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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-19
(45)【発行日】2023-04-27
(54)【発明の名称】保持具及び挟持体
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/16 20060101AFI20230420BHJP
   H04M 1/02 20060101ALI20230420BHJP
   B42F 7/00 20060101ALN20230420BHJP
【FI】
G06F1/16 312Z
H04M1/02 Z
G06F1/16 312E
G06F1/16 312G
B42F7/00 F
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2019082752
(22)【出願日】2019-04-24
(65)【公開番号】P2020181298
(43)【公開日】2020-11-05
【審査請求日】2022-03-04
(73)【特許権者】
【識別番号】515217834
【氏名又は名称】上野 文仁
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】上野 文仁
【審査官】佐賀野 秀一
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-018324(JP,A)
【文献】実開昭62-019693(JP,U)
【文献】特開平11-251768(JP,A)
【文献】登録実用新案第3053616(JP,U)
【文献】特開2012-000179(JP,A)
【文献】米国特許第09829669(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/16- 1/18
H04M 1/02
B42F 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯可能な情報端末における情報表示面を除く面である保持面に取り付けられて、シート状又は板状の被保持物体を前記情報端末における前記保持面に保持させる保持具であって、
前記被保持物体における前記保持面と対向する面を裏面とし、前記被保持物体における前記裏面と反対側の面を表面とし、
前記保持面と係合することにより当該保持具を前記保持面に固定させる固定部と、
前記被保持物体の前記表面を支持する表面支持部と、
前記被保持物体の側面を支持する側面支持部と、
前記被保持物体の前記裏面を支持する裏面支持部と、を備え、
前記裏面支持部における前記被保持物体が位置する側と反対側に前記固定部が設けられている保持具。
【請求項2】
前記表面支持部は、前記被保持物体に対して接近離間する方向に弾性変形可能な変形部と、前記変形部から前記被保持物体に向けて突出する突出部と、を備える請求項1に記載の保持具。
【請求項3】
携帯可能な情報端末における情報表示面を除く面である保持面に取り付けられて、シート状又は板状の被保持物体を前記情報端末における前記保持面に保持させる保持具であって、
前記被保持物体における前記保持面と対向する面を裏面とし、前記被保持物体における前記裏面と反対側の面を表面とし、
前記保持面と係合することにより当該保持具を前記保持面に固定させる固定部と、
前記被保持物体の前記表面を支持する表面支持部と、
前記被保持物体の側面を支持する側面支持部と、を備え、
前記被保持物体が、シート状又は板状の被挟持体と、前記被挟持体を挟持する見開き状の挟持体と、を含む保持具。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の前記保持具により保持可能なシート状又は板状の前記被保持物体としての挟持体であって、シート状又は板状の被挟持体を挟持可能な見開き状の挟持体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保持具及び挟持体に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ディスプレイ装置の表示面に取り付けられる光学フィルタが記載されている。光学フィルタの取付面に、反復使用可能な感圧粘着テープが固定されている。これにより、フィルタがディスプレイ装置に対して簡単に着脱できるので、フィルタ及びディスプレイ装置の掃除が容易である。
【0003】
特許文献2には、ディスプレイの表面に設けられ、第三者による覗き見を防止するためのプライバシーフィルタが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開平5-30802号公報
