(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-19
(45)【発行日】2023-04-27
(54)【発明の名称】配策材の結束構造及び係合部材
(51)【国際特許分類】
H02G 3/30 20060101AFI20230420BHJP
F16B 19/00 20060101ALI20230420BHJP
【FI】
H02G3/30
F16B19/00 Q
(21)【出願番号】P 2019139730
(22)【出願日】2019-07-30
【審査請求日】2022-05-09
(73)【特許権者】
【識別番号】308011351
【氏名又は名称】大和化成工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100131048
【氏名又は名称】張川 隆司
(74)【代理人】
【識別番号】100174377
【氏名又は名称】山内 健吾
(74)【代理人】
【識別番号】100215038
【氏名又は名称】木村 友子
(72)【発明者】
【氏名】加藤 誠
(72)【発明者】
【氏名】平川 勝也
(72)【発明者】
【氏名】高田 和昇
(72)【発明者】
【氏名】大下 慎史
(72)【発明者】
【氏名】若林 五男
【審査官】北嶋 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-515503(JP,A)
【文献】特開2011-024357(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02G 3/30
F16B 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体側に組み付けるための係合部と、平板状の平型配策材を含む長手状の配策材と共に結束部材により結束される被結束部と、を一体に備え、
前記結束部材によって前記配策材と共に結束保持された結束保持状態において前記結束部材と密着する、前記被結束部の結束部材側外表面には、前記結束部材との密着面積を減少させ
ることにより該結束部材との摺動抵抗を減じる凹凸部が設けられ
、前記被結束部が、結束保持された前記結束部材及び前記配策材に対して少なくとも該配策材の長手方向に移動可能とされていることを特徴とする係合部材。
【請求項2】
平板状の平型配策材を含む長手状の配策材と、
前記配策材を結束する結束部材と、
車体側に組み付けるための係合部と、前記配策材と共に前記結束部材により結束保持される被結束部と、を一体に有した係合部材と、
を備え、
前記結束部材によって前記配策材と共に結束保持された結束保持状態において前記結束部材と密着する、前記被結束部の結束部材側外表面には、前記結束部材との密着面積を減少させる凹凸部が設けられ、
前記係合部材は、前記結束保持状態において、前記結束部材と前記配策材とに対し前記被結束部を摺動させることにより、前記配策材に対する移動が可能とされていることを特徴とする配策材の結束構造。
【請求項3】
前記凹凸部は、凹部及び凸部のいずれか又は双方が前記配策材の長手方向に延びる形で形成されている請求項2に記載の配策材の結束構造。
【請求項4】
前記係合部材は、前記結束部材と前記配策材とに対する前記被結束部の、前記配策材の長手方向への摺動を、所定位置で規制する移動規制部を有する請求項2又は請求項3に記載の配策材の結束構造。
【請求項5】
前記移動規制部は、前記被結束部が前記配策材に対し前記長手方向における第一側に摺動した場合に前記結束部材と接触して当該第一側への摺動を規制する第一移動規制部と、前記被結束部が前記配策材に対し前記長手方向における第一側とは逆の第二側に摺動した場合に前記結束部材と接触して当該第二側への摺動を規制する第二移動規制部と、を有する請求項4に記載の配策材の結束構造。
【請求項6】
前記結束部材は、前記配策材をその長手方向における前記第一側で取り巻いて結束する第一側結束部材と、前記配策材をその長手方向における前記第二側で取り巻いて結束する第二側結束部材と、を有しており、
前記第一移動規制部及び前記第二移動規制部は、前記長手方向における前記第一側結束部材と前記第二側結束部材との間に位置するよう設けられる請求項5に記載の配策材の結束構造。
【請求項7】
前記結束部材は、前記配策材をその長手方向における前記第一側で取り巻いて結束する第一側結束部材と、前記配策材をその長手方向における前記第二側で取り巻いて結束する第二側結束部材と、を有しており、
前記第一移動規制部は、前記第二側結束部材よりも前記長手方向における前記第二側に位置するよう設けられ、
前記第二移動規制部は、前記第一側結束部材よりも前記長手方向における前記第一側に位置するよう設けられる請求項5に記載の配策材の結束構造。
【請求項8】
