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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-19
(45)【発行日】2023-04-27
(54)【発明の名称】楕円形の蒸気タービン筐体
(51)【国際特許分類】
   F01D 25/24 20060101AFI20230420BHJP
【FI】
F01D25/24 T
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019025805
(22)【出願日】2019-02-15
(65)【公開番号】P2020125750
(43)【公開日】2020-08-20
【審査請求日】2022-01-05
(31)【優先権主張番号】16/263,844
(32)【優先日】2019-01-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506322271
【氏名又は名称】エリオット・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110002734
【氏名又は名称】弁理士法人藤本パートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】スミス,ポール ティー.
【審査官】所村 陽一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第02278304(US,A)
【文献】特開2007-120462(JP,A)
【文献】特開2011-169246(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01D 25/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蒸気タービンであって、
内部空洞を画定する筐体を備えており、
前記筐体は、互いに接続されて前記筐体を形成する第1の筐体半部及び第2の筐体半部を備えており、
前記第1の筐体半部の内面は、第1の曲率を有する第1の部分と第2の曲率を有する第2の部分とを有し、前記第1の曲率と前記第2の曲率とは異なっており、
前記第2の筐体半部の内面は、第1の曲率を有する第1の部分と第2の曲率を有する第2の部分とを有し、前記第1の曲率と前記第2の曲率とは異なっており、
前記第1の筐体半部と前記第2の筐体半部とは、分割線にて接続されており、
前記分割線において、内圧が、前記第1の筐体半部及び前記第2の筐体半部の各々における平坦な縁部を互いに向かって回転させ、それによって封止を形成する、蒸気タービン。
【請求項2】
前記第1の筐体半部と前記第2の筐体半部とは、互いに機械的に接続されている、請求項1に記載の蒸気タービン。
【請求項3】
前記第1の筐体半部及び前記第2の筐体半部の前記内面は、前記第1の部分に対応する少なくとも1つの平坦部分と、前記第2の部分に対応する実質的に湾曲した部分とを備えている、請求項1に記載の蒸気タービン。
【請求項4】
前記第1及び第2の筐体半部は、互いに接続されていない際には互いに分離可能である、請求項1に記載の蒸気タービン。
【請求項5】
前記第1の筐体半部及び前記第2の筐体半部の前記内面は、第1の平坦部分と、第2の平坦部分と、実質的に湾曲した部分とを備えている、請求項1に記載の蒸気タービン。
【請求項6】
前記第1及び第2の筐体半部の前記実質的に湾曲した部分は、前記第1の平坦部分と前記第2の平坦部分との間に位置している、請求項に記載の蒸気タービン。
【請求項7】
前記第1及び第2の筐体半部における前記第1の平坦部分及び前記第2の平坦部分は、それぞれ0.1インチ~3インチの範囲の長さを有している、請求項に記載の蒸気タービン。
【請求項8】
前記第1の筐体半部及び前記第2の筐体半部の前記内面は、楕円形状の断面を形成している、請求項1に記載の蒸気タービン。
【請求項9】
蒸気タービンであって、
内部空洞を画定する筐体を備えており、
前記筐体は、互いに接続されて前記筐体を形成する第1の筐体半部及び第2の筐体半部を備えており、
前記第1及び第2の筐体半部は、それぞれ、少なくとも1つの平坦部分と実質的に湾曲した部分とを備えた内面を有しており、
前記第1の筐体半部と前記第2の筐体半部とは、分割線にて接続されており、
前記分割線において、内圧が、前記第1の筐体半部及び前記第2の筐体半部の各々における平坦な縁部を互いに向かって回転させ、それによって封止を形成する、蒸気タービン。
【請求項10】
前記第1の筐体半部と前記第2の筐体半部とは、互いに機械的に接続されている、請求項に記載の蒸気タービン。
