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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-19
(45)【発行日】2023-04-27
(54)【発明の名称】横引き窓及び横引き窓の下枠
(51)【国際特許分類】
   E06B 7/14 20060101AFI20230420BHJP
【FI】
E06B7/14
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021083438
(22)【出願日】2021-05-17
(65)【公開番号】P2021188502
(43)【公開日】2021-12-13
【審査請求日】2021-05-17
(31)【優先権主張番号】109118642
(32)【優先日】2020-06-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】520343043
【氏名又は名称】上田▲りょ▼業有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】呉律謙
【審査官】素川 慎司
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-051534(JP,A)
【文献】実開平04-079197(JP,U)
【文献】特開2002-256778(JP,A)
【文献】特開平08-128276(JP,A)
【文献】実開昭57-192398(JP,U)
【文献】特開2000-064733(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 7/00 - 7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物に配置される横引き窓において、下枠を有する枠体と、内側窓と、外側窓とを含み、
前記下枠は、第1の通路、第1の穿孔、少なくとも一つの第2の穿孔及び第1のスライドレールを有する第1のレールと、第2のスライドレールを有する第2のレールとを含み、前記第1の穿孔及び前記少なくとも一つの第2の穿孔は、それぞれ前記建物の外部空間及び前記第1の通路と連通しており、前記第1のスライドレールが前記建物の屋内側に寄った位置に配置されており、前記第2のスライドレールが前記建物の屋外側に寄った位置に配置されており、且つ前記下枠の底部に対して、前記第1のスライドレールは前記第2のスライドレールよりも高い位置に配置されており、
前記内側窓は前記第1のスライドレールに配置されており、前記外側窓は第2のスライドレールに配置されており、前記内側窓及び前記外側窓は、それぞれ前記第1のスライドレール及び前記第2のスライドレールに、第1の位置と第2の位置との間に平行に移動可能であり、
前記枠体はウィンドウを有し、前記内側窓は第1の縦面を有し、前記外側窓は第2の縦面を有し、前記内側窓が前記第1の位置に位置すると共に、前記外側窓が前記第2の位置に位置すると、前記内側窓及び前記外側窓は前記ウィンドウを遮蔽し、前記第1の縦面が前記第2の縦面の上段と互いに対向し、前記第1の穿孔が前記第2の縦面の下段と互いに対向し、
前記第1のレールは、第1の縦板、第2の縦板、第1の横板及び第2の横板を含み、前記第1の横板の両端は、それぞれ前記第1の縦板及び前記第2の縦板に接続されており、前記第2の横板の両端は、それぞれ前記第1の縦板及び前記第2の縦板に接続されていることにより、前記第1の縦板、前記第2の縦板、前記第1の横板及び前記第2の横板は前記第1の通路を形成するように囲んでおり、前記第1の縦板は、前記第2の縦板に対して屋外側に近いところに位置し、前記第1の穿孔及び前記少なくとも一つの第2の穿孔は、前記第1の縦板に設けられており、
前記第1の横板は、少なくとも一つの第3の穿孔を有し、前記内側窓が前記第1の位置に位置すると、前記少なくとも一つの第3の穿孔が前記内側窓の底部の下に位置し、前記第1の通路及び前記内側窓の底部と前記第1の横板との間の空間と連通しており、
前記内側窓及び前記外側窓は、それぞれ窓を取り付けるための取付溝を有し、前記取付溝の溝底は少なくとも一つの排気孔を有し、
