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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-19
(45)【発行日】2023-04-27
(54)【発明の名称】鱗茎菜類調製機
(51)【国際特許分類】
   A23N 15/08 20060101AFI20230420BHJP
【FI】
A23N15/08 B
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019037672
(22)【出願日】2019-03-01
(65)【公開番号】P2020137497
(43)【公開日】2020-09-03
【審査請求日】2022-02-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000132219
【氏名又は名称】株式会社スズテック
(74)【代理人】
【識別番号】100089934
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 淳一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100092945
【弁理士】
【氏名又は名称】新関 千秋
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 貴洋
【審査官】松井 裕典
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-102279(JP,A)
【文献】特開2004-222651(JP,A)
【文献】特開平07-135946(JP,A)
【文献】特開2001-224349(JP,A)
【文献】特開2015-186459(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23N 1/00-17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支脚3により床上に載置される機体フレ-ム1の上部に、鱗茎菜類玉葱2の茎部分を挟持横搬送する一対の搬送用ベルト5を有する搬送部4を設け、搬送部4の下方に玉葱2を始端部から終端部に向けて玉葱2を搬送する搬送路10を形成し、搬送路10の始端部に玉葱2の根を切断する根切回転刃21と根切固定刃22を有する根切断部20を設け、根切断部20の搬送下手側に玉葱2の茎を切断する茎切回転刃41と茎切固定刃42を有する茎切断部40を設け、根切断部20と茎切断部40との間には玉葱2の搬送姿勢を鉛直状態に保持させる姿勢矯正部120を設けた鱗茎菜類調製機。
【請求項2】
請求項1において、姿勢矯正部120は、搬送路10の搬送方向に対する交差方向であって、水平方向で横軸回転する先端が自由端の板状弾性部材により構成した回転体122を設けて構成した鱗茎菜類調製機。
【請求項3】
請求項1において、姿勢矯正部120は搬送路10の搬送方向に対する交差方向であって、水平方向で横軸回転する先端が自由端のブラシ状の回転体122により構成した鱗茎菜類調製機。
【請求項4】
請求項2または請求項3において、回転体122は回転軸123の両端部を機体フレ-ム1側に回転自在に軸装し、回転軸123には回転体122を所定回転速度で回転させる駆動回転を伝達する構成とした鱗茎菜類調製機。
【請求項5】
請求項1~請求項4の何れかにおいて、回転体122は、回転軸123の回転方向に複数並設した鱗茎菜類調製機。
【請求項6】
請求項5において、回転方向に複数設けた各回転体122との間に空間125を開けて配置構成した鱗茎菜類調製機。
【請求項7】
請求項1~請求項6の何れかにおいて、搬送用ベルト5は鱗茎菜類調製機の後部から前方に向けて玉葱2を搬送する構成とし、前記根切断部20の根切回転刃21と茎切断部40の茎切回転刃41との間には、搬送中の玉葱2を搬送用ベルト5の下方に位置する茎切断部40の茎切回転刃41と茎切固定刃42に誘導する誘導部55を設け、該誘導部55は軸棒状のガイド体56を前記搬送路10の左右両側に一対設けて構成し、該ガイド体56は、玉葱2の搬送方向を基準に、後側を高く前側に至るに従い低くなるように傾斜させて構成し、姿勢矯正部120は、誘導部55のガイド体56の下方またはガイド体56の終端と茎切断部40との間に配置した鱗茎菜類調製機。
【請求項8】
請求項1~請求項7の何れかにおいて、前記根切断部20の根切回転刃21と茎切断部40の茎切回転刃41との間には、搬送中の玉葱2を搬送用ベルト5の下方に位置する茎切断部40の茎切回転刃41と茎切固定刃42に誘導する誘導部55を設け、該誘導部55は軸棒状のガイド体56を前記搬送路10の左右両側に一対設けて構成し、該ガイド体56は後側を高く前側に至るに従い低くなるように傾斜させ、かつ、少なくとも、搬送用ベルト5に対して20度より緩い緩傾斜角度で傾斜させて構成した鱗茎菜類調製機。
【請求項9】
請求項1~請求項8の何れかにおいて、茎切断部40の茎切固定刃42は平板形状の板部材で形成した本体100の一側に刃部101を設け、刃部101の玉葱2の搬送方向前側となる基部側を搬送方向と平行な直線部102に形成し、刃部101の先端側を搬送方向の後側に至るに従い外側に位置する傾斜刃部103に形成した鱗茎菜類調製機。
【請求項10】
請求項9において、茎切固定刃42の本体100の他側には茎切回転刃41を取付けた前側移動部材44に取付ける取付部105を設け、茎切固定刃42には茎切回転刃41に対して左右方向に移動自在に構成した鱗茎菜類調製機。
【請求項11】
請求項1~請求項10の何れかにおいて、茎切回転刃41と茎切固定刃42との合わせ目の上方には、茎切回転刃41の回転軸41Aに玉葱2の茎が巻き付くのを防止する巻き込み防止体110を設けた鱗茎菜類調製機。
【請求項12】
請求項1~請求項11の何れかにおいて、茎切断部40の前方の機体フレーム1には茎排出シュート65を設け、茎排出シュート65は茎排出口66に臨ませ、茎排出口66は機体フレーム1に取付けたカバー12の前板12Aに開口させ、茎排出口66の上部には左右の駆動プーリー7のそれぞれの軸心より外側まで広がるように切欠部66Aを形成した鱗茎菜類調製機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収穫した玉葱等の鱗茎菜類に対して、予め設定された長さに根、および、茎を切断する鱗茎菜類調製機の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、鱗茎菜類の茎を挟み込んで搬送する搬送装置と、該鱗茎菜類の根、および、茎を切断する切断装置とを設けた鱗茎菜類調製機に関する技術構成は、公知である(特許文献1)。
【0003】
【文献】特開2018-102280号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記公知例では、茎が乾燥した状態の玉葱の茎と根の切断の調整作業を行うことができるが、乾燥させていない玉葱等の鱗茎菜類の調製は、硬い茎を切断できずに搬送路に搬送玉葱が滞留するという課題と、仮に茎が切断されても、斜めに切断されて商品の付加価値が低下するという課題がある。
本願は、乾燥させていない玉葱等の鱗茎菜類の調製を実現すると共に、商品の付加価値を高くする鱗茎菜類調製機を提供するようにしたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、支脚3により床上に載置される機体フレ-ム1の上部に、鱗茎菜類玉葱2の茎部分を挟持横搬送する一対の搬送用ベルト5を有する搬送部4を設け、搬送部4の下方に玉葱2を始端部から終端部に向けて玉葱2を搬送する搬送路10を形成し、搬送路10の始端部に玉葱2の根を切断する根切回転刃21と根切固定刃22を有する根切断部20を設け、根切断部20の搬送下手側に玉葱2の茎を切断する茎切回転刃41と茎切固定刃42を有する茎切断部40を設け、根切断部20と茎切断部40との間には玉葱2の搬送姿勢を鉛直状態に保持させる姿勢矯正部120を設けた鱗茎菜類調製機としたものである。
請求項2の発明は、姿勢矯正部120は、搬送路10の搬送方向に対する交差方向であって、水平方向で横軸回転する先端が自由端の板状弾性部材により構成した回転体122を設けて構成した鱗茎菜類調製機としたものである。
請求項3の発明は、姿勢矯正部120は搬送路10の搬送方向に対する交差方向であって、水平方向で横軸回転する先端が自由端のブラシ状の回転体122により構成した鱗茎菜類調製機としたものである。
請求項4の発明は、回転体122は回転軸123の両端部を機体フレ-ム1側に回転自在に軸装し、回転軸123には回転体122を所定回転速度で回転させる駆動回転を伝達する構成とした鱗茎菜類調製機としたものである。
請求項5の発明は、回転体122は、回転軸123の回転方向に複数並設した鱗茎菜類調製機としたものである。
請求項6の発明は、回転方向に複数設けた各回転体122との間に空間125を開けて配置構成した鱗茎菜類調製機としたものである。
請求項7の発明は、搬送用ベルト5は鱗茎菜類調製機の後部から前方に向けて玉葱2を搬送する構成とし、前記根切断部20の根切回転刃21と茎切断部40の茎切回転刃41との間には、搬送中の玉葱2を搬送用ベルト5の下方に位置する茎切断部40の茎切回転刃41と茎切固定刃42に誘導する誘導部55を設け、該誘導部55は軸棒状のガイド体56を前記搬送路10の左右両側に一対設けて構成し、該ガイド体56は、玉葱2の搬送方向を基準に、後側を高く前側に至るに従い低くなるように傾斜させて構成し、姿勢矯正部120は、誘導部55のガイド体56の下方またはガイド体56の終端と茎切断部40との間に配置した鱗茎菜類調製機としたものである。