【請求項11】
前記第1及び第2の筐体半部は、互いに接続されていない際には互いに分離可能である、請求項に記載の蒸気タービン。
【請求項12】
前記第1及び第2の筐体半部の前記少なくとも1つの平坦部分は、第1の平坦部分と、第2の平坦部分とを備えている、請求項に記載の蒸気タービン。
【請求項13】
前記第1及び第2の筐体半部の前記実質的に湾曲した部分は、前記第1の平坦部分と前記第2の平坦部分との間に位置している、請求項12に記載の蒸気タービン。
【請求項14】
前記第1及び第2の筐体半部における前記第1の平坦部分及び前記第2の平坦部分は、それぞれ0.1インチ~3インチの範囲の長さを有している、請求項12に記載の蒸気タービン。
【請求項15】
前記第1の筐体半部及び前記第2の筐体半部の前記内面は、楕円形状の断面を形成している、請求項に記載の蒸気タービン。
【請求項16】
前記第1の筐体半部の前記内面と前記第2の筐体半部の前記内面は、互いに対して対応する形状を有している、請求項に記載の蒸気タービン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して蒸気タービンに関し、より詳細には、蒸気タービン用の筐体に関する。
【背景技術】
【0002】
蒸気タービン、ガスタービン、遠心流式圧縮機及び軸流式圧縮機等のターボ機械は、様々な産業において利用され得る。特にタービンは、発電所、ジェットエンジン用途、ガスタービン及び自動車用途において広く使用されている。蒸気タービン及び遠心流式圧縮機はまた、エチレンプラント、製油所及び発電等の大規模工業用途においても一般的に使用されている。
【0003】
蒸気タービンは、加圧された蒸気から熱エネルギーを抽出し、それを回転する出力軸に機械的な仕事を行わせるために使用する装置である。多段蒸気タービンは、当技術分野において周知である。典型的な多段蒸気タービンは、一連のダイヤフラムを収容するタービン筐体と、ブレードを備えた軸の形態であるロータとを含んでいる。筐体の主な目的は、タービン内に高い内圧を封じ込めることである。多くの蒸気タービンは、円形断面形状を備えた筐体を有する。蒸気タービン筐体は、高い内圧を封じ込める必要があり、爆発による危険な結果を招く恐れのある漏出を起こす危険を冒す必要がある。
【発明の概要】
【0004】
上記を鑑みれば、蒸気タービン内に内圧を封じ込めるために分割線フランジを封止する蒸気タービンの能力を向上させる筐体設計を含む蒸気タービンが、現在必要とされている。蒸気タービンのフランジ内の分割線にてより強力な封止を形成するために筐体における横方向の力を増大させる筐体設計を含む蒸気タービンもまた、現在必要とされている。
【0005】
本開示の一例では、蒸気タービンは、内部空洞を画定する筐体を含んでいてもよく、筐体は、互いに接続されて筐体を形成する第1の筐体半部及び第2の筐体半部を備えており、第1の筐体半部の内面は、第1の曲率を有する第1の部分と第2の曲率を有する第2の部分とを有し、第1の曲率と第2の曲率とは異なっており、第2の筐体半部の内面は、第1の曲率を有する第1の部分と第2の曲率を有する第2の部分とを有し、第1の曲率と第2の曲率とは異なっている。
【0006】
本開示の別の例では、第1の筐体半部と第2の筐体半部とは、分割線にて接続されていてもよい。第1の筐体半部と第2の筐体半部とは、互いに機械的に接続されていてもよい。分割線において、内圧が、第1の筐体半部及び第2の筐体半部の各々における縁部を互いに向かって回転させ、それによって封止を形成する。第1及び第2の筐体半部のそれぞれは、少なくとも1つの平坦部分と、実質的に湾曲した部分とを含む内面を有していてもよい。第1及び第2の筐体半部は、互いに接続されていない際には互いに分離可能であってもよい。第1及び第2の筐体半部のそれぞれは、第1の平坦部分と、第2の平坦部分と、実質的に湾曲した部分とを含む内面を有していてもよい。第1及び第2の筐体半部の実質的に湾曲した部分は、第1の平坦部分と第2の平坦部分との間に位置していてもよい。第1及び第2の筐体半部における第1の平坦部分及び第2の平坦部分は、それぞれ0.1インチ~3インチの範囲の長さを有していてもよい。第1の筐体半部及び第2の筐体半部の内面は、実質的に楕円形状の断面を形成していてもよい。
【0007】
本開示の別の例では、蒸気タービンは、内部空洞を画定する筐体を含んでいてもよい。筐体は、互いに接続されて筐体を形成する第1の筐体半部及び第2の筐体半部を含んでいてもよい。第1及び第2の筐体半部は、それぞれ、少なくとも1つの平坦部分と実質的に湾曲した部分とを含む内面を有していてもよい。
【0008】
