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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-19
(45)【発行日】2023-04-27
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20230420BHJP
【FI】
A63F7/02 320
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2019064054
(22)【出願日】2019-03-28
(65)【公開番号】P2020162678
(43)【公開日】2020-10-08
【審査請求日】2021-12-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000154679
【氏名又は名称】株式会社平和
(74)【代理人】
【識別番号】110003133
【氏名又は名称】弁理士法人近島国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】瀧田 哲志
(72)【発明者】
【氏名】松浦 浩平
(72)【発明者】
【氏名】小川 雅行
(72)【発明者】
【氏名】安田 悠
(72)【発明者】
【氏名】吉田 尚人
(72)【発明者】
【氏名】秋山 雄太郎
【審査官】渡辺 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-134239(JP,A)
【文献】特開2000-112453(JP,A)
【文献】特開2017-79903(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技価値を用いた遊技に関する演出を制御する演出制御手段と、
演出を実行する演出装置と、を備える遊技機において、
前記演出制御手段は、第1演出制御と、第2演出制御と、第3演出制御と、を実行可能であり、
前記第1演出制御は、第1演出態様を前記演出装置に発現させる制御であり、
前記第2演出制御は、第2演出態様を前記演出装置に発現させる制御であり、
前記第3演出制御は、前記第3演出制御が開始される前に前記演出装置に発現している演出態様を発現させた後に該演出態様の発現を徐々に減少させる制御であり、
前記演出制御手段は、複数の演出制御を実行する場合、優先度が高い演出制御で発現される演出態様を、優先度が低い演出制御で発現される演出態様に優先して前記演出装置に発現し、
前記第1演出制御は、前記第2演出制御より優先度が高く、
前記第3演出制御は、前記第1演出制御及び前記第2演出制御より優先度が高く、
前記第1演出制御から前記第2演出制御に制御を切り替える場合、前記第1演出制御を終了するとともに前記第2演出制御及び前記第3演出制御を開始することで前記第3演出制御によって前記第1演出態様が発現している状態から徐々に前記第1演出態様の発現が減少し、且つ前記第2演出制御によって前記第2演出態様の発現が徐々に増大し、
前記第2演出制御から前記第1演出制御に制御を切り替える場合、前記第2演出制御を終了するとともに前記第1演出制御及び前記第3演出制御を開始することで、前記第3演出制御によって前記第2演出態様が発現している状態から徐々に前記第2演出態様の発現が減少し、且つ前記第1演出制御によって前記第1演出態様の発現が徐々に増大する、
ことを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記演出制御手段は、
前記第3演出制御が開始される前に前記演出装置に発現している演出態様を解析する前記第3演出制御に係る解析を実行し、
前記第3演出制御に係る解析を実行している場合において、前記第3演出制御の実行に基づく演出態様が前記演出装置に発現しないように前記第3演出制御に係る解析を実行する、
ことを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、遊技機(パチンコ機)では、遊技者のハンドル操作により遊技盤内の遊技領域に向かって遊技球が発射され、遊技領域を流下した遊技球が始動口に入球したことを条件に特別図柄に係る抽選が実行される。そして、遊技機では、特別図柄表示器において、特別図柄が変動表示され、さらに、抽選によって決定された特別図柄が停止表示されることで遊技者に抽選結果が報知される。このとき、遊技機では、特別図柄表示器に大当たりであることを示す特定の特別図柄が停止表示されると、通常の遊技に比べて遊技者に有利な大役遊技が開始される。大役遊技が開始された場合、遊技機では、アタッカー装置が所定回数開閉し、大入賞口への遊技球の入球が可能になるため、遊技者が多くの賞球の払い出しを受けることが可能となる。
【0003】
上述した遊技機においては、遊技に関する演出として、表示装置に表示されている画像を徐々に消失させ新たな画像に切り替えるフェードアウト表示や、表示装置に表示されている画像から新たな画像に切り替える際に該新たな画像を徐々に表示させるフェードイン表示等を実行し、表示装置に表示させる内容を切り替える構成が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-73457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の遊技機においては、単一色の中間画像を介してフェードアウト表示やフェードイン表示を行うことで、フェードアウト表示やフェードイン表示に係るデータ容量の削減を行っている。しかしながら、遊技機においては、中間画像を介した画像の切り替えのように、画像を連続して変更することでフェードアウト表示やフェードイン表示のような演出を実現する場合、表示する画像を管理する処理が必要になることで、画像の切り替えに係る処理負荷が増大してしまい、処理速度が低下してしまう虞があった。
【0006】
そこで、本発明は、演出に係る処理の負荷を軽減させることができる遊技機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、遊技価値を用いた遊技に関する演出を制御する演出制御手段と、
演出を実行する演出装置と、を備える遊技機において、
前記演出制御手段は、第1演出制御と、第2演出制御と、第3演出制御と、を実行可能であり、
前記第1演出制御は、第1演出態様を前記演出装置に発現させる制御であり、
前記第2演出制御は、第2演出態様を前記演出装置に発現させる制御であり、
前記第3演出制御は、前記第3演出制御が開始される前に前記演出装置に発現している演出態様を発現させた後に該演出態様の発現を徐々に減少させる制御であり、
前記演出制御手段は、複数の演出制御を実行する場合、優先度が高い演出制御で発現される演出態様を、優先度が低い演出制御で発現される演出態様に優先して前記演出装置に発現し、
前記第1演出制御は、前記第2演出制御より優先度が高く、
前記第3演出制御は、前記第1演出制御及び前記第2演出制御より優先度が高く、
前記第1演出制御から前記第2演出制御に制御を切り替える場合、前記第1演出制御を終了するとともに前記第2演出制御及び前記第3演出制御を開始することで前記第3演出制御によって前記第1演出態様が発現している状態から徐々に前記第1演出態様の発現が減少し、且つ前記第2演出制御によって前記第2演出態様の発現が徐々に増大し、
前記第2演出制御から前記第1演出制御に制御を切り替える場合、前記第2演出制御を終了するとともに前記第1演出制御及び前記第3演出制御を開始することで、前記第3演出制御によって前記第2演出態様が発現している状態から徐々に前記第2演出態様の発現が減少し、且つ前記第1演出制御によって前記第1演出態様の発現が徐々に増大する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、演出に係る処理の負荷を軽減させることができる遊技機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の第1の実施形態の遊技機の扉が解放された状態における外観構成を示す斜視図である。
図2】本発明の第1の実施形態の遊技機の正面図である。
図3】本発明の第1の実施形態の遊技機の機能ブロックを説明する図である。
図4】本発明の第1の実施形態の遊技機における副制御部の機能ブロックを説明する図である。