前記内側窓及び前記外側窓は、それぞれ内部通路及び底部気孔を有し、前記内部通路は、前記少なくとも一つの排気孔及び前記底部気孔と連通しており、前記外側窓の前記底部気孔は、前記建物の外部空間と連通しており、前記内側窓が前記第1の位置に位置すると、前記内側窓の前記底部気孔は、前記内側窓の底部と前記第1の横板との間の空間と連通しており、
前記取付溝の溝底は、上溝面と、前記上溝面と対向に配置された下溝面と、左溝面と、前記左溝面と対向に配置された右溝面とを有し、前記上溝面は、前記下溝面に対して前記下枠の底部から離れる位置に配置されており、前記少なくとも一つの排気孔の数は複数であり、前記下溝面、前記左溝面及び前記右溝面には、それぞれ前記複数の排気孔の少なくとも一つが配置されている
横引き窓。
【請求項2】
前記下枠の底部に対して、前記第1の横板は、前記第2の横板よりも高い位置に配置されており、
前記第1の横板の上面には前記第1のスライドレールを有し、前記第2のレールは前記第1の縦板に接続される第3の横板を含み、前記第3の横板の上面には前記第2のスライドレールを有し、前記第1の横板は、前記下枠の底部に対して、前記第3の横板よりも高い位置に配置されており、前記第1の縦板は、前記第1の横板と前記第3の横板との間に位置し、前記第1のレールは、前記第1の縦板に接続される第4の横板を含み、前記内側窓が前記第1の位置に位置するとともに、前記外側窓が前記第2の位置に位置すると、前記第4の横板、前記外側窓の屋内側に近接する内側面、前記第3の横板及び前記第1の縦板は、前記建物の外部空間と連通する第2の通路を形成するように囲んでいる
請求項に記載の横引き窓。
【請求項3】
前記第1の縦板は左側端、右側端、第1の区切り部及び第2の区切り部を含み、前記第1の穿孔から前記左側端までの部分を前記第1の区切り部と定義し、前記第1の穿孔から前記右側端までの部分を前記第2の区切り部と定義し、前記内側窓が前記第1の位置に位置するとともに、前記外側窓が前記第2の位置に位置すると、前記内側窓は、前記外側窓に対して前記左側端に近接するところに位置し、前記外側窓が前記内側窓に対して前記右側端に近接するところに位置し、前記少なくとも一つの第2の穿孔が前記第1の区切り部に設けられている
請求項に記載の横引き窓。
【請求項4】
前記少なくとも一つの第2の穿孔の数は複数であり、前記複数の第2の穿孔は、少なくとも一つが前記第1の区切り部に設けられ、且つ少なくとも一つが前記第2の区切り部に設けられ、前記第2の区切り部に設けられた前記第2の穿孔は、前記第1の通路及び前記第2の通路と連通している
請求項に記載の横引き窓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は横引き窓に関し、特に排水・圧力逃がし可能な横引き窓及び横引き窓の下枠に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の横引き窓は、操作が容易であり、且つ窓が開けているときに占るスペースが開き窓よりも少ないため、広く採用されている。一般に、横引き窓は、枠体及び2つの窓を含み、枠体に互に平行する二つのレールが配置され、2つの窓が互いにずらして平行に対向移動できるように該レールに配置される。2つの窓を押したり引いたりすることで、2つの窓を枠体のレールを横に移動させる。これによって、2つの窓と枠体との間の密閉によって屋外側の風雨を屋内側の空間に入ることを避ける。
【0003】
しかしながら、風雨が強すぎると、屋外側の圧力が屋内側の圧力より高くなり、圧力差が生じやすくなる。この圧力差により、風雨が枠体と2つの窓との間の隙間または2つの窓の間の隙間から屋内側の空間に浸透するおそれがある。例えば、2つの窓が枠体のウィンドウを遮蔽する位置に位置すると、2つの窓の重なり箇所の底部と枠体との間の繋ぎ部に風圧による風雨の浸透を完全に遮断できないことがあり、風雨が隙間から屋内に浸透するか、又は強い風圧により屋内に吹き込まれる。その結果、屋内の湿気や水漏れが発生することがある。