(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-19
(45)【発行日】2023-04-27
(54)【発明の名称】テレスコピックフォーク機構および自動運搬装置
(51)【国際特許分類】
B66F 9/12 20060101AFI20230420BHJP
B65G 1/00 20060101ALI20230420BHJP
B66F 9/24 20060101ALI20230420BHJP
【FI】
B66F9/12 A
B65G1/00 501C
B66F9/24 A
(21)【出願番号】P 2021565852
(86)(22)【出願日】2020-05-08
(86)【国際出願番号】 CN2020089082
(87)【国際公開番号】W WO2021047198
(87)【国際公開日】2021-03-18
【審査請求日】2021-11-05
(31)【優先権主張番号】201921517416.5
(32)【優先日】2019-09-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521480123
【氏名又は名称】杭州易博特科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】HANGZHOU EIOROBOT TECHNOLOGY CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Room No.422, Building 1A, 326 South(Nanda)Street, Nanyuan Subdistrict, Yuhang Hangzhou, Zhejiang China
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】孫 双
【審査官】吉川 直也
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109987554(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第109607428(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0207714(US,A1)
【文献】特開2018-165188(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108117009(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66F 1/00-19/02
B65G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体構造(100)および前記本体構造(100)に摺動可能に設けられるフォークアーム構造(200)を含み、
前記本体構造(100)は、本体主体(110)および前記本体主体(110)に摺動可能に設けられるスライドレール構造(120)を含み、
前記フォークアーム構造(200)は、前記スライドレール構造(120)に摺動可能に並列で接続される少なくとも二つのフォークアーム本体(210)および各前記フォークアーム本体(210)の後端の底部側に設けられ、前記フォークアーム本体(210)を前記スライドレール構造に沿って伸縮するように駆動する牽引キャスター構造(220)を含み、すべての前記フォークアーム本体(210)における牽引キャスター構造(220)は互いに独立しており、
前記牽引キャスター構造(220)は常に地面と接触し、前記本体主体(110)の後端には底部側および後部側がともに外部に連通する出口スロット本体が設けられ、前記フォークアーム構造(200)が完全収縮状態である場合、前記牽引キャスター構造(220)は、前記出口スロット本体内に位置する、
ことを特徴とするテレスコピックフォーク機構。
【請求項2】
各前記牽引キャスター構造(220)は、いずれも前記フォークアーム本体(210)に設けられる駆動モーター構造および前記駆動モーター構造に接続される駆動ホイール本体を含み、すべての前記牽引キャスター構造(220)の駆動モーター構造は互いに独立している、ことを特徴とする請求項1に記載のテレスコピックフォーク機構。
【請求項3】
前記フォークアーム構造(200)は、各前
記フォークアーム本体(210)の後端の底部側に設けられる一つの前記牽引キャスター構造(220)を含み、
または、
前記フォークアーム構造(200)は、各前
記フォークアーム本体(210)の後端の底部側に併設される二つの前記牽引キャスター構造(220)を含む、ことを特徴とする請求項1に記載のテレスコピックフォーク機構。
【請求項4】
