(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-19
(45)【発行日】2023-04-27
(54)【発明の名称】パルス信号をサンプリングするための方法及びデバイス並びにコンピュータプログラム媒体
(51)【国際特許分類】
G01T 1/161 20060101AFI20230420BHJP
G01T 1/18 20060101ALI20230420BHJP
G01T 1/20 20060101ALI20230420BHJP
【FI】
G01T1/161 C
G01T1/18 F
G01T1/20 F
(21)【出願番号】P 2020568696
(86)(22)【出願日】2019-05-09
(86)【国際出願番号】 CN2019086239
(87)【国際公開番号】W WO2020042664
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-03-24
(31)【優先権主張番号】201810982519.2
(32)【優先日】2018-08-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】520481367
【氏名又は名称】レイキャン テクノロジー シーオー., エルティーディー. (スーチョウ)
【氏名又は名称原語表記】RAYCAN TECHNOLOGY CO., LTD. (SUZHOU)
(74)【代理人】
【識別番号】100107984
【氏名又は名称】廣田 雅紀
(74)【代理人】
【識別番号】100182305
【氏名又は名称】廣田 鉄平
(74)【代理人】
【識別番号】100102255
【氏名又は名称】小澤 誠次
(74)【代理人】
【識別番号】100096482
【氏名又は名称】東海 裕作
(74)【代理人】
【識別番号】100131093
【氏名又は名称】堀内 真
(74)【代理人】
【識別番号】100150902
【氏名又は名称】山内 正子
(74)【代理人】
【識別番号】100141391
【氏名又は名称】園元 修一
(74)【代理人】
【識別番号】100198074
【氏名又は名称】山村 昭裕
(74)【代理人】
【氏名又は名称】富田 博行
(74)【代理人】
【識別番号】100221958
【氏名又は名称】篠田 真希恵
(72)【発明者】
【氏名】ジュ クジャン
(72)【発明者】
【氏名】シェ チングオ
(72)【発明者】
【氏名】ダイ ピンピン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ハオ
(72)【発明者】
【氏名】メイ ジュンフア
(72)【発明者】
【氏名】ス ユミン
【審査官】蔵田 真彦
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-181204(JP,A)
【文献】特表2014-516411(JP,A)
【文献】特表2015-529796(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0090019(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0001404(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0372689(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第19948892(DE,A1)
【文献】特開昭59-34164(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01T 1/00-1/40、
G01R 29/02-29/033
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
パルス信号をサンプリングするための方法であって、
複数の予め設定されたサンプリング閾値に従って前記パルス信号の立ち上がりエッジ部分の複数の第1のサンプリング点を収集するステップS1であって、前記第1のサンプリング点の各々が、前記予め設定されたサンプリング閾値のうちの1つ及び前記予め設定されたサンプリング閾値のうちの前記1つに対応する第1の時間によって表される、ステップS1と、
前記複数の予め設定されたサンプリング閾値に従って前記パルス信号の立ち下がりエッジ部分の複数の第2のサンプリング点を収集するステップS2であって、前記第2のサンプリング点の各々が、前記予め設定されたサンプリング閾値のうちの1つ及び前記予め設定されたサンプリング閾値のうちの前記1つに対応する第2の時間によって表される、ステップS2と、
予め設定された時間間隔によって前記第1の時間又は前記第2の時間と分けられた第3の時間に前記パルス信号の第3のサンプリング点を収集するステップS3であって、前記第3のサンプリング点が、前記第3の時間及び前記第3の時間に対応する応答振幅によって表される、ステップS3とを含むことを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
前記ステップS1が、
前記複数の第1のサンプリング点を決定するためにパルス信号の振幅が前記パルス信号の立ち上がりエッジ部分において複数の予め設定されたサンプリング閾値に達するときに複数の第1の時間を記録するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ステップS1が、
