IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三星電子株式会社の特許一覧

特許7265853ビアアレイを含む集積回路、及びそれを製造するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-19
(45)【発行日】2023-04-27
(54)【発明の名称】ビアアレイを含む集積回路、及びそれを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/82 20060101AFI20230420BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20230420BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20230420BHJP
   H01L 23/522 20060101ALI20230420BHJP
   H01L 21/822 20060101ALI20230420BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20230420BHJP
【FI】
H01L21/82 W
H01L21/90 A
H01L21/88 Z
H01L27/04 D
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2018197321
(22)【出願日】2018-10-19
(65)【公開番号】P2019080057
(43)【公開日】2019-05-23
【審査請求日】2021-10-19
(31)【優先権主張番号】10-2017-0136613
(32)【優先日】2017-10-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2018-0055045
(32)【優先日】2018-05-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】金 容徳
【審査官】市川 武宜
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-184950(JP,A)
【文献】特開2012-004574(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0211212(US,A1)
【文献】特開2001-015602(JP,A)
【文献】特開2017-069513(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3205
H01L 21/768
H01L 21/82
H01L 21/822
H01L 23/522
H01L 27/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1水平方向に相互平行に延長される第1トラック上の導電パターンのうち、第1導電パターンを含む第1導電層と、
第2水平方向に相互平行に延長される第2トラック上の導電パターンのうち、第2導電パターン及び第3導電パターンを含む第2導電層と、
前記第1水平方向に相互平行に延長される第3トラック上の導電パターンのうち、第4導電パターンを含む第3導電層と、
前記第1導電パターンの上面にそれぞれ連結され、前記第2導電パターン及び第3導電パターンの下面にそれぞれ連結される、第1ビア及び第2ビアを含む第1ビアアレイと、
前記第2導電パターン及び前記第3導電パターンの上面にそれぞれ連結され、前記第4導電パターンの下面にそれぞれ連結される、第3ビア及び第4ビアを含む第2ビアアレイと、を含み、
前記第2導電層は、
前記第2導電パターンと前記第3導電パターンとの間の第2トラックに整列され、前記第2水平方向に延長され、前記第2導電パターン及び前記第3導電パターンと分離された導電パターン、
をさらに含
前記第1トラックのピッチは、前記第3トラックのピッチと異なる、
ことを特徴とする集積回路。
【請求項2】
前記第1ビアと前記第2ビアとの間のピッチ、及び前記第3ビアと前記第4ビアとの間のピッチは、前記第2トラックピッチの倍数であることを特徴とする請求項1に記載の集積回路。
【請求項3】
前記第1導電層は、前記第1トラック上の前記導電パターンのうち、第5導電パターンをさらに含み、
前記第1ビアアレイは、
前記第5導電パターンの上面にそれぞれ連結され、前記第2導電パターン及び前記第3導電パターンの下面にそれぞれ連結される、第5ビア及び第6ビア、
をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の集積回路。
【請求項4】
前記第1ビアと前記第5ビアとの間ピッチ、及び前記第2ビアと前記第6ビアとの間ピッチは、前記第1トラックのピッチの倍数であることを特徴とする請求項3に記載の集積回路。
【請求項5】
前記第3導電層は、前記第3トラック上の前記導電パターンのうち、第6導電パターンをさらに含み、
前記第2ビアアレイは、
前記第2導電パターン及び前記第3導電パターンの上面にそれぞれ連結され、前記第6導電パターンの下面にそれぞれ連結される、第7ビア及び第8ビア、
をさらに含む、ことを特徴とする請求項1に記載の集積回路。
【請求項6】
前記第3ビアと前記第7ビアとの間ピッチ、及び前記第4ビアと前記第8ビアとの間ピッチは、前記第3トラックのピッチの倍数であることを特徴とする請求項5に記載の集積回路。
【請求項7】
前記第2水平方向に相互平行に延長される第4トラック上の導電パターンのうち、第7導電パターンを含む第4導電層と、
前記第4導電パターンの上面にそれぞれ連結され、前記第7導電パターンの下面に連結された複数のビアを含む第3ビアアレイと、をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の集積回路。
【請求項8】
前記第7導電パターンの前記第1水平方向の長さは、前記第3ビアアレイの前記複数のビア間のピッチより大きいことを特徴とする請求項7に記載の集積回路。
【請求項9】
前記第導電層の下面下に複数のトランジスタをさらに含み、
前記第1ビアアレイ及び前記第2ビアアレイは、前記複数のトランジスタのうち少なくとも1つのソースに電源電圧を供給するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の集積回路。
【請求項10】
前記第導電層の下面下に配列された複数の標準セルをさらに含み、
前記第1ビアアレイ及び前記第2ビアアレイは、前記複数の標準セルに電力を供給するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の集積回路。
【請求項11】
第1水平方向に相互平行に延長される第1トラック上の導電パターン、及び前記第1水平方向に延長される第1導電パターンを含む第1導電層と、
第2水平方向に相互平行に延長される第2トラック上の導電パターン、前記第2水平方向に延長される第2導電パターン及び第3導電パターンを含む第2導電層と、
前記第1水平方向に相互平行に延長される第3トラック上の導電パターン、及び前記第1水平方向に延長される第4導電パターンを含む第3導電層と、
前記第1導電パターンの上面にそれぞれ連結され、前記第2導電パターン及び第3導電パターンの下面のうち少なくとも一つにそれぞれ連結される、ビアを含む第1ビアアレイと、
前記第2導電パターン及び前記第3導電パターンの上面のうち少なくとも一つにそれぞれ連結され、前記第4導電パターンの下面にそれぞれ連結される、ビアを含む第2ビアアレイと、を含み、
前記第1ビアアレイの前記ビアは、前記第1トラック及び前記第2トラックが、平面視交差する地点に配置され、
前記第2ビアアレイの前記ビアは、前記第2トラック及び前記第3トラックが、平面視交差する地点に配置され
前記第1トラックのピッチは、前記第3トラックのピッチと異なる、
ことを特徴とする集積回路。
【請求項12】
前記第2導電層は、
前記第2導電パターンと前記第3導電パターンとの間の第2トラックに整列され、前記第2水平方向に延長され、前記第2導電パターン及び前記第3導電パターンと分離された導電パターン、
をさらに含む、ことを特徴とする請求項11に記載の集積回路。
【請求項13】
前記第1導電層は、前記第1水平方向に延長される第5導電パターンをさらに含み、
前記第1ビアアレイは、
前記第5導電パターンの上面にそれぞれ連結され、前記第2導電パターン及び前記第3導電パターンの下面のうち少なくとも一つにそれぞれ連結され、前記第1トラック及び前記第2トラックが、平面視交差する地点に配置されるビア、
をさらに含む、ことを特徴とする請求項11に記載の集積回路。
【請求項14】
前記第3導電層は、前記第1水平方向に延長される第6導電パターンをさらに含み、
前記第2ビアアレイは、
前記第2導電パターン及び前記第3導電パターンの上面のうち少なくとも一つにそれぞれ連結され、前記第6導電パターンの下面にそれぞれ連結され、前記第2トラック及び前記第3トラックが、平面視交差する地点に配置されるビア、
をさらに含む、ことを特徴とする請求項11に記載の集積回路。
【請求項15】
集積回路を製造するための方法であって、
セルライブラリー及び前記集積回路を定義する入力データに基いて、複数の標準セルを配置してルーティングする段階を含み、
