(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-19
(45)【発行日】2023-04-27
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20230420BHJP
G03G 15/08 20060101ALI20230420BHJP
【FI】
G03G21/16 176
G03G15/08 321
(21)【出願番号】P 2019125808
(22)【出願日】2019-07-05
【審査請求日】2022-03-23
(73)【特許権者】
【識別番号】000005049
【氏名又は名称】シャープ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168217
【氏名又は名称】大村 和史
(72)【発明者】
【氏名】冨田 章嗣
【審査官】三橋 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-284165(JP,A)
【文献】実開昭62-118250(JP,U)
【文献】実開平03-098463(JP,U)
【文献】特開平07-253713(JP,A)
【文献】特開2018-045110(JP,A)
【文献】特開平04-184360(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
G03G 15/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体、
現像剤を収容する現像槽を有する現像ユニット、
前記装置本体に設けられ、前記現像ユニットと摺接する摺接面を有し、当該現像ユニットが挿抜可能に装着されるユニット装着部、
前記現像槽に収容される現像剤のトナー濃度を検出するためのトナー濃度センサを含み、前記ユニット装着部に設けられ、前記摺接面よりも前記現像ユニット側に突出するように配置され、前記現像ユニットに対する離接方向に変位可能に設けられるセンサユニット、および
前記現像ユニットの挿入動作に伴って、当該現像ユニットの動きに追従するように前記センサユニットを変位させて、前記トナー濃度センサを当該現像ユニット上の所定の検出位置に案内する案内部を備
え、
前記案内部は、前記ユニット装着部への前記現像ユニットの挿入開始から挿入完了直前までの間、当該現像ユニットの挿入動作に伴って、当該現像ユニットに対する前記センサユニットの離接方向の位置を規制するガイド部と、前記ユニット装着部への前記現像ユニットの挿入完了直前から挿入完了までの間、当該現像ユニットの挿入動作に伴って、前記センサユニットの離接方向の位置および当該センサユニットの幅方向の位置を規制して、前記トナー濃度センサと当該現像ユニットとが離間した状態から、前記トナー濃度センサが前記検出位置に位置するように位置決めする位置決め部とを含み、
前記ガイド部は前記現像ユニットの挿入完了直前から挿入完了までの間では前記現像ユニットに対する前記センサユニットの離接方向の位置を規制しない、像形成装置。
【請求項2】
前記ガイド部は、前記ユニット装着部への前記現像ユニットの挿入開始から挿入完了直前までの間、前記トナー濃度センサと当該現像ユニットとが離間するように前記センサユニットの離接方向の位置を規制する、請求項1記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記センサユニットを前記現像ユニット側に向けて付勢する付勢部材をさらに備える、請求項1
または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記ユニット装着部の一部が、前記付勢部材として機能する、請求項
3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記現像ユニットの挿入動作に伴って、前記トナー濃度センサの検出面を清掃する清掃部材をさらに備える、請求項1から
4までのいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記トナー濃度センサの検出面を覆う遮蔽位置と、当該トナー濃度センサの検出面を覆わない開放位置との間で前記現像ユニットの挿入動作に伴って移動するシャッタ部材をさらに備える、請求項1から
5までのいずれかに記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は画像形成装置に関し、特に、たとえば、現像ローラを有する現像ユニットが、装置本体に設けられる現像ユニット装着部に対して長手方向に個別に挿抜可能とされる、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、背景技術の画像形成装置の一例が開示される。背景技術の画像形成装置は、現像装置を備え、現像装置は、トナーを含む現像剤を収容する現像剤収容部と、トナーの濃度を検知する検知面が形成されたトナー濃度センサと、現像剤収容部の底壁部に形成された、トナー濃度センサを取り付ける開口部とを備える。トナー濃度センサは、開口部に挿入されて取り付けられ、現像剤収容部の外壁の一部をなす。すなわち、トナー濃度センサは、現像剤収容部の外壁に埋め込まれる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、背景技術の画像形成装置では、トナー濃度センサと装置本体の制御部との間での通電が必要となるため、現像装置側の配線構造が複雑になる等、現像剤収容部およびトナー濃度センサの構造が複雑になってしまうという問題がある。また、現像装置にトナー濃度センサが含まれることによって、現像装置の製造コストが増大するという問題がある。
【0005】
このような問題を解決するために、トナー濃度センサを画像形成装置の本体側に設ける構造が提案されている。しかしながら、トナー濃度センサを画像形成装置の本体側に設けると、現像ユニットが画像形成装置の本体に挿抜される際に、現像剤収容部に対する所定の位置に確実にトナー濃度センサを案内する必要がある。
【0006】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、画像形成装置を提供することである。
【0007】
