(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-19
(45)【発行日】2023-04-27
(54)【発明の名称】スクリーン装置
(51)【国際特許分類】
E06B 9/42 20060101AFI20230420BHJP
A47H 5/032 20060101ALI20230420BHJP
【FI】
E06B9/42 Z
A47H5/032
(21)【出願番号】P 2019120174
(22)【出願日】2019-06-27
【審査請求日】2022-01-21
(73)【特許権者】
【識別番号】390020101
【氏名又は名称】セイキ住工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100119404
【氏名又は名称】林 直生樹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】林 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100177769
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】守谷 将人
(72)【発明者】
【氏名】杉山 登
【審査官】家田 政明
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-203267(JP,A)
【文献】実開昭59-134681(JP,U)
【文献】実開昭62-113294(JP,U)
【文献】実開平03-119197(JP,U)
【文献】特開2016-106191(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00-9/92
A47H 5/032
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物開口部に配設するスクリーン枠の上部に設けられているスクリーンボックスに、該スクリーン枠に張設するスクリーンを展張可能に支持させると共に、該スクリーンボックスに、該スクリーンのスクリーン枠内における展張・収納を操作コードの手動によって行う回転操作機構を保持させてなるスクリーン装置において、
上記スクリーンの左右側端の上下動をガイドする上記スクリーン枠の一対の縦枠部材における少なくとも一方の縦枠部材の上部に、上記スクリーンボックスの下部から下方に導出された上記操作コードを該縦枠部材内に導入する導入口を開口させて、その導入口に、上記操作コードを該縦枠部材内に挿入する挿入口を開設したコード導出入面板を被着し、該コード導出入面板を通して、上記スクリーンボックスから導出されたスクリーンの操作コードを、その展張・収納操作を行うに足る長さの操作部分をコード導出入面板の外側に残して該縦枠部材内に導入させたうえで、該縦枠部材内に吊下している、
ことを特徴とするスクリーン装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスクリーン装置において、
前記スクリーン枠に張設するスクリーンを、前記スクリーンボックス内に回転可能に支持された巻取軸に捲着して、先端に可動桟を取り付けたものとし、
上記スクリーンボックスに、上記巻取軸に取り付けた回転軸の回転による上記スクリーンの展張・収納を操作コードの手動によって行う回転操作機構を保持させ、
該回転軸
に接続された上記回転操作機構は、上記操作コードの手動によるスクリーンの巻き上げ方向回転操作時には、回転軸と
一体的に回転することによって、該操作コードによるスクリーンの巻き上げ操作
を行い、一方、上記操作コードの手動操作によるスクリーンの展張方向回転操作時には、回転軸
への回転の伝達を調整または無調整のものとする一方向クラッチ
である、
ことを特徴とするスクリーン装置。
【請求項3】
請求項1に記載のスクリーン装置において、
前記スクリーン枠に張設するスクリーンを、前記スクリーンボックス内に回転可能に支持された巻取軸に捲着して、先端に可動桟を取り付けたものとし、
上記スクリーンボックスに、上記巻取軸に取り付けた回転軸の回転による上記スクリーンの展張・収納を操作コードの手動によって行う回転操作機構を保持させ、
上記回転操作機構は、上記回転軸に取り付けたスプロケットに、多数のボール部材をそれぞれ連結細条で可撓に連結することにより構成したボールチェーン状をなす操作コードを巻き掛けることによって構成し、
上記スクリーンの巻き取りのために上記回転操作機構における上記操作コードを引き出す側に配設したコードガイドには、該操作コードの引出方向への移動は制限しないが、該操作コードのスプロケットへの導入方向側への移動には、該操作コードがコードガイドから延び出している方向によって、該操作コードが自由に導入される開通路と、ボール部材がスリット縁に係止して移動が阻止される閉通路とが形成され、