前記配置してルーティングする段階は、前記複数の標準セルのパワーレール及びパワーメッシュを相互接続するためのビアスタックを付加する段階を含み、
前記ビアスタックを付加する段階は、相互隣接した導電層間において、前記導電層のトラックが、平面視交差する地点にビアを配置する段階を含み、
前記導電層は、
第1水平方向に相互平行に延長される第1トラック上の導電パターンのうち、第1導電パターンを含む第1導電層と、
第2水平方向に相互平行に延長される第2トラック上の導電パターンのうち、第2導電パターン及び第3導電パターンを含む第2導電層と、
前記第1水平方向に相互平行に延長される第3トラック上の導電パターンのうち、第4導電パターンを含む第3導電層と、
を含み、
前記ビアスタックは、
前記第1導電パターンの上面にそれぞれ連結され、前記第2導電パターン及び第3導電パターンの下面にそれぞれ連結される、第1ビア及び第2ビアを含む第1ビアアレイと、
前記第2導電パターン及び前記第3導電パターンの上面にそれぞれ連結され、前記第4導電パターンの下面にそれぞれ連結される、第3ビア及び第4ビアを含む第2ビアアレイと、を含み、
前記第1トラックのピッチは、前記第3トラックのピッチと異なる、
ことを特徴とする集積回路を製造するための方法。
【請求項16】
前記配置してルーティングする段階は、前記ビアスタックを貫通し、前記ビアスタックと絶縁された導電パターンを生成する段階をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の集積回路を製造するための方法。
【請求項17】
前記ビアスタックを付加する段階は、バータイプビアの長さに基いて、ビアアレイを配置する段階をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の集積回路を製造するための方法。
【請求項18】
前記配置してルーティングする段階は、前記集積回路のレイアウトを定義するレイアウトデータを生成する段階を含み、
前記レイアウトデータに基いて作製されたマスクを使用し、前記ビアスタックをパターニングする段階をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載の集積回路を製造するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路に係り、詳細には、ビアアレイを含む集積回路、及びそれを製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体工程の微細化により、集積回路に含まれるパターンは、低減された幅及び/または厚みを有し、それにより、パターンで発生するIRドロップ(drop)の影響が増大する。異なる導電層に形成された導電パターン間のIRドロップを緩和するために、複数のビア(via)を含むビアアレイが使用される。該ビアアレイに含まれたビアは、設計規則を守るように離隔され、ビアと連結された導電パターンは、ビアオーバーラップ(overlap)とも呼ばれるさらなる面積を含んでしまう。それにより、ビアアレイに起因するビア及びビアオーバーラップは、集積回路のレイアウトにおいて、経路制御可能性(routability)を阻害し、ルーティング混雑を誘発してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする課題は、ビアアレイを含む集積回路に係り、向上した経路制御可能性を提供するビアアレイ、それを含む集積回路、及び集積回路を製造するための方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
前述のような目的を達成するために、本開示の技術的思想の一側面による集積回路は、第1水平方向に相互平行に延長される第1トラック上の導電パターンのうち第1導電パターンを含む第1導電層、第2水平方向に相互平行に延長される第2トラック上の導電パターンのうち第2導電パターン及び第3導電パターンを含む第2導電層、第1水平方向に相互平行に延長される第3トラック上の導電パターンのうち第4導電パターンを含む第3導電層、第1導電パターンの上面にそれぞれ連結され、第2導電パターン及び第3導電パターンの下面にそれぞれ連結される、第1ビア及び第2ビアを含む第1ビアアレイ、並びに第2導電パターン及び第3導電パターンの上面にそれぞれ連結され、第4導電パターンの下面にそれぞれ連結される、第3ビア及び第4ビアを含む第2ビアアレイを含み、第2導電層は、第2導電パターン及び第3導電パターン間の第2トラックに整列され、第2水平方向に延長され、第2導電パターン及び第3導電パターンと分離された(uncoupled)導電パターン、をさらに含んでもよい。
【0005】
本開示の技術的思想の一側面による集積回路は、第1水平方向に相互平行に延長されるトラック上の導電パターンを含み、第1水平方向に延長される第1導電パターンを含む第1導電層、第1水平方向と直交する第2水平方向に相互平行に延長されるトラック上の導電パターンのうち第2導電パターン及び第3導電パターンを含む第2導電層、並びに第1導電パターンの上面にそれぞれ連結され、第2導電パターン及び第3導電パターンの下面にそれぞれ連結される、第1ビア及び第2ビアを含む第1ビアアレイを含み、第1導電パターン、第1ビア及び第2ビアは、第1導電層のトラック上の導電パターンの幅より大きい第2水平方向の長さをそれぞれ有し、第1導電パターンは、第1導電パターンの中心が第1導電層のトラックのうち第1トラックに整列されているか、あるいは第1トラック、及び第1トラックに隣接した第2トラック間の中心線に整列されているように配置される。
【0006】
本開示の技術的思想の一側面による集積回路は、第1水平方向に相互平行に延長される第1トラック上の導電パターン、及び第1水平方向に延長される第1導電パターンを含む第1導電層、第2水平方向に相互平行に延長される第2トラック上の導電パターン、第2水平方向に延長される第2導電パターン及び第3導電パターンを含む第2導電層、第1水平方向に相互平行に延長される第3トラック上の導電パターン、並びに第1水平方向に延長される第4導電パターンを含む第3導電層、第1導電パターンの上面にそれぞれ連結され、第2導電パターン及び第3導電パターンの下面の中で少なくとも一つにそれぞれ連結される、ビアを含む第1ビアアレイ、並びに第2導電パターン及び第3導電パターンの上面のうち少なくとも一つにそれぞれ連結され、第4導電パターンの下面にそれぞれ連結される、ビアを含む第2ビアアレイを含み、第1ビアアレイのビアは、第1トラック及び第2トラックが平面でBoA交差する地点に配置され、第2ビアアレイのビアは、第2トラック及び第3トラックが平面でBoA交差する地点に配置される。
【0007】
本開示の技術的思想の一側面による、集積回路を製造するための方法は、セルライブラリー、及び集積回路を定義する入力データに基いて、複数の標準セルを配置してルーティングする段階を含み、配置してルーティングする段階は、複数の標準セルのパワーレール(rail)及びパワーメッシュ(mesh)を相互接続するためのビアスタックを付加する段階を含み、ビアスタックを付加する段階は、相互隣接した導電層間において、導電層のトラックが平面でBoA交差する地点にビアを配置する段階を含んでもよい。
【発明の効果】
【0008】
本開示の実施形態による集積回路、及びそれを製造するための方法によれば、向上した経路制御可能性を提供するビアアレイに起因し、ルーティング混雑が低減される。
【0009】
また、本開示による集積回路、及びそれを製造するための方法によれば、最適化されたルーティングに起因し、集積回路の性能が向上し、集積回路の面積が低減することができる。
【0010】
本開示の例示的実施形態で得ることができる効果は、以上で言及した効果に制限されるものではなく、言及されていない他の効果は、以下の本開示の例示的実施形態に係わる記載から、本開示の例示的実施形態が属する技術分野で当業者によって明確に導き出されて理解されるであろう。すなわち、本開示の例示的実施形態を実施することによる意図されえない効果も、本開示の例示的実施形態から、当該技術分野の当業者によって導き出されるのである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本開示の例示的実施形態による集積回路の一部を示す斜視図である。
図2A】ビアスタックの例示を示す図面である。
図2B】ビアスタックの例示を示す図面である。
図2C】ビアスタックの例示を示す図面である。
図3A】本開示の例示的実施形態によるビアスタックの例示を示す図面である。
図3B】本開示の例示的実施形態によるビアスタックの例示を示す図面である。
図3C】本開示の例示的実施形態によるビアスタックの例示を示す図面である。
図4】本開示の例示的実施形態によるビアスタックの例示を示す平面図である。
図5】本開示の例示的実施形態によるビアスタックの例示を示す斜視図である。
図6】本開示の例示的実施形態によってビアアレイの例示を示す図面である。
図7A】本開示の例示的実施形態によるビアアレイの例示を示す図面である。
図7B】本開示の例示的実施形態によるビアアレイの例示を示す図面である。
図7C】本開示の例示的実施形態によるビアアレイの例示を示す図面である。
図8】本開示の例示的実施形態による、集積回路を製造するための方法を示すフローチャートである。