この発明の他の目的は、現像ユニットが画像形成装置の本体に挿抜される際に、簡単な構造で、画像形成装置の本体側に設けられるトナー濃度センサを確実に検出位置に案内することができる、画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の発明は、装置本体、現像剤を収容する現像槽を有する現像ユニット、装置本体に設けられ、現像ユニットと摺接する摺接面を有し、当該現像ユニットが挿抜可能に装着されるユニット装着部、現像槽に収容される現像剤のトナー濃度を検出するためのトナー濃度センサを含み、ユニット装着部に設けられ、摺接面よりも現像ユニット側に突出するように配置され、現像ユニットに対する離接方向に変位可能に設けられるセンサユニット、および現像ユニットの挿入動作に伴って、当該現像ユニットの動きに追従するようにセンサユニットを変位させて、トナー濃度センサを当該現像ユニット上の所定の検出位置に案内する案内部を備え、案内部は、ユニット装着部への現像ユニットの挿入開始から挿入完了直前までの間、当該現像ユニットの挿入動作に伴って、当該現像ユニットに対するセンサユニットの離接方向の位置を規制するガイド部と、ユニット装着部への現像ユニットの挿入完了直前から挿入完了までの間、当該現像ユニットの挿入動作に伴って、センサユニットの離接方向の位置および当該センサユニットの幅方向の位置を規制して、トナー濃度センサと当該現像ユニットとが離間した状態から、トナー濃度センサが検出位置に位置するように位置決めする位置決め部とを含み、ガイド部は現像ユニットの挿入完了直前から挿入完了までの間ではセンサユニットの離接方向の位置を規制しない、画像形成装置である。
【0010】
第2の発明は、第1の発明に従属する画像経装置であって、ガイド部は、ユニット装着部への現像ユニットの挿入開始から挿入完了直前までの間、トナー濃度センサと当該現像ユニットとが離間するようにセンサユニットの離接方向の位置を規制する。
【0012】
第3の発明は、第1または第2の発明に従属する画像経装置であって、センサユニットを現像ユニット側に向けて付勢する付勢部材をさらに備える。
【0013】
第4の発明は、第3の発明に従属する画像経装置であって、ユニット装着部の一部が付勢部材として機能する。
【0014】
第5の発明は、第1から第4までのいずれかの発明に従属する画像経装置であって、現像ユニットの挿入動作に伴って、トナー濃度センサの検出面を清掃する清掃部材をさらに備える。
【0015】
第6の発明は、第1から第5までのいずれかの発明に従属する画像経装置であって、トナー濃度センサの検出面を覆う遮蔽位置と、当該トナー濃度センサの検出面を覆わない開放位置との間で現像ユニットの挿入動作に伴って移動するシャッタ部材をさらに備える。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、現像ユニットが画像形成装置の本体に挿抜される際に、簡単な構造で、画像形成装置の本体側に設けられるトナー濃度センサを確実に検出位置に案内することができる。
【0017】
この発明の上述の目的、その他の目的、特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】
図1はこの発明の第1実施例である画像形成装置を正面から見た場合の概略構成を示す図解図である。
【
図2】
図2は現像ユニットおよび現像ユニット装着部の構造を示す概略断面図である。
【
図3】
図3は現像ユニット挿入時のトナー濃度センサユニットを側面から見た場合の概略断面図である。
【
図4】
図4は現像ユニット挿入時のトナー濃度センサユニットを正面から見た場合の概略断面図である。
【
図5】
図5は第2実施例における現像ユニット挿入時のトナー濃度センサユニットを側面から見た場合の概略断面図である。
【
図6】
図6は第2実施例における現像ユニット挿入時のトナー濃度センサユニットを正面から見た場合の概略断面図である。
【
図7】
図7は第3実施例における現像ユニット挿入時のトナー濃度センサユニットを側面から見た場合の概略断面図である。
【
図8】
図8は第3実施例における現像ユニット挿入時のトナー濃度センサユニットを正面から見た場合の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1実施例]
図1はこの発明の第1実施例である画像形成装置10の概略構成を示す図解図である。
図1に示す画像形成装置10は、複写機能、プリンタ機能、スキャナ機能およびファクシミリ機能などを有する複合機であって、電子写真方式によって記録媒体に対して単色の画像(モノクロ画像)を形成する。なお、記録媒体としては、用紙やオーバーヘッドプロジェクタ用シートなどを使用できるが、以下では、用紙を使用した場合について説明する。
【0020】
ただし、この明細書では、画像形成装置10を正面から見た場合の水平方向のうち、向かって左側を左方向に規定し、向かって右側を右方向に規定する。また、画像形成装置10を上方(下方)から見た場合の奥行き方向のうち、画像形成装置10の正面側を前方向(正面方向)に規定し、画像形成装置10の背面側を後方向(背面方向)に規定する。
【0021】
先ず、画像形成装置10の構成について概略的に説明する。
図1に示すように、画像形成装置10は、画像形成部30を備える装置本体12と、その上方に配置される画像読取装置14とを含む。
【0022】
画像読取装置14は、透明材によって形成される原稿載置台16を備える。原稿載置台16の上方には、ヒンジ等を介して原稿押えカバー18が開閉自在に取り付けられる。この原稿押えカバー18の上面には、原稿供給トレイ20が設けられており、その内部には、自動原稿送り装置(ADF:Auto Document Feeder)が設けられる。ADFは、原稿供給トレイ20に載置された原稿を画像読取位置22に対して1枚ずつ自動的に供給し、原稿排出トレイ24に排出する。
【0023】
また、画像読取装置14に内蔵される画像読取部26は、光源、複数のミラー、結像レンズおよびラインセンサ等を備える。画像読取部26は、原稿表面を光源によって露光し、原稿表面から反射した反射光を複数のミラーによって結像レンズに導く。そして、結像レンズによって反射光をラインセンサの受光素子に結像させる。ラインセンサでは、受光素子に結像した反射光の輝度や色度が検出され、原稿表面の画像に基づく画像データが生成される。ラインセンサとしては、CCD(Charge Coupled Device)またはCIS(Contact Image Sensor)等が用いられる。