従って、従来の横引き窓は、まだ改善が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これを鑑みて、本発明の目的は、排水・圧力逃がし可能な横引き窓を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明の横引き窓は、建物に配置され、下枠を有する枠体と、内側窓と、外側窓とを含み、前記下枠は、第1の通路、第1の穿孔、少なくとも一つの第2の穿孔及び第1のスライドレールを有する第1のレールと、第2のスライドレールを有する第2のレールとを含み、前記第1の穿孔及び前記少なくとも一つの第2の穿孔は、それぞれ前記建物の外部空間及び前記第1の通路と連通しており、前記第1のスライドレールが前記建物の屋内側に寄った位置に配置されており、前記第2のスライドレールが前記建物の屋外側に寄った位置に配置されており、且つ前記下枠の底部に対して、前記第1のスライドレールは前記第2のスライドレールよりも高い位置に配置されており、前記内側窓は前記第1のスライドレールに配置されており、前記外側窓は第2のスライドレールに配置されており、前記内側窓及び前記外側窓は、それぞれ前記第1のスライドレール及び前記第2のスライドレールに、第1の位置と第2の位置との間に平行に移動可能であり、前記枠体はウィンドウを有し、前記内側窓は第1の縦面を有し、前記外側窓は第2の縦面を有し、前記内側窓が前記第1の位置に位置すると共に、前記外側窓が前記第2の位置に位置すると、前記内側窓及び前記外側窓は前記ウィンドウを遮蔽し、前記第1の縦面が前記第2の縦面の上段と互いに対向し、前記第1の穿孔が前記第2の縦面の下段と互いに対向する。
【0006】
本発明は、建物に配置され、内側窓及び外側窓を配置するための横引き窓の下枠を更に提供する。前記横引き窓の下枠は、上枠とともにウィンドウを形成するように囲んでおり、前記内側窓は第1の縦面を有し、前記外側窓は第2の縦面を有し、前記横引き窓の下枠は、第1の通路、第1の穿孔、少なくとも一つの第2の穿孔及び第1のスライドレールを有する第1のレールと、第2のスライドレールを有する第2のレールとを含み、前記第1の穿孔及び前記少なくとも一つの第2の穿孔は、それぞれ前記建物の外部空間及び前記第1の通路と連通しており、前記第1のスライドレールが前記建物の屋内側に寄った位置に配置されており、前記第2のスライドレールが前記建物の屋外側に寄った位置に配置されており、且つ前記横引き窓の下枠の底部に対して、前記第1のスライドレールは前記第2のスライドレールよりも高い位置に配置されており、前記内側窓は、前記第1のスライドレールに配置されており、前記外側窓は、第2のスライドレールに配置されており、前記内側窓及び前記外側窓は、それぞれ前記第1のスライドレール及び前記第2のスライドレールに、第1の位置と第2の位置との間に平行に移動可能であり、前記内側窓が前記第1の位置に位置すると共に、前記外側窓が前記第2の位置に位置すると、前記内側窓及び前記外側窓は前記ウィンドウを遮蔽し、前記第1の縦面が前記第2の縦面の上段と互いに対向し、前記第1の穿孔が前記第2の縦面の下段と互いに対向する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、屋外側に大きい風圧を受ける場合、建物の外部空間の気流が前記下枠の前記第1の穿孔から前記第1の通路に入り、前記少なくとも一つの第2の穿孔から排出されるか、または前記少なくとも一つの第2の穿孔から前記下枠の前記第1の通路に入り、前記第1の穿孔から排出される。これによって、前記横引き窓が屋外側に受ける風圧を迅速に分散させることができる。このように、従来の横引き窓の隙間からの風圧による風雨の浸透を完全に遮断できず、風雨が隙間から屋内に浸透し、又は強い風圧により屋内に吹き込まれるという問題を改善することができる。更に、前記第1の穿孔の配置位置によって、前記内側窓と前記外側窓とが重なる箇所の底部と前記下枠との間の繋ぎ部の風圧を迅速に分散させる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の好ましい実施形態に係る横引き窓の斜視図である。
図2】前記好ましい実施形態に係る横引き窓の一部構成を示す分解図である。
図3】前記好ましい実施形態に係る枠体の一部構成を示す分解図である。
図4】前記好ましい実施形態に係る下枠の斜視図である。
図5図4の正面図である。
図6】前記好ましい実施形態に係る横引き窓の正面図である。
図7図6の7-7線の断面図である。
図8図6の8-8線の断面図である。
図9図6の9-9線の断面図である。
図10】前記好ましい実施形態に係る下枠的上面図である。
図11】前記好ましい実施形態に係る横引き窓の斜視図である。
図12】前記好ましい実施形態に係る横引き窓の斜視図である。