前記第一移動規制部及び前記第二移動規制部は、前記長手方向における前記結束部材を挟む位置に設けられる請求項5に記載の配策材の結束構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は配策材の結束構造及びそれに用いられる係合部材に関する。
【背景技術】
【0002】
車両には、信号線や電源線を有した配線群からなるワイヤーハーネスを結束状態で車体に保持させるために、特許文献1のクランプのように、車体側に組み付けるための係合部を一体に有した係合部材が使用されている。
【0003】
こうした係合部材は、ベルトやテープ等によってワイヤーハーネスと共に結束保持されることにより、ワイヤーハーネスに対し一体となる形で取り付けられる。そして、ワイヤーハーネスと一体となった係合部材は、係合部が車体側の固定孔に挿入されることにより車体側に組み付けられる。こうした係合部材は、ワイヤーハーネスに対しその長手方向の所定位置に複数取り付けられ、それぞれが車体側に設けられた対応する位置の固定孔に挿入されて組み付く。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、近年では、信号線をなすワイヤーハーネスと、電源線をなす平型配策材とをそれぞれ別に用意して車体に配策されることがある。しかしながら、平型配策材が用いられる場合、従来の係合部材には次のような問題がある。
【0006】
即ち、従来の係合部材は、可撓性を有するワイヤーハーネスに対して取り付けられるため、係合部と車体側の固定孔との間に多少の位置ずれがあったとしても、ワイヤーハーネスを撓ませることによってそのずれを吸収できるから、係合部を車体側の固定孔に確実に挿入させることが可能であった。ところが、剛性の高い平型配策材が採用されると、撓ませることによる位置ずれの吸収はできない。その結果、平型配策材を含む配策材に対し係合部材を取り付ける際に、係合部を車体側の固定孔に確実に挿入できるよう、その取り付け位置をシビアに管理する必要が生じ、平型配策材を含む配策材に対し係合部材を取り付ける作業の効率が大きく落ちる可能性がある。
【0007】
本発明の課題は、平型配策材を含む長手状の配策材を係合部材に取り付けて車体側に配策するにあたって、係合部材の係合部を車体側の固定孔に確実に挿入でき、かつそうした配策材に対し係合部材を取り付ける際の作業性の低下が生じにくくなるような、配策材の結束構造と、それに用いられる係合部材と、を実現することにある。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0008】
上記課題を解決するための係合部材は、
車体側に組み付けるための係合部と、平板状の平型配策材を含む長手状の配策材と共に結束部材により結束される被結束部と、を一体に備え、
前記結束部材によって前記配策材と共に結束保持された結束保持状態において前記結束部材と密着する、前記被結束部の結束部材側外表面には、前記結束部材との密着面積を減少させることにより該結束部材との摺動抵抗を減じる凹凸部が設けられ、前記被結束部が、結束保持された前記結束部材及び前記配策材に対して少なくとも該配策材の長手方向に移動可能とされていることを特徴とする。
【0009】
上記課題を解決するための配策材の結束構造は、
平板状の平型配策材を含む長手状の配策材と、
前記配策材を結束する結束部材と、
車体側に組み付けるための係合部と、前記配策材と共に前記結束部材に結束保持される被結束部と、を一体に有した係合部材と、
を備え、
前記結束部材によって前記配策材と共に結束保持された結束保持状態において前記結束部材と密着する、前記被結束部の結束部材側外表面には、前記結束部材との密着面積を減少させる凹凸部が設けられ、
前記係合部材は、前記結束保持状態において、前記結束部材と前記配策材とに対し前記被結束部を摺動させることにより、前記配策材に対する移動が可能とされていることを特徴とする。
【0010】
上記本発明の構成によれば、結束部材によって配策材と共に結束保持される係合部材の被結束部に凹凸が設けられることにより、結束部材と係合部材の被結束部との間の密着面積が減少して摺動抵抗が減るから、係合部材は、結束部材に対し容易に摺動でき、配策材上で容易に位置を変えることが可能になる。また、平型配策材の外表面をなす平坦面上に被結束部が載置されたならば、係合部材は、その平坦面上を容易に摺動できる。この場合、係合部材は、結束部材と平型配策材との双方に対し摺動しやすくなるので、結束部材による結束保持状態にあっても配策材と結束部材との双方に対し容易に摺動でき、配策材上でより容易に位置を変えることが可能になる。そして、このような位置移動により、車体側の固定孔の位置ずれを吸収することが可能になるから、固定孔に係合部材の係合部を確実に挿入できる。また、位置ずれを吸収することが可能であるから、配策材への係合部材の取り付けも従来と変わりない方法ででき、取り付け作業性が低下することもない。
