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特許7266026混合冷媒凝縮器の出口マニフォルド分離器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2023-04-19
(45)【発行日】2023-04-27
(54)【発明の名称】混合冷媒凝縮器の出口マニフォルド分離器
(51)【国際特許分類】
   F25B 39/04 20060101AFI20230420BHJP
   F25B 43/00 20060101ALI20230420BHJP
   F25J 1/02 20060101ALI20230420BHJP
【FI】
F25B39/04 Z
F25B43/00 L
F25J1/02
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020515111
(86)(22)【出願日】2018-09-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-26
(86)【国際出願番号】 US2018050891
(87)【国際公開番号】W WO2019055660
(87)【国際公開日】2019-03-21
【審査請求日】2021-03-15
(31)【優先権主張番号】62/558,706
(32)【優先日】2017-09-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】518414306
【氏名又は名称】チャート・エナジー・アンド・ケミカルズ,インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【氏名又は名称】中西 基晴
(74)【代理人】
【識別番号】100186613
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100211236
【弁理士】
【氏名又は名称】道下 浩治
(72)【発明者】
【氏名】ターナー,ピーター・ジェイ
【審査官】関口 勇
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0031697(US,A1)
【文献】特開平07-243760(JP,A)
【文献】特開2004-211949(JP,A)
【文献】特開平06-018165(JP,A)
【文献】米国特許第05724833(US,A)
【文献】米国特許第06318116(US,B1)
【文献】特開2016-180548(JP,A)
【文献】特開2015-034637(JP,A)
【文献】特開2003-004343(JP,A)
【文献】特開2004-308968(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0010043(US,A1)
【文献】特開2008-196721(JP,A)
【文献】特開2000-337732(JP,A)
【文献】特開2000-320933(JP,A)
【文献】特開平04-029703(JP,A)
【文献】特開2001-033111(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 39/04
F25B 43/00
F25J 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷媒流体を凝縮し、相分離するためのシステムであって、
a.冷媒蒸気の流れを受け取るように構成され、凝縮器のヘッダ出口を有する、凝縮器の入口ヘッダと、
b.前記凝縮器のヘッダ出口および混合相流体出口と流体連通する蒸気入口を有する凝縮器であって、前記蒸気入口を介して蒸気を受け取り、混合相出口を介して前記凝縮器から出る混合相流体流を生成するように構成される、凝縮器と、
c.前記凝縮器の前記混合相出口と流体連通する複数の混合相入口を含む、細長いマニフォルド分離器であって、前記混合相入口を介して受け取られた混合相流体を、蒸気と液体とに分離するように構成され、得られた蒸気流が前記マニフォルド分離器から出る複数の蒸気出口、および得られた液体流が前記マニフォルド分離器から出る複数の液体出口を含み、両端が閉じられたパイプ形状を有し、前記複数の液体出口が前記マニフォルド分離器の長手方向に距離を取って位置している、細長いマニフォルド分離器と