【文献】国際公開第2014/103343号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、携帯電話、スマートフォン、ノートパソコン等の携帯可能な電子機器が急速に普及し、電車内等の公共の場所で使用される場合が多くなっている。そのため、ディスプレイに表示される個人情報や機密情報が第三者に覗き見される可能性が高くなっている。この問題を解決するため、正面以外からの視認性を低下させるプライバシーフィルタが普及している。
【0006】
プライバシーフィルタは、覗き見を抑制することができる反面、ディスプレイ装置の表示内容を第三者や複数人に見せたい場合には邪魔になる。例えば、ノートパソコンやタブレット端末の画面表示内容を顧客に示してプレゼンテーションを行う場合には、プライバシーフィルタにより顧客が表示内容を読み取ることが妨げられる。このような場合には、ディスプレイ装置からプライバシーフィルタを取り外すと、表示内容が読み取りやすくなり好ましい。しかし、取り外されたプライバシーフィルタは、表示画面と同程度に大きく、且つ薄いため、破損したり傷が生じたりする可能性がある。また、置き忘れや紛失の可能性もある。
【0007】
特許文献2には、プライバシーフィルタの撓性を高めることによりディスプレイへの着脱を容易化した旨の記載があるが、プライバシーフィルタを長時間取り外すことや、外したプライバシーフィルタを保護する手法についての記載は存在しない。特許文献1には、着脱を簡単にすることにより光学フィルタ及びディスプレイ装置の掃除を容易にした旨の記載があるが、外した光学フィルタの取り扱いについての記載は存在しない。そもそも、掃除のための取り外しはごく短い時間に限られ、外した光学フィルタの保護を考慮する必要はない。
【0008】
本発明の目的は、携帯可能な情報端末から取り外された光学フィルタやそれに類するシート状又は板状の物体について、破損や傷発生、置き忘れや紛失等を抑制できる手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
本発明の保持具は、
携帯可能な情報端末における情報表示面を除く面である保持面に取り付けられて、シート状又は板状の被保持物体を前記情報端末における前記保持面に保持させる保持具であって、
前記被保持物体における前記保持面と対向する面を裏面とし、前記被保持物体における前記裏面と反対側の面を表面とし、
前記保持面と係合することにより当該保持具を前記保持面に固定させる固定部と、
前記被保持物体の前記表面を支持する表面支持部と、
前記被保持物体の側面を支持する側面支持部と、
前記被保持物体の前記裏面を支持する裏面支持部と、を備え、
前記裏面支持部における前記被保持物体が位置する側と反対側に前記固定部が設けられていることを特徴とする。
【0018】
上記の特徴構成によれば、保持具を情報端末の保持面に固定して、被保持物体の表面及び側面を保持部が支持することにより、被保持物体を情報端末に保持させることが可能となる。これにより、シート状又は板状の被保持物体を保持面において保持し、被保持物体の破損や傷発生、置き忘れや紛失等を抑制することができる。なお、被保持物体としてはシート状又は板状の物体であればよく、材質、形状、厚さ、目的、用途等は問わない。例えば被保持物体は、情報端末の情報表示面に取り付けられる光学フィルタ(偏光フィルタ、反射防止フィルタ、プライバシーフィルタ等)、書類、雑誌の切り抜き等であってもよいし、情報端末の装飾や保護の為の紙、厚紙、樹脂フィルム、樹脂板等であってもよい。また、これらのシート状又は板状の物体を挟持するクリアファイル等であってもよい。
さらに、被保持物体の表面と裏面の両方を保持具が支持するので、被保持物体を更に安定した状態で情報端末に保持させることができる。加えて、固定部を比較的広い領域に設けることができるので、保持具を情報端末に更に確実に固定させることができる。
【0019】
本発明において、
前記表面支持部は、前記被保持物体に対して接近離間する方向に弾性変形可能な変形部と、前記変形部から前記被保持物体に向けて突出する突出部と、を備えると好適である。
【0020】
この特徴構成によれば、被保持物体の厚さに応じて変形部が変形して、突出部が被保持物体の表面に接触することができるので、様々な厚さの被保持物体を確実に情報端末に保持させることができる。
【0023】
本発明における別の保持具は、
携帯可能な情報端末における情報表示面を除く面である保持面に取り付けられて、シート状又は板状の被保持物体を前記情報端末における前記保持面に保持させる保持具であって、
前記被保持物体における前記保持面と対向する面を裏面とし、前記被保持物体における前記裏面と反対側の面を表面とし、