【0024】
画像読取装置14の前面側には、ユーザによる印刷指示等の入力操作を受け付ける操作パネル(図示せず)が設けられる。操作パネルは、タッチパネル付きのディスプレイおよび複数の操作ボタン等を有する。
【0025】
また、装置本体12には、CPUやメモリ等を含む制御部28が設けられる。制御部28は、操作パネルへの入力操作などに応じて、画像形成装置10の各部位に制御信号を送信し、画像形成装置10に種々の動作を実行させる。
【0026】
画像形成部30は、露光ユニット(光走査ユニット)32、現像ユニット34、感光体ドラム36、クリーナユニット(クリーニングユニット)38、帯電ユニット40、転写ユニット42、定着ユニット44およびトナー補給装置46等を備え、給紙トレイ48等から搬送される用紙上に画像を形成し、画像形成済みの用紙を排紙トレイ50に排出する。用紙上に画像を形成するための画像データとしては、画像読取部26で読み取った画像データまたは外部コンピュータから送信された画像データ等が利用される。
【0027】
感光体ドラム36は、導電性を有する円筒状の基体の表面に感光層が形成された像担持体であり、モータなどの回転駆動源(図示省略)によってその軸線まわりに回転されるように構成されている。帯電ユニット40は、この感光体ドラム36の表面を所定の電位に帯電させる。露光ユニット32は、レーザ出射部および反射ミラー等を備えたレーザスキャニングユニット(LSU)として構成され、帯電された感光体ドラム36の表面を露光することによって、画像データに応じた静電潜像を感光体ドラム36の表面に形成する。
【0028】
現像ユニット34は、感光体ドラム36の表面にトナーを供給し、感光体ドラム36の表面に形成された静電潜像をトナーによって顕像化する(トナー像を形成する)。
図2に示すように、現像ユニット34は、第1搬送部材72、第2搬送部材74、現像ローラ76およびドクターブレード78等を備え、これらは現像ハウジング66によって所定の配置態様で一体的に保持される。
【0029】
現像ハウジング66の内部には、トナーを収容する現像槽80が形成される。また、現像ハウジング66の内部(現像槽80)には、各々の回転軸が並行するように、第1搬送部材72および第2搬送部材74が設けられると共に、トナーとキャリアとを混合した現像剤が収容される。第1搬送部材72および第2搬送部材74は、円柱状の回転軸(スクリュー軸)の外周面に螺旋羽根が形成されたオーガスクリューである。第1搬送部材72および第2搬送部材74は、現像剤を撹拌しながら搬送することによって、現像ハウジング66内において現像剤を所定方向に循環させる。
【0030】
また、現像ハウジング66内には、第2搬送部材74の上方に現像ローラ76が配置される。現像ローラ76は、現像剤担持体として機能するマグネットローラである。この現像ローラ76は、感光体ドラム36に対して水平方向に近い位置に近接して配置される。具体的には、現像ローラ76と感光体ドラム36とは、互いの回転軸が平行に並び、かつ互いの外周面の間の距離が所定の距離となるように配置される。また、現像ローラ76は、現像ハウジング66内の現像剤を表面に担持して、担持した現像剤に含まれるトナーを感光体ドラム36の表面に供給する。これによって、感光体ドラム36の表面に形成された静電潜像が顕像化される。
【0031】
さらに、現像槽80内には、現像ローラ76の表面に対して所定の間隙を有するように、ドクターブレード78が固定される。ドクターブレード78は、現像ローラ76の軸線方向に延びる板状の部材である。このドクターブレード78によって、現像ローラ76に担持される現像剤の量(現像ローラ76に担持される現像剤の厚さ)が所定量に規制される。
【0032】
なお、本実施例では、現像ユニット34には、トナーおよびキャリアから成る現像剤(二成分現像剤)が貯留される。ただし、キャリアは、鉄粉やフェライトのような磁性材料である。以下、同様である。このため、現像ユニット34の現像槽80内には、トナーおよびキャリアから成る現像剤(二成分現像剤)が収容され、この現像剤に含まれるトナーが、現像ローラ76を介して感光体ドラム36に供給される。
【0033】
図1に戻って、現像ユニット34には、トナー補給装置46が接続される。トナー補給装置46は、未使用のトナーを貯蔵する容器であって、現像ユニット34にトナーを供給(補給)する。
【0034】
なお、現像ユニット34は、トリクル現像方式の現像ユニットであっても良い。トリクル現像方式とは、簡単に説明すると、トナー補給装置46内のトナーに新しいキャリアを一定の比率で混合しておき、トナーの供給(補給)と同時に新しいキャリアを現像槽内に供給(補給)すると共に、過剰となった現像剤を現像槽内から排出することによって、現像槽内の劣化したキャリアを新しいキャリアに順次入れ替える技術を言う。
【0035】
クリーナユニット38は、感光体ドラム36の表面に当接するクリーニングブレードを備え、現像および画像転写後における感光体ドラム36の表面に残留したトナーを除去する。
【0036】
転写ユニット42は、現像ユニット34の右側に配置され、感光体ドラム36の表面に形成されたトナー像を用紙に転写するためのユニットである。この転写ユニット42は、転写ローラ422を含む。転写ローラ422は、感光体ドラム36に対向して配置され、感光体ドラム36を押圧するように設けられる。画像形成時には、転写ローラ422に所定の電圧が印加されることによって、感光体ドラム36と転写ローラ422との間に転写電界が形成される。そして、この転写電界の作用により、感光体ドラム36と転写ローラ422との間のニップ域(転写ニップ部)を用紙が通過する間に、感光体ドラム36の外周面に形成されたトナー像が用紙に転写される。
【0037】
定着ユニット44は、ヒートローラ440および加圧ローラ442を備え、転写ユニット42の上方に配置される。ヒートローラ440は、所定の定着温度となるように設定されており、ヒートローラ440と加圧ローラ442との間のニップ域(定着ニップ部)を用紙が通過することによって、用紙に転写されたトナー像が溶融、混合および圧接されて、用紙に対してトナー像が熱定着される。