請求項8の発明は、前記根切断部20の根切回転刃21と茎切断部40の茎切回転刃41との間には、搬送中の玉葱2を搬送用ベルト5の下方に位置する茎切断部40の茎切回転刃41と茎切固定刃42に誘導する誘導部55を設け、該誘導部55は軸棒状のガイド体56を前記搬送路10の左右両側に一対設けて構成し、該ガイド体56は後側を高く前側に至るに従い低くなるように傾斜させ、かつ、少なくとも、搬送用ベルト5に対して20度より緩い緩傾斜角度で傾斜させて構成した鱗茎菜類調製機としたものである。
請求項9の発明は、茎切断部40の茎切固定刃42は平板形状の板部材で形成した本体100の一側に刃部101を設け、刃部101の玉葱2の搬送方向前側となる基部側を搬送方向と平行な直線部102に形成し、刃部101の先端側を搬送方向の後側に至るに従い外側に位置する傾斜刃部103に形成した鱗茎菜類調製機としたものである。
請求項10の発明は、茎切固定刃42の本体100の他側には茎切回転刃41を取付けた前側移動部材44に取付ける取付部105を設け、茎切固定刃42には茎切回転刃41に対して左右方向に移動自在に構成した鱗茎菜類調製機としたものである。
請求項11の発明は、茎切回転刃41と茎切固定刃42との合わせ目の上方には、茎切回転刃41の回転軸41Aに玉葱2の茎が巻き付くのを防止する巻き込み防止体110を設けた鱗茎菜類調製機としたものである。
請求項12の発明は、茎切断部40の前方の機体フレーム1には茎排出シュート65を設け、茎排出シュート65は茎排出口66に臨ませ、茎排出口66は機体フレーム1に取付けたカバー12の前板12Aに開口させ、茎排出口66の上部には左右の駆動プーリー7のそれぞれの軸心より外側まで広がるように切欠部66Aを形成した鱗茎菜類調製機としたものである。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明では、根切断部20と茎切断部40との間には玉葱2の搬送姿勢を鉛直状態に保持させる姿勢矯正部120を設けているので、玉葱の茎の切断面が平らになって、商品の付加価値を向上させることができる。
請求項2の発明では、姿勢矯正部120は、搬送路10の搬送方向に対する交差方向であって、水平方向で横軸回転する先端が自由端の板状弾性部材により構成した回転体122を設けて構成しているので、回転体122により玉葱2本体の後面を前方に押すように接触回転して、玉葱2本体と茎とが垂直状態で茎切断部40にて切断され、玉葱の茎の切断面が平らになって、商品の付加価値を向上させることができる。
請求項3の発明では、姿勢矯正部120は搬送路10の搬送方向に対する交差方向であって、水平方向で横軸回転する先端が自由端のブラシ状の回転体122により構成しているので、回転体122により玉葱2本体の後面を前方に押すように接触回転して、玉葱2本体と茎とが垂直状態で茎切断部40にて切断され、玉葱の茎の切断面が平らになって、商品の付加価値を向上させることができる。
請求項4の発明では、回転体122は回転軸123の両端部を機体フレ-ム1側に回転自在に軸装し、回転軸123には回転体122を所定回転速度で回転させる駆動回転を伝達する構成としているので、姿勢矯正部120の構成を簡素にでき、姿勢矯正部120の実現を容易化できる。
請求項5の発明では、回転体122は、回転軸123の回転方向に複数並設しているので、回転体122は玉葱2の本体に確実に、かつ、損傷させることなく接触して、搬送姿勢を矯正できる。
請求項6の発明では、回転方向に複数設けた各回転体122がタイムラグを有して玉葱2を前方に押すので、搬送姿勢を乱すことなく、搬送姿勢を修正できる。
請求項7の発明では、根切断部20と茎切断部40との間には、搬送中の玉葱2を搬送用ベルト5の下方に位置する茎切断部40に誘導する誘導部55を設け、該誘導部55は軸棒状のガイド体56の終端と茎切断部40との間に、姿勢矯正部120を配置しているので、ガイド体56による押し下げ誘導作用から玉葱2の本体が開放させた状態で姿勢矯正部120により押されて玉葱2の搬送姿勢を鉛直状体に矯正(修正)することができる。
請求項8の発明では、根切断部20と茎切断部40の間に、搬送中の玉葱2を搬送用ベルト5より下方の茎切断部40に誘導する誘導部55を設けているので、水平状態に設置した搬送ベルト5でありながら、玉葱2をガイド体56の押し下げ作用によって搬送用ベルト5の挟持位置と玉葱2本体との間の距離を一定とし、茎を同じ長さに切断することができ、玉葱2の調製処理精度を向上させることができ、また、ガイド体56は後側を高く前側に至るに従い低くなるように傾斜させ、かつ、少なくとも、搬送用ベルト5に対して20度より緩い緩傾斜角度で傾斜させて構成しているので、玉葱2の搬送抵抗を減少させ、茎切断部40への玉葱2の搬送を円滑にして、乾燥させていない玉葱等の硬い茎の切断を可能にでき、これにより、搬送路に搬送玉葱の滞留を防止でき、一層、回転体122は玉葱2の本体に確実に、かつ、損傷させることなく接触して、搬送姿勢を矯正できる。
請求項9の発明では、茎切断部40の茎切固定刃42は平板形状の板部材で形成した本体100の一側に刃部101を設け、刃部101の玉葱2の搬送方向前側となる基部側を搬送方向と平行な直線部102に形成し、刃部101の先端側を搬送方向の後側に至るに従い外側に位置する傾斜刃部103に形成しているので、茎切固定刃42は刃部101の先端から基部まで茎切回転刃41と平行状態に配置することができ、これにより、茎切回転刃41の上面と茎切固定刃42の上面との間の隙間は、茎切固定刃42の後端から前端に至る間終始略同一となって、茎切回転刃41に対する茎切固定刃42の高さ調節を容易にでき、その結果、茎切固定刃42の取付および位置調節全般を容易にする。
請求項10の発明では、茎切固定刃42の本体100の他側には茎切回転刃41を取付けた前側移動部材44に取付ける取付部105を設け、茎切固定刃42には茎切回転刃41に対して左右方向に移動自在に構成しているので、茎切固定刃42の茎切回転刃41に対する位置合わせを容易にする。
請求項11の発明では、茎切回転刃41と茎切固定刃42との合わせ目の上方には、茎切回転刃41の回転軸41Aに玉葱2の茎が巻き付くのを防止する巻き込み防止体110を設けているので、案内されて、茎切回転刃41と茎切固定刃42の間に侵入し、玉葱2の茎は回転する茎切回転刃41により切断後、案内傾斜部112により茎切回転刃41の回転軸41Aから離れる方向に案内され、回転軸41Aに玉葱2の茎が巻き付くのを防止することができ、茎切断部40に玉葱2の切断茎が溜まるのを防止できる。
請求項12の発明では、茎切断部40の前方に設けた茎排出シュート65が臨む茎排出口66を、茎排出口66の上部が左右の駆動プーリー7のそれぞれの軸心より外側まで広がるように切欠部66Aを形成しているので、茎切断部40で切断された玉葱2の茎が駆動プーリー7と共回りして、駆動プーリー7と前板12Aの間に詰まるのを防止することができ、メンテナンスを容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】カバーを外した状態の鱗茎菜類調製機の斜視図。
図2】鱗茎菜類調製機の斜視図。
図3】カバーを一部外した鱗茎菜類調製機の斜視図。
図4】茎切断部の斜視図。
図5】鱗茎菜類調製機の平面図。
図6】カバーを外した鱗茎菜類調製機の平面図。
図7】着脱カバーを外した鱗茎菜類調製機の一部斜視図。
図8】鱗茎菜類調製機の縦断側面図。
図9】根伸ばし部のローラーの正面から見た回転状態を示す模式斜視図。
図10】同平面図。
図11】根切断部の底面図。
図12】同平面図。
図13】同側面図。
図14】同正面図。
図15】同側面図。
図16】同側面図。
図17】茎切断部の斜視図。
図18】茎切断部の平面図及び背面図。
図19】巻き込み防止体を移動させた状態の茎切断部の平面図及び背面図。
図20】(A)茎切回転刃の一部拡大図。 (B)茎切回転刃の他の実施形態の一部拡大図。
図21】同平面図。
図22】同一部拡大図。
図23】茎切回転刃の他の実施形態の一部拡大図。
図24】同平面図。
図25】鱗茎菜類調製機の縦断側面図。
図26】姿勢矯正部の側面図。
図27】玉葱の搬送状態の模式縦断側面図。
図28】玉葱の搬送状態の模式縦断側面図。
図29】伝動機構斜視図。
図30】着脱式誘導体を装着した鱗茎菜類調製機の側面図。
図31】着脱式誘導体を装着した鱗茎菜類調製機の正面図。
図32】着脱カバーの平面図、背面図、側面図。
図33】鱗茎菜類調製機の前部斜視図。
図34】鱗茎菜類調製機の一部正面図。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の一実施形態を図面により説明すると、1は鱗茎菜類調製機の機体フレ-ムであり、本実施例では鱗茎菜類として玉葱2を想定して以下説明するが、これに限定されるものではなく、ネギ、大蒜等であってもよい。
機体フレ-ム1は支脚3により床上に載置される。機体フレ-ム1の上部には玉葱2を搬送する搬送部4を設ける。搬送部4は弾性部材からなる無端状の左右一対の搬送用ベルト5を設けて構成する。搬送用ベルト5は左右両側から玉葱2の茎を挟みこむことで保持し、調製機の後側から前方に向けて搬送する構成である。
なお、本実施例においては搬送用ベルト5としてVベルトを想定しているが、これに限定されるものではなく、例えば、タイミングベルトや駆動チェーンを用いてもよく、また、複数のギヤを介した伝達機構を構成してもよい。
【0009】
搬送用ベルト5は機体フレ-ム1の略左右中央上部に設けられ、前方(下手側・終端側)に向かって終始略水平方向に延出させて設ける。機体フレ-ム1の後部の左右両側にはそれぞれ受動プーリー6を設け、機体フレ-ム1の前部の左右両側にはそれぞれ駆動プーリー7をそれぞれ設け、受動プーリー6と駆動プーリー7に搬送用ベルト5を掛け回している(図1)。
搬送部4(搬送用ベルト5)の下方には、玉葱2が移動する搬送路(移動路)10を設ける。11は搬送路10の始端部(後部)に設けた玉葱2の供給口であり、後述する機体フレ-ム1の駆動作動機構を包囲するカバー12の後側カバー部分に開口させて形成する。
【0010】