図5】本発明の第1の実施形態の遊技機における画像制御手段が実行する演出制御と演出制御によって演出表示装置に表示される演出態様とを説明するタイムチャートである。
図6】本発明の第2の実施形態の遊技機における画像制御手段が実行する演出制御と演出制御によって演出表示装置に表示される演出態様とを説明するタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1の実施形態]
以下、本発明の第1の実施形態について説明する。なお、以下に説明する第1の実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、第1の実施形態で説明される構成のすべてが、本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0011】
1.構成
図1は、本発明の第1の実施形態に係る遊技機であるパチンコ機1の斜視図である。図1に示すように、パチンコ機1は、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成される外枠2と、外枠2にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた中枠4と、中枠4にヒンジ機構によって開閉自在に取り付けられた前枠6と、を備えている。
【0012】
中枠4は、外枠2と同様に、略矩形状に組まれた四辺によって囲繞空間が形成されている。パチンコ機1では、中枠4の囲繞空間に遊技盤30(図2参照)を保持している。また、前枠6には、ガラス製又は樹脂製の透過板10が保持されている。そして、パチンコ機1では、中枠4及び前枠6を外枠2に対して閉じると、遊技盤30においてベースとなり、パチンコ機1を正面視した場合における中枠4の前面に設置される遊技板31(図2参照)と透過板10とが所定の間隔を維持して略平行に対面するとともに、パチンコ機1の正面側から、透過板10を介して遊技盤30が視認可能となる。
【0013】
前枠6の下部には、パチンコ機1の正面側に突出する操作ハンドル12が設けられている。操作ハンドル12には、遊技者によって回転操作可能な発射操作レバー12aが設けられており、遊技者が発射操作レバー12aを回転させて発射操作を行うと、発射操作レバー12aの回転角度に応じた強度で、不図示の発射機構によって遊技価値としての遊技球が発射される。このようにして発射された遊技球は、遊技盤30の遊技板31の表面である遊技盤面31a(図2参照)に設けられたレール32,33(図2参照)間を上昇して遊技領域40(図2参照)に導かれることになる。
【0014】
図2は、第1の実施形態に係る遊技盤30の正面図である。図2に示すように、遊技領域40は、遊技盤面31aと透過板10(図1参照)との間隔に形成される空間であって、遊技球が流下又は転動可能な領域である。遊技盤30には、遊技盤面31aに多数の釘や風車が設けられており、遊技領域40に導かれた遊技球が釘や風車に衝突して、不規則な方向に流下、転動するようにしている。
【0015】
遊技領域40は、発射機構の発射強度に応じて遊技球の進入度合いを互いに異にする第1遊技領域40L及び第2遊技領域40Rを備えている。第1遊技領域40Lは、パチンコ機1に正対した遊技者から見て遊技領域40の左側に位置し、第2遊技領域40Rは、パチンコ機1に正対した遊技者から見て遊技領域40の右側に位置している。パチンコ機1では、レール33が遊技領域40の左側の上部で途切れていることから、発射機構によって所定の強度未満の発射強度で発射された遊技球が第1遊技領域40Lに進入し、所定の強度以上の発射強度で発射された遊技球が第2遊技領域40Rに進入することになる。
【0016】
また、遊技領域40には、遊技球が入球可能な第1始動口51、第2始動口52、複数の第1一般入賞口58、第2一般入賞口59、が設けられており、詳細には、第1遊技領域40Lに進入した遊技球は、第1始動口51、複数の第1一般入賞口58に入球可能であり、第2遊技領域40Rに進入した遊技球は、第2始動口52、第2一般入賞口59に入球可能であるように構成されている。第1始動口51、第2始動口52、第1一般入賞口58、第2一般入賞口59のそれぞれに遊技球が入球すると、それぞれに設定された所定の賞球が遊技者に払い出される。なお、パチンコ機1において、賞球数は、1個以上であれば何個でもよく、また、第1始動口51、第2始動口52、第1一般入賞口58、第2一般入賞口59のそれぞれで払い出す賞球数を異ならせてもよいし、同じ賞球数に設定してもよい。パチンコ機1では、第1始動口51に遊技球が入球して払い出す賞球数を、第2始動口52に遊技球が入球して払い出す賞球数よりも少なく設定することも可能である。
【0017】
第1の実施形態のパチンコ機1では、第1始動口51内に第1始動領域が設けられ、第2始動口52内に第2始動領域が設けられている。そして、パチンコ機1では、第1始動口51又は第2始動口52に遊技球が入球して第1始動領域又は第2始動領域に遊技球が進入すると、予め設けられた複数の特別図柄の中からいずれか1つの特別図柄を決定するための内部抽選が行われる。各特別図柄には、遊技者にとって有利な特別遊技状態としての大当たり遊技の実行可否や、以後の遊技状態をどのような遊技状態にするかといった種々の特典(遊技利益)が対応付けられている。したがって、遊技者は、第1始動口51又は第2始動口52に遊技球が入球すると、所定の賞球を獲得するのと同時に、種々の特典を受ける権利獲得の抽選の機会を獲得することとなる。
【0018】
また、第2始動口52には、可動片52aが開閉可能に設けられており、可動片52aの状態に応じて、第2始動口52への遊技球の進入容易性が変化するように構成されている。具体的には、可動片52aが閉状態にあるときには、第2始動口52への遊技球の入球が不可能となり、可動片52aが開き、遊技球の直径よりも開いた状態にあるときには、第2始動口52への遊技球の入球が可能となっている。
【0019】
パチンコ機1では、第2遊技領域40Rに設けられたゲート53内の進入領域を遊技球が通過すると、普通図柄の抽選が行われ、抽選によって当たりに当選すると、可動片52aが所定時間、開状態に制御される。可動片52aが開状態に制御されることで、第1の実施形態のパチンコ機1では、可動片52aが遊技球を第2始動口52に導く受け皿として機能し、第2始動口52への遊技球の入球が容易となる。なお、パチンコ機1は、可動片52aが閉状態にあるときに、第2始動口52への遊技球の入球が不可能となるように構成されているが、第2始動口52が閉状態にある場合にも一定の頻度で遊技球が入球可能となるように構成されていてもよい。
【0020】
なお、第2遊技領域40Rの上部には、ワープ導入口56及びワープ排出口57が設けられており、第2遊技領域40Rに進入した遊技球のうち、右側を流下する遊技球はワープ導入口56から遊技盤30の背面側を通過してワープ排出口57に導かれ、再度、ゲート53の上部で第2遊技領域40Rに戻される。
【0021】
第2遊技領域40Rの下方側には、遊技球が入球可能な大入賞口65を有する大入賞口装置60が設けられている。大入賞口装置60には、開閉扉61が大入賞口65を開閉可能となるように設けられており、通常、開閉扉61が大入賞口65を閉鎖して、大入賞口65への遊技球の入球が不可能となっている。これに対して、パチンコ機1では、大当たり遊技が実行されると、開閉扉61が開放されて、大入賞口65への遊技球の入球が可能となる。なお、大入賞口装置60には、開閉扉61の開閉と連動して上下に回動する回動部材62が設けられており、開閉扉61が開放された際に回動部材62が上方に回動して、上方から流下してくる遊技球を受け止めて大入賞口65に導き易くなる入賞補助を行うように構成されている。
【0022】
そして、大入賞口65に遊技球が入球すると、大入賞口検出センサ67により遊技球の通過が検出され、所定の賞球が遊技者に払い出される。そして、大入賞口65から入球した遊技球は、下方側に配置された排出口69を通過して大入賞口装置60の背面側から外部に排出される。なお、大入賞口検出センサ67を通過した遊技球は、遊技球検出センサである大入賞口排出検出センサ68により通過が検出され、所定時間以内に大入賞口装置60の排出口69から遊技盤30の背面に適切に排出されたか否かが検出される。
【0023】
