性質および重症度、個体の状態、用いられる化合物、または急性もしくは慢性病態が治療されるかもしくは予防が行われるか、または本発明の化合物に加えて、さらなる活性化合物が投与されるかどうかに依存する。本発明の代表的な用量には、約1mg~約5mg、約1mg、約1.25mg、約1.5mg、約1.75mg、約2mg、約2.25mg、約2.5mg、約2.75mg、約3mg、約3.25mg、約3.5mg、約3.75mg、約4mg、約4.25mg、約4.5mg、約4.75mg、および約5mgが含まれるが、これらに限定されない。特に、比較的大量、例えば、2、3、または4回の用量が必要とみなされる場合、1日の間に複数回用量が投与され得る。個体に応じて、個体の医師または医療提供者によって適切とみなされるように、本明細書に記載される用量から上方または下方に逸脱することが必要であり得る。
【0076】
治療における使用に必要な活性成分、またはその活性塩、溶媒和物、もしくは水和物誘導体の量は、選択される特定の塩だけでなく、投与経路、治療されている状態の性質、ならびに個体の年齢および状態でも変動し、最終的には担当医または臨床医の裁量によるであろう。代表的な要因には、個体のタイプ、年齢、体重、性別、食事、および医学的状態、疾患の重症度、投与経路、用いられる特定の化合物の活性、有効性、薬物動態、および毒性学プロファイルのような薬理学的考察、薬物送達システムが利用されるか、急性もしくは慢性病態が治療されているか、または予防が行われているか、あるいは本発明の化合物に加えて、薬物組み合わせの一部として、さらなる活性化合物が投与されるかどうかが含まれる。本発明の化合物および/または組成物で疾患状態を治療するための剤形レジメンは、上記に引用されるものを含む様々な要因に従って選択される。したがって、用いられる実際の剤形レジメンは、広く変動し得、したがって、好ましい剤形レジメンから逸脱し得、当業者であれば、これらの典型的な範囲外の剤形および剤形レジメンを試験することができ、適切な場合、本発明の方法において使用され得ることを認識するであろう。
【0077】
所望の用量は、便利なことに、単回の用量で、または適切な間隔で投与される分割用量として、例えば、1日あたり2、3、4回以上の部分用量として提示され得る。副用量自体は、例えば、いくつかの別々の大まかに間隔を空けた投与にさらに分割されてもよい。1日用量は、特に、比較的大量が適切であるとみなされて投与される場合、いくつかの、例えば、2、3、または4回の投与に分割され得る。適切な場合には、個体の挙動に応じて、指示される1日用量から上方または下方に逸脱する必要があり得る。
【0078】
本発明の化合物から医薬組成物を調製するために、好適な薬学的に許容可能な担体は、固体、液体のいずれか、または両方の混合物であり得る。固体形態調製物としては、粉末、錠剤、丸剤、カプセル、カシェ、坐剤、および分散性顆粒が挙げられる。固体担体は、希釈剤、香味剤、可溶化剤、潤滑剤、懸濁剤、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤、またはカプセル化材料としても作用し得る1つ以上の物質であり得る。
【0079】
粉末では、担体は、微粉化活性成分との混合物中にある微粉化固体である。
【0080】
錠剤では、活性成分は、必要な結合能力を有する担体と好適な割合で混合され、所望の形状およびサイズに圧縮される。
【0081】
粉末および錠剤は、変動する割合量の活性化合物を含有し得る。粉末または錠剤中の代表的な量は、活性化合物の0.5~約90パーセントであり得る。しかしながら、当業者であれば、この範囲外の量がいつ必要であるかを知っているであろう。粉末および錠剤に好適な担体としては、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、デンプン、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、ココアバターなどが挙げられる。「調製物」という用語は、活性成分が、担体の有無にかかわらず、担体によって囲まれ、したがってそれと会合しているカプセルを提供する担体としてカプセル化材料を有する活性化合物の製剤を含むことが意図される。同様に、カシェおよびロゼンジが含まれる。錠剤、粉末、カプセル、丸剤、カシェ、およびロゼンジは、経口投与に好適な固体形態として使用することができる。
【0082】
液体形態調製物としては、溶液、懸濁液、および乳濁液、例えば、水または水-プロピレングリコール溶液が挙げられる。例えば、非経口注射液体調製物は、水性ポリエチレングリコール溶液中の溶液として製剤化することができる。注射可能調製物、例えば、滅菌注射可能水性または油性懸濁液は、好適な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を使用して既知の技術に従って製剤化され得る。滅菌注射可能調製物は、例えば、1,3-ブタンジオール中の溶液としての、非毒性の非経口的に許容可能な希釈剤または溶媒中の滅菌注射可能溶液または懸濁液でもあり得る。用いられ得る許容可能なビヒクルおよび溶媒としては、水、リンゲル液、および等張食塩水がある。加えて、滅菌不揮発性油が、溶媒または懸濁媒体として従来から用いられる。この目的のために、合成モノグリセリドまたはジグリセリドを含む任意の無刺激性不揮発性油が用いられ得る。加えて、オレイン酸のような脂肪酸は、注射剤の調製において用途を見出す。