本開示の別の例では、第1の筐体半部と第2の筐体半部とは、分割線にて接続されていてもよい。第1の筐体半部と第2の筐体半部とは、互いに機械的に接続されていてもよい。分割線において、内圧が、第1の筐体半部及び第2の筐体半部の各々における縁部を互いに向かって回転させ、それによって封止を形成してもよい。第1及び第2の筐体半部は、互いに接続されていない際には互いに分離可能であってもよい。第1及び第2の筐体半部の少なくとも1つの平坦部分は、第1の平坦部分と、第2の平坦部分とを含んでいてもよい。第1及び第2の筐体半部の実質的に湾曲した部分は、第1の平坦部分と第2の平坦部分との間に位置していてもよい。第1及び第2の筐体半部における第1の平坦部分及び第2の平坦部分は、それぞれ0.1インチ~3インチの範囲の長さを有していてもよい。第1の筐体半部及び第2の筐体半部の内面は、実質的に楕円形状の断面を形成していてもよい。第1及び第2の筐体半部の内面は、対応する形状を有していてもよい。
【0009】
本発明はまた、以下の節においても開示される。
【0010】
節1:蒸気タービンであって、
内部空洞を画定する筐体を備えており、
前記筐体は、互いに接続されて前記筐体を形成する第1の筐体半部及び第2の筐体半部を備えており、
前記第1の筐体半部の内面は、第1の曲率を有する第1の部分と第2の曲率を有する第2の部分とを有し、前記第1の曲率と前記第2の曲率とは異なっており、
前記第2の筐体半部の内面は、第1の曲率を有する第1の部分と第2の曲率を有する第2の部分とを有し、前記第1の曲率と前記第2の曲率とは異なっている、蒸気タービン。
【0011】
節2:前記第1の筐体半部と前記第2の筐体半部とは、分割線にて接続されている、節1に記載の蒸気タービン。
【0012】
節3:前記第1の筐体半部と前記第2の筐体半部とは、互いに機械的に接続されている、節1又は2に記載の蒸気タービン。
【0013】
節4:前記分割線において、内圧が、前記第1の筐体半部及び前記第2の筐体半部の各々における平坦な縁部を互いに向かって回転させ、それによって封止を形成する、節2に記載の蒸気タービン。
【0014】
節5:前記第1の筐体半部及び前記第2の筐体半部の前記内面は、少なくとも1つの平坦部分と、実質的に湾曲した部分とを備えている、節1~4のいずれか1つに記載の蒸気タービン。
【0015】
節6:前記第1及び第2の筐体半部は、互いに接続されていない際には互いに分離可能である、節1~5のいずれか1つに記載の蒸気タービン。
【0016】
節7:前記第1の筐体半部及び前記第2の筐体半部の前記内面は、第1の平坦部分と、第2の平坦部分と、実質的に湾曲した部分とを備えている、節1~6のいずれか1つに記載の蒸気タービン。
【0017】
節8:前記第1及び第2の筐体半部の前記実質的に湾曲した部分は、前記第1の平坦部分と前記第2の平坦部分との間に位置している、節7に記載の蒸気タービン。
【0018】
節9:前記第1及び第2の筐体半部における前記第1の平坦部分及び前記第2の平坦部分は、それぞれ0.1インチ~3インチの範囲の長さを有している、節7又は8に記載の蒸気タービン。
【0019】
節10:前記第1の筐体半部及び前記第2の筐体半部の前記内面は、実質的に楕円形状の断面を形成している、節1~9のいずれか1つに記載の蒸気タービン。
【0020】
節11:蒸気タービンであって、
内部空洞を画定する筐体を備えており、
前記筐体は、互いに接続されて前記筐体を形成する第1の筐体半部及び第2の筐体半部を備えており、
前記第1及び第2の筐体半部は、それぞれ、少なくとも1つの平坦部分と実質的に湾曲した部分とを備えた内面を有している、蒸気タービン。
【0021】
節12:前記第1の筐体半部と前記第2の筐体半部とは、分割線にて接続されている、節11に記載の蒸気タービン。
【0022】
節13:前記第1の筐体半部と前記第2の筐体半部とは、互いに機械的に接続されている、節11又は12に記載の蒸気タービン。
【0023】
節14:前記分割線において、内圧が、前記第1の筐体半部及び前記第2の筐体半部の各々における平坦な縁部を互いに向かって回転させ、それによって封止を形成する、節12に記載の蒸気タービン。
【0024】
節15:前記第1及び第2の筐体半部は、互いに接続されていない際には互いに分離可能である、節11~14のいずれか1つに記載の蒸気タービン。
【0025】
節16:前記第1及び第2の筐体半部の前記少なくとも1つの平坦部分は、第1の平坦部分と、第2の平坦部分とを備えている、節11~15のいずれか1つに記載の蒸気タービン。
【0026】
節17:前記第1及び第2の筐体半部の前記実質的に湾曲した部分は、前記第1の平坦部分と前記第2の平坦部分との間に位置している、節16に記載の蒸気タービン。