前記フォークアーム構造(200)は、各前記フォークアーム本体(210)の中央部の底部側に設けられる少なくとも一つの引き込み可能な従動ホイール構造をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載のテレスコピックフォーク機構。
【請求項5】
前記フォークアーム構造(200)は、各前記フォークアーム本体(210)の中央部の底部側に設けられる少なくとも一つの引き込み可能な前記牽引キャスター構造(220)をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載のテレスコピックフォーク機構。
【請求項6】
前記スライドレール構造(200)は、前記本体主体(110)に摺動可能に併設される少なくとも二つのスライドレール本体を含み、各前記フォークアーム本体(210)は、対応する一つの前記スライドレール本体に摺動可能に設けられている、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載のテレスコピックフォーク機構。
【請求項7】
前記本体主体(110)の後端には第一スライドレール位置制限構造が設けられ、各前記フォークアーム本体(210)の前端には第二スライドレール位置制限構造が設けられ、各前記スライドレール本体の前端には前記第一スライドレール位置制限構造に対応する本体位置制限構造が設けられ、各前記スライドレール本体の後端には前記第二スライドレール位置制限構造に対応するフォークアーム位置制限構造が設けられている、ことを特徴とする請求項6に記載のテレスコピックフォーク機構。
【請求項8】
前記本体主体(110)には二つの摺動スロットが併設され、二つの前記摺動スロットには、それぞれ一つの前記スライドレール本体が摺動可能に設けられ、各前記スライドレール本体には対応する一つの前記フォークアーム本体(210)が摺動可能に設けられている、ことを特徴とする請求項6に記載のテレスコピックフォーク機構。
【請求項9】
各前記摺動スロットは、いずれも前記本体主体(110)の中央部に設けられるメインスロット本体を含み、前記出口スロット本体は前記本体主体(110)の後端に設けられ、前記メインスロット本体に連通される、ことを特徴とする請求項8に記載のテレスコピックフォーク機構。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載のテレスコピックフォーク機構を含むことを特徴とする自動運搬装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動化装置技術分野に関し、特にテレスコピックフォーク(Telescopic Fork)機構および自動運搬装置に関する。
【背景技術】
【0002】
テレスコピックフォーク機構は、自動化装置の一種として、しばしばフォークリフトや搬送用トロリーなどの自動運搬装置に設けられ、荷物の出し入れや貯蔵に用いられる。現在、市販のテレスコピックフォーク機構の多くは受動型伸縮方式を採用し、すなわち、フォークアーム構造の伸び出しと引っ込みは、本体に設けられる機構により動力が提供されるため、フォークアーム構造は完全に本体の外側へ伸び出すことができない。また、フォークアーム構造の多くがカンチレバー構造を採用するため、負荷能力が比較的に低い。さらに、フォークアーム構造の二つのフォークアーム本体がしばしば一体に連結されているため、同時に伸び出したりまたは引っ込んだりするしかできず、単独の制御を実現できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであって、負荷能力がよく、フォークアーム構造を完全に本体の外側へ伸び出させることができ、フォークアーム構造の各フォークアーム本体に対して単独の伸縮制御が行えるテレスコピックフォーク機構および自動運搬装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、本発明では、以下のような技術的解決手段を提供するする。
【0005】
テレスコピックフォーク機構であって、本体構造および前記本体構造に摺動可能に設けられるフォークアーム構造を含み、
前記本体構造は、本体主体および前記本体主体に摺動可能に設けられるスライドレール構造を含み、
前記フォークアーム構造は、前記スライドレール構造に摺動可能に並列で接続される少なくとも二つのフォークアーム本体および各前記フォークアーム本体の後端の底部側に設けられ、前記フォークアーム本体を前記スライドレール構造に沿って伸縮するように駆動する牽引キャスター構造を含み、すべての前記フォークアーム本体における牽引キャスター構造は互いに独立している。
【0006】
好ましくは、各前記牽引キャスター構造は、いずれも前記フォークアーム本体に設けられる駆動モーター構造および前記駆動モーター構造に接続される駆動ホイール本体を含み、すべての前記牽引キャスター構造の駆動モーター構造は互いに独立している。
