IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ヒラカワの特許一覧

<>
  • 特許-多段燃焼装置 図1
  • 特許-多段燃焼装置 図2
  • 特許-多段燃焼装置 図3
  • 特許-多段燃焼装置 図4
  • 特許-多段燃焼装置 図5
  • 特許-多段燃焼装置 図6
  • 特許-多段燃焼装置 図7
  • 特許-多段燃焼装置 図8
  • 特許-多段燃焼装置 図9
  • 特許-多段燃焼装置 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-19
(45)【発行日】2023-04-27
(54)【発明の名称】多段燃焼装置
(51)【国際特許分類】
   F23N 1/02 20060101AFI20230420BHJP
   F23N 5/00 20060101ALI20230420BHJP
【FI】
F23N1/02 101
F23N5/00 T
F23N5/00 Q
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2019065173
(22)【出願日】2019-03-29
(65)【公開番号】P2020165567
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2022-03-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000154668
【氏名又は名称】株式会社ヒラカワ
(74)【代理人】
【識別番号】110001298
【氏名又は名称】弁理士法人森本国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】木下 正成
(72)【発明者】
【氏名】吉井 悦二
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 卓哉
【審査官】河野 俊二
(56)【参考文献】
【文献】特開平06-109236(JP,A)
【文献】特開2002-295811(JP,A)
【文献】特開2001-241653(JP,A)
【文献】特開平03-274316(JP,A)
【文献】実開平01-111931(JP,U)
【文献】特開昭54-164032(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23N 1/02
F23N 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バーナへの燃料供給路に設けられた、バーナの低燃焼用の第1の弁およびバーナの高燃焼用の第2の弁と、
バーナへの燃焼用空気供給路に設けられた空気量調節用のダンパと、
バーナの低燃焼と高燃焼との切替のために、ダンパの開度と、少なくとも第2の弁のオン・オフとをコントロールするための制御装置とを備え、
前記制御装置は、バーナの低燃焼と高燃焼との切替の際に、低燃焼時のダンパ開度と高燃焼時のダンパ開度との間でダンパ開度を次第に変更するように制御するものであり、さらに
前記制御装置は、
前記ダンパ開度を次第に変更しているときにおける、バーナの燃焼を低燃焼から高燃焼に移行させるときの第2の弁のオン動作の動作点を、バーナの燃焼を高燃焼から低燃焼に移行させるときの第2の弁のオフ動作の動作点よりも低燃焼寄りまたは高燃焼寄りに設定するものであるとともに、
前記バーナの燃焼を低燃焼から高燃焼に移行させるときの第2の弁のオン動作の動作点と、前記バーナの燃焼を高燃焼から低燃焼に移行させるときの第2の弁のオフ動作の動作点とを、オン動作やオフ動作を行わせたときに発煙や消炎が発生する燃焼量から外れた燃焼量のところに設定するものであることを特徴とする多段燃焼装置。
【請求項2】
バーナへの燃料供給路に設けられた、バーナの単数段または複数段の中燃焼用の単数または複数の第3の弁をさらに備え、
制御装置は、
バーナの燃焼を、低燃焼と、単数段または複数段の中燃焼とのいずれかを含む低燃焼側から、単数段または複数段の中燃焼と、高燃焼とのいずれかを含む高燃焼側へ移行させるときの第3の弁のオン動作の動作点を、バーナの燃焼を前記高燃焼側から前記低燃焼に移行させるときの第3の弁のオフ動作の動作点よりも低燃焼側寄りまたは高燃焼側寄りに設定するとともに、
前記バーナの燃焼を前記低燃焼側から高燃焼側に移行させるときの第3の弁のオン動作の動作点と、前記バーナの燃焼を前記高燃焼側から前記低燃焼側に移行させるときの第3の弁のオフ動作の動作点とを、オン動作やオフ動作を行わせたときに発煙や消炎が発生する燃焼量から外れた燃焼量のところに設定するものであることを特徴とする請求項1記載の多段燃焼装置。