供給口11の前方の搬送路10には玉葱2の根を伸ばす根伸ばし部15を設ける。根伸ばし部15は搬送路10の搬送方向に沿って配設され、かつ、前後水平方向に並設された左右2本のローラー16と、該ローラー16に設けた羽根材17により構成する(図3、8、9、10)。
前記左右のローラー16は機体フレ-ム1側に回転自在に軸装する。ローラー16の軸装構成は任意であるが、ローラー16の後端部を機体フレ-ム1に設けたステー18の回転自在に軸装し、ローラー16の前端部は自由端にしている。
ローラー16の外周部表面には、複数の羽根材17を接線方向に沿って、先端を自由端とするように、その基部を固定状態に取付けて設ける。羽根材17は略長方形形状にカットされた弾性発泡性部材により形成し、羽根材17には所定間隔ごとに切目を並行に設けて、短冊状の複数の短冊片19を形成する。
【0011】
供給口11に供給された玉葱2は、搬送用ベルト5に茎が挟持された状態で左右両側から羽根材17の間隙部に挟まれ、下方向に擦られながら搬送され、搬送中に玉葱2の本体表面に付着する余分な表皮が除去され、続いて、玉葱2の根が下方に引き伸ばされる。
根伸ばし部15の前方の搬送路10には、根伸ばし部15で伸ばした玉葱2の根を切断する根切断部20を設ける(図8)。根切断部20は搬送用ベルト5によって搬送中の玉葱2の根が自動的に切断される。根切断部20は根切回転刃21と根切固定刃22とを有して構成する。
玉葱2の搬送路10の右側には、根切回転刃21が側面視にて水平に設けられており、かつ、玉葱2の搬送路10の左側には、平面視及び側面視において根切回転刃21と互いに一部オーバーラップする根切固定刃22を設ける。根切回転刃21は機体フレーム1側に取付けた取付部材23に軸装する。
【0012】
根切固定刃22は取付部材24に固定状態に取付け、取付部材24は軸25により取付部材23に設けた固定側取付部材26に対して上下動自在かつ回動(回転)自在に取付ける。
27は軸25を取付けた支持部材であり、支持部材27は高さ調節軸28により固定側取付部材26に対して高さ調節自在に取付ける。高さ調節軸28を回転させると、支持部材27が軸25と一体的に上下して根切回転刃21に対する根切固定刃22の高さを調節する。
根切固定刃22を取付けた取付部材24にはリンク杆29の基部を取付け、リンク杆29の先端にはバネ30の一端を取付ける。バネ30の他端は調節軸(調節ボルト)31に取付け、調節軸31は固定側取付部材26に螺合させる。32は調節ダイヤルである。
【0013】
調節ダイヤル32を回して調節軸31を下降させると、バネ30はリンク杆29を牽引し、リンク杆29は取付部材24を軸25中心に回転させ、これにより、根切固定刃22の先端は上下して根切回転刃21に対する接触面圧を強くする。
そのため、根切回転刃21と根切固定刃22との間の隙間を均等にし、玉葱2の根の切断を確実にする。
すなわち、根切回転刃21の下面に根切固定刃22の上面が当接するように、平面視にて根切回転刃21の回転軌跡に根切固定刃22の前後中間の一部が重複するように配置している。
そのため、根切固定刃22の右側面部の上手側(後側)は平面視にて外側に位置し、根切固定刃22の右側面部の下手側(前側)は平面視にて内側に位置するように傾斜させ、根切回転刃21と根切固定刃22との間の平面視における間隙は下流方向へ窄まる形となり、搬送されてくる玉葱2の根を容易に導き、切断し、根の切残しが玉葱6下面に残ることも無く、安定して良好な根切断面を得ることができる。
【0014】
しかして、少なくとも、根切固定刃22を取付けた取付部材24と固定側取付部材26とを有して根切固定刃22の固定刃支持機構35を構成し(図11等)、固定刃支持機構35は根切固定刃22を基準に根切回転刃21の反対側に配置する。
すなわち、取付部材24と固定側取付部材26は固定刃根切回転刃21の左側に位置し、玉葱2の根の搬送路10と交差しないように配置する(図11等)。
そのため、根切断部20で切断された玉葱2の根および根の切断屑が搬送される搬送路10に対して固定刃支持機構35が交わることはなく、切断後の根の切断屑が固定刃支持機構35に巻き付くのを防止でき、玉葱2の根の切断を確実にする。
なお、取付部材23は、後述する機体フレ-ム1の左右枠45に左右両側を固定状態に取付けている。そのため、根切断部20の根切回転刃21の高さは変動しないが、供給口11に設けた載置台36の高さを変更することにより搬送ベルト5が搬送する玉葱2の高さを変更することにより相対的に調節可能としている。
【0015】
根切断部20の前方の搬送路10には、根切断部20により根が切断された玉葱2の茎を切断する茎切断部40を設ける。茎切断部40は搬送用ベルト5によって搬送中の玉葱2の茎(葉)が自動的に切断される。茎切断部40は茎切回転刃41と茎切固定刃42とを有して構成する。
玉葱2の搬送路10の右側には、茎切回転刃41が側面視にて水平に設けられており、かつ、玉葱2の搬送路10の左側には、平面視及び側面視において茎切回転刃41と互いに一部オーバーラップする茎切固定刃42を設ける。
茎切断部40の茎切回転刃41は平面視において、前記根切断部20の根切回転刃21に対して下手側方向に、一直線上に設けている。
茎切回転刃41は取付部材43に取付け、取付部材43は機体フレ-ム1の前側上部に上下自在に設けた前側移動部材44に取付ける。前側移動部材44の左右両側は機体フレ-ム1の左右枠45に設けた調節ネジ46に取付ける。
47は左右枠45に設けた支持片であり、調節ネジ46を支持する(図1)。
【0016】
そのため、調節ネジ46を回転させると、前側移動部材44を機体フレ-ム1の左右枠45に対して上下させ、これにより、茎切回転刃41を上下させ、玉葱の茎の切断高さ調節自在に構成する。
茎切回転刃41の周縁には歯部33を設ける。歯部33の構成は任意であるが、少なくとも、茎切回転刃41の周縁34に設けた、茎切回転刃41の軸心方向に向かって凹む溝形状の歯室37の回転方向の後側に歯面38を形成して構成する(図20)。
そのため、茎切回転刃41は回転すると歯面38が玉葱2の茎に引っ掛かるように接触して切断し、この切断の際に茎を搬送方向の下手側に送る作用を奏する。
この場合、歯部33の数は任意であり、茎切回転刃41の周縁34に所定間隔をおいて複数設ければよいが、多数設けると、それだけ、切断能力は向上させられる。
【0017】
図20(B)~図24は、茎切回転刃41の歯部33の他の実施形態を示し、歯面38の回転方向後側の周縁34を回転方向の後側に至る従い低くなるように傾斜する接続面39に形成し、この接続面39とと歯面38により歯部33を三角形状に形成し、この歯部33を連続形成して所謂鋸のギザギザ状に形成する。
そのため、茎切回転刃41は回転すると歯面38が所謂引き鋸状に作用し、玉葱2の茎を切断する際に茎を搬送方向の下手側に送る作用も期待でき、茎切断部40における搬送玉葱2の茎詰まり発生を防止する。
すなわち、歯部33は、歯室37の回転方向の後側の内周を歯面38とし、歯室37の回転方向前側の内周を接続面39として形成する。
【0018】
これにより、歯部33は茎切回転刃41が回転すると、歯部33の歯面38が搬送中の玉葱2の茎の後側から前側に押すように接触して切断することになり、その結果、茎切回転刃41の歯部33は搬送玉葱2の茎切断する際に茎を搬送方向の下手側に送る作用も期待でき、茎切断部40における搬送玉葱2の茎詰まり発生を防止する。
また、茎切回転刃41の歯部33は、歯室37の溝底(最深部)から接続面39の先端(外端)までの長さTを、歯室37の底から歯面38の先端(外端)までの長さtよりも長くなるように形成する(図22)。
これにより、茎切回転刃41が回転するとき歯部33が引き鋸状に作用し、回転する歯部33の歯面38が玉葱2の茎に食い込むように作用し、茎切回転刃41により玉葱2の茎を切断する際に、茎を搬送方向の下手側に送る作用を奏し、搬送玉葱2の茎を確実に切断することができ、茎切断部40における搬送玉葱2の茎詰まり発生を防止する。
【0019】
また、歯部33の歯面38と接続面39の歯室37の溝底から先端(外端)に至る傾斜角度は任意であるが、歯室37の溝底から歯面38の先端(外端)に至る傾斜角度Sが、歯室37の溝底から接続面39の先端(外端)に至る傾斜角度sに比し急傾斜となるように形成する(図22)。
そのため、茎切回転刃41が回転するとき歯部33は引き鋸状に作用し、回転する歯部33の歯面38が玉葱2の茎に食い込むように作用し、搬送玉葱2の茎切断を確実にすると共に、搬送玉葱2の茎を搬送方向の下手側に送る作用も期待できる。
換言すると、歯部33は茎切回転刃41の軸心を通る半径線Lに対して傾斜角度の急な歯面38と、半径線Lに対して傾斜角度の緩い接続面39とにより1個の歯部33として形成し、この歯部33を連続形成して茎切回転刃41を構成する(図22)。
【0020】
そのため、回転する茎切回転刃41の歯面38が玉葱2の茎に食い込むように作用し、茎切回転刃41により玉葱2の茎を切断する際に、茎を搬送方向の下手側に送る作用を期待でき、搬送されてくる玉葱2の茎を確実に切断することができ、後述する、玉葱2を茎切断部40に誘導する誘導部55における玉葱2の停滞を防止できる。
すなわち、誘導部55は茎切断部40に玉葱2を誘導しているので、茎切断部40にて直ちに玉葱2の茎が切断されないと、茎切断部40で搬送玉葱2が停滞することになるが、茎切回転刃41の歯部33の歯面38による、切断中の玉葱2の茎を搬送方向の下手側に送る作用により、搬送玉葱2の停滞を防止する。
【0021】
図23は、茎切回転刃41の歯部33の他の実施形態を示し、Uの字形状に形成した歯室37の回転方向の後側に歯面38を形成し、歯室37の回転方向の前側に内側面39Aを形成し、歯面38と内側面39Aの外端を周縁34により連結し、歯室37の溝底から歯面38の先端(外端)に至る傾斜を歯室37の溝底から先端に至る従い回転方向の前側に位置するように傾斜させている。
そのため、歯面38の玉葱2の茎に接触圧を高めることができ、収穫直後の硬い生状態の玉葱2の茎の切断も確実に行える。
【0022】