前記保持面と係合することにより当該保持具を前記保持面に固定させる固定部と、
前記被保持物体の前記表面を支持する表面支持部と、
前記被保持物体の側面を支持する側面支持部と、を備え、
前記被保持物体が、シート状又は板状の被挟持体と、前記被挟持体を挟持する見開き状の挟持体と、を含むことを特徴とする。
【0024】
上記の特徴構成によれば、保持具を情報端末の保持面に固定して、被保持物体の表面及び側面を保持部が支持することにより、被保持物体を情報端末に保持させることが可能となる。これにより、シート状又は板状の被保持物体を保持面において保持し、被保持物体の破損や傷発生、置き忘れや紛失等を抑制することができる。なお、被保持物体としてはシート状又は板状の物体であればよく、材質、形状、厚さ、目的、用途等は問わない。例えば被保持物体は、情報端末の情報表示面に取り付けられる光学フィルタ(偏光フィルタ、反射防止フィルタ、プライバシーフィルタ等)、書類、雑誌の切り抜き等であってもよいし、情報端末の装飾や保護の為の紙、厚紙、樹脂フィルム、樹脂板等であってもよい。また、これらのシート状又は板状の物体を挟持するクリアファイル等であってもよい。
さらに、シート状又は板状の被挟持体を挟持体に挟持させた状態で、情報端末の保持面に保持させることができるので、被挟持体を挟持体によって保護すると共に、被挟持体及び挟持体の破損や傷発生、置き忘れや紛失等を抑制することができる。
【0025】
本発明の挟持体は、
請求項1又は2に記載の前記保持具により保持可能なシート状又は板状の前記被保持物体としての挟持体であって、シート状又は板状の被挟持体を挟持可能な見開き状の挟持体であることを特徴とする。
【0026】
上記の特徴構成によれば、シート状又は板状の被挟持体を挟持体で挟持することにより、被挟持体を保護することができる。そして、被挟持体を挟持した挟持体を保持具により情報端末の保持面に保持させることができるので、被挟持体及び挟持体の破損や傷発生、置き忘れや紛失等を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】保持具によって被保持物体を保持した状態のノートパソコンを示す斜視図である。
図2】第1実施形態に係る保持具と被保持物体とが配置されたディスプレイ部の天面を法線方向に沿って視る平面図である。
図3図2のIII-III断面図である。
図4図2のIV-IV断面図である。
図5】第2実施形態に係る保持具と被保持物体とが配置されたディスプレイ部の天面を法線方向に沿って視る平面図である。
図6図5のVI-VI断面図である。
図7図5のVII-VII断面図である。
図8】第3実施形態に係る保持具と被保持物体とが配置されたディスプレイ部についての、図3と同様の断面による断面図である。
図9】第3実施形態に係る保持具と被保持物体とが配置されたディスプレイ部についての、図4と同様の断面による断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
〔第1実施形態〕
以下、本発明の具体的な実施形態について図面を参照しながら説明する。図1に、ノートパソコン10(携帯可能な情報端末の一例)に保持具1が固定されて、被保持物体20がノートパソコン10に保持されている状態が示されている。本実施形態では、被保持物体20は光学フィルタである。本実施形態では、保持具1は、左支持部材30(支持部材の一例)と右支持部材40(支持部材の一例)とを備えている。
【0029】
ノートパソコン10は、本体部11と、ディスプレイ部12と、ヒンジ部13と、を備えている。本体部11及びディスプレイ部12は、矩形の板状に形成されている。本体部11とディスプレイ部12とがヒンジ部13により開閉可能に連結されている。
【0030】
ディスプレイ部12における、本体部11とディスプレイ部12とを閉じたときに内側となる面を、情報表示面12aと呼ぶ。情報表示面12aに、情報を表示する表示装置(図示なし)が設けられている。ディスプレイ部12における情報表示面12aと反対側の面を、天面12b(保持面の一例)と呼ぶ。本実施形態では、天面12bに保持具1が固定されている。
【0031】
本体部11における、本体部11とディスプレイ部12とを閉じたときに内側となる面を、キーボード面11aと呼ぶ。キーボード面11aに、操作入力を受け付けるキーボード装置11bが設けられている。本体部11におけるキーボード面11aと反対側の面を、底面11cと呼ぶ。
【0032】
図2は、ディスプレイ部12の天面12bを法線方向に沿って視る平面図である。以下の説明では、ディスプレイ部12の長辺に平行な方向をX方向とし、図2における左側をX1側、右側をX2側とする。ディスプレイ部12の短辺に平行な方向をY方向とし、図2における上側をY1側、下側をY2側とする。ディスプレイ部12においてヒンジ部13が位置する側がY2側である。ディスプレイ部12の天面12bの法線方向をZ方向とし、図2の紙面手前側をZ1側、紙面奥側をZ2側とする(図3図4参照)。