また、第2始動口52及び大入賞口65に入球しなかった遊技球は、大入賞口装置60をそのまま通過して、第2一般入賞口59の上方に導かれ、第2一般入賞口59に入賞するか、或いはそのまま下方に流下する。なお、第2一般入賞口59は、例えば賞球を1個に設定し、第1遊技領域40Lを狙って遊技球を発射すべき状態で入賞を検出した際に、第1遊技領域40Lを狙うべき旨(つまり左打ちの推奨)を報知するように構成しておくことが可能である。
【0024】
そして、遊技領域40の最下部には、第1一般入賞口58、第1始動口51、第2始動口52、大入賞口65、第2一般入賞口59、のいずれにも入球しなかった遊技球を、遊技領域40から遊技盤30の背面側に排出する排出口55が設けられている。
【0025】
また、図1及び図2に示すように、パチンコ機1には、遊技状態の変化や各入賞口への入球の有無、各種抽選結果等の遊技の進行に応じた演出を実行する演出装置として、液晶表示装置からなる表示部としての演出表示装置400、演出役物装置410、さまざまな点灯態様や発光色に制御されるランプからなる演出照明装置420、スピーカからなる楽曲出力装置430、遊技者の演出に関する操作を受け付ける演出操作装置450が設けられている。
【0026】
演出表示装置400は、遊技盤30の略中央部分において、パチンコ機1の正面側から視認可能な位置に画像を表示する画像表示装置としての画像表示部400aを備えており、パチンコ機1を正面視した場合において中枠4の背面側に設置されることで遊技板31よりも奥側に設けられている。つまり、第1の実施形態のパチンコ機1では、画像表示部400aよりも手前に遊技板31が位置している。
【0027】
演出表示装置400は、図2に示すように、画像表示部400aに左側、中央、右側にそれぞれ配置された演出図柄401L、401C,401Rが変動表示され、演出図柄401L、401C,401Rの停止表示態様によって大当たり抽選結果が遊技者に報知される変動演出が実行されることとなる。
【0028】
演出役物装置410は、演出表示装置400の画像表示部400aよりも前方に配置され、通常、画像表示部400aの表示を邪魔しないように縮退しているが、演出図柄401L、401C,401Rの変動表示中等に、画像表示部400aの前方に進出するように移動する等して、遊技者に大当たりの期待感を付与するものである。
【0029】
図1及び図2に示すように、演出照明装置420は、例えば光源としてのLEDやLEDから照射される光を拡散するレンズ等を有して構成され、演出役物装置410や遊技盤30等に設けられており、演出表示装置400に表示される画像等に合わせて、さまざまに点灯制御される。
【0030】
図1に示すように、楽曲出力装置430は、前枠6の上部位置や外枠2の最下部位置に設けられた、いわゆるスピーカであって、演出表示装置400に表示される画像等に合わせて、パチンコ機1の正面側に向けてさまざまな楽曲を出力する。なお、楽曲とは、楽音、噪音、音声、擬音等、音に関するすべての概念を含む。
【0031】
演出操作装置450は、遊技者の押下操作を受け付ける演出押下ボタン451と、遊技者の演出操作装置450全体を回動させる回動操作を受け付ける演出回動レバー452を有しており、パチンコ機1の幅方向略中央位置であって、かつ、透過板10よりも下方位置に設けられている。演出操作装置450は、演出表示装置400に表示される画像等に合わせて有効化され、操作有効期間内に遊技者の操作を受け付けると、当該操作に応じて、演出表示装置400や演出役物装置410を用いたさまざまな演出が実行される。
【0032】
また、演出操作装置450の後方には、パチンコ機1から払い出される賞球や、遊技球貸出装置から貸し出される遊技球が導かれる上皿22が設けられ、上皿22の下方に下皿24が設けられている。パチンコ機1では、上皿22が遊技球で一杯になると、上皿22に進入できない遊技球が下皿24に導かれることとなる。また、下皿24の底面には、下皿24から遊技球を排出するための球抜き孔(不図示)が形成されている。球抜き孔は、通常、開閉板(不図示)によって閉じられているが、球抜きボタン24aを押下操作することにより、上記開閉板がスライド移動する等して球抜き孔が開放され、球抜き孔から下皿24の下方に遊技球を排出することが可能となっている。
【0033】
そして、図2に示すように、遊技盤30には、遊技領域40の外方であって、かつ、遊技者が視認可能な位置に、遊技に係る種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示器71、第2特別図柄表示器72、第1特別図柄保留表示器73、第2特別図柄保留表示器74、普通図柄表示器75、普通図柄保留表示器76、及び右打ち報知表示器77(図3参照)を有する情報表示装置70が設けられている。
【0034】
図3は、第1の実施形態に係るパチンコ機1の各部を示すブロック図である。主制御基板で構成される主制御部100は、遊技の進行を制御し、メインCPU100aと、メインROM100bと、メインRAM100cと、を備えている。メインCPU100aは、各検出スイッチや払出・発射制御部300からの入力信号に基づいて、メインROM100bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、各装置や表示器を直接制御したり、あるいは演算処理の結果に応じて他の制御部に主制御部100で生成したコマンドを送信したりすることで、遊技の進行に係る制御処理を実行する。メインRAM100cは、メインCPU100aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0035】
主制御部100には、第1一般入賞口58に遊技球が入球したことを検出する第1一般入賞口検出スイッチ58sと、第2一般入賞口59に遊技球が入球したことを検出する第2一般入賞口検出スイッチ59sと、第1始動口51に遊技球が入球したことを検出する第1始動口検出スイッチ51sと、第2始動口52に遊技球が入球したことを検出する第2始動口検出スイッチ52sと、ゲート53を遊技球が通過したことを検出するゲート検出スイッチ53sと、大入賞口65に遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出センサ67(図2参照)に設けられた大入賞口検出スイッチ65sと、大入賞口65から遊技球が排出されたことを検出する大入賞口排出検出センサ68(図2参照)に設けられた大入賞口排出検出スイッチ68sとが接続されており、各検出スイッチから出力される検出信号が主制御部100に入力されるよう構成されている。
【0036】
また、主制御部100には、第2始動口52の可動片52aを作動する普通電動役物ソレノイド52soと、大入賞口65を開閉する開閉扉61を作動する大入賞口ソレノイド61soと、回動部材62を作動する大入賞口補助ソレノイド62soとが接続されており、主制御部100によって、第2始動口52及び大入賞口65の開閉制御、大入賞口65への入賞補助制御が実行されるよう構成されている。
【0037】
また、主制御部100には、第1特別図柄表示器71と、第2特別図柄表示器72と、第1特別図柄保留表示器73と、第2特別図柄保留表示器74と、普通図柄表示器75と、普通図柄保留表示器76と、右打ち報知表示器77と、が接続されており、主制御部100によって、これら各表示器の表示制御が実行される。
【0038】
第1の実施形態のパチンコ機1では、主に第1始動口51又は第2始動口52への遊技球の入球によって開始される特別遊技と、ゲート53を遊技球が通過することによって開始される普通遊技と、に遊技の種別が大別される。そして、主制御部100のメインROM100bには、特別遊技及び普通遊技を進行するための種々のプログラムや、各種の遊技に必要なデータ、テーブルが記憶されている。
【0039】
メインCPU100aでは、例えば、発生させた乱数を用いて実行する特別図柄の当否に係る内部抽選、普通電動役物ソレノイド52soに信号を出力し可動片52aを作動させる制御、大入賞口ソレノイド61soに信号を出力し開閉扉61を作動させる制御、大入賞口補助ソレノイド62soに信号を出力し回動部材を作動させる制御、内部抽選における特別図柄の当選確率を変更する制御等、遊技の進行に係る制御を実行する。メインCPU100aは、各制御の結果や、各検出スイッチから入力された検出信号をコマンド(主制御コマンド)に変換し、払出・発射制御部300や副制御部200に送信する。なお、特別図柄の当選確率を変更する制御とは、大当たり遊技の終了後の遊技状態を、内部抽選における特別図柄の当選確率を、通常の確率とする通常状態と、通常の確率よりも上昇する確変状態と、のいずれかに決定する遊技状態決定制御のことを指している。