【0011】
上記本発明における前記凹凸部は、密着する前記結束部材との密着面積(接触面積)が減じられるよう、前記結束部材と対面する対面区間において、前記結束部材と密着する密着区間と、前記結束部材との間に空隙が介在する形で対面する非密着区間と、が形成されるよう、当該対面区間に凹部又は凸部のいずれか又は双方を形成して設けることができる。
【0012】
上記本発明における前記凹凸部は、凹部及び凸部のいずれか又は双方が前記長手方向に延びる形で形成されたものとすることができる。凹凸部が配策材や可撓性配策材の長手方向に沿って凹凸を繰り返すのではなく、当該長手方向に延びる突条部や溝部として形成されていることで、結束部材に対する係合部材の摺動がしやすくなる。これにより、上述の位置ずれ吸収のための係合部材の位置移動が容易になる。
【0013】
上記本発明における前記係合部材は、前記結束部材に対する前記長手方向の摺動を所定位置で規制する移動規制部を有することができる。これにより、上述の位置ずれ吸収のための係合部材の位置移動を一定範囲に規制することができるから、誤った過剰な位置移動を防ぐことができ、係合部材の移動に起因した係合部の車体側への組み付けにくさを低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施例をなす配策材の結束構造を示した斜視図。
【
図2】
図1の配策材の結束構造において係合部材の一方の被結束部側を示した平面図。
【
図5】係合部材が挿入固定される車体側の固定孔を示した平面図。
【
図6】係合部材の係合部が車体側の固定孔に挿入される前後の状態を示した正面図。
【
図8】係合部材の係合部が挿入された車体側の固定孔の底面図。
【
図9】
図1の第一変形例である配策材の結束構造を示した斜視図。
【
図10】
図1の第二変形例である配策材の結束構造を示した正面図。
【
図11】
図1の第三変形例である配策材の結束構造を示した正面図。
【
図12】
図1の第四変形例である配策材の結束構造を示した正面図。
【
図13】
図1の第五変形例である配策材の結束構造を示した斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の一実施例を、図面を参照して説明する。
【0016】
本実施例では、
図1及び
図2に示すように、第一の配策材をなす可撓性配策材2と、第二の配策材をなし、可撓性配策材2よりも高剛性で平板状の平型配策材3と、配策材2、3を結束ないし拘束する結束部材5R、5Lと、車体100側に組み付けるための係合部40と配策材2、3と共に結束部材5R、5Lに結束保持される被結束部41R、41Lとを一体に有した係合部材4と、を備えた配策材の結束構造1が形成される。
【0017】
可撓性配策材2は、長手状に延出する複数の配線が束をなした可撓性を有する部材である。ここでの可撓性配策材2は、信号線を形成するワイヤーハーネスである。なお、本発明の可撓性配策材2は、ワイヤーハーネスに限るものではない。
【0018】
平型配策材3は、平板状をなして長手状に延出し、可撓性配策材2よりも高剛性かつ低撓性を有する部材である。ここでの平型配策材3は、電源線を形成する金属製のバスバーである。平型配策材3は、外周面を形成する四面がそれぞれ平型配策材3自身の長手方向に延びる平面として形成されている。なお、本発明の平型配策材3は、フラット電線をなすFFC(Flexible Flat Cable)やFPC(Flexible Printed Circuit)でもよく、上記のようなバスバーに限るものではない。
【0019】
係合部材4は、
図6及び
図7に示すように、車体100側に組み付けるための係合部40を有する。
【0020】
係合部40は、車体100側に設けられた固定部101の所定の固定孔101H(
図5参照)に挿入されることにより、その固定孔101Hに対し、抜け止め状態となるよう係合して組み付くアンカー部である。ここでの係合部40は、
図6及び
図7に示すように、固定孔101Hに挿入される柱部40Bと、柱部40Bと共に固定孔101Hに挿入され、挿入した先で固定孔101Hの周辺部101Rに対し抜け止め状態となるよう係合する弾性係止片40Aと、その抜け止め状態において固定孔101Hの周辺部101Rを弾性係止片40Aとの間で挟み込む当接部40Cと、を有する。
【0021】
弾性係止片40Aは、柱部40Bの先端側(
図6及び
図7の柱部40Bの上側)からその基端側(
図6及び
図7の柱部40Bの下側)に向かうほど柱部40Bから離れる側に拡がる形状をなし、その基端側が柱部40Bに接近する弾性変形が可能とされている。弾性係止片40Aは、固定孔101Hに対し所定の挿入方向Zに向けて挿入されると、固定孔101Hの周辺部101Rによって孔内向き(