【0033】
本実施形態では、被保持物体20は光学フィルタであり、矩形状の板状の部材である。光学フィルタは、透光性を有する樹脂勢である。光学フィルタは例えば、表示装置からの光を偏光する偏光フィルタ、外部からの入射光の反射を抑制する反射防止フィルタ、視野角を小さくして覗き見を抑制するプライバシーフィルタ等である。被保持物体20である光学フィルタは、ノートパソコン10のディスプレイ部12の情報表示面12aに着脱可能であり、使用時にはディスプレイ部12の情報表示面12aに取り付けられ、非使用時には情報表示面12aから取り外されて保持具1により天面12bに保持される。被保持物体20である光学フィルタは、ノートパソコン10の表示装置における情報表示領域とほぼ同じ大きさである。例えば、被保持物体20の面積は情報表示領域の面積の9割以上であってもよい。被保持物体20の長辺(又は短辺)の長さは、情報表示領域の長辺(又は短辺)の長さの9割以上であってもよい。
【0034】
被保持物体20が天面12bに保持された状態において、被保持物体20における天面12bと対向する面を裏面20aと呼ぶ。裏面20aと反対側の面を表面20bと呼ぶ。被保持物体20のX1側の側面を第1側面21、X2側の側面を第2側面22、Y1側の側面を第3側面23、Y2側の側面を第4側面24と呼ぶ。第1側面21及び第2側面22は、被保持物体20の対向する2辺(短辺)に対応する側面である。第3側面23及び第4側面24は、被保持物体20の対向する2辺(長辺)に対応する側面である。
【0035】
左支持部材30及び右支持部材40は、Z方向視で概ねL字状の部材である。左支持部材30と右支持部材40とは、法線がX方向に平行な平面に対して対称な形状である。左支持部材30及び右支持部材40は、樹脂製の部材である。左支持部材30及び右支持部材40は、その全てがZ方向視で天面12bと重なる位置に配置されている。換言すれば、保持具1は天面12bからはみ出さない状態で、天面12bの領域内に配置されている。これにより、余計な部材が天面12bからはみ出してノートパソコン10が持ちにくくなったり、大きな収納スペースが必要となる事態を防止できる。
【0036】
図2図3図4に示されるように、左支持部材30は、角柱状の部位である左第1部位31及び左第2部位32と、平板状の部位である左第3部位33とを備える。左第1部位31はY方向に沿って延びる。左第2部位32はX方向に沿って延びる。左第1部位31のY2側の端部が、左第2部位32のX1側の端部と連結されている。左第3部位33は、左第1部位31のZ1側端部からX2方向へ延び、左第2部位32のZ1側端部からY1方向へ延び、左第1部位31から左第2部位32に渡って延びている。図3に示されるように、法線がY方向に平行な平面による左第1部位31及び左第3部位33の断面は、L字状である。図4に示されるように、法線がX方向に平行な平面による左第2部位32及び左第3部位33の断面は、L字状である。
【0037】
左第1部位31及び左第2部位32のZ2側の面に両面テープ35(固定部の一例)が設けられている。左支持部材30は、両面テープ35によりノートパソコン10のディスプレイ部12の天面12bに対して係合し、天面12bに固定されている。
【0038】
図2図3図4に示されるように、右支持部材40は、角柱状の部位である右第1部位41及び右第2部位42と、平板状の部位である右第3部位43とを備える。右第1部位41はY方向に沿って延びる。右第2部位42はX方向に沿って延びる。右第1部位41のY2側の端部が、右第2部位42のX2側の端部と連結されている。右第3部位43は、右第1部位41からX1方向へ延び、右第2部位42からY1方向へ延び、右第1部位41から右第2部位42に渡って延びている。図3に示されるように、法線がY方向に平行な平面による右第1部位41及び右第3部位43の断面は、逆L字状である。図示されないが、法線がX方向に平行な平面による右第2部位42及び右第3部位43の断面は、L字状である。
【0039】
右第1部位41及び右第2部位42のZ2側の面に両面テープ45(固定部の一例)が設けられている。右支持部材40は、両面テープ45によりノートパソコン10のディスプレイ部12の天面12bに対して係合し、天面12bに固定されている。
【0040】
〔表面支持部〕
図3図4に示されるように、左支持部材30の左第3部位33のZ2側(すなわちディスプレイ部12の天面12b側)の面33aは、被保持物体20の表面20bと対向している。同様に、右支持部材40の右第3部位43のZ2側(すなわちディスプレイ部12の天面12b側)の面43aは、被保持物体20の表面20bと対向している。