【0040】
払出・発射制御部300は、遊技球を発射させるための制御及び賞球を払い出すための制御を行う。払出・発射制御部300も、主制御部100と略同様に、図示を省略したCPU、ROM、RAMを備えており、主制御部100に対して双方向に通信可能に接続されている。払出・発射制御部300には、遊技情報出力端子板311が接続されており、主制御部100から出力される遊技進行上の種々の情報が、払出・発射制御部300及び遊技情報出力端子板311を介して、外部カウンタや遊技店のホールコンピュータ等に出力されることとなる。
【0041】
また、払出・発射制御部300には、貯留部に貯留された遊技球を賞球として遊技者に払い出すための払出モータ312が接続されている。払出・発射制御部300は、主制御部100から送信された払出個数指定コマンドに基づいて払出モータ312を制御して所定の賞球を遊技者に払い出すように制御する。このとき、パチンコ機1では、払い出された遊技球数が払出球計数スイッチ313sによって検出され、払い出すべき賞球が遊技者に払い出されたかが把握されるように構成されている。
【0042】
また、払出・発射制御部300には、下皿24の満タン状態を検出する皿満タン検出スイッチ314sが接続されている。皿満タン検出スイッチ314sは、遊技球を上皿22から下皿24に導く通路に設けられており、皿満タン検出スイッチ314sにおける遊技球の有無を遊技球検出信号として払出・発射制御部300に出力するように構成されている。即ち、払出・発射制御部300は、遊技球検出信号が所定時間連続して入力された場合に、下皿24が満タン状態であると判断し、遊技球検出信号の連続入力が途絶えた場合には、満タン状態が解除されたと判断する。なお、下皿24が満タン状態であると判断される場合、例えば副制御部200が演出表示装置400や楽曲出力装置430等を用いて遊技者に下皿24が満タン状態であることを報知する。
【0043】
また、払出・発射制御部300には、遊技球の発射制御を行う払出・発射制御回路301が設けられている。払出・発射制御部300には、操作ハンドル12に設けられ、当該操作ハンドル12に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ12sと、発射操作レバー12aの操作角度を検出する操作ボリューム12vと、が接続されている。そして、タッチセンサ12s及び操作ボリューム12vから信号が入力されると、払出・発射制御回路301において、遊技球発射装置に設けられた発射用ソレノイド12soを通電して遊技球を発射させる制御が実行される。
【0044】
副制御基板で構成され、遊技に関する演出を制御する演出制御部としての副制御部200は、主に遊技中や待機中等の各演出を制御し、サブCPU200aと、サブROM200bと、サブRAM200cと、を備えている。なお、パチンコ機1においては、主制御部100に対して、不正防止の観点により、当該主制御部100から副制御部200への一方向にのみ通信可能に接続されている。
【0045】
サブCPU200aは、主制御部100から送信されたコマンド等に基づいて、サブROM200bに格納されたプログラムを読み出して演算処理を行うとともに、演出表示装置400に画像を表示させる制御である画像表示制御や、演出役物装置410を駆動させたり発光させたりする演出役物制御、演出照明装置420を点灯させる点灯制御、楽曲出力装置430から楽曲を出力させる楽曲出力制御等の演出に係る制御を実行する。サブRAM200cは、サブCPU200aの演算処理時におけるデータのワークエリアとして機能する。
【0046】
また、副制御部200には、演出操作装置450の演出押下ボタン451への遊技者の押下操作を検出する押下操作検出スイッチ451sと演出回動レバー452への遊技者の回動操作を検出する回動操作検出スイッチ452sとが接続されている。押下操作検出スイッチ451sは、遊技者による演出押下ボタン451の押下操作を検出すると、演出押下操作検出信号を副制御部200に出力し、また、回動操作検出スイッチ452sは、遊技者による演出回動レバー452の回動操作を検出すると、演出回動操作検出信号を副制御部200に出力する。そして、副制御部200は、これら演出押下操作検出信号や演出回動操作検出信号等の副制御部200に入力される信号や、遊技の進行等に基づき、演出表示装置400、演出役物装置410、演出照明装置420、楽曲出力装置430等を用いた演出を実行する。
【0047】
なお、パチンコ機1には、例えば100Vの電圧からなる商用電源の電力を入力し、電源として機能する不図示の電源ユニットが備えられており、電源ユニットは、商用電源の100Vの電圧を、例えば24V(或いは12Vでもよい)の電圧に降圧して各部に供給する第1降圧回路と、例えば5Vの電圧に降圧して各部に供給する第2降圧回路とを有している。なお、島設備に供給されている例えば24Vの電圧からなる電力をそのまま入力するものでもよく、その場合、第1降圧回路は不要である。
【0048】
第1降圧回路からの例えば24Vの電圧の電力は、主制御部100、副制御部200、普通電動役物ソレノイド52so、大入賞口ソレノイド61so、大入賞口補助ソレノイド62so、第1特別図柄表示器71、第2特別図柄表示器72、第1特別図柄保留表示器73、第2特別図柄保留表示器74、普通図柄表示器75、普通図柄保留表示器76、右打ち報知表示器77、払出モータ312、発射用ソレノイド12so、演出表示装置400、演出役物装置410、演出照明装置420、楽曲出力装置430等に送電され、それらの駆動電力や発光電力として用いられる。
【0049】
また、第2降圧回路からの例えば5Vの電圧の電力は、第1一般入賞口検出スイッチ58s、第2一般入賞口検出スイッチ59s、第1始動口検出スイッチ51s、第2始動口検出スイッチ52s、ゲート検出スイッチ53s、大入賞口検出スイッチ65s、大入賞口排出検出スイッチ68s、払出球計数スイッチ313s、皿満タン検出スイッチ314s、タッチセンサ12s、操作ボリューム12v、押下操作検出スイッチ451s、回動操作検出スイッチ452s等に送電され、それらのセンサやスイッチの駆動電力として用いられる。
【0050】
また、主制御部100においては、第1降圧回路からの例えば24Vの電圧の電力をさらに例えば5Vの電圧の電力に降圧し、この例えば5Vの電圧の電力は、メインCPU100a、メインROM100b、メインRAM100c、払出・発射制御回路301の駆動電力として用いられる。
【0051】
そして、副制御部200においても、第1降圧回路からの例えば24Vの電圧の電力をさらに例えば3.3V(或いは1.2Vでもよい)の電圧の電力に降圧し、この例えば3.3Vの電圧の電力は、サブCPU200a、サブROM200b、サブRAM200cの駆動電力として用いられる。
【0052】
次に、副制御部200の詳細について、図3図4を用いて説明する。図4は、副制御部200を構成する各機能部の詳細を説明するためのブロック図である。
【0053】
副制御部200は、サブCPU200aと、サブROM200bと、サブRAM200cと、の他に、演出表示装置400に表示する画像に係る制御を実行する画像IC200d、画像ROM200e及び画像RAM200fと、演出役物装置410を動作させる役物ドライバ200gと、演出照明装置420を点灯及び消灯させる照明ドライバ200hと、楽曲出力装置430から出力する楽曲に係る制御を実行する楽曲IC200i及び楽曲ROM200jと、を備えている。
【0054】
副制御部200においては、サブCPU200a、サブRAM200c、画像IC200d、画像ROM200e、画像RAM200f、楽曲IC200i、楽曲ROM200j等の一連の機能部が、SoC(System-on-a-Chip)として1個の集積回路に集積されている。ただし、SoCにいずれの機能部を集積するかは任意に設定することができる。また、サブCPU200a、サブRAM200c、画像IC200d、画像ROM200e、画像RAM200f、楽曲IC200i、楽曲ROM200j等の各機能部がそれぞれ異なる集積回路として集積され、電気的に接続されているとしてもよい。
【0055】