図6の矢印R側)に押し込まれ、柱部40Bに接近する弾性変形が生じるが、所定位置まで挿入されると、固定孔101Hの周辺部101Rに対し挿入方向Zの奥側(
図6及び
図7上側)から係止し、挿入方向Zの逆向きへの抜けが阻止された抜け止め状態となる。
【0022】
当接部40Cは、柱部40Bの基端側から挿入方向Zに向けて皿状に広がる形状をなしており、固定孔101Hの周辺部101Rに対し環状をなして当接する。当接部40Cは、上述の抜け止め状態において、固定孔101Hの周辺部101Rに対し挿入方向Zの手前側(
図6及び
図7下側)から当接し、弾性係止片40Aとの間で当該周辺部101Rを挟み込む。これにより、係合部40は、固定孔101Hに対し抜け止め状態となって組み付く。また、当接部40Cは、固定孔101Hの挿入方向Zの奥側(
図6及び
図7上側)から手前側(
図6及び
図7下側)へと固定孔101Hを通って進入する異物(埃等)を防ぐ役割も果たしている。
【0023】
また、係合部材4は、
図1及び
図2に示すように、平型配策材3を取り付けるための取付部として、被結束部41R、41Lを有する。
【0024】
被結束部41R、41Lは、平板状の平型配策材3を含む1又は複数の配策材2、3に添設されて結束部材5R、5Lにより結束される。被結束部41R、41Lは、結束部材5R、5Lによって配策材2、3が結束される際に、それら配策材2、3と共に取り巻かれて結束保持される配策材2、3のための取付部である。また、ここでの被結束部41R、41Lは、結束部材5R、5Lによって配策材2、3と共に結束保持された結束保持状態において、配策材2、3の長手方向Xに延出する袖部である。具体的にいえば、被結束部41R(第一側袖部)は、中間に位置する係合部40を基端側として上記結束保持状態における配策材2、3の長手方向Xの第一側(XR側)に延出する。他方、被結束部41L(第二側袖部)は、中間に位置する係合部40を基端側として第一側とは逆の長手方向Xの第二側に延出する。
【0025】
結束部材5R(第一側結束部材)は、
図1に示すように、係合部材4の係合部40に対し上記長手方向Xの第一側(XR側)で、被結束部41Rと共に平型配策材3及び可撓性配策材2を取り巻いて結束する。他方、結束部材5L(第二側結束部材)は、第一側とは逆の長手方向Xの第二側(XL側)で、被結束部41Rと共に平型配策材3及び可撓性配策材2を取り巻いて結束する。
【0026】
ここでの結束部材5R、5Lは、可撓性を有した長手状の部材であり、
図3に示すように、結束対象と対面する側の面(結束対象を取り巻いたときの内周面)が接着面5bをなすテープ部材である。結束部材5R、5Lは、取り巻いた結束対象との接触部分に対し接着するとともに、自身の両端部が重なる形で互いに接着することにより結束状態となる。
【0027】
結束部材5R、5Lの結束対象には、平型配策材3と可撓性配策材2と共に、係合部材4の対応する被結束部41R、41Lが含まれている。このため、結束部材5R、5Lは、平型配策材3と可撓性配策材2と共に被結束部41R、41Lを結束し、上記の結束状態となることにより、平型配策材3と可撓性配策材2とが係合部材4に取り付けられて保持された結束保持状態となる。
【0028】
ところで、被結束部41R、41Lは、係合部材4を配策材2、3に対しその長手方向Xに移動可能となる形で取り付けるための部位である。ここでの被結束部41R、41Lは、配策材2、3の長手方向Xに摺動する形で移動可能とされた摺動部をなす。その摺動が容易となるように、本実施例の被結束部41R、41Lは、
図1及び
図2に示すように、結束部材5R、5Lによる上記の結束保持状態において結束部材5R、5Lと密着する結束部材側外表面41bに、結束部材5R、5Lとの密着面積を減少させることにより該結束部材5R、5Lとの摺動抵抗を減じる摺動抵抗低減部として、凹凸部41Tが設けられている。さらに、ここでの被結束部41R、41Lは、凹凸部41Tが設けられていることによって、配策材2、3上を、その長手方向Xだけではなく、その長手方向Xと係合部40の軸線との双方に直交する直交方向Yにもわずかに摺動できる。
【0029】
ここでの凹凸部41Tは、被結束部41R、41Lにおいて配策材2,3との対向面とは反対側で、結束部材に対向する結束部材側外表面41bに形成され、上記の結束保持状態において結束部材との接触面積を減少させている。凹凸部41Tは、凹部及び凸部のいずれか又は双方が長手方向Xに延びる形で形成されている。被結束部41R、41Lには、
図3に示すように、平型配策材3が載置される載置面41aが、載置される平型配策材3の長手方向Xに直線状に延出して形成されている。凹凸部41Tは、その載置面41aには非形成とされ、載置面41aの裏側の結束部材側外表面41bにおいて、長手方向Xに直線状に延びる形で形成されている。
【0030】
このような凹凸部41Tが形成されていることにより、係合部材4は、