図9】本開示の例示的実施形態による、図8の段階S400の例示を示すフローチャートである。
図10】本開示の例示的実施形態による、図9の段階S420の例示を示すフローチャートである。
図11】本開示の例示的実施形態によるシステム・オン・チップ(SoC:system on chip)を示すブロック図である。
図12】本開示の例示的実施形態によるプログラムを保存するメモリを含むコンピューティングシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書に添付された図面は,図解の便宜のためにスケールに合わないこともあり、構成要素を誇張したり縮小したりしても図示されている。また、異なる図面において、同一参照符号は、同一構成要素をそれぞれ示す点に留意する。
【0013】
図1は、本開示の例示的実施形態による集積回路100の一部を示す斜視図である。図解の便宜のために、図1は、集積回路100に含まれた層のうち一部層のみを図示する。本明細書において、X軸方向及びY軸方向は、第1水平方向及び第2水平方向とそれぞれ呼ばれ、Z軸方向は、垂直方向と呼ばれる。X軸及びY軸からなる平面は、水平面とされ、他の構成要素より相対的に+Z軸方向に配置された構成要素は、他の構成要素上にあるとされ、他の構成要素より相対的に-Z軸方向に配置された構成要素は、他の構成要素の下にあるとされる。また、構成要素の表面において、+Z軸方向の表面は、構成要素の上面とされ、-Z軸方向の表面は、構成要素の下面とされる。構成要素の面積は、水平面に平行な面での面積を指す。
【0014】
図1を参照すれば、集積回路100は、FEOL(front end of line)領域FR及びBEOL(back end of line)領域BRを含んでもよい。FEOL領域FRは、複数の行によって整列された標準セルを含んでもよい。例えば、図1に図示されているように、FEOL領域FRは、第1行の標準セルC11,C12、第2行の標準セルC21ないしC24、及び第3行の標準セルC31ないしC33を含んでもよい。図1において、第1行ないし第3行それぞれに図示された標準セルの個数は、例示に過ぎず、本開示の例示的実施形態は、それに制限されるものではない。該標準セルは、集積回路100に含まれるレイアウトの単位として事前に決められた規格を守る構造を有し、集積回路100は、多数の多様な標準セルを含んでもよい。例えば、図1に図示されているように、標準セル(例:C11、C21、C31)は、一定高、すなわち、Y軸方向の長さを有し、標準セル(例:C11、C21、C31)の境界において、パワーレール111ないし114が、Y軸方向に相互離隔されて平行にX軸方向にも延長される。一部実施形態において、標準セル(例:C11、C21、C31)は、BEOL領域BRの一部導電層に形成された導電パターン、及びそれらに連結されたビアを含んでもよい。
【0015】
パワーレール111ないし114は、標準セル(例:C11、C21、C31)に電源電圧(power supply voltage)を供給することができる。例えば、第1パワーレール111及び第3パワーレール113に、正の供給電圧(positive supply voltage)(例えば、VDD)がそれぞれ印加され、第2パワーレール112及び第4パワーレール114に負の供給電圧(negative supply voltage)(例えば、VSSまたは接地電圧)がそれぞれ印加される。「正の供給電圧」及び「負の供給電圧」は、特定電圧レベルに制限されるものではなく、例えば、負の供給電圧は、接地電圧であってもよい。すなわち、パワーレールは、標準セルに含まれたトランジスタのソースに電源電圧を供給することができる。正の供給電圧及び負の供給電圧は、BEOL領域BRに形成されたパワーライン131,132及びビアスタック121ないし124を介して、パワーレール111ないし114にそれぞれ提供される。一部実施形態において、パワーライン131,132は、下の導電パターンより広い幅、すなわち、X軸方向の長さを有し、パワーメッシュ(mesh)とも呼ばれる。
【0016】
BEOL領域BRは、パワーライン131,132、及びパワーレール111ないし114の間に、金属のような導電性物質で構成された複数の導電層を含み、パワーライン131,132、及びパワーレール111ないし114の間のIRドロップを低減させるために、ビアスタック121ないし124が使用される。ビアスタック121ないし124は、例えば、図2Aないし図2Cを参照して後述されるように、相互隣接した導電層のパターンに連結された複数のビアを含んでもよい。そのように、同一レベルに配置され、同一ノードに連結された複数のビアは、ビアアレイとも称される。ビアスタック111ないし114は、複数のレベルにおいて、複数のビアアレイを含み、それにより、パワーメッシュ、すなわち、パワーライン131,132、及びパワーレール111ないし114の間のIRドロップが低減される。
【0017】
前述のようにビアスタック111ないし114に起因して低減されたIRドロップが提供される一方、ビアスタック111ないし114は、集積回路100において、ルーティング混雑を誘発してしまう。例えば、ビアスタック111ないし114それぞれは、同一レベルにおいて、複数のビアを含むビアアレイを含み、該ビアアレイに含まれたビアそれぞれに連結された導電パターンは、ビアオーバーラップを含む。それにより、図2Aないし図2Cを参照して後述されるように、該ビアアレイは、BEOL領域BRに含まれた導電層において、ルーティングのための導電パターンが形成される空間を制限する。
【0018】
以下、図面を参照して後述されるように、一部実施形態において、ビアスタックに含まれたビアアレイは、相互隣接した導電層のトラックが交差する地点に配置されたビアを含み、それにより、集積回路100において、経路制御可能性(routability)が向上する。例えば、ビアスタックと異なるノードに連結され、ビアスタックと分離されて(uncoupled)ビアスタックを貫通する、少なくとも1つの導電パターンが形成される。IRドロップ低減のためのビアスタックの構造を害さずにも向上した経路制御可能性に起因して相互接続が最適化され、結果として、集積回路100の性能が向上し、集積回路100の面積が低減される。
【0019】
図2Aないし図2Cは、該ビアスタックの例示を示す図面である。具体的には、図2Aは、1x2ビアアレイを含むビアスタックを示す斜視図であり、図2Bは、2x2ビアアレイを含むビアスタックを示す斜視図であり、図2Cは、2x2ビアアレイを含むビアスタックを示す平面図である。以下において、図2Aないし図2Cに係わる説明において、重複内容は、省略される。本明細書において、本開示の例示的実施形態は、1x2ビアアレイ及び2x2ビアアレイを主に参照して説明するが、1x2より大きい一次元ビアアレイ、及び2x2より大きい二次元ビアアレイにも適用されるという点は、理解されるであろう。
【0020】
図2Aを参照すれば、導電層は、ルーティングのための選好方向(preferred direction)を有することができる。例えば、図2Aに図示されているように、M層は、相互平行にX軸方向に延長されるトラックTR11,TR12を有し、M層の導電パターンP11のように、M層において、導電パターンは、トラックTR11,TR12に整列されてX軸方向に延長される。類似して、M+1層は、相互平行にY軸方向に延長されるトラックTR21ないしTR26を有し、M+1層の導電パターンP21ないしP26のように、M+1層において導電パターンは、トラックTR21ないしTR26に整列され、Y軸方向に延長される。また、M+2層は、相互平行にX軸方向に延長されるトラックTR31,TR32を有し、M+2層の導電パターンP31のように、M+2層において導電パターンは、トラックTR31,TR32に整列され、X軸方向に延長される。本明細書において、M層及びM+2層は、X軸方向に延長されるトラックをそれぞれ有し、M+1層は、Y軸方向に延長されるトラックをそれぞれ有すると仮定される。一部実施形態において、M+1層は、M層上に、すなわち、+Z方向に離隔されており、M+2層は、M+1層の上にある。また、導電パターンがトラックに整列されること、または導電パターンがトラックに沿って配置されることは、図2Aに図示されているように、トラックが導電パターンの中心を通過するように、導電パターンが配置されることを指称する。一部実施形態において、導電パターンは、導電パターンの中心ではない導電パターンの一部をトラックが貫通するように配置されてもよい。一部実施形態において、トラックは、導電パターンがその上に配置される経路としうる。
【0021】
導電層において、トラック間ピッチは、設計規則に基いて決定されてもよい。例えば、M+1層のトラックTR21ないしTR26は、ピッチによって等間隔に離隔されてY軸方向に延長され、M+1層における導電パターンの幅、及び導電パターン間の最小間隔によって決定されてもよい。また、図2Aに図示されているように、M+2層の導電パターンの幅(すなわち、Y軸方向の長さ)、及びトラック間ピッチは、M層及びM+1層と異なってもよい。経路制御可能性を改善するために、相互隣接した導電層は、異なる方向のトラックをそれぞれ有することができる。例えば、図2Aに図示されているように、M層及びM+2層は、X軸方向に平行な選好方向を有することができる一方、M+1層は、Y軸方向に平行な選好方向を有することができる。