【0038】
また、このような装置本体12内には、給紙トレイ48に載置された用紙を転写ニップ部および定着ニップ部を経由させて排紙トレイ50に送るための第1用紙搬送路L1が形成される。また、装置本体12内には、用紙に対して両面印刷を行うときに、片面印刷が終了して定着ニップ部を通過した後の用紙を、転写ニップ部の用紙搬送方向の上流側において第1用紙搬送路L1に戻すための第2用紙搬送路L2が形成される。第1用紙搬送路L1には、レジストローラ56が設けられ、また、第1用紙搬送路L1および第2用紙搬送路L2には、用紙に補助的に推進力を与えるための複数の搬送ローラ58,62が適宜設けられる。
【0039】
装置本体12において片面印刷を行う際には、給紙トレイ48に載置された用紙がピックアップローラ52および分離ローラ54によって1枚ずつ第1用紙搬送路L1に導かれ、レジストローラ56まで搬送される。そして、レジストローラ56によって、用紙の先端と感光体ドラム36上の画像情報(トナー像)の先端とが整合するタイミングで用紙が転写ニップ部に搬送され、用紙上にトナー像が転写される。その後、用紙が定着ニップ部を通過することによって用紙上の未定着トナーが熱定着される。熱定着後の用紙は、搬送ローラ58および排出ローラ60によって第1用紙搬送路L1を搬送されて、排紙トレイ50に排出される。
【0040】
一方、両面印刷を行う際には、片面印刷が終了して定着ニップ部を通過した用紙の後端部が排出ローラ60まで到達したとき、この排出ローラ60を逆回転させることによって、用紙が逆走して第2用紙搬送路L2に導かれる。第2用紙搬送路L2に導かれた用紙は、搬送ローラ62によって第2用紙搬送路L2を搬送されて、レジストローラ56の用紙搬送方向の上流側において第1用紙搬送路L1に導かれる。この時点で用紙の表裏は反転されるので、その後、転写ニップ部および定着ニップ部を用紙が通過することによって、用紙の裏面に印刷が行われる。
【0041】
なお、画像形成装置10には、手差し給紙トレイが設けられたり、または外付けの給紙ユニットが装着されたりすることがある。このような場合には、給紙トレイ48に代えて、手差し給紙トレイまたは外付けの給紙ユニットから第1用紙搬送路L1に用紙が給紙されるようにしても良い。
【0042】
このような画像形成装置10において、現像ユニット34は、装置本体12に対して現像ユニット34(感光体ドラム36)の長手方向(前後方向)に着脱可能(挿抜可能)とされる。具体的には、
図2に示すように、装置本体12には、現像ユニット装着部102が形成される。現像ユニット34は、装置本体12のフロント側から現像ユニット装着部102に対して挿抜可能に装着され、現像ユニット装着部102の底面上を前後方向にスライド(移動)させることによって、現像ユニット装着部102(装置本体12)に挿入(装着)されたり、現像ユニット装着部102から離脱されたりする。なお、現像ユニット装着部102の入口は、前方に設けられている。したがって、現像ユニット34は、現像ユニット装着部102内に挿入される際には、後方に向かってスライドされ、現像ユニット装着部102から離脱される際には、前方に向かってスライドされる。
【0043】
ただし、現像ローラ76は、画像形成時、つまり現像ユニット装着部102に対する現像ユニット34の装着が完了した正規の装着状態で、その外周面が感光体ドラム36の外周面と近接するように配置される必要がある。一方、現像ユニット34の装置本体12への挿入時には、現像ユニット34が感光体ドラム36に接触することを防止するため、現像ユニット34が感光体ドラム36から離れた位置を移動するように移動される必要がある。したがって、現像ユニット34は、現像ユニット装着部102への挿入開始から挿入完了までの間では、上下方向および水平方向において、感光体ドラム36から離れた位置を移動され、水平方向において、挿入動作に伴って感光体ドラム36に徐々に近づけられるように移動される。また、現像ユニット34は、現像ユニット装着部102への挿入完了直前から挿入完了までの間に、上下方向において、挿入動作に伴って感光体ドラム36に近づけられるように移動される。このように、現像ユニット34は、挿抜方向(前後方向)だけでなく、上下左右方向にも移動するように、複雑に動きながら現像ユニット装着部102に挿入される。
【0044】
また、本実施例のような二成分現像剤を貯留する現像ユニット34には、現像槽内のトナー濃度(T/D:Tはトナーであり、Dは現像剤である)を検出するためのトナー濃度検出センサ(トナー濃度センサ)が設けられる。そして、トナー濃度センサの出力に応じて検出されたトナー濃度に応じて、トナー補給装置46からの現像剤の補給が制御される。
【0045】
このように、トナー濃度センサの出力に応じてトナー補給装置46からの現像剤の補給が制御されるので、トナー濃度センサには高い検出精度が求められる。ここで、トナー濃度の検出精度には、トナー濃度センサと現像槽80(現像剤)との位置関係が大きく影響する。具体的には、トナー濃度センサと現像槽80との距離が遠すぎても近すぎても検出精度が低下する。すなわち、トナー濃度センサは、適切にトナー濃度を適切に検出することができる現像ユニット34上の所定位置(検出位置)に精度良く配置される必要がある。
【0046】
近年、現像ユニットの構造の簡略化の観点から、トナー濃度センサを画像形成装置の本体側に設ける構造が提案されている。しかしながら、トナー濃度センサを現像槽の外部に設ける場合には、現像槽に対するトナー濃度センサの位置精度が求められる。
【0047】
また、上述したように、現像ユニットは、現像ユニット装着部に挿入される際に、挿抜方向だけでなく、上下左右方向にも複雑に移動する。このため、現像ユニットの動きに合わせて、検出位置にトナー濃度センサを確実に案内する必要がある。
【0048】
そこで、本実施例では、現像ユニットが画像形成装置の本体に挿抜される際に、簡単な構造で、画像形成装置の本体側に設けられるトナー濃度センサを検出位置に確実に案内することができるように、次のような構成を採用した。
【0049】
以下、
図3および
図4を参照して、本実施例のトナー濃度センサの支持構造および現像ユニット34挿入時のトナー濃度センサの状態を説明する。なお、
図3(A)、