【0041】
図3図4に示される、被保持物体20の表面20bと左第3部位33の面33aとの間の隙間は、無くてもよく、表面20bと面33aとが常に接触していてもよい。被保持物体20の表面20bと右第3部位43の面43aとの間の隙間は、無くてもよく、表面20bと面43aとが常に接触していてもよい。隙間がある場合、被保持物体20がZ1方向に移動すると、被保持物体20の表面20bが左第3部位33の面33a及び右第3部位43の面43aと接触して被保持物体20のZ2方向の移動が抑制される。このようにして、左第3部位33の面33a及び右第3部位43の面43aは被保持物体20の表面20bを支持する。すなわち左第3部位33の面33a及び右第3部位43の面43aは、特許請求の範囲に記載された表面支持部の一例である。
【0042】
〔側面支持部〕
図2図3に示されるように、左支持部材30の左第1部位31のX2側(すなわちX方向内側)の側面31aは、被保持物体20の第1側面21と対向している。右支持部材40の右第1部位41のX1側(すなわちX方向内側)の側面41aは、被保持物体20の第2側面22と対向している。
【0043】
図2図3に示される、左第1部位31の側面31aと被保持物体20の第1側面21との間の隙間は、無くてもよく、側面31aと第1側面21とが常に接触していてもよい。右第1部位41の側面41aと被保持物体20の第2側面22との間の隙間は、無くてもよく、側面41aと第2側面22とが常に接触していてもよい。隙間がある場合、被保持物体20がX方向に移動すると、被保持物体20の第1側面21又は第2側面22が左第1部位31の側面31a又は右第1部位41の側面41aと接触して、被保持物体20のX方向の移動が抑制される。このようにして、左支持部材30の側面31aは、被保持物体20の第1側面21を支持する。右支持部材40の側面41aは、被保持物体20の第2側面22を支持する。すなわち左第1部位31の側面31a及び右第1部位41の側面41aは、特許請求の範囲に記載された側面支持部の一例である。
【0044】
図2図4に示されるように、左支持部材30の左第2部位32のY1側(すなわちY方向内側)の側面32aは、被保持物体20の第4側面24と対向している。図2に示されるように、右支持部材40の右第2部位42のY1側(すなわちY方向内側)の側面42aは、被保持物体20の第4側面24と対向している。
【0045】
図2図4に示される、被保持物体20の第4側面24と左第2部位32の側面32aとの間の隙間は、無くてもよく、第4側面24と側面32aとが常に接触していてもよい。図2に示される、被保持物体20の第4側面24と右第2部位42の側面42aとの間の隙間は、無くてもよく、第4側面24と側面42aとが常に接触していてもよい。隙間がある場合、被保持物体20がY2方向に移動すると、被保持物体20の第4側面24が左第2部位32の側面32a及び右第2部位42の側面42aと接触して、被保持物体20のY2方向への移動が抑制される。このようにして、左第2部位32の側面32a及び右第2部位42の側面42aは、被保持物体20の第2側面22を支持する。すなわち左第2部位32の側面32a及び右第2部位42の側面42aは、特許請求の範囲に記載された側面支持部の一例である。
【0046】
以上述べたとおり本実施形態では、保持具1の側面支持部(左支持部材30の側面31a及び側面32a、右支持部材40の側面41a及び側面42a)は、被保持物体20の対向する2辺及び当該2辺に交わる1辺に対応する3つの側面(第1側面21、第2側面22及び第4側面24)を支持する。左支持部材30が備える側面支持部(側面31a及び側面32a)は、被保持物体20の隣接する2辺に対応する2つの側面(第1側面21及び第4側面24)を支持する。右支持部材40が備える側面支持部(側面41a及び側面42a)は、被保持物体20の隣接する2辺に対応する2つの側面(第2側面22及び第4側面24)を支持する。
【0047】
〔第2実施形態〕
以下、本発明の他の実施形態について図5図6図7を参照しながら説明する。以下の説明では、上述の実施形態と同様の構成については、図面にて同じ符号を付した上で説明を省略する場合がある。
【0048】
本実施形態では、被保持物体20が、板状の光学フィルタ25(被挟持体の一例)と、光学フィルタ25を挟持する見開き状のクリアファイル26(挟持体の一例)と、により構成される。すなわち、ノートパソコン10の情報表示面12aに着脱可能な光学フィルタ25が、クリアファイル26に挟持された状態で、保持具1によりノートパソコン10の天面12bに保持される。
【0049】