また、図24は、茎切回転刃41の歯部33の他の実施形態を示しており、歯室37および歯面38を半径線Lに対して後退角を設けて形成している。
そのため、茎切固定刃42と茎切回転刃41との間の搬送路10に進入した玉葱2の茎の進入する際に、茎切回転刃41の歯部33の回転が進入抵抗とならず、玉葱2の茎の搬送を良好に行え、しかも、歯面38の玉葱2の茎への接触圧を高めて、収穫直後の硬い生状態の玉葱2の茎の切断も確実に行える。
そのため、歯面38の傾斜を歯室37の溝底から先端に至る従い回転方向の前側に位置するように傾斜させていても、回転する茎切回転刃41の歯面38が玉葱2の茎に食い込むように作用し、また、歯面38の玉葱2の茎に接触圧を高めることができ、収穫直後の硬い生状態の玉葱2の茎の切断も確実に行える。
【0023】
茎切固定刃42は平板形状の板部材で形成した本体100の一側に刃部101を設ける(図4)。刃部101は基部側(搬送方向前側)を搬送方向と平行な直線部102に形成し、刃部101の先端側(搬送方向後側)を搬送方向の後側に至るに従い外側に位置する傾斜刃部103に形成する。
そのため、玉葱2の茎は傾斜刃部103に案内されて、茎切回転刃41と茎切固定刃42の間に侵入し、回転する茎切回転刃41により切断される。
茎切固定刃42の本体100の他側には取付部105を設け、取付部105には左右方向に長い取付孔106を設ける(図4)。
そのため、茎切固定刃42の茎切回転刃41に対する位置合わせを容易にする。
この場合、茎切固定刃42は平板形状の板部材で形成した本体100に刃部101を設けているので、茎切固定刃42の刃部101の先端から基部まで茎切回転刃41と平行で有り、それゆえ、茎切回転刃41の上面に対する高さ調節を容易にでき、その結果、茎切固定刃42の取付および位置調節全般を容易にする。
【0024】
すなわち、茎切回転刃41の上面と茎切固定刃42の上面との間の隙間は、茎切固定刃42の後端から前端に至る間終始略同一となって(図18)、茎切回転刃41の上面に対する茎切固定刃42の上面位置を設定するだけでよく、茎切回転刃41に対する茎切固定刃42の高さ調節を容易にできる。
また、茎切固定刃42は前側移動部材44に取付けて茎切回転刃41と共に、調節ネジ46により茎切固定刃42は茎切回転刃41と一体的に上下する構成とする(図1)。
そのため、玉葱2の大きさ等によって玉葱2の茎の切断位置を変更調節でき、作業性を向上させられる。
この場合、茎切固定刃42は搬送路10を挟んで茎切回転刃41の回転軸41Aの反対側に位置するように配置する(図18)。
そのため、茎切回転刃41の駆動機構に茎切固定刃42の存在自体が干渉するのを回避できる。
【0025】
また、茎切固定刃42は平板形状の板部材で形成した本体100に刃部101と取付部105を設けて構成しているので、根切断部20の根切回転刃21から茎切断部40の茎切回転刃41に至る間の搬送路10に対して茎切固定刃42の取付部105が干渉することはなく、玉葱2の茎の切断を確実にする。
茎切回転刃41と茎切固定刃42との合わせ目の上方には、巻き込み防止体110を設ける(図4)。
巻き込み防止体110は平板形状の板部材で形成し、巻き込み防止体110の一側に案内部111を設け、案内部111は基部側(搬送方向前側)を搬送方向と平行な案内直線部111Aに形成し、案内部111の先端側(搬送方向後側)を搬送方向の後側に至るに従い外側に位置する案内傾斜部112に形成する。
【0026】
そのため、玉葱2の茎は案内傾斜部112に案内されて、茎切回転刃41と茎切固定刃42の間に侵入し、回転する茎切回転刃41により切断後、茎切回転刃41の回転軸41Aから離れる方向に案内し、回転軸41Aに玉葱2の茎が巻き付くのを防止し、茎切断部40に玉葱2の切断茎が溜まるのを防止する。
巻き込み防止体110の他側には取付部113を設け、取付部113を前側移動部材44の上面にボルト115により取付ける。取付部113には左右方向に長い取付孔114を設け、搬送路10への張出量を調節自在に構成する。
巻き込み防止体110は茎切回転刃41の上面より所定間隔おいて前側移動部材44側に取付け、茎切回転刃41と共に、調節ネジ46により茎切固定刃42は茎切回転刃41と一体的に上下する構成としている。
【0027】
そのため、玉葱2の大きさ等によって玉葱2の茎の切断位置が変更調節されると、巻き込み防止体110も一体で上下し、切断された玉葱2の切断茎の下部を茎切回転刃41の回転軸41Aから離れるように案内する。
図18は、巻き込み防止体110が回転軸41Aから最も離れた状態を示し、図19は、巻き込み防止体110が回転軸41Aに最も接近した状態を示している。
なお、図示は省略するが、巻き込み防止体110は前側移動部材44に対して高さ調節自在に構成してもよい。
【0028】
しかして、根切断部20の根切回転刃21と茎切断部40の茎切回転刃41との間には、玉葱2を茎切回転刃41に誘導する誘導部55を設ける。誘導部55は左右一対の軸棒状のガイド体56を後側を高く前側に至るに従い低くなるように傾斜させて設ける。
そのため、玉葱2は自重に加えてガイド体56の押し下げ作用によって、搬送用ベルト5による茎の挟持位置と玉葱2本体との間の距離が大きくなるように誘導されて茎切断部40に至ることになるので、各玉葱2の茎を同じ長さに切断することができ、玉葱2の調製処理精度を向上させることができる。
ガイド体56は、少なくとも、搬送用ベルト5に対して20度より緩い緩傾斜角度で傾斜させて構成し、好適には10~12度であると、乾燥未処理玉葱2の誘導であっても、搬送抵抗を大きくせずに済み、好適ある。
【0029】
また、誘導部55により、搬送部4の搬送用ベルト5を水平に配置することができ、鱗茎菜類調製機の側面視の外形形状を四角形状にすることができ、鱗茎菜類調製機の運搬・格納を容易にすることができる。
したがって、誘導部55は茎切断部40に向かう搬送路10に玉葱2を誘導できるように設置すればよく、その構成は任意であるが、前記ガイド体56の後端を左右の取付部材57にそれぞれ取付け、取付部材57は機体フレ-ム1の左右枠45にそれぞれ取付ける。
ガイド体56の前端は少なくとも茎切断部40の茎切回転刃41と茎切固定刃42との切断部よりも前方に位置すると共に、切断された自由端としている。
すなわち、ガイド体56は取付部材57により片持ち状態に支持されている。
【0030】
しかして、茎切断部40の手前には玉葱2の搬送姿勢を鉛直状態に保持させる姿勢矯正部120を設け、姿勢矯正部120は搬送路10の搬送方向に対して交差方向であって、水平方向に設けた回転体122により構成する(図3)。
回転体122の基部は回転軸123側に固定状態に取付け、回転軸123の両端部を機体フレ-ム1側に回転自在に軸装して取付ける。回転軸123は回転体122を所定回転速度で駆動回転させ、回転体122の駆動機構は任意であるが、回転軸123にモーターMの回転を伝達させている。本実施形態ではモーターMからの出力軸(減速機構の一部であってもよい)を回転軸123としている(図25)。
根切断部20から搬送された玉葱2は、搬送用ベルト5に茎が挟持された状態で後方向から回転する回転体122により前方に押されながら鉛直状に吊された状態で搬送され、茎切断部40に至り茎切回転刃41と茎切固定刃42により玉葱2の茎が切断される。
【0031】
この場合、搬送される玉葱2の搬送姿勢は、搬送用ベルト5により玉葱2の茎が搬送されること、玉葱2が乾燥処理されていないときには玉葱2の茎が硬いこと、誘導部55のガイド体56による押し下げ作用によって搬送抵抗が生じること等により、搬送用ベルト5により茎の挟持部分に対して玉葱2の本体が後方に遅れる傾向があり、玉葱2の茎切断面が斜めになる傾向がある。
本願では、姿勢矯正部120を設け、搬送中の玉葱2の本体を回転体122の回転により前方に向けて押すので、玉葱2の搬送姿勢を鉛直状態に矯正(修正)することができる。
したがって、玉葱2の茎の切断面は平らになり、商品付加価値を向上させられる。
【0032】
すなわち、回転体122は、間欠的に搬送移動中の玉葱2の後面側に回転接触して前方に押すように作用させることを意図したものであるが、ゴム板部材等により搬送移動中の玉葱2の後面側に回転接触する際に弾性変形しつつ、かつ、茎が硬い玉葱2の姿勢矯正時に掛かる負荷抵抗に抗しうる前方への押し出し作用を確保し、さらに、接触損傷を防止するための所定柔軟性を有するように構成すればよいが、形状あるいは材質は何れでもよい。
例えば、図26(A)に示したように、一対の回転体122を回転軸123側に取付けて構成し、回転体122の回転方向面を玉葱2に当接させる構成としている。
また、図26(B)に示した実施形態では略長方体形状にカットされた弾性体(弾性発泡性部材)122Aにシート部材122Bを貼着して形成し、弾性体122Aの弾力により当接時の衝撃を緩和させ、シート部材122Bにより回転剛性を確保して玉葱2を前方に押す剛性を確保している。
【0033】
また、図26(C)に示した実施形態では、回転体122をゴム板122Cにより、
当接時の衝撃を緩和させる弾性力であって、玉葱2を前方に押す剛性を有する弾性力を有するように構成している。
また、図26(D)に示した実施形態では、回転体122をブラシ122Dにより、当接時の衝撃を緩和させる弾性があって、玉葱2を前方に押す剛性を有するように構成している。
また、回転軸123に設けた回転体122は、回転軸123の回転方向に複数設け、複数の回転体122は、先端が自由端となるように、その基部を回転軸123側に取付けるが、一方の回転体122と他方の回転体122とは、その材質を問わずに、一方の回転体122と他方の回転体122との間に空間125を開けて設ける。
【0034】
そのため、回転体122が玉葱2に常時接触するのを回避して、先方の回転体122が玉葱2に押した後に後方の回転体122が玉葱2を押すときに僅かにタイムラグを設け、回転体122の回転が玉葱2を前方に押すように作用させる構成としている。
