(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-18
(45)【発行日】2023-04-26
(54)【発明の名称】投影フォーカス方法、装置、プロジェクター、及び読み取り可能な記憶媒体
(51)【国際特許分類】
H04N 5/74 20060101AFI20230419BHJP
【FI】
H04N5/74 Z
(21)【出願番号】P 2022504320
(86)(22)【出願日】2020-03-13
(86)【国際出願番号】 CN2020079216
(87)【国際公開番号】W WO2021128601
(87)【国際公開日】2021-07-01
【審査請求日】2021-09-24
(31)【優先権主張番号】201911370175.0
(32)【優先日】2019-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521435204
【氏名又は名称】成都極米科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU XGIMI TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Building 4,Zone A,Tianfu Software Park,No.1129 Century City Road,High-tech Zone,Chengdu,Sichuan 610041(CN)
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】鐘 波
(72)【発明者】
【氏名】肖 適
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲シン▼
(72)【発明者】
【氏名】寧 仲
【審査官】佐野 潤一
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-143043(JP,A)
【文献】特開2005-049604(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106896466(CN,A)
【文献】特開2004-347871(JP,A)
【文献】特開2005-043728(JP,A)
【文献】特開2005-234350(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/74
H04N 9/31
G03B 21/00
G09G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
投影フォーカス方法であって、
現在のモータ位置を取得し、予め設定された投影距離とモータ位置とのマッピング関係式に従って、現在のモータ位置に対応する第1の投影距離値を得るステップと、
現在の投影距離である第2の投影距離値を取得し、予め設定された投影距離とモータ位置とのマッピング関係式に従って、第2の投影距離値に対応するターゲットモータ位置を得るステップと、
第1の投影距離値と第2の投影距離値に従ってフォーカス方向を決定し、予め設定されたモータ位置の誤差に従って、ターゲットモータ位置をターゲットモータ位置の範囲に変換するステップと、
フォーカス方向に従ってターゲットモータ位置の範囲の開始点からターゲットモータ位置の範囲の終了点へモータを駆動して移動させ、1ステップだけモータを駆動して移動させるたびに、現在の投影画面の鮮明度値を算出し、モータを駆動して投影画面の鮮明度値が最高であるモータ位置に移動させた時にフォーカスを完了するステップとを含
み、
第1の投影距離値と第2の投影距離値に従ってフォーカス方向を決定する前記方法は、
第1の投影距離値が第2の投影距離値よりも大きいか否かを判断するステップと、
第2の投影距離値よりも大きい場合、フォーカス方向を第1の方向として設定し、ここで、第1の方向は、モータが第1の方向へ移動すると、対応して投影距離が近くなる方向であるステップと、
第2の投影距離値未満である場合、フォーカス方向を第2の方向として設定し、ここで、第2の方向は、モータが第2の方向へ移動すると、対応して投影距離が遠くなる方向であるステップとを含み、
予め設定されたモータ位置の誤差に従って、ターゲットモータ位置をターゲットモータ位置の範囲に変換する前記方法は、
予め設定されたモータ位置の誤差に従って、ターゲットモータ位置とモータ位置の誤差との差をターゲットモータ位置の範囲の開始点とし、ターゲットモータ位置とモータ位置の誤差との和をターゲットモータ位置の範囲の終了点とするステップを含む、ことを特徴とする投影フォーカス方法。