【請求項3】
バーナへの燃料供給路に設けられた、バーナの低燃焼用の第1の弁およびバーナの高燃焼用の第2の弁と、
バーナへの燃焼用空気供給路に設けられた空気量調節用のダンパと、
バーナの低燃焼と高燃焼との切替のために、ダンパの開度と、少なくとも第2の弁のオン・オフとをコントロールするための制御装置とを備え、
前記制御装置は、バーナの低燃焼と高燃焼との切替の際に、低燃焼時のダンパ開度と高燃焼時のダンパ開度との間でダンパ開度を次第に変更するように制御するものであり、さらに
前記制御装置は、バーナが燃料よりも燃焼用空気リッチの状態にあるときの方が、バーナが燃焼用空気よりも燃料リッチの状態にあるときに比べて、バーナの燃焼を低燃焼から高燃焼に移行させるときの第2の弁のオン動作の動作点を低燃焼寄りに設定するとともに、バーナの燃焼を高燃焼から低燃焼に移行させるときの第2の弁のオフ動作の動作点を高燃焼寄りに設定するものであることを特徴とする多段燃焼装置。
【請求項4】
バーナへの燃料供給路に設けられた、バーナの単数段または複数段の中燃焼用の単数または複数の第3の弁をさらに備え、
制御装置は、バーナが燃料よりも燃焼用空気リッチの状態にあるときの方が、バーナが燃焼用空気よりも燃料リッチの状態にあるときに比べて、バーナの燃焼を、低燃焼と、単数段または複数段の中燃焼とのいずれかを含む低燃焼側から、単数段または複数段の中燃焼と、高燃焼とのいずれかを含む高燃焼側へ移行させるときの第3の弁のオン動作の動作点を低燃焼寄りに設定するとともに、バーナの燃焼を前記高燃焼側から前記低燃焼側に移行させるときの第3の弁のオフ動作の動作点を高燃焼寄りに設定するものであることを特徴とする請求項3記載の多段燃焼装置。
【請求項5】
バーナへの燃料供給路に設けられた、バーナの低燃焼用の第1の弁およびバーナの高燃焼用の第2の弁を備えた多段燃焼装置を制御するための方法であって、
バーナへの燃焼用空気供給路に設けられた空気量調節用のダンパについて、バーナの低燃焼と高燃焼との切替の際に、低燃焼時のダンパ開度と高燃焼時のダンパ開度との間で所定時間内にダンパ開度を次第に変更し
前記ダンパ開度を次第に変更しているときにおいて、
バーナの燃焼を低燃焼から高燃焼に移行させるときの第2の弁のオン動作の動作点を、バーナの燃焼を高燃焼から低燃焼に移行させるときの第2の弁のオフ動作の動作点よりも低燃焼寄りまたは高燃焼寄りに設定するとともに、前記バーナの燃焼を低燃焼から高燃焼に移行させるときの第2の弁のオン動作の動作点と、前記バーナの燃焼を高燃焼から低燃焼に移行させるときの第2の弁のオフ動作の動作点とを、オン動作やオフ動作を行わせたときに発煙や消炎が発生する燃焼量から外れた燃焼量のところに設定することを特徴とする多段燃焼装置の制御方法
【請求項6】
多段燃焼装置として、バーナへの燃料供給路に設けられた、バーナの単数段または複数段の中燃焼用の単数または複数の第3の弁をさらに備えたものを用い、
ダンパ開度を次第に変更しているときにおいて、
バーナの燃焼を、低燃焼と、単数段または複数段の中燃焼とのいずれかを含む低燃焼側から、単数段または複数段の中燃焼と、高燃焼とのいずれかを含む高燃焼側へ移行させるときの第3の弁のオン動作の動作点を、バーナの燃焼を前記高燃焼側から前記低燃焼側に移行させるときの第3の弁のオフ動作の動作点よりも低燃焼側寄りまたは高燃焼側寄りに設定するとともに、
前記バーナの燃焼を前記低燃焼側から高燃焼側に移行させるときの第3の弁のオン動作の動作点と、前記バーナの燃焼を前記高燃焼側から低燃焼側に移行させるときの第3の弁のオフ動作の動作点とを、オン動作やオフ動作を行わせたときに発煙や消炎が発生する燃焼量から外れた燃焼量のところに設定することを特徴とする請求項5記載の多段燃焼装置の制御方法。
【請求項7】
バーナへの燃料供給路に設けられた、バーナの低燃焼用の第1の弁およびバーナの高燃焼用の第2の弁を備えた多段燃焼装置を制御するための方法であって、
バーナへの燃焼用空気供給路に設けられた空気量調節用のダンパについて、バーナの低燃焼と高燃焼との切替の際に、低燃焼時のダンパ開度と高燃焼時のダンパ開度との間で所定時間内にダンパ開度を次第に変更し、
前記ダンパ開度を次第に変更しているときにおいて、バーナが燃料よりも燃焼用空気リッチの状態にあるときの方が、バーナが燃焼用空気よりも燃料リッチの状態にあるときに比べて、バーナの燃焼を低燃焼から高燃焼に移行させるときの第2の弁のオン動作の動作点を低燃焼寄りに設定するとともに、バーナの燃焼を高燃焼から低燃焼に移行させるときの第2の弁のオフ動作の動作点を高燃焼寄りに設定することを特徴とする多段燃焼装置の制御方法。