前記予め設定されたサンプリング閾値のうちの1つが複数の第1の時間に対応するときに、前記複数の第1の時間の中の最大時間及び最小時間の平均値を計算するか、又は前記複数の第1の時間の平均値を計算し、前記計算された平均値を前記予め設定されたサンプリング閾値のうちの前記1つに対応する前記第1の時間として使用するステップを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記予め設定されたサンプリング閾値が、電圧の閾値、電流の閾値、又は磁界の強度の閾値を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記予め設定されたサンプリング閾値が、パルス信号のトリガ特性又は前記パルス信号の振幅の
以前の統計された経験的
な値に従って設定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ステップS3が、
前記予め設定された時間間隔によって第1の時間と分けられた第3の時間に、パルス信号の複数の第1のサンプリング点の後の立ち上がりエッジ部分、
正のピーク、若しくは立ち下がりエッジ部分において第3のサンプリング点を収集するか、又は
前記予め設定された時間間隔によって第2の時間と分けられた第3の時間に、前記パルス信号の複数の第2のサンプリング点の後の立ち下がりエッジ部分若しくは
負のピークにおいて第3のサンプリング点を収集するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ステップS3が、
前記第3の時間に、前記第3のサンプリング点を決定するために前記第3の時間に対応するパルス信号の応答振幅を決定するステップを含むことを特徴とする請求項1又は6に記載の方法。
【請求項8】
前記予め設定された時間間隔が、
複数の予め収集されたパルス信号の各々に関して、パルスの振幅の点の
時間値と選択された較正点の
時間値との間の
時間差を計算することであって、前記較正点が、
前記複数の予め収集されたパルス信号の各々に関して、複数の予め設定されたサンプリング閾値に従って前記パルス信号の立ち上がりエッジ部分の複数の第1のサンプリング点のうちの1つ又は
前記複数の予め設定されたサンプリング閾値に従って前記パルス信号の立ち下がりエッジ部分の複数の第2のサンプリング点のうちの1つである、計算することと、
ガウス曲線及びフィッティングされたパラメータを取得するために計算された差に対してガウスフィッティングを実行することと、
別々に取得されたガウス曲線に関して、ガウス曲線に沿った時間差の離散的な度合いを互いに比較し、最適
化された正規分布に合致する前記ガウス曲線の前記フィッティングされたパラメータを前記予め設定された時間間隔として使用すること
とを行うようにして決定されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
パルス信号をサンプリングするためのデバイスであって、
複数の予め設定されたサンプリング閾値に従って前記パルス信号の立ち上がりエッジ部分の複数の第1のサンプリング点を収集するように構成された第1のサンプリングユニットであって、前記第1のサンプリング点の各々が、前記予め設定されたサンプリング閾値のうちの1つ及び前記予め設定されたサンプリング閾値のうちの前記1つに対応する第1の時間によって表される、第1のサンプリングユニットと、
前記複数の予め設定されたサンプリング閾値に従って前記パルス信号の立ち下がりエッジ部分の複数の第2のサンプリング点を収集するように構成された第2のサンプリングユニットであって、前記第2のサンプリング点の各々が、前記予め設定されたサンプリング閾値のうちの1つ及び前記予め設定されたサンプリング閾値のうちの前記1つに対応する第2の時間によって表される、第2のサンプリングユニットと、
予め設定された時間間隔によって前記第1の時間又は前記第2の時間と分けられた第3の時間に前記パルス信号の第3のサンプリング点を収集するように構成された第3のサンプリングユニットであって、前記第3のサンプリング点が、前記第3の時間及び前記第3の時間に対応する応答振幅によって表される、第3のサンプリングユニットとを含むことを特徴とする、前記デバイス。
【請求項10】
命令が記憶されたメモリと、
前記メモリに接続され、前記メモリに記憶された命令に従って以下の動作:
複数の予め設定されたサンプリング閾値に従ってパルス信号の立ち上がりエッジ部分の複数の第1のサンプリング点を収集する動作であって、前記第1のサンプリング点の各々が、前記予め設定されたサンプリング閾値のうちの1つ及び前記予め設定されたサンプリング閾値のうちの前記1つに対応する第1の時間によって表される、動作、
前記複数の予め設定されたサンプリング閾値に従って前記パルス信号の立ち下がりエッジ部分の複数の第2のサンプリング点を収集する動作であって、前記第2のサンプリング点の各々が、前記予め設定されたサンプリング閾値のうちの1つ及び前記予め設定されたサンプリング閾値のうちの前記1つに対応する第2の時間によって表される、動作、並びに
予め設定された時間間隔によって前記第1の時間又は前記第2の時間と分けられた第3の時間に前記パルス信号の第3のサンプリング点を収集する動作であって、前記第3のサンプリング点が、前記第3の時間及び前記第3の時間に対応する応答振幅によって表される、動作
を実行するように構成されたプロセッサと
を含むことを特徴とするコンピュータプログラム媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、信号処理の技術分野に関し、特に、パルス信号をサンプリングするための方法及びデバイス並びにコンピュータプログラム媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