【請求項2】
フォーカス方向に従ってターゲットモータ位置の範囲の開始点からターゲットモータ位置の範囲の終了点へモータを駆動して移動させ、1ステップだけモータを駆動して移動させるたびに、現在の投影画面の鮮明度値を算出し、モータを駆動して投影画面の鮮明度値が最高であるモータ位置に移動させた時にフォーカスを完了する前記方法は、
モータを駆動してフォーカス方向に従ってターゲットモータ位置の範囲の開始点に到達させるステップと、
ターゲットモータ位置の範囲の終了点へモータを駆動して移動させ、1ステップだけモータを駆動して移動させるたびに、現在の投影画面画像を取得して現在の投影画面画像の鮮明度値を算出し、現在の投影画面画像の鮮明度値と1枚前の投影画面画像の鮮明度値との大きさを比較し、現在の投影画面画像の鮮明度値が1枚前の投影画面画像の鮮明度値よりも小さい場合、前のステップに戻るようにモータを駆動してフォーカスを完了するステップとを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の投影フォーカス方法。
【請求項3】
投影フォーカス装置であって、
現在のモータ位置を取得し、予め設定された投影距離とモータ位置とのマッピング関係式に従って、現在のモータ位置に対応する第1の投影距離値を得るための投影距離取得モジュールと、
現在の投影距離である第2の投影距離値を取得し、予め設定された投影距離とモータ位置とのマッピング関係式に従って、第2の投影距離値に対応するターゲットモータ位置を得るためのターゲット位置取得モジュールと、
第1の投影距離値と第2の投影距離値に従ってフォーカス方向を決定し、予め設定されたモータ位置の誤差に従って、ターゲットモータ位置をターゲットモータ位置の範囲に変換するフォーカス範囲取得モジュールと、
フォーカス方向に従ってターゲットモータ位置の範囲の開始点からターゲットモータ位置の範囲の終了点へモータを駆動して移動させ、1ステップだけモータを駆動して移動させるたびに、現在の投影画面の鮮明度値を算出し、モータを駆動して投影画面の鮮明度値が最高であるモータ位置に移動させた時にフォーカスを完了するための駆動フォーカス計算モジュールとを含
み、
前記フォーカス範囲取得モジュールは、
第1の投影距離値が第2の投影距離値よりも大きいか否かを判断し、第2の投影距離値よりも大きい場合、第1の設定ユニットに入り、第2の投影距離値未満である場合、第2の設定ユニットに入るためのフォーカス方向判断ユニットと、
フォーカス方向を第1の方向として設定し、ここで、第1の方向は、モータが第1の方向へ移動すると、対応して投影距離が近くなる方向であるための第1の設定ユニットと、
フォーカス方向を第2の方向として設定し、ここで、第2の方向は、モータが第2の方向へ移動すると、対応して投影距離が遠くなる方向であるための第2の設定ユニットとを含み、
前記フォーカス範囲取得モジュールは、
予め設定されたモータ位置の誤差に従って、ターゲットモータ位置とモータ位置の誤差との差をターゲットモータ位置の範囲の開始点とし、ターゲットモータ位置とモータ位置の誤差との和をターゲットモータ位置の範囲の終了点とするためのフォーカス範囲生成ユニットを含む、ことを特徴とする投影フォーカス装置。
【請求項4】
前記駆動フォーカス計算モジュールは、
モータを駆動してフォーカス方向に従ってターゲットモータ位置の範囲の開始点に到達させるためのモータ駆動ユニットと、
ターゲットモータ位置の範囲の終了点へモータを駆動して移動させ、1ステップだけモータを駆動して移動させるたびに、現在の投影画面画像を取得して現在の投影画面画像の鮮明度値を算出し、現在の投影画面画像の鮮明度値と1枚前の投影画面画像の鮮明度値との大きさを比較し、現在の投影画面画像の鮮明度値が1枚前の投影画面画像の鮮明度値よりも小さい場合、前のステップに戻るようにモータを駆動してフォーカスを完了するための鮮明度比較ユニットとを含む、ことを特徴とする請求項
3に記載の投影フォーカス装置。
【請求項5】
コンピュータプログラムを記憶するためのメモリと、
前記コンピュータプログラムを実行することで、請求項1
又は2に記載の投影フォーカス方法のステップを実現するプロセッサとを含む、ことを特徴とするプロジェクター。
【請求項6】
コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されると、請求項1