【0083】
したがって、本明細書による化合物は、(例えば、注射、例えば、ボーラス注射または連続注入による)非経口投与のために製剤化され得、保存剤が添加されたアンプル、プレフィルドシリンジ、少量注入または多用量容器における単位用量形態で提示され得る。医薬組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、または乳濁液のような形態を取り得、懸濁剤、安定剤、および/または分散剤のような製剤を含有し得る。代替的に、活性成分は、使用前に、好適なビヒクル、例えば、滅菌発熱性物質除去水での構成のための、滅菌固体の無菌単離または溶液からの凍結乾燥によって得られる粉末形態であり得る。
【0084】
経口使用に好適な水性製剤は、活性成分を水に溶解または懸濁し、所望に応じて好適な着色剤、香味剤、安定剤、および増粘剤を添加することによって調製することができる。
【0085】
経口使用に好適な水性懸濁液は、微粉化活性成分を、天然もしくは合成ガム、樹脂、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、または他の周知の懸濁剤のような粘性材料を有する水に分散させることによって作製することができる。
【0086】
使用直前に経口投与用の液体形態調製物に変換されることが意図される固体形態調製物も含まれる。そのような液体形態は、溶液、懸濁液、および乳濁液を含む。これらの調製物は、活性成分に加えて、着色剤、香味剤、安定剤、緩衝剤、人工および天然甘味剤、分散剤、増粘剤、可溶化剤などを含有し得る。
【0087】
表皮への局所投与のために、本明細書による化合物は、軟膏、クリーム、もしくはローションとして、または経皮パッチとして製剤化され得る。
【0088】
軟膏およびクリームは、例えば、好適な増粘剤および/またはゲル化剤が添加された水性または油性基剤で製剤化され得る。ローションは、水性または油性基剤で製剤化され得、一般に、1つ以上の乳化剤、安定剤、分散剤、懸濁剤、増粘剤、または着色剤も含有するであろう。
【0089】
口腔内の局所投与に好適な製剤は、風味付けされた基剤、通常はスクロースおよびアカシアまたはトラガカント中に活動性剤を含むロゼンジ、ゼラチンおよびグリセリンまたはスクロースおよびアカシアのような不活動性基剤中に活性成分を含むトローチ、ならびに好適な液体担体中に活性成分を含む洗口剤が挙げられる。
【0090】
溶液または懸濁液は、従来の手段、例えば、スポイト、ピペット、またはスプレーによって鼻腔に直接適用される。製剤は、単回または複数回用量形態で提供され得る。スポイトまたはピペットの後者の場合、これは、個体が適切な所定量の溶液または懸濁液を投与することによって達成され得る。スプレーの場合、これは、例えば、計量噴霧スプレーポンプによって達成され得る。
【0091】
気道への投与は、活性成分が好適な噴射剤を有する加圧パックで提供されるエアロゾル製剤によっても達成され得る。本発明の化合物またはそれらを含む医薬組成物がエアロゾルとして(例えば、鼻腔エアロゾル、吸入によって)投与される場合、これは、例えば、スプレー、ネブライザー、ポンプネブライザー、吸入装置、計量吸入器、またはドライパウダー吸入器を使用して実施することができる。本発明の化合物のエアロゾルとしての投与のための薬学的形態は、当業者によく知られているプロセスによって調製することができる。例えば、水、水/アルコール混合物、または好適な食塩水溶液中の本発明の化合物の溶液もしくは分散液、またはその薬学的に許容可能な塩、溶媒和物、水和物、もしくは誘導体は、慣用の添加剤(例えば、ベンジルアルコールまたは他の好適な保存剤)、バイオアベイラビリティを増強させるための吸収促進剤、可溶化剤、分散剤など、ならびに適切な場合、慣用の噴射剤(例えば、二酸化炭素、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、またはジクロロテトラフルオロエタンのようなCFCなど)を使用して用いることができる。エアロゾルは、便利なことに、レシチンのような界面活性剤も含有し得る。薬物の用量は、計量弁を設けることによって制御され得る。
【0092】
鼻腔内製剤を含む、気道への投与を意図した製剤では、化合物は一般に、例えば10ミクロン以下のオーダーの小さな粒径を有するであろう。そのような粒径は、当該技術分野において知られる手段によって、例えば、微粉化によって得ることができる。所望される場合、活性成分の持続放出をもたらすように適合された製剤を使用してもよい。
【0093】
代替的に、活性成分は、乾燥粉末(例えば、ラクトース、デンプン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなデンプン誘導体、およびポリビニルピロリドン(PVP)などの好適な粉末基剤中の化合物の粉末混合物)の形態で提供され得る。便利なことに、粉末担体は、鼻腔内でゲルを形成するであろう。粉末組成物は、ゼラチンについては単位用量形態(例えば、カプセル、カートリッジ)、または粉末が吸入器の手段によって投与され得るブリスターパックで提示され得る。
【0094】