すなわち、回転体122を回転軸123の周りの全周に密植させて設けると、回転体122は常時玉葱2に接触して玉葱2を上方に押し上げるように作用することがあって、玉葱2の搬送姿勢を乱す虞があるが、本願では、各回転体122の間に空間125を介在させて配置構成しているので、玉葱2の搬送姿勢を鉛直姿勢に矯正させることができる。
なお、回転体122の数は任意であり、図26(A)のように、少なくとも、2個の回転体122を設ければよく、また、2個以上であってもよく、図26(E)では3個の回転体122を、図26(F)では4個の回転体122を例示している。
【0035】
また、各実施形態では回転軸123に固定したローラー121に回転体122を固定状態に取付けているが、ローラー121を省略してもよい。
また、姿勢矯正部120は、茎切断部40の搬送方向手前(上手側)に配置すればよく、図8では、誘導部55のガイド体56の下方に配置しており、図25では、誘導部55のガイド体56の終端と茎切断部40との間に配置している。
また、搬送ベルト5から玉葱2の本体までの茎の長さは60~70ミリメートル、玉葱2の本体の縦直径が60~105ミリメートル、切断後の茎の長さが15~35ミリメートルを想定している。
また、図示は省略するが、姿勢矯正部120は、駆動機構と共に機体フレーム1に対して上下高さ調節自在に取付ける。
【0036】
また、本実施形態の姿勢矯正部120は、根伸ばし部15の左右2本のローラー16と、該ローラー16に設けた羽根材17と兼用構成としよく、部品共用化によるコストダウンが期待できる。
しかして、茎切断部40の下方には、茎切断部40で切断された玉葱2を受け止め鱗茎菜類調製機の排出口58に誘導する排出シュート59を設ける。排出シュート59は茎切断部40の下方は水平部60に形成し、左右方向の水平部60の所定位置から外側に低く傾斜する傾斜面61を設けて形成する。
また、排出シュート59の水平部60の後端は傾斜面61の後縁より後方に延長させた延長部62に形成する。
【0037】
延長部62は茎切断部40で切断された玉葱2が落下する際に、排出シュート59より後側で機外に落下するのを防止する。
そのため、排出シュート59の延長部62は根切断部20の支持部材近傍まで延長させている。
また、茎切断部40の前方には茎排出シュート65を設け、茎排出シュート65は鱗茎菜類調製機の茎排出口66に臨ませている。茎排出口66は、カバー12の前板12Aに開口させ、茎排出口66の上部には左右の駆動プーリー7のそれぞれの軸心より外側まで広がるように切欠部66Aを形成する(図33)。
そのため、茎切断部40で切断された玉葱2の茎が駆動プーリー7と共回りして、左右の駆動プーリー7と前板12Aの間に詰まるのを防止する。
【0038】
また、茎切断部40の下方には、茎切断部40で茎が切断された玉葱2を排出シュート59に誘導する落下誘導体68を設ける。落下誘導体68は側面視前下がりの傾斜の誘導面(反射面)69を有して構成し、前記前側移動部材44に取付ける。
そのため、茎切断部40で茎が切断された玉葱2が落下する際に、落下誘導体68により排出シュート59内に落下誘導し、玉葱2が機外に落下するのを防止する。
すなわち、落下誘導体68は排出シュート59の延長部62と相俟って、排出シュート59に玉葱2を落下誘導して、機外に落下するのを防止する。
しかして、搬送用ベルト5の受動プーリー6と駆動プーリー7は、機体フレ-ム1に設けた平板状の上部フレーム70に軸装し、上部フレーム70は左右に分割して形成され、左右の上部フレーム70の間に前記搬送路10と上下方向において連通する茎移動路を形成し、茎移動路の上方を一対の搬送用ベルト5が対向して玉葱2の茎部分を左右側から挟持して移動する。
【0039】
前記搬送路10の入口側(後側・始端側)に配置した、受動プーリー6は左右方向に所定間隔をおいて配置し、左右の搬送用ベルト5の間に玉葱2の茎を供給できる供給隙間72を形成する。
供給隙間72より前側では、左右の搬送用ベルト5が玉葱2の茎を挟持できるように、左右の搬送用ベルト5が互いに弾接するように付勢するベルトガイド75を設ける。ベルトガイド75は移動方向に長い左右一対のガイド体76を、前後一対設けて構成する。
そして、後側の左右のガイド体76のうち一方は上部フレーム70に固定し、他方は交差方向に移動自在に取付けると共に、バネ77により固定ガイド体76に弾力的に当接するように付勢する構成とする。
【0040】
そのため、搬送用ベルト5の挟持力を調節可能にできると共に、ベルトガイド75の構成を簡素化できる。
すなわち、玉葱2の茎を搬送用ベルト5間に供給した場合、互いに弾接している一対の搬送用ベルト5が離れるために逃がす必要があり、そのため、固定のガイド体76に対して移動ガイド体76を外側に移動させ、玉葱2の茎の搬送用ベルト5間への供給を可能にしている。
また、前側の左右のガイド体76はそれぞれ交差方向に移動自在に取付けると共に、バネ77により互いに他方のガイド体76に弾力的に当接するように付勢する構成とする。
【0041】
そのため、根切断部20から茎切断部40へ玉葱2の搬送を確実にする。
この場合、前側の左右のガイド体76は、前後一対のバネ77により左右の搬送用ベルト5が互いに弾力的に当接するように付勢するが、後側バネ77Aは前側バネ77Bより付勢力を強く設定する。
すなわち、誘導部55のガイド体56の押し下げ荷重が玉葱2の茎に作用するガイド体76の後側部分の挟持力を強くすると、茎切断部40で切断される前に茎が千切れて排出シュート59に落下することとなるので、搬送に必要な挟持力を確保できる弾力に設定すればよく、反対に、ガイド体76の前側部分では茎切断部40で切断された茎の落下防止のために挟持力を強くしている。
そのため、排出シュート59により排出される玉葱2群への茎の混入を防止できる。
【0042】
しかして、少なくとも、玉葱2の茎を挟持搬送する搬送用ベルト5の上方には、移動する搬送用ベルト5の上方の一部または全部を覆う着脱カバー130を設け(図2)、着脱カバー130は磁力により機体フレーム1の上部フレーム70側に着脱自在に固定可能に構成する。
すなわち、搬送用ベルト5と搬送用ベルト5の受動プーリー6と駆動プーリー7との上方を、包囲する上部カバー131を上部フレーム70側にボルト等の止着具(図示省略)により着脱自在に取付けるが、上部カバー131のうち、少なくとも、玉葱2の茎を挟持搬送する左右一対の搬送用ベルト5が対向移動する部分の上方に、ボルト等の止着具を省略して、磁力により固定される着脱カバー130に構成する。
【0043】
そのため、工具不要であるだけなく、ボルト等の止着具の取り外し作業を省略して、ワンタッチで着脱カバー130を着脱できるだけで無く、着脱カバー130を持ち上げるだけで取り外し可能になり、メンテナンスを容易にする。
着脱カバー130は、左右方向において、少なくとも、玉葱2の茎を挟持搬送する搬送用ベルト5の上方を包囲する構成とし、また、前後方向においては、搬送用ベルト5の全長に亘って覆うように配置する。
着脱カバー130の取付固定手段は磁石体132の磁力固定であり、ガイド体76等の構成品を除いた所定部分の上部フレーム70に1個または複数設けて構成する(図6)。
【0044】
また、少なくとも、磁石体132に磁力接着する部分の着脱カバー130は、磁性体である鉄材等により形成する。
すなわち、玉葱2の茎の移動路Rに臨む部分は耐錆性の強いステンレス等で形成した案内部133とし、案内部133の外側には磁性体である鉄材等により形成した取付部134に形成する。
そのため、玉葱2の茎は案内部133により案内されて搬送され、搬送の際に玉葱2の茎から滲出する滲出液が案内部133に付着することがあるが、案内部133は耐錆性の強いステンレスで形成されているので、容易に除去でき、案内部133の外側には磁性体である鉄材等により形成した取付部134が形成されているので、取付部134が磁石体132に当接固定される。
【0045】
また、着脱カバー130の取付部134の下面には下方に突出屈曲させた位置決め係合部135を設ける。位置決め係合部135は、上部フレーム70に前後一対、かつ、移動路Rの左右両側に設けたカバー支持部136に係合する構成とする。
位置決め係合部135がカバー支持部136に係合すると、各着脱カバー130を移動路Rの左右両側に、移動路Rの左右幅を始端部から終端部に至るまで終始同一幅に位置決めする。
すなわち、上部フレーム70のカバー支持部136は、移動路Rの所定位置に案内部133が臨むように、上部フレーム70の移動路Rの左右両側所定位置に設け、位置決め可能に配置する。
【0046】
したがって、図34に示したように、カバー支持部136の移動路R側端面に、位置決め係合部135がそれぞれ係合して、位置決めする。
そのため、着脱カバー130は、着脱カバー130の前後両端を持って持ち上げると、機体から取り外すことができ、また、着脱カバー130の位置決め係合部135をカバー支持部136に係合するように載置すると、着脱カバー130の取付部134が磁石体132に磁気的当接固定され、装着が完了する。
しかして、機体フレ-ム1を支持する前記支脚3は、左右一対の脚部80を前後一対設けて構成し、前側支脚3Aと後側支脚3Bはそれぞれ回動自在に機体フレ-ム1側に取付けて折りたたみ自在構成すると共に、折りたたんだ前側支脚3Aと後側支脚3Bとが側面視において互いに平行状態になるように構成する。
【0047】
そのため、鱗茎菜類調製機の側面視の外形形状の大きさを一層小型の四角形状にすることができ、鱗茎菜類調製機の運搬・格納を容易にすることができる。
前側支脚3Aは脚部80の上部にステー81を設け、ステー81は脚部80の起立中心線に対して側面視において後側に突出させて突出部82を形成し、この突出部82を前側回動支点取付軸83により機体フレーム1の左右枠45に取付ける。
同様に、後側支脚3Bは脚部80の上部に設けたステー81を、脚部80の起立中心線に対して側面視において前側に突出させて突出部82を形成し、この突出部82を後側回動支点取付軸84により機体フレーム1の左右枠45に取付ける。
そのため、折りたたんだ前側支脚3Aと後側支脚3Bとが側面視において互いに平行状態になる。