陽電子放射断層撮影(略してPET,Positron Emission Tomography)は、臨床撮像のために放射性元素を使用する技術である。この技術のプロセスは、血流に加えられ得るか又は生きた組織の代謝プロセスに参加し得る化合物に陽電子放射核種を標識することと、それから、核種で標識された化合物を対象者に注入することとを含む。体内の核種から放射される陽電子は、約1mm動き、そして、対象者の体内で陰電子と組み合わさって電子対を消滅させ、したがって、ガンマ光子を生じさせ、ガンマ光子が、シンチレーション結晶によって受け取られ、可視光に変換されることが可能であり、そして今度は、その可視光が、再構築のために光電コンバータによってパルス信号に変換され、それによって、核種の濃縮部位を判定し、活発な代謝の領域の位置を特定し、核種の活動を評価するのを助ける。
【0003】
PET又はその他の関連する分野においては、パルス信号が再構築される前にパルス信号がサンプリングされる必要がある。従来技術においては、時間間隔サンプリング法(time interval sampling method)が、サンプリングのためによく使用される。特に、各時点及びその対応する振幅が1つのサンプリング点を構成するように、パルス信号の各時点に対応する振幅が同一の時間間隔に従って記録される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本開示を実現するプロセスにおいて、発明者らは、従来技術の少なくとも以下の問題を発見した。
【0005】
従来技術の時間間隔サンプリング法は、あまりにも多くのサンプリング点及びあまりにも多くの記録される情報が原因で長いサンプリング時間をともない、結果として、低いサンプリングの効率及び高いエネルギー消費をもたらす。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の技術的な問題を解決するために、パルス信号をサンプリングするための方法及びデバイス並びにコンピュータプログラム媒体が、本開示の実施形態において提供される可能性があり、以下のように実装される。
【0007】
パルス信号をサンプリングするための方法が、提供され、複数の予め設定されたサンプリング閾値に従ってパルス信号の立ち上がりエッジ部分の複数の第1のサンプリング点を収集するステップS1であって、第1のサンプリング点の各々が、予め設定されたサンプリング閾値のうちの1つ及び予め設定されたサンプリング閾値のうちの1つに対応する第1の時間によって表される、ステップS1と、複数の予め設定されたサンプリング閾値に従ってパルス信号の立ち下がりエッジ部分の複数の第2のサンプリング点を収集するステップS2であって、第2のサンプリング点の各々が、予め設定されたサンプリング閾値のうちの1つ及び予め設定されたサンプリング閾値のうちの1つに対応する第2の時間によって表される、ステップS2と、予め設定された時間間隔によって第1の時間又は第2の時間と分けられた第3の時間にパルス信号の第3のサンプリング点を収集するステップS3であって、第3のサンプリング点が、第3の時間及び第3の時間に対応する応答振幅によって表される、ステップS3とを含む。
【0008】
好ましくは、ステップS1は、複数の第1のサンプリング点を決定するために、パルス信号の振幅がパルス信号の立ち上がりエッジ部分において複数の予め設定されたサンプリング閾値に達するときに複数の第1の時間を記録するステップを含む。
【0009】
好ましくは、ステップS1は、予め設定されたサンプリング閾値のうちの1つが複数の第1の時間に対応するときに、複数の第1の時間の中の最大時間及び最小時間の平均値を計算するか、又は複数の第1の時間の平均値を計算し、計算された平均値を予め設定されたサンプリング閾値のうちの1つに対応する第1の時間として使用するステップを含む。
【0010】
好ましくは、予め設定されたサンプリング閾値は、電圧の閾値、電流の閾値、又は磁界の強度の閾値を含む。
【0011】
好ましくは、予め設定されたサンプリング閾値は、パルス信号のトリガ特性又は振幅の統計以前の(pre-statistical)経験的値に従って設定される。
【0012】
好ましくは、ステップS3は、予め設定された時間間隔によって第1の時間と分けられた第3の時間に、パルス信号の複数の第1のサンプリング点の後の立ち上がりエッジ部分、ピーク、若しくは立ち下がりエッジ部分において第3のサンプリング点を収集するか、又は予め設定された時間間隔によって第2の時間と分けられた第3の時間に、パルス信号の複数の第2のサンプリング点の後の立ち下がりエッジ部分若しくは谷において第3のサンプリング点を収集するステップを含む。
【0013】
好ましくは、ステップS3は、第3の時間に、第3のサンプリング点を決定するために第3の時間に対応するパルス信号の応答振幅を決定するステップを含む。
【0014】
好ましくは、予め設定された時間間隔は、以下、すなわち、複数の予め収集されたパルス信号の各々に関して、パルスの振幅の点(pulse amplitude point)の横座標値と選択された較正点(calibration point)の横座標値との間の差を計算することであって、較正点が、複数の第1のサンプリング点のうちの1つ又は複数の第2のサンプリング点のうちの1つである、計算することと、ガウス曲線及びフィッティングされたパラメータを取得するために計算された差に対してガウスフィッティングを実行することと、取得されたガウス曲線の離散的な度数(discrete degree)を互いに比較し、最適な正規分布に合致するガウス曲線のフィッティングされたパラメータを予め設定された時間間隔として使用することとを行うようにして決定される。
【0015】