薬学的調製物は、好ましくは単位剤形である。そのような形態では、調製物は、適切な量の活性成分を含有する単位用量に細分される。単位剤形は、包装された調製物であり得、包装は、パケット化された錠剤、カプセル、およびバイアルまたはアンプル中の粉末のような、別個の量の調製物を含有する。また、単位剤形は、カプセル、錠剤、カシェ、もしくはロゼンジ自体であり得るか、または包装形態での適切な数のこれらのうちのいずれかであり得る。
【0095】
いくつかの実施形態では、組成物は経口投与のための錠剤またはカプセルである。
【0096】
いくつかの実施形態では、組成物は静脈内投与のための液体である。
【0097】
本発明による化合物は、任意選択的に、無機酸および有機酸を含む薬学的に許容可能な非毒性酸から調製される薬学的に許容可能な酸付加塩を含む薬学的に許容可能な塩として存在し得る。代表的な酸としては、その全体が参照によって本明細書に組み込まれる、Berge et al.,Journal of Pharmaceutical Sciences,66:1-19(1977)によって列挙された薬学的に許容可能な塩など、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンファースルホン酸、クエン酸、エテンスルホン酸、ジクロロ酢酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、シュウ酸、パモ酸、パントテン酸、リンサン、コハク酸、硫酸、酒石酸、シュウ酸、p-トルエンスルホン酸などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0098】
酸付加塩は、化合物合成の直接生成物として得られ得る。代替では、遊離塩基は、好適な酸を含有する好適な溶媒に溶解され、塩は、溶媒を蒸発させるか、または別様に塩および溶媒を分離することによって単離され得る。本発明の化合物は、当業者に知られている方法を使用して標準的な低分子量溶媒で溶媒和物を形成し得る。
【0099】
本明細書に開示される方法で整数が使用される場合、「約」という用語は、整数の前に挿入することができる。
【0100】
認識されるように、本明細書で提供される方法のステップは、任意の特定の回数または任意の特定の順序で行われる必要はない。本発明の追加の目的、利点、および新規特徴は、例示的であることを意図し、限定的であることを意図しない、それらの下記実施例の検討に基づいて当業者には明らかとなるであろう。
【実施例】
【0101】
実施例1:化合物の調製
化合物1の特定の結晶形態を含む化合物1の調製は、国際公開第WO2010/011316号として公開されている国際特許出願第PCT/US2009/004265号、および国際公開第WO2011/094008号として公開されている国際特許出願第PCT/US2011/000153号に記載されており、各々の内容全体は、それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0102】
化合物1の非溶媒和L-アルギニン塩の結晶性自由板晶癖の調製は、国際公開第WO2016/209809号として公開された国際特許出願第PCT/US2016/038506号に記載されており、その内容全体は、それらの全体が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0103】
実施例2:
化合物1を、ブレオマイシン誘発性の皮膚線維症のげっ歯類モデルにおいて評価した。皮膚線維症を、皮下(SC)経路を介して0.5mg/mlの濃度でブレオマイシンを注射した雄のC57BL/6マウス(6~7週齢、20~25g)で誘発した。マウスは、PBSに溶解した0.5mg/mlのブレオマイシン100μlを1日おきに21日間受けた。
【0104】
以下の治療をランダムに割り当てた:1.)1日1回(QD)経口(PO)あたりの偽+ビヒクル(10%HBPCD/生理食塩水)、2.)ブレオマイシン+ビヒクル(10%HBPCD/生理食塩水)PO QD;3.)ブレオマイシン+1mg/kg化合物1 PO QD;4.)ブレオマイシン+3mg/kg化合物1 PO QD;5.)ブレオマイシン+1mg/kg FTY720 PO 3回/週;6.)ブレオマイシン+90mg/kg FTY720腹腔内(IP)QD(
図1)。
【0105】
死後に皮膚組織を採取して、生検標本の半分を組織学用に4%重量/体積のパラホルムアルデヒドで固定し、残りの半分をコラーゲン分析用に急速冷凍(ヒドロキシプロリンアッセイ)した。組織切片(4μm)をパラフィン包埋PFA固定病変皮膚組織から切り取った。切片をヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)およびマッソントリクロームで染色した。組織学的な真皮の厚さを決定するために、100倍の顕微鏡倍率で画像を捕捉した。
【0106】
【0107】
化合物1は、ブレオマイシン誘発性皮膚線維症モデルにおいて、コラーゲン沈着(
図2A)および皮膚肥厚(
図2B)を著しく低減した。
【0108】
当業者であれば、本発明の精神から逸脱することなく、本明細書に記載された例示的な実施例に対する様々な改変、追加、置換、および変形がなされ得、故に、本発明の範囲内とみなされることを認識するであろう。