クリアファイル26は矩形状であり、第1葉26aと、第2葉26bと、端部部材26cと、を備えている。第1葉26aと第2葉26bとが、Y2側の長辺にて接合されている。これにより、クリアファイル26はY1側の長辺において開くことが可能な見開き状に形成されている。端部部材26cは、X方向に延びる棒状の部材であって、第1葉26aのY1側の端部に固定されている。被保持物体20がノートパソコン10に保持されるとき、端部部材26cにおけるY2側の端面が、左支持部材30及び右支持部材40におけるY1側の端面(詳しくは、左第3部位33及び左第4部位34におけるY1側の端面)と接触して、被保持物体20が保持具1に対して位置決めされる。
【0050】
左支持部材30が、左第1部位31、左第2部位32、左第3部位33に加えて、平板状の部位である左第4部位34を備えている。左第4部位34は、左第1部位31のZ2側端部からX2方向へ延び、左第2部位32のZ2側端部からY1方向へ延び、左第1部位31から左第2部位32に渡って延びている。左第3部位33と左第4部位34とは平行である。図6に示されるように、法線がY方向に平行な平面による左第1部位31、左第3部位33及び左第4部位34の断面は、開口がX2側を向いたU字状である。図7に示されるように、法線がX方向に平行な平面による左第2部位32、左第3部位33及び左第4部位34の断面は、開口がY1側を向いたU字状である。
【0051】
左第1部位31及び左第2部位32のZ2側の面に加えて、左第4部位34のZ2側の面にも両面テープ35(固定部の一例)が設けられている。左支持部材30は、両面テープ35によりノートパソコン10のディスプレイ部12の天面12bに固定されている。
【0052】
右支持部材40が、右第1部位41、右第2部位42、右第3部位43に加えて、平板状の部位である右第4部位44を備えている。右第4部位44は、右第1部位41のZ2側端部からX1方向へ延び、右第2部位42のZ2側端部からY1方向へ延び、右第1部位41から右第2部位42に渡って延びている。右第3部位43と右第4部位44とは平行である。図6に示されるように、法線がY方向に平行な平面による右第1部位41、右第3部位43及び右第4部位44の断面は、開口がX1側を向いたU字状である。図7に示されるように、法線がX方向に平行な平面による右第2部位42、右第3部位43及び右第4部位44の断面は、開口がY1側を向いたU字状である。
【0053】
右第1部位41及び右第2部位42のZ2側の面に加えて、右第4部位44のZ2側の面にも両面テープ45(固定部の一例)が設けられている。左支持部材30は、両面テープ45によりノートパソコン10のディスプレイ部12の天面12bに固定されている。
【0054】
〔裏面支持部〕
図6図7に示されるように、左支持部材30の左第4部位34のZ1側(すなわちディスプレイ部12の天面12bと反対側)の面34aは、被保持物体20の裏面20aと対向している。同様に、右支持部材40の右第4部位44のZ1側(すなわちディスプレイ部12の天面12bと反対側)の面44aは、被保持物体20の裏面20aと対向している。
【0055】
図6図7に示される、被保持物体20の裏面20aと左第43部位34の面34aとの間の隙間は、無くてもよく、裏面20aと面34aとが常に接触していてもよい。被保持物体20の裏面20aと右第4部位44の面44aとの間の隙間は、無くてもよく、裏面20aと面44aとが常に接触していてもよい。隙間がある場合、被保持物体20がZ2方向に移動すると、被保持物体20の裏面20aが左第4部位34の面34a及び右第4部位44の面44aと接触して被保持物体20のZ2方向の移動が抑制される。このようにして、左第4部位34の面34a及び右第4部位44の面44aは被保持物体20の裏面20aを支持する。すなわち左第4部位34の面34a及び右第4部位44の面44aは、特許請求の範囲に記載された裏面支持部の一例である。
【0056】
〔第3実施形態〕
以下、本発明の他の実施形態について図8図9を参照しながら説明する。本実施形態では、左支持部材30の左第3部位33及び右支持部材40の右第3部位43が、被保持物体20に対して接近離間する方向、すなわちZ方向に弾性変形可能なように構成される。例えば、左第3部位33及び右第3部位43が弾性変形可能な樹脂により形成される。左支持部材30の左第3部位33及び右支持部材40の右第3部位43は、特許請求の範囲に記載された変形部の一例である。
【0057】
加えて左支持部材30が、左第3部位33から被保持物体20に向けて突出する突出部33bを備える。突出部33bは、左第3部位33の面33aからZ2方向に突出した突起状の部位である。突出部33bは、図9に示されるように、Y方向に延びており、左第3部位33のY1側の端部近傍に設けられている。