【0022】
図2Aに図示されているように、ビアスタックは、1x2ビアアレイを含んでもよい。例えば、M層とM+1層との間の1x2ビアアレイにおいて、M層の導電パターンP12の上面、及びM+1層の導電パターンP27の下面に連結されたビアV11,V12は、X軸方向に離隔され、M+1層とM+2層との間の1x2ビアアレイにおいて、M+1層の導電パターンP27の上面、及びM+2層の導電パターンP32の下面に連結されたビアV21,V22も、X軸方向に離隔されている。一部実施形態において、ビアV11,V12は、ビアスタックにおいて、Vレベルにあるとしうる。一部実施形態において、ビアV21,V22は、ビアスタックにおいて、Vレベルよりさらに高いV+1レベルにあるとしうる。
【0023】
図2Aの例示において、該ビアは、導電層のトラックと無関係に配置されうる。例えば、ビアアレイにおいてビアは、設計規則によって定義されたビア間の最小間隔によって配置されうる。また、ビアスタックの導電パターンP12,P27,P32は、ビアオーバーラップを含んでもよい。例えば、図2Aに図示されているように、導電パターンP12,P27,P32は、ビアV11,V12,V21,V22の境界よりX軸方向にさらに延長され、このように、さらに延長された部分は、ビアオーバーラップとも称される。M層の導電パターンP12は、M層の選好方向によって、トラックTR12に沿ってX軸方向に延長される一方、M+1層の導電パターンP27は、M+1層の選好方向と異なるX軸方向に延長される。それにより、M+1層において導電パターンP21ないしP25は、導電パターンP27に起因し、Y軸方向への延長が制限され、すなわち、導電パターンP27によって、5個のトラックP21ないしP25が犠牲になる。
【0024】
図2Bを参照すれば、ビアスタックは、2x2ビアアレイを含んでもよい。例えば、M層とM+1層との間の2x2ビアアレイにおいて、M層の導電パターンP12の上面、及びM+1層の導電パターンP27の下面に連結された4個のビアは、X軸方向及びY軸方向に離隔され、M+1層とM+2層との間の2x2ビアアレイにおいて、M+1層の導電パターンP27の上面、及びM+2層の導電パターンP31の下面に連結された4個のビアも、X軸方向及びY軸方向に離隔されている。図2Bの例示において、2x2ビアアレイのビアは、導電層のトラックと無関係に配置され、例えば、設計規則によって定義されたビア間の最小間隔によって配置されうる。
【0025】
2x2ビアアレイと連結された導電パターンは、一体に形成されうる。例えば、図2Bに図示されているように、M層の導電パターンP12、M+1層の導電パターンP27、及びM+2層の導電パターンP31は、各導電層のトラックに沿って延長される導電パターンより広幅を有することができる。図2Aの例示と類似し、M+1層の導電パターンP27に起因し、M+1層の導電パターンP21ないしP25がY軸方向に延長されることが制限され、5個のトラックP21ないしP25が犠牲になる。
【0026】
一部実施形態において、設計規則は、同一導電層において相対的に広幅を有する導電パターンの場合、隣接した導電パターンとの最小間隔を相対的にさらに大きく定義することができる。それにより、図2Bに図示されているように、導電パターンP12に起因し、M層において導電パターンP12と交差する2個のトラックTR13,TR14だけではなく、導電パターンP12と交差しないトラックTR12まで犠牲になりうる。
【0027】
図2Cを参照すれば、ビアスタックは、2x2ビアアレイを含み、2x2ビアアレイに含まれたビアは、分離された導電パターンと連結される。例えば、図2Cに図示されているように、2x2ビアアレイのビアのうち、第1ビアV11及び第2ビアV12は、M層の同一の導電パターンP11の上面に連結される一方、M+1層の分離された導電パターンP21,P22の下面にそれぞれ連結される。類似して、2x2ビアアレイのビアのうち、第3ビアV13及び第4ビアV14は、M層の同一の導電パターンP12の上面に連結される一方、M+1層の分離された導電パターンP21,P22の下面にそれぞれ連結される。導電パターンP12,P22は、相互直接連結されない。
【0028】
図2Bの例示と比べるとき、図2Cの例示において、2x2ビアアレイのビアV11ないしV14が一体の導電パターンに連結されないことにより、ビアスタックに含まれた導電パターンP11,P12,P21,P22、及び周辺導電パターン間の最小間隔が低減されるが、ビアV11ないしV14は、M層のトラックTR11ないしTR16、及びM+1層のトラックTR21ないしTR26と無関係に配置され、それにより、ビアアレイの外部トラック(例えば、TR12、TR15、TR22、TR25)はもとより、ビアアレイの内部トラックTR23,TR24,TR13,TR14も犠牲になる。
【0029】
図3Aないし図3Cは、本開示の例示的実施形態によるビアスタックの例示を示す図面である。具体的には、図3Aは、1x2ビアアレイを含むビアスタックを示す斜視図であり、図3Bは、2x2ビアアレイを含むビアスタックを示す斜視図であり、図3Cは、1x3ビアアレイを含むビアスタックを示す斜視図である。以下において、図3Aないし図3Cに係わる説明において、図2Aないし図2Cに係わる説明と重複する内容は、省略される。
【0030】
図3Aないし図3Cを参照すれば、一部実施形態において、ビアアレイのビアは、相互隣接した導電層のトラック(例えば、平面視)が交差する地点に配置されうる。本明細書において、相互隣接したレイヤの2個のトラック間交差点は、2個のトラックが垂直方向に交差する地点を指す。2個の相互隣接したレイヤのトラック間交差点に配置されたビアは、2個のトラックのうち1つのトラックと交差する部分、及び他のトラックと交差する部分を有するように表現されうる。また、ビアアレイのビアに連結された導電パターンも、それ自体の導電層が有するトラックに沿って延長されうる。それにより、ビアスタックに起因して犠牲になる、すなわち、使用が制限されるトラックの個数が減少し、結果として、ルーティング混雑が低減することにより、経路制御可能性が改善される。
【0031】
図3Aを参照すれば、ビアスタックは、1x2ビアアレイを含み、1x2ビアアレイに含まれたビアは、トラックが交差する地点に配置されうる。例えば、M層とM+1層との間の1x2ビアアレイにおいて、M層の導電パターンP12の上面、及びM+1層の導電パターンP22の下面に連結されたビアV11は、M層のトラックTR12及びMx+1層のトラックTR22が交差する地点に配置され、M層の導電パターンP12の上面、及びM+1層の導電パターンP24の下面に連結されたビアV12は、M層のトラックTR12、及びM+1層のトラックTR24が交差する地点に配置される。類似して、M+1層とM+2層との間の1x2ビアアレイにおいて、M+1層の導電パターンP22の上面、及びM+2層の導電パターンP32の下面に連結されたビアV21は、M+1層のトラックTR22、及びM+2層のトラックTR32が交差する地点に配置され、M+1層の導電パターンP24の上面、及びM+2層の導電パターンP32の下面に連結されたビアV22は、M+1層のトラックTR24、及びM+2層のトラックTR32が交差する地点に配置される。図3Aの例示において、M層のトラック間ピッチ、及びM+2層のトラック間ピッチは異なり、それにより、図3Aに図示されているように、M+1層下のビアV11,V12及びMx+1層上のビアV21,V22は、Z軸方向に整列されない。
【0032】
ビアスタックにおいて、導電パターンP12,P22,P24,P32は、導電層のトラックに沿って延長されることにより、ビアオーバーラップを提供することができる。例えば、図3Aに図示されているように、M層の導電パターンP12は、ビアV11,V12のビアオーバーラップのために、トラックTR12に沿ってX軸方向に延長され、M+1層の導電パターンP22,P24は、ビアV11,V12,V21,V22のビアオーバーラップのために、トラックTR22,TR24に沿ってY軸方向に延長される。
【0033】
前述のように、ビアアレイのビアがトラックが交差する地点に配置され、ビアオーバーラップがトラックに沿って延長されることにより、使用可能なトラックが増加することができる。例えば、図3Aに図示されているように、M+1層において、ビアオーバーラップを提供する導電パターンP22,P24のトラックTR22,TR24の使用が制限されるのみであり、他のトラックTR21,TR23,TR25に沿って、導電パターンP21,P23,P25がY軸方向に延長されうる。例えば、M+1層の導電パターンP23は、ビアオーバーラップを提供する導電パターンP22,P24と分離され、ビアスタックを貫通し、トラックTR23に沿ってY軸方向に延長される。結果として、図2Aの例示において、M+1層の5個トラックTR21ないしTR25が犠牲になるところと比較するとき、図3Aの例示において、犠牲になるトラックの個数が減少し、良好な経路制御可能性が達成されるのである。
【0034】
一部実施形態において、図3Aに図示されているように、ビアアレイの一部分として、M層の導電パターン(例えば、P12)は、M層の他の導電パターン(例えば、P11)が延長される方向と同様に、トラックT12に沿ってX軸方向に延長され、ビアアレイの一部分として、M+1層の導電パターン(例えば、P22)は、Mx+1層の他の導電パターン(例えば、P21、P23、P25)が延長される方向と同様に、Y軸方向に延長される。