【0007】
好ましくは、各前記フォークアーム構造は、いずれも前記フォークアーム本体の後端の底部側に設けられる一つの前記牽引キャスター構造を含み、
または、各前記フォークアーム構造は、いずれも前記フォークアーム本体の後端の底部側に併設される二つの前記牽引キャスター構造を含む。
【0008】
好ましくは、前記フォークアーム構造は、各前記フォークアーム本体の中央部の底部側に設けられる少なくとも一つの引き込み可能な従動ホイール構造をさらに含む。
【0009】
好ましくは、前記フォークアーム構造は、各前記フォークアーム本体の中央部の底部側に設けられる少なくとも一つの引き込み可能な前記牽引キャスター構造をさらに含む。
【0010】
好ましくは、前記スライドレール構造は、前記本体主体に摺動可能に併設される少なくとも二つのスライドレール本体を含み、各前記フォークアーム本体は、対応する一つの前記スライドレール本体に摺動可能に設けられている。
【0011】
好ましくは、前記本体主体の後端には第一スライドレール位置制限構造が設けられ、各前記フォークアーム本体の前端には第二スライドレール位置制限構造が設けられ、各前記スライドレール本体の前端には前記第一スライドレール位置制限構造に対応する本体位置制限構造が設けられ、各前記スライドレール本体の後端には前記第二スライドレール位置制限構造に対応するフォークアーム位置制限構造が設けられている。
【0012】
好ましくは、前記本体主体には二つの摺動スロットが併設され、二つの前記摺動スロットには、それぞれ一つの前記スライドレール本体が摺動可能に設けられ、各前記スライドレール本体には対応する一つの前記フォークアーム本体が摺動可能に設けられている。
【0013】
好ましくは、各前記摺動スロットは、いずれも前記本体主体の中央部に設けられるメインスロット本体および前記本体主体の後端に設けられ、前記メインスロット本体に連通される出口スロット本体を含み、前記出口スロット本体の底部側および後部側はともに外部に連通され、
前記フォークアーム構造が完全収縮状態である場合、前記フォークアーム構造の後端の底部側における牽引キャスター構造は、前記出口スロット本体内に位置し、かつ、地面と接触する。
【0014】
さらに、本発明に係る自動運搬装置は、前記テレスコピックフォーク機構を含む。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る技術的解決手段によれば、フォークアーム構造のフォークアーム本体の外側の底部に牽引キャスター構造を設けるため、牽引キャスター構造の駆動により対応するフォークアーム本体を伸び出させたりまたは引っ込ませたりできる。また、牽引キャスター構造をフォークアーム本体に設けることによって、フォークアーム本体の伸び出し距離が本体構造の寸法に制限されないため、本体構造の外側へ伸び出すことができる。さらに、牽引キャスター構造をフォークアーム本体の後端に設け、かつ、フォークアーム本体の前端をスライドレール構造に設けることによって、両端からフォークアーム本体をサポートできるため、フォークアーム本体およびフォークアーム構造の負荷能力を大きく向上できる。また、各フォークアーム本体に設けられる牽引キャスター構造がいずれも互いに独立しているため、牽引キャスター構造によって各フォークアーム本体を単独で制御でき、各フォークアーム本体を必要に応じて単独に伸縮動作させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明に係る実施形態または既存技術における技術的手段をさらに明確に説明するため、以下では実施形態または既存技術の説明において使用する必要のある図面について簡単に紹介する。明らかに、以下の説明における図面は本発明に係る一部の実施形態にすぎず、いわゆる当業者であれば、創造的な労力をかけずに、これらの図面に示されている構造に基づいて、さらに他の図面を得ることができる。
【0017】
【
図1】本発明の実施形態に係るテレスコピックフォーク機構の立体構造を示すブロック図である。
【
図2】本発明の実施形態に係るテレスコピックフォーク機構(フォークアーム構造が完全収縮状態である場合)の断面構造を示す模式図である。
【
図3】本発明の実施形態に係るテレスコピックフォーク機構(フォークアーム構造が部分的に伸び出し状態である場合)の断面構造を示す模式図である。
【
図4】本発明の実施形態に係るテレスコピックフォーク機構(フォークアーム構造が完全伸び出し状態である場合)の断面構造を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の目的の達成、機能特徴および長所については、実施形態に合わせて図面を参照しながらさらに説明する。