【請求項8】
多段燃焼装置として、バーナへの燃料供給路に設けられた、バーナの単数段または複数段の中燃焼用の単数または複数の第3の弁をさらに備えたものを用い、
ダンパ開度を次第に変更しているときにおいて、
バーナが燃料よりも燃焼用空気リッチの状態にあるときの方が、バーナが燃焼用空気よりも燃料リッチの状態にあるときに比べて、バーナの燃焼を、低燃焼と、単数段または複数段の中燃焼とのいずれかを含む低燃焼側から、単数段または複数段の中燃焼と、高燃焼とのいずれかを含む高燃焼側へ移行させるときの第3の弁のオン動作の動作点を低燃焼寄りに設定するとともに、バーナの燃焼を前記高燃焼側から前記低燃焼側に移行させるときの第3の弁のオフ動作の動作点を高燃焼寄りに設定することを特徴とする請求項7記載の多段燃焼装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はボイラなどに設置される多段燃焼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
燃焼装置として、燃料濃度の高い混合気を燃焼させる手段と、燃料濃度の低い混合気を燃焼させる手段とを備えた多段燃焼装置がたとえば特許文献1において知られている。さらに、多段燃焼装置として、バーナへの燃料供給路に、複数の弁であって、そのオン・オフが行われる弁を備えたものが知られている。たとえば、バーナの低燃焼時にその低燃焼に対応して燃料を供給可能な低燃焼用弁と、バーナの高燃焼時にその高燃焼に対応して燃料を供給可能な高燃焼用弁とを備えて、低燃焼時には低燃焼用弁のみをオンとし、また高燃焼時には低燃焼用弁と高燃焼用弁との両方をオンにすることで、低燃焼と高燃焼との多段燃焼を実現することができる。あるいは、低燃焼時と高燃焼時とにおいて低燃焼用弁と高燃焼用弁とのオン・オフを互いに切り替えることで、低燃焼と高燃焼との多段燃焼を実現することもできる。
【0003】
これまでに知られている多段燃焼装置として、上記のように、低燃焼弁をオン状態に維持しながら高燃焼用弁のオン・オフを切り替えることによって、高燃焼と低燃焼とを切り替えた多段燃焼を実現したものがある。その切替のタイミングは、バーナに燃焼用の空気を供給するダンパの開度がバーナの燃焼量に対応することから、そのダンパの開度にもとづいて設定されている。すなわち、低燃焼と高燃焼とを切り替えるためにダンパの開度を変更するときにおいて、ダンパが所定の開度となったタイミングで高燃焼用弁のオン・オフの切替を行うことで、低燃焼から高燃焼への移行を行ったり、高燃焼から低燃焼への移行を行ったりしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2002-295811号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記した従来の構成では、低燃焼から高燃焼への移行を良好に行うことができても、高燃焼から低燃焼への移行の際には発煙や消炎が生じたり、また反対に高燃焼から低燃焼への移行を良好に行うことができても、低燃焼から高燃焼への移行の際には発煙や消炎が生じたりすることが多い。つまり、低燃焼から高燃焼への移行と、高燃焼から低燃焼への移行との両者をともに良好に行うことが困難な場合が多い。
【0006】
そこで本発明は、このような問題点を解決して、多段燃焼装置において、低燃焼から高燃焼への移行と、高燃焼から低燃焼への移行との両者をともに良好に行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するため本発明の第1の多段燃焼装置は、
バーナへの燃料供給路に設けられた、バーナの低燃焼用の第1の弁およびバーナの高燃焼用の第2の弁と、
バーナへの燃焼用空気供給路に設けられた空気量調節用のダンパと、
バーナの低燃焼と高燃焼との切替のために、ダンパの開度と、少なくとも第2の弁のオン・オフとをコントロールするための制御装置とを備え、
前記制御装置は、バーナの低燃焼と高燃焼との切替の際に、低燃焼時のダンパ開度と高燃焼時のダンパ開度との間でダンパ開度を次第に変更するように制御するものであり、さらに
前記制御装置は、
前記ダンパ開度を次第に変更しているときにおける、バーナの燃焼を低燃焼から高燃焼に移行させるときの第2の弁のオン動作の動作点を、バーナの燃焼を高燃焼から低燃焼に移行させるときの第2の弁のオフ動作の動作点よりも低燃焼寄りまたは高燃焼寄りに設定するものであるとともに、
前記バーナの燃焼を低燃焼から高燃焼に移行させるときの第2の弁のオン動作の動作点と、前記バーナの燃焼を高燃焼から低燃焼に移行させるときの第2の弁のオフ動作の動作点とを、オン動作やオフ動作を行わせたときに発煙や消炎が発生する燃焼量から外れた燃焼量のところに設定するものであることを特徴とする。