【0035】
図3Bを参照すれば、ビアスタックは、2x2ビアアレイを含み、2x2ビアアレイに含まれたビアは、トラックが交差する地点に配置されうる。例えば、M層とM+1層との間の2x2ビアアレイにおいて、M層の導電パターンP13の上面に連結されたビアV11,V12は、M層のトラックTR13、及びM+1層のトラックTR21,TR23が交差する地点にそれぞれ配置され、M層の導電パターンP11の上面に連結されたビアV13,V14は、M層のトラックTR11、及びM+1層のトラックTR21,TR23が交差する地点にそれぞれ配置される。また、M+1層とM+2層との間の2x2ビアアレイにおいて、M+1層の導電パターンP21の上面に連結されたビアV21,V23は、M+1層のトラックTR21、及びM+2層のトラックTR32,TR31が交差する地点にそれぞれ配置され、M+1層の導電パターンP23の上面に連結されたビアV22,V24は、M+1層のトラックTR23、及びM+2層のトラックTR32,TR31が交差する地点にそれぞれ配置される。
【0036】
図3Bに図示されているように、ビアスタックの導電パターンP11,P13,P21,P23,P31,P32は、導電層のトラックに沿って延長されることにより、ビアオーバーラップを提供することができる。例えば、M層の導電パターンP11,P13は、ビアV11ないしV14のビアオーバーラップのために、トラックTR11,TR13に沿ってX軸方向に延長されうる。また、M+1層の導電パターンP21,P23は、ビアV11ないしV14,V21ないしV24のビアオーバーラップのために、トラックTR21,TR23に沿ってY軸方向に延長されうる。
【0037】
図3Bに図示されているように、M層において、ビアオーバーラップを提供する導電パターンP11,P13のトラックTR11,TR13が犠牲になるのみであるので、M層の他トラック(例えば、TR12)に沿って、導電パターン(例えば、P12)がX軸方向に延長されうる。類似して、M+1層において、ビアオーバーラップを提供する導電パターンP21,P23のトラックTR21,TR23が犠牲になるのみであるので、M+1層の他トラック(例えば、TR22)に沿って、導電パターン(例えば、P22)がY軸方向に延長されうる。結果として、図2Bの例示において、M+1層の5個トラックTR21ないしTR25が犠牲になり、図2Cの例示において、M+1層の4個トラックTR22ないしTR25が犠牲になるところと比較するとき、図3Bの例示において、犠牲になるトラックの個数が減少し、良好な経路制御可能性が達成される。
【0038】
図3Cを参照すれば、ビアスタックは、広幅を有する導電パターンP41とも連結される。図3Cに図示されているように、導電パターンP41は、M+3層において、トラックTR41に沿ってY軸方向に延長され、ファットメタル(fat metal)とも称される。一部実施形態において、導電パターンP41は、パワーメッシュに含まれるパワーライン(例えば、131,132(図1))でもある。M+3層のトラックTR41は、Y軸方向に延長されるにもかかわらず、導電パターンP41の広幅、すなわち、X軸方向の長い長さに起因し、X軸方向に羅列されたビアV31ないしV33、すなわち、1x3ビアアレイを介して、M+2層の導電パターンTR31と連結され、M+2層下においても、1x3ビアアレイが反復される。例えば、M+2層とM+1層との間において、3個のビアV21ないしV23を含む1x3ビアアレイがあり、M+1層とMx層との間において、3個のビアV11ないしV13を含む1x3ビアアレイがある。
【0039】
図3Cに図示されているように、1x3ビアアレイのビアがトラックが交差する地点に配置されることにより、使用可能なトラックが増加する。例えば、M+1層において、トラックTR21,TR23,TR25に沿ってビアオーバーラップを提供する導電パターン間において、ビアスタックと分離された導電パターンP22,P24がビアスタックを貫通し、トラックTR22,TR24に沿ってY軸方向に延長されうる。たとえ図3Cにおいて、1x3ビアアレイが図示されているにしても、ビアスタックは、一部実施形態において、1x4以上の一次元ビアアレイを含んでもよく、一部実施形態において、2x3以上の二次元ビアアレイを含んでもよい。
【0040】
図4は、本開示の例示的実施形態によるビアスタックの例示を示す平面図である。具体的には、図4は、M層とM+1層との間において、2x2ビアアレイを含むビアスタックの例示を示す。図4において、陰影処理は、異なる層(例えば、M層及びM+1層)上の導電パターンを表示するために使用される。
【0041】
図4に図示されているように、2x2ビアアレイのビアV11ないしV14は、M層のトラックTR12,TR14、及びM+1層のトラックTR22,TR24が交差する地点にそれぞれ配置されうる。第1ビアV11及び第2ビアV12は、M層の導電パターンP11の上面に連結され、M+1層の導電パターンP21,P22の下面にも、それぞれ連結される。また、第3ビアV13及び第4ビアV14は、M層の導電パターンP12の上面に連結され、M+1層の導電パターンP21,P22の下面にもそれぞれ連結される。一部実施形態において、2x2ビアアレイのビアV11ないしV14が、X軸方向に離隔された距離S2、及びY軸方向に離隔された距離S1は、設計規則によって定義されたビア間の最小距離より大きくなり、それにより、2x2ビアアレイのビアV11ないしV14は、設計規則を守ることができる。たとえ図4に図示されていないにしても、M層のトラックTR13に沿ってビアスタックと絶縁された導電パターンがX軸方向に延長され、M+1層のトラックTR23に沿ってビアスタックと絶縁された導電パターンがY軸方向に延長されてもよい。
【0042】
トラックが交差する地点にビアが配置される場合、そのようなビアがY軸方向に離隔された距離S1は、以下の数式(1)のように計算されうる。
【0043】
【数1】
数式(1)において、nは、正の整数であり、設計規則によって定義されたビア間の最小距離がM層のトラックピッチより大きい場合、nは、2以上の整数である。また、数式(1)において、{M track pitch}は、図4のM層のトラック間ピッチを示し、任意のビアアレイのビアに連結された導電層において、X軸に平行なトラックを有する導電層でのトラックのピッチを意味する。また、数式(1)において、{via length}は、ビアのY軸方向の長さを意味する。すなわち、ビアアレイにおいて、ビアのY軸方向ピッチは、Mx層のトラック間ピッチの倍数である。
【0044】
類似して、ビアがX軸方向に離隔された距離S2は、以下の数式(2)のように計算されうる。
【0045】
【数2】
数式(2)において、mは、正の整数であり、設計規則によって定義されたビア間の最小距離がM+1層のトラックピッチより大きい場合、mは、2以上の整数である。また、数式(2)において、{M+1 track pitch}は、図4のM+1層のトラック間ピッチを示し、任意のビアアレイのビアに連結された導電層において、Y軸に平行なトラックを有する導電層におけるトラック間ピッチを意味する。また、数式(2)において、{via width}は、ビアのX軸方向の長さを意味する。すなわち、ビアアレイにおいて、ビアのX軸方向のピッチは、M+1層のトラック間ピッチの倍数である。
【0046】
図5は、本開示の例示的実施形態によるビアスタックの例示を示す斜視図である。具体的には、図5は、バータイプ(bar-type)ビアを含むビアアレイ、及びそれを含むビアスタックを示す。
【0047】
図5を参照すれば、ビアスタックにおいて、ビアアレイは、バータイプビアを含み、バータイプビアは、X軸方向及び/またはY軸方向に相対的に長い長さ、例えば、導電パターンの幅より長い長さを有するビアを指す。例えば、図5に図示されているように、M層とM+1層との間において1x2ビアアレイは、Y軸方向に長い長さを有するビアV11,V12を含み、M+1層とM+2層との間において1x2ビアアレイも、Y軸方向に長い長さを有するビアV21,V22を含んでもよい。ビアの断面積、すなわち、X軸及びY軸からなる平面に平行な面での面積が増大するほど、ビアで発生するIRドロップは低減し、それにより、図5に図示されているように、大きい断面積を有するビアが使用される。
【0048】
一部実施形態において、バータイプビアは、トラックに沿って延長される導電パターンと重畳されるようにトラックに沿って配置される。例えば、図5に図示されているように、M層の導電パターンP11の上面、及びM+1層の導電パターンP21の下面に連結されたビアV11、並びにM+1層の導電パターンP21の上面、及びM+2層の導電パターンP31の下面に連結されたビアV21は、M+1層のトラックTR21に沿って整列されて配置される。類似して、ビアV12,V22も、M+1層のトラックTR23に沿って整列されて配置される。それにより、M+1層の導電パターンP23は、トラックTR22に沿ってY軸方向に延長されうる。
【0049】