図1に示すように、平型配策材3と可撓性配策材2と対応する被結束部41R、41Lとを結束部材5R、5Lによって結束した結束保持状態において、結束部材5R、5Lと平型配策材3に対し被結束部41R、41Lを摺動させる形で、平型配策材3と可撓性配策材2に対し、主には長手方向Xに移動可能とされ、さらには直交方向Yにもわずかに移動可能とされている。本実施例において結束保持状態となった結束部材5R、5Lは、
図3に示すように、内周側の平型配策材3と可撓性配策材2と係合部材4の被結束部41R、41Lを挟圧して結束するとともに、それらとの接着によってその結束状態を維持している。ところが、結束部材5R、5L(
図3では5Rのみ)は、被結束部41R、41Lとの密着面積(接触面積)が凹凸部41Tによって減じられていることにより、被結束部41R、41Lとの間の接着力が低下している。このため、被結束部41R、41Lを有する係合部材4だけが、結束及び接着により固定されている残余の部材2、3、5R、5Lに対し摺動して移動することができる。
【0031】
具体的にいえば、
図4に示すように、被結束部41R、41Lの凹凸部41Tは、結束部材5R、5Lが平型配策材3と可撓性配策材2と被結束部41R、41Lを取り囲む周方向における区間5r内で結束部材5R、5Lと対向する。区間5rには、凹凸部41Tが結束部材5R、5Lと密着する密着区間5r1と、結束部材5R、5Lとの間に空隙5Sが介在する形で対向する非密着区間5r2とが凹凸によって形成され、これらの凹凸により、上記の結束保持状態において密着する結束部材5R、5Lとの接触面積が減じられている。ここでの密着区間5r1は、係合部材4の被結束部41R、41Lがテープ部材をなす結束部材5R、5Lの接着面5bと接着する接着区間であり、非密着区間5r2は、係合部材4の被結束部41R、41Lが結束部材5R、5Lの接着面5bと接着しない非接着区間である。密着区間5r1(接着区間)が長くて結束部材5R、5Lとの密着面積(接着面積)が広い場合、係合部材4は、接着面5bとの摺動抵抗(接着力を含む)が大きくなり、結束部材5R、5Lと平型配策材3との間で摺動しにくくなる。他方、非密着区間5r2(非接着区間)が短くて結束部材5R、5Lとの密着面積(接着面積)が狭い場合、係合部材4は、接着面5bとの摺動抵抗(接着力を含む)が小さくなり、結束部材5R、5Lと平型配策材3との間で摺動しやすくなる。
【0032】
なお、ここでの凹凸部41Tは、
図2及び
図4に示すように、係合部40から長手方向Xに延びる突条部41T1と、当該突条部41T1に隣接する段差凹部41T2とが形成されている。そして、
図4に示すように、結束部材5R、5Lが突条部41T1の突出先端面41Taと密着する区間が上記密着区間5r1、結束部材5R、5Lが段差凹部41T2と空隙5Sを挟んで対面する区間が上記非密着区間5r2、結束部材5R、5Lが段差凹部41T2の外側角部41Tbと密着する区間が上記密着区間5r1となっている。
【0033】
また、被結束部41R、41Lでは、
図3に示すように、平型配策材3が載置される載置面41aが長手方向Xの拡がる平坦面として形成される。一方、この載置面41aに載置される平型配策材3も、この載置面41aとの接触面が長手方向Xの拡がる平坦面として形成されている。このため、係合部材4は、結束部材5R、5Lによる結束保持状態にあっても平型配策材3と結束部材5R、5Lとの双方に対し摺動しやすく、長手方向における位置移動が容易となる。
【0034】
また、係合部材4は、係合部材4の結束部材5R、5L及び配策材3に対する長手方向X(
図1の矢印方向XR、XL)の移動(ここでは摺動)を、所定位置で規制する移動規制部を有する。移動規制部は、配策材3に対し長手方向Xにおける第一側(XR側)に摺動した場合に結束部材5R(第一側結束部材)と接触して当該第一側への摺動を規制する第一移動規制部として、係合部40を有する。また、移動規制部は、配策材3に対し長手方向Xにおける第一側とは逆の第二側に摺動した場合に結束部材5L(第二側結束部材)と接触して当該第二側への摺動を規制する第二移動規制部として、同じく係合部40を有する。つまり、本実施例における第一移動規制部及び第二移動規制部は、結束部材5R、5Lとの間に設けられる係合部40である。これにより、、係合部材4の移動範囲(以下、摺動可能範囲X1という)は、
図1に示すように、係合部40が長手方向Xの第一側(XR側)で結束部材5Rに対し長手方向Xに接触して移動規制される第一側規制位置x1から、係合部40が長手方向Xの第二側(XL側)で結束部材5Lに対し長手方向Xに接触して移動規制される第二側規制位置x2までの間のみに制限されている。この係合部材4の摺動により、係合部40は、摺動可能範囲X1の中で任意に位置を変えることができる。
【0035】