【0027】
節18:前記第1及び第2の筐体半部における前記第1の平坦部分及び前記第2の平坦部分は、それぞれ0.1インチ~3インチの範囲の長さを有している、節16又は17に記載の蒸気タービン。
【0028】
節19:前記第1の筐体半部及び前記第2の筐体半部の前記内面は、実質的に楕円形状の断面を形成している、節11~18のいずれか1つに記載の蒸気タービン。
【0029】
節20:前記第1及び第2の筐体半部の前記内面は、対応する形状を有している、節11~19のいずれか1つに記載の蒸気タービン。
【図面の簡単な説明】
【0030】
図1図1は、本開示の一例に係る蒸気タービンの斜視図である。
図2図2は、図1の蒸気タービンの、線A-Aに沿った断面図である。
図3図3は、本開示の一例に係る、異なる断面形状を備えた蒸気タービンの断面図である。
図4図4は、本開示の一例に係る、異なる断面形状を備えた蒸気タービンの断面図である。
図5図5は、本開示の一例に係る、異なる断面形状を備えた蒸気タービンの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下の説明の目的のために使用される空間定位の用語は、添付の図画、図面又は以下の本明細書におけるその他の記載にて定位されるに際し、参照された実施形態に関するものとする。しかしながら、以下に記載される実施形態は、多くの代替となる変形及び構成を想定し得ることを理解されたい。添付の図画、図面又は本明細書におけるその他の記載にて示される特定の構成要素、装置、特徴及び動作シーケンスは、単なる例であって、限定とみなされるものではないことも理解されたい。
【0032】
本開示は、概して蒸気タービンに関し、より詳細には、蒸気タービン用の筐体設計に関する。システムの構成要素についての特定の好ましい非限定的な態様は、図1及び図2に示されている。一例では、本開示は、楕円形の断面形状を有する蒸気タービン筐体に関する。本開示は主として蒸気タービンに関するが、本明細書にて論じるこれらの概念は、他のターボ機械にも適用可能であることを理解されたい。そのようなターボ機械には、とりわけ、遠心流式圧縮機及び軸流式圧縮機が含まれる。
【0033】
図1及び図2を参照して、本開示の一例に係る蒸気タービン2を図示及び説明する。蒸気タービン2は、筐体4の長手方向軸に沿って延びる内部空洞6を画定する筐体4を含んでいてもよい。一例では、筐体4は、第1の筐体半部8と第2の筐体半部10とを含む分割二部式筐体であってもよい。第1及び第2の筐体半部8、10は、併せて組み立てられることによって蒸気タービン用の筐体4を形成してもよい。第1及び第2の筐体半部8、10は、任意の機械的機構を使用して互いに動作可能に接続されてもよく、そのような機械的機構には、ボルト締結機構、ラッチ機構又は筐体半部8、10を互いに動作可能に接続することになる任意の他の機構が含まれる。筐体半部8、10はまた、互いより分離されるように互いに接続解除され得る。接続時において、筐体半部8、10は、筐体4によって形成された内部空洞6を画定するように配置される。一例では、出力軸(図示しない)は、筐体4の内部空洞6内に配置され、この内部空洞6を通って延びている。
【0034】
図1及び図2に示されるように、組み立てられた際に、筐体半部8、10は、分割線12にて互いに接触する。一例では、筐体半部8、10は、水平分割線にて互いに接触する。また、筐体半部8、10は、垂直分割線又は他の任意の角度付き分割線にて互いに接触することも考えられる。いったん組み立てられると、筐体半部8、10により分割線12にて封止が形成され、それによって、筐体4内に封じ込められる蒸気からの内部圧力が内部空洞6から逃げられないことが確実にされる。一例では、分割線12は、筐体4の下流端部14から筐体4の上流端部16まで延びている。第1及び第2の筐体半部8、10上に、内部空洞6の少なくとも1つの入口18が設けられていてもよく、筐体4の下流端部14が内部空洞6の出口を画定してもよい。
【0035】
図2を参照すると、本開示の一例では、筐体4は、楕円形の断面を有する内面20を含んでいる。特に、それぞれの筐体半部8、10の内面22a、22bは、楕円形の半分を形成しており、それによって筐体4の楕円形の断面を形成している。一例では、第1の筐体半部8の内面22a及び第2の筐体半部10の内面22bは、対応する又は類似の形状を有する。一例では、第1の筐体半部8は、第1の直線部分24aと、実質的に湾曲した部分24bと、第2の直線部分24cとを含んでいる。第1及び第2の直線部分24a、24cは、第1の曲率を有していてもよく、実質的に湾曲した部分24bは、第1の曲率とは異なる第2の曲率を有していると考えられる。