又は2に記載の投影フォーカス方法のステップを実現する、ことを特徴とする読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投影自動フォーカスの技術分野に関し、具体的には、投影フォーカス方法、装置、プロジェクター、及び読み取り可能な記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の投影フォーカス方法は、カメラに基づくフォーカス手段と測距に基づくフォーカス手段を含み、カメラに基づくフォーカス手段は投影コントラストフォーカス技術に基づくものであり、主に画像の異なる画素間の差を利用してフォーカスを行い、投影が最も明瞭な位置では画素差の値が最大であり、しかし、この方法は、毎回ある初期位置から複数の位置を順次トラバースする必要があるので、時間がかかり、フォーカス手段の速度が低く、一方、測距に基づくフォーカス手段は、安定性や精度が不十分である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上に鑑み、本出願は、上記のような問題を解決又は少なくとも部分的に解決することができる投影フォーカス方法、装置、プロジェクター、及び読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
以上の技術的課題を解決するために、本発明による技術案は、
現在のモータ位置を取得し、予め設定された投影距離とモータ位置とのマッピング関係式に従って、現在のモータ位置に対応する第1の投影距離値を得るステップと、
現在の投影距離である第2の投影距離値を取得し、予め設定された投影距離とモータ位置とのマッピング関係式に従って、第2の投影距離値に対応するターゲットモータ位置を得るステップと、
第1の投影距離値と第2の投影距離値に従ってフォーカス方向を決定し、予め設定されたモータ位置の誤差に従って、ターゲットモータ位置をターゲットモータ位置の範囲に変換するステップと、
フォーカス方向に従ってターゲットモータ位置の範囲の開始点からターゲットモータ位置の範囲の終了点へモータを駆動して移動させ、1ステップだけモータを駆動して移動させるたびに、現在の投影画面の鮮明度値を算出し、モータを駆動して投影画面の鮮明度値が最高であるモータ位置に移動させた時にフォーカスを完了するステップとを含む、投影フォーカス方法を提供する。
【0005】
好ましくは、第1の投影距離値と第2の投影距離値に従ってフォーカス方向を決定する前記方法は、
第1の投影距離値が第2の投影距離値よりも大きいか否かを判断するステップと、
第2の投影距離値よりも大きい場合、フォーカス方向を第1の方向として設定し、ここで、第1の方向は、モータが第1の方向へ移動すると、対応して投影距離が近くなる方向であるステップと、
第2の投影距離値未満である場合、フォーカス方向を第2の方向として設定し、ここで、第2の方向は、モータが第2の方向へ移動すると、対応して投影距離が遠くなる方向であるステップとを含む。
【0006】
好ましくは、予め設定されたモータ位置の誤差に従って、ターゲットモータ位置をターゲットモータ位置の範囲に変換する前記方法は、
予め設定されたモータ位置の誤差に従って、ターゲットモータ位置とモータ位置の誤差との差をターゲットモータ位置の範囲の開始点とし、ターゲットモータ位置とモータ位置の誤差との和をターゲットモータ位置の範囲の終了点とするステップを含む。
【0007】
好ましくは、フォーカス方向に従ってターゲットモータ位置の範囲の開始点からターゲットモータ位置の範囲の終了点へモータを駆動して移動させ、1ステップだけモータを駆動して移動させるたびに、現在の投影画面の鮮明度値を算出し、モータを駆動して投影画面の鮮明度値が最高であるモータ位置に移動させた時にフォーカスを完了する前記方法は、
モータを駆動してフォーカス方向に従ってターゲットモータ位置の範囲の開始点に到達させるステップと、
ターゲットモータ位置の範囲の終了点へモータを駆動して移動させ、1ステップだけモータを駆動して移動させるたびに、現在の投影画面画像を取得して現在の投影画面画像の鮮明度値を算出し、現在の投影画面画像の鮮明度値と1枚前の投影画面画像の鮮明度値との大きさを比較し、現在の投影画面画像の鮮明度値が1枚前の投影画面画像の鮮明度値よりも小さい場合、前のステップに戻るようにモータを駆動してフォーカスを完了するステップとを含む。
【0008】
本発明は、
現在のモータ位置を取得し、予め設定された投影距離とモータ位置とのマッピング関係式に従って、現在のモータ位置に対応する第1の投影距離値を得るための投影距離取得モジュールと、
現在の投影距離である第2の投影距離値を取得し、予め設定された投影距離とモータ位置とのマッピング関係式に従って、第2の投影距離値に対応するターゲットモータ位置を得るためのターゲット位置取得モジュールと、