以下、本発明の実施形態における図面を参照しながら、本発明の実施形態における技術的解決手段について、明瞭かつ完全に説明する。当然でありながら、以下に説明する実施形態は本発明の一部の実施形態にすぎず、全ての実施形態ではない。本発明の実施形態に基づき、いわゆる当業者が創造性労力をかけずに取得するすべての他の実施形態は、本発明の保護範囲に属する。
【0019】
説明すべき事項として、本発明の実施形態において、方向に関する指示(たとえば、上、下、左、右、前、後、頂部、底部、・・・)がある場合、当該方向に関する指示は、ある特定な姿勢(図面に示す通り)における各部品間の相対位置関係や動作状況など説明するためにのみ用いられ、該特定の姿勢が変化した場合、その方向に関する指示も対応して変化する。
【0020】
また、本発明の実施形態において、「第一」、「第二」などの記載がある場合、当該「第一」、「第二」などの記載は、説明の目的でのみ用いられ、相対重要性の明示または暗示するものや指示される技術的特徴の数量を暗に示すものとして理解してはいけない。したがって、「第一」および「第二」で限定される技術的特徴は、少なくとも一つの当該特徴を含むことを明示または暗示できる。さらに、各実施形態間において、技術的解決手段を互いに組み合わせることもできるが、いわゆる当業者が実現可能であることを前提としなければならず、技術的解決手段の組み合わせにより、互いに矛盾したりまたは実現できなかったりした場合、このような技術的解決手段の組み合わせは存在しないと考えるべきであり、本発明の保護範囲に属さない。
【0021】
図1に示すように、本発明に係るテレスコピックフォーク機構は、本体構造100および本体構造100に摺動可能に設けられるフォークアーム構造200を含む。当該フォークアーム構造200は、本体構造100内に摺動したり、または本体構造100の外側まで摺動したりできるため、フォークアーム構造200により物体を取り出して運搬できる。また、フォークアーム構造200は、自身の構造によって自ら駆動でき、本体構造100に他の動力構造を設けてフォークアーム構造200を駆動させなくてもよいため、フォークアーム構造200の伸縮がさらに自由かつ簡単になる。
【0022】
具体的には、
図2~4に示すように、本体構造100は、本体主体110および本体主体110に摺動可能に設けられるスライドレール構造120を含んでよい。また、フォークアーム構造200は、スライドレール構造120に摺動可能に並列で接続される少なくとも二つのフォークアーム本体210および各フォークアーム本体210の後端の底部側に設けられ、フォークアーム本体210をスライドレール構造120に沿って伸縮するように駆動する牽引キャスター構造220を含んでもよく、すべてのフォークアーム本体210における牽引キャスター構造220は互いに独立している。フォークアーム構造200のフォークアーム本体210の外側の底部に牽引キャスター構造220を設けるため、牽引キャスター構造220の駆動により対応するフォークアーム本体210を本体主体110の外側へ伸び出させたりまたは本体主体110内に引っ込ませたりできる。さらに、牽引キャスター構造220をフォークアーム本体210に設けることによって、フォークアーム本体210の伸び出し距離が本体構造100の寸法に制限されないため、フォークアーム本体210は本体構造100の外側へ伸び出すことができる。また、牽引キャスター構造220をフォークアーム本体210の後端に設け、かつ、フォークアーム本体210の前端をスライドレール構造120に設けることによって、両端からフォークアーム本体210をサポート(支持)できるため、フォークアーム本体210およびフォークアーム構造200の負荷能力を大きく向上できる。さらに、各フォークアーム本体210に設けられる牽引キャスター構造220がいずれも互いに独立しているため、牽引キャスター構造220によって各フォークアーム本体210を単独で制御でき、各フォークアーム本体210を必要に応じて単独に伸縮動作させることができる。
【0023】
また、本体主体110には当該本体主体110の前後方向を沿って延伸する格納スロットが設けられ、当該格納スロットの後端は本体主体110の後端を貫通する。スライドレール構造120は、当該格納スロットに摺動可能に設けられてもよく、当該格納スロットにおいて前後に摺動でき、本体主体110の外側へ伸び出したりまたは本体主体110内に引っ込んだりできる。
【0024】
さらに、格納スロットは、本体主体110に併設される少なくとも二つの摺動スロット112を含んでもよく、各摺動スロット112の後端は、いずれも本体主体110の後端を貫通する。これに対応して、スライドレール構造120は、本体主体110に摺動可能に併設される少なくとも二つのスライドレール本体122を含んでよく、各スライドレール本体122は、対応する一つの摺動スロット112に摺動可能に設けられ、さらに、各フォークアーム本体210は、対応する一つのスライドレール本体122に摺動可能に設けられる。このようにすれば、各フォークアーム本体210を一つのスライドレール本体122において前後摺動させることができ、各スライドレール本体122は、一つの摺動スロット112において前後に摺動できる。また、少なくとも二つのスライドレール本体122を一つの摺動スロット112に設けたりまたはすべてのスライドレール本体122を一つの摺動スロット112に設けたりしてもよい。さらに、上述の格納スロットを一つの摺動スロット112として設けてもよい。