【0048】
突出部82は機体フレ-ム1側の固定ステー、前側回動支点取付軸83は突出部82に前側支脚3Aと後側支脚3Bとを固定する固定ダイヤル(ボルト)である。
84Aは機体フレーム1側に固定のステー、84Bはステー84Aに支脚3(脚部80)を固定する固定具、84Cは機体を走行運搬用のキャスター輪、84Eは高さ調節ダイヤル、84Fは取っ手であり、取っ手84Fにより機体後部を持ち上げて移動させられる。
しかして、機体フレ-ム1の左右の左右枠45には、カバー12の外側カバー85を着脱自在にそれぞれ取付け、外側カバー85に前記排出口58を形成し、この排出口58には着脱式誘導体86を取付ける(図30)。
そのため、鱗茎菜類調製機の側方に設置する玉葱2の回収箱87への回収を円滑・確実に行える。
【0049】
また、着脱可能なので、鱗茎菜類調製機の側面視の外形形状を四角形状にすることができ、鱗茎菜類調製機の運搬・格納を容易にすることができる。
86Aは係合突起、86Bは係合溝であり、着脱式誘導体86の係合溝86Bを係合突起86Aに挿入させて、押し下げると、係合突起86Aに係合溝86Bが係合する。
図29は、鱗茎菜類調製機の伝動機構を示し、88はモータであり、モータ88の動力が各部に伝達される。この場合、根切り部根切断部20の根切回転刃21には下側から伝達して玉葱2の搬送路10に干渉しないようにし、茎切断部40では茎切回転刃41に上側から伝達して玉葱2の排出に干渉しないようにすると共に、前記モータ88は機体右側に配置し、歯車やチェンを右側に集中配置し、伝動機構の簡素化を図っている。
89はスイッチ、90はメンテナンス用品の載置台である。
【0050】
(実施形態の作用)
本発明は上記構成であり、支脚3により支持されている鱗茎菜類調製機の供給口11に、玉葱2の茎を持って本体を供給すると、玉葱2の茎は搬送部4の一対の搬送用ベルト5間に挟持され、搬送用ベルト5により終端側に向けて搬送される。
供給口11の前方の搬送路10には玉葱2の根を伸ばす根伸ばし部15が設けられているので、玉葱2は回転する左右2本のローラー16と回転体17により茎が挟持された状態で左右両側から挟まれ、下方向に擦られながら搬送され、搬送中に玉葱2の本体表面に付着する余分な表皮が除去され、続いて、玉葱2の根が下方に引き伸ばされる。
【0051】
根伸ばし部15の前方の搬送路10には、根伸ばし部15で伸ばした玉葱2の根を切断する根切断部20を設けられているので、根切断部20の根切回転刃21と根切固定刃22とにより玉葱2の根が切断される。
根切固定刃22は取付部材24に固定状態に取付け、取付部材24は軸25により取付部材23に設けた固定側取付部材26に対して上下動自在かつ回動(回転)自在に取付け、少なくとも、根切固定刃22を取付けた取付部材24と固定側取付部材26とを有して固定刃支持機構35を構成し、固定刃支持機構35は根切固定刃22を基準に根切回転刃21の反対側に配置しているので、根切断部20で切断された玉葱2の根および根の切断屑が搬送される搬送路10に対して固定刃支持機構35が交わることはなく、固定刃支持機構35に切断後の根の切断屑が巻き付くのを防止でき、玉葱2の根の切断を確実にする。
【0052】
すなわち、取付部材24と固定側取付部材26は根切回転刃21の左側に位置し、玉葱2の根の搬送路10と交差しないように配置しているので、固定刃支持機構35に切断後の根の切断屑が巻き付くのを防止でき、玉葱2の根の切断を確実にする。
それゆえ、鱗茎菜類調製機内に玉葱2の根の切断屑等の異物の滞留を抑制することができ、調製処理を連続して行うことができ、作業効率を向上させることができる。
また、根切固定刃22を取付けた軸25は支持部材27に取付け、支持部材27は高さ調節軸28により固定側取付部材26に対して高さ調節自在に取付けているので、高さ調節軸28を回転させると、支持部材27が26と一体的に上下して根切回転刃21に対する根切固定刃22の高さを調節する。
【0053】
それゆえ、根切固定刃22の刃先高さと根切回転刃21の高さを所定高さで一致させることができ、切断性能を向上させることができる。
また、根切固定刃22の刃先角度は、調節ダイヤル32により変更できるので、根切固定刃22の先端は上下して根切回転刃21に対する接触面圧の調節だけでなく、根切回転刃21に対する根切固定刃22の先端面の傾斜角度を調節でき、軟弱な玉葱2の根であっても、確実に切断でき、切断性能を向上させることができる。
【0054】
しかして、茎切断部40の手前には玉葱2の搬送姿勢を鉛直状態に保持させる姿勢矯正部120を設け、姿勢矯正部120は搬送路10の搬送方向に対して交差方向であって、水平方向に設けたローラー回転体122と、該ローラー回転体122に設けた回転体122により構成しているので、根切断部20から搬送された玉葱2は、搬送用ベルト5に茎が挟持された状態で後から回転体122により前方に押されながら搬送され、茎切断部40に至り茎切回転刃41と茎切固定刃42により玉葱2の茎が切断される。
【0055】
この場合、搬送される玉葱2の搬送姿勢は、搬送用ベルト5により玉葱2の茎が搬送されること、玉葱2が乾燥処理されていないときには玉葱2の茎が硬いこと、誘導部55のガイド体56による押し下げ作用によって搬送抵抗が生じること等により、搬送用ベルト5により茎の挟持部分に対して玉葱2の本体が後方に遅れる傾向があり、玉葱2の茎切断面が斜めになる傾向があるが、本願では、姿勢矯正部120を設け、搬送中の玉葱2の本体を回転体122の回転により前方に向けて押すので、玉葱2の搬送姿勢を鉛直状体に矯正(修正)することができる。
【0056】
したがって、玉葱2の茎の切断面は平らになり、商品付加価値を向上させられる。
ローラー回転体122の外周部表面に設けた回転体122は、回転軸123の回転方向に複数並設し、複数の回転体122を接線方向に沿って、先端を自由端とするように、その基部を固定状態に取付けて設けているので、回転する回転体122の先端が玉葱2本体を前方に押すように作用し、茎と玉葱2本体とが鉛直状になって、茎切断部40に至り、玉葱2の茎の下端が略水平状態に切断される。
回転体122は略長方形形状にカットされた弾性体により形成し、回転体122には所定間隔ごとに切目を並行に設けて、短冊状の複数の短冊片124を形成しているので、玉葱2本体の損傷を回避しつつ搬送姿勢を矯正できる。
【0057】
姿勢矯正部120は、茎切断部40の搬送方向手前に配置すればよく、図8の姿勢矯正部120では、誘導部55のガイド体56の下方に配置しているので、誘導部55のガイド体56により茎切断部40へ向けて搬送中に玉葱2の搬送姿勢を鉛直状体に矯正(修正)することができる。
また、図25の姿勢矯正部120では、誘導部55のガイド体56の終端と茎切断部40との間に配置しているので、ガイド体56による押し下げ誘導作用から玉葱2の本体が開放させた状態で姿勢矯正部120により押されて玉葱2の搬送姿勢を鉛直状体に矯正(修正)することができる。
【0058】
上記の場合、回転体122は、間欠的に搬送移動中の玉葱2の後面側に回転接触して前方に押すように作用させることを意図したものであるが、ゴム板部材等により搬送移動中の玉葱2の後面側に回転接触する際に弾性変形しつつ、かつ、茎が硬い玉葱2の姿勢矯正時に掛かる負荷抵抗に抗しうる前方への押し出し作用を確保し、さらに、接触損傷を防止するための所定柔軟性を有するように構成すればよく、形状あるいは材質は何れでもよい構成としているので、構成を簡素にして安価に構成できる。
【0059】
また、回転体122を回転軸123の周りの全周に密植させて設けると、回転体122は常時玉葱2に接触して玉葱2を上方に押し上げるように作用することがあって、玉葱2の搬送姿勢を乱す虞があるが、図26(A)の実施形態では、一対の回転体122を回転軸123側に取付け、各回転体122の間に空間125をもうけているので、回転体122が玉葱2に常時接触するのを回避して、先方の回転体122が玉葱2に押した後に後方の回転体122が玉葱2を押すときに僅かにタイムラグを生じさせ、回転体122の回転の作用方向を玉葱2を前方に押すように作用させることができる。
【0060】
また、図26(B)に示した実施形態では、略長方体形状にカットされた弾性体(弾性発泡性部材)122Aにシート部材122Bを貼着して形成しているので、弾性体122Aの弾力により当接時の衝撃を緩和させ、シート部材122Bにより回転剛性を確保して玉葱2を前方に押す剛性を確保している。
また、図26(C)に示した実施形態では、回転体122をゴム板122Cにより形成しているので、当接時の衝撃を緩和させ、かつ、玉葱2を前方に押す剛性を有するように容易に設定でき、安価で簡単な構成で玉葱2の搬送姿勢の矯正(修正)することができる。
【0061】
また、図26(D)に示した実施形態では、回転体122をブラシ122Dにより形成しているので、当接時の衝撃を緩和させ、かつ、玉葱2を前方に押す剛性を有するように容易に設定でき、安価で簡単な構成で玉葱2の搬送姿勢の矯正(修正)することができる。
なお、回転体122の数は任意であり、図26(A)のように、少なくとも、2個の回転体122を設けているので、適正な回数玉葱2に回転接触して玉葱2の搬送姿勢の矯正(修正)することができる。
また、図26(E)、(F)のように、3個、あるいは、4個設けると、回転体122は適正な回数で玉葱2に回転接触して玉葱2の搬送姿勢の矯正(修正)することができる。
【0062】
根切断部20の前方の搬送路10には、根切断部20により根が切断された玉葱2の茎を切断する茎切断部40を設けられているので、搬送用ベルト5によって搬送中の玉葱2の茎(葉)が茎切断部40の茎切回転刃41と茎切固定刃42とより自動的に切断される。
この場合、茎切回転刃41は取付部材43に取付け、取付部材43は機体フレ-ム1の前側上部に上下自在に設けた前側移動部材44に取付け、前側移動部材44の左右両側は機体フレ-ム1の左右枠45に設けた調節ネジ46に取付けているので、前側移動部材44を調節ネジ46により機体フレ-ム1に対して上下させて玉葱2の茎の切断高さ調節すると、玉葱2の本体に対して所定長さの均一の茎部分を残すことができ、玉葱2の処理を美麗に行うことができる。