【0058】
右支持部材40が、右第3部位43から被保持物体20に向けて突出する突出部43bを備える。突出部43bは、右第3部位43の面43aからZ2方向に突出した突起状の部位である。図示されないが、突出部43bは、突出部33bと同様にY方向に延びており、右第3部位43のY1側の端部近傍に設けられている。
【0059】
図8に示されるように、突出部33b及び突出部43bは被保持物体20の表面20bに接触している。被保持物体20の厚さが図8に示されるものより大きい場合、左第3部位33及び右第3部位43がZ1方向に弾性変形し、突出部33b及び突出部43bがZ1方向に移動して、被保持物体20の表面20bに接触する。このようにして、左支持部材30の左第3部位33及び突出部33bと、右支持部材40の右第3部位43及び突出部43bとは、被保持物体20の表面20bを支持する。すなわち左支持部材30の左第3部位33及び突出部33bと、右支持部材40の右第3部位43及び突出部43bとは、特許請求の範囲に記載された表面支持部の一例である。突出部33b及び突出部43bは、左第3部位33及び右第3部位43と一体に形成されてもよいし、別部材として左第3部位33及び右第3部位43に取り付けられてもよい。突出部33b及び突出部43bがゴム等の摩擦係数の大きい材料で形成されると、被保持物体20を確実に支持することができ好ましい。
【0060】
〔他の実施形態〕
〔1〕保持具1を設ける面は天面12bに限られない。例えば、保持具1を本体部11の底面11cや、本体部11のキーボード面11aに設けてもよい。
【0061】
〔2〕被保持物体としてはシート状又は板状の物体であればよく、材質、形状、厚さ、目的、用途等は問わない。例えば被保持物体は、情報端末の情報表示面に取り付けられる光学フィルタ(偏光フィルタ、反射防止フィルタ、プライバシーフィルタ等)、書類、雑誌等であってもよいし、情報端末の装飾や保護の為の紙、厚紙、樹脂フィルム、樹脂板等であってもよい。また、挟持体はクリアファイル26を例として説明されたが、挟持体は非透明でもよい。
【0062】
〔3〕上記実施形態では、保持具1の側面支持部が被保持物体20の対向する2辺及び当該2辺に交わる1辺に対応する3つの側面(第1側面21、第2側面22及び第4側面24)を支持する。保持具1の側面支持部が、被保持物体20の対向する2辺に対応する2つの側面(例えば、第1側面21と第2側面22、又は第3側面23と第4側面24)を少なくとも支持する形態も可能である。
【0063】
〔4〕上記の実施形態では、保持具1が2つの支持部材(左支持部材30及び右支持部材40)を備えているが、保持具1が備える支持部材の数は1つでもよいし3つ以上でもよい。
【0064】
〔5〕上記の実施形態では、両面テープ35、45により保持具1がノートパソコン10に固定されたが、保持具1が粘着剤、接着剤、ビス、磁石等の他の手段によりノートパソコン10に固定されてもよい。
【0065】
〔6〕ノートパソコン10に複数の保持具1が設けられて、複数の被保持物体20がノートパソコン10に保持されてもよい。例えば、ディスプレイ部12の天面12bに、複数の保持具1が積層状態又は並列状態で設けられてもよい。
【0066】
〔7〕被保持物体20の形状は矩形状に限られない。被保持物体20の大きさ(面積又は辺長)は、情報端末(ノートパソコン10)の保持面(天面12b)の大きさ(面積又は辺長)の50%以上であると好ましく、95%以下であると好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0067】
本発明は、ノートパソコン、スマートフォンやタブレット端末等の携帯可能な情報端末に適用可能である。
【符号の説明】
【0068】
1 :保持具
10 :ノートパソコン(情報端末)
12a :情報表示面
12b :天面(保持面)
20 :被保持物体
20a :裏面
20b :表面
21 :第1側面(側面)
22 :第2側面(側面)
23 :第3側面(側面)
24 :第4側面(側面)
25 :光学フィルタ(被挟持体)
26 :クリアファイル(挟持体)
30 :左支持部材(支持部材)
31a :側面(側面支持部)
32a :側面(側面支持部)
33 :左第3部位(変形部)
33a :面(表面支持部)
33b :突出部
34a :面(裏面支持部)
35 :両面テープ(固定部)
40 :右支持部材(支持部材)
41a :側面(側面支持部)
42a :側面(側面支持部)
43 :右第3部位(変形部)
43a :面(表面支持部)
43b :突出部
44a :面(裏面支持部)
45 :両面テープ(固定部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9