サブCPU200aは、副制御部200が実行する遊技に関する演出を実行するための各種制御処理を実行する。サブCPU200aは、例えば、主制御部100から送信されたコマンドを受信し、受信したコマンドにエラーが生じていないか等の判別を実行した後にサブRAM200cに設けられたコマンドバッファにコマンドを格納する制御処理や、コマンドバッファに格納したコマンドを読み出して解読し、解読したコマンドに基づく演出パターン(演出内容)を決定する制御処理等の、各種制御処理を所定の周期(例えば4ms)で実行する割込み処理を実行するように構成されている。
【0056】
また、サブCPU200aは、解読したコマンドから決定した演出パターンに基づき演算を実行し、演出コマンドを構築する。サブCPU200aは、例えば、画像、つまり演出表示装置400を用いた演出パターンを決定した場合、決定した演出パターンに基づいた画像データの決定や、画像データを配置する位置等の演算を実行して画像に関する演出コマンドである画像コマンドを構築する。そして、サブCPU200aは、構築した画像コマンドを画像IC200dに転送する。画像IC200dの詳細については、後述する。
【0057】
また、サブCPU200aは、演出パターンとして演出役物装置410を用いた演出パターンを決定した場合、決定した演出パターンに基づいた役物パターンを演算し、演算した役物パターンに従って、役物ドライバ200gに所定時間間隔で1(ON)又は0(OFF)のデータから構成される演出コマンドである役物コマンドを構築し、役物ドライバ200gに転送する。役物ドライバ200gは、サブCPU200aから転送される役物コマンドに従い、演出役物装置410を駆動するFET(Field Effect Transistor)をON又はOFFにする。
【0058】
また、サブCPU200aは、演出パターンとして演出照明装置420を用いた演出パターンに決定した場合、決定した演出パターンに基づいた照明パターンを演算し、演算した照明パターンに従って、照明ドライバ(LEDドライバ)200hに所定時間間隔で1(ON)又は0(OFF)のデータから構成される演出コマンドである照明コマンドを構築し、照明ドライバ200hに転送する。照明ドライバ200hは、サブCPU200aから送信される照明コマンドに従い、演出照明装置420を駆動するFETをON又はOFFにする。
【0059】
また、サブCPU200aは、演出パターンとして楽曲出力装置430を用いた演出パターンに決定した場合、決定した演出パターンに基づいた楽曲データを演算し、演出コマンドとして楽曲データを特定可能な楽曲コマンドを構築し、楽曲IC200iに対して転送する。楽曲IC200iは、楽曲コマンドによって特定される楽曲データを楽曲ROM200jから楽曲IC200iに読み出し、楽曲データを、順次、楽曲出力装置430に出力する。
【0060】
なお、楽曲IC200iは、複数の楽曲バッファ(バッファ)を有し、各楽曲バッファに異なる楽曲データを保持させることができる。そして、楽曲IC200iは、複数の楽曲バッファに保持された楽曲データを重畳し、重畳された楽曲データが楽曲出力装置430に出力される。
【0061】
画像IC200dは、VDP(Video Display Processor)とも呼ばれ、画像ROM200eに格納されたプログラムに基づき、画像RAM200fと協働して、画像制御手段210として機能する。画像制御手段210は、サブCPU200aから転送された画像コマンドによって特定される画像データを、演出に係る画像データを記憶する記憶手段としての画像ROM200eから読み出し、画像RAM(VRAM)200fの有する複数のレイヤーのうち対象となるレイヤーに画像データを描画する。
【0062】
画像RAM200fは、複数のレイヤーのそれぞれに異なる画像データを描画させることができる。画像制御手段210は、複数のレイヤーのうち下位のレイヤーに描画された画像から順に演出表示装置400に表示される画像が描画される描画領域としてのフレームバッファに描画することで、各レイヤーに描画された画像について、上位のレイヤーに描画された画像が優先して表示されるようにフレームバッファに重畳する。
【0063】
第1の実施形態において、画像制御手段210は、サブCPU200aから転送される画像コマンドに基づき演出表示装置400に表示する背景を切り替え可能に構成されている。ここで、第1の実施形態の画像制御手段210が演出表示装置400に表示する背景A~背景Dは、例えば特定の地域のそれぞれ異なる4地点を示す画像である。画像制御手段210は、遊技の進行に応じて実行される背景表示切替抽選で背景の変更に当選したことを示す画像コマンドがサブCPU200aから転送された場合に、転送された画像コマンドに従い演出表示装置400に表示する背景を切り替える。
【0064】
第1の実施形態において、背景A~背景Dの各画像データは、それぞれ演出表示装置400に表示される優先度が異なる設定がなされており、背景Aの画像データが最も優先度が高く、次いで背景Bの画像データ、以下背景Cの画像データ、背景Dの画像データの順に優先度が設定されている。画像制御手段210は、サブCPU200aから転送された画像コマンドに対応する背景A~背景Dの画像データのいずれかの表示に係る制御を実行する場合、画像コマンドを解析して描画する背景を背景A~背景Dの画像データのいずれであるかを決定した後に、背景A~背景Dの画像データのそれぞれに設定された優先度に応じて、描画するレイヤーを決定する。
【0065】
具体的には、画像制御手段210は、背景Aを描画すると決定した場合、背景Aの画像データに最も高い優先度が設定されていることから、背景を描画するレイヤー(背景レイヤー)の中で最も上位の第1背景レイヤーに背景Aを描画し、背景Bを描画すると決定した場合、背景Bの画像データに設定されている優先度に基づき第1背景レイヤーの次に上位の第2背景レイヤーに背景Bを描画し、背景Cを描画すると決定した場合、背景Cの画像データに設定されている優先度に基づき第2背景レイヤーの次に上位の第3背景レイヤーに背景Cを描画し、背景Dを描画すると決定した場合、背景Dの画像データに設定されている優先度に基づき第3背景レイヤーの次に上位の第4背景レイヤーに背景Dを描画する。
【0066】
このような構成であることから、パチンコ機1では、背景Aを第1背景レイヤーに描画し演出表示装置400に表示する背景A表示制御が最も高い優先度に設定され、以下、背景Bを第2背景レイヤーに描画し演出表示装置400に表示する背景B表示制御、背景Cを第3背景レイヤーに描画し演出表示装置400に表示する背景C表示制御、背景Dを第4背景レイヤーに描画し演出表示装置400に表示する背景D表示制御の順に優先度が低くなるように設定されている。
【0067】
また、画像制御手段210は、演出表示装置400に表示する背景を切り替える旨の画像コマンドがサブCPU200aから転送された場合、新たに表示する背景の描画に係る制御を開始し演出表示装置400への表示を開始するとともに、現在表示している背景をフェードアウトさせることで、演出表示装置400に既に表示されている背景を徐々に減少させて新たに表示させる背景を徐々に増大させる制御を実行する。
【0068】
この、現在表示している背景を演出表示装置400に表示(発現)させる制御(第1演出制御)から、優先度が異なる新たな背景を演出表示装置400に表示させる制御(第2演出制御)に切り替える際に、第1演出制御に対応する背景(第1演出態様)が表示されている状態から徐々に第1演出制御に対応する背景が減少して第2演出制御に対応する背景(第2演出態様)の表示が徐々に増大する一連の制御が、第1の実施形態における背景表示切替制御を構成し、背景表示切替制御を実行する画像制御手段210が、第1の実施形態における演出制御手段を構成する。また、背景が表示される演出表示装置400が、第1の実施形態における演出装置を構成する。
【0069】
2.背景表示切替制御の詳細
次に、図5を参照して、第1の実施形態に係るパチンコ機1において、画像制御手段210が実行する背景表示切替制御と、画像制御手段210が背景表示切替制御を実行した際における演出表示装置400での表示と、の詳細について説明する。
【0070】
図5は、画像制御手段210が実行する演出制御である背景表示切替制御と、背景表示切替制御によって演出表示装置400に表示される背景と、を説明するタイムチャートである。なお、以下の記載において、背景A~背景Dの表示に係る制御を、背景A表示制御~背景D表示制御と記載し、背景A~背景Cをフェードアウトさせる制御を、それぞれ背景Aフェードアウト表示制御~背景Cフェードアウト表示制御と記載し、背景Aフェードアウト表示制御~背景Cフェードアウト表示制御をまとめて「背景フェードアウト表示制御」とも記載する。