また、係合部40は、可撓性配策材2と平型配策材3とが結束部材5R、5Lによって被結束部41R、41Lと共に結束保持された結束保持状態において、係合部材4の可撓性配策材2側ではなく平型配策材3側(
図3の破線Qよりも上側の領域)から突出して形成されている。具体的にいえば、係合部40は、上記結束保持状態にある係合部材4において、被結束部41R、41Lの接続部の、平型配策材3が載置される面41aの裏面41b側に形成されており、係合部40の柱部40Bが当該裏面41bから突出形成されている。
【0036】
また、係合部材4は、係合部40が長手方向Xの両側に傾倒する可能性があるが、長手方向Xに延びる被結束部41R、41Lがその傾倒を抑制する傾倒抑制部として機能する。このため、配策材3上での係合部材4の長手方向Xへの摺動を、係合部材4全体が平行移動する形でスムーズに行うことができる。また、係合部材4は、
図1~
図3に示すように、長手方向Xにおける係合部40の形成位置から、上記長手方向Xと係合部40の軸線との双方に直交する直交方向Yの両側に突出する突出部41E、41Eを有する。係合部材4は、係合部40が上記直交方向Yの両側にも傾倒する可能性があるが、直交方向Yに延びる突出部41E、41Eがその傾倒を抑制する傾倒抑制部として機能する。このため、配策材3上での係合部材4の直交方向Yへの摺動も、長手方向Xと同様、スムーズに行うことができる。
【0037】
ところで、本実施例では、
図6及び
図7に示すように、長手状の配策材2、3を保持する係合部材4を車体100側の固定孔101Hに挿入して組み付ける係合部材4の組み付け構造10が形成されている。この組み付け構造10において、固定孔101Hは、
図5に示すように、予め定められた長幅方向H(長軸方向)に長く開口する長孔形状をなしており、係合部材4の係合部40は、
図7に示すように、その固定孔101Hの長幅方向Hの任意の位置において挿入方向Zに挿入可能であり、挿入されることでその固定孔101H対し係合して組み付けられている。
【0038】
なお、ここでの長幅方向Hは、上述の直交方向Yに一致しているため、長孔形状の固定孔101Hの長幅方向H(直交方向Y)の孔幅範囲Y1(挿入可能範囲)内であれば、係合部材4の係合部40はどの位置にも挿入できる。これにより、係合部材4は、係合部40を車体100側の固定孔101Hに挿入組み付けするにあたり、固定孔101Hに対する位置ずれを、上記2方向X、Yにおいて吸収することができる。
【0039】
係合部材4の係合部40が挿入可能となる長幅方向H(直交方向Y)における範囲Y1は、係合部40が直交方向Yの第一側で固定孔101Hの内縁に対し直交方向Yに接触して移動規制される第一側規制位置y1から、係合部40が直交方向Yの第一側とは逆の第二側で固定孔101Hの内縁に対し直交方向Yに接触して移動規制される第二側規制位置y2までの間とされている(
図7の下図参照)。これにより、係合部40は、範囲Y1の中で任意の位置に挿入できる。
【0040】
また、
図6及び
図7に示すように、係合部40は、固定孔101Hに挿入されるときの先頭面40Ba(挿入方向Zの前方側の先端面)が、外周側ほどその挿入方向Zの後方側に位置するように傾斜した傾斜面をなす。これにより、係合部40を車体100側の固定孔101Hに挿入する際に、係合部40の挿入方向Zの先端が固定孔101Hの内側にさえ位置していれば、係合部材4を挿入方向Zに押し込んでいくだけで、固定孔101Hの内縁が傾斜面をなす先頭面40Ba上を滑って、矢印Z0のような方向に沿って挿入が進む。このとき、係合部40は、固定孔101Hの内縁によって押し付けられるが、上述したように係合部材4は2方向X、Yへの位置移動が可能となっているので、押し付けに伴い自らの位置を変えながら係合部40を挿入可能な位置まで到達させることができる。そして、最終的に係合部40は、固定孔101H内に挿入係止される形で車体100側に組み付けられる。
【0041】
また、
図2及び
図3に示すように、係合部40が固定孔101Hに挿入されて組み付けられた際に、該固定孔101Hに挿入されない非挿入部(ここでは被結束部41R、41Lの接続部)は、直交方向Yにおいて配策材2、3よりも外側に突出する突出部41E、41E(突起部)を有する。他方、固定孔101Hの孔周辺部101Rは、
図8に示すように、係合部40が挿入されてくる側の面101aの、固定孔101Hを挟んだ直交方向Y(図中の長幅方向H)の双方の側において、該固定孔101Hから所定距離離れた位置に目印部101Q、101Qを有するように形成される。この構成によれば、
図8に示すように、直交方向Y(長幅方向H)における突出部41Eと目印部101Qとの対向間隔によって、係合部40が長孔状の固定孔101Hのどの位置に組み付いているのか、目印部101Q、101Qのうちのどちら側に偏った位置で組み付いているのかがわかりやすい。また、固定孔101Hに対する係合部40の組み付いた位置は、係合部40を挿入組み付けした作業者の側から見ることができる利点もある。目印部101Q、101Qは、凹凸により形成することができ、ここでは面101aに対し円筒状に凹む凹部として形成されている。