図3(B)
図4(A)および
図4(B)は、現像ユニット装着部102への現像ユニット34の挿入途中(挿入開始から挿入完了直前までの間)の状態を示し、
図3(C)および
図4(C)は、現像ユニット装着部102への現像ユニット34の挿入が完了した状態(現像ユニット34が現像ユニット装着部102に装着された状態)を示す。
【0050】
図3および
図4に示すように、現像ユニット装着部102(装置本体12)には、センサユニット100が設けられる。
【0051】
センサユニット100は、センサホルダ90、トナー濃度センサ92およびセンサユニット用の付勢部材94を含む。
【0052】
センサホルダ90は、現像ユニット装着部102において現像ユニット34と摺接する摺接面よりも現像ユニット34の反対側(現像ユニット34が挿抜される挿抜空間の反対側)に形成されるセンサユニット収容部104に収容される。また、センサホルダ90は、現像ユニット34に対する離接方向(以下、単に「離接方向」ということがある。)に変位可能に設けられる。ただし、センサホルダ90の現像ユニット34側の一部は、現像ユニット装着部102の摺接面よりも現像ユニット34側(挿抜空間側)に突出するように配置される。なお、本実施例では、現像ユニット34は、現像ユニット装着部102の底面上に載置されるので、離接方向は、上下方向である。
【0053】
また、センサホルダ90と、現像ユニット装着部102およびセンサユニット収容部104との間には、挿抜方向および離接方向のいずれにも直交する方向(センサユニット100の幅方向、本実施例では左右方向、以下、単に「幅方向」ということがある。)において所定の隙間(クリアランス)が存在する。つまり、センサホルダ90は、その幅方向において変位する余地(遊び)が残されている。
【0054】
トナー濃度センサ92は、平板状に形成され、センサホルダ90の側面のうち、現像ユニット34に対向する対向面(本実施例では天面)に取り付けられる。トナー濃度センサ92としては、透過型の光学センサ、反射型の光学センサ、または透磁率センサ等が用いられる。この中でも、透磁率センサを用いることが好ましい。透磁率は、現像剤中の磁性材料の割合によって変化する。つまり、現像剤中の磁性材料(キャリア)と非磁性材料(トナー)との混合比すなわち磁性材料の相対濃度が変化すると、透磁率センサの出力が変化する。したがって、現像剤の透磁率を検出することによって、現像剤中の磁性材料であるキャリアの濃度が測定される。そして、測定されたキャリアの濃度に応じて、現像剤中の非磁性材料であるトナーの濃度が算出(検出)される。
【0055】
センサユニット用の付勢部材94は、たとえば圧縮ばねであり、センサホルダ90を現像ユニット34側に向けて付勢する。具体的には、センサユニット用の付勢部材94は、センサユニット収容部104の内面のうち、現像ユニット34の反対側の面(本実施例では底面)と、センサホルダ90の側面のうち、現像ユニット34の反対側の面(本実施例では下面)との間(離接方向において、センサユニット収容部104の内面およびセンサホルダ90の側面の互いに対向する面)に設けられる。
【0056】
ただし、
図4(A)に示すように、センサホルダ90が最も現像ユニット34側に位置する場合には、センサホルダ90の幅方向の両端部から外側に突出する突出部902が、現像ユニット装着部102の摺接面の裏面に当接するので、現像ユニット34側へのセンサホルダ90の移動が規制される。すなわち、センサホルダ90の全体が摺接面よりも現像ユニット34側(挿抜空間側)に出ないように、センサホルダ90の移動が規制される。
【0057】
また、
図3および
図4に示すように、本実施例では、現像ユニット34の動きに追従するようにセンサホルダ90を変位させて、トナー濃度センサ92を検出位置に案内する案内部を備える。この案内部は、ガイド部120と、位置決め部130を含む。
【0058】
ガイド部120は、現像ユニット装着部102への現像ユニット34の挿入状態(途中)において、現像ユニット34に対するセンサホルダ90(トナー濃度センサ92)の離接方向の位置を規制する。
【0059】
図4(B)に示すように、ガイド部120は、現像ハウジング66に設けられるガイド板662と、センサホルダ90に設けられるガイド面904とを含む。
【0060】
ガイド板662は、現像ハウジング66におけるセンサホルダ90に対向する対向面(下面)に設けられ、トナー濃度センサ92の幅方向の外側に配置され、センサホルダ90側に向かって突出する(離接方向に延びる)ように形成される。
【0061】
ガイド面904は、センサホルダ90における現像ハウジング66に対向する対向面に設けられ、トナー濃度センサ92の幅方向の外側においてガイド板662に対向する位置に配置される。
【0062】
ただし、ガイド板662の離接方向の寸法は、挿抜方向によって変化する。現像ハウジング66の挿入方向(
図3に示す矢印Aの方向)の先端部(ガイド当接部662a)においてはガイド板662の離接方向の寸法が大きく設定され、現像ハウジング66の挿入方向の先端部以外の部分、少なくとも検出位置およびその付近の部分(ガイド離間部662b)においてはガイド板662の離接方向の寸法が小さく設定される。
【0063】
なお、ガイド当接部662aは、ガイド板662のうち、現像ユニット34の挿入開始から挿入完了直前までの間にセンサユニット100の位置を通過する部分に対応する。また、ガイド離間部662bは、少なくとも検出位置およびその付近の部分を含むので、ガイド板662のうち、現像ユニット34の挿入完了直前から挿入完了までの間にセンサユニット100の位置を通過する部分に対応する。
【0064】
図3(B)および
図4(B)に示すように、ガイド当接部662aにおいては、ガイド板662の先端がガイド面904に当接するようにガイド板662の離接方向の寸法が設定される。すなわち、ガイド当接部662aがセンサユニット100の位置を通過するときには、ガイド板662とガイド面904とが当接し、現像ハウジング66(現像ユニット34)に対するセンサホルダ90の離接方向の位置が規制される。このとき、トナー濃度センサ92と現像ハウジング66とが所定の隙間を隔てて離間するように、ガイド板662の離接方向の寸法が設定される。
【0065】
一方、
図4Bおよび