【0025】
また、本実施形態において、本体主体110に二つの摺動スロット112を併設してもよく、二つの摺動スロット112にそれぞれ一つのスライドレール本体122を摺動可能に設け、各スライドレール主体122には対応する一つのフォークアーム本体210を摺動可能に設けてもよい。すなわち、本体主体110において、二つの摺動スロット112を設けてもよく、これに対応して二つのスライドレール本体122を設け、二つのスライドレール本体122と二つのフォークアーム本体210とを一対一で設ける。すなわち、二つのフォークアーム本体210をそれぞれ一つのスライドレール本体122に沿って摺動させることができ、スライドレール本体122を介してフォークアーム本体210を本体主体110の外側へ伸び出させたりまたは本体主体110内に引っ込ませたりできる。さらに、各フォークアーム本体210に単独に設けた牽引キャスター構造220を介して、二つのフォークアーム本体210を単独に駆動して伸縮させ、異なる取り出しの状況に適応させることができるため、簡便である。たとえば、一つのフォークアーム本体210のみで物体を取り出す必要がある場合、一つの牽引キャスター構造220を介して一つのフォークアーム本体210のみ伸縮駆動すればよく、二つのフォークアーム本体210で物体を取り出す必要がある場合、二つの牽引キャスター構造220を介して二つのフォークアーム本体210をそれぞれ伸縮駆動すればよい。
【0026】
さらに、各摺動スロット112は、いずれも本体主体110の中央部に設けられるメインスロット本体および本体主体110の後端に設けられ、メインスロット本体に連通される出口スロット本体を含んでよく、出口スロット本体の底部側および後部側はともに外部に連通されている。このようにすれば、摺動スロット112の後端の底部側および後部側がともに外部に連通され、摺動スロット112の後端の底部側と地面とが対応でき、摺動スロット112の後部側が本体主体部110の後端面を貫通できる。したがって、フォークアーム構造200が完全収縮状態である場合、フォークアーム構造200の後端の底部側における牽引キャスター構造220は出口スロット本体に位置し、かつ、地面と接触する(当該出口スロット本体によって牽引キャスター構造220を格納できるだけでなく、牽引キャスター構造220が地面に置かれてフォークアーム本体210に対する駆動を便利にできる)ため、牽引キャスター構造220を介してフォークアーム構造200のフォークアーム本体210を、摺動スロット112の外側へ押し出して、本体主体110の後端の外側へ伸び出させることを便利にできる。
【0027】
また、本体主体110の後端には第一スライドレール位置制限構造が設けられ、各フォークアーム本体210の前端には第二スライドレール位置制限構造が設けられ、各スライドレール本体122の前端には第一スライドレール位置制限構造に対応する本体位置制限構造が設けられ、各スライドレール本体122の後端には第二スライドレール位置制限構造に対応するフォークアーム位置制限構造が設けられてもよい。このようにすれば、スライドレール本体122が摺動スロット112において本体主体110の後端の外側へ向かって摺動する過程で、スライドレール本体122の前端が本体主体110の後端位置まで摺動すると、スライドレール本体122の前端に設けられる本体位置制限構造を本体主体110の後端における第一スライドレール位置制限構造に嵌設させることができるため、スライドレール本体122は本体主体110から外れることができなくなる。さらに、フォークアーム本体210がスライドレール本体122において摺動する過程で、フォークアーム本体210の前端がスライドレール本体122の後端位置まで摺動すると、スライドレール本体122の後端に位置するフォークアーム位置制限構造をフォークアーム本体210の前端に位置する第二スライドレール位置制限構造に嵌設させることができるため、フォークアーム本体210はスライドレール本体122から外れることができなくなる。
【0028】