【0042】
また、ここでの突出部41Eは、
図2及び
図3に示すように、上記非挿入部(ここでは被結束部41R、41Lの接続部)から直交方向Yの双方の側に突出形成され、目印部101Qは、
図8に示すように、固定孔101Hを挟んだ直交方向Y(長幅方向H)の双方の側に設けられている。そして、それら突出部41E、41E及び目印部101Q、101Qは、固定孔101Hを係合部40が挿入されてくる側から正面視したときに、直交方向Y(長幅方向H)に延びる同一直線上に位置して見える。つまり、突出部41E、41E及び目印部101Q、101Qは、直交方向Yに直線状に並んでいるから、それらの対向間隔をより把握しやすくなっている。
【0043】
また、ここでの被結束部41R、41Lは、その両外側において、被結束部41R、41Lの軸線に対し直交する方向に突出する外側凸部41Sを有しており、被結束部41R、41Lに対し結束部材5R、5Lが長手方向Xの外側に脱落することを防ぐ脱落阻止部としての役割を果たしている。ここでの外側凸部41Sは、被結束部41R、41Lの端部において係合部40が突出する側に突出して形成されている。また、外側凸部41Sは、被結束部41R、41Lの長手方向Xの外側端部において、上記載置面41aの直交方向Yに延出形成されるとともに、係合部40側の立面が凹凸部41Tと接続している。ここでの外側凸部41Sは、突条部41T1よりも高く突出形成されている。
【0044】
以上、本発明の一実施例を説明したが、これはあくまでも例示にすぎず、本発明はこれに限定されるものではなく、特許請求の範囲の趣旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、追加及び省略等の種々の変更が可能である。
【0045】
以下、上記した実施例とは別の実施例やそれら実施例の変形例について説明する。なお、上記実施例と共通の機能を有する部位には同一符号を付して詳細な説明を省略する。また、上記実施例と、下記変形例及び別実施例とは、技術的な矛盾を生じない範囲において適宜組み合わせて実施できる。
【0046】
例えば、本発明において可撓性配策材2を省略し、平型配策材3のみとすることが可能である(
図9参照)。
【0047】
上記実施例の結束部材5R、5Lは、テープ部材であったが、他の結束部材であってもよい。例えば結束部材5R、5Lは、配策材を取り巻くベルト部と、取り巻いたベルト部の両端を固定するバックル部と、を有した、いわゆるタイバンドのようなベルト部材であってもよいし、配策材の長手方向の第一側とその逆の第二側とで異なるものを用いてもよい。
【0048】
また、上記実施例における被結束部は、被結束部41R、41Lの2つであるが、1つであってもよい(
図9参照)。また、上記実施例において、結束部材5R、5Lは、それぞれ第一側結束部材と、第二側結束部材として機能するが、いずれか一方のみであってもよい(
図9参照)。
【0049】
上記実施例の第一変形例について説明する。第一変形例では、
図9に示すように、係合部40を第一移動規制部、外側凸部41Sを第二移動規制部として有しており、係合部材4の摺動可能範囲X2は、長手方向Xにおいて、例えば係合部40と結束部材5Rが接触して移動規制される第一の規制位置x3から、例えば外側凸部41Sと結束部材5Rが接触して移動規制される第二の規制位置x4までとすることができる。この係合部材4の摺動により、
図9の係合部40は、摺動可能範囲X2の中で任意に位置を変えることができる。なお、2つの被結束部41R、41Lを有し、かつそれぞれに外側凸部41Sを有する
図1のような上記実施例においては、係合部40の摺動可能範囲は、X1とX2のどちらに設定することも可能である。
【0050】
第二変形例は、
図10に示すように、結束部材5R、5Lの位置が第一実施例よりも外側に位置している。このため、係合部材4を配策材2、3の長手方向Xの第一側(
図10の右側)に摺動させた場合には、係合部40が第一側の結束部材5Rと接触するよりも先に、その逆の第二側(
図10の左側)の外側凸部41Sが結束部材5Lに接触する。このため、その外側凸部41Sが結束部材5Lに接触した第一側規制位置x1にて、係合部材4の第一側への摺動が規制される。逆に、係合部材4を配策材2、3の長手方向Xの第二側(
図10の左側)に摺動させた場合には、係合部40が第二側の結束部材5Lと接触するよりも先に、その逆の第一側(
図10の右側)の外側凸部41Sが結束部材5Rに接触する。このため、その外側凸部41Sが結束部材5Rに接触した第二接触位置x2にて、係合部材4の第二側への摺動が規制される。
【0051】