一部実施形態において、バータイプビアは、トラックが最小限に犠牲になるように配置されうる。例えば、M+1層のトラックが最小限に犠牲になるように、ビアV11,V12,V21,V22は、トラックTR21,TR23に整列されても配置される一方、ビアV11,V12,V21,V22のY軸方向の位置は、ビアV11,V12,V21,V22のY軸方向の長さに基いて決定される。図6を参照して後述されるように、バータイプビアが配置される位置によって犠牲になるトラックの個数が変わり、それにより、犠牲になるトラックの個数が最小になるように、バータイプビアの位置が決定される。図5において、バータイプビアを含む1x2ビアアレイの例示が図示されたが、該ビアスタックは、一部実施形態において、バータイプビアを含む1x3以上の一次元ビアアレイを含み、一部実施形態において、バータイプビアを含む2x2以上の二次元ビアアレイを含んでもよい。
【0050】
図6は、本開示の例示的実施形態によるビアアレイの例示を示す図面である。具体的には、図6は、ビアアレイの配置によって犠牲になるトラックの数が変わる例示を示す。図6に図示されているように、M層とM+1層との間において1x2ビアアレイは、ビアV11,V12を含み、ビアV11,V12は、バータイプビアでもある。ビアV11,V12は、M+1層の導電パターンP21,P22の幅と同一のX軸方向の長さを有することができる一方、Y軸方向に相対的に長い(例えば、X軸方向におけるM+1層の導電パターンP21,P22の幅より大きい)長さW0を有することができる。
【0051】
図6の左側を参照すれば、1x2ビアアレイのビアV11,V12は、M+1層のトラックTR22,TR24に沿って配置され、M層のトラックTR13に沿って配置されている。すなわち、ビアV11,V12の断面の中心がM+1層のトラックTR22,TR24と重畳され、M層のトラックTR13と重畳されるように、ビアV11,V12が配置されている。M層の導電パターンP11は、ビアV11,V12のビアオーバーラップのためにX軸方向に延長され、ビアV11,V12のY軸方向の距離W0と同一の幅を有することができる。また、ビアV11,V12のビアオーバーラップのために、M+1層の導電パターンP21,P22は、Y軸方向に延長されている。
【0052】
+1層において、導電パターンP21,P22に起因し、2個のトラックTR22,TR24が犠牲になる一方、M層において、導電パターンP11に起因し、3個のトラックTR12ないしTR14が犠牲になる。M層のトラックTR13は、導電パターンP11と交差されるので、犠牲になる一方、M層のトラックTR12,TR14に沿ってX軸方向に延長される導電パターンが配置される場合、導電パターンP11と、設計規則によって定義された最小間隔を違反してしまうので、トラックTR12,TR14も犠牲になる。それにより、図6の左側例示において、M層のトラックのうち3個のトラックTR12ないしTR14を使用してルーティングすることが制限される。
【0053】
図6の右側を参照すれば、図6の左側に図示されたビアスタックが+Y軸方向に移動し、それにより、図6の右側に図示されているように、1x2ビアアレイのビアV11,V12は、M+1層のトラックTR22,TR24に沿って配置される一方、M層のトラックTR13,TR14間の中心線X1に沿って配置されている。すなわち、ビアV11,V12の断面の中心がMx層のトラックTR13,TR14間の中心を横切ってX軸方向に延長される中心線X1と重畳されるように、ビアV11,V12が配置されている。
【0054】
+1層において、導電パターンP21,P22に起因し、2個のトラックTR22,TR24が犠牲になる一方、M層において、Y軸方向の距離W0を有する導電パターンP11に起因し、2個のトラックTR13,TR14が犠牲になる。すなわち、M層のトラックTR13,TR14は、導電パターンP11と交差されるので、犠牲になる一方、M層のトラックTR12,TR15に沿ってX軸方向に延長される導電パターンP12,P13が配置されても、導電パターンP12,P13は、導電パターンP11と、設計規則で定義された最小間隔以上離隔され、設計規則を守ることができる。それにより、図6の右側例示において、M層のトラックのうち2個のトラックTR13,TR14を使用してルーティングすることが制限される。そのように、バータイプビアを含む同一ビアアレイの位置によって犠牲になるトラックの個数が変わる。以下において、図7Aないし図7Cを参照し、犠牲になるトラックの個数が減少するように配置されたビアアレイの例示について説明する。
【0055】
図7Aないし図7Cは、本開示の例示的実施形態によるビアアレイの例示を示す図面である。具体的には、図7Aは、M層のトラックTR13,TR14間の中心線X2に沿って配置されたビアV11,V12を含む1x2ビアアレイを示し、図7B及び図7Cは、M層のトラックTR13に沿って配置されたビアV11,V12を含む1x2ビアアレイをそれぞれ示す。以下において、図7Aないし図7Cに係わる説明において、重複する内容は省略される。
【0056】
図7Aを参照すれば、ビアV11,V12は、Y軸方向の距離W1を有することができる。ビアV11,V12は、M層の導電パターンP12の上面に連結され、M+1層の導電パターンP21,P22の下面にも、それぞれ連結される。幅W1を有する導電パターンP12に起因し、M層のトラックTR13,TR14が犠牲になる一方、導電パターンP11,P13は、トラックTR12,TR15に沿ってX軸方向に延長されうる。
【0057】
ビアアレイによって犠牲になるM層のトラックの個数を減少させるために、ビアアレイによるM層の導電パターンの幅Wが、以下の数式(3)を満足する場合、ビアアレイのビアは、相互隣接したトラック間の中心線に沿って配置されうる。
【0058】
【数3】
図7A及び数式(3)において、Wは、ビアアレイに連結されたM層の導電パターンの幅(例えば、P12のW1)であり、Mは、ビアアレイに連結されていないM層の導電パターン(例えば、P11)の幅であり、Pは、M層のトラック間ピッチであり、Sは、設計規則によって定義されたM層の導電パターン間の最小間隔であり、nは、正の整数である。数式(3)を満足するビアアレイ(または、導電パターン)の場合、M層において、偶数個のトラックが犠牲になる。
【0059】
図7Bを参照すれば、ビアV11,V12は、Y軸方向の距離W2を有することができる。ビアV11,V12は、M層の導電パターンP12の上面に連結され、M+1層の導電パターンP21,P22の下面にも、それぞれ連結される。幅W2を有する導電パターンP12に起因し、M層のトラックTR12ないしTR14が犠牲になる一方、導電パターンP11,P13は、トラックTR11,TR15に沿ってX軸方向に延長されうる。
【0060】
ビアアレイによって犠牲になるM層のトラックの個数を減少させるために、ビアアレイによるM層の導電パターンの幅Wが以下の数式(4)を満足する場合、ビアアレイのビアは、トラックに沿って配置されうる。
【0061】
【数4】
図7B及び数式(4)において、Wは、ビアアレイに連結されたM層の導電パターンの幅(例えば、P12のW2)で、Mは、ビアアレイに連結されていない導電パターン(例えば、P11)の幅であり、Pは、M層のトラック間ピッチであり、Sは、設計規則によって定義されたM層の導電パターン間の最小間隔であり、nは、正の整数である。数式(4)を満足するビアアレイ(または、導電パターン)の場合、M層において、奇数個のトラックが犠牲になる。
【0062】
図7Cを参照すれば、一部実施形態において、ビアは、導電パターンの幅より短い長さを有することもできる。例えば、図7Cに図示されているように、M層の導電パターンP12は、Y軸方向の距離W3を有する一方、ビアV11,V12は、長さW3より短いY軸方向の距離L1を有することができる。M層の導電パターンP12は、数式(4)を満足するように、M層のトラックT13に整列されて配置される一方、M層の導電パターンP12の幅より短い長さを有するビアV11,V12は、図7Cに図示されているように、M層のトラックTR13、及びM+1層のトラックTR22,TR24が交差する地点にそれぞれ配置される。
【0063】
図8は、本開示の例示的実施形態による、集積回路を製造するための方法を示すフローチャートである
一部実施形態において、図8に図示された段階(S200、S400、S600、S800)のうち少なくとも一部は、コンピューティングシステム(例えば、300(図12))で遂行されうる。
【0064】
段階S200において、標準セルライブラリーD12を参照し、RTLデータD11からネットリストデータD13を生成する論理合成が行われる。RTLデータD11は、集積回路の機能を定義することができ、非制限的な例示として、VHDL(VHSIC hardware description language)及びVerilogのようなHDL(hardware description language)として作成されうる。標準セルライブラリーD12は、標準セルの機能及び属性などを定義することができる。半導体設計ツール(例えば、論理合成ツール)は、標準セルライブラリーD12を参照し、RTLデータD11から論理合成を行うことにより、集積回路を定義する、すなわち、複数の標準セル、及び標準セル間の連結関係を定義するビットストリーム及び/またはネットリストを含む、ネットリストデータD13を生成することができる。
【0065】