第1の投影距離値と第2の投影距離値に従ってフォーカス方向を決定し、予め設定されたモータ位置の誤差に従って、ターゲットモータ位置をターゲットモータ位置の範囲に変換するためのフォーカス範囲取得モジュールと、
フォーカス方向に従ってターゲットモータ位置の範囲の開始点からターゲットモータ位置の範囲の終了点へモータを駆動して移動させ、1ステップだけモータを駆動して移動させるたびに、現在の投影画面の鮮明度値を算出し、モータを駆動して投影画面の鮮明度値が最高であるモータ位置に移動させた時にフォーカスを完了するための駆動フォーカス計算モジュールとを含む、投影フォーカス装置をさらに提供する。
【0009】
好ましくは、前記フォーカス範囲取得モジュールは、
第1の投影距離値が第2の投影距離値よりも大きいか否かを判断し、第2の投影距離値よりも大きい場合、第1の設定ユニットに入り、第2の投影距離値未満である場合、第2の設定ユニットに入るためのフォーカス方向判断ユニットと、
フォーカス方向を第1の方向として設定し、ここで、第1の方向は、モータが第1の方向へ移動すると、対応して投影距離が近くなる方向であるための第1の設定ユニットと、
フォーカス方向を第2の方向として設定し、ここで、第2の方向は、モータが第2の方向へ移動すると、対応して投影距離が遠くなる方向であるための第2の設定ユニットとを含む。
【0010】
好ましくは、前記フォーカス範囲取得モジュールは、
予め設定されたモータ位置の誤差に従って、ターゲットモータ位置とモータ位置の誤差との差をターゲットモータ位置の範囲の開始点とし、ターゲットモータ位置とモータ位置の誤差との和をターゲットモータ位置の範囲の終了点とするためのフォーカス範囲生成ユニットを含む。
【0011】
好ましくは、前記駆動フォーカス計算モジュールは、
モータを駆動してフォーカス方向に従ってターゲットモータ位置の範囲の開始点に到達させるためのモータ駆動ユニットと、
ターゲットモータ位置の範囲の終了点へモータを駆動して移動させ、1ステップだけモータを駆動して移動させるたびに、現在の投影画面画像を取得して現在の投影画面画像の鮮明度値を算出し、現在の投影画面画像の鮮明度値と1枚前の投影画面画像の鮮明度値との大きさを比較し、現在の投影画面画像の鮮明度値が1枚前の投影画面画像の鮮明度値よりも小さい場合、前のステップに戻るようにモータを駆動してフォーカスを完了するための鮮明度比較ユニットとを含む。
【0012】
本発明は、
コンピュータプログラムを記憶するためのメモリと、
前記コンピュータプログラムを実行することで、上記投影フォーカス方法のステップを実現するためのプロセッサとを含む、プロジェクターをさらに提供する。
【0013】
本発明は、コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムはプロセッサによって実行されると、上記投影フォーカス方法のステップを実現する読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
【発明の効果】
【0014】
従来技術に比べて、本出願の有益な効果の詳細な説明は以下のとおりである。本出願による投影フォーカス方法は、現在の投影距離に基づいてフォーカスするモータ開始位置を粗位置決めし、現在の投影距離と現在のモータ位置に対応する投影距離とに従ってフォーカス方向を決定し、少数のモータ位置をトラバースするだけで、投影画面が最も明瞭な位置を特定し、投影フォーカスの速度や精度を大幅に向上させる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
本発明の実施例をより明確に説明するために、以下、実施例に必要な図面を簡単に説明するが、明らかなように、以下の説明における図面は、本発明のいくつかの実施例に過ぎず、当業者にとっては、創造的な努力を必要とせずに、これらの図面に基づいて他の図面を得ることができる。
【0016】
【
図1】本発明の実施例による投影フォーカス方法の模式的フローチャートである。
【
図2】本発明の実施例によるフォーカス方向の決定方法の模式的フローチャートである。
【
図3】本発明の実施例によるモータを駆動して移動させてフォーカスする方法の模式的フローチャートである。
【
図4】本発明の実施例によるステップS14の方法の模式的フローチャートである。
【
図5】本発明の実施例による投影フォーカス装置の構造模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施例における図面を参照して、本発明の実施例における技術案を明確かつ完全に説明するが、明らかなように、説明する実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、全ての実施例ではない。当業者が本発明の実施例に基づいて創造的な努力を必要とせずに得られる全ての他の実施例は本発明の特許範囲に属する。