d.前記マニフォルド分離器の前記複数の蒸気出口からそれぞれが蒸気流を受け取るように構成された複数の入口を有する、蒸気集積ヘッダと、
を備える、システム。
【請求項2】
.蒸気集積ヘッダ出口を有する、前記蒸気集積ヘッダと、
e.前記マニフォルド分離器の液体出口から液体流を受け取るように構成された入口、および液体集積ヘッダ出口を有する、液体集積ヘッダと、
f.前記液体集積ヘッダ出口、およびサージ容器の液体出口と流体連通する入口を有する、液体サージ容器と
をさらに備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記液体サージ容器の上部空間、および前記蒸気集積ヘッダまたは前記蒸気集積ヘッダ出口から延びるラインと流体連通する、圧力均衡化ラインをさらに備える、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記マニフォルド分離器の前記混合相入口には、分離器の入口デバイスが設けられる、請求項1~3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記分離器の入口デバイスは、バッフル板分離器を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記分離器の入口デバイスは、半割パイプ分離器を含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記マニフォルド分離器の前記蒸気出口は、蒸気/液体係合解除デバイスを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記マニフォルド分離器の前記液体出口は、前記マニフォルド分離器内に位置付けられたバッフルを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記バッフルは、前記マニフォルド分離器の長手方向軸に対して垂直な面に位置付けられたバッフル板を含み、前記マニフォルド分離器の前記液体出口の上に位置付けられる、請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記バッフル板は、前記マニフォルド分離器の前記液体出口の上に切り抜きを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記マニフォルド分離器は、複数の混合相入口を含み、前記マニフォルド分離器の前記蒸気出口および液体出口は、前記複数の混合相入口の間に位置付けられる、請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記凝縮器は空冷式熱交換器である、請求項1~11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記凝縮器は複数の管群を含み、各管群は、ラインおよび前記マニフォルド分離器の対応する混合相入口を有する、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記凝縮器は少なくとも4つの管群を含み、前記マニフォルド分離器は少なくとも4つの対応する混合相入口を有し、n混合相入口とn+1混合相入口との間の空間は交互に距離を変えて設けられる、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
液化システムであって、
a.1つまたは複数の冷凍通路、加温端部、および冷却端部を有し、前記加温端部において供給ガスを受け取り、前記ガスを液化し、前記液化したガスを前記冷却端部から分配するように構成された、液化熱交換器と、
b.圧縮システムであって、
i)蒸気流を受け取るように構成され、凝縮器のヘッダ出口を有する、凝縮器の入口ヘッダと、
ii)前記凝縮器のヘッダ出口および混合相流体出口と流体連通する蒸気入口を有する凝縮器であって、前記蒸気入口を介して蒸気を受け取り、混合相出口を介して前記凝縮器から出る混合相流体流を生成するように構成される、凝縮器と、
iii)前記凝縮器の前記混合相出口と流体連通する複数の混合相入口を含む、細長いマニフォルド分離器であって、前記混合相入口を介して受け取られた混合相流体を、蒸気と液体とに分離するように構成され、得られた蒸気流が前記マニフォルド分離器から出る複数の蒸気出口、および得られた液体流が前記マニフォルド分離器から出る複数の液体出口を含み、両端が閉じられたパイプ形状を有し、前記複数の液体出口が前記マニフォルド分離器の長手方向に距離を取って位置している、細長いマニフォルド分離器と