【0063】
茎切回転刃41の周縁には、少なくとも、茎切回転刃41の周縁34に設けた、茎切回転刃41の軸心方向に向かって凹む溝形状の歯室37の回転方向の後側に歯面38を形成して構成した歯部33を設けているので、茎切回転刃41は回転すると歯面38が玉葱2の茎に引っ掛かるように接触して切断し、この切断の際に茎を搬送方向の下手側に送る作用を奏する。
図20(B)の茎切回転刃41の歯部33の他の実施形態では、歯面38の回転方向後側の周縁34を回転方向の後側に至る従い低くなるように傾斜する接続面39と歯面38により歯部33を三角形状とし、この歯部33を連続形成して所謂鋸のギザギザ状に形成しているので、茎切回転刃41は回転すると歯面38が所謂引き鋸状に作用し、玉葱2の茎を切断する際に茎を搬送方向の下手側に送る作用も期待でき、茎切断部40における搬送玉葱2の茎詰まり発生を防止する。
【0064】
すなわち、歯部33は、歯室37の回転方向の後側の内周を歯面38とし、歯室37の回転方向前側を接続面39として形成しているので、歯部33は茎切回転刃41が回転すると、歯部33の歯面38が搬送中の玉葱2の茎の後側から前側に押すように接触して切断することになり、その結果、茎切回転刃41の歯部33は搬送玉葱2の茎切断する際に茎を搬送方向の下手側に送る作用も期待でき、茎切断部40における搬送玉葱2の茎詰まり発生を防止する。
【0065】
また、茎切回転刃41の歯部33は、歯室37の溝底(最深部)から接続面39の先端までの長さTを、歯室37の底から歯面38の先端までの長さtよりも長くなるように形成しているので、茎切回転刃41が回転するとき歯部33が引き鋸状に作用し、回転する歯部33の歯面38が玉葱2の茎に食い込むように作用し、茎切回転刃41により玉葱2の茎を切断する際に、茎を搬送方向の下手側に送る作用を奏し、搬送玉葱2の茎を確実に切断することができ、茎切断部40における搬送玉葱2の茎詰まり発生を防止する。
【0066】
また、歯部33の歯面38と接続面39の歯室37の溝底から先端に至る傾斜角度は任意であるが、歯室37の溝底から歯面38の先端に至る傾斜角度Sが、歯室37の溝底から接続面39の先端に至る傾斜角度sに比し急傾斜となるように形成すると、茎切回転刃41が回転するとき歯部33は引き鋸状に作用し、回転する歯部33の歯面38が玉葱2の茎に食い込むように作用し、搬送玉葱2の茎切断を確実にすると共に、搬送玉葱2の茎を搬送方向の下手側に送る作用も期待できる。
【0067】
換言すると、歯部33は茎切回転刃41の軸心を通る半径線Lに対して傾斜角度の急な歯面38と、半径線Lに対して傾斜角度の緩い接続面39とにより1個の歯部33として形成し、この歯部33を連続形成して茎切回転刃41を構成すると、回転する茎切回転刃41の歯面38が玉葱2の茎に食い込むように作用し、茎切回転刃41により玉葱2の茎を切断する際に、茎を搬送方向の下手側に送る作用を期待でき、搬送されてくる玉葱2の茎を確実に切断することができ、後述する、玉葱2を茎切断部40に誘導する誘導部55における玉葱2の停滞を防止できる。
【0068】
すなわち、誘導部55は茎切断部40に玉葱2を誘導しているので、茎切断部40にて直ちに玉葱2の茎が切断されないと、茎切断部40で搬送玉葱2が停滞することになるが、茎切回転刃41の歯部33の歯面38による、切断中の玉葱2の茎を搬送方向の下手側に送る作用により、搬送玉葱2の停滞を防止する。
【0069】
図23の茎切回転刃41の歯部33の他の実施形態では、Uの字形状に形成した歯室37の回転方向の後側に歯面38を形成し、歯室37の回転方向の前側に内側面39Aを形成し、歯面38と内側面39Aの外端を周縁34により連結し、歯室37の溝底から歯面38の先端(外端)に至る傾斜を歯室37の溝底から先端に至る従い回転方向の前側に位置するように傾斜させているので、歯面38の傾斜を歯室37の溝底から先端に至る従い回転方向の前側に位置するように傾斜させていても、回転する茎切回転刃41の歯面38が玉葱2の茎に食い込むように作用し、また、歯面38の玉葱2の茎に接触圧を高めることができ、収穫直後の硬い生状態の玉葱2の茎の切断も確実に行える。
【0070】
茎切固定刃42は平板形状の板部材で形成した本体100の一側に刃部101を設ける。刃部101は基部側(搬送方向前側)を搬送方向と平行な直線部102に形成し、刃部101の先端側(搬送方向後側)を搬送方向の後側に至るに従い外側に位置する傾斜刃部103に形成しているので、玉葱2の茎は傾斜刃部103に案内されて、茎切回転刃41と茎切固定刃42の間に侵入し、回転する茎切回転刃41により切断される。
茎切固定刃42の本体100の他側には取付部105を設け、取付部105には左右方向に長い取付孔106を設けているので、茎切固定刃42の茎切回転刃41に対する位置合わせを容易にする。
【0071】
この場合、茎切固定刃42は平板形状の板部材で形成した本体100に刃部101を設けているので、茎切固定刃42の刃部101の先端から基部まで茎切回転刃41と平行となる。
そのため、茎切回転刃41の上面と茎切固定刃42の上面との間の隙間は、茎切固定刃42の後端から前端に至る間終始略同一となるので、茎切回転刃41の上面と茎切固定刃42の上面との間の隙間当接である、茎切回転刃41に対する茎切固定刃42の高さ調節を容易にでき、その結果、茎切固定刃42の取付および位置調節全般を容易にする。
【0072】
また、茎切固定刃42は前側移動部材44に取付けているので、茎切回転刃41と共に、調節ネジ46により茎切固定刃42は茎切回転刃41と一体的に上下するので、玉葱2の大きさ等によって玉葱2の茎の切断位置を変更調節でき、作業性を向上させられる。
この場合、茎切固定刃42は搬送路10を挟んで茎切回転刃41の回転軸41Aの反対側に位置するように配置しているので、茎切回転刃41の駆動機構に茎切固定刃42の存在自体が干渉するのを回避できる。
【0073】
また、茎切固定刃42は平板形状の板部材で形成した本体100に刃部101を設けて構成しているので、根切断部20の根切回転刃21から茎切断部40の茎切回転刃41に至る間の搬送路10に対して茎切固定刃42の取付部105が干渉することはなく、玉葱2の茎の切断を確実にする。
【0074】
茎切回転刃41と茎切固定刃42との合わせ目の上方に巻き込み防止体110を設け、巻き込み防止体110は平板形状の板部材により、一側に案内部111を設け、案内部111は基部側(搬送方向前側)の搬送方向と平行な案内直線部案内直線部111Aの先端側(搬送方向後側)に、搬送方向の後側に至るに従い外側に位置する案内傾斜部112を形成しているので、玉葱2の茎は案内傾斜部112に案内されて、茎切回転刃41と茎切固定刃42の間に侵入し、回転する茎切回転刃41により切断後、茎切回転刃41の回転軸41Aから離れる方向に案内され、回転軸41Aに玉葱2の茎が巻き付くのを防止し、茎切断部40に玉葱2の切断茎が溜まるのを防止する。
【0075】
巻き込み防止体110の他側に設けた取付部113には左右方向に長い取付孔114を設けているので、取付部113を前側移動部材44の上面にボルト115を取付孔114に挿入して、巻き込み防止体110の案内部111の搬送路10への張出量を調節して固定状態に取付ける。
巻き込み防止体110は茎切回転刃41の上面より所定間隔おいて前側移動部材44側に取付け、茎切回転刃41と共に、調節ネジ46により茎切固定刃42は茎切回転刃41と一体的に上下する構成としているので、玉葱2の大きさ等によって玉葱2の茎の切断位置が変更調節されると、巻き込み防止体110も茎切回転刃41(前側移動部材44)と一体で上下し、切断された玉葱2の切断茎の下部を茎切回転刃41の回転軸41Aから離れるように案内する。
【0076】
しかして、根切断部20の根切回転刃21と茎切断部40の茎切回転刃41との間には、玉葱2を茎切回転刃41に誘導する誘導部55を設け、誘導部55は左右一対の軸棒状のガイド体56を後側を高く前側に至るに従い低くなるように傾斜させて設けているので、根切断部20で切断処理された玉葱2は搬送用ベルト5に茎が挟持された状態でガイド体56に当接して下降しながら前進し、茎切断部40で茎が切断処理される。
それゆえ、各玉葱2の茎を同じ長さに切断することができ、玉葱2の調製処理精度を向上させることができる。
【0077】
また、搬送部4の搬送用ベルト5によって水平に移動している玉葱2の本体を、誘導部55によって茎切断部40の茎切回転刃41の位置まで下降させることができるので、搬送部4の搬送用ベルト5を水平状態に配置することができ、鱗茎菜類調製機の側面視の外形形状を四角形状にすることができ、鱗茎菜類調製機の運搬・格納を容易にすることができる。
また、誘導部55はガイド体56の後端を、機体フレ-ム1の左右枠45にそれぞれ取付けた取付部材57にそれぞれ取付け、取付部材57により片持ち状態に支持されているので、誘導部55および誘導部55の支持構成を搬送路10とは交差しないように配置でき、玉葱2の茎との干渉を防止でき、茎の切断処理の確実性を向上させることができる。
【0078】
しかして、茎切断部40の下方には、茎切断部40で切断された玉葱2を受け止め鱗茎菜類調製機の排出口排出口58に誘導する排出シュート59を設け、排出シュート59は水平部60と外側に低く傾斜する傾斜面61とにより形成し、排出シュート59の水平部60の後端は傾斜面61の後縁より後方に延長させた延長部62に形成しているので、延長部62は茎切断部40で切断された玉葱2が落下する際に、排出シュート59より後側で機外に落下するのを防止する。
【0079】
茎切断部40の下方には、茎切断部40で茎が切断された玉葱2を排出シュート59に誘導する落下誘導体68を設け、落下誘導体68は側面視前下がりの傾斜の誘導面誘導面69を有して構成しているので、茎切断部40で茎が切断された玉葱2が落下する際に、落下誘導体68により排出シュート59に向けて略真下方向に落下方向を誘導し、玉葱2が機外に落下するのを防止できる。