図4(C)に示すように、ガイド離間部662bにおいては、ガイド板662とガイド面904とが離間するように、ガイド板662の離接方向の寸法が設定される。すなわち、ガイド離間部662bがセンサユニット100の位置を通過するときには、ガイド部120によっては現像ハウジング66(現像ユニット34)に対するセンサホルダ90の離接方向の位置が規制されない。
【0066】
以上のように、センサホルダ90(センサユニット100)は、現像ユニット34の挿入開始から挿入完了直前までの間ではガイド部120によって離接方向の位置が規制され、現像ユニット34の挿入完了直前から挿入完了までの間ではガイド部120によってはセンサホルダ90の離接方向の位置が規制されない。
【0067】
位置決め部130は、現像ユニット装着部102への現像ユニット34の挿入完了直前から挿入完了までの間において、現像ユニット34に対するセンサホルダ90(トナー濃度センサ92)の位置決めをする。
【0068】
図4(C)に示すように、位置決め部130は、現像ハウジング66に設けられる係合凹部664と、センサホルダ90に設けられる係合突部906とを含む。
【0069】
係合凹部664は、現像ハウジング66におけるセンサホルダ90に対向する対向面に設けられ、トナー濃度センサ92の幅方向の外側であって、ガイド板662よりも内側に配置され、挿抜方向に延びる溝状に形成される。
【0070】
係合突部906は、センサホルダ90における現像ハウジング66に対向する対向面に設けられ、トナー濃度センサ92の幅方向の外側であって、ガイド面904よりも内側に配置され、挿抜方向に延びるリブ状に形成される。ただし、係合突部906は、係合凹部664に対応する形状に形成される。
【0071】
係合凹部664と係合突部906とが係合する(溝状の係合凹部664にリブ状の係合突部906が嵌まる)ことによって、現像ユニット34(現像ハウジング66)に対するセンサホルダ90(トナー濃度センサ92)の離間方向の位置および幅方向の位置が規制される。ただし、係合凹部664と係合突部906とが係合した状態では、少なくとも離間方向および幅方向において、トナー濃度センサ92が検出位置に対応するように案内される。すなわち、係合凹部664と係合突部906とが係合することによって、センサホルダ90が離間方向および幅方向において位置決めされる。
【0072】
また、現像ユニット装着部102への現像ユニット34の挿入が完了することによって、挿抜方向においてトナー濃度センサ92が検出位置に対応する位置となる。このとき、トナー濃度センサ92は、位置決め部130によって離間方向および幅方向において検出位置に対応するように案内されているので、挿抜方向、離間方向および幅方向において検出位置に対応する位置となる。すなわち、現像ユニット装着部102への現像ユニット34の挿入が完了されると、トナー濃度センサ92が検出位置に位置するようにセンサホルダ90が位置決めされる。
【0073】
ただし、係合突部906の離接方向の寸法は、ガイド当接部662aにおいては係合凹部664と係合突部906とが離間した状態で係合せず、ガイド離間部662bにおいては係合凹部664と係合突部906とが係合(当接)するように設定される。すなわち、係合凹部664と係合突部906とは、現像ユニット34の挿入開始から挿入完了直前までの間では係合されず、現像ユニット34の挿入完了直前から挿入完了までの間では係合される。
【0074】
さらに、現像ハウジング66には、清掃部材(クリーニングパッド)68が設けられる。この清掃部材68は、たとえば弾性部材であり、不織布、フェルト、多孔質スポンジおよびゴムのいずれか1つ以上を含む部材で構成される。
【0075】
清掃部材68は、現像ハウジング66におけるセンサホルダ90に対向する対向面に設けられる。清掃部材68は、現像ハウジング66の挿入方向においては、検出位置よりも挿入方向の奥側、すなわち、現像ユニット34の挿入が完了するまでの間にセンサホルダ90(センサユニット100)の位置を通過する範囲内に配置される。本実施例では、清掃部材68は、現像ハウジング66の挿入方向の先端部(ガイド当接部662a)に設けられる。
【0076】
また、清掃部材68は、幅方向においては、トナー濃度センサ92に対応する位置に配置される。さらに、清掃部材68の厚み(離接方向の寸法)は、ガイド当接部662aがセンサユニット100の位置を通過するときのトナー濃度センサ92と現像ハウジング66との隙間よりも大きく設定される。
【0077】
したがって、清掃部材68がセンサユニット100の位置を通過するとき、すなわち、現像ユニット34が挿入または抜去されるときには、清掃部材68とトナー濃度センサ92の検出面(現像ハウジング66に対向する面)とが摺接(接触)する。このため、トナー濃度センサ92の検出面が清掃され、トナー濃度センサ92の検出面の汚れ、埃またはその他の付着物が除去される。
【0078】
この第1実施例によれば、トナー濃度センサ92を含むセンサユニット100は、現像ユニット34の挿入開始から挿入完了直前までの間ではガイド部120によって離接方向の位置が規制され、現像ユニット34の挿入完了直前から挿入完了までの間では位置決め部130によってトナー濃度センサ92が検出位置に位置するようにトナー濃度センサ92が位置決めされる。すなわち、センサユニット100は、現像ユニット34の挿入動作に伴って、現像ユニット34の動きに追従するように変位されて、検出位置に案内される。したがって、簡単な構造で、現像ユニット34が画像形成装置10の装置本体12に挿抜される際に、トナー濃度センサ92を確実に検出位置に案内することができる。
【0079】
また、第1実施例によれば、センサユニット100は、現像ユニット34の挿入開始から挿入完了直前までの間では、トナー濃度センサ92と現像ハウジング66とが所定の隙間を隔てて離間するようにガイド部120によって離接方向の位置が規制される。このため、トナー濃度センサ92の検出面と現像ハウジング66とが摺接する距離が可及的に少なくなるので、トナー濃度センサ92の検出面の摩耗を抑制することができる。
【0080】
さらに、第1実施例によれば、センサユニット100を現像ユニット34側に向けて付勢するセンサユニット用の付勢部材94を備えるので、トナー濃度センサ92を安定して検出位置に案内することができるとともに、検出位置に位置するトナー濃度センサ92を現像ユニット34に密着させて、現像ユニット34に対するトナー濃度センサ92の位置精度を確保することができる。