を含む圧縮システムと
iv)前記マニフォルド分離器の前記複数の蒸気出口からそれぞれが蒸気流を受け取るように構成された複数の入口を有する、蒸気集積ヘッダと、
を備える、液化システム。
【請求項16】
前記圧縮システムは、
iv)前記熱交換器の1つまたは複数の前記冷凍通路のうちの1つと流体連通する、蒸気集積ヘッダ出口を有する、前記蒸気集積ヘッダと、
v)前記マニフォルド分離器の液体出口から液体流を受け取るように構成された入口、および前記熱交換器の1つまたは複数の前記冷凍通路のうちの1つと流体連通する、液体集積ヘッダ出口を有する、液体集積ヘッダと
をさらに備える、請求項15に記載の液化システム。
【請求項17】
前記液体集積ヘッダ出口と流体連通する入口、および前記熱交換器の1つまたは複数の前記冷凍通路のうちの1つと流体連通する、サージ容器の液体出口を有する、液体サージ容器をさらに備える、請求項16に記載の液化システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本出願は、その内容が参照として本明細書に組み込まれる、2017年9月14日に出願された米国仮特許出願第62/558,706号の利益を主張する。
【0002】
[0002]本開示は全体的に、冷媒流体処理システムに関し、詳細には凝縮器の出口マニフォルド、および混合冷媒の相を分離するためのシステムに関する。
【背景技術】
【0003】
[0003]天然ガスなどのガスは、貯蔵および輸送のために液化されることが多い。ガスを液化するシステムは、一般的に熱交換器(通常は「保冷ボックス」の内部)において冷媒との間接的な熱交換を介して、ガスを冷却する。エネルギー利用に対する効率は、液化システムにとって優先事項である。システムの冷凍サイクルにおける混合冷媒の使用は、冷媒の加温曲線がガスの冷却曲線と緊密に一致するという点で、効率を向上させる。
【0004】
[0004]一般的に液化システムの冷凍サイクルは、混合冷媒を調整または処理するための圧縮システムを含む。混合冷媒の処理は、液相と気相とを分離し、熱交換器の一部分に導いて、より効率的な冷却をもたらすことを含み得る。このようなシステムの例は、共同所有された、Gushanasらによる米国特許第9,441,877号、Ducote,Jr.らによる米国特許出願公開第2014/0260415号、およびDucote,Jr.らによる米国特許出願公開第2016/0298898号において提供されており、これら各々の内容は、参照として本明細書に組み込まれている。
【0005】
[0005]一般的に混合冷媒の圧縮システムは、1つまたは複数のステージを含む。各ステージは、圧縮器、凝縮器、ならびに、分離および液体蓄積デバイスを含む。圧縮器を出る蒸気は凝縮器において冷却され、得られた二相または混合相の流れは、分離および液体蓄積デバイスに導かれ、そこから蒸気および液体は、さらなる処理、および/または液化熱交換器の方向へ出る。
【0006】
[0006]図1および図2を参照すると、従来技術の混合冷媒(mixed refrigerant:MR)の液化システム設計において、MR冷凍圧縮器の排出は、一般的には管群20a、20b、20c、および20dを含む複数の空冷室の列において空冷される。圧縮器の排出は、初めに入口分配ヘッダ22に導かれ、ライン24a、24b、24c、および24dを介して、空冷管群に分配される。各管群からの二層または混合相の空冷出口の流れは、ライン28a、28b、28c、および28dを介して集積ヘッダ26に放出され、次にライン34を介して、MR分離および液体蓄積の大きい容器(MR蓄積器)32に送られる。MR蓄積器32は、分離器の入口デバイス36を含み、液体はMR蓄積器32の底部へ導かれる一方で、蒸気は頂部へ導かれる。蒸気は、MR蓄積器32の頂部を出て、ライン38を通り、液化保冷ボックス42(および熱交換器内部)に移動して、間接熱交換を介して液化されたガスを冷却するために使用される。液体は、MR蓄積器32の底部を出て、ライン44を通り、保冷ボックス42(および熱交換器内部)に移動して、やはりガスを冷却するために使用される。
【0007】
[0007]図1および図2の構成要素が良好に機能する一方で、プロットレイアウトの簡略化、MR圧縮回路の圧力低下の軽減、およびコストの低減が望ましい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