【0018】
当業者が本発明の技術案をよく理解できるように、以下、図面及び特定の実施例にて本発明をさらに詳細に説明する。
【0019】
図1に示すように、本発明の実施例は、投影フォーカス方法を提供し、
現在のモータ位置を取得し、予め設定された投影距離とモータ位置とのマッピング関係式に従って、現在のモータ位置に対応する第1の投影距離値を得るステップS11と、
現在の投影距離である第2の投影距離値を取得し、予め設定された投影距離とモータ位置とのマッピング関係式に従って、第2の投影距離値に対応するターゲットモータ位置を得るステップS12と、
第1の投影距離値と第2の投影距離値に従ってフォーカス方向を決定し、予め設定されたモータ位置の誤差に従って、ターゲットモータ位置をターゲットモータ位置の範囲に変換するステップS13と、
フォーカス方向に従ってターゲットモータ位置の範囲の開始点からターゲットモータ位置の範囲の終了点へモータを駆動して移動させ、1ステップだけモータを駆動して移動させるたびに、現在の投影画面の鮮明度値を算出し、モータを駆動して投影画面の鮮明度値が最高であるモータ位置に移動させた時にフォーカスを完了するステップS14とを含む。
【0020】
なお、本出願による投影フォーカス方法/装置は、プロジェクター、投影機、投影テレビなど、投影機能を有する電子機器に適用でき、且つ、該電子機器は、投影機能モジュール(光学エンジンなど)、撮影機能モジュール(カメラなど)及び測距機能モジュール(測距センサなど)を含み、これらのうち、投影機能モジュールは画像を投影面に投射するものであり、撮影機能モジュールは投影面上の投影画面を撮影して投影面画像を得るものであり、測距機能モジュールは投影機能モジュールから投影面までの距離を測定するものである。この3個の機能モジュールは一体に組み立てられてもよく、個別に組み立てられてもよく、いずれも、本出願による投影フォーカス方法/装置を採用できる。
【0021】
具体的には、S11の前に前処理ステップ、即ち、投影距離と焦点距離との間のマッピング関係式を確立し、即ち、投影距離とモータ位置とのマッピング関係式を確立するステップS10をさらに含む。確立方法は、フォーカシング構造、例えばモータパラメータやフォーカシング減速比などのパラメータに従って、フォーカシング曲線モデルを決定することであり、対応する関係はM=Log(a)x+bであり、ここでaはフォーカシング構造パラメータにより決められる値を表し、xは投影距離を表し、bは異なる機械間の差異を表し、Mはモータ位置を表す。
【0022】
なお、S11では、現在のモータ位置を取得する方法は、前回のフォーカスが終了した後のモータ位置である、機器における現在のモータ位置を読み取り、予め設定された投影距離とモータ位置とのマッピング関係式に従って、前回のフォーカス時の投影距離を算出し、現在のモータ位置に対応する第1の投影距離値を得るようにしてもよい。
【0023】
具体的には、フォーカスの方式には、手動方式と自動方式との2種があり、モータの位置を変えることで焦点距離を変え、モータ位置を記録し、モータの前後2回の移動のステップに従って、投影距離が大きくなるか、小さくなるかを決定する必要がある。
【0024】
なお、S12では、現在の投影距離を取得する方法は、測距モジュールによって機器と投影面との間の距離を測定し、第2の投影距離値を得ることである。予め設定された投影距離とモータ位置とのマッピング関係式に従って、モータ位置にマッピングし、即ち、第2の距離値に対応するターゲットモータ位置を算出することができ、つまり、該投影距離で、モータをターゲットモータ位置に調整するとフォーカスを実現できる。
【0025】
なお、
図2に示すように、S13では、第1の投影距離値と第2の投影距離値に従ってフォーカス方向を決定する方法は、
第1の投影距離値が第2の投影距離値よりも大きいか否かを判断するステップS131と、
第2の投影距離値よりも大きい場合、フォーカス方向を第1の方向として設定し、ここで、第1の方向は、モータが第1の方向へ移動すると、対応して投影距離が近くなる方向であるステップS132と、
第2の投影距離値未満である場合、フォーカス方向を第2の方向として設定し、ここで、第2の方向は、モータが第2の方向へ移動すると、対応して投影距離が遠くなる方向であるステップS133とを含む。
【0026】
なお、S13では、予め設定されたモータ位置の誤差に従って、ターゲットモータ位置をターゲットモータ位置の範囲に変換する方法は、