上記可動桟には、上記操作コードが開通路にあるときにスクリーンを展張する方向に巻取軸を回転させるに必要な重量を持たせている、
ことを特徴とするスクリーン装置。
【請求項4】
請求項3に記載のスクリーン装置において、
上記回転軸に取り付けたスプロケットに巻き掛けているボールチェーン状の操作コードの両端を前記縦枠部材内において相互に連結することによって無端とし、前記縦枠部材に開口させた操作コードの導入口に被着するコード導出入面板において、該コード導出入面板に開設している操作コードの挿入口と該コード導出入面板の外周辺との間を、上記操作コードにおけるボール部材の連結細条が通過できる隙間で連通させている、
ことを特徴とするスクリーン装置。
【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載のスクリーン装置において、
スクリーン枠の縦枠部材における操作コードの導入口とは別に、該縦枠部材における上部の所望の位置に、上記操作コードの導入口を別途開口させて、その導入口にコード導出入面板を被着し、該コード導出入面板を通して、スクリーンボックスから導出されたスクリーンの操作コードを、その展張・収納操作を行うに足る長さの操作部分をコード導出入面板の外側に残して縦枠部材内に吊下している、
ことを特徴とするスクリーン装置。
【請求項6】
請求項1~4のいずれかに記載のスクリーン装置において、
スクリーン枠の縦枠部材における操作コードの導入口に被着しているコード導出入面板に代えて該導入口に被着するための、該コード導出入面板とは操作コードの挿入口の配設態様を異ならしめたコード導出入面板を別設している、
ことを特徴とするスクリーン装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン枠内に張設するスクリーンの展張・収納操作のための操作コードの使用を安全で至便なものにしたスクリーン装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、スクリーンの展張・収納を操作するための操作コードを、スクリーンの巻取軸の一端に取り付けたプーリーに巻き掛け、該操作コードの操作によってスクリーンを展張・収納するようにしたスクリーン装置は極めて一般的に知られている。このようなスクリーン装置においては、スクリーンの巻取り長さが長い場合、上記操作コードも長くなるため、無端で輪状をなす操作コードが用いられることも多く、その操作コードがスクリーン枠の上部から垂れ下がったままになっていると、それが子供らの事故の原因になることから、コードクリップでまとめて固定したり、特許文献1や特許文献2等に開示されている袋状或いは筒状の収納用具を用いて、事故の原因になるのを防ぐ対応が考慮されている。
【0003】
しかしながら、上記コードクリップや、袋状或いは筒状の収納用具を用いるとしても、それらによってまとめた操作コードが生活の場に吊り下げられて存在すること自体が邪魔になり、また、操作コードの使用時には、その収納している操作コードを使用可能状態にしたり、その使用後に再度収納状態に戻したりすることが面倒であることから、それらの作業がなおざりになりがちになり、そのような収納用具の不適切な使用も事故の原因になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-244901号公報
【文献】特開2015-163758号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の技術的課題は、建物開口部に配設するスクリーン装置において、スクリーンの展張・収納操作のための操作コードを、そのスクリーンが張設されるスクリーン枠中にできるだけ収容するようにし、つまり、スクリーン枠から外部に出る長さを可及的に短くすると同時に、該操作コードがスクリーン枠中から外部に出る部位を容易に選択可能とし、それにより、該コードによる事故等の発生を効果的に抑制できるようにしたスクリーン装置を提供することにある。