[0021]本主題にはいくつかの態様が存在し、それらは以下で説明および特許請求されるデバイスおよびシステムにおいて別個に、または共に具現化され得る。これらの態様は、単独で、または本明細書で説明される主題の他の態様と組み合わせて利用され得る。これらの態様の説明は共に、これらの態様を別個に使用すること、または、これらの態様を別個もしくは添付の特許請求の範囲の記載の異なる組合せで主張することを排除することを意図しない。
【0009】
[0022]1つの態様において、冷媒流体の凝縮および相分離のためのシステムは、冷媒蒸気の流れを受け取るように構成されている凝縮器の入口ヘッダを含む。凝縮器の入口ヘッダは、凝縮器のヘッダ出口も有する。システムは、凝縮器のヘッダ出口および混合相流体出口と流体連通する蒸気入口を有する、凝縮器も有する。凝縮器は、蒸気入口を介して蒸気を受け取り、混合相出口を介して凝縮器を出る混合相流体流を生成するように構成される。複数の混合相入口を含む、細長いマニフォルド分離器は、凝縮器の混合相出口と流体連通する。マニフォルド分離器は、混合相入口を介して受け取られた混合相冷媒流体を、蒸気と液体とに分離するように構成され、得られた蒸気流がマニフォルド分離器から出る蒸気出口と、得られた液体流がマニフォルド分離器から出る液体出口とを含む。入口を有する蒸気集積ヘッダは、マニフォルド分離器の蒸気出口から蒸気流を受け取るように構成され、蒸気集積ヘッダ出口も有する。入口を有する液体集積ヘッダは、マニフォルド分離器の液体出口から液体流を受け取るように構成され、液体集積ヘッダ出口も有する。
【0010】
[0023]別の態様において、マニフォルド分離器は、分離チャンバを画定する細長い本体を有し、混合冷媒流体が分離チャンバ内に受け取られるように構成された、複数の混合相入口を含む。この本体は、蒸気流が分離チャンバを出ることができるように構成された蒸気出口、および液体流が分離チャンバを出ることができるように構成された液体出口も含む。
【0011】
[0024]さらに別の実施形態において、液化システムは、1つまたは複数の冷凍通路、加温端部、および冷却端部を有する、液化熱交換器を含む。液化熱交換器は、加温端部において供給ガスを受け取るように、ガスを液化するように、および冷却端部からの液化ガスを分配するように、構成される。液化システムは、冷媒蒸気の流れを受け取るように構成された凝縮器の入口ヘッダを有する、圧縮システムも含む。凝縮器の入口ヘッダは、凝縮器のヘッダ出口も有する。システムは、凝縮器のヘッダ出口および混合相流体出口と流体連通する蒸気入口を有する、凝縮器も有する。凝縮器は、蒸気入口を介して蒸気を受け取り、混合相出口を介して凝縮器を出る混合相流体流を生成するように構成される。複数の混合相入口を含む、細長いマニフォルド分離器は、凝縮器の混合相出口と流体連通する。マニフォルド分離器は、混合相入口を介して受け取られた混合相冷媒流体を、蒸気と液体とに分離するように構成され、得られた蒸気流がマニフォルド分離器から出る蒸気出口と、得られた液体流がマニフォルド分離器から出る液体出口とを含む。入口を有する蒸気集積ヘッダは、マニフォルド分離器の蒸気出口から蒸気流を受け取るように構成され、熱交換器の1つまたは複数の冷凍通路のうちの1つと流体連通する、蒸気集積ヘッダ出口も有する。入口を有する液体集積ヘッダは、マニフォルド分離器の液体出口から液体流を受け取るように構成され、熱交換器の1つまたは複数の冷凍通路のうちの1つと流体連通する、液体集積ヘッダ出口も有する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】[0008]従来技術の凝縮器、混合冷媒分離器、および蓄積システムを示す、処理フローおよび概要の側面図である。
図2】[0009]図1の処理フローおよび概要の正面図である。
図3】[0010]本開示の、混合冷媒凝縮器の出口マニフォルド分離器の実施形態を含む、凝縮および分離システムを示す、処理フローおよび概要の側面図である。
図4】[0011]図3の処理フローおよび概要の正面図である。
図5】[0012]本開示の、混合冷媒凝縮器の出口マニフォルド分離器の実施形態における、バッフル板分離器の入口デバイスの上面図である。
図6】[0013]図5のバッフル板分離器の入口デバイスの正面図である。