【0071】
図5に示すように、画像制御手段210は、まず、時点t0から時点t1までの期間において、背景A表示制御~背景D表示制御の中で優先度が最も高い背景A表示制御を実行する。画像制御手段210が背景A表示制御を実行することで、演出表示装置400では、時点t0から時点t1までの期間において背景Aが表示される。なお、時点t1は、遊技の進行に応じて実行される背景表示切替抽選で背景Aから背景Bへの変更に当選したことを示す画像コマンドがサブCPU200aから転送された時点である。
【0072】
時点t1において、画像制御手段210は、サブCPU200aから背景Aから背景Bに表示を切り替える画像コマンドが転送されたことに基づき、演出表示装置400に表示する背景を背景Aから背景Bに切り替える制御を開始する。画像制御手段210は、時点t1において、背景Aフェードアウト表示制御と、背景B表示制御と、を開始する。
【0073】
ここで、背景フェードアウト表示制御において、画像制御手段210は、1フレーム(約33.3ms)ごとにフェードアウトする背景の透明度を演算し、背景フェードアウト表示制御を開始する時点から終了する時点に向けて徐々に背景の透明度が高くなるように演算していく。そして、画像制御手段210は、背景フェードアウト表示制御で演算した透明度で、現在背景を描画しているレイヤーに背景を描画することで、演出表示装置400に表示する背景を徐々に透明に近づけるフェードアウト表示を実行する。
【0074】
なお、第1の実施形態においては、背景A表示制御と背景Aフェードアウト表示制御とが同じ優先度に設定され、背景B表示制御と背景Bフェードアウト表示制御とが同じ優先度に設定され、背景C表示制御と背景Cフェードアウト表示制御とが同じ優先度に設定されている。
【0075】
図5に示すように、画像制御手段210は、時点t1から時点t2(時点t2は、例えば時点t1の1秒後)に向けて徐々に背景Aの透明度が高くなるように演算していく。画像制御手段210が演算した透明度で背景Aを描画することで、演出表示装置400では、時点t1から時点t2の所定期間において、背景Aが表示されている状態から徐々に背景Aの表示が透明に近づき減少していく。また、画像制御手段210が背景Aフェードアウト表示制御と同時に、背景A表示制御よりも優先度の低い背景B表示制御を実行していることから、演出表示装置400では、フェードアウトしていく背景Aによって背景Bの表示が遮られている時点t1から、背景Aが透明に近づくにつれて背景Bの表示が徐々に増大していき、時点t2で背景Aの表示が終了されて背景Bに背景が切り替わる。
【0076】
次に、画像制御手段210は、時点t2から時点t3までの期間において、背景A表示制御~背景D表示制御の中で背景A表示制御の次に優先度が高い背景B表示制御を実行する。画像制御手段210が背景B表示制御を実行することで、演出表示装置400では、時点t2から時点t3までの期間において背景Bが表示される。なお、時点t3は、遊技の進行に応じて実行される背景表示切替抽選で背景Bから背景Cへの変更に当選したことを示す画像コマンドがサブCPU200aから転送された時点である。
【0077】
時点t3において、画像制御手段210は、サブCPU200aから背景Bから背景Cに表示を切り替える画像コマンドが転送されたことに基づき、演出表示装置400に表示する背景を背景Bから背景Cに切り替える制御を開始する。画像制御手段210は、時点t3において、背景Bフェードアウト表示制御と、背景C表示制御と、を開始する。画像制御手段210が背景Bフェードアウト表示制御で演算した透明度で背景Bを描画することで、演出表示装置400では、時点t3から時点t4(時点t4は、例えば時点t3の1秒後)の所定期間において、背景Bが表示されている状態から徐々に背景Bの表示が透明に近づき減少していく。また、画像制御手段210が背景Bフェードアウト表示制御と同時に背景C表示制御を実行していることから、演出表示装置400では、背景Bが透明に近づくにつれて背景Cの表示が徐々に増大していき、時点t4で背景Bの表示が終了されて背景Cに背景が切り替わる。
【0078】
以下、画像制御手段210は、時点t4から遊技の進行に応じて実行される背景表示切替抽選で背景Cから背景Dへの変更に当選したことを示す画像コマンドがサブCPU200aから転送された時点である時点t5までの期間において、背景C表示制御を実行することで演出表示装置400に背景Cを表示し、時点t5から背景Cフェードアウト表示制御と背景D表示制御とを開始することで、時点t5から時点t6(時点t6は、例えば時点t5の1秒後)までの所定期間で、背景D表示制御よりも優先度の高い背景Cフェードアウト表示制御による背景Cのフェードアウト表示を演出表示装置400で実行した後に、時点t6で背景Cが透明になることで背景Cの表示を終了して背景Dに表示を切り替える。
【0079】
このように、第1の実施形態の画像制御手段210は、背景の表示に係る制御に優先度を予め設定し、優先度が高い背景の表示に係る制御に対応する背景を演出表示装置400に表示するように制御するとともに、背景を切り替える制御においてフェードアウト表示を実行して背景の表示を切り替える場合に、現在表示している背景に係る制御と同じ優先度のフェードアウト表示に係る制御を実行する。
【0080】
これにより、画像制御手段210は、背景を切り替える制御においてフェードアウト表示を実行して背景の表示を切り替える場合に、フェードアウト表示に係る制御(背景フェードアウト表示制御)と、切り替える新たな背景の表示に係る制御と、を同時に開始することで、切替前に表示されていた背景から新たな背景に切り替える際に、切替前に表示されていた背景をフェードアウトさせて新たな背景に表示を切り替えるため、表示する対象をフレーム単位で変更することなく簡易な制御によって背景をフェードアウトさせて切り替える演出を実行することができ、演出に係る処理の負荷を軽減させることができる。
【0081】
3.第1の実施形態のまとめ
以上のように、遊技価値を用いた遊技に関する演出を制御する演出制御手段(210)と、
演出を実行する演出装置(400)と、を備える遊技機(1)において、
前記演出制御手段は、
前記演出装置に第1演出態様が発現する第1演出制御と、
前記第1演出制御と優先度が異なり、前記演出装置に第2演出態様が発現する第2演出制御と、を実行可能であり、
前記第1演出制御から前記第2演出制御に制御を切り替える場合の所定期間において、前記第1演出制御を終了するとともに前記第2演出制御を開始し、かつ前記演出装置に前記第1演出態様が発現している状態から徐々に前記第1演出態様の発現が減少して前記第2演出態様の発現が徐々に増大するように制御する。
【0082】
この構成により、第1の実施形態のパチンコ機1は、優先度の異なる背景表示制御に制御を切り替える場合の所定期間において、既存の背景表示制御が終了されるとともに新たな背景表示制御が開始され、かつ既存の背景表示制御で表示した背景をフェードアウト表示する背景フェードアウト表示制御が実行されることで、演出表示装置400に既存の背景が表示(発現)している状態からフェードアウトによって徐々に既存の背景の表示が減少して新たな背景の表示が徐々に増大するように制御されるため、表示する対象をフレーム単位で変更することなく簡易な制御によって背景をフェードアウトさせて切り替える演出を実行することができ、演出に係る処理の負荷を軽減させることができる。
【0083】
[第2の実施形態]
次に、第1の実施形態を一部変更した第2の実施形態のパチンコ機1について説明する。第2の実施形態のパチンコ機1は、背景フェードアウト表示制御の優先度について、背景表示制御よりも高い優先度が設定されている。この点について、第2の実施形態のパチンコ機1は、第1の実施形態とは異なっている。その他の構成は、第1の実施形態と同様であるため、第1の実施形態と共通する構成要素には同符号を付して説明を省略する。
【0084】
1.構成
第2の実施形態において、背景Aのフェードアウト表示~背景Dのフェードアウト表示は、それぞれ演出表示装置400に表示される優先度が異なっているとともに、いずれも演出表示装置400に表示される優先度について、背景A~背景Dよりも高い優先度に設定されている。
【0085】