また、本発明の他の技術的課題は、上記操作コードをその不使用時にコードクリップにまとめて保持させたり、筒や袋等に収容するような面倒な作業を無くし、常に使用可能状態にあるが、生活の邪魔にならないようにしたスクリーン装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明によれば、建物開口部に配設するスクリーン枠の上部に設けられているスクリーンボックスに、該スクリーン枠に張設するスクリーンを展張可能に支持させると共に、該スクリーンボックスに、該スクリーンのスクリーン枠内における展張・収納を操作コードの手動によって行う回転操作機構を保持させてなるスクリーン装置において、上記スクリーンの左右側端の上下動をガイドする上記スクリーン枠の一対の縦枠部材における少なくとも一方の縦枠部材の上部に、上記スクリーンボックスの下部から下方に導出された上記操作コードを該縦枠部材内に導入する導入口を開口させて、その導入口に、上記操作コードを該縦枠部材内に挿入する挿入口を開設したコード導出入面板を被着し、該コード導出入面板を通して、上記スクリーンボックスから導出されたスクリーンの操作コードを、その展張・収納操作を行うに足る長さの操作部分をコード導出入面板の外側に残して該縦枠部材内に導入させたうえで、該縦枠部材内に吊下していることを特徴とするスクリーン装置が提供される。
【0007】
本発明に係る上記スクリーン装置の好ましい実施形態においては、前記スクリーン枠に張設するスクリーンを、前記スクリーンボックス内に回転可能に支持された巻取軸に捲着して、先端に可動桟を取り付けたものとし、上記スクリーンボックスに、上記巻取軸に取り付けた回転軸の回転による上記スクリーンの展張・収納を操作コードの手動によって行う回転操作機構を保持させ、該回転軸に接続された上記回転操作機構は、上記操作コードの手動によるスクリーンの巻き上げ方向回転操作時には、回転軸と一体的に回転することによって、該操作コードによるスクリーンの巻き上げ操作を行い、一方、上記操作コードの手動操作によるスクリーンの展張方向回転操作時には、回転軸への回転の伝達を調整または無調整のものとする一方向クラッチの機能であるものとして構成される。
【0008】
また、本発明に係る上記スクリーン装置の他の好ましい実施形態においては、前記スクリーン枠に張設するスクリーンを、前記スクリーンボックス内に回転可能に支持された巻取軸に捲着して、先端に可動桟を取り付けたものとし、上記スクリーンボックスに、上記巻取軸に取り付けた回転軸の回転による上記スクリーンの展張・収納を操作コードの手動によって行う回転操作機構を保持させ、上記回転操作機構は、上記回転軸に取り付けたスプロケットに、多数のボール部材をそれぞれ連結細条で可撓に連結することにより構成したボールチェーン状をなす操作コードを巻き掛けることによって構成し、上記スクリーンの巻き取りのために上記回転操作機構における上記操作コードを引き出す側に配設したコードガイドには、該操作コードの引出方向への移動は制限しないが、該操作コードのスプロケットへの導入方向側への移動には、該操作コードがコードガイドから延び出している方向によって、該操作コードが自由に導入される開通路と、ボール部材がスリット縁に係止して移動が阻止される閉通路とが形成され、上記可動桟には、上記操作コードが開通路にあるときにスクリーンを展張する方向に巻取軸を回転させるに必要な重量を持たせているものとして構成される。
【0009】
更に、本発明に係るスクリーン装置の他の好ましい実施形態においては、上記回転軸に取り付けたスプロケットに巻き掛けているボールチェーン状の操作コードの両端を前記縦枠部材内において相互に連結することによって無端とし、前記縦枠部材に開口させた操作コードの導入口に被着するコード導出入面板において、該コード導出入面板に開設している操作コードの挿入口と該コード導出入面板の外周辺との間を、上記操作コードにおけるボール部材の連結細条が通過できる隙間で連通させたものとすることができる。
【0010】
また、本発明に係るスクリーン装置においては、スクリーン枠の縦枠部材における操作コードの導入口とは別に、該縦枠部材における上部の所望の位置に、上記操作コードの導入口を別途開口させて、その導入口にコード導出入面板を被着し、該コード導出入面板を通して、スクリーンボックスから導出されたスクリーンの操作コードを、その展張・収納操作を行うに足る長さの操作部分をコード導出入面板の外側に残して縦枠部材内に吊下しているものとして、該操作コードがスクリーン枠の縦枠部材から外部に出る部位を容易に選択可能にしているので、操作コードの使用高さを、子供らの背丈に応じて適切な高さに設定し、不慮の事故等を抑止することができる。
【0011】
更に、本発明に係るスクリーン装置においては、スクリーン枠の縦枠部材における操作コードの導入口に被着しているコード導出入面板に代えて該導入口に被着するための、該コード導出入面板とは操作コードの挿入口の配設態様を異ならしめたコード導出入面板を別設したものとすることもできる。
【発明の効果】
【0012】
以上に詳述した本発明のスクリーン装置によれば、建物開口部に配設するスクリーン装置において、スクリーンの展張・収納操作のための操作コードを、そのスクリーンが張設されるスクリーン枠中にできるだけ収容するようにし、つまり、スクリーン枠から外部に出る長さを可及的に短くすると同時に、該操作コードがスクリーン枠中から外部に出る部位を容易に選択可能としているので、該コードによる事故等の発生を効果的に抑制することができる。