【0008】
本発明の第1の多段燃焼装置によれば、
バーナへの燃料供給路に設けられた、バーナの単数段または複数段の中燃焼用の単数または複数の第3の弁をさらに備え、
制御装置は、
バーナの燃焼を、低燃焼と、単数段または複数段の中燃焼とのいずれかを含む低燃焼側から、単数段または複数段の中燃焼と、高燃焼とのいずれかを含む高燃焼側へ移行させるときの第3の弁のオン動作の動作点を、バーナの燃焼を前記高燃焼側から前記低燃焼に移行させるときの第3の弁のオフ動作の動作点よりも低燃焼側寄りまたは高燃焼側寄りに設定するとともに、
前記バーナの燃焼を前記低燃焼側から高燃焼側に移行させるときの第3の弁のオン動作の動作点と、前記バーナの燃焼を前記高燃焼側から前記低燃焼側に移行させるときの第3の弁のオフ動作の動作点とを、オン動作やオフ動作を行わせたときに発煙や消炎が発生する燃焼量から外れた燃焼量のところに設定するものであることが好適である。
【0009】
本発明の第2の多段燃焼装置は、
バーナへの燃料供給路に設けられた、バーナの低燃焼用の第1の弁およびバーナの高燃焼用の第2の弁と、
バーナへの燃焼用空気供給路に設けられた空気量調節用のダンパと、
バーナの低燃焼と高燃焼との切替のために、ダンパの開度と、少なくとも第2の弁のオン・オフとをコントロールするための制御装置とを備え、
前記制御装置は、バーナの低燃焼と高燃焼との切替の際に、低燃焼時のダンパ開度と高燃焼時のダンパ開度との間でダンパ開度を次第に変更するように制御するものであり、さらに
前記制御装置は、バーナが燃料よりも燃焼用空気リッチの状態にあるときの方が、バーナが燃焼用空気よりも燃料リッチの状態にあるときに比べて、バーナの燃焼を低燃焼から高燃焼に移行させるときの第2の弁のオン動作の動作点を低燃焼寄りに設定するとともに、バーナの燃焼を高燃焼から低燃焼に移行させるときの第2の弁のオフ動作の動作点を高燃焼寄りに設定するものであることを特徴とする。
【0010】
本発明の第2の多段燃焼装置によれば、
バーナへの燃料供給路に設けられた、バーナの単数段または複数段の中燃焼用の単数または複数の第3の弁をさらに備え、
制御装置は、バーナが燃料よりも燃焼用空気リッチの状態にあるときの方が、バーナが燃焼用空気よりも燃料リッチの状態にあるときに比べて、バーナの燃焼を、低燃焼と、単数段または複数段の中燃焼とのいずれかを含む低燃焼側から、単数段または複数段の中燃焼と、高燃焼とのいずれかを含む高燃焼側へ移行させるときの第3の弁のオン動作の動作点を低燃焼寄りに設定するとともに、バーナの燃焼を前記高燃焼側から前記低燃焼側に移行させるときの第3の弁のオフ動作の動作点を高燃焼寄りに設定するものであることが好適である。
【0011】
本発明の第1の多段燃焼装置の制御方法は、
バーナへの燃料供給路に設けられた、バーナの低燃焼用の第1の弁およびバーナの高燃焼用の第2の弁を備えた多段燃焼装置を制御するための方法であって、
バーナへの燃焼用空気供給路に設けられた空気量調節用のダンパについて、バーナの低燃焼と高燃焼との切替の際に、低燃焼時のダンパ開度と高燃焼時のダンパ開度との間で所定時間内にダンパ開度を次第に変更し
前記ダンパ開度を次第に変更しているときにおいて、
バーナの燃焼を低燃焼から高燃焼に移行させるときの第2の弁のオン動作の動作点を、バーナの燃焼を高燃焼から低燃焼に移行させるときの第2の弁のオフ動作の動作点よりも低燃焼寄りまたは高燃焼寄りに設定するとともに、前記バーナの燃焼を低燃焼から高燃焼に移行させるときの第2の弁のオン動作の動作点と、前記バーナの燃焼を高燃焼から低燃焼に移行させるときの第2の弁のオフ動作の動作点とを、オン動作やオフ動作を行わせたときに発煙や消炎が発生する燃焼量から外れた燃焼量のところに設定することを特徴とする。
【0012】
本発明の第1の多段燃焼装置の制御方法によれば、
多段燃焼装置は、バーナへの燃料供給路に設けられた、バーナの単数段または複数段の中燃焼用の単数または複数の第3の弁をさらに備え、
ダンパ開度を次第に変更しているときにおいて、
バーナの燃焼を、低燃焼と、単数段または複数段の中燃焼とのいずれかを含む低燃焼側から、単数段または複数段の中燃焼と、高燃焼とのいずれかを含む高燃焼側へ移行させるときの第3の弁のオン動作の動作点を、バーナの燃焼を前記高燃焼側から前記低燃焼側に移行させるときの第3の弁のオフ動作の動作点よりも低燃焼側寄りまたは高燃焼側寄りに設定するとともに、