パルス信号をサンプリングするためのデバイスが、提供され、複数の予め設定されたサンプリング閾値に従ってパルス信号の立ち上がりエッジ部分の複数の第1のサンプリング点を収集するように構成された第1のサンプリングユニットであって、第1のサンプリング点の各々が、予め設定されたサンプリング閾値のうちの1つ及び予め設定されたサンプリング閾値のうちの1つに対応する第1の時間によって表される、第1のサンプリングユニットと、複数の予め設定されたサンプリング閾値に従ってパルス信号の立ち下がりエッジ部分の複数の第2のサンプリング点を収集するように構成された第2のサンプリングユニットであって、第2のサンプリング点の各々が、予め設定されたサンプリング閾値のうちの1つ及び予め設定されたサンプリング閾値のうちの1つに対応する第2の時間によって表される、第2のサンプリングユニットと、予め設定された時間間隔によって第1の時間又は第2の時間と分けられた第3の時間にパルス信号の第3のサンプル点を収集するように構成された第3のサンプリングユニットであって、第3のサンプル点が、第3の時間及び第3の時間に対応する応答振幅によって表される、第3のサンプリングユニットとを含む。
【0016】
コンピュータプログラム媒体が、提供され、命令が記憶されたメモリと、メモリに接続され、メモリに記憶された命令に従って以下の動作、すなわち、複数の予め設定されたサンプリング閾値に従ってパルス信号の立ち上がりエッジ部分の複数の第1のサンプリング点を収集する動作であって、第1のサンプリング点の各々が、予め設定されたサンプリング閾値のうちの1つ及び予め設定されたサンプリング閾値のうちの1つに対応する第1の時間によって表される、動作、複数の予め設定されたサンプリング閾値に従ってパルス信号の立ち下がりエッジ部分の複数の第2のサンプリング点を収集する動作であって、第2のサンプリング点の各々が、予め設定されたサンプリング閾値のうちの1つ及び予め設定されたサンプリング閾値のうちの1つに対応する第2の時間によって表される、動作、並びに予め設定された時間間隔によって第1の時間又は第2の時間と分けられた第3の時間にパルス信号内の第3のサンプリング点を収集する動作であって、第3のサンプリング点が、第3の時間及び第3の時間に対応する応答振幅によって表される、動作を実行するように構成されたプロセッサとを含む。
【0017】
本開示の上述の実施形態によって提供される技術的な解決策から分かるように、本開示の実施形態による多閾値サンプリングが、パルス信号の立ち上がり及び立ち下がりエッジ部分に対して実行され、それから、パルス信号が、多閾値サンプリングに加えてある時間間隔でさらにサンプリングされ、それが、パルス信号のサンプリングの効率を高め、エネルギー消費を削減する。さらに、本開示の実施形態によって提供される技術的な解決策を使用することによって、パルス信号の振幅の変動が、うまく捕捉される可能性があり、その結果、それは、パルス信号のその後の再構築された波形の正確さを高める。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本開示の実施形態の技術的な解決策又は従来技術をより明瞭に説明するために、実施形態又は従来技術において使用される必要がある添付の図面が、以下のように簡潔に導入される。示される図面が、本開示に記載される一部の実施形態を示すに過ぎないことは明らかである。創造的な仕事を関わらせることなく図面に対するさまざまな変更が認識される可能性があることは、当業者によって理解されるはずである。
【
図1】本開示の実施形態によるパルス信号をサンプリングするための方法のフローチャートである。
【
図2】
図1によるサンプリング方法の特定の動作のフローチャートである。
【
図3】
図2のサンプリング方法を使用することによって取得されたサンプリング結果の概略図である。
【
図4】従来技術の時間間隔サンプリング法を使用することによってパルス信号をサンプリングした結果の概略図である。
【
図5】従来技術におけるパルス信号に対して多閾値サンプリングを実行した後にパルス信号をフィッティングすることによって取得されたフィッティングされた曲線と実際の測定された曲線との比較の概略図である。
【
図6】本開示の実施形態において提供されるサンプリング方法を使用してパルス信号をサンプリングした後にパルス信号をフィッティングすることによって取得されたフィッティングされた曲線と実際の測定された曲線との比較の概略図である。
【
図7】本開示の実施形態によるパルス信号をサンプリングするためのデバイスの概略的な構造図である。
【
図8】本開示の実施形態によるコンピュータプログラム媒体の概略的な構造図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本開示の実施形態の技術的な解決策が、添付の図面を参照して以下の記載の中で明瞭で包括的に説明される。説明される実施形態は、実施形態のすべてを網羅的に詳述するのではなく、本開示の一部の例示的な実施形態を説明するためにのみ提供され、それらの実施形態は、本開示又は請求項の範囲を限定すると考えられてはならないことを明らかである。本明細書において説明される実施形態に対するさまざまな変更が、創造的な仕事を関わらせることなく、本開示の範囲を逸脱せずに当業者によって採用される可能性があることを理解されたい。
【0020】