図13図6の13-13線の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明をより明確に説明するために、図面を参照しながら好ましい実施形態を詳細に説明する。図1図13は本発明の好ましい実施形態に係る建物に配置される横引き窓1を示した。図1図3に示すように、前記横引き窓1は、上枠12及び下枠14を有する枠体10と、内側窓20と、外側窓30とを含み、前記横引き窓1の前記下枠14は、前記上枠12とともに前記枠体10のウィンドウWを形成するように囲まれる。
【0010】
図4及び図5を参照すると、前記下枠14は、第1のレールA1及び第2のレールA2を含み、前記第1のレールA1は、第1の通路T1、第1の穿孔14a、二つの第2の穿孔14b及び第1のスライドレール141を含み、前記第2のレールA2は第2のスライドレール142を有する。前記第1の穿孔14a及び前記第2の穿孔14bは、それぞれ前記建物の外部空間及び前記第1の通路T1に連通している。これによって、屋外側に大きい風圧を受ける場合、前記建物の外部空間の気流が前記下枠14の前記第1の穿孔14aから前記第1の通路T1に入り、前記第2の穿孔14bの少なくとも一つから排出され、または前記第2の穿孔14bの少なくとも一つから前記下枠14の前記第1の通路T1に入り、前記第1の穿孔14aから排出される。これによって、前記横引き窓1が屋外側に受ける風圧を迅速に分散させることができる。このように、前記横引き窓1の前記下枠14の設計によって、従来の横引き窓の隙間からの風圧による風雨の浸透を完全に遮断できず、風雨が隙間から屋内に浸透し、又は強い風圧により屋内に吹き込まれるという問題を改善することができる。
【0011】
図4及び図5を参照すると、前記第1のスライドレール141及び前記第2のスライドレール142が互いに平行に配置されている。前記第1のスライドレール141が前記建物の屋内側に寄った位置に配置されており、前記第2のスライドレール142が前記建物の屋外側に寄った位置に配置されており、且つ前記下枠14の底部14cに対して、前記第1のスライドレール141は前記第2のスライドレール142よりも高い位置に配置されている。前記内側窓20は前記第1のスライドレール141に配置されており、前記外側窓30は第2のスライドレール142に配置されている。図6に示すように、前記内側窓20及び前記外側窓30は、それぞれ前記第1のスライドレール141及び前記第2のスライドレール142に、第1の位置P1と第2の位置P2との間に平行に移動可能である。
【0012】
図7を参照すると、前記内側窓20は、第1の縦面201を有し、前記外側窓30は第2の縦面301を有し、前記内側窓20が前記第1の位置P1に位置すると共に、前記外側窓が前記第2の位置P2に位置すると、前記内側窓20及び前記外側窓30は前記ウィンドウWを遮蔽し、前記第1の縦面201が前記第2の縦面301の上段301aと互いに対向し、前記第1の穿孔14aが前記第2の縦面301の下段301bと互いに対向する。即ち、前記第1の穿孔14aは、前記内側窓20と前記外側窓30とが重なる部分の底部と、前記下枠14との間の繋ぎ部に近接する位置に設けられる。これによって、前記第1の穿孔14aの配置位置によって、前記内側窓20と前記外側窓30との重なる部分の底部と前記下枠14との間の繋ぎ部の風圧を迅速に分散させることができる。
【0013】
図4図7及び図8を参照すると、前記下枠14の前記第1のレールA1は、第1の縦板143、第2の縦板144、第1の横板145及び第2の横板146を含み、前記第2のレールA2は、第3の横板147を含む。前記第1の縦板143は、前記第2の縦板144に対して屋外側に近いところに位置し、前記下枠14の底部14cに対して、前記第1の横板145は前記第2の横板146よりも高い位置に配置されている。前記第1の横板145の両端は、それぞれ前記第1の縦板143及び前記第2の縦板144に接続されている。前記第2の横板146の両端は、それぞれ前記第1の縦板143及び前記第2の縦板144に接続されている。これによって、前記第1の縦板143、前記第2の縦板144、前記第1の横板145及び前記第2の横板146は前記第1の通路T1を形成するように囲んでいる。
【0014】