予め設定されたモータ位置の誤差に従って、ターゲットモータ位置とモータ位置の誤差との差をターゲットモータ位置の範囲の開始点とし、ターゲットモータ位置とモータ位置の誤差との和をターゲットモータ位置の範囲の終了点とするステップを含む。
【0027】
具体的には、
図3に示すように、自動フォーカスと手動フォーカスが交互に採用されることを考慮して、モータの位置をリアルタイムで記録し、モータ位置を投影距離値としてマッピングし、投影距離値の変化でフォーカスの方向を決定し、したがって、モータの開始位置を決定するのは非常に重要なことであり、距離の測定値にもモータ位置がマッピングされる距離値にも一定の誤差が存在するためであり、
図3には、投影距離値(モータ位置)と鮮明度値との対応図が示されており、測距誤差の範囲はf1f2の間で波動し、波動範囲が経験値Fであり、成功にフォーカスするには、f1f2から最も明瞭な位置を特定する必要があり、粗位置決めは、測定した第1の投影距離値とモータ位置に対応する第2の投影距離値に従って比較を行い、モータの開始位置をs又はe点に移動し、次に、s f1 f2 又は e f2 f1 区間において最も明瞭な点を見つけることである。
【0028】
ここでは、予め設定されたモータ位置誤差は、測距センサによる測距に存在する誤差の範囲に従って、対応するモータ位置の偏差の範囲を得ることにより得られるものであり、ここでは、理論的な最大の測距誤差範囲に対応するモータ偏差の範囲を取る。
【0029】
具体的には、測距センサによって投影面からの投影機能モジュールの第2の投影距離値を測定し、該第2の投影距離値は機器のコストや原理により制限されることにより、精度が不十分であり、第2の投影距離値が得られると、対応するモータ位置Xに換算され、フォーカス方向に従って、モータを駆動してX-d位置に移動させ、dはモータ位置の誤差を表し、フォーカス範囲は(X-d,X+d)である。
【0030】
なお、
図4に示すように、S14の方法は、
モータを駆動してフォーカス方向に従ってターゲットモータ位置の範囲の開始点に到達させるステップS141と、
ターゲットモータ位置の範囲の終了点へモータを駆動して移動し、1ステップだけモータを駆動して移動させるたびに、現在の投影画面画像を取得して現在の投影画面画像の鮮明度値を算出し、現在の投影画面画像の鮮明度値と1枚前の投影画面画像の鮮明度値との大きさを比較し、現在の投影画面画像の鮮明度値が1枚前の投影画面画像の鮮明度値よりも小さい場合、前のステップに戻るようにモータを駆動してフォーカスを完了するステップS142とを含む。
【0031】
具体的には、フォーカスをトリガーする前に、第2の投影距離値を取得し、第2の投影距離値に従ってフォーカス開始位置(モータ位置)を決定し、モータが遠くなるか近くなるかを決定すると、モータのフォーカス方向が分かり、モータを駆動してX-d位置に移動させ、dはモータ位置の誤差を表し、モータはX-dを開始点として回転し始め、N個の位置だけ移動するように駆動され、Nは予め設定されたモータ位置の誤差に従って計算されるものであり、N=2*dであり、つまり、モータがさらに移動するN個の位置のうち、これらのうちの1つの位置は必ず最も明瞭なものであり、したがって、カメラが同時に起動されて、投影画面を撮影し、1ステップ移動するたびに、1枚の投影画面を撮影して画面の鮮明度を分析し、分散法を利用して計算し、前後の2枚の画面の鮮明度を比較し、現在の画面の鮮明度が1つ前のモータ位置の鮮明度よりも低くなると、最も焦点が合った位置が見つけられ、モータがフォーカス位置に戻るように駆動され、フォーカス手順が終了する。
【0032】
図5に示すように、本発明の実施例は、
現在のモータ位置を取得し、予め設定された投影距離とモータ位置とのマッピング関係式に従って、現在のモータ位置に対応する第1の投影距離値を得るための投影距離取得モジュール21と、
現在の投影距離である第2の投影距離値を取得し、予め設定された投影距離とモータ位置とのマッピング関係式に従って、第2の投影距離値に対応するターゲットモータ位置を得るためのターゲット位置取得モジュール22と、
第1の投影距離値と第2の投影距離値に従ってフォーカス方向を決定し、予め設定されたモータ位置の誤差に従って、ターゲットモータ位置をターゲットモータ位置の範囲に変換するためのフォーカス範囲取得モジュール23と、
フォーカス方向に従ってターゲットモータ位置の範囲の開始点からターゲットモータ位置の範囲の終了点へモータを駆動して移動させ、1ステップだけモータを駆動して移動させるたびに、現在の投影画面の鮮明度値を算出し、モータを駆動して投影画面の鮮明度値が最高であるモータ位置に移動させた時にフォーカスを完了するための駆動フォーカス計算モジュール24とを含む、ことを特徴とする投影フォーカス装置をさらに提供する。