特に、要素が別の要素「上に配置される」と言われるとき、その要素が別の要素の上に直接配置され得るか、又は中間要素が存在する可能性がある。要素が別の要素に「接続される(connected)又は結合される(coupled)」と言われるとき、その要素が別の要素に直接接続される(connected)か若しくは結合される(coupled)可能性があり、又は中間要素が存在する。本明細書において使用される用語「接続(connection)又は結合(coupling)」は、電気的接続(connection)若しくは結合(coupling)、及び/又は機械的若しくは物理的接続(connection)若しくは結合(coupling)を含む可能性がある。本明細書において使用される用語「含む(comprise)又は含む(include)」は、特徴、ステップ、又は要素の存在に言及するが、1又は2以上のその他の特徴、ステップ、又は要素の存在又は追加を排除しない。本明細書において使用される用語「及び/又は」は、関連する列挙された項目のうちの1又は2以上のいずれか又はすべての組合せを含む。「a」、「an」、「one」、「the」及び同様の用語は、文中に明確に記載されていない限り、単数及び複数を含む。
【0021】
別途示されない限り、本明細書において使用されるすべての技術的及び科学的用語は、本開示に関連する技術分野に習熟した者によって通常理解される一般的意味を有する。本明細書において使用される用語は、特定の実施形態を説明することを目的としており、本開示を限定するように意図されていない。
【0022】
さらに、本明細書において使用される用語「第1の」、「第2の」、及び「第3の」などは、説明のみを目的としており、類似したオブジェクトを互いに区別するためのものであり、それらのオブジェクトの順序を表さず、相対的な重要度の指示又は示唆としても理解され得ない。加えて、本開示の説明においては、別途明記されない限り、「複数の(a plurality/quantity of)」は、2以上を意味する。
【0023】
本開示の実施形態によって提供されるパルス信号をサンプリングするための方法及びデバイス並びにコンピュータプログラム媒体が、添付の図面を参照して以下で詳細に説明される。
【0024】
図1に示されるように、本開示の実施形態によるパルス信号をサンプリングするための方法が、提供され、方法は、以下のステップを含む。
【0025】
S1:複数の予め設定されたサンプリング閾値に従ってパルス信号の立ち上がりエッジ部分の複数の第1のサンプリング点を収集するステップ。
【0026】
シンチレーション結晶検出器又はガス電離検出器などの放射線検出器からパルス信号を能動的に取得又は受信した後、方法は、多閾値サンプリングによってパルス信号をサンプリングする可能性がある。例えば、方法は、複数の予め設定されたサンプリング閾値に従ってパルス信号の立ち上がりエッジの複数の第1のサンプリング点を順番に収集する可能性がある。特に、まず第1に、方法は、パルス信号の立ち上がりエッジ部分の複数の第1のサンプリング点が決定される可能性があり、振幅、時間などの複数の第1のサンプリング点の関連する情報が記録される可能性もあるように、パルス信号の振幅がパルス信号の立ち上がりエッジ部分において複数の予め設定されたサンプリング閾値に達するときに複数の第1の時間を記録する可能性がある。第1のサンプリング点の各々は、複数の予め設定されたサンプリング閾値のうちの1つ及び予め設定されたサンプリング閾値に対応する第1の時間によって表される可能性がある。例えば、第1のサンプリング点は、(Ti, Mi)によって表される座標を有する可能性があり、Tは時間を表し、Mは振幅を表し、iは正の整数である。
【0027】
パルス信号の立ち上がりエッジ部分において、1つの予め設定されたサンプリング閾値が複数の第1の時間に対応する場合、方法は、複数の第1の時間の中の最大時間及び最小時間の平均値、又は複数の第1の時間の平均値を計算する可能性があり、それから、方法は、計算された平均値を予め設定されたサンプリング閾値に対応する第1の時間として使用する可能性がある。第1の時間は、限定されることなくその他の方法で決定される可能性もある。パルス信号は、電気パルス信号などの電気信号、光信号、音声信号などである可能性がある。予め設定されたサンプリング閾値は、電圧の閾値若しくは電流の閾値などの電気的閾値、又は磁気の閾値、例えば、磁界の強さなどのその他の閾値である可能性がある。予め設定されたサンプリング閾値は、パルス信号の特性、例えば、トリガレベル、パルスの振幅に従って設定される可能性がある。代替的に、予め設定されたサンプリング閾値は、パルス信号の振幅の統計以前の経験的値に従って設定される可能性がある。予め設定されたサンプリング閾値の数は、限定されることなく実際の必要に応じて選択される可能性がある。
【0028】
S2:複数の予め設定されたサンプリング閾値に従ってパルス信号の立ち下がりエッジ部分の複数の第2のサンプリング点を収集するステップ。
【0029】
複数の予め設定されたサンプリング閾値に対応する複数の第1の時間をパルス信号の立ち上がりエッジ部分において決定した後、方法は、パルス信号の立ち下がりエッジ部分に多閾値サンプリングを同じようにして適用する可能性がある。特に、方法は、パルス信号の立ち下がりエッジ部分の複数の第2のサンプリング点が決定される可能性があり、振幅、時間などの複数の第2のサンプリング点の関連する情報が記録される可能性もあるように、パルス信号の振幅がパルス信号の立ち下がりエッジ部分において複数の予め設定されたサンプリング閾値に達するときに複数の第2の時間を記録する可能性がある。第2のサンプリング点の各々は、複数の予め設定されたサンプリング閾値のうちの1つ及び予め設定されたサンプリング閾値に対応する第2の時間によって表される可能性がある。
【0030】
同様に、1つの予め設定されたサンプリング閾値が複数の第2の時間に対応する場合、方法は、複数の第2の時間の中の最大時間及び最小時間の平均値、又は複数の第2の時間の平均値を計算する可能性があり、それから、方法は、計算された平均値を予め設定されたサンプリング閾値に対応する第2の時間として使用する可能性がある。第2の時間は、限定されることなくその他の方法で決定される可能性もある。
【0031】
このステップの詳細に関しては、上記ステップS1を参照することができ、ステップS1はここで詳細に説明されない。