図8に示すように、前記第1のレールA1は、第4の横板148を含み、前記第4の横板148と前記第1の横板145とは、それぞれ前記第1の縦板143の背向する二つの表面に接続され、且つ前記第4の横板148と前記第1の横板145とは互いにほぼ平行に配置されており、前記内側窓20が前記第1の位置P1に位置するとともに、前記外側窓30が前記第2の位置P2に位置すると、前記第4の横板148、前記外側窓30の屋内側に近接する内側面302、前記第3の横板147及び前記第1の縦板143は、前記建物の外部空間と連通する第2の通路T2を形成するように囲む。しかも、気密効果を向上させるように、前記第4の横板148の、前記外側窓30の屋内側に近接する内側面302に接続される側に、ゴム製シール条50が配置されている。
【0015】
図5を参照すると、前記第1の穿孔14aは前記第1の縦板143に設けられている。前記第1の縦板143は、左側端L、右側端R、第1の区切り部D1及び第2の区切り部D2を含む。前記第1の穿孔14aから前記左側端までの部分を前記第1の区切り部D1と定義し、前記第1の穿孔14aから前記右側端Rまでの部分を前記第2の区切り部D2と定義し、前記内側窓20が前記第1の位置P1に位置するとともに、前記外側窓30が前記第2の位置P2に位置すると、前記内側窓20は、前記外側窓30に対して、前記左側端Lに近接するところに位置し、前記外側窓30は、前記内側窓20に対して前記右側端Rに近接するところに位置する。前記二つの第2の穿孔14bの一方は前記第1の区切り部D1に設けられており、他方は前記第2の区切り部D2に設けられると共に前記第1の通路T1及び前記第2の通路T2と連通している。即ち、図7及び図9に示すように、前記第1の通路T1は、前記第1の穿孔14a及び前記第1の区切り部D1に設けられる前記第2の穿孔14bを介して屋外側の外部空間と連通している。更に、図8に示すように、前記第1の通路T1は、前記第2の区切り部D2に設けられる前記第2の穿孔14bを介して前記第2の通路T2と連通することによって、前記屋外側の外部空間と連通する。このように、気流または水流を流れるための複数の異なる経路を提供することができる。
【0016】
本実施形態において、第2の穿孔14bの数は二つである例として説明したが、実際の必要に応じて、前記第1の区切り部D1又は前記第2の区切り部D2に一つの第2の穿孔を設けても、前記第1の区切り部D1、前記第2の区切り部D2又は前記第1の区切り部D1及び前記第2の区切り部D2の両方に三つ以上の第2の穿孔を設けてもよい。この場合、前記横引き窓1が屋外側に大きい風圧を受けると、気流を前記下枠14の前記第1の穿孔14aから前記第1の通路T1に導入して第2の穿孔14bから排出し、または第2の穿孔14bから前記下枠14の前記第1の通路T1に導入し前記第1の穿孔14aから排出することもできる。
【0017】
図4を参照すると、前記第1の横板145の上面には、前記第1のスライドレール141を有し、前記第3の横板147の上面には、前記第2のスライドレール142を有し、前記第3の横板147が前記第1の縦板143と接続されている。前記第1の横板145は、前記下枠14の底部14cに対して、前記第3の横板147よりも高い位置に配置されており、且つ前記第1の縦板143は、前記第1の横板145と前記第3の横板147との間に配置されている。即ち、前記内側窓20は、前記下枠14の底部14cに対して、前記外側窓30によりも高い位置に配置されており、且つ前記第1の縦板143に設けられた前記第1の穿孔14a及び前記第2の穿孔14bは、図6に示すように、前記内側窓20と前記外側窓30との段差部に設けられている。このように、前記横引き窓1が屋外側に大きい風圧を受ける場合、前記建物の外部空間の気流が、前記第1の縦板143における前記第1の穿孔14aから前記第1の通路T1に入り、前記第2の穿孔14bから排出され、または前記第2の穿孔14bから前記下枠14の前記第1の通路T1に入り、前記第1の穿孔14aから排出される。これによって、前記横引き窓1の屋外側に受ける風圧を迅速に分散させることができる。
【0018】
図10に示すように、前記第1の横板145は、二つの第3の穿孔14dを有する。図7及び図8を参照すると、前記内側窓20が前記第1の位置P1に位置すると、前記第3の穿孔14dが前記内側窓20の底部の下に位置し、前記第1の通路T1及び前記内側窓20の底部と、前記第1の横板145との間の空間と連通している。これによって、前記第1の横板145の上面の滞留水が前記第3の穿孔14dから前記第1の通路T1に入り、前記第1の穿孔14a又は前記第2の穿孔14bの少なくとも一つから排出される。更に、前記下枠14は、屋外側の圧力を分散するために前記第1の通路T1に連通する前記第1の穿孔14a及び前記第2の穿孔14bを有するので、屋外側の風雨が前記第3の穿孔14dから前記内側窓20の底部と前記第1の横板145との間の空間を介して屋内に浸透することはない。本実施形態において、第3の穿孔14dは二つであり、且つそれぞれ前記内側窓20の底部の下の両側に設けられることを例として説明したが、他の実施形態では、前記第1の横板の上面の滞留水を排出することができると、第3の穿孔の数が一つでも三つ以上でもよい。