前記バーナの燃焼を前記低燃焼側から高燃焼側に移行させるときの第3の弁のオン動作の動作点と、前記バーナの燃焼を前記高燃焼側から低燃焼側に移行させるときの第3の弁のオフ動作の動作点とを、オン動作やオフ動作を行わせたときに発煙や消炎が発生する燃焼量から外れた燃焼量のところに設定することが好適である。
【0013】
本発明の第2の多段燃焼装置の制御方法は、
バーナへの燃料供給路に設けられた、バーナの低燃焼用の第1の弁およびバーナの高燃焼用の第2の弁を備えた多段燃焼装置を制御するための方法であって、
バーナへの燃焼用空気供給路に設けられた空気量調節用のダンパについて、バーナの低燃焼と高燃焼との切替の際に、低燃焼時のダンパ開度と高燃焼時のダンパ開度との間で所定時間内にダンパ開度を次第に変更し、
前記ダンパ開度を次第に変更しているときにおいて、バーナが燃料よりも燃焼用空気リッチの状態にあるときの方が、バーナが燃焼用空気よりも燃料リッチの状態にあるときに比べて、バーナの燃焼を低燃焼から高燃焼に移行させるときの第2の弁のオン動作の動作点を低燃焼寄りに設定するとともに、バーナの燃焼を高燃焼から低燃焼に移行させるときの第2の弁のオフ動作の動作点を高燃焼寄りに設定することを特徴とする。
【0014】
本発明の第2の多段燃焼装置の制御方法によれば、
多段燃焼装置として、バーナへの燃料供給路に設けられた、バーナの単数段または複数段の中燃焼用の単数または複数の第3の弁をさらに備えたものを用い、
ダンパ開度を次第に変更しているときにおいて、
バーナが燃料よりも燃焼用空気リッチの状態にあるときの方が、バーナが燃焼用空気よりも燃料リッチの状態にあるときに比べて、バーナの燃焼を、低燃焼と、単数段または複数段の中燃焼とのいずれかを含む低燃焼側から、単数段または複数段の中燃焼と、高燃焼とのいずれかを含む高燃焼側へ移行させるときの第3の弁のオン動作の動作点を低燃焼寄りに設定するとともに、バーナの燃焼を前記高燃焼側から前記低燃焼側に移行させるときの第3の弁のオフ動作の動作点を高燃焼寄りに設定することが好適である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、バーナの燃焼量を低燃焼から高燃焼に移行させるときの第2の弁のオン動作の動作点を、発煙や消炎が生じない良好な点に設定することができるとともに、バーナの燃焼量を高燃焼から低燃焼に移行させるときの第2の弁のオフ動作の動作点も、発煙や消炎が生じない良好な点に設定することができ、このため低燃焼から高燃焼への移行と、高燃焼から低燃焼への移行との両者をともに良好に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本発明の実施の形態の多段燃焼装置における弁の切替の態様を例示する図である。
図2】本発明の実施の形態の多段燃焼装置の構成を例示する図である。
図3】従来の多段燃焼装置における弁の切替の態様を例示する図である。
図4】本発明の他の実施の形態の多段燃焼装置における弁の切替の態様を例示する図である。
図5】本発明のさらに他の実施の形態の多段燃焼装置における弁の切替の態様を例示する図である。
図6図5の切替を行う多段燃焼装置の構成を例示する図である。
図7】本発明のさらに他の実施の形態の多段燃焼装置であって、液体燃料を用いるものの構成を例示する図である。
図8】本発明のさらに他の実施の形態の多段燃焼装置であって、気体燃料を用いるものの構成を例示する図である。
図9図7および図8に示された多段燃焼装置における空気リッチ時の弁の切替の態様を例示する図である。
図10図7および図8に示された多段燃焼装置における燃料リッチ時の弁の切替の態様を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図2は、本発明の実施の形態の多段燃焼装置の構成を例示するものである。ここで11はボイラで、バーナ12を備えている。バーナ12には、燃料ポンプからの燃料供給ライン13と、燃焼用空気供給ライン14とが接続されている。燃料供給ライン13は、バーナ12の手前において二又に分岐されており、その一方は低燃焼用燃料供給ライン15を構成し、他方は高燃焼用燃料供給ライン16を構成する。低燃焼用燃料供給ライン15には低燃焼用弁17が設けられ、高燃焼用燃料供給ライン16には高燃焼用弁18が設けられている。燃料供給ライン13における分岐部よりも上流側の部分には、安全用の弁19が設けられている。燃焼用空気供給ライン14には、送風用のブロワ20と、空気量調節用の空気ダンパ21とが設けられている。22は制御装置で、ボイラ11にて生成された水蒸気の温度や圧力についての検出信号ライン23が接続されるとともに、弁17、18、19および空気ダンパ21との間の信号/制御ライン24が接続されている。
【0018】