段階S400において、標準セルライブラリーD12及び設計規則D14を参照し、ネットリストデータD13からレイアウトデータD15を生成する配置及びルーティング(P&R:place & routing)が遂行される。標準セルライブラリーD12は、標準セルのレイアウトを定義することができ、設計規則D14は、半導体工程(例えば、段階S800)により、集積回路のレイアウトが守らなければならない規則を定義することができる。例えば、設計規則D14は、導電層のトラックの方向及びピッチ、導電層における導電パターン間の最小間隔、導電層における導電パターンの幅、同一レベルのビア間の最小間隔などを定義することができる。
【0066】
半導体設計ツール(例えば、P&Rツール)は、ネットリストデータD13から標準セルライブラリーD12を参照し、複数の標準セルを配置することができ、設計規則D14を参照し、配置された複数の標準セルの入力ピン、出力ピン及びパワータブをルーティングすることができる。該ルーティングは、ビア及び/または導電パターンを含む相互接続を生成する段階を含んでもよい。また、該半導体設計ツールは、IRドロップ緩和のための複数のビアスタックを生成することができ、図面を参照して説明したように、ビアスタックに含まれたビアアレイのビアは、一部実施形態において、導電層のトラックが交差する地点に配置されてもよく、一部実施形態において、トラック間の中心線に沿って配置されてもよい。それにより、ビアスタックは、低減されたIRドロップを提供しながらも、ルーティング混雑を低減させることができる。段階S400の例示は、図9を参照して後述する。
【0067】
段階S600において、マスクを作製(manufacturing)する処理が遂行される。例えば、レイアウトデータD15に、OPC(optical proximity correction)を適用するにより、複数層に形成されたパターンを形成するために、マスク上のパターンが定義され、複数層それぞれのパターンを形成するための少なくとも1つのマスク(または、フォトマスク)が作製される。
【0068】
段階S800において、集積回路を製造(fabricating)する処理が遂行される。例えば、段階S600で作製された少なくとも1つのマスクを使用し、複数層がパターニングされることにより、集積回路が製造される。図8に図示されているように、段階S800は、段階(S820、S840)を含んでもよい。
【0069】
段階S820において、FEOL(front-end-of-line)工程が遂行される。FEOL工程は、集積回路製造過程において、個別素子、例えば、トランジスタ、キャパシタ、抵抗などを基板に形成する過程を指す。例えば、FEOL工程は、ウェーハを平坦化(planarization)して洗浄(cleaning)する段階、トレンチを形成する段階、ウェルを形成する段階、ゲートラインを形成する段階、ソース及びドレインを形成する段階などを含んでもよい。それにより、複数の標準セルに含まれた素子が形成される。
【0070】
段階S840において、BEOL(back-end-of-line)工程が遂行される。BEOL工程は、集積回路製造過程において、個別素子、例えば、トランジスタ、キャパシタ、抵抗などを相互接続する過程を指す。例えば、BEOL工程は、ゲート、ソース及びドレイン領域をシリサイド化(silicidation)する段階、誘電体を付加する段階、平坦化段階、ホールを形成する段階、金属層を付加する段階、ビアを形成する段階、パッシベーション(passivation)層を形成する段階などを含んでもよい。ビアスタックも、BEOL工程(S420)で形成されうる。その次に、該集積回路は、半導体パッケージにパッケージングされ、多様なアプリケーションの部品としても使用される。
【0071】
図9は、本開示の例示的実施形態による、図8の段階S400の例示を示すフローチャートである。図8を参照して説明したように、図9の段階S400’において、標準セルライブラリーD12及び設計規則D14を参照し、配置及びルーティングが行われる。図9に図示されているように、段階S400’は、複数の段階(S420、S440、S460)を含んでもよい。以下、図9について、図8を参照して説明する。
【0072】
段階S420において、ビアスタックを付加する処理が遂行される。例えば、複数の標準セルが配置された後、パワーメッシュのパワーライン及びパワーレールを相互接続するためのビアスタックを付加する処理が遂行される。一部実施形態において、電源電圧の代わりに、信号のためのビアスタックが付加されてもよい。段階S420の例示は、図10を参照して後述する。
【0073】
段階S440において、ビアスタックを貫通する導電パターンを生成する処理が遂行される。段階S420で付加されたビアスタックは、導電層のトラックに沿って、または導電層のトラックが交差する地点に配置されたビアを含むビアアレイを含み、それにより、ビアスタックによって犠牲になるトラックの個数が減少する。また、図3Aないし図3Cを参照して説明したように、設計規則によって定義される同一レベルのビア間の最小間隔が、トラック間ピッチより大きい場合、ビアアレイのビア間を通過し、ビアと絶縁された導電パターンが生成されてもよい。そのように、ビアスタックを貫通する導電パターンは、信号及び/または電源電圧のルーティングのために使用されうる。
【0074】
段階S460において、レイアウトデータを生成する処理が遂行される。図8を参照して説明したように、レイアウトデータD15は、集積回路のレイアウトを定義することができ、例えば、GDSIIのようなフォーマットを有することができ、標準セル及び相互接続の幾何学的情報を含みうる。
【0075】
図10は、本開示の例示的実施形態による、図9の段階S420の例示を示すフローチャートである。図9を参照して説明したように、図10の段階S420’において、ビアスタックを付加する処理が遂行される。図10に図示されているように、段階S420’は、段階S422及び段階S424を含み、一部実施形態において、段階S422及び段階S424は、相互並列的に遂行される。
【0076】
段階S422において、相互隣接した導電層のトラックが交差する地点にビアを配置する処理が遂行される。例えば、図4を参照して説明したように、ビアアレイのビア(例えば、V11ないしV14)は、隣接した導電層(例えば、M層、M+1層)のトラック(例えば、TR12、TR14、TR22、TR24)が交差する地点に配置され、それにより、犠牲になるトラックが減少することにより、ルーティング可能なトラックが増加することができる。
【0077】
段階S424において、バータイプビアの長さに基いてビアアレイを配置する処理が遂行される。例えば、図6を参照して説明したように、バータイプビアの配置位置によって犠牲になるトラックの個数が異なる。それにより、図7Aないし図7Cを参照して説明したように、バータイプビアの長さに基いて、バータイプビアは、トラックに沿って配置されたり、トラック間の中心線に沿っても配置されたりする。例えば、バータイプビアの一方向の距離Wが数式(3)を満足する場合、図7Aに図示されているように、バータイプビアは、トラック間の中心線に沿って配置されうる。他方、バータイプビアの一方向の距離Wが数式(4)を満足する場合、図7Bに図示されているように、バータイプビアは、トラックに沿って配置されうる。それにより、バータイプビアを含むビアアレイによって犠牲になるトラックの個数が減少し、ルーティング可能なトラックが増加することができる。
【0078】
図11は、本開示の例示的実施形態によるシステム・オン・チップ(SoC:system on chip)200を示すブロック図である。SoC 200は、半導体装置として、本開示の例示的実施形態によるビアスタックを含む集積回路を含んでもよい。SoC 200は、多様な機能を遂行するIP(intellectual property)のような複雑な機能ブロックを1つのチップに具現したものであり、本開示の例示的実施形態によるビアスタックがSoC 200の各機能ブロックに含まれ、それにより、緩和されたIRドロップ、及び効率的にルーティングされたパターンに起因して向上した性能、及び低減された面積を有するSoC 200が達成される。
【0079】
図11を参照すれば、SoC 200は、モデム220、ディスプレイコントローラ230、メモリ240、外部メモリコントローラ250、CPU(central processing unit)260、トランザクションユニット270、PMIC(power management integrated circuit)280及びGPU(graphics processing unit)290を含み、SoC 200の各機能ブロックは、システムバス210を介して、互いに通信することができる。
【0080】