また、上記操作コードをその不使用時にコードクリップにまとめて保持させたり、筒や袋等に収容するような面倒な作業を無くし、スクリーン装置が常に使用可能状態にあるように保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明に係るスクリーン装置の第1実施例の一部を破断して示す要部縦断正面図である。
【
図3】上記第1実施例において、スクリーンボックスから導出された操作コードを縦枠部材内に導入する態様を示す側断面図である。
【
図4】上記第1実施例における縦枠部材に取り付けて、上記操作コードを縦枠部材中に導入するコード導出入面板の構成を示す拡大斜視図である。
【
図5】本発明に係るスクリーン装置の第2実施例の一部を破断して示す要部縦断正面図である。
【
図6】上記第2実施例において、スクリーンボックスから導出された操作コードを縦枠部材内に導入する態様を示す側断面図である。
【
図7】上記第2実施例において用いているコード導出入面板の斜視図である。
【
図8】操作コードの両端を相互に連結することにより無端としたものを用いた第2実施例の変形例を示す側断面図である。
【
図9】
図8の実施例において用いているコード導出入面板の斜視図である。
【
図10】(a)及び(b)は、縦枠部材において必要な操作コードの導入口の他に予備の導入口を設ける場合,及び本発明において用い得るコード導出入面板の変形例を示す縦枠部材の模式的一部破断正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1~
図4は、本発明に係るスクリーン装置の第1実施例を示している。この第1実施例のスクリーン装置1は、建物開口部に配設する該スクリーン装置の周枠を構成するスクリーン枠10の上枠であるスクリーンボックス11に、該スクリーン枠内に張設するスクリーン14を、先端に可動桟14bを取り付けて、巻取軸17により展張可能に支持させると共に、該スクリーンボックス11に、上記スクリーン14のスクリーン枠10内における展張・収納を操作コード16の手動によって行う回転操作機構15を保持させる、という既知のスクリーン装置の基本的構成を備え、この構成に、以下に詳述するスクリーン枠10への操作コード16の適切な組み付けを行った点に特徴を有するものである。
【0015】
そして、本発明に係るスクリーン装置のスクリーン枠10に対する操作コード16の組み付け態様の特徴とするところは、スクリーン14の展張・収納の操作のための操作コード16による子供らの不慮の事故を如何にして抑制するか、という問題を解決するだけでなく、その操作コード16の使用であるスクリーン14の展張・収納の操作が終わったときに、該操作コード16を収納用具に収めるような後始末作業を全く必要とせず、そのためスクリーン14の展張・収納の操作を行うに際して、その準備作業や後始末をも必要としない点にある。
【0016】
その特徴的な構成について具体的に説明すると、まず、上記操作コード16は、それを収納する収納用具等を別設することなく、スクリーン14が張設されるスクリーン枠10の中にできるだけ収容するべく、該操作コード16が上記スクリーンボックス11から下方に導出される部位に位置するスクリーン枠10の縦枠部材12における前面上部に、該スクリーンボックス11の下部から導出された上記操作コード16の両端を導入する導入口12aを開口させ、該導入口12aに、
図4に示すような、上記操作コード16を該縦枠部材12中に挿入する挿入口21a,21bを開設したコード導出入面板20aを被着して、該コード導出入面板を通して上記スクリーンボックス11から導出された操作コード16の両端を、縦枠部材12内に導入させている。
【0017】
なお、
図1及び
図2等においては、上記スクリーン14の左右側端の上下動をガイドする上記スクリーン枠10の縦枠部材12,13に、操作コード16の導出入を行うコード導出入面板20aを被着するかの如き構成を示しているが、この構成は、現実的にこのスクリーン装置を設置する段階で、スクリーン枠10の左右いずれの縦枠部材12,13にもコード導出入面板20aを選択的に設置できることを示しているだけである。
【0018】
また、上記スクリーン枠10の左右側端の一対の縦枠部材12,13に、スクリーンボックス11内の巻取軸17に巻き付けたスクリーン14の左右側端の上下動をガイドさせるため、
図2に示すように、上記スクリーン14にはその左右側端縁に沿ってファスナー状の係合部材14aを取り付け、この係合部材14aを左右の縦枠部材12,13内に収容したインナーレール22のスリット状口縁22aに係合させている。