図7】[0014]本開示の、混合冷媒凝縮器の出口マニフォルド分離器の実施形態における、半割パイプ分離器の入口デバイスの上面図である。
図8】[0015]図7の半割パイプ分離器の入口デバイスの側面図である。
図9】[0016]本開示の、混合冷媒凝縮器の出口マニフォルド分離器の実施形態における、液体バッフル板の側面図である。
図10】[0017]図9の液体バッフル板の正面図である。
図11】[0018]本開示の、混合冷媒凝縮器の出口マニフォルド分離器の実施形態を含む、凝縮および分離システムを示す、処理フローおよび概要の側面図である。
図12】[0019]図11の処理フローおよび概要の正面図である。
図13】[0020]混合冷媒圧縮システムの、簡略化した処理フローおよび概要を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[0025]混合冷媒の凝縮および分離システムは、図3および図4において50で全体的に示される。圧縮器(図13)は、保冷ボックス(図3の52)内に任意選択で位置付けられた液化熱交換器において加温された、混合冷媒蒸気を受け取り、それを入口56(図4で隠れて示される)を介して等、凝縮器の入口分配ヘッダ54に導く。
【0014】
[0026]凝縮器は、凝縮器の入口分配ヘッダ54から蒸気を受け取る。単なる例示として、凝縮器は、58aおよび58bで全体的に示された一対の熱交換器を含み得る。当然ながら、凝縮器のために、1つ、または2つより多い熱交換器を含む、別の数の熱交換器を使用してもよい。
【0015】
[0027]熱交換器57は、好ましくは、空冷室58a、58bにおける複数の管群60a、60b、60c、および60dを特徴とする、空冷式熱交換器(ACHX)である。熱交換器の管群は、パイピングライン62a、62b、62c、および62dを介して、凝縮器の入口分配ヘッダ54から蒸気を受け取る。単なる例示で、好適なACHXとして、ジョージア州カントンのChart Industries,Inc.社で入手可能な、CSC、HAPPY、ESEX、およびTRI-THERMALの強制通風モデルおよび誘引通風モデルが挙げられる。
【0016】
[0028]ライン、パイピング、およびパイプという用語は、本開示を通して交換可能に使用され、流体流を運べる構造を示す。
【0017】
[0029]熱交換器は、代わりに水冷式もしくは他のタイプの凝縮器であってもよく、または当技術分野で公知の熱交換器が代替として使用され得る。
【0018】
[0030]凝縮器の管群60a、60b、60c、および60dからの、得られた二層または混合相の出口の流れは、パイピングまたはライン66a、66b、66c、および66dを介して、細長い凝縮器の出口マニフォルド分離器64に放出される。マニフォルド分離器は、内部分離チャンバを画定する本体を含む。この内部分離チャンバは、混合相の流れを、マニフォルド分離器本体に形成された対応する入口を介して、パイピング66a~66dから受け取る。マニフォルド分離器が、全体的に(両端を閉じられた)パイプ形状、したがって円筒形の分離チャンバを有するように示されるが、マニフォルドは代替として他の外形を使用してもよい。
【0019】
[0031]マニフォルド分離器64に到達する際に、二層または混合相の流れは、マニフォルド分離器の底部に集積する液体と、マニフォルド分離器の液体の上の上部空間に集積する蒸気とに分離する。
【0020】
[0032]細長いマニフォルド分離器64の上部空間からの蒸気は、マニフォルド分離器本体の頂部に形成された蒸気出口を介してマニフォルド分離器の分離チャンバを出た後、蒸気出口パイプ68a、68bを介して蒸気集積ヘッダ72に移動する。マニフォルド分離器64の底部からの液体は、マニフォルド分離器本体の底部に形成された液体出口を介してマニフォルド分離器の分離チャンバを出た後、液体出口パイプ74a、74bを介して液体集積ヘッダ76に移動する。
【0021】
[0033]蒸気は、蒸気集積ヘッダ72から、パイピング78を介して、液化熱交換器/保冷ボックス52の対応する通路へ放出され、熱交換器を通過するガスの液化、またはこのような使用のための準備において冷却に使用される。液体集積ヘッダ76からの液体は、パイピング84を介して、混合冷媒液体のサージドラムまたは容器82に放出される。図3および図4において86で示されるように、ある量の液体が、サージドラムまたは容器82に貯まる。サージドラム82からの液体は、パイピング88を介して、液化熱交換器/保冷ボックス52の対応する通路へ放出され、熱交換器を通過するガスの液化、またはこのような使用のための準備において冷却に使用される。