【0032】
S3:予め設定された時間間隔によって第1の又は第2の時間と分けられた第3の時間にパルス信号の第3のサンプリング点を収集するステップ。
【0033】
パルス信号の立ち上がりエッジ部分において複数の予め設定されたサンプリング閾値に対応する複数の第1の時間、又はパルス信号の立ち下がりエッジ部分において複数の予め設定されたサンプリング閾値に対応する複数の第2の時間を決定した後、方法は、サンプリングの正確さを高め、パルス信号の最高振幅の点又は最低振幅の点を決定するのを助けるために時間サンプリング(time-sampling)によってパルス信号をさらにサンプリングする可能性がある。
【0034】
特定の実施形態において、方法は、方法がパルス信号の複数の第1のサンプリング点の後の立ち上がりエッジ部分、ピーク、若しくは立ち下がりエッジ部分において第3のサンプリング点を決定する可能性があり、それから、方法が第3のサンプリング点の振幅、時間などの関連する情報を記録する可能性があるように、予め設定された時間間隔(△)によって(1又は2以上の)較正点の第1の時間と分けられた第3の時間に、パルス信号の第3の時間に対応する応答振幅を決定するために、任意の1又は2以上の第1のサンプリング点、例えば、最後に記録された第1のサンプリング点又は(1若しくは2以上の)その他の第1のサンプリング点を(1又は2以上の)較正点として使用する可能性がある。第3の時間は、第1の時間と予め設定された時間間隔(△)との和である可能性がある。
【0035】
別の特定の実施形態において、方法は、方法がパルス信号の複数の第2のサンプリング点の後の谷又は立ち下がりエッジ部分において第3のサンプリング点を決定する可能性があるように、予め設定された時間間隔(△)によって(1又は2以上の)較正点の第2の時間と分けられた第3の時間に、パルス信号の第3の時間に対応する応答振幅を決定するために、任意の1又は2以上の第2のサンプリング点、例えば、記録された第2のサンプリング点のうちの3番目の第2のサンプリング点又は(1若しくは2以上の)その他の第2のサンプル点を(1又は2以上の)較正点として使用する可能性がある。第3の時間は、第2の時間と予め設定された時間間隔(△)との和である可能性がある。
【0036】
第3のサンプリング点は、好ましくは、パルスの振幅の点、例えば、
(例えば、図3に示されるように)ピークであるが、1又は2以上のその他のデータ点であることも可能である。それぞれの第3のサンプリング点は、1つの第3の時間及び1つの第3の時間に対応する応答振幅によって表される可能性がある。
【0037】
予め設定された時間間隔は、任意に設定される可能性があり、又はサンプリングの効果を高めるために実験によって前もって決定される可能性がある。例えば、ピークが第3のサンプリング点として使用されるとき、予め設定された時間間隔は、以下の方法で決定される可能性があるが、これに限定されない。
(1)前もって複数の(例えば、100,000個の)パルス信号を収集し、パルス信号の各々の立ち上がりエッジ部分の第1のサンプリング点及びパルスの振幅の点(つまり、ピーク)を記録する。
(2)複数のパルス信号の各々に関して、パルスの振幅の点の横座標と選択された較正点の横座標との間の差をそれぞれ計算し、較正点は、第1のサンプリング点のうちの1つである。
(3)ガウス曲線及びフィッティングされたパラメータを取得するために複数の計算された差に対してガウスフィッティングを実行し、ガウスフィッティングの特定のプロセスは、従来技術を参照する可能性がある。
(4)取得されたガウス曲線の離散的な度数を互いに比較し、最適な正規分布に合致するガウス曲線に対応するフィッティングされたパラメータを予め設定された時間間隔として使用する。
【0038】
同様に、谷も、第3のサンプリング点として使用される可能性があり、予め設定された時間間隔が、上述の方法で決定される可能性があるが、この場合、較正点は、複数の第2のサンプリング点のうちの1つである。
【0039】
上述のステップS1~S3は、必ずしも厳密に上述の順序で実行される必要はない。ステップS3及びS1が、代替的な方法で実行される可能性もある。例えば、ステップS1において第1のサンプリング点のうちの最初の第1のサンプリング点を収集した後、方法は、ステップS3を実行する可能性がある。さらに、第3の時間が予め設定された時間間隔によって第1の時間と分けられる場合、ステップS3は、ステップS2の前に実行される可能性があり、又はステップS2に応じて代替的な方法で実行される可能性がある。
【0040】
収集された複数の第1のサンプリング点、複数の第2のサンプリング点、及び第3のサンプリング点が、パルス信号のすべてのサンプリング点を構成する。サンプリング点の関連情報を記録することによって、方法は、振幅、立ち上がり勾配(rising slope)、立ち上がり時間、立ち下がり時間などのパルス信号の特性情報を取得する可能性があり、特性情報は、パルス信号に関するその後の分類及びフィッティングの基礎を提供する可能性がある。
【0041】
以降で、上述のステップの実行プロセスが、電圧の閾値が予め設定されたサンプリング閾値として使用され、収集される9個のサンプリング点が存在する例に具現化される。
【0042】