【0019】
ここで、
図1及び
図3を参照して、操作コード16によって上記スクリーン14の展張・収納を行う構成の概要について説明すると、該操作コード16は、それを巻取軸17の軸端に連結した回転軸18の周囲に配設して、回転操作機構15のケース15aにより回転自在に支持させているところの駆動輪19に巻き掛け、該操作コード16を手動で操作することにより、スクリーン14の展張・収納の操作を行うようにしたものである。
【0020】
なお、ここに示している操作コード16は、両端を自由端として縦枠部材12内に吊下しているので、それらを操作する段階でコード端が挿入口21a,21bから抜け出す可能性があり、それを防止するため、両コード端には挿入口21a,21bの通過を抑止する抜け止め片16bを取り付けている。但し、これらの抜け止め片16bは操作コードに強い引張力が作用したときには離脱するものとしておくのが望ましい。また、図中の挿入口21aに付設した回転自在のガイド輪12bは、操作に際して引き出された余剰の操作コード16を、それ自体の重力で縦枠部材12内に円滑に戻すためのものである。
【0021】
更に、図示した実施例では、操作コード16として、ボールスプリング状のものを示しているが、かかる構成のものを用いる必要はなく、例えば組紐状の操作コード等を用いることもでき、そのため、駆動輪19としては、その操作コードの構成に応じて、例えば、プーリー等を用いることができる。
【0022】
そして、後述する回転操作機構15の構成例から分かるように、上記コード導出入面板20aにおける挿入口21aを通して縦枠部材12中に挿入している操作コード16は、巻取軸17の回転軸18に対し、スクリーン14を巻き上げる方向に上記駆動輪19を回転させる際にスクリーンボックス11から引き出す方向に操作するものである。また、上記コード導出入面板20aにおける挿入口21bを通して縦枠部材12中に挿入している上記操作コード16は、スクリーン14を必要に応じて展張させる方向に回転させるものとすることもできる。
【0023】
この場合、上記コード導出入面板20aの挿入口21aを通して縦枠部材12中に挿入している操作コード16は、先端に可動桟14bを取り付けることにより或る程度の重さを持たせているスクリーン14を高い位置の巻取軸17のところまで巻き上げる必要があることから、その巻き上げ操作を行うに適した長さの操作部分16aを、コード導出入面板20aが被着された縦枠部材12の外側に残して、該縦枠部材12中に導入させるのが望ましい。これに対し、コード導出入面板20aにおける挿入口21bを通して縦枠部材12中に挿入している操作コード16は、後述する回転操作機構15の構成に左右されるが、スクリーンの先端の可動桟14bの重さも利用できるので、比較的短寸の操作コード16を縦枠部材12の外側に残すものとすることができる。
【0024】
一方、上記回転操作機構15としては、上述したような構成のスクリーン装置において用いられている各種機構の一方向クラッチや、それらと同等のものを用いることができるが、
図1を参照してその構成や機能の概要について説明すると、上記巻取軸17に固定した回転軸18の先端には、上記回転操作機構15のケース15aにより周面を回転自在に支持されたリール23が、巻取軸17と一体回転するように取り付けられ、該リール23の周面を支持するケース15aの円筒面の外周に、一方向クラッチの主要部を構成するコイルばね24を僅かに締めつける程度に巻き付けている。
【0025】
このような円筒面に巻き付けたコイルばね24は、その自由端部に設けた係合部が、上記操作コード16の操作により回転する前記駆動輪19の一部等によって該コイルばねを円筒面に巻き付ける方向に押圧されると、それが巻かれている円筒面との間の摩擦力が増大して、該コイルばね24が取り付けられている部材と該コイルばね24が巻かれている円筒面を有する部材とが、固定的な状態又は高摩擦状態に保持され、或いは、二つの隣接する同形の円筒面に跨って上記コイルばね24が巻き付けられているときには、それらの円筒面を有する二つの部材とが、同様に固定的な状態又は高摩擦状態に保持されるので、それらの部材が操作コード16により操作される駆動系中、例えば、展張状態にあるスクリーン14を巻き上げる駆動系中に存在すれば、二つの部材の連結によって該スクリーンの巻き上げを行うことができる。
【0026】
また、上記とは逆に、前記円筒面に巻き付けたコイルばね24の自由端部に設けた係合部を、上記操作コード16の操作により回転する駆動輪19等によって該コイルばね24の円筒面に対する巻き付けを緩める方向に押圧する場合には、上述した二つの部材相互のコイルばね24による連結が緩められ、その結果、二つの部材が相対的に回転し易くなるので、上記操作コード16の操作によるスクリーン14の動きを、スクリーン14展張等に利用できるようになる。