具体的には、第一スライドレール位置制限構造は、本体主体110の後端に設けられる第一環状位置制限バッフルであってよく、本体位置制限構造は、スライドレール本体122の前端に設けられる第一円形位置制限バッフルであってよく、スライドレール本体122は、第一環状位置制限バッフルを通り抜け、本体主体110の後端の外側へ延伸でき、スライドレール本体122の第一円形位置制限バッフルは、第一環状位置制限バッフルの内側(すなわち、本体主体の前端方向)に嵌設できる。同様に、フォークアーム位置制限構造は、スライドレール本体122の後端に設けられる第二環状位置制限バッフルであってよく、第二スライドレール位置制限構造は、フォークアーム本体210の前端に設けられる第二円形位置制限バッフルであってよく、フォークアーム本体210は、第二環状位置制限バッフルを通り抜け、フォークアーム本体210の後端の外側へ延伸でき、さらフォークアーム本体210の第二円形位置制限バッフルは、第二環状位置制限バッフルの内側(すなわち、フォークアーム本体の前端方向)に嵌設できる。
【0029】
さらに、フォークアーム構造(200)は、各フォークアーム本体210の後端の底部側に設けられる牽引キャスター構造220を含んでよく、または、フォークアーム構造(200)は、各フォークアーム本体210の後端の底部側に併設されている二つの牽引キャスター構造220を含んでもよい。すなわち、フォークアーム本体210は、その後端に設けられる一つの牽引キャスター構造220により駆動されてもよく、併設される二つの牽引キャスター構造220により駆動されてもよく、または、フォークアーム本体210の後端に設けられるより多くの牽引キャスター構造220により駆動されてもよい。
【0030】
また、各牽引キャスター構造220は、いずれもフォークアーム本体210に設けられる駆動モーター構造および駆動モーター構造に接続される駆動ホイール本体を含んでもよく、すべての牽引キャスター構造220の駆動モーター構造は互いに独立している。フォークアーム本体210に設けられる駆動モーター構造により、ホイール本体が駆動されて回転できるため、フォークアーム本体が連動して前後移動され、したがって、フォークアーム本体を本体主体の外側へ伸び出させたりまたは本体主体内に引っ込んだりできる。さらに、各牽引キャスター構造の駆動モーター構造が互いに独立しているため、各駆動ホイール本体を単独で駆動でき、したがって、各フォークアーム本体210を単独に駆動して伸縮させることができる。さらに、各駆動モーター構造は、フォークアーム本体210の底部側に設けられる駆動モーターおよび駆動モーターの出力軸に接続される減速器を含んでよく、駆動ホイール本体の出力軸は減速機の出力軸に接続されている。
【0031】
さらに、フォークアーム構造200は、各フォークアーム本体210の中央部の底部側に設けられる少なくとも一つの引き込み可能な従動ホイール構造をさらに含んでもよい。フォークアーム本体210の中央部に従動ホイール構造が設けられることによって、フォークアーム本体210に対するサポートを補助でき、フォークアーム構造200の負荷能力をさらに向上できる。また、従動ホイール構造を引き込み可能な構造に設けることによって、フォークアーム本体210が本体主体110の外側へ伸び出すことに伴い、従動ホイール構造がフォークアーム本体210から釈放され、地面に接触して、フォークアーム本体210に対するサポートを実現できる。一方、フォークアーム本体210が間もなくフォークアーム本体210まで引っ込むことに伴い、従動ホイール構造がフォークアーム本体210まで引っ込み、フォークアーム本体210の伸縮に影響を与えないようにできる。
【0032】
さらに、フォークアーム構造は、各フォークアーム本体の中央部の底部側に設けられる少なくとも一つの引き込み可能な牽引キャスター構造をさらに含んでもよい。フォークアーム本体の中央部に牽引キャスター構造が設けることによって、フォークアーム本体の後端に設けられる牽引キャスター構造と合わせて、一緒にフォークアーム本体を駆動して伸縮させることができるため、駆動力がさらに強くなるとともに、サポートを補助する役割を果たせる。また、これらの牽引キャスター構造を引き込み可能な構造に設けることによって、フォークアーム本体の伸縮に影響を与えないようにできる。
【0033】
また、本発明に係る自動運搬装置は、上述のテレスコピックフォーク機構を含む。単独に設ける牽引キャスター構造により、テレスコピックフォーク機構の一つまたは複数のフォークアーム本体について単独に伸縮駆動できるため、異なる使用ニーズに満足でき、適合性がさらによくなる。
【0034】
上述の記載は、本発明の好ましい実施形態にすぎず、これにより本発明の保護範囲は限定されない。本発明の技術的思想の下で、本発明の明細書および図面の内容を利用して行った均等な構造変換や直接/間接にその他の関連技術分野への適用は、いずれも本発明の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0035】
100 本体構造、
110 本体主体、
112 摺動スロット、
120 スライドレール構造、
122 スライドレール本体、
200 フォークアーム構造、
210 フォークアーム本体、
220 牽引キャスター構造。