【0022】
[0034]液体サージドラム82は、(図示のように)水平設計または垂直設計であってよく、位置は制約されない。液体サージドラム82は、意図される液体の最高レベルがマニフォルド分離器64の高さより低ければ、パイプラックもしくはモジュール、または保冷ボックス内に同一平面で独立して位置させることができる。
【0023】
[0035]図3および図4において90で示された、圧力均衡化ラインは、混合冷媒液体サージドラム82の頂部から、蒸気集積ヘッダ72から保冷ボックスへ至るライン78、または蒸気集積ヘッダ72のいずれかまで延びる。
【0024】
[0036]マニフォルド分離器64には、室58aおよび58bの各々の群から最小2つの入口を伴う、群60a~60d当たり少なくとも1つの混合相入口が装備される。この入口は露出したノズルであってもよく、または任意選択で、バッフル板、羽根式分離器の入口デバイス、または当技術分野で公知である他の分離器の入口デバイスなどの、分離器の入口デバイス92a~92d(図4)が装備されてもよい。好適な分離器の入口デバイスとして、限定ではないが、スイス国WinterthurのSulzer Chemtech社で入手可能な、SHELL SCHOEPENTOETERおよびTREEINLETが挙げられる。
【0025】
[0037]分離器の入口デバイスの別の例は、バッフル板分離器の入口デバイスであり、その例は図5および図6において92aで全体的に示される(入口分離器デバイス92b~92dは類似の構造を特徴とし得る)。デバイスの上面図は図5に提供され、一方でデバイスの正面図は図6に提供される。このようなデバイスを伴い、入口パイプ66aは、マニフォルド分離器64の後側(図4で示された正面側の反対側)に実際に入る。バッフル板入口デバイスは、両開放端を有する箱状構造を特徴とする。より具体的には、頂板102および底板104の各々は、マニフォルド分離器64の壁の内面から平行に、マニフォルド分離器64の内部の中に延びる。正面板106は、頂板102および底板104の遠位端に接合し、それによって一対の開放側108および110が画定される。
【0026】
[0038]分離器の入口デバイスの別の例は、半割パイプ分離器の入口デバイスであり、その例は図7および図8において92aで全体的に示される(入口分離器デバイス92b~92dは類似の構造を特徴とし得る)。デバイスの上面図は図7に提供され、デバイスの側面図は図8に提供される。このようなデバイスを伴い、入口パイプ66aは、マニフォルド分離器64の後側(図4で示された正面側の反対側)に実際に入る。半割パイプ入口デバイスは、マニフォルド分離器64の壁の内面からマニフォルド分離器64の内部の中に延び、開放底部113を画定する、弧状のフード112を特徴とする。半円の正面板114は、フードの内側端部を閉鎖する。
【0027】
[0039]各凝縮室のために、マニフォルド分離器の入口または入口ノズルは、各群の外縁部または各室の外縁部に位置付けられるように、好ましくは類似的に位置付けられる(図4に示されるように)。これによって、入口ノズルを横断して水平に動くとき(右から左、または左から右)、n番目の入口ノズルとn+1番目の入口ノズルとの間の距離は、nが奇数の場合における次の入口ノズルまでの長い距離と、nが偶数の場合における次の入口ノズルまでの短い距離とが交互に変わる。例えば、入口デバイス92aを表わすノズルから、入口デバイス92bを表わすノズルまでの水平距離は、入口デバイス92bを表わすノズルと入口デバイス92cを表わすノズルとの間の水平距離よりも、大幅に長い。
【0028】
[0040](ライン68a~68bおよび74a~74bそれぞれと連通する)マニフォルド分離器64の蒸気および液体出口ノズルは、(ライン66a~66dと連通する)入口ノズル間の長い距離に設置される。これらの出口ノズルは、2つの近接した入口ノズルからの各相の全ての流れのために、サイズが決められる。
【0029】
[0041]マニフォルド分離器の蒸気出口には、任意選択で蒸気/液体係合解除デバイス94aおよび94bを伴う(または伴わない)出口ノズルが装備され得る。蒸気/液体係合解除デバイスは、単なる例として、メッシュパッド、羽根パック、または、限定ではないが、スイス国WinterthurのSulzer Chemtech社の、KNITMESH、KNITMESH V-MISTER、MELLACHEVRON、およびSHELL SWIRLTUBEを含む、当技術分野で公知である他のミスト除去デバイスであってよい。