【0027】
上述したように、本発明に係るスクリーン装置1の第1実施例においては、前記回転軸18に接続された前記回転操作機構15が、前記操作コード16の手動によるスクリーン14の巻き上げ方向回転操作時には、回転軸18と一体的に回転することによって、該操作コード16によるスクリーン14の巻き上げ操作を行い、一方、上記操作コード16の手動操作によるスクリーン14の展張方向回転操作時には、回転軸18への回転の伝達を調整または無調整のものとする一方向クラッチであることにより、スクリーンの展張・収納操作のための操作コード16の使用を安全で至便なものにすることができる。
【0028】
次に、
図5及び
図6を参照して、本発明に係るスクリーン装置の第2実施例について説明する。
この第2実施例に係るスクリーン装置2は、前記第1実施例の場合と同様に、スクリーン枠10に張設するスクリーン14を、前記スクリーンボックス11内に回転可能に支持された巻取軸17に捲着して、該スクリーン14の先端に可動桟14bを取り付けたものとし、また、上記スクリーンボックス11に、上記巻取軸17が備える回転軸18の回転による上記スクリーン14の展張・収納を、操作コード16の手動によって行う回転操作機構15を保持させているが、次の点では第1実施例と異なる構成を備えている。
【0029】
即ち、まず、前記第1実施例においては、操作コード16として、図面上では、多数のボール部材をそれぞれ連結細条で可撓に連結することにより構成したボールチェーン状をなすものを示しているが、この第2実施例では、該操作コード16として、第1実施例において図示されているものと同様な、多数のボール部材27aをそれぞれ連結細条27bで可撓に連結することにより構成したボールチェーン状をなすものを使用している。
【0030】
また、それに伴って、この第2実施例では、上述のボールチェーン状をなす操作コード16を巻き掛けて回転させる駆動輪として、そのボールチェーン状の操作コードに適合するスプロケット26を用いている。しかも、この第2実施例における回転操作機構15では、巻取軸17に連結した回転軸18と該スプロケット26とを一体化したうえで、該スプロケット26にボールチェーン状をなす操作コード16を巻き掛けるようにしている。
【0031】
更に、この第2実施例では、
図6に示しているように、上記スクリーンの巻き取りのために上記回転操作機構15のケース15aにおける上記操作コード16の引き出し側に、コードガイド28を配設している。該コードガイド28は、スクリーン14を巻き上げる側の操作コード16をガイドするガイド板28aに沿った操作コード16の引出方向への移動路を形成して、該操作コード16の移動を何ら制限しない開通路29とし、逆側の操作コード16のスプロケット26への導入方向側への移動路は、上記ガイド板28aに設けたところのスリット28bにより、操作コードにおけるボール部材27a間の連結細条27bは挿通できるが、ボール部材27aの通過は阻止され、結果的に、操作コード16のスプロケット26への導入方向側への移動が阻止される閉通路30と、前記操作コード16の引出方向への移動路を逆送させる開通路29とを形成するものである。
【0032】
即ち、上記ガイド板28aに沿う操作コード16の操作により、上記コードガイド28の部分において、逆側の操作コード16をスプロケット26側に巻き込む移動させるか否かの選択は、該操作コード16がコードガイド28から外部に延び出す方向の選択によって行うことができ、該操作コード16が開通路29に沿う方向に延びていれば、スクリーン14の下端に取り付けられている可動桟14bの重力によって、開通路29に沿う側の操作コード16が巻取軸側に引き込まれ、一方、該操作コード16が閉通路30側に沿うように保持されていれば、操作コード16は、ボール部材27aがスリット28bへの係止して、巻取軸17側に引き込まれることなく、スクリーン14がそのままの状態に保持されることになる。
【0033】
このように、上記第2実施例のスクリーン装置2においては、コード導出入面板20bにおける挿入口21aを通して縦枠部材12中に挿入している操作コード16だけを、スクリーン14の巻き上げ及び該スクリーンの展張のために操作し、挿入口21bを通して縦枠部材12中に挿入している操作コード16は直接的に操作する必要がないので、上記挿入口21aを通して縦枠部材12中に挿入している操作コード16のみを、スクリーンの操作に必要な長さの操作部分16aをコード導出入面板20bの外側に残せばよく、挿入口21bを通して縦枠部材12中に挿入する操作コード16については、基本的にはコード導出入面板20bの外側に操作部分を残す必要が無く、