実質的に湾曲した部分24bは、第1の直線部分24aと第2の直線部分24cとの間に位置している。一例では、第2の筐体半部10は、第1の直線部分26aと、実質的に湾曲した部分26bと、第2の直線部分26cとを含んでいる。第1及び第2の直線部分26a、26cは、第1の曲率を有していてもよく、実質的に湾曲した部分26bは、第1の曲率とは異なる第2の曲率を有していると考えられる。実質的に湾曲した部分26bは、第1の直線部分26aと第2の直線部分26cとの間に位置している。筐体半部8、10が併せて形成された際には、第1の筐体半部8の第1の直線部分24aと第2の筐体半部10の第1の直線部分26aとが互いに接触し、それによって筐体4内により大きな直線部分が形成される。同様に、筐体半部8、10が併せて形成された際には、第1の筐体半部8の第2の直線部分24cと第2の筐体半部10の第2の直線部分26cとが互いに接触し、それによって筐体4内により大きな直線部分が形成される。完全に組み立てられた際には、筐体半部8、10の第1の直線部分24a、26aと、実質的に湾曲した部分24b、26bと、第2の直線部分24c、26cとは、筐体4の内部空洞6内に実質的に楕円形の断面を形成する。直線部分24a、24c、26a、26cの長さは、分割線12における効果的な封止を確実にするため、内部空洞6内にもたらされる内圧及び全筐体寸法に応じて調整され得ることが考えられる。本開示の一例では、直線部分24a、24c、26a、26cは、それぞれ0.1インチ~3.0インチの間で延びていてもよい。しかしながら、特定の蒸気タービンにおける特定の内圧及び全筐体寸法に応じて、直線部分24a、24c、26a、26cについて別の寸法が使用されてもよいことが考えられる。直線部分24a、24c、26a、26cの長さが増加するにつれて、分割線12にて生じる封止圧力もまた増加する。
【0036】
図3~5を参照すると、第1及び第2の筐体半部8、10の内面22a、22bは、封止されている面に平行な横方向の力を生じさせる断面形状を形成していてもよい。例えば、第1及び第2の筐体半部8、10の内面22a、22bは、これらの横方向の力をもたらすために、実質的に平坦な部分、湾曲した部分、楕円形部分又は任意の他の適切な形状を有していてもよい。本開示の一例では、第1の筐体半部8の内面22aは、第1の曲率を含む第1の部分と、第2の曲率を含む第2の部分とを含んでいてもよく、このとき、第1及び第2の曲率は、互いに異なる。本開示の一例では、第2の筐体半部8の内面22bは、第1の曲率を含む第1の部分と、第2の曲率を含む第2の部分とを含んでいてもよく、このとき、第1及び第2の曲率は、互いに異なる。
【0037】
図2に示すように、筐体4の内部空洞6内の内圧(矢印28により示される)は、筐体4の内面20に対して外向きの力を生じさせるが、この力によって筐体4からの漏出が起こる可能性がある。筐体4に楕円形の断面を利用することにより、漏出の可能性が大きく低減される。筐体半部8、10と共に使用される直線部分24a、26a、24c、26cに起因して、筐体4の分割線12にて改善された封止が達成される。分割線12の上下に直線部分24a、26a、24c、26cを設けることによって、筐体4に対する横方向の力が増大する。力は、表面に垂直な方向において、圧力と表面の面積との積に等しい。したがって、面積が大きいほど、横方向の力が大きくなる。横方向の力が増大するため、筐体半部8、10が互いに接続された際に、直線部分24a、24c、26a、26cの内縁は、(矢印30により示されるように)互いに向かって回転し、分割線12の内縁にてより強力な封止が生じる。円形の断面形状を有する分割筐体を有する蒸気タービンとは異なり、本開示の蒸気タービン2の半割筐体8、10の直線部分24a、24c、26a、26cは、筐体4の分割線12における封止能力を高めるのに役立つ。円形の断面形状を有する蒸気タービンでは、本開示において横方向の力によりもたらされる分割線における向上した封止能力と同等の封止能力は提供されない。
【0038】
蒸気タービン2について複数の態様が添付の図面に示され、上記にて詳細に説明されているが、他の態様は、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく当業者には明らかであり、容易に実施される。したがって、前述の説明は、限定的ではなく例示的であることが意図されている。上記にて説明された本発明は特許請求の範囲によって定義され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内における本発明に対する全ての変更は、それらの範囲内に包含されるものである。
図1
図2
図3
図4
図5