【0019】
図11図13を参照すると、前記内側窓20及び前記外側窓30は、それぞれ窓を取り付けるための取付溝202、303を有し、前記取付溝202、303の溝底は、上溝面と、上溝面と対向に配置された下溝面202b、303bと、左溝面202c、303cと、左溝面202c、303cと対向に配置された右溝面202d、303dと、を有する。前記上溝面は、前記下溝面202b、303bに対して前記下枠14の底部14cから離れる位置に配置されており、前記取付溝202、303の溝底は、複数の排気孔20a、30aを有する。前記下溝面202b、303b、前記左溝面202c、303c及び前記右溝面202d、303dには、それぞれ二つの排気孔20a、30aが配置されている。前記上溝面には排気孔20a、30aが配置せずに、前記内側窓20及び前記外側窓30は、それぞれ内部通路20b、30b及び底部気孔20c、30cを有する。前記内部通路20b、30bは、それぞれ前記内側窓20及び前記外側窓30の外枠で囲んで形成されているものであり、前記排気孔20a、30a及び前記底部気孔20c、30cと連通している。前記外側窓30の前記底部気孔30cは前記建物の外部空間と連通している。前記内側窓20が前記第1の位置P1に位置すると、前記内側窓20の前記底部気孔20cは前記内側窓20の底部と前記第1の横板145との間の空間と連通している。
【0020】
このように、前記取付溝202、303の溝面の滞留水または水気は前記排気孔20a、30aを介して前記内側窓20または前記外側窓30の前記内部通路20b、30bに入り、底部気孔20c、30cから排出され、且つ前記内側窓20の底部気孔20cから排出された滞留水または水気は、前記第3の穿孔14dを介して前記第1の通路T1に入り、前記第1の穿孔14aまたは前記第2の穿孔14bの少なくとも一つから排出される。これによって、従来の取付溝に排気孔が設けられないため湿気によるカビや細菌が繁殖しやすいという問題を改善することができる。本実施形態において、前記下溝面202b、303b、前記左溝面202c、303c及び前記右溝面202d、303dにそれぞれ二つの排気孔を設けたことを例として説明したが、実際の必要に応じて、前記下溝面202b、303b、前記左溝面202c、303c及び前記右溝面202d、303dにそれぞれ1つまたは2つ以上の通排気孔を設けても、滞留水または水気を排除する効果を達成できる。
【0021】
本発明は、更に横引き窓の下枠、すなわち上述の実施形態において説明した前記下枠14を提供し、ここでは繰り返し説明しない。
【0022】
上述したものは本発明の好ましい実行可能な実施形態に過ぎず、本発明の明細書及び特許請求の範囲の均等変化はすべて、本発明の特許請求の範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0023】
1:横引き窓
10:枠体
12:上枠
14:下枠
141:第1のスライドレール
142:第2のスライドレール
143:第1の縦板
144:第2の縦板
145:第1の横板
146:第2の横板
147:第3の横板
148:第4の横板
14a:第1の穿孔
14b:第2の穿孔
14c:底部
14d:第3の穿孔
20:内側窓
201:第1の縦面
30:外側窓
301:第2の縦面
301a:上段
301b:下段
302:内側面
202、303:取付溝
202b、303b:下溝面
202c、303c:左溝面
202d、303d:右溝面
20a、30a:排気孔
20b、30b:内部通路
20c、30c:底部気孔
50:ゴム製シール条
D1:第1の区切り部
D2:第2の区切り部
L:左側端
P1:第1の位置
P2:第2の位置
R:右側端
T1:第1の通路
T2:第2の通路
W:ウィンドウ
A1:第1のレール
A2:第1のレール
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図13