図1に示すように空気ダンパ21にはダンパ軸またはダンパ軸に連動するモータ軸等26(以下、ダンパ軸またはダンパ軸に連動するモータ軸等を「ダンパ軸等」と略称することがある)が設けられており、このダンパ軸等26の回転角度がダンパ21の開度に対応するように構成されている。ダンパ軸等26には複数の任意個数(i個)のカム27(1)、27(2)、・・・・、27(i-1)、27(i)が一体回転するように取り付けられている。各カム27(1)、27(2)、・・・・、27(i-1)、27(i)に対応して、検出スイッチ28(1)、28(2)、・・・・、28(i-1)、28(i)がそれぞれ設けられている。
【0019】
図1に示されたグラフは、空気ダンパ21の開度すなわちダンパ軸等26の回転角度と、ボイラ11の負荷率すなわちバーナ12の燃焼量との関係を表す。ダンパ軸等26の角度は0度~90の範囲で変更可能であり、角度0度のときに空気ダンパ21の開度が最も小さく、また角度90度のときに空気ダンパ21の開度が最も大きくなるように構成されている。そして図1の特性を示す空気ダンパ21は、低燃焼開度すなわち低燃焼時のダンパ軸等26の角度を、任意に設定できる(例えば10度)。また、高燃焼開度すなわち高燃焼時のダンパ軸等26の角度も、任意に設定できる(例えば80度)。
【0020】
図1に示すように、空気ダンパ21の開度と、バーナ12の燃焼量すなわちその負荷率とは、一対一に対応している。
【0021】
空気ダンパ21の開度が「低燃焼開度」であるときは、カム27(1)が検出スイッチ28(1)を作動させ、それによって空気ダンパ21の開度が検出される。同様に、空気ダンパ21の開度が「高燃焼開度」であるときは、カム27(i)が検出スイッチ28(i)を作動させ、それによって空気ダンパ21の開度が検出される。
【0022】
図1のグラフには、発煙・消炎発生ゾーン30が存在する。この発煙・消炎発生ゾーン30は、低燃焼開度と高燃焼開度との中間における一定範囲の開度の領域、すなわち低燃焼と高燃焼との間の一定範囲の負荷率の領域において、存在する。このゾーン30において、低燃焼から高燃焼への切替や、高燃焼から低燃焼への切替を行うと、燃焼状態が悪化して、バーナ12において発煙や消炎が発生する可能性が高くなる。
【0023】
このため、図1に示すように、低燃焼から高燃焼への切替時や、高燃焼から低燃焼への切替時には、ダンパ軸等26が回転しているときにおける、発煙・消炎発生ゾーン30を避けたタイミングで、低燃焼と高燃焼との切替を行う。低燃焼時は、低燃焼用弁17をオンかつ高燃焼用弁18をオフとする。これに対し高燃焼時は、低燃焼用弁17と高燃焼用弁18との両者をオンとする。詳細には、低燃焼から高燃焼への切替時には、空気ダンパ21の開度が大きくなっていくときにおける発煙・消炎発生ゾーン30の手前に切替の動作点を設定し、カム27(2)が検出スイッチ28(2)を作動させたときにそのタイミングを検知し、それによって図2の制御装置22が高燃焼用弁18をオンとする。こうすることで、発煙や消炎を生じることなしに、低燃焼から高燃焼への切替を行うことができる。同様に、高燃焼から低燃焼への切替時には、空気ダンパ21の開度が小さくなっていくときにおける発煙・消炎発生ゾーン30の手前に切替の動作点を設定し、カム27(i-1)が検出スイッチ28(i-1)を作動させたときにそのタイミングを検知し、それによって図2の制御装置22が高燃焼用弁18をオフとする。
【0024】
なお、後述の反対例もあるが、一般的には、高燃焼から低燃焼への切替の動作点を発煙・消炎発生ゾーン30よりも高燃焼側に設定したうえで、同様に低燃焼から高燃焼への切替の動作点も発煙・消炎発生ゾーン30よりも高燃焼側に設定したり、反対に低燃焼から高燃焼への切替の動作点を発煙・消炎発生ゾーン30よりも低燃焼側に設定したうえで、高燃焼から低燃焼への切替の動作点も発煙・消炎発生ゾーン30よりも低燃焼側に設定したりすると、いずれも動作点がずれ過ぎて、良好な切替を行うことができない。よって、発煙・消炎発生ゾーン30から低燃焼側あるいは高燃焼側に外れた1つの動作点において、低燃焼から高燃焼への切替と、高燃焼から低燃焼への切替との両方をいずれも良好に行うことは困難であり、実際的でない。
【0025】
図3は、従来の弁の切替の態様の一例示す。この図3の場合は、低燃焼から高燃焼への切替と、高燃焼から低燃焼への切替とを、発煙・消炎発生ゾーン30におけるただ1つの動作点において行っている。このため、低燃焼から高燃焼への切替と、高燃焼から低燃焼への切替とのいずれにおいても、切替時に発煙・消炎が発生する可能性が高く、良好な切替を行うことが困難である。
【0026】