図2に示されるように、サンプリングが、電圧の閾値に基づいて実行され、4つの予め設定された電圧の閾値(V1、V2、V3、V4)が、パルス信号の立ち上がりエッジ部分において対応する第1の時間(T1、T2、T3、T4)を決定し、それによって、4つの第1のサンプリング点(T1,V1)、(T2,V2)、(T3,V3)、及び(T4,V4)を取得するため、並びにパルス信号の立ち下がりエッジ部分において対応する第2の時間(T5、T6、T7、T8)を決定し、それによって、4つの第2のサンプリング点(T5,V4)、(T6,V3)、(T7,V2)、及び(T8,V1)を取得するために使用される可能性がある。サンプリングは、ある時間間隔で実行され、第3のサンプリング点(T9,V9)が、第1のサンプリング点のうちの4番目の第1のサンプリング点の後に予め設定された時間間隔でサンプリングされる可能性がある。上記の9個のサンプリング点が、パルス信号のすべてのサンプリング点を構成する。
図3において、図に示されるように、3つの予め設定された電圧の閾値(V1、V2、V3)及び7つのサンプリング点(T1,V1)、(T2,V2)、(T3,V3)、(T4,V3)、(T5,V2)、(T6,V1)及び(T7,V7)、並びにピーク(Tp,Vp)がある。
【0043】
本開示の実施形態においては、パルス信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジ部分に対して多閾値サンプリングを実行することによって、及び多閾値サンプリングに加えてある時間間隔でパルス信号をサンプリングすることによって、コストも削減され得るようにハードウェアのエネルギー消費が削減されることが可能でありながら、サンプリングの効率が高められ得ることが上の説明から分かる。サンプリング点のその後の分類の基礎も、提供され得る。さらに、多閾値サンプリングに加えてある時間間隔でパルス信号をサンプリングすることは、元のパルス信号からのさらなる情報を保つ可能性があり、それによって、パルス信号のその後の再構築の難しさを少なくし、パルス信号のその後の再構築の精度を高める。加えて、本開示の実施形態において提供される技術的な解決策を使用することによって、方法は、パルス信号のその後再構築された波形の正確さが高められる可能性があるようにパルス信号の振幅の変動をうまく捕捉する可能性がある。
【0044】
本開示の実施形態の有益な効果が、以下のように特定の例を用いて説明される。
【0045】
図4は、従来技術においてある時間間隔でパルス信号をサンプリングした結果の概略図である。
図5は、従来技術におけるパルス信号に対して多閾値サンプリングを実行した後にパルス信号をフィッティングすることによって取得されたフィッティングされた曲線と実際の測定された曲線との比較の概略図である。
図6は、本開示の実施形態によって提供されるサンプリング方法を使用してパルス信号をサンプリングした後にパルス信号をフィッティングすることによって取得されたフィッティングされた曲線と実際の測定された曲線との比較の概略図である。図において、実線は、実際の測定された曲線を表し、破線は、フィッティングされた曲線を表し、
図5及び6において使用されたフィッティング方法は、同じである。
【0046】
図4を
図6と比較することによって、同じ時間期間内に同じパルス信号をサンプリングするために、本開示の実施形態において提供されるサンプリング方法によって必要とされるサンプリング点の数は、従来技術において時間間隔サンプリング法によって必要とされるサンプリング点の数よりもずっと少ないことが分かる。本開示の実施形態によって提供されるサンプリング方法を使用することによって、方法は、いくつかの(例えば、9つの)サンプリング点を収集することのみを必要とする一方、従来技術の時間間隔サンプリング法を使用することによって、方法は、少なくとも百個のサンプリング点又は数千個のサンプリング点さえも収集することを必要とする。本開示の実施形態によって提供されるサンプリング方法を使用することによって、方法は、必要とされるサンプリング点の数を減らす可能性があり、それによって、サンプリングの効率を高め、コストを削減することが分かる。
【0047】
図5を
図6と比較することによって、従来技術の多閾値サンプリング方法と比較して、本開示の実施形態によって提供されるサンプリング方法を使用することによって、方法は、その後のフィッティングプロセスによって取得されるフィッティングされた曲線を実際の測定された曲線により近くすることができることが分かる。パルス信号のその後再構築された波形の正確さと信号のその後の再構築の精度との両方が、本開示の実施形態において提供されるサンプリング方法を使用して改善される可能性があることが分かる。
【0048】
本開示の実施形態においては、
図7に示されるように、パルス信号をサンプリングするためのデバイスが、提供される。サンプリングデバイスは、複数の予め設定されたサンプリング閾値に従ってパルス信号の立ち上がりエッジ部分の複数の第1のサンプリング点を収集するように構成される可能性がある第1のサンプリングユニット101であって、第1のサンプリング点の各々が、複数の予め設定されたサンプリング閾値のうちの1つ及び予め設定されたサンプリング閾値に対応する第1の時間によって表される、第1のサンプリングユニット101と、複数の予め設定されたサンプリング閾値に従ってパルス信号の立ち下がりエッジ部分の複数の第2のサンプリング点を収集するように構成される可能性がある第2のサンプリングユニット102であって、第2のサンプリング点の各々は、複数の予め設定されたサンプリング閾値のうちの1つ及び予め設定されたサンプリング閾値に対応する第2の時間によって表される、第2のサンプリングユニット102と、予め設定された時間間隔によって第1の又は第2の時間と分けられた第3の時間にパルス信号の第3のサンプリング点を収集するように構成される可能性がある第3のサンプリングユニット103であって、第3のサンプリング点が、第3の時間及び第3の時間に対応する応答振幅によって表される、第3のサンプリングユニット103とを含む可能性がある。
【0049】