【0033】
なお、フォーカス範囲取得モジュール23は、
第1の投影距離値が第2の投影距離値よりも大きいか否かを判断し、第2の投影距離値よりも大きい場合、第1の設定ユニットに入り、第2の投影距離値未満である場合、第2の設定ユニットに入るためのフォーカス方向判断ユニットと、
フォーカス方向を第1の方向として設定し、ここで、第1の方向は、モータが第1の方向へ移動すると、対応して投影距離が近くなる方向であるための第1の設定ユニットと、
フォーカス方向を第2の方向として設定し、ここで、第2の方向は、モータが第2の方向へ移動すると、対応して投影距離が遠くなる方向であるための第2の設定ユニットとを含む。
【0034】
なお、フォーカス範囲取得モジュール23は、
予め設定されたモータ位置の誤差に従って、ターゲットモータ位置とモータ位置の誤差との差をターゲットモータ位置の範囲の開始点とし、ターゲットモータ位置とモータ位置の誤差との和をターゲットモータ位置の範囲の終了点とするためのフォーカス範囲生成ユニットを含む。
【0035】
なお、駆動フォーカス計算モジュール24は、
モータを駆動してフォーカス方向に従ってターゲットモータ位置の範囲の開始点に到達させるためのモータ駆動ユニットと、
ターゲットモータ位置の範囲の終了点へモータを駆動して移動させ、1ステップだけモータを駆動して移動させるたびに、現在の投影画面画像を取得して現在の投影画面画像の鮮明度値を算出し、現在の投影画面画像の鮮明度値と1枚前の投影画面画像の鮮明度値との大きさを比較し、現在の投影画面画像の鮮明度値が1枚前の投影画面画像の鮮明度値よりも小さい場合、前のステップに戻るようにモータを駆動してフォーカスを完了するための鮮明度比較ユニットとを含む。
【0036】
本発明の実施例は、コンピュータプログラムを記憶するためのメモリと、コンピュータプログラムを実行することで、上記投影フォーカス方法のステップを実現するためのプロセッサとを含むプロジェクターをさらに提供する。
【0037】
本発明は、コンピュータプログラムが記憶されており、コンピュータプログラムは、プロセッサによって実行されると、上記投影フォーカス方法のステップを実現する、読み取り可能な記憶媒体をさらに提供する。
【0038】
図5に対応する実施例の特徴の説明は
図1~
図4に対応する実施例の関連説明を参照することができ、ここでは詳しく説明しない。
【0039】
以上、本発明の実施例による投影フォーカス方法、装置、プロジェクター、及び読み取り可能な記憶媒体を詳しく説明した。明細書の各実施例は順を追って説明されており、他の実施例との相違点を重点的に説明しており、各実施例の間の同一又は類似の部分は互いに参照することができる。実施例で開示された装置に関しては、実施例で開示された方法に対応しているため、簡単に説明するだけであり、関連する部分については方法の部分の説明を参照すればよい。なお、当業者にとっては、本発明の原理を逸脱せずに、本発明に対していくつかの改良及び修飾を行うことができ、これらの改良及び修飾も本発明の特許請求の範囲の特許範囲に属する。
【0040】
当業者がさらに理解できるように、本明細書で開示された実施例と組み合わせて説明した各例のユニット及びアルゴリズムのステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア又は両方の組み合わせによって実現されてもよく、ハードウェアとソフトウェアとの交換性を明確に説明するために、上記説明において機能に応じて各例の構成及びステップが一般に説明されている。これらの機能がハードウェアによって実行されるかソフトウェアによって実行されるかは、技術案の特定の適用や設計の制限条件によるものである。当業者であれば、各特定の用途に応じて異なる方法によって説明した機能を実現することができるが、このような実現は本発明の範囲を超えると理解されるべきではない。
【0041】
本明細書で開示された実施例と組み合わせて説明した方法又はアルゴリズムのステップは、ハードウェア、プロセッサが実行するソフトウェアモジュール、又は両方の組み合わせによって直接実施されてもよい。ソフトウェアモジュールは、ランダムアクセスメモリ(RAM)、内部メモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、電気的プログラマブルROM、電気的消去可能なプログラマブルROM、レジスター、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD-ROMや技術分野で公知の他の任意の形態の記憶媒体に配置されてもよい。