図4は、本発明の他の実施の形態における弁の切替の態様を示す。ここで、空気ダンパ21のダンパ軸等26は、その回転速度が、一定値であるなどのあらかじめ知られた速度であるとする。その場合には、たとえば空気ダンパ21の開度が「低燃焼開度」であるときから「高燃焼開度」となるようにダンパ軸等26が回転を始めたとすると、それによってカム27(1)が検出スイッチ28(1)を作動させる。このとき、上述のようにダンパ軸等26の回転速度が知られていると、カム27(1)が検出スイッチ28(1)を作動させた後に、ダンパ軸等26の回転角度が低燃焼から高燃焼への切替のタイミングすなわち切替の動作点に達するまでの時間は、あらかじめ知ることができる。そこで、図2に示される制御装置22は、この時間が経過した時点が動作点であると判断して、そのときに低燃焼から高燃焼への切替を行う。
【0027】
同様にして、高燃焼から低燃焼への切替を行うことができる。すなわち、空気ダンパ21の開度が「高燃焼開度」から「低燃焼開度」となるようにダンパ軸等26が回転を始めたときに、カム27(2)が検出スイッチ28(2)を作動させることでそのことを検出し、その検出の時点からダンパ軸等26の回転角度が高燃焼から低燃焼への切替のタイミングすなわち切替の動作点に達するまでの時間をあらかじめ知っておくことで、所要の動作点で高燃焼から低燃焼への切替を行うことができる。
【0028】
このように図4に示された手法により、低燃焼から高燃焼への切替と、高燃焼から低燃焼への切替とを行えば、図1に示された手法により切替を行う場合に比べて、カム27(1)、~、27(i)および検出スイッチ28(1)、~、28(i)の設置数を半減させることができる。なお、場合によっては、低燃焼から高燃焼への切替と、高燃焼から低燃焼への切替とのうちの一方を図1に示された手法で実行するとともに、その他方を図4に示された手法で実行することもできる。
【0029】
図6は、本発明のさらに他の実施の形態の多段燃焼装置の構成を示す。ここでは、低燃焼用燃料供給ライン15の低燃焼用弁17と、高燃焼用燃料供給ライン16の高燃焼用弁18とのほかに、中燃焼用燃料供給ライン31およびこのライン31に設けられた中燃焼用弁32が設けられている。それ以外の構成は、図1の装置と同様である。
【0030】
この図6の多段燃焼装置についての弁17、18、32の切替の態様を、図5に示す。この図5に示される切替の態様は、図4に示される切替の態様を発展させたものである。すなわち、図5においては、空気ダンパ21の開度に関し、上述の「低燃焼開度」と「高燃焼開度」との間に単数段または複数段の「中燃焼開度」を設定したものであり、3段階以上の燃焼を行うものである。図5に示される具体的な例では、3段階の燃焼を行うものとし、中燃焼開度は、図6のバーナ12における負荷率65%に対応した燃焼量に調整するものとし、そのときの空気ダンパ21の中燃焼開度はダンパ軸等26の回転角度で45度に調整されるものとする。図5において、低燃焼開度と高燃焼開度とは、図1図4に示されるものと同じである。
【0031】
この図5に示される態様においても、発煙・消炎発生ゾーンが存在する。詳細には、低燃焼開度と中燃焼開度との間に第1の発煙・消炎発生ゾーン30Aが存在するとともに、中燃焼開度と高燃焼開度との間に第2の発煙・消炎発生ゾーン30Bが存在する。そして、中燃焼開度であることを検出するためのカム27(2、・・・・、i-1)がダンパ軸等26に取り付けられるとともに、これらのカム27(2、・・・・、i-1)により作動される検出スイッチ28(2、・・・・、i-1)が設けられている。なお、上記したカムと検出スイッチについての符号は、中燃焼開度が複数段である一般的な場合ものとなっている。これに対し、図5に示された具体的な態様では、中燃焼開度は1段であり、このため上記の符号においてi=3である。
【0032】
そして、この図5に示される態様においても、図4に示される態様と同様に、空気ダンパ21の開度が「低燃焼開度」であるときから「中燃焼開度」となるように、ダンパ軸等26が回転を始めた時点から所定の設定時間が経過した後に、第1の発煙・消炎発生ゾーン30Aから外れた動作点において、低燃焼から中燃焼への切替を行う。中燃焼から低燃焼への切替、中燃焼から高燃焼への切替、高燃焼から中燃焼への切替についても同様である。
【0033】
ここで、低燃焼時は、低燃焼用弁17がオン、中燃焼用弁32と高燃焼用弁18とがオフである。中燃焼時は、低燃焼用弁17と中燃焼用弁32とがオン、高燃焼用弁18がオフである。高燃焼時は、低燃焼用弁17と中燃焼用弁32と高燃焼用弁18とのすべてがオンである。あるいは、このような制御に代えて、低燃焼時は低燃焼用弁17のみがオン、中燃焼時は中燃焼用弁32のみがオン、高燃焼時は高燃焼用弁18のみがオンとなる制御や、その他のオン・オフ制御などを採用することもできる。