シンチレーション結晶検出器又はガス電離検出器などの放射線検出器からパルス信号を能動的に取得又は受信した後、第1のサンプリングユニット101は、第1のサンプリングユニット101がパルス信号の立ち上がりエッジ部分において複数の第1のサンプリング点を決定し、したがって、複数の第1のサンプリング点の関連する情報を記録する可能性があるように、パルス信号の振幅がパルス信号の立ち上がりエッジ部分において複数の予め設定されたサンプリング閾値に達するときに複数の第1の時間を記録する可能性がある。第1のサンプリングユニット101によって第1のサンプリング点を収集した後、第2のサンプリングユニット102は、第2のサンプリングユニット102がパルス信号の立ち下がりエッジ部分において複数の第2のサンプリング点を決定し、したがって、複数の第2のサンプリング点の関連する情報を記録する可能性があるように、パルス信号の振幅がパルス信号の立ち下がりエッジ部分において複数の予め設定されたサンプリング閾値に達するときに複数の第2の時間を記録する可能性がある。第3のサンプリングユニット103は、パルス信号の第3のサンプリング点を決定し、第3のサンプリング点の関連情報を記録するために、予め設定された時間間隔によって第1の又は第2の時間と分けられた第3の時間に、パルス信号の第3の時間に対応する応答振幅を決定する可能性もある。
【0050】
実施形態の詳細な説明に関しては、
図1のサンプリング方法を参照することができ、
図1のサンプリング方法はここで詳細に説明されない。
【0051】
サンプリング方法は、上述のデバイスを使用することによって、パルス信号の立ち上がり及び立ち下がりエッジ部分に対して多閾値サンプリングを実行し、多閾値サンプリングに基づいてある時間間隔でパルス信号をサンプリングする可能性があり、それが、サンプリングの効率を高め、ハードウェアのエネルギー消費を減らし、したがって、コストを削減することが可能であり、サンプリング点のその後の分類のための基礎を提供することも可能性がある。さらに、多閾値サンプリングに基づいてある時間間隔でパルス信号をサンプリングすることは、元のパルス信号のさらなる情報を保つことが可能であり、それによって、パルス信号のその後の再構築の難しさを少なくし、パルス信号のその後の再構築の精度も高める。加えて、本開示の実施形態において提供される技術的な解決策を使用することによって、サンプリング方法は、パルス信号のその後再構築された波形の正確さを高めるためにパルス信号の振幅の変化をうまく捕捉する可能性がある。
【0052】
本開示の実施形態は、
図8に示されるように、パルス信号をサンプリングするためのコンピュータプログラム媒体も提供する。コンピュータプログラム媒体は、命令が記憶されたメモリ201と、メモリ201に結合され、メモリ201に記憶された命令に従って以下の動作、すなわち、複数の予め設定されたサンプリング閾値に従ってパルス信号の立ち上がりエッジ部分の複数の第1のサンプリング点を収集する動作であって、複数の第1のサンプリング点の各々が、複数の予め設定されたサンプリング閾値のうちの1つ及び予め設定されたサンプリング閾値に対応する第1の時間によって表される、動作、複数の予め設定されたサンプリング閾値に従ってパルス信号の立ち下がりエッジ部分の複数の第2のサンプリング点を収集する動作であって、複数の第2のサンプリング点の各々が、複数の予め設定されたサンプリング閾値のうちの1つ及び予め設定されたサンプリング閾値に対応する第2の時間によって表される、動作、並びに予め設定された時間間隔によって第1の又は第2の時間と分けられた第3の時間にパルス信号の第3のサンプリング点を収集する動作であって、第3のサンプル点が、第3の時間及び第3の時間に対応する応答振幅によって表される、動作を実行するように構成される可能性があるプロセッサ202とを含み得る。
【0053】
この実施形態の詳細な説明に関しては、
図1のサンプリング方法を参照することができ、
図1のサンプリング方法はここで詳細に説明されない。
【0054】
本開示の実施形態において提供される上述のサンプリング方法、デバイス、及びコンピュータプログラム媒体は、PET、多電圧閾値(MVT,Multi-Voltage Threshold)などの分野に適用されることに限定されず、パルス信号をサンプリングすることを必要とする任意の分野に適用される可能性もあることに留意されたい。
【0055】
上述の実施形態において説明されたデバイス、ユニットなどは、特に、コンピュータチップ及び/若しくはエンティティによって実装されるか、又は特定の機能を有する製品によって実装される可能性がある。便宜上の目的のために、デバイスの異なる機能ユニットの説明が、それぞれなされている。もちろん、本開示を実装するときに、個々のユニットの機能が、同じ1又は2以上のコンピュータチップに具現化される可能性がある。
【0056】
上述の実施形態又はフローチャートに記載された方法のステップが本開示において提供されるが、より多くの又はより少ないステップが、通常の又は定型的な作業と共に方法に含まれる可能性がある。必然的な因果関係が論理的に存在しないステップの実行順序は、本開示の実施形態において提供される実行順序に限定されない。
【0057】
各実施形態の説明がその他の実施形態との違いに焦点をあてながら、本明細書のさまざまな実施形態が、さまざまな実施形態にまたがって参照される同じ又は同様の部分を用いて漸進的に説明されている。
【0058】
上述の実施形態は、当業者が本開示を理解し、実施することを容易にするために説明されている。創造的な仕事なしにこれらの実施形態にさまざまな修正を行い、本明細書において説明された全体的な原理を適用することも、当業者に明らかである。したがって、本開示は、上述の実施形態に限定されず、本開示の範囲を逸脱することなく本開示に基づいて当業者によってなされる改良及び修正は、本開示の保護範囲に入る。