【0081】
さらにまた、第1実施例によれば、現像ユニット34の挿入動作に伴って、トナー濃度センサ92の検出面を清掃する清掃部材68を備えるので、現像ユニット34が挿入または抜去されるときに、トナー濃度センサ92の検出面が清掃され、トナー濃度センサ92の検出面の汚れ、埃またはその他の付着物を除去することができる。
【0082】
また、第1実施例によれば、センサユニット100は、現像ユニット34の装着が完了した状態で、現像ユニット34に対向する位置であれば、挿抜方向における位置にかかわらず、上述した効果を得ることができる。この点において、トナー濃度センサを現像ユニット側に設ける構造では、現像ユニット側の接点が現像ユニットの前後の端部のいずれかに設ける必要がある。すなわち、トナー濃度センサを現像ユニット側に設ける構造では、挿抜方向における位置の制約があるのに対し、第1実施例の構造では、センサユニット100の挿抜方向における位置の制約が無く、配置の自由度が高いという効果が得られる。
[第2実施例]
第2実施例の画像形成装置10は、トナー濃度センサ92の検出面を覆うシャッタ部材108をさらに備えるようにした以外は、第1実施例の画像形成装置10と同じであるため、第1実施例と異なる内容について説明し、重複した説明については省略することにする。
【0083】
以下、
図5および
図6を参照して、第2実施例の画像形成装置10の構成を説明する。なお、
図5(A)、
図5(B)、
図6(A)および
図6(B)は、現像ユニット装着部102への現像ユニット34の挿入状態を示し、
図5(C)および
図6(C)は、現像ユニット装着部102への現像ユニット34の挿入が完了した状態を示す。
【0084】
図5および
図6に示すように、現像ユニット装着部102には、シャッタ部材(遮蔽部材)108およびシャッタ用の付勢部材110が設けられる。
【0085】
シャッタ部材108は、現像ユニット装着部102に沿って挿抜方向(前後方向)に移動可能に設けられ、幅方向においては、トナー濃度センサ92に対応する位置に配置される。シャッタ用の付勢部材110は、たとえば圧縮ばねであり、シャッタ部材108を現像ユニット装着部102の入口に向かって(前方に向かって)付勢する。
【0086】
また、シャッタ部材108は、現像ユニット装着部102の摺接面よりも現像ユニット34側に突出する当接部1080を有する。この当接部1080は、現像ユニット装着部102に現像ユニット34が挿入されると、現像ユニット34(現像ハウジング66)の後端部に当接する。したがって、シャッタ部材108は、現像ユニット装着部102に現像ユニット34が挿入される際には、シャッタ用の付勢部材110の付勢力に抗して、現像ユニット34の挿入動作に伴って後方に移動される。ただし、
図5(C)に示すように、現像ユニット装着部102への現像ユニット34の挿入が完了した状態では、シャッタ部材108は、挿抜方向においてセンサユニット100に重ならない位置(トナー濃度センサ92の検出面を遮蔽しない開放位置)に位置する。一方、現像ユニット装着部102から現像ユニット34が離脱される際には、シャッタ用の付勢部材110の付勢力によって現像ユニット34の離脱動作に伴って前方に移動される。
【0087】
さらに、図示は省略するが、現像ユニット装着部102には、シャッタ部材108が挿抜方向においてセンサユニット100に重なる位置(トナー濃度センサ92の検出面を遮蔽する遮蔽位置)に位置する場合に、シャッタ部材108の前方への移動を規制するための規制部が設けられる。したがって、シャッタ部材108は、現像ユニット34が現像ユニット装着部102から離脱された場合には、シャッタ用の付勢部材110の付勢力によって前方に移動され、遮蔽位置において移動が規制される。すなわち、シャッタ部材108は、遮蔽位置に位置する。
【0088】
以上のように、シャッタ部材108は、現像ユニット34の挿入/離脱動作に伴って、トナー濃度センサ92の検出面を覆う遮蔽位置と、トナー濃度センサ92の検出面を覆わない開放位置との間で、挿抜方向に移動する。
【0089】
また、
図6(A)に示すように、シャッタ部材108は、センサユニット100を現像ユニット34の反対側に移動させるガイド板1082を含む。
【0090】
ガイド板1082は、シャッタ部材108におけるセンサホルダ90に対向する対向面(下面)に設けられ、トナー濃度センサ92の幅方向の外側に配置され、センサホルダ90側に向かって突出する(離接方向に延びる)ように形成される。ただし、ガイド板1082の現像ユニット装着部102の入口側の端部(前端部)は、現像ユニット装着部102の入口側に向かうにつれて、現像ユニット34側に傾斜する傾斜面になっている。
【0091】
このため、現像ユニット装着部102に現像ユニット34が挿入される際に、シャッタ部材108が遮蔽位置から現像ユニット34の挿入方向に移動されると、センサホルダ90は、ガイド板1082の前端部の傾斜に応じて現像ユニット34側に徐々に移動する。そして、シャッタ部材108とセンサホルダ90とが重ならなくなると、センサホルダ90は、現像ユニット34(現像ハウジング66に設けられるガイド板662)によって離接方向の位置が規制される。
【0092】
一方、現像ユニット装着部102から現像ユニット34が離脱される際には、センサホルダ90と現像ユニット34との間にシャッタ部材108のガイド板1082の前端部(現像ユニット装着部102の入口側の端部)が入り込み、センサホルダ90は、ガイド板1082によって現像ユニット34の反対側に移動される。
【0093】
また、
図5および
図6(A)等に示すように、シャッタ部材108の現像ユニット装着部102の入口側の端部(前端部)には、清掃部材112が設けられる。清掃部材112は、シャッタ部材108におけるセンサホルダ90に対向する対向面に設けられる。なお、清掃部材112は、第1実施例で説明した清掃部材68と同じ部材で構成される。また、シャッタ部材108に清掃部材112が設けられることによって、清掃部材68を省略することができる。
【0094】