【0034】
バーナ12における燃焼と、発煙・消炎ゾーン30、30A、30Bとの関係について、詳しく説明する。バーナ12において、低燃焼時は高燃焼時に比べて内部の圧力が低くなる。このため低燃焼時は、燃焼用空気供給ライン14からバーナに送られる空気の圧力がバーナ12の内部圧力よりも高く、かつ両者の差が比較的大きくなる。よって、低燃焼から高燃焼へ切り替えるときには、バーナ12に早急に燃料を供給しないと、消炎が発生するおそれがある。このため、図1などにおいて示すように、低燃焼から高燃焼へ切り替えるときには、発煙・消炎ゾーン30よりも低燃焼側の動作点において切替を行うことで、早期に燃料を増量して、消炎の発生を防止している。
【0035】
また、高燃焼時は低燃焼時に比べてバーナ12の内部の圧力が高くなる。このため、燃焼用空気供給ライン14からバーナに送られる空気の圧力とバーナ12の内部圧力との差が小さくなる。よって、高燃焼から低燃焼へ切り替えるときには、バーナ12への燃料の量を早めに低減させないと、燃料過剰となって発煙が発生するおそれがある。このため、図1などにおいて示すように、高燃焼から低燃焼へ切り替えるときには、発煙・消炎ゾーン30よりも高燃焼側の動作点において切替を行うことで、早期に燃料を減量して、発煙の発生を防止している。
【0036】
なお、場合によっては、低燃焼時に燃焼用空気供給ライン14からバーナに送られる空気の圧力とバーナ12の内部圧力との差が比較的小さくなることもあり得る。そのときには、低燃焼から高燃焼への切替を発煙・消炎ゾーン30よりも高燃焼側の動作点において行う方が好都合なこともある。また反対に、高燃焼時に燃焼用空気供給ライン14からバーナに送られる空気の圧力とバーナ12の内部圧力との差が比較的大きくなることもあり、そのときには、高燃焼から低燃焼への切替を発煙・消炎ゾーン30よりも低燃焼側の動作点において行う方が好都合なこともある。
【0037】
上記のように図5および図6では3段燃焼の場合について例示したが、4段以上の多段燃焼についても同様に実施することができる。
【0038】
図7は、燃料として液体燃料を用いたうえで、バーナ12にて4段燃焼を行うようにした装置の構成を示す。燃料供給ライン13には燃料ポンプ33が設けられている。バーナ12には燃料と空気との混合流体を噴射する4つのノズル34が設けられ、各ノズル34に対応した4つの燃料供給ライン35と、各燃料供給ライン35に設けられた弁36とが設けられている。37は、バーナ12における空気室である。他の構成は、図2などに示された装置と同様である。ノズル34は、上記のように複数であることに代えて、単数であっても差し支えない。
【0039】
図8は、燃料として気体燃料を用いたうえで、バーナ12にて4段燃焼を行うようにした装置の構成を示す。燃料供給ライン13には安全用の弁19が設けられている。この図8の装置では、ノズル34は単数である。他の構成は、図7に示された装置と同様である。
【0040】
図9は、図7あるいは図8に示された装置における、燃料よりも燃焼用空気リッチであるときの弁(No.1~No.4)36の動作例を示す。図中、実線は低燃焼側から高燃焼側への切替を行うときの動作点の変化の様子を示すラインであり、破線は高燃焼側から低燃焼側への切替を行うときの動作点の変化の様子を示すラインである。低燃焼用のNo.1の弁については、低燃焼の動作点が、着火時と停止時の動作点でもあることを示している。これらの動作点は、図2などにおいて示したものと同様に、低燃焼側から高燃焼側への切替を行うときの動作点の方が、高燃焼側から低燃焼側への切替を行うときの動作点よりも低燃焼側に設定されている。
【0041】
図10は、図7あるいは図8に示された装置における、燃焼用空気よりも燃料リッチであるときの弁(No.1~No.4)36の動作例を示す。図9の場合と同様に、実線は低燃焼側から高燃焼側への切替を行うときの動作点の変化の様子を示すラインであり、破線は高燃焼側から低燃焼側への切替を行うときの動作点の変化の様子を示すラインである。この図10においては、図9の場合と反対に、低燃焼側から高燃焼側への切替を行うときの動作点の方が、高燃焼側から低燃焼側への切替を行うときの動作点よりも高燃焼側に設定されている。燃料リッチであることから、図9の場合に比べて高燃焼側で弁36をオンとすることで、適量の燃料を燃焼させることができる。また図9の場合に比べて、低燃焼側で弁36をオフとしている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10