図6に示するように、コード導出入面板20bの上端縁に該挿入口21bを設けておくことができる。しかも、コード導出入面板20bにおける挿入口21bは、
図7に示すように、該コード導出入面板20bの外周辺との間を、上記操作コード16におけるボール部材27aの連結細条27bが通過できる隙間21cで連通させたものとして、操作コード16の装着を簡易化することができる。
【0034】
なお、この第2実施例において、第1実施例と共通の構成を有する他の構成要素についてもここで説明するのは、説明の重複になるので、図中に第1実施例と同一の符号を付してそれらの説明を省略する。
【0035】
更に、
図8は上記第2実施例の変形例を示し、上記巻取軸17に取り付けた回転軸18と一体化しているスプロケット26に巻き掛けたボールチェーン状の操作コード16の両端を、前記縦枠部材12内において相互に連結することにより、該操作コード16を無端のものとしている。このような無端の操作コード16を用いると、該操作コード16を縦枠部材12の導入口12aに被着するコード導出入面板20bとして、
図4に示しているような構成のものを用いた場合には、該操作コード16を挿入口21a,21bに挿通する場合に、操作コード16をその一部で切断したうえで、その挿通を行う必要があるが、
図9に示しているように、コード導出入面板20bの挿入口21a,21bと該コード導出入面板20bの外周辺との間を、上記操作コード16におけるボール部材27a間の連結細条27bが通過できる隙間21c,21dで連通させておくことにより、その操作を簡易に行うことができる。
【0036】
また、
図1~
図3を参照して前述したスクリーン装置1においては、スクリーン枠10における縦枠部材12に操作コード16の導入口12aを設け、その導入口12aに被着したコード導出入面板20aにおける操作コードの挿入口21a,21bを通して、該操作コード16を縦枠部材12内に導入しているが、上記スクリーン装置1の設置後には、年月の経過に応じて上記導入口12aの高さを変更する必要が生じる場合が少なくない。
【0037】
このような導入口12aの高さ等の変更を簡易に行うことを可能にするため、本発明においては、本来必要な導入口12aとは別に、縦枠部材12における上部の所望の位置に予備の導入口33を設けておき、或いは、該導入口33の複数を縦枠部材12の上下方向の適宜位置に開口させておき、それらの位置に操作コード16の挿入口を移動させる必要が生じるまでは、それらの導入口33をコード導出入面板と同大の平板からなる導入口カバー32で閉じておき、導入口12aの高さの変更の必要が生じたときに、開口させている予備の導入口33の中で適当な位置にある導入口に、既使用のコード導出入面板20b或いは該コード導出入面板20bとは操作コード16の挿入口21a,21bの配設態様が異なる予備のコード導出入面板を被着することができる。挿入口21a,21bの配設態様が異なる予備のコード導出入面板としては、例えば、
図4、
図7、或いは他の異なる配設態様にした予備のコード導出入面板を別設しておくことができる。
【0038】
図10は、本発明における前記縦枠部材12において、導入口12aとは別に、縦枠部材12における上部の所望の位置に予備の導入口33を設ける構成、及び、本発明において用い得るコード導出入面板の変形例等を示すもので、同図の(a)は、第2実施例の縦枠部材12におけるコード導出入面板20bの上部に予め予備の導入口33を設けて、導入口カバー32を被着していた場合を示し、予めこのような態様に形成しておけば、導入口カバー32とコード導出入面板20bの位置を逆にすることにより、実質的に第2実施例と同様な形態に容易に変更することができる。また、同図の(b)は、該コード導出入面板20bにおける挿入口21a及び挿入口21bを個別的に備えたコード導出入面板20d,20eを用い、それらを同図の(a)において縦枠部材12の上端部において用いていた導入口カバー32を中間に挟んで、その下部と上部に位置させるように変更した構成を模式的に示している。
【0039】
なお、上述のように挿入口21a及び挿入口21bを個別的に備えたコード導出入面板20d,20eを縦枠部材12の二つの導入口に個別的に被着する場合には、該コード導出入面板20d,20eの大きさに合わせた導入口を予め縦枠部材12に開設して、前記導入口カバー32に相当するもので閉じておくとか、縦枠部材12にそれらの導入口を容易に開設可能にしておくことが望まれる。
【符号の説明】
【0040】
10 スクリーン枠
11 スクリーンボックス
12 縦枠部材
12a 導入口
14 スクリーン
16 操作コード
16a 操作部分
20a コード導出入面板
21a,21b 挿入口