画像制御手段210は、フェードアウト表示する背景について、背景レイヤーよりも上位のレイヤーであり、フェードアウトする背景を描画するフェードアウトレイヤーに描画するように構成されている。具体的には、画像制御手段210は、背景Aを表示している状態から他の背景に表示を切り替えることが決定された場合、フェードアウトレイヤーの中で最も上位の第1フェードアウトレイヤーに背景Aを描画し、背景Aの次に優先度が高い背景Bを表示している状態から他の背景に表示を切り替えることが決定された場合、第1フェードアウトレイヤーの次に上位の第2フェードアウトレイヤーに背景Bを描画し、背景Bの次に優先度が高い背景Cを表示している状態から他の背景に表示を切り替えることが決定された場合、第2フェードアウトレイヤーの次に上位の第3フェードアウトレイヤーに背景Cを描画し、背景Cの次に優先度が高い背景Dを表示している状態から他の背景に表示を切り替えることが決定された場合、第3フェードアウトレイヤーの次に上位の第4フェードアウトレイヤーに背景Dを描画する。
【0086】
このような構成であることから、パチンコ機1では、フェードアウト表示する背景Aを第1フェードアウトレイヤーに描画し演出表示装置400に表示する背景Aフェードアウト表示制御が最も高い優先度に設定され、以下、フェードアウト表示する背景Bを第2フェードアウトレイヤーに描画し演出表示装置400に表示する背景Bフェードアウト表示制御、フェードアウト表示する背景Cを第3フェードアウトレイヤーに描画し演出表示装置400に表示する背景Cフェードアウト表示制御、フェードアウト表示する背景Dを第4フェードアウトレイヤーに描画し演出表示装置400に表示する背景Dフェードアウト表示制御の順に優先度が低くなるように設定されている。
【0087】
また、パチンコ機1では、いずれのフェードアウトレイヤーもいずれの背景レイヤーよりも上位のレイヤーであることから、背景Aフェードアウト表示制御~背景Dフェードアウト表示制御のいずれもが、背景A表示制御~背景D表示制御のいずれもよりも優先度が高い制御となっている。
【0088】
2.背景表示切替制御の詳細
図6は、画像制御手段210が実行する演出制御である背景表示切替制御と、背景表示切替制御によって演出表示装置400に表示される背景と、を説明するタイムチャートである。なお、以下の記載において、背景Dをフェードアウトさせる制御を、背景Dフェードアウト表示制御と記載し、背景Aフェードアウト表示制御~背景Dフェードアウト表示制御をまとめて「背景フェードアウト表示制御」とも記載する。また、背景Aフェードアウト表示制御~背景Dフェードアウト表示制御に先だって実行される背景Aフェードアウト解析~背景Dフェードアウト解析をまとめて「背景フェードアウト解析」とも記載する。
【0089】
図6に示すように、画像制御手段210は、まず、時点t10から時点t11までの期間において、背景A表示制御~背景D表示制御の中で優先度が最も高い背景A表示制御を実行する。画像制御手段210が背景A表示制御を実行することで、演出表示装置400では、時点t10から時点t11までの期間において背景Aが表示される。なお、時点t11は、遊技の進行に応じて実行される背景表示切替抽選で背景Aから背景Bへの変更に当選したことを示す画像コマンドがサブCPU200aから転送された時点である。
【0090】
また、時点t10において、画像制御手段210は、背景A表示制御~背景D表示制御よりも優先度が高い背景Aフェードアウト表示制御の解析(背景Aフェードアウト解析)を開始する。背景Aフェードアウト解析において、画像制御手段210は、並行して実行される背景A表示制御によって表示されている背景A、つまり第1背景レイヤーに描画している背景Aと同様の背景Aを第1フェードアウトレイヤーに描画できるように、画像コマンドの解析を実行する。
【0091】
時点t11において、画像制御手段210は、サブCPU200aから背景Aから背景Bに表示を切り替える画像コマンドが転送されたことに基づき、演出表示装置400に表示する背景を背景Aから背景Bに切り替える制御を開始する。画像制御手段210は、時点t11において、背景Aフェードアウト表示制御と、背景B表示制御と、背景Bフェードアウト表示制御の解析(背景Bフェードアウト解析)と、を開始する。
【0092】
画像制御手段210は、時点t10から時点t11までの期間において、背景A表示制御と並行して背景Aフェードアウト解析を実行していることで、時点t11において、時点t11まで第1背景レイヤーに描画されていた背景Aと同様の背景Aの画像を第1フェードアウトレイヤーに描画し、時点t11から開始する背景Aのフェードアウト表示について、時点t11までの背景Aの表示内容と同期した内容のフェードアウト表示を開始することができ、背景Aのフェードアウト表示において時点t11までの背景Aの表示内容と同期しないフェードアウト表示を実行してしまい、演出に対する遊技者の興趣が低下してしまうことを防ぐことができる。
【0093】
画像制御手段210は、時点t11から背景Aのフェードアウト表示が終了する時点t12までの所定期間で、背景B表示制御よりも優先度の高い背景Aフェードアウト表示制御による背景Aのフェードアウト表示を演出表示装置400で実行した後に、時点t12で背景Aが透明になることで背景Aの表示を終了して背景Bに表示が切り替える。また、画像制御手段210は、時点11から遊技の進行に応じて実行される背景表示切替抽選で背景Bから背景Cへの変更に当選したことを示す画像コマンドがサブCPU200aから転送された時点である時点t13まで、背景Bフェードアウト解析を実行することで、時点t13から開始する背景Bのフェードアウト表示について、時点t13まで表示していた背景Bの表示内容と同期した内容のフェードアウト表示を開始することができる。
【0094】
このように、第2の実施形態の画像制御手段210は、時点t11から背景Aのフェードアウト表示が終了する時点t12までの期間において、背景A表示制御(第1演出制御)及び背景B表示制御(第2演出制御)よりも優先度が高く、演出表示装置400での背景A(第1演出態様)の表示が徐々に減少する背景Aのフェードアウト表示を実行する背景Aフェードアウト表示制御を実行可能である。
【0095】
また、画像制御手段210は、時点t11から演出表示装置400による背景Aフェードアウト表示を実行するために、時点t10の背景A表示制御の実行開始とともに背景Aフェードアウト解析を開始し、背景A表示制御の実行中において、背景Aフェードアウト表示制御については実行しないことで、背景Aフェードアウト解析時において、背景A表示制御で第1背景レイヤーに描画し表示している背景Aを第1フェードアウトレイヤーにも描画してしまい、背景Aの描画に係る処理の負荷が重複して発生してしまうことを防ぐことができる。
【0096】
この、背景Aフェードアウト表示制御を含む背景フェードアウト表示が、第2の実施形態における第3演出制御を構成する。また、背景Aフェードアウト解析を含む背景フェードアウト解析が、第2の実施形態における第3演出制御に係る解析を構成する。
【0097】
画像制御手段210は、時点t17まで、演出表示装置400に表示する背景を、背景Bから背景C、背景Cから背景Dと、優先度が高い背景から優先度が低い背景に向けて切り替えていくとともに、背景を切り替える際に既に表示していた背景のフェードアウト表示を実行していく。
【0098】
遊技の進行に応じて実行される背景表示切替抽選で背景Dから背景Aへの変更に当選したことを示す画像コマンドがサブCPU200aから転送された時点t17において、画像制御手段210は、背景Dフェードアウト表示制御と、背景A表示制御と、背景Aフェードアウト解析と、を開始する。
【0099】
上述したように、第2の実施形態の画像制御手段210は、背景D表示制御において背景Dを第4背景レイヤーに描画し、背景A表示制御において背景Aを第4背景レイヤーよりも上位の第1背景レイヤーに描画する。このため、画像制御手段210は、仮に、フェードアウト表示する背景Dについて、第4背景レイヤーに描画した場合、第4背景レイヤーよりも上位の第1背景レイヤーに描画されている背景Aが演出表示装置400に表示されてしまい、背景Dのフェードアウト表示が背景Aに遮られて表示されなくなってしまう。
【0100】