【0080】
また、茎切断部40の前方には茎排出シュート65を設け、茎排出シュート65は鱗茎菜類調製機の茎排出口66に臨ませ、茎排出口66は、カバー12の前板12Aに開口させ、茎排出口66の上部には左右の駆動プーリー7のそれぞれの軸心より外側まで広がるように切欠部66Aを形成しているので、茎切断部40で切断された玉葱2の茎が駆動プーリー7と共回りして、駆動プーリー7と前板12Aの間に詰まるのを防止する。
【0081】
しかして、搬送用ベルト5の受動プーリー6と駆動プーリー7は、機体フレ-ム1に設けた平板状の上部フレーム70に軸装し、上部フレーム70は左右に分割して形成され、左右の上部フレーム70の間に前記搬送路10と上下方向において連通する茎移動路茎移動路を形成し、搬送路10の入口側(後側・始端側)に配置した受動プーリー6は左右方向に所定間隔をおいて配置し、左右の搬送用ベルト5の間に玉葱2の茎を供給できる供給隙間72を形成し、供給隙間72より前側では左右の搬送用ベルト5が玉葱2の茎を挟持できるように、左右の搬送用ベルト5が互いに弾接するように付勢するベルトガイド75を設けているので、左右の搬送用ベルト5により玉葱2の茎を挟持して搬送する。
【0082】
ベルトガイド75は移動方向に長い左右一対のガイド体76を、前後一対設けて構成し、前後の根切回転刃21のうち、後側の左右のガイド体76のうち一方は上部フレーム70に固定し、他方は交差方向に移動自在に取付けると共に、バネ77により固定ガイド体76に弾力的に当接するように付勢する構成としているので、搬送用ベルト5の挟持力を調節可能にできると共に、ベルトガイド75の構成を簡素化できる。
すなわち、玉葱2の茎を搬送用ベルト5間に供給すると、互いに弾接している一対の搬送用ベルト5の一方は離れるて逃げることができ、玉葱2の茎を適切かつ確実に挟持できる。
【0083】
ベルトガイド75の前側の左右のガイド体76はそれぞれ交差方向に移動自在に取付けると共に、バネ77により互いに他方のガイド体76に弾力的に当接するように付勢する構成としているので、根切断部20から茎切断部40へ玉葱2の搬送を確実にする。
この場合、前側の左右のガイド体76は、前後一対のバネ77により左右の搬送用ベルト5が互いに弾力的に当接するように付勢するが、後側バネ77Aは前側バネ77Bより付勢力を強く設定しているので、誘導部55のガイド体56の押し下げ荷重が玉葱2の茎に作用するガイド体76の後側部分の挟持力を強くすると、茎切断部40で切断される前に茎が千切れて排出シュート59に落下することになるが、これを防止でき、また、ガイド体76の前側部分では搬送用ベルト5の挟持力を強くしているので、茎切断部40で切断された茎の落下防止できる。
【0084】
しかして、少なくとも、玉葱2の茎を挟持搬送する搬送用ベルト5の上方には、移動する搬送用ベルト5の上方の一部または全部を覆う着脱カバー130を設け、着脱カバー130は磁力により機体フレーム1の上部フレーム70側に着脱自在に固定可能に構成しているので、着脱カバー130により移動する搬送用ベルト5の上方を包囲でき、着脱カバー130内に異物が入るのを防止して、玉葱2の搬送を確実にでき、しかも、着脱カバー130は磁力により上部フレーム70側に着脱できるので、メンテナンスを容易にする。
すなわち、工具不要であるだけなく、ボルト等の止着具の取り外し作業を省略して、ワンタッチで着脱カバー130を着脱できるだけで無く、着脱カバー130を持ち上げるだけで取り外し可能になり、メンテナンスを容易にする。
【0085】
また、着脱カバー130は、搬送用ベルト5と搬送用ベルト5の受動プーリー6と駆動プーリー7との上方を包囲する上部カバー131に設けた開口部に、着脱自在に取付ける構成のため、機体フレーム(上部フレーム70)1側に対して、ボルト等の止着具(図示省略)を外すと、上部カバー131の取り外しが可能になって、図1のように、搬送ベルト及びその周辺を開放でき、メンテナンスを容易にし、この上部カバー131を取り外すことなく、着脱カバー130を持ち上げるだけでワンタッチで取り外しでき、また、着脱カバー130を移動路Rの上方に上から置くと、着脱カバー130は磁石体132に吸着されるように固定され、特に、頻度の高い、移動部分の搬送ベルト5のメンテナンスを容易にする。
【0086】
着脱カバー130は、左右方向において、少なくとも、玉葱2の茎を挟持搬送する搬送用ベルト5の上方を包囲する構成とし、また、前後方向においては、搬送用ベルト5の全長に亘って覆うように配置しているので、玉葱2の茎の搬送に干渉すること無く、移動する左右一対の搬送ベルト5の上方を包囲できる。
【0087】
着脱カバー130は、の取付固定手段は磁石体132の磁力固定であり、ガイド体76等の構成品を除いた所定部分の上部フレーム70に1個または複数の磁石体132を設けているので、着脱カバー130は、着脱カバー130の前後両端を持って持ち上げると、機体から取り外しでき、また、少なくとも、磁石体132に磁力接着する部分の着脱カバー130は、磁性体である鉄材等により形成しているので、着脱カバー130を開口部に上方から置くと、着脱カバー130は磁石体132に吸着されるように固定される。
【0088】
また、着脱カバー130の玉葱2の茎の移動路Rに臨む部分は耐錆性の強いステンレス等で形成した案内部133としているので、仮に、搬送の際に玉葱2の茎からの滲出液が案内部133に付着しても、容易に除去でき、メンテナンスを容易にする。
また、着脱カバー130の取付部134の下面には下方に突出屈曲させた
位置決め係合部135を設け、上部フレーム70に前後一対、かつ、移動路Rの左右両側にカバー支持部136を設けているので、着脱カバー130は、着脱カバー130の前後両端を持って持ち上げると、機体から取り外すことができ、また、着脱カバー130の位置決め係合部135をカバー支持部136に係合するように載置すると、位置決め係合部135とカバー支持部136との係合作用によって上部フレーム70の移動路Rの左右両側所定位置に位置決めされて、着脱カバー130の取付部134が磁石体132に磁気的当接固定され、装着が完了する。
【0089】
したがって、着脱カバー130の案内部133は玉葱2の茎に必要以上の干渉せずに、搬送を案内する。
しかして、機体フレ-ム1を支持する前記支脚3は、左右一対の脚部80を前後一対設けて構成し、前側支脚3Aと後側支脚3Bはそれぞれ回動自在に機体フレ-ム1側に取付けて折りたたみ自在構成すると共に、折りたたんだ前側支脚3Aと後側支脚3Bとが側面視において互いに平行状態になるように構成しているので、鱗茎菜類調製機の側面視の外形形状の大きさを一層小型の四角形状にすることができ、鱗茎菜類調製機の運搬・格納を容易にすることができる。
【0090】
前側支脚3Aは脚部80の上部にステー81を設け、ステー81は脚部80の起立中心線に対して側面視において後側に突出させて突出部82を形成し、この突出部82を前側回動支点取付軸83により機体フレーム1の左右枠45に取付け、後側支脚3Bは脚部80の上部に設けたステー81を、脚部80の起立中心線に対して側面視において前側に突出させて突出部82を形成し、この突出部82を後側回動支点取付軸84により機体フレーム1の左右枠45に取付けているので、折りたたんだ前側支脚3Aと後側支脚3Bとが側面視において互いに平行状態になる。
【0091】
また、起立状態の脚部80は前側回動支点取付軸83により突出部82に固定しているので、前側回動支点取付軸83を外すだけで、脚部80の折りたたみできる。
しかして、機体フレ-ム1の左右の左右枠45には、外側カバー85を着脱自在にそれぞれ取付け、外側カバー85に前記排出口58を形成し、この排出口58には着脱式誘導体86を取付けているので、鱗茎菜類調製機の側方に設置する玉葱2の回収箱87への回収を円滑・確実に行える。
また、着脱可能なので、鱗茎菜類調製機の側面視の外形形状を四角形状にすることができ、鱗茎菜類調製機の運搬・格納を容易にすることができる。
【符号の説明】
【0092】
1…機体フレ-ム、2…玉葱、3…支脚、4…搬送部、5…搬送用ベルト、6…受動プーリー、7…駆動プーリー、10…搬送路、11…供給口、12…カバー、15…根伸ばし部、16…ローラー、17…回転体、18…ステー、19…短冊片、20…根切断部、21…根切回転刃、22…根切固定刃、23…取付部材、24…取付部材、25…軸、26…固定側取付部材、27…支持部材、28…高さ調節軸、29…リンク杆、30…バネ、31…調節軸、32…調節ダイヤル、33…歯部、34…周縁、35…固定刃支持機構、36…載置台、37…歯室、38…歯面、39…接続面、39A…内側面、40…茎切断部、41…茎切回転刃、42…茎切固定刃、43…取付部材、44…前側移動部材、45…左右枠、46…調節ネジ、47…支持片、50…取付部材、51…取付部材、55…誘導部、56…ガイド体、57…取付部材、58…排出口、59…排出シュート、60…水平部、61…傾斜面、62…延長部、65…茎排出シュート、66…茎排出口、70…上部フレーム、72…供給隙間、75…ベルトガイド、76…ガイド体、77…バネ、80…脚部、81…ステー、82…突出部、83…前側回動支点取付軸、84…後側回動支点取付軸、85…外側カバー、86…着脱式誘導体、87…回収箱、88…モータ、89…スイッチ、90…載置台、100…本体、101…刃部、102…直線部、103…傾斜刃部、105…取付部、106…取付孔、110…巻き込み防止体、111…案内部、112…案内傾斜部、113…取付部、114…取付孔、115…ボルト、120…姿勢矯正部、122…回転体、123…回転軸、125…空間、130…着脱カバー、131…上部カバー、132…磁石体、133…案内部、134…取付部、135…位置決め係合部、136…係合溝。
図1
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