このように第二変形例では、取付部である被結束部41Rの第一側(
図10の右側)に突出形成された外側凸部41Sが、係合部材4の第二側への摺動を規制する第二移動規制部として機能し、取付部である被結束部41Lの第二側(
図10の左側)に突出形成された外側凸部41Sが、係合部材4の第一側への摺動を規制する第一移動規制部として機能しており、係合部材4の摺動可能範囲X1は、
図10に示すように、第一側規制位置x1から第二側規制位置x2までの間に設定される。
【0052】
第三変形例は、
図11に示すように、各結束部材5R、5Lと係合部40との間の区間に、外側凸部41Sと同様の形で、各被結束部41R、41Lから突出する内側凸部41Pを有する。このため、係合部材4を配策材2、3の長手方向Xの第一側(
図11の右側)に摺動させた場合には、第一側の内側凸部41Pが結束部材5Rに接触し、同時に第二側(
図11の左側)の外側凸部41Sが結束部材5Lに接触する。このため、それら凸部41P、41Sが、対応する結束部材5R、5Lに接触した第一側規制位置x1にて、係合部材4の第一側への摺動が規制される。逆に、係合部材4を配策材2、3の長手方向Xの第二側(
図11の左側)に摺動させた場合には、第二側の内側凸部41Pが結束部材5Lに接触し、同時に第一側(
図11の右側)の外側凸部41Sが結束部材5Rに接触して、係合部材4の第二側への摺動を規制する。このため、それら凸部41P、41Sが、対応する結束部材5R、5Lに接触した第二側規制位置x2にて、係合部材4の第二側への摺動が規制される。
【0053】
このように第三変形例では、第一側(
図11の右側)の被結束部41Rの外側凸部41Sと、第二側(
図11の右側)の被結束部41Lの内側凸部41Pとが、第二移動規制部として機能し、第二側(
図11の左側)の被結束部41Lの外側凸部41Sと、第一側(
図11の右側)の被結束部41Rの内側凸部41Pとが、第一移動規制部として機能する。係合部材4の摺動可能範囲X1は、
図11に示すように、第一側規制位置x1から第二側規制位置x2までの間に設定される。
【0054】
なお、第一移動規制部及び第二移動規制部は、それぞれが1以上あればよく、複数ある場合には1つに省略できる。例えば、第三変形例の場合、被結束部41R、41Lの一方に、対応する側の結束部材5R、5Lを挟む形で外側凸部41S及び内側凸部41Pが形成し、被結束部41R、41Lの他方の外側凸部41S及び内側凸部41Pを省略してもよいし、さらにいえば、他方の被結束部そのものを省略してもよい。また、第三変形例の場合、長手方向Xの第一側及び第二側の内側凸部41Pのみを形成し、第一側及び第二側の外側凸部41Sを省略してもよい。
【0055】
第四変形例は、
図12に示すように、係合部40の下側に台座部41Qが形成されている。台座部41Qは、被結束部41R、41Lの軸線に対し直交する方向に膨出する形で形成されており、係合部材4を配策材2、3の長手方向Xの第一側(
図12の右側)に摺動させた場合には、その台座部41Qが結束部材5Rと接触し、接触した第一側規制位置x1にて係合部材4の第一側への摺動が規制される。逆に、係合部材4を配策材2、3の長手方向Xの第二側(
図12の左側)に摺動させた場合には、その台座部41Qが結束部材5Lに接触し、接触した第二接触位置x2にて係合部材4の第二側への摺動が規制される。
【0056】
このように第四変形例では、台座部41Qが第一移動規制部及び第二移動規制部として機能しており、係合部材4の摺動可能範囲X1は、
図12に示すように、第一側規制位置x1から第二側規制位置x2までの間に設定される。
【0057】
第五変形例は、
図13に示すように、第一実施例の突出部41E、41Eと同様、係合部40の下側に直交方向Yに突出(膨出)する突出部41F、41Fを有する。突出部41F、41Fは、第一実施例の突出部41E、41Eとしての機能を有する一方で、第一移動規制部及び第二移動規制部として機能する。具体的にいえば、第三実施例の台座部41Qと同様、係合部材4を配策材2、3の長手方向Xの第一側(
図13の右側)に摺動させた場合には、突出部41F、41Fが結束部材5Rと接触し、接触した第一側規制位置x1にて係合部材4の第一側への摺動が規制される。逆に、係合部材4を配策材2、3の長手方向Xの第二側(
図13の左側)に摺動させた場合には、突出部41F、41Fが結束部材5Lに接触し、接触した第二接触位置x2にて係合部材4の第二側への摺動が規制される。係合部材4の摺動可能範囲X1は、
図13に示すように、第一側規制位置x1から第二側規制位置x2までの間に設定される。
【符号の説明】
【0058】
1 配策材の結束構造
2 可撓性配策材
3 平型配策材
4 係合部材
40 係合部
41R、41L 被結束部(袖部)
41T 凹凸部
5R、5L 結束部材
100 車体
101H 固定孔
X 長手方向
Y 直交方向
Z 挿入方向