これに対し、第2の実施形態の画像制御手段210は、上述したように、フェードアウト表示する背景について、背景レイヤーよりも上位のフェードアウトレイヤーに描画するように構成されている。この構成により、第2の実施形態の画像制御手段210は、背景Dよりも優先度が高い背景Aに背景を切り替える場合に、背景Aが描画される第1背景レイヤーよりも上位の第4フェードアウトレイヤーにフェードアウト表示する背景Dを描画することで、背景A~背景Dの優先度を変更することなく、優先度の低い背景Dによって優先度の高い背景Aの表示が遮られ、時点t17から時点t18(時点t18は、例えば時点t17の1秒後)に向けて、背景Dの透明度が徐々に高くなることで背景Dの表示が減少し、背景Aの表示が徐々に増大していく演出を実現することができ、演出に係る処理の負荷を増加させることなく優先度を動的に変更したような演出を実現し、多様な演出によって遊技者の演出に対する興趣を向上させることができる。
【0101】
3.第2の実施形態のまとめ
以上のように、第2の実施形態の遊技機(1)において、
前記演出制御手段は、
前記第1演出制御及び前記第2演出制御よりも優先度が高く、前記演出装置での前記第1演出態様の発現が徐々に減少する第3演出制御を実行可能であり、
前記所定期間において前記第3演出制御を実行して前記演出装置に前記第1演出態様が発現している状態から徐々に前記第1演出態様の発現が減少して前記第2演出態様の発現が徐々に増大するように制御する。
【0102】
この構成により、第2の実施形態のパチンコ機1は、背景表示制御において優先度が低い背景表示制御から優先度が高い背景表示制御に切り替える場合であっても、背景表示制御よりも優先度の高い背景フェードアウト表示制御を実行することで、優先度の低い背景表示制御で演出表示装置400に表示していた背景が表示(発現)している状態からフェードアウトによって徐々に背景の表示が減少して、優先度の高い背景表示制御に基づく背景の表示が徐々に増大するように制御されるため、演出に係る処理の負荷を増加させることなく優先度を動的に変更したような演出を実現し、多様な演出によって遊技者の演出に対する興趣を向上させることができる。
【0103】
また、第2の実施形態において、
前記演出制御手段は、
前記第1演出制御の実行開始とともに前記第3演出制御に係る解析を開始し、
前記第1演出制御の実行中において、前記第3演出制御に基づく演出態様が前記演出装置に発現しないように前記第3演出制御に係る解析を実行する。
【0104】
この構成により、第2の実施形態のパチンコ機1は、背景フェードアウト解析時において、背景表示制御で描画している背景を背景フェードアウト解析に基づく背景フェードアウト表示制御で描画してしまい、背景の描画に係る処理の負荷が重複してしまうことを防ぐことができるとともに、背景フェードアウト表示制御の開始時において、背景フェードアウト表示制御の開始時までの背景の表示内容と同期した内容のフェードアウト表示を実行することができ、背景のフェードアウト表示において背景フェードアウト表示制御を開始する時点までの背景の表示内容と同期しないフェードアウト表示を実行してしまい、演出に対する遊技者の興趣が低下してしまうことを防ぐことができる。
【0105】
[他の実施形態]
なお、第1、第2の実施形態において、画像制御手段210は、第1演出制御から第2演出制御に制御を切り替える場合に、第1演出制御で表示していた第1演出態様をフェードアウト表示することで、演出表示装置400に第1演出態様を表示している状態から徐々に第1演出態様の表示が減少して第2演出態様の表示が徐々に増大するように構成されているが、これに限定されない。画像制御手段210は、例えば、第2演出態様を徐々に演出表示装置400に表示することで第1演出態様を徐々に減少させて第2演出態様に切り替えるフェードイン表示や、第1演出態様の表示範囲を徐々に縮小することで第1演出態様を徐々に減少させて第2演出態様に切り替える縮小表示、第2演出態様の表示範囲を徐々に拡大することで第1演出態様を徐々に減少させて第2演出態様に切り替える拡大表示、第1演出態様を表示している領域を任意の個数に分割し、分割した領域を順次第1演出態様から第2演出態様に表示を切り替えることで第1演出態様を徐々に減少させて第2演出態様に切り替えるモザイク表示、又はこれらの表示態様を組み合わせた表示態様等、いずれの表示態様によって演出表示装置400に第1演出態様を表示している状態から徐々に第1演出態様の表示が減少して第2演出態様の表示が徐々に増大するように構成されていてもよい。
【0106】
また、第1の実施形態において、画像制御手段210は、優先度の順に背景表示制御を切り替えるように構成されているが、これに限らず、例えば背景A表示制御から背景C表示制御に切り替える等、切り替える背景表示制御の方が優先度の低い背景表示制御であれば、いずれの背景表示制御に切り替えてもよい。
【0107】
また、第2の実施形態において、画像制御手段210は、優先度の順に背景表示制御を切り替えるように構成されているが、これに限らず、例えば背景C表示制御から背景B表示制御に切り替える等、いずれの背景表示制御に切り替えてもよい。
【0108】
また、第1、第2の実施形態において、画像制御手段210は、第1演出制御、第2演出制御として演出表示装置400に表示する背景に係る制御を実行するが、これに限らず、例えば、演出表示装置400に表示する演出図柄401L,401C,401Rの表示を切り替える場合等、演出表示装置400に表示する画像を切り替えるために実行する制御であれば、いずれの制御及び表示内容であってもよい。
【0109】
また、第1、第2の実施形態において、パチンコ機1は、演出制御手段として画像制御手段210を備え、演出装置として演出表示装置400を備えているが、これに限らず、例えば、演出制御手段としてサブCPU200aを備え、演出装置として演出照明装置420を備えることで、演出照明装置420に発現する点灯態様や照明色を切り替える制御において、本発明を適用してもよい。
【0110】
また、第2の実施形態において、画像制御手段210は、第1演出制御の実行中において第3演出制御に係る解析である背景フェードアウト解析を実行し、背景フェードアウト解析の実行時に背景フェードアウト表示制御を実行しないように構成されているが、これに限らず、例えば、背景フェードアウト解析の実行時に透明度100%で背景を描画する制御を実行することで、背景フェードアウト解析に基づく背景の表示に係る制御は実行するものの、透明度を100%にすることで演出表示装置400に背景フェードアウト解析に基づく背景が表示されないように構成されていてもよい。
【0111】
また、第1、第2の実施形態においては、遊技機として、大当たり図柄を含む複数種類の図柄の中からいずれかを決定する図柄決定手段と、図柄が決定されてから所定の変動時間が経過すると、図柄表示部に図柄を表示させる図柄表示手段と、図柄表示部に大当たり図柄が表示されると、複数回のラウンド遊技で構成される大役遊技を実行する大役遊技実行手段と、大役遊技におけるラウンド遊技のうち予め設定された特定ラウンド遊技中に、大入賞口に入球した遊技球が特定領域に進入すると、所定の遊技利益を付与する遊技利益付与手段と、大役遊技中の演出を実行する演出実行手段と、を備えるいわゆる第一種遊技を可能なパチンコ機1を例示したが、これに限らず、例えば、小当たり遊技中に所定の領域に遊技球が侵入することで大役遊技を開始可能な第二種遊技を可能なパチンコ機であっても本発明は適用し得る。また、例えば、外周面に複数種類の図柄が配列されている複数のリールと、遊技者による開始操作を検出するスタートスイッチと、複数のリールに対応して設けられ、各リールを停止させるための停止操作を検出するストップスイッチと、遊技の進行を制御する主制御部と、コマンドに基づき演出を制御する演出制御手段を有する副制御部を備え、主制御部が、複数種類の役の当否を決定する内部抽選を行う内部抽選手段と、スタートスイッチによる開始操作の検出に基づいて、複数のリールを回転させ、ストップスイッチによる停止操作の検出及び内部抽選手段により決定された内部抽選の結果に基づいて、回転中のリールを停止させるリール停止制御を行うリール制御手段と、複数のリールが停止した状態で、役ごとに予め定められた入賞形態を示す図柄組合せが有効ライン上に表示されたことに基づいて、役が入賞したと判定する入賞判定手段と、を有するスロットマシンにも、本発明は適用できる。
【符号の説明】
【0112】
1 パチンコ機(遊技機)
200a サブCPU(演出制御手段)
210 画像制御手段(演出制御手段)
400 演出表示装置(演出装置)
420 演出照明装置(演出装置)
図1
図2
図3
図4
図5
図6