【0030】
[0042]図4図9、および図10に示されるように、マニフォルド分離器の液体出口には、海上での適用または平坦ではない場所での据付けにおける動きを考慮して、任意選択で、モジュール分離器64の長手方向軸に対して垂直に、バッフル96aおよび96bの上に(またはバッフル96aおよび96bを伴わず)出口ノズルが設けられてよい。バッフル板96a、96bには、好ましくは全体的に矩形の切り抜き(図9の板96aにおける116で示される)が設けられ、バッフル板の両側に開いているノズル空間を提供する。
【0031】
[0043]図11および図12に示されるように、図3および図4の混合冷媒凝縮および分離システムは、液体サージドラム82を省略して構築され得る。このような実施形態において、液体集積ヘッダ76の底部を出るライン84は、液化熱交換器52の対応する通路に直接延びる。加えて、図12に示されるように、図4の分離入口デバイス92a~92dは、マニフォルド分離器64から省略され得る。図4の、ミスト除去デバイス94aおよび94b、ならびに液体バッフル96aおよび96bも、図12に示されるように、マニフォルド分離器64から省略され得る。
【0032】
[0044]上述のマニフォルド分離器ならびに混合冷媒凝縮および分離システムが内部で使用され得る、従来技術の例である混合冷媒圧縮システムは、図13に提示される。図13の圧縮システムにおいて、2つの別個のサービスまたはステージが存在する。第1のステージで、混合冷媒圧縮器の第1のセクション120の排出において、蒸気は冷却され、かつ部分的に凝縮され、次に、液化熱交換器の専用通路に放出される液体を用いて分離される。分離された蒸気は、混合冷媒圧縮器の第2のセクション122における、吸引口に放出される。第2のステージで、混合冷媒圧縮器の第2のセクション122の排出において、蒸気は冷却され、かつ部分的に凝縮され、次に、液化熱交換器の専用通路に各々放出される液体および蒸気を用いて分離される。図13の点線ブロック124および126内に位置された、従来技術の構成要素は、図1および図2を参照して上記で説明した。本開示に従い、図3および図4の構成要素(熱交換器52を除く)または図11および図12の構成要素(熱交換器52を除く)は、代わりに使用され、図13の点線ブロック124および126内の構成要素を提供し得る。
【0033】
[0045]図13は、液化処理の2つのステージの圧縮システムを対象にしているが、複数室の空冷式(または他のクーラント)凝縮器の後ろに蒸気-液体分離器が付く、任意のサービスに本開示のイノベーションが利用され得る。
【0034】
[0046]したがって、本開示のマニフォルド分離器の上記の実施形態は、凝縮器の全長に沿った、複数入口、複数出口の水平分離器(示された実施形態においては空冷の列)として役立つ。基本的に、マニフォルド分離器は、従来の混合冷媒蓄積器の分離機能を実行し、その一方で混合冷媒液体サージドラムは、従来の混合蓄積器の液体貯蔵機能を実行する。
【0035】
[0047]マニフォルド分離器64の大きさおよび方向付けは、図3図4、および11、図12に示されるものから変化し得る。例えば、マニフォルド分離器の水平方向全長は、凝縮器の水平方向全長よりも長くても、または短くてもよく、および/またはマニフォルド分離器の長手方向軸は、凝縮器の列の長手方向軸に平行であってよく、または平行でなくてもよい。
【0036】
[0048]図1および図2のシステムと同じか、または類似の、蒸気/液体分離を実現する一方で、上述の本発明の実施形態におけるいくつかの利益は、以下のとおりである。1)プロットレイアウトを簡略化できる。2)混合冷媒圧縮回路における圧力低下を軽減でき、それによって圧縮電力要求を低減できる。3)合計のシステム金属重量およびコストを低減できる。4)混合冷媒液体サージドラムを保冷ボックスの内側に容易に設置できる。
【0037】
[0049]本開示の好ましい実施形態を示し、説明してきた。変形および変更が、本開示の趣旨から逸脱することなく成され得ることを、当業者は理解されたい。本開示の範囲は、以下の特許請求の範囲によって定義される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13