この第2実施例によれば、現像ユニット34が現像ユニット装着部102から離脱された場合に、トナー濃度センサ92の検出面を覆う遮蔽位置に位置するシャッタ部材108を備える。このため、現像ユニット34が現像ユニット装着部102から離脱された場合に、埃等がトナー濃度センサ92の検出面に付着することを抑制ないし防止できる。
[第3実施例]
第3実施例の画像形成装置10は、現像ユニット装着部102の一部が、センサホルダ90を現像ユニット34側に向けて付勢する付勢部材として機能するようにした以外は、第1実施例の画像形成装置10と同じであるため、第1実施例と異なる内容について説明し、重複した説明については省略することにする。
【0095】
以下、
図7および
図8を参照して、第3実施例の画像形成装置10の構成を説明する。なお、
図7(A)、
図7(B)および
図8は、現像ユニット装着部102への現像ユニット34の挿入状態を示し、
図7(C)は、現像ユニット装着部102への現像ユニット34の挿入が完了した状態を示す。
【0096】
図7および
図8に示すように、第3実施例の画像形成装置10では、現像ユニット装着部102に、先端部が離接方向に弾性変形可能な板ばね形状のセンサユニット支持部114が形成される。
【0097】
センサユニット支持部114は、現像ユニット装着部102の挿抜方向における両端部から挿抜方向の中央部に向かって延びるように形成される。したがって、センサユニット支持部114は、現像ユニット装着部102の挿抜方向における両端側が基端部(固定端)となり、現像ユニット装着部102の挿抜方向の中央側が先端部(自由端)となる。
【0098】
本実施例では、センサユニット100から見て挿抜方向の両側のそれぞれに互いに平行に延びる2つのセンサユニット支持部114が設けられる。また、センサユニット支持部114は、少なくとも幅方向において、センサユニット100に対応する位置に設けられ、各センサユニット支持部114の先端部(挿抜方向の中央側の端部)には、係合部116が形成される。
【0099】
係合部116は、センサユニット支持部114の係合部116以外の部分よりも、離接方向の寸法が大きく設定される(厚みが大きく設定される)。
図8に示すように、センサホルダ90の挿抜方向の両側面には、センサホルダ90の内部に係合部116を通すための開口端908が形成される。
【0100】
ただし、開口端908は、離接方向の寸法が係合部116よりも大きく設定される拡大部9080と、離接方向の寸法が係合部116よりも小さく設定される狭小部9082とを含む。このため、拡大部9080においては、係合部116を通すことができ、狭小部9082においては、係合部116を通すことができない。したがって、拡大部9080に係合部116が通された(センサホルダ90の内部に挿入された)後に、センサユニット支持部114を狭小部9082に移動させることによって、係合部116とセンサホルダ90(狭小部9082)とが係合される。すなわち、センサホルダ90から係合部116が抜けなくなる。
【0101】
また、狭小部9082は、幅方向においてセンサユニット支持部114の正規の位置に対応するように配置される。したがって、センサユニット支持部114に外部から力が加えられない限り、幅方向において係合部116と狭小部9082とが重なるようになるので、係合部116とセンサホルダ90とが係合される状態が維持される。これにより、各センサユニット支持部114の先端部によってセンサホルダ90が支持される。
【0102】
上述したように、各センサユニット支持部114の先端部は、離接方向に弾性変形可能であるので、各センサユニット支持部114の先端部(係合部116)に支持されるセンサホルダ90(センサユニット100)は、離接方向に移動可能である。また、
図7(B)および
図7(C)に示すように、現像ユニット34が現像ユニット装着部102から離脱された場合に、各センサユニット支持部114が正規の状態(弾性変形していない状態)となり、現像ユニット34が現像ユニット装着部102に装着された場合に、各センサユニット支持部114の先端部が現像ユニット34の反対側に弾性変形した状態となる。
【0103】
したがって、現像ユニット34が現像ユニット装着部102に装着された場合には、各センサユニット支持部114の弾性復元力によって、センサユニット100は現像ユニット34側に向かって付勢される状態となる。このため、第3実施例では、第1実施例で説明したセンサユニット用の付勢部材94およびセンサユニット収容部104を省略することができる。
【0104】
この第3実施例によれば、現像ユニット装着部102の一部が、センサホルダ90を現像ユニット34側に向けて付勢する付勢部材として機能するようにしたので、画像形成装置10の構成を簡単にし、部品点数を削減でき、ひいては製造コストを低減できる。
【0105】
なお、上述の実施例では、画像形成装置が複合機として構成されているが、本発明の画像形成装置は、プリンタ、複写機またはファクシミリとして構成されてもよい。
【0106】
また、上述の実施例では、現像ユニット34は、現像ユニット装着部102の底面に取り付けられるようにしたが、これに限定される必要は無い。たとえば、現像ユニット34が、現像ユニット装着部102の天面に取り付けられるようにしても良い。また、現像ユニット34が、現像ユニット装着部102の左右の側面のいずれかに取り付けられるようにしても良い。この場合、離接方向は、左右方向となる。
【0107】
さらに、上述の実施例では、センサユニット用の付勢部材94およびシャッタ用の付勢部材110として圧縮ばねを用いる場合を例に挙げて説明したが、センサユニット用の付勢部材94およびシャッタ用の付勢部材110としては、板ばね等の他のばね材や弾性体を用いてもよい。
【0108】
さらに、上述の実施例では、画像形成装置10がモノクロ複合機として構成されているが、本発明の画像形成装置は、カラー印刷機またはカラー複合機として構成されてもよい。
【0109】
さらにまた、上述の実施例で挙げた具体的な形状等は一例であり、実際の製品に応じて適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0110】
10 …画像形成装置
34 …現像ユニット
80 …現像槽
90 …センサホルダ
92 …トナー濃度センサ
100…センサユニット
102…ユニット装着部