SoC 200の動作を全般的に制御することができるCPU 260は、SoC 200の他機能ブロックの動作を制御することができる。モデム220は、SoC 200外部から受信される信号を復調(demodulation)したり、SoC 200内部で生成された信号を変調(modulation)したりして外部に送信することができる。外部メモリコントローラ250は、SoC 200に接続された外部メモリ装置からデータを送受信する動作を制御することができる。例えば、外部メモリ装置に保存されたプログラム及び/またはデータは、外部メモリコントローラ250の制御下で、CPU 260またはGPU 290に提供される。GPU 290は、グラフィック処理と係わるプログラム命令(instruction)を実行することができる。GPU 290は、外部メモリコントローラ250を介して、グラフィックデータを受信することもでき、GPU 290によって処理されたグラフィックデータを、外部メモリコントローラ250を介して、SoC 200外部に伝送することもできる。トランザクションユニット270は、各機能ブロックのデータトランザクションをモニタリングすることができ、PMIC 280は、トランザクションユニット270の制御により、各機能ブロックに供給される電力を制御することができる。ディスプレイコントローラ230は、SoC 200外部のディスプレイ(または、ディスプレイ装置)を制御することにより、SoC 200内部で生成されたデータをディスプレイに伝送することができる。
【0081】
メモリ240は、不揮発性メモリとして、EEPROM(electrically erasable programmable read-only memory)、フラッシュメモリ、PRAM(phase-change random access memory)、RRAM(登録商標(resistive random access memory))、NFGM(nano floating gate memory)、PoRAM(polymer random access memory)、MRAM(magnetic random access memory)、FRAM(登録商標(ferroelectric random access memory))などを含み、揮発性メモリとして、DRAM(dynamic random access memory)、SRAM(static random access memory)、モバイルDRAM、DDR(double data rate) SDRAM(synchronous dynamic random access memory)、LPDDR(low power double data rate) SDRAM(synchronous dynamic random access memory)、GDDR(graphic double data rate) SDRAM(synchronous dynamic random access memory)、RDRAM(Rambus dynamic random access memory)などを含んでもよい。
【0082】
図12は、本開示の例示的実施形態によるプログラムを保存するメモリを含むコンピューティングシステム300を示すブロック図である。本開示の例示的実施形態による、集積回路を製造する方法(例えば、図8に図示された方法)に含まれる段階のうち少なくとも一部は、コンピューティングシステム300で遂行される。
【0083】
コンピューティングシステム300は、デスクトップコンピュータ、ワークステーション、サーバのように固定型コンピューティングシステムであってもよいし、ラップトップコンピュータのように携帯型コンピューティングシステムであってもよい。図12に図示されているように、コンピューティングシステム300は、プロセッサ310、入出力装置320、ネットワークインターフェース330、RAM(random access memory)340、ROM(read-only memory)350及び保存(ストレージ)装置360を含んでもよい。プロセッサ310、入出力装置320、ネットワークインターフェース330、RAM 340、ROM 350及び保存装置360は、バス370に連結され、バス370を介して相互通信することができる。
【0084】
プロセッサ310は、プロセッシングユニットと呼ばれ、例えば、マイクロプロセッサ(micro-processor)、AP(application processor)、DSP(digital signal processor)、GPUのように、任意の命令語セット(例えば、IA-32(Intel Architecture-32)、64ビット拡張IA-32、x86-64、Power PC、Sparc、MIPS、ARM、IA-64など)を実行することができる少なくとも1つのコアを含んでもよい。例えば、プロセッサ310は、バス370を介して、メモリ、すなわち、RAM 340またはROM 350にアクセスすることができ、RAM 340またはROM 350に保存された命令語を実行することができる。
【0085】
RAM 340は、本開示の例示的実施形態による集積回路を製造するためのプログラム341または、その少なくとも一部を保存することができ、プログラム341は、プロセッサ310に、集積回路を製造する方法に含まれる段階のうち少なくとも一部を遂行させる。すなわち、プログラム341は、プロセッサ310によって実行可能な複数の命令語を含み、プログラム341に含まれた複数の命令語は、プロセッサ310に、例えば、図8の段階S200の論理合成処理、並びに/または段階S400の配置及びルーティング処理を遂行させる。
【0086】
保存装置360は、コンピューティングシステム300に供給される電力が遮断されても、保存されたデータを消失させない。例えば、保存装置360は、不揮発性メモリ装置を含み、磁気テープ、光学ディスク、磁気ディスクのような記録媒体を含んでもよい。また、保存装置360は、コンピューティングシステム300から脱着可能であってもよい。一部実施形態において、保存装置360は、本開示の例示的実施形態によるプログラム341を保存することもでき、プログラム341がプロセッサ310によって実行される以前に、保存装置360からプログラム341、またはその少なくとも一部がRAM 340にローディングされうる。一部実施形態において、保存装置360は、プログラム言語によって作成されたファイルを保存することができ、ファイルからコンパイラなどによって生成されたプログラム341、またはその少なくとも一部がRAM 340にローディングされてもよい。また、図12に図示されているように、保存装置360は、データベース361を保存することができ、データベース361は、集積回路を設計するのに必要な情報、例えば、図8の標準セルライブラリーD12、設計規則D14などを含んでもよい。
【0087】
保存装置360は、プロセッサ310によって処理されるデータ、またはプロセッサ310によって処理されたデータを保存することもできる。すなわち、プロセッサ310は、プログラム341により、保存装置360に保存されたデータを処理することにより、データを生成することができ、生成されたデータを保存装置360に保存することもできる。例えば、保存装置360は、図8のRTLデータD11、ネットリストデータD13及び/またはレイアウトデータD15を保存することもできる。
【0088】
入出力装置320は、キーボード、ポインティング装置のような入力装置を含み、ディスプレイ装置、プリンタのような出力装置を含んでもよい。例えば、ユーザは、入出力装置320を介して、プロセッサ310によるプログラム341の実行をトリガすることもでき、図8のRTLデータD11及び/またはネットリストデータD13を入力することもでき、図11のレイアウトデータD15を確認することもできる。
【0089】
ネットワークインターフェース330は、コンピューティングシステム300外部のネットワークに対するアクセスを提供することができる。例えば、該ネットワークは、多数のコンピューティングシステム及び通信リンクを含み、該通信リンクは、有線リンク、光学リンク、無線リンク、または任意の他の形態のリンクを含んでもよい。
【0090】
以上のように、図面及び明細書において、例示的な実施形態が開示された。本明細書において、特定用語を使用して実施形態について説明したが、それらは、ただ本開示の技術的思想について説明するための目的に使用されたものであり、意味限定や、特許請求の範囲に記載された本開示の範囲を制限するために使用されたものではない。従って、本技術分野の当業者であるならば、それらから、多様な変形、及び均等な他の実施形態が可能であるという点を理解するであろう。従って、本開示の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲の技術的思想によって決められるものである。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本発明の、ビアアレイを含む集積回路、及びそれを製造するための方法は、例えば、メモリ関連の技術分野に効果的に適用可能である。
【符号の説明】
【0092】
100 集積回路
111,112,113,114,131,132 パワーライン
121,122,123,124 スタック
200 SoC
220 モデム
230 ディスプレイコントローラ
240 メモリ
250 外部メモリコントローラ
260 CPU
270 トランザクションユニット
280 PMIC
290 GPU
300 コンピューティングシステム
310 プロセッサ
320 入出力装置
330 ネットワークインターフェース
340 RAM
341 プログラム
350 ROM
360 保存装置
361 DB
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図3C
図4
図5
図6
図7A
図7B
図7C